行動情報学科の教育理念

Department of Behavior Informatics
行動情報学科
■ 行動情報学科の教育理念 ………………………………………………………
行動情報学科では、現代の ICT に基づく情報を多様な形で「実践」的に活用する能力を養うこと
を目指しています。ICT の急速な進展のなかで、最適な社会環境や公共サービス、新たなビジネス
デザインの企画・開発・設計において、幅広い分野でリーダーシップを発揮できる人が求められて
います。行動情報学科では、情報サービスを創造的に設計する力や、ビッグデータやリッチデータ
などを分析するデータサイエンスを活用する能力を身につけ、企業などの組織において経営戦略を
策定し、生活に密着した情報サービスを企画・推進することのできる人材を育成します。
■ カリキュラムの特徴 ……………………………………………………………
まずテクノロジ基礎科目群でシステム設計や情報基盤技術などを学び、マネジメント系、問題解
決系、サービス系の科目へと学習を進めていきます。マネジメント系ではビジネスやテクノロジの
知識に基づく目標の立案や実行計画の策定・推進のための科学を学び、問題解決系では問題を発見・
定義し、解決方法の提案・実施、結果の検証を行っていくための方法を学びます。その上で、サー
ビス系科目群では、製造、金融、公共、医療、教育などさまざまな分野での情報サービスの意義、
構造と開発方法を学び、卒業研究につなげていきます。行動情報学科の科目では実践を重視してお
り、少人数クラスでの指導やグループ演習を行う科目を多数用意しています。
13
■ 履修科目例 ………………………………………………………………………
4年次
卒業研究
3年次
組織マネジメント
意思決定論
プロジェクトマネジメント
システムマネジメント
グローバル経営システム論
知的情報システム開発
学習過程論
視聴覚教育メディア論
2年次
データマイニング
情報システム開発演習
産業社会行動分析
マネジメント系領域
問題解決系領域
サービス系領域
Webシステム設計演習
データ分析応用論&演習
ビジネス計画論
ユーザビリティ設計・評価論
データ処理プログラミング
情報・ネットワーク経済と競争
情報資産構築論
環境・地理情報システム論
1年次
経営のしくみ
情報システム基礎演習
データベース論
情報学総論
統計学入門
情報と心理
プログラミング
コミュニケーションスキルズ
コンピュータネットワーク基礎
学習マネジメント
リーディング スキルズ
問題分析と モデリング
14
Department of Behavior Informatics
行動情報学科
■ 授業紹介 …………………………………………………………………………
ビジネス計画論&演習
行動情報学科が目指すものは、情報技術をベースに企業を変革していくリーダーを育成すること
にあります。そのためには、経営戦略論、マーケティング論、財務管理論、組織論など経営学系に
関する知識を実践的に応用し、具体的に活用できる能力が必要になります。
複雑に絡み合った問題を解きほぐし的確な戦略課題を設定する「分析力」、そして、創造性に富む
アイディアを出して戦略課題を解決する方策を考える「企画力」、さらにその方策の実現に向けて関
係者を巻き込み動員できる「コミュニケーション力」が求められています。
この授業の特徴のひとつは、ビジネスプランの作成を通じて、上記の 3 つの能力を育成するための
実践的な教育を行っていることです。学生はチームを組んで本格的なビジネスプランづくりを行いま
す。そこには、調査や意見交換、ときには熱い議論をする場面も出てきますので、説得力と論理に裏
打ちされた計画作りと共に豊かなコミュニケーション力を育むことができるように工夫されていま
す。もうひとつの特徴は、現実世界の企業
活動をモデル化したビジネスゲームを採り
入れ、ビジネスの現場を仮想体験できる教
材を使用していることです。現実のビジネ
スを経験していない学生でも、ダイナミッ
クに展開していく現実のビジネスの難しさ
とドラマ性、そこに潜む経営の面白さを学
ぶことができます。
■ 卒業後の進路……………………………………………………………………
行動情報学科所属となる研究室の出身者は、大学院進学に加え、情報サービスの企画・開発者や
プロジェクトマネージャーなど ITC 活用の高度専門職への道に進んでいます。また、情報システム
を用いる一般企業のさまざまな部門の総合職に就く学生や公務員となる学生も増えています。新学
科では新たに多数の教員が加わり、今後さらに多様な進路が見込まれます。
■卒業生の進路
行動情報学科
理系入試
文系入試
情報システムの高度専門職
サービス創出
マネジメント
大学院
進学
サービス企画
コンサルタント
プロジェクトマネージャー
データサイエンティスト
ICTスキルを有する総合職
営業・企画
広報・メディア
経理・監査
教育・学芸
エンジニアリング
15
大島純 研究室
知識基盤社会に必要な人間の知性を研究
現在、ビジネスの世界だけでなく、社会を動かす
原動力は化石燃料ではなく、人間の知識だと言われ
ています。こうした社会の変化に伴って、必要とさ
れる賢さも変わってきています。何かを正確に憶え
たり、できるといったスキルから、新しいものを作り出すアイディアをたくさん生成できる人材
が必要とされるようになってきました。
大島純研究室では、こうした新しいタイプの人間の知性を分析したり支援したりするために、
学習環境を設計してその中での学習者の行動を分析するという研究プロジェクトを行っています。
例えば、ある研究プロジェクトでは、グループワーク
を支援するコンピュータ・ネットワーク環境を利用し
て、授業の教材を設計し、受講生の学習活動の向上を
目指した授業実践研究を行っています。ロボットをグ
ループに導入したり、学習者の会話を自動分析する社
会ネットワーク分析ツールの利用方法を検討したりと
多様な研究アプローチに挑んでいます。
田中宏和 研究室
ITを使った経営革新の方法論の研究
田中 ( 宏 ) 研究室では、経営学と IT を融合させた経営革新アプローチの方法論を探究していま
す。日本には約 420 万の事業所がありますが、その 99.4% は中小企業です。大企業と比較して
中小企業は IT の導入が大幅に遅れています。効率の悪い経営によって倒産・廃業に追い込まれる
事業所も多くあり、経営革新が求められています。研究室では戦略論や組織論、管理会計、生産
管理などを学ぶだけではなく、最近注目されているアジャイルによるシステム開発の方法論も学
びます。浜松は日本を代表するモノづくりの
産業集積地のひとつです。静大の立地を生か
し、4 年生は全員、浜松市内の町工場で業務
改善に取り組みます。経営診断を行い業務改
善の課題を見つけ、経営者や従業員と検討を
重ねながら経営情報システムの開発・導入を
行います。3 年間授業で学んだ知識とスキル
を体当たりで実践することを通じて、「社会人
基礎力」を身につけた「文工融合」型の行動
できる人材の育成を行っています。
16