第 3 期 事業報告書

第3期
事業報告書
(平成 23 年 6 月 1 日から平成 24 年 5 月 31 日まで)
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はじめに
昨年 3 月 11 日に発生しました未曾有の「東日本大震災」につきましては、弊
社のオガールプラザ建設など事業展開に大きな影響を及ぼしはしましたが、こ
の一年、関係各方面の復興への取り組みが徐々のその成果を表し、岩手県内の
景気は復興需要によってやや持ち直しの方向にあります。このことは有効求人
倍率からも窺うことができ、先ごろ、19 年ぶりに「1」を上回ったとの報道も
見られたところであります。
平成 21 年 2 月、紫波町は町民、事業者と協働して「紫波町公民連携基本計画」
を策定しました。町有地を活用して、財政負担を最小限に抑えながら、公共施
設整備と民間施設等の立地による経済の複合開発を行うことを目的とした計画
であります。この計画の事業推進に当たっては民間との連携により行うことと
されましたが、ここに、官と民が連携するためのエージェントの役割を担う事
業体が必要とされました。
弊社は、この計画達成のための事業を展開することを目的として平成 21 年 6
月に設立された株式会社であり、社業を通じて「紫波町の一層の発展と紫波町
民の幸せを目指す」ことを経営理念に掲げ、事業に取り組んでおります。
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事業の状況
弊社第 3 期におきましては、出資者各位のご協力、ご支援を賜り、弊社に課
せられた業務の意義を十分に弁え、積極的かつ安定的な事業展開に取り組んで
まいりました。
「紫波中央駅前都市整備事業・民間活力誘導事業」
紫波中央駅前都市整備事業(オガールプロジェクト)は公民連携基本計画の具
現化事業であり、第 3 期の基幹的事業として取り組みました。
本事業は紫波町からの受託事業の一環であり、オガールプロジェクトエリア
内の事業間の調整、地域内外資源を活用した事業誘導業務、エリアの美観形成
に関する調整等を行いました。
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町初の官民複合施設「オガールプラザ」の整備につきましては、後述する紫
波マルシェの事業化と合わせて今期の最大事業でありました。
オガールプラザは、不動産所有特別目的会社である弊社 100%出資会社(期中
に 100 %ではなくなりました)のオガールプラザ㈱が発注者となり平成 23 年 9
月 26 日に起工式を行いました。東日本大震災の影響等もあって予定よりも約3
カ月遅れの着手となり、完工の遅れが心配されましたが、今期中に完成し、6
月1日に建物の引き渡しが行われました。
建築工事請負契約は前期平成 22 年 11 月 1 日に締結しておりましたが、これ
も震災の影響によりまして平成 24 年 1 月 26 日に変更契約を行っており、工費
は 1,073,500 千円となりました。
弊社は施主側の一員としての立場で工事の進行監理業務を担いました。
木造のオガールプラザは、町産、地域産木材 846 ㎥、約3ヘクタール分を使
用し、森林資源循環のまちづくりに多少なりとも貢献できました。また、オガ
ールプラザに勤務する従業員数は 105 人で、うち紫波町内が 72 人であり、雇用
の場の確保に寄与できました。
弊社が産直「紫波マルシェ」の運営者となることとなった経緯、人材確保の
方針等については、前期において既に報告をいたしているところでございます。
今期は前年に立ち上げた「設立準備委員会」「生産者連絡会」「テナント会設
立準備会」などの会議を重ね、7 月 30 日から 23 年度末を期限として会員の募
集を行いました。
平成 24 年 1 月 11 日に工事の進捗状況の報告や作付け研修の初会合を行い、
同 3 月 12 日、「紫波マルシェ生産者部会」を設立し、経営理念・方針、諸規定
などを確認するとともに内容表示や 6 次産業化についての研修も行いました。
期末のマルシェ会員数は 233 人(者)であります。
紫波マルシェは生鮮三品を扱うとの方針から農畜産物はもちろん鮮魚(㈱清
次郎)、肉製品(㈱アリメント)のテナントも参加していただきました。さらに
はスイーツ・軽食(㈱高橋農園)、食堂(㈱アリメント)のテナントにも参加を
いただいております。
なお、5 月 30 日に紫波町の姉妹都市であります福島県古殿町の「道の駅ふる
どの」の「おふくろの駅」と姉妹産直の締結を行っております。
民間活力誘導事業においては、以上のほかに、住宅販売に関する手法の調査
検討を行ったほか、JFA アカデミー誘致、教育施設誘致への取り組みを行いま
したが現時点で実現には至っておりません。
オガールプロジェクトでは「デザインガイドライン」を策定し、美しい街並
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みを積極的にコントロールし、保全、育成していくこととされていますが、そ
のデザイン調整会議の開催、広く理解していただく「オガールフォーラム」も
開催しました。
「紫波中央駅前都市整備事業・仮想市街地 PR 事業」
本事業は、紫波中央駅前都市整備事業(オガールプロジェクト) の整備区域の
将来イメージの情報発信を行い、市民及び民間事業者の関心を高め、投資を誘
発することを目的に進めております。
町の魅力やプロジェクトの PR 活動を行うことで、市民や民間企業の投資の誘
発につなげていくタウンプロモーション業務として各種イベントに積極的に参
画し、情報発信を行いました。また、現場説明会の企画や視察来社への対応も
行いました。
ホームページによる魅力、情報発信として最新情報を逐次掲載するとともに、
ブログについては、平日は毎日、加えて隔週土曜日にもアップしています。こ
のことによりまちの情報発信はもとより、オガールプロジェクトの進み具合を
段階的に理解していただけているものと考えています。
今期の 1 日平均アクセス数は 7,952 件で昨年の 4,627 件から大幅に増加して
おります。特にも 1 月以降は日に 10,000 件を超えている状況であり、好評をい
ただき、相応に効果を発揮しているものと評価をいたしております。
地域資源活用販路拡大業務での「うずら豆」
(ボルロッティ)につきましては、
前年同様の町内農家に試験栽培の委託を行って約 100kg を収穫しました。秋か
ら県内外のレストランへの直販に取り組みましたが 48.5kg の販売実績にとどま
りました。残数量については生産農家管理となっており、引き続き弊社への引
き合いに対応していくとともに、今後については、農家との協議の結果、マル
シェで販売を行っていくこととしています。
「町有地活用事業」、その他
国道 4 号沿い、紫波郵便局向かいの土地 紫波町町有地(岩手県除雪車車庫
跡地)活用提案事業につきましては、弊社の提案が採用され、昨期事業化いた
しました。
町の土地及び隣接地を賃借し、両土地の既存建物の解体を行った上で施設を
整備し、企業を誘致して、これを賃貸する事業です。誘致した㈱ダイヤモンド
テレコムが経営するドコモショップは平成 23 年 3 月 4 日に開業しました。同店
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は順調な業績を上げていると聞いております。
また期中に、新たに「紫波町水道事業所広報支援業務」
「紫波町水道事業所第
三者評価(モニタリング)業務」を受託しました。日ごろの情報発信事業が評
価され、また、官と民が連携するために設立された弊社の特性が評価されての
受託であり、弊社の業績にも寄与しました。
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○当期中の主な実施事項
月
日
実
施
内
容
7月1日
紫波中央駅前都市整備事業
受託契約を締結
7 月 21 日
第2回定時株主総会を開催
7 月 30 日
紫波マルシェ会員募集説明会を開催。募集開始
(8 月 2 日と計 2 回開催)
全農家に案内
8 月 22 日
紫波町とオガールプラザ㈱は事業用定期借地権
設定計約を締結
紫波町
オガールプラザ
㈱
9 月 26 日
オガールプラザ工事安全祈願祭、起工式典
71 人出席
12 月 2 日
紫波町
仮称・紫波町情報交流館の売買仮契約を締結。14
オガールプラザ
日議決
㈱
12 月 19
日
民間活力誘導業務
関係事項等
紫波町浄配水場等管理運営業務委託
価業務の受託契約を締結
第三者評
1 月 11 日
紫波マルシェ会員初会合を開催。内容は工事進捗
状況説明、作付け検討講習会
1 月 25 日
第3期第1回臨時株主総会を開催
紫波町
紫波町水道事業
所
特定建設工事共
同企業体
オガールプラザ
㈱
1 月 26 日
オガールプラザ変更請負契約を締結
2月 8日
民間都市再生整備事業計画(オガールプラザ整備
オガールプラザ
事業)が都市再生特別措置法による国土交通大臣
㈱
から認定
2 月 23 日
オガールプラザ㈱の第三者割当増資に申込
2 月 26 日
オガールフォーラム(会場は紫波総合高等学
校)・現場見学会を開催
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170 人参加
3 月 28 日
紫波マルシェ6次産業化企業塾を開催
31人参加
4 月 12 日
水道事業通年モニタリング及び広報支援業務の
受託契約締結
紫波町水道事業
所
5 月 30 日
紫波町の姉妹都市古殿町の「おふくろの駅」と姉 古殿町
妹産直を締結
㈱おふくろの駅
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当期中の売上高等営業成績
実績及び資産
第1期
第2期
第3期
28,533
27,083
35,685
経常利益(千円)
494
771
5,239
当期純利益(千円)
291
501
3,672
1 株当たりの当期純
利益(円)
3,731
2,506
18,812
総資産(千円)
7,020
41,942
58,322
純資産(千円)
4,191
10,792
14,554
売上高(千円)
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財産設備投資の状況
今期においては以下の投資を行いました。
○出資
オガールプラザ株式会社 15,000 千円
出資日 平成 24 年 2 月 23 日
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長期借入金
当期借入金
借入相手方
借入日、借入期間
23,000 千円
㈱東北銀行
平成 23 年 3 月 10 日 10 年間
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6
会社の概況
(1)主要な事業内容
当社の事業内容は多岐にわたりますが、主要な事業は以下のとおりです。
都市開発事業、観光開発事業、産業振興事業に関する各種調査、研究、
企画立案並びに実施。
地方公共団体、法人、その他企業の依頼により対価を得て行う経済政
策、経済開発計画の調査研究、立案、指導。
不動産の管理、維持、補修、売買、保有、賃貸借、斡旋、仲介。
農畜産物、食品、民芸品の販売事業及び食品加工業、産地直売所の経
営、酒類販売業。
(2)主要な事務所
本 店
〒028-3305
事務所
〒028-3305
岩手県紫波郡紫波町日詰西一丁目3‐1
岩手県紫波郡紫波町紫波中央駅前二丁目1-1
(3)従業員の状況
平成 24 年 5 月 31 日現在の状況は次のとおりである。
区
分
社員数
平均年齢
勤続年数
男性社員
3人
45.3 歳
1.8~3 年
女性社員
2人
23.5 歳
0.2~2.5 年
計または平均
5人
34.4 歳
1.78 年
(4)株式の状況
株式の総数
株式 1 株の金額
株主数
(5)取引金融機関
東北銀行紫波支店
北日本銀行紫波支店
200 株
50,000 円
10 名
岩手中央農業協同組合本所
岩手銀行紫波支店
盛岡信用金庫紫波支店
(6)取締役、監査役の状況
代表取締役
八重嶋 雄
取締役
岡 崎 正
監査役は設置していない。
光
信
7
7
庶務の概況報告
平成 23 年 8 月 4 日(木)、目的の変更並びに代表取締役、取締役に関する
変更登記を行った。
平成 24 年 1 月 25 日(水)、第 3 期の第 1 回臨時株主総会を開催し、オガー
ルプラザが行う第三者割当増資に対する応募についての件を審議した。
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決算期後に生じた会社の状況
平成 24 年 6 月 1 日、同日付けで男性社員 1 名(岡崎正信事業部長)が退社
した。
平成 24 年 6 月 4 日(月)、事務所を紫波町紫波中央駅前二丁目3-3、オ
ガールプラザ内に移転した。
平成 24 年 6 月 18 日(月)、オガールプラザ竣工式典、並びに祝賀会を、式
典は 140 人、祝賀会は 268 人出席の下開催された。
平成 24 年 6 月 20 日(水)、オガールプラザのグランドオープン(開場式)
が行われた。同時に紫波マルシェも営業開始した。
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今期(平成 25 年 5 月期)の営業方針と損益予想
弊社が第4期において行う事業は、受注事業等次のとおりの予定となって
います。
○営業、受注予定業務等
業務名
発注者・事業主体
金額・円
紫波中央駅前都市整備事業・民間
活力誘導業務
紫波町
9,000,000
紫波町地域交流センター一部管理
委託業務
紫波町
4,067,000
オガールプラザ㈱
5,000,000
オガールプラザ維持管理業務(オ
オガールプラザ㈱
ガールプラザ分)
420,000
オガールプラザ管
理組合
8,400,000
オガールプラザ運営業務
オガールプラザ維持管理業務
8
160,000,000
紫波マルシェ運営事業
オガール紫波㈱
NTT ドコモ紫波店家賃
㈱ダイヤモンドテ
レコム
5,520,000
水道事業通年モニタリング・広報
紫波町水道事業所
支援業務委託
2,750,000
100,000
その他業務
合
195,257,000
計
今期も、紫波町が、紫波中央駅前の町有地にて展開していく「オガールプロ
ジェクト」に関する受注業務を中心に、所期の目的達成のために取り組んで参
ります。
オガールプラザはグランドオープンしての初年度でありこの事業運営が円滑
に進められるよう、オガールプラザ維持管理事業、地域交流センター一部管理
事業などの業務に取り組んで参ります。
また、先年オープンした岩手県フットボールセンター、プラザの地域交流セ
ンターや各テナント、紫波マルシェと関連付けた事業運営と共に、その相乗効
果を狙った事業棟用地への民間企業等の誘導を図り、更なる賑わいを紫波中央
駅前に実現することを目指します。
紫波マルシェは、オガールプラザのオープンと同時に営業開始いたしており
ます。営業初年度のため会員生産者の出荷、販売体制など解決すべき課題があ
りますので、これらを解決し円滑な営業体制に移行させるよう取り組んでいき
ます。
町有地と民間用地を活用し開発した「ドコモショップ紫波店」の家賃収入は
3年目に入ります。更に、紫波町水道事業所から「水道事業通年モニタリング
広報支援業務」を受託しましたことから、紫波町の水道事業について、広く一
般に広報を行っていくこととします。
なお、向こう3年の中期の損益予想は次ページのとおり見込んでおります。
平成 26年 5 月期(5 期)では、単年度において損失が見込まれておりますが、
翌第6期以降については回復できるものと考えております。
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○今期から中期(平成 25 年 5 月期から)の損益予想
単位;千円
平成 25 年 5 月期 平成 26 年 5 月期 平成 27年 5 月期
売上高・紫波マルシェ
160,000
195,000
220,000
売上高・上記以外全般
35,257
29,257
26,507
売上高合計
195,257
224,257
246,507
売上総利益
69,068
64,682
66,385
販売費・一般管理費
67,642
65,092
66,152
営業損益
1,426
-410
233
経常損益
1,426
-410
233
税引前当期純損益
1,426
-410
233
10