平成26年度 事業計画書 平成25年度の我が国経済は

平成26年度
事業計画書
平成25年度の我が国経済は、いわゆるアベノミクス政策効果により、消費等の内
需を中心として景気回復の動きが確かなものになりつつあった。
この経済動向を踏まえ、政府の平成26年度の経済見通しでは、我が国経済は、消
費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減には留意が必要であるが、「好循環実現の
ための経済対策」などの諸施策を推進することにより、平成25年度に続き堅調な内
需に支えられた景気回復が見込まれ、好循環が徐々に実現していくとしている。また、
消費者物価の上昇率は3.2%程度、労働市場の改善など、デフレ脱却に向け着実な
進展が見込まれ、この結果、平成26年度の国内総生産の実質成長率は1.4%程度
と見込まれるとしている。
経済産業省が昨年度にまとめた平成29年度までのLPガスの需要見通しの中で、
平成26年度の家庭業務用需要は、LPガス世帯の減少、高効率器具への転換の影響
等が要因となり、引き続き需要の減少が見込まれている。他方、全国自治体や民間の
取り組みにより、災害に強いLPG利用の特性をいかした非常用発電機の設置やGH
Pの導入などの動きは、活発化するのではないかと期待されている。
こうした中、平成25年のLPガス用容器の生産総数は、4年ぶりに150万本を
上回った平成24年に対し、148万本と若干下回る結果となった。但し、30~5
0Kg容器に限れば、平成25年は76万本と平成24年の75万本を上回っている。
また、その他の高圧ガス用容器についても、平成25年は4.2万本と平成24年の
3.8万本を上回っている。
バルク貯槽の生産総数は、平成25年は9.2千基となり、LPガス容器と同様に
前年を若干下回る結果となった。
高圧ガス用溶接容器業界にとっては、引き続き厳しい経営環境下にあるが、依然、
全世帯数の半数近くがLPガスをエネルギー源として利用しており、経済全体の明る
さが垣間見える状況とエネルギー供給・利用の多様化が求められる中でのLPガスへ
の期待や災害時に強いエネルギー源としての重要性の再認識等の動きは、LPガスの
需要拡大に資するものとして大いに歓迎されるところである。
また、バルク貯槽の20年検査は、関連する省令・告示改正が行われ、いよいよ本
格化することから、これが今後のバルク貯槽の需要・生産、更にはバルク貯槽のみな
らずLPガス用容器に与える影響についても、十分に検討を行っていくことが求めら
れる。
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本年2月にまとめられたエネルギー基本計画原案では、LPガスを「最終需要者へ
の供給体制及び備蓄制度が整備され、可搬性、貯蔵の容易性に利点があり、平時の国
民生活を支えるとともに緊急時にも貢献できる分散型のクリーンなガス体エネルギ
ー源」と位置付けている。これは正に、当工業会の会員企業が担うLPガス容器やバ
ルク貯槽の役割に期待しているものであり、国民生活でのエネルギーの安定供給とい
う果たすべき役割を再認識し、その使命を全うするため、また、LPガス仕様のGH
PやLPG車など多様な製品需要に通じるよう高圧ガス用容器の安全性の維持向上
と安定した供給に努め、LPガス業界全体の発展に貢献するため、平成26年度にお
いても、以下の事業を推進していくこととする。
1.溶接容器等の供給対策
(1)LPガス用容器及びバルク貯槽の生産動向等の調査分析を行うとともに安定供
給に努め、LPガス産業の発展と消費者のLPガス利用の促進に寄与する。
(2)関係団体との連携のもと、需要者のニーズに的確に対応した製品の供給に努め
需要の拡大に努める。
(3)品質保証に関するルールの維持に努め、LPガス容器及びバルク貯槽等の需要
家との信頼関係の増進と供給の円滑化に資する。
2.溶接容器等の技術向上対策
(1)関係諸団体と協力し、LPガス用容器及びバルク貯槽の品質向上、技術研究開
発に努め、消費者のLPガス利用の安全確保に寄与する。
(2)溶接容器及びバルク貯槽に関する関係法令及び基準等の見直し、検討には積極
的に参加し協力する。
(3)ISO関連の国際会議、国内会議に参画し国際規格との整合性の確保に努める
等により、溶接容器・バルク貯槽に係る技術の向上に寄与する。
3.保安対策
(1)生産物賠償責任保険に加入し不測の事態に備えるとともに、消費者等の安全確
保に万全を期す。
(2)LPガス容器処理認定事業の普及と認定工場の拡大に努める等により、適正な
容器処理の普及に努める。
(3)高圧ガス保安法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律等
に係る政府の施策に協力する。
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(4)高圧ガス保安協会の各種委員会、LPガス安全委員会、その他LPガス関連団
体の委員会等に参画し、保安対策、事故防止等に関する諸施策に協力する。
4.その他の事業
(1)溶接容器、バルク貯槽の生産統計の作成、その他会員名簿の整備等を行い、業
界運営及び関係方面における資料として活用する。
(2)関係官庁が主催する委員会、高圧ガス保安協会の評議員会等に参画し、諸施策
に協力する。
(3)関係官庁、関係諸団体との連絡を密にし、情報交換を行い、業界相互の発展に
努める。
(4)高圧ガス容器に関連する法令、政府の諸施策、各種報告書等必要な資料を会員
に配布するとともに、情報提供に努める。
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