企業訪問報告書 2012 年も、PASCH 校の生徒たちに、在日ドイツ企業・機関を訪問するチャンスが与え られることになりました。44 人の生徒たちにとっては、ドイツ企業の代表者にインタヴュ ーをしながらドイツを肌で感じ取るまたとないチャンスです。 今年の訪問先「ステーション」は、ルフトハンザ社、SAP ジャパン社,シェフラー・ジ ャパン社、フォルクスワーゲン社、テュッセン・クルップ社、トュフ・ラインランド、メ ルク社、そしてシーメンスの 8 社です。生徒たちは 4 グループにわかれ、それぞれ 2 社を 訪問します。(Goethe-Institut PASCH プロジェクト 2012 より) ここでは、北園生の報告を紹介します。 ◆メルク株式会社(Merck) 川崎晴香 梶沼実沙子 私達は 10 月 9 日に目黒にあるメルクという会社に行きました。メルクは主に化学品を扱 っている会社です。車の塗装や化粧品、3DS のコーティングなど私達の日常にあるさまざ まなものを扱っています。 企業訪問では、仕事の内容をドイツ語で説明していただきました。私たちも事前に企業 への質問内容を考え、ドイツ語で質問をしました。今回、メルク社の知識があまりない状 態での企業訪問でしたが、みなさんあたたかく迎えてくださり、メルク社をより身近に感 じることができました。また、メルク社のみなさんは、私達がドイツ語がうまく理解でき ていないときはゆっくり話してくださり、ときに日本語をまじえてくださいました。おか げで楽しく企業訪問を終えることができました。 ですがネイティブのドイツ語を聞いてみて、聞き取れなかったり単語の意味が分からな かったり、やはり語彙力の不足を痛感しました。これを機に、よりいっそうドイツ語の勉 強に励みたいと思いました。 ◆ティッセンクルップ社(Thyssenkrupp) 中山千聖 Thyssenkrupp は鉄鋼、工業製品の会社です。世界 80 か国以上に会社があり、日本には 東京都、石川県、愛知県、広島県、福島県の 5 カ所にあります。 Thyssenkrupp で働くために、若者のための研修期間があります。ドイツでの実習制度が あり、ドイツ語や英語を学びます。また、エンジニアの資格をとるための勉強もできるそ うです。 Thyssenkrupp では自動車や飛行機の部品などが作られています。日本には工場はなく、 ドイツやオランダにあります。特に Thyssenkrupp で有名な商品は、階段昇降機です。実 際に見せてもらい、体験させてもらうことができました。写真はその時の様子です。 オランダの家は縦に長い造りになっていて、お年寄りにとって階段の上り下りは大変だ そうです。そういう背景から、この階段昇降機はオランダで造られたそうです。曲線でも 動きはスムーズで、操作も簡単でした。オランダではほとんどの家に普及されているこの 階段昇降機は、日本ではまだまだ普及率が少ないそうです。日本のお年寄りが安全で、安 心な暮らしができるように、これからもっと日本でも普及されればいいなと思いました。 ◆SAP ジャパン株式会社 江黒夕夏 木下蛍 私たちは、世界で有名なソフトウェア企業である SAP の、千代田区にある日本の本社を 訪問しました。インタビューに対応してくれたのは、SAP で20年間ほど働いているドイ ツ人の方です。インタビューはすべてドイツ語で行われました。会社の専門用語がたびた び出てきて聞き取るのに苦労しました。電子辞書を持って行ったのですが使う暇もなく、 何度かドイツ語を右から左へ受け流すような、ただ聞き流しているだけのような形になっ てしまいました。 グローバルな会社である SAP は、世界中に会社があり、連携して取り組んでいこうとい う動きを進めているそうです。でも、実際に SAP で働いている日本人の語学力を聞くと、 英語を話せる人は数少なく、ドイツ語を話せるのはたった3人程でした。 こんなグローバルな時代において、語学は手段として必須なものだと思います。SAP に 限らず、今後企業が求める人材は高い知識と語学力をもった人だということがわかりまし た。自分たちの将来を考える上で、今回の企業訪問は貴重な体験になりました。 ◆シェフラージャパン株式会社(Schäffler Japan) 高木咲 私たちは今回、シェフラージャパン株式会社を訪問しました。シェフラーは、INA、LuK、 FAG の 3 つのブランドのもと、エンジンの商品など自動車に関する部品を製造開発してい る会社です。 訪問の際には、会社の方々から部品を実際に見せてもらいながら、製品の説明をしても らいました。また、オフィス内や製品の開発研究室を見学し、会社の雰囲気を味わったり しました。 開発研究室では、プラスチックや金属による研究(圧縮試験・引張試験)など、様々な 研究風景を見ることができました。専門的な用語が出てきたりして難しい内容のお話もあ りましたが、貴重な体験をすることができました。 ◆フォルクスワーゲン株式会社・シーメンスジャパン株式会社 熊谷慎一朗 私が訪問した企業は、フォルクスワーゲン社とシーメンス社です。 フォルクスワーゲンは車のブランドで、最近では”up”という名前の新車があります。私は 車に関してあまり詳しくないのですが、質問に答えてくださった副社長のシュタインさん がとてもおもしろい人だったので、楽しく聞くことができました。また、これを機にもう 少し車に興味を持ってみようと思いました。 シーメンスでは、日本との歴史についての紹介がありました。それによると、シーメン スは幕末から日本と深い関係があり、現在の富士通はシーメンスが由来なのだそうです。 また、会社内の見学もさせていただき、様々な医療機器や、仕事をしている様子などを見 ることができました。たまたま、私の父がシーメンスに勤めていたので、この企業訪問は、 毎日父がどのような仕事をしているのかなどを知る良い機会になりました。 今回の企業訪問は、ドイツ語を学習するだけでなく、ドイツの文化に触れる良い機会と なりました。ただ、正直、ドイツ語での質疑応答のほとんどの内容が聞き取れなかったの で、これからはリスニングなどの勉強を通して、ネイティブの方ともコミュニケーション が取れるようになりたいです。 貴重な体験をありがとうございました。
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