日本語要旨

Chem-Bio Informatics Journal, Vol. 3, No. 4, pp.157-162(2003)
3次元医薬品構造データベースの構築と
インターネットへの公開
山本陽一,倉田香織,浜田真向,土橋
朗*
東京薬科大学 薬学部 東京都八王子市堀之内1432− 1
*E-mail:[email protected]
要旨
3次元医薬品構造データベースは分子モデリングソフトウェアである MacroModel によ
り計算した医薬品の最適化構造を中心に、各種の構造データを収載したものである。この
開発の初期段階では医療用日本医薬品集(日本医薬品情報センター、東京)に収載された
医薬品に基づき、その構造データを作成し、データベースに格納した。各種の三次元分子
構造データは Web サーバーに格納されているため,クライアントのブラウザからプラグイ
ンである Chemscape Chime、あるいは Java アプレットである Chemis3D を用いて医薬品構
造を3次元的に表示し,回転や拡大を達成する。また医薬品分子の分子運動のアニメーシ
ョンとして動画表示することができる。分子運動のアニメーションは分子動力学計算から
得られる分子運動の軌跡に基いて作成され、分子内の結合軸上での回転を視覚化する。本
データベースは医薬品の最適化構造や分子運動アニメーションのほか、医薬品のコンホマ
ー分布を圧縮収納したファイルや、分子軌道計算から得られる静電気ポテンシャルマップ
を圧縮したバーチャルリアリティモデリング言語(VRML)ファイルなども提供する。医薬
品構造の探索は部分的な平面構造の描画、あるいは医薬品の一般名の入力のより、JChem
ソフトウェアを通じて、最適化構造データを収納した SQL サーバーから行うことができる。
キーワード:医薬品構造データベース、最適化構造、コンホマー分布、分子運動、
静電ポテンシャルマップ
領域区分:医薬品研究と毒性研究支援システム
Copyright 2003 Chem-Bio Informatics Society
http://www.cbi.or.jp
162j