Contents コラム 特集 『脊椎外科について』 『脊椎外科について 『関節リウマチ治療薬の最近の進歩と治療概念の変化』 『春のレシピ』 『春のレシピ ∼いわしとトマトの重ね焼き∼ 『花粉症の予防と治療』 『花粉症の予防と治療 院内ひろば 『画像診断科』 『画像診断科 平成17年4月1日発行 トピックス 『意外と身近な福祉用具』 『意外と身近な福祉用具 第39 号 脊椎外科について 副院長 慶友脊椎センター長 斉藤 正史 本年3月より当院に勤務することになりましたので自己紹介をかねて専門と している脊椎外科について紹介いたします。 経歴は1977年慶応義塾大学を卒業した後4年間に一般整形外科を研修し、5 年目より脊椎脊髄外科医として臨床と研究を行ってきました。脊椎は脊柱として頭部から体幹を支持する とともに脊髄神経を包容し外傷から保護しています。脊柱は脊椎骨と靭帯組織および筋肉によって安定し た支持と運動性を有しているわけですが、これが大別すると変性、外傷、炎症、脊柱靭帯骨化、脊髄腫瘍 等により障害されさまざまな症状を起こしてきます。主な疾患としては変性疾患が大半であり、脊柱で最 も負荷がかかる腰椎疾患が多くついで頚椎、胸椎の順となり、胸椎では変性が起こっても症状がでにくい ため治療対象となることは比較的まれです。椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症が代表的疾患であり最近 では変性側弯が治療対象となっています。頚椎では椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、脊柱管狭窄症が主 な疾患です。高齢化社会と呼ばれている近年に感じることは老人の活動性が以前とは比較にならないほど 高まっており、それに伴って高齢者でも積極的に手術をうけ日常生活を改善したいと考えていることです。 これから高齢者の手術はますます増加すると予想されます。治療は保存療法、観血療法が行われることに なります。術式は除圧と固定が基本であり、これに椎体側からアプローチする前方法と椎弓側からアプロー チする後方法の組み合わせとなります。近年は頚椎疾患に対して椎弓を切除しないで除圧する脊柱管拡大 術が広く行われており、本邦独自の術式で平林先生の片開き式拡大術は広く行われております。しかし疾 患の病態は必ずしも一様ではなく患者側の求める結果も多様であることから術式の選択については個別に 検討する必要があり、術者の知識と経験そして技量が問われることになります。脊椎外傷は一般病院で治 療する機会が少なく、労災病院や脊髄損傷の治療を専門的に行っている村山病院のような特殊な病院で診 療が行われています。脊椎外傷と脊髄損傷はほぼ同義語であり、脊柱が破綻すると脊髄も損傷されさまざ まな程度の脊髄麻痺を後遺することになります。外傷によって支持性が失われた損傷脊椎の再建は重要で すが、現在の医療では損傷脊髄を回復する治療法は開発されておりません。母校では夢とされていた脊髄 再生のための基礎実験が行われておりその成果が脊髄損傷患者の福音となることが期待されています。村 山病院在職中には結核性脊椎炎を多く経験してきました。現在まれな疾患となってきた結核性脊椎炎です が、結核症そのものは一定の頻度で発生しており炎症性脊椎炎を診断する上で常に念頭においておく必要 があります。脊椎外科の主な分野の中で自身のライフワークと考えているのが脊柱変形です。最も多いも のは特発性側弯症であり、ついで先天性側弯症で後弯症もまれですが治療対象となります。特発性側弯症 は原因不明で体幹の変形、進行すれば心肺機能の障害をもたらします。対象は思春期の女性が多く治療に 際しては本人のみならず両親との信頼関係が重要です。術式の進歩は著しく現代のインストゥルメンテー ションは変形の矯正率をすばらしく向上させました。今後はいかに低侵襲で手術を行うかが課題です。 脊椎外科を習得していく過程でこれらの疾患についていくつかの病院で研修してきました。多くの先輩 たちに指導を受けましたが、特に大学時代に平林先生(現慶友副院長)、若野先生(現川崎市立井田病院 長)、里見先生(現杏林大学教授)、東京第二病院(現東京医療センター)では細川先生の指導をうけ、 17年間勤務した村山病院では大谷先生にそれまで自身が実践してきたことと全く次元の異なる脊椎外科の 世界を見せていただきました。 今後はいままでに習得した脊椎外科を地域医療に還元するとともに後進の指導に当たりたいと考えてお りますのでよろしくお願い申し上げます。 連載 関節リウマチ治療薬の最近の進歩と治療概念の変化 整形外科副部長 リウマチ外来担当 綾部敬生 日本での関節リウマチ治療について、これからの数年間は変革の時期になると期待されています。新 薬の登場もありますが、これまでの治療法についても、EBM(evidence based medicine)の概念の本 格化により、臨床に基づいた証拠が次々に出てくると予想されます。医者はそれらの証拠に基づく治療 判断ができるようになり、副作用のリスクを伴う治療もその正当性を説明し、患者さんや社会に理解を 求め、今まで以上に治療を最適化できると期待されています。 今回から三回の連載で、関節リウマチ治療薬の最近の進歩、一般的な治療概念の変化について簡単に 話していきたいと思います。リウマチ治療薬の三本柱というと抗リウマチ薬、消炎鎮痛剤、ステロイド 薬であり、この考えは今も昔も同じです。ところが、一部の抗リウマチ薬と新しく開発された生物学的 製剤(遺伝子工学技術を駆使して開発された新薬)には疾患経過を改善させ、確実に関節破壊抑制の効 果があることが証明され、これが最近のリウマチ治療の大きな変化の原動力となりました。今まで使用 してきた“疾患”を標的とした治療から明確な“分子”を標的とした効果的な薬剤が投入されるようになっ たのです。その結果炎症反応が抑えられ、疼痛からも解放され、日常生活動作も機能的な問題がないと いう“寛解”の患者さんもみられるようになり、慢性関節リウマチの病名が関節リウマチに変更されまし た。現在はできるだけ早く寛解になれるよう患者さんの個々に適した治療が行われています。 最近の治療薬の中でもメソトレキセート(商品名:リウマトレックス)の登場による影響が最も大きいと いわれていますが、当院でも平成15年11月から採用され、リウマチ外来を開いてメソトレキセート を服用される患者さんの経過観察を注意深く行ってきました。その結果、確かに以前に服用していた抗 リウマチ薬以上の効果が認められた患者さんも多くみられましたが、軽度の副作用が出現した方もみら れました。次回はリウマチ治療の大きな変化の原動力のひとつとなったメソトレキセートの効果、副作 用、実際に服用された患者さんの意見などを中心にお話したいと思います。 (二人分のレシピ) パン粉・・・大さじ2 二人分のレシピ)1人分319kcal 1人分319kcal いわし・・・2尾 こしょう・・・少々 なす・・・ 60g 粉チーズ・・・小さじ2 トマト・・・ 100g A にんにく(みじん切り) ・・・ 10g スライスチーズ・・・ 2枚 パセリ(みじん切り) ・・・ 10g 人参・・・ 120g オリーブオイル・・・小さじ4 パセリ・・・ 20g こしょう・・・少々 ①いわしは、頭と内臓を取り除き、手開きにする。 ②なすはへたを取って2cm幅の薄切り、トマトは2cm幅の輪切りにする。 ③なす、トマト、チーズ、いわしの順に重ねて、混ぜ合わせたAをのせ、200度のオーブン ンで15分程こんがりと焼く。 ④ ③を皿に移して、塩ゆでした人参とパセリをつけ合せる。 《青魚には栄養がいっぱい》 いわしは青魚と言われビタミン、ミネラル、アミノ酸、タウリン、カルシウムが含まれていてビタミン、 鉄分が白身魚より沢山ふくまれています。 《DHAで頭いきいき》 DHAを摂取すると、記憶力、学習能力が向上することや 「高血圧の予防」「コレステロールの減少」 「中性脂肪の減少」など、脳細胞以外の部分でもさまざまな効果があることがわかってきています。 《EPAで血液サラサラ》 EPAは、血液中の中性脂肪やコレステロールを減少させることがわかっています。DHAにも同じ効果 はありますが、こと中性脂肪とコレステロールに関しては、EPAの方が効き目があります。 文:新井友美 花粉症は花粉によって起こる目や鼻のアレルギー症状です。目や鼻の粘膜に花粉が付着 すると、くしゃみ、鼻水、涙目や激しい目のかゆみが起こるほか、口から花粉が入り、胃 腸に達して下痢をしたり、さらに吸い込む量が増えることで熱やだるさなどの全身症状が 現れることもあります。 花粉症の予防ですが、花粉に触れない工夫をすることです。 ☆外出はなるべく避けましょう。 ☆マスク、眼鏡、帽子、マフラーを着用して花粉を遠ざけましょう。 ☆花粉を家の中に入れないようにしましょう。 ☆ファーストフードや加工食品の摂りすぎに注意し、バランスのとれ た食生活に改善しましょう。 ☆煙草やお酒、刺激性の強い香辛料などの摂取は控え目にしましょう。 ☆皮膚を鍛え、ストレスをなくすように心掛けましょう。 花粉症の治療には、症状を軽減する対症療法と根本的に治す根治療法があります。 ※対症療法:点眼、点鼻薬などによる局所療法 内服などによる全身療法 ※根治療法:原因抗原(花粉など)の除去と回避 減感作療法(抗原特異的免疫療法) ※対症療法に用いる薬剤としては、抗アレルギー剤(内服、点眼、点鼻)、副腎皮質ス テロイド(点眼、点鼻)などがあります。本格的に花粉が飛び始める2週間ほど前から服 用を始めると、シーズン中に症状が出現してから服用するよりも効果が高いと言われてい ます。 ※減感作療法とはアレルギーの原因となる抗原(スギ花粉のエッセンスなどを注射で 少量ずつ体内に入れながら抗原への抵抗力をつけるものです。ただし治療に2年以上を要 します。 文:薬剤科 小杉弘子 意外と身近な福祉用具 ∼自助具って?∼ 病気や怪我が原因でこれまでの日常生活に困難をきたす場合、身体能力の改善のみならず、方法 (やり方)を変えたり、環境を工夫することで、日常生活が自立したり、よりよく生活できるようになることが あります。この環境の工夫のひとつが 自助具 と呼ばれるものです。 例えば、車椅子を皆様はどのように捉えているでしょうか?多くの方は、動けない人を乗せて 押す も のと思っていませんか?足が不自由な方でも手で車椅子をコントロールすればそれで移動を自立するこ とができます。このように人の手を借りず、自分の力で物事を行うときに役立つ道具を自分を助ける道具 と書いて自助具と呼んでいます。 食事や更衣、整容など必要があればいつでも登場してくる身近な存在です。是非、言葉を覚えて下さ い。また、現在ではユニバーサル・デザインと言って、健康な人でも利用すると楽なものとして一般的に 使用される自助具も増えてきました。そこで市販されている自助具を紹介します。 食事の場面 箸で御飯を食べるということは、日本人にとって、とても重要 なことです。茶碗に乗ってるお米をスプーンで食べるといつもよ り美味しくないと感じます。 手の怪我や脳卒中などでマヒしてしまうと箸を上手に使えなく なることがあります。 これは、そんな方が使いやすいように工夫された自助具です。 柄の部分でつながっている為、挟んだ物を保持しやすくまた、 離すと箸が勝手に開くので力を抜くだけで箸が開きます。 調理の場面 まな板に釘を刺しただけのとてもシンプルな自助具です。 何に使うのかというと、、、野菜などを切るときに、片手しか使え ないと滑ってしまってうまく切ることが出来ません。そこで野菜 を釘に刺し固定するのです。 一人暮らしの方や料理を作らなければならない方に紹介して います。 今回は2つほど紹介しましたが、自助具は数限りなく存在しています。[こんな道具があったらなぁ」と生活の 中で感じることがありましたらリハビリ科作業療法士までご相談下さい。 院 内 ひ ろ ば 画像診断科は診療放射線技師10名と事務3名で働いています。診療放射線 技師?聞きれない名前かもしれませんが、X線写真、CT、MRI検査、胃や大 腸の検査をして異常を探すことを主な仕事としています。その他に診断に必 要なより多くの情報を得るために放射線の安全性を皆さんに広めることも私 達の大切な役割です。検査について不明な点、不安な事等ござましたら、お 気軽にスタッフまでお尋ね下さい。これからもより診断に役立つ検査を目指し て頑張ります。 花のつぼみもほころびはじめ、だんだんと春の訪れを感じます。昼夜の気温の差が厳しくなって きましたので体調など崩さないように気をつけてお過ごし下さい。これからもウェルネス慶友ではみ なさんの知りたい情報を提供していきたいと思います。 文:茂木里恵 特定医療法人 慶友会 群馬県館林市羽附町1741 TEL.0276(72)6000(代) FAX.0276(75)4888 慶友整形外科病院 宇沢整形外科 群馬県館林市松原1−10−30 TEL.0276(74)8761(代) 慶友健診センター 慶友ウェルネスクラブ 同左 TEL.0276(75)7000(代) 同左 TEL.0276(75)7200(代)
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