湖沼における水質特性とプランクトンに関する研究(第12報) --

湖沼における水質特性とプランクトンに関する研究(第12報)
信里
匡昭
新村
行雄
的場
義典
湖沼の理化学的な水質とそこに生息するプランクトンの特徴から、総合的な水質特性を評
価するため、子撫川ダム貯水池において調査を行った。
理化学的な水質については、有機汚濁指標である化学的酸素要求量(C O D)が3.5mg/lで環
境基準のB類型相当、湖沼の富栄養化と関係の深い全窒素及び全りんが、表層でそれぞれ
0.49mg/l、0.011mg/lで、それぞれⅣ類型、Ⅲ類型相当であった。
プランクトンの出現状況は、種属数、量ともに理化学的水質に応じた生息状況であった。
子撫川ダム貯水池は、栄養塩等の水質特性及びプランクトンの生物相からみて中栄養湖で
あると考えられる。
1
はじめに
水生生物は、水質、地質等の環境の影響を受
け、環境に適応した群集を形成しており、その
2.2 調査地点及び調査時期
調査地点を図1に示す。
調査は湖中央の水深 0∼15m間(11月は、水量
生物の実態を把握することにより、環境要因を
より累積的に評価することができる。このよう
な観点から、理化学的な水質に加え、プランク
が少なかったため水深0∼13m間)の5層につい
て実施した。また、参考のため、流入河川にお
いて2ヶ所、流出河川において1ヶ所について
トンを調査し、総合的な湖沼の水質特性につい
て検討を試みることにした。
これまでに県内主要12湖沼について調査を行
も調査を、実施した。調査時期は夏期(平成15年
8月)、及び秋期(平成15年11月)の年2回とした。
っており、引き続き15年度は子撫川ダム貯水池
について調査を行った。
2
調査の概要
2.1 対象湖沼
子撫川ダム貯水池の概況を表1に示す。
調査対象の子撫川ダム貯水池は、小矢部川支
流の子撫川を堰き止めてつくられた人工湖で、
1978 年に完成し、築後 25 年が経過している。
表1
項
子撫川ダム貯水池の概況
目
諸
0m
500m
1000m
元
集水面積
31.8 k ㎡
堤高
45m
有効貯水量
6000 千m3
ダム型式
ロックフィルダム
利用状況
洪水調節、上水道、発電
図1
子撫川ダム貯水池及び流入 ・流出河川に
おける調査地点
2.3 降水量と湖水の滞留日数
湖水の水質や、生息するプランクトンは、湖
盆形態、天候、降水量、水位変動などによって
大きな影響を受ける。
17
子撫川ダム貯水池における年降水量及び月降
水量の変化を図2、図3に示す。
年、月降水量について、過去4年間の結果と
比較すると、8月の降水量がやや多めであった。
平成15年における子撫川ダム貯水池の平均貯
3500
3000
2500
降水量(mm)
水量は4,675千m3 、総放流量は60,761千m3 であ
り、年平均滞留日数は28.1日、回転率は 13.0回
であった。過 去4年間の平均では、それぞれ
1500
1000
38.1日、9.6回であり、15年は、滞留日数が短か
く、回転率は大きくなっている。
2.4 調査項目及び調査方法1)
500
0
99
2.4.1 水質
(1) 採水方法
湖水は各水深よりバンドン採水器を用いて採
00
01
02
03
年
図2
水した。pH、導電率は、直ちに測定し、他の
項目は、試験室に持ち帰った後、それぞれ処理
を行った。水温は、サーミスター温度計を用い
子撫川ダム貯水池における年降水量
1999
800
2000
2001
2002
700
600
降水量(mm)
水深1m毎に直接測定した。
(2) 測定項目及び測定方法
測定項目及び測定方法を表2に示す。
測定項目は、湖の富栄養化の状態と理化学的
水質特性を検討するため、COD、窒素、りん、
塩化物イオン、溶解性ケイ酸、カルシウム、ナ
2003
500
400
300
200
100
0
1
トリウム等の26項目とした。
図3
表2
2000
2
3
4
5
6 7 8
月
9 10 11 12
子撫川ダム貯水池における月降水量
測定項目及び測定方法
測定項目
測定方法
測定項目
-
測定方法
水温
湖沼環境調査指針9.5.1
HCO3
JIS K 0101 25.1
pH
JIS K 0102 12
溶解性 SiO2
JIS K 0101 44.2
RpH
水質調査法 7.4
DO
2S O4
JIS K 0102 32.1
アルカリ度
上水試験方法Ⅳ-1 14.2
酸度
上水試験方法Ⅳ-1 14.3
Cl
-
Na
+
K
JIS K 0102 35.3
+
JIS K 0102 48.3
JIS K 0102 49.3
2+
SS
環境庁告示第59号付表8
溶解性蒸発残留物
JIS K 0102 14.3
Mg
EC
JIS K 0102 13
T-Fe
JIS K 0102 57.2
COD
JIS K 0102 17
T-Mn
JIS K 0102 56.2
NO3
JIS K 0102 43.2.5
T-Al
JIS K 0102 58.2
T-N
JIS K 0102 45.2
クロロフィルa
湖沼環境調査指針9.5.12.1
T-P
JIS K 0102 46.3
透明度
上水試験方法Ⅳ-15
-
Ca
JIS K 0102 41.3
18
2+
JIS K 0102 50
JIS K 0102 51
2.4.2 生物
植物プランクトン2)3)及びネットプランクト
(3) pH及びR p H
pH及びR p Hの垂直分布を図 .5に示す。
8月の0∼5m付近ではR p H< pH となってお
り、植物プランクトンの光合成による炭酸同化
作用が盛んであったものと考えられる。
ン3)4)(植物、動物プランクトン採集)につい
て深度別に、種属の分類と計数を行った。
植物プランクトンについては、各水深(0∼
15 (11月は13) m間の5水深)よりバンドン採
水器を用いて採水し、ルゴール溶液で固定した
も の を 試 料 と し た 。こ の 試 料 を 3 ml採 り 、
pH , RpH
6.5
水深 (m)
15 (11月は13) m間の4層)より網地 NXX 18
の閉鎖式定量プランクトンネットを用いて採集
し、グルタルアルデヒド溶液で固定したものを
8
10
pH(2003.8)
pH(2003.11)
RpH(2002.8)
RpH(2003.11)
20
試 料 と し た 。 こ の 試 料 を 3ml採り、 Settling
chamberに入れて、倒立顕微鏡を用いて種類ご
とに個体数を計数した。
図5
結果及び考察
pH及びRpHの垂直分布
(4) DO 飽和度
DO飽和度の垂直分布を図6に示す。
3.1 水質
3.1.1 湖沼の水質
8月の表層から2.5mでDO飽和度が 100%以上
になっているのは植物プランクトンの光合成に
よる炭酸同化作用が盛んに行われたことによる
水質測定結果を表3に示す。
(1) 透明度
8月の透明度は、2.8m、11月は、1.6mであっ
ものと考えられる。
また8月、11月ともに水深に比例した低下は
あまり見られず 、8月は10m以下、11月では5
た。
(2) 水温
湖水の動態を知るための基本的な因子である
m以下で、ほぼ一定となっていた。
水温の垂直分布を図4に示す。
8月は、表層では25℃で14m付近まで徐々に
下がり水深14m付近に水温躍層を形成し下層で
DO飽和度(%)
0
100
150
2
水深(
m)
水温(
℃)
15.0
25.0
50
0
は11℃となっており、停滞期と考えられる。一
方、11月は表層では12℃であり、下層でも10℃
と、ほとんど変わらず、循環期と考えられる。
5.0
7.5
0
Settling chamberに入れて、倒立顕微鏡を用い
て種類ごとに細胞数を計数した。
ネットプランクトンについては、各層(0∼
3
7
35.0
0
4
DO (2003.8)
6
DO (2003.11)
8
10
12
14
水深(
m)
5
10
図6
DO飽和度の垂直分布
15
20
図4
水温(2003.8)
水温(2003.11)
(5) SS、溶解性蒸発残留物及び導電率
SSの垂直分布を図7に、溶解性蒸発残留物及
水温の垂直分布
び導電率の垂直分布を図8に示す。
SSは、8月で15m層において急激に増加して
19
いるが、採水時の底質の巻き上げ によるものと
考えられる。11月では、水深の増加に伴って高
SS(mg/l)
2
4
6
2
4
6
8
10
8
10
COD(2003.8)
COD(2003.11)
12
0
6
0
水深r(m)
くなっていた。
溶解性蒸発残留物 及び導電率は、表層を除い
て、水深の増加に伴って高くなる傾向であった。
0
COD(mg/l)
4
2
14
2
SS(2003.8)
SS(2003.11)
水深(m)
4
6
図9
(7) 全窒素
8
全窒素の垂直分布を図10に示す。
8月は、ほぼ水深の増加に伴って高くなって
おり、これは藻類の繁殖による影響と考えられ
10
12
14
図7
C O Dの垂直分布
る。11月は、深さによる傾向は見られなかった。
全層では、8月が0.36∼0.80mg/l(平均: 0.56
mg/l)、11月が0.49 ∼0.65mg/l(平均:0.57mg
S Sの垂直分布
0
/l)であった。
8月、11月の表層の値を平均すると、 0.49mg
/lで、湖沼の環境基準の類型にあてはめてみる
2
と、Ⅳ類型に相当する水質であった。
溶解性蒸発残留物(mS/l)
及び導電率(μS/cm)
0
50
100
6
全窒素(mg/l)
8
10
0.00
0
12
2
14
4
水深(m)
水深(m)
4
16
溶解性蒸発残留物(2003.8)
溶解性蒸発残留物(2003.11)
EC(2003.8)
EC(2003.11)
0.40
0.60
0.80
6
8
10
12
14
図8
0.20
T-N(2003.8)
T-N(2003.11)
溶解性蒸発残留物及び導電率の
図10
(8) 全りん
垂直分布
(6) COD
全窒素の垂直分布
全りんの垂直分布を図 11に示す。
8月が0.013 ∼ 0.029mg/l(平均:0.020mg/l )
で、2.5m層が0.029mg/l と高く、全窒素と同様
COD の垂直分布を図9に示す。
8月及び11月とも、水深による顕著な差はみ
に、藻類の繁殖による影響と考えられる。11月
が0.008 ∼ 0.013mg/l(平均:0.011mg/l)で 、水
深による顕著な差は見られなかった。
られず、ほぼ一定の値で、全層平均で、それぞ
れ3.7mg/l、3.2mg/l であった。湖沼の環境基準
の類型にあてはめてみると、2回 の調査の平均
8月、11月の表層の値を平均すると 、0.011mg
/lで、湖沼の環境基準の類型にあてはめてみる
と、Ⅲ類型に相当する水質であった。
で3.5mg/lでありB類型に相当する水質であっ
た。
20
(10) 陽イオン
ナトリウム 、カリウム 、カルシウム 、マグネ
全りん(mg/l)
0.000
0
0.010
0.020
0.030
0.040
シウムの水深別濃度を図14、図15に示す。
8月、11月ともに、ナトリウムが最も高く、
次にカルシウム、マグネシウムの順となってい
2
4
水深(m)
6
た。
T-P(2003.8)
T-P(2003.11)
8
10
2003.8
12
14
全リンの垂直分布
(9) 陰イオン
炭酸水素イオン、溶解性ケイ酸、硫酸イオン、
(mg/l)
図11
塩化物イオンの水深別濃度を図12、図13に示す。
8月は、炭酸水素イオン の濃度が最も高く、
11月は、炭酸水素イオンと硫酸イオンの濃度が
ともに高くなる傾向であった。水深別では、8
月は、15m層で高く、 11月は、10m,13m層で
高くなっていた。
2003.8
0
図14
70
50
(mg/l)
(mg/l)
60
40
30
20
10
0
0
図12
2.5
5
水深 (m)
10
15
陽イオンの水深別濃度(8月)
Na+
K+
Ca2+
Mg2+
15
0
2.5
5
10
水深 (m)
13
陰イオンの水深別濃度(8月)
2003.11
40
(mg/l)
5
10
水深 (m)
20.0
18.0
16.0
14.0
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
図15
陽イオンの水深別濃度(11月)
HCO3-
35
D-SiO2
SO42-
30
Cl-
(11) 鉄、マンガン、アルミニウム
鉄、マンガンの垂直分布を図16に、アルミニ
25
ウムの垂直分布を図17に示す。
8月は、鉄、アル ミニウムとも に、水深の増
加に伴い高くなっており、マンガンが最下層で
20
15
10
5
急激に高くなっていた。
11月は、鉄が2.5m層から 0.15mg/l前後であり、
マンガンが、全層で低い濃度であり、アルミニ
0
0
図13
2.5
2003.11
HCO3D-SiO2
SO42Cl-
80
20.0
18.0
16.0
14.0
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
Na+
K+
Ca2+
Mg2+
2.5
5
10
水深 (m)
13
ウムが、全層で0.020mg/l程度であった。
陰イオンの水深別濃度(11月)
21
3.1.2
鉄 及び マンガン(mg/l)
0.2
0.4
0
0.6
子撫川ダム貯水池への流入河川水及び流出河
0
2
水深(m)
川水の水質測定結果を表 4に示す。
子撫川ダム貯水池とこれに流入する主要な河
T-Fe(2003.8)
T-Fe(2003.11)
T-Mn(2003.8)
T-Mn(2003.11)
4
6
流入河川及び流出河川の水質
川の水質を比較すると、流入 河川水の値が低い
項目は、COD 、マンガン、ナトリウム、炭酸水
8
素イオン、溶解性ケイ酸、塩化物イオン、全窒
10
12
素、全りん 、クロロフィルaであ った。これら
14
は、藻類の増殖に伴う 内部生産によるものと考
えられる。その他の項目については、差が見ら
図 16
れなかった。。
鉄及びマンガンの垂直分布
また、流出河川水の水質について比較してみ
0.00
0
2
ると、流出水の値が低い項目は、 マンガン、ナ
0.60
トリウム、炭酸水素イオン、塩化物イオン、ク
T-Al(2003.8)
T-Al(2003.11)
4
水深(m)
アルミニウム(mg/l)
0.20
0.40
ロロフィルaであった。
逆に、流出水の値が高い項目は、導電率、溶
6
解性ケイ酸、カルシウムであった。
8
10
12
3.2
14
水質を構成している成分のうち地質に由来す
図 17
地質由来物質
る 物 質 ( Na+ 、 K+ 、 Ca2+ 、 Mg 2+ 、 HCO3- 、
アルミニウムの垂直分布
SO42-、 Cl -)のトリリニヤー・ダイヤグラムを
図19、パターン・ダイヤグラムを図20に示す。
(12) クロロフィルa
クロロフィルaの垂直分布を図18に示す。
8月は表層で4.4g/l、2.5m層で12.0μg/l、5
子撫川ダム貯水池は、 アルカリ土類炭酸水素
塩区とアルカリ炭酸水素塩区 の境界に位置して
m層で4.3μg/l、と特に 2.5m層で高くなってい
た。11月は表層で5.0μg/l、2.5m層で7.0μg/l 、
5m層で6.5μg/l、と2.5m層、5m層で高くな
おり、流入水①は、アルカリ土類非炭酸水素塩
っていた。これは、植物プランクトンの存在量
と同様の傾向であった。
が、いづれも富山県内の多くの湖沼に比べると、
0.0
クロロフィルa(μg/l)
5.0
10.0
イオンに比べナトリウムイオンが多く、 区分の
15.0
境界付近であった。
2
水深(m)
4
6
8
10
14
図18
水は、アルカリ土類炭酸水素塩区 に区分される
炭酸水素イオンに比べ硫酸イオン、カルシウム
0
12
区、流入水②は、アルカリ炭酸水素塩区 、流出
クロロフィルa(2003.8)
クロロフィルa(2003.11)
クロロフィルaの垂直分布
22
Ⅰ
アルカリ土類炭酸水素塩区
Ⅱ
アルカリ炭酸水素塩区
Ⅲ
アルカリ土類非炭酸水素塩区
Ⅳ
アルカリ非炭酸水素塩区
図19
水質のトリリニヤー・ダイヤグラム
図20
23
水質のパターン・ダイヤグラム
3.3
湖沼の生物
Ⅲ類型に相当する水質であった。
植物プランクトンの水深別分布状況を表5、
(2)
プランクトンの出現状況は、植物プランク
ネットプランクトン(植物、動物プランクトン
トンでは、8月、11月とも珪藻類が優占種で、
採集)の分布状況を表 6に、それらの一部の写
出現種属数は、それぞれ22及び21種属、ネッ
真を図版Ⅰ、Ⅱに示す。
トプランクトンでは、 8月、11月とも植物性
(1) 植物プランクトン
鞭毛虫類が優占種で、出現種属数は、それぞ
出現した種属を細胞数でみてみると、8月は、
全層で、珪藻類のCyclotella meneghiniana sp.
(α:α中腐水性∼β:β中腐水性)、次いで同
れ19及び17種属で、種属数・量ともに理化学
的水質に応じた生息が確認された。
(3)
水質の測定結果及びプランクトンの生物相
じく珪藻類のSynedra sp. (o:o少腐水性∼β)
からみて、子撫川ダム貯水池は中栄養湖であ
が多く、出現種属数は合計約22種属であった。
ると考えられる。
11月は、 8月 と 同 様 に 、 珪 藻 類 の Cyclotella
(4)
地質に由来する物質のトリリニヤー・ダイ
meneghiniana sp. が最 も多く、次いで珪藻類
ヤグラムからみて子撫川ダム貯水池は、硫酸
の Asterionella formosa (o ∼β )、渦鞭藻類の
Peridinium sp. (o∼β)の順であり、出現種属
イオンやナトリウムイオンが多く、アルカリ
数は、合計約21種属であった。
境界であり、本県の湖沼で最も多く見られる
(2) ネットプランクトン
アルカリ土類炭酸水素塩区とは、 やや異なっ
土類炭酸水素塩区とアルカリ炭酸水素塩区の
出現した種属と量をみてみると、8月は、植
ていた。
物 性 鞭 毛 虫 類 の Peridinium volzii ( o ∼ β )、
Ceratium hirundinella (o∼β)、等が多く、出
現種属数は約19種属であった。
謝 辞
本調査研究をとりまとめ るにあたり、 子撫川
11月は、8月に多かった2種属が減り、同じ
ダム貯水池の降水量、流況等のデータについて
植物性鞭毛虫類のDinobryon divergens (o∼β)
が多くなり、出現種属数は約17種属で、全体的
は、高岡土木センター よりご提供いただきまし
た。心からお礼申し上げます。
に出現個体数が減少した。
(3) 理化学的水質測定結果との関係
参
子撫川ダム 貯水池では、 窒素、りん等の栄養
考
文
献
1)(社)日本水質汚濁研究協会:湖沼環境調査
塩類は、それぞれ湖沼の環境基準のⅣ類型、Ⅲ
指針、公害技術同友会(1984)
類型に相当し、中栄養 湖相当で、植物プランク
2)廣瀬弘幸:日本淡水藻図鑑、㈱内田老鶴圃
トン・ネットプランクトンも 種属数、量ともに
(1981)
理化学的水質に応じた生息が確認された。
3)水野壽彦:日本淡水プランクトン図鑑、
(株)保育社(1984)
4
まとめ
4)水野寿彦、高橋永治:日本淡水動物プラン
子撫川ダム貯水池について次の知見が得られ
クトン検索図説、東海大学出版会(2000)
た。
(1)
5)ウラディミール・スラディチェック:淡水
有機汚濁指標であるCOD 及び、富栄養化と
指標生物図鑑、(株)北隆館(1991)
関係の深い全窒素、全りんについて、湖沼の
環境基準と比較してみると 子撫川ダム貯水池
の水質は、COD が3.5mg/lでB類型、全窒素が
0.49mg/lで 、Ⅳ類型、全リンが0.011mg/lで、
24
Characteristics of water quality and plankton in Lakes(ⅩⅡ)
Masaaki
Nobusato
Yukio
Shinmura
Yoshinori
Matoba
To estimate water quality from the species of planktons living in lakes,living planktons and
water quality of the Konadegawa river dam reservoir were examined .
Types of the water quality were B for COD (3.5mg/l), Ⅳ for total nitrogen (0.49mg/l), and
Ⅲ for total phosphorus (0.011mg/l).
The species and their number of the planktons
corresponded to the chemical water quality of th e Konadegawa river dam.
The Konadegawa river dam reservoir was regarded as a mesosaprobic lake when lakes are
classified by the amount of nutrient salts and the species of planktons.
25
図版Ⅰ
Ceratium hirundinella
Eodiaptomus japonicus
Bosmina longirostis
Polyarthra trigla
26
図版Ⅱ
Coenococcus sp.
Uroglenopsis sp.
Epistylis sp.
Synedra sp.
27
28
29
30
31