食品工学概論 2007/6/29 乳化 板書補足資料 食品工学概論 陶 29June 2007 :乳化剤分子 ●乳化(emulsification) 油と水が均質化することを乳化という 油 水 溶解(溶ける)とは違う! 乳化したものをエマルション(乳濁液)という 油 W/O 機械的乳化 homogenize(均質化) 水 型 O/W 型 乳化剤の作用 ホモミルク 乳化剤(emulsifier) :親水性、疎水性(親油性)の両方の基を持った分子 (両親媒性分子) ミセル(micelle) 多数の分子またはイオンが集まってできる、溶媒との親和性の大きいコロイド粒子。 たとえば石鹸の水溶液では、ある臨界の濃度(cmc)以上で長鎖脂肪酸イオンが数十個 会合してミセルが形成される。 乳化剤の種類と HLB 値 Span Tween ソルビタン脂肪酸エステル(親油性) ソルビタン脂肪酸エステル・ポリソルベート(親水性) 臨界ミセル濃度(cmc) 乳化剤の使用量:年間2万トン(85 年)∼ 多分3∼4万トンは使用されている 生鮮食料品以外の加工食品には使用されている,あるいは使用される可能性がある 食品は,炭水化物,タンパク質,脂質,水分,空気その他混じりあわない物質の集合体 である.従って無数の界面からできている.乳化剤はこの界面に作用し,界面の性質を変 えることによって,食品の品質を改善する物質となる.すなわち正確には,食品用界面活 性剤と言ったほうが正しい. - 1 - 食品工学概論 2007/6/29 乳化の種類 脂肪酸 ー ポリグリセリン ︵ポリグリセリンエステル︶ W/O 型 water in oil emulsion 脂肪酸 ー ソルビタン ︵ ソルビタンエステル︶ O/W 型 oil in water emulsion 脂肪酸 ー ショ糖 ︵ シュガーエステル︶ 親水基 water 脂肪酸 ー グリセリン ︵モノグリセリド︶ 疎水基 ︵親油基︶ oil 食品用乳化剤の構造モデル O/W 型:牛乳,アイスクリーム,マヨネーズ W/O 型:バター,マーガリン 界面活性剤の濃度と界面張力の低下 乳化剤の濃度を上げていくと(a)のように表面に 界面張力 [dyn/cm] 配列を始め,さらに濃度が上がると(b)のように単分 (a) (b) (c) 子膜ができ,表面張力は最低に向かう.さらに濃度 が上がると,(c)のように余分な分子同士が水中で集 合し水を抱いた状態で会合体(ミセル)を形成する. ミセルができはじめる濃度を,臨界ミセル濃度 cmc cmc (critical micelle concentration)という 乳化剤(界面活性剤)濃度 乳化剤の性質とHLB値 比 率 HLB値 水に対する挙動 作用機能 親水基 疎水基(親油基) 0 100 0 分散せず 10 90 2 1∼3 消泡剤 20 80 4 3∼6 W/O乳化剤 わずかに分散 30 70 6 40 60 8 7∼9 湿潤剤 乳状分散 50 50 10 9∼18 安定乳状分散 60 40 12 O/W乳化剤 透明分散 70 30 14 13∼15 洗浄剤 80 20 16 15∼18 可溶化剤 コロイド溶液 90 10 18 100 0 20 Y. Pomeranz, ed., "Advances in Cereal Science and Technology"(1984) - 2 - Hydrophile Lipophile Balance HLB 値=20 (MH / M) M :界面活性剤の分子量 MH :親水基部分の分子量
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