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職務発明規程 007-004-010
○職務発明規程
(平成15年10月1日規程第71号)
改正 平成16年 2月19日規程第15号(全) 平成18年9月28日規程第65号
第1章
総則
(目的)
第1条 この規程は、独立行政法人理化学研究所(以下「研究所」という。)の役員、定年制
職員、任期制職員及びその他研究所の業務に従事する者(以下「職員等」という。
)が職務
上行った発明等について規定し、発明者等の権利の保障に寄与するとともに知的財産権の取
扱いを明確にすることを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において「発明等」とは、特許権の対象となるものについては発明、実用新
案権については考案、プログラム等著作権については著作物の作成、意匠権、回路配置利用
権については創作、品種登録に係る権利については育成、ノウハウを使用する権利について
は案出をいう。
2 この規程において「職務発明等」とは、次に掲げるものをいう。
(1)発明、考案及び意匠の創作については、その性質上研究所の業務範囲に属し、かつ、
その発明、考案、創作若しくは案出をするに至った行為が、研究所における職員等の現
在又は過去の職務に属する発明、考案及び意匠
(2)品種の育成については、その性質上研究所の業務範囲に属し、かつ、その育成をするに
至った行為が、研究所における職員等の職務に属する育成
(3)プログラム等の著作物の作成については、研究所の発意に基づき若しくはその職務の
目的に関連して、研究所の職員等がその職務上作成したもの
(4)半導体集積回路の回路配置については研究所の職務上行った創作したもの
(5)ノウハウの案出については、その性質上研究所の業務範囲に属し、かつ、その案出を
するに至った行為が、研究所における職員等の現在又は過去の職務に属するもの
3 この規程において「発明者等」とは、職員等として職務発明等を行った者をいう。なお、
第4章においては、前項第3号のプログラム等の著作物を作成した研究所の職員等を「作成
者」という。
4 この規程において「特許権等」とは、特許法(昭和 34 年法律第 121 号)に規定する特許
権、実用新案法(昭和 34 年法律第 123 号)に規定する実用新案権、意匠法(昭和 34 年法律
第 125 号)に規定する意匠権(外国におけるこれらに相当するものを含む。)並びに特許法
に規定する特許を受ける権利、実用新案法に規定する実用新案登録を受ける権利、意匠法に
規定する意匠登録を受ける権利(外国におけるこれらに相当するものを含む。)(以下「特
許を受ける権利等」という。)
5 この規程において「育成者権」とは、種苗法(平成 10 年法律第 83 号)に規定する育成者
権及び種苗法第3条に規定する品種登録を受ける権利(外国におけるこれらに相当するもの
を含む。)をいう。
6 この規程において「プログラム等著作権」とは、著作権法(昭和45 年法律第 48 号)第2
条第1項第10号の2のプログラムの著作物又は同項第10号の3のデータベースの著作
物(以下「プログラム等」という。)に係る著作権法第21条から第28条までの著作権(外
国におけるこれらに相当するものを含む。)をいう。
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7 この規程において「回路配置利用権」とは、半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭
和 60 年法律第 43 号)
に規定する回路配置利用権
(外国におけるこれに相当するものを含む。)
及び半導体集積回路の回路配置に関する法律第3条第1項に規定する回路配置利用権の設
定の登録を受ける権利(外国におけるこれに相当するものを含む。)をいう。
8 この規程において「ノウハウを使用する権利」とは、第4項から第7項までに掲げる権利
の対象とならない技術情報等のうち、公然と知られていないものであって、適切な方法によ
り記録されている認識可能な、又は、記録可能な状態にある有用な技術情報(以下「ノウハ
ウ」という。)を開示し、かつ、それを使用する権利をいう。
9 この規程において「知的財産権」とは、特許権等、育成者権、プログラム等著作権、回路
配置利用権及びノウハウを使用する権利をいう。
10 この規程において「特許出願等」とは、特許出願、実用新案登録出願及び意匠登録出願
をいう。
第2章 権利の帰属
(権利の帰属)
第3条 職員等の職務発明等に係る知的財産権は、この規程に従い、特許権等及び育成者権に
ついては研究所が承継し、ノウハウを使用する権利、プログラム等著作権及び回路配置利用
権については研究所に帰属する。
2 プログラム等の著作者は、原則として研究所とする。
第3章 特許権等及び育成者権の取扱い
(届出)
第4条 職員等が、発明等をなしたときは、別に定める発明等届書に発明等の詳細な内容、発
明者等の氏名及び発明者等の間の寄与割合等を記載し、所属長に届け出なければならない。
2 所属長は、前項の発明等届書にその発明等が第2条第2項第1号に該当する職務発明等で
あるか否かの意見を付して、理事長に届け出なければならない。
(認定、決定及び通知)
第5条 理事長は、前条の規定による届出を受けたときは、その発明等が職務発明等であるか
否かの認定をし、職務発明等であると認定したときは、その発明等について、特許を受ける
権利等を承継するか否かを決定する。
2 理事長は、発明者等の氏名又は発明者等の間の寄与割合等について発明者等の間で意見が
異なる届出を受けたときは、前項における職務発明等の可否を認定する前に、関係者等から
必要に応じて意見を聴取し、発明者等の氏名又は発明者等の間の寄与割合等を決定する。
3 理事長は、前二項に定める認定及び決定の結果を速やかに所属長を経て発明者等に、別に
定める職務発明等認定及び権利承継決定書により通知する。
(特許を受ける権利等の譲渡)
第6条 前条の規定により、理事長が各発明者等の特許を受ける権利等を承継すると決定した
ときは、その承継される特許を受ける権利等は、発明等がなされたときに遡って各発明者等
から研究所に譲渡したものとみなされる。
2 前項の場合、発明者等は、特許を受ける権利等の譲渡を証するために、別に定める権利譲
渡書を理事長に提出する。
(特許出願等)
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第7条
研究所は、第5条の規定により発明者等の特許を受ける権利等の承継を決定し、かつ、
理事長が出願を決定した場合は、特許出願等を行う。
2 前項における理事長の特許出願等の決定に係る発明者等への通知は、第5条第2項の規定
に準じて行う。
(認定に対する異議)
第8条 発明者等は、第5条第1項の職務発明等の認定に対して異議があるときは、理事長に
文書により意見を申し立てることができる。
2 理事長は、前項の申し立てを受けたときは、その内容を審査し、当該異議について決定を
行ない、当該発明者等に文書により通知する。
(発明者等の特許出願等及び権利譲渡の制限)
第9条 発明者等は、第5条の規定により当該発明等は職務発明等ではないと認定され、同条
第3項の規定による通知を受け、異議を申し立てた場合は、理事長が第8条第2項の規定に
より当該異議に対して当該発明等は職務発明等ではないと決定をした後でなければ、自らが
特許出願等、又は、第三者へ特許を受ける権利等を譲渡することはできない。
2 発明者等は、第5条の規定により当該発明等は職務発明等であると認定後に特許を受ける
権利等の承継をしないことを決定した後でなければ、自らが特許出願等、又は、第三者へ特
許を受ける権利等を譲渡することはできない。
3 前項において、研究所は、発明者等自ら又は譲渡を受けた第三者が特許出願等し、取得し
た特許権等について、無償の通常実施権を有する。
4 第 1 項において、理事長が職務発明等でないと認定した当該発明等について発明者等が研
究所に特許を受ける権利等の無償譲渡を希望する場合において、当該発明等がその性質上研
究所の業務範囲に属し、かつ、研究所が業務を遂行するために当該発明等を必要とするとき
は、研究所は、当該発明等の特許を受ける権利等の無償譲渡を受け特許出願等をすることが
できる。この場合は、第 5 条第 2 項、第 6 条第 2 項、第 7 条第 2 項、第 11 条、第 24 条、
及び第 25 条の規定を本項の取扱いについて準用する。
(特許権の承継)
第10条 研究所は、職員等の取得した特許権等を職務発明等に係るものとして承継すること
ができる。
2 前項の手続きその他必要な事項は、別に定める。
(特許出願等への協力)
第11条 発明者等は、職務発明等に係る特許出願等及び特許権等に関し、出願、審査、審判、
訴訟等につき研究所に協力するものとする。
2 前項の規定は、発明者等が研究所を退職した後も同様とする。
(育成者権)
第12条 第4条から第11条までの規定は、育成者権の取扱いについて準用する。
第4章 プログラム等著作権及び回路配置利用権の取扱い
(届出)
第13条 職員等が作成したプログラム等が商業的価値を有することが顕在化したときは、職
員等は、別に定めるプログラム等届書に、作成したプログラム等の詳細な内容、作成者の氏
名及び作成者間の寄与割合等を記載し、所属長に届け出なければならない。
2 所属長は、前項のプログラム等届書にそのプログラムが第2条第2項第3号に該当する職
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務発明等であるか否かを付して、理事長に届け出なければならない。
(認定及び通知)
第14条 理事長は、前条の規定による届出を受けたときは、そのプログラム等が職務発明等
であるか否かの認定をし、その結果を速やかに所属長を経て作成者に、別に定める職務発明
等(プログラム等)認定書により通知する。
(登録)
第15条 研究所は、理事長が著作権法等に基づくプログラムの登録が必要であると決定した
場合は、プログラムの登録を行う。
2 前項の規定による理事長のプログラム登録の決定に係る作成者への通知は、第14条第1
項の規定に準じて行う。
(認定に対する異議)
第16条 作成者は、第14条の職務発明等の認定に対して異議があるときは、理事長に文書
により意見を申し立てることができる。
2 理事長は、前項の申し立てを受けたときは、その内容を審査し、当該異議について決定を
行ない、当該作成者に文書により通知する。
(作成者の利用)
第17条 作成者は、別に定める所内手続きを完了させた後、商業目的以外であれば職務発明
等であるプログラム等を利用し、発明者の名前で公表することができる。
2 研究所は、前項の公表に対して作成者に対し著作者人格権を行使しない。
(回路配置利用権)
第18条 第13条から第17条までの規定は、回路配置利用権の取扱いについて準用する。
第5章 ノウハウの取扱い
(届出)
第19条 職員等が案出したノウハウが、商業的価値を有することが顕在化したときは、職員
等は別に定めるノウハウ届出書に、そのノウハウの内容、発明者等及び発明者等の寄与割合
等を記載し、所属長に届け出なければならない。
2 所属長は、前項のノウハウ届出書にそのノウハウが第2条第2項第5号に該当する職務発
明等であるか否かの意見を付して、理事長に届け出なければならない。
(認定、決定及び通知)
第20条 理事長は、前条の規定による届出を受けたときは、そのノウハウが職務発明等であ
るか否かの認定をし、その結果を速やかに所属長を経て発明者等に、別に定める職務発明等
(ノウハウ)認定書により通知する。
(認定に対する異議)
第21条 発明者等は、第20条の職務発明等の認定に対して異議があるときは、理事長に文
書により意見を申し立てることができる。
2 理事長は、前項の申し立てを受けたときは、その内容を審査し、当該異議について決定を
行ない、当該発明者等に文書により通知する。
第6章 発明補償
(補償金の種類)
第22条 第5条及び第6条(第12条において準用する場合を含む。
)の規定により、発明者
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等の特許を受ける権利等及び品種登録を受ける権利を研究所が承継した発明者等に対し、研
究所が支払う対価は次に掲げる補償金とする。
(1)発明補償金
(2)実施補償金
2 第14条及び第20条の規定により、職務発明等と認定されたプログラム等著作権、回路配
置利用権及びノウハウを使用する権利の発明者等に対して研究所が支払う対価は、実施補償
金とする。
(発明補償金)
第23条 研究所は、第6条の規定により、発明者等が特許を受ける権利等を研究所に譲渡し
たときは、別表第1に掲げる額の発明補償金を発明者等に支払う。
(実施補償金)
第24条 研究所は、職務発明等に係る特許権等及び育成者権、プログラム等著作権、回路配
置利用権及びノウハウ(出願中のものを含む。以下同じ。)について、第三者に対する実施権
の設定又は許諾により、実施料の支払いを受けたときは、別表第2に掲げる率により算定し
た実施補償金を発明者等に支払う。
(退職又は死亡した発明者等の補償金)
第25条 補償金の支払を受ける権利は、職員等が退職した後においても存続する。
2 補償金の支払を受ける権利を有する者が死亡したときは、その者の相続人がその権利を承
継する。
第7章 権利の共有化
(所外研究機関等との共同発明)
第26条 研究所は、所外研究機関等と共同して行う研究において、職員等と当該所外研究機
関等に所属する者と共同して行った発明等(以下「共同発明等」という。
)に係る知的財産権
を当該所外研究機関等と共有することができる。
2 共同発明等における職務発明の取扱いは、この規程を適用する。
3 研究所は、第1項により当該所外研究機関等と共同で特許出願等をする際は、予め別に定
める共同出願協定書を締結する。
第8章 権利の譲渡
(権利の譲渡)
第27条 研究所は、知的財産権を第3者に譲渡することができる。
2 研究所が所有する知的財産権を他に譲渡して得た収入はこれを実施料とみなし、発明者等
に支払う補償金については、第24条の規定を準用する。
3 譲渡の手続きについては、別に定める。
第9章 雑則
第28条 この規程は、外国における知的財産権に類似する権利についても適用する。
(秘密保持)
第29条 職員等は、研究所の知的財産権に関して、研究所及びその職員等の利害に関係ある
事項について、必要な期間秘密を遵守し、第3者に開示若しくは漏洩しないものとする。
2 前項の規定は、職員等が研究所を退職した後も同様とする。
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(その他)
第30条 この規程に定めるもののほか、知的財産権の取り扱いについて必要な事項は、別に
定める。
附 則
この規程は、平成15年10月1日から施行する。
附 則(平成16年 2月19日規程第15号)
(施行期日)
1 この規程は、平成16年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この規程の施行前に、既に特許権等の一部を発明者が所有するための申請をしている場合
又は既に特許権等の一部を発明者が所有している場合の知的財産権の取扱いは、その権利が
失効するまでの間、改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
3 この規程の施行後に生じた実施料収入については、この規程に基づき、実施補償金を支払
う。
附 則(平成18年9月28日規程第65号)
この規程は、平成18年10月1日から施行する。
別表第1 発明補償金
特許
: 1件につき25,000円
実用新案 : 1件につき 7,000円
意匠
: 1件につき20,000円
育成者
: 1件につき20,000円
別表第2 実施補償金
実施収入額(年額)
500万円以下の金額
500万円を超える金額
1,000万円を超える金額
5,000万円を超える金額
発明者等への補償率
100分の50
100分の40
100分の30
100分の20
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