病理・細胞診断セミナー1 子宮頸部・扁平上皮系

病理・細胞診断セミナー1 子宮頸部・扁平上皮系
症例番号:子宮扁-1
出題者:山本伸晃(国立病院機構千葉医療センター臨床検査科病理)
年齢:38 歳
性別:女性
臨床所見:不正出血
採取部位:子宮頸部
採取法:擦過
染色法:パパニコロウ染色
症例番号:子宮扁-2
出題者:佐藤和美(国立病院機構東京医療センター臨床検査科)
年齢:59 歳
性別:女性
臨床所見:不正出血
採取部位:子宮頸部
採取法:擦過
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.NILM
2.HSIL
3.SCC
4.Adenocarcinoma
5.Other malig.
選択肢
1.NILM
2.HSIL
3.SCC
4.Adenocarcinoma
5.Other malig.
病理・細胞診断セミナー2 子宮頸部・腺系
症例番号:子宮腺-1
出題者:仲本美智子(公益財団法人東京都予防医学協会母子保健検査
二科)
年齢:20 歳代
臨床所見:子宮がん検診,最終月経より 18 日目,月経周期不順
採取部位:子宮膣部,頸管
採取方法:擦過(サーベックスブラシ)
染色法:パパニコロウ染色(LBC,シンプレップ法)
症例番号:子宮腺-2
出題者:笹井伸哉(国家公務員共済組合連合会立川病院病理診断科)
年齢:59 歳
性別:女性
臨床所見:子宮膣部筋腫疑い,表面出血
採取部位:子宮頸部
採取法:擦過(サーベックスブラシ)
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.NILM
2.AGC
3.AIS
4.AIS+HSIL
5.AC
選択肢
1.卵管化生:NILM
2.類内膜腺癌:adenocarcinoma
3.漿液性腺癌:adenocarcinoma
4.明細胞癌:adenocarcinoma
5.Other malig
病理・細胞診断セミナー3 子宮体部
症例番号:子宮体-1
出題者:山田貴之(名古屋市立大学病院病理診断部)
年齢:51 歳
性別:女性
臨床所見:不正出血 最終月経 2 週間前
採取部位:内膜
採取法:擦過
染色法:パパニコロウ染色
症例番号:子宮体-2
出題者:松井竜三(名古屋市立大学病院病理診断部)
年齢:62 歳
性別:女性
臨床所見:不正出血 閉経
採取部位:内膜
採取法:擦過
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.増殖期子宮内膜細胞
2.子宮内膜増殖症
3.子宮内膜異型増殖症
4.類内膜腺癌(G1)
5.類内膜腺癌(G3)
選択肢
1.子宮内膜結核症
2.子宮内膜異型増殖症
3.類内膜腺癌(G3)
4.腺扁平上皮癌
5.癌肉腫
病理・細胞診断セミナー4 卵巣
症例番号:卵巣-1
出題者:本田勝丈(静岡県立静岡がんセンター病理診断科)
年齢:70 歳代
性別:女性
臨床所見:右卵巣腫瘍
採取部位:右卵巣
採取方法:摘出腫瘍擦過
染色方法:パパニコロウ標本
選択肢
1.奇形腫
2.良性ブレンナー腫瘍
3.境界悪性ブレンナー腫瘍
4.扁平上皮癌
5.類内膜腺癌
症例番号:卵巣-2
出題者:大野幸代(静岡県立静岡がんセンター病理診断科)
年齢:13 歳
性別:女性
臨床所見:1 年前より腹部膨満感
採取部位:右卵巣腫瘍捺印
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.顆粒膜細胞腫 若年型
2.ディスジャーミノーマ
3.悪性黒色腫
4.未分化癌
5.類内膜腺癌
病理・細胞診断セミナー5 口腔
症例番号:口腔-1
出題者:秀島克巳(島根大学医学部歯科口腔外科学講座)
年齢:80 歳
性別:男性
臨床所見:右側上顎癌の疑い
採取部位:右側上顎口蓋
採取法:綿棒擦過
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.NILM(正常および反応性あるいは上皮内病変や悪性腫瘍性変化がな
い)(従来表示では主に ClassⅠ~Ⅱに相当)
2.LSIL(低度異型上皮内腫瘍性病変あるいは上皮異形成相当)
(従来表示では主に ClassⅡb~Ⅲに相当)
3.粘表皮癌(Mucoepidermoid carcinoma)
4.SCC(squamous cell carcinoma)(扁平上皮癌)
(従来表示では主に ClassⅤに相当)
5.腺様嚢胞癌(Adenoid cystic carcinoma)
症例番号:口腔-2
出題者:秀島克巳(島根大学医学部歯科口腔外科学講座)
年齢:68 歳
性別:女性
臨床所見:左側下顎歯肉悪性腫瘍疑い
採取部位:左下 2 番周囲歯肉
採取法:綿棒擦過
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.NILM(正常および反応性あるいは上皮内病変や悪性腫瘍性変化がな
い)(従来表示では主に ClassⅠ~Ⅱに相当)
2.LSIL(低度異型上皮内腫瘍性病変あるいは上皮異形成相当)
(従来表示では主に ClassⅡb~Ⅲに相当)
3.HSIL(高度異型上皮内腫瘍性病変あるいは上皮異形成相当)
(従来表示では主に ClassⅢb~Ⅳに相当)
4.SCC (squamous cell carcinoma)(扁平上皮癌)
(従来表示では主に ClassⅤに相当)
5.IFN (indefinite for neoplasia)
(細胞学的に腫瘍性あるいは非腫瘍性と判断し難い)
病理・細胞診断セミナー6 呼吸器・喀痰
症例番号:喀痰-1
出題者:鳥羽希和子(国立国際医療研究センター病院 中央検査部臨床
病理室)
年齢:73 歳
性別:女性
臨床所見:胸部異常陰影, 呼吸困難
検査材料:喀痰
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.カルチノイド腫瘍
2.腺癌
3.扁平上皮癌
4.小細胞癌
5.悪性リンパ腫
症例番号:喀痰-2
出題者:中村信之(国家公務員共済組合連合会虎の門病院病理部)
年齢:82 歳
性別:男性
臨床所見:間質性肺炎,左下葉浸潤影
検査材料:喀痰
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.組織球
2.杯細胞増生
3.良性異型細胞
4.腺癌
5.腺様嚢胞癌
病理・細胞診断セミナー7 呼吸器・FNA
症例番号:呼吸穿-1
出題者:関谷元幹(神奈川県立がんセンター医療技術部検査科)
年齢:73 歳
性別:男性
臨床所見:CT で右上葉に結節あり
採取部位:右上葉気管近傍
採取法:EBUS-TBNA
染色法:パパニコロウ染色(生理食塩水に回収後オートスメア)
選択肢
1.Squamous cell carcinoma
2.Adenocarcinoma
3.Small cell carcinoma
4.Large cell neuroendocrine carcinoma
5.Malignant lymphoma
症例番号:呼吸穿-2
出題者:内田好明(茨城県立中央病院茨城県地域がんセンター医療技術
部臨床検査科)
年齢:65 歳
性別:女性
臨床所見:右肺上葉に 35mm の腫瘤性病変,気管支周囲リンパ節腫大
採取部位:気管支周囲リンパ節
採取方法:EBUS-TBNA
染色法:パパニコロウ染色(直接塗抹)
選択肢
1.Granuloma
2.Squamous cell carcinoma
3.Adenocarcinoma
4.Large cell neuroendocrine carcinoma
5.Small cell carcinoma
病理・細胞診断セミナー8 唾液腺
症例番号:唾液腺-1
出題者:河原明彦(久留米大学病院病理診断科・病理部)
年齢:46 歳
性別:女性
臨床所見:軟口蓋に腫瘤を自覚する
採取部位:口蓋
採取法:穿刺吸引細胞診
染色法:パパニコロウ染色
症例番号:唾液腺-2
出題者:河原明彦(久留米大学病院病理診断科・病理部)
年齢:63 歳
性別:女性
臨床所見:1 年前より左耳下部に腫瘤を認め,徐々に増大する
採取部位:耳下腺
採取法:穿刺吸引細胞診
染色法:パパニコロウ染色およびメイギムザ染色
選択肢
1.多形腺腫
2.ワルチン腫瘍
3.粘表皮癌
4.腺房細胞癌
5.乳腺相似分泌癌
選択肢
1.多形腺腫
2.基底細胞腺腫
3.腺様嚢胞癌
4.腺房細胞癌
5.上皮筋上皮癌
病理・細胞診断セミナー9 消化器・胆汁膵液
症例番号:胆膵液-1
出題者:渋谷信介(京都大学医学部附属病院病理診断科)
年齢:66 歳
性別:女性
臨床所見:腹部エコーで主膵管の拡張(4mm)を指摘
採取部位:膵液
採取法:内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(ENPD)
染色法:パパニコロウ染色(LBC,サイトリッチ法)
選択肢
1.不適正
2.正常あるいは良性
3.鑑別困難
4.悪性の疑い
5.悪性
症例番号:胆膵液-2
出題者:田口雅子(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院病理
診断科)
年齢:50 歳代
性別:女性
臨床所見:肝門部胆管狭窄,胆管壁肥厚あり,肝門部胆管癌または原発
性硬化性胆管炎疑い.
採取法:ENBD より胆汁採取
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.不適正
2.正常あるいは良性
3.鑑別困難
4.悪性の疑い
5.悪性
病理・細胞診断セミナー10 消化器・FNA
症例番号:消化穿-1
出題者:丸川活司(北海道大学病院病理部)
年齢:60 代
性別:男性
臨床所見:腹部超音波検査にて膵背側に約 6cm 大の腫瘤
採取部位:膵背側後腹膜
採取方法:EUS-FNA
染色法:Diff-Quik 染色,パパニコロウ染色
症例番号:消化穿-2
出題者:大久保文彦(九州大学病院病理診断科・病理部)
年齢:40 代
性別:女性
臨床所見:腹部超音波検査にて膵尾部に約 2cm の腫瘤
採取部位:膵尾部
採取方法:EUS-FNA
染色法:ヘマカラー染色,パパニコロウ染色
選択肢
1.正常腺房細胞
2.傍神経節腫
3.Solid-pseudopapillary neoplasm
4.神経内分泌腫瘍
5.悪性黒色腫
選択肢
1.Solid-pseudopapillary neoplasm
2.傍神経節腫
3.筋上皮腫
4.神経内分泌腫瘍
5.腺房細胞癌
病理・細胞診断セミナー11 感染症
症例番号:感染症-1
出題者:中井美恵子(医療法人豊田会刈谷豊田総合病院臨床検査・病
理技術科)
年齢:80 歳代
性別:女性
臨床所見:多発性筋炎の診断にてステロイド治療中に,高熱を伴って肺の異
常陰影が出現したため,ニューモシスチス肺炎を疑い喀痰細胞診を
施行.
採取部位:喀痰
採取方法:誘発痰
染色法:パパニコロウ染色
問1.細胞所見から最も考えられる感染は何ですか?
選択肢
1.ウエステルマン肺吸虫症
2.糞線虫症
3.自由生活線虫(土壌由来)の混入
4.犬糸状虫症
5.ニューモシスチス肺炎
問2.診断を確定するために必要な情報は何ですか?
A.患者の生活歴・出身地
B.HTLV-1 抗体の有無
C.ペットの飼育の有無
D.土壌曝露の有無(畑仕事・ガーデニングなど)
選択肢
1.A・B
2.A・C
3.A・D
4.B・C
5.C・D
症例番号:感染症-2
出題者:渡邊友宏(株式会社チューケン日本医薬中央研究所熊本支社細
胞診)
症例:84 歳,男性
基礎疾患:反回神経麻痺
臨床所見:右中葉の繰り返す肺炎,食事中のムセは認めない
採取法:喀痰(入院中の喀出痰)
染色法:パパニコロウ染色,メイ・ギムザ染色
選択肢
1.誤嚥性肺炎
2.細菌性肺炎
3.ウイルス性肺炎
4.真菌性肺炎(カンジダ肺炎)
5.非定型肺炎(マイコプラズマ肺炎)
病理・細胞診断セミナー12 乳腺
症例番号:乳腺-1
出題者:柴原亜希子(三重大学医学部附属病院)
年齢:30 歳代前半
性別:女性
臨床所見:健診超音波検査で腫瘤指摘
採取部位:右 C 領域
採取方法:穿刺吸引
染色法:パパニコロウ染色
症例番号:乳腺-2
出題者:北山美佳(三重大学医学部附属病院)
年齢:30 歳代後半
性別:女性
臨床所見:他院超音波検査で乳腺腫瘤指摘
採取部位:左 C 領域
採取方法:穿刺吸引
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.上皮過形成
2.線維腺腫
3.乳管内乳頭腫
4.非浸潤性乳管癌
5.粘液瘤様腫瘍(Mucocele-like-lesion)
選択肢
1.硬化性腺症
2.浸潤性乳管癌
3.線維腺腫
4.乳管内乳頭腫
5.非浸潤性乳管癌
病理・細胞診断セミナー13 甲状腺
症例番号:甲状腺-1
出題者:石倉宗浩(市立砺波総合病院)
年齢:56 歳
性別:女性
臨床所見:濾胞腺腫
採取部位:甲状腺左葉
採取方:エコーガイド下穿刺吸引
染色法:パパニコロウ染色
症例番号:甲状腺-2
出題者:丸田淳子(野口病院研究検査科)
年齢:70 代
性別:男性
臨床所見:甲状腺腫瘤,前頚部痛
採取部位:左甲状腺腫瘤
採取法:穿刺吸引
染色法:Papnicolaou 染色
選択肢A
1.不適性
2.正常あるいは良性
3.鑑別困難
4.悪性疑い
5.悪性
選択肢A
1.不適正
2.正常あるいは良性
3.鑑別困難
4.悪性疑い
5.悪性
選択肢B
1.腺腫様甲状腺腫
2.濾胞性腫瘍
3.異型腺腫
4.乳頭癌
5.低分化癌
選択肢B
1.乳頭癌
2.腺腫様甲状腺腫
3.未分化癌
4.転移癌
5.髄様癌
病理・細胞診断セミナー14 泌尿器・自然尿
症例番号:自然尿-1
出題者:川﨑辰彦(佐世保共済病院病理診断科)
年齢:77 歳
性別:男性
臨床所見:膀胱腫瘍
採取部位:泌尿器
採取法:自然尿
染色法:パパニコロウ染色(LBC,LBC PREP)
症例番号:自然尿-2
出題者:山田貴之(福山市民病院臨床検査科)
年齢:55 歳
性別:男性
臨床所見:他院尿細胞診で Class Ⅴのため,当院紹介となった.
採取部位:泌尿器
採取法:自然尿
染色法:パパニコロウ染色,直接法(フィルター法)
選択肢A
1.不適正 Inadequate
2.陰性 Negative for
malignancy
3.異型細胞 Atypical cells
4.悪性疑い Suspicious for
malignancy
5.悪性 Malignant
選択肢A
1.検体不適正 Inadequate
2.陰性 Negative for
malignancy
3.異型細胞 Atypical cells
4.悪性疑い Suspicious of
malignancy
5.悪性 Malignant
選択肢B
1.異形成
2.低異型度非浸潤性乳頭状尿路上皮癌
3.高異型度非浸潤性乳頭状尿路上皮癌
4.上皮内癌
5.浸潤性尿路上皮癌
選択肢B
1.ウイルス感染細胞
2.反応性異型上皮細胞
3.低異型度尿路上皮癌
4.高異型度尿路上皮癌
5.腺癌
病理・細胞診断セミナー15 泌尿器・分腎尿
症例番号:分腎尿-1
出題者:松﨑生笛(和歌山県立医科大学人体病理学)
年齢:66 歳
性別:女性
臨床所見:腎盂結石,腎盂癌疑い
採取部位:右尿管
採取法:カテーテル尿(分腎尿)
染色法:パパニコロウ染色(標本作成法:サイトスピン)
選択肢A
1.不適正 (Inadequate)
2.陰性 (Negative)
3.異型細胞 (Atypical cells)
4.悪性疑い (Suspicious for
malignancy)
5.悪性 (Malignant)
選択肢B
1.結石による反応性異型尿路上皮
2.低異型度尿路上皮癌
3.高異型度尿路上皮癌
4.腎細胞癌
5.大腸癌浸潤
症例番号:分腎尿-2
出題者:松﨑生笛(和歌山県立医科大学人体病理学)
年齢:69 歳
性別:男性
臨床所見:肉眼的血尿
採取部位:右尿管
採取法:カテーテル尿(分腎尿)
染色法:パパニコロウ染色(標本作成法:サイトスピン)
選択肢A
1.不適正 (Inadequate)
2.陰性 (Negative)
3.異型細胞 (Atypical cells)
4.悪性疑い (Suspicious for
malignancy)
5.悪性 (Malignant)
選択肢B
1.後腎性腺腫
(Metanephric adenoma)
2.高異型度尿路上皮癌 (High
grade urothelial carcinoma)
3.高異型度尿路上皮癌と小細胞癌
(High grade urothelial
carcinoma and small cell
carcinoma)
4.小細胞癌
(Small cell carcinoma)
5.悪性リンパ腫
(Malignant lymphoma)
病理・細胞診断セミナー16 リンパ節
症例番号:リンパ節-1
出題者:中本周(鳥取県立中央病院病理診断科・臨床検査科)
年齢:20 歳代
性別:女性
病歴:右耳介後部の疼痛と腫脹を主訴に近医を受診し,耳下腺炎として抗
生剤治療.その後,発熱が出現・持続し右頚部腫瘤が増加増大
するため,悪性リンパ腫が疑われ,近医受診の約2週間後に本院
を紹介・受診された.
超音波所見:耳下腺内~右頚部にかけて,10 数個のリンパ節腫大を認める
(最大 23.3mm).耳下腺,顎下腺,甲状腺には特記所見なし
採取部位・採取方法:右頚部リンパ節に FNA を施行.
染色法:ギムザ染色.
選択肢A
1.検体不適正
2.正常あるいは良性
3.鑑別困難
4.悪性の疑い
5.悪性
選択肢B
1.猫引っかき病
2.壊死性リンパ節炎
3.ホジキンリンパ腫
4.大細胞型悪性リンパ腫
5.小細胞型悪性リンパ腫
症例番号:リンパ節-2
出題者:野口裕史(宮崎大学医学部附属病院病理部)
年齢:60 歳代
性別:男性
臨床所見:右肺下葉の多発結節性病変を認め,慢性下気道感染症として
経過観察されていた.半年前より,縦隔,左鎖骨上窩リンパ節の
急速な増大,血痰を認め,癌のリンパ節転移や悪性リンパ腫が疑
われた.
採取部位:左鎖骨上窩リンパ節
採取法:捺印細胞診
染色:パパニコロウ染色,メイギムザ染色
選択肢A
1.検体不適正
2.正常あるいは良性
3.鑑別困難
4.悪性の疑い
5.悪性
選択肢B
1.反応性リンパ濾胞過形成
2.ホジキンリンパ腫
3.非ホジキンリンパ腫
4.肺大細胞性神経内分泌癌の転移
5.低分化型腺癌の転移
病理・細胞診断セミナー17 体腔液・胸水
症例番号:胸水-1
出題者:平澤浩(藤田保健衛生大学病院病理部)
年齢:84 歳
性別:男性
臨床所見:食欲不振,腹部膨満感
検体:胸水
染色法:パパニコロー染色,メイギムザ染色
症例番号:胸水-2
出題者:新田憲司(名古屋第二赤十字病院病理診断科)
年齢:68 歳
性別:女性
臨床所見:CT にて前縦隔腫瘍を認め精査
採取部位:術中右胸水
染色法:パパニコロウ染色,メイギムザ染色
選択肢
1.肺癌 低分化腺癌
2.肺癌 小細胞癌
3.悪性中皮腫
4.神経肉腫(PNET、Ewing、etc)
5.反応性中皮細胞
選択肢
1.悪性リンパ腫
2.反応性中皮細胞
3.胸腺腫
4.悪性中皮腫
5.低分化腺癌
病理・細胞診断セミナー18 体腔液・腹水
症例番号:腹水-1
出題者:松山昌史(岐阜市民病院病理診断科部)
年齢:65 歳
性別:女性
臨床所見:腹部膨満感(腹水貯留)
採取部位:腹腔(腹水)
採取法:穿刺吸引
染色法:パパニコロウ染色
症例番号:腹水-2
出題者:松山昌史(岐阜市民病院病理診断科部)
年齢:79 歳
性別:男性
臨床所見:腹部膨満,食欲不振
採取部位:腹腔(腹水)
採取法:穿刺吸引
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.組織球
2.反応性中皮細胞
3.悪性中皮腫
4.低分化腺癌
5.悪性リンパ腫
選択肢
1.組織球
2.反応性中皮細胞
3.悪性中皮腫
4.低分化腺癌
5.悪性リンパ腫
病理・細胞診断セミナー19 髄液・脳
症例番号:髄液脳-1
出題者:佐藤香織(群馬大学医学部附属病院病理部)
年齢:33 歳
性別:女性
臨床所見:耳下腺炎および髄膜炎で入院中の CT にて左側脳室内腫瘍を
指摘された.
採取部位:髄液
採取法:遠心塗抹
染色法:パパニコロウ染色,ギムザ染色
症例番号:髄液脳-2
出題者:山崎達弥(群馬大学大学院医学系研究科病態病理学)
年齢:68 歳
性別:男性
臨床所見:失語症が増悪し,MRI で左側頭葉,右後頭葉に均一に造影さ
れる多発性病変が認められた.
採取部位:脳
採取法:生検組織の捺印
染色法:パパニコロウ染色,HE 染色
選択肢
1.中枢性神経細胞腫
2.髄芽腫
3.上衣腫
4.膠芽腫
5.胚腫
選択肢
1.脳膿瘍
2.膠芽腫
3.転移性癌
4.乏突起膠腫
5.悪性リンパ腫
病理・細胞診断セミナー20 骨・軟部腫瘍
症例番号:骨軟部-1
出題者:古田則行(がん研究会有明病院付設細胞検査士養成所臨床病
理センター細胞診断部サルコーマセンター)
年例:53 歳
性別:女性
臨床所見:左上腕部腫瘤 4.5×3.5cm の隆起性腫瘤,赤色で自壊あり
採取部位:左上腕部腫瘤
採取法:core-needle 穿刺,捺印
染色法:パパニコロウ染色
選択肢A
1.良性
2.低悪性・中間悪性
3.悪性
選択肢B
1.良性腫瘍
2.基底細胞腫
3.悪性リンパ腫
4.骨外性 Ewing 肉腫
5.上記以外の悪性腫瘍
症例番号:骨軟部-2
出題者:松山篤二(産業医科大学病院病理診断科)
年齢:70 歳
性別:男性
臨床所見:2 年前から右大腿前面(皮下)に腫瘤あり
採取部位:軟部
採取法:捺印
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.粘液腫 Myxoma
2.粘液線維肉腫 Myxofibrosarcoma
3.粘液型脂肪肉腫 Myxoid liposarcoma
4.低悪性線維粘液性肉腫 Low grade fibromyxoid sarcoma
5.骨外性粘液型軟骨肉腫 Extraskeletal myxoid chondrosarcoma
症例番号:骨軟部-3
出題者:松山篤二(産業医科大学病院病理診断科)
年齢:19 歳
性別:女性
臨床所見:4 ヶ月前から右膝痛あり.レントゲンで右大腿骨遠位骨幹端に異
常陰影を指摘される.
採取部位:骨
採取法:捺印
染色法:パパニコロウ染色
選択肢
1.骨肉腫 Osteosarcoma
2.ユーイング肉腫 Ewing sarcoma
3.線維性骨異形成 Fibrous dysplasia
4.骨巨細胞腫 Giant cell tumor of bone
5.ランゲルハンス細胞組織球症 Langerhans cell histiocytosis