Systemwalker Operation Manager 活用ガイド

Systemwalker Operation Manager
活用ガイド
UNIX/Windows(R)共通
J2X1-7511-01Z0(00)
2009年12月
まえがき
本書の目的
本書は、以下のバージョンにおいて、Systemwalker Operation Managerの機能を「やりたいこと」から引けるよう目的別に構成され、目
的から必要な設定や手順を知ることができるようになっています。また、目的別マニュアルとして利用できるだけでなく、便利な使い方
についても知ることができます。
・ Systemwalker Operation Manager V13.0.0
・ Systemwalker Operation Manager V13.1.0
・ Systemwalker Operation Manager V13.2.0
・ Systemwalker Operation Manager V13.3.0
・ Systemwalker Operation Manager V13.3.1
本書は、以下のSystemwalkerのホームページで最新版が提供されます。
最新版をご確認のうえ、ご利用ください。
・ http://systemwalker.fujitsu.com/jp/man/
本書の読者
本書は、Systemwalker Operation Managerの導入や運用設計をされる方、およびSystemwalker Operation Managerを使用してスケジュー
ル、操作、監視、管理する方を対象にしています。
本書を読む場合、OSやGUIの一般的な操作方法をご理解の上でお読みください。
本書の読み方
本書は、目的のタイトルの節だけを読めば、とりあえず「やりたいこと」ができる手順が書かれています。必要に応じて、各節に記載され
た“マニュアルの参照先”もお読みください。
略語表記について
・ 以下の製品すべてを示す場合は、“Windows Server 2008”と表記します。
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Standard(x86)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Enterprise(x86)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Datacenter(x86)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Standard without Hyper-V(TM) (x86)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Enterprise without Hyper-V(TM)(x86)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Datacenter without Hyper-V(TM)(x86)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Foundation(x64)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Standard(x64)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Enterprise(x64)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Datacenter(x64)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Standard without Hyper-V(TM)(x64)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Enterprise without Hyper-V(TM)(x64)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 Datacenter without Hyper-V(TM)(x64)
-i-
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 for Itanium-Based Systems
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2 Foundation(x64)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2 Standard(x64)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2 Enterprise(x64)
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2 Datacenter(x64)
・ 以下の製品すべてを示す場合は、“Windows Server 2003 STD”と表記します。
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Standard x64 Edition
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Standard Edition
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Standard x64 Edition
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Standard Edition
・ 以下の製品すべてを示す場合は、“Windows Server 2003 DTC”と表記します。
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Datacenter x64 Edition
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Datacenter Edition
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Datacenter x64 Edition
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Datacenter Edition for Itanium-based Systems
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Datacenter Edition
・ 以下の製品すべてを示す場合は、“Windows Server 2003 EE”と表記します。
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Enterprise x64 Edition
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Enterprise Edition
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise x64 Edition
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise Edition for Itanium-based Systems
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise Edition
・ 以下の製品すべてを示す場合は、“Windows(R) 2000”と表記します。
- Microsoft(R) Windows(R) 2000 Professional
- Microsoft(R) Windows(R) 2000 Server
- Microsoft(R) Windows(R) 2000 Advanced Server
- Microsoft(R) Windows(R) 2000 Datacenter Server
・ 以下の製品すべてを示す場合は、“Windows NT(R)”と表記します。
- Microsoft(R) Windows NT(R) Server network operating system Version4.0
- Microsoft(R) Windows NT(R) Workstation operating system Version4.0
・ 以下の製品すべてを示す場合は、“Windows(R) 7”と表記します。
- Windows(R) 7 Home Premium(x86)
- Windows(R) 7 Professional(x86)
- Windows(R) 7 Enterprise(x86)
- Windows(R) 7 Ultimate(x86)
- Windows(R) 7 Home Premium(x64)
- Windows(R) 7 Professional(x64)
- Windows(R) 7 Enterprise(x64)
- ii -
- Windows(R) 7 Ultimate(x64)
・ 以下の製品すべてを示す場合は、“Windows Vista(R)”と表記します。
- Windows Vista(R) Home Basic(x86)
- Windows Vista(R) Home Premium(x86)
- Windows Vista(R) Business(x86)
- Windows Vista(R) Enterprise(x86)
- Windows Vista(R) Ultimate(x86)
- Windows Vista(R) Home Basic(x64)
- Windows Vista(R) Home Premium(x64)
- Windows Vista(R) Business(x64)
- Windows Vista(R) Enterprise(x64)
- Windows Vista(R) Ultimate(x64)
・ 以下の製品すべてを示す場合は、“Windows(R) XP”と表記します。
- Microsoft(R) Windows(R) XP Professional x64 Edition
- Microsoft(R) Windows(R) XP Professional
- Microsoft(R) Windows(R) XP Home Edition
・ Microsoft(R) Windows(R) Millennium Editionを“Windows(R) Me” と表記します。
・ Microsoft(R) Windows(R) 98 operating systemを“Windows(R) 98” と表記します。
・ 以下のすべての製品上で動作する固有記事を“Windows Server 2003 STD(x64)”と表記します。
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Standard x64 Edition
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Standard x64 Edition
・ 以下のすべての製品上で動作する固有記事を“Windows Server 2003 DTC(x64)”と表記します。
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Datacenter x64 Edition
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Datacenter x64 Edition
・ 以下のすべての製品上で動作する固有記事を“Windows Server 2003 EE(x64)”と表記します。
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 R2, Enterprise x64 Edition
- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise x64 Edition
・ 以下の製品上で動作する固有記事を“Windows(R) 2000 Server”と表記します。
- Microsoft(R) Windows(R) 2000 Server operating system
・ 以下の製品上で動作する固有記事を“Windows(R) XP x64”と表記します。
- Microsoft(R) Windows(R) XP Professional x64 Edition
・ Windows上、Itaniumに対応したWindows上で動作するSystemwalker Operation Managerを“Windows版 Systemwalker Operation
Manager”または“Windows版”と表記します。
・ Itaniumに対応したWindows上で動作するSystemwalker Operation Managerの固有記事を“Windows for Itanium版”と表記します。
・ Itanium以外の64ビットアーキテクチャに対応したWindows上で動作するSystemwalker Operation Managerの固有記事を“Windows
x64版”と表記します。
・ Windows(R) 2000、Windows Server 2003 STD/Windows Server 2003 DTC/Windows Server 2003 EE、およびWindows Server 2008
を、“Windowsサーバ”と表記している箇所があります。
・ Solaris(TM) オペレーティングシステムを“Solaris”と表記します。
- iii -
・ Solaris上で動作するSystemwalker Operation Managerを“Solaris版 Systemwalker Operation Manager”または“Solaris版”と表記し
ます。
・ UXP/DS上で動作するSystemwalker Operation Managerを“DS版 Systemwalker Operation Manager”または“DS版”と表記します。
・ HP-UX上で動作するSystemwalker Operation Managerを“HP-UX版 Systemwalker Operation Manager”または“HP-UX版”と表記
します。
・ AIX上で動作するSystemwalker Operation Managerを“AIX版 Systemwalker Operation Manager”または“AIX版”と表記します。
・ Linux上、Itaniumに対応したLinux上で動作するSystemwalker Operation Managerを“Linux版 Systemwalker Operation Manager”
または“Linux版”と表記します。
・ Itaniumに対応したLinux上で動作するSystemwalker Operation Managerの固有記事を“Linux for Itanium版”と表記します。
・ Itanium以外の64ビットアーキテクチャに対応したLinux版で動作するSystemwalker Operation Managerの固有記事を“Linux x64
版”と表記します。
・ Solaris版、DS版、HP-UX版、AIX版、Linux版およびLinux for Itanium版のSystemwalker Operation Managerを包括して、“UNIX版
Systemwalker Operation Manager”または“UNIX版”と表記します。
・ Solaris、HP-UX、AIX、Linux、およびUXP/DSを、“UNIXサーバ”と表記している箇所があります。
・ Systemwalker Operation Manager Standard Editionを“SE版”と表記している箇所があります。
・ Systemwalker Operation Manager Enterprise Editionを“EE版”と表記している箇所があります。
・ Systemwalker Operation Manager Global Enterprise Editionを“GEE版”と表記している箇所があります。
・ Standard EditionをSE、Enterprise EditionをEE、Global Enterprise EditionをGEEと表記している箇所があります。
・ BrightStor(R) ARCserve(R) Backup for Windowsを、ARCserveと表記します。
・ Windows NT(R)で標準に提供されているMicrosoft(R)-MailをMS-Mailと表記します。
マニュアル名の省略について
本書で参照するSystemwalker Operation Managerのマニュアルについては、正式名称から製品名およびバージョン表記を省略してい
る箇所があります。
例えば、“Systemwalker Operation Manager 解説書”、“Systemwalker OperationMGR 解説書”、“SystemWalker/OperationMGR 解説
書”、“SystemWalker/OperationMGR V5.0 解説書”は、“解説書”と表記しています。
対象バージョンの表記について
本書の対象バージョンの表記に対応する、製品の対象バージョンは以下のとおりです。
本書の対象バージョンの表記
対象バージョン
V13.0.0
Windows版/Windows for Itanium版 V13.0.0 Solaris版 V13.0.0 Linux
版/Linux for Itanium版 V13.0.0 HP-UX版 V13.0.0
V13.1.0
Windows版/Windows for Itanium版 V13.1.0
V13.2.0
Windows版/Windows for Itanium版 V13.2.0 Solaris版 V13.2.0 Linux
版/Linux for Itanium版 V13.2.0 HP-UX版 V13.2.0 AIX版 V13.2.0
V13.3.0
Windows版/Windows for Itanium版 V13.3.0 Solaris版 V13.3.0 Linux
版/Linux for Itanium版 V13.3.0 HP-UX版 V13.3.0 AIX版 V13.3.0
V13.3.1
Windows版/Windows for Itanium版 V13.3.1 Solaris版 V13.3.1 Linux
版/Linux for Itanium版 V13.3.1 HP-UX版 V13.3.1 AIX版 V13.3.1
コマンド/JCLで使う記号について
コマンド、JCLの例で使用している記号について以下に説明します。
- iv -
記述例
[PARA={a|b|c}…]
記号の意味
記号
意味
[]
この記号で囲まれた項目を省略できることを示します。
{}
この記号で囲まれた項目の中から、どれか1つを選択することを示します。
_
省略可能記号“[ ]”内の項目をすべて省略したときの省略値が、下線で
示された項目であることを示します。
|
この記号を区切りとして並べられた項目の中から、どれか1つを選択する
ことを示します。
…
この記号の直前の項目を繰り返して指定できることを示します。
Windows版とUNIX版の固有記事について
本書は、Windows版、UNIX版共通に記事を掲載しています。Windows版のみの記事、UNIX版のみの記事は、以下のように記号を
つけて共通の記事と区別しています。
タイトル【Windows版】
タイトル、小見出しの説明部分全体が、Windows版固有の記事です。
タイトル【UNIX版】
タイトル、小見出しの説明部分全体が、UNIX版固有の記事です。
本文中でWindows版とUNIX版の記載が分かれる場合は、“Windows版の場合は~”“UNIX版の場合は~”のように場合分けして説
明しています。
商標について
APC、PowerChuteは、AMERICAN POWER CONVERSION社の登録商標です。
BrightStor、ARCserveは、Computer Associates International, Inc.またはその関連会社の登録商標または商標です。
HP-UXは、米国Hewlett-Packard社の登録商標です。
IBM、AIX、AIX 5L、ViaVoiceは、IBM Corp.の商標です。
Intel、Itaniumは、米国およびその他の国におけるIntel Corporationまたはその子会社の登録商標または商標です。
LaLaVoice は、株式会社東芝の商標です。
Linuxは、Linus Torvalds氏の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
MC/ServiceGuardは、Hewlett-Packard Companyの製品であり、著作権で保護されています。
Microsoft、MS、Windows、Windows Server、Windows NTおよびMicrosoft Cluster Serviceは、米国Microsoft Corporationの米国およ
びその他の国における登録商標または商標です。
NEC、SmartVoiceは、日本電気株式会社の商標または登録商標です。
Netscape、Netscape の N および操舵輪のロゴ、Netscape Navigator、Netscape Communicatorは、米国およびその他の国における
Netscape Communications Corporation 社の登録商標です。
Oracleは、米国ORACLE Corporationの登録商標です。
Red HatおよびRed Hatをベースとしたすべての商標とロゴは、Red Hat, Inc.の米国およびその他の国における登録商標または商標で
す。
Sun、Sun Microsystems、Sunロゴ、Solaris およびすべてのSolarisに関連する商標およびロゴ、JavaおよびすべてのJava関連の商標お
よびロゴは、米国およびその他の国における米国Sun Microsystems, Inc.の商標または登録商標であり、同社のライセンスを受けて使
用しています。
-v-
R/3およびSAPは、SAP AGの登録商標です。
Tcl/Tkは、カリフォルニア大学、Sun Microsystems,Inc.、Scriptics社他が作成したフリーソフトです。
UNIXは、米国およびその他の国におけるオープン・グループの登録商標です。
UXP、Systemwalker、Interstage、GLOVIAは富士通株式会社の登録商標です。
VMware、VMwareロゴ、Virtual SMPおよびVMotionはVMware,Incの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
ショートメールは、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下NTTドコモ)の登録商標です。
その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。
Microsoft Corporationのガイドラインに従って画面写真を使用しています。
平成21年12月
改版履歴
平成21年12月 初版
Copyright 1995-2009 FUJITSU LIMITED
- vi -
目 次
第1章 設計編.............................................................................................................................................................................1
1.1 毎週○曜日にジョブネットを起動したい.............................................................................................................................................1
1.2 起動日の微調整をしたい....................................................................................................................................................................3
1.3 変更した休日情報を、○月○日以降のジョブネットの起動日だけに反映したい............................................................................5
1.4 前のジョブネットの終了を待ち合わせて起動するようジョブネット単位でスケジュールしたい.........................................................6
1.5 日によってジョブネットのフロー構成を変えたい..............................................................................................................................11
1.6 ジョブネットの起動日を第○営業日と指定したい............................................................................................................................14
1.7 ジョブが終了するのを待ってシステムのシャットダウンをスケジュールしたい【Windows版】..........................................................15
1.8 特定のユーザの権限でジョブを起動させたい【Windows版】.........................................................................................................17
1.9 ジョブを自動的に負荷の少ないサーバに分散して実行させたい...................................................................................................19
1.10 クラスタ構成の待機系のノードでジョブを実行させたい................................................................................................................22
1.11 サーバがダウンした場合に自動的に別サーバにジョブを再投入させたい..................................................................................23
第2章 運用・監視編..................................................................................................................................................................28
2.1 異常終了したジョブネットの対処をしたい........................................................................................................................................28
2.2 次のオペレータに申し送り事項を伝えたい.....................................................................................................................................30
2.3 いつ、誰が、どこから、どのような操作をしたのか確認したい..........................................................................................................32
- vii -
第1章 設計編
1.1 毎週○曜日にジョブネットを起動したい
以下のようにジョブネットの起動日を設定したい場合について説明します。
・ 起動日:毎週月曜日~金曜日、毎月1日
ここでは、上記のような起動日パターンを“営業1”という起動日雛形として登録し、その雛形をジョブネットの起動日に設定する方法に
ついて説明します。起動日の雛形を作っておくと、同じような起動日パターンを他のジョブネットにも設定したいときに流用できるので
便利です。
手順
起動日の雛形を使って起動日を設定する場合、
a. 起動日の雛形を作成
b. ジョブネットの起動日を設定(a.で作成した起動日雛形を利用)
という手順になります。
a. 起動日の雛形を作成します
1. [起動日雛形情報]ウィンドウの表示
Systemwalker Operation Managerウィンドウーの[ツール]メニューから[起動日雛形]を選択すると、[起動日雛形情報の選
択]ウィンドウが表示されます。[起動日雛形情報の選択]ウィンドウで[新規作成]ボタンをクリックします。
2. 起動日の指定
表示された[起動日雛形情報]ウィンドウで、起動日を設定します。
1. すべての月に有効にするため、右上にある[毎月]チェックボックスをチェックします。
-1-
2. 任意の月の曜日欄“月”の上で左マウスをクリックし、同じ列にある曜日欄“金”の上でSHIFTキーを押しながら左マ
ウスをクリック(範囲選択)します。選択状態となった曜日の上で右マウスクリックし、プルダウンメニューより[起動日]を
選択します。この操作で、毎月各週の月~金曜日を起動日とすることができます。
3. 任意の月の“1”の上で左マウスをクリックします。選択状態となった“1”の上で右マウスクリックし、プルダウンメニューより
[起動日]を選択します。
3. 起動日雛形の登録
[ファイル]メニューから[名前を付けて保存]を選択すると、[名前を付けて保存]ウィン
ドウが表示されます。[起動日雛形名]に“営業1”と入力し、[保存]ボタンをクリックします。
以上で、毎月月曜日から金曜日までと毎月1日を起動日とする“営業1”起動日雛形の作成が完了です。
b. ジョブネットの起動日を設定します
1. [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[起動日:起動日雛形基準]シートの表示
起動日を設定したいジョブネットを選択して右クリックし、表示されたポップアップメニューから[プロパティ]を選択します。
表示された[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウの[起動日]シートを選択し、[基準情報]から[起動日雛形]を選択します。
2. 起動日雛形の指定
表示された[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[起動日:起動日雛形基準]シートで、以下を指定します。
- [起動日雛形基準]で[営業1]を選択
ポイント
起動日の基本的な設定は[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウで行います
ジョブネットの起動日を設定できるウィンドウは以下のとおり複数ありますが、どのウィンドウで設定したかにより、設定した起動日の扱わ
れ方が異なります。
起動日を半永久的に設定できるのは、[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[起動日]シートで設定した起動日だけです。
パターン化できない起動日を個別に設定したい場合(例えば、12月20日というように特定の日のみ起動したい場合など)に利用するのが
[起動日]ウィンドウや[運用予定]ウィンドウです。ただし、あくまでも微調整するためのウィンドウなので、半永久的な起動日の設定はで
きません。
起動日を設定できるウィンドウ
用途
設定した起動日について
[ジョブネットのプロパティ]
ウィンドウ([起動日]シート)
基本的な起動日の設定に利用
半永久的に設定される
[起動日]ウィンドウ
ジョブネット単体での起動日の確認・
設定(微調整)
特異日(※)として扱われる
[運用予定]ウィンドウ
全ジョブネットの起動日をまとめて確
認・設定(微調整)
特異日(※)として扱われる
※ 特異日とは
[起動日]ウィンドウまたは[運用予定]ウィンドウで設定した起動日です。カレンダや起動日を変更したタイミングでクリアされることが
あります。詳細は、“1.2 起動日の微調整をしたい”を参照してください。
マニュアルの参照先
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “ジョブネット情報を設定する”“起動日を登録する”
-2-
1.2 起動日の微調整をしたい
起動日の微調整には、以下のウィンドウを利用します。
・ [起動日]ウィンドウ
・ [運用予定]ウィンドウ
それぞれの利用シーンは以下のとおりです。
[起動日]ウィンドウ
ジョブネット単体の起動日を確認・微調整したい場合
[運用予定]ウィンドウ
全ジョブネットの起動日をまとめて確認・微調整したい場合
なお、[起動日]ウィンドウまたは[運用予定]ウィンドウで設定された起動日は“特異日”となります。特異日は、カレンダや起動日を変更
したタイミングでクリアされることがあるので注意が必要です。
[起動日]ウィンドウ
任意のジョブネットを1つだけ指定し、カレンダ形式で起動日を確認できます。カレンダの日付をクリックして、起動日/非起動日を設定
できます。
ただし、現在の年を含めて3年分までしか設定できません。
例えば、2009年6月に起動日の設定を行った場合、起動日を設定できるのは
・ 2009年(今年)
・ 2010年(来年)
・ 2011年(再来年)
の3年分になります。
手順
1. [起動日]ウィンドウの表示
以下のいずれかの操作によって、[起動日]ウィンドウを表示します。
- 業務選択ウィンドウで対象ジョブネットを選択して右クリックし、表示されたポップアップメニューから [起動日]を選択
- [ジョブネットの管理]ウィンドウで対象ジョブネットを選択して右クリックし、表示されたポップアップメニューから[起動日]を
選択
2. 起動日の調整
表示された[起動日]ウィンドウで、変更したい日付/曜日を左マウスクリックで選択し、右クリックで表示されたプルダウンメニュー
より起動日/非起動日を選択します(ダブルクリックでも起動日/非起動日が変更できます)。
-3-
[運用予定]ウィンドウ
登録したすべてのジョブネットの起動スケジュールを、一覧で確認・調整できます。変更したいジョブネットの該当する日付をクリックし、
起動日/非起動日を設定できます。
他のジョブネットのスケジュールと見比べながら負荷がかかる日を調整したり、全体の運用スケジュールを確認しながら調整できます。
手順
1. [運用予定]ウィンドウの表示
業務選択ウィンドウで対象プロジェクトを選択し、[ツール]メニューから[運用予定]を選択します。
2. 起動日の調整
表示された[運用予定]ウィンドウで変更対象ジョブネットの日付をクリックし、起動日/非起動日を変更します。
ポイント
特異日がクリアされる場合と特異日のクリアを抑止できる場合
[起動日]ウィンドウや[運用予定]ウィンドウで個別に設定した起動日は特異日と呼ばれ、以下の操作を行った場合に、特異日がクリア
されます(対象となるジョブネットの起動日が再作成されます)。
ただし、下表の“再作成の抑止”に“○”がついている場合については、起動日再作成の抑止機能を利用することで、起動日の再作成
や特異日のクリアを抑止できます。
特異日がクリアされる場合
再作成の抑止
ジョブネットが参照している休日カレンダを変更した場合 ※
○
ジョブネットが参照している起動日雛形を変更した場合
○
[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウで以下のシートを変更した場合(ジョブネット制御
文を利用して該当のオペランドを変更した場合も含む)
×
・[起動日]シート
・[カレンダ]シート
・[運用期間]シート
ジョブネットが他の基準ジョブネットを参照している場合に、その基準ジョブネットの
起動日が変更された場合
×
[カレンダ]のみをポリシー配付した場合
○
※ 特異日がクリアされないようにするためには、再作成の抑止機能を利用する他に、反映開始日を指定
することで反映開始日まで再作成を抑止することも可能です。
詳細については“1.3 変更した休日情報を、○月○日以降のジョブネットの起動日だけに反映したい”
を参照してください。
起動日の再作成を抑止するには
起動日再作成の抑止機能を利用して、起動日の再作成を抑止します。[起動日再作成の抑止]の初期値は、指定していない状態で
す。
-4-
1. [ジョブスケジューラ起動パラメタの定義]ウィンドウ-[利用機能2]シートの表示
[Systemwalker Operation Manager環境設定]ウィンドウの[起動パラメタ]ボタンをクリックします。表示された[ジョブスケジューラ起
動パラメタの定義]ウィンドウから[利用機能2]シートを選択します。
2. [起動日再作成の抑止]の指定
表示された[ジョブスケジューラ起動パラメタの定義]ウィンドウの[利用機能2]シートで[起動日再作成の抑止]をチェックします。
3. ジョブスケジューラサービス/デーモンの再起動
ジョブスケジューラサービス/デーモンを再起動します。
マニュアルの参照先
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “起動日を登録する”“起動日(登録済)を調整する”
1.3 変更した休日情報を、○月○日以降のジョブネットの起動日だけに反
映したい
以下のような休日カレンダAがあり、ジョブネットAはカレンダAを参照しています。
現在: 毎日 運用日
カレンダA
↓(変更作業日:3/15)
毎月20日を休日に変更
ジョブネットA
・カレンダAを参照
・カレンダで休日となっている日は非起動
カレンダAの変更時(3/15)に、カレンダAを参照しているジョブネットAに即日反映させるのではなく、4/1から反映させたい場合には、カ
レンダAの変更時に反映開始日を指定します。
反映開始日に4/1を指定すると、カレンダAを参照しているジョブネットAの起動日は3月末までそのままとなるので毎日起動されます。
反映開始日の4/1からは、変更された休日カレンダAを参照するので毎月20日が非起動日になります。
なお、3月中は変更されたカレンダAの休日情報が反映されないので、3/20は休日起動日となります。
-5-
手順
参考
カレンダAを参照しているジョブネットが他にも存在している場合
反映開始日は、カレンダ保存時にカレンダAを参照しているすべての既存ジョブネットに対して有効となります。どのジョブネットに影響
があるか、事前に確認しておくことをお勧めします。
影響のあるジョブネットを確認するには?
変更した休日カレンダを保存する前に、[カレンダの登録]ウィンドウで変更対象のカレンダを選択して右クリックし、表示されたポップ
アップメニューから[使用状況]をクリックすると、[カレンダ使用状況]ウィンドウが表示されます。変更する休日カレンダを参照している
ジョブネットの一覧が表示されるので、影響のあるジョブネットを確認できます。
1. 変更したカレンダの保存
カレンダAの休日情報を変更したあと、[カレンダの登録]ウィンドウの[ファイル]メニュー-[保存]を選択します。
2. 反映開始日の設定
表示された[カレンダの保存]ウィンドウの[反映開始日]をチェックし、カレンダAの休日情報をジョブネットAの起動日へ反映する日付
(4月1日)を指定し、[上書き保存]で保存します。
マニュアルの参照先
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “カレンダの反映開始日を設定する”
1.4 前のジョブネットの終了を待ち合わせて起動するようジョブネット単位で
スケジュールしたい
先行するジョブネットが終了したのを待ち合わせて後続のジョブネットを起動させるよう、ジョブネット単位で順番にスケジュールしたい
場合には、以下の方法があります。
・ ジョブネットの階層化
-6-
・ メッセージ事象で連携
・ ジョブネットのグループ化
ポイント
どの方法が良いか迷ったら・・・
ジョブネット単位でスケジュールしたい場合には、制約が少なく、フローで視覚的に先行後続関係を編集、確認できて分かりやすい、
ジョブネットの階層化がおすすめです。
ジョブネットの階層
化
メリット
デメリット
フローで視覚的に先行後続関係を編
集・確認できる。
子ジョブネットに対して、メッセージ起動や時刻起
動は設定できないため、メッセージ待ちや時刻待
ちで待ち合わせることができない。
フローの順にそのまま実行されるので、
動作状況が把握しやすい。
メッセージ事象連
携
プロジェクトをまたがった連携や、他シ
ステムとの連携が可能。
ジョブネットの動作状況が確認しにくく、メッセー
ジ事象のクリア操作で運用が煩雑になりやすい。
グループ化
フローで視覚的に先行後続関係を編
集・確認できる。
1日1回起動するジョブネットの集合体で、日によっ
て(例えば週次、月次)実行するジョブネットの構
成を変化させたい場合を想定した機能のため制
約が多い。
グループ内ジョブネットに対して、メッ
セージ起動や時刻起動の設定ができ
る。
ジョブネットの階層化
ジョブネット(親ジョブネット)の中に別のジョブネット(子ジョブネット)を登録できます。登録された子ジョブネットは、親ジョブネット内で視
覚的にフローでスケジュールできるため、先行ジョブネットから後続のジョブネットに接続線をひくだけで、先行ジョブネットの終了を待
ち合わせて後続ジョブネットを起動するようスケジュールできます。
後続ジョブネットの起動条件
先行ジョブネット(子ジョブネット)の終了
-7-
手順
1. [ジョブネットの新規作成]ウィンドウで子ジョブネットを作成。
2. [ジョブネットの新規作成]ウィンドウで親ジョブネットを作成。
3. 親ジョブネットの[ジョブネットの新規作成]ウィンドウで、子ジョブネットをジョブとして登録し、子ジョブネット間の先行後続関係
をフローで編集。
ジョブネット、子ジョブネットになるための条件
- 親ジョブネットの条件
- ジョブ実行制御属性である
子ジョブネットの条件(すべて満たしていること)
- 親ジョブネットと同じプロジェクトである
- ジョブ実行制御属性である
- [起動条件]は[なし]
- 他ジョブネットの子ジョブネットになっていない
メッセージ事象連携
先行ジョブネットからメッセージを発生させ、後続のジョブネットではそのメッセージの受信を契機に起動するよう起動条件を設定する
ことで、メッセージによるジョブネット単位の連携ができます。
-8-
後続ジョブネットの起動条件
先行ジョブネットからのメッセージ受信
手順
1. 先行ジョブネットの最終ジョブの[登録-ジョブ]ウィンドウ-[基本情報]シートで、メッセージを発生させるjobschmsgeventコマ
ンドを登録。
2. 後続ジョブネットの[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウの[基本情報]シートおよび[メッセージ]シートで、起動条件が先行ジョ
ブネットのメッセージ受信になるよう設定。
-9-
ジョブネットの動作状況が確認しにくく、また、メッセージ事象のカウント方法やクリアのされかたが複雑なため、仕組みをよく理解し
たうえで利用してください。
グループ化
グループを作成するフロー上で、ジョブネットのアイコンを画面上で接続し、ジョブのフロー図を作成した方法と同様の操作方法で、視
覚的にフロー図を作成してスケジュールできます。
後続ジョブネットの起動条件
下記条件をすべて満たした場合
- 先行ジョブネットの正常終了
- 起動時刻の到来(起動時刻が有効の場合)
- メッセージ事象の起動条件が満たされた(メッセージ事象連携をしている場合)
なお、[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シートで指定した条件[電源未投入時の処置として電源投入時に起動]、および
[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセージ]シートで指定した条件[起動時刻の到来を待つ]は無視されます。
手順
1. 業務選択ウィンドウで、対象プロジェクトを選択して右クリックし、表示されたポップアップメニューから[新規作成]-[グルー
プ]を選択。
2. [グループの新規作成]ウィンドウでジョブネットを登録し、ジョブネット間の先行後続関係をフローで編集。
・ グループの起動は1日1回です
・ グループに登録するジョブネットの条件(すべて満たしていること)
- グループと同一プロジェクトである
- [起動条件]の[時刻起動]で、1日1回の起動時刻が登録されている
- メッセージ事象の起動条件として[ジョブネット実行中も有効]が指定されてない
- グループ内に同一のジョブネットが存在しない
- 他のグループに登録されていない
- 10 -
マニュアルの参照先
<ジョブネットの階層化>
Systemwalker Operation Manager 解説書 “こんなこともできます”の“ジョブネットを階層化する”
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “ジョブネットの階層化について”
<メッセージ事象連携>
Systemwalker Operation Manager 解説書 “こんなこともできます”の“イベント発生を起動契機とす
る”
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “ジョブネット情報を設定する”“メッセージ事象とジョ
ブネットの動作”
<グループ化>
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “グループに登録できるジョブネットについて” “グ
ループを登録する場合”
1.5 日によってジョブネットのフロー構成を変えたい
以下のような条件で、起動日の異なるジョブネットを待ち合わせて実行させたい場合は、運用日ごとに自動的にジョブネットのフロー構
成を変更できるジョブネットの階層化を利用します。
ジョブネット名
起動日
起動条件
ジョブネットA
毎日
-
ジョブネットB
毎月15日
-
ジョブネットC
毎日
ジョブネットA、ジョブネットBを待ち合わせ
ジョブネットの階層化とは、ジョブネットの中に別のジョブネットをジョブ(子ジョブネット)として登録できる機能です。
子ジョブネットにはそれぞれ起動日が設定でき、ジョブネット内ジョブと同様に接続線で先行後続関係をつけられるので、フロー図で簡
単に先行ジョブの終了を待ち合わせるようにスケジュールできます。
- 11 -
手順
1. 子ジョブネット(ジョブネットA、ジョブネットB、ジョブネットC)の作成
[業務選択]ウィンドウでプロジェクトを選択して右クリックし、表示されたポップアップメニューから[新規作成]-[ジョブネット]-
[ジョブ実行制御]を選択します。
表示された[ジョブネットの新規作成]ウィンドウで、子ジョブネットとなるジョブネットA、B、Cをそれぞれ作成します。
子ジョブネットの条件(以下をすべて満たしていること)
・ 親ジョブネットと同じプロジェクトである
・ ジョブ実行制御属性である
・ [起動条件]は[なし]である
- 12 -
・ 他ジョブネットの子ジョブネットになっていない
2. 子ジョブネットのプロパティの設定
[業務選択]ウィンドウで、1.で作成した子ジョブネットを選択して右クリックし、表示されたポップアップメニューから[プロパティ]を
選択します。表示された[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウで、作成した子ジョブネットの起動条件や起動日を、それぞれ以下
のように設定します。
起動条件を指定する
ジョブネットA、B、Cともに、[基本情報]シートの[起動条件]で[なし]を選択。
起動日を指定する
ジョブネットA、Cは、[起動日:毎年基準]シートで[毎日]ボタンをクリック。
ジョブネットBは、[起動日:毎月基準]シートで[基準情報]の[毎月]をチェック、[毎月基準]で15(日)を選択。
3. 親ジョブネット(ジョブネットP)の作成
[業務選択]ウィンドウで子ジョブネットと同じプロジェクトを選択して右クリックし、表示されたポップアップメニューから[新規作成]-
[ジョブネット]-[ジョブ実行制御]を選択します。
表示された[ジョブネットの新規作成]ウィンドウで、子ジョブネットを登録します。
親ジョブネットの条件
・ ジョブ実行制御属性であること
[ジョブネットの新規作成]ウィンドウのアイコン選択域からジョブネットを選択すると、子ジョブネット用の[登録-ジョブ]ウィンドウが
開きます。[基本情報]シートに、子ジョブネットとして登録可能な[ジョブネット一覧]が表示されるので、選択します。また、子ジョ
ブネットに起動日を指定しているので、[制御情報]シートの[起動日のみ有効]をチェックします。
ポイント
起動日指定の子ジョブネットは[起動日のみ有効]のチェックを忘れずに
[起動日のみ有効]のチェックは、子ジョブネットが非起動日にあやまって起動されることを防ぐための設定です。
基本的に、親ジョブネットが起動すると子ジョブネットも起動します。そのため、親ジョブネットの起動日に、非起動日の子ジョブ
ネットまで起動されないよう、子ジョブネットに起動日を設定した場合には、起動日を設定する通常の手順に加え[起動日のみ有
効]のチェックを忘れないようにしてください。
4. 子ジョブネットのフローを編集
[ジョブネットの新規作成]ウィンドウに配置した子ジョブネットに接続線をひき、先行後続関係を示すフロー図を編集します。
ジョブネットの階層化を利用した場合の動作
上記の例でジョブネットの階層化を利用した場合、以下のような構成になります。
- 13 -
階層化された子ジョブネットに起動日が設定されているので、運用日ごとにジョブネットの構成が変更され、毎月15日とそれ以外の日
で異なったスケジュールとなります。
毎月15日以外は、ジョブネットBの終了を待ち合わせるという条件は自動的に無効となります。
マニュアルの参照先
Systemwalker Operation Manager Systemwalker Operation Manager 解説書 “こんなこともできます”の“階
層化したジョブネットに起動日をつける” “ジョブネットの階層化について”
1.6 ジョブネットの起動日を第○営業日と指定したい
毎月第3営業日にジョブネットを起動させたい場合について説明します。
[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[起動日:営業日基準]シートでは、起動日として「第○営業日」と指定することができます。あらか
じめ設定しておいた休日カレンダから自動的に営業日をカウントしてくれるので、複雑なシフト処理を設定することなく、簡単に設定で
きます。
手順
あらかじめ休日カレンダを設定したうえで、以下の設定を行ってください。
- 14 -
1. [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[起動日:営業日基準]シートの表示
起動日を設定するジョブネットの[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[起動日]シートで、[基準情報]の[営業日]をチェックしま
す。
2. 起動日の指定
表示された[起動日:営業日基準]シートで、以下を設定します。
- [月初め日]で営業日の1日目とする日を指定
- [選択基準]で営業日を月初めから数えるか、月締め日から数えるかを指定
- [選択していない営業日]で[第3営業日]を指定して[追加]ボタンをクリック
休日などにより、設定した営業日の日付が前月度、来月度にかかったときに起動日とさせたくない場合には、[月度内の営業日
のみを起動日とする]をチェックしておきます。
マニュアルの参照先
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “ジョブネット情報を設定する”
1.7 ジョブが終了するのを待ってシステムのシャットダウンをスケジュールし
たい【Windows版】
ジョブが終了するのを待ってシステムを自動的にシャットダウンするようスケジュールしたい場合は、終了処理ジョブネットを作成し、ジョ
ブスケジューラに登録します。終了処理ジョブネットは、実行後、シャットダウン出口(プログラム)を呼び出すようになっています。呼び
出されたシャットダウン出口では、待ち合わせ終了通知コマンドで“待ち合わせ終了通知”を発行し、シャットダウン処理を行います。
注意
ジョブから直接システムを終了させないでください
OSのshutdownコマンドをジョブの定義に直接設定して実行するなど、Systemwalker Operation Managerのジョブから直接システムを
シャットダウンさせないでください。
- 15 -
手順
終了処理ジョブネットとシャットダウン出口を作成し、待ち合わせ終了通知の設定をします。
終了処理ジョブネットは作成します。シャットダウン出口は標準提供されているので、必要な部分のみ編集して利用できます。
1. プロジェクトの登録
ジョブスケジューラサービスのログオンアカウントに指定されているユーザ名と同じ名前のプロジェクトを登録します。(すでに登
録されている場合、本手順は不要です。)
なお、ジョブスケジューラサービスのログオンアカウントは以下の方法で確認できます。
- [コントロールパネル]の[サービス]ダイアログボックスで“Systemwalker MpJobsch”サービスのアカウントを確認
2. 終了ジョブネット(JSHENDまたはJSHFORCE)の登録
通常のジョブネットと同様に、ジョブネットの登録ウィンドウで終了処理ジョブネットを作成します。作成した終了ジョブネットのジョ
ブネット名には、用途に応じて以下のいずれかを登録します。(“ジョブネット名称”ではなく、必ず“ジョブネット名”に登録してく
ださい。)作成した終了ジョブネットは、1.のプロジェク配下に登録します。
JSHEND:
終了処理ジョブネット起動時に実行中のジョブネットがあれば、終了を待ってからジョブを実行します。
JSHFORCE:
終了処理ジョブネット起動時に実行中のジョブネットがあれば、強制終了してからジョブを実行します。
注意
シャットダウンさせるジョブを終了処理ジョブネットに登録しないでください
終了処理ジョブネットに、マシンをシャットダウンするようなジョブを登録しないでください。シャットダウンは、シャットダウン出口で
実施します。
3. シャットダウン出口の作成
標準提供のシャットダウン出口には、待ち合わせ終了通知コマンド“f3crheet”が設定されています。f3crheetコマンドに、特定の
処理が終了したことを通知するための文字列を指定します。
f3crheet XXXX
XXXX: 任意の文字列を半角100文字まで指定可能。空白およびコンマ(,)は使用不可。
ここで指定した文字列が、待ち合わせ終了通知として電源制御に通知されます。
4. 待ち合わせ終了通知の定義
3.で指定した終了通知を受け取ってから、シャットダウン処理を開始する電源制御側の設定をします。
1. [カレンダの登録]ウィンドウの[オプション]メニュー[電源スケジュール]を選択し、表示された[電源スケジュール]ウィンドウの
[終了監視]シートで[詳細設定]ボタンをクリックします。
2. [終了監視]ダイアログボックスで[終了通知]ボタンをクリックし、表示された[待ち合わせ終了通知定義一覧]ダイアログボックスで
[追加]ボタンをクリックします。
3. [待ち合わせ終了通知定義]ダイアログボックスの[待ち合わせ終了通知]に、シャットダウン出口のf3crheetコマンドに指定
した文字列を指定し、登録します。
これで、f3crheetコマンドから発行された終了通知を受け取ったタイミングで、システムがシャットダウンされるようになります。(な
お、他にも終了通知が定義されている場合は、すべての終了通知が通知されるまでシステムは停止されません)。
注意
システムの電源を切断するためには
システムの電源を切断するためには、電源制御装置(ハードウェア)が設置されている必要があります。
- 16 -
参考
シャットダウン出口(プログラム)について
シャットダウン出口は、終了処理ジョブネットの実行が終わった後、終了処理ジョブネットの実行結果に応じてジョブスケジューラから呼
び出されます。
・ 終了処理ジョブネットが正常終了または疑似正常した場合
“jobschendexit.bat”または“jobschendexit.exe”が呼び出されます。インストール時に提供されたプログラムををそのまま使用するこ
ともできますが、何らかの処理を行いたい場合には変更します。
・ 終了ジョブネットが異常終了した場合
“jobschnoendexit.bat”または“jobschnoendexit.exe”が呼び出されます。異常終了の場合、インストール時に提供されるプログラム
では何も処理が行われないため、必要に応じてカストマイズする必要があります。
マニュアルの参照先
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “任意の時刻にシステムをシャットダウンする【Windows版】”
Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル “f3crheet 待ち合わせ終了通知コマンド” “正常終
了/異常終了シャットダウン出口【Windows版】”
1.8 特定のユーザの権限でジョブを起動させたい【Windows版】
Systemwalker Operation Manager上で実行されるジョブは、基本的に、ジョブ実行制御サービスのログオンアカウントの権限で実行さ
れます。
ジョブを特定のユーザの権限で実行させたい場合には、以下の設定が必要です。
a. [ジョブを所有者の権限で実行する]の指定
b. ジョブ所有者情報の定義
c. ジョブを実行するユーザに対して“バッチジョブとしてログオン”権限の付与
なお、ジョブ実行制御サービスのログオンアカウントは以下の方法で確認できます。
・ [コントロールパネル]の[サービス]ダイアログボックスで“Systemwalker MpMjes”サービスのアカウントを確認
また、ジョブの所有者とは、プロジェクトの所有者です。[ジョブを所有者の権限で実行する]を指定した場合、プロジェクトの所有者が、
プロジェクト内のジョブの実行ユーザとなります。
手順
a. [ジョブを所有者の権限で実行する]を指定する
ネットワークジョブの場合、投入元と投入先の両サーバで行います。
- 17 -
1. [運用情報の定義]ウィンドウの表示
[Systemwalker Operation Manager 環境設定]ウィンドウの[運用情報]をクリックします。
2. [ジョブを所有者の権限で実行する]の指定
表示された[運用情報の定義]ウィンドの[利用機能]シートを選択し、[ジョブを所有者の権限で実行する]をチェックします。
b. ジョブの所有者情報を定義する
ネットワークジョブの場合、投入元サーバで行います。
[ジョブ所有者情報の定義]ウィンドウには、基本的に[プロジェクトの登録]ウィンドウ-[所有者]で登録されているユーザが表示さ
れます。プロジェクトの登録をしてから、以下の作業を行ってください。
1. [パスワード情報の定義]ウィンドウの表示
[Systemwalker Operation Manager 環境設定]ウィンドウの[ジョブ所有者]をクリックします。表示された[ジョブ所有者情報
の定義]ウィンドウで対象ユーザを選択し、[ユーザ]メニュー-[定義]を選択します。
2. パスワードの設定
表示された[パスワード情報の定義]ダイアログボックスで、パスワード情報(ジョブの所有者情報)を入力します。
パスワードが正しく設定されると、[ジョブ所有者情報の定義]ウィンドウの[状態]欄が“未定義”から“定義済”に反映されま
す。
c. ジョブ所有者に対して“バッチジョブとしてログオン”権限を与える
ネットワークジョブの場合、投入元と投入先の両サーバで行います。
Windows OSの[管理ツール]を使用し、[ローカルセキュリティポリシー]の[ユーザ権限の割り当て]で、ジョブの所有者に対し
て“バッチジョブとしてログオン”の権限を与えます(設定方法は各OSによって異なります)。
- 18 -
上記a.~c.の設定を行うと、すべてのジョブが、ジョブの所有者(プロジェクト所有者)の権限で実行されます。
ただし、[登録/監視-ジョブ]ウィンドウ-[詳細情報]シートの[実行ユーザ名]に実行ユーザが指定されている場合は、ジョブに定義
した実行ユーザが優先されるため、指定されている実行ユーザの権限で実行されます。
マニュアルの参照先
Systemwalker Operation Manager 導入手引書 “運用情報の定義” “ジョブ実行時の権限について” “ジョブ
所有者情報の定義”
1.9 ジョブを自動的に負荷の少ないサーバに分散して実行させたい
実行依頼したジョブを、自動的に負荷の少ないサーバに分散させて実行したい場合には、分散実行機能を利用します。分散実行で
は、実行依頼されたジョブは自動的に負荷の一番低いサーバに割り振られます。
分散実行したいジョブを投入する分散実行キューに対して、分散先の実行サーバグループとなるホストグループを割り当てることで分
散実行させることができます。
以下のように、分散実行キュー“queueA”に投入されたジョブを、hostA、hostB、hostCから構成されるホストグループ“Grp1”で分散実
行させる手順について説明します。
手順
分散実行させたい場合は、
a. 分散実行するためのキューを作成
b. 分散実行するジョブを作成
することで利用できます。
- 19 -
注意
実行ユーザの登録を忘れずに
ジョブの実行ユーザは、実行サーバだけでなく、投入元サーバ(スケジュールサーバ)にも登録しておいてください。
a. 分散実行するためのキューを作成します
1. [キューの作成]ウィンドウの表示
[Systemwalker Operation Manager 環境設定]ウィンドウで、[運用情報]ボタンをクリックし、表示された[運用情報の定義]
ウィンドウで[追加]ボタンをクリックします。
2. queueAの作成
表示された[キューの作成]ウィンドウで、以下のように指定します。
- [キュー名]→ queueA
- [分散実行機能を有効にする]→ チェックします
- [ホストグループ]→ Grp1
- [構成ホスト名]→ (hostA(4),hostB(10),hostC(6))
[構成ホスト名]について
ホストグループの構成を指定します。
分散先となる実行サーバのホスト名と多重度(サーバで同時に実行できるジョブ数)を、“実行
サーバ名(多重度)”の形式で記述します。実行サーバとして複数登録する場合は、上記のよ
うに“,(コンマ)”で区切り、全体を“()”で囲みます。
なお、1つのホストグループには10個まで実行サーバを登録できます。
b. 分散実行するジョブを作成します
1. [登録-ジョブ]ウィンドウの表示
[ジョブネットの新規作成/変更]ウィンドウで以下の操作を行います。([ジョブネットのリカバリ変更]ウィンドウまたは[ジョブ
ネットの監視]ウィンドウからでも表示できます。)
- 20 -
- ジョブのアイコンをダブルクリック
- ジョブのアイコンを右クリックし、表示されたポップアップメニューから[プロパティ]を選択
- ジョブのアイコンを選択し、[ファイル]メニュー-[プロパティ]を選択
2. キューの指定
表示された[登録-ジョブ]ウィンドウ-[基本情報]シートの[キュー名]に“queueA”を指定し、ジョブを登録します。
[キュー名]にqueueAを指定したジョブが投入されると、Grp1の中から一番負荷の少ないサーバに実行依頼されます。
分散実行機能を利用した場合の動作
上記のような構成で分散実行機能を利用した場合に、分散実行キュー“queueA”に投入されたジョブがどのように実行サーバに割り当
てられるかについて説明します。
以下のように、ホストグループ“Grp1”の各実行サーバでジョブが実行されているとします。
ジョブの実行数
hostA (多重度:4)
2
hostB (多重度:10)
4
hostC (多重度:6)
6
投入されたジョブは、ホストグループの中から、“実行中ジョブ数÷[構成ホスト名]で指定した多重度”が最も小さいサーバで実行され
ます。
上記の場合、
hostA
2÷4= 0.5
hostB
4÷10=0.4
hostC 6÷6= 1.0
となるため、値が一番小さいhostBに投入されます。
- 21 -
参考
分散先の実行サーバがダウンした場合の動作
ダウンした実行サーバは分散先から除外されます。分散実行機能は、ダウンしたサーバ以外のサーバで継続されます。なお、ダウン
したサーバが復旧後、再度分散先として機能するまでには、最大10分程度かかります。
また、サーバがダウンした時に、そのサーバ上で実行されていたジョブについては、異常終了となります。異常終了したジョブについて
は、動作状況を確認し、適宜、再実行などの対処をしてください。
注意
ネットワークジョブと同時に使用できません
分散実行キューに対して、依頼ホストを指定したネットワークジョブは投入できません。
マニュアルの参照先
Systemwalker Operation Manager 導入手引書 “運用情報の定義”
1.10 クラスタ構成の待機系のノードでジョブを実行させたい
対象バージョンレベル
- Windows版:V13.3.0以降
- Solaris版:V13.3.0以降
- Linux版:V13.3.0以降
- Linux for Itanium版:V13.3.0以降
- HP-UX版:V13.3.0以降
- AIX版:V13.3.0以降
クラスタ構成での待機系ノードは、本来、運用系ノードの障害発生時の切り替え先として待機しているシステムですが、運用系ノードが
正常稼動中であっても、待機系ノードでジョブを実行させることができます。
待機系ノードでジョブを実行させたい場合には、以下のような構成にすることで、待機系(ノード2)のサブシステム0でジョブを実行させ
ることができます。
・ サブシステム0を非クラスタ構成とする
・ サブシステム1をクラスタ構成とする
このような構成を、「1:1運用待機(サブシステムあり、一部クラスタ運用)」と呼んでいます。
- 22 -
手順の詳細については、“Systemwalker Operation Manager クラスタ適用ガイド Windows編”または“Systemwalker Operation Manager
クラスタ適用ガイド UNIX編”で、「1:1運用待機(サブシステムあり、一部クラスタ運用)」の構成の場合を参照してください。
マニュアルの参照先
Systemwalker Operation Manager クラスタ適用ガイド Windows編
Systemwalker Operation Manager クラスタ適用ガイド UNIX編
1.11 サーバがダウンした場合に自動的に別サーバにジョブを再投入させた
い
以下のように、スケジュールサーバから実行サーバにジョブを投入する構成で、ジョブの実行中に実行サーバBがダウンした場合、自
動的に実行中のジョブを実行サーバAまたは実行サーバCに再投入させる方法について説明します。
実行サーバがダウンした場合に、自動的に別サーバにジョブを再投入させるには、以下の方法があります。
- 23 -
・ 分散実行
・ 実行サーバの二重化
ポイント
どの方法が良いか迷ったら・・・
以下に、それぞれの運用方法について概要を示すので、用途に合わせて選択してください。
メリット
デメリット
分散実行
最大10台まで分散先サーバを設定可能。
特定のサーバがダウンした場合、最大10
分間該当サーバがダウンしたと認識し、該
当サーバへの投入を行わないようにできる
(ダウンしているサーバへの投入を試みる
ことはない)。
ジョブがどのサーバで実行されるか予測
が出来ない。
実行サーバの二
重化
通常第1候補のサーバで実行。第1候補の
サーバがダウンしている場合だけ、第2候
補で実行。異常時だけ代替サーバで実行
するという運用が可能。
第1候補のサーバがダウンした場合、まず
は第1候補のサ-バに投入を試みてから
第2候補に遷移するため、投入に時間が
かかる。
分散実行
本来は負荷分散を目的とし、複数の実行サーバをグループ化して負荷の低い実行サーバにジョブを割り振る機能ですが、グループ
内の実行サーバがダウンした場合には、ダウンしたサーバ以外のグループ内の実行サーバで再度割り振りを行い、ジョブが再投入さ
れます。
分散実行を利用する場合は、分散実行用のキューを作成する時に、分散先となる実行サーバグループを登録します。手順について
は、“1.9 ジョブを自動的に負荷の少ないサーバに分散して実行させたい”を参照してください。
参考
実行サーバがダウンしているかどうかの判断は?
デフォルトでは10秒間隔で6回のリトライをします。リトライしても実行サーバに接続できなかった場合に、実行サーバがダウンしている
と判断し、ダウンした実行サーバ以外で一番負荷の低い実行サーバにジョブを依頼します。
リトライの回数等については、[運用情報の定義]ウィンドウ-[ネットワーク]シートの[ネットワークジョブで接続エラー時のリトライの動作
を変更する]で定義できます。
実行サーバの二重化
ネットワークジョブの場合、実行サーバとして第1候補、第2候補を指定しておくことで、第1候補の実行サーバがダウンしていた場合に、
第2候補の実行サーバへ自動的にジョブの実行を依頼することができます。
ネットワークジョブの実行サーバを二重化する場合は、第1候補、第2候補の実行サーバをジョブの登録時に定義します。
注意
第1候補から第2候補へ遷移するときに発生するオーバーヘッド
- 24 -
第1候補のサーバが停止状態でジョブが投入された場合に、第1候補が停止状態だと分かっていても、いきなり第2候補の実行サーバ
に依頼はされません。毎回、第1候補へのリトライ処理を行ってから第2候補の実行サーバへ依頼されるため、第2候補へ遷移するとき
には必ずオーバーヘッドが発生します。
オーバヘッドはOS、サーバ、ネットワークの状態に依存します。
手順
以下のいずれかの方法で、第1候補、第2候補の実行サーバを登録してください。
注意
登録できない実行サーバ
第1候補および第2候補に、ローカルホスト名は指定できません。
ジョブ単位で実行サーバを二重化させたい場合
1. 実行サーバを二重化させたいジョブの[登録-ジョブ]ウィンドウ-[基本情報]シートを表示します。
2. [登録-ジョブ]ウィンドウ-[基本情報]シートで以下を指定します。
- [ジョブをネットワークジョブとして投入する]をチェック
- [依頼ホスト名]に、第1候補および第2候補の実行サーバを、以下の形式で指定
第1候補のホスト名,第2候補のホスト名
参考
ジョブ制御文で登録する場合
1. ジョブ制御文のreq_hostオペランドに、“第1候補のホスト名,第2候補のホスト名”の形式で実行サーバを設定します。
2. -nentまたは-ncheオペランドを指定してjobschsetnetコマンドを実行します。定義ファイルには、1.で編集したジョブ制御
文を格納したファイル名を指定します。
- 25 -
ジョブネット単位で実行サーバを二重化させたい場合
1. 実行サーバを二重化させたいジョブネットの[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シートを表示します。
2. [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シートで以下を指定します。
- [ジョブネット内のジョブをネットワークジョブとして投入する]をチェック
- [デフォルトホスト名]に、第1候補および第2候補の実行サーバを、以下の形式で指定
第1候補のホスト名,第2候補のホスト名
参考
ジョブネット制御文で登録する場合
1. ジョブネット制御文のdefaulthostオペランドに、“第1候補のホスト名,第2候補のホスト名”の形式で実行サーバを設定し
ます。
2. -nentまたは-ncheオペランドを指定してjobschsetnetコマンドを実行します。定義ファイルには、1.で編集したジョブネット
制御文を格納したファイル名指定します。
参考
実行サーバがダウンしているかどうかの判断は?
以下の場合に、第1候補の実行サーバがダウンしていると判断し、第2候補の実行サーバにジョブを依頼します。
・ 第1候補のサーバへのネットワークが到達できない状況
・ 第1候補のサーバ自体のダウン
・ 第1候補のジョブ実行制御デーモンが停止
参考
実行サーバがすべてダウンしていた場合
実行時に第1候補、第2候補ともにダウンしていた場合、ジョブは異常終了となります。
- 26 -
マニュアルの参照先
<分散実行>
Systemwalker Operation Manager 導入手引書 “運用情報の定義”
<実行サーバの二重化>
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “ネットワークジョブの実行サーバを二重化する”
- 27 -
第2章 運用・監視編
2.1 異常終了したジョブネットの対処をしたい
ジョブネットが異常終了した場合の対処方法について説明します。
異常終了したジョブの確認が終わったので次の起動をさせたい場合
「確認操作」を利用します。
確認操作が有効となっている場合、異常終了したジョブネットに対して、確認操作を行うまで次回の起動を抑止できます(次回の起
動条件が満たされてもジョブネットは実行されず、日変わり時刻が到来してもジョブネットはスケジューリングされません)。確認操作
を行って“確認済”の状態にすると、次に起動条件が満たされた時に起動されます。
なお、確認操作が無効となっている場合は、何も対処しなくても、日変わり時刻をむかえればスケジューリングされ、実行待ちの状
態になります。
異常終了したジョブやジョブネットを再起動したい場合
「再起動」を利用します。
単純に、異常終了したジョブから再起動できます。再起動ポイントを指定していた場合は、再起動ポイントから再起動します。
異常終了したジョブや子ジョブネットを、よりきめ細かく再起動したい場合
「リカバリ操作」を利用します。
例えば、異常終了したジョブを飛ばしてその次のジョブから実行したり、異常終了したジョブだけを実行したりできます。
ジョブやジョブネットの状態をそのままにし、間違った部分を変更して再起動したい場合
「リカバリ変更」を利用します。
例えば、コマンドラインの指定誤りなどで異常終了してしまった場合に、間違っていた部分のみを変更し、ジョブやジョブネットの状
態を維持したまま、異常終了したジョブから再起動できます。(通常は、ジョブの情報を変更すると、ジョブネットやジョブネット内ジョ
ブの状態はリセットされ“実行待ち”の状態になります。)
以下に、それぞれの対処方法の手順や動作について説明します。
詳細については、各マニュアルを参照してください。
確認操作
事前の設定
は?
(1)[ジョブスケジューラ起動パ
ラメタの定義]ウィンドウ-[利
用機能1]シートで[異常時の
確認操作]の[確認操作を有
効とする]をチェック
(2)[詳細設定]ボタンをクリッ
クして表示される[確認操作
の詳細設定]ウィンドウで指定
(デフォルトはすべて指定し
ている状態)(注1)
再起動
不要
リカバリ操作
リカバリ変更
不要
不要
[ジョブネットの監視]
[ジョブネットのリカバリ変
更]
※ジョブネットの再起動時に、
このジョブから実行させたい
という“再起動ポイント”を指
定する場合は、[登録-ジョ
ブ]ウィンドウ-[制御情報]
シートで再起動ポイントを設
定しておく。
確認操作の設定は、全ジョブ
ネットに対して有効。
どのウィンド
ウで操作で
きる?
[Systemwalker Operation
Manager]([業務ツリー]・[ガ
ントチャート])
[Systemwalker Operation
Manager]([業務ツリー]・[ガ
ントチャート])
[ジョブネットの管理]
[ジョブネットの監視]
[ジョブネット一括管理]
[ジョブネットの管理]
[ジョブネット一括管理]
- 28 -
([ジョブネットの監視]ウィン
ドウの[ファイル]メニュー-
「リカバリ変更」から呼出し)
上記ウィンド
ウでの操作
手順は?
操作後の動
作は?
こんな場合
は操作でき
ません
確認操作
再起動
リカバリ操作
リカバリ変更
異常終了したジョブネットを
選択して右クリックし、表示さ
れたポップアップメニューから
[操作]-[確認]でジョブネッ
トが“確認済”の状態になる。
異常終了したジョブ/ジョブ
ネットを選択して右クリックし、
表示されたポップアップメ
ニューから[操作]-[再起動]
異常終了したジョブ/ジョブネッ
トを選択して右クリックし、表示
されたポップアップメニューか
ら[リカバリ操作]を選択。さら
に、以下の操作を選択
変更したいジョブの[登録-
ジョブ]ウィンドウを表示し、
ジョブ情報を変更
フローに表示されているジョ
ブネット全体の再起動は、
[ファイル]メニュー[フロー再
起動]
・指定のジョブから起動
・指定のジョブから再起動
・次のジョブから起動
・指定のジョブのみ起動
異常終了したジョブから実
行。
[リカバリ操作]メニューから選
択した操作に応じて、ジョブが
起動/再起動される。
確認操作を行うと、異常終了
したジョブネットは“確認済”
の状態となり、次に起動条件
が満たされた時に起動され
る。日変わり時刻が到来すれ
ばスケジューリングされる。
[異常時の確認操作]の[確認
操作を有効とする]がチェック
されていない場合
再起動ポイントが設定されて
いる場合は、再起動ポイント
が設定されているジョブから
実行。
※ 下記、参考“リカバリ操作を
した場合の動作について”を
参照
リカバリジョブが実行中の場
合
・リカバリジョブが実行中の場
合
・上位階層のジョブネットが実
行待ちの場合
変更の保存後、再起動によ
り、異常終了したジョブから
実行
ジョブネットが実行中の場
合、[ジョブネットのリカバリ
変更]ウィンドウでの上書き
保存は不可
・上位階層のジョブネットに[次
の再起動のみ無効]が指定さ
れている場合
・後続ジョブが実行中・終了状
態の場合、“指定のジョブのみ
起動”以外は操作不可
・後続ジョブが実行待ちの場
合、“指定のジョブのみ起動”
は操作不可
・グループに含まれるジョブの
場合、ジョブネットの状態が警
告以外は操作不可
注意事項
設定が有効になっている場
合、確認操作を行うまで次回
の起動が抑止される。
<再起動ポイントについて>
・ジョブネット内で1つしか指
定できない
・再起動ポイントが設定され
ているジョブより前のジョブで
異常終了した場合、再起動
ポイントは無視され、異常終
了したジョブから再起動
<リカバリ操作が可能なジョブ
の条件>
・ジョブ実行制御属性のジョブ
・親ジョブネットを含む上位階
層のジョブネットがグループに
属してない
<変更できる情報>
[登録-ジョブ]ウィンドウで
登録可能な情報が変更可
能。
以下は変更不可。
・リカバリジョブから通常の
ジョブへの変更
・アイコンが“ジョブネット”の
ジョブの“ジョブネット名”
・子ジョブネットの“起動日
のみ有効”
なお、ジョブのフロー構成
(先行/後続関係)や、ジョ
ブの追加/削除はできな
い。
注1)
V13.2.0以前の場合は、[ジョブスケジューラ起動パラメタの定義]ウィンドウ-[利用機能1]シートで、[スケジュールオプション]の[ジョ
ブネットの確認操作を有効とする]をチェックします。(デフォルトは指定している状態です。)
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参考
「リカバリ操作」をした場合の動作について
リカバリ操作をした場合のそれぞれの動作は以下のようになります。
・ 指定のジョブから起動
指定したジョブが実行されます。子ジョブネットを指定した場合、子ジョブネット内の先頭ジョブから実行されます。
・ 指定のジョブから再起動
指定したジョブが実行されます。ジョブネット内の異常終了ジョブから実行されます。ジョブネットアイコンのジョブに対してのみ操作
できます。
異常終了したジョブの「再起動」と同じ操作になります。
・ 次のジョブから起動
指定したジョブの状態はそのままで、後続のジョブが実行されます。ジョブネットアイコン以外のジョブに対してのみ操作できます。
・ 指定のジョブのみ起動
指定したジョブだけが実行され、後続のジョブは実行されません。ジョブネットアイコン以外のジョブに対してのみ操作できます。
参考
異常終了した場合に、事前に登録しておいたリカバリ用のジョブを自動的に起動させる
異常終了してから対処するのではなく、事前に異常時の対処などを行う実行ファイル(リカバリジョブと呼びます)を登録し、異常終了し
た場合には、自動的にリカバリジョブを起動させる方法もあります。リカバリジョブが正常終了した場合、異常終了した元のジョブは、オ
ペレータの操作なしに再び起動させることもできます。
マニュアルの参照先
<確認操作>
Systemwalker Operation Manager 導入手引書 “起動パラメタの定義”
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “ジョブネットの操作と動作”
<再起動>
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “スケジュールジョブを操作する” “ジョブネットの操作と動
作”
<リカバリ操作>
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “スケジュールジョブをリカバリ操作する” “ジョブのリカバリ
操作と動作”
<リカバリ変更>
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “ジョブ情報をリカバリ変更する”
2.2 次のオペレータに申し送り事項を伝えたい
オペレータの対処履歴や引継ぎ事項などのメモを残し、次のオペレータに伝えたい場合、ジョブネットの情報としてメモを追加できま
す。ジョブネットのメモでは、ジョブネットに説明などの任意テキストを記入することができ、記入した内容は[ジョブネットの管理]ウィンド
ウなどで表示されます。次のオペレータは、画面上に表示されたメモを見て内容を確認することができます。
- 30 -
手順
1. [ジョブネットのメモ]ウィンドウの表示
以下のウィンドウでジョブネットを選択して右クリックし、表示されたポップアップメニューから[ジョブネットメモ]を選択します。
- [業務選択]ウィンドウ
- [ガントチャート]ウィンドウ
- [ジョブネットの管理]ウィンドウ
2. メモの入力
表示された[ジョブネットのメモ]ウィンドウのメモ欄に、任意のテキスト(対処履歴や引継ぎ事項など)を記述します。
以下のウィンドウで、入力したメモが表示されます。
・ [ジョブネットの管理]ウィンドウ
・ [ジョブネット一括管理]ウィンドウ
・ [スケジュール分散状況監視[持ち越しジョブネットの監視]]ウィンドウ(スケジュール分散運用している場合)
参考
こんな便利な利用方法もあります
ジョブネット名やフォルダ名だけでは把握できない運用者用の説明を残す
例えば“バックアップ前確認ジョブ”、“夜間監視ジョブ”など運転フェーズに合わせたキーワードを付加できます(設定したキーワー
ドでの絞り込み検索も可能)。
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メモを使った串刺し検索
複数のサーバで実行しているジョブネットの中から、メモに記述された任意のキーワードでポイントとなるジョブネット(ポイントマイル
ストーン)だけを串刺し検索し、監視することもできます(同じキーワードを設定することで簡単に抽出可能)。
メモの検索ができるウィンドウ
- [ジョブネットの絞り込み条件]ウィンドウ
- [ジョブネット一括管理の絞り込み条件]ウィンドウ
- [絞り込み条件の設定]ウィンドウ(ジョブネット一覧)
- [絞り込み条件の設定]ダイアログボックス(スケジュール分散)
ジョブネットをメモのキーワードで絞り込み、一括操作
[ジョブネットの管理]ウィンドウや[ジョブネット一括管理]ウィンドウでメモのキーワードにより絞り込み検索をし、対象となる複数のジョ
ブネットを一括操作できます(再起動や強制終了など)。
2.3 いつ、誰が、どこから、どのような操作をしたのか確認したい
対象バージョンレベル
- Windows版:V13.2.0以降
- Solaris版:V13.2.0以降
- Linux版:V13.2.0以降
- Linux for Itanium版:V13.2.0以降
- HP-UX版:V13.2.0以降
- AIX版:V13.2.0以降
Systemwalker Operation Manager上で行われた操作は監査ログファイルに記録されています。この監査ログファイルを分析することで、
いつ、誰が、どこから、どのような操作を行ったかを調べることができます。
監査ログファイルには、例えば、以下のような操作が記録されます。
・ サービス/デーモンの起動記録
・ Systemwalker Operation Managerへのログイン認証の記録
・ Systemwalker Operation Manager環境設定クライアントによる定義変更、操作の記録
・ クライアントの利用記録
・ ユーザの登録・パスワード変更
・ プロジェクトの追加・更新
・ スケジュールの定義変更、操作の記録
・ ジョブ/キューの定義変更、操作の記録
・ コマンド/APIの操作の記録
監査ログは、デフォルトでは以下に出力されるよう設定されています。
【Windows版】
Systemwalker Operation Managerインストールディレクトリ\MPWALKER.JM\mpcmtool\audit
【UNIX版】
/var/opt/FJSVftlo/audit
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手順
記録された監査ログファイルは、OSの管理者のみ参照できます。テキストエディタやMicrosoft(R) Excelなどを使ってログファイルを参
照し、分析します。
1. 監査ログファイルの取り込み
監査ログの設定で指定した出力先から、該当するログファイル(mp_omgr_auditYYMMDD.log)をテキストエディタやMicrosoft(R)
Excelなどに取り込みます。
監査ログは、1行1レコードで、以下のようなCSV形式で記録されています。
日付,操作場所,実行ホスト,操作者,操作種別,操作対象,操作内容,実行結果,コンポーネント,追加情報
2. 必要なログの抽出
テキストエディタやMicrosoft(R) Excelに取り込んだ監査ログを、検索やソート機能を使って目的に応じた監査ログを抽出し、分
析します。
例えば、ジョブネット“JNET1”をいつ、誰が変更したかを調べたい場合には、
1. 監査ログファイルからジョブネット名“JNET1”とジョブネットの変更をあらわす“MOD_JOBNET”を含む行を抽出
2. 日付および操作者の情報から、いつ、誰が操作したかを特定
ジョブネットの変更は“MOD_JOBNET”、といったような操作種別ごとに検索キーワードがあります。操作種別で必要な情報を抽
出するときには、検索キーワードを利用して検索をしてください。
なお、出力された監査ログファイルは、指定した保存日数分しか保存されません。必要に応じて、定期的に退避することをお勧めしま
す。
参考
監査ログはこんなことに利用できます
・ どのユーザが不正な操作を行ったのか、監視、追跡調査できます。
・ 定期的なログのチェックにより、不審な操作やアクセス(複数回にわたるログインの失敗など)がないかを確認できます。
・ 情報漏えい発生時の調査に利用できます。
・ 誤操作によるトラブルが発生した際に、原因を追跡調査できるため、トラブルを切り分けるための情報として利用できます。
・ ログの収集により、データの不正操作や情報漏えいに対する抑止効果が期待できます。
マニュアルの参照先
Systemwalker Operation Manager 解説書 “監査ログ出力”
Systemwalker Operation Manager 導入手引書 “監査ログ出力の定義”
Systemwalker Operation Manager 使用手引書 “監査ログを分析する” “監査ログの検索キーーワード一
覧”
Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル “監査ログのファイル”
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