Good News No.251

Good News
No.251
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
12月24日(月) 晴
日本郵政は「カーボンオフセット年賀はがき」を新たに発売した。お年玉付き年賀はがき約39
億枚のうち1億枚。販売価格55円のうち5円が地球温暖化ガス削減への貢献に限定した寄付金と
なる。この寄付金は環境団体などを通じクリーン開発メカニズム(CDM)を活用してCO2削減
プロジェクトを支援する。得られた寄付金と同額を同社も寄付する予定なので、総額で約31万2
千トンのCO2排出権購入が可能になり、6%削減目標に対して約0.4%の削減効果があると試
算している。
木枯らしや東京湾に白波見ゆ
12月25日(火) 曇り
東京都はヒートアイランド対策の一環として2005年から実施しているクールルーフ事業で、
高反射率塗料による建物の塗装に補助金を出している。都の基準に合格した遮熱塗料の一つ「パラ
サーモ」は次世代航空機(SST)用塗料の技術を応用したもので、特殊熱反射顔料と特殊セラミック
の配合により太陽光線反射率と熱放射率が高く、金属や無機系材料に塗ると高い遮熱効果を示す。
主に屋根用で、従来の屋根用塗料と比較すると屋根裏温度を15〜20℃低減する効果がある。
半島の照葉樹林光る冬の陽
12月26日(水) 晴れ
静岡油化工業は、来年3月からおからを原料にバイオエタノールの製造を始める。県内を中心に、約
50の豆腐製造業者から1日約70トンを回収し、炭水化物が多く含まれる廃ポテトを混ぜることで糖化を
促進し、発酵効率を高めた。全国で年間約80万トンのおからが発生するが、飼料などに利用されるの
は一部で、ほとんどは廃棄処分されている。プラントでは、生のおから320キロとジャガイモの皮を主と
する廃ポテト226キロを原料に、一工程(5日間)で100リットルのエタノールが製造できる。
冴え渡る海の向こうに房総の影
12月27日(木) 晴れ
日本大学生物資源科学部の奥忠武教授らは、陸上植物が水中植物からの進化の過程で消失した遺
伝子に着目し、タンパク質の遺伝子組み換えを用いて光合成を増強し、植物の成分と生長を向上させる
方法の開発に成功した。陸上植物の光合成機能に最も適合するタンパク質を藻類から突き止め、その
遺伝子(シトクロム遺伝子)をモデル植物のシロイヌナズナに組み込んだ結果、光合成で生成するアデノ
シン三リン酸が約2倍に増え、光合成能も野生株の1.3倍に上昇することが確認された。光合成産物で
あるデンプンやクロロフィルなどの成分も増え、葉や根は大きく、背丈は野生株の約1.3〜1.5倍に生
長した。
冬の海曇天うっすら富士の影
12月28日(金) 曇りのち雨
富山県・砺波平野の一面に広がる水田には小さな森が点在している。一軒一軒の家を取り巻く屋敷林
だ。強風や降雪、猛暑など砺波平野の厳しい自然から人々を守ってきた。フェーン現象の猛暑の中でも、
屋敷の外と内では5度は気温が違う。屋敷林の空気を採取し、匂い成分を分析したところ、アルファ・ピ
ネンという物質が検出された。この物質を嗅ぐと血圧が自然に低下し、リラックスできる。屋敷林には、
針葉樹、広葉樹など数百本の木々が繁っており、まるで森のように蛙や蝶、キジバトなど、たくさんの生
き物たちが暮らしている。
ヤマザクラ落ち葉散らして雨の降る
12月29日(土) 曇りのち雨
ブリは漢字で「鰤」と書く。師走によく食べることから「鰤」になったと言われている。ブリは九州の沖で
卵を産んだあとエサを求めて北海道周辺まで北上する。ここで豊富なエサをたっぷりと食べて栄養を脂
肪として蓄え、丸々と太ったブリは秋になると南へ向かう。11月下旬、富山湾では決まって海が荒れ、
雷が鳴りはじめる。地元の人たちが「鰤おこし」と呼ぶこの雷を合図に、寒ブリ漁が始まり、翌年3月まで
漁で賑わう。氷見の海面に張られた定置網は、大きなものは長さ700メートルにも及び、回遊している
ブリの通り道を遮り、その習性を巧みに利用して、網の奥へ奥へと誘い込む。
門松の青竹切り口潔し
12月30日(日) 晴れのち雨のち晴れ
万葉集では「神社」を「もり」と読む。そもそも神社の起源は森だったとも言われている。伊勢神宮の神
域の広大な森は、杉やシイ、クスノキなど120種の木々から成る。古いものは樹齢600年。野生の鹿
やムササビも住む。内宮の祭神は天照大神。伊勢は飛鳥の地から見て最初に朝陽が昇る場所。伊勢神
宮の起源には、古代の太陽信仰が深く関係している。
年の瀬の公園長閑陽暖か
Good News
No.252
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
12月31日(月) 晴
ユニクロは、毎年3月と9月にユニクロで販売した全ての商品を購買者より預かってリサイクルする活
動を行っている。「サンキューリサイクル」と名付けられたこの活動は、第3回目となる2007年9月度は、
約 43 万点の商品を回収することができ、その約 90%は、発展途上国への支援物資としてリユースされ
た。
年の瀬にうれしきニュース夢見心地
1月1日(火) 正月 晴
映画俳優レオナルド・ディカプリオは、1998年に財団を設立し環境保護活動家として活躍し
ており、ドキュメンタリー映画 The 11th Hour には自ら共同プロデュースし、ナ
レーションで参加した。映画には理論物理学者スティーブン・ホーキング博士と動植物学者リチャ
ード・アッテンボローも登場している。後半は何をしたらよいか提案している。地球を守るために
は、若い人々に訴えることが有効という考えに基づくもの。
食卓に紅いガーベラ新しき年
1月2日(水) 晴れ
08年の北京五輪の選手村に、地球温暖化の原因となるフロンを全く使わない飲料用冷蔵ショーケー
スが5千台登場する。三洋電機と五輪公式スポンサーのコカコーラ社が共同開発したもの。冷媒に温室
効果がフロンの1千分の1以下の二酸化炭素を使ったCO2冷媒は、これまでもエコキュートなどで使わ
れていたが、圧力が高くなるのが問題だった。三洋は圧縮機内の圧力を抑える技術などを開発し、小型
化も実現した。
一族に幼子加はりお正月
1月3日(木) 晴れ
イルミネーションや電光表示板、信号機に使われている LED(発光ダイオード)が、次世代の省エネ照
明として注目されている。発光効率は年々上昇し、今では白熱灯を超え、実用的な照明に使われ始めた。
60ワットの照明器具で LED と白熱灯を比べると、消費電力は3分の1、寿命は26倍の約4万時間。LED
の価格は白熱灯の約10倍だが、通常10年間は交換が要らないため、路面や壁への埋め込み照明に
使われている。
初春や遅咲きの花今満開
1月4日(金) 晴れ
タカラトミーが発売している「のほほん族」は、ゆらゆら首を振っているだけだが、眺めているとなんと
なく落ち着く癒し系玩具。キャラクターものも合わせて約80種類あり、02年の発売から世界で550万個
も売れた。太陽電池で動くため電池を取り替える必要がなく、地球に優しい。
冬の陽が差し込む部屋で午後のお茶
1月5日(土) 曇りのち晴れ
石油に代わり、トウモロコシなどの植物から作った樹脂「ポリ乳酸」が注目を集めている。栽培時に二
酸化炭素を吸収する効果もある。ユニチカ、NECの共同開発で、外装にポリ乳酸樹脂を使った携帯電話
「N7011ECO」も登場した。耐久性が問題だったが、東レは植物繊維を混ぜるなどして耐熱性を150
度まで上げることに成功した。帝人とマツダは自動車の座席に張るシートを共同開発した。帝人は耐熱
性を200度まで上げる技術にも成功し、実用化を急いでいる。
冬晴れや一陽来復幟並ぶ
1月6日(日) 晴れ
藤田志穂さん(22)は高校を出て、「ギャル」を続けながら19歳で起業。外見だけでアルバイトを断ら
れ、会社に入られないのなら自分で作っちゃおうと、ギャルを集めて会社を作った。ギャルに詳しい会社
として市場調査や商品企画を行っている。ギャルは高校でもファッションリーダー。企業にとって狙い目
だが、苦手。その橋渡しこそ得意分野と気づいた。毎週会社の同僚と公園や舗道を掃除し、全国のギャ
ル仲間ととも月1回同じ時間帯に各地で公園などを掃除するイベントも行っている。創業6周年目の201
0年に学校を作るのが夢。高校生たちが自分の仕事を見つけるための「カフェテリアスクール」だ。
冴え渡る空にぽっかり飛行船
Good News
No.253
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
1月7日(月) 晴れ
紛争が続くパレスチナ自治区全域で、今月から、日本の母子健康手帳をお手本にしたアラビア語の手
帳が妊婦に配られている。JICAなどが協力し、パレスチナ保健庁が2年前から準備してきた。手帳には
血液、尿検査や腹囲など妊婦健診の結果が書かれている。かかりつけ医以外の病院で緊急に出産せ
ざるをえなくなった場合でも、手帳があれば安心だ。また子供の成長記録が5歳になるまで記載される。
松飾り外して日常始まりぬ
1月8日(火) 晴れ
ハーブには味や香りだけでなく、食欲増進や食材の消臭、殺菌効果などもある。ローズマリーに
含まれる「カルノシン酸」には、脳細胞死を防ぐ効果があることがマウス実験で分かってきた。ロ
ーズマリーを使い認知症を予防・改善する研究が行われている。しかしハーブ治療の基本は体全体
の不均衡を治すこと。大量をとり続けるのは良くない。妊婦や乳幼児には特に注意がいる。
旧友の良き主婦ぶりよ七草粥
1月9日(水) 曇り
少し使っただけで捨てられることが多い透明ビニール傘を再利用し、街を歩く人たちでシェアしようと
いう試みを、渋谷で学生達が繰り広げている。コンビニなどに忘れられ、廃棄される運命のビニール傘
50本を集め、活動に賛同してもらった区内のカフェなど6店舗に数本ずつ置いて、雨が降ったとき無料
で貸し出す。6店舗のうちのどこかに返却すると50円分の地域通貨がもらえて、加盟店でお金代わりと
して使える。
あちこちで求愛ダンス寒の池
1月10日(木)晴れ
NPO法人「ハートウオーミング・ハウス」が運営する「シェア・ハウス」は、見知らぬ4人が共同で暮ら
す。居間や台所、風呂は共同。家賃は光熱費などを除き6万円前後。掃除やゴミ出しは当番制。このNP
Oは、代表を務める園原一代さんが一級建築士としてリフォームを手がけている中で、一軒家で暮らす
お年寄りが多いことに気づき、「お年寄りと安い住まいを求める若者が一緒に暮らしてもよいのではない
か」と考えたことに始まる。様々な世代や価値観を持った人が集まれば、地域の力も高まる。
一仕事終えてゆったり柚茶かな
1月11日(金) 曇りのち晴れ
目黒区の「サンクタス目黒大塚山」は68世帯のマンションだが、駐車場は42台。不足分をカーシェア
リングで埋めている。マンションのフロントサービス会社「アスク」の運営で、2台の軽乗用車を用意、会
員の住民が1時間600円で利用できる。インターネットなどで予約し、カーシェアリング会員に配布され
るカードキーがキーとなる。共有化は、無駄を省くだけでなく、交流することで、コミュニティーの意識も
生まれる。
ロウバイの匂ひで示すその存在
1月12日(土) 雨
関西ペイントが開発した特殊塗料「ヒルムA」は、夏の強い陽差しを受けたアスファルトやコンクリート
の表面温度上昇を抑える。原料の「反射性顔料」は赤外線そのものをはじき返す遮熱効果をもつ。「中空
無機顔料」は粒子の中に細かい空気が含まれ、空気の熱伝導性はコンクリートの50分の1で、断熱効
果がある。同社の実験によると、夏場の日中、ヒルムAを塗ったコンクリートの表面温度は、塗っていな
いコンクリートに比べ10〜15度低く、照り返しも緩和される。希釈剤には水を使い、アクリル樹脂を使う
など、原料も有害物質を避けて、「環境にやさしい」塗料とした。
傘伝ふ滴の冷たき寒の雨
1月13日(日) 晴れ
コピーライターのマエキタ・ミヤコさん(44)は、夏至と冬至に2時間ずつ消灯する「100万人のキャン
ドルナイト」や、食料を輸送する際に排出されるCO2量を考えようという「フードマイレージ」キャンペー
ンを手がけてきた。環境被害を受けるのは過疎地が多く、情報も文句も言う人も少ない。実態を知る
NGO や市民の発言力を高める必要性を感じ、NGO 広告を手がける製作集団「サステナ」を立ち上げ、ブ
ームを起こして、政府や大企業を動かしたいと考えている。
寒風の街受験生親子の群
Good News
No.254
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
1月14日(月) 成人の日 曇り
歌舞伎俳優松本幸四郎さん(65)は、
「勧進帳」の弁慶役を16歳から半世紀、1千回近く演じ
てきた。主演ミュージカル「ラ・マンチャの男」も1100回目を迎えようとしている。
「人生苦し
いこと、悲しいことはたくさんあるが、それが生きることだ。どんな目にあったかではなく、その
時々にどういう決断をしたかが人生を決める」と言う。
「60歳を過ぎてから見る夢こそ本当の夢」
と、歌舞伎人気失速気味の中で、現代の観客をつかもうと腐心している。日本の芸能界には「知性
のある笑い」が欠けており、日本社会には「大人のチャーミングさ」が不足しているとも言う。
寒の池カモ首つっこみ尻上がる
1月15日(火) 晴れ
岩手県が開発した「e―デジシャク」
(デジタル環境尺)は、可燃ごみや電気、ガソリンなど15
品目を燃やしたり使ったりした時に排出されるCO2を自動的に計算するもの。燃焼量や使用量を
入力すると、その時に出るCO2量が表示される。CO2の排出量を吸収するのに必要なスギの本
数やCO2の体積に相当するサッカーボールの個数が表示されるので、排出量が実感し易い。岩手
県のホームページから入れ、CO2削減効果が期待される。
http://www.iwate‑co2diet‑daisakusen.jp/digisyaku/index.html
冬のばら二つ開きぬ川辺道
1月16日(水) 晴れ
協和発酵工業とキリングループのキリンファーマが、08年10月に合併される。これにより、抗体医薬
開発に拍車がかかると期待されている。80年代初めに抗体医薬が注目を浴び、がん特効薬になると期
待が高まったが、マウスの体で作られる抗体が人体に入ると異物となってしまい、治療薬として扱うの
は難しいと、撤退する企業が相次いだ。その中で協和発酵は規模を縮小しながらも研究を継続。90年
代には皮膚ガン、乳ガン、肺ガンに有効な抗体を次々と発見。腫瘍を死滅させる働きを100倍に高める
「ポテリジェント技術」も発見し、薬価を抑えた普及への道を開いた。一方キリンファーマはヒト抗体を作
る遺伝子を組み込んだマウスの特許を持ち、牛で抗体を生産することにも成功している。
休み明け腹筋辛し初稽古
1月17日(木)晴れ
米誌Business Week(1/7 号)は今年の投資ガイドを特集。米国で住宅バブルがはじけ、消費が低
迷するなかで「有望な投資先」は、リスクを恐れなければ新興国市場の有望企業。また「地球温暖化と闘
う企業」もお勧め。例えばフランスの自動車会社プジョー・シトロエンの車はアメリカ車に比べてずっと燃
料効率が良いので、売上げを伸ばすのは確実。
葉牡丹の大きく育ち鉢狭し
1月18日(金) 曇りのち晴れ
西洋医学の父は古代ギリシャのヒポクラテス(紀元前5世紀)と言われているが、英誌NewScientist
(12/15 号)によれば、ヒポクラテスより何百年も前から、古代エジプトでは多彩な医薬品が使われてきた。
古代エジプトの医療に関する文献は12種類しか確認されていないが、文字の解読は難しいため長いこ
と謎に包まれていた。英マンチェスター大学の研究者が「紀元前1850年から紀元前1200年ごろまで
の処方1000種類」の解読に成功、うち284薬品について成分を特定した。その薬品の64%は「20世
紀後半に使われていた医薬品と同じくらいの治療的価値」を持っていたという。
手袋を通して感じる寒さかな
1月19日(土) 曇りのち晴れ
京都大学霊長類研究所長の松沢哲郎さんは、チンパンジーの研究を通じて、人間ができることはチン
パンジーにもできて、チンパンジーにできて人間にはできないことがあると発見した。「人間と動物は違
う」という二分的考え方を否定する。ゲノム(全遺伝情報)では、人間とチンパンジーは98.8%同じ。サ
ルでも92%。植物のイネでも40%同じ。地球の生物として、人間はサルやイネとも命がつながってい
る。37億年一緒に生きてきた「進化の同胞」だからだ。
寒囲ひ見立てて飾る皿の上
1月20日(日) 曇り
光熱費高騰の折、省エネ料理法。三口あるガスコンロのうち一つだけ使い、ガスを切ったり点火したり
せずに二、三品の料理を次々と作る。バーナーや五徳が常に温まっているので、ばらばらに調理する
より省エネ効果がある。保温性の高い土鍋、調理時間を短縮できる圧力鍋も有効。料理によって鍋の種
類が大きさを使い分けたるのも効果的。意外に省エネ効果が大きいには、落としぶた。落としぶたで燃
料費が半分以下にもなる。
大寒や北国に発つ夫送る
Good News
No.255
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
1月21日(月) 曇り
祖父の代からの廃油回収業を手伝う染谷ゆみさんは、93年に父と共に食用廃油からディーゼル車
の燃料VDFを製造することに成功。100リットルの廃食油から95リットルのVDFができる。VDFは、黒
煙が軽油の 2 分の1以下、硫黄酸化物ゼロ、車の改造は一切不要、植物が原料の再生可能エネルギー、
植物の成長段階でCO2を吸収するので結果的にCO2の排出量ゼロ。現在ほとんど捨てられている一
般家庭から排出される廃食油を集めて BDF を作れば、東京は油田になると、「TOKYO 油田プロジェクト
2017」を展開している。2017年までに東京のすべての食用廃油を回収することが目標だ。廃油を10
回送ると、1670yudenの「TOKYO 油田 eco マネー」をもらえ、これは TOKYO 油田の森1坪または VDF
の購入などに使える。回収された廃食油は、VDF のほか、飼料・肥料などに再資源化し、有効活用され
る。
家鳴りするさらに冷え込む夜更けかな
1月22日(火) 晴れ
「狩猟・漁労の民」と見られることが多かったアイヌの人々が、近世以前にはかなり高いレベル
で農業を営んでいたことが最近の研究で明らかになってきた。いわゆるアイヌ文化は13世紀に生
まれた。
母体になったのは7〜13世紀の
「擦文文化」
。
表面にハケ目のある土器を使うのが特徴で、
サケ・マス漁のかたわら農耕していた。アイヌ文化期の畑跡は北海道で十数カ所見つかっている。
いずれも広さ数千平方メートルで、幅70センチ〜1メートルの畝が10列程度まとまり、一つの
畑を構成している。大麦、ヒエ、アワ、キビ、ソバ、小豆など十数種の作物を、鉄製の農具を使っ
て栽培していた。畝を作るなど、かなり進んだ農業だった。1669年に松前藩の過酷な支配に抗
議して起きたシャクシャインの蜂起後、松前藩が刀狩りを行い、鉄製農具の入手も制限したことな
どが、アイヌの農業を衰退させてしまったというのが、事実のようだ。
寒の空カッコーいいよカラス君
1月23日(水) 雪のち雨
牛窪恵さん(39)は、若い男女を対象に消費活動などのマーケティング調査をした経験から、「若い人
が恋愛をしなくなった」と感じている。就職時期がバブル崩壊後の不景気まっただ中だった団塊ジュニア
(31〜36歳)は、仕事を優先する傾向が強い。結婚や恋愛をしたいと望んでいる男性で、いいなと思う
人がいても、自分から誘うのはハードルが高い、断られて傷つくのは怖いと思ってしまう。女性も受け身
のままだから恋愛が始まらない。ポケベル、プリクラで育った20代は、ツールを使い、浅く、広くつなが
ることに慣れていて、人と深くかかわりたがらない。男女の感覚が薄く、友達感覚。つき合いが始まりそ
うになっても、何かに挑戦するパワーが落ちていて、簡単に引いてしまう。牛窪さんが若い人たちに望
むのは、失敗をおそれないこと、そして「もたれあい」型でなく、「支え合い」型の恋愛を求めてほしいと
語る。
しんとしてカーテン開ければ雪の朝
1月24日(木) 晴れ
今治市はタオルの産地だが、中国製の安いタオルに押されて、500以上あった工場が150を割るま
でになってしまった。いろいろ新製品を出しても売れない。困った地元の人たちが助けを求めたのが、
東京に住むアートディレクター佐藤可土和さん。佐藤さんは地元の工場を見学し、「今ある高い技術を生
かす」ことを提案。厳しい統一基準を決め、吸湿性が圧倒的に良く、肌触りがよい白地のタオルを、東京
の百貨店を中心に「今治タオル」として売り出したところ、1万円するタオルが次々と売れ、注文が相い
次いだ。本来持っている「よさ」を生かすことが地場産業活性化の鍵。
都会の雪いつの間にやら雨となる
1月25日(金) 曇りのち晴れ
フランス芸術文化勲章「コマンドゥール」を受賞した歌舞伎俳優・十二代目市川團十郎さんは、
華があり、豪快で骨太な芸格が魅力で、現在の歌舞伎界を支える存在。
「勧進帳」の弁慶など家の芸
の歌舞伎十八番をはじめ、多彩な役を演じ分ける。市川家に生まれ、38歳のとき父の十一代が急
死し、市川團十郎を襲名したが、このような運命は幸運でも不運でもない、与えられた人生を一生
懸命生きるだけと語る。04年に長男の十一代目市川海老蔵の襲名披露興業に後見人として出演中
急性前骨髄球性白血病で倒れ、入退院を繰り返した。病を克服してすぐの07年3月、歌舞伎公演
としてフランスから招かれ、初のパリ・オペラ座公演を團十郎・海老蔵の親子で成功させた。歌舞
伎の「かぶく」とは、世間が右と言えば左に行くこと。パリ公演が成功したからと言って世界に歌
舞伎を広めようなどという考えは全くなく、歌舞伎の良さを追求していきたいと語る。
寒晴れの朝半月の薄き影
1月26日(土) 晴れ
米誌Newsweek(1.21号)によれば、グローバル化で世界の工場が人件費の安い途上国に移って
いく中、ドイツの製造業が脅威の復活を遂げている。世界の輸出市場に占める国別シェアを伸ばしてい
るのは中国とドイツだけ。最大の要因は、「品質への徹底したこだわり」。途上国が安い製品を世界に売
って稼げば、そうした諸国に新たな中産階級が形成される。上昇志向の強い中産階級は、「高くても品質
のよい製品」を求め始める。だから高品質のドイツ製品が中国やインドでも売れ始めたのだ。
寒の朝耳無防備を後悔す
1月27日(日) 晴れ
マグロと言えば、普通はクロマグロ。魚の祖先は浅瀬から生活圏を広げた。大海原に乗り出したマグ
ロは、餌を探して泳ぎ回るため、持久力の高い強力な筋肉と抵抗の少ない紡錘形の体を得た。その分
重い体になった。そこで胸びれを広げその浮力で浮いている。止まれば沈む。ふだんの泳ぎは時速数
キロだが、いざという時には100キロも出す。金魚やコイは口をぱくぱくさえて水をエラに送り込み、呼
吸しているが、マグロにはこのぱくぱくさせる筋肉がない。泳ぎ続けて水を流し込まないと窒息する。そ
のためにも泳ぎ続けるが、これも少しでも抵抗を減らすための進化かもしれない。
寒晴れや江戸川の水青く染む
Good News
No.256
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
1月28日(月) 晴れ
スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会で特別講演した福田首相は、13年以降の
温室効果ガス削減の国際的枠組み(ポスト京都議定書)で、新たな「国別総量目標」の策定を主導する決
意を表明し、日本自身も総量目標を掲げることを初めて国際公約した。目標設定の手法としては、「エネ
ルギー効率などをセクター別に割り出し、可能性を積み上げる」方式を提案した。また「世界全体で20
年までにエネルギー効率を30%改善」の目標を提案し、日本の環境技術を世界に移転させる意向を示
し、途上国を支援するために5年間で総額100億ドル規模の新たな資金メカニズムの構想を打ち出し
た。
小さき木に花いっぱいつけ母の梅
1月29日(火) 晴れ
働き手がいなくなって生まれる「耕作放棄地」が急増し、荒廃の危機にあるが、静岡県御前崎市
の太平洋に面する耕作放棄地では、6カ所12頭の肉牛の放牧が行われている。電流の流れる囲い
の中では牛が草や枝を食べ、生い茂ったヤブをきれいにしてくれる。耕作放棄が長期化すれば土壌
は劣化するが、放牧は農地の保全に効果があることがわかり、さらに放牧を増やす予定。
冬枯れの公園走る人の影
1月30日(水) 晴れ
「ストック型社会」という考え方が広がりつつある。高度成長期に大量に造られた集合住宅や公共施
設が一斉に耐用年数を迎え、長持ちする資産にどう造りかえるかが大きな課題となっているからだ。新
日鉄八幡製作所では、58年前にできた社宅地区の集合住宅を取り壊し、3年後に戸建て住宅やマンシ
ョン、商店街公園などに生まれ変わる。一般向け一戸建て分譲住宅では骨組みの耐久性を高め、子ど
もの成長にあわせ間取りを変えられるよう、間仕切りの壁は取り替えやすくした。うち60軒で管理組合
を結成し、「街並みルール」を定め、住宅の位置や植栽を統一するなど地域全体の価値を維持するよう
努める。
黄帽子の一団寒さふっとばす
1月31日(木) 晴れ
英誌New Scientist(12/8号)は太陽光発電の特集。テキサス州の半分くらいの広さで陽差しの強
い土地を探し、太陽エネルギーの20%を電力に変えることができれば、世界中の電力需要をまかなえ
るはずだと、同誌は言う。技術的にはエネルギー効率を50%近くまで引き上げることに成功している。
土地もどこかにある。足りないのは政治の意思。例えばドイツでは、太陽光発電で得た電力を国が市場
価格よりも高めに買い取る制度を導入している。そんな支援があれば太陽光発電はもっと普及するは
ずだと同誌は論じている。
ゆりかもめ漂ふ古参のカモの中
2月1日(金) 晴れ
キャノンは、フリーターらの就職を支援するために、政府の「ジョブ・カード制度」に基づく職
業訓練プログラムを社内で始める。ジョブ・カード制度は政府の成長力底上げ戦略の一つで、フリ
ーターや母子家庭の母らに企業での訓練と座学の機会を与え、職業能力証明書を交付して正社員就
職を後押しする。キャノンは本人と雇用契約を結び、半年間事業部門で訓練を行う。ハローワーク
で希望者を受け付け、コンサルタントが訓練が必要と判断すれば同社に応募し、選考のうえ採用さ
れる。
群がりて何かついばむふくら雀
2月2日(土) 曇り
米誌Business Week(1.28号)は、国境も時差も越えて世界中の人材を適材適所で使いこなす企
業だけが21世紀を生き延びられると説く。多国籍企業も雇用の海外調達も時代遅れ。これからは無国
籍企業の時代で、人材は世界中で調達する時代だ。典型的なのが米IBM。従業員数は37万人だが、
米国内で雇われているのは12万7千人のみ。ほぼ同数がインドや中国、ブラジル、ロシア、東欧などの
新興諸国だ。
ロビーにはマンサクの黄春模様
2月3日(日) 雪
米国版Vogueは民主・共和両党から出た美貌の女性州知事に焦点を当てている。カンザス州知事の
Kathleen Seveliusは、昨年末まで民主党の全国知事会を率いていた大物。2児の母。50歳だが、ス
ポーツ好きでスリム。カンザス州は保守的な土地柄で共和党の牙城とされているが、彼女は副知事候
補に共和党員を指名するという奇策で2002年に勝利を収め、06年にも大差で再選を果たした。共和
党の女性州知事代表は、アラスカのSarah Palin。まだ44歳の美人で、改革派。アラスカ州は人口わ
ずか67万人で、国勢への影響力はない。
降りしく雪高層マンション影もなし
Good News
No.257
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
2月4日(月) 立春 晴れ
スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会で特別講演した福田首相は、13年以降の
温室効果ガス削減の国際的枠組み(ポスト京都議定書)で、新たな「国別総量目標」の策定を主導する決
意を表明し、日本自身も総量目標を掲げることを初めて国際公約した。目標設定の手法としては、「エネ
ルギー効率などをセクター別に割り出し、可能性を積み上げる」方式を提案。また「世界全体で20年ま
でにエネルギー効率を30%改善」の目標を提案し、日本の環境技術を世界に移転させる意向を示し、
途上国を支援するために5年間で総額100億ドル規模の新たな資金メカニズムの構想を打ち出した。
紅白の梅咲き揃ひ春の立つ
2月5日(火) 晴れ
2001年タイ政府は「30バーツ(約120円)医療」と名付ける制度を導入した。診療を受
けるたびに30バーツ支払えば病気の種類を問わず誰でも治療が受けられる。公的な社会保障がほ
とんど整備されていないアジアの途上国では画期的な試み。当時新進気鋭のタクシン氏の選挙公約
として保健省のモンコン事務次官が進言したものだった。30バーツ医療は愛国党が勝利する原動
力になり、
タクシン氏を首相の座に押し上げた。
06年のクーデターでタクシン氏は追放されたが、
制度は残った。しかし政府の財政を圧迫し始め、クーデター後の政権で保健相に抜擢されたモンコ
ン氏は、欧米の製薬会社が特許を持つ心臓病や抗エイズ薬を輸入から安いコストですむ自国生産に
切り替えた。国をあげての「特許破り」は欧米の製薬会社や政府とのあつれきを招き、試行錯誤が
続く。
雪上を吹き来る風の身に染むる
2月6日(水) 曇りのち雪
理化学研究所の中村幸夫室長らは、マウスの杯性幹細胞(ES細胞)を使って赤血球前駆細胞株を作
り出すことに成功した。万能細胞から作った細胞ではがん化が最も問題だが、完全に赤血球まで分化で
きればがん化の心配がない。今回作った前駆細胞株では分化が不完全だが、放射線を当てて核の残っ
た細胞を完全に除くこともできる。人で実用化できれば、輸血用赤血球の不足が解消され、輸血血液を
介した感染リスクの低減にもなる。
紅梅の見え隠れする木々の中
2月7日(木) 晴れ
「変形性膝関節症」は、膝関節の軟骨がすり減って炎症や変形を起こして痛みがですもの。ほとんど
は年齢にともなうもので、国内の患者は1千万人という推定もある。最終的に人工膝関節などの手術が
必要になるのは2割程度で、生活習慣の改善や筋力強化で、痛みを取り除き、症状の進行を遅らすこと
ができる。いすを使う、体重を減らすほか、太ももの筋肉を鍛える運動として、仰向けに寝て、膝を伸ば
し、足首を少しあげ、5秒程度静止するのを片足ずつ20回程度繰り返すのもよい。ももの筋肉がついた
ら、静止して片足で立つ運動も効果的。
銀色の毛のびっしりとネコヤナギ
2月8日(金) 晴れ
走ったり歩いたりする際にひざにかかる力の一部を吸収して電気に変える人力発電装置を、カナ
ダと米国の研究チームが開発した。平均出力は5ワットに達し、携帯電話なら約10台を一度に動
かすことができる。人がうまく歩けるのは、踏み込んだときに余った力を太股の裏側の筋肉などで
吸収し、動きをコントロールしているから。この余分な力を効率よく吸収し、発電機を回す。
寒くとも空にふんわり春の雲
2月9日(土) 曇り
タマネギやニンニクなどネギ族野菜に含まれる「スルフィド化合物」には、においの成分だが、
解毒や抗ガン作用が確認されている。オランダの研究では、タマネギを1日平均2分の1以上食べ
る人は、まったく食べない人に比べて胃ガンになるリスクが半分だった。世界がん研究基金などの
報告書でも、
「おそらく胃ガンのリスクを下げる」とされた。しかし食べ過ぎは危険。食べておいし
いと思える範囲にすべき。
直売店野菜品薄雪模様
2月10日(日) 雪
下腹部のふくらみは悩みのタネだが、「両足浮かし腹筋」はイスにすわって簡単にできて、下腹部にし
っかり効く。いすとデスクの間を少しあけ、両手をデスクの上に軽く乗せて体を安定させる。背中を丸め
てあごを引き、おなかに力を込めてへこませながら、両足を少し浮かせ、そのまま10秒維持する。余裕
があれば膝を高くあげる。足を組み下の足で上の足を持ち上げると、さらに下腹部に効く。
残雪の畑に注ぐ春の陽よ
Good News
No.258
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
2月11日(月) 雨
ブラジル・アマゾンの熱帯雨林は、もとは約500万平方キロあったのが、この30年で約66万平方キ
ロ失われた。過半が違法伐採によると考えられている。ブラジル政府は03年から、各国衛星による地
上写真を活用して違法伐採の摘発に一定の成果をあげてきたが、通常の衛星は晴天の日中しか地上
の撮影ができず、雨期の10月から4月を狙う違法伐採者も増えてきた。06年に打ち上げられた日本の
地球観測衛星「だいち」は、電波を地表に向けて発射し反射波で地上の様子をとらえるセンサーを備え
ている。夜も撮影でき、雨雲も「透視」可能だ。この能力にブラジル政府が期待を寄せ、支援を要請して
きた。日本政府はODAの枠組みで支援する方針で、データを10日以内に提供する。
部屋の中ヒヤシンスの香深呼吸
2月12日(火) 晴れ
右肩上がりで伸びてきた芋焼酎の生産量は、いまや40年前の10倍。しかし1リットルの焼酎
を作ると2リットルの焼酎カスが出る。鹿児島では蔵元たちは共同で焼酎カスを家畜飼料にリサイ
クルするプラントを11億円かけて建設し、海中投棄を陸上処理に切り替えた。ところが、芋焼酎
のブームで一気にプラントの処理能力を越え、試行錯誤を繰り返してたどり着いたのが産卵用のタ
コツボ。焼酎カスで作ったコンクリートのタコツボは、有機成分で水中の環境を改善する目的も持
っている。06年秋から鹿児島湾に設置されたタコツボを5ヶ月後に調べたところ、タコの産卵が
確認された。
朝の陽の天井染めて春来る
2月13日(水) 晴れ
かつては塩で漬けただけ梅干しが今は、一度漬けた梅干しから塩分を取り除き、甘みのある梅干し
が人気。そのため調味液に一ヶ月漬け込む。その量は梅干しの生産地・和歌山全体では年間およそ5
万トン。これまで海に捨てていたが、総工費一億円かけて浄化槽のある処理工場を作り、陸上処理に切
り替えた。しかし研究を重ね、梅酢や調味液から塩の固まりを作り、北海道の知床牛に食べてもらうこと
にした。牛はミネラルや鉄分を補うために、塩をとらなければならない。これまでは輸入の塩を使ってい
た北海道の知床牛と和歌山の梅干しがリサイクルの塩でつながった。
ベランダに眩しき光布団干す
2月14日(木) 晴れ
ホタテの産地・青森では年間8万トンのホタテ貝を生産している。それによって残る貝殻は年間4、5
万トン。貝殻を焼いて酢酸カルシウムを製造し、雪道の凍結防止剤として使うことにした。これまで使っ
ていた塩は塩害をもたらしていたが、この凍結防止剤は塩害がないと喜ばれている。
チューリップ土押し上げて浅き春
2月15日(金) 晴れ
IT産業の一大拠点カルフォルニア州のシリコンバレーでは、ヒューレット・パッカード、グー
グルなど地元企業やスタンフォード大学などの連合体が、
「クリーン・アンド・グリーン構想」を具
体化している。自家用車に頼らない通勤応援のため、自転車通勤者を対象にスタンプが10個溜ま
ると20ドル分の社内のカフェで使える食券を配る制度、自動車置き場やシャワー室の整備、通勤
の車をシェアする制度の調整、電車通勤者に対する電車の遅れなどメールでの情報提供などを行っ
ている。日系3世の建築デザイナーデビッド・カネダさんは、07年に太陽光発電を用い、化石燃
料に頼らない「CO2排出ゼロ」の2階建てオフィスを完成させた。大きな窓から採光し、断熱材
を入れて、温水を巡らせる。カネダさんは「みなのライフスタイルが変わるきっかけになればよい」
と語る。
白梅の丸い花弁風に乗る
2月16日(土) 晴れのち曇り
宇宙物理学者池内了さんは、約10年前に老朽化した京都市の自宅を建て替えた。太陽光発電や
太陽熱温水器など環境技術を満載し、雨水や井戸水も使う「エコハウス」
。しかしエコが浪費につな
がったら意味はない。
「本当にエコかどうか」
を厳しく見極める
「エコテラシー」
の姿勢を忘れない。
京都の暑さ寒さは厳しい。夏は汗をかき、冬は着込むのが基本。
「環境のために大事なのは、できる
だけ人間のエネルギーを使い、自分で責任を負うこと。自立すること」と言う。
屋根の影くっきり夕空日脚伸ぶ
2月17日(日) 晴れのち曇り
ロンドンの北50キロのレッチワースは田園都市(garden city)。エペネザー・ハワードが19世紀末
田園都市構想を提案し、その理想を具体化した。職住接近で、ほぼすべてが徒歩圏でまかなえる、農村
地帯に囲まれた都市だ。鉄道駅前の商店街を抜けると、穏やかな起伏の大地に2階建ての住宅群があ
る。道路からささやかな前庭を介して玄関に至る。戸建てもあるが、2戸または4戸、6戸で1棟のタウン
ハウス。暮らしに重きをおくハワードの思想には、世界中から共鳴者が相次ぎ、米国人実業家が駅に近
い一画にコルセット工場を建設。女性を中心に住民を従業員として雇用し、職住接近を後押しした。
早春の大通り疾走人の群
Good News
No.259
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
2月18日(月) 晴れ
有料老人ホームに価格破壊が起こっている。1ヶ月の利用が10万円前後で入れるホームが相次ぎ
誕生。療養病床の削減が進む中、行き場のない高齢者の受け皿の一つになっている。格安にできるの
は、建設費と営業費の徹底した削減。建設会社が主体の場合、初期投資が通常の7割ほどで済む。自
治体が入居者を紹介することで、営業コストをかけずに満室を保てる。
ろうそくを吹き消し春の夜更けぬ
2月19日(火) 晴れ
パキスタン北部、標高2400メートルに位置するフンザ地方は、長寿の里。春はアンズと桜の
花に彩られる桃源郷も、冬は目の前のカラコルム山脈から吹き付ける風が冷たく、気温は零下にな
る。人口200人余のファイザバード地区には100歳以上のお年寄りが5人以上いる。調査の結
果人々が飲むわき水に大量の活性水素が含まれていることが分かった。政治的な緊張がなく、水と
空気が汚染されていないこと、土地で採れた野菜や小麦を食べ、野良仕事で適度に体を動かすこと
なども長寿の要件のようだ。
春告ぐるか見知らぬ鳥の歌ふ声
2月20日(水) 晴れ
低濃度の二酸化塩素ガスには、空気中のインフルエンザウィルスを殺して感染を防ぐ効果のあること
を、大幸薬品研究所の緒方規男上級研究員らが、マウスの実験で確かめた。二酸化塩素ガスの労働環
境での許容濃度は0.1ppm。その3分の1以下で、安全に空間を消毒できる。人が集まる施設で使え
ば、新型インフルエンザ対策に役立つ可能性がある。
日溜まりにカモの群眠る丸くなり
2月21日(木) 晴れ
トヨタ自動車が発表した「クラウン」は、居眠り運転防止などのため、運転者の目の開閉状態を検知、
警告音やブレーキで衝突被害を軽減するなど、安全技術を6件採用した。横滑り時などに安定走行を確
保する技術「VDIM」や、急制動をかけるとランプで後続車に注意を促す機能も標準装備されている。
カーテンを開け放ち見入る春の空
2月22日(金) 晴れ
自然界で最も美しいとされるダイヤモンドの結晶と、数学的にはまったく同じ対称性をもつ構造
が存在することを、明治大の砂田利一教授が証明した。実際にダイヤに匹敵する純粋な結晶物質が
みつかった訳ではないが、数学の理論上存在が証明された。ダイヤモンドの結晶は、一つの炭素原
子を取り巻くように4つの炭素原子が等距離で並んだ正四面体構造が繰り返されている。どの炭素
原子も均等に結ばれて、ダイヤの硬さと特有の高い光の屈折率が美しい輝きを生んでいる。砂田教
授の証明した結晶は、10個の原子が環状に連なった基本構造が繰り返し現れる複雑な形状で「K
4結晶」と名付けられた。
三温の川沿いの道老夫婦
2月23日(土) 晴れのち曇り
セピア色の「セピア」とは、ラテン語を語源とする「イカ」の総称で「イカ墨」のことも意味す
る。昔からイカ墨はインクや絵の具に使われてきた。夏目漱石はイカ墨のインクが入った万年筆を
愛用し、著書「余と万年筆」でセピアインクへの思いを綴っている。イカ墨はイタリアのスパゲテ
ィ、スペインのパエリアなど地中海料理で使われているが、日本でも隠れキリシタンの島、長崎県・
生月島にはイカの墨を使った「黒みあえ」という島の冠婚葬祭には欠かせない料理がある。フラン
シスコ・ザビエルらがキリスト教布教の際にヨーロッパの食文化も伝え、イカ墨料理の美味しさが
住民に伝わって定着したと考えられている。
春一番どこかで何か落ちた音
2月24日(日) 晴れ
祝い事に欠かせない魚の王様マダイの朱色はタイの象徴だが、生まれながらに赤いわけではない。
養殖研究が始まったころ、いけすでタイを育てると黒くなった。いけすは浅いため紫外線で日焼けしてし
まったのだ。今はいけすをカバーで覆っている。色のもとはエビやカニの持つアスタキサンチンというカ
ロテン類。しかし甲殻類の餌は高くて使えない。今は化学合成のアスタキサンチンを餌に混ぜる。しかし
天然のものと色合いが違うそうだ。
木枯らしの反撃空で大暴れ
Good News
No.260
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
2月25日(月) 晴れ
福井市内の大型ショッピングセンターの一画にある待ち産品を直売する「こっぽい屋」には、野菜や山
野草、米や漬け物、惣菜が約40平方メートルの売場に所狭しと並ぶ。「こっぽい」は土地の方言で「あり
がたい」を意味する。オープンは99年。現在3期めの杉本町長が、農家が自家用に作っている無農薬
に目をつけ、自家用の野菜を余分に作ってもらった。町は2000 年から独自に減農薬・無化学肥料栽培
の「ゆうき・げんき正直農業」の認定制度を始めたが、こっぽい屋のほとんどの商品にはこのシールが
貼ってある。農薬の使用基準を厳しくした特別栽培コシヒカリも「うらら(私たち)の米」ブランドで販売。収
量が落ちるため価格を割高に設定しても、ほぼ予約で完売する。「住民の意識が『うちの町はおもしろ
い』に変わってきたのが一番うれしい」と町長は語る。
なぜ知るか花咲く梅にメジロ来る
2月26日(火) 曇りのち雨
東京大学の野崎京子教授は二酸化炭素を利用した高機能脂肪族ポリカーボネート樹脂の開発を産学
連携で開始した。脂肪族ポリカーボネートは、CO2とエポキシドを反応させて合成されるが、脂肪族ポリ
カーボネート樹脂は重量の50%相当がCO2であるため化石資源の省資源化が可能となり、省エネル
ギーにもつながる。また多くの既存樹脂の代替が可能なため、生分解性プラスチックやバイオマス原料
利用など幅広い活躍が期待できる。
梅いろいろ公園の端舞踊家宅
2月27日(水) 晴れ
団地の価値が見直されている。高度成長の住まいを支えた団地は、意外に頑丈。近頃のマンションと
違って、容積率も低く、ゆったりしていて、広場や商店街もある。武庫川女子大の大坪明教授は、昨年、
団地と同じ間取りの部屋を5つの学生グループに好きに改修させた。すると土間を設けたり、ロフトをつ
くったり、全く異なる部屋ができた。「高齢化が目立つ団地だが、部屋の内装を借り主にすべて任せれば、
家賃の安さと相まって、個性ある住まい方を楽しむ若者らをひきつけるはず。コツとのかかる建て替え
より、資源の無駄使いにならない」と団地のリフォームの効用を訴える。
枝垂れ梅会ひたくなりて遠回り
2月28日(木) 晴れ
マツダは、白金やパラジウムなどの高価な貴金属の使用量を大幅に低減する自動車用触媒を開発し
た。自動車の触媒では、貴金属はその表面で排出ガスの浄化反応を促進するという役割を果たしてい
る。従来の触媒は、触媒材料上に貴金属を付着させる構造になっており、排出ガスによる熱で貴金属が
移動、凝集して、大きな粒子になり、貴金属の表面積が減って触媒性能が低下するので、あらかじめ多
くの貴金属を使用する必要があった。今回開発した新型触媒では、貴金属の表面積を増やすために5
ナノメーター以下という貴金属の粒子を触媒材料に埋め込みシングルナノサイズのまま固定するので、
貴金属が凝集せず、貴金属の使用量を従来比70%から90%に削減した。
枝も紅きピンクの梅に陽穏やか
2月29日(金) 晴れ
シンガー・ソングライターの豊田勇造さん(58)の最新アルバム「夢で会いたい」には、チェンマイ近郊
で日本人女性が運営するエイズ患者のシェルターの歌が収録されている。こういう場所があることを知
って欲しくて歌を作った。タイとの縁は、70年代のタイ民主化運動の中で結成された社会派バンド「カラ
ワン」の演奏を聞いたこと。アジアにもすごいバンドがいると衝撃を受け、バンコクに向かった。市場で
はパック詰めでない野菜が積み上げられ、列車が少々遅れても平気。社会全体がゆるやかで、生きる
ことが幸せと言う気持ちがあるれているように感じた。十数年前から年に3ヶ月ほどタイで過ごす。日本
でTシャツを売り、収益をタイ東北部の中学生9人の奨学金に充てている。
春色の萌黄のセーターかちあはせ
3月1日(土) 晴れのち曇り
米国では、最近省エネに対しての意識が高まっており、2007年には電球型蛍光灯の売上げが電球
全体の20%になった。前年は11%だったものだ。Fry sという総合電気スーパーでは4個入りが、1ド
ル99セントで売られている。これまでの価格は、1個が5ドル以上していたもの。これは、PG&Gという
電気会社が省エネ推進のため、消費者が安く購入できるよう金銭的なサポートをしているから。Home
Depoという日用品スーパーは、昨年のアースデーに百万個の電球型蛍光灯を無料配布した。
名もゆかし匂菫の優しき青
3月2日(日) 晴れ
山菜の持つ独特の苦みは春の訪れを感じさせる、この苦みは「ポリフェノール」などで、体内の活性
酸素を消して老化を防ぐ抗酸化性がある。ポリフェノールは水に溶けやす、あく抜きをすると流れでてし
まうが、天ぷらにすると抗酸化成分が摂取されやすい。タラの芽、コシアブラ、アサツキに含まれるニコ
チアナミンは、血圧を上げるホルモンを作るACEという酵素を阻害する働きを持つ。また、タラの芽やウ
コギには糖の吸収を阻害する成分があり、糖尿病の予防効果が期待できる。
春の午後低く優しくアヴェ・マリア
Good News
No.261
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
3月3日(月) 晴れ
インドのナラヤナ・ムルティさん(61)が27年前に仲間6人と資本金250ドルで始めた小さなIT企業
は、いまや従業員8万8千人のインドを代表する企業インフォシス・テクノロッジーズに成長した。ムルテ
ィーさんは初代首相ネールを尊敬する熱心な左翼だったが、留学先の欧州で、社会主義が掲げる「富の
分配」より前に「富の創出」が必要と痛感。創業仲間が目指したのは家柄やカーストに影響されない「プ
ロによるプロのためのプロの会社」。企業統治を経営の柱に据え、創業者一族の世襲も禁じた。「会社
の最大の資産は人材」と考え、収益の5%を人材教育に投じている。
望遠のレンズ向く先梅満開
3月4日(火) 晴れ
高橋玲子さん(39)は、タカラトミーで目や耳の不自由な子供も一緒に楽しめる「共遊玩具」の開発や
普及に取り組んでいる。目の見えない子どもにとって、遠くにあるものや形のわからないものを理解す
るのは難しいが、形のあるおもちゃなら手でさわって分かってもらえる。自身全盲の視覚障害者で、10
歳の頃、盲学校のクラスメートと電子野球盤ゲームに夢中になり、見える子も加わり、立場の違いを感じ
ずに楽しさを共有した経験が原点にある。障害のある子とない子が一緒に楽しく遊んだ経験があれば、
豊かな社会を作れる大人になるだろうと信じている。
畑の隅ほのかに香る白梅林
3月5日(水) 曇りのち晴れ
中国江蘇省の渓橋鎮は、人口3万あまりの田舎町だが、ここの50社のバイオリン製造会社が世界で
流通するバイオリンの約半分を生産しており、「バイオリンの里」と呼ばれている。文化革命まっただ中
の1968年に上海のバイオリンメーカーを解雇された2人の職人が里帰りし、バイオリンの部品工場を
作ったのが始まり。米国の楽器専門商社の目にとまり、輸出で急成長。96年には総合メーカーとして自
社ブランドによる販売を開始。人件費が安い上に、住民の大半が楽器工場にかかわり、工員の定着率も
高く、熟練工も多い。この町の渓橋鎮小学校ではバイオリンが必修で、週1回90分の授業を受ける。楽
器は地元企業が寄付した。
隣家より枝伸びる先梅見頃
3月6日(木) 曇り
昨年末の学校教育法の改正により、大学などが「履修証明書」を授与できるようになった。主に社会人
の能力アップを目的に、一定水準のプログラムを終了すれば授与できる。米国では70年代以降の不況
で若者の失業率が増え職業訓練がさかんになるにつれこの制度が広まった。文部科学省では、履修証
明書を授与できるプログラムを「120時間以上の体系的なもの」と限り、民生委員等の相談技術を向上
させる165時間の講習や介護福祉士らに135時間で園芸療法を教える講習など、離職者らの「再チャ
レンジ」に役立つと期待している。
広き池残り鴨のみ三羽ほど
3月7日(金) 晴れのち曇り
虫に食べられた植物が、化学物質で虫の点滴を呼び寄せ、自らを守る仕組みが分かってきた。京大
の林純示生態学研究センター長らが、コナガの幼虫に食べられたキャベツが天敵の寄生バチに、「みど
りの香り」と呼ばれる炭素数6個のアルコールやアルデヒド、テルペン類など揮発性の化学物質を出し
ていることをつきとめた。同様の報告が別の植物でも報告されている。こうした信号は、周りに生えてい
る植物に危機を伝える役割も果たし、傷付いた除虫菊の近くでは、無傷の個体でもピレトリンという殺虫
性物質をつくる遺伝子の働きが高まる。信号は、山ヨモギでは60センチ以内だが、ハンノキでは10メー
トル以内にある個体に伝わっているらしい。こうした仕組みをうまく利用すれば、農薬に頼らずに植物を
虫の害から守ることができそうだ。
門前の赤橋渡れば温泉街
3月8日(土) 晴れ
デビューシングル「海雪」がオリコンチャート4位に入るという演歌歌手史上初の快挙を成し遂げたの
は、米ピッツバーグ出身のジェロことジェローム・ホワイト・ジュニア。大学卒業後来日し、コンピュータエ
ンジニアとして働きながら各地のカラオケ大会に出場し、2月に念願の演歌歌手デビューを果たした。ダ
ボダボのパンツをはき、野球帽をかぶり、ヒップホップダンスをしながら、完璧な日本語で演歌を歌う。ア
フリカ系アメリカ人と結婚した日本人の祖母から、日本語と日本の歌を習った。日本のソウルミュージッ
クともいえる演歌を若い人にもっと聴いてほしいとジェロは言う。
目の前に白富士勇姿の峠かな
3月9日(日)
餌を求めて大海原を回遊するカツオは血合い(赤色筋)が発達している。白色筋ほど強くないが、持久
力に優れている。筋繊維は細いが、酸素を運ぶ毛細血管がたくさん通っているからだ。白色筋はネコ型
の筋肉だが、オオカミなどイヌ型は赤色筋を生かし、獲物が疲れるまで追い回す。血合いには、血液中
で酸素を運ぶヘモグロビンとヘモグロビンから酸素を受け取って筋肉にためるミオグロビンという色素
たんぱくが豊富。どちらも鉄分を含むヘムという赤い色素がある。
墓標には享保の文字あり老白梅
Good News
No.262
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
3月10日(月) 雨のち曇り
八王子市立七国小学校の6年生は、9月から2月まで総合学習の50時間ほどを使い、自分のなりた
い仕事を探した。名付けて「12歳のハローワーク」。まず「今自分が夢中なこと」というテーマで作文。次
にいろいろな仕事があることを学んで、質問票に答えて自分に向いているタイプの仕事を選ぶ。さらに
憧れている職業の人に手紙を書き来校を依頼し、来てくれた人から話を聞く。出かけて話を聞くこともあ
った。最後に自分のやりたい仕事とその理由を発表。最初の作文より、具体的に自分の「やりたい仕事」
を説明できるようになった。
枝揺れてよく見ればメジロ花の中
3月11日(火) 晴れ
山口絵理子さんが代表取締役を勤めるマザーハウスの店には、カジュアルでファッショナブルなジュ
ート(黄麻)のバッグが並ぶ。生産国はバングラデシュ。このバッグはデパートでも好評。山口さんは、大
学生のときに国際機関の開発援助に携わるインターンとして働いた。しかし机上の議論と処理をしてい
るだけと感じ、バングラデッシュに渡り、自分の目で確かめ、途上国の役に立つ方法を考えてきた。「お
客様が可愛い、かっこいいと感じられる商品を途上国で作る」をコンセプトに、ジュートに注目。デザイン
画を描き、工場を探し、素材の開発、職人の指導、資金調達、販売ルートの確保に挑んだ。貧しさゆえに
裏切られたこともある。そんな中で優れた職人やビジネスマンが力を貸してくれて、マザーハウスを設
立。2周年を迎えた。
サクラ・モモ・ウメの枝並ぶ直売店
3月12日(水) 晴れ
アルツハイマー病の根本原因とされるたんぱく質を直接攻撃する薬の開発が米国で最終段階に入り、
日本でも人を対象とした治験が始まった。この新薬は、アイルランドのエラン社と米国のワイス社が開発
中の「バピネオズマブ」という注射薬。アルツハイマー病の患者の脳にはアミロイドβというたんぱく質
がたまり、老人斑というシミができ、神経細胞が減り、認知機能が低下することが知られている。アミロイ
ドβが何らかの形で神経細胞を壊すことでアルツハイマー病が発病すると考えられている。そのために
アミロイドβを叩く抗体薬を作ろうとする試みが始まり、「パピネオズマブ」が開発中なのだ。
福寿草背丈伸び本格の春
3月13(木) 晴れのち曇り
都民や企業NPOが協力して、10年ほどかけ、中央防波堤内側埋め立て地を森に変え、「海の森」を
作ろうとする試みが始まった。昭和48年から62年までゴミの最終処分場だったところで、東京都で発生
したゴミ1230万トンと建設工事で発生した残土で埋められたところ。面積は皇居とほぼ同じ広さ。植林
する土壌をつくるための堆肥は都内の公園や街路樹の剪定枝葉から作ったものを使う。苗木は「緑の東
京募金」で募った資金で購入したり、小学生やボランティアがドングリから育てたものを使う。すでに一
部の植林を行っており、これが育てば二酸化炭素を大幅に吸収する巨大な森になり、都民の憩いの場
にもなる。
丹誠した春の花並ぶ家のあり
3月14(金) 曇りのち雨
ダイハツ工業がプラチナ不要の燃料電池の実用化に挑んでいる。燃料電池は自動車の将来の動力
源などとして期待されている発電装置で、燃料は水素。化石燃料を使わないので、二酸化炭素が出ず、
環境面の利点が大きいが、電極に高価なプラチナを使うためにコスト高が難点。ダイハツは、ロケット燃
料に使われる無加ヒドラジンに水を加えて安定化させた水加ヒドラジンを燃料に試した。水素と窒素から
合成可能なヒドラジンは二酸化炭素を出さず、出力が高い。電気化学的なエネルギーは水素の1.25
倍ある。アルカリ性の膜でも電気をスムーズに取り出せることが分かり、耐酸性のある電極素材が不要
となり、コパルトやニッケルなど安い金属で代替できるようになった。またヒドラジンは常温では液体の
ため、既存のプラスチックのタンクやタンクローリーで貯蔵、輸送できる。燃料補給施設として現在のス
タンドの設備を利用できる。
雨音に雷鳴加わり春の嵐
3月15(土) 晴れ
貧血の解消には鉄分補給が描かせないが、菜の花には100gあたり2.9ミリグラムの鉄分が含まれ
る。野菜の中では小松菜、枝豆とともに、含有量が多い。ただ菜の花に含まれる鉄分は「非ヘム鉄」と呼
ばれ、レバーなどに比べて吸収率が低いのが難点。たんぱく質や乳製品など、吸収を助ける食品と一
緒に食べると吸収がよくなる。菜の花には食物繊維も多く、含有量の多さで知られるサツマイモを上回る。
ビタミンCも非常に多く、イチゴのおよそ倍。
春の陽や息子の新居ガラス越し
3月16日(日)晴れ
ソニーは周りの騒音を約99%除去できるヘッドホン「MDR−NC500D」を発売する。これまでは雑
音をアナログ信号のまま処理していたが、デジタル信号に変換することで精度を高めた。飛行機内、電
車内、屋内などの雑音の特性を分析し、最適な低減処理を自動選択する機能もある。
水温む郊外の墓人多し
Good News
No.263
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
3月17日(月) 晴れ
京都薬科大学高田寛治教授のチームが開発した、マイクロニードルと呼ばれる高さ0.5ミリ、根元の
直径0.3ミリの小さな円錐形の針は、皮膚を通して無痛で薬を注入できる。針を粘着テープに並べて皮
膚に押しつけると、それぞれの先端から半分ほどが刺さり、神経がない表皮の層にとどまるため、痛く
ない。この針はヒアルロン酸やコンドロイチンなど人体にふつうにある高分子でできているため、刺さっ
た部分は自然に溶けて吸収される。糖尿病のインスリンや貧血を改善するエリスロポエチンなどを混ぜ
ておけば、針自体が薬のカプセルになる。インスリンなどたんぱく質でできた薬は消化されるので、飲
用できず、製造途中で高温処理ができない。高田教授らは室温で成形できる高分子の組み合わせや薬
をうまく分散させる方法をみつけ、量産技術も開発して、特許申請中。
春眠を破る初音の一声や
3月18日(火) 晴れ
サヨリはトビウオの仲間で、天敵から逃げるとき水面を跳びはねることもある。コハダとならぶ江戸前
の光り物。針のように細長い銀色の姿は優美。とがった下あごが突き出ている。腹の中は真っ黒。身が
透き通っていると体内に強い陽差しが入るため、内臓が黒くなったという説がある。
下町に緋寒桜の紅の色
3月19日(水) 曇りのち雨
大阿じゃ梨である塩沢亮潤さんは、難行「大峯千日回峯行」を吉野山金剛峰寺で成し遂げた。1300
年の歴史の吉野金剛峰寺で2人目という偉業。往復48キロ、高低差1300m以上の山道を1日16時間
で往復し、年間120日歩き通して9年の歳月を要したという荒行。大自然の中での闘いは、自分の力を
出し切らなければ命がないという極限状態。「自分自身と向き合い、『我』の正体が自分なりに分かり、自
分が変わることで人と心が通じ合う喜びが生まれた」と語る。
池の端柳の萌えて桜待つ
3月20(木) 春分の日 雨
岩手県一関市では、NPO法人「いわて発達障害サポートセンター」の「えぇ町つくり隊」が活動してい
る。米国ノースカロライナ州で地域が自閉症の人たちを支える様子を見て、一関の人たちが思い立った
活動だ。自宅と養護学校あるいは通所施設の2点間の往復から面の生活へ幅を広げるため、まずや買
い物や外食を楽しめるようサポートする。まずはサポート店を増やし、硬貨や紙幣、トイレの絵が並び、
指せば会話を補えるシートを配った。「サポートします。障害のある人たち」のポスターを貼った店では
「障害を抱えています」のワッペンを貼った子供たちが買い物している。この活動を知ってもらうため、ポ
スターを制作し、「自閉症にはたくさんの親が必要です」「自閉症の子どもたちにやさしい街は、誰にとっt
もやさしい町になる」などのコピーをつけ、各地の発達障害者支援センターに送った。
裏庭の沈丁花に房三つほど
3月21(金) 曇りのち雨
輪島駅の近くの「小峰山」で採られる土は輪島塗の地の粉。米のりなどを混ぜ込み、木地に塗っては
研ぎ、4回ほど重ねて下地が完成する。この地の粉は風化珪藻土。プランクトンがスポンジ状の化石に
なっていて、その穴に漆が入り込むことで輪島特有の丈夫さができる。この地の粉は輪島漆器商工協同
組合が精製し、組合員だけに売る、門外不出の粉。輪島塗は9分業100工程といわれる。商品を企画し
販売するのが「塗師屋」。塗師屋から注文を受けた「木地屋」が木をひいて形を作り、「下地屋」が割れや
すい部分を布で補強しながら地の粉の下地を塗る。これが「布着せ本堅地」という作業で、国の重要無
形文化財となっている。「上塗り屋」が仕上げ、蒔絵や沈金で加飾する。
雨上がり桜の枝も色を帯び
3月22日(土) 晴れ
外見は、あっさり、すっきり。見えないところに手間をかけて、江戸の粋の象徴ともいえるのが、江戸
指物。釘は使わず、板と板の間に「ほぞ」と呼ばれる凸凹を切り込んで組み合わせる。1ミリでもずれる
と板は組み合わない。精緻なほぞをノミ1本で彫っていく。華美な装飾を施すことなく、木目を最大限に
生かして作ったタンス、鏡台、道具箱。そのたたずまいは、江戸に暮らす武士や町人の気風が育てた、
職人の手仕事の極み。
春夕べ母校界隈様変わり
3月23日(日) 晴れのち曇り
古くから日本人に愛され続けてきた赤貝は、産卵に向け、身に厚みを増す春が一年で最も美味。貝類
の中で唯一血液にヘモグロビンを含んでいるため、肉が赤い。国内産赤貝の水揚げ量第一位で、江戸
時代に伊達家直轄の漁港として栄えた宮城県ゆりあげ港では、朝6時の合図とともに、小さな舟が一斉
に出航し底曳網で海底の赤貝を掘り獲っていく。乱獲を防ぐため漁の時間は12時までの6時間のみ。
仕分け作業も舟の上で行い、稚貝を住み慣れた海域に戻す。江戸前の海でも大量に採れてた赤貝は、
体に良い食べ物として将軍の膳に毎日のように煮物にして出されていた。赤貝を最も美味しく食べるに
は湯引きが一番。65℃のお湯にくぐらせ、冷水に取った赤貝は、表面がうっすらと白くなり、ただの生よ
りも数段甘くなる。
ちらほらと咲き初む朝の空気清し
Good News
No.264
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
3月24日(月) 雨のち曇り
デザイナーの渋谷サニーさん(23)はミャンマー難民出身。父が民主化運動の幹部で、88年の軍事
クーデター後弾圧を恐れ来日。5年後母と2人で日本に来た。小学校で必死に日本語を覚え、友達をつく
ったが、差別を受けた。亜細亜大学入学後、モデルとして活躍したが、難民であることを隠さなければ生
きられないと、好きな街「渋谷」を姓として名乗った。しかし昨年9月のミャンマーで僧侶のデモが弾圧さ
れた事件を機に、多くの人に難民問題を知ってもらいたいと、難民であることを告白。デザイナーとして
の仕事も順調で、アパレル10店舗からの協力を得て、国連難民高等弁務官事務所の募金箱の設置を
始めた。
花冷えの池の公園人影無し
3月25日(火) 晴れ
牛の「げっぷ」にはメタンが含まれ、メタンは地球温暖化をもたらす温室効果が二酸化炭素の21倍あ
る。出光興産と北海道大学は、共同で、牛のげっぷとして大気中に出るメタンの量を9割抑える天然素材
を発見した。カシューナッツの殻から抽出した植物油とシュードザイマという酵母菌が生み出す界面活
性剤の2種で、牛の4つの胃のうち第1胃内の胃液の粘り気を下げ、メタンの発生を抑える。環境省によ
ると国内の牛からげっぷとしてでてくるメタンの量を二酸化炭素に換算すると、年678万3千トンとなり、
国内の温室効果ガスの年間排出量の約0.5%にあたる。
パンジーの輝き増すや春爛漫
3月26日(水) 晴れ
東芝は、人との対話を通してテレビなど家電製品のリモコン操作を覚え、人の代わりに家電を動かし
てくれる卓上型ロボット「アプリポコ」を開発した。人が操作したときにリモコンから出る赤外線を検知し、
「今何したの」と問いかけ、人が「テレビをつけたよ」などと答えると、その操作を覚え、「テレビをつけて」
など指示されると、アプリポコ自身が適切な赤外線を出し、家電を操作する。今後実証実験で信頼性を
高めて、実用化を目指す。
天平の菩薩おはして花開く
3月27(木) 晴れのち曇り
アサヒビールは、大豆から取り出した「腹持ち」のよいたんぱく質を「満腹たんぱく」と名付け、ダイエッ
ト食品の材料に採り入れることを決めた。ラットを使った実験で、他の食品用たんぱく質に比べ食事の量
を減らす効果が高かった。15人の女性で調べたところ、ヒトでも満腹感が続く傾向が見られた。消化が
ゆっくりになることが満腹感の持続と関係するとみられる。
強東風や舗道に落つる花多数
3月28日(金) 曇りのち雨
愛知県安城市の私立中学で一年間非常勤講師を勤め、同県の教員採用試験に合格した小島裕治さ
んは、4歳の頃大型車に両腕をひかれて、左腕は15センチ、右腕は肩から先がない。「どうせ自分には
無理だから」とサッカー選手になる夢はあきらめた。大学2年の時、ホノルルマラソンを完走。語学研修
で行ったニュージーランドの小学校で、名前を足で書くと子供たちの歓声に包まれた。「できることがあ
る」と実感し、腕を失ったことを言い訳に、何かをする前に逃げていた自分に気がついた。教師を志した
のは、自分の姿が役に立つと考えたから。「無理だと思えることでも、工夫して努力すればできることが
ある。そのことを伝えたい」と言う。
春眠覚ゆ銀行の待合い椅子
3月29日(土) 晴れ
米誌 Time(3・31号)は、ダライ・ラマ14世と1974年以来の長いつきあいだというPico Iyerによる
評伝 The Open Road からの抜粋を掲載。これによればダライ・ラマは今も「中国人の兄弟姉妹」の
ために祈り、チベット人同胞には「中国語を学び、新しい統治者と争うのではなく、対話できるようにしな
さい」と説いている。ダライ・ラマは、チベットの独立も求めない。代わりに中国人が仏教の信仰を取り戻
す日を静かに待つ。「30年後のチベットが600万人のチベット族と1000万人の漢族仏教徒が住む国
であれば、それはそれでよいのではないか」と語っている。
満開の桜並木の懐かしさ
3月30日(日)雨
米誌Newsweek(2・25号)の表紙は米民主党の大統領候補のバラク・オバマの妻ミッシェル。バラッ
クは妻を「岩(Rock)」と呼ぶそうだ。「岩」の役割は、ともすれば「夢と希望の伝道師」になりがちな夫バ
ラックの目を具体的な問題に向けさせ、地道な活動に引き渡すこと。ハーバード大学の法科大学院で出
会ったころから2人は違っていた。演説がうまく、選挙好きなバラックは権威ある学内誌Harvard Law
Reviewの編集長に選ばれたが、ミッシェルはもっぱら「他校の黒人学生をハーバードの大学院に勧誘
する」活動に従事していた。夫が言葉で人の心をとらえ、妻は行動で人を動かすという、理想的な組み
合わせ。
花冷えの新丸ビルの家族連れ
Good News
No.265
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
3月31日(月) 雨のち曇り
フィリピンのケソン市バヤタス地区では、毎日400台以上のトラックが約1500トンのごみを運び込む。
マニラ首都圏でも最大の処分場だ。この地区には約1万人が住み、空き缶や銅線、ガラス瓶、ビニール
製品などの回収で暮らす者も多い。最近ゴミ山に青いガス管が埋められた。ゴミから出るメタンガスを回
収し、発電機を動かす仕組み。市がイタリア企業などと取り組み、地域に電力を供給する試験的試みだ。
途上国に技術を提供する代わりに排出枠を得る京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)事業とし
て登録され、CO2換算で10万トンの排出枠が見込まれる。
義父の椿一隅を得て花多数
4月1日(火) 晴れ
都市ごみの焼却灰を高温で融解処理したスラグには、鉄とともに金、銀、銅など様々な希少金属が含
まれる。物質・材料研究機構の原田幸明氏の試算によれば、「都市鉱山」と呼ばれる国内に蓄積された
金属の量は、金や銀、インジウム、アンチモンなどで世界の天然鉱山の埋蔵量の2〜6割の量にのぼる。
しかし薄く広く埋まっている状態で、埋立処分されたものも多く、すべてをとりだせるわけではない。有望
な「鉱脈」は、使用済み携帯電話やパソコン。
花びらの舞ひ込む窓辺誕生日
4月2日(水) 晴れ
アフリカの乾燥地帯にすむ昆虫ネムリユスリカの幼虫は、ミイラのように干からびても水につければ
生き返る。乾燥状態で17年持ちこたえた記録もある。櫻井実東工大教授らのグループは、乾燥した幼
虫でトレハロースの分布や状態を詳しく調べ、その仕組みを解明した。トレハロースは体中にまんべん
なく広がり、約65度以下の温度ならばガラス化と呼ばれる安定した固形状態になり、体内のたんぱく質
や細胞膜は再び水とめぐりあうまでこの中で保護される。この成果を応用して臓器や組織の長期乾燥保
存ができれば、移植医療が変わるかもしれない。
道に舞ふ花びら見とれバス逃す
4月3(木) 晴れのち曇り
人間で言えば30〜40歳にあたる若手ネズミと、80歳くらいの高齢ネズミを対象に、体力勝負の実験
をした。壁に開けた穴に鼻を突っ込むとエサがもらえるもので、「若手」は毎分7個のエサを得たが、「高
齢」は3個どまりで、体力差が見られた。一方脳の記憶をつかさどる海馬に12本の細い針を刺し、脳が
何かを思い出すなどして0.04秒間に3回以上の脳神経の信号が検知されたらエサが出る仕組みで実
験したところ、「高齢」は最初の10分間は1分間に平均3個しかエサがとれなかったが、エサを出す方法
を脳が学習し、40分後には1分間に9個のエサを撮れるようになった。若手も最初の1分間は3個だっ
たが、40分後には11個。両者の脳のはたらきの差は、体力差ほどではないことが示された。
カモっていいな花散る水面すーいすい
4月4日(金) 晴れ
古くから稲作農耕民の間では、春になると「山の神」が里に降りてきて「田の神」に転じ、イネの魂とな
って私たち人間にみのりをもたらすと信じられてきた。「サ」とはその山の神のことで、その眼に見えな
い霊力がひたひたと降りてくる様子を「サオリ」、降りてくる月を「サツキ」、そしてそれが宿ったイネの苗
を「サナエ」と呼んだ。 「サクラ」の語源は、サが山と里のあいだで小休止する座(クラ)という説もある。
雲までも瑞祥に見ゆ佳き日かな
4月5日(土) 晴れ
米誌Fortune(3・31号)によれば、全米第2の安売り店チェーン「ターゲット」は、利益率では安売り王
ウォル・マートを上回る。ターゲットのスローガンは「期待は高く、値段は安く」。高級感のある独自開発
商品を低価格で提供し、「割安感」を演出する。経営の秘密は、「創造的内閣」と呼ばれる顧問グループ
の意見を活用してきたこと。このグループは年齢も出自も異なる十数人の外部専門家で構成されるが、
互いに顔を合わすことなく、定期的に報告書を送り、経営者の求めに応じて意見を述べる。
枯れ枝と見えしに葉茂り蕾つく
4月6日(日)晴れ
ニューヨーク・クイーンズのジャマイカ地区は、低所得者層の黒人が住む犯罪多発地帯。この地区で、
アフリカの伝統を教える文化センターを運営するキマティ・ディニズールさんは、一流のミュージシャン。
100種類以上ものパーカッションを使いこなし、ジャズ界の大物、ソニー・ロリンズなどと共演している。
この文化センターでは、地域に住む黒人たちにアフリカのダンスや音楽を教えている。すさんだ環境の
なかで自分を見失ってしまう現代の若者たちのほとんどは、奴隷として海を渡った黒人の歴史を知らな
い。自らのルーツを見つめ直すことで、立ち直るきっかけをつかんでほしいというのが、キマティさんの
願い。
川沿いはドラマチックに花吹雪
Good News
No.266
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
4月7日(月) 雨
中国・上海市、長江河口に浮かぶ崇明島に建設される「エコシティー」は、CO2の排出ゼロを目指す。
崇明島は東西80キロ、人口70万人。農業が主だが、上海への出稼ぎ者が多い。森林や湿地が残り、
渡り鳥も集まる。8万人の居住を想定するエコシティーは、風力や太陽光、バイオ燃料、燃料電池をフル
に活用し、廃棄物の回収、再利用に努める。交通機関や住宅、商業ビルは省エネ型にし、歩行を奨励し、
郊外に森林や湿地公園、有機農園などを整える計画。英国はいち早く協力を表明してる。
白椿地に落ちてなほ品位あり
4月8日(火) 雨
ベトナムの首都ハイチは、湖沼が900ある風光明媚な地。だが今、都市の湖には生活排水が流れ込
み、魚が大量死している。ハノイ市は洪水対策で手一杯。この町の都市づくりを買ってでたのは、日本
のJICA。7億円かけて調査し、「水と緑の文化の都市」をうたう計画を策定し、報告書を提出した。周辺7
省を含む50キロ圏内に衛星都市や森林保全地帯を設置し、宅地、工業団地、水処理施設の整備、地下
鉄建設など細かく提案。ごみの分別収集、交通安全対策やそのための人材育成への協力も進める。
川辺には懐かしき紅の桃の花
4月9日(水) 晴れ
太陽電池の発電量は90年代から日本が首位だったが、05年にドイツに抜かれ、日本はドイツの半
分に満たないと推定されている。そんな中で独自の施策を打ち出す地方自治体もでてきた。東京都は今
年度から3カ年計画で、100万キロワットの太陽光発電を目標に、4万戸のパネルの設置を目指す。装
置の設置で削減が見込まれる温室効果ガスの排出量10年分の価値を「グリーン電力証書」として都が
あらかじめ買い取り、その分を購入費から割り引く制度を導入した。愛知県も4万円を上限に「グリーン
電力証書」を購入。佐賀県も6万円を上限に補助金制度を始める。全国で約300の自治体で補助制度
がある。
フリージア優しき姿強き香り
4月10(木) 雨
産業技術総合研究所は、数ボルトの電圧で鏡状態と透明状態を切り替え、日射の効果的制御ができ
る調光ミラーを開発した。従来の調光ガラスは光を吸収して調光を行うためガラス自身が熱くなり、室内
に熱を再放射するという欠点があった。今回開発された調光ミラーは、太陽光を反射でコントロールする
ことでこの問題を解決した。この調光ミラーは、ガラス板だけでなくプラスチックなど柔軟な基材上に薄
膜を積層して製造できるため、フレキシブルな調光ミラーフィルムの製造が可能。このフィルムを既存の
窓ガラスに貼り付けるだけで、スイッチ一つで日射量を効果的に制御し、室内、車内の冷房負荷を軽減
できる。
静けさや婆裟と落ちしは紅椿
4月11日(金) 雨のち曇り
作家・村上春樹氏は、ほとんど全部の作品が日本でペストセラーになっているが、それ以上の収入を
海外での翻訳版の販売から得ている。世界中で人気の理由は、ストリーとスタイルが世界の人々に浸
透する力をもっているからじゃないかと本人は言う。日本語の特質に頼ることの少ないスタイルのため、
翻訳で失われるものが少ない。ストーリーは読者を魂の世界に引き込むもので、魂の世界は世界共通
のものだからだ。共鳴する何かを見つけることにより人々が救われるものを書いていきたいと語る。
薔薇の芽の日毎に伸びる春の雨
4月12日(土) 晴れ
米誌Business Week(4・7号)の特集は、過去3年間の利益と成長率でみた企業のランキング。言
いかえれば、小さくても元気な会社のランキング。1位は鞄やハンドバッグのCoach。消費者の心理の
変化に機敏に対応して低価格(といっても160ドル)のバッグを売り出したことが利益率を押し上げた。2
位は、製薬ベンチャーのGilead Sciences。処方通りに何種類も飲まなくてはならなかったエイズの治
療薬を1粒にし、寝る前に飲めば良いようにした。おかげで税引前の利益は3倍になった。
濃淡の緑のレース纏ふ木々
4月13日(日)曇り
13日に開かれるロンドンマラソンに、旱魃が深刻なタンザニアのエルアイ村からマサイ族の20代の
男性6人が水源確保の募金を求めて出場する。村では衛生的な水が不足し、子どもの3分の2は5歳ま
でに命を落とす。その惨状を訴えるため、42.195キロを給水をせずに完走する予定。シェカと呼ばれ
る赤い布の民族衣装をまとい、盾にナンバーカードをつける。シューズは古タイヤを再生したサンダル。
外国に来るのも、マラソンを走るのも初めての6人は、「歌って踊りながら4時間以内に走りきる」と目標
を語った。12万ドル(約1200万円)あれば、きれいな水源から水が引けるそうだ。
春寒し咳込む人居る隣家かな
Good News
No.267
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
4月14日(月) 晴れ
13日のロンドン・マラソンで、干ばつの村に水を引くための募金を求めて出場したタンザニアのマサ
イ族6人は民族衣装に身を包み、足には廃タイヤで作ったシューズといういでたち。にぎやかな雰囲気
でスタートしていったが、テレビインタビューで「寒い、寒い」と繰り返していたリーダーのイサヤさんが吐
き気を催し、大事を取って途中棄権。1人が病院に付き添った。それでも残る4人は5時間24分47秒で
見事に完走した。イサヤさんは一両日中に退院できる見通し。
たんぽぽや舗装の割れ目一列に
4月15日(火) 晴れ
静岡県立大学谷幸則教授は、ある種のカビは、レアメタルのひとつ、マンガンを体内に取り込み、酸
化物に変えて細胞の表面に析出させる力があることを発見した。川の石で表面が黒ずんでいるものは、
このカビが川の水の中にわずかに溶けているマンガンをとらえ、黒い酸化物に変えているもの。しかも
この酸化物は、各種レアメタルを効率よく吸着する。でこぼこのある構造にその秘密があるようだ。
造成の川辺我が家とポピー咲く
4月16日(水) 曇り
海に住むホヤの仲間バナジウムホヤにには、きわめて高濃度のバナジウムが含まれている。この
生物はバナジウムを溜め込む特別な細胞を血液の中に持っている。細胞に取り込まれたバナジウムの
濃度は海水の 1000 万倍。バナジウム結合タンパク質という、バナジウムをつかまえるタンパク質の手を
いっぱいつけた細胞(アーミング細胞)を作っているためだ。これにヒントを得て、いろいろなレアメタル
をつかむアーミング細胞の開発が進んでいる。アーミング細胞はアルカリ性の溶液ではレアメタルが外
れるので、エネルギーを使わずにレアメタルを回収できる。また細胞は生きているので、再利用ができ、
環境にやさしく、コストも安い。
柳若葉水面に伸び池緑
4月17(木) 曇り後雨
小西康裕大阪府立大学教授の研究によれば、シネワラ・アルゲと呼ばれる細菌は、パラジウムを体
内に取り込む能力を持っている。パラジウムは排気ガスを綺麗にする触媒として自動車などのマフラー
に使われているが、触媒として働くためにはナノメートルレベルの非常に細かい粒子にしなければなら
ない。通常、小さな粒子にするためには熱を加えたり薬品を使ったりするなどの様々な処理をしなけれ
ばないが、シネワラ・アルゲは、パラジウムを非常に細かい粒子として体内に取り込む。そのサイズは
10ナノメートル。触媒として使える大きさ。
銀杏若葉雨にいよいよ冴えるかな
4月18日(金) 雨
カリスマ主婦マーサ・スチュアートの発行する雑誌 body+soul の特集は「25ドル以下でできるエコな生
活の知恵25」。製品を長い間使えば資源を節約できるし、ゴミ埋め立て地がいっぱいになるのを防ぐこ
ともできる。空き瓶を並べて庭や道ばたで摘んだ草花を飾ろう。着古したセーターは椅子のクッションに
しよう。くたびれたワイシャツは適当な大きさに切ってテーブルナプキンに。ロウソクの残りはまとめて
溶かして、古い湯飲みや陶磁器の器に流し込み再利用。ワインのコルクの栓を円形に並べ、周りをテー
プで留め、鍋敷きに、などなど。
軽やかに桜色の傘雨の中
4月19日(土) 曇りのち雨
小島幸子さん(35)は、カンボジアのシエムレアプで、世界遺産をかたどった「アンコールクッキー」の
製造販売をするクメール・アンコール・フーズ社長。「原材料は地元産、経営は日本流」を守り、4年間で
売上高を飛躍的に伸ばし、従業員も2人から60人になった。ビジネスそのものよりスタッフの成長、変化
を見るのが楽しみ。働く意欲がある人たちに働く場を提供し、労働に見合う報酬が得られる状況を作りた
いと思っている。
道に緑嵐に散りし銀杏若葉
4月13日(日)曇り
ブッシュ政権の温暖化対策を不十分だと批判するカリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事など
18の州政府の代表が、18日、東部のコネティカット州で会合を開き、連携して連邦政府に働きかけてい
く方針を打ち出した。18州の温室効果ガス排出量は世界最大の排出国、米国の総量の半分以上を占め
る。「(2009年1月誕生する)新政権が発足後100日以内に対策案をまとめられるよう大統領選有力候
補に働き掛ける」として、後手に回るブッシュ政権を見限って州主導で米国の温室効果ガス対策策定に
動き始めることを明言した。
曇天にくっきり白きハナミヅキ
Good News
No.267
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
4月14日(月) 晴れ
13日のロンドン・マラソンで、干ばつの村に水を引くための募金を求めて出場したタンザニアのマサ
イ族6人は民族衣装に身を包み、足には廃タイヤで作ったシューズといういでたち。にぎやかな雰囲気
でスタートしていったが、テレビインタビューで「寒い、寒い」と繰り返していたリーダーのイサヤさんが吐
き気を催し、大事を取って途中棄権。1人が病院に付き添った。それでも残る4人は5時間24分47秒で
見事に完走した。イサヤさんは一両日中に退院できる見通し。
たんぽぽや舗装の割れ目一列に
4月15日(火) 晴れ
静岡県立大学谷幸則教授は、ある種のカビは、レアメタルのひとつ、マンガンを体内に取り込み、酸
化物に変えて細胞の表面に析出させる力があることを発見した。川の石で表面が黒ずんでいるものは、
このカビが川の水の中にわずかに溶けているマンガンをとらえ、黒い酸化物に変えているもの。しかも
この酸化物は、各種レアメタルを効率よく吸着する。でこぼこのある構造にその秘密があるようだ。
造成の川辺我が家とポピー咲く
4月16日(水) 曇り
海に住むホヤの仲間バナジウムホヤにには、きわめて高濃度のバナジウムが含まれている。この
生物はバナジウムを溜め込む特別な細胞を血液の中に持っている。細胞に取り込まれたバナジウムの
濃度は海水の 1000 万倍。バナジウム結合タンパク質という、バナジウムをつかまえるタンパク質の手を
いっぱいつけた細胞(アーミング細胞)を作っているためだ。これにヒントを得て、いろいろなレアメタル
をつかむアーミング細胞の開発が進んでいる。アーミング細胞はアルカリ性の溶液ではレアメタルが外
れるので、エネルギーを使わずにレアメタルを回収できる。また細胞は生きているので、再利用ができ、
環境にやさしく、コストも安い。
柳若葉水面に伸び池緑
4月17(木) 曇り後雨
小西康裕大阪府立大学教授の研究によれば、シネワラ・アルゲと呼ばれる細菌は、パラジウムを体
内に取り込む能力を持っている。パラジウムは排気ガスを綺麗にする触媒として自動車などのマフラー
に使われているが、触媒として働くためにはナノメートルレベルの非常に細かい粒子にしなければなら
ない。通常、小さな粒子にするためには熱を加えたり薬品を使ったりするなどの様々な処理をしなけれ
ばないが、シネワラ・アルゲは、パラジウムを非常に細かい粒子として体内に取り込む。そのサイズは
10ナノメートル。触媒として使える大きさ。
銀杏若葉雨にいよいよ冴えるかな
4月18日(金) 雨
カリスマ主婦マーサ・スチュアートの発行する雑誌 body+soul の特集は「25ドル以下でできるエコな生
活の知恵25」。製品を長い間使えば資源を節約できるし、ゴミ埋め立て地がいっぱいになるのを防ぐこ
ともできる。空き瓶を並べて庭や道ばたで摘んだ草花を飾ろう。着古したセーターは椅子のクッションに
しよう。くたびれたワイシャツは適当な大きさに切ってテーブルナプキンに。ロウソクの残りはまとめて
溶かして、古い湯飲みや陶磁器の器に流し込み再利用。ワインのコルクの栓を円形に並べ、周りをテー
プで留め、鍋敷きに、などなど。
軽やかに桜色の傘雨の中
4月19日(土) 曇りのち雨
小島幸子さん(35)は、カンボジアのシエムレアプで、世界遺産をかたどった「アンコールクッキー」の
製造販売をするクメール・アンコール・フーズ社長。「原材料は地元産、経営は日本流」を守り、4年間で
売上高を飛躍的に伸ばし、従業員も2人から60人になった。ビジネスそのものよりスタッフの成長、変化
を見るのが楽しみ。働く意欲がある人たちに働く場を提供し、労働に見合う報酬が得られる状況を作りた
いと思っている。
道に緑嵐に散りし銀杏若葉
4月13日(日)曇り
ブッシュ政権の温暖化対策を不十分だと批判するカリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事など
18の州政府の代表が、18日、東部のコネティカット州で会合を開き、連携して連邦政府に働きかけてい
く方針を打ち出した。18州の温室効果ガス排出量は世界最大の排出国、米国の総量の半分以上を占め
る。「(2009年1月誕生する)新政権が発足後100日以内に対策案をまとめられるよう大統領選有力候
補に働き掛ける」として、後手に回るブッシュ政権を見限って州主導で米国の温室効果ガス対策策定に
動き始めることを明言した。
曇天にくっきり白きハナミヅキ
Good News
No.268
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
4月21日(月) 曇り
途上国で稲の脱穀で出たもみ殻を燃やして電気を起こせば軽油で発電するより温暖化ガスの排出を
減らすことができる。燃料費が減って、余った電力を近隣の村々に供給できる。先進国の資金で途上国
の温暖化ガスを減らし、見返りに排出権を受け取るCDM(クリーン開発メカニズム)でこの事業を行えば、
その国の自立を後押ししていくことにもなる。CDM事業と承認されるには国連の審査が必要だが、国連
が承認した65件のうち三菱UFJ証券の行うものはカンボジアのもみ殻発電など6件で、世銀に次いで
多い。
白サギの白眩しき新緑の池
4月22日(火) 雨
富士重工業と三菱自動車が09年から軽乗用車タイプで市販を予定している電気自動車を普及させる
ため、神奈川県は、自動車取得税の90%減額や購入費補助、約15分で充電できる充電器30基の整
備など総額15億円を投資する。また公用車100台を電気自動車にし、2014年度までに県内で3千台
の普及を目指す。電気自動車はガソリン車の2〜3倍の高価格になる見込みだが、経済産業省では20
30年までにガソリン車並の価格に引き下げて普及させる見込み。
藤棚の花色煙る雨の中
4月23日(水) 晴れ
洞爺湖温泉利用共同組合では、深さ60〜150メートルの源泉から集めた低温の温泉水を重油ボイ
ラーで50度ほどに加熱してきた。今回代わりの熱源として下水道に捨てられてきた温泉水の熱を利用
することにした。排水は35度程度。このうち18度分の熱をヒートポンプで冷媒を使って取り出し、この熱
で源泉から集まる低温の温泉水を加温する。ヒートポンプは電気が必要だがCO2の排出量は従来の半
分になる。地元では「2030年に温室効果ガス排出量半減」を目標に、雪氷を使った農産物の冷蔵貯蔵
施設や間伐材などからつくる固形燃料ペレットを使うストーブの導入・普及などを進めている。
遅桜愛でて山野に遊びけり
4月24(木) 曇りときどき雨
体によいとされされされ、漢方薬にも使われるニガウリ(ゴーヤ)に、複数の有効成分と作用があるこ
とを、中国とオーストラリアのチームが突き止めた。ヒト細胞やマウスで実験した結果、ニガウリから抽
出した数種類の化合物には、血糖値を下げる働きがあり、細胞内で脂肪燃焼を活性化させ、代謝を高め
る働きもある。ニガウリは糖尿病やダイエットに効果があるとされるが、このことが確かめられたもの。
御衣黄(きょいこう)や黄緑のなか紅き筋
4月25日(金) 曇り
神戸の介護老人保健施設・ラポートでは、ここで暮らすお年寄りが料理をして味わう活動「笑話御膳」
を行っている。5年前に「リハビリになるのでは」という職員の発案で始まった。敷地内の畑でとれた野菜
を使うなど工夫して、多いときは月3回行っている。「包丁を持つのは何年ぶりやろ」と言いながら昔身に
つけた技を披露するお年寄りもいる。現役時代の様子を聞いたり、野菜の皮のむき方を習って、スタッフ
が利用者に尊敬の年をもつきっかけになることもある。協力しながら料理をすることで、人とかかわり、
頭と手を使う。味わう楽しみだけでなく、生きる張りとと自信をもたらしている。
ウコン桜桃色混ざるも愛らしき
4月26日(土) 曇り
6月に開業する東京メトロ副都心線の渋谷駅は、建築家の安藤忠雄氏の設計。「閉鎖空間」という地下
鉄のイメージを変えるもので、地下25メートルのホーム階から地下15メートルの改札階までが吹き抜
けになっている。大規模な地下駅としては世界で初めて、機械に頼らない自然換気システムを採用し、
ホームの床下や天井には冷却チューブを設置し、冷水を循環させる「放射冷房システム」も採用してい
る。
一斉にレンズ向ける先カワセミ飛ぶ
4月27日(日)晴れ
「魚の王様」と呼ばれるマダイがおいしい季節。築地市場では3月から4月にかけて入荷するマダイを、
この時期に咲く桜をもじって、「桜ダイ」と呼んで珍重する。マダイが産卵するのは春から初夏にかけて。
産卵のため沖合の深場から沿岸の浅瀬に近づいたマダイを一本釣りやはえ縄漁法で漁獲する。卵を育
てるために栄養を蓄え、脂が乗っておいしい。
新緑や祭りの行列人の波
Good News
No.269
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
4月28日(月) 晴れ
紅海に面したアフリカの国エリトリアは、沿岸部で年間雨量が20ミリに満たず、平均気温が40度を超
える乾燥地帯で、木が全く生えていない。ここで日系アメリカ人生化学者のゴードン・サトウ博士が、マン
グローブを植林して、地域住民を貧困から救う「マンザナープロジェクト」を展開している。「マンザナー」
とは博士が第二次大戦中に日系人として強制収容されていた場所の名前。人としての尊厳を認められ
ず、厳しい境遇で生きている人々を救いたいというサトウ博士の決意が込められている。雨がほとんど
降らないエリトリアの干潟では、陸から養分の流入がないのでマングローブも生育できない。サトウ博
士は、肥料を入れたポリ袋に小さな穴を開けて、マングローブの苗木の近くに埋めてやる方法で、80万
本以上の植林を進めてきた。これまでマングローブは川が海に注ぐところにしか生えないと考えられて
きたが、栄養を与えれば育つことを博士が発見したのだ。この方法は原始的ながら苗木の生育には十
分で、周辺海域の富栄養化を起こさない。マングローブの生えた海は魚やカニやカキのすみかになり、
葉や実は家畜の餌になる。育った家畜の肉を売って食用の豆を買う。植林に従事した地域住民には給
料が支払われる。このプロジェクトはサトウ博士の私財と、主旨に賛同した科学者達の支援によって立
ち上げられた。
永き日や大小の影手つなぎて
4月29日(火) 晴れ
南米ペルー・アンデス山脈の断崖に聳え立つ「空中都市」マチュピチュ遺跡は、世界遺産にも登録さ
れ、いまでは世界中から年間80万人が訪れる、南米一の観光地。この地域の降雨量は年間2000ミリ。
マチュピチュ遺跡のふもとでは、大雨による災害がたびたび報告されているが、山頂のマチュピチュ遺
跡では目立った災害が起きていない。ペルー文化庁のアステテ博士によると、その理由は、遺跡の地
盤が固く、自然災害に十分配慮した工夫が遺跡全体に施されているから。遺跡の3分の2を占める畑の
地下には、雨水が畑を潤したのちに、余分な水分が直ちに流れ落ちるしくみがあり、屋根の傾斜をきつ
くし、街中に張り巡らした水路に雨を集めるなど、実にこまやかな災害対策がある。そのおかげで遺跡
は何百年もの間、ほぼ完璧な姿で守られてきた。
華やかに咲き競ふ初夏の花の市
4月30日(水) 晴れ
電子レンジクッキングは、短時間での調理、栄養価の保持ができ、かつエネルギーの無駄が少ない
エコクッキング。さらに、火を使わないことで、キッチンに熱がこもらず快適調理が実現。ハリオガラスは
これまで培ってきた耐熱ガラス製造の技術を活かし、100%天然の鉱物を精製し、製造過程で使う泡き
り剤にも 100%天然塩を使用し、電子レンジクッキング用の容器を発売した。環境にやさしいだけでなく、
熱にも酸にも強く、見た目にも美しい。
ソラマメの緑鮮やか友のサラダ
5月1(木) 晴れ
ポルシェやフェラーリのデザイナーとして世界的に知られる奥山清行氏が、山形に帰郷後、地方から
世界ブランドを生み出そうと、岩手県一関の小さな工場を指揮し、超軽量のスポーツカーを開発した。ボ
ディにカーボンとアルミを使用し一切塗装を施さない、素材むき出しのこのスポーツカーを、「東京を経
由せず直接世界とつながろう」と、ジュネーブの国際モーターショーに出展した。地方の地場産業には高
い技術があり、その技を結集させれば必ず世界に通用すると奥山氏は考え、「山形カロッツェリア研究
会」を組織し、地場産業の製品を直接世界の見本市で売り込むシステムを構築している。
セーターを見るもあつしの薄暑かな
5月2日(金) 曇りのち雨
4月20日に行われたインディカーシリーズ今季第3戦「インディジャパン300」決勝(ツインリンクもて
ぎ)で、米ダニカ・パトリック選手がインディカー史上初めて女性として優勝した。26歳ながらインディカ
ーレース参戦50戦目のキャリアを生かし、レース展開を読んだ冷静な「省エネ走行」が光った。女性ドラ
イバーの優勝は、F1などオープンホイールレース100年の歴史上初めて。
ソラマメや白き真綿に包まれて
5月3日(土) 憲法記念日 雨のち晴れ
ヂューリップと言えばオランダを連想するが、1550年代に駐オスマントルコのオランダ大使がオラン
ダに持ち込んだもの。原産地は東トルコと中央アジアの草原で、トルコは知られざるチューリップ大国。
イスタンブールでは住民の数と同じ1200万本のチューリップが花開く。オスマントルコ人が帝国の首都
に広めたのだ。チューリップの名前はトルコ語でスルタンのターバンを意味するtulbentに由来する。チ
ューリップはトルコ語でlaleだが、これをアラビア文字で表すと、Allahのように見え、チューリップは神聖
な花とされ、タイルやカーペットのモチーフとして好んで使われる。
夜明けより雨の連休音も無し
5月4日(日)晴れのち曇り
イギリスの紅茶振興団体ティー・ギルド協会は、2008年の最も素晴らしい英国のティーハウスとして、
札幌育ちの宮脇巌さん一家がコッツウォルズ地方で営む「JURI S(ジュリズ)」を選んだ。ティーハウス
に与えられる最高の栄誉とされる「トップ・ティー・プレース賞」で、味や店の雰囲気、日本人ならではの
細やかなサービスが総合評価された。23年の同賞史上、日本人受賞は初めて。宮脇さんは、不動産会
社社員だったが、「大好きなコッツウォルズで暮らす」という夢を実現するため、03年に同地方のウイン
チカムに店を買って移り住んだ。店名になった長女樹里さんが作るスコーンなどの菓子や日本風のショ
ートケーキが好評。妻の順子さんは得意のスープを出し、店には地元の人々や観光客が集まる。
黄牡丹の優雅に開く角の家
Good News
No.270
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
5月5日(月) 子ども日 晴れ
英誌Economist(4.26号)の特集はベトナム。1975年にベトナム戦争が終わってから共産党の独
裁と貧困を嫌って小さな船で国を逃げ出した難民が、生まれ変わったベトナムに戻り、新しい人生とビジ
ネスを始めようとしている。2000年に民間企業の設立が許され、株式市場もでき、経済環境が一変し
たからだ。過去10年間の平均経済成長率は7.5%。農民の土地所有を認めたことで農業の生産性が
改ざんされ、農作物の輸出大国となり、「2020年までのハイテク立国」という壮大な目標も掲げている。
今年7月には国連安保理の議長国となり、数少ない友好国として北朝鮮やビルマの開放と国際協調を
促す役割も期待されている。
パンジーのうつむき加減の薄暑かな
5月6日(火) 晴れ
「ブラック・ホール」の命名者ジョン・ホイーラー博士(米プリンストン大名誉教授)が4月13日に死去し
た。教え子には個性派ぞろい。ノーベル物理学賞受賞者で、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」など軽
妙な読み物を書いたリチャード・ファインマン。時空の「虫食い穴」を抜け道に使うタイムマシンの提案者、
キップ・ソーン(米カリフォルニア工科大学教授)。量子力学の謎解きで「宇宙は枝分かれしていく」という
大胆な仮説を出したヒュー・エバレット。それにヒントを得て量子コンピュータという超高速計算機を提唱
するデイビッド・ドイチェ(英オックスフォード大研究者)。ホイーラーは、「難題の解明のチャンスがわず
かでもあるなら、どんなにばかげて見える考えでも調べる」という姿勢を弟子たちに見せていたそうだ。
旺盛な若葉の陰に池見えず
5月7日(水) 晴れ
発展し続けるデジタル技術の助けを借りて、美術館や博物館が新しい鑑賞スタイルを模索している。
大日本印刷とルーブル美術館の共同プロジェクト「ミュージアムラボ」は、06年に始まり、すでに4回成
果を発表。現在ルーブルが2年後に開設するイスラム展示室などの新しい展示方法を研究しており、陶
器にカメラ付きパソコンを向けると、修復の様子が分かる映像を陶器に重ねて映し出す技術などを実用
化した。日立はフィレンツェ大学と共同でレオナルド・ダ・ヴィンチの作品のデジタル化に取り組んでいる
が、高精緻画像でこそ分かる新しい発見もある。ミラノのデザイン見本市には、キャノンの大判プリンタ
ーで原寸大に印刷し、金箔加工や表装を施した日本画の名画が展示された。複製は迫力では本物に及
ばないが、1年中展示でき、強い照明をあててもよいなど、教育的利用効果が期待できる。
外に出れば光眩しき五月かな
5月8日(木) 晴れ
早稲田大学が昨秋創立125周年を迎えたが、白井克彦総長は、「第2の建学」と位置づけ、さまざま
な改革を進め、世界で活躍する人材の育成をはかっている。1、2年生が学部を超えて選択できる演習
「テーマカレッジ」の開始。少人数で英会話を学ぶ「チュートリアルイングリッシュ」の開設。スポーツ科学
部や国際教養学部の設置。第一・第二文学部を「文化構想学部」と「文学部」に、理工学部を、「基幹理
工」、「創造理工」、「先進理工」に改組再編。東京女子医大との連携の拠点「先端生命医科学研究教育施
設」の新設などなど。
にがうりの苗植え揃ひ夏を待つ
5月9日(金) 晴れ
97年4月に開校した県立霞城学園高校は、JR山形西口の高層ビルの6〜9階にある。県内全域から
通えるように、この場所が選ばれた。定時制と通信制の高校で、定時制は午前、昼、夜の3部。生徒たち
は様々な事情を抱えている。進学校を中退した者、いじめや不登校を経験した者、経済的な理由で選ん
だ者(授業料は1単位1620円で、全日制の3分の1)。制服も校則もない。毎日ホームルームの時間が
あり、そのときだけクラス全員が顔を合わせる。1年生には男女2人の担任が付き、スクールカウンセラ
ー2人が年間35日のカウンセリングを行っている。今までの環境をリセットして、新しくやり直そうという
生徒が多い。年齢は様々だが、同じような者が集まって通学しやすいようで、出席率は90%を超えてい
る。「痛みが分かる人が多くて友だちができた」という者も多い。
ジャスミンの花の塊二階まで
5月10日(土) 雨
ある商品やサービスを手にするだけで、世界中の恵まれない人々に善意が届けられる仕組みが増え
た。評論家勝間和代さんらビジネス書の人気執筆者たちが自著の印税の2割を NPO 法人JENに寄付
する活動Chabo!を始めた。読者と共に本を通じて戦争や天災の被害を受けた内外の学校再建などを
支援しようと言う試み。印税は10%なので、本の代金の2%を間接的に寄付する仕組み。P&Gは乳児
用紙おむつ1パックにつき、破傷風ワクチン1本分相当額を日本ユニセフ協会に寄付するキャンペーン
を実施した。アメリカン・エキスプレスは、会員向けのポイント交換で社会貢献分野の内容を充実させた。
寄付金の行く先がはっきり示され、活動結果の公開に力を入れていることが特徴。
五月闇鉄幹・晶子のものがたり
5月11日(日) 雨のち曇り
スエーデン中部のダーラナ地方にある山岳地帯で、世界で最も長寿とみられる木が見つかった。トウ
ヒの仲間で、放射線炭素による年代測定で樹齢9550年と分かった。これまで米国のマツの仲間が樹
齢4千〜5千年で最も長寿と考えられていたが、その記録を大きく更新した。標高910メートル拠点で、
ハイマツのような低木の根から幹を立ち上げることを繰り返してきたらしい。1個体が生き続け、古い部
分が9千年を越したということで、現在ある直立の幹は、周辺の夏の気温の上昇で1940年代初頭から
伸びた。厳しい環境で木がゆっくり成長した結果だ。
優しさは薄紅色の薔薇の花
Good News
No.271
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
5月12日(月) 晴れ
「ゲリラ庭師」と呼ばれる人がいる。まるでゲリラのように、夜の闇に紛れてこっそりと他人の土地に花
や野菜を植えていく者たちだ。対象となるのは都会の荒れ地。この運動の活動家の一人イギリスのリチ
ャード・レイノルズさん(30)が「庭仕事ゲリラについて」という本を書いて、役に立つ道具や技などを紹
介した。リチャードさんのホームページには世界中の数千の団体が登録している。他人の土地を掘るこ
とは犯罪行為だが、一般の理解は得られる。これはwin−win game、つまり両方に利益があるゲー
ムだと、リチャードさんは言う。
舗道脇いつの間にやら月見草
5月13日(火) 曇りのち雨
大手住宅メーカーのリフォーム部門廃止でリストラされた部長と課長が、自ら開発した特許を買い取り、
ベンチャー企業を立ち上げた。マンション用のリフォーム建材を扱う従業員8人のNEXTだ。古いマンシ
ョンの改善で個人ができる住戸のリフォーム用に開発された工場製の建材。断熱材で包み、住戸の冷
暖房効率を高くした。新たに設立した会社には、事業部の派遣社員や開発に参加した外部の建築家も
合流。退職金でかき集めた資金5500万円が底をつくまで、月給は20万円。年収は減ったが昔なじみ
と一緒に好きな仕事ができる。
遠き日のふと蘇るエゴの花
5月14日(水) 雨
子どもがいる都内の夫婦に家事・育児の分担について聞いたところ、夫の7割が「もっとやりたい」、
妻の8割が「夫にもっとやってほしい」と思っていることが、都の調査で分かった。夫婦での家事育児の
負担割合の理想は、「夫3、妻7」とした者が夫妻とももっとも多かった。しかし現実は「夫1、妻9」と答え
た者が最多。理想と現実のギャップを埋めるには「夫の勤務時間の短縮」と答えた者が、夫、妻とも高い
割合を占めた。
五月雨や失ひし者語る友
5月15日(木) 晴れ
三菱樹脂の子会社アストロが、氷の代わりに樹脂板をしきつめたスケートリンクを販売する。スペイン
企業が開発したもので、設営が簡単なうえ、通常の広さのスケート場だと電気代が年間2千万円節約で
きる。実際に滑った選手からは「氷と変わらない」との感想が寄せられたが、公式戦には使えない。厚さ
2センチ、重さ38キロの特殊なポリエチレン樹脂板を並べ、表面に専用のワックスを塗る。1平方メート
ル当たり6〜7万円。すでに世界11カ国、50カ所で使われている。
新緑や郊外電車の新駅舎
5月16日(金) 晴れ
低カロリーの食事を摂ると、20円が途上国に寄付されるという取り組み、「テーブル・フォー・トゥ」が、
5月14日、東京・永田町の参議院議員会館と参議院本館の食堂で始まった。この取り組みは、発展途上
国で多くの人々が栄養失調や飢餓で苦しむ一方、日本をはじめとする先進国の人々が肥満や生活習慣
病に悩む「食の不均衡」解消が目的。NPO法人 TABLE FOR TWO が2007年に提唱し、民間企業を中
心に広がっているもので、開発途上国の給食費 1 食に相当する20円は、WFP(世界食糧計画)などを通
じて寄付される。「テーブル・フォー・トゥ推進議員連盟」の事務局長・川田龍平参議院議員は「単なる慈
善活動でなく、自分たちの健康維持のためにもなる。議員の間にも広まってほしい」と述べた。
パラの香の立ちこめてをり大ドーム
5月17日(土) 晴れ
「認知症の人が自分らしく尊厳を持って暮らせる街にしよう」と、福岡県大牟田市が始めた徘徊する高
齢者を地域全体で捜す「ほっと・安心ネットワーク」が、全国の自治体や福祉関係者らの注目を集めてい
る。タクシー運転手や営業マンなど外回りの仕事の人、商店街、町内会、老人会など100グループ千人
以上が参加して、行方不明の認知症の人を探す試み。認知症の人に対する声かけの仕方など学ぶた
めの模擬訓練も定期的に行う。
ジャスミンの香りたどれば線路脇
5月18日(日) 雨のち曇り
マヨネーズなどの製品作りで年間約23万トンの卵を使っているキューピーは、資源を有効活用しよう
と殻と卵膜を分離して回収する技術を開発した。殻は菓子のカルシウム強化やチョークの原料に使われ
る。膜は、出光テクノファインが直径5マイクロメートルのパウダーにし、ポリエステルなどの繊維に固着
す技術を開発。デサントがこれを使ったゴルフ用スラックスやポロシャツを商品化した。高い吸湿・放湿
性があり、静電気が発生しにくいと好評。
青葉風キャスター響かせ君帰る
Good News
No.272
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
5月19日(月) くもり
京セラは、伊藤忠商事が受注した日本政府の円借款供与のプロジェクトで、チュニジア共和国へ太陽
光発電システムを納入設置する。太陽光発電システムの納入設置に円借款が適用されるのは、今回が
初。08年4月以降、チュニジア共和国の無電化村500世帯を対象に、太陽光発電システムを順次設置
していく。日中に発電した電気が蓄電池に充電され、夜間にその電力を各住居の照明などに使用できる
ため、夜間の勉学や内職などが可能となり、生活の向上や村の成長発展に寄与できる。未だ無電化村
で生活をしている人々が世界中には約16億人ともいわれ、世界の4人に1人の割合。無電化村の電化
には送電が困難な地域も多く、独立電源として機能する太陽電池は環境保全と経済発展を両立できると
期待が寄せられている。
アヤメの黄点々つづく池の端
5月20日(火) 雨のち曇り
富山県立大学瀧本裕士助教授の研究室では、らせん水車を用いたマイクロ水力発電システムの研究
を進めている。らせん水車は、大正時代に富山県砺波市の鍛冶職人によって作製されたもので、水車
の羽根がらせん状の構造をしている。簡便性と経済性に優れていたことから全国的に普及し、戦前まで
重要な農業動力源として脱穀作業や藁加工作業に用いられてきたが、戦後になって機械化の進展に伴
い、その数は激減した。らせん水車は、これまでの水車では未開発レベルでの低落差・低流量での発電
が可能で、適用箇所が多く存在すると期待されている。同研究室では街灯や、通信電源、災害時の非常
用電源、農業の生育管理用電源などを用途とした小規模な発電を考えている。
若き日の話に華やぐバラの会
5月21日(水) 晴れ
インドネシアは人口約2億3千万の約90%がイスラム教徒。一国のムスリム人口としては世界最多だ
が、聖地メッカから遠く離れ、「辺境のイスラム」と見られてきた。最近過激なイスラム教徒によるテロが
頻発する中で、他宗教に寛容な「穏健派ムスリム」を育てるインドネシアのイスラム大学に注目が集まっ
ている。国立イスラム大のカリキュラムは、一般の社会科学も含まれ、多様さに特徴がある。大学側が
生徒と相談し、イスラム関連の科目と総合科目をバランス良く配分して時間割を決める。授業の形態は
少人数のゼミ方式が主流。インドネシアのイスラム教育は、イスラム社会と非イスラム社会の対話の可
能性をさぐる上で、重要な役割を担うと期待される。
新緑の川辺に迫る野川あり
5月22日(木) 晴れ
ナイロビの「ハニーケア・アフリカ」社は、養蜂を産業としてケニアの庶民に根付かせ、収入向上と環
境保護につなげようとしている。カナダの大学で環境生物学を学んだファイルーク・ジワさん(32)が起
業した。ケニアで古くから行われている養蜂は、くりぬいた丸太を木につるし、ハチを待つだけのもの。
同社は巣箱や防護服などを無利子のローンで販売し、養蜂のやり方を研修をし、蜂蜜を買い取り、ブレ
ンドして国内外で販売する。研修を経た約3600人の半分が女性。多くはナイロビ最大のスラム、キベラ
の住民。保護林を違法伐採して燃料用に売っていた者も多い。
暑き夕べそぞろ話の町の中
5月23日(金) 晴れ
イランでは、女子の大学生の数が男子を上回る状況が続いている。79年のイスラム革命でスカーフ
着用などイスラムの教えに基づく規制が強まり、教育も高校まで男女別が厳格になったが、一方で政府
は女子教育の向上に取り組み、女性教師養成に力を注いだ。農村部の小学校では80年代初頭には3
割あまりだった女子の比率が90年代には5割近くに達し、革命前には5割に満たなかった識字率も最
近では約9割に上昇。学校教育を受ける機会の増大とともに、大学では多くの学部で入学規制が緩和さ
れ、女子の進学意欲がかきたてられた。女子の就職はきびしいが、同性の方が相談しやすい医師や弁
護士など専門職で女性の進出が進んでいる。
小さき花小さき点々米石楠花
5月24日(土) 曇りのち雨
43年ぶりで実施された07年度全国学力テスト(小6と中3対象。科目:国語と算数・数学)で、秋田県
は小6すべてで全国1位、中3は1〜3位という好成績だった。同県の教育方針は地域と学校を結びつけ
るというもの。春と秋の「みんなの登校日」には、公立小中学校で地域の人を対象にオープンスクール
が開かれる。「大学・学校パートナーシップ」では、大学生を小中学校に放課後派遣して補習や教員を手
伝う。専門性の高い内容を大学教授に教わる「出前授業」や授業が上手と言われる教員が勤務校以外
の学校に出向いて授業する「スーパーティーチャーズ」も行っている。学校が<地域の拠点>という住
民の自覚が芽生えると、公立学校がよみがえる。みんなが見ていると子どもが伸びる。
紫陽花のつぼみ黄緑雨の降る
5月25日(日) 雨のち曇り
蚕が繭を作るときに真っ先に吐く糸を「キビソ」と言う。直径のばらつきや太すぎるせいで廃棄されて
きた。このキビソをモダンに仕立ててブランド化する試みが、山形県鶴岡市で進んでいる。地元の織物
協同組合が、テキスタイルデザイナー須藤玲子さんの協力で開発した新素材「鶴岡キビソ」だ。キビソの
素朴な味を生かしたさわやかな布が仕上がった。鶴岡は養蚕から製糸、機織り、精練、プリント、縫製ま
での工程が一貫して残る唯一の地域。市では旧庄内藩士が開墾した桑畑を発端とする鶴岡シルクの歴
史をアピールしていく。
バラ好きのマダムの庭か今盛り
Good News
No.273
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
<アフリカ特集>
5月26日(月) くもり
「十分な援助があれば、貧困からの脱出は可能」の主張を実証しようと、国連事務総長特別顧問のサ
ックス米コロンビア大教授の提唱で始まった「ミレニアム村」プロジェクトは、アフリカ10カ国の79村(計
40万人)で実施されている。1人あたり年110ドルを農業や教育、医療、水、道路などの分野に集中投
資する。資金は政府や財団・企業などが負担。日本は06年、国連の「人間の安全保障基金」から約10
億円を拠出した。
五月晴れ港を巡る観光船
5月27日(火) 晴れ
西アフリカ稲開発協会が日本・UNDP等の支援で開発したNew Rice for Africa(ネリカ米)は、多
収穫のアジア種と乾燥や害虫に強い西アフリカ種を交配してつくられた品種で、乾燥に強くサバンナ地
域でも栽培可能で、少量の肥料・農薬で栽培可能、8〜10%の高たんぱく質(在来種は6〜8%)、収穫
が早い(30〜50日短縮)、病害虫や、雑草に強いことから、「アフリカの希望」とも呼ばれている。
新緑はビルの谷間のすき間にも
5月28日(水) 晴れ
「サパ=西アフリカの人達を支援する会」事務局長野澤信次さんは、企業退職後、職業経験を生かし
NGO活動でアフリカの緑化に関わっている。江戸時代、川越の不毛の土地を緑土に変えたボカシ肥に
ヒントを得て、ギニアの農家に捨てられていたアブラ椰子の実の搾油滓に目をつけた。米ぬかとアブラ
椰子の滓と食べた動物の粉砕骨を混ぜたものを発酵させた「ボカシ肥」を使うと、穀類の収穫が2〜3倍
に増え、さらに家畜の糞を主体に落ち葉、枯れ草を加え発酵させた堆肥も混ぜると収穫は4倍となった。
五月雨や大河の水面盛り上がる
5月29日(木) 雨
ルワンダ大虐殺後10年、大虐殺を切り抜けてきたルワンダの女性は、新しい社会を作るための取り
組みにおいて、重要な役割を担っている。03年9月にルワンダで行われた議会選挙では、女性が49%
の議席を獲得し、ルワンダの女性議員率は世界最高となった。03年5月、ルワンダは政策決定にあた
る立場の30%を女性に割り当てるという新憲法を批准した。これは、「あらゆる形態の女性差別撤廃に
関する国連条約」に触発されて生まれた措置。2000年から2002年の間に、サハラ以南のアフリカで
は23カ国で選挙が行われ、うち14カ国で女性国会議員の数が増加した。ほとんどのケースにおいて、
大幅な増加は、定数割当て制度の実施によるもの。
高層階けむりて見えず五月雨
5月30日(金) 曇りのち雨
ケニア西部、人口5千人のサウリ村は、04年に始まったミレニアム村プロジェクトの最初のモデル村。
耕地があり、雨も降るのに農業が弱い。まず食糧増産に的を絞り、それを突破口に生計向上を図ってき
た。化学肥料と高収量のトウモロコシの種が無料配布され、普及員が指導に回った。1ヘクタール当たり
収量は04年の約1.9トンから05年4.9トン、06年6.2トンと2年間で3倍以上に。栽培面積も倍増し
た。村人は穀物組合を設立し、仲介業者を通さずに売買、利益を手にした。収量の10%を寄付すること
で給食が実現した。診療所の開設や蚊帳の配布などによって、マラリア感染率や乳幼児死亡率は大幅
に低下した。
レインコート犬にも着せて五月雨
5月31日(土) 曇りのち雨
モー・イブラヒムさん(62)はスーダン生まれの英国人。英国の電話会社に勤務したのち、携帯電話
会社セルテルを設立し、アフリカに進出。05年会社を売却し、その資金で財団を設立。「アフリカの発展
の根本的な問題解決には優れた政治家が登場することが大事だが、アフリカの政治家は引退して権力
を失うと、残りの人生の保障がない。その不安が蓄財に走らせ、腐敗を招く」と考え、アフリカの経済発
展や福祉向上に貢献した指導者や政治家に贈る「モー・イブラヒム賞」を作った。第1回は紛争を終わら
せ、貧困撲滅やインフラ整備、エイズ対策などに力を注いだモザンビークのシサノ前大統領に贈った。
朝の陽に青葉映して池水面
6月1日(日) 晴れ
ガーナ国内の NGO「アフリカ2000」代表を務めるアディサ・ランサ・ヤクブさん(57)は元教師。「貧し
くても無知ではない。機会が与えられないだけ」と考え、女性の自立支援を行っている。西アフリカのサ
バンナ地帯に自生するシアと呼ばれる高木の実の種から取り出したバター状の油脂は、保湿クリーム
として昔から重宝されてきたが、最近日本や欧米で石鹸や化粧品の天然素材として注目を集めている。
このシアバターの商品化を思いつき、UNDP やJETROの協力を得て、研修を実施し、販路を開発。それ
までほとんど現金収入のなかった女性たちが、毎週数百円を得ることで子どもの学費や教科書代をま
かなうことができるようになり、集会でも積極的に発言するようになった。「貧困とは決して絶望ではない。
変化の可能性はどこにでもある」と言う。
6月の早朝の空気胸一杯
Good News
No.274
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
6月2日(月) くもりのち雨
ケニア・ナイロビ最大の貧民街キベラ・スラムで、地元NGOと国連環境計画が、「生ゴミオーブン」を設
けた。高さ1メートルの焼却炉の上にあけられた直径30センチの穴は、調理用オーブン。炉内に水道管
を引き込んで湯も沸かす。オーブンは無料、シャワーは約8円で使える。ゴミを集めるのは無職の男女
10人。住民が16円ほどを払って託したゴミから、金属や電池などを取り除き、1週間乾かし、廃油を混
ぜ、炉の構造を工夫し、約900度まで温度を上げることができるようになった。10メートルの煙突のお
かげで、においは少ない。
密やかに日陰に白き十薬の花
6月3日(火) 雨
リー・ジャパンは、ウガンダのオーガニックコットンは張りとコシがありデニムに適していることに注目
し、商品化した。パンツやシャツ、スカートなど12品目の価格は1万から2万円台。セレクトショップなど
全国約40店舗で扱う。産地に貢献するため売上げの2%をNPOに寄付し、ウガンダで井戸堀りに充て
ている。リーが見込む年300万円の寄付なら、7基程度の井戸が掘れる。リーでは、魅力的なこの素材
を使って、息長く取り組んでいく。
葉の中に紅きものあり桜ん坊
6月4日(水) 曇り
「暴れ川」と呼ばれた荒川と墨田川の下流域に位置する墨田区は、かつては河川の氾濫で浸水被害
の多発地域だった。都市化が進むと、今度は大雨で下水が溢れるようになった。雨を下水に流さずに利
用しようと、区が取り組み始めたのは80年代。地域の防災用貯水タンクを作って雨水を利用するように
したり、個人宅などに小型タンク「天水尊」の普及を図っている。貯めた水は、庭の散水や洗車、トイレ、
洗濯、風呂などに利用される。
ベランダ越しゴーヤ談義の梅雨晴れ間
6月5日(木) 雨
アイルランドの歌手クリス・デ・バーさんは、世界中に幅広いファンを持つが、イランでも根強い人気が
ある。イスラム教国イランでは西洋ポップスの大半が禁止されているが、デ・バーさんのCD販売は例外
的に認められており、昨年イランの人気グループ「アーリアン」と平和を願う歌を共作した。少年時代か
らペルシャ文化に興味を持っていたというデ・バーさんは、イランでのコンサートに意欲的。実現すれば
79年のイスラム革命後初めてとなる。
シャクヤクや手品のやふに花開く
6月6日(金) 晴れ
聖マリアンナ医科大講師の山口洋子さんらが開発した「ナノキューブ」は、皮膚の角質層にある細胞
間脂質に働き、新陳代謝が高まり、シミや小じわを減らす。皮膚が痛まない程度の刺激が微小な「けが」
と認識され、直そうとする機能が働くからだ。皮膚細胞が生まれ変わるスピードが速まり、水分を保持す
る機能も高めて、小じわを減らす効果がある。
夕暮れ時低く高くとツバメ交ふ
6月7日(土) 晴れ
事件捜査などで活躍する警察犬の8割以上がシェパード。シェパードは、19世紀初めにドイツで牧羊
犬の中から運動能力や一日中働ける作業能力、人への服従心、警戒心、学習力などに優れた犬を選ん
でつくりあげられた。足跡の追跡などには、ラブラドルやゴールデン・レトリバーも使われるが、シェパー
ドは各種作業をオールラウンドでこなせる万能犬の上、一つの仕事を一日中できる勤勉性も持ち合わせ
ているため、多用されるようだ。
老うぐいす声響く朝梅雨晴れ間
6月8日(日) 曇り
インドネシアバリ島で舞踏の伴奏に使われる楽器ガムランの出す幽玄な音には、人間の耳で聞こえ
る高さの上限の20キロヘルツを超える50キロヘルツ以上の音が含まれている。竹筒を棒で打ちなら
すテクテカンも聞こえない高周波音を含む。国立精神・神経センターの本田学氏らの研究で、<可聴音
>と<可聴音プラス高周波音>と脳活動の関係を調査したところ、高周波音を含む方が、脳幹や感覚情
報に関わる視床、自律神経やホルモン調節の中枢視床下部の血流が増え、α波が増大した。さらに、イ
ヤホンとスピーカーからの音で調べたところ、高周波をスピーカーで聞いた場合のみ効果がでて、高周
波は体全体で感じることが分かった。自然の中には耳で聞こえるよりずっと幅広い音がある。人類はそ
んな環境で育ってきた。
青葉風新しき命ぐんぐんと
Good News
No.275
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
6月9日(月) 雨のち晴れのち雷雨
雨宮清さん(61)は、山梨県で整備業を営んでいたが、94年カンボジアで、地雷で家族を失い、自ら
も傷を負った老婆に出会い、地雷除去装置の開発を決意。4年半を費やして1号機を完成。カンボジア
は低木が多い上に、雨が多く地盤がやわらかい。アフガニスタンは一見砂漠だけど、少し掘ると堅い岩
盤。現地の人と同じテントに寝て、食事しながら、現地で何が必要か探りながら開発している。メンテナ
ンスにも力をそそぎ、1号機からすべて現役。ニカラグアでは、住民の意見を取り入れ、後部にとりつけ
た鍬で地雷を爆発させながら土地を耕し、強力な磁石で飛散した地雷の破片を吸い集める機械を製作。
地雷原が果樹園に生まれ変わった。未来を担う子どもたちとふれあう時間も大切にし、アンゴラでは小
学校を訪ね、12色のクレヨンを贈った。
雷光を眺めて楽しむ部屋の中
6月10日(火) 晴れ
出社せず、自宅や会社以外の場所でインターネットなどを使って仕事する「テレワーク」が、様々な職
種に広がっている。育児や介護などに使える時間が確保しやすく、仕事と生活の両方の充実がはかれ
るし、障害者の雇用にも役立つ。オリックスでテレワークの制度を始めたのは06年10月。勤務時間は
出社時と同じで、上司とメールや電話で連絡を取り、確認する。情報管理には専用パソコンが支給され
る。全社員3800人が対象で、現在約60人が利用している。メリットは通勤時間の軽減だけではない。
生産性も上がった。
美央柳一斉に開く梅雨晴れ間
6月11日(水) 曇りのち晴れ
離婚して自立したいが、住む場所がないというシングルマザーのための共同住宅「マミー+ハウス」
が、千葉県柏市にできた。入居費は月々の家賃と共益費のみで、敷金や保証人は不要。保育施設など
を運営する「スパイナルデザイン」が同市の母子家庭支援のNPO法人「ウインク」と協力。かつて企業
の独身寮だった4畳半の部屋19室を改装した。家賃は月4万円で、共益費1.5万円。風呂やトイレ、台
所、リビングは共同。入居者同士が一緒に食事したり、悩みを話し合って交流できる。
帰り道日陰を選ぶ暑さかな
6月12日(木) 雨のち晴れ
日本人は弥生時代から蚕を飼い、蚕を知り尽くしてきた。九州大遺伝子資源開発研究センターでは、
多用な変異鶏頭など900種類を維持する。国内の養蚕農家は千戸余になってしまったが、実験動物とし
ての役割が期待されている。ショウジョウバエに比べて大きく、解剖が簡単。飼育密度が高くて膨大な数
を用意できるので、物質の採取も有利。低コスト。動作が鈍くて扱い易い。自力で生きる能力が退化して
いるので、閉鎖系での実験が容易、などなど実験動物としての長所が多数ある。硬性物資などの新薬
や薬効をさがしたり、毒性の試験、吸収や血中濃度など体内の変動を調べるのに、役立つと期待されて
いる。
あじさいの山道たどれば花の園
6月13日(金) 晴れ
英国版 Marie Claire (6月号)によれば、現代のキーワードはbeauty(美しさ)と ethical(倫理的)。
Ethical と言っても21世紀の倫理は、earth−friendly(地球にやさしい)でworker−friendly(生産者に
やさしい)なこと。地球温暖化につながる化学物質を使わないオーガニックな化粧品を選び、アジアや中
南米の子どもたちをこき使って作らせたのではないTシャツを着る。それこそが現代のおしゃれ。
パラソルを差せば歩きも緩やかに
6月14日(土) 晴れのち曇り
これまでのものの4分の1で、世界最軽量とうたう英グローブ・トロッター社の最新のスーツケースの
ボディーには、福井県坂井市の繊維メーカー「サカセ・アドテック」の新素材が使われている。縄文時代
から伝わる日本の織物「三軸織り」をヒントに開発された素材。三軸織りは、縦、横、斜めの三方向に織
り込んで、六角形の集合体を作る。六角形はさまざまな方向からの衝撃や加重、加圧に強い。糸は「東
レ・デュポン」が開発したアラミド繊維を採用した。防弾チョッキにも使われる強度と硬性があり、熱にも
強い。坂井市内の「丸八」が製造する炭素繊維を使った補強剤を、大阪府門真市の「エーテック」が、熱と
圧力をかけてはりあわせ、ボディーが完成した。
青嵐みちのくの山大地震
6月15日(日) 晴れのち曇り
日本の生地メーカーが作る衣料用の布に注目する海外ブランドが増えている。シャネル、エルメス、
マックスマーラ、イブ・サンローラン、ランバン、ルイ・ヴィトンなどだ。日本の素材は先端的で、手が込ん
でいる割に扱いやすく、独創性に富んでいることがその理由。2月にパリで開かれた高級生地の見本市
プルミエールヴィジョンには、日本から過去最多の27企業が参加。ユーロ高のなか、輸出で業績を上
げる生地メーカーも多い。
屋敷跡早夏草の生い茂る
Good News
No.276
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
6月16日(月) 晴れ
米誌Time(6.9号)によれば、イギリスの前首相トニー・ブレアが5月30日にニューヨークで「トニー・
ブレア信仰財団」を立ち上げた。様々な宗教間の対話を促して、経済や文化のグリーバリゼーションを
円滑に進めようという非営利団体だ。同誌によれば、ブレアは「ヨーロッパでは珍しい、信心深い政治
家」。アイルランド系カトリックの妻と結婚してからは、事実上カトリックに改宗していた。しかしイギリス
は最も厳格に政教分離を敷いている社会のひとつ。ブレアは公職にある間は信仰を表に出さなかった。
ニューヨークは地球上の主要な宗教がすべて共存している。しかも大統領が聖書に手を置いて宣誓す
るアメリカならば、信仰心を外交の武器にできる。
直送のキュウリはとげも元気なり
6月17日(火) 晴れ
浄水場に取り込まれた川や湖の水は薬品を使って大きな汚れを落とし、濾過池で砂粒の間をくぐらせ、
小さな汚泥やマンガン、鉄などを砂に付着させて浄化する。砂粒が粗かったり、そろっていないと、汚れ
が取りきれない。浄水池に深さ60センチほど敷き詰めて使われるのは、直径0.6ミリほどの丸みを帯
び、石英分の多い砂。もっと小粒の砂を使って、砂の層にできた微生物に汚れを分解させ、ゆっくり濾過
する方法もある。布では汚れが目詰まりする。セラミックスはコストが高い。砂は洗えば汚れが簡単に落
ち、再び使える。
明け易き今日は雨かな晴れるかな
6月18日(水) 曇り
7月の北海道洞爺湖サミットに、自動車各社がエコカーを無償で貸し出し、各国の代表団・報道関係
者の移動や試乗に使われる。トヨタ自動車は、計69台のハイブリッド車を各国要人らの移動車用に貸し
出し、燃料電池バスやプラグイン・ハイブリッド、一人乗り小型電気自動車などの次世代車9台も提供す
る。三菱自動車は09年に発売する「アイミーブ」を、ホンダは今秋リースを始める燃料電池車「FCXクラ
リティ」を、日産自動車はクリーン・ディーゼルエンジンを搭載した「エクストレイル」の試作車を、マツダ
は水素燃料でも走るロータリーエンジン車、富士重工は電気自動車を貸し出す。商用車では、いすゞ自
動車が圧縮天然ガスバスを、日野自動車は非接触充電式ハイブリッドバスなどをシャトルバスとして貸
し出す。
地元産ニンジンの葉のみづみづし
6月19日(木) 曇り
日本玩具協会が「日本おもちゃ大賞」の初代受賞作5点を発表した。「トレンディ・トイ部門」の大賞は、
バンダイの「無限にできるシリーズ」。割れ物を包む緩衝剤のプチプチをつぶす感覚を再現した玩具な
どで、大ヒットしたもの。障害を持つ子どもも遊べる「共遊玩具部門」では、セガトイズの「アンパンマンレ
ジスター」。声が出て目が不自由でも楽しめる。
葉の陰にゴーヤのベイビー小指ほど
6月20日(金) 曇り
コマツは、ディーゼルエンジンと電気モーターを併用して動く世界初のハイブリッド油圧ショベルを発
売した。高価だが二酸化炭素の排出も燃料消費も少ない。車体を旋回してプレーキをかけるときに発生
するエネルギーを「旋回電気モーター」が電気に変え、蓄電装置に貯めておく。電気は「発電機モータ
ー」を通じて放電され、車体を動かすエネルギーの一部として使える。燃料の軽油の消費量を従来機よ
り平均25%減らすことができ、CO2の排出も1時間あたり10キロ減る。価格は従来機の1.5倍の27
百万円。年間2千時間動かした場合、5、6年で元がとれる。コマツは平均稼働時間が3〜4千時間の中
国をターゲットに、インド、インドネシア、南米での販売も期待している。
三十年初満開のサツキかな
6月21日(土) 夏至 曇りときどき雨
岩手県盛岡市の藤原養蜂場の3代目の藤原誠太さんは、今日本ミツバチの復活に情熱を燃やしてい
る。明治以降、大量に蜂蜜が生産できる西洋ミツバチ(改良種)に押されて、野生でひっそり生きてきた
日本ミツバチは、病気やダニに強く、寒さにも強く、性質がおとなしく、飼いやすい。西洋ミツバチが1種類の花
から蜜を集めるのに対して、日本ミツバチは多数の花から蜜を集めてくる。この日本ミツバチの飼い方
を研究し、過疎地の活性化につなげたいと思っている。
キャンドルのもとの語らひ夏至の夜
6月22日(日) 曇りのち雨
国立新美術館では、オーストラリア先住民のアボリジニで、20世紀を代表する抽象画家エミリー・カー
メ・ウンゴワレーの展覧会を開催中。ウンゴワレーさんは、オーストラリア中央の砂漠地帯で西洋美術と
は無縁の、アボリジニの伝統的生活を送りながら、ボディ・ペインティングや砂絵を描いていた。70代に
なっていた1988年からカンバス画を描き始め、1996年になくなるまで8年間に3〜4千点の作品を残
した。その作品は抽象表現主義にも通じる極めてモダンなものとして評価されている。
http://www.nact.jp/exhibition̲special/2008/Utopia/index.html
街の上黒雲覆ふ梅雨真中
(来週はお休みさせていただきます)
Good News
No.277
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
<ハワイ特集>
6月30日(月)
ハワイに人が住みついたの500〜700年頃。マルケサス諸島からカヌーで3500kmの海を越えて
ポリネシア人が渡ってきた。1100年頃にはタヒチから多くの人が4000kmの航海を経て移住し、神殿
やや灌漑施設、養魚池をつくり、植物や家畜を持ち込み、各島で生活の基盤を築いた。ポリネシア人の
信仰は、森羅万象すべてのもにに上が宿っていると考える。戦いの神、創造の神、豊饒と収穫の神、海
と黒闇を司る神の4大神をはじめ、さまざまな神に祈りや踊りを捧げ、いたるところにヤイアウ(神殿や
祭壇)が作られた。神に捧げる踊りは、フカ・カヒコ(古典フラ)として受け継がれている。
梅雨の窓誘導灯の青にじむ
7月1日(火)
カメハメハ1世は1750年ころ生まれた。当時ハワイは大酋長がせめぎあい、血で血を洗う闘いが繰
り広げられていた。1778年キャンプテン・クックがハワイを訪れ、その後来航したイギリス船から、カメ
ハメハは帆船や大砲を購入し、白人を参謀格にしてハワイ統一に乗り出した。出陣にあたっては古来の
儀式を行うなどして、王族や兵士たちの信望も集めた。1810年ハワイ全島の統一が実現し、平和が訪
れ、このためカメハメハ1世は「大王」と呼ばれる。
エンジン音闇に響かせいざハワイ
7月2日(水)
ハワイ語で ワイ は「水」、 キキ は「湧き出る」の意味。200年ほど前にはワイキキには水が湧き出
で、タロ芋畑が広がり、砂浜にはココナッツが林立し、養魚地が造られていた。付近には草やぶの小屋
が建ち並び、漁師は網を投げ、魚を穫っていた。ハワイでは常に北東からの貿易風が吹く。オアフ島で
は貿易風はコウラウ山脈に当たって上昇し、積乱雲が生じ、ワイキキの北にあるマノア谷に雨を降らす。
この雨が小川や地下水となりワイキキに注ぎ、マノア谷で冷やされた空気は涼しい風となってワイキキ
を吹き抜けて行く。オアフ島の王族たちは代々ワイキキに居を構え、ダイヤモンドヘッドには王族の墓
所があった。
早朝の光眩しき南の国
7月3日(木)
ハワイのシンボル、ダイヤモンドヘッドは、ワイキキの東にある。東にあるので、ダイヤモンドヘッドと
呼んだ。ハワイは火山の噴火でできた島々。ダイヤモンドヘッドの噴火は30万年前に起こり、その後は
噴火はない。つまり今は死火山で、ダイヤモンドヘッドは外輪山の一番高い部分。標高232m。頂上は
360°のパノラマビュー。ビーチの珊瑚礁、ワイキキの街並みを楽しめる。
夕焼けと椰子の木海風ハワイアン
7月4日(金)
ワイキの街を歩くと、大きな木に黄色と赤の混ざった房を大量に付けているのを目にする。ワイキキ
市の指定樹木の rainbow shower tree だ。この木は東南アジア原産の pink-and-white shower tree と
golden shower tree の自然の交雑種。3月から8月にかけては、おびただしい数の花をつけ、木の下に
は花がシャワーのように降り注ぎ、地面が花のカーペットになる。レインボーの中でもクリームと白のも
のは特に美しいとされ、Queen's White と呼ばれている。
プルメリア拾って飾ればハワイっ娘
7月5日(土)
ハワイ語は、英語とともに、ハワイの公用語に指定されているが、個人所有で外部の世界と隔絶され
ているニイハウ島を除いてほとんど使われていない。南太平洋のフィジ語、マダカスカルのマラガシー
語、ニュージーランドのマウリ語と同じポリネシア語族に属し、タヒチ語、マウリ語に近い。ハワイ語は、t
と k を区別せず、w は v として表記されることもある。この地を訪れた宣教師たちがアルファベットに置き
換えて表記したが、母音として a, e, i, o, u、子音として p, k, m, n, w, l, h の12の文字と記号からなる。 は、
オキナと呼ばれる声門閉鎖音。長音符はカハコーと呼ばれ、母音の上に置くことで母音を延長する。
ブラインド閉めてゆったり昼下がり
7月6日(日)
ハワイ最後の王、リリカラウニ女王は、音楽の才に優れ、数多くの美しい歌曲を残しているが、中でも
有名なのが「アロハ・オエ」。女王は Aloha の本当の意味を次のように説明した。「ネイティブ・ハワイア
ンが、出会いや別れの際に Aloha というとき、 それは、自分以外のものの命を感じているのです。命
があるということは、すなわち、マナがあるということ。すべてのマナには善良さと知恵が備わっていま
す。そして、善良さと知恵の備わっているものは、すべて神の創造物なのです。つまり Aloha と口にす
る前に、必ず神の力を感じているということ。でもそれは、決して難しいことではありません。なぜなら、
命はこの世のいたるところに存在しているから。木々や草花、海、そこに棲む魚たち、鳥や、ピリ(ハワ
イに自生する植物)の草、空にかかる虹、そして石にいたるまで……。この世のすべてのものに魂があ
り、それ自体が神であり、そして、それこそが Aloha なのです。 Aloha は「楽しみ」「幸せ」「豊かさ」。
Aloha は見返りを求めない真の愛。そして、 Aloha はその言葉自体にマナを宿しているのです。」
水底に魚影動く珊瑚礁
Good News
No.278
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
7月7日(月) 雨のち曇り
東京湾の荒川河口にある東京都下水道局の砂町水再開発センターでは、昨年11月末、日本初の汚
泥炭化施設が稼働し始めた。水分を含んだ汚泥を乾燥機で乾燥し、500度で1時間かけて蒸し焼きする
と、1〜5ミリの黒い小さな粒状の炭化物ができる。まったくの無臭。1日に300トンの脱水汚泥から27
トンの炭化物ができる。炭化物は1キロ当たり3千キロカロリーほどの発熱量がある。毎日約20トンが
常磐共同火力・勿来発電所で石炭に1%程度混ぜて使われている。これにより石炭の消費が減り、CO2
の排出量が約9千トン減らせる。使い道が少なかった汚泥の資源化と CO2 削減の一石二鳥。
大粒の雨屋根を打つ梅雨の果て
7月8日(火) 雨のちくもり
ミズノが開発した「アイスタッチムーブ」の下着は、着るとひんやりとした涼感があり、綿やポリエステ
ルと比べて衣服内の温度を1〜2度低く保つことができる。生地が汗を吸うと糸が伸びて編み目が植物
の気孔のように開くので、従来の製品より通気性が約50%向上した。これまでミズノでは、クラレトレー
ディングと共同開発した「アイスタッチ」と、三菱レイヨン・テキスタイルと開発した「ダイナミックエアリー」
があったが、クラレと三菱レイヨンという繊維業界のライバル2社を含む共同開発を持ちかけ、実現した
もの。グローバル化が進む繊維市場では、一企業だけが商品開発するのはむつかしい。
ベランダに顔出すゴーヤの蔓愛し
7月9日(水) くもりのち晴れ
イギリス南西部にある巨大な環状列石ストーンヘンジの謎が解明されようとしている。これまで天文
観測や宗教儀式に使われていたなどの説があったが、最近の調査で、火葬後の遺灰を調べたところ、
紀元前3000年頃から500年に渡ってストーンヘンジは古代人の遺灰を埋葬する場所だったことが分
かった。近くに300〜1000戸の季節的住まいの集落もみつかり、この中には木の柱のサークルがあ
り、冬至の日の出の方向を向いていた。これはストーンヘンジが夏至の日の出の方向を向いていたこと
と対照的。
ニガウリの実数え直す夕べかな
7月 10 日(木) 曇りのち晴れ
高知県四万十町で、古新聞で作った「新聞紙リサイクルバッグ」が人気を集めている。ハサミを使わず、
折って糊づけるだけのシンプルなものだが、中バッグはぺっとボトルを3本入れても大丈夫。製作・販売
は「株式会社四万十ドラマ」で、考案者は同町在住の主婦、伊藤正子さん。通称「イトウバッグ」と呼ばれ
る同バックは口コミで人気が高まり、04年から販売されている。06年にはバイヤーの目にとまって輸出
され、ニューヨークの美術館などでも販売中。サイズは大・中・小の3種類で、それぞれ5枚、3枚、1枚
の新聞紙が使われ、セット価格で1,000円。
紫陽花もドライフラワー夏本番
7月 11 日(金) 晴れ
バナナの茎を原料に布をつくる技術を日清紡が実用化した。捨てられてきた茎から繊維を取り出し、
特殊な加工を施し、綿を混ぜて糸にする。これで織った布は木綿に負けない肌触り。バナナ繊維はフィ
リピンのミンダナオ諸島産。現地でバナナの茎から固い皮と中心にある水分の多い部分を除き、やわら
かい繊維の部分だ削り取り天日干しする。これを煮立てて粘りのある成分を取り除く。現地で下処理した
太さ0.1〜0.3ミリの繊維を日本に運び、半分から10分の1の細さにし、綿と混ぜて糸にする。バナナ
の茎は果実の収穫後年間約10億トンが切り捨てられている。繊維は茎の重さの3%程度しか採れない
が、すべて使うと3千万トンになり、世界の綿の使用量をまかなえる計算だ。
夏草の背丈伸びたり屋敷跡
7月 12 日(土) 晴れ
ホタルは8世紀の万葉集にはほとんど登場せず、10世紀にはホタルが歌に多く登場し、11世紀の源
氏物語では重要な役割を演じている。10世紀には温暖化で洪水が多発した。新しい土地に水田が開か
れ、ホタルが生息しやすい里山の環境が広がった。これがホタルの増えたことと関係しているらしい。
明け易き今見た夢を反芻す
7月 13 日(日) 晴れのち曇り
腕時計の国内出荷数は、90年代後半以降落ち込んでいる。落ち込みが激しいのは、デジタル時計。
90年代半ばには衝撃に強く、ファッション性のある「Gショック」(カシオ)がブームとなったが、その後の
携帯電話が普及し、デジタル時計の機能が携帯電話に組み込まれた。デジタル時計は、今はアウトドア
やスポーツ用など、気圧や気温、脈拍数なども示す多機能時計に特化している。一方、アナログ時計は
減少傾向にあるものの、デジタルほどの落ち込みはなく、「大人のおしゃれ」の地位を確立している。
遠雷の近くにならぬ暑さかな
Good News
No.279
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
7月14日(月) 晴れ
アイヌ語の「シ・マムタ」は、「たいへん美しい」を意味する。こんれが語源と言われる四万十川は、高
知と愛媛の県境に近い不入山(入らずやま)を源流に、約169キロを蛇行しながら太平洋にそそぐ。本
流に大規模なダムが建設されていないことから80年代に「日本最後の清流」としてメディアが取り上げ
有名になった。河川法上のダムはないが、戦前に造られた発電用の大きな堰があり、昭和40年代には
川原の石が大量に業者に売られ、砂や泥が増えた。319ある支流でもっとも美しいと言われる黒尊川
は、かつての四万十川の面影を残す。
窓開けてブラインド半分夏座敷
7月15日(火) 晴れ
生ゴミなど食品廃棄物からバイオガスを作る技術は幅広く使われているが、発酵を邪魔するアンモニ
アの発生が問題だった。クボタは、特殊な濾過膜で効率的にアンモニアを除去するシステムを開発した。
クボタが濾過膜の開発を始めたのは20年ほど前。下水処理向けだった。プラスチックに特殊な薬品を
混ぜて乾かすと、薬品が蒸発した跡に0.1〜0.3マイクロメートルの穴ができる。分子が小さい水は穴
を通るが、汚れや微生物は通過できない。この膜が最近食品廃棄物、なかでも焼酎の搾りカス用に注
目を集めている。食品リサイクル法が施行され、食品廃棄物の削減やリサイクルが義務づけられたから
だ。濾過膜の機能を高めるため、縦1メートル、横50センチの2枚の膜を前後に張り合わせた約100枚
のカートリッジを並べて水槽内に沈め、膜を通過してカートリッジ内に入ったアンモニアを水と一緒に吸
い上げる。
ゴーヤの芽摘んで香残る指の先
7月16日(水) 晴れ
コンピュータ機器は発熱しやすく、コンピュータ施設の消費電力の4割以上が空調に使われているた
め、空調の電力節約が課題。富士通は室内に巡らせた光ファイバーを使って温度を管理する技術を開
発した。温度の差によって光ファイバーの中で散乱する光の波長が変わる特徴を利用し、1メートルごと
に細かく温度を測定、効果的に冷房をきかせて、消費電力を3〜4割削減可能。ソフトバンクIDCが北九
州市で建設を進める大規模なコンピュータ施設では、外気を利用して電力消費を抑える。日立製作所グ
ループは、企業のコンピュータ室などの省電力化を支援するコンサルティングに乗り出し、海外への本
格進出も検討している。
乾き切る鉢土しみ込む遣り水の
7月17日(木) 晴れ
愛知県蒲郡市の三谷温泉前の干潟は、三河に残った数少ないアモモの群生地。波に揺れ、草原のよ
うに広がるアマモは、魚を育てる森のようなもの。三河湾は昭和30年代から50年代にかけて干潟の埋
めた地が進んだ。赤潮が頻発するようになり、底引き漁の漁獲量が減少。漁業者は半減した。近くの県
立三谷水産高校の生徒は、ここでアマモの種を集め、学校の目の前にある人工干潟に広げる計画を進
めている。干潟で種を付けたアマモの茎を探し、採った茎を校内の水槽で種を育て、9月ごろ人工干潟
の底に特殊なマットを敷いて植え込む。地元漁協や県水産試験場と手を組んだこの取り組みは、今年度
の「地域産業担い手育成プロジェクト」に選ばれた。
強き香の開花を告げる月下美人
7月18日(金) 曇り後雨
タイ・バンコクの北に、日本のNEDOから開発・供給を受託した丸紅、サッポロビール、月島機械が、
バイオエタノール工場が開設した。新工場が生産するエタノールの約1割は、サトウキビの絞りかす「バ
ガス」から作る。タイはアジアでインドに次ぐ製糖大国。バガスが大量にある。バガスは繊維質が多いセ
ルロース系。発酵しやすい「六炭糖」と発酵しにくい「五炭糖」が混在し、強く絡み合っている。燃料にする
には、五炭糖を取り出し、発酵させる必要がある。五炭糖を発酵してエタノールを排出する菌を作り出し
たのは、フロリダ大学の研究チーム。菌の名前「KO11」は開発者の日本人研究者大田一良氏のイニシ
ャルに由来する。
涼風の暑き大地に雨近し
7月19日(土) 晴れ
琵琶湖の北西部に高島市の西の針江は比良山系のふもと。この比良山系に降った雪や雨は土に滲
みこみ、伏流水になり琵琶湖に流れ込む。その水脈の上の針江では、パイプを1.8〜1メートル打ち込
むと、きれいな水が湧きあがってくる。この水を「生水(しょうず)」と呼び、昔からどこの家でも大切にして
きた。生水を台所にしつらえた壺池に入れ、飲料水や料理、野菜の洗い水、洗顔に使う。使った水は脇
に作られた端池(はたいけ)に入れる。この池には鯉が飼われ、鍋釜の米粒や野菜クズを食べて、水を
浄化する。端池の水は家の前の溝を流れ、隣の家の端池に入り、溝を流れ、水路や川へ注ぎ、琵琶湖
に流れていく。この仕組みを川端と呼ぶ。
梅雨明けの豪雨世の塵洗ふごと
7月20日(日) 晴れのち曇り
玉川上水は、東京都羽村市から四谷大木戸までの約43キロの上水路。1653年、4代将軍家綱の時
代、江戸の人口が急増し、水不足が深刻な問題になり、のちの玉川兄弟、庄右衛門と清右衛門の進言
により計画された。始点と終点の標高差はわずか92メートル、自然の勾配を生かしながら、広大な武蔵
野の台地を切り開く工事は困難を極めたが、玉川兄弟の尽力でわずか8ヶ月後に工事が完了。1654
年には江戸市中への通水が開始された。
洗濯物ぱりっと乾く暑き風
Good News
No.280
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
<夏の風物詩>
7月21日(月) 晴れ
【風鈴】 風鈴の起源は、中国の風鐸(ふうたく)。家の四隅に鐘を取り付け、その音で邪気を払ったり吉
凶を占ったりした。現在でも仏堂や塔などの建造物の軒の四方につり下げられている。日本でも風鐸は
魔除けとして用いられたが、それに「風鈴」(当時は「ふうれい」)と名づけたのは鎌倉時代の僧、法然。
国宝である「法然上人行状絵図」には銅製の風鈴が軒に下がっている光景が描かれている。「極楽の七
重宝樹(しちじゅうほうじゅ)の風のひびきをこひ、八功徳池(はっくどくち)のなみのをとをおもひて、風鈴
を愛して」とある。
夏の朝七時出発ウォーキング
7月22日(火) 晴れ
【うちわ】 うちわは、害(虫)をはらうことから「打つ翳」→「うちわ」となったのが一般的な説。最も古いう
ちわは、古代中国の記録や古代エジプトの巨大な羽根団扇を掲げた従者の図壁画に見られる。日本で
は、弥生、古墳時代より出土する木製品にうちわ形がある。古来、うちわは木製品、鳥毛や獣毛、びろう
や芭蕉の葉で、「あおぐ」ためより「はらう」「かざす」ためのもので、威儀、儀式、縁起、祈願、軍配、行司、
信仰、占いなどに使われた。室町時代末、竹骨と紙を素材とする現在の形となり、江戸時代には一般大
衆に普及し、町民文化が花開くと、涼や炊事、装いや流行、蛍や虫追いなどで利用された。 明治時代に
は、その美しい図柄の団扇は外国人に高い評価を得て盛んに輸出され、商家の配布用としての需要も
急増した。
夏休み気分満載長距離車
7月23日(水) 晴れ
【ほおずき】 ほおずき(鬼灯、酸漿)は、ナス科ホオズキ属の植物。原産地は東南アジアで、南欧やアメ
リカ大陸など温帯に自生している。主に観賞用や食用として栽培されるが、野生のものもある。多年草
で、丈は60〜80センチ位になり、淡い黄色の花が咲くのは6月〜7月。この開花時期にあわせて日本
各地で「ほおずき市」が開催されている。中でも、7月初旬に開かれる東京浅草寺のものは江戸時代か
ら続いており、有名。花の咲いたあとに六角状のがくの部分が発達して果実を包み袋状になり、熟すと
オレンジ色になる。日本の仏教習俗であるお盆では、ガクに包まれたホオズキの果実を、枝付きで精霊
棚(盆棚)に飾り、死者の提灯に見立てる。
初ゼミや再び巡る夏の日々
7月24日(木) 晴れ
【盆踊り】 盆踊りは、場の中央にやぐらを立て、やぐらの上で音頭とりが音頭を歌い、参加者はその周
囲を回りながら音頭にあわせて踊るのが一般的。元々は仏教行事。平安時代、空也上人によって始め
られた念仏踊りが、盂蘭盆の行事と結びつき、精霊を迎える、死者を供養するための行事という意識に
なった。 室町時代の初めには、太鼓などをたたいて踊るようになった。 現在も地域によっては、初盆の
供養を目的の盆踊りも催され、太鼓と「口説き」と呼ばれる唄に合わせて、初盆の家を各戸を回って踊る
所もある。 昔は旧暦の 7 月15日に行われていたので、盆踊りはいつも満月であった。
年経るも健気に開く義父の百合
7月25日(金) 晴れのち曇り
【浴衣】 浴衣(ゆかた)は、平安時代の湯帷子(ゆかたびら)がその原型とされる。湯帷子は、平安中期に
成立した倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)によると、内衣布で沐浴するための衣。この時代、複数の
人と入浴する機会があったため、汗取りと裸を隠す目的で使用されたものと思われる。素材は、水に強
く水切れの良い麻が使われていた。安土桃山時代頃から、湯上りに着て肌の水分を吸い取らせる目的
でひろく用いられるようになり、これが江戸時代に入って庶民の愛好する衣類の一種となった。
夜風吹け昼の暑さを吹き飛ばせ
7月26日(土) くもりのち晴れ
【かき氷】 かき氷とは、砕いた氷にシロップ、餡やコンデンスミルクをかけた氷菓。日本より暑い時期が
長い台湾やフィリピンでは、年中食べられている。 アメリカでは shaved ice、snow cone と呼ばれる。平
安時代に清少納言の『枕草子』「あてなるもの」(上品なもの、良いもの)の段に、「削り氷にあまづら(蔦
の樹液または甘茶蔓の茎の汁と思われる)入れて、新しき金鋺(かなまり)に入れたる」と記述されてい
る。
フランクル糸たぐり寄せ集ふ人
7月27日(日) 晴れのち雨
【花火】 日本や中国などアジアの打上花火は、打ち揚げ時に光が同心円状に広がるものが多く、花火
玉の形も球形をしている。これに対し、欧米諸国の花火は打ち揚げても円状にはならず、花火玉も円筒
形をしている。円筒形の花火は、球形に比べ、火薬量などを増やすことができ、華やかな光や色を出す
ことができるが、破裂途中で色の変化をさせることは困難。かつて、日本の花火も同心円状に広がるも
のの製造は困難で、一部の武家花火師のみの秘伝とされていたといわれるが、明治期に鍵屋十二代目
弥兵衛が技術を取得し、以後、円形の花火が多く作られるようになった。昔、日本では河川で打ち上げ
て、観客はあらゆる方向から観賞していたため立体的に発光しなければならなかったのに対し、ヨーロ
ッパでは、貴族の館など建物の裏から打ち上げ、観客は一定方向から見るので、平面的な発光でよか
った。
夜の冷気爽やか夕立過ぎし街
Good News
No.281
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
<山特集>
7月28日(月) 曇り
富士山は、典型的な成層火山(コニーデ)で、この種の火山特有の美しい稜線を持つ。最後に富士山
が噴火したのは1707年の宝永大噴火で、噴煙は成層圏まで到達し、江戸では約4センチの火山灰が
降り積もった。古来より霊峰で、富士山を開いたのは、1149年山頂に一切経を埋納した富士上人。江
戸時代には、庶民の間でも、富士山の登拜が広く行なわれたが、1800 年までは女人禁制であった。「赤
富士」 は、夏の朝、露出した山肌が朝焼けによって赤くなった姿、「紅富士」は、雪化粧した富士山が朝
日や夕日で紅色に染まる姿、「逆さ富士」は、富士山が、非常に穏やかな湖面に綺麗に逆さに映る姿。
「ダイヤモンド富士」は、富士山の頂上より太陽が昇ったり沈む時、頂上が光る姿。富士山の頂上に傘雲
が乗ると、麓では曇りまたは雨になることが多い。
ひょうひょうと恩師変はらず夏帽子
7月29日(火) 晴れ
「あさま」は火山を示す古語。富士山の神を祀る神社が浅間(せんげん)神社と呼ばれるのはこのた
め。阿蘇山の「あそ」も同系のことばであると言われる。浅間山も多くの山々と同じく、古くから信仰の対
象となっており、浅間神社が鎮座している。
セミ鳴くやもうひと降りの欲しいけど
7月30日(水) 曇り
アイスランドのラキ火山 (ラカギガル) は西暦934 年に大規模に噴火。1783 年にはその横のグリーム
スヴォトン火山と相次ぎ噴火して、大量の溶岩と火山灰を発生させ、アイスランドに壊滅的な被害をもた
らし、その後の飢饉で21%の住民が死亡した。空気中に放出された 1 億 2 千万トンもの二酸化硫黄は
西ヨーロッパ全体に広がり、何千人もが死に、その後数年にわたってヨーロッパに異常気象をもたらした。
フランスではこの影響で、1785 年から数年連続で食糧不足が発生し、1789 年のフランス革命の遠因に
なった。日本の天明の大飢饉にも影響したものと言われている。
モッコウバラ切れども切れども枝伸ばす
7月31日(木) 晴れ
世界最高峰エベレスト山の標高は、1954 年インド測量局が周辺12カ所で測定した結果を平均した
8,848 メートルが長年一般的に認められてきたが、近年諸説がある。地殻変動、地球温暖化の影響など
で年々変動していると考えられる。「チョモランマ」はチベット語で「大地の母」の意味、「サガルマタ」は
サンスクリット語で「世界の頂上」の意味。英名・エベレストはヒマラヤ山脈を測量した時にインド測量局
長官だったイギリス人のジョージ・エベレストにちなむ。エベレスト卿本人は現地名を重視する考えで自
分の名がつけられるのを嫌っていたが、本人の死後この名前がつけらた。
炎天下ひととき極楽バスの中
8月1日(金) 晴れのち曇り
スワヒリ語で「輝く山」を意味するキリマンジャロは、東南約50キロ、南北30キロに広がった火山。南
東部には巨大なカルデラがある。3つの峰のうち中央のキボ峰が最高峰。赤道付近にもかかわらず、
キボ峰の頭頂部には、20世紀後期まで巨大な氷河が存在していたが、近年は規模が極端に縮小して
いる。1948年ドイツ人のの宣教師レプマンにより、ヨーロッパに紹介された。当時キリマンジャロはイ
ギリス植民地領(現在のケニア)に属していたが、後に、アフリカ最高峰だと知った、ドイツ皇帝ヴィルヘ
ルム2世がイギリスに国境線の変更を要求し、受け入れられ、当初直線だった国境は、キリマンジャロ
付近で大きく湾曲した線になっている。
町染むる空いっぱいの夕焼け雲
8月2日(土) くもりのち晴れ
高尾山は、暖温帯系の照葉樹林帯と冷温帯系の落葉広葉樹林・中間温帯林の境界に位置するため
植生が豊か。元来は修験道の霊場であり、現在は真言宗高尾山薬王院有喜寺の寺域となっているため、
天然の森林が守られてきた。中世には、八王子城主北条氏照による「本山の竹木の伐採を禁じる」とい
う制札が薬王院に残されており、江戸時代にも幕府直轄領となり八王子代官・大久保長安が山林保護政
策をとった。その後も帝室御料林、国有林と常に保護されてきた。東京都心部に近いため、明治以降、
牧野富太郎をはじめ、多くの研究者により高尾山が最初の発見地として新しい植物が発表された。日本
百景に選定され、2007 年には、ミシュランガイドで、最高ランクの 三つ星 の観光地に選出されている。
なんとなく昔を思ふ八月の夜
8月3日(日) 晴れ
マウナ・ケア山は、裾野にあたる太平洋の海底から測ると、10,203 メートルの高さがあり、エベレスト
山を抜いて世界で最も高い山。しかし山全体の体積が非常に大きく、自分自身の重さによって海底が押
しつぶされ、高さが徐々に低くなっている。ハワイ島を形成する5つの火山のうちの1つ。ハワイ語で「白
い山」の意で、冬になると山頂が雪に覆われる。山頂における大気の密度は海面付近の4割程度で、1
年のうち快晴の日が300日以上あることから、天体の鮮明な観測をすることができる。北緯20度という
低緯度に位置していることも、北半球と南半球の両方の天体を観測でき、好条件。また楯状火山である
ため、山頂への資材輸送が容易であり、世界11ヶ国の研究機関が合計13基の天文台設置しており、
日本のすばる望遠鏡もここにある。しかしハワイ原住民との取り決めから、13基以上の天文台を建設
できない。
朝の陽差し今日の暑さを約束す
Good News
No.282
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
<食特集>
8月4日(月) 曇りのち雨
ペルシャ湾岸の産油国は食糧の90%近くを輸入に頼っており、食料価格の高騰で食料安保に取り
組んでいる。国土の大半は砂漠で国内で農業生産を増やすのは難しい。一方スーダンやソマリアには
耕作可能な土地が豊富にあるが、政情不安で有効利用されていない。そこで産油国の資本を投入して
農業を振興し、見返りに独占的な輸入権を確保しはじめた。エジプトはスーダン政府との間に年間200
万トンの小麦を契約栽培する協定を結んでいる。ドバイの投資ファンドはパキスタンの農地80万エーカ
ーを取得し、ここで生産した小麦やコメを湾岸諸国に輸出する計画。ミンダナオ島にバナナ農園を作り、
ルソン近郊では穀物栽培や魚の養殖事業も始めた。バーレーン政府はタイ政府と共同出資で農業商社
を設立し、穀物の供給を確保する交渉を進めている。
炎天を駆けつけ一杯梅ジュース
8月5日(火) 曇りのち雨
小麦粉値上げで価格差の縮まった米粉がブームだ。独特の食感など、小麦粉にはない魅力もある。
パン激戦区の神戸市に06年に米粉パン専門店がオープンした。風味に加えて低カロリー、高たんぱく
も魅力。ローソンは米粉主体のあんぱん、蒸しパン、紅茶のシフォンケーキを売り出す。スターバックス
は米粉100%のロールケーキを売っている。「さっぱり、しっとり」の食感が魅力。群馬製麺は、静岡文
化芸術大学と協力して、5年がかりで米粉100%のめん「J麺」を開発した。食糧自給率の向上にもつな
がるため、政府は米粉の増産を促し、加工業者への優遇措置や補助金を盛る新法を検討中。
土砂降りや暑さも川に流し去る
8月6日(水) 晴れ
ブラジルの日系移民が苦難の末にたどり着いたのが「アグロフォレストリー」。果実などと樹木を混植
し、作物の収穫と森林の再生を両立させる。果実や木々が互いにコントロールするので、日が当たるよ
うに剪定するのが人間の仕事。熱帯の森を再現する農業に海外からも注目が集まり、ジュース原料の6
割が輸出に向けられる。とりわけ人気が高いのがアサイー。アマゾン川流域に自生するヤシ科の植物。
直径1センチほどの黒い果実にはポリフェノールや鉄分が豊富に含まれる。
赤なれど涼しげ朝のモミジアオイ
8月7日(木) 晴れのち曇り
エチオピア南部の高地住むアリと呼ばれる人々は、千年以上にわたり、エンセーテ(バナナの木に似
た巨大な草)を家屋の周囲に植え、衣食住をこの草で支えてきた。エンセーテは5メートルになる巨大な
草。種は10年に一度しか実らないが、根の成長点を切り抜いて株分けして植えると芽がいくつも出てく
ることを先祖が発見し、この技術を受け継いでいる。エンセーテを切り倒す時にはまず神に感謝の言葉
を捧げる。葉柄から採れるデンプンを葉で包み自然発酵して作る「ワシ」というパンはアリの主食。根か
らとれるモサは、つぶして葉で包み蒸し焼きにして食べる。7〜8年たったエンセーテで、5人家族の1ヶ
月分の食糧がまかなえる。少年は15歳になると、自分のエンセーテを植えて、畑の真ん中に自分の家
を建て独立する。
青き空陽輝きて本格の夏
8月8日(金) 晴れのち曇り
現在のうなぎの蒲焼きの原型は、江戸後期ごろ広まった。それ以前には、ぶつ切りにしたうなぎを串
に差して焼いて食べた。その形状が植物の蒲の穂に似ていることから、「蒲焼き」の名がついたとの説
もある。関西は腹開きするが、関東では背開きで、焼く前に蒸す。くずれる直前までやわらかく蒸し、うな
ぎそのものの味を生かす薄めのタレで仕上げるのが江戸前の伝統。蒸し時間は、うなぎにより加減し、
ふっくら仕上げる。
夏草の我が物顔に屋敷跡
8月9日(土) くもりのち晴れ
ニュージーランドの始まりは約千年前。マオリがカヌーでやってきた。マオリに伝わるおもてなし料理
は「ハンギ」。調理器具は大地。地面に掘った大きな穴に熱した石や小枝を並べ、亜麻を敷く。その上に
肉や野菜をのせ、亜麻で覆って土をかぶせる。素朴な蒸し料理だ。口に運ぶと薫製の香りが漂い、かむ
と素材そのものの甘さがする。マオリに伝わる言葉「カイティアキタンガ」は、「先祖から受け継いだ自然
はそのままの姿で子孫に残す」という意味。ハンギにはマオリが大切に守り続けてきた大地の味が染み
込んでいる。
朝顔のつる宙に伸び行方探す
8月10日(日) くもりのち雨
クプアスは、カカオの仲間で、ラグビーボールのような形で、重さ2キロにも達する。硬い皮で覆われ、
果肉は白く甘酸っぱい。種はチョコレートの原料になる。カカオに比べ、溶ける温度が高くて溶けにくいう
え、カフェインなどを含んでいない。ブラジルのトメアス総合農協では、クプアスを原料としたチョコレート
「クプレート」を開発中。
解放感街に溢るる盆休み
Good News
No.283
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
<水特集>
8月11日(月) 晴れのち雨
水に恵まれた青い惑星、地球。 地球には、14 億立方キロメートルの水があると言われているが、う
ち97.5%は海水で、淡水(真水)は2.5%ほど。しかも淡水のほとんどは北極や南極の氷なので、身
近で利用できる水は地球上の水のわずか0.01%。1日に使われる水は、平均426万立方メートル。う
ち、約7割が家庭で使われている。節水のしかたとしては、風呂の残り湯を洗濯や水遣りに再利用。シャ
ワーはこまめに止める。はみがきはコップに水をくむ(5L節水)。洗車はバケツで(210L節水)。トイレ
の大小レバーの使い分けなど。
炎天をものともせずに百日紅
8月12日(火) 曇り
西インド諸島のハイチ共和国のソードゥーの滝はブードゥー教の聖地。ブードゥーまたはヴォドゥンは
西アフリカのフォン語で「精霊」の意味。ブードゥー教はアフリカの奴隷が、自分たちの伝統的宗教に聖
母マリアなどキリスト教の聖人信仰が組み込まれて生まれた。儀式はドラムを使ったダンスや歌、動物
の生け贄、神懸かりなど。類似の宗教を含めると、カリブ諸国や西アフリカを中心に信者は世界で5千万
にのぼる。ソードゥーの滝への巡礼は、19世紀半ば、村人が樹上で輝くマリアを目撃したことに由来す
るという。聖母マリアはヴードゥー教の愛の精霊エジリと同一であるとされている。鬱蒼とした森に包ま
れ、約30メートルの切り立った崖から轟音を響かせ落ちるソードゥーの滝の岩場では、巡礼者が水浴
びし、女神に祈りをささげる。
蝉時雨木立の多き住宅街
8月13日(水) くもり
空荷の船を安定させるために必要な「バラスト水」は、排水時、出港地から持ち込んだ生物を一緒に
捨ててしまうので、海の生態系を乱すことが問題になり、国際海事機構は、2017 年までにすべての船に
バラスト水の処理機能を持たせることを義務化する。日立プラントテクノロジーと三菱重工業は、殺菌剤
を使わずにプランクトンなどを取り除く装置を開発した。浄水場で使う凝集剤と黒さびのような磁性粉を
水に加え、かき混ぜる。プランクトンや細菌などを1ミリ程度の塊にし、磁石で取り除く。これで9割以上
が除かれ、残りはフィルターで漉す。殺菌剤を使わないので環境にやさしい上に生物の卵も取り除ける。
塊は1ミリ程度なのであまり目の細かいフィルターは要らず、処理が速い。磁石で集めた塊は、乾燥さ
せて磁性粉として再利用する。
盆休み校庭セミの声ばかり
8月14日(木) 晴れ
サンゴの繁殖に適している海は、25〜30℃ほどの高水温、3〜4%ほどの高い塩分濃度、深くても
水深30m ほどの浅くてきれいな海域である。地球は西から東へ自転するため、赤道付近では海水が自
転に置き去りにされる形で西向きの暖流が発生し、高緯度地方からの寒流がその後に入りこんでいる。
太平洋、インド洋、大西洋どれも西側にサンゴ礁が集中し、東側にあまり見られないのはこの理由によ
る。
通路越し話の弾む盆列車
8月15日(金) 晴れのち曇り
海水浴は、19世紀の半ば頃ヨーロッパで始まった。当初は温泉浴と同様に健康の維持と回復のため
のものとして医師に処方された。日本における初期の海水浴では、牛の引く御所車のような乗り物に乗
って、後ろのドアを両開きに開いて、自分たちが他から見えないようにして海に浸かったという。当初は
パジャマに似たような服装で海水浴を行った。20世紀の半ばからは水着用の特殊な生地が開発され、
海水浴に適した砂浜の海岸が海水浴場として整備された。
人住まぬ屋敷の庭にナツズイセン
8月16日(土) 晴れのち雨
バンダイが発売したちょっと不思議なゲーム「アクアドロップ」は、箱の横からスポイトで水を入れると
手のふるえでもコロコロ転がる水玉に変身。狭い通路ではアメーバのようにムニュー、ツルンと形を変
える。里芋の葉っぱの上でに水が水玉になって転がるのと同じ「超撥水」の現象。外壁や屋外ディスプレ
ーの防水やほこりの付着防止に使われる超撥水塗料には、ナノレベルの細かい突起があり、水をはじく。
通常の水滴は半球形だが、この塗装の上では球に近い水玉になる。
裾野見て富士の勇姿を想ひけり
8月17日(日) 雨
東海大の海洋科学博物館(静岡市)は、地元の駿河湾の魚など内外350種1万匹を飼育している。岸
辺から沖合、そして深海へと30余あまりの水槽がならぶ。目玉は縦横10メートル、高さ6メートルの大
水槽。巨大なエイなど約50種類の魚がゆったりと泳ぎ、トンネルをくぐって下からのぞくこともできる。8
月には夜間開館も実施し、光ったり、砂に潜って寝たり、昼間と違う魚たちの姿を楽しめる。
久しぶり涼しさ感じて朝寝かな
(2週間お休みさせていただきます)
Good News
No.284
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
<ウィーン・プラハ特集>
9月1日(月)
ドナウ川の南、チロル・アルプスが穏やかに高度を下げて平原に溶け込むあたりに岩塩の地層があ
る。その塩によって興った文明が中央ヨーロッパの文明の祖といわれるハルシュタット文明。この文明
の担い手はケルト人。紀元前12世紀から紀元前6世紀ごろまでドナウ流域に勢力をふるい、やがてロ
ーマ人によって駆逐される。ローマ帝国が支配力を失うにつれ、中部ヨーロッパでは、ゲルマン民族、フ
ン族、マジャール人らが激しく勢力を競い合う。この争いに終止符をうったのは、カロリング朝を率いるカ
ール大帝。8世紀末に辺境伯領を築く。後に初代神聖ローマ帝国皇帝になるオットー1世は976年バー
ベンベルグ家に土地を封じ、バーベンベルグ家の歴代の王はウィーンに本拠を置いて、金銀と塩の生
産で経済力を付け、繁栄の時代を築く。西ヨーロッパから見れば当方の辺境の地である辺境伯領は、
「東の国=オスタリッチ」と呼ばれた。
秋夕空浮かぶ騎馬像皇妃らし
9月2日(火)
ウィーンのどこからでも見られ、ランドマークになっているシュテファン大聖堂の創建は12世紀。頭初
はロマネスク様式の教会として建てられたが、14世紀にハプスブルク家のルドルフ4世が、この教会を、
当時最も斬新なゴシック様式に改築することを命じた。65年がかりで完成した南塔は、107メートルの
高さを持つ。現在の建物は、第2次大戦時に天井などが破壊され、戦後修復されたもの。正面玄関は
「巨人門」と呼ばれているが、寺院建設の際に巨大なマンモスの骨が発見されたことに由来する。門の
両脇の2つの塔は、形状がイスラム教のミナレットに似ているということから「異教塔」とも呼ばれている。
二つの塔は細部がわずかに異なって同じではない。
大聖堂天上に誘ふ高きアーチ
9月3日(水)
ドナウ川は、ドイツ南部の森林地帯「シュヴァルツヴァルト(黒い森)」に端を発し、東から南東方向に
東欧各国を含む10ヶ国を通って黒海に注ぐ。全長 2,850 km。西ヨーロッパと黒海をむすぶ重要な航路
として古くから利用され、ローマ時代には帝国領域の北限となった。14世紀末に始まるオスマン帝国の
ヨーロッパへの進出にも利用され、19世紀には、ドイツの工業中心地とバルカン半島の農業地域をつ
なぐ交易ルートとなった。ベルサイユ条約では、ヨーロッパ・ドナウ委員会が承認され、さらに国際ドナウ
委員会が発足した。1940〜44年には、ドイツがドナウ川全域を支配。第2次世界大戦後ソ連とドナウ
川沿岸の東欧諸国がドナウ委員会をつくり、後にオーストリア、西ドイツが加入。1980年代に、スロバ
キア南部にガブチコボ・ダムの建設がはじめられた。この計画は、もともとチェコスロバキア、ハンガリ
ー、オーストリア3国による共同プロジェクトだったが、環境保護派などによる政治的な圧力をうけてハ
ンガリーとオーストリアが撤退し、チェコスロバキアの解体にともなって、チェコも手をひいた。スロバキ
アは、ハンガリー政府の強硬な抗議にもかかわらず、ダムを完成させた。
老先生赤いスカート軽やかに
9月4日(木)
19世紀、自治都市が市壁によって「都市の自由」を守る時代は終わりを告げ、ウィーンもかつての市
壁を撤去し、近代都市へと生まれ変わることで、オーストリア帝国の威光を示すとともに、工業化にとも
なう人口集中に対応する必要があった。1858 年より、かつてオスマンによる包囲戦に耐えた市壁の取り
壊しがはじまり、都市計画の公募が開始され、年末に全応募案がウィーン市民に公開された。オースト
リアは、多民族共生・多文化共存の方針を打ち出さざるを得なくなり、首都ウィーンには将軍たちや支配
層の英雄に代わって文人や芸術家たちの銅像が建てられ、リングシュトラーセの沿線にはウィーン宮廷
歌劇場をはじめとして、ウィーン市庁舎、帝国議会、取引所、大学、美術館、博物館、ブルク劇場、コンサ
ートホールなどの公共建造物、そして裕福なブルジョアたちの数多くの豪華な建物があいついで建設さ
れた。1873 年には装いを新たにしたウィーンにおいて万国博覧会が開催された。
小さき窓鉄格子越し秋の空
9月5日(金)
プラハ城は、ボヘミアの国王や神聖ローマ皇帝の居城で、現在はチェコ共和国の大統領府がある。長
さは約570メートル、平均の幅は約130メートルで、世界でも最も大きいく古い城のひとつ。壁に囲まれ
た最初の建築物は、9世紀に建てられた聖母マリア教会。その後聖イジーと聖ヴィートのバシリカが建
設され、ロマネスク様式の宮殿が建てられたのは12世紀。14世紀には、ボヘミアの黄金時代を築いた
神聖ローマ皇帝カレル4世(ボヘミア国王カレル 1 世)の支配のもとゴシック様式の王宮が再建され、城
砦として強化された。聖ヴィートのゴシック教会の建設には完成までほぼ6世紀かかった。
秋晴れの収容所の庭小さき花
9月6日(土)
モルダウ川(チェコ名:ヴァルタヴァ川)には、12世紀には橋がかけられていたが、木造の橋。その後
石の橋になっても洪水で流され、14 世紀の半ばに時の王カレル 4 世の命で、当時の技術の粋を集めて
60年の歳月を経て完成したのが現在のカレル橋。カレル橋には両側に15体ずつ、計30体の歴史的な
聖人やチェコの英雄の像が建ち並んでいる。17世紀から19世紀にかけて設置されたもので、フランシ
スコザビエル像もある。
秋暁のプラハの冷気塔の影
9月7日(日)
プラハ城壁に沿って、色とりどりの小さな家が軒を連ねる「黄金の小径」は、ボヘミア王で神聖ローマ
皇帝でもあったルドルフ2世が、化学者や錬金術師を集めてここに住まわせ、不老不死の薬などを作ら
せたという言い伝えから名付けられた。実際は、王宮を守る兵士や召使い達の住まいとして建てられた
ようだ。20世紀には作家のカフカやノーベル文学賞受賞の詩人ヤロスラフ・セイフェールが暮らしてい
たこともあった。現在では主に土産物屋として利用され、観光客で賑わう通りとなっている。
眼下にはボヘミアの大地雲もなし
Good News
No.285
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
9月8日(月) 晴れ
人口が5千万に満たないノルウェーには世界最大級の政府年金基金がある。北海油田の発見で豊か
になった同国は、石油で得た富を永続的な財源に変えて、国民の暮らしを支えようとしている。運用額は
現在約38兆円。世界各国で投資し、平均収益は9%近く。04年に倫理投資方針を導入し、武器製造や
環境破壊、児童労働などに関わった企業を投資運用先から除外している。06年には、米小売最大手の
ウォルマートの保有株など460億円相当を売り払った。「労働環境が悪く、組織的な女性差別がある」と
いうのが理由だ。08年1月には、クラスター爆弾や核兵器の部品を製造する米国と韓国の企業を除外
した。所有していた株はわずかだったが、運用先から外したことを発表した直後に、それぞれの企業の
株価が数%下落し、ノルウェーの倫理投資が影響力を持ちつつあることを示した。
ケイトウの日毎に伸びるトサカかな
9月9日(火) 晴れ
山口県下関市にある住宅建材工場「そーれきくがわ」では、古新聞を材料にして住宅の断熱材を製造
している。古新聞が載せられたベルトコンベヤーが巨大な裁断機に吸い込まれると粉々に裁断される。
これにホウ酸を混ぜると、セルロースファイバーと呼ばれる灰色の軟らかな塊になる。これが吸・放湿
性に優れた断熱材になるのだ。地元の古新聞を生かせばリサイクルにつながる。標準的な住宅1軒に
使われる断熱材は、家庭で読む新聞約10年分。古新聞を工場に持ち込む自治会や子ども会などに、地
元商店使う地域通貨「エコロ」を渡す。自治体と協力してつくったNPO法人がこの仕組みを支えている。
ベランダに照り返す陽も秋暑し
9月10日(水) 晴れ
企業のカーシェアリング利用が増えている。車を所有せず、必要な時だけ借りて、駐車料や整備費の
負担を軽くするのが狙い。 カーシェアリング最大手のオリックス自動車では、2300人いる会員の約2
割が法人契約の利用。AM/PM ジャパンや綜合警備保障、ドラッグストア経営のエフケイなどが契約してい
る。米国で週末だけ公用車をカーシェアリング用に貸し出ししている自治体がある。これにヒントを得て、
オリックスではこの事業に乗り出すことも検討している。
水澄める石神井川の小石底
9月11日(木) 晴れのち曇り
米誌TIME(8・25号)の表紙は、鶴と桜に日の丸のイメージ。タイトルは「日本が日本を発見する」。
かつての Made in Japan の代表 Sony や Toyota は、無国籍的なところがあったが、最近の日本の輸出
品は、日本の豊かな芸術的遺産から発想を得ている。着物風のドレス、洗練された日本酒、神話的動物
「おろち」をモチーフにした光岡自動車の手作りスーパーカーなど、個性豊かな製品は、20世紀後半の
日本経済を牽引してきた没個性的な大量生産品へのアンチテーゼだと同誌は言う。
シュウカイドウひっそり揺れる裏の庭
9月12日(金) 晴れ
米紙Newsweek(8・18号)の「呼吸できる建物」で、屋上緑化などグリーン建物の提唱者であるウィ
リアム・マクドノウが、建築哲学を語っている。マクドノウの代表作の一つ、ミシガン州のフォードの巨大
工場は、4.4haの屋上をそっくり緑地にし、断熱効果を得るとともに、雨水を浄化して利用している。完
成後5日後には野鳥が来て巣を造るなど、省エネと自然再生を両立させている。マクドノウは、アメリカ
伝統の「持ち家」志向を、エネルギー浪費として批判している。子育て中の世帯には「庭付き住宅」が望
ましいだろうが、単身者や高齢者には屋上菜園など人付き合いの機会を増やす施設があり、利便性も
高い集合住宅の方がよいというのだ。
何をもて一斉に開く月下美人
9月13日(土) 晴れ
インドネシアの伝統のろうけつ染め、「バティック」のすそ野が広がっている。綿や絹の生地にろうを塗
って染色を繰り返し、模様を染め上げるバティックは、工程が複雑で、1枚作るのに数ヶ月以上かかるこ
ともある。インド更紗の影響を受け、14、5世紀までに原型が完成。18、9世紀にジャワ王朝の宮廷文
化の中で発展した。草木や鳥、風景、幾何学模様などのモチーフは、地域や集落の歴史や宗教、約3百
ある民族などによって千差万別。今では祝い事など特別の時に着られることが多かったバティックに、
現代的なデザインの服が登場し、日常のおしゃれ着や若者向けに浸透しつつある。政府もバティックは
インドネシアの文化と、その振興に本腰を入れ始めた。
目を閉じて秋の野思ふ虫の声
9月14日(日) 晴れ
菅谷藍さんは、100歳の今も、月に4回大阪吹田市の自宅で書道教室を開く。17人の生徒たちはみ
な有段者。生まれは山形。結婚5年後、歯科医の夫を結核で亡くした。戦時中は女子挺身隊の隊長とし
て軍需工場に勤めた。小説家を志して執筆を続け、戦後新聞にも掲載されたが、禅寺の修行を経て、故
西田王堂氏に師事。書の道に進んだ。95歳ごろから足腰が痛み、正座ができなくなったが、食事は今
でも自分で作る。月3回グループホームのお年寄りに書を教えに行く。「この年になっても『来てくださ
い』と言ってもらえるのはありがたい」と語る。
虫声に寝息まじりて午前2時
Good News
No.287
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
9月22日(月) 曇り
ナチュラルアート社長の鈴木誠さん(42)は、「農業再生請負人」の異名を持つ。破綻した農業を引き
継ぎ、農作業に汗を流し、食品加工会社などとも連携し、付加価値造りをする。挑むのは持続可能な農
業。バブル期に大学を卒業。銀行に入り、ベンチャー融資に携わるうちに自らも起業したいと、貸し渋り
の時代の銀行を退社。ビジネススクールに通い、ITや外食の事業計画を練るが、農業からの引き合い
が多かった。農業組合設立に関わったのをきっかけにナチュラルアートを立ち上げ、地域や業種をまた
いだ連携による「価値の連鎖」で農業を再生しようと奔走している。本人は「ご縁があったものに導かれ
ただけ」と言う。
夕焼けに見とれて買い物遠回り
9月23日(火) 秋分の日 晴れ
コンクリートに含まれる砂利などの骨材を、セメントと分離し、9割以上回収する技術を、東京大グル
ープが開発した。コンクリートはセメント、骨材を水と混ぜ合わせてつくる。国内では建設現場で年間約5
億トンの骨材が消費されている。これまで古くなったコンクリートから骨材をきれいに取り出すことが難し
かったため、再利用は道路の路盤材などに限られていた。骨材の表面にあらかじめ酸化鉄を吹き付け
ておき、マイクロ波で加熱後に砕くと、セメントがきれにはがれ、骨材が容易に回収できることが分かっ
た。さらに酸化鉄に加えてシリコンやコンクリートの微粉末を吹き付けると、コンクリートの強度が従来よ
り1.25倍高まることも確かめられた。
ふと見れば大空いっぱいうろこ雲
9月24日(水) 晴れ
佐伯チズさん(65)は美肌師を名乗る。佐伯さんの造語だ。20歳で美容師になり、外資系の化粧品会
社を定年まで勤め、その後心の持ちようを対セルにする独自の美容理論でエステティックサロンを開き、
後進育成にも力を注いでいる。きれいになる目的は年代で異なると言う。10代は自分のため、20代は
異性のため、30代は社会を、40代は自分を意識して。50代以降はプラスα。基本は感謝する心。若い
人には「尊敬できる人、あこがれの人を3人ずつ持ちなさい。その一人が夫か妻ならば最高」とアドバイ
スする。
道路脇お地蔵さまに彼岸花
9月25日(木) 曇りのち晴れ
コケを使った建物緑化の取り組みが広がり、ヒートアイランド現象の緩和に役立っている。コケは空
気中から水分、養分を吸収するため土壌を必要としない。また水分の保持力が非常に高いので乾燥に
強く、散水、施肥の必要もない。軽量なので、施工された構造物へ負荷をかけない。二酸化炭素の吸収
量が多く、断熱効果が高く、防音効果もある。維持管理の容易な緑化法として都市部のビル屋上、壁
面、ばかりでなく、道路、河川のコンクリート面、ダムの壁面、工場の鉄板屋根などにも施工できる。
泥付きの里芋季節は巡り来る
9月26日(金) 曇り
作家五木寛之さんは、今の元気のない日本を「うつの時代」と表現している。戦後の高度経済成長期
の「そうの時代」を終えた現在の日本では、発想を変えて「うつの時代」なりの生き方をする必要がある。
辞書によると「うつ」は「草木が生い茂る様」が第一義で、実はエネルギーが内部で発酵している状態。
自分の心を見つめ直すことで、そのエネルギーをうまく使えるようにすることが大切。五木さん自身うつ
を患ったことがある。1回目は「よろこびノート」を作り、どんなことでもちょっとうれしかったことを短くノー
トに記すことで、元気を回復した。2回目のときは、心が石のように固まって「よろこびノート」が書けなか
った。そこで「悲しかったこと」を書いた。このことで心がマッサージされ、感受性が刺激され、元気になっ
た。悲しみと喜びは人生を動かす車の両輪。この両輪を使って人生を進めることができると、言う。
よく見れば半分白き水引草
9月27日(土) 曇り
多摩川上流の羽村取水堰(羽村市)から下流の大師橋緑地(大田区)までの約50キロをウォーキング
できる「たま リバー50キロ」が完成し、10月4日に完成記念イベントが開かれる。コースには地図など
案内板や500メートルごとの距離表が示され、気分や体調にあわせて距離を決め、変化する多摩川や
豊かな自然と景色を眺めながらウォーキングを楽しむことができる。
秋夕暮れ愛犬談義の川の道
9月28日(日) 曇り
東京から南へ約200キロ、1周わずか17キロの御蔵島には、幹周りが5メートルを超える巨樹が5百
本以上根を張っている。幹周り約14メートルで日本一大きなスダジイ「御蔵島の大ジイ」(推定樹齢800
年)は島の南東の「南郷の森」に立つ。森の入り口から大ジイまでおよそ45分。地面の所々に直径20
センチほどの横穴があいている。御蔵島に生息する、数十万羽のオオミズナギドリの巣だ。森を歩き周
り、巣を掘って地面を耕すので、「海から来た農夫」と呼ばれている。地面に点々と残る白い絵の具のよ
うな跡はフン。フンは天然の肥料になる。木々は酸素を吐き、落ち葉は堆肥になる。雨が降ると、森の豊
かな大地に染み込んだ水は海に流れ出る。栄養豊富な海水の中でプランクトンが増え、魚が育つ。魚
は水鳥のエサになる。御蔵島の森と海は互いに支え合っている。
秋寒し不協和音のピアノ聞こゆ
Good News
No.288
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
<京都特集>
9月29日(月) 雨
【庭園】 日本庭園の草創期は、中国や朝鮮半島の影響が強く、思想的にも歴史的にも、大陸より移入さ
れた道教や仏教思想の影響を大きく受けながら発展した。平安時代になると浄土思想が大きな影響を
およぼし、浄土庭園という新しい庭園意匠が完成した。鎌倉時代には禅文化の影響を受け、大和絵的な
造形から水墨山水画的な造形へと変化し、やがて日本独自の枯山水庭園にまで発展した。桃山時代以
降の茶の湯の発達は日本の庭園文化にも大きな影響を与え、茶庭(露地)という新たな庭園意匠が出現
した。茶庭の発達にともない石造物が庭園に用いられることが多くなり、石燈籠、手水鉢などが尊重され
るようになった。 江戸時代になると、それまでに創られてきた庭園様式が、大名庭園というかたちで花
開き、総合的な庭園文化へと発展していった。
秋の京旅の初めは焼サバ寿司
9月30日(火) 雨
【仏像】 紀元前5 世紀、北インドで生まれたゴータマ・シッダールタは、29歳で出家し、修行を積んで35
歳で悟りを開き、仏陀(釈迦・釈尊・釈迦牟尼)となった。仏像とは、本来この仏陀を表した像のことを指す
が、実際仏像が制作されるようになったのは、紀元1世紀半ば。如来(釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来
など)は、悟りを開いた者で、最高位の仏。菩薩(観音菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩など)は、悟 りを求 め
て修 行 している者 。如 来 の慈 悲 行 を実 践 して衆 生 を救 う。如来の超人的なパワーの一部を特
化、具現化して作ったのが明王や天であり、化仏(化身)と言われる。明王は、如 来 の命 により、一
切 の魔 障 を屈 服 させる。不動明王、愛染明王、孔雀明王などで、バラモン教(後のヒンズー教)から
密教に取り入れられた。梵天、帝釈天、吉祥天など、天 は仏 法 を守 る神 。古 代 インドで成 立 した
バラモン教 やヒンズー教 の神 々を取 り込 んだものが多 い。
夕暮れる松尾山の空鱗雲
10月1日(水) 曇り
【町家】 町家(まちや)とは、主に京都の職住一体型の住居形式。平安時代にすでにあり、江戸時代中
期に現在の形にほぼ近いものとなった。現存している町家は、1864 年蛤御門の変の際に発生した大火
以降に建てられたものが、ほとんど。江戸時代に間口の広さに応じて町費がかけられたので、間口が
狭く奥行の深いもの多い。外観は、紅殻(べんがら)格子と呼ばれる濃色の格子が特徴的。格子戸を開
けて中に入ると、通り庭と呼ばれる土間が長く続き、そこに沿って和室が並んでいる。表側に「店(見
世)」と呼ばれる商売のための部屋があり、次にお客を迎える「中の間(玄関)」がある。ここまでがいわ
ば公的な空間で、そこから先が私的な空間。「台所」は現在のダイニング。「奥の間」は大切なお客様を
招くリビング。奥の間の縁側に面して坪庭があり、洗面所や便所、風呂場も配されている。坪庭のさらに
奥には、蔵があり、防火壁の役割も果たした。通り庭という土間部分は土足で通り抜けが可能。途中に
ある、かまどや流しのある「走り庭」は現在のキッチンにあたる。上部は吹き抜けになり、煙出しと採光を
兼ねた天窓が設けられている。
やしろ裏ヒキの口より石清水
10月2日(木) 晴れ
【京友禅】 友禅染めは町人文化の栄えた元禄期に生まれた。京都の東山・知恩院の門前町に居を構
えていた扇絵師「宮崎友禅斎」の描く扇絵が人気を集め、友禅斎の描く画風をきものの意匠に取り入れ
たのが「友禅染め」。 友禅染めは、衣類の染色、墨または青花で構図を描く、糊置きをして色の堰止め
を行なう、筆で色を挿す、刺繍を施す、金銀砂粉・箔などを施すなど、江戸時代に完成したさまざまな技
術の集約により生まれた。一方、伊勢の白子町では早い時代から和紙を2枚〜3枚柿渋で貼り合わせた型紙に模様を彫刻したもの
を用いた小紋染などの模様染が行われており、江戸時代には武士の裃・袴などの染色に用いられていた。明治時代には化学染料が導入され
ると、化学染料と糊で色糊を作り、型紙によって友禅模様を写し染める写し友禅染めが、廣瀬治助によって発明され、「型友禅」として発展。量
産が可能になり、友禅きものは一気に普及した。
秋の灯や京野菜の炭火焼き
10月3日(金) 晴れ
【あぶらとり紙】 あぶらとり紙、顔の皮脂などをとるために用いる化粧用の和紙。白粉などで化粧した状
態のままでも上からあてることであぶら汗を吸いとらせることができる。起源は、金箔の製造にあたって、
金地金を叩き広げる際、地金をはさむために用いられてきた専用の和紙である箔打ち紙を転用したも
の。特に、箔打ち紙を金箔づくりに10年ほど使い込んでそれ以上使えなくなった「ふるや紙」は最高級品
とされる。伝統的に京都の舞妓など花街の女性の化粧用に珍重されてきた。
秋暑し円山公園ジャグジーショー
10月4日(土) 晴れ
【麩】 麩の原料は、水で練った小麦粉に含まれるたんぱく質のひとつグルテン。モチモチした食感をも
つ生麩と、サクサクカリカリした食感の焼麩、中華料理などで使われる揚げ麩がある。小麦粉に食塩水
を加えてよく練って生地を作り、粘りが出たところで生地を布製の袋に入れて水中で揉むと、デンプンが
流出してグルテンが残り、これを蒸すと生麩(もち麩)が作られる。流出したデンプンを集めて乾燥させ
たものは正麩と呼ばれ、糊や菓子の原料にされる。グルテンに、小麦粉、ベーキングパウダー、もち米
粉などを加えて練り合わせ、焙り焼きしたものが焼き麩。生麩を油で揚げると揚げ麩になる。
秋雨にコケの緑の生き返る
10月5日(日) 晴れ
【金平糖】 金米糖、金餅糖、糖花と表記されるこんぺいとうは、砂糖と下味のついた水分で作られる、表
面に凹凸状の突起をもつ小球形の菓子。語源はポルトガル語コンフェイト。初めて日本に金平糖が伝わ
った時期については諸説あるが、1550 年にカステラ、有平糖などとともに南蛮菓子として伝えられたとさ
れる。正式の金平糖の突起の数は、24個。
小雨降る銀閣の庭少し紅葉
Good News
No.289
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
10月6日(月) 曇り
梅原猛氏は、日本人の基層文化は、縄文文化で、アイヌ文化に強く残されていると言う。縄文の時代
と同じように狩猟で生活してきたアイヌ社会には、「人間は自然の一員として生きている」という世界観が
強く見られる。例えばサケでも出世魚として名前をつけ、こういう名前のサケは捕ってはいけないなど、
自然保護の発想が強く、山や川も全部生きていると考えていた。天台密教では、草や木、国土という鉱
物や無機物など万物が仏性を持っていて仏になれると考えた。こういう考えはインドにはなく、日本仏教
独自のもの。また日本文化の根底には、循環や放浪を「よし」とする流れがあり、直線的に時間を捉える
西洋と異なると言う。
雨垂れの足音のやふ秋の雨
10月7日(火) 晴れ
ジュンク堂書店新宿店では「平和の棚の会」ブックフェアを開いている。同店が「平和」をキーワードに
選んだ本を常設する「平和の棚」に触発された出版社20社が集まり、約600冊を並べた。平和を単に
「扮争が無い状態」と捉えるのではなく、衣食住や人種など差別されない状態、つまり「積極的平和」とと
らえ、内容は、戦争にとどまらす、貧困や格差、歴史、ジェンダー差別など。本は棚におかれた周りの本
との関係性で、もう一度編集され、メッセージを出せる。8月から始めたフェアの反応は上々で、8、9月
の2ヶ月間で約200冊が売れた。「平和の棚の会」の設立総会を開き、参加者を増やし、全国の書店に
棚の設置を働きかけていく方針。
雨上がり金木犀の匂ひ立つ
10月8日(水) 曇りのち雨
スペイン南部のアンダルシア地方は「欧州のフライパン」と称されるほど日差しが強い。セビリア郊外
には、「PS10」と呼ばれる集光型の太陽熱発電所がある。一辺10メートルの巨大な鏡が624枚並んで、
太陽の動きを追って角度をを変え、高さ115メートルの塔に反射光を集め、太陽熱で水を蒸気に変え、
タービンを回し、発電する。昨年始動した世界初の商業プラントで、1万キロワット発電している。2012
年には太陽熱によるさまざまな発電方式の施設を建設し、計30万キロワットの総合発電所とする予定。
欧州では日差しの強い北アフリカ諸国で発電して南欧に電気を送る「スーパー送電網」計画もある。
眼下には秋雨煙る大都会
10月9日(木) 晴れ
作詞家秋元康さんは、20代、30代には全試合に勝てる気がしていたが、40代を過ぎて色々なこと
が分かってくると、「人生は全勝できない」ことに気づいた。10勝0敗を目指すのではなく、5勝4敗1引
き分けでよいと考えるようになった。全勝を目指していた頃はいつもピリピリしていたが、勝ち越せばよ
いのだと思うと、スタッフにも「ドンマイ」と言えるようになった。勝ち負けを決めるのは、他人の評価でな
く、あくまで自己評価。目標を越えたか越えなかったが勝敗の基準。漫然と仕事をするのではなく、自分
の能力や目標を意識しながら仕事をする緊張感が大切、と言う。
秋日和ベランダいっぱい布団干し
10月10日(金) 曇り
熊野古道は、伊勢路、本宮道、中辺路(なかへち)、大辺路(おおへち)、小辺路(こへち)、奥駈道(おく
がけみち)などのルートがある。熊野周辺は日本書紀にも登場する自然崇拝の地。熊野三山への参詣
が頻繁に行われるようになったきっかけは、1090 年の白河上皇の熊野行幸。江戸時代に入ると、伊勢
詣と並び、熊野詣は、広く庶民が行うようになった。明治維新後、神仏分離令により熊野古道周辺の神社
の数は激減。熊野詣の風習も殆どなくなった。那智山は平安朝以来修験道の道場で、うっそうたる原生
林に覆われ、渓流は太古の姿そのままの景勝地。これらの谷にある那智四十八滝は行場として指定さ
れ、常人では近づき得ない秘所として特定の修験者のみに口伝で伝えられてきた。現在「熊野ネイチャ
ースクール 森の道」がエコツアーを企画している。
老犬を連れる老女の服秋色
10月11日(土) 雨のち曇り
東京の中心部に広がる、70万平方メートルの明治神宮の杜は、人工林でありながら豊かな生態系を
形成する。明治神宮が出来る前はこの辺り一帯は皇室の所有地だったが、現在の御苑一帯を除いて畑
がほとんどで、荒れ地のような景観が続いていた。大正9年、社殿の造営とともに始まった杜づくりは、
100年後の「自然林」を目指したものだった。全国から植樹する木を奉納したいと献木が集まり、北は樺
太から南は台湾まで、日本だけではなく満州、朝鮮からも届き、全部で約10万本の木が奉献され 11 万
人に及ぶ青年団の勤労奉仕により植林された。植林当時3,655 種だったが、東京の気候にそぐわない種
類もあり、現在では246種類。東京ドーム15個分の境内に17万本もの木々が豊かに生い茂る貴重な
自然林となっている。
暮れやすき連休車のライトの列
10月12日(日) 曇り
東京都は、隅田川の浅草から明石町まで、隅田川の川岸に沿う遊歩道「隅田川テラス」を整備中。治
水上の高水敷にあたる部分をテラス化したもので、舗装や緑化が施され、車も信号もなく、川を眺めな
がら散歩やジョギングを楽しみ、ベンチで一休みすることができる。現在約半分が歩道として開放されて
いる。墨田区側の厩橋と駒形橋の間には、川の水を引き込んだ沢でカニや魚など見ることができる。
山染むる風街来るか朝の冷え
Good News
No.290
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
10月13日(月) 曇り
2008 年ノーベル平和賞を受賞するアハティサーリ氏は、フィンランドという中立的な小国出身という立
場を生かして、インドネシア・アチェ紛争や北アイルランド紛争、コソボ紛争などで和解の仲介者としての
役割を根気強く果たしてきた。今足場にしているのは自らが率いる小さな NGO「危機管理イニシアチブ」
(CMI)。ノーベル賞委員会は、同氏の調停は「いつも成功するとは限らなかったが、挑戦し続けた」と評
価し、「彼の努力と成果がほかの人たちの奮起を促すことを望む」と結んだ。
匂へども姿の見えぬギンナンかな
10月14日(火) 曇りのち雨
岩手県花巻市の東和街地区は、人口が減り続け商店街もシャッターが目立つ。この町で高齢者向け
に「長屋」を建設する計画が進んでいる。計画では鉄筋コンクリート3階建てを2年後の秋に完成させる。
商店街で画廊喫茶を開フジね三が土地を提供し、総事業費3億6千万のうち国と市が1億3千万を補助
する。2階を中心に高齢者向けの部屋が14戸あり(賃貸9戸、分譲5戸)、一人暮らし向けと少し一目の
夫婦向けがある。訪問看護に関わる看護師1人がここを拠点とする予定。高齢化が進む過疎の町のク
ラ仕方のモデルケースになりそうだ。
一番に秋を装ふハナミズキ
10月15日(水) 曇りのち晴れ
プロ棋士 羽生善治さんは、中学生の時にプロデビューし、96年に7大タイトルを全て独占。その後、
1冠のみとなるも、現在 再び4冠まで奪取し波に乗っている。およそ150人がしのぎを削るプロ棋士の
世界で、常にトップクラスを維持し、終盤に繰り出す妙手は「羽生マジック」とも言われる。羽生さんは、
情報化時代における将棋で勝敗を分けるのは「新しさに挑戦する勇気である」と話す。
暮れ易き夕べ学童の子ら帰途
10月16日(木) 晴れ
トヨタ自動車は、全長3メートルを切るトヨタで採用の新型車「iQ(アイキュー)」を発売する。ガソリン高
を背景に高まる小型車需要を取り込むため斬新なデザインで勝負。ガソリン1リットルあたりの走行距離
は23キロとトヨタではハイブリッド車のプリウスに次いで燃費が良い。通常は車両後部に置く燃料タンク
を前列座席の床下に移して全長を短縮した。大人3人と子供1人が乗車できる。
夏のもの大洗濯の秋日和
10月17日(金) 晴れのち曇り
作詞家秋本康さんは、仕事というのはドミノ倒しのように連鎖させなければいけないと言う。一つの仕
事を終えておしまいというのではなく、その仕事から派生して次の仕事へというように、点が線になり面
になり広がって行くように。そのための秋本さんの原動力は好奇心。次の展開を見たいという好奇心だ。
「仕事、面白い」とつぶやいてみる。そうすると仕事が面白くなり、どんどん仕事ができるようになる、と
言う。
きょうも晴れ秋の日差しの澄み渡る
10月18日(土) 晴れのち曇り
パリとミラノのコレクションでは、ナチュラルスタイルが一つの主流。小鳥のさえずる声などの音楽を
背景に、透明感のある淡い黄やピンクベージュ、水色など、草木や砂などの自然、玉虫や蝶などの昆虫
のイメージのオーガニックな色調がめだつ。イッセイミヤケは、実際に南米のジャングルに出向き3千色
を採取。そこから選んだ色をエアリーな揺れるドレスに染めた。
酔ひ足らぬ?半分ピンクの酔芙蓉
10月19日(日) 晴れ
オイシックス社長の高嶋宏平さん(35)は、8年前有機野菜など安全な食材の通販会社を起業した。
「ネットを使って普通の人々の生活を変えたい。それで世の中が良くなり、社会に必要とされる存在にな
りたい」と仲間と一緒に始めた。顧客の要望を愚直に聞き、それをかなえることで、品揃えは20点から
2300点に増えた。カード決済やウェブの使い勝手の改良もすべて顧客の要望がきっかけだった。創業
時8千万円弱だった年商をコンエンド70億円にまで拡大させた。持続可能な仕組みを作って、販路を広
げ、価格を下げ、食品流通業界を変えることを目指す。
かぼちゃ色ディスプレー多し秋の街
Good News
No.291
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
10月20日(月) 晴れ
温室効果ガスの排出が少ない方法で作った米を、秋田県大潟村の農家がCO2換算で表示して販売し
ている。水田は CO2 の21倍の温室効果があるメタンが発生する。メタンは土中の菌が稲わらなどの有
機物を分解する際に生じる。メタン生成菌は酸素が少ない状態で働きが活発になるため、水が張られた
田は格好のメタン発生場所。田起こしや代かきをしない「不耕起栽培」は、酸素の少ない泥中に稲わらな
どをすき込まないため、メタンが発生しにくい。秋田県農業試験場は不耕起栽培だと温室効果ガスが約
40%削減できると試算している。この耕作法だと土中のミミズや昆虫の卵も生き残るため、この米は
「生き物共生米」と名付けられ販売されている。
ガラス窓留まったままの秋の蝶
10月21日(火) 晴れ
ハイブリッド車の開発でトヨタに遅れを取った日産と三菱自動車は、電気自動車で次世代の自動車業
界をリードしようと開発に力を入れている。三菱の「i MiEV」は、軽自動車「i」をベースとしてつくられた電
気自動車で、2009 年中の国内市場投入を予定している。大容量のリチウムイオン電池を搭載し、走行中
は CO2を全く排出せず、発電時の CO2排出量を含めても、CO2発生量は同クラスのガソリン車の3割。
車載の充電器を使って家庭の電源でも充電できるが、急速充電用に電力会社と共同でインフラ整備を
行っている。日産は 2010 年度に日本及び北米で独自開発の電気自動車を発売予定。高性能のラミネー
ト型リチウムイオンバッテリーを床下に配置している。
紫のオリーブの実ベランダの秋
10月22日(水) 晴れ
松下電工は白熱灯 60 形器具と同等の明るさで、白熱灯と較べて、1灯あたりの消費電力が約 86%少
ない LED(発光ダイオード)照明器具「MSAVE(エムセーブ)」の販売を開始した。LED は省エネルギー・
長寿命などの特長から、環境への負荷を大幅に低減することができる。同製品は、明るさを重視した同
社の従来の LED 照明器具と比べ、消費電力を 55%少ない 7.8 ワットに抑え、通路、バックヤード、共用部
分、トイレ、洗面所など、あまり明るくしなくてもよい場所向け。寿命は白熱灯 60 形器具の約 26 倍、電球
形蛍光灯 15 形器具の約5倍の4万時間で、約10 年間交換が不要なため、メンテナンスが困難な場所や、
突然の不点灯に困る場所へ設置することができる。
アサガオの種は袋に秋深し
10月23日(木) 曇りのち雨
土屋ツーバイホームは、日本初の年間使用エネルギー収支ゼロ住宅を設計・建設し、カナダ政府の
認証を受けた。エネルギーを出来る限り再生可能エネルギーでまかない、暖房には南向きの窓で得た
太陽光熱と照明や電気機器、人が発生する内部発生熱、ヒートポンプで得た地中熱を組み合わせて使
う。夏期には、ひさしで太陽光を遮蔽し、窓の開放や必要に応じて地中熱ヒートポンプを使って冷房をす
る。内部で使用する電気は、屋根の太陽光発電パネルにより発電する。高度な断熱システム、太陽光に
よる温水供給、風呂やシャワーに使った使用済みの温水から熱を回収するシステムもある。今後同様
の住宅を北海道一円で提供する予定。
竹林の秋雨眺め日の暮るる
10月24日(金) 雨
『アイヌ神謡集』は、アイヌの知里幸恵が祖母モナシノウクや叔母・金成マツから聞いていたアイヌの
伝承「カムイユカラ」をまとめたもの。狩りや漁で生きるアイヌの人びとにとって、自然や神を敬う伝承「カ
ムイユカラ」は、民族のアイデンティティともいえるものだった。明治、日本が近代化を推し進めるなかで、
蝦夷地に生きるアイヌの暮らしと文化は消され、アイヌの人々は誇りを奪われていく。知里幸恵もそんな
一人だった。15歳の時、アイヌ語研究に取り組む金田一京助と出会う。金田一は、急速な近代化で消え
ゆくアイヌの伝承を記録しつづけていた。二人は交流を重ね、アイヌの伝承を集めた本の出版に取組む。
幸恵はカムイユカラを改めて学び直し、アイヌ文化の本当の豊かさと、後世に引き継ぐ使命に目覚めて
いく。1923 年、『アイヌ神謡集』を出版。それはアイヌであることを否定しつづけてきた人々を覚醒させ、
やがて差別撤廃と民族の復権を求める声となる。
ハナミズキ赤き実濡らす驟雨かな
10月25日(土) 曇り
音威子府(おといねっぷ)村は、上川支庁北部に位置する村。北海道内で最も人口の少ない自治体で
人口 1,000 人以下。アイヌ語の「オ・トイネ・プ」(河口・土で汚れている・もの)に由来し、音威子府川が天
塩川に合流する地点が泥で濁っていたことからの命名。小学校跡に彫刻家・砂澤ビッキがアトリエを構
えたこともあり、「森と匠の村」を標榜し、豊富な森林資源を生かした工芸による村おこしを推進している。
普通科であった村立音威子府高等学校に工芸教育を取り入れ、1984 年には北海道で唯一の全日制工
芸科高校へと転換し、北海道おといねっぷ美術工芸高等学校とした。村内各所にトーテムポールをはじ
めとする木工作品が設置されている。
秋の雨カラスも低空飛行かな
10月26日(日) 曇り
世界で最も古くから愛されてきたハーブ・パセリ。原産地は地中海沿岸。地質や気候風土に対する適
応性に優れ、栽培法が容易なため、世界各地に広がった。古代ギリシャ人は食後の歯磨きとして使い、
古代ローマ人は初めて食用に育てた。日本では、8代将軍・徳川吉宗の時代、悪化した幕府の財政を立
て直すために、オランダから「パセリ」を含む、西洋の薬草が持ち込まれた。
鶏頭は茎まで赤し色添へる
Good News
No.292
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
10月27日(月) 晴れ
焼酎を入れる5合びんに「再利用:Reuse」と「再使用可:Returnable」の頭文字「R」が刻まれているRび
んを使用する取り組みが南九州で広がっている。これは南九州で製造されている焼酎の統一規格のび
んで、消費者が酒屋などにびんを持って行くと、1本5円で買い上げてくれる。この取り組みは水俣エコ
タウンの中核事業で、エコタウン内の洗びん業者田中商店で洗浄されてリユースされる。04年の開始
当初10%に満たなかった回収率は、現在では約60%になった。
サンザシの朱き実鈴なり夕陽映ゆ
10月28日(火) 晴れ
INAX はパブリックトイレ向けの超節水商品として、洗浄水ゼロの『無水小便器』の発売を開始した。
『無水小便器』は、便器本体と尿が流れ込む専用カートリッジで構成されている。専用カートリッジには水
よりも比重が軽い密閉液が入っており、フタの役割をすることで尿のにおいを抑える。水を流す必要が
ないので水あかがつきにくく、さらに凹凸のないすっきりしたデザインで掃除もしやすい。
発見すたくさんの実オモト葉陰
10月29日(水) 晴れ
ニューヨークのアポロ劇場のTVのアマチュアコンテストで9大会連続優勝してプロデビューした上野
隆博さん(27)は、大学でブレイクダンスに出会い、卒業後1年間お金を貯めてニューヨークにやってき
た。当初言葉もうまくしゃべれなかった上野さんのコミュニケーション手段はダンスだった。黒人社会に
受け入れられ、黒人文化を知ると、ラップは言葉の掛け合いで決着を付ける手段だし、グラフィティーは
縄張りの決着手段、ヒップホップは何も持っていない黒人が楽しむ手段だと知った。現在は「ザ・ムーブ
メント」のメンバーで、ヨーロッパ公演を控えている。
ベランダの夏花枯れる深き秋
10月30日(木) 晴れ
秋田県大館市のスーパーや公民館の入り口には、市が設置した「こでんリサイクル」回収ボックスが
ある。「こでん」とは「古」い「小」型の家電や電子機器のこと。市民がいらなくなったドライヤーや電話機
などを入れていく。金属資源リサイクルの研究グループが市に協力を求め、市も減量化につながると応
じた。集まった「こでん」は、東北大学の中村崇教授のもとで、種類や製造年、各金属の含有量などを調
べる。部品は企業秘密の部分も多く、解体してみないとどんな金属が使われているか分からない。どの
製品にどれだけのレアメタルがあるか把握し、埋立までに集める仕組みをつくるのが狙い。
寒き夜給湯設定一度上ぐ
10月31日(金) 曇り
標高約千メートルの山中湖周辺にはキツツキやクイナなど170種ほどの野鳥のほか希少な動植物も
棲息する。ここに昨年開業した「PICA山中湖ビレッジ」には、コテージ15棟のほかナスやトマト、キュウ
リを育てる畑があるが、貴重な自然に悪影響を与えないよう、さまざまな工夫をしている。肥料や水はコ
テージやレストランから出た生ゴミ、廃水、雨水を使い、採れた作物はお客さんに食べてもらう。セリなど
を植えた地中に汚れた水を流し、植物の根と共生する微生物の力で浄化。畑にまく水は風車で汲み上
げる。雨水は味噌ダルに貯め、生ゴミはコンポストで堆肥にする。屋根には太陽光発電パネルを設置し、
連泊客にはタオルの交換が必要かどうか聞く。
キッシュ焼くチーズの匂ひ暮の秋
11月1日(土) 晴れ
寝台列車「北斗星」のA寝台には、シャワールーム完備、ウェルカムドリンク、モーニングサービス付
きの1人用個室「ロイヤル」、上下2段式ベッドとライティングデスク付きの「ツインデラックス」がある。B
寝台には、二つのベッドが並行にならぶ2人用「デュエット」、1人用個室「ソロ」(1階室と2階室)、個室で
ない2段式寝台がある。ベッドに寝ころび照明を消すと、雲がない夜は車窓から星を眺めることもできる
し、夜が次第に明け少しずつ青さを増す空を楽しむこともできる。シャワールームや自動販売機、ソファ
ーのようなイスが並ぶロビー空間も利用でき、食堂車では予約でフランス料理や懐石御膳を味わうこと
もできる。
熱々をはふはふ言ひ合ひ食ふも良し
11月2日(日) 晴れ
ケニアの南西部、タンザニアとの国境付近の山麓に位置する「ションポーレ」は2200人のマサイが
権利を有する62,000エーカーの土地に造られた高級リゾート地。リフトバレーのションポーレ山やフ
ラミンゴの繁殖地のナトロン湖に面し、自然保護区に隣接し、エコツーリズムの理念に基づき運営されて
いる。壁や窓のない開放的な独特のデザインのロッジは涼しいげな色で、周囲に巡らした水路が30度
を超すこの地の暑さを和らげる効果を生んでいる。地元のマサイが民族衣装で働き、売店で売るビーズ
やサイザルの籠は地元のマサイ女性が編んだもの。女性たちは売上金から自分たちが使える収入を
得て、山羊や食物、衣服、子供たちの学費などに充てる。このプロジェクトは持続可能な生物多様性の
保護を通じて貧困を減らす草の根運動として国連の2006年「赤道賞」を受賞した。
昨日とは違ふ風木枯らし一番
Good News
No.293
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
11月3日(月) 文化の日 曇り
MAKE the RULE キャンペーンは、CO2 などの温室効果ガスの削減目標を定め、その目標達成のため
に温室効果ガスを確実に減らす制度作りを求めるキャンペーン。2009 年までに、署名、サイバーアクシ
ョン、イベント、勉強会やセミナーなどを通じて新しいルールをつくるために、各党の政治家に働きかけ、
「環境保護法」を制定することをめざす。同法の趣旨は、削減目標を定め、炭素税・排出量取引制度など
を通じて、CO2 を減らす人や企業が報われ、CO2 をたくさん出す人や企業に相応の負担を求め、再生可
能エネルギーを大幅に増やすしくみをつくるというもの。 <www.maketherule.jp/dr5/>
返り花あまりに多し坂の脇
11月4日(火) 晴れ
10月はじめ、神奈川県の足柄ふれあいの村で、認知症の高齢者を対象にしたシニアキャンプが開か
れた。グループホームなど7施設から中程度の認知症患者16人が参加。施設や自宅にこもりがちな高
齢者が、自然の中でわくわくして充実感を得、過去の自分を思い出すきっかけになった。また、高校生
や地元住民ボランティアも35人参加し、認知症について知り、対応を学んだ。参加した様々な施設の職
員は、交流を深め、町づくりを考えるきっかけとなった。
公園のケヤキ色づく頃となる
11月5日(水) 晴れ
お年寄りが銭湯の脱衣所で音楽に合わせて体を動かしたり、歌ったりし、リラックス効果や柔軟性を
高めて入浴する健康教室が広がっている。武蔵野市では、60歳以上の市民全員を対象に8カ所の銭湯
で曜日ごとに無料開放している。脱衣所で転倒防止やぎっくり腰予防の「不老体操」をし、湯船につかっ
て話に花を咲かせる。入浴料は市が負担。
赤き実付け秋をことほぐ小さき木
11月6日(木) 晴れ
カナダとフランスの番組制作会社が製作する持続可能な開発の実践者を特集する番組に、墨田区の
「雨水博士」として知られる区職員の村瀬誠さん(59)が選ばれた。村瀬さんは、雨水利用の研究で薬学
博士号を取得し、区内のビルや住宅を雨水利用型にすることを提唱し、同区を雨水利用の先進地にする
ことに貢献した、「路地尊」は、住宅の屋根の水を集めて防火や緑地の散水に利用する。消防車も入れ
ない狭い路地が多い地区ならではの知恵。村瀬さんが事務局長をつとめる「雨水市民の会」はバングラ
デシュなどに雨水タンクを設置するなどの活動をしている。
小春日や大様変わりの学生街
11月7日(金) 晴れ
子供の数が減り、各学年1学級しかないという小規模学校が都心でも珍しくない。しかし大規模マンシ
ョンが1棟でもたてば、あっという間に人口が増えるのが都会。マンション急増を経験した江東区では、
「安易に統廃合するとかえって非効率的」と、統廃合は当面検討せず、小規模ならではの特色を出す取
り組みを始めた。南砂中では、地域の5、6年生を対象とした「野球教室」を始め、元プロ野球選手がコー
チをする。深川六中では、全校生徒を対象に、2泊3日の勉強合宿を始めた。部屋割りは1〜3年の縦割
り。また5学級以下の中学校で部活動に支障がでる場合は、近隣校の生徒も参加できる拠点校方式を
採用している。
秋晴れの博物館前大ユリの木
11月8日(土) 雨のち曇り
シンガーオングライター馬場俊英さんは、30代後半で、もう一度勝負したいと、大阪と日比谷の野外
音楽堂で3千人のライブの目標を立て、がむしゃらに頑張って、目標を達成した。目標を立てることで、
その過程の日々が輝きだし、かけがいのないものになる。ファンの便りを見て気付いたのは、楽々生き
ている人はいないこと。人知れず闘っている人へのエールのつもりで曲を作った。今まではストレートな
メッセージソングは泥臭い感じで照れがあった。しかし音楽活動で受けた刺激で、今まで自分を守ってき
た殻を破り、一歩踏み出したくなった。誰でも一歩踏み出すことで変わることは絶対あると思う、と語る。
それぞれに語る良きこと秋惜しむ
11月9日(日) 曇り
菊は日本の国花とされるが、我が国の自生種でなく中国からの外来種。キクという呼び名は漢名。和
名はモモヨグサ。百齢(ももよ)も寿命が延びるという意。万葉集には菊の歌は一首もない。記録に残る
最初の歌は、797年、桓武天皇の曲水の宴での即興のもの。その頃我が国に伝わり、宮中や上流貴族
の間で栽培・賞美されていたようだ。江戸時代には民衆化され、驚異的に多様な品種改良により大菊花
ブームをもたらした。とくに江戸巣鴨は菊の見物で賑わった。
山ほどの菊花抱へて娘帰る
Good News
No.294
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
11月10日(月)
曇り
オランダ第2の都市ロッテルダムに9月、二酸化炭素排出量 30%削減目標を掲げるディスコ「ワッツ」
がオープンした。ダンスフロアの一角を占めるパネルが磁気を利用した発電装置で、照明の電源になっ
ている。激しく踊れば踊るほど、柱状の表示針の発光が赤から青に変わり、発電量が増えたことが分か
る。照明は発光ダイオードで省電力化。トイレの水を使う時も、屋根にためていた雨水が頭上の透明な
パイプを通って流れ込むのが見える。「持続可能なダンスクラブ」代表のミシェル・シュミットさん(36)の
発案、米国にも広げていきたいと言う。
ミズキまっ赤に老人ホーム前
11月11日(火) 晴れ
救急患者の受け入れ先が見つからない事態をなくそうと、経済産業省と企業、岐阜大医学部が、新た
なシステムづくりに乗り出す。救急医が身につけてたICタグは、救急医が手術室にいれば手術中、診療
室ならば診療中などと医師の業務状態を認識し、院内に設置されたセンサーを通じて、専用サーバーに
情報を送る。サーバーに組み込まれた人工知能は、現場からの距離や医師の業務状態などの条件をも
とに搬送先として最適な病院を選び、救急車に搭載された端末に指示を送る。早ければ09年度から岐
阜県で実証実験に入る。
小春日や保育児一団一列で
11月12日(水) 曇り
シックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドを吸収する植物を、泉井桂近畿大教授と阪井康
能京都大教授らが開発した。メタノールをホルムアルデヒドに変えて栄養源とする細菌の遺伝子をシロ
イヌナズナとタバコに組み込み、二酸化炭素の代わりにホルムアルデヒドを使って光合成する植物をつ
くることに成功した。今後ポトスなど一般的な観葉植物に応用して、商品化を目指す。
曇天のランチはうどん湯気立てて
11月13日(木) 晴れ
自動車の専門記者らが選ぶ今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーに、トヨタ自動車の「iQ」が選ばれた。全
長3メートル弱の小型ボディーに4人が乗れるコンパクトなデザイン。波の形や生き物のシルエットなど
自然界の造形美を随所に取り組むことで、空力などの走行性能と近未来的なデザイン性を兼ね備えた
小型車。燃費の良さ、安全性が評価された。
直売店大白菜の重きこと
11月14日(金) 晴れ
古くなった消化器の中身をリサイクルしようと、三重県伊賀市にあるモリタホールディングスは、肥料
原料にする技術を開発した、この原料は愛知県内の肥料会社に販売され、コメや野菜の栽培に使われ
ている。消化器に詰める薬剤は現在はほとんどが粉末タイプのリン酸塩類。耐用年数は概ね8年とされ
る。消化器メーカーである同社は、全国から期限切れの消化器を回収し、毎月4万6千本をリサイクルし
ている。以前は回収した古い粉末薬剤は埋め立てるしかなく、処分費に年間4千万円近くかかった。現
在は処理した薬剤の半分をリン酸肥料の原料に加工し、残りの半分は消化器用の粉末薬剤として再利
用し、鉄製容器やアルミの金具などもスクラップとして再資源化している。
タワー下日本庭園散る紅葉
11月15日(土) 晴れのち曇り
竹内健詞さんは、バイク用のエアバックジャケット「Hit-air」を開発した。ライダーが着るジャケットにエ
アバックが搭載されており、転倒するオートバイからライダーが投げ出された瞬間、小型ボンベから炭
酸ガスが噴出して、ジャケットに内蔵されたエアバッグが膨らみ、首や胸、背中を守る。開発当初、国内
では全く相手にされなかったが、海外のプロライダーがら注目を浴び、ブラジル、スペインなどの警察も
導入するようになり、今では世界31カ国と取引をするまでになった。最近では国内のバイクメーカーと
の共同開発も進んでいる。
迷ひ来しメジロの姿冬めく日
11月16日(日) 雨のち曇り
オーロラは極地で見られるものだが、日本でも見られることがある。緯度が低くて、オーロラの上部し
か見えないため、赤色。『日本書紀』にも、「7世紀初め天に赤気が現れてた」という記述がある。長さ1
尺あまり、形は雉の尾に似ていたという。鎌倉時代の歌人藤原定家の日記にもオーロラを思わせる「北
の空の赤気」が登場する。明治以前の人々はオーロラを凶兆と考えていた。1958年2月11日に北日
本一帯で低緯度オーロラが観測され、気象庁が臨時の発表を行った。
庭の隅自己主張する石蕗の花
Good News
No.295
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
11月17日(月)
晴れ
富士山麓に育った佐藤俊明さん(61)は、コンクリートと溶岩を複合させた「ナチュロック」を開発した。
全国の国立公園や公共事業の河川道路などナチュロックの施行現場は1万箇所を越え、緑化に貢献し
ている。溶岩は地中から噴き出したマグマが冷えて固まったもので、天然鉱物ミネラルが豊富に含む上
に、無数の穴が空いているために生物や植物が生息しやすい。「溶岩パネル」は都市のコンクリートに
はり付けることで緑化することができるパネルで、首都高速道路の代々木 PA や都市河川などで使われ
ている。
母をれば紅葉情報気になるころ
11月18日(火) 晴れ
750リットルのワインボトルは従来、重さ460グラム程度だったが、英国のクイン・ガラス社のボトル
工場では薄くて強い330グラムのボトルを開発し、320グラムにも挑んでいる。工場はボトル詰め施設
も兼ね、豪州やカルフォルニア州から船便で運ばれたコンテナのワインをホースで工場内に送り、瓶詰
めしている。英キングランド社では、容器にペットボトルや真空ビニールボトルパックの箱詰めであるバ
ッグ・イン・ボックス(BIB)も使っている。
うす紅も茶色もあるなり桜紅葉
11月19日(水) 晴れ
服部匡志(ただし)さん(44)は、ベトナムで無償の治療をし、6千人の患者を失明の危機から救い「神
の手を持つ男」と呼ばれている眼科医。高校2年生の時、父親を胃がんで亡くしたことから医者を目指し、
4年間浪人をして京都府立医科大学に入学。大学で眼科の木下教授に出会い、自らも眼科医の道に進
む。民間病院で研鑽を積み、網膜硝子体手術の分野では国内でトップ技術を持つ。2001年、母校の学
会でベトナム人医師と出会い、患者の治療と眼科医の指導を懇願され、翌年ベトナムに渡る。以来日本
とベトナムを往復する生活を送り、日本でフリーで仕事をしながら、ベトナムで無償の治療を行ってい
る。
強風に森の落ち葉は空の旅
11月20日(木) 晴れ
静岡市の水島工業が発売した「茶人」は、かつて粋な茶人たちが履いた雪駄をモチーフに作った下駄。
静岡産ヒノキの木目がきれいな部分だけをモダンな形にカットし、鼻緒は帆布にウレタンを入れ、底にゴ
ムを貼った。つま先に向かって絶妙に傾斜するヒノキの木肌が足裏に吸い付き、歩きやすい。静岡は江
戸時代からの下駄の産地だが、最近は需要が落ち込んでいる。水島さんらが「原点に戻ろう」と下駄造り
復活を目指し、足裏の土踏まずに合った形にげたを削ったり、底に歯の代わりにゴムを貼り、1センチ刻
みのサイズを用意し、需要を掘り起こしている。
山間の渓谷とくに暮れ易き
11月21日(金) 晴れ
東レは、中国などで進む砂漠化を食い止める緑地化技術の実証試験に成功した。地面にチューブ状
の樹脂を格子状に並べ、砂が風で動かないようにして、草木の種を根付かせる。樹脂の素材は「ポリ乳
酸」。トウモロコシなどからできており、高温多湿だと、いずれは水や二酸化炭素に分解され、メンテナン
スがいらない。砂漠の緑地化は植林が普通だが、種をまくこの方法は安価で、作業時間も短くて済む。
バレリーナ回転するごとケヤキ落ち葉
11月22日(土) 晴れのち曇り
スズキは、インド発初の世界戦略車「Aスター」をインド国内で発売した。排気量988ccの小型車で、
1リットル当たりの走行距離は19.59キロ。現在インドで生産されている乗用車の中で最も燃費効率が
良い。価格は68〜80万円。欧州向けに、排ガス規制「ユーロ5」を満たすものの輸出を年明けに始め、
将来は中東や南米、アフリカなど150カ国に輸出する計画。
目覚めよと射し込む冬の朝陽かな
11月23日(日) 晴れ
JR中野駅から徒歩5分ほどの雑居ビル2階に「中野・坊主バー」がある。マスターは、真宗大谷派の
僧侶釈源光さん(55)。作務衣姿でカウンターに立ち、カクテルのシェーカーも振る。神戸出身の釈さん
は、以前はやり手の企画マンだった。他社に引き抜かれ、収入が3倍に増えた経験もある。阪神大震災
で友人3人を失い、むなしさに襲われ、心がすさみ、業績もふるわなくなり、リストラで退社。大阪の初代
「坊主バー」に通い、こわばっていた心がほぐされた。バーを手伝うようになり、やがて仏門に。大学時
代にいた東京に戻り、4年前同じ名前のバーを開いた。15人も入ればいっぱいの店は、週末を中心に
20代、30代が集い、夜通し賑わう。客の払いは平均2千円台で、採算はぎりぎり。「いつも寝不足だが、
疲れは感じない」と釈さんは言う。
ベランダの緑取り込み冬支度
Good News
No.296
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
11月24日(月)
雨
神戸製鋼は、インドネシアで、加熱した油を使って石炭を揚げて水分を蒸発させる実証試験を行って
いる。石炭を粉末状につぶして灯油に混ぜ、140度まで加熱し水分を蒸発させ、遠心分離器で灯油を飛
ばし、豆状に固める。石炭の世界の埋蔵量は約9千億トン。可採年数は155年で、40年の石油、65年
の天然ガスに比べリスクが低い。しかし火力発電所や製鉄所で従来使われていたのは水分の含有量
が約10%と少ない高品質のもの。新規に開発された処理法を使えば、水分を多く含むも品質の低い石
炭を有効に利用できる。また灰分や硫黄分は低品質石炭の方が含有量が少ないので、揚げる工程にか
かるエネルギーは増えるが、燃やした後に残るゴミや硫黄酸化物は減る。
冬の川雨も激しく降り出しぬ
11月25日(火) 曇り
アビー社長大和田哲男さんは、CAS(=Cells Alive System)と呼ばれる冷凍技術を開発。この CAS は、
肉、魚問わず、元の新鮮な状態のまま保存できる。従来の冷凍法では、内側から表面へ水分子が移動
していく「毛細管現象」で細胞膜が破壊され、ドリップが流れてしまう。しかし CAS は、微弱なエネルギー
を加え水分子を振動させることで、凍らずに液体の状態が保たれる「過冷却」という状態のまま温度を下
げることができるため、細胞破壊を防ぎ、鮮度が保たれる。今後、親知らずなどの健康な歯を冷凍保存
しておく、ティースバンクなどへの活用が期待されている。
澄み渡るバロックの歌冬の闇
11月26日(水) 晴れ
04年に世界遺産に登録された熊野古道は、中世の貴族らが熊野詣往復約660キロを歩いたことに
始まる道。歴史的遺産だけでなく、森や川、滝、温泉などの自然資源にも恵まれている。和歌山県は、古
くから言われていた癒しの効果に注目し、「熊野セラピー」と名付けた滞在プログラムを作り、「語り部」と
呼ばれるウオーキングガイドを育成し、月数回の健康ウオーキングを実施し、観光客の誘致に力を入れ
ている。
床暖房新聞広げ座り込み
11月27日(木) 雨
栃木県那須町の森の一画に電気柵で区切られた場所がある。広さは約8ヘクタール。中ではジャー
ジー牛たちが気ままに歩き回り、勢いよく下草をほおばっている。ここは「アタミ」が近く始める「森林ノ牧
場」の準備地。放置された森林空間を利用して乳牛を放牧し、近くに整備する工場で搾乳。自然の中で
育まれたブランド牛乳として販売する。もう一つの狙いは、荒れた山地の整備を収益事業として両立さ
せること。森林を健全に保つには、間伐や下草刈りが不可欠だが、森林酪農はその一端を牛に担っても
らう試みでもある。
雨上がり落ち葉踏みしめ深呼吸
11月28日(金) 雨のち曇り
最先端の技術に裏打ちされ、丁寧な手仕事を思わせる繊細さが評価され、日本の繊維が世界のファ
ッションプランドの注目を集めている。小松精練(石川県能美市)のデジタルプリント技術は、1670万色
の色数で、折り目の立体感まで表現できる。薄地だと模様がつぶれ、色が定着しづらいという課題を、
布地を加工する独自の技術で解決した。同じ生地でも、様々な風合いに仕上げられる。エイガールズ
(和歌山市)は、糸の種類とゲージの組み合わせを定番から微妙にはずし、不思議な風合いの生地を編
んでいる。細い糸は切れやすく、甘く編むと引っかかって傷になりやすい。職人技が、機械の癖を読みと
り、最適な速度で編んで行く。帝人は、髪の毛の7500分の1の極細の糸で織ったポリエステルを発表。
水にぬれたような光沢と吸い付くようなタッチに仕上げた。東レは、三角の断面で収縮率の違う2種類の
ポリマーをミックスし、絹より空気を含むポリエステルを開発し、ランバンの08年コレクションに採用され
た。
雨上がりことに枯葉の匂ひ濃し
11月29日(土) 晴れ
水だけで皮脂汚れを落とせ、加工用の特殊な薬剤の残留もほとんどない生地を天然繊維からつくる
技術をダイワボウが開発した。綿は元々表面に油分が多く、生地が水を吸いにくいため、油分を落とし、
精練、漂白の過程を経て「さらし」を作るが、これまで不純物を完全に取り除くことができず、こうした不純
物は油分とくっつきやすく、皮脂汚れが落ちにくい原因となる。ダイワボウが開発した「エコリリース」は
繊維についている不純物を徹底的に取り除いたため、繊維に油分がついても、水中に入れるとセルロ
ースと水がくっつこうとする力の方が強いため、油分は繊維の中から押し出される。このため、すすぎに
使う水の量や洗剤が減らせ、吸汗性もアップ。加工薬剤を使わないため肌にもやさしく、乳幼児向け肌
着として使うこともできる。
お気に入りカップ片手に日向ぼこ
11月30日(日) 晴れ
消火器は火を消すことができるのが一番だが、使用後は粉だらけで掃除の手間がかかる。自転車、
消火器メーカーの宮田工業は、酢を主成分とした家庭用の液体消火器「キッチンアイ」を販売している。
酢以外もすべて食品に使われる成分。漢方薬なども入っている。口に入れても安全。無色の液体のた
め、使った後も周囲が粉まみれになることもなく、汚れは少ない。冷却作用を持つ成分を含むため、天
ぷら油火災でも再着火しない。配合物を入れ酢の刺激臭も消すことができ、自転車塗装の技術を生かし
たメタリックカラーの消火器が完成した。
木枯らしのうなる声聞き思ふこと
Good News
No.297
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
12月1日(月)
晴れ
米誌TIMEの12月1日号の表紙のタイトルは、 From Japan with Love 。同誌によれば、「国内
の景気は低迷しているが、海外では日本のソフトパワーが育ち、あちこちで新たな友情をはぐくんでい
る。」ソフトパワーとは、ハーバード大のジョゼフ・ナイ教授が提唱したもので「力ずくではなく、その魅力
で目的を達成する能力」。文化面では、アニメや漫画、村上隆のアートやキディちゃんを世界に広めた。
経済面では、太陽光発電やハイブリッド車、水の浄化や灌漑システムなど、日本の技術に対する評価が
高い。かつて世界一だったODAは現在は5位になっているが、新生JICAトップには緒方貞子氏が就任
したことなどが、評価されている。
川沿ひの桜の若木も色づきぬ
12月2日(火) 曇り
「ゴスペルを歌って楽しみながら途上国を支援する」というゴスペル教室がある。この教室はゴスペル
歌手ナナ・ジェントルさん(27)が主宰するもの。高校時代ゴスペルを通じてアフリカ文化に興味をもち、
卒業後西アフリカのトーゴで1ヶ月間生活し、現地の貧しさを肌で感じた。日本人が千円出せばトーゴの
多くの人が助かると知った。在日スリランカ人ジャーナリストと出会い、イベントを開催し、収益でスリラン
カに女性の自立を助ける縫製工房を作った。さらにゴスペル教室を作り、会費などの一部を使って途上
国の継続的支援ができるようになった。「自分も楽しめれば、今までボランティアや国際協力に縁がなか
った人も気楽に参加できる。一人一人の支援は少しでも、大勢になればとても大きな力になる」とナナさ
んは話す。
隣家より伸ぶ梅の枝紅葉す
12月3日(水) 晴れ
南米産のガラガラヘビの毒から、モルヒネの数百倍の鎮痛作用がある物質を抽出して合成すること
に、富山大の今野勝弘准教授らが成功した。ガラガラヘビは運動神経を麻痺させる猛毒で知られるが、
かまれても激しい痛みを感じない。今野さんらは、ガラガラヘビの毒を分析。アミノ酸が14個つながった
化合物に鎮痛効果があることを突き止めた。ラットの実験では、この物質を飲んだ群は、飲まない群にく
らべて、ほぼ倍の痛みに耐えることができ、その効果は3〜5日続いた。モルヒネで同じ効果を出すに
は、数百倍の量が必要。今後は痛みを抑える仕組みを解明し、薬品作りにつなげていく予定。
大銀杏舞ひ散る道は歩み緩む
12月4日(木) 晴れ
米誌Scientific Americanの地球環境特集号 Earth3.0 の中で、コロンビア大学の微生物学者
Dickson Despommier教授は、超高層ビルを垂直農場に変えることを提唱している。高層ビルの内
部を作物の育成に最適な温度に保ことができれば、たいていの作物は年に3回くらい収穫できる。植物
だけでなく、ニワトリくらいは飼って、鶏肉と卵も生産できる。収穫物は同じビル内のキッチンで調理すれ
ば、そこで働いたり、暮らしたりする人たちの腹を満たすことができ、輸送のコストは減り、食材の鮮度
は上がる。
冬の陽の乳白色に町を包む
12月5日(金) 曇り時々雨
西宮市駅近くにある民家には、お昼時、認知症のお年寄りや家族、近くに住む人がにぎやかに食卓を
囲む。おかずは皆で持ち寄ったり、この家に住む丸尾多重子さんらが作る。1回500円の利用料で参加
できる。丸尾さんは、両親を見送り、「介護をする人たちがいつでも駆け込め相談する場をつくりたい」と
NPO法人「つどい場さくらちゃん」を作った。現在はスタッフ3、4人。利用者は1日7〜8人。半数以上は
認知患者の家族。家族が買い物や息抜きで自宅を空けたい時は、スタッフが1時間600円で留守番し、
お年寄りを見守る。認知症の知識がないと、家族は患者の行動を受け入れられず、不安や焦りを抱え込
む。孤立しないよう家族を支えるのが狙い。
公園の道を急げば時雨かな
12月6日(土) 晴れ
中川洋さん(57)は、名うての証券アナリストだが、4年半ほど前から不振にあえぐ相模湾の二宮町
の漁業に関わり、町伝統の定置網を復活させた。魚が水揚げされる産地は、かつては消費地と直接つ
ながっていたが、今は東京築地を頂点とする大規模集散システムに組み込まれ、水揚げされてから家
庭の食卓に並ぶまで約2日かかっている。相模湾は魚の宝庫。東京・碑文谷の直売店の店では、朝とれ
た魚を午前中のうちに鮮度の劣化が少ない「生け締め」にし、その日の入荷状況をメールマガジンで知
らせている。メルマガの会員は380人ほど、真っ先に常連になったのは、子供の頃から新鮮な魚を食
べつけていた比較的年配の人たち。次においしいものを食べるのにどん欲な20代、30代。「魚文化を
再生すれば自給率の向上も夢じゃない」と語る。
冬晴れや遠く山なみ高層階
12月7日(日) 晴れ
白菜は、暑さに弱い北国が大好きな野菜。気温が下がり、霜にあたると葉に糖分を蓄えて、甘さが増
す。旨み成分(アミノ酸)は、キャベツの10倍。低カロリーで、ビタミンCや食物繊維をたくさん含む。寒さ
の厳しい中国北部では、白菜は欠かせない存在。庶民はもちろん、皇帝にとっても、冬は主力の野菜だ
った。宮廷では磨き抜かれた白菜料理が生まれ、純白で汚れのない美しい白菜は宝石の翡翠にたとえ
られ、尊ばれた。
ひなたぼこ小鳥水飲むトイの中
Good News
No.298
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
12月8日(月)
晴れ
パリ郊外ヴィルジュイフ市にあるギュスターヴ・ルーシー病院は、ヨーロッパでも最先端のがん治療
が行われている。この病院にはエステティックサロンが設けられ、抗がん剤の副作用などのために脱毛
や皮膚の異常に悩む患者たちに、マッサージやメークなどのエステティックを施し、患者を精神面から支
えている。ここで働くエステティシャンは、がん患者との応対の仕方を学び、患者ががんになっても普通
の女性として生きていくための手助けをしている。
白サギの背中丸める冬の池
12月9日(火) 曇り
水俣病の鎮魂の文学と評された「苦海浄土」を執筆し、水俣病患者の支援活動に携わる石牟礼道子さ
んは、水俣の人たちの心の豊かさを語る。たとえば、水俣のお年寄りは、子供を褒めるときに、「おまえ
は魂の深か子じゃね」と言う。人様を思いやることができるということだ。夕方、海の方から畑に向かって
西風が吹いてくると「西あげ殿がふいてこらすぞ、早うもどろう」と風にも敬称をつける、小麦には「団子
になってくれようぞ」、畑の草には「2、3日来んうち、太うなったね」と話す。競争社会の中ではとうに失
われた心根のやさしさがある。
暮れの秋ここにあそこにもみぢあり
12月10日(水) 晴れ
プラスチック製品の原料となるレジンペレットは、直径3ミリ前後の粒状。工場などから流れ出たもの
が世界各地の海で見つかる。海を漂うレジンペレッとは、海水中の化学物質を高濃度で吸着する。ポリ
塩化ビフェニールの場合、吸着で海水の約10万倍の濃度になる。東京農工大の高田秀重教授は、この
性質を逆手にとり、ペレットを集めて海の汚染を探っている。拾ったペレットは機械にかけ、材質がポリ
エチレンのものだけを選ぶ。一定の濃さに変色したペレットを抽出して、吸着された化学物質を調べれ
ば、最近数年間の汚染傾向がわかる。海水をくんで同様の分析をするには10〜100リットルが必要で、
運搬がたいへん。ペレットならば郵便ででも送れる。「世界各地の調査をして、海洋汚染のモニタリング
手段として役立てたい」と、同教授は言う。
小春日やちょっとランチが長くなり
12月11日(木) 晴れ
魚焼きグリル内の温度は点火2分以内に300度を超え、その後も400度前後の超高温状態が保てる
ので、調理が手早くできる。余分な脂は網の下に落ち、フライパンで焼いた時に比べ、豚肉ならば25%、
鶏肉なら20%の脂分がカットできる。天ぷらやフライ、コロッケ、カレーパンの温め直しにも、強火で2
〜3分でできる。魚のにおいが心配だが、高温で加熱するので、網と皿を洗えばにおわない。
ポストの上風の届けた桜紅葉
12月12日(金) 晴れ
ハワイほど熱心にタロイモ(カロ)が栽培されている土地はない。1500年ほど前にポリネシアからカ
ヌーで渡ってきた時に持ち込まれたタロイモは、改良が積み重ねられ、異
種も300種類を数える。カロは水田で育てられ、1年に一回収穫され、イモ
をとった茎をまた水田に植えれば、再び育ち、何回も収穫できる。集落の中
心を流れる川の上流から水田に水を引き入れる。水田を巡って濁った水は、
いったん地下に流して浄化し、その後再び川の下流に放流するという環境
に配慮した方法が伝統的にとられてきた。
冬木立透けて夕陽の沈みゆく
12月13日(土) 曇り
バルサミコ酢は、ブドウから作られる果実酢。まろやかな酸味と芳醇な香り、そしてブドウの旨みが凝
縮された、北イタリアの伝統的な調味料。バルサミコとは、「芳しい香り」という意味。1年ごとに樽を入れ
替えながら何年も熟成させて作られたバルサミコ酢は、世界一香り高い調味料と言われ、一滴垂らすだ
けで、深いコクを生み出す。醤油との相性も抜群。熟成期間によって、味も値段も様々なので、料理によって使い分けるの
がよい。
桜落ち葉虫食いあるも風情あり
12月14日(日) 雨のち晴れ
ダイキン工業の「クリアフォース」は、集じん、脱臭、除湿、加湿の4機能をもつ多機能型空気清浄器。
機器の3カ所の吸い込み口から空気を取り込み、ほこりとにおいをフィルターで取り除いたあと、除湿と
加湿装置に通す。除加湿用水タンクは、両方に使えるものを底部に置いている。ヒーターも除湿、加湿
の両フィルターで挟むことにより、兼用。さらに、空気中だけでなく、カーテンなどに染み込んだにおいも
とれる機能も加えている。発売後1年で、計画の7万台を上回る好調な売れ行きだ。
凛とした冬の外気に大股で
Good News
No.299
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
12月15日(月)
雨
京都府立大学大学院生命環境科学研究科の塚本康浩教授らは、ウイルスや病原菌を撃退する抗体
をダチョウに作らせて、卵黄から分離、精製する大量生産技術を確立した。ダチョウの卵1個から、4グ
ラムの高純度の抗体が採れる。半年で100個ほどの卵を産むので、ウサギ800匹分に相当する抗体
が1羽のダチョウから半年で作れる。ダチョウは飼育コストも安い。ダチョウの抗体はウイルスや病原菌
に対する感度が極めて高く、熱にも強いこともわかった。1羽のダチョウから多くの抗体が作れるので、
品質のばらつきも小さいなど「予想外の長所」も備えている。低コスト化の実現に伴い、抗体を塗布した
マスクも商品化された。さらに病院などで空調設備のフィルターに使えば、院内感染の防止になる。食
中毒をもたらすノロウイルスの抗体を錠剤に加工すれば、トイレの貯水槽などで使えそうだ
冬帽子斜めにかむりパリジェンヌ
12月16日(火) 晴れ
福岡県飯塚市の庄内生活体験学校は、市内の小学生が数人単位で寝泊まりして共同生活する場。こ
の施設は正平辰男さん(68)が79年から2年かけて完成させたキャンプ場が前身。自然に触れることで、
子供たちに生きる力をつけさせたいという思いからだった。参加する子供たちは、自分のことはすべて
自分で賄う。食事も職員やボランティアの手を借りながら自分たちで作る。風呂や炊飯のための火はま
きを燃やす。洗濯や食堂の床掃除もする。集団の中で自分の役割を学ばせ、助け合うことの大切さを知
ってもらう。
5センチもあるか畑の霜柱
12月17日(水) 晴れ
青森県下北半島では、90年ごろからウニの食害や海水温の上昇で、コンブ漁場の磯焼けに悩んでき
た。コンプは冬の海水温が上がると初夏の生育が悪くなる。ウニはエサの海藻が少ないと、身(生殖腺)
が大きくならないが、数は減らず、わずかに出たコンブの芽を食べ尽くす。そこで、ダイバーがこのウニ
を拾い、雑海藻が茂る水深2〜5メートルの浅瀬にまくことにした。ウニは身の詰まったウニに変わり、
売り物にできるものになった。浅瀬のため船上から網を伸ばせば採取も楽だ。ウニの消えた深海には
昆布が少しずつ生え始めた。
風のあと色とりどりの桜落ち葉
12月18日(木) 晴れ
秋田県羽根後町の農協が美少女のイラストを米袋に印刷したところ、1ヶ月で2年分の米が売れた。
稲穂を手に市女笠の美少女は、イラストレーター西又葵さんがデザインした。仕掛け人は羽後町出身の
山内貴範さん(23)。盆踊りで「美少女イラストコンテスト」を提案し、これをもとに住民の提案で景勝地や
特産品と組み合わせポスター16種類が作られたことが米袋につながった。西馬音内(にしもない)盆踊
りで知られる山あいの町に、関連商品を求めて若者たちが足を運ぶようになり、町が少しずつ元気にな
ってきた。
幼子の寝顔輝く真珠色
12月19日(金) 晴れ
福島県の会津漆器協同組合の若手が立ち上げたBITOWA(ビトワ)は、漆器の可能性を広げ、海外
に発信しようとしようと、インテリア、雑貨を製作している。高蒔絵の技法を用いた「クラシック」、エレガン
トな日常がテーマの「モダン」の2シリーズを展開中。モダンは、オレンジ、水色、ピンク、レモン色とカラ
フル。初年度からパリの見本市「メゾン・エ・オブジェ」に参加。六本木のインテリアショップなど取引は
徐々に拡大している。
かいつぶりせっせと潜りて獲物なし
12月20日(土) 晴れ
原丈人さん(56)は「公益資本主義」を唱え、多くの人々が会社を通じて社会に富を還元できる仕組み
づくりを目指している。持論を実証しようと、最貧国のバングラデシュで同国の NGO、BRAC と合弁で次
世代無線通信技術によるネット接続会社を設立し、都市の学校の授業風景を農村の教室に送ったり、遠
隔地にいる患者の顔色や患部の鮮明な映像を都市の病院で勤務する医師に伝えている。最先端技術
を使えば安い費用でインフラ整備ができる。会社の利益の4割はBRACを通じて地域に還元・再投資し
ている。また理想的なたんぱく源として国連も推奨しているスピルリナという藻類の普及がすすんでい
ないのを知ると、国連直属の NGO の代表大使に選んでもらい、意志決定が迅速でコスト意識の高い民
間プロジェクトを計画。日本の若者にスピルリナを持っていってもらう活動を通じて、「日本はなくてはな
らない国」と言ってもらえる日が来るのを願っている。
冬日向赤子の眠る紅きほほ
12月21日(日) 晴れ
カルシウムは牛乳だけでなく、野菜にもたくさん入っているが、乳酸品からとった方が脳卒中のリスク
が減るようだ。カルシウムには、血圧を下げたり、血液が固まりやすくなるのを防いだりする働きがあり
あり、これが脳卒中を防ぐ。乳製品は吸収率が高いことが、この働きを助けるらしい。しかし、1日コップ
半分強、ヨーグルトならカップ1つくらいが適量で、あまりたくさんだと心臓病のリスクが高まるおそれが
ある。
病院の廊下聖樹の点滅す
Good News
No.300
〜 ちょっと良い話・面白いこと 〜
12月22日(月)
曇り後雨
北海道大学の山岸俊男教授の研究チームの実験によれば、人間は利他的な行動をとる。たとえば
「独裁者ゲーム」。二人組の一方に「ふたりで分けなさい」とお金を預けたとき、独り占めする人はほとん
どおらず、均等に分ける人が多い。将来の見返りを期待して相手にも公平に分けるという心の働きが読
み取れたが、別の実験で、無意識のうちに心が処理した結果だということもわかった。「情けは人のため
ならず」を心が知っていたのだ。こうしてヒトは利他的な行動は、人類に共通する心の枠組みで、「進化
の産物」である。心の進化の原動力となったものは私たちの脳に刻まれた深いシワ。人類が狩猟採集
生活を送っていた太古の昔、過酷な暮らしの中で「協力し合う心」が生まれ、自然淘汰の結果、進化して
きたのではないかという。さらなる実験で、他人を信頼する度合いが高い人は、相手の人間性を見抜く
能力も高いことがわかった。信頼することにより、たくさんの経験をし、道が開けるからだ。
暖かき室内緑児の眠る
12月23日(火) 晴れ
大谷貴子さん(47)は、白血病や骨髄バンクへの理解を求めて、年に300回近く講演で全国を回る。
大学院生時代白血病を発症。骨髄提供者を捜すため、幼稚園から大学院までの卒業アルバムを頼りに
片っ端から電話するうち、中学校時代の友人で名簿に載っていない者がいることに気付いた。いじめに
あい転校していった同級生だ。自分が標的にされることを恐れ、見て見ぬふりをしていたことを思い出し
た。結局奇跡的に白血球の型が合っていた母から移植を受けたが、医師らと骨髄バンクを立ちあげ、
「胸をはって生きるために、今できることを考えて」と呼びかけている。ドナー登録は現在約30万人。患
者の半数が移植可能なまでになった。「あと半分。若い世代から助け合いを広げたい」と、今日も飛び回
る。
風音を聞きつつ作る年賀状
12月24日(水) 晴れ
米国人アイネス・バスカビルさん(77)は、64年から約8年間、宣教師だった夫と日本で暮らした。80
年、夫が材木会社の日本支社長になり再来日。子育ても終わり、途上国のためのボランティア活動に参
加。80年からは、日本ボランティアセンター(JVC)の国際協力のクリスマスコンサートの実行委員長を
務め、これまで約2億円の収益を、JVCに提供してきた。「歌って飲んで友と出会い、人も助ける。そん
な活動をずっと続けたい」と語る。
ベビー服少し大きめクリスマス
12月25日(木) 晴れ
山本シュウさん(44)はDJ。温かい語り口と面倒見の良さが持ち味。「教育現場の沈滞はビタミン不
足だからや」と娘たちの学校に手作りしたレモンのかぶりもので乗り込み、PTA会長を5年間務めた。学
校の役員というだけで敬遠する人たちに「共に感動できるチャンスを逃している」と説得するなど、活躍。
「学校でも家庭でも社会でも、見て見ぬふりがどれだけ多いことか。でも解決策は人の話に耳を傾ける
こと」と自ら育った大阪の長屋にいるおっせかいのおばちゃんを目指して、「We are シンセキ!」をか
け声に飛び回る。
桜紅葉街灯に透けクリスマス
12月26日(金) 晴れ
アフリキッズは、イギリスの本部に集まった資金をガーナ北部の活動にあてている。単なる資金援助
や物資の援助ではなく、まずは自立のためのスキルを伝授し、そのスキルで自立した生活が持続する
ように支援し、結果的にその人が社会全体への責任を果たすようにするというボトム・アップ方式。アフ
リキッズの支援で自立した人たちは、地元のローカル・ヒーローと位置づけられる。その一人、ラデイさ
んは孤児院を経営する。35人の子どもたちの多くは、ストリートチルドレンのたまり場から逃げてきた。
この孤児院で仕事を与えられ、規則正しい生活を送り、学校へ通う。運営の成功により、数年以内にアフ
リキッズのイギリス本部は閉鎖され、アフリキッズガーナが資金も調達し活動を続けるという方式に変わ
る。アフリキッズのリーダーは、病院経営などの利潤からガーナ支部だけで十分な資金調達が可能で、
イギリス本部からの独立が真にアフリカに根ざした NGO としての再出発だと力強く語る。
眠る間も細胞分裂新ベイビー
12月27日(土) 晴れ
「9月10日、僕はアメリカ人としてベッドに入ったのに、翌朝9月11日に目覚めたら、アラブ人になっ
ていたんだ」ニューヨークを拠点に活躍するアラブ系コメディアン、ディーン・オベイダラはそう言って
人々を笑わせる。オベイダラは、パレスチナ人の父とイタリア系の母を持つ、米国育ち、元弁護士の異
色のコメディアン。「同時多発テロ」以来、興行主たちは政治がらみのネタは止めるよう圧力をかけた。
オベイダラは逆風を逆手にとり、イスラムへの偏見や差別、それを生み出すアメリカの政治や市民意識
を徹底的に笑いのめす作戦に出た。そのことがかえって幸いし、NY で再び「普通のアメリカ人」の心を
つかんだ。オベイダラはいま、ユダヤ人コメディアンと組んで「STAND UP for PEACE」というタイトルの
ライブツアーを全米各地で行っている。アラブ人とユダヤ人が堂々とタッグを組んで放つ、微妙で、複雑
で、それだけに爆発力のある笑いだ。
大空を千尋も飛べ幼き子
12月28日(日) 晴れ
米映画「ラーメンガール」。ある日場末のラーメン店「まえずみ」の閉店間際、アメリカ人女性アビーが
ずぶぬれで憔悴しきった様子で店に入ってくる。日本語の全くわからないアビーに、英語の全く分からな
いラーメン店主は「看板だ。帰れ」と言うが、アビーは泣き出してしまう。しかたなく店主はラーメンを出す
が、このラーメンのおいしさにアビーは感動。実はアビーはボーイフレンドの後を追って日本にやってき
たが、彼のアパートに置き去りにされ、放心状態でベランダに立っていたら、ラーメン屋の行列が目に入
りやってきたのだ。ラーメンのおいしさにすっかり元気を取り戻したアビーは、頑固な店主の弟子になる
ことを決意....という映画。
大人たち騒ぎをよそに眠る乳児