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The Mobile Consumer:
モバイルユーザーの動向に関するグローバル調査レポート
© 2013 SAP AG or an SAP affiliate company. All rights reserved.
モバイルの成熟度とユーザーとの関係性に
影響を及ぼすグローバルトレンド
目次
4
はじめに
5
利用内容とサービスニーズ
8
ユーザーの成熟度とライフスタイルの変化
11
ユーザーの指向性とその要因
14
モバイルウォレットがもたらすチャンス
17
結論
20 付録
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The Mobile Consumer:モバイルユーザーの動向に関するグローバル調査レポート:エグゼクティブサマリー
モバイルサービスの需要を創出するためには、
モバイルユーザーの行動を理解する必要があります。
この調査レポートは、モバイルサービスの活用を考えている
マーケティング担当者に向けて、モバイルユーザーとの
関係性に影響を及ぼすグローバルトレンドに関する
洞察を提供します。
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The Mobile Consumer:モバイルユーザーの動向に関するグローバル調査レポート:エグゼクティブサマリー
はじめに
世界のモバイルユーザー層はダイナミックかつ複雑に成長し
調査対象国の多くでは、すでにモバイルが一定の成熟レベル
おり、
サービス提供に関するニーズと期待もどんどん高度化し
に達していますが、まだモバイルの利用が発展途上の国も含
ています。
まれています。こうした程度の差が、モバイルの所有、欲求、行
動に関する違いとなって現れています。
モバイルのサービスとアプリケーションに関する欲求は地域
によって大きく異なっており、ユーザーが取引やコミュニケー
ションにモバイルを活用する方法は、
どのような活動を行うか
スマートフォンのテクノロジーが進歩し、ソーシャル / モバイ
ル / 従来型マーケティングチャネルの境界があいまいになっ
に左右されます。文化、経済、テクノロジーの標準が地域にお
てきたことから、幅広い複雑な要因が、ユーザーをモバイルへ
けるモバイル利用の輪郭を形成する一方で、ユーザーの求め
と向かわせるモチベーションになってきました。モバイルの利
ふさわしいマーケティングチャネル、関係、
インセンティブに関
なります。モバイルによる顧客とのやり取りに関しては商業利
る多様な要件が、買物、支出、ネットサーフィンなどの用途に
用が高度化するほど、消費者のニーズもさらに高度なものと
する好みに影響を及ぼしています。
用の新たな側面が今後も形成されていく状況にあるため、モ
SAP は十分な情報に基づいてマーケティング上の意思決定
は、モバイル機能の進歩と消費者のニーズとのバランスを図
バイルチャネルを活用する CMO(最高マーケティング責任者)
を行い、世界におけるモバイルの機運とユーザーの成熟度を
より的確に理解するため、4 つの主要地域で合計 17カ国のモ
バイルユーザーを対象として独立調査を実施しました。
• 北米(NAM)
• 欧州、中東、
アフリカ
(EMEA)
• 南米(LATAM)
る必要があります。モビリティにおける成功事例のすべてが必
ずしも、
「まだ安定していない最先端の」イノベーションを投
入しているわけではありません。モバイル部門のマーケティン
グ戦略としては、適切な方法でマーケティングされた適切な
サービスを適切なユーザーに提供することこそが、単純なが
ら確実性の高い鉄則なのです。
• アジア太平洋(APAC)
調査の方法論
携帯電話(従来型またはスマートフォン)
を所有する 18 歳以上の 12,424人にインタビューしました。
対象者には 2013 年 3 月および 4 月にオンライン調査で回答していただきました。
調査を実施したのは、ロンドンを本拠とする独立調査会社の Loudhouse です。
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利用内容とサービスニーズ
モバイル端末がユーザーにもたらすメリットといえば、まず頭
に浮かぶのは、移動中でも他の人々とコミュニケーションが図
れる柔軟性です。回答者の 79% は日常的に携帯電話で発着
信しており、62% は日常的にテキストメッセージを送受信し
ただし、決済という行動はユーザーに課題も突きつけます。ほ
ぼ半数(46%)は、モバイル端末を通じた取引やコミュニケー
ションの大きな課題として、大量の個人情報を入力しなけれ
ばならないことが負担だと回答しています。また、45% がモ
バイル取引では安全性に懸念があり、43% が取引したいとき
ています。
とはいえ今日の世界で携帯電話は、強力なインターネットツー
ルとしての側面を強めつつあります。地域を問わず回答者の
にインターネットにアクセスできない場合がある、と指摘して
います。
半数(50%)は、モバイルインターネットに日常的にアクセス
モバイルによる決済は、世界中で大きな可能性があります。大
法も進化しています。消費者は柔軟性の高いコミュニケー
商品やサービスを購入したいとの欲求を示しているからです
しています。それを反映して、現在のユーザーが取引に使う方
半のユーザー(82%)が、将来的にはモバイル端末を通じて
。過半数(53%)はモバイルでのショッピング経験がな
ションというメリットを存分に活用する一方、モバイル端末で (図 1)
のショッピングもどんどん利用するようになっています。実際、 いものの将来的にはやってみたいと考えており、29% はモバ
3 分の 1(32%)は、過去 12 カ月間に携帯電話で製品または
サービスを購入した経験があります。
イルショッピングの経験があって今後も続けたいと思っていま
す。モバイルでショッピングした経験がありながら、今後はや
りたくないとの意向を示したのは、1% だけでした。
モバイルによるコミュニケーションと取引の利便性が高いこ
とは、ユーザーへの導入が進む大きな要因となってきました。
サービスプロバイダーとのやり取りや取引に携帯電話を使用
する主要なメリットとしては、いつでも好きなときにデバイスを
、移動中でも使える(51%)
、利便性(50%)
、
使える(51%)
スピード
(50%)などが挙げられています。
82% のユーザーが、将来的にはモバイル端末を通じて
商品やサービスを購入したいとの欲求を示しています。
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さらに、80% のユーザーが、企業や組織は利用可能なテクノ
モバイルはマーケティング戦略にとってチャンスを生み出しま
ロジーを活用して、顧客の日常をもっと簡単便利にする義務
すが、リスクももたらします。モバイルの自由と柔軟性に対す
があるとの意見に同意しています。これが今日の消費者の間
る消費者の多大な支持を尊重しなければなりません。モバイ
で広がる相互接続性への期待であり、ユーザーはサービスプ
ルでもっと多くのことをしたいという願望があるからといって、
況が発生した場合には説明責任を果たしてもらいたいと考え
ネットサービスを妄信しているわけでもありません。条件が変
ロバイダーに対して、優れたサービス水準を維持できない状
ています。実際に過半数(54%)が、モバイル端末でやり取り
ただ目新しければよいのではなく、消費者がモバイルインター
われば消費者の反応は率直に変化するものであり、ユーザー
する快適性が向上するのであれば、別のサービスプロバイダー
との関係性を強化するためには、シンプルさ、便利さ、あるい
に乗り換えると回答しています。
は価値を実感してもらえるモバイルでなければなりません。
図1
モバイルショッピングのニーズ
モバイルでの
商品購入経験はあるが
満足していない:1%
モバイルでの
商品購入経験はないが
満足している:17%
モバイルでの
モバイルでの
商品購入経験は
ないが今後
やってみたい:53%
商品購入経験が
あり今後も
やりたい:29%
モバイルで商品を購入したい / 今後もやりたい:82%
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新興市場では携帯電話への依存度が高いため、
83%のユーザーが、携帯電話を紛失するか盗まれたら
個人としての生産性に大きく影響すると強く思い込んでいます。
この割合は発展途上市場では 70%、成熟市場では 52%です。
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ユーザーの成熟度とライフスタイルの変化
(63%)が、12 カ月前と比べて、携帯電話を通
6 割強もの人々
変化のペースを見ると、新興市場は急速ですが、成熟した地
が増えたと回答しています。とはいえ、その程度は国によって
れるのは、モバイルへの欲求とモバイルによるライフスタイル
話やテキストメッセージの送受信以外の活動に利用する機会
違いが見られます。この調査ではモバイル端末の活用度を検
討するにあたり、成熟市場、発展途上市場、新興市場という
。
3 つのグループに分けて考えました(図 2)
域はやや落ち着いています。グループ間で大きな違いが見ら
です。モバイル端末に対する多大な支持は、発展途上国が明
らかに高く、モバイル端末の利用に対する欲求も強くなってい
ます。新興市場では 96% ものユーザーが、将来的にモバイル
で商品やサービスを購入したいとの欲求を示していますが、
こ
• 新興市場
南アフリカ、
インド、
サウジアラビア、
チリ、中国、
メキシコ
• 発展途上市場
スペイン、
ブラジル、ロシア、
コロンビア、
エジプト
れは成熟市場では 59% にとどまります。
新興市場ではモバイルサービスとの関係も同様で、75% の
ユーザーが、
ライフスタイルの管理に携帯電話がなくてはなら
• 成熟市場
ないものになっていると回答しています。この割合は発展途
日本、米国、
ドイツ、
フランス、
オーストラリア、英国
上市場では 69%、成熟市場では 45% です。
図2
「12 カ月前と比べて、携帯電話を通話やテキストメッセージの送受信以外の活動に利用する機会が増えている」との記述に
同意した回答者の割合
新興モバイル市場
87%
86%
84%
83%
発展途上モバイル市場
80%
74%
69%
67%
66%
63%
成熟 / 飽和モバイル市場
63%
50%
47%
47%
44%
38%
37%
世界
平均
63%
日本
米国
ドイツ
フランス
オーストラリア
英国
スペイン
ブラジル
ロシア
コロンビア
エジプト
南アフリカ
インド
サウジアラビア
チリ
中国
メキシコ
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もっとも、新興市場で見られるモバイルへの依存は、スマート こうした地域別の傾向をもたらす要因はいろいろありますが、
。スマートフォンの
フォンに限った現象ではありません(図 3)
高度化とライフスタイルへの影響に強い関連性が見られるの
3 つの主要な領域に集約して考えることができます。
は、成熟した地域のみです。新興市場や発展途上市場では、 • 経済:BRIC 諸国や類似の経済環境にある国では、GDP が
インターネットに対応した従来型の携帯電話も、所有者のラ
イフスタイルに同様の影響を及ぼしています。
成長し、消費者の機運も相対的に高まっています。
• インフラ:一部の発展途上地域では、モバイルネットワーク
とモバイルインターネットサービスがレガシー通信インフラ
新興市場では携帯電話への依存度が高いため、83% のユー
ザーが、携帯電話を紛失するか盗まれたら個人としての生産
性に大きく影響すると強く思い込んでいます。この割合は発展
より優れたパフォーマンスを実現しています。
• デバイス文化:発展途上地域や新興地域では今のところ、
基本的な携帯電話と取引もできる SMS サービスの組み合
途上市場では 70%、成熟市場では 52% です。
わせが、
スマートフォンより普及しています。
図3
「ライフスタイルの管理に携帯電話がなくてはならないものになっている」との記述に同意した回答者の割合
87%
85%
79%
80%
79%
78%
74%
77%
67%
69%
61%
61%
58%
60%
64%
50%
49%
73%
78%
70%
75%
69%
75%
68%
64%
51%
47%
45%
43%
38%
27%
26%
32%
21%
フランス
日本
米国
英国
オーストラリア
コロンビア
ドイツ
スペイン
チリ
ブラジル
南アフリカ
中国
メキシコ
ロシア
サウジアラビア
インド
エジプト
スマートフォン所有者
従来型携帯電話所有者
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モバイル端末の高度化が進んだのは、
携帯電話を通じた決済内容の範囲と多様性が
拡大したことと一致していまず。
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ユーザーの指向性とその要因
モバイル端末の高度化が進んだのは、携帯電話を通じた決済
内容の範囲と多様性が拡大したことと一致しています。ユー
エンター
ザーがモバイルを通じて決済を行う用途のトップ 3 は、
、通信料金の支払(42%)
、音楽
テインメントサービス
(43%)
• 発券:サービスやイベントへのアクセスを提供する紙のチ
ケットや仮想のトークンの単純な購入
• 請求:すでに受領した商品または利用したサービスの対価
として義務付けられる支払
です
(図 4b)
。
のダウンロード購入(40%)
• 小売:物理的なアイテムの購入と郵便 / 宅配便による配送
図 4a では、さまざまなタイプのモバイル決済を発券、請求、小
次に、個々の決済タイプごとに、モバイルの利用を促進する各
には、決済における複雑さとモチベーションの程度が反映さ
用環境の促進要因や特性といった事項に関するユーザーの
売という 3 大カテゴリーに分類しています。これらのグループ
れています。
種のマーケティング要因を評価しました。その目的は、業務運
好みを理解することにあります。この評価で得られた知見から、
図 4a
モバイルの使用に関する決済タイプ別の要因
発券
小売
請求
モバイルで商品を購入した人々は、
モバイルでチケットを購入した
人々は、
モバイルで料金を支払った
人々は、
• ブランドやサービスによる
• インターフェースが簡単か、
インセンティブがあれば、モ
バイルでの支払を増やしても
よいと考えている
ブランドやサービスによる
インセンティブがあれば、モ
バイルでの支払を増やしても
よいと考えている
モバイル対応の小売業者が現在より増え
るか、ブランドやサービスによるインセン
ティブがあるか、支払方法の選択肢が豊
富であれば、モバイルでの支払を増やして
もよいと考えている
• 製品についてモバイルで調
• サービスやプロモーションにモバイルで登
• サービスやプロモーションに
モバイルで登録したいと考
えている
べたいと考えている
• 最新の商品情報を定期的に受信できるか、
録したいと考えている
高度な決済に踏み切るには複雑な要因が必要
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決済活動の推進要因と決済タイプとの相関性が浮かび上がり こうした「洗練度との相関関係」は、決済だけではなく、携帯電
ます。この関係を把握すれば、消費者が商品やサービスそのも
のにたどりつくまでの操作方法の洗練度を、支払対象の複雑
さに見合ったものにすることができます。
話を使う他の活動でも見られます。単純な情報
(例:注文ステー
タスの確認)が欲しい場合にユーザーの行動を促進する効果
が高いのは、セキュリティ、割引、対応のスピードなどでしょう。
より複雑な行動(例:顧客サービス部門への問い合わせ)
を取
たとえば、チケットの購入には単純なプロモーションが好まれ
るのに対して、
より複雑な決済を促進するには、商品情報の更
新、履歴のトラッキング、支払方法の選択肢の提示といった機
る場合には、ユーザーのニーズが変化し、幅広い選択肢、詳
細なヘルプ、担当者による対応が求められるようになります。
能が求められます。実際、幅広い支払方法が選べる企業から
は購入してもよいという気になる、との回答が 64% に達して
います。料金を支払う場合には、使いやすさと調査の必要性
が重要視されます。
図 4b
モバイルを使用する決済タイプ
エンターテインメント
43%
通信料金の支払
42%
音楽のダウンロード
40%
書籍 / 電子書籍
40%
衣類 / フットウェア/ その他ファッション
39%
旅行 / 移動のチケット
34%
公共料金の支払
31%
家電製品
30%
雑貨 / 食品
29%
旅行 / 休日
21%
家具 / インテリア
16%
宝飾品
9%
14%
その他
分からない
2%
発券
請求
小売
集計対象:モバイルで決済した経験がある回答者(総数 3,966 名)
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使いやすさこそがモバイル取引の定着を加速する
基本原則であり、
サービス提供プロセスのいかなる段階でも
これを見過ごすことはきません。
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モバイルウォレットがもたらすチャンス
図 5 を見ると、ユーザーは携帯電話の使用データの確認や製
取引活動やモバイルコマースは比較的複雑ですが、インター
品 / 価格 / 料金の調査といった活動をすべて携帯電話で行
ネットで事業を展開するブランドにとっては、
こうしたプロセス
いたいと思っていることや、
どの活動を比較的簡単と考えてい
を将来のカスタマーエンゲージメントも視野に入れて開発す
るかが分かります。とはいえ、各種料金の支払やバンキングな
どの取引活動は、モバイル端末で実行するには敷居が高いと
いう印象も根強く残っています。ユーザーは単純なタスクほど
ることが、大きなチャンスにつながります。消費者は、請求書
の支払、銀行振込、公共料金の使用量データの確認などをモ
バイル端末で行うことには高い関心を示していますが、越えな
頻繁に実行します。しかし、複雑さが増せば導入にとって逆効
ければならないハードルがあります。
バイル端末を使いたいという欲求はあります。
より合理化された取引プロセスの需要を反映しているのが、
果になるとはいえ、
「利用価値の高い」情報交換や取引にもモ
「モバイルウォレット」に対する消費者の期待です。ユーザーが
、
考えるモバイルウォレットの用途では、請求書の支払(54%)
商品のオンライン購入(51%)
、銀行口座残高の確認(50%)
が上位を占めています。
図5
チャンスの構図 – モバイルによるやり取りの「容易さ」と
「需要」
大
注文ステータスの確認
製品 / 価格 / 料金の調査
料金の支払
モバイルでより多くのことをやりたいという需要
携帯電話の使用量データの確認
商品の購入
銀行振込
顧客サービス部門への問い合わせ
公共料金の使用量データの確認 / 送信
プロモーションへの反応やオファーの活用
友人や家族への送金
連絡先詳細や個人情報の変更
懸賞への応募
サービスやプロモーションへの登録
新規口座の開設
小
困難
携帯電話で実行する難易度
容易
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さらに 47% は、モバイルウォレットで銀行口座間の振込がで
きることを期待しています。その結果、世界全体で回答者の
スマートフォンとモバイルアプリのブームにより、モバイルサー
ビス / オファーの可能性と洗練度が高まっています。ただし、
71% が、支払手段としては将来的に携帯電話の重要性が高 「ビッグデータ」アナリティクスから優れた洞察を導き出せるよ
まると考えています。
うになるという展望や、よりきめ細やかな顧客関係の時代の
到来など、関連領域の動向も踏まえると、モバイルの将来をめ
ぐっては複雑化が避けられません。しかし、使いやすさこそが
ユーザーへの定着を加速する基本原則であり、サービス提供
プロセスのいかなる段階でもこれを見過ごすことはできません。
世界全体で回答者の 71% が、将来的な支払手段として
携帯電話の重要性が高まると考えています。
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モバイルは現在、ポイントカード、現金、調査ツール、
位置情報機能、
クレジットカードとの魅力的な組み合わせという
方向へ進んでいます。
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結論
「取引デバイス」としてのモバイルの取り組みがすでに広く普
導入オプション
及していることで、
モバイルサービスによってもたらされるマー 「マクロレベルの機運」は地域ごとに異なるとはいえ、各グルー
ケティングの可能性とデータ処理機能の両方が大きな影響を
受けています。モバイルは現在、
ポイントカード、
現金、
調査ツー
ル、位置情報機能、
クレジットカードとの魅力的な組み合わせ
プ内を詳しく見ると、
ユーザーが日常的に行うモバイル活動の
タイプに基づいてエンゲージメントの機能とモデルに関する
好みを表明している点は共通していることも、調査の結果か
という方向へ進んでいます。モバイルのみで、
またはマルチチャ
ら明らかです。鉄道のダイヤを調べる場合に重視されるのは
交流の場を提供する企業にとって、
こうした移行はチャンスを
です。しかし、
ホテルの部屋を予約したり、旅行用のスーツケー
ネル対応の一環としてのモバイルで、顧客にマーケティングと
大きく拡げる契機となっています。
簡単さであり、チケットの購入であればスピードとセキュリティ
スをオンラインで購入したりする場合には、支払方法の選択
肢、注文ステータスの確認、特典などのインセンティブ、顧客
モバイルブラウザー上で展開されるビジネスには顧客関係を
サービスなど、あらゆる種類の促進要因や確実性が必要にな
構築できる可能性が秘められているため、
ブランドロイヤルティ ります。
が極めて重要になります。そのため、今ではあらゆるサービス
プロバイダーが、かつては通信事業者の独擅場であった領域
チャンスの最適化
査の結論として、以下では、前途に立ちふさがる課題に最善の
のは、簡単に実行でき、だからこそ利便性が高いためです。一
きたい、5 つの重要な観点を指摘しておきます。
浮上します。モバイルサービスプロバイダーやモバイルブラン
でマインドシェアを増やそうと競い合っている状況です。本調
方法で取り組もうとする CMO の皆様に注意を払っていただ
情報に関する単純な活動をユーザーが楽しみながら行える
方、複雑な機能になると、実際問題として、さまざまな課題も
ドの眼前には、大きなチャンスが広がっています。現在のユー
変化のペース
ザーは、
より高いレベルで、
しかも簡単かつ効果的な手段を通
このモバイルコンシューマーに関する調査研究の結果、モバ
して、企業とやり取りできることを期待しています。このことを
イルユーザーの国際的なコミュニティは国や地域ごとに異な
プロバイダーは理解する必要があります。こうした期待に応え、
るスピードで動いており、成熟度に差があり、ビジネスチャン
スも異なり、複雑なマーケティングを必要とすることが明らか
さらにはこれを上回ることが求められているのです。
になっています。新興市場はその他の市場に比べ、モバイル
シンプルなモビリティ
の将来に関して熱気に満ちており、モビリティとそれが人々の
シンプルさこそは、ユーザーがモバイルテクノロジーを取り入
モバイル行動の推進にあたって最先端のテクノロジーへの依
すさです。シンプルさは利便性をもたらし、
その結果、
ユーザー
ます。それに比べると日本、米国、英国などの成熟市場は、モ
さやセキュリティの脅威によって、せっかくのメリットが損なわ
生活に及ぼす影響との間に明白な関連性が見られます。また、 れる基盤となります。サービスの定着を加速するのは使いや
存度はまだ低く、新しいものを積極的に取り入れようとしてい
にとってのメリットが生まれます。とはいえ、望ましくない複雑
バイルの成長ペースと潜在的な可能性に関してやや慎重で、 れてしまうこともあります。モバイル業界には今後、
こうした懸
懐疑的な姿勢すら見られます。それでも、幅広い多彩なモバイ
念を最小限に抑え込むか、少なくとも緩和する取り組みが求
境の重要性と価値は十分に認識されています。
要があります。シンプルな機能性が根本ではあるものの、複雑
ルサービスを提供する、統合性が高く使いやすいモバイル環
められます。現実問題としては、周到にバランスを維持する必
さの問題がセキュリティに起因するものであれば、必要悪とし
て甘受せざるをえない場合も多いでしょう。
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サービス事業(銀行や小売など)は複雑なモバイル環境での
スマートフォンからスマートサービスへ
デバイスの洗練度が一定のレベルに達し、もはや当たり前と
思われるようになり始めると、
「デバイスのテクノロジー」
より
業務展開に適応しなければなりません。こうした方向へと環
境が変化していく以上、モバイルブランドが顧客関係を完全
はサービスを重視する傾向が鮮明になってきます。その結果、 に構築 / 活用するためには、顧客をより的確に理解しなけれ
消費者は徐々に、テクノロジーの洗練度よりもサービスの優
劣性に影響を受けるようになります。このことは、モバイルで
サービスを販売 / 提供する企業におけるマーケティングおよ
ばなりません。それができてこそ、モバイルプロバイダーやモバ
イルブランドは、ユーザーと親密に関わり合い、より価値の高
いサービスを将来的に創出するための態勢を整えることが可
び基幹業務のインフラにとって、大きなプレッシャーとなります。 能になります。
テクノロジー企業は「サービス志向」を強めなければならず、
モバイルユーザーは、
よりレベルの高いサービスで
容易に企業とやり取りできることを期待しています。
このことをプロバイダーは理解する必要があります。
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モバイルコンシューマーはテクノロジーの洗練度よりも
サービスの優劣に影響を受けるようになります。
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付録
国別回答者数
調査の方法論
米国
上の 12,424 人にインタビューしました。対象者には 2013 年
米国
携帯電話(従来型またはスマートフォン)
を所有する 18 歳以
1072
欧州、中東、
アフリカ
(EMEA)
英国
南アフリカ
調査を実施したのは、ロンドンを本拠とする独立調査会社の
Loudhouse です。
1159
638
フランス
513
ドイツ
523
ロシア
1043
エジプト
3 月および 4 月にオンライン調査で回答していただきました。
500
サウジアラビア 502
スペイン
564
南米(LATAM)
ブラジル
1012
メキシコ
513
コロンビア
514
チリ
583
アジア太平洋(APAC)
中国
1000
インド
1050
日本
オーストラリア
651
587
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Loudhouse について
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