伴侶動物学 2年次/ 2 単位 必修 後期 甲斐 藏【教授】 学科・クラス 動物資源科学科の学生を優先とし、他学科学生の受講は講義室の収容人数を上限とする。 指 定 等 人との緊密な関係のもとで過ごす動物は伴侶動物(コンパニオンアニマル)とよばれる。本講義では、人間との関係が密で、長い歴史をともに過ごしてき た犬を中心に、身の回りの動物を対象にして広範囲な事象について解説する。ペットとよばれる哺乳類および鳥類動物に属する動物も対象として講義する 。それぞれの動物種のからだの構造、その特徴、および行動について解説する。これらの動物を飼育するにあたり、法的、および動物に配慮したアニマル 学習目標 ウエルフェアに基づく対応を遵守する必要があることから、これについても本講義の内容となる。動物と快適に暮らすためには、共通感染症を学ぶことも 必要であり、歴史的、文化的側面も本講義で扱う。 学習目標として、以上の講義内容を十分に理解できること。 学 び の 伴侶動物、コンパニオンアニマル、エキゾチックアニマル、ペット、犬、猫、哺乳類、鳥類、アニマルウエルフェア、人獣共通感染症、法律、条例、動物 の愛護及び管理に関する法律、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準 キーワード 準備学習及び復習 の内容・履修条件 伴侶動物は高等学校等での「生物」では取り扱われていないので、高校で学習していないことを前提に授業を行う。図書館の関連図書および事前に配付す るプリントにより予習をしておくことが望ましい。 講義内容を確認し,復習すること。 作成したパワーポイントによるスライドやプリントを中心に解説・講義する。さらに、参考書等の資料も用い、配布したプリントを補足しながら授業を行 う。 授業方法 講義の中で行う小テストや期末試験による総合評価。各項目に関して基本概念を理解していれば合格(60点) 成績評価 基 準 備 考 参考書:イヌの動物学(猪熊壽著, 東大出版会)、ネコの動物学(大石孝雄著, 東大出版会)、猫を科学する(紺野耕著、養賢堂)、犬の遺伝学(尾 形聡子著、誠文堂新光社) オフィスアワー:いつでも研究室を訪問してください。 回 数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 授 業 内 容 「伴侶動物」とはなにかについての基本的概念について学ぶ。 コンパニオンアニマルとペット動物との違いについて、歴史の中での人間との関わりを含 めて、考える。伴侶動物とともに生活するに際しての基本的関わりについて解説する。 犬と人間との関係について歴史的側面から探る。人間の身近にいる動物で最も人間と暮らしてきた犬の歴史について学ぶ。犬の起源を探る研究について解 説する。 イヌ : 品種の特徴と品種間の形態的相違について解説する(その1)。人間が改良してきたさまざまな品種の犬が存在し、それらは人間の生活のさまざ まな面で人間を助けてきた。その関係について解説する。 イヌ : 品種の特徴と品種間の形態的相違について解説する(その2)。これまでの人間との生活の中で改良されてきた犬は人間との新たな関係の中で利 用される。品種の特徴と性格上の相違と人間との関係からみた犬の役割について解説する。 ネコ : 品種の特徴と品種間の形態的相違について解説する(その1)。人間が改良してきたさまざまな品種の猫が存在し、それらは人間の生活のさま ざまな面で人間とともに生活をしてきた。その関係について解説する。 エキゾチックアニマル : 犬と猫以外のペットとして飼育される小動物たちはエキゾチックアニマルともよばれる。ペットとして飼育されることが多い 、哺乳類や鳥類に属する動物について系統分類学的側面を含めて解説する。 身の回りで飼育される動物達 哺乳類動物(その1) や飼育する上での注意点について解説する。 : ネズミ目(キヌゲネズミ、ネズミ、テンジクネズミ、デグー科)に属する動物の生物学的特徴 身の回りで飼育される動物達 ついて解説する。 哺乳類動物(その2) : ウサギ目(ウサギ)、ウマ目(ウマ)に属する動物の生物学的特徴や飼育する上での注意点に 身の回りで飼育される動物達 解説する。 鳥類動物(その1) : オウム目(オウム科とインコ科)に属する動物の生物学的特徴や飼育する上での注意点について 身の回りで飼育される動物達 鳥類動物(その2) : キジ目(ニワトリ、ウズラ)、スズメ目(カナリア、ブンチョウ、ジュウシマツ)に属する動物 の生物学的特徴や飼育する上での注意点について解説する。 アニマルウエルフェア : 動物を飼育するにあたり考慮すべき事項(その1)。アニマルウエルフェアの概念およびその領域についての説明。5つの自由 (飢えと渇き、不快、痛み・けが・病気、恐怖や苦悩、正常な行動)について解説する。 アニマルウエルフェア : 動物を飼育するにあたり考慮すべき事項(その2)。その動物に対応した行動と飼育環境について考える。異常行動としての転 位、非正常、常同行動について解説しする。 人獣共通感染症(動物由来感染症)。人獣共通感染症は、脊椎動物と人の間で自然に移行するすべての病気または感染であり、直接および間接に伝播する 。病原体にはウイルス、細菌、寄生虫などがあり、それらについて解説する。 動物飼育に関連する法律等 : 動物を飼育するにあたっては、「動物の愛護及び管理に関する法律」にしたがう必要があり、また伴侶動物(家庭動物) に対しては、「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」などがあることを解説する。 動物と人間との関わりあいについて文化的側面から考える。日本で伴侶動物や身の回りの動物として改良、飼育されてきた哺乳動物(日本犬、在来馬)、 鳥類動物(矮鶏、十姉妹、文鳥)について解説する。
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