Chem-Bio Informatics Journal, Vol. 3, No. 1, pp.1-11(2003) プリオンタンパク質の分子動力学シミュレーション -Ala117→Val アミノ酸変異の影響1 2 3 1 3 3 沖本憲明 、山中一徳 、末永敦 、平野秀典 、二木紀行 、成見哲 、 4 1 1 1 1 泰岡顕治 、薄田竜太郎 、小石貴裕 、古沢秀明 、川井敦 、 2 2 畑晶之 、星野忠治 、戎崎俊一 1 理化学研究所情報基盤研究部、〒351-0198 埼玉県和光市広沢 2-1 2 千葉大学大学院医学薬学府薬品物理化学研究室 〒263-8522 千葉県千葉市稲毛区弥生町 1-33 3 理化学研究所ゲノム解析用コンピュータ研究開発チーム 〒224-0804 神奈川県横浜市戸塚区前田町214東棟503号 4 慶応大学理工学部、〒223-8521 神奈川県横浜市港北区日吉 3-14-1 1 E-mail: [email protected] 要旨 我々は、遺伝性プリオン病の1つである終脳型Gerstmann-Sträussler-Sheinker症候群に みられる遺伝子変異A117Vとプリオンタンパクの構造の相関について分子動力学的研究 を行った。本研究では、5個のプリオンタンパク質の構造について周期的条件または非周 期的条件下で行った。計算の結果、正常体モデル(109-228 と 90-228)の球状ドメインの構 造は比較的安定に保持されていることがわかった。これに対し、変異体モデル(109-228 と 90-228)の球状ドメインの構造では、A117Vを含むN末端の構造がドメイン構造と密接に関 係し、β-シート構造の増長が観察された。 キーワード:分子動力学計算、プリオンプロテイン、Gerstmann-Sträussler-Sheinker症候群、 分子動力学専用計算機(MDM) 領域区分:分子計算 Copyright 2003 Chem-Bio Informatics Society http://www.cbi.or.jp 11j
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