収入面、税制面、いろいろな場面で威力を発揮 併用住宅

2003.7.1 号
収入面、税制面、いろいろな場面で威力を発揮
併用住宅
一口に併用住宅といっても、「店舗併用住宅」「賃貸併用住宅」と形態は様々。自宅以外の部分(例えば店舗)
を貸す場合、自己使用する場合に関らず、これらのものを総称して併用住宅といいます。今回は自宅と賃貸住
宅を併用した場合についてご説明します。
土地(賃貸住宅部分も含む)の面積
★メリット1 収入面
240㎡までの部分につき80%減
マイホームの夢へあと一歩などという時、建物の一
部を賃貸することで、収入が生まれ、ローン返済を
■家屋■賃貸部分と使用している家屋は、固定資産
補うことができたり、より資産価値の高い家を建築
税評価額から30%減額したところで評価できます
できるのが、併用住宅の最大のメリットです。
(大阪国税局管内は40%)。
★メリット2-1 税制面(相続税)
★メリット2-2 税制面(固定資産税)
■土地■自宅と賃貸住宅を併用する場合、賃貸部分
■土地■住宅用地の特例
については貸家建付地評価①を適用した上で、自宅と
1戸当り敷地面積200㎡までの部分
⇒
1/6
しての小規模宅地の特例②の減額が可能となります。
1戸当り敷地面積200㎡を超える部分
⇒
1/3
①貸家建付地評価
Point!
更地評価×(1-借地権割合×借家権割合)
併用部分を事務所や店舗として貸すと住
宅用地の特例の対象外となるので、税制面から考え
ると、アパートとして賃貸する方が有利になります。
②小規模宅地の特例
~計算してみよう~
土地 500 ㎡
建物 200 ㎡
全 て 自 宅 と 土地
して使用し
た場合
建物
併 用 住 宅 と 土地
して使用し
た場合
借地権割合はC地区として計算
相続税(評価額の計算)
固定資産税(課税標準額の計算)※
土地⇒評価額 10,000 万円(路線価)
土地⇒固定資産税評価額 10,000 万円
建物⇒評価額 2,000 万円(固定資産税評価) 建物⇒固定資産税評価額 2,000 万円
住宅用地の特例
小規模宅地の特例
240 ㎡まで
10,000 万円×240 ㎡/500 ㎡
×(1-0.8)=960 万円
240 ㎡超
10,000 万円×(500 ㎡-240 ㎡)
/500 ㎡=5,200 万円
960 万円+5,200 万円=6,160 万円
10,000 万円×200 ㎡/500 ㎡×1/6
=666.6 万円
200 ㎡超
10,000 万円×(500 ㎡-200 ㎡)
/500 ㎡×1/3=2,000 万円
666.6 万円+2,000 万円=2,666.6 万円
2,000 万円
●自宅部分 500 ㎡×100 ㎡/200 ㎡=250 ㎡
小規模宅地の特例
2,000 万円(*)
住宅用地の特例
240 ㎡まで
240 ㎡超
自宅 100 ㎡
賃貸住宅
50 ㎡×2 戸
合計 200 ㎡
10,000 万円×240 ㎡/500 ㎡
×(1-0.8)=960 万円
10,000 万円×(250 ㎡-240 ㎡)
/500 ㎡=200 万円
500 ㎡×100 ㎡/200 ㎡=250 ㎡
200 ㎡まで
10,000 万円×1/6=1,666.6 万円
※500 ㎡÷3 戸=166 ㎡<200 ㎡(1戸当り
の敷地面積)なので、500 ㎡全て固定資産税
評価額を 1/6 に減額できます。
●賃貸部分
貸家建付地評価
10,000 万円×250 ㎡/500 ㎡×(1-0.7×0.3)
=3,950 万円
●合計 960 万円+200 万円+3.950 万円=5,110 万円
建物
●自宅部分
●賃貸部分
●合計
2,000 万円×100 ㎡/200 ㎡=1,000 万円
2,000 万円(*と同じ)
2,000 万円×100 ㎡/200 ㎡
×(1-0.3)=700 万円
1,000 万円+700 万円=1,700 万円
※住宅の場合、固定資産税のほかに都市計画税も優遇措置があります。
松下電工株式会社 住建分社 住宅システム事業推進部
協力:監修
公認会計士
金田一広幸・CFP
高坂繁樹/編集
株式会社ELハウジングカンパニー
記載内容は平成15年6月現在のものです。
※無断転載を禁止します