5 万分の 1 地質図幅 説明書 紅葉山 北海道立地質研究所 平成 14年 3 月 (2002) 図工 f; 片 困 8I9 1 0 J1 1 6 1 1 7 11 14115 1 18119 20121 3 旭川| 、2 1 網 走 22123 2413¥4 1 2 5 1 2 62 7 15 6J7 f 2 18 9110 1 1 2 8 3 2 9 3 30131 3 34135 36112 13114 37 38139 40120 21122 23124' 言寄 云 函 瓦 41142 43144 31132 33134 35136 37138 39140141 4514647148491424314445146471484915051152 , 5 0 1 5 1 52153 54153 54155 56157 5815960161 6216l 64 L 、 92 3I4 516 711 213 415 617 819 1 0 1 1 1 2 す4 1 0 1 1 1 12113 14115 16115 16117 18119 2 0 1 2 1 22123 24125 1 8 718 19120 21122 23124 25128 29130 31132 33134 35136 37138 26127 28129 3 0 1 3 1 32 園 341404114243144451464714849 斗勺3fa 許:> 件内j。示ヲ' 37138 3914041142 43144 45150 51152 53154155 d h u 国 4814950151 52153 54155 56156 57158 59160 恒向 川 書店 h Mw胆 70J6566167168 7 3 74175 76177 2 1 78179 8 0 1 8 18 83184 85186187 ァ J 62J63 6116263164 担 同巴 4 札 幌 也監但 2 劃I 路 この地質図幅は、北海道総合開発の一環と して、北海道開発庁の委託により実施したも のを、北海道においてとりまとめたものである。 平成 14年 3 月 北海道 5 万分の 1 地質図幅 説明書 紅葉山 (札幌一第 33号) 高橋功二 谷口久能 渡辺順 石丸聡 北海道立地質研究所 平成 14 年 3 月 (2002) 目次 まえがき…・・ I 位置および交通…………...・ H ・ H ・ H ・.....・ H ・ H ・ H ・.....・ H ・.....・ H ・ H ・ H ・..……… 2 H 地形……...・ H ・..…………………...・ H ・..…...・ H ・.....・ H ・.....・ H ・.....・ H ・..…… 3 I I . 1 山地…………………………...・ H ・..…...・ H ・ H ・ H ・..…………………… 3 I I . 2 河川…… H ・ H ・......・ H ・......・ H ・....・ H ・..……・ H ・ H ・-…...・ H ・..…・……… 6 I I . 3 段丘および沖積面………… H ・ H ・...… H ・ H ・...・ H ・-…...・ H ・...・ H ・..…… 7 皿地質概説…..,・ H ・.....・ H ・.....・ H ・.....・ H ・ H ・ H ・.....・ H ・..…...・ H ・.....・ H ・..……… 8 町 神居古津構造帯を構成する諸岩類…….....・ H ・...・ H ・-…・… H ・ H ・.....・ H ・ ···12 N. 1 ………...・ H ・.....・ H ・..…..,・ H ・.....・ H ・..………… 12 N .1 . 1 A相 …………………・・・…………………・・・・・・……一-………… 12 1 .2 B相 ……………・・・・・・・・・………………・・・……......・.....… ......14 町. 2 町. 町. V ハッタオマナイ層 蛇紋岩および貫入岩 2 . 1 蛇紋岩 …………...・ H ・.....・ H ・.....・ H ・..……………… 18 …………...・ H ・..…………...・ H ・...・ H ・-……………… 18 N. 2 . 2 微閃緑岩 蝦夷累層群 ……...・ H ・..…………......・ H ・ H ・ H ・..…..,・ H ・.........・ H ・-……… 19 V . 1 中部蝦夷層群 V .1 . 1 稲里層 ..,・ H ・..……………...・ H ・ H ・ H ・..………...・ H ・..…… 19 …......・ H ・..………………...・ H ・ H ・ H ・.....・ H ・..……… 19 ……………...・ H ・-…....・ H ・..……...・ H ・...・ H ・-……… 19 V.I. 2 ヌタポマナイ層 ………………・・・…・・・・・・・・・……………… ·..21 V.I. 2 . 1 下部層 ……………...・ H ・.....・ H ・....・ H ・..………・…… 21 V.I. 2 . 2 主部層 …………...・ H ・.....・ H ・.....・ H ・.....・ H ・..……… 23 V.I. 2 .3 V .2 M …………...・ H ・..………'"・ H ・..………… 25 下部層 …………………….....・ H ・...… H ・ H ・...・ H ・-…-……… 25 上部層 ………………… H ・ H ・-… H ・ H ・..……...・ H ・..,…・・…… 26 幽関l層群 占第三系 V I . 1 ……….....・ H ・-一……………...・ H ・....・ H ・..… ·24 上部蝦夷層群一長和層- V .2 . 1 V . 2. 2 V. 3 上部層 …………………………………………….....・ H ・-……ー… 29 ……………………………………………..,・ H ・ H ・ H ・..…………… 34 石狩層群 V I . 1 . 1 ...・ H ・-……...・ H ・-….......・ H ・.....・ H ・.....・ H ・・ H ・ H ・..……… 34 登川層 ……・・・・・・・・・・・・…...…………・・・………・・・……・・・・・・・・・ 34 V I . 1 .2 幌加別層 V I . 1 .3 夕張層 ・・……… H ・ H ・.,.・ H ・.....・ H ・ H ・ H ・...・ H ・..…...・ H ・ H ・ H ・ ..36 V I . 1 .4 若鍋層 …...・ H ・.....・ H ・..…...・ H ・..…...・ H ・ H ・ H ・-・…...・ H ・..… 40 V I . 1 . 5 幾春別層 ……………...・ H ・..…………...・ H ・-・……………… 36 …………...・ H ・..……...・ H ・..…'"・ H ・.....・ H ・ H ・ H ・ "41 V I .2 幌内層 V I .3 紅葉山層 V I .4 古第三系の地質年代 V I I 新 第 三 系 .・ 1 四 · …・…....・ H ・.....・ H ・...・ H ・.....・ H ・....・ H ・....・ H ・-…・....・ H ・-… ..42 ……...・ H ・.....・ H ・.....・ H ・..……………'"・ H ・..…....・ H ・ ....49 H・ . . … … … … … … . . . ・ 滝の上層 …...・ H ・-一…...・ H ・..…………・・………...・ H ・ ..50 H ・...・ H・ . … . . ・ H ・...・ H ・...・ H ・ ..·51 ……...・ H ・.....・ H ・.....・ H ・.....・ H ・..…...・ H ・..……...・ H ・..… 51 V I I . 2 川端層 V I I . 3 新第三系の地質年代 …………...・ H ・.....・ H ・..…...・ H ・..………………...・ H ・..…… 55 ……………………...・ H ・..……...・ H ・.....・ H ・ "58 珊第四系……………………...・ H ・..……………...・ H ・.....・ H ・..…...・ H ・..…… 58 咽· 1 段丘堆積物 珊· 2 沖積層-完新世段丘群・沖積面一 ……...・ H ・..……...・ H ・-……...・ H ・...・ H ・....・ H ・...… H ・ H ・ 58 ……...・ H ・..………...・ H ・ H ・ H ・ ..62 E 安山岩(貫入岩) ...・ H ・..…………...・ H ・...……………………………-…… ·63 X 地質構造 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 63 耳石炭資源…………...・ H ・..………...・ H ・..……………...・ H ・..……...・ H ・..… 71 E 応用地質…...・ H ・..…...・ H ・.....・ H ・ H ・ H ・..………………………...・ H ・..…… 95 1 地下資源…...・ H ・ H ・ H ・..…...・ H ・..…………...・ H ・..……...・ H ・..…… 95 X I I .2 地すべり地形……………...・ H ・..……...・ H ・..…………...・ H ・..…… 101 四· 文献 ......................................................····································105 A b s t r a c t … … … … … ・ ・ ・ … ・ ・ ・ … … … … … … … … … … … … … ・ ・ … ・ … … … … … … 111 5 万分の l 地質図幅 説明書 紅葉山 (札幌-第 33号) 北海道立地質研究所 高橋功二* 谷口久能** 渡辺順*** 石丸聡 まえがき 地質図幅「紅葉山」は,北海道開発庁の委託により 昭和 52年から 55年にか けて野外調査が実施され取りまとめられたが,諸般の事情により印刷刊行に至 らないまま経過してきたものである.その後 当時調査を分担していた高橋を 中心として,新たな資料や知見を加昧しながら,再度とりまとめをする方向で 検討が進められた. 高橋は,白亜系・新第三系分布地域を中心に若干の補足調査を行うとともに, 全体の取りまとめにあたった.谷口は 旧北海道炭鉱汽船(時の資料をもとに 炭団地帯の古第三系について取りまとめるとともに,本図幅においては石炭資 源が重要な位置を占めるので,主要炭鉱関係の資料を整理し取りまとめた.渡 辺は,図幅東部地域の神居古湾構造帯に属する地域の諸岩類,および本図幅内 の石炭・石油資源以外の鉱産資源について取りまとめた.また,石丸は図幅内 の第四系,地形,地すべりについて取りまとめた. 本図幅取りまとめにあたっては 多くの方々にお世話になった.九州大学名 誉教授松本達郎博士からは,主に論文を通じて,蝦夷累層群の化石層序や地質 構造についてご教示を賜った.東北大学大学院理学研究科地圏環境進化学講座 教授海保邦夫博士には,当初の野外調査時からその後の研究成果まで.特に微 化石層序について多くのこで教示を賜った.地質調査所北海道支所の中川充博士 *元北海道立地質研究所(現和光技研(株))日北星コンサルタント(怖 -1- 日*元北海道大学理学部 には,クロム鉱山,白金族鉱物の産出や文献等についてご教示を賜った.穂別 町在住の長岡晴道氏には 図幅内大型化石についてご教示頂いた.北海道立地 質研究所の垣原康之氏には,幌内層を貫く安山岩の薄片観察を,同所岡崎紀俊 氏には,地形解析図作成の労を煩わした.北海道立地質研究所の関係者,和光 技研(株),北星コンサルタント(特には様々な便宜を図って頂いた. 以上の方々に厚くお礼を申し上げる次第である. I 位置および交通 この図幅地域は,北緯42° 5 0 ' -43ー 0' , を 占 め て い る . 行 政 区 画 で は , 中 央 部 か ら 東 部 の 大 部 分 が 胆 振 支 庁 管 内 穂 別 町 に , 西 部 か ら 北 部 の 夕 張 川 と そ の 支 流 流 域 は 夕 張 市 に , 西 南 隅 の 一 部 が 空 知 支 第 1 図 調 査 位 置 図 一 2- '東経 142° 0 142ー 15' の 範 囲 庁管内由仁町,および胆振支庁管内厚真町にそれぞれ属している. 交通は, JR 石勝線が図幅のほぼ中央部を東西に貫通し,道央と道東を結ぶ 幹線となっている.また,旧国鉄夕張線の紅葉山駅は新夕張駅と改称され, JR石勝線は,新夕張駅と図幅外北部の夕張駅間の運行もされている.国道は, 274 号線がJR石勝線と同様に 図幅地域を横断している.平成 3 (199 1)年に は,未供用部分の日高・穂別間も開通し, I 石勝樹海ロード」と名付けられて, 道央固から道東国への産業・観光の大動脈として機能している.北海道横断自 動車道(道東自動車道)は,国道 274 号線とほぼ平行するルートで建設され, 平成 11 (1999) 年には 千歳・恵庭ジヤンクション~夕張 Ie (紅葉山)聞の 営業が開始されている.紅葉山で国道 274号線から分岐し,芦別方面に向かう 国道452号線は夕張川と平行している.この他 図幅南東部には稲里付近で国 道 274 号線と分かれ,南方の穂別市街に向かう道道穂別鵡川線,図幅北東部に は,パンケモユーパロ川に沿う道道夕張新得線がある.また,各集落を結ぶ市 町村道や各主要河川沿いに林道が発達している. E 地形 図幅地域は夕張山地の南西部に当たり,北東隣「石狩金山 j 図幅内の夕張岳 (1 , 668m) を中核とする急峻な山地域から,漸次標高を減じる地域に相当する (第 1 凶),山間部を流れる主要河川沿いには,段丘および沖積面が発達して いる.その地形を第 2 図鳥搬図にしめす.なお,図幅地域の河川は太平洋と日 本海に注ぐ水系があり 本地域はこれらの分水界となっている. ] I . 1 図 幅 地 域 の 山 地 は . 第 山 地 3図 切 峰 面 図 に 明 瞭 に あ ら わ れ て い る よ う に , 並ぶ東部・中央部・西部の 3JIJ に 南北性の山稜によって特徴づけられている. 東部の予IJ は, I 石狩金I1 J J 図幅の夕張岳から南方ヘ連なる山袴で,清風山 (717m) を経て,本図幅地域に入ると 500~700m の山稜を形成して,図幅東南 隅の坊主山 (790.7m) に連なる.中央部の列は,北隣「大夕張 J -3- (現地形図名 43ー 00' 800 打1 700 ~ 600 500 400 日 300 1420 ~~42 。 15~'" 50' 200 100 第2 図 図 幅 範 囲 の 鳥 敵 図 142 00' 0 142 03' 0 142 06' 0 1420 09' 1420 12' 。 142 15' 0 ~km 第 3 図 切 峰 面 図 「石狩鹿島 高 600m J) 凶幅内,シューパロ湖ダムサイトを通る山稜で,本図幅内では標 を越える(最高点 755m) 山稜として,登川付近まで明瞭に追跡できる. しかし,登川以南の連続はあまり明瞭でない.僅かに登川南方とその西側に分 岐した 400-500m 図幅の雨霧山 の標高の山稜が不明瞭ながら続く.西部の列は,西隣「追分 (509m) から 図幅西端の鬼首山 で夕張川を横切る南東方ヘ連なる山稼で,その標高は 以上述べたそれぞれの山積は j (641m) を経て,紅葉山付近 400-500m を越える. 地質分布と調和的である.東部の坊主山(第 4 図)を中心とする山積は,蛇紋岩を主体とした神居古津構造帯を構成する岩 石で構成され,穣線付近には蛇紋岩地特有の緩斜面が発達する.中央部の山稜 は,白亜系の砂岩を主体とした函沸 線が分岐し不明瞭であることは l層群から構成されているが,登川以南の稜 函淵層群が反復分布する地質構造の按雑さを 反 映 し て い る . 西 部 の 鬼 首 山 か ら 南 東 に 連 な る 山 稜 は 古 第 三 系 紅 葉 山 層 の 分 -5- 第 4 図坊主山(稲里付近から) 布そのものを反映している.中央部・西部の山稜とも,穣線付近には狭 p 緩斜 面が分布するが,その直下の山腹には急斜面が発達する.函沸l層群と紅葉山層 は,ともに比較的堅硬な岩質であることから,これらは開析されにくい部分が 残った組織地形とみなすことができる.一方 中・上部蝦夷層群・幌内層・滝 の上層の泥岩を主体として構成される山地・丘陵地は,比較的軟弱な岩質であ るため,地形開析が進行し緩傾斜の斜面が発達する. n .2 河 川 図 幅 地 域 に は , 前 述 し た 山 地 を 特 徴 づ け た 山 稜 聞 の 低 地 に 沿 い , 河 川 が 発 達 す る . 図 幅 内 の 主 要 河 川 は , 図 幅 北 西 部 の 夕 張 川 , 図 幅 北 東 部 の パ ン ケ モ ユ ー パ 叫 I , 図 幅 東 部 の 穂 別 川 が 挙 げ ら れ る . パ ン ケ モ ユ ー パ ロ }I は 上 記 東 部 山 稜 (I 石 狩 金 LlJ J 東 隣 「 日 高 」 図 幅 内 ) を 源 流 と し , 図 幅 北 部 で 西 へ 流 路 を 取 り , 登 川 以 北 の 中 央 部 山 稜 東 側 低 地 に 沿 っ て 北 ヘ 流 路 を 変 え , 1大 夕 張 J 図 幅 内 の シ ュ ー パ ロ 湖 で , 夕 張 山 地 主 枝 部 を 源 と す る 夕 張 川 に 合 流 す る . 合 流 後 の 夕 張 川 は 「 大 夕 張 」 図 幅 内 で 西 ヘ 流 路 -6- を取り,図幅北西部の清水沢付近から南流し,紅葉山付近で再び西ヘ流路を取 り,西部の鬼首山から連なる山稜を横断して「追分」図幅に入る.図幅内での 夕張川の水系は,ほぽ登川以北の中央部山積東西両側,および図幅南西隅の厚 真町管内を除く西部山稜の東西両側になる.夕張川は 図幅北西方の江別付近 で石狩川に合流し日本海に注ぐ. 穂別川は, I 日高」図幅から西ヘ流路を取り図幅内に入るが,図幅内では東 部山核と中央部山積に挟まれた低地を南流し,南隣「穂別」図幅ヘ入る. した がって 2 列の稼線に挟まれた地域は,穂別川の水系になる.南東部坊主山山稜 の東側は鵡川の水系となる.鵡}I I は「日高」図幅の西側に沿って南流し, I 穂 別」図幅内の穂別市街地付近で穂別川と合流後 さらに南方ヘ太平洋に注ぐ. なお,厚真町管内は厚真川の水系となり,南西方で太平洋に注ぐ. l I . 3 段丘および沖積面 更新世・完新世の河岸段丘や沖積面など平坦な地形が,主要河川沿いに発達 する. 第 5 図河岸段丘(沼の沢周辺) -7- 更新世の段丘は堆積性の河岸段丘で,比高 70-100m の T1 ,比高 40-60m の 1'2,比高約 20m の1'3段丘の 3 段に分けられる.夕張川流域では,清水沢から 紅葉山にかけて特に段丘面が幅広く発達し, T1' 1'2・1'3段丘が揃う(第 5 図). 更新世の段丘は,穂、別川やパンケモユーパロ川流域にも比較的よく発達してお り,特に T2' 1'3段丘は連続性がよい.段丘背後の斜面には,寒冷地北海道特 有の山麓緩斜面が発達する. 完新世段丘は,比高数 m から 10m の段丘崖を持つ侵食性の段丘で,多段化し ている.夕張川流域の沼ノ沢から紅葉山にかけて最も幅広く発達する.低位の 段丘面は,沖積面とほとんど高度差がない.沖積面は,現河床の氾濫原堆積物 により構成される平坦面である. E 地質概説 図幅地域の地質構成を大きく見ると,図幅北東隅,および南東部に神居古津 構造帯に属する諸岩類が隣接図幅から張り出し,その西側の図幅東半部に白亜 系蝦夷累層群が,そして図幅西半部は,石狩炭田南部を構成する古第三系,お よびその西縁を形づくる新第三系が分布する.なお,新第三系は,図幅東部の 神居古津構造帯と蝦夷累層群に挟まれた地域や,神居古津構造帯内部にも分布 している.これら諸地層の配列分布は,ほぽ南北性の性状を持つ地質構造に支 配される. 以上の図幅地域の地質構成は 第 1 表のように取りまとめることができる. 神居古津構造帯は,北海道中軸帯西縁の構造帯で,図幅北東部・東部・南東 部に隣接する,それぞれ「石狩金山 J , I 日高J. I岩知志j 各図幅を特徴づけて いる.本図幅でもその延長部が分布する.すなわち,図幅北東隅には「大夕張J. および「石狩金山」図幅地域から連なる蛇紋岩類が僅かに分布している.そし て,図幅南東部には「日高」図幅地域から連続して,一部変成岩化した黒色粘 板岩を主体とし,スピライト質岩類を伴うハッタオマナイ層,および蛇紋岩類 が分布している. 白亜系蝦夷累層群は 「大夕張 j 図幅地域から連続して図幅東半部に広く分 布し,下位から中部蝦夷層群・上部蝦夷層群・函沸l層群に大きく三分される. -8- 第 1 表地質総括表 層序 時代 第完重量 四 新 紀 新第 世 -購 2彊且 1 Kb 中新世 紀 漸新世 古 始 新 Tk 700ア 泥岩、砂岩(磯岩を伴う) 紅葉山層 M j 320砂質シルト岩、火山性砂岩 F E 幌内層 世 第 後 A-O 期 一 始 新 紀 世 中 期 白 亜 紀 700+磯岩・砂岩・泥岩互層 滝の上層 H G 泥泥岩岩((凝凝灰灰岩岩をを伴伴うう) 100 P i 300 Ph Pg 260泥岩(凝灰岩を伴う) P f180-130泥岩(凝灰岩を伴う) 50 泥岩 Pe Pad 370 土 泥石砂岩(基底部は礁岩・海緑 岩) 60 砂 岩 ・ 泥 岩 互 層 150砂岩、泥岩 石 重若重鍋型屠 屋 I k Wk 狩 Yb 最大 200 砂挟む岩) ・シルト岩 層 夕張層 群 幌 加 完 函淵層群 実上部蝦 実 累 層 (深牛様岩層) 上部層 Uy2 長和層 群 y l 下部層 U 層中部蝦夷 ヌタポマ 上部層 群 下 層 層 ナイ層主義層 群 稲里層 先白亜紀亜紀 ハッタオマナイ層 初 期 自 ←玄武岩質安山岩 ) E層(石炭を 大 150 泥岩(泥鉄岩を挟む) Hr 最 Nb 最大 50 砂岩(石炭・泥岩挟む) 岩 ( 磯 岩 挟 む ) 、 シ ル ト 岩 1 . 3 5 0砂 Hk Cg (2-10) 磯岩 I) 層 登 川 層 蝦 *.成岩・火成活動 砂 、 礁 、 粘 土 砂、礁 砂、磯 砂、礁 a l t 3 t 2 t , 川端層 岩相及び岩質 記号 |層埠 (m) B相 A相 l , 泥岩、シルト岩(凝灰岩を挟 500+ む) 250+泥層岩挟、むシ) ルト岩(砂岩の薄 100砂泥 石室岩 Mv4 山 泥石 山 凝灰石 山互 My3 600+ My2 100+砂 ・泥岩・凝灰岩互層 Myl 2.000+泥岩(砂岩・凝灰岩薄層) ス岩ピ、緑ライ色ト準質片岩岩、、同青質色凝片灰 Hb 粘岩む、) 板(岩チ、ャ千ー枚ト・岩石、灰黒岩色を片 Ha !←酸性凝灰岩 層 岩 含 ←蛇紋岩岩 (S(pD J ←微閃緑 各層群の関係は,それぞれ整合である.蝦夷累層群の分布は, 経てさらに南へ延長している.なお 下部自民夷層群は本図幅内には分布してい ない. 中部蝦夷層群は,下部の稲里層と上部のヌタポマナイ層に二分される. 稲里層は暗灰色を呈し,比較的層理の発達した泥岩よりなる.アンモナイト など大型化石,および微化石からセノマニアンを示す.下限は断層により不明 である. ヌタポマナイ層は岩相から,下部・主部・上部の三部層に分けられる.下部 -9- j ) 塩 基 性 火 成 活 動 r 穂別 J 図幅を および上部層は,砂岩・泥岩の互層からなり凝灰岩を挟む.砂岩はタービダイ ト相を示す.主部層は暗灰色の泥岩を主体とし 砂岩や凝灰岩の薄層を挟在す る.産出するアンモナイト・イノセラムス化石から ほぼチユーロニアンを示 す. 上部蝦夷層群一長和層ーは,中部蝦夷層群の分布地域を軸核として,その両 翼に分布する.暗灰色塊状の泥岩を主とする地層であるが,下部・上部の部層 に分けられる.下部層は細粒砂岩の薄層を挟み,板状の層理が見られる.上部 層は灰白色の凝灰岩を挟在する.アンモナイト・イノセラムス化石から,下部 層はほぼコニアシアンに上部層はサントニアンから一部カンパニアンを示す. 函測層群は,砂岩を主体としシルト岩を伴う地層で,下部の層準には酸性凝 灰岩を挟在する.また 一部石炭層を伴う陸成層もある.岩相から 6層に区分 されるが,地域的に層相の変化が激しい.ほぼ中位の層準にある磯岩層(深牛 礁岩層)は,図幅地域ほぼ全域に追跡できる.この層群の時代は,アンモナイ トや海棲貝化石の同定からカンパニアン~マーストリッヒアンを示す.なお最 近,渦鞭毛藻化石の同定から,本層群最上位の層準を古第三紀暁新世に対比す る報告もある(鈴木ほか, 1 9 9 7 ) . 古 第 三 系 は , 石 狩 炭 田 南 部 地 域 ( 夕 張 炭 田 ) の 夷 炭 層 を 伴 う 石 狩 層 群 , そ の 上 位 の 幌 内 層 , お よ び 紅 葉 山 層 か ら な る . 図 幅 地 域 の 石 狩 層 群 は , 白 亜 系 の 諸 層 を 傾 斜 不 整 合 に お お い , 下 位 か ら 登 川 層 ・ 幌 加 別 層 ・ 夕 張 層 ・ 若 鍋 層 ・ 幾 春 別 層 で , 石 狩 炭 田 南 部 地 域 の 全 層 序 が 分 布 す る . し か し , 石 狩 層 群 の 諸 層 は , 東 お よ び 南 東 方 ヘ 向 け 上 位 の 幌 内 層 の 削 剥 を 受 け , 穂 別 ・ 稲 里 方 面 で 消 滅 す る . 層 相 は 全 体 的 に 見 る と 砂 岩 ・ シ ル ト 岩 の 互 層 で , 若 鍋 層 の み が 海 成 層 で あ り , 他 は 淡 水 成 層 で あ る . 図 幅 地 域 で は 登 川 層 , お よ び 夕 張 層 が 石 炭 層 を 挟 み , か つ て 稼 行 さ れ た が , 特 に 夕 張 層 が 主 要 な 稼 行 炭 層 を 挟 在 し て い る . 石 狩 層 群 の 地 質 時 代 は 始 新 世 中 期 を し め す . 幌 内 層 は , 石 狩 層 群 の 各 層 , お よ び 一 部 地 域 で 白 亜 系 を 不 整 合 に お お い , 主 に 図 幅 西 半 部 を 占 め て 広 く 分 布 す る . l, OOOm を こ え る 厚 層 で , 基 底 部 に 含 際 海 緑 石 砂 岩 を 伴 い , 無 層 理 塊 状 の シ ル ト 岩 を 主 体 と し , 上 部 に 凝 灰 岩 を 挟 在 す る . 海 生 貝 化 石 を 多 産 し そ の 産 状 に 基 づ き 子 島 (1955) に よ り A~I の 9帯 AV に分帯されている.地質時代は始新世後期を示す. 紅葉山層は,幌内層とは整合的に図幅西南部に帯状に分布し,標式地の紅葉 山周辺では下部が帯緑色の火山性砂岩で 上部が凝灰質の砂質シルト岩からな る.しかし,図幅南部ではほとんどが砂質シルト岩になる.幌内層とは軽微な 不整合の可能性もある.地質時代は前期漸新世を示す. 新第三系は,中新世をしめす下位の滝の上層と,上位の川端層に区分される. 滝の上層は,図幅西南部で下位の紅葉山層を不整合におおう.下部は基底蝶岩 を伴う海緑石砂岩からなる.図幅東部では蝦夷累層群や 層を不整合におおい 一部ハッタオマナイ 石炭層も挟在する.この地層は,暗灰色塊状の泥岩を主 体としており,蛇紋岩の巨大なブロック,または巨離を伴う地域もある.川端 層は図幅西南部のみに分布し 下位の滝の上層から漸移する.磯岩・砂岩・泥 岩の周期的互層からなる厚い地層である. 第四系は,夕張川・パンケモユーパロ川・穂別川の,図幅内主要河川沿いに 発達する更新世の段丘堆積物,および沖積層である.更新世の段丘堆積物は, 段丘面の離水時期から· Tl ・1'2・1'3の 3 段の段丘面を構成する堆積物に区分 される.沖積層は,河川の側刻により形成された完新世段丘面など,沖積面を 構成する. 図幅地域の地質構造は,図幅の東から西へ概観すると られる.①図幅東端部の神居古漕構造帯は 次のような特徴が見 坊主山西縁断層により西側に広が る蝦夷累層群,および新第三系に衝上し,神居古湾構造帯内部の東西性の構造 要素は,この断層に収紋されている.②図幅中央部では稲里断層により,中部 蝦夷層群最下部の稲里層が,上部蝦夷層群・函湖層群に衝上する.大きく見る と稲里断層の東側は 稲里断層により切られた稲里層を軸部とする背斜構造の 東翼部であり,摺曲を繰り返しながら東方に,より上位の地層が分布する.③ 稲里断層西側では,上部蝦夷層群・函淵層群が西ヘ転倒する構造を取り,古第 三系の摺曲構造帯に移行する.ここでは,白亜系や古第三系が断層により権雑 に入り込み,白亜系と古第三系の境界部には,サヌシュべ根無し地塊がそれを おおう展開となって p る.④図幅西半部は古第三系の摺曲帯に始り,幌内層の 過摺曲背斜の軸核部に石狩層群が露出する摺曲形態を取る.この摺曲構造帯は, 西側によると正常な背斜形態を示し,西南部の新第三系の摺曲部構造帯に移行 一 11- する. これらの構造方向は,北海道中軸部の構造方向に平行な,ほぼN-S から NNW-SSE を示す. N 神居古湾構造帯を構成する諸岩類 N. 1 ハッタオマナイ層 ハッタオマナイ層は,ほぼ南北性の走向で発達する坊主山西縁断層を境にし て,その東部地域,すなわち図幅東端から南東隅の地域に限定されて分布して いる.坊主山西縁断層は 国道274号線稲里トンネル内で,大規模な破砕帯と して数条観察され(第 6 図) ,その西側の新第三系に衝上する逆断層的性格を 示している.この地域でハッタオマナイ層は 蛇紋岩近入体に貫入分断された り,坊主山周辺にみられるように,蛇紋岩体中に捕獲され孤立した岩体として, また,隣接する「日高 j 図幅から延長する東西系の断層によって分断されなが らも,緩く東に開く弧状の帯状配列を示している.ハッタオマナイ層は層相か ら,千枚岩化した粘板岩を主体とする A相,およびスピライト質岩石からなる B相に区分されるが 全体として「日高」図幅に記載されている,ハッタオマ ナイ層A相に相当するものと判断される. N. 1 . 1 A相 その一部が片状化し,千枚岩ないし黒色準片岩となる粘板岩を主体とし,グ レイワッケ砂岩,珪質砂岩,白色(時に赤色)チャートや, 2m程度の白色破 砕角磯状石灰岩を少量伴う. -粘板岩 ハッタオマナイ層の主体岩相をなしている.一般に剥離性にとみ,千枚岩様 ~黒色準片岩様の外観を呈する. ・グレイワッケ砂岩 暗色細粒~中粒で,粘板岩中に薄層をなして挟在されている.しばしば圧砕 砂岩となっている. -12- 切 だ ま 屯 500 300 万F 破 一砕 帯 350 ill (稲里側) 400 ( 福 山 側 ) 15l 450 t笠 咽 皇 他 神 居 古 i軍 変 成 岩 (ら Z E 山'ffi' 西 縁 断 層 第 6 図 国道 274 号稲里トンネル地質断面図 (北海道開発局室蘭開発建設部, 1980) より一部改変,ヲ|用 第三紀膚 -珪質砂岩 暗灰色級密塊状で,チャートと粘板岩に挟在された薄層として産出している. .チャート 層厚数mオーダーの白色(時に赤褐色)縞状のもので 粘板岩中に扶在され ているのを諸所に認めることができる. -石灰岩 図幅内では 1 ヶ所であるが 石灰岩レンズが発達している.オロロップ沢 本流(稲里トンネル東向日から南約 1 km 上流)に,縞状白色チャートと千枚 岩様黒色準片岩に挟在されて 層厚 2 m O) 白色角際化石灰岩の薄層ないしレン ズがみとめられる.ここでは上盤側の黒色準片岩は,走向 N70° 傾斜,下盤の縞状チャートは,走向 N50° W, 8 0 ー SW W, 5 0 ー SE 傾 斜 を 示 し て い る . 黒 色 準 片 岩 ハ ッ タ オ マ ナ イ 層 の 泥 岩 質 ~ 砂 岩 質 堆 積 岩 は , 全 般 的 に 弱 い 変 成 作 用 を 蒙 り , 剥 離 性 に 富 む 黒 色 粘 板 岩 な い し 千 枚 岩 ~ 変 砂 岩 様 か ら 黒 色 準 片 岩 と な っ て い る こ と が 多 い . 著 し い 片 理 組 織 と と も に 摺 曲 ・ 微 摺 曲 構 造 が 発 達 し , 片 理 に 平 行 な い し 亜 平 行 の 石 英 一 曹 長 石 一 フ ェ ン ジ ャ イ ト か ら 構 成 さ れ る 分 泌 細 脈 が 発 達 し て い る . N. 1 . 2 B相 スピライト質岩,同質凝灰角蝶岩,同質凝灰岩を挟在し,その一部は片状化 して緑泥石準片岩,あるいは「青トラ J と俗称される藍閃石片岩の発達が認め られる. ・スピライト質岩 ここにスピライト質岩として一括したものには,スピライト・同質凝灰角蝶 岩・同質凝灰岩など様々な岩相を含んでいる. スピライトは一般に,外観的に帯緑暗色織密~細粒塊状のものを主とするが, しばしば暗紫赤色のものも混在し,雑色角蝶密雑様,雑色凝灰角蝶岩様の岩相 と指交・移化・漸移しており 地質図上で相互の岩相境界を設定することは困 難である. 鏡下では一般に填間~ヴァリオリティック(intersertal-variolitic) 組織を 示すが,ガラス基流品質一斑品質 (hyalopilitic-porphyritic) のものも認め 'EA 4且 τ 第7図 スピライト質岩(填間~ヴァリ第 8 図 スピライト質岩(ガラス基流晶 オリティック組織) 質) (B-08) 平行 ニコル (B-07) 平行ニコル Aug: 普通輝石, PI:斜長石(曹 Ch: 緑泥石, GI: ガラス, P I : 長 石 ) 斜 長 石 ( 曹 長 石 ) ら れ る . 填 間 ~ ヴ ァ リ オ リ テ ィ ッ ク 組 織 を 示 す も の は 方 位 の O.I-0.3mm 第 7 図 に 示 さ れ る よ う に 無 大 の 針 状 ~ 長 柱 状 の 斜 長 石 と , そ の 聞 を 充 填 す る 濃 褐 色 ガ ラ ス か ら 構 成 さ れ る . 発 泡 組 織 も 認 め ら れ る こ と が あ り 褐 色 緑 泥 石 で 充 填 さ れ て い る . そ の 他 , 普 通 輝 石 , 紫 蘇 輝 石 を 随 伴 す る が い ず れ も 緑 泥 石 化 し て い る . 斜 長 石 は , 外 形 を 保 持 し た ま ま 曹 長 石 に 置 換 交 代 さ れ て い る . 石 基 ガ ラ ス は , ほ ぼ 完 全 に 濃 褐 色 緑 泥 石 に 置 換 さ れ て い る . ガ ラ ス 基 流 品 質 の も の は O.hm 以 下 の 針 状 斜 長 石 の 流 品 質 組 織 が 卓 越 し , そ の 聞 を 帯 緑 褐 色 緑 泥 石 に 変 質 し た ガ ラ ス が 充 填 し て い る ( 第 8 図 ) . 僅 量 の 普 通 輝 石 , 紫 蘇 輝 石 が 随 伴 す る 他 , 微 粒 不 透 明 鉱 石 鉱 物 を 随 伴 し て い る . 針 状 斜 長 石 は 曹 長 石 化 し て い る . -15- -緑泥石準片岩 ハッタオマナイ層を構成するスピライト,同質角蝶凝灰岩・凝灰岩の一部に は,強弱さまざまな程度に片理構造の発達した,緑泥石準片岩~片岩に移化し ているものを観察できる.また,摺曲・微摺曲構造が発達していることも多い. 鏡下(第 9 図)では一般に片状組織が卓越し,微摺曲組織が発達している. スピライトないし同質角蝶凝灰岩,同質凝灰岩組織を残存することも多いが, 概ね緑泥石-曹長石ーフェンジャイト一石英一方解石一(緑簾石)ーリュウコ キシンの鉱物組み合わせを示している. -藍閃石片岩 緑色準片岩の一部には 肉眼的にも帯青緑色の藍閃石片岩が坊主山南麓や北 麓の沢に発達する.さらに図幅東端部付近の長和東方の蛇紋岩分布地域には, 露出は確認できないが転石が多く見出される.これは「日高」図幅北西部に図 示されている結晶片岩類としたものに連続するもので,先に記述したように蛇 紋岩に捕獲された緑色~青色準片岩岩体に由来する転石であろうと思われる. 鏡下では片状組織,微摺由組織が卓越している(第 10図).残品組織・残存 第 9 悶緑泥石準片お (B・ 05) 平 行ニコル Ch: 緑泥石, Ep: 椋簾石, Leu リュウコキシン Ph: ブェンジャイト -16- 第 10閃藍閃石準片岩(坊主 l iJ B 青トラ)第 11 図 藍閃石化スピライト(坊主Li fC) 平行ニコル 平行ニコル Aeg: エジリン輝石, Glc: 藍関 Ch: 緑泥石 石(クロス閃石), Lw: ローソ GIc: 藍閃石(クロス閃石) , ン石, St: ステイルプノメレン Ha: ハスチング閃石, PI: 斜長 Ep :緑簾石, 石(曹長石) 組織はほとんど認められず 新生鉱物による再結晶化はほぼ完全である.藍閃 石ーローソン石一普通角閃石-緑簾石一リュウゴキシンー曹長石一(石英)一 緑泥石 スフェンが一般的であるが 時としてこの鉱物組み合わせにステイル プノメレンーエジリン輝石ーパンペリ一 ti を伴うことがある.藍閃石は,帯灰 青色~淡赤紫青色の軸色を呈し,クロス閃石の性状を示している.また,別の ケースとして,緑簾石が多量に生成されたスピライト質岩中に発達する微細脈 に,藍閃石を伴うこともしばしば認められる(第 11 図).鏡下ではその微細脈 は,曹長石- (fi 英) - (緑泥石)一針状ハスチング閃石 (hastingsite) 一 針状クロス閃 ti から構成されている. 円i I V .2 N. 2 . 1 蛇紋岩および貫入岩 蛇紋岩 蛇紋岩は図幅東端の地域に限定されて分布しており,南東端の岩体は「日高j 図幅, I岩知志」図幅及び「穂別」図幅の蛇紋岩体に連続している.また北東 端の岩体は「大夕張 J , I石狩金山」図幅の蛇紋岩体の延長である.一般に矧緑 ~鯛褐暗色塊状を示すが,勇断帯や断層に沿うものや岩体の周縁では葉片状 (foliated) になっている.また 周縁部では黒色準片岩 緑色準片岩や青色準 片岩等の捕獲状岩片を含有することも多い.蛇紋岩は完全に蛇紋石化され,轍 構岩ないし輝石岩等に類するものは認められず また残品轍構石・輝石等も認 められない.塊状のもので、は数 mm 大の絹布石 (bastite) が通常認められ,散 点状のクロム鉄鉱の並行配列とともに 流理構造を示すこともしばしば観察さ れる.また,クリソチル石綿微細脈,陽起石石綿微細脈や滑石微細脈が発達す 第 12 図塊状蛇紋岩 (B-02) クロスニコル 第 13 図塊状蛇紋岩 (B・28) クロスニコル At: アンチゴライト, Bs: 絹布 At: アンチゴライト, Cr: クロ 石, Cr: クロム鉄鉱, Tc: 滑石 ム鉄鉱, Tc: 滑石 噌EA 。。 ることもある,葉片状蛇紋岩は剥離性や膨潤性が卓越し 塊状蛇紋岩岩片を多 数含有しており,勇断・断層運動に伴われ葉片状化したごとき産状を呈する. クロム鉄鉱の鉱徴地が蛇紋岩体内の随所に知られている.また,図幅内では ないが坊主山北東の大崩地域の蛇紋岩体から 自然白金が本邦初発見として記 載されている (NAKAGAWA e ta l.,1 991 ;中川他, 1993 ;NAKAGAWAe ta l.,1 995 ;中 Jl I,1997). 鏡下(第 12 図,第 13図)では儲状組織を呈する.残品は全く認められず,ア ンチゴライト・絹布石からなる.微量の滑石,クロム鉄鉱,微細脈状のクリソ チル石綿+滑石を伴う.総合的に判断すればハルツパージャイト質であろう. N .2 .2 微閃緑岩 蛇紋岩体内に限定されて諸所に道入している.幅数m 延長数 10m から幅数 10m ,延長数 100m の規模で.その最大のものは坊主山南麓に分布している. 蛇紋岩に熱変成を与えている事実は見出されない.微閃緑岩体周縁で細粒冷却 相が発達することがある. 鏡下ではオフティック組織を示し, O.5mm 内外の斜長石,普通輝石,普通角 閃石から構成されている. V 蝦夷累層群 図幅地域には,下位より中部蝦夷層群・上部蝦夷層群 分される上部白亜系の蝦夷累層群が および函淵層群に区 図幅東半部を占めて広く分布している. V. 1 中部蝦夷層群 中部蝦夷層群は蝦夷累層群分布の中核をなし,穂別町の地質(高橋・和田, 1985) では,中部蝦夷層群主部層と最上部層(佐久層)に区分されたが,その 後松本他(1 989) による,大型化石に基づく化石層序により修正された.ここ ではその後の資料から V. 1 . 下部の稲里層と上部のヌタポマナイ層に二分する. 1 稲 里 層 図 幅 地 域 蝦 夷 累 層 群 の 最 下 部 を 占 め る 地 層 で , 分 布 は ① 図 幅 北 東 部 パ ン ケ モ 噌EA QJ ユーノ t ロ川中流部,②図幅中央部夕張市と穂別町を境する稜線の西縁から,穂 別ダムダムサイト付近を経て図幅南部へ帯状に,そして③図幅北東隅の「日高 J 図幅との境界部の,大きく 3 地域に分けられる. 図幅北東部パンケモユーパロ川中流部のこの地層は る「大夕張」図幅の日陰の沢頁岩層 ユーノ t ロ川中流部を含む 長尾ほか (1954) によ および「大夕張」図幅地域からパンケモ 本山ほか (1991) の日陰の沢層にほぼ相当する.図 幅地域ではこの地層の下限は 分布の東側で上部蝦夷層群と断層で接し不明で ある.岩相は暗灰色の比較的層理の発達した泥岩を主体とし,薄い砂岩および 凝灰岩を挟在する.本山ほか (1991) は産出する浮遊性有孔虫,および石灰質 ナノ化石からセノマニアンを示すとしている.層厚は下限が不明のため明らか でないが,パンケモユーパロ川流域で露出する限り 2 , 000m を越える. 図幅中央部のこの地層は, JR石勝線登川トンネル付近の,夕張市と穂別町 を境する稜線の西側から 穂別ダムダムサイト付近を経て,穂別川支流のペン ケワッカタンネナイ川流域から南方に伸びる稲里断層にそって,上部蝦夷層群 に衝上する形で帯状に分布する.この地域でも下限は断層により不明である. 岩相は,登}I I トンネル付近から穂別ダムのダムサイト下流付近では,暗灰色~ 黒色の泥岩であるが,標式的に分布するペンケワッカタンネナイ川流域では, 帯青緑色~暗灰色の砂質シルト岩から泥質砂岩となり 薄い砂岩を挟在する. 石灰質ノジュールを含む.化石は松本ほか (1989 ,1 994) により.ダムサイト (Pseudouhiligella) ezo α num の下流部より Desmocerα s Wellmα nites jlαponicus MATSUMOTO e ta l., MATSUMOTO Inoceramusc f .h e i n z iSORNAY , が, Inoceramusg i n t e r e n s i sPERGAMENT , ペ ン ケ ワ ッ カ タ ン ネ ナ イ 川 流 域 か ら は Pα chydesmocerα s denisoni α num (STOLICZKA) , Birostrin α nipponic α (NAGAO & MATSUMOTO) , Inocerα mus Austinicerαs nipponicum (MATSUMOTO) α ticum (JIMBO) が報告され c f .p i c t u sbα nnewitzensis TROGER , , Cα lycoceras (Newboldicerαs) αSl セノマニアンを示す.層厚は下限が不明である が,露出する限り 200m を越える. 図幅北東隅で稲里層として地質図に塗色した地層は 流から穂別川上流部にかけて僅かに分布する. パンケモユーパロ川上 I 日高」図幅の北西隅に分布し, 高橋・鈴木 (1986) が中部蝦夷層群主部層とした地層の連続である.岩相は大 - 20 ー 部分が暗灰色~黒色の塊状の泥岩からなり,一部石灰質ノジュールを含む.こ の地域からは化石の産出がなく 分布が離れた前記 2 地域に対比して,稲里 層として定義できるかどうか問題が残される. v . 1. 2 ヌタポマナイ層 ヌタポマナイ層は,図幅北東部のパンケモユーパロ 111 から,図幅中央部の穂 別ダム周辺にかけて分布する.この地層は,層相から下部層・主部層・上部層 に三分される.上部層と下部層は凝灰岩を挟む砂岩泥岩の互層からなり,主部 層は泥岩を主体とする地層で,穂別町の地質(高橋・和田 1985) では,下部 層・上部層の互層を一括して中部蝦夷層群最上部層(佐久層)とし,主部層は 下位の稲里層を含めて中部蝦夷層群主部層として取り扱っている. パンケモユーパロ川中流部を含む「大夕張」図幅地域で,本山ほか (1991) の滝の沢層と白金層の一部に相当する.また,本山他とほぼ同じ地域を取り扱 った平野他(1 980,1981) の M9~M12 に相当し, Ul の一部を含むかもしれない. V. 1 . 2 . 1 下部層 パンケモユーパロ川中流部 菅川トンネルの山楼部から穂別ダムのダムサイ ト付近,そしてベンケワッカタンネナイ川中流付近から「穂別」図幅にかけて 分布する. 第 14図 下部層の露頭一凝灰岩が顕著 (パンケモユーパロ川支流中ノ沢) -21- パンケモユーパロ川中流部では,上流側の稲里層の泥岩層から漸移し,砂岩 の挟在が多くなる所からこの地層とした.南の支沢中ノ沢中流にかけて南西に 聞き,上位の主部層を包み込む向斜構造を形成している.層相は下部が泥岩の 優勢な,薄い (5-10em) 砂岩との互層からなり,灰白色の珪質な凝灰岩 (30 em-1m) を数枚挟在する(第 14図写真).上部は砂岩泥岩のリズミカルな互層 で,砂岩下底に流痕など底痕が認められ タービダイト相を示す.ここでの厚 さは約60m である.平野ほか (1980. 1981) の M9 に相当する. 穂別ダムのダムサイトを構成するこの地層は ダム下流部の泥岩からなる下 位の稲里層から漸移し,凝灰質の暗緑色砂岩と暗灰色泥岩との互層で,灰白色 のやや珪質な凝灰岩を挟在する.砂岩の下底には底痕が認められ,タービダイ ト相を示す.ダムサイト付近では上位の主部層を包む向斜構造を形成する.西 翼は穂別川右岸の稜線を構成し 登111 トンネルの夕張市と穂別町を境する稜線 付近まで,下位に稲里層の泥岩を伴って追跡できる.東翼は穂別ダムにかかる 穂別大橋の左岸付近まで追跡できるが それ以北は断層により分布しない.穂 別ダム工事中のダムサイト付近で,松本ほか(1 989 , 19ω94 引)により Mytilゐ oide白S subher叱 cynicus (SE 町IT 官Z) , F,守α:geωsia αsp. , Puzosiα ori白entα ali白S MATSUMOTO (チユ 一ロニアン前期)が,さらにその上位の地層から Inoceramusa町 nonsulc αtus Yub α ricer α ssp. , NAGAO & MATSUMOTO , Muramotocer,αssp. (チ ユーロニアン中期の前半)が報告されている.ここでの厚さは約 100m である. ペンケワッカタンネナイ川中流付近に分布する本部層は,緑色の凝灰質砂岩 を主とし,乳白色~淡灰色の凝灰岩を挟み,穂、別ダムのダムサイトの層相に類 似する.地層は逆転しているが東方が上位で る. 下位の稲里層の泥岩から漸移す 上位は,ダムサイト左岸部の向斜東翼部から連続する断層により切られ, 稲里層の泥岩と接している.この層準の泥岩部から,松本ほか (1994) により Pseudαspidoceras cf.βexuosum POWELL , M y t i l o i d e sc f .columbi M.c f .s a c k e n s i s (KELLER) 別 」 図 幅 に 追 跡 さ れ る . 図 幅 南 端 部 で は 暗 緑 色 の 中 粒 か ら 粗 粒 の 砂 岩 を 主 体 と し , 泥 岩 を 挟 む 互 層 状 を 呈 し , こ こ で は 古 第 三 系 の 幌 内 層 に 不 整 合 に 覆 わ れ る . 120m (HEINZ), の 産 出 が 報 告 さ れ , チ ユ ー ロ ニ ア ン 基 底 部 を 示 す と さ れ る . ペ ン ケ ワ ッ カ タ ン ネ ナ イ 川 の こ の 層 相 は さ ら に 南 方 へ 連 続 し , 層 厚 は αnus で、ある. -22- I穂 v . 1. 2. 2 主部層 主部層は,図幅北部のパンケモユーパロ川中流域から図幅中央部のヌタポマ ナイ川流域を経て,穂別ダムの南まで分布し,ダムサイト付近では向斜の軸部 を構成する.また穂別ダム下流部の稲里付近にも分布する. パンケモユーパロ川中流域では下位層から漸移し,北西に開く向斜構造を形 成,その西翼はパンケモユーパロ川と盤の沢との出会い付近で,ほぼ南北方向 の断層により切られる.さらに断層の西側は背斜・向斜を繰り返し,パンケモ ユーパロ 111 とーの沢の出会い付近の向斜西翼部で 稲里断層の北方延長と考え られる断層により上部蝦夷層群に衝上している.暗灰色の泥岩を主体とする地 層で,灰色~灰緑色中粒~細粒砂岩の薄層を挟在し,ところにより砂岩泥岩の 薄互層となり,ターピダイト状の層相を呈する.また中部の層準には比較的厚 い砂岩を伴い,乱堆積の層相を示すこともある.比較的上部の層準に Inoceramush o b e t s u e n s i sNAGAO&MATSUMOTO を産出する. ヌタポマナイ川流域でのこの地層は 登川トンネルの山稜から南ヘ穂別ダム ダムサイトを構成する下部層から漸移して ヌタポマナイ川流域に広く分布す るが,断層により複雑に転移し,地質構造はかなり禄雑である.穂別川との合 流点付近で上位層に移化する.ダムサイト付近では前述したように向斜の軸部 を構成している.層相は暗灰色塊状の泥岩を主体とするが,砂岩の挟在はパン ケモユーパロ川流域に比較すると少ない. 化石は松本・岡田 (1973) ,松本ほか (1989) により多数報告されている.すな わち,湛水前のダムサイト上流の穂別川で、I花町eram回 hobetsuensis NAGAO& MATュ SUMOTO , 1 .c f .c u v i e r i iSO 細 胞 Y, さ ら に 上 流 部 ( 東 ) の 大 屈 曲 部 で 下 位 の 泥 岩 中 に In 仰ramus hobetsuensis お よ び す . ヌ タ ポ マ ナ イ 川 下 流 域 で は 泥 岩 か ら ~ o m αniceras を 産 し チ ユ ー ロ ニ ア ン 中 部 を し め 後 述 す る 上 部 層 下 位 の 石 灰 質 ノ ジ ュ ー ル を 含 む , In ぽ'eram 凶 hobetsuensis NAGAO& MA百UMOTO , 1 .ibuT 官nsis NAGAO& MATSUMOTO , MesopuzosiαpαcificαMATSUMOTO , M.indop αciβcα , M.yub αrensLs (JIMBO) , PIαchydesmocer,αSSp. , Tetr,α.gonites d e n s e p r i c a t u m (JIMBO) う な 装 飾 の 多 な ど 遠 洋 遊 泳 性 の 化 石 t )Acanthωeratidae . g l a b r u s (JIMBO) , Gαudrycerlαs , Yub αricerl αs, Rom αnice r,αs の よ や 異 常 巻 き の 化 石 を 産 す る . こ れ ら の 化 石 の 産 出 か ら 判 断 す る と , 大 夕 張 地 域 の 佐 久 層 ( 松 本 ・ 岡 田 , 1973) -23- に 相 当 す る が , 砂 岩の挟在はほとんどない.一方 稲里付近の滝川の沢源流部で巨大アンモナイト Pαchydesmocerαspαchydiscoide MATSUMOTO (Puzosiidae) c f .k o s m Pα chydesmoceras y u b α rense (MATSUMOTO が,上流部から αti MATSUMOTO , Romαmcer,αs (?), Yubαricerαs c f . , SAITO &FUKADA) が,また中流部から Inoceramus i b u n e n s i sNAGAO& MATSUMOTO , I .c 」h o b e t s u e n s i sNAGAO& MATSUMOTO を産出し ている.滝川の沢との合流部より下流の穂別川流域ではぬbαricenαs yubαrense , Mesopuzosiαsp. , P α c h y d e s m 附r a s p E u b o s t r y c h o c e r a ssp. , I n o c e r a m u sh o b e t s u e n s i s, 1 .ibUT αchydiscoide M A T S U M O T な ど を 産 出 し て 詑nsi , pる . 主 部 層 の 全 層 厚 は , 向 斜 軸 部 に 分 布 す る こ と , お よ び 断 層 に よ り 切 ら れ て い る こ と か ら 不 明 で あ る が , 露 出 す る 限 り v . 1. 6 0 m 2 . 3 を 越 え る . 上部層 この地層は,高橋・和田 (1985) がヌタポマナイ川下流で中部蝦夷層群最上 部層(佐久層)とした地層である.帯緑色の細砂質シルト岩が卓越している. 10-20cm の灰白色細ー中粒砂岩と互層し 中位に白色凝灰岩を扶在する.松 本・岡田 (1973) は佐久層相当の岩相としている. 稲里周辺の穂別川・石山の沢川合流点より約 300m上流(北)の穂別川の小 屈曲部から,さらに北方の大屈曲部道路側露頭にかけての厚さ約 70mの区間で、 第 15図 上部層の露頭(パンケモユーパロ川中流) -24- は,砂岩・泥岩の互層白色の凝灰岩を挟在する.砂岩は灰緑色の中粒砂岩で, 細礁を伴う粗粒な部分もある.級化構造を示し底痕が発達する.松本・岡田 (1 973) による Inoceramus tenuistriαtus NAGAO & MATSUMOTOの産出,および 上位層・下位層の産出化石からチユーロニアン上部を示す. 凶幅北部パンケモユーパロ川流域での上部層は,盤の沢出会い付近の主部層 向斜部西翼を切る断層の西側 および主部層背斜部東翼に,級化構造を示す砂 岩泥岩の細互層としてみとめられる(第 15図写真)が 後者は上部が断層に切 られ不明である.また砂岩のド底には底痕が発達している. しかし前述した 2 地域のように顕著な凝灰岩の挟在は見られない.層厚は約 100m で、ある. v .2 上部蝦夷層群 長和層 上部蝦夷層群-長和層- は,泥岩を主体とした岩相であるが,層相および化 石内容の相違から下部層と i二部層に 2 分した.凶幅中央東部を南北に縦断して 分布する中部曲目夷層群を軸核として,その東西に 2列の分布が認められ,それ ぞれ西列東列として取り扱う. v . 2. 1 下 部 層 西 列 の ド 部 層 : 北 ヘ 流 路 を 変 え る 図 幅 地 域 の パ ン ケ モ ユ ー パ ロ 川 下 流 域 か ら 真 谷 地 沢 下 流 域 に か け て 分 布 す る . 下 限 は 稲 里 断 層 の 北 方 延 長 部 に よ り 切 ら れ 不 明 で あ る . 本 山 ほ か (1991) の 白 金 層 の 上 部 , 平 野 ほ か に ほ ぼ 相 当 す る が , 平 野 他 の 図 幅 地 域 パ ン ケ モ ユ ウ パ ロ 川 下 流 域 の (1980 , 1981) Mll の U1 , M12 もこの地層に属する.岩相は暗灰色~黒色の塊状の泥岩を主体とするが,板状 . I noceramusuw α の層理が発達し,灰色の細粒砂岩の薄層を挟む場合もある jimensis YEHARA Neophyllocer αs を 特 徴 的 に 合 む . パ ン ケ モ ユ ー パ ロ 川 流 域 で は subramosumSHIMIZU , Anαgα udrycer<αslimα tum 化石を産出する.また (YABE) Gα udryceras tenuiliratumYABE , , PolyptychocerαSSp. などのアンモナイト この流域では層理面を切る砂宥脈が数多く見出される. 東列のド部層:ヌタポマナイ川中流のオサワ信号場付近,同川下流域,および 穂別川との合流点に近いサヌシュべ川下流部と,断層により分布が散点的である. p ずれの分布地でも下位のヌタポマナイ層上部層から漸移し,暗灰色~黒色塊状 FHU ヮ“ の泥岩となるところからこの地層とした.松本・岡田 (1973) は,ヌタポマナイ 川下流部で,ヌタポマナイ層上部層が東翼となる向斜部を構成する泥岩中のノジ I n o c e r a m u st e s i o e n s i sNAGAO&MA百UMOTO , NeophYI政JCeras ramosum ュールから , (弛 EK) , Da mes 地s cf. αln ωn 山 , Anag αu 均 四 ras sp. , S c a p h i t e ssp を 報 告 し , チ ユ ー ロ ニ ア ン 上 部 を 示 す と し た . こ こ で は 岩 相 か ら 長 和 層 下 部 層 に 含 め る . 穂 別 川 と の 合 流 点 に 近 い サ ヌ シ ュ ベ 川 下 流 部 で 前 述 し た 穂 別 川 沿 い の ヌ タ ポ マ ナ イ 層 上 部 層 互 層 部 上 部 の 泥 岩 か ら u w a j i m e n s i sYEHA 貼 を 多 産 し , コ ニ ア Inoceramus シ ア ン を 示 し て い る . 層 厚 は 断 層 に よ り 切 断 さ れ て い る た め 不 明 で あ る が 約250m パ ン ケ モ ユ ー パ ロ 川 で が計、測で、きる. 下 部 層 の 地 質 年 代 : 岩 相 的 に 一 部 チ ユ ー ロ ニ ア ン 上 部 を 含 む が , ほ ぼ コ ニ ア シ ア ン を 示 す . v . 2. 2 上 部 層 西 列 の 上 部 層 : 図 幅 北 部 の 北 に 流 路 を 取 る パ ン ケ モ ユ ー パ ロ 川 西 側 支 沢 上 流 部 か ら , 真 谷 地 沢 , ホ ロ カ ク ル キ 川 上 流 を 経 て サ ヌ シ ュ ベ 川 最 上 流 部 ヘ , そ し て 一 部 分 布 が 途 絶 え る が , 石 山 の 沢 川 下 流 部 か ら 稲 里 付 近 を 経 て 穂 別 川 沿 い に 「 穂 別 J 図 幅 地 域 に 連 な る . ま た , サ ヌ シ ュ ベ 川 流 域 の 豊 進 付 近 か ら , 北 方 登 川 の 稜 線 部 に か け て の 地 域 に 古 第 三 紀 幌 内 層 の 上 に 根 無 し 地 塊 と し て の 分 布 が 見 ら れ , “ サ ヌ シ ュ ベ 根 無 し 地 塊 " と 呼 ば れ て い る . 岩 相 は 一 般 に や や 軟 弱 な 暗 灰 色 ~ 黒 色 の 塊 状 泥 岩 を 主 体 と し , 部 分 的 に 砂 質 シ ル ト 岩 と な る . 砂 岩 薄 層 の 挟 在 は 少 な い が , 数 em 程 度 の 白 色 を 呈 す る 凝 灰 岩 の 薄 層 を 頻 繁 に 挟 在 し て い る . 本 山 ほ か 相 当 す る . Inocer Tetr αgonites (1991) の 鹿 島 層 , 平 野 ほ か α mus n α um α nni gr α , brus dα mesi (JIMBO) , (JIMBO) (1980 YOKOYAMA , 1981) の U1· U2 に ほ ぼ を 特 徴 的 に 産 出 す る ほ か , Gαudrycerαs tenuilirαtum Eeupαchydiscus hαrαdαi (JIMBO) YABE , Dαmesites と p った,アンモナ イトやイノセラムスなど大型化石を比較的多く産出する.サヌシュベ川最上流 部で、は長頚竜 Elasmosauridae科化石の産出が報告されている(鈴木, 1984; 仲 谷, 1 9 8 5 ) . 長 頚 竜 産 出 地 点 周 辺 の ル ー ト 図 を 第 北 の 東 傾 斜 の 逆 転 層 で 16 図 に し め す . 本 部 層 は , 走 向 が ほ ぼ 南 東 側 は 稜 線 部 の ヌ タ ポ マ ナ イ 層 下 部 層 が 稲 里 断 層 に よ 戸 。 つ 臼 夕張市 \、ズ?とtf \\,. ~ iMYf戸 lkm 。 第 16 図 My1:稲里層 My2:ヌタボマナイ層下部層 Hk:I弱視|層群 ぜ : 凝 灰 岩 サヌシュベ川周辺ルート閃 Ph: 幌内層 I F : 稲 里 断 層 。 : 長 頭 竜 化 石 産 出 地 点 り 衝 上 し て い る . そ し て 西 側 下 流 へ は ffi.S: F : 断 層 Uy: 上部蝦夷層群 泥岩 R : s i: シ ル ト 岩 逆 転 層 s.s: 砂 岩 c g : 楳 岩 SNS0 1: 浮 遊 性 有 孔 虫 産 出 地 点 Xイ ノ セ ラ ム ス 産 出 地 点 上 位 の 函 淵 層 群 ヘ 逆 転 層 の ま ま 漸 移 し て い る . 長 頭 竜 が 産 出 し た ノ ジ ュ ー ル 中 か ら Neophyllocer -27- αs subramosum , Dα mesites sp. Eupαchydiscus 周辺の泥岩から Tetrαgonites , sp.. epigonum , Polyptychocer Inoceramus αSSp. 1 9 8 3 ). ま た ら Ar ch αeospongoprunum pr αelongum 紀 藤 は 上 記 ノ ジ ュ ー ル 中 か PESSAGNO な ど の 放 散 虫 化 石 を MAIYA& TAKAYANAGI などアンモナイトが得られ,また, nα um α nii タイプの化石が見出されたことから, サントニアンを示すとした(高橋 I ensi sPESSAGNO Gα udrycerα s tenuilirα tum , , Pseudoα ulophαcus deluα1 海 保 は 周 辺 の 泥 岩 中 試 料 (1977) の Globotrunc SNS01 α nella hu αnensLs 帯に属する第 か ら , 2去 の浮遊性有孔虫を得,長頚竜化石の年代はカンパニアン前期を示すとしている (紀藤・海保ほか, 1 9 8 6 ) . 西 列 の 上 部 層 の 層 厚 は 約 東 列 の 上 部 層 : 600m で、ある. !\ンケモユーパロ川上流早月沢との合流点付近より以東の両 川流域から南方へ,長和から新登川にかけての穂別川流域に分布している.岩 相は西列の岩相同様 暗灰色~黒色塊状の泥岩を主体としており,やや軟質で ある.薄い白色の凝灰岩や砂岩の薄層も頻繁に扶在するが,凝灰岩は穂別川流 域で;lm を越える厚層になり ヌタポマナイ層上・下部層に扶在する凝灰宥に比 較して軟弱である.松本・岡田(1 973) によると , I noceramusexp α nsus αmα kusennsis や1. に 類 似 す る 大 型 イ ノ セ ラ ム ス を 特 徴 的 に 産 す る . ま た , Inoceramus (Sphenoceramus) nα um α nni 第 2表 浮 遊 性 有 孔 虫 リ ス ト (SNS01) H e t e r o h e l i xg l o b u l o s a ( 紀 藤 ほ か . (EHRENBERG) A r e h a e o g l o b i g e r i n ac r e t a e e a (0'0 より) 個 体 数 524 Sp. R o s i t af o r n i e a t a 1986 阻IGNY) j a p o n i e a ' (TAKAYANAGr ) A T e t r a g o n i t e sgl α brus 打 A . YOKOYAMA. A (PLUMMER) (CUSHMAN) l a p p a r e n t i BROTZEN (O'ORBIGNY) Spp. - 28- 6MH l i n n e i a n a お GGG G l o b o t r u n e a n aa r e a (JIMBO) , Gαudryeeras c f .intermedium , Dαmesites dαmesi JIMBO , cost α tus (YABE) , Anαpαehydiseus D .s e m i ュ (Neopuzosia) ishik α w α i (JIMBO) , Kitehinites e fs u t n e r i( y OKOY 品仏), Yokoy αmαoee r, αs j i m b o iMATSUMOTO , Polyptyehoeerαs , Subptyehoeer,αs , Nα nonα VlS Sαehαlinensis (SCHMIDT) など の産出も報告されている. パンケモユーパロ川上流早月沢との合流点付近より以東のこの地層は,片理 状を呈するやや堅硬な板状の H音灰色~黒色の泥岩を主体とし,厚さ数 em- 数 10 em の暗緑色中和砂岩や反白色凝灰岩を挟み 凝灰岩は珪質となっている.断片ー 的に見られるイノセラムスの破片を含めて,中部蝦夷層群稲里層の下半部,ま たはそれより下{立の地層に対比される可能性もある.しかし,本山ほか(1 991) がこの地域から浮遊性有.JL虫 Mα rginotruneα nαmα rginαtα(REUSS) を報告 し,鹿島層の中ド部に対比していること,また,前述した穂別川 L流,新登川 地域に分布する東列の長和層 L 部層の北方への広がりを考慮して,ここでは長 和層とした. 東予IJ の上部層の層!平は 露出する限り約 500m で、ある. 上部層の地質年代:問題として残されるパンケモユーパロ川上流部を除き, 大型化石および微化石からサントニアン~カンパニアン前期を示す. v .3 函湖層群 函決l 層群は司「大夕張 J L~I 幅地域のシューパ口湖ダムサイト付近の l斡淵峡谷 を模式地として南へ連続し,凶幅地域の蝦夷累層群分布の西側を占めている. 凶幅北部では,ベンケマヤ川やマヤチ川源流部の山稜部を構成し,登川東部で ホロカクルキ川を横断して,北ヘ流路を取るサヌシュベ川東西|両側の山地を構 成,東側の地層はさらに l卒j ヘ連続し,石 III の沢川・ソソシ沢川を横断して「穂 別 j 閃幅地域に連続する.サヌシュべ川を含む西側は,サヌシュべ根無し地塊 の地域でド位の長和!再と Jt に向斜構造を形成しており,その軸部を構成する. 函同|層群は,南北店向を主体とする多くの定向方向の断層により切られ,その う}布は禄雑である.特に登川以南の地域では錯綜しており, ド位の長利l 層, ト 位の IIi 第三三系幌内層とともにサンドイツチ状の分布を示している.この地層は -29- 第 3 表函視l層群対比表 夕張市大夕張 畳川~豊進 (大夕張図幅) 松本 1954 下河原 小山内ほか 1967 1963 サヌシュベ砂岩層 サヌシュベ層 砂岩層 上部砂質頁岩層 松竹沢層 上部シルト岩層 深牛層 砂岩礁岩層 深牛砂岩層 深牛礁岩層 ー 富内周辺 (穂別図幅) 田中 1960 穂別町西北部 下部砂質頁岩層 白樺沢層 下部シルト岩層 遁の沢層 滝の沢層 砂岩シルト岩層 奈路砂岩層 豊進層 砂岩・凝灰岩層 (凝灰岩) (凝灰岩層) 上部シルト岩層 深牛層 トー 下部シルト岩層 富内層 凝灰岩層 ー t 上部蝦夷層群 基底礎岩層 一般に砂岩が卓越した地層で,主な分布地域は山稜をつくり,地形によくあら われている. 函湖層群は,模式地の函湖1]1峡谷付近を中心として MATSUMOTO (1954) により, 登川付近を中心として下河原 (1963) により,登川南部地域は植田ほか (1966) により,また,サヌシュベ川流域からソソシ沢川にかけての地域は,小山内ほ か (1967) によって いる. 第 3 表に示したように岩相から多くの地層に細分されて しかし,植田ほか (1966) と小山内ほか (1967) 以外,細分された地質 図は公表されていない.この層群は,前述したように砂宕を主体としているが, 岩相や層厚の変化が激しく,その土地質構造が被雑で,細分された層序を全域 に追跡する事は難しい.したがって この図幅では函沸l層群として-指図示し, 鍵層として広く追跡できる蝶岩層を深牛醗岩層として区別した. 函淵層群の全層序がほぼそろうのは登川以北の山稜部 および石山の沢川以 南の,ソソシ沢川を中心とした地域である.ここでは小山内ほか (1967) の層 序に基づき岩相・層序について述べる. 1 砂岩・凝灰岩層 函視l層群の最下部層で,下位の上部蝦夷層群一長和層ーとは砂質泥岩を持つ - 30 ー て漸移し,岩相は急激に変化する.砂岩を主体とし特徴的に凝灰岩を挟在する ほか,磯岩・泥岩および石炭を挟む.砂岩は灰緑色から灰白色を呈し,粗粒か ら細粒までの凝灰質砂岩で細円離を伴う.最上部には暗緑色の海緑石質粗粒砂 岩が認められる.凝灰岩は灰白色を呈し 細粒級密なものから粗しょうのもの まであり,石英安山岩質である.厚さは一般に 1-2m で、あるが 5-6m の厚層に なる場合がある.この凝灰岩は 「穂別」図幅の富内周辺で上部蝦夷層群の上 部に挟在する田中 (1960) の凝灰岩層(富内橋凝灰岩)に対比される.石炭層 は,この地層の比較的上部に介在する. 80-150cm の厚さを持つが.厚さの変 化が激しい.また,炭質頁岩や凝灰岩の挟みも多く 炭質は良好とは云えない. この地層の比較的上部から Nα nonα vis s a c h a l i n e n s i s (SCHMIDT) ほ か , A c i l ahokk α idoensis heton α iensis NAGAO , Spisulα (Cymbophorα ) を 多 産 す る e z o e n s i svar. NAGAO & OTATUME など貝化石を産出する. ソソシ沢川で、の全層厚は約350m で、ある. 2 砂岩・シルト岩互層 この地層の下部はシルト岩・砂質泥岩を主体とし まれに凝灰質砂岩の薄層 を挟在する.上部は凝灰質砂岩とシルト岩との互層で 際岩や凝灰岩を挟む. 砂岩中には炭質物や植物化石の破片をしばしば含む.石山の沢川以北の,この 地層の上部に相当する部分に 凝灰岩・炭質頁岩 および粗悪な炭層などの薄 層を介在する.また,ソソシ沢川では厚さ 6m の凝灰質砂岩や 1m 前後の炭層 などがみとめられる.植物化石 Nilssoniα serotinαHEER を普通に産出し, Nilssoniα 帯として知られている.層厚は 200-300m で、ある. 3 下部シル卜岩層 シルト岩を主体とした地層で 粗粒の暗灰色砂岩を挟在している.海棲の動 物化石を含むのが特徴である.この地層の層厚は 150-200m で、ある. 4 砂岩・磯岩層 基底部の蝶岩層と主部の砂岩層に区分して述べる. 基底部の離岩層は,模式地 (I 大夕張」閃幅)を始め広く分布する深牛離岩 層と呼ばれるものに相当し,函視l層群中の鍵層として「穂別 J 図幅地域や,さ らに南方に追跡されている.際岩は,厚さ 2-10m で、拳大以下の円離を主体に しており,凝灰質粗粒砂岩でかためられている.離種は硬砂岩・粘板岩など古 qJ 第 4 表流紋岩質岩礁分析{直 0 Si02 Ti02 A I2 03 Fe03 FeO MnO MgO CaO Na20 K2 0 T o t a l P20S H2 . 1 8 4 3 . 0 1 0 . 0 7 0 . 1 3 . 1 2 4 . 5 5 0 7 5 . 9 0 . 1 8 1 0 . 4 9 0 . 0 20 . 7 2 9 9 . 3 7 .6 2 1 1 . 2 5 0 6 7 . 3 8 0 . 1 1 6 . 3 4 0 . 6 6 0 . 1 4 0 . 0 1 0 . 1 4 0 . 1 7 1 . 0 1 1 . 5 8 9 9. 4 .05 3 . 42 3 . 2 9 0 9 . 3 8 . 1 7 1 1 . 7 6 0 . 1 5 0 . 4 9 1 . 0 3 0 . 6 6 9 7 8 . 3 6 0 一一一 中 新 世 滝 の 上 層 の 基 底 礁 岩 も 含 め た 期 の 堆 積 岩 類 が 多 い が , 流 紋 岩 か ら 安 山 岩 ま で の 火 山 岩 礁 が 含 ま れ , 特 に 流 紋 岩 質 含 礁 は 15-16% 基 質 は 12-30% が 70-80% と 高 い 含 有 を 示 す . 砂 岩 離 の 鏡 下 で の 観 察 結 果 に よ る と , で , ア レ ナ イ ト 質 か ら ワ ッ ケ 質 の 両 城 に ま た が り , 砂 粒 は 石 英 と 多 く , 中 に は 80% を こ え る も の も あ り , ア ル コ ー ス 質 砂 岩 の 性 質 を 示 す こ と が 特 徴 的 で あ る . 流 紋 岩 質 岩 礁 は 鏡 下 で 流 紋 岩 お よ び 同 質 溶 結 凝 灰 岩 が 識 別 さ れ 後 者 が 多 い . 流 紋 岩 2資 料 に つ い て 化 学 分 析 を 行 っ た ( 第 両 者 と も ア ル カ リ 示 す ( 高 橋 , (Na20+K20) 1988MS). , と く に 4 表). K2 0 が 高 く ア ル カ リ 流 紋 岩 の 組 成 を 第 4 表 に は 比 較 の た め , 後 述 す る 中 新 世 滝 の 上 層 基 底 蝶 岩 の 流 紋 岩 礁 の 分 析 値 を と も に 示 し た . 主 部 の 砂 岩 層 は , 暗 緑 色 を 呈 す る 中 ~ 粗 粒 砂 岩 を 主 体 と し , し ば し ば 際 岩 や 凝 灰 岩 , お よ び シ ル ト 岩 を 介 在 す る . 下 位 の 深 牛 礁 岩 層 と の 聞 に は 砂 質 泥 岩 が あ る . 薄 い 炭 質 泥 岩 を 挟 む こ と が あ り ま れ に 保 存 不 良 の 植 物 化 石 を 伴 う . 砂 , A c i Z ahokkaidoensisNAGAO , YoZdia 岩 お よ び シ ル ト 岩 の ノ ジ ュ ー ル 中 に hα kobutiensis NAGAO & OTATUME , PeripZomα ellipticαNAGAO & OTATUME な ど海棲良化石を産出する.特に Rhynchonella sp. を特徴的に産出する. 砂岩・蝶岩層全体の層厚は約 250m で、ある. 5 上部シルト岩層 暗灰色シルト岩を主体とする地層であるが 細粒砂岩をはさむこともある. シルト岩中にはまれに指頭大の円離を散点的に含むことがある.また, 舟生に 炭質物片を含んでいることが多い.層厚は, 40-50m で、ある. 6 砂岩層 緑色の粗粒砂岩を主体とした地層で, 2-5m の離岩層をはさむ.また, 0 . 5 4 m 程 の 灰 白 色 の 粗 し よ う な 凝 灰 岩 を 介 在 し て い る . 一 般 に 板 状 の 層 理 が 発 達 し て お り , 函 湖 l層 群 最 下 部 の 砂 岩 ・ 凝 灰 岩 に 類 似 し て い る が 凝 灰 岩 の 挟 在 は - 32- 頻繁でなく,炭質頁岩や石炭層も介在していない.なお,この地層は上位の占 第二系の不整合により· r穂別」図幅の富内周辺では分布しない.層厚はサヌ シュベ川流域で、 230m で、ある. 7 函測層群の地質時代 下河原 (1963) の函梯l 層群産化石リスト中に,時代決定に有効なアンモナイ ト・イノセラムスがリストされているがその産出地層名が明記されていない. 稲里周辺 富内周辺 (本図幅) (穂別図幅) Ph し且 T ~~ Hk3 H31二七j)( Inocel・'amus shikotanensis H21 = :: j: ψ 2 1 = : j " o / 一 一 _ H Damesitesh e t o n a i e n s i s E.:三 j 火貝化石 三士ー千 Ie 三三宅 I¢ Mlssonia Hk21SS1 帯 一 一 一 一 ー 一 ー 寸 . r三.j)( ユーー司 C , P a c h y d i s c u s(lVeodesmoc Inoceramusshikotan θ-ras) θnSls -·~.·l U -一ー ーー・・一… Inoceramuss c h m i d t i ,、,、,、川ハ HIl,-I~=-:'~~f 一一 一 -- 一 Inoceramuso r i e n t a1 i s 1 0 0 三 三 二 細 粒 砂 岩 :_J~~ ,~I 組~中粒砂岩 。 l浴 j:;1 礁岩 第 17 図 函 湖 l層 群 地 質 柱 状 対 比 図 一 稲 里 周 辺 ( 本 図 幅 ) と 富 内 周 辺 ( 穂 別 図 幅 ) 一 3 3- } a p o n i c u s 南隣「穂別」図幅内 富内周辺に分布する函湖層群は,本図幅地域と層相がや や異なるが,第 17図のように対比される.富内周辺の下部の地層は富内層(本 図幅の 1 砂岩・凝灰岩層上部と 2 砂岩・シルト岩互層)で,最下部から Inocerα mus orientα ris (NAGAO & MATSUMOTO) ,中上部から MICHAEL などを産し 下部シルト岩層)からは Pαchydiscus I. SCHMIDTI カンパニアンを示す.中部の下部シルト岩層(本図幅 , Neophyllocer α s heton α iensis (MATSUMOTO) (Neodesmocerαs) jαponicus (SAITO) , I noceramusshikot n e n s i s (NAGAO & MATSUMOTO) などを産し 最近,鈴木ほか (1997) により 準( 6 砂岩層)から 3 , α・ マーストリヒアンを示している. 大夕張から登川地域の函測層群最上部の層 海生渦鞭毛藻化石の産出が確認された.彼等は同定され た 26属 20種のうち , Alisosystα 属が暁新統のみに産出し , Alisosystαmαrgαn tα は上部暁新統の示準種とされていることから 函淵層群の最上部を古第三紀 暁新世に属するとしている.したがって,図幅地域函湖層群の地質時代は,ほ ぼカンパニアン~マーストリヒアンを示すが 最上部は古第三紀暁新世にまた がる可能性がある. V I 古 第 三 系 V I . 1 石狩層群 図幅地域は夕張炭田の南半部に属し,炭田を構成する石狩層群は下位から, 登川層・幌加別層・夕張層・若鍋層・幾春別層である.石狩層群は第 18図に示 すように,図幅北部の清水沢付近で以上に述べた層序が揃うが,漸次南方ヘ, そして東方へ,上部の地層が上位の幌内層基底の不整合により欠如し,図幅南 部の稲里付近で最下部の登川層と幌加別層のみが分布するようになる. V I . 1 .1 登川層 登川層は石狩層群最下位の地層で 図幅地域では下位の函測層群を不整合に おおい,図幅西半に広く分布する.登川地区の旧登川炭鉱付近を模式地とし, 地層名は同地に因み今井 (1924) による「登川実炭層」に始まる. この地層は,北は「大夕張 j 図幅中央部の旧大夕張炭鉱付近から,旧南大タ - 34 ー 張炭鉱付近を経て図幅地域に連続する.図幅地域では 上流([日北隆炭鉱) , 上記の登川地区を経て 北からパンケマヤチ川 里進地区(旧稲里炭鉱)南方ま で分布する.なお,この地層は司登川ポンクルキ川最上流部で一端消滅するが, 登川地区で再び露出し 比較的厚く発達して分布する.それより以南の地域は 摺曲構造が権雑で,それに伴 p 登川層は反復露出しているが,登川南部からサ ヌシュベ川流域に広がるサヌシュべ根無し地塊の下底には分布しない.また, 旧稲里炭鉱付近は登川層分布の南限で,ここでは南北方向の豊進断層にそって その東側に再び露出し,延長約 4 km の狭長な分布を示している. 岩相は,砂質岩を主体とし泥質岩を従とする互層からなり,泥質岩には石 炭・炭質頁岩・泥鉄岩を挟 11:する. 砂岩は, J火色または!火白色を早する中粘から相村砂岩が主体で, ド部には瞭 岩を伴う場合がある般に堅碩級密で塊状を示し.黒雲母を含んで縞状を呈 することもある.風化すると黄褐色を早し,相しようでやや軟質となる.なお, 登川付近の基底部の砂岩は,青灰色を呈し著しく堅硬で,下位の函消l層群最上 部の砂岩と区別しにくい場合がある.挟在する蝶岩は レンズ状で連続性に乏 しく,ときに基底際岩となる場合もある.際はよく円磨された細離を主体とす るが,まれに人頭大のものもある.際種は,砂岩など白期の堆積岩や変成岩, または火成岩など多様である. 泥質岩は全般的に発達が少なく,砂岩の従的介在層として賦存するが,この 中に 1-4 枚の炭層や炭質頁岩を挟夜する.泥岩は暗灰色ないし黒色を呈し,砂 岩との移化部分は砂質泥岩となる.植物化石や炭質物を伴う. 植物化石は泥岩中,特に炭層上盤に多く,従来多くの種が知られている.主 なものを次に示す. Equisetum α rcticum HEER , G lyptostrobus europ α eus (BRONG) , Metαsequoiα occidentαlis (NEWBERRY) , FIαgus αntipo{i HEER , Cinnα momum obouαtus BERRY , Sαbαlites n i p p o n i c u s (KRYSCHTOFOVICH) , SαluiniαSp. などで ある.これらの組成は温暖帯を示すとされる. 石炭層は,炭回全体を通じ 1-4層の炭層が介在するが,このうち好発達した 主要炭層は上層・本層(登川本層)と呼ばれ,前記 3 炭鉱で稼行された. 登川層には炭層の下盤として乳白色で多少脂感を呈する細粒岩が発達する. Fhd q a 耐火粘土で、|日稲里炭鉱で、は 2-4m となり,最も厚い. 層厚は,露頭部で、 35-65m で、あり,北西方面に比べ全般的に薄くなっている. V I . 1 . 2 幌加別層 幌加別層は, I 夕張」図幅内の夕張付近志幌加別川を模式地とし,命名は今 井 (1924) による「幌加別頁岩層」に始まる. 図幅地域での本層は,上記登川層の上位に帯状に累重分布するほか,背斜軸 の軸核として各所に露出している.なお 本層は幌内層の削剥がおよぶ南東側 では消滅し分布しない.地域ごとに分布個所をみると 斜,および旧北隆炭鉱付近 真谷地背斜・下の沢背 登川~楓付近では楓背斜の軸部,および旧登川炭 鉱付近,また,図幅南部の旧穂別炭鉱付近では,穂別断層の西側に沿って狭小 な分布が認められる. 岩相は,全層にわたりほとんど単調な暗灰色ないし黒色を呈する泥岩からな るが,風化すると層理が認められる.本層の最上部および最下部では,砂岩の 薄層と互層したり砂質泥岩の岩相を示すことがある.泥岩中に厚さ数 em から 20 er日程の,板状ないしレンズ状の炭酸鉄鉱質岩(泥鉄岩)を挟在する特徴がある. 多くはないが , Mα rgα ritiferα perdα hurik α(YOKOYAMA) , Uniou r y u e n s i s SUZUKI , Lα nseolα riα pisciformis (YOKOYAMA) , Anodontα sub}αpα nensis SUZUKI などの淡水性の貝化石や 登川層と同様な植物化石を産出する. 層厚は真谷地付近のように 150m と厚い地域もあるが 他地域では上位の根 内層による削剥のため 0-120m と変化する. V I . 1 . 3 夕張層 石狩炭田南部地域の主要な炭層を挟む地層で, I 夕張」図幅内,夕張市市街 地の志幌加別川東岸が模式地とされ,今井(1 924) により旧夕張炭鉱の主要炭 層を挟在する地層に対し命名された. 図幅地域での夕張層の分布は摺曲帯の背斜軸部を構成して帯状に分布する. すなわち東から西へみると 図幅北側は下の沢背斜・「大夕張」図幅地域から 連なる菖蒲背斜・上の沢および真谷地背斜,図幅中央の楓背斜,図幅南側の旧 穂別炭鉱付近の穂別背斜などである.なお,このうち下の沢背斜および楓背斜 では,下位の幌加別層を背斜軸核としており 下の沢背斜では上位を幌内層に より削剥され,背斜両翼に小分布が見られるのみである.この他の背斜地域は, -36- 夕張新炭鉱 凡 清水沢炭鉱 幌内層 o 伊j 粗粒砂岩 Eヨ中粒砂岩 幾春別層 Eヨ細粒砂岩 Eヨ砂贋頁岩 Eヨ頁 虎の皮膚 ュ ~ 黒色頁岩 真谷地炭鉱 桂 岩 皿凹炭漬頁岩 石 t克 巨ヨ 炭 泥鉄岩 Eヨ海緑石 楓 Eヨ不整合 1主; 穂別炭鉱 上層群 幌内層 夕張層 稲里炭鉱 夕張層 1 番膚 2 番層 3 番層 4 番層 10尺膚 5 番膚 幌加別層 幌加別層 登川層 上層 (上炭) 1 登川本層 2 番膚 函淵層 登川層 第 18 図 石狩層群地質柱状対比図(北炭資料) 夕張層が背斜の軸部を形成している. 岩相は,全体的に見ると砂岩と泥岩・シルト岩との互層からなり,際岩,炭 質頁岩および石炭を挟在する.これらの岩相の組み合わせは, ないし蝶岩に始まり 上方に向かつて細粒化し 一般に粗粒砂岩 石炭を挟む泥岩に終わる堆積 輪廻を示しており,下河原 (1963) は,夕張層を下位から 1- 刊の 7 つの亜層 として区分している.なお,真谷地背斜東翼部から東南方では,上位の幌内層 により上の層準から削剥され,楓方面では上部の 3 亜層が欠如している. 砂岩は,一般に灰白色から淡灰色の色調を呈するが,帯青・帯緑,または暗 灰色を呈するものまである.粒度も細粘から粗粒までさまざまで,各輪廻層下 部を構成する.一般に風化に弱く.やや軟質で黄褐色ないし褐色を呈する場合 もある.輪廻層基底は粗粒砂岩が優勢で,時には礁質砂岩または薄い層状礁岩 となる.際質岩の礁は細礁が主体で,際組成は古期の堆積岩や変成岩の礁など, ド位の登川層際岩の傑組成と類似している. 泥岩は,堆積輪廻層の上部を占めるものが多い.また,輪廻層の砂岩から泥 岩への移行部は,砂質泥岩となる場合も多い.暗灰色から黒灰色を呈し, 一般 に層理の発達に乏しい.泥岩中には砂岩や砂質泥岩の薄層を挟み,逆に砂岩中 に i専層として挟在する場合もある.泥岩中にはまた 自盤と呼ばれる数 cm- 数 10cm の白色凝灰岩を挟在する.植物化石を多産するほか 幌加別層と同様の淡 水性の貝化石も産出する. 植物化石は,種類が多く 110種を越えているが,そのうち重要な種として次 の種が挙げられる . Osmundαjαponic α fossilis OISHI Dennstα edtiα blomstrα ndi (HEER) , G l y p t o s t r o b u seurop Myricα curtαHOLLICK , Mα.gnoliα yubα riense HUZIOKA , icumENDO , Pl αtα nus Liquidα mbα r αceroides & HUZIOKA , (BRONG.) , Nelumbiumn i p p o n ュ europaeumA L .BRAUN , L .eoformos GOPPERT , αeus α nαHUZIOKA , En.gelhardtiα oishii HUZIOKA などで,温帯南部 ないし温暖帯を示している. 主要炭層は各輪廻層の泥岩中に挟在するが 本地域の輪廻層と主要炭層との 関係は,第 18 図および第 5 表に示したとおりで,各炭鉱ごとに炭層名の呼び 方が異なっている. 層厚は,図幅地域内では旧夕張新鉱~真谷地炭鉱方面で、 250m ,旧穂別炭鉱 ハ可 u q a 第 5表 \地\層、炭、鉱\名 ¥ V J I V I V N タ 夕張層主要炭層対比表 真谷地 楓坑 桂坑 (3 , 4 ) 上 4尺層 清水沢・夕張新 上 層 群 (2) 同 (、( 1、J、, 同 平安 8 尺層 張 E E 層 6·S 尺層 10尺上層 10 尺層 1 番上層 1 番層 1 番下層 2 番層 3 番層 3番下層 1 番層 1 番下層 2番層 3番層 3番下層 穂男IJ 1 番層 2 番層 3 番層 4番層 方面で、 80~100m となっている. V I . 1 . 4 若鍋層 若鍋層は, r 夕張図幅」南東隅から「大夕張図幅」にかけて流れる志幌加別 川支流若鍋沢を模式地としており,今井 (1924) の命名による. 図幅地域での分布は 下位の夕張層を軸部とする菖蒲背斜北翼に分岐する背 斜,真谷地背斜では夕張層を取り巻く形,また,真谷地背斜西翼から分岐する 真谷地第 3 背斜背斜軸部 および図幅北西隅の清水沢背斜の軸部を形成して 分布している. 若鍋層は岩相から大きく 2 分される.下半部の層準は,基底部が数m の厚さ の粗粒砂岩,ないし蝶質砂岩で構成され,その上位は 50m前後の厚い泥岩から 形成される.上半部の層準は,数m から 20m前後の砂岩および泥岩の互層から なっている.下河原 (1963) は,砂岩に始まり泥岩で終わる第 1~ 第 4 の 4 つ の亜層(堆積輪廻層)に区分した. 砂岩は灰白色から暗灰色まで ときに帯緑色や帯青色などさまざまな色調を 示す.細粒から細礁を交える粗粒砂岩まで各種粒度にわたるが,細粒から中粒 のものが多く,一般に塊状である.海緑石が濃集する部分がみとめられ,ここ では緑色砂岩となっている. 泥岩は各輪廻層の上部を占める.灰色から暗灰色を呈し,級密なものから砂 -40- 質なものまでさまざまであるが,一部に珪質頁岩化しているものもある.特に 第 1 亜層の泥岩層は厚層となる.また,各亜層の砂岩から泥岩への移化部は砂 質泥岩となっている.泥灰岩の薄層やノジュールを伴う. 本層には,純海水性の種を主体とし,高献水性の種を僅かに含む貝化石を多 産する.特徴種は Sαccellα hokkαidoensis OYAMA &MIZUNO , S.ωαhαnα ben s i sSHlMOKAWARA (MS) y e s s o e n s i sMINATO & ponic αNAGAO , Acilα (A.) wαhα nα bensis UOZUMI , Crassα tellites KUMANO , Venericα rdiα otα tsumei UOZUMI , , P,α:p yride Callistαmαtsurαensis αhα rnm αni DALL , Pitαr c fk y u s h u e n s i s (NAGAO) , (NAGAO) , INOUE & MIZUNO , Spiculα C .hαnz αωα i (NAGAO) , Meriscα cf o n i s i i (Mα ctromeris) sorαchiensis UOZUMI , Myα ezoen s i sNAGAO& INOUE , Periplomα besshoensis striαtα V .s u b n i p ュ (YOKOYAMA) , Eocylichnα multi (TA阻DA) などである. 有孔虫化石は, 孔虫群集を KAmo (1984a) 7 群帯に分けた分帯のうち, により夕張から穂別にいたる古第三系の有 F1 群帯の Elphidium αsα noi ュ Reophαxtαppuensis A ssemblage-zone で特徴づけられる. 層厚は,真谷地付近で;150m程度で、ある.それより以東は,上位の幌内層に より削剥され消滅する. ' V I . 1 . 5 幾春別層 幾春別層は,夕張炭田地域の石狩層群最上部の地層で, r岩見沢」図幅内の 三笠市幾春別周辺を模式地とし,この地域に発達する夷炭層に対し命名された. 今井 (1924) による「幾春別夷炭層 J ,およびそのド位の羊歯砂岩層の南方延 長に当たる地層である(高尾, 1952の幾春別層). 凶幅地域では,図幅北西端の清水沢背斜の南への沈降部で, 下位の軸部を構 成する若鍋層を取り巻いて僅かに分布するのみである.岩質は,堅硬な緑灰色 を呈する,細粒から粗粒の凝灰質砂岩を主とする泥岩との互層からなり,最下 位の層準に虎の皮層と称される,粗悪な炭層を挟夜している.層厚は図幅地域 で、約 60m で、ある. - 41- v I .2 幌内層 幌内層は, I 岩見沢図幅 J 内の幾春別川支流幌内沢,旧幌内炭鉱付近を模式 地としており,矢部 (1901) により命名された. 本図幅でのこの地層の分布は,図幅中央部を南北に縦断する白亜系函沸l 層群 分布域の西側の大半を占め,図幅南部のペンケオビラルカ沢付近を頂点とした, 北西に開く扇形状の分布を示し,さらに北方の模式地へと連なる.また,南方 への延長は, I穂別」図幅内の穂別町市街東方の鵡川流域付近に至り消滅する. 本図幅地域で広範な分布を示す幌内層は, N-S ないし NNW-SSE の軸を持つ摺 曲を繰り返して,広く厚く分布する--~方,図幅東南部の中部蝦夷層群,ヌタ ポマナイ層分布地の東側にも 同層下部層を不整合におおい局部的に帯状に分 布しており,この地層は「穂別図幅」の富内付近まで連なる. 下位石狩層群との関係は緩傾斜不整合で,前述のごとく東~南東方に向け, 下位層準の石狩層群~白亜系の諸地層を削剥欠如する.すなわち,図幅の北部 では石狩層群の諸地層を不整合におおっているが 中央部から南部にかけては 順次石狩層群を欠き,直接函視l 層群と接している.特に南部の地域は地質構造 が禄雑で,上部蝦夷層群・函湖l層群と断層により寸断された形で祷雑に接して p る.また,サヌシュベ地域では, 上部蝦夷層群・函沸l層群からなるサヌシュ ベ根無し地塊におおわれる. 幌内層は 1 , 000m を超える厚い地層で,基底部には基底蝶岩的な性格を持つ 海緑石砂岩,または蝶質砂岩・牒岩などを伴うが 全層ほとんど均質な層理に 乏しい暗灰色の泥岩,またはシルト岩から構成され,これに泥灰岩層,泥灰質 メジュール,介殻石灰岩などを伴う.なお,本層の中部および上部の一部でか なり砂質になる場合があるほか,凝灰岩の薄層を挟むことがある. 石狩層群を広くおおう本層は, 上記のような岩相からその分層が難しく,炭 田の権雑な地質構造の解析を困難にしていて それが下位にある有用な石炭層 の開発の大きな妨げとなっていた.手島 (1955 , 1958) は,本層に多産する貝 化石や甲殻類などの大型化石に着目し,全層準が揃うと考えられた本図幅北西 部の清水沢から真谷地付近を分帯模式地として 化石の産出頻度の量的な取り 扱いと化石種による分帯を行った.その結果, A帯 -I帯の 9 帯の分帯が可能と aAτ つ臼 500N (国医在嗣轄出型巡#)(ボ詰)図母ボ回以}哩宝事主 L1」ヘ hm入。長話怪君ぬ回 国 2 牒 。。同 Cコ なり,その後の調査でこの手法が夕張炭回全域に適用できることが明らかにな った.佐々ほか (1964) の「夕張」図幅 および植田ほか (1966) の登川南部 地域では,この分帯により地質図が作成されている.なお,第 19図には真谷地 南部ポンクルキ川での幌内層化石分布調査ルート図の一部を示す. 本['Xl 幅での幌内層は,I:記の子島 (1955 , 1958) の分帯に基づいて取り扱っ たが,地質図には下部の A帯 -D 帯を一括して図示した.次に,図幅地域での 分帯を岩相の特徴を加味して述べる. A帯 (Mα comα poronα iensis- YoZdiα sobrinα 帯) :幌内層の基底を構成す る貧化石帯で,基底部には数 10cm- 数mの海緑石砂岩が存在する.図幅では東 ~南東方に向け貧化し,真谷地付近より北西方に分布するが,真谷地東方の上 の沢背斜地域以東'およびび、楓.賛川以南の地域は未堆積でで、分布しな p\. 化干干 石1 の産出に乏しく,上記化石以外は YoZdi αspp. , NeiZonell αsp. , h Venericα rdiαspp. , Orectospirαspp. などが散点的に見出される程度である. 厚さは最大 0-55m で、ある.なお A帯が模式的に好発達する炭田北側の三笠 地域では.包含する玄能石の産状から A1' A2帯に分層されるが,本[司幅では 玄能石の産出も少なく分帯はされていない. B帯 (Venericardiα spp. -NeiZonellα poronα lCα 帯) :幌内層中最も化石を 多産する.代表種Venericαrdiα spp. およびNeiZonellα poronα icαYOKOYAMA , そのほかAciZa, YoZdia , Sαccellα, Orectospirα などを共産する.中部ないし上 部に介殻石灰岩(化石礁)を扶むことがあり、 Hubertschenckiα ezoensls (YOKOYAMA) および、 Thyasira bisectα nipponicαOY品仏& MIZUNO 等を多産す る.東方に向かつて厚さを減じ,上位の C 帯に収紋するような形で消滅する. 凶幅地域の幌内層分布域の南東側では, AキB 帯を欠いて函淵層群を始め石狩 層群のド位層を不整合におおう.層厚は C帯 0-100m で、ある. (Cα lli αnα ss α mur αtαi 帯) :B 帯同様に化石を多産する . AciZa , YoZdia , NeiZonella , Venericα rdi α, Orectospirα などを多産するが,蟹の爪 Cα lliαnαssα muratαi NAGAO を多産する 11 で、B帯と l天号IJ される.また, ~尼灰岩 質ノジュールや泌!火宕の薄層を挟むことがこの帯を特徴づけ,蟹の爪はこのノ ジュール巾に多い. なお, I吾 I~ は 40-125m で、ある. BキC借は現時点では , AciZ α の産出状態から各々上下に -45- 2 分されてい る.すなわち, B 帯上半から C 帯下半層準にかけAcilα の多産部が認、められるた め, B帯を B1' B2帯に分け,上位層準のAcilα 多産部を B2帯,また, C帯下部 の蟹の爪と Acilα 多産部を C1帯,その上位を C2帯に分帯して幌内層の構造解析 に利用した. D帯 (Portlandiαωαtαsel 帯) :B.C帯で多産した化石種の固体数はかな り減少し , Portlandiαωαtα sei KANEHARAの多産で特徴づけられる .C 帯に特 徴的な Calliαnαssα , E帯の Meriscα などの産出が少ないことから区別できる. この帯も東部へ行くほど下位の C帯に収赦するようになる.層厚は約 25-95m である. :Meriscα onishii E 帯 (Meriscα onishii 帯) INOUE & MIZUNO および Periplomα besshoensis (YOKOYAMA) 多産し,さらに単体サンゴPlatycyα ths sp. を常に伴う . Crαssαtellites tesimαi INOUE& MIZUNO , E pitoniumsp. などが 本 帯 か ら 出 現 す る ほ か 真 谷 地 付 近 で は 鮫 の 脊 椎 骨 が 採 集 さ れ て い る 幌 内 層 の 中 位 層 準 を 占 め .E 帯 は 帯 の 厚 さ は 比 較 的 薄 い に も か か わ ら ず 厚 さ の 変 化 が 少 な く , 全 般 に 安 定 し た 分 布 を 示 し 鍵 層 と し て 利 用 さ れ る . 層 厚 は 45-50m で、 ある. F帯 (Lim α (}\.cest α) - Linthiα 帯) :泥岩はやや凝灰質で,硬質な部分 や層理を呈する部分もある.凝灰岩の薄層 (3m を超える場合もある)を挟在 し,火山灰粒も含まれる.また,泥灰岩の薄層を挟在し,泥灰質ノジュールを 含有する . Limα ら れ る . さ ら に -160m (Acestα ) Linthia j s u z u k i (TA 阻DA) を 産 出 す る こ と で 特 徴 づ け sp. な ど の ウ ニ 化 石 な ど も 始 め て 出 現 す る . 層 厚 は 65 で、ある. G帯 (Nemoc α rdium yokoy αmαi 帯) : 岩 質 は や や 砂 質 泥 岩 状 に な り , 軟 質 塊 状 で 凝 灰 岩 の 薄 層 を 挟 む . 一 般 に 化 石 の 産 出 に 乏 し い が yokoy αmα i TAKEDA こ と で 特 徴 づ け ら れ る . 層 厚 は , Nemoc を 特 徴 種 と し て , Cr αss αtellites 260-300m H帯 (Cα lli αnα ss α mur αtα i-Cr の 帯 の 泥 岩 は , 下 位 の 灰 岩 の 薄 層 を 挟 在 す る が 凝 灰 岩 を 挟 む . 化 石 の 産 出 が 多 く , Linthi αな ど を 散 点 す る で、ある. αss α tellites tesim α i-Linthi αsp. G帯 と 同 様 に や や 軟 質 で 凝 灰 質 の 傾 向 が あ る . 多 く の 凝 中 央 部 に は 厚 さ が 20m を 超 え る 連 続 性 に 富 ん だ 白 色 上 位 の α rdium I帯 と 共 に 幌 内 層 上 部 の 冨 化 石 帯 を -46- 帯) :こ 形成している.化石種はド部の B , C 帯冨化石部とほぼ同じで, C 帯と同様に 再び、 Callianassa を多産することが特徴的である.層厚は 300m前後で、ある. I帯 (Venericαrdiα spp. N e i Z a n e l l aparon αic α -Linthia sp. 帯) : 帳 内 層 の 最 上 位 を 占 め る 帯 で あ る が , 幌 内 層 分 布 域 の 東 縁 で 、 上 位 の 紅 葉 山 層 と 接 す る 地 域 で は , こ の 帯 が 欠 如 し て い る 地 域 が あ る . や や 凝 灰 質 の 砂 質 シ ル ト 岩 か ら な り , 炭 質 物 を ま れ に 含 む . 化 石 は AciZ α , YaZdia , NeiZanella , Sα ccellα, 大一紅 タ一葉 鐙 純 l内 事t ~t L制 Ukm 広三緒的JJII Eヨ仙削崎…同 ire ωs帥 cia肌inaα 問釦d机 fρa叫 ca 綜糊縦猪 紅峨議山 竪3Bu凶凶t“E… s町ch制s 叫 伊eバ汁-0ω抑 'ITr叩oU 必胤初臨刷a凶a 伊例附 k勾'1'1'世阿 a叩削 i 縛糊幾幣 仁コ陶 10仲間S削ぱ師側旬開Iu加ー i Cyclalll問削伊cifico ~集締|級 協~Bol加岡山崎町~-hnunnoid".t u制 H叩lophro 仰0帥S 抑 Ii hi Ji,.olu.. 1U. 医 ヨ H叩10 凶 ragmo .lfu.* iJ es- u· 耐ii 叫 I.~.- f . . tUt 品情i~ 内 ~..__ I Haplop品開伊国““相h.oolo陶e 務雑務 E 長:::::::::~HaplophTOII制。d同胞削 ii民比比I Hap/op品開伊oU.. 相畠制。 lui,師事字義務 lIt:::t::'t:::雌伏.袋 嵩高耳曜量灰償砂滋 .........Aetinp田mid.. 生P ・ A.B. FormA め11l滋 … I: 大型化針僚 。: Chilogo 酬 b.1 剛 cub 8n8it1 @ :Globoroldloitl.s 制拘 Ii 。: S o b b o liM0 1 .OTe gone 制 i. 第 2 0岡 モ!l> (1955. ω: GloboTo 1959) の分帯 伺 lin insoli 品 < 9: Sobbol嗣a o fI同aper . 拍 大型化石分帯と底生有孔虫化石帯・浮遊性有孔虫との対比 -KAmo (1984b) より一部改変一 -47- (位置図 B-L は柱状ルートと対応) hハハハV4i 張一山 位置図 Venericα rdia, Orectspirα ,等のほかに,介殻石灰岩中の Hubertschenckia, Thyαslrα などで, B帯と共通している.層厚は 100m前後で、ある. 幌内層には古くから有孔虫の産出が知られ (例えばASANa , 1 9 5 2 ) . KAma (1984a) 有孔虫群集を tα n α ii は,夕張から穂別にいたる古第三系の 7 群帯に分け,幌内層は下位から, F3 群帯 Hα plophr αgmoides H.subevolutusAssemblage-zone , F4 群帯H. umbilicα tus -H. s u b e v o l u t u sA-z , F5 群帯H. 有孔虫からの分帯も試みられた 群帯Buliminα schwαgeri H.u m b i l i c a t u sA-z , F6 subevolutus-ey e!α mlnαpα cificαA -Z ,および F7 群帯Bulimin α s c h w a g e r i-Gyroidinα yokoyαmαi A -zの 5 有孔虫群帯に分類した.さらに, Hα:plophragmoides umbilicαtus KAma (有孔虫)の最終産出層準 の境界)と Actinomidae (F5 と F6 FormA (放散虫)の初産出層準(図幅地域では F6 と F7 の境界のやや下位)により 下部・中部・上部に 3 分した.海保 (1984) によると,旧幌内炭鉱付近の模式地は下部・中部に相当し,図幅地域は一部下 部層 (F4 .F5) に相当する部分もあるが,大部分は中・上部層に相当する. KAma(1984a) はさらに,前述した子島の大型化石帯との対比を行 p( 第 20 図) , 図幅地域の清水沢付近から「穂別」図幅地域にかけて,ほぼF4群帯はA帯に, F5 群帯は B 帯に, F6群帯は C帯から H 帯の下半部に,そして F7群帯は H それぞれ対応させている. 第 21 図 図幅東南部の幌内層露頭(坊主山南西麓林道切割り) -48- .I帯に 図幅東南部に狭長な分布をしめす幌内層(第 21 図写真)は, に よ り Bulimin α schw αgeri 中 上 部 に 対 比 さ れ る . ま た O r e c t o s p i r asp. YOKOYAMA KAmo ( 1 9 8 4 b ) の 産 出 が 報 告 さ れ , ほ ぼ 海 保 , Mα com α paron な ど 貝 化 石 を 産 出 し , α iensis (1984) INOUE の & MIZUNO および H帯 に 対 比 さ れ る 可 能 性 が 強 い . V I . 3 紅葉山層 紅葉山層は.本凶幅内紅葉山市街南方の夕張川東岸および西岸を模式地とし, 地層名は今井 (1921) による中間層(紅葉山)に始まる. 模式地西方,夕張川右岸の鬼首山を中心とした「追分」図幅北東部地域を含 む山地では,巨視的に見ると上位の中新世滝の上層を包む向斜構造を形成し, その東翼は,模式地の夕張川を越えて南方ヘ細長く連続し,下位の幌内層 I帯 およびH帯をおおい 「穂別」図幅の穂別付近まで連なる.向斜西翼部は一つ の背斜構造を形成し 夕張川を横断するところで南ヘ沈下している.また,図 幅南西部,厚真川支流のショウシウシ川上流部に, I 穂別」図幅北部厚真川流 域付近から連続して,東翼を断層で切られた背斜構造の軸部を構成した小分布 がみられる. 下位の幌内層との関係は その地質時代と共にさまざまな見解が出されてい る.例として,下河原・子島 (1961) および下河原 (1963) は大規模な不整合 とし,本層を中新世の基底層としている.海保 (1984) は整合とし,漸新世と している.ここでは海保に従うが,幌内層最上部の I帯を欠く地域もあるので, 軽微な不整合の可能性もある. 岩相は主として火山性砂岩,および凝灰質砂質シルト岩からなる.本図幅で は紅葉山層として一括図示したが,砂岩を主体とした下部層と砂質シルト岩の 上部層に 2 分される.しかし,分布南部の旧穂別炭鉱西部の山稜部付近から 以南,南隣「穂、別」図幅地域にかけては,砂質シルト岩のみの層相になる. 模式地でのこの地層下部は 層厚 140m で, 十三哩砂有部層 (KAmo , 1984a) と呼ばれる. 4 枚の安山岩の岩片を含む火山性砂岩を主体とする地層と, 3 枚のシルト岩からなる.このうち最上部の砂岩層がもっとも厚く,層厚 40m で、 ある.砂岩を主体とする地層は,一般に堅硬な暗緑色を呈する粗粒ないし中粒 -49- 砂岩に始まり,上方細粒化して砂質シルト岩に終わる小堆積輪廻を繰り返す. 各輪廻の基底には円磨度のよい細離を含むことがある.紅葉山南東方 4km ,シ ークルキ川支流の五月沢.および、同 7km のシークルキ川泊沢では,この部層基 底付近はシルト岩優勢の互層で,中・上部は砂岩優勢となり層厚は 80m' こ減じ る.さらに南方の厚真川では,砂岩は凝灰質であるが安山岩の岩片をほとんど 含まず, 10~15cm 程度の薄層として凝灰質シルト岩中に挟在するにすぎない. 以上のようにこの部層は,模式地で最も粗粒な堆積層を示し,南南東へ粒度を 減じ,厚真川以南で薄化尖滅する. 十三哩砂岩部層を除く紅葉山層 すなわち模式地の上部層と厚真川南方の紅 葉山層は,全体を通じやや凝灰質で暗灰色塊状砂質シルト岩からなり,南南東 ヘ細粒化する.模式地では上部に厚さ数lO cm~ 数m O) 凝灰質砂岩 5 枚を挟有し, 炭質物・石灰質ノジュールを含み,スランプ摺曲をなす.調査地域南部の同層 準にも数枚の凝灰岩が挟在する. シルト岩中の石灰質ノジュール中に NucuZα nαsp. , YoZdiαsp. , Mαcomα sp. , Venericα rdiαsp. ,などの貝化石を含む.これらの化石要素は,下位の幌 内層のものと大きな変化は認められない(松井・高橋, 1 9 5 1 ) . 有 孔 虫 化 石 を 産 出 し , 第 20 図 に も 示 し た よ う に は F8 群帯 Nonion KAmo (1984a) の分帯で e z o e n s i s-Cyclaminαpαc~βcαAssemblage -zone に属す る.下位幌内層最上部の F7 群帯との相違は , BuZiminα schwα.geri YOKOYAMA の代りに Nonion e z o e n s i sKAmo 全 体 の 層 厚 は , 模 式 地 で 、 320m V I . 4 が 豊 富 に な る が ほ と ん ど が 共 通 種 と さ れ る . , そ の 他 地 域 で 、 270m ~ 480m で、ある. 古第三系の地質年代 石狩層群の地質年代は,植物(遠藤, 1933) ,底生有孔虫(浅野, 1962) ,動 物化石 (KANNO , 1971) などから始新世とされている. KAmo (1984a , b) 浮遊性有孔虫を産しないが,石狩炭田北部の本層群上部の有孔虫が,上位幌内 層の有孔虫群とかなり共通種があることを考慮、して,始新世中期を示すとして p る.また棚井 トラック年代, (1986) は 若鍋層中部に挟在している凝灰岩のフィッション 4 1. 6 士 3.5Ma を報告している.この年代は,始新世中期のほぼ は, F「U ハU 中央の値を示す. 帳内層の地質年代は,浮遊性有孔虫 (KAma , 1984a) ,ナンノプランクトン (岡田, 1981) から始新世後期を示す.しかし,幌内層上部(海保の F7 群帯) に浮遊性有孔虫 Chiloguemberinα cubensis を比較的多く産出し,始新世. ¥斬 新世境界がこの付近にあることを示唆している(海保, 1984). 紅葉山層は, 底生有孔虫化石帯 (KAma , 1984a) に基づくと 北海道東部釧路炭団地域の 茶路層上部から縫別層に対比されている.縫別層中部から漸新世初期を示すK Ar年代, 32.6 士1. 7Ma が得られている(柴田・棚井, 1982). の地質年代は,漸新世前期とされている(海保, これから紅葉山層 1 9 8 4 ) . V J I 新 第 三 系 V J I . 1 滝の上層 本図幅内,夕張市紅葉山から「追分 J 図幅内の岡市滝の上にいたる,夕張川 沿岸を模式地としている. 図幅地域での分布は,大きく次の 3 地域に分けられる.①図幅西部の模式地 から連続する地域.②図幅東部 新登川付近から南方ヘ連なる地域.③図幅東 端, I 日高」図幅との境界部付近. ①図幅西部の模式地から連続する地域 下位の紅葉山層に抱かれた向斜部の,夕張川北西部鬼首山を中心とした山地 から南方ヘ,下位に紅葉山層を伴って南隣「穂別 j 図幅地域に連なる.また, この系列の地層として図幅南西隅.ショロマ川最上流部で上位の川端層が形成 する背斜の軸部を構成する小分布が見られる. この地域の滝の上層は,最-I"部に石炭層を伴う地域もあるが, 一般的に下部 の基底蝶岩を伴う砂岩層と上部の泥岩を主体とする地層に区分される. 下部の砂宥層は a音緑色から灰緑色を呈する比較的塊状の細~中約砂岩を主 体としているが,基底蝶岩を伴うところでは下部から上部ヘ,粗粒砂岩から細 粒砂岩へと移化している.上部はかなり凝灰質になり,また砂岩・シルト岩の 互層となる場合もある.夕張川以北 「追分」図幅を含む鬼首山を中心とした FHU 山地では,下位の紅葉山層と接する基底部に海緑石砂岩を伴い,鍵層として追 跡されている.基底蝶岩は,紅葉山市街南方の夕張川沿岸に典型的な露出が見 られる.ここで、は 6-7m の厚さで下位の紅葉山層を不整合におおい,よく円磨 された拳大以上の流紋岩離を特徴的に含んでいる.この磯岩は南方ヘ追跡され, 図幅南部の厚真川支流でも同様の好露出が見られる.ここでの流紋岩際は蝶径 が大きく,漂蝶状を呈するものもある.紅葉山市街南方から採取した流紋岩礁 の分析値を,前述した函淵層群の流紋岩礁とともに第 4 表に示した.函視j 層 群に比較すると, Na20 が高いことが特徴的である.基底部の石炭層は, I 追 分」および「穂別」図幅地域で知られているが 本図幅内ではあまり明瞭では ない. 上部の泥岩を主体とする地層は,暗灰色~黒色を呈し塊状で層理の発達が悪 く,紅葉山層の泥岩よりもやや軟質である.また 風化すると赤褐色になり細 片状に割れやすい.一般に凝灰質で浮石粒を含むのが特徴である.しばしば泥 灰質ノジュールを含む.図幅南西隅,ショロマ川最上流で背斜軸部を構成する のもこの泥岩層である. I 穂別」図幅地域では 泥岩層の下半部に白色~灰白 色の凝灰岩を挟んでいるが,図幅地域には追跡できなかった.また,模式地付 近の泥岩層下部に,安山岩質凝灰角礁岩と泥岩とが混合した特徴的な層相を挟 む.この層相も模式地から南方へは追跡、できなかった. I穂別」図幅地域では 地域的ではあるが,泥岩中に凝灰角際岩の産状で安山岩塊を伴う場合がある. 海保 (1984) による紅葉山南方小沢(空池沢)の泥岩層の最上部に,互層状に 挟まれる厚さ 1-2mの凝灰岩 4 枚は 後述するが上位の川端層基底部に近い凝 灰岩層の可能性が強い. 紅葉山南方の夕張川両岸で上部の泥岩層中に 径がときに数 10m に達する蛇 紋岩が巨磯またはブロック状で見出される.周辺の泥岩層は,一部は乱堆積状 の層相をしめす.蛇紋岩を含むこの層準は,地質図には図示できなかったが, 夕張川北岸のセイヨウ沢の向斜部を始め夕張川より南に連なる,この地層分布 地域の各地に点在している.特に図幅南端部に近いショロマ沢からショウシウ シ沢に越えるルートでは 尾根部を中心とした幅広い一帯に蛇紋岩体かと思わ せる分布が見られる.露頭では 粘土化した蛇紋岩の中に塊状または葉片状蛇 紋岩の岩塊が見られる(第 22図写真) Fhd ヮ“ 第 22 図 塊状の蛇紋岩塊を伴う粘土化した蛇紋岩の露頭 ーショロマ川最上流部一 化石は,下部の砂岩層中に貝化石が密集して産出する.主なものを次に示す. Acilag o t t s c h e i (BOHM) gr α vitest αTHUNBERG , Veneric s i n j i e n s i s (YOKOYAMA) (YOKOY 品仏), , Glycymerischit α rdi α tokun α nl αnαYOKOYAMA , Ostre α αgα i YOKOYAMA , Clinocα rdium , Mα com α optiv α(YOKOYAMA) , M. sejug αtα M.t o k y o e n s i sMAKIYAMA , S o l e nk r u s e n s t e r n iSCHRENCK な ど で ある. 有 孔 虫 化 石 は , 本 層 下 部 か ら Spirosigmoilinella 産 し , Buccell α nipponnic (FICHTEL & MOLL) α(HUSEZIMA compress αMATSUNAGA を 多 & MARUHASI) , M e l o n i sp o m p i l i o i d e s , P,αrαrotαliαcf. nipponicα (ASANO) などの石灰質有孔 虫を産する. 層厚は紅葉山付近で最も厚く, 1 , 100mの層厚となる. ②図幅東部,新登川付近から南方ヘ連なる地域 穂別川上流の新登川付近では南に開く向斜構造を形成し 向斜西翼では上部 蝦夷層群を,東翼では中部蝦夷層群を不整合におおう.向斜西翼部は南ヘ連続 し,東側を坊主山西縁断層により,先白亜系ハッタオマナイ層を衝上させなが ら図幅地域を縦断し, I 穂別」図幅地域に連なる.穂別ダム東方より以南では -53- 断層により重梅した分布をしめし,分布の両側が断層関係になる.なお,図幅 南部では西側に狭長な分布を示す幌内層を不整合に覆う. 新登川周辺向斜部の地層は旧新登川炭鉱の稼行炭層を伴う.松井 (1951) に より,下位から新登川層・妹沢含炭層・上穂別貝殻化石層・オロロップ層の 4 層に細分されているが 地質図には滝ノ上層として一括図示した. 最下部の新登川層とした地層は,向斜東翼部で、は基底際岩を伴って,中部蝦 夷層群稲里層を不整合におおう.向斜西翼部は穂、別川で上部蝦夷層群と断層関 係にあり,明瞭な不整合関係は確認できない.全体的に暗灰色塊状の泥岩を主 体としており,上部に不規則な海緑石砂岩を伴っている.向斜東翼の基底陳岩 は拳大以下の疎からなり 離種は蛇紋岩や輝緑岩などが多い. 妹沢含炭層は下位層から漸移し,細粒砂岩・シルト岩・泥岩で構成され,と きにレンズ状の含磯砂岩をともなう数枚の石炭層を挟み,かつて新登川炭鉱と して稼行された. 上穂別貝殻化石層は,はき寄せ状の貝殻化石を大量に含む海緑石砂岩で,厚 p 戸iJTで、 100m の層厚を持つ.層理が発達し 地層の上面にはリップルマークが 見られる.化石は量の割には種類が少ない.主なものを次にしめす. Tαrα s ferrugin αtα , (MAKIYAMA) , Cα rdium Mα crocα!l istα brevisiphonαtαCARP. , 最 上 部 の オ ロ ロ ッ プ 層 は s h i n j i e n s i sYOKOYAMA , Mα crocα !listαsp. , M e r e t r i xsp. 暗 灰 色 を 呈 す る 塊 状 の 泥 岩 を 主 体 と し た 地 層 で あ る が , ま れ に 海 緑 石 砂 岩 や 細 磯 岩 を レ ン ズ 状 に は さ む . 上 記 の 新 登 川 周 辺 の こ の 地 層 を 南 方 ヘ 追 跡 す る と 基 底 部 に 基 底 際 岩 や 貝 化 石 を 含 む 海 緑 石 砂 岩 を 伴 う が 主 体 は オ ロ ロ ッ プ 層 の 連 続 で あ る 灰 色 ~ 暗 灰 色 の 塊 状 の 泥 岩 で , 砂 岩 の 薄 層 を 挟 む . ③ 図 幅 東 端 , r日 高 」 図 幅 と の 境 界 部 付 近 ハ ッ タ オ マ ナ イ 層 ま た は 蛇 紋 岩 に 取 り 固 ま れ 的 に 小 分 布 が 見 ら れ る . 多 く の 場 合 断 層 で 接 し て 散 点 r日 高 」 図 幅 と 接 す る オ ロ ロ ッ プ 沢 で は , 基 底 際 岩 を 伴 っ て ハ ッ タ オ マ ナ イ 層 を 不 整 合 に お お う . こ の 地 域 の 滝 上 層 は , 全 体 的 に 見 る と 向 斜 部 を 構 成 す る た め 上 部 は 露 出 し て い な い . し た が っ て と な る . な お , 上 部 の 泥 岩 は 「 日 高 分 布 す る 地 層 は 基 底 部 に 近 い 磯 混 じ り 粗 粒 砂 岩 が 主 体 j 図 幅 の 八 幡 付 近 に 僅 か に 分 布 す る . 基 底 - 54- 機岩は淘汰の悪い蛇紋岩礁で特徴づけられる.層厚は約 700m で、ある. V I I . 2 川端層 「追分」図幅内,夕張市滝の上市街から由仁町川端市街付近に至る夕張川流 域を模式地としている. 本 図 幅 で は 夕 張 川 以 南 の 図 幅 南 西 部 に 下 位 の 滝 上 層 と は 整 合 的 に 背 斜 向 斜 を 繰 り 返 し て 分 布 し . I追 分 j 図 幅 の 模 式 地 周 辺 ヘ . お よ び 「 穂 別 」 図 幅 地 域 に 広 が る . こ の 地 層 は , 際 岩 ・ 砂 岩 ・ 泥 岩 の 周 期 的 互 層 か ら な る “ タ ー ビ ダ イ ト " 相 で 特 徴 づ け ら れ る . 下 位 の 滝 の 上 層 と は 整 合 で 滝 の 上 層 の 泥 岩 が 川 端 層 特 有 の 砂 岩 泥 岩 互 層 に 移 り 変 わ る 所 か ら こ の 地 層 と し た が 両 者 の 境 界 部 は か な り 明 瞭 で あ る . な お , 本 層 の 上 位 は , 西 お よ び 南 の 周 辺 図 幅 で 軽 舞 層 と 呼 ば れ , 本 層 を 整 合 に お お う が 図 幅 地 域 に は 分 布 し て い な い . を え 状 記 校 (52iHV 駁 杉 山 I> I、\:.~} 呼J t' L'~· ¥ l t 粒 砂 t!; - 戸 戸f l u t eca~l ン Jレ ト 於 勝 ち Ii.! 号尊 敬 状 締 約 砂 ギ : 融持 ~.,;.旬、~:.:::.;,~,: 中 事 f'~ 柊i 較 恥 ~ ヨ シパ t'1M の 偽 伐 を 合 じ こ と ふ り f l u t ecast , groovec a s t 第 2 3図 川端層下部層 堆積相概念図 - 55- 「穂別」図幅では,特に図幅地域から南への延長部に当たる厚真川流域で, その堆積相の特徴から下部層と上部層とに区分した(和田 1 9 8 7 ). 本 図 幅 で の こ の 地 層 も 1977 :高橋・和田, 基 本 的 に は 下 部 層 ・ 上 部 層 の そ の 特 徴 的 な 層 相 か ら 成 り 立 っ て い る が , 両 者 の 境 界 を 明 瞭 に 確 定 す る こ と が で き ず , 地 質 図 に は 川 端 層 と し て 一 括 し た . 下 部 層 の 層 相 は , 本 図 幅 地 域 で も 本 層 の 相 対 的 下 部 を 占 め る . 第 23 図 に し め す 周 期 的 堆 積 層 を 主 体 と し た 層 相 を 特 徴 と す る . 数 シ ル ト 岩 の 細 互 層 を 主 体 と し cm-15cm そ の 中 に 1-4m の間隔で、 程 度 の 細 粒 砂 岩 ・ 20-80cm の 砂 岩 層 を 挟 在 す る . 主 体 と な る 細 粒 砂 岩 ・ シ ル ト 岩 の 細 互 層 は 単 層 ご と に 級 化 が 認 め ら れ , 平 行 葉 理 が 発 達 し て い る . こ れ ら の 内 部 構 造 は , 単 層 の 下 部 か ら 上 部 ヘ , 級 化 部 ・ 平 行 葉 理 部 , そ し て 泥 質 部 へ と 移 行 す る . こ の な か で も 泥 質 部 の 発 達 が よ く , 全 体 的 に 見 る と 泥 岩 優 勢 の 互 層 と な っ て い る . 挟 在 す る 砂 岩 層 は , 単 層 の 基 部 は 指 頭 大 以 下 の 細 離 を 混 じ え る 中 ~ 粗 粒 砂 岩 で 上 部 へ 漸 次 細 粒 化 し 明 瞭 な 級 化 構 造 が み と め ら れ る . 砂 岩 層 の 底 面 に は フ ル ー ト キ ャ ス ト や グ ル ー ブ キ ャ ス ト な ど の ソ ー ル マ ー ク が み と め ら れ る . 上 部 層 の 層 相 は , 図 幅 地 域 で は 主 部 を 構 成 し , 第 24 図 に し め し た 周 期 堆 積 層 ( g R 1的 〕 極 粗 粒 砂 岩 細 離 岩 ~ 際 特 シ ル ト 岩 の 偽 礁 ・ プ ロ ッ ク を 含 む けずり込み 第 24 図 川 端 層 上 部 層 堆 積 相 概 念 図 -56- で特徴づけられる.一つの周期堆積層は下部から上部ヘ,基底部の砂岩礁岩層, 砂岩優勢の泥岩との互層,泥岩優勢の砂岩との互層,そして最上部が成層した シルト岩から塊状のシルト岩へと それぞれ漸移している.基底部の砂岩礁岩 層は厚さが 2m-20m と厚い.その中に下位の周期堆積層上部のシルト岩を削 り込んでいる場合が多く 削り込まれたシルト岩塊や成層したシルト岩がブロ ック状に取り込まれている.際は指頭大から拳大程度のものが多く,中には人 頭大以上の巨離も見出される.離種は,チャート・粘板岩・硬砂岩など古期の 堆積岩類が多く.花岡岩質岩も含まれている.砂岩泥岩互層中の砂岩は級化し ており,また,上{立ヘ漸次厚さを減少させながらシルト岩相ヘ漸移している. 以上述べた一つの周期堆積層は,数 m- 数 10m の厚さを持つ.凶幅地域の川端 層主部は,このような周期堆積層の積み重ねで構成されている.また,周期堆 積層が棺雑に乱され乱堆積状になっている地域もある. 川端層の全層が分布している「追分 j 図幅(松野・秦. 1960) では,ほぼ中 位の層準に 4 枚の凝灰岩が鍵層として追跡されているが 本図幅内ではみと められない.図幅南西隅ショロマ川最上流部で背斜軸部を構成し,僅かに露出 している卜イ立の滝の上層泥岩層直上 10m に,黄褐色を呈した 2 m O) 凝灰岩層が 認められた.この凝灰岩は 泥岩優勢の砂岩との互層中に挟在している.図幅 地域で卜位の滝の上層との境界付近での凝灰岩層は,前述したが海保 (1984) による紅葉山南方の小沢(空池沢)で泥岩層最上部に互層状に挟む凝灰岩層の みで,他地域ではみとめられない. 前にも述べたが周期堆積層中に扶在する砂岩層の下成には,ブルートキャス トなどのソールマークがしばしばみとめられる.この内フルートキャストは供 給方向が判定できる古流向をしめす.図幅地域ではほぼ南南東から北北西への 供給方向を示し.地層の走向店向と一致する軸流である. 大型化石の産出はないが .Mα rtinottiellα communis (d'ORBIGNY) などの砂 質有:JL 虫を産する. 層!字は,本 I司幅地域で上限が分布しないので不明であるが.図幅内で露出す る限り 700m を越える. - 57- V I L3 新第三系の地質年代 滝の上層・川端層の地質年代は滝の上層の動物化石および大型化石をほと んど産出しないが,川端層を特徴づける底生有孔虫Mα rtinottiellα communis ュ Spirosigmoilinellα compressαzone( 米谷・村田, 1977) から,中期中新世を示す とされている.近年の珪藻化石層序と併せて両層の地質年代はほぼ中新世中 期前半に当たるが,滝の上層の下限は前期中新世の境界より下がる可能性があ る. 唖第四系 唖. 1 段丘堆積物 段丘地形は夕張川(第 25 図) ,その支流パンケモユーパロ川,および穂別川 流域に発達する.これらの段丘面の離水時期は,大きく分けて最終間氷期以前, 最終氷期前半,最終氷期後半の 3 つに区分され,それぞれの段丘を T1段丘, 200m 100 。 \一一一-yoーーー-- 完新世段丘群・沖積面 2 。 第 25 図 3 夕張川沼の沢周辺の段丘模式横断面図 4km にd 。。 年代 (x10 4 yrBP) ホ~ 新完世 テフラ 段丘 r-ーーーー『 r--聞『 FF圃 E圃圃圃圃圃圃『 『 VVVV 樽前 d(Ta-d) ノ 2 同円 4 '0 vvvvvv 恵庭a(En-a) o 0' 「 一 一 o 更 新 世 支考古第 vvvvvv クッチャロ羽幌 Y V V V V Vク ッ タ ラ 第 1 T2 。 6 1 ( S p f a l ) ( K t -l ) vvvvvv o 。 o 。 o 8 o ζ~ o 。 10 12 ,0 cコ・ ,0 , cコ I (Kc-Hb) 庁lTl '00: 庁オ 堆積段丘形成時期 F一 一 「 浸 食 段E 形 成 時 期 vvvvvv テフラ降灰時期 第 26図 段 丘 の 編 年 図 1 ' 2 段 丘 , 1 ' 3 段 丘 と 呼 ぶ こ と に す る . ま た , そ れ ぞ れ の 堆Tl段 積 物丘 を堆 積 物 , T2段 丘 堆 積 物 , 1 ' 3 段 丘 堆 積 物 と 呼 ぶ . こ れ ら の 段 丘 は 26図 ,第 に示したよう にそれぞれの段丘面をおおう火山灰との関係で編年することができる.なお, 完新世段丘のうち低位のものは沖積面との高度差が微妙なため,両者を一括し て 完 新 世 段IT.群 ・ 沖 積 面 と し て 扱 い , そ の 堆 積 物 を 沖 積 層 と 呼 ぶ こ と に す る . ・ T1 段 丘 ( 最 終 間 氷 期 以 前 離 水 ) Tl段 丘 は , 夕 張 川 流 域 の 清 陵 町 か ら 沼 の 沢 や 川 向 な ど に 分 布 す る が , そ の ハ可 U F 』 1v 第 27 図 Tl 段丘崖斜面堆積物(沼の沢二部) 堆積物中部の白色部分が Kt-l , S p f a1 連続性は悪い.小沢 (1991) によれば,この段丘は Kc-Hb (約 13-10 万年前降 灰)をのせる.現河床からの比高は清陵橋付近で、 100m ,川向付近で、 70m で、あ る.段丘堆積物は砂蝶層からなり,沼の沢二部で、の際径は約 10em を主とする. 段丘堆積物の層厚は.本図幅内で確認した地点、で、は 2・3m で、あったが, I 大夕張 J 図幅内の夕張川上流(シュウパロ}II)流域では最大 8m' こ達する. T1段丘の段丘崖は比較的緩傾斜となっている.沼の沢二部でT1 段丘の段 Ii 崖斜面では, さみ, K t 1 (約 4.2 万年前降灰), S p f a 1 (約 4.1 万年前降灰)を中部には En-a (約1. 8万年前降灰)を上部にはさむ,蝶まじりの厚いシルト~粘 土 層 ( 層 厚 5m 以 上 ) が 存 在 す る ( 第 27 図 写 真 ) . こ の 層 に 合 ま れ る 傑 は , 背 後 斜 面 の 幌 内 層 を 起 源 と す る 角 蝶 , お よ び こ れ ら の こ と は , 最 終 氷 期 中 に T1 段丘堆積物起源の円蝶からなる. T1 段 丘 の 段 丘 崖 が 緩 傾 斜 化 し , そ の 結 果 , 段 丘 前 面 に 磯 ま じ り の 厚 い シ ル ト ~ 粘 土 層 が 堆 積 し て い っ た こ と を 示 す . • T2段丘(最終氷期前半離水) T2段丘は, Kt・ 1 (約 4.2 万年前降灰)ある p は Spfa1 (約 4.1 万年前降灰)以 降のテフラをのせる段丘である.分布地域は夕張川,穂別川,パンケモユーパ ロ川,ホロカクルキ川,石山の沢川各流域で,特に夕張川流域・穂別川上流域 で連続性が良い.夕張川流域および穂別川流域ではT3段丘より広く分布する. 現河床からの比高は夕張川で、 40-50m ,穂別川で、 50-60m ,パンケモユーパロ - 60- 川で、 50m で、ある. 夕張川流域の沼の沢四部で確認した段丘堆積物は 径 5~10cm の離を中心と し,最大隊径25cm の蝶層からなり,砂およびシルトで充填される.本図幅内の 1'2段丘堆積物の層厚は 確認できた地点、で、は消の沢四部の 4m が最大で、あるが, 「大夕張」図幅内の夕張川上流約 3km の地点では 20ml 二達する.北海道各地の山 間部に分布するこの時代の段丘は,最終問氷期の河床下刻後に谷を埋積した堆 積段丘であり,本図幅内にも局所的に厚い段丘堆積物が存在する可能性がある. ・ T3段丘(最終氷期後半離水) 1'3段丘の分布地域は主に夕張川流域,穂別川流域 パンケモユーパロ川流 域などであり,段丘面の連続性は非常によい.夕張川,穂別川では1'2段丘よ り分布面積は小さいが,パンケモユーパロ川流域では, T2段丘より広く分布 する.現河床からの比高は 夕張川 穂別川 およびパンケモユーパロ川のい ずれの流域とも約20m で、ある.本図幅範聞は En-a (約1. 8万年前降灰)分布域 にも関わらず,夕張川流域の1'3段丘上には En-a がのらない. 第 28図 しかし,図幅範 1'3段丘堆積物(ノ t ンケモ ユーノ f ロ JII 中流) -61- 囲より下流 10km には En-a が段丘堆積物の直上に JE- められることから,本図幅 範囲では,夕張川流域の T3段丘離水期は En-a降灰直後と考えられる.また, パンケモユーパロ川流域のT3段丘上にも En・ a はのらないが,穂、別川流域では 稲里で、 En-a がのる. T3 段丘堆積物は砂に充填された蝶層からなり,際径は 5-10cm を主とする (第 28図写真).本地域のT3段丘堆積物の層厚は 図幅範囲外の夕張川上流約2km 地点、において 3-5m前後の地点、が多い.本 層厚 10mの礁層が見られること から,本図幅内でも場所により約 10mの谷埋めの磯層が存在する可能性もある. 唖. 2 沖積層一完新世段丘群・沖積面- 完新世段丘群は,夕張川流域の沼の沢から紅葉山にかけて最も広く分布して p る.穂別川流域の稲里では Ta-d を直上にのせる完新世段丘(ここでは河床 からの比高約 10m) が存在する(第 29 図写真).各河川とも完新世段丘は多段 化しており,比高数m-10mの小さい段丘崖を持つ.低位の段丘面は沖積面と ほとんど高度差がない.段丘堆積物は砂礁からなり 層厚は変化が少なく 2m 前後であることから,完新世段丘群は浸食段丘とみられる.沖積面を構成する 堆積物も数m以下とみられる. 第 29図完新世段丘堆積物(稲里) -62- E 安山岩(貫入岩) 紅葉山市街南方の夕張川を挟んだ両岸に 幌内層を貫く西北西-東南東方向 の,延長約 1 ,200m 幅50~60m' こわたる玄武岩質安山岩の貫入岩体が発達して p る.この岩石は全体に弱 p 変質を蒙っており,黒色から暗緑色を呈する級密 な岩相で,柱状節理が発達している.鏡下で観察すると,斑晶は最大 2 mm の 斜長石と最大 O.5mm の単斜輝石からなる.石基は問粒状~サブオフィチック組 織を示し,初生鉱物として斜長石・単斜輝石・斜方輝石・不透明鉱物・黒雲 母・ガラスから構成され,石英・クリストパライトも認められる.斜方輝石は 後の変質によりスメクタイトに置換されている.以上から,この岩石は玄武岩 質の単斜輝石安山岩である. 上記に類似した岩石は 同様に幌内層を貫いて石山の沢川上流に小岩体が見 られるほか,サヌシュベ川上流の支流にも石狩層群幌加別層,および幌内層を 貫く小岩体がある. 幌内層を貫く類似した貫入岩体は 「夕張」図幅の幌内層分布地域に安山岩 質玄武岩の小岩体として散在している(佐々ほか 1 9 6 4 ). 渡 辺 ほ か は, r夕 張 J 図 幅 北 部 の 幌 向 川 中 流 の 岩 体 に つ い て , 中 新 世 前 期 を 示 す 代, 1 9.4ア1. 6Ma を報告している.紅葉山の岩体をはじめ本図幅地域の小岩体 (1993) K- Ar年 の貫入時期は,この年代に対応する可能性がある. X 地質構造 本図幅地域は,神居古湾構造帯の西縁に位置している.図幅地域の地質分布 を大きく見ると,東から西へ図幅東縁に,神居古湾構造帯を構成する蛇紋岩類 やハッタオマナイ層が 東半部に蝦夷累層群が 西半部に夕張炭田南部地域を 構成する古第三系が,そして西南部には新第三系が分布する.なお,新第三系 は,凶幅東部の神居古滞構造帯と蝦夷累層群に挟まれた地域にも分布している. これらの地層の配列および断層や摺曲などの主要な構造方向は,ほぼ南北方向 を示している.これらの方向は北海道中軸部の一般的な構造方向と平行である. -63- j r 、 と \ 背 斜 1と \ 逆 転 背 斜 d \逆 向 中 部 蝦 夷 層 群 目 田 一 国 一U \ \ 断 層 ~ 石 狩 層 群 ( ヌ ヲ ポ マ ナ イ 膚 ) Y人 \ 向 斜 ト5 ) 本 文 参 照 ① : ソ ソ シ 沢② 断: 層松 竹 沢 ③ 断: 層豊 進 断 ④ 層 : 白 樺 断 ⑤ 層 : オ ラ ン ナ イ 断 層 ⑥ : 五 の 沢⑦ 断: 層 楓 断⑧層: 穂 別 断 ⑨ 層 真 谷 地 2 背第斜 ⑩ : 平 和 断 層 ⑪ : ク ル キ⑫ 断: 層登 川 断 ⑬ 層 椿 背 ⑭ 斜 : 下 の 沢 背 斜 ⑮ 上 の 沢 向 斜 ⑩ 上 の 沢 背 斜 ⑫ : 2 背真 斜 谷⑩ 地: 第 真 3谷 背地 斜第 ⑩ : 清 真 向 斜 ⑮ : ペ ン ケ マ ヤ 背 斜 @ : ペ ン ケ マ ヤ 向 斜 ⑫ : 清 水 沢 背 斜 ⑫ : @ : 平 和 背 @ 斜 : 穂 別 向 @ 斜 : 稲 里 断 @ 層 : 平 和 断 ⑮ 層 : 坊 主 山 西 縁 断 層 @ : 南 登 川 断 層 第 3 0図 地 質 構 造 図 -64- 図幅地域の地質構造は び構造形態から, 第 30図の地質構造凶に示したように地層の分布およ 1) 神居古湾構造帯, 層群摺曲部と古第三系摺曲部境界部, 2) 蝦夷累層群摺曲部, 3) 蝦夷累 4) 古第三系摺曲部,そして 5 )新第 三系摺曲部の 5 地域に分けることができる. 1)神居古浬構造帯 「日高 j 図幅東部の,ハッタオマナイ岳を中核とするハッタオマナイ層と蛇 紋岩からなる岩体の西縁部が 本図幅では坊主山の蛇紋岩体を中核としたブロ ックとして,西側の新第三系滝の上層に坊主山西縁断層により衝上している. 坊主山西縁断層は,南部では N-S の方向であるが北部ヘ漸次NNE から NE ヘ向 きを変え,西側ヘ湾曲した形態を取っている.その北方への延長部では, r 日 高」凶幅内で、同岩体が中部蝦夷層群に衝上している. r 日高 J 図幅のハッタオ マナイ層と蛇紋岩からなる岩体は,基本的には南北性の構造方向を示すが,そ れにほぼ直行する東西性の構造も顕著である.坊主山の蛇紋岩体も「日高」図 幅内では東西性の方向を示し本図幅内に入るが p 漸次南北方向に向きを変え 坊主山西縁断層に近づくに従 同断層に収散する形態を取る. 図幅北東隅,パンケモユーパロ川の北部に僅かに顔を出す蛇紋岩体は, r 大 夕張j 図幅と「石狩金山」図幅境界部の夕張昔衝上地塊の南端部に位置し,同 地塊が西方の蝦夷累層群に衝上する夕張岳衝上断層とともに図幅地域に連な る.ここでは,夕張岳衝土地塊南端部の蛇紋岩体が南方ヘ張り出す形態を取り, 蝦夷累層群上に衝上している. 2)蝦夷累層群摺曲部 蝦夷累層群の地質構造は 巨視的に見ると図幅中央部を南北に縦断する中部 蝦夷層群の背斜構造に支配され この背斜は稲里断層の東側に細長く分布して いる稲里層を軸部とすると考えられる.中部蝦夷層群は軸部に沿うか,または 西翼部を切る稲里断層により,西側に分布する上部蝦夷層群に衝上している. 稲里断層は大立目 (1941 ・ 1942) の穂別衝上断層に相当する可能性がある. 背斜東翼部の中部自白夷層群の構造は.ヌタポマナイ層の向斜で特徴づけられ る.主要な向斜軸は稲里層分布域の東側にあり,東翼部は長和断層に切られる が,ヌタポマナイ川上流域から穂別ダムのダムサイト付近を経て,さらに南方 ヘ追跡される.西翼が緩傾斜で東翼が急傾斜になる非対称向斜で,軸部は逆転 -65- していない.北方への延長は東翼の長和断層のため明瞭でなく,細かい背斜向 斜を繰り返すパンケモユーパロ川流域のどの向斜に連なるのか明らかでない. この向斜東翼部は,北部のパンケモユーパロ川流域と南の穂別川流域で異なる. パンケモユーパロ川流域では断層で切られ,背斜向斜を繰り返すが,東方ヘ, より下位の地層が分布し,同}I I から南の支沢中ノ沢中流にかけて,ヌタポマナ イ層が下位の稲里層に抱かれた,北西に開く向斜構造を形成している.南の穂、 別川の地域では稲里断層に沿う背斜構造の東翼に,より上位の地層があらわれ, ヌタポマナイ川下流では上位の上部蝦夷層群長和層を抱く向斜構造を形成す る.この向斜は向斜軸が東傾斜の転倒向斜である.以上のヌタポマナイ層向斜 部の東側は,穂別川地域では更に東側の長和層と断層で接する.この断層は, 北部のペンケモユーパロ川で稲里層と長和層が接する断層に連続し,おそらく 東側の長和層が落ち込んだ正断層と考えられる.ここでの長和層の構造は,東 翼が新第三系滝の上層におおわれた正常な背斜構造を形成している. 稲里断層により中部蝦夷層群に衝上された 断層西側の上部蝦夷層群長和層 の地質構造は,背斜向斜を呈する図幅北部の一部地域を除きほぼ直立,または 東傾斜の逆転した同斜構造で,西方へ上位の函測層群に移化する.函沸l層群の 構造は, r 大夕張」図幅地域から本図幅地域ヘ 基本的には下位の長和層とと もに全体的に東傾斜の逆転した同斜構造を示す.しかし 特に図幅中央部から 南部にかけては下位の長和層,および上位の古第三系石狩層群・幌内層と共に 錯綜した地質構造を呈するため,次に述べる古第三系摺曲部との境界部として 取り扱う. 3)蝦夷累層群摺曲部と古第三系摺曲部境界部 「大夕張」図幅地域より連続し,南北の狭長な分布を示す函測層群は,登川 以北で斜交する松竹沢断層により上位の石狩層群登川層・幌加別層,および一 部幌内層を伴って東方ヘずれ,東南方に雁行する形態で登川以南に連なる.松 竹沢断層は東傾斜の正断層とされる. 一方,図幅南部では稲里断層西側の長和層および函測層群は,図幅北部同様, 全体的に東傾斜の逆転した同斜構造を呈する.この地域での函決l層群は,東傾 斜 η 逆断層であるソソシ沢断層により東西 2 列の分布となり,その北方延長 部では稲里断層により中部蝦夷層群の稲里層が衝上している.西列の函湖l層群 - 66 ー は,西側に登川層・幌内層を伴い,前述した松竹沢断層東側にそう函沸l層群南 方延長部の函視l 層群と 西傾斜の里進断層で接している.さらに西側,登川以 北で松竹沢断層から分岐した南登川断層は,図幅南部で白樺断層と呼ばれ, 「穂別」図幅地域に連なる.この断層は東傾斜の正断層で 登川以南では断層 西側に沿い下盤として狭長な函沸l層群が分布している.この地域で函視l層群を おおう地層は,石狩層群を欠き幌内層と接する.図幅南端部から「穂別」図幅 にかけて,豊進断層と白樺断層に挟まれた狭い地域は,長和層・函淵層群・幌 内層が南北方向の断層に挟まれたサンドイツチ状の形態を取っている. 上記登川以南の幌内層を伴った函淵層群分布地域は 大立目 (1941) により “サヌシュべ推被衝上塊"として 大規模な推被衝上説が発表された地域であ る.その後下河原 (1963) により “サヌシュべ根無し地塊"として再定義さ れた.さらに本多 (1967) は現石勝線の計画調査の段階で 施されたボーリングコアについて検討し 根無し地塊上に実 下河原と同じ見解に達している(第 31 図),サヌシュベ根無し地塊は,国道274号線沿いの主に西側,南登川断層一 白樺断層東側の東西 1 ~1. 8km ,南北約 5km の範囲の根無し地塊で,幌内層およ び一部函沸!層群をおおい 白樺断層の一部も被覆している.この根無し地塊は 長和層および函淵層群からなり,地塊内の構造は小断層に切られてはいるが, 軸方向が NNW-SSE の 函測層群下部の層準が長和層に抱かれた単純な向斜構 造を形成している. +200m 幌内層 Ph f 亡OF 帯 ~仁己 E帯 l~B Ph ・ C·D 帯 函;~I 層群 fHkU §ヨ上部 lHkL ~ ヨ 下 部 一 一 上部蝦夷層群 Ur 医 ~ 下ご二 1 凝灰岩 三 二 第 31 図 400m 2 0 0 トーー一|海緑石 “ サ ヌ シ ュ べ 根 無 し 地 塊 " 地 質 断 面 図 本 多 (1967) - 67- 原 図 を 一 部 改 変 根無し地塊の成因は,前記下河原,本多によると, r 横臥背斜の上面(東翼) が推し被せ断層により横移した横移地塊の,侵食による残存物J として,その 根部が近接した位置にあるとしている.また この地塊内北東部に規模は小さ いが,長和層上に衝上した函湖層群の岩体がみられる.この他,豊進断層西側 の函淵層群上にも長和層の小岩体がみられる. 4)古第三系摺曲部 図幅北部では松竹沢断層,南部では南登川断層一白樺断層西側に沿う.東傾 斜の逆転層をしめす函淵層群西側に,石狩層群および幌内層の古第三系摺曲部 が拡がり,摺曲部内部は広く幌内層におおわれる.石狩層群の地表での分布は, 摺曲部内部で摺曲する幌内層の背斜軸部を構成して分布する.摺曲部の幅は図 幅北部で幅広く, r 追分」図幅北東部を含め東西約 10km であるが,南方へ漸次 幅を狭め,南端部では約 2 km に狭まり,大きく見ると北に開く扇形を形づくる. 古第三系摺曲部は, NNW-SSE から N-S 方向の摺曲,およびそれに伴われる 断層によって特徴づけられる.幅広い図幅北部についてみると,東から西ヘ次 のような背斜構造が認められる.すなわち,椿背斜,下の沢背斜,菖蒲背斜, 上の沢背斜,真谷地背斜(第 1 ~第 3 背斜) 雁行する清水沢背斜 ペンケマヤ背斜とその北西部に 平和背斜などである.この内 上の沢背斜の南方への延 長は楓背斜で,さらに図幅南部ヘ延長すると断層に切られながらも穂別背斜に 連なる.上の沢背斜以東の各背斜は登川断層や楓断層などに切られ,図幅南部 には延長しない.また 真谷地背斜以西の各背斜は 後述する平和断層および クルキ断層により切られ図幅南部には延長しない.これら各背斜は軸部に地域 的に石狩層群を露出させているが,ペンケマヤ背斜のみ石狩層群が幌内層の地 下深部に伏在している.また,椿背斜から真谷地背斜までは比較的波長の短い 軸面が東傾斜の転倒した等斜摺曲であるが 真谷地背斜西翼の清真向斜からペ ンケマヤ背斜,さらに西翼のペンケマヤ向斜,図幅西端部の平和背斜にかけて, 波長がやや長くなり正常な摺曲形態を取る. 上に述べた背斜構造の翼部に沿って,背斜軸とほぼ平行な東傾斜の断層が発 達している.椿背斜にそう断層はオランナイ断層で,東傾斜の正断層である. その南方延長は登川断層と呼ばれ 登川北方では断層西側に沿い函湖層群が分 布し,松竹沢断層に収赦する.五の沢断層は,北部では下の沢背斜を斜断する -68- 逆断層で登川付近まで追跡できる.菖蒲背斜の東翼に沿う楓断層は,図幅南部 に追跡する,穂別背斜東翼に沿う穂別断層で,そこでは比較的落差の大きい正 断層である.真谷地背斜東翼の真谷地断層は正断層で,楓南方でクルキ断層に 収赦する.平和背斜西翼にそう平和断層は NW-SE の方向を取る逆断層で, 紅葉山市街地付近で湾曲し,真谷地背斜西翼部から南ヘ伸びる逆断層のクルキ 断層に収蝕する.平和断層はほぼN-S方向を示す上盤となる幌内層の構造方向 と斜交し,下盤となる幌内層の上部層 (G幽I帯)の構造方向は,断層と平行に なる.クルキ断層は N-S に近い方向を保ちながらも上下盤の幌内層の構造と 斜交しながら「穂別」図幅に連なる.この断層は上盤が転倒した摺由を形成す るのに対して,下盤は正常な摺曲を形成している. 5)新第三系摺曲部 本図幅西南部を占める新第三系摺曲部は 古第三系最上部層の紅葉山層の分 布と調和的である.紅葉山層の分布は前述の平和断層,およびそれに連なるク ルキ断層以西の,幌内層上部層の構造方向と弔行である.新第三系の滝の上層 は,上位の川端層とともに紅葉山層に抱かれた向斜構造を形成する.この向斜 西翼部は急立し,一部東傾斜の逆転部もみられる.そして漸次西方ヘ,翼部を 断層に切られながら 滝の上層を軸核とする背斜そして向斜を繰り返し,於兎 牛沢川沿い付近から西方の「追分」図幅地域ヘ 川端層の波長の長い摺曲構造 に移化する.以上の新第三系の摺曲は,基本的には白亜系,および古第三系摺 曲部と同様の,西翼が急なー部逆転した摺曲形態を取る. 以上述べた地質構造を地史的に整理すると,次のようにまとめられる. 図幅地域での蝦夷累層群の堆積には,アルコース砂岩やカリに富むアルカリ 流紋岩で特徴づけられる函洲層群深牛蝶岩層の際組成に現われているように, 西方陸地が後背地として存在した. 石狩層群の堆積盆形成には 蝦夷累層群の緩慢な隆起はもとより,神居占津 構造帯も同層群の際組成が示すように,堆積物の供給源として存在した. 幌内層の堆積は,石狩層群およびさらに東方の蝦夷累層群をもオンラップし ながらおおった.幌内層の海域は神居古津構造帯内域にも及んでいる. 新第三系滝の上層は 古第三系最上部の紅葉山層を傾斜不整合でおおう.不 - 69- 整合は図幅南西部で両者の構造差はあまり明瞭でないが 図幅外北西部で顕著 になり,図幅東部では蝦夷累層群および一部幌内層を直接おおう.滝の上層堆 積盆の形成と堆積には 背後地となる神居古漕構造帯の構造的隆起が強く関連 している. 滝の上層と神居古津構造帯との関係は,同層の基底喋岩,および同層泥岩中 に介在する蛇紋岩ブロック または礁の問題に関わる.基底礁岩は図幅東部で は蛇紋岩礁が多く,輝緑岩なども伴い,同帯がすでに削剥レベルに達していた ことを伺わせる.図幅西南部の基底磯岩には流紋宥礁が顕著にみられ,中には 巨大な漂蝶状を呈するものすらある.この流紋岩はアルカリ がやや低いが, Na20 に富むことが特徴的で, (Na20+K20) 下位函湖層群のカリに富む流紋 岩礁と起源は異なる(第 4 表),高橋 (1988 MS) は 雨竜地域の資料と併せ て神居古津構造帯の珪長質岩類であるトロニエム岩の噴出相との関連で考察し ている.泥岩中に介在する蛇紋岩ブロックまたは離は かつて NAGAO ( 19 3 3 ) が 「 蝦 夷 ナ ッ ペ 」 と 呼 び , 蛇 紋 岩 の 根 無 し 地 塊 と し た が , そ の 後 各 研 究 者 に よ 1 9 6 3 ). 本 図 幅 で は 広 範 な 広 が り を み せ る 蛇 紋 り 否 定 さ れ た ( 例 え ば 下 河 原 岩 塊 密 集 部 に つ い て , 分 布 の 詳 細 は 露 頭 条 件 も 悪 く 地 質 図 に は 表 現 で き な か っ た . ま た , 堆 積 機 構 な ど 詳 細 に つ い て も 検 討 で き な か っ た . し か し , “ 構 造 的 併 入 " と 考 え ら れ て い る ( 渡 辺 ほ か , 1978) 蛇 紋 岩 体 を 伴 う 神 居 古 津 構 造 帯 の , こ の 時 期 の 構 造 運 動 と の 関 係 は 無 視 で き な い . 坊 主 山 西 縁 断 層 に 代 表 さ れ る 神 居 古 湾 構 造 帯 の 西 方 へ の 衝 上 性 の 断 層 は , こ の 時 期 に 怪 芽 し て い た と 考 え ら れ る. FUJIE e tal . 分 布 の 主 体 が 図 幅 外 西 方 ヘ 拡 が る 川 端 層 の 堆 積 に は ta l., 1965) TO e ( inMINAュ が示すように,輝緑岩類や蛇紋岩など神居古湾構造帯を指示 する蝶が多く,引き続く同構造帯の上昇を示している.川端層際岩の構成礁を 特徴づける花向岩礁の含有は,図幅地域を南限としており,FUJIE e tal .( i n MINATOe ta l., 1965) は西方陸地からの供給としている. 本図幅地域には,川端層上位の中新世上部から鮮新世にわたる岩見沢層・追 分層は分布していない.北海道中軸帯東列の日高変成帯の上昇は,この時期か ら始まるとされる. 本図幅地域の地質構造の形成は 多くの過程を経ながらも最終的には新第三 -70- 紀末,すなわち追分層堆積後の変動と考えるよ日で、他の著者と一致する. 地質構造の形成には 蝦夷累層群から新第三系まで各地層堆積時の背後地の 変遷を反映している.特に,古第三紀以降の神居古津構造帯の構造的な隆起と, 新第三紀中期以降の日高変成帯の山脈化に深く関わっている. X I 石 炭 資 源 本 凶 幅 は , 石 狩 炭 田 南 部 地 域 ( 夕 張 炭 FH) を 含 む 古 第 三 系 石 狩 層 群 の 諸 地 層 は の 南 側 に { 立 置 し , 発 達 し た 央 炭 層 図 幅 の ほ ぼ 西 半 部 を 占 め て 広 く 分 布 し て い る . 石 狩 層 群 の 中 稼 行 対 象 と な る 主 要 炭 層 を 挟 在 す る 地 層 は , 夕 張 層 お よ び 登 川 層 の 2 層 で あ り . こ れ ら 吏 炭 層 は 閃 幅 内 の 地 質 構 造 を 形 成 す る 過 摺 曲 構 造 の 軸 核 と し て , ま た , 炭 聞 の 基 盤 を な す 白 亜 系 函 沸 | 層 群 を 岡 続 し て , ほ ぽ 南 北 方 向 に 帯 状 に 露 出 分 布 し て い る . 本 図 幅 内 に は 夕 張 層 お よ び 登 川 層 の 石 炭 を 対 象 に , 第 示 す よ う に 大 小 6 表 お よ び 第 14 の 炭 鉱 が 稼 行 し て い た . 第 32 図 に 7 表 に は 主 力 炭 鉱 の 炭 質 別 一 覧 を 示 す . 現 在 す べ て の 炭 鉱 が 閉 山 し , 本 図 幅 内 に 炭 鉱 は 存 在 し な い . か つ て 稼 行 し て い た 主 力 炭 鉱 の 状 況 は , 次 の と お り で あ る . 1 . 夕 張 新 炭 鉱 所 在 地 : 夕 張 市 清 水 沢 清 陵 町 61 番 地 閉 山 時 鉱 業 権 者 : 北 炭 夕 張 炭 鉱 株 式 会 社 位 置 お よ び 交 通 本 炭 鉱 の 開 発 地 域 は 夕 張 市 清 水 沢 東 部 か ら 沼 の 沢 ~ 真 谷 地 に か け て の 夕 張 川 東 方 の 丘 陵 地 で , 東 西 約 1 . 8km , 南 北 約 6km , 面 積 約 11 凶 で あ る . 北 西 に 清 水 沢 炭 鉱 , 南 東 に 真 谷 地 炭 鉱 が 位 置 す る . 新 炭 鉱 の 鉱 山 事 務 所 お よ び 立 坑 は . J R 清 水 沢 駅 選 炭 工 場 は , 交 通 は 3.3km の 南 東 方 , ペ ン ケ マ ヤ 川 の 中 流 河 岸 に あ り , ま た 揚 炭 坑 J R 沼 の 沢 駅 付 近 ( 第 fJ 33 図 写 真 ) に あ っ た . J R 七 勝 線 の 紅 葉 山 駅 か ら 分 岐 す る 夕 張 線 が 通 じ て お り , 道 路 は 同 道 452 号 が 走 る 他 , 市 道 ・ 農 道 ・ 林 道 が 発 達 し 至 便 で あ っ た . 沿 革 -71- ・ 本炭鉱の開発地域は,昭和 24 (1949) 年,北海道炭砿汽船(船による清水沢南 ~東部開発構想に始り,その後,沼の沢~真谷地西部に調査範囲を広げ,地表 踏査,試錐調査を実施してきたが 国の実施した昭和 33-37年の炭田総合開発 上。ー 調査,同 38-44年の原料炭田開発調査と相候って,本区域に優良な石炭が賦存 小 /r' -::>z o吋3 1エソ". 歪野幌 タ彊線 北隆炭鉱 ¥ 稲皇炭鉱 括 ヒd 第32 図紅葉山図幅内炭鉱分布図 -72- 穂別炭鉱 揺 第6表 紅葉山図幅内炭鉱名簿(石狩炭田南部) 出炭総出量炭量 l 年(間t) 生産量 従数粟(人員) 炭鉱名 鉱業(者租名鉱)権 所在地 主要坑口名 採鉱掘区、分租 操業 S 月日 設立・開坑 閉山・抹消 三云井観 登川* ニ井鉱北炭 山(株) 夕張市畳川 松本竹坑沢坑、鶴、亀下沢の坑 沢斜 探 M4T.4.8.買~収 TS82譲9.渡 8 桂坑、榊坑、下の沢 坑 楓 1-3 坑 探 M.天 38担 .8露 採 S 1 9 . 1 2 . 5 S 2 2 . 1 1 . 3 採 5 7 . 1 2 . 2 7 6 S 4 5 . 7 . 2 9 S . 6 9 8 . 8 7 1 (1S.15727 北炭農鉱真(株谷地 ) ( 新 真 谷 地 ) 北炭炭鉱(夕株張 清 水 沢 夕 張 新 鉱 夕張市真楓谷 地 問 夕張市清水沢 遠幌坑、斜坑、本坑 ) 向 上 穂別 第 1斜、坑第 2立材坑料、斜ベ坑 向 上 北炭 ルト 要払郡穂別町 水準竪入、通洞竪入 穂別炭鉱(株) 租 採 稲 里 * 大 和 鉱 業 ( 株 ) 同 同 稲 里 稲 里 坑 探 北 陸 ' 北 陸 炭 鉱 ( 株 ) ( 株 ) 石 山 組 同 上 新 北 海 鉱 業 ( 株 夕 張 市 真 谷 地 南 第 25斜坑坑 、 北 立 入 坑 租 租 墓青南可豊 : J 川 畳 川 北 畳 噂 北 新 → 新 榊 警豊(睡鉱誌 ( ( 株 ) 新 登 川 ム 輿担津 鉱業(株) 直新 畳穂 n日 中 穂 別 ' 第3 - 向 上 夕 張 市 楓 向 上 第1 坑 通洞孔 夕 張 市 畳 川 勇 払 郡 租 手E 租 租 租 租 タ間張市監 酬 地 |南坑 ι 産 業 ( 株 野 次 郎 第2坑 第 1-5 坑 ( 小 滝 沢 坑 ) S24. 4 S 2 8 . 1 1 S 3 2 . 1 0 S 2 8 . 1 0 S29. 4 S 2 8 . 1 2 S . 2 8 . 1 0 S 2 9 . 8 S36 S 2 7 S 4 6 S22 T 1 4 . 8 町 同 開 新 畳 川 探 間 同 稲 里 試 S 6 2 . 1 0 23 ,010 ,230 H . 3 . 1 2 7 0 1 . 8 6 1 1 . 1 4 3 S . 5 5 . 7 522 ,605 9 7 4 5 2 8 . 1 1 S 4 0 . 1 2 S 4 3 . 1 S 3 8 . 3 S 2 9 . 3 S 4 0 . 8 S 3 5 . 1 0 S 3 8 . 3 S 3 9 . 2 S 3 8 . 3 S52 S29 S 4 . 3 9,509.294 728 ,001 (S51 年) 年 .42) 9 2,892 4 4 . 1 1 7 1 3 9 5 9 . 6 2 8 21 ,653 1 0 . 6 9 4 1 0 . 0 7 5 3 . 9 5 3 2 7 . 3 6 6 8,056 4 . 1 3 8 6 0 . 0 0 0 2 9 . 0 2 8 1 6 6 7 6 6 2 4 0 2 5 6 7 2 8 2 8 ( 註 ) 稼 行 爽 炭 層 * ; 登 川 層 の 炭 層 、 無 印 ; 夕 張 層 の 炭 層 、 企 溝 上 層 の 炭 層 第 7表 炭 鉱 , 炭 質 別 一 覧 表 ( 工 業 分 析 ) 工 業 分 析 水分(%)灰分(弘)揮発分(覧)国定炭素(九) 炭 鉱 名 地 層 名 炭 層 名 清水沢炭鋸 夕張層 夕張新炭鉱 夕張層 十尺上層 平安八尺眉 1 .2 0 . 9 十 尺 層 平安八尺胆 十尺層 1 番上層 真 谷 地 炭 鉱 桂 坑 真谷地炭 鉱楓坑 1 夕 張 層 番 層 1 番 下 層 2 番層 3 番層 1 番層 夕張層 2 番層 穂別炭鉱 夕張層 稲里炭鉱 登川層 3 番層 1 番 層 2 3 4 番層 番層 番層 上 本 層 層 0 . 6 0. 7 2 2 . 2 1 . 8 1 .6 1 .4 2 . 1 2 . 5 2 . 4 5 . 3 6 3 . 9 6 4 . 7 7 7 . 6 7 5 . 2 7 1 .2 3 8 . 2 6 . 6 4 . 6 3 . 5 5 . 9 5 . 9 5 . 8 1 0 . 9 4 . 7 4 . 4 8 . 7 9 . 5 3 . 6 1 . 3 5 . 9 9 6 . 2 4 2 2 . 1 3 1 3. 48 5 . 1 6 3 7 . 2 3 9 . 8 3 9 3 3 . 2 3 4 . 7 4 1 . 6 4 2 . 6 3 9 . 6 4 6 . 5 4 6 . 5 4 3. 4 41 .5 4 6 . 5 4 5 . 0 5 4 2 . 9 5 4 3. 41 3 4. 43 4 1 . 6 6 4 4 . 4 3 K発ca熱1/量kg 全硫黄(弘) 5 3 . 4 5 2. 7 5 5. 4 6 2 . 7 5 8 . 7 5 0 . 5 4 9. 4 4 7. 7 4 7 . 2 4 7 . 7 4 5 . 8 4 6 . 5 4 7 . 4 4 5 . 2 9 4 7 . 3 4 5 . 5 8 3 5 . 7 7 3 9 . 5 7 5 0 . 1 8 0 . 3 0 . 3 0 . 2 0 . 2 0 . 2 粘 結 状 態 結 膨 張 7 . 9 0 0粘 結 膨 張 8 . 1 1 0粘 粘 結 8N8 8 . 1 2 0強 8,930 強粘結 8N9 8,280 強粘結 8N9 7,800 膨 張 7 . 9 0 3膨 張 7,405 膨 ~Ii 8 . 0 6 3膨 張 張 8 . 0 1 7膨 7,540 膨強 8N6 7 . 5 1 0膨 張 8N5 8,090 膨張 8N4 7,864 膨 張 7 . 42 0膨 張 7,218 膨 張 粘 結 5 . 4 8 8徴 6,306 弱粘結 粘 結 8 . 0 7 2弱 S 炭分質 熱補量正 K純ca炭1/ 発kg JI 区 膏 炭 82 8 . 7 9 9涯 8,830 涯膏炭 8 2 8,643 涯膏炭 8 , 9,345 渥膏炭 8 , 8,921 涯膏炭 8 , 膏 炭 82 8 . 5 2 3涯 青 炭 82 8 . 6 4 4童 8,589 涯膏炭 8 2 8,742 涯膏炭 8 2 8,550 涯膏炭 8 2 8,503 謹育炭 8 2 8,590 遷膏鹿島 膏 炭 82 8 . 6 3 0渥 8,4 37 涯膏炭 8 2 8,008 渥膏炭 C 8,145 産膏炭 C 6,517 亜涯膏炭 D 6,931 亜霊膏炭 D 8,4 29 E涯膏炭 D (事畑出#)図甑望町内蜜語道事出km 図式保 制楓拡 • 0 第 33図 夕張新炭鉱沼の沢選炭場 一安藤文男写真集「夕張を見つめて半世紀J , 1998 より一 A A ' 第 35図 夕張新炭鉱地質断面図(第 34 図AA'断面,地層記号は 34図と同じ) (北炭資料) 一 77 - していることが確認され,本格的な新鉱開発が検討されるに至った. 昭和 43 (1 968) 年 12 月 同社に新鉱開発部が設置され,昭和 45 (1970) 年 7 月 29 日,石炭鉱業合理化臨時措置法に基づく国の未開発炭田開発地域の指定を 受け,同年 9 月 21 日,開発計画が告示されて沼の沢の斜坑と第 1立坑の開設工 事に着手した.わが国における最後の新炭鉱開発である. 昭和 48 (1973) 年 10 月,採炭が開始され 5 0 (1975) 年 6 月 か ら 営 業 出 炭 を 開 始 し た . 昭 和 53 (1978) 年 10 月 , 北 海 道 炭 砿 汽 船 ( 時 か ら 分 離 独 立 し , 北 炭 夕 張 炭 鉱 株 式 会 社 夕 張 新 炭 鉱 と 改 称 し た . 昭 和 55 (1980) 年 8 月 に 坑 内 火 災 が 発 生 同 56 年 10 月 16 日 に め て 93 名 が 死 亡 す る ガ ス 突 出 事 故 が 発 生 し 事 故 の 回 復 を み ぬ ま ま 同 2 次 災 害 を 含 57 ( 19 8 2 ) 年 12 月 , 閉 山 し た . 創 業 時 最 盛 期 出 炭 量 は 1 , 177 , 429 t/52年(人員 2 ,892 名)であり,新炭鉱の 出炭量累計は 6, 698, 870 t である. 地質・炭層・炭質 本区域の地質は白亜系を基盤として,その上位に不整合に累重する古第三系 の石狩層群,および幌内層から構成されている.夕張新炭鉱を中心とする地質 図を第 34図に,中央第 1 立入を含む東西方向の地質断面を第 35図に示す. 石狩層群は下位から,登川層・幌加別層・夕張層・若鍋層,および幾春別層 の諸層からなり,このうち,開発対象となる主要炭層を挟在する地層は夕張層 である. 本区域の石狩層群は,一部を除いてほとんど地表に露出せず,厚い無層理塊 状の泥岩からなる幌内層の分布地域であり 存在する背斜構造を解明し 幌内層の構造解析から地下深部に この背斜頂部を中心に開発を進展させた. 背斜構造は,清水沢背斜の南方への沈降部とその南東に雁行して,ほぼ南北 に走るペンケマヤ背斜からなる.潜在するベンケマヤ背斜は,真谷地方面で 般的に認められる,逆転して転倒する過摺曲構造と異なり,第 34 , 35 図に示す ように正常な背斜形態をなして頂部はほぼ水平に広がり,その東翼は 15° 25° 東傾斜の単斜構造で清真向斜に移行する.また 西翼は 35° の単斜構造をなして清水沢向斜~ベンケマヤ向斜に移行する. -78- ュ -45° 西傾斜 開発区域 北東区域 0・15 開閉!竺平安 8尺 層 3.7ζ5 2 . 1 0 10 尺 上 層 +10 尺 届 7・%。 10 尺 層 Z Z 5 3.55 一 門 氏 一 夕 張 新 炭 鉱 主 要 炭 層 ( 夕 張 層 ) 柱 状 図 ( 柱 状 の 数 字 , 単 位 は 夕張層の層厚は l80-220m m) (北炭資料) で , 岩 質 は 粗 ~ 細 粒 砂 岩 ~ 砂 質 泥 岩 ~ 泥 岩 の 互 層 か ら な り , こ れ に 炭 層 を 挟 在 す る . 下 河 原 ( 1 963) の, 亜 層 に 分 け た 堆 積 サ イ ク ル に よ る 分 帯 で は , 稼 行 対 象 炭 層 は 賦 存 す る . 主 要 炭 層 は 第 一 「 ル 刈 第 36 図 ド{立から I. 36 図 主 要 炭 層 柱 状 図 に 示 し た よ う に , 上 位 よ り 平 安 I-VB の 7 II ,町亜層に 8 門i ハd 吋 第 8表 炭層名 地層名 C 平安八尺層 8 5 . 1 6 十 尺 上 層 8 6 . 0 9 十 尺 層 8 5 . 8 6 夕 張 層 尺 層 ・ 10 尺 上 層 ・ ( 標 準 炭 丈 夕張新炭鉱元素分析表 10 尺 層 の 4.00m) 元素分村 H/C O/C S 。 48 0 6 . 1 6 1 . 9 0 . 3 6. . 8 6 80 . 0 5 7 .9 50 6 . 1 4 1 . 2 6 5 . 5 6 0 . 8 5 60 . 0 4 8 6 . 1 52 . 0 1 0 . 2 9 5 . 6 9 0 . 8 6 0 . 0 5 H 3 層 で あ る . N 10 尺 上 層 ( 標 準 炭 丈 3 .5 0m) と 10 尺 層 は 西 部 区 域 で 合 盤 が 発 達 し , 別 個 の 炭 層 と し て 識 別 さ れ る が , 東 部 に 向 か い 両 層 が 合 わ さ っ て 1 枚 の 炭 層 と な り , g m を 越 え る 厚 層 に な る. 炭 質 は , 第 7 表 ( 夕 張 新 炭 鉱 ) に 示 す よ う に ] I S区 分 , B1 の 漉 青 炭 に 属 す る 優 秀 な 原 料 炭 で , 硫 黄 ・ 燐 が 少 な く 製 鉄 ・ ガ ス ・ コ ー ク ス 用 に 利 用 さ れ た . な お , 元 素 分 析 表 を 第 8表 に 示 す . 採 炭 方 法 立 坑 1 斜 坑 方 式 を 採 用 , 主 要 人 気 ・ 人 員 の 昇 降 を 目 的 と し た 第 一 立 坑 , 排 気 専 用 の 第 二 立 坑 に 対 し て 揚 炭 ベ ル ト 斜 坑 , お よ び 材 料 斜 坑 を 結 合 し て 基 本 骨 格 と し , こ れ よ り か ら 約 300m -600m ・ -650m ・ ー 700m 間 隔 で 、 立 入 を 設 け て 着 炭 さ せ レ ベ ル に 盤 下 坑 道 を 設 け , こ れ 上 部 坑 道 と 下 部 坑 道 聞 に 切 羽 を 設 定 し 採 炭 し た . 採 炭 方 法 は 片 盤 向 長 壁 式 を 用 い , 盤 下 先 行 に よ る 後 退 式 採 炭 で , 切 羽 面 長 は 約 150m , 炭 切 は ダ ブ ル レ ン ジ ン グ ド ラ ム カ ッ タ , 自 走 支 保 の 完 全 機 械 化 採 炭 を 実 施 し た . 本 炭 鉱 の 坑 底 は 2. -810m で、ある. 清 水 沢 炭 鉱 所 在 地 : 夕 張 市 清 水 沢 清 栄 町 閉 山 時 の 鉱 業 権 者 : 北 炭 夕 張 炭 鉱 株 式 会 社 位 置 ・ 交 通 夕 張 市 の ほ ぼ 中 央 に 所 在 し 東方1. 2km の 地 点 、 に 位 置 し 夕 張 新 炭 鉱 の 北 側 に 隣 接 す る . 坑 口 は 「 大 夕 張 」 図 幅 内 に あ る が , 採 炭 範 囲 の 南 -80- JR 清 水 沢 駅 の 部が当図幅内に存在するため関連する炭鉱として記録した.交通は JR 夕張線, 国道 452号,道道38号等が通ずる交通の要地となっており至便であった. 沿革 本炭鉱は,昭和 19 (1944) 年 12 月の遠幌坑本卸の開坑に始り,昭和 22 年 11 月 , 清 水 沢 炭 鉱 開 坑 . 同 23 年3 月 に 斜 坑 , 月 か ら 出 炭 を 開 始 し て い る . 昭 和 27 (1952) 年 2 月 遠 幌 坑 を 本 坑 と 改 称 し 斜 坑 お よ び 本 坑 と し て 操 業 . 昭 和 44 (1969) 年 3 月 本 坑 終 掘 に 伴 い , 斜 坑 を 清 水 沢 坑 と 改 称 . 同 53 年 10 月 業 員 数 は 55 9,509 ,393 26 年 4 炭 鉱 合 理 化 の た め 北 炭 夕 張 炭 鉱 ( 株 ) 清 水 沢 炭 鉱 と な り , 新 区 域 の 開 発 を 計 画 し た が 同 出 炭 量 の 総 計 は 5 月 に 通 洞 坑 を 開 坑 . 同 ( 1 9 4 7 ) (1980) 年4 月 に 閉 山 し た . tで あ り , 操 業 最 盛 時 の 出 炭 は 522 ,604 tl51 年 で , 従 1 ,4 73 名 で あ っ た . 地 質 ・ 炭 層 ・ 炭 質 本 炭 鉱 地 区 の 地 質 は 白 亜 紀 の 上 部 蝦 夷 層 群 を 基 盤 と し て , そ の 上 位 に 不 整 合 に 累 重 す る 古 第 三 紀 の 石 狩 層 群 お よ び 幌 内 層 か ら 構 成 さ れ て い る . 石 狩 層 群 は 下 位 か ら , 登 川 層 , 幌 加 別 層 , 夕 張 層 , 若 鍋 層 , お よ び 幾 春 別 層 の 諸 地 層 か ら な り , こ の う ち 主 要 炭 層 を 挟 在 す る 地 層 は 夕 張 層 で あ る . 地 質 構 造 は , ほ ぽ 南 北 に 走 る 清 水 沢 背 斜 が 構 造 の 基 調 を な し , 背 斜 の 軸 核 と し て 若 鍋 層 , お よ び 幾 春 別 層 の 両 層 が 露 出 分 布 す る . 本 背 斜 の 東 翼 は Eの 傾 斜 で 清 真 向 斜 に 移 行 , 西 翼 は 25~30° 20~30° Wの 傾 斜 で 清 水 沢 向 斜 に 移 行 し , 更 に 西 側 は 平 和 背 斜 に 連 な る . 本 炭 鉱 の 清 水 沢 坑 は 清 水 沢 背 斜 部 お よ び 清 水 沢 向 斜 部 を 採 炭 し た . 夕 張 層 の 層 厚 は こ れ に で , 岩 質 は 細 ~ 粗 粒 砂 岩 と 泥 質 岩 の 互 層 か ら な り , 7~8 枚 の 炭 層 や 炭 質 頁 岩 を 挟 在 す る . こ れ ら の 炭 層 の う ち , 稼 行 対 象 と し た の は 平 安 1. 45m 180-190m ,炭丈1.1O 炭 質 は , 第 8 尺 層 ( 山 丈 4.25~4.50m m) , お よ び 炭 丈 3.60~4.10m) 10 尺 層 ( 山 丈 3.80m 7 表 ( 清 水 沢 炭 鉱 ) に 示 し た よ う に 涯 青 炭 , 炭 丈 , 10 尺 上 層 ( 山 丈 2.75m) で あ る . Bに 区 分 さ れ , い ず れ も 優 良 な 原 料 炭 で 製 鉄 . ガ ス , コ ー ク ス の 原 料 炭 に 利 用 さ れ た . 採 炭 方 法 本 図 幅 に 関 係 す る 採 炭 範 囲 は 清 水 沢 坑 ( 斜 坑 ) に 属 す る 区 域 で , 実 炭 層 の 夕 張 層 が 地 表 に 露 出 し な い た め , 斜 坑 ・ 立 坑 方 式 を 採 用 し , 立 坑 は 入 気 と 人 員 の 唱E A QO 繰込みに使用した.斜坑は ベルト卸・運搬卸を併設 地質構造に応、じて第 2 ・第 3 等の斜坑を開さくして深部の開発に当たり,また 西部~南部の開発 にはそれぞれ連絡坑道を設け基幹坑道とした. 採炭は斜坑より片盤坑道を設けて 上部坑道と下部坑道聞に切羽を設定し採 炭した.片盤間隔は深度差平均 50m とし,採炭方法は帯状局部充填,または総 パラシ無充填の片盤向長壁式採炭で,採炭面長は 150-170mで、ある.なお,平 安 8 尺層は厚層のため,上炭を採炭した後下炭を払う追掛払方式や, 2 段に 払うスライシンク、、採炭を行っていた. 清水沢坑の坑底は -467.7m で、ある. 3. 北炭真谷地炭鉱 所在地:夕張市真谷地 62番地 閉山時の鉱業権者:北炭真谷地炭鉱株式会社 位置・交通 真谷地炭鉱は桂坑と楓坑の 2 坑からなり,炭鉱事務所は桂坑に置かれた. JR 夕張線沼の沢駅の北東,約 4 km のマヤチ川中流に位置する.なお,第 37 図 第 37図真谷地炭鉱,後方は立坑 一安藤文男写真集「夕張を見つめて半世紀 J , 1998 より一 -82- (写真)は操業時の炭鉱事務所である. 楓坑は夕張市楓33番地に所在し, JR石勝線楓駅の北方0.5km に位置していた. 桂坑と楓坑の位置関係は,桂坑の約4km 南方に楓坑がある. 交通は JR石勝線および夕張線があり 操業当時は沼の沢から桂坑聞には, 石炭輸送用の社設専用鉄道が敷設されていた. 道路は国道274号, 452号があり,また,市道が発達しており交通至便である. 沿革 明治 26 (1893) 年 9 月 38 (1 905) 坑(榊坑) 年 8 月 頭山満・金子元三郎らがクルキ炭横を設立,明治 北 海 道 炭 砿 鉄 道 会 社 が 買 収 し , 夕 張 第 二 蹟 と 称 し て 本 沢 , 楓 坑 を 開 坑 , 大 正 2年 に 真 谷 地 鉱 と し て 独 立 し た . 大 正 8 ( 1 9 1 9 ) 年 , 登 川 碩 ( 三 井 鉱 山 ) の 買 収 に 伴 い , 楓 坑 は 登 川 炭 鉱 の 所 管 と な っ た が , 昭 和 28 (1 953) 年 8 月 和 53 (1978) 年 7 月 , 北 海 道 炭 砿 汽 船 ( 株 ) か ら 分 離 , 北 炭 真 谷 地 炭 鉱 ( 株 ) と な る . 平 成 3 (1 99 1 ) 年 登 川 炭 鉱 の 廃 坑 に よ り 再 び 真 谷 地 鉱 山 に 帰 属 し た . 昭 12 月間山. 真 谷 地 炭 鉱 に 属 す る 主 な 出 炭 坑 口 は 桂 坑 ・ 榊 坑 ( 本 沢 坑 ) ・ 上 の 沢 坑 ・ 下 の 沢 坑 等 で あ り , 楓 坑 に 属 す る 主 な 坑 口 は , 稲 荷 沢 坑 ・ 枇 杷 坑 ・ 楠 坑 等 で あ る . 操 業 時 の 出 炭 量 は , 明 治 期 が 閉 山 ま で の 総 出 炭 量 は (昭和 60 年 , 人 員 876 , 000 23 ,010 ,229 t, 大 正 期 は 2 , 160 , 000 tで あ っ た . ま た , tで あ り , 最 盛 時 の 年 間 出 炭 量 は 701 ,860 1 ,1 43 名 ) で あ る . 地 質 ・ 炭 層 ・ 炭 質 本 炭 鉱 区 域 の 地 質 は , 第 38 図 真 谷 地 炭 鉱 周 辺 地 質 図 お よ び 第 39 図 地 質 断 面 図 に 示 し た よ う に , 白 亜 紀 層 を 基 盤 と す る 古 第 三 紀 石 狩 層 群 の , 下 位 か ら 登 川 層 ・ 幌 加 別 層 ・ 夕 張 層 ・ 若 鍋 層 の 諸 地 層 お よ び 幌 内 層 か ら 構 成 さ れ る . こ れ ら の 地 層 中 , 稼 行 対 象 と な る 主 要 炭 層 を 挟 在 す る 吏 炭 層 は 夕 張 層 お よ び 登 川 層 の 2層 で あ る が , 本 炭 鉱 で は 夕 張 層 の 炭 層 を 採 炭 し た . な お , 当 図 幅 北 西 部 に 露 出 分 布 す る 石 狩 層 群 の 上 位 地 層 は , 北 西 方 か ら 南 東 方 に 向 け て 幌 内 層 の 削 剥 を 受 け , 幾 春 別 層 か ら 順 次 欠 如 さ れ . 南 東 側 の 菅 川 地 域 で は 登 川 層 の み が 分 布 す る よ う に な る . 夕 張 層 は こ の 区 域 に 発 達 す る 過 摺 曲 構 造 の 背 斜 軸 核 と し て , 軸 I頁 に 帯 状 に , ま た は 連 鎖 状 に 露 出 分 布 し て い る . 本 区 域 の 地 質 構 造 を 形 成 す る 過 摺 曲 構 造 は , - 83- t/年 1000m 第 38図真谷地炭鉱周辺地質図(北炭資料) -84- p : A -800 o 第 39 図 真谷地炭鉱地質断面図(第 西側から真谷地背斜(第 背斜, 38 図AN 断面,凡例も同じ) 1 .第 2. 第 3 背斜に分岐に 400m (北炭資料) k の沢一楓背斜,菖蒲 下の沢背斜等であり,これらの背斜聞には真谷地向斜,上の沢向斜,下 の沢向斜等がある.各摺曲軸はそれぞれ南北方向に延びており,背斜地背斜は 地層が急立し.他の背斜は 45~30° Eの等斜構造を示す.本炭鉱は,これらの 背斜に露出分布する炭層を中心に坑口を開設して採炭を実施していたが,背斜 構造毎に展開した主な坑口名は次のとおりである. 背斜名 真谷地(第 坑口名 1 ,第 2 ,第 3 )背斜 桂坑,榊坑(本沢坑) 菖蒲背斜 下の沢坑,楓坑(北部) 下の沢背斜 柏坑,上の沢坑,楓坑(北部) 楓背斜一上の沢背斜 楓坑,楠坑,枇杷坑 夕張層の層厚は 250~Om で.岩質は細~粗粒砂岩・砂質泥岩・泥岩の互層か らなり,これに炭層を挟在する. 1'- 河原 (1963) 層に分けた堆積サイクルによる分帯では,主要炭層は 存 す る . 主 要 炭 層 は . 3 番 下 層 ( の, 下位から I~ 四の 7 亜 I .I I. 皿 ・ 町 亜 層 に 賦 I 亜 層 ) 3 番 層 ( I I ) 2 番 層 ( 皿 ) 1 番 下 「 3 00 坑 楓坑 凶 11020 呑ブ 1 同一 党 %。 第 40図真谷地炭鉱主要炭層(夕張層)柱状図(柱状の数字, 単位は m) (北炭資料) 層・ 1 番層,および 1 番上層 (N) 上 4 尺層 (VI )等である(第 40図). 炭質は,第 7 表(真谷地炭鉱,桂坑・楓坑)に示したように涯青炭 Bl に区 分される優秀な原料炭で,製鉄・ガス・コークス用に利用された. -86- 採炭方法 本炭鉱も当初は地表露頭から炭層に沿って,斜坑により水平掘り,狸堀りを 行ってきた.深部化するに従い 地層が急立する桂坑方面では立坑と片盤毎の 水平坑道による骨格構造とした.すなわち 2000mの盤下坑道を若鍋層に設定し 第 2 立坑を中心にして南北各々 1 番層群・ 2 番層・ 3 番層に逐次着炭さ せて沿層展開する方式を取った.片盤間隔は 50~75m で、ある.なお,桂坑では 7 片( -212m) レベル以深は斜坑方式(ベルト,材料,人道斜坑)を取り, 垂直距離は 75m 毎に片盤を設けて水平展開を行った.最深片盤深度は 12 片 585m で、ある. 採炭方法は炭層急、立部では 片盤向斜長壁法によるピックと発破の併用であ ったが,昭和 23 年頃よりは全充填偽傾斜採炭法により採炭した(炭層の緩傾斜 部分については,局部充填による前進式長壁払も採用).桂坑の坑底は 12 片 585m で、ある. 楓坑は斜坑方式(本卸,添卸)を基本とし,斜坑に片盤坑道を設け, 350m 毎に立入坑道を掘進して 2 番層・ 3 番層に着炭させ 沿層展開を行う方式を取 り,残柱式または長壁式採炭を実施したが,過摺曲構造で炭層が不安定のため 採炭規格は統ーできなかった.片盤間隔は 50m で、ある.なお,楓坑は坑外施設 の集約,送炭の合理化を行うため, 6 片地並( -120m) で桂坑と連絡,楓坑 の出炭は桂坑より揚炭している.楓坑の坑底は西 5 片 2 番の 283.9m で、ある. 4. 穂別炭鉱 所在地:勇払郡穂別町キウス地内 閉山時の鉱業権者:穂別炭鉱株式会社 位置および交通:穂別町市街の北方約 10km の地点にあり,穂、別川の支流ベン ケオビラルカ沢中流に位置する.交通は穂別町を通る道道 74号,およびキウス 地内で道道から分岐する農道・林道が通じている. 沿革 明治中期,相馬炭鉱として開坑したが僅かな出炭を見ただけで,明治 37 (1904) 年,北海道炭砿汽船(和が買収し,同 41 年には 9鉱区が設定されたが未開 発のまま昭和に至る.その後,戦後の石炭政策に呼応して昭和 23 (1 948) 年 6 -87- 塊 地 Eレ 無 視 E Jh層曙附 以摘糊時 駅舵自引いり ①②③④削 四・ 群限 層群風( 釘幌函幻良質 摘醐畑蹴惜図 44 -88- 第 図 穂 口刀 鉱 炭 図醐冒圏直悶 町四紅葉山層 仁コ幌内層 F-I帯 区三ヨ幌内層E帯 仁ゴ断層A-D帯 A 一一一一_ A' nuvF' UHauRU 200 士 Om 第 42 図穂別炭鉱地質断面図(第 月に開坑,翌 24 年 7 月より出炭を開始した.同 り穂別炭鉱慨を設立して移管(租鉱) 開始したが同 41 図A- A'断面) 40 (1 965) 年,企業整備によ 6 万 t /年体制で操業 年閉山した. 1竪入坑等である. 24-28 年まで約 60.8 万 t である.年間出炭量は なお,本炭鉱は昭和 28 (1953) ,同 28 年 11 月より 主な坑口名は,水準竪入坑・通洞坑・第 操業時の出炭量は昭和 (北炭資料) 46 (1971) 26 万 t 同 28 年 11 月 -40 年 12 月まで 44 , 116 t/ 年で,従業員数は 年 10 月から 52 (1977) 139 名である. 年まで,新穂別炭鉱と して北日本産業(蜘により露天掘採炭が行われた. 地質・炭層・炭質 本炭鉱区域を構成する地層は,白亜紀の函湖 l層群を基盤としてその上位に累 重分布する,古第三紀石狩層群の登川層・幌加別層・夕張層の諸層,および幌 内層からなる.なお,石狩層群上位の若鍋層・幾春別層は,上位の幌内層によ り削剥欠如され分布せず,幌内層と夕張層が不整合に直接している. -89- 1 呑届 2 5・%65 番 層 1・%5 1 . 7 5 3 呑 層 5 #層 1.1 只.82 0 キ % 7 悶 • 阿 5.65 第 43 図 穂別炭鉱主要炭層(夕張層)柱状図(柱状の数 字,単位は m) (北炭資料) 地質構造は,区域のほぼ中央に軸方向 N20° W傾斜 75° NE の穂別背斜があ り,本背斜の中核として北は穂別川支流のサヌシュベ川上流から,南はペンケ オビラルカ上流まで、南北約4km に亘って夕張層が露出分布している.本背斜西 翼の夕張層は 60-90° SW で急立しており,東翼は本背斜にほぼ平行した穂別 断層により切られ,夕張層の賦存深度が深くなる.東翼の地層傾斜は約 30° NE である. 本炭鉱周辺の地質図を第 41 図に,地質断面図を第 42 図に示した. 央炭層である夕張層の層厚は 100-150mで,岩質は泥質岩の卓越した粗~細 粒の互層からなり,これに 5枚の炭層を J実在する.本炭鉱の稼行炭層は,上位 -90- より 1 番層・ 2 番層および4番層の3層であり このうち 1 番層は最厚 5.65m と 良好な発達を示す(第 43 図). 炭質は,第 7 表(穂別炭鉱)に示したように 1 番層が B2の涯青炭, 2 ・ 4 番 層は C の亜涯青炭に区分され 原料炭として利用された. 採炭方法 採炭方法は,水準竪入坑および通洞坑の大坑道を中心に,大坑道から立入坑 道を入れて炭層を区割りし,両片盤の距離を 45-50m として切羽面を階段式に する偽傾斜欠口掘りとし 切羽面傾斜30-35° の偽傾斜階段掘充填方式を原則 として,後退式または前進式の切羽により採炭を行った. 5. 稲里炭鉱 所在地:勇払郡穂別町豊進(サヌシュベ)地内 閉山時の鉱業権者:大和鉱業株式会社(夕張市) 位置および交通:穂別市街の北方約 14km 地点、にあり 穂別川支流サヌシュべ 川中流,右支沢(通称滝の沢)最上流山稜付近に位置している.交通はサヌシ ュべ川沿いに国道 274 号が走り,この国道から滝の沢沿いに林道(旧鉱山道) が通じている. 沿革 サヌシュべ地区の石炭については 大正 15 (1926) 年5 月に中穂別炭鉱が開 発を計画,ニューオクナイ・ソウサヌシュベ川上流に鉱山事務所を設け, 8 月より試掘に着子して昭和 4 (1929) 年 3 月まで、試掘した記録(出炭量 130t) がある. その後,本地区の鉱業権は北海道炭砿汽船(株) (以後北炭)の所有となったが, 昭和 30 (1 955) 年の石炭合理化臨時措置法の施行による,我が同のエネルギ一 総合対策の された.すなわち,昭和 32 (1957) 年,大和l 鉱業(株)が北炭から租鉱権を得て開 坑し,その後採掘権を取得,白鉱院として牛産に入ったが昭和 43 (1968) 年 1 月 24 日に閉山した.最盛時の年間出炭量は 6 1,232 t/ 年.従業員は 184 名であり. 閉山時まで、の総出炭量は 542 , 617 tである. -91- o 500m ①稲里断層 仁 コ 幌 肉 店 ②豊進断層 臣調幌加別居 ③ サ ヌ シ ュ ベ 線 無 し 地 塊 F····~···" い 日 出 | 登 川 層 第 44 図 稲 里 炭 鉱 周 辺 地 質 図 ( 北 炭 資 料 ) -92- Eヨ 函 lM 層群 ~ 上 部 制 層 群 5:J貫入岩 A A 。 第 45 図 稲里炭鉱地質断面図(第 44図A-A' 断面) 2QOm (北炭資料) 地質・炭層・炭質 本炭鉱区域を構成する地層は 白亜紀の函沸l 層群を基盤としてその上位に累 重分布する,古第三紀石狩層群の登川層・幌加別層および幌内層 (A~D 帯) の諸層である.実炭層は登川層および函視j 層群であるが,炭鉱は登川層の炭層 を採掘した. 本炭鉱周辺の地質図を第 44 図に 地質断面図を第 45 図に示した. 地質構造は,南北に走る豊進断層に沿う古第三系の諸地層が,細長く帯状に 分布し,これらの諸層は断層により落ち込み急立して袴雑な摺曲構造を取って いる.また,基盤の函淵層群は古第三系を包み込むような形態で広く分布する. 地層の走向はほぼ南北で ではやや緩傾斜 (50 0 傾斜は全般に急立し W) 一部逆転も認められるが北部 を示す. 登川層の層厚は 40~50m で,岩質は細~粗粒砂岩の卓越する泥質岩との互層 からなり,これに 3 枚の炭層を挟在する.稼行炭層は,上炭(山丈・炭丈 1 .20m),登川本層(山丈 炭 質 は 第 4.00m ,炭丈 3.80m) 6 表 ( 稲 里 炭 鉱 ) に 示 し た よ う に の 2 層である(第 亜 涯 青 炭 46 図). Dに 区 分 さ れ る 一 般 炭 で , 燃 焼 時 長 焔 を 出 す 特 性 が あ り , 主 に 窯 業 用 炭 と し て 利 用 さ れ た . 介 在 : す る 炭 層 の 下 盤 の 泥 岩 は 耐 火 粘 土 と し て 知 ら れ て お り , 層 厚 2~4.50m で本区域に広く分布している. 白 亜 紀 函 淵 層 群 の 炭 層 は 3 枚 介 在 す る が , い ず れ も 薄 く ( 山 丈 0.6~0.7m) , A可U qJ 上層 '%。 1 . 0 0 ( 上 炭 ) % 1 . 2 0 登川本層 3'%0 3 . 1 0 。.2 0 第 46 図 稲 里 炭 鉱 主 要 炭 層 ( 登 川 層 ) 柱 状 図 0.70 (柱状の数字,単位 は m) また炭質も悪く,稼行された実績はない.分析値は水分 36.5% ,発熱量 4, 120-4 , 710Kcal 4.8-4.9% (北炭資料) ,灰分 30.9 で、ある. 採 炭 方 法 本立入坑口 (S L. 287.0m) に展開,北側の本立入北坑道(l から本立入坑道を掘削,吏炭層に逢着させて左右 800m , SL304.0m) -94- ,南側の本立入南坑道 (800m , SL287.0m) を水準坑道として基本に置き,水準坑道上位については 中段立入や炭層露頭からの中切坑道等を設けて,坑道間の採炭を実施した.水 準坑道以深の採炭は,斜坑方式(北部および南部斜坑等)により片盤坑道を設 け,それぞれの片盤について採炭を実施した.片盤間隔は40-50m で、ある. 採炭方法は,炭層が急立しているため切羽面を階段式にする偽傾斜欠口,お よび柱房式払とし,切羽面傾斜を 30-35° として採炭した.また,北部方面の 緩傾斜部については前進式長壁払により採炭した. X I 応 用 地 質 X I . 1 地下資源 本図幅地域の石炭を除く地下資源としては 炭団地帯に石炭ガスおよび油徴 (石油)が知られる他,蛇紋岩に伴われるクロム鉄鉱と採石があげられる. -石炭ガス 本図幅内の炭田(石狩炭田南部区域)には,石炭層が包蔵する膨大な量のメ タンガス(コールベットメタン,以下 CBM と略記)が怪胎している. 古くから炭鉱では保安上の問題もあり 炭層からのガス抜き等を積極的に実 施して安全を確保し,採取した CBM は自家発電や暖房として,また一部はメ タノールの製造など,化学原料として利用されてきた. ともに CBM の利用もなくなったが ギーとして,非在来型天然ガス しかし,炭鉱の閉山と 近年,地球環境に優しいクリーンエネル (CBM ,メタンハイドレート,深層ガス)の 開発が脚光を浴びるようになった.ちなみに米国では CBM の研究開発に 20 年ほど前から取り組み,現在では実用化されて,米国の天然ガス総供給量の 6% を占めるまでになり,将来さらに増加する傾向にある. 石狩炭田の CBM 資源量は,平成 9 年度の「国内 CBM 資源調査可能性調査 (北海道地区) J(新エネルギー産業技術総合開発機構, 1998) によると, 562億 -2873億ぱとなっている(海水準下 -1 ,200m以上,炭丈0.30m以上の賦存炭量 から産出).また,同炭田内の CBM 開発有望区域として数カ所の候補地が上げ られているが,本図幅に関連する地区としては,清水沢~南大夕張区域がある. -95- 仁コ CBM 開発有望区域 医三s3 南大夕張炭鉱 CBM に係わる採炭跡 北タ炭鉱 北菱鹿島炭鉱 真谷地炭鉱 第 47図 CBM (コールベットメタン)開発有望区域図 -96- この区域は第 47図に示したが 本図幅にその南半部が含まれている. 清水沢~南大夕張区域 CBM賦存量の諸元は次のとおりである. 1 . C B M 2 . 地 質 構 造 : 清 水 沢 背 斜 ~ ベ ン ケ マ ヤ 背 斜 東 翼 順 層 部 ( 旧 清 水 沢 お よ 開 発 対 象 地 層 : 石 狩 層 群 , 夕 張 層 び 夕 張 新 炭 鉱 深 け 先 深 部 ) 地 層 走 向 ほ ぼ 南 北 3 . 面 積 39.83knf 4 . 炭 丈 7.0~12.0m 5 . 埋 蔵 炭 量 : 6 . メ タ ン 包 蔵 量 : 9.5~12.0 7 . メ タ ン 資 源 量 : 5044~6370 なお,ベンケ ( 南 北 約 11kmX 東 西 約 5km) (ぱ I t) ( 1 06m) 9 表) ,および本図 10 表) ,また,ボーリングによる地山ガス 11 表)を表にしめした. コールベットメタンの分析結果(ベンケ 4 号) ガス成分(%) メタン|エタン|炭酸ガス|酸素|窒素| 計 9 4 . 司 3 0 . 内 3 。 向2 ι1 0 . 司 3 4・・ 9 1 11・ 00 第 10 表 出 炭 量 ( 原 炭 ) 産 出 ガ ス 量 ト ン 当 り メ タ ン (干 t) ガ ス 量 (m 3 /t) ベ ン ケ 4号 ガス自噴日 8 4 0 5 4 3 . 1 1 . 1 6 利 用 先 (干 m /年) 3 7 3 . 5 7 5 . 3 40662-47040自家発電 7 7 . 6 1 3 6 . 797931-156794同上 76-77.7 73612-71209同上、暖房 第 11 表 地 山 ガ ス 抜 き 試 す い 実 績 ( 昭 和 深度 (m) 発 Kc熱 a7lf.量 6m0 0 司 ( 関 係 炭 鉱 産 出 ガ ス 量 ( 年 次 ) 540-640 1147-1262 837-926 清 水 沢 夕 張 新 鉱 真谷地 試すい 。 東 . . 4 号試すいにおける湧出ガスの分析値(第 第9表 炭 鉱 名 2230 6 5 3 1( 1 0 t) 幅に関連する炭鉱の産出ガス量(第 抜き実績等(第 地 層 傾 斜 49 年 3 月時) 湧 出 ガ ス 量 初日 (m 3 /分) 1 8 8 4 0 . 6 新 2 号 1 , 000 5 4 6 .8 . 3 1 新 3 号 1 , 000 5 4 7 .7 .5 6 . 6 5 新 5 号 8 6 5 5 4 9 .7 .7 0 . 1 5 4 9 . 3 ( m3 /分) ガ ス 圧 力 ( 総量 (10 6 m3 ) 初日 k g / e m ') 5 4 9 . 3 2 . 2 1 8 . 2 1 6 6 0 . 2 1 .2 3 . 7 4 4 2 0 . 2 1 .2 3 . 0 2 4 2 0 . 2 ? 1 .3 2 3 7 註:試すい位置は第 47 図参照 -97- 第 12表 炭鉱名 真谷地炭鉱 湧出箇所 地層名 層準 湧出量 桂坑甫 5 片 夕張層 1-2 番層間 タール状 榊 坑 南 /I 炭鉱坑内での出油記録(北炭資料) 3片 / I 第3立 坑 /I 桂 坑 6片 楓 坑 北 3片 夕 張 層 / I 桂 坑 南 9片 /I 夕張新炭鉱 桂 坑 南 10 片 西第 1 ロング へ.ンケ 2 号試すい " ぐンサ /I 11 号 試 す い 1\ 0 ン 72 号 詑 す い /I 稲 里 炭 鉱 本 立 入 北 坑 道 /I 第 3砂 岩 帯 /I /I /I 3番 層 の 上 /I 若 鍋 層 グ リ ス 状 / I /I タ強層 10 尺上層上 上 層 上 虎 の 皮 層 上 上4尺 層 の 上 本 層 の 上 /I 幾 春 別 層 夕 張 層 登 川 層 (7 ヶ所) 2 0-40Q 塩水伴う (3 ヶ所) 1-2 Q( 4 ヶ所) 2-3 Q ,グリス状 18 Q 3番 層 の 上 2番 層 の 上 第3頁 岩 帯 若 鍋 層 備考 2-5Q 微 量 /I /I 1-2 Q グリス状 長期間港出 第 13 表原油の化学的性状 -石油 本図幅に南接する「穂別 j 図幅の穂別町地内 沢の左沢・石油沢中流には,古く (1 904) 穂別川支流ペンケオビラルカ (明治 23 年)から油徴が認められた.明治 年頃から試掘が行われ,大正 11 (1922) 年からは間欠ながら 13k€/ 月等の出油記録がある. この出油地区は地質構造上,本図幅穂別背斜の南方延長上に位置しており, 構造的に関連性を有する.ただ,本図幅内では同背斜地帯を含め油徴の確認等 はされておらず,炭鉱開発の過程において種々の記録があるので,その概要を 第 12 表に,真谷地炭鉱における原油の化学的性状を第 13 表にしめす. -クロム クローム鉄鉱は,東隣「日高」図幅地域が日本における主要なクロム鉄鉱床 経胎地域であるが,本図幅内でも南東隅の蛇紋岩分布域で随所にクロム鉱床鉱 徴地が認められ,八回八幡鉱山,穂別鉱山など生産実績のある鉱山が分布する. 鉱山の概要について地質調査所 (1967) に基づき述べるが,八田八幡鉱山につ いては本図幅と「日高」図幅の境界に位置し 「日高」図幅で概要が紹介され ているためここでは省略する. -98- 37 10 穂別 第 48図 紅葉山地質図幅範囲の地すべり地形と地すべり指定地(網かけ部分)分布図 (山岸編, 1993) に加筆.指定地については第 14表参照 。 2km 穂別鉱山: 図幅南東隅 坊主山の山頂部に位置する.昭和 7年に発見され, 八回鉱業KKが昭和 18年から 20年の休山までに約1.000 t を出鉱した.基盤と表 土の間に鉱石が密集した残留鉱床で, N20ー W方 向 に の び , 延 長 17m ,厚さ 2 mの規模で、あった.クロム柘棺石・童泥石を伴う塊状鉱を主体とし,平均品位 は 48.50% であった. -砕石 火 成 岩 の 項 で 述 べ た , 紅 葉 山 市 街 南 方 の 幌 内 層 を 貫 く 玄 武 岩 質 安 山 岩 は , 昭 和 35 (1960) 年頃より採石され 骨 材 と し て 利 用 さ れ て い た . 採 石 は 夕 張 川 左 岸 の 岩 体 を 対 象 と し て い た . 操 業 当 時 は 旧 国 鉄 の 鉄 道 道 床 用 と し て , 年 間 多 量 の 採 石 を 供 給 し た ほ か , 国 道 ・ 道 道 ・ 地 方 道 な ど の 改 良 や , 舗 装 用 , ダ ム 建 設 用 に 使 用 さ れ , 夕 張 お よ び 周 辺 地 域 の 砕 石 需 要 の 大 部 分 を 生 産 し て い た . し,昭和 しか 60 年頃資源量枯渇のため休止している. X I . 2 地すべり地形 地質の章で説明したとおり,紅葉山図幅内の地質は多様である.地すべりの 地形・分布密度は,地質に規制されることが良く知られているが,本図幅範囲 内でも地質の遠いにより,地すべり地形の規模と分布密度が大きく異なる.第 48図に山岸編 (1993) の「紅葉山」図幅範囲の地すべり地形分布図を示す.こ 第 14表地すべり指定地一覧表 指定地番号 l 指定地名 林27 i 泉の沢 林林4722 ソ 佐藤の沢 林76 |藤江の沢 ソシの沢 建7 夕 張 真 谷 地 II (追加) ~:;-農24-F 紅稲葉里 山 農25 稲 里 北 農農 4563 長幅和里中 面積 |指定年月日 13.60haI1974.2.18 5 . 2 1haI1980.1. 9 5.52ha 1989.3.10 18.54ha 1990.10.2 18.07h a l1963.2.27 1. 40h a l1986.3.25 aI1987.3.27 12635一4..九7071g4h 一0 ha a 1995724 0haI1988.3.22 央 地質 紅 葉 山 層 , 幌 内 層 上部蝦夷層群(長和層) 函 淵 層 , 幌 内 層 上部蝦夷層群(長和層) 幌 内 層 幌 内 層 幌内層) T3 段丘堆積物 幌内層 上部蝦夷層群(長和層) 32.70h a l1988.3.22 上部蝦夷層群(長和層) 16. 45h a l1993.4.22 中部蝦夷層群(ヌタポマナイ層) 29.51h a l1995.8. 3 上部蝦夷層群(長和層) 4EA ハυ の図において地すべり地形の分布が密になるのは,蛇紋岩・上部蝦夷層群・幌 内層・滝の上層などの地域である.一方,地すべり地形の分布が l疎になるのは, 函沸l 層・紅葉山層(キャップロックとしての役割をしている箇所は禄数あ り) ・川端層・中部蝦夷層群などの地域である. 第 14表に本図幅内の地すべり指定地を示す.道内 191 筒所の地すべり指定地 のうち,本図幅内に 11 箇所の指定地が存在し (1999 年 3 月現在) ,そのほとん どが上部蝦夷層群と幌内層分布域に集中する. 以下,地すべり地形が多く分布する地質ごとに,地すべり地形の規模および 分布の特徴を述べる. -蛇紋岩 オロロップ沢の北方には規模の大きな地すべり地形(岩盤スライド) ,およ び小規模な流動型地すべりが分布する.規模の大きな地すべり地形は,ハッタ オマナイ層との境界部分で発午.している方,小規模な流動型地すべりは, 蛇紋岩起源の粘質土が変形したもので,地すべり末端部や規模の大きな地すべ りブロック内に見られる. ・上部蝦夷層群一長和層ー 長和では急傾斜地が多く 第 49図 その岩盤斜面ではスレーキングが顕著でサイコロ 上部蝦夷層群の流動型地すべり 唱EA ハリ qL 地すべり地形 /会〆 ダ岩盤~風化岩地すべり リニアメント 岩屑~粘質土地すべり 不明瞭な地すべり地形 地すべりの活動性 p 先 I也すへり斜面地すべり発生の可能性がある斜面 a 活動地すべり滑動中または融雪期や豪雨時に滑動する(数ヶ月~数年間隔) b 停止地すべり不安定化要因が存在しており再活動する(数年~数 10年間隔) C 休止地すべり d 非活動地すべり再活動の可能性が少ないもの 人工改変や気候条件の変化によって再活動する可能性がある 地質分布(簡略化) 蛇紋岩変成岩類 Hk 函淵層群 Mya 中部蝦夷層群砂岩泥岩互層 Po 古第三系幌内層群 Mys 中部蝦夷層群砂岩凝灰岩 Tk 新第三系滝上層 A 第四系 Sp Uy 第 50図 上部蝦夷層群 稲型地区陪Ell の地すべりと地質分布との関係(横山ほか, 2000 より) tEA つd Aυ 状にクラックが発達する.ここでは,崩壊状の小規模な地すべりが多数分布し ている.稲里の東では丘段頂部周辺に緩斜面がひろがっており,ここでは浅い 船底地形をした流動型地すべりが分布している(第49 図写真). -幌内層 幌内層は一見無層理塊状で硬質であるが 風化すると層理面に沿ってひび割 れしやすく,容易に粘土化する(岡村ほか, 1992). このことが幌内層分布域 に地すべり地形の分布を密にする一因とみられる. 一方,登}I I から真谷地東方にかけての地域では,断層や破砕帯が多数分布し, また石炭層および凝灰岩の薄層をふくむ夕張層が急傾斜で入り込む禄雑な地質 構造が発達している.この地域には中一大規模の地すべり地形が密集するが, これは上述のような棲雑な地質構造が,地すべり地形の形成に関係しているも のと考えられる. ・滝の上層 滝の上層には大規模地すべり(岩盤スライド)が多数分布し,その占有率は 極めて高い.地質の章の説明にあるとおり,滝の上層は巨大蛇紋岩体をしばし ば含む.チョポツナイ川の河床に蛇紋岩起源の粘質土が見られ,鬼首山南方の 地すべり周辺に蛇紋岩巨大岩体が存在する.また,滝の上層は一部で酸性凝灰 岩をはさむ.これらの蛇紋岩体境界部や酸性凝灰岩がすべり面を形成し,巨大 地すべりの発達の一因となっているものと考えられる. 第 50図(横山ほか, 2000) は,本図幅南東隅,稲里周辺の地質と地形分布と の関係を示したもので 小規模で不明瞭な地すべり地形も記載されている.こ の図から読みとれる地質ごとの地すべりの特徴は,概ね上述のとおりであるが, 上部蝦夷層群分布地域に小規模な流動型地すべりが多数分布していること,ま た,滝の上層分布地域には比較的規模の大きな岩盤スライドと流動型地すべり が混在していることなどが読みとれる. -104- 文献 ( 19 9 8 ) 安藤文男 安 藤 文 男 写 真 集 「 夕 張 を 見 つ め た 半 世 紀 J . 安 藤 文 男 写 1 1 6 P . 真 集 発 刊 委 員 会 , ASANo , K. 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( 1 9 4 2 ) ( 1 9 6 6 ) 隆 夕 張 炭 田 西 縁 の 中 部 第 三 系 の 層 序 と 構 造 . 千 葉 大 理 紀 ( 4 ) , 599・615. 要,4 岡田尚武 夕 張 炭 田 辺 富 内 地 方 の 地 質 構 造 特 に 其 推 し 被 せ 構 造 50 ( 5 9 8 ), 1 8 5 -1 9 5 . に 就 て . 地 質 雑 , 大 原 登 川 図 幅 説 明 書 . 北 海 道 工 業 5 , 31P. , p I s .6 . ( 1 9 4 1 ) 大 立 日 謙 一 郎 ( 1 9 8 1 ) 石 灰 質 ナ ン ノ 化 石 に よ る 三 毛 別 層 と 幌 内 層 の 堆 積 年 代 の 推 定 . 総 研 連 絡 紙 「 北 海 道 の 新 第 三 系 の 生 層 序 岡 村 俊 邦 ・ 山 岸 宏 光 ・ 田 近 淳 資 源 調 査 所 報 告 , J, ( 1 9 9 2 ) 64 , 47 ・67. ( 19 6 7 ) 小 山 内 照 ・ 長 尾 捨 ー ・ 三 谷 勝 利 ・ 長 谷 川 潔 ・ 橋 本 亘 質 図 幅 「 石 狩 金 山 」 お よ び 同 説 明 書 . 北 海 道 開 発 庁 , l地 93 ・96. 光 男 ( 1 9 6 4 ) 5 万 分 の l 地 質 図 幅 「 夕 張 」 お よ 1 8 4 P . び 同 説 明 書 . 北 海 道 開 発 庁 , 賢 ・ 棚 井 敏 雅 5万 分 の 2年 度 修 士 論 文 要 旨 集 , 北 海 道 大 学 大 学 院 環 境 科 学 研 究 科 , 柴 田 ( 1 9 5 8 ) 80P. 夕 張 川 流 域 の 地 形 発 達 史 . 平 成 佐 々 保 雄 ・ 田 中 啓 策 ・ 秦 石 狩 炭 田 南 109, 1 8 P . 部 穂 別 炭 鉱 地 域 の 地 質 . 北 海 道 地 下 資 源 調 査 資 料 , ( 1 9 9 1 ) 1, 1 2 1 3 . 三 笠 ・ 美 唄 地 域 の 地 す べ り . 地 下 小 山 内 照 ・ 石 山 昭 三 ・ 松 下 勝 秀 ・ 三 谷 勝 利 ・ 高 橋 功 二 小 沢 昭 男 l ) に つ い ( 1 9 8 2 ) 北 海 道 第 三 紀 火 山 岩 類 の -108- K- A r 年 代 . 昭 和 56 年 度科研費総研 (A) 研究成果報告書「北海道新第三系生層序の諸問題」 代表棚井敏雅, 75・79. ( 1 9 6 3 ) 下河原寿男 夕 張 炭 田 の 形 成 と そ の 地 質 構 造 の 発 展 . 石 炭 地 質 研 究 第 五 集 , 北 海 道 炭 鉱 技 術 会 地 質 部 会 , 5, ( 19 6 7 ) 下 河 原 寿 男 論 文 集 , 2 4 3 P . 夕 張 炭 田 の 地 質 構 造 に つ い て . 佐 々 保 雄 教 授 還 暦 記 念 4 6 7 4 7 5 . 下 河 原 寿 男 ・ 手 島 淳 (1961) 紅 葉 山 層 の 層 位 学 的 位 置 . 地 質 雑 , 新エネルギー産業技術総合開発機構 ( 1 9 9 8 ) 67 , 147・ 156. 平 成 9年 度 海 外 炭 輸 入 基 盤 整 備 促 進 調 査 ( 石 炭 高 度 利 用 促 進 モ デ ル 調 査 ) 国 内 C B M 性 調 査 ( 北 海 道 地 区 ) 資 源 調 査 可 能 . 委託先(財)石炭エネルギーセンター, 1 4 8 P . 鈴 木 弘 明 ・ 栗 田 祐 司 ・ 保 柳 康 一 ・ 安 藤 寿 男 ・ 牧 野 彰 ・ 伝 井 北 海 道 夕 張 地 域 で の 海 成 暁 新 統 の 発 見 . ( 1 9 8 4 ) 茂 ( 1 9 9 7 ) 104 年 学 術 大 北 海 道 穂 別 町 産 白 亜 紀 聴 虫 類 化 石 に つ い て . 穂 別 町 立 博 物 館 研 究 報 告 , 1, ( 1 9 8 3 ) 高橋功二 哲 , 1 3 6 . 会 講 演 要 旨 ( 福 岡 ) 鈴 木 日 本 地 質 学 会 第 47・52. ク ビ ナ ガ リ ュ ウ の 産 出 層 準 と 古 環 境 . 日 本 地 質 学 会 北 海 道 支 部 学 術 シ ン ポ ジ ウ ム 「 北 海 道 の 脊 椎 動 物 化 石 ー そ の 時 代 と 古 環 境 -J 講 演 要 旨 集 ( 札 幌 ) ( 19 8 8 M S ) 高橋功二 高 橋 功 二 ・ 鈴 木 守 , 4・5. 日 高 前 縁 沈 降 帯 の 礁 組 成 . 東 北 大 学 理 学 部 . ( 1 9 7 8 ) 5万 分 の 北 海 道 立 地 下 資 源 調 査 所 , 高 橋 功 二 ・ 鈴 木 守 46P. ( 1 9 8 6 ) 北 海 道 立 地 下 資 源 調 査 所 , 高 橋 功 二 ・ 和 田 信 彦 高 尾 彰 平 (1952) 1地 質 図 幅 「 日 高 」 お よ び 同 説 明 書 . 穂 別 町 の 地 質 . 穂 別 町 立 博 物 館 研 究 報 告 , ( 1 9 8 7 ) 北 海 道 立 地 下 資 源 調 査 所 , 5万 分 の 44P. (1985) 高 橋 功 二 ・ 和 田 信 彦 1地 質 図 幅 「 岩 知 志 」 お よ び 同 説 明 書 . 5万 分 の l地 質 図 幅 「 穂 別 40P. 石 狩 炭 田 ( 特 に 夕 張 炭 田 ) に 於 け る 幌 内 層 の 層 序 と 地 質 構 造 に 関 す る 研 究 . 石 炭 地 質 研 究 第 二 集 , 北 海 道 炭 鉱 技 術 会 地 質 部 会 , 2 1 6 P . -109- 2, 1-15. J お よ び 同 説 明 書 . ( 1 9 8 6 ) 棚井敏雅 日 本 の 古 第 三 紀 植 物 群 の 変 遷 . 科 研 費 報 告 書 「 日 本 の 白 亜 紀 後 期 一 第 三 紀 初 期 に お け る 植 物 相 変 遷 史 の 研 究 田中啓策 J , 1-36. ( 1 9 6 0 ) 北 海 道 中 央 南 部 冨 内 地 域 の 白 亜 系 . 地 調 月 報 , 11 ( 9 ), 5 4 3 5 5 4 . 子 島 淳 ( 1 9 5 5 ) 幌 内 層 の 研 究 ( そ の 1 ) 夕 張 炭 田 中 央 部 の 幌 内 層 ( 予 報 ) 特 に 幌 内 層 中 の 大 型 化 石 の 量 的 扱 い に よ る 分 帯 に つ い て 地 質雑, 子 島 淳 61 , 7 3 8 6 . ( 19 5 8 ) 幌 内 層 の 研 究 ( そ の 2 ) 夕 張 炭 田 中 部 の 幌 内 層 幌 内 層 化 石 の 東 西 方 向 の 性 状 お よ び 東 方 同 層 欠 如 部 の 推 定 一 . 地 質 雑 , 64 , 4 0 5 0 . 植 田 芳 朗 ・ 佐 川 昭 ・ 村 瀬 ( 1 9 6 6 ) 正 ・ 池 田 国 昭 南 部 地 域 の 地 質 . 北 海 道 地 下 資 源 調 査 資 料 , ( 1 9 7 7 ) 和 田 信 彦 104 , 1 1 P . 厚 真 川 流 域 に 分 布 す る 川 端 層 相 当 層 の 堆 積 相 と 古 流 系 . 地 下 資 源 調 査 所 報 告 , 49 , 71・79. 渡辺順・鈴木守・杉江裕 る 二 ・ 三 の 問 題 一 . 渡辺 ( 1 9 7 8 ) 神 居 古 淳 構 造 帯 一 変 成 作 用 に 関 す 地 団 研 専 報 , 寧・藤林紀枝・中川 21 , 93-110. 充・加々美寛雄 ( 1 9 9 3 ) 陵 お よ び 夕 張 炭 田 地 域 の 中 新 世 前 期 火 山 岩 類 の お よ び 化 学 組 成 . 岩 鉱 , 矢 部 長 克 ( 19 0 1 ) 石 狩 炭 田 夕 張 地 区 登 川 北 海 道 中 央 部 馬 追 丘 K- A r 年 代 , 層 序 対 比 88 ( 6 ), 2 9 5 3 0 6 . 北 海 道 石 狩 煤 団 地 方 に 於 け る 白 亜 紀 層 ま た 第 三 紀 層 の 時 代 に 関 す る 諸 説 を 記 し 併 せ て 小 生 の 卑 見 を 略 述 す . 地 質 雑 , ( 19 9 3 ) 山 岸 宏 光 ( 編 ) 海 道 大 学 図 書 刊 行 会 , 横 山 俊 治 ・ 田 近 淳 ・ 野 崎 プ そ の 8 ,1 44-147. 北 海 道 の 地 す べ り 地 形 一 分 布 図 と そ の 解 説 北 280P. 保 ( 2 0 0 0 ) II- ハ ザ ー ド マ ッ プ へ の 試 み 一 . 日 本 応 用 地 質 学 会 平 成 シ ン ポ ジ ウ ム 「 斜 面 ハ ザ ー ド マ ッ プ の 現 状 と 課 題 」 予 稿 集 ( 東 京 ) 4 5 5 7 . 北 海 道 の 地 す べ り の ハ ザ ー ド マ ッ 12 年 度 唱Eム ハ リ EXPLANATORYTEXT OFTHE GEOLOGICALMAPOFJAPAN S c a l e1: 50 ,000 MOMIJIYAMA (SAPPORO-33) BY i s a y o s h iTANIGUCHI , K o h j iTAKAHASHI , H JunWATANABEandS a t o s h iI S H I M A R U ( A b s t r a c t ) o c a t e da t42°50' Themappeddistrict , l ・ 43°0' Nl a t i t u d eand1 4 2 ー 0 'ュ ss i t u a t e di nt h esouthernp a r to fc e n t r a lHokkaido 1 4 2 ー 1 5 'E longitude , i a r a l l e lt o a l o n gt h ewesternboundaryo ft h eKamuikotanBelt , whichrunsp t h eHidakaB e l ti ns t r u c t u r a lg e o l o g y .T h i sd i s t r i c ta l s oc o n t a i n st h eYubari C o a lF i e l d ( t h es o u t h e r np a r to f t h eI s h i k a r iCoalF i e l d ) Geology Theg e o l o g yo ft h i sd i s t r i c tmainlyc o n s i s t so ft h er o c k sc h a r a c t e r i s t i co f o c k so ft h eCretaceous , Paleogene t h eKamuikotanBelt , andsedimentaryr andNeogenefrome a s tt ow e s t .Theg e o l o g i c a ls t r u c t u r ei sverycomplex w i t hmanyf o l d sandf a u l t srunningn o r t ht os o u t h . Theg e o l o g yo f t h ed i s t r i c ti ssummarizedi nTable1 . TherocksoftheKamuikotanBelt muikotanB e l tformst h ewesternboundaryo ft h eHidakaAx i a l TheKa Z o n e .Themainp a r to ft h i sb e l trunsthrought h en e i g h b o r i n gmapd i s t r i c t s o f"Ishikarikanayama'γHidaka" and" I w a c h i s h i " .Ther o c k sc h a r a c t e r i s t i co f t h eKamuikotanB e l texposedi nt h i sd i s t r i c tc o n s i s t so fHattaomanai o t ho fthema r ed i s t r i b u t e di nt h ee a s t e r nc o r Formationandserpentinite , b 唱E A 唱E A T a b l e 1 G e o l o g i c a lU n i t Ag巴 Holocen Alluvium 巴 T e r r a c ed e p o s i t sI I I Q u a t e r n a r y T e r r a c ed e p o s i t sI P l e i s t o c e n e T e ra 巴 deposit I KawabataF o r m a t i o n Neogen 巴 Miocene T a k i n o u eF o r m a t i o n Oli g o c e n e MomijiyamaF o r m a t i o n L a t e P o r o n a iF o r m a t i o n P a l e o g e n e I k u s h u n b e t s uF o r m a t i o n Eocene WakanabeF o r m a t i o n Middl 巴 I s h i k a r iGroup Y u b a r iF o r m a t i o n H o r o k a b e t s uF o r m a t i o n NoborikawaF o r m a t i o n HakobuchiGroup C r e t a c e o u s UpperYezoGroup OsawaF o r m a t i o n YezoS u p e r Group M i d d l eYezoGroup NutapomanaiF o r m a t i o n I n a s a t oF o r m a t i o n Serpentinit P r eC r e t a c e o u s E a r l yC r e t a c e o u s 巴 Microd i o r i t e H a t t a o m a n a iF o r m a t i o n 4EA つ 臼 n e r oThes e r p e n t i n i t ee x p o s e di nt h en o r t h e a s t e r nc o r n e ri sane x t e n s i o no f r o c k sd i s t r i b u t e di nd i s t r i c t so f" I s h i k a r i k a s h i m a * "and" I s h i k a r i k a n a y a m a " HattaomanaiFormationands e r p e n t i n i t ee x p o s e di nt h es o u t h e a s t e r nc o r n e r a r ee x t e n s i o n so ft h o s ed i s t r i b u t e di nt h ed i s t r i c to f" H i d a k a " .Hattaomanai Formationi sd i v i d e di n t oA andBf a c i e s .Theformermainlyc o n s i s t so f e m i ュ weaklymetamorphoseds l a t eandt h el a t t e rc o n s i s t so fs p i l i t i crocks , s s c h i s t sands c h i s t s .Smallb o d i e so fm i c r od i o r i t ehavei n t r u d e di n t ot h es e r ュ p e n t i n i t e . YezoSuperGroup YezoSuperGroupd i s t r i b u t e di nt h ee a s t e r nh a l fa r e ao ft h i sd i s t r i c t e x t e n d s仕f旨尚om t h ed i s t r i c to f"Ishi 注 karikζa 剖shima 正" tωo f a r t h e rs o u t hぱ 0f d i s t r i c t .YezoSuperGroupo ft h i sd i s t r i c ti sd i v i d e di n t ot h r e egroups 咽 MiddleYezoGroup , UpperYezoGroupandHakobuchiGroup-i na s c e n d i n g o r d e r .Eachgrouphasac o n f o r m a b l er e l a t i o n s h i p .TheLowerYezoGroupi s n o te x p o s e di nt h i sd i s t r i c t . MiddleYezoGroup Thisgroupi sdividedi n t oInasatoFormationandNutapomanai Formationi na s c e n d i n go r d e r .I n a s a t oFormationmainlyc o n s i s t so fdark g r a ymudstonewhichi sc o m p a r a t i v e l yb e d d e d .Thea g eo ft h i sf o r m a t i o ni s Cenomaniana c c o r d i n gt of o s s i le v i d e n c eo fammonitesandm i c r o f o s s i l s .The b a s a lbedo ft h i sf o r m a t i o ni sf a u l t e d .NutapomanaiFormationi sd i v i d e d i n t ot h r e emembers-LowerMember, MainMemberandUpperMember-i n a s c e n d i n go r d e r .LowerMemberandUpperMemberc o n s i s t so fa l t e r n a t i n g b e d so fs a n d s t o n ew i t ht u r b i d i t ef a c i e sandmudstone , i n t e r b e d d e dwitht u f f . MainMemberi scomposedmainlyo fdarkg r a ymudstoneandc o n t a i n san i n t e r c a l a t e dt h i nsandstoneandt u f fb e d .Theageo ft h i sformationi s Turoniana c c o r d i n gt of o s s i le v i d e n c eo fammonitesandi n o c e r a m u s . UpperYezoGoup-OsawaFormationT h i sf o r m a t i o ni sd i s t r i b u t e dt ot h ee a s tandwesto ft h ea r e ao c c u p i e dby MiddleYezoGroup.Thisformationi sd i v i d e di n t oLowerMemberand qJ UpperMemberi nl i t h o f a c i e s .Botho fthemc o n s i s tmainlyo fdarkgraymasュ s i v emudstoneandt h eformerbeddedt a b u l a r l yc o n t a i n st h i ni n t e r c a l a t e d bedo ff i n es a n d s t o n e .Thel a t t e rc o n t a i n sani n t e r c a l a t e dl i g h tgrayt u f fb e d . Theageo fLowerMemberi sprobablyConiacianandUpperMemberi s o r t i o nmaybee q u i v a l e n tt ot h eCampanian. m o s t l ySantonian , butap HakobuchiGroup Thisgroupc o n s i s t smainlyo fsandstonewitht h i nbedso fs i l t s t o n e i n t e r b e d d e dwitha c i d i ct u f fi nt h el o w e rh o r i z o n . Freshwatersediments withi n t e r c a l a t i o n so fc o a lseamso c c u rl o c a l l y .Thegrouphasbeens u b d i v i d ュ u ti ti sd i f f i c u l tt od i v i d ethem edi n t os i xf o r m a t i o n sbasedonlithofacies , b i n t od i s t i n c t i v emappingu n i t se x c e p ti ntermso fc o n g l o m e r a t ef o r m a t i o n (FukaushiConglomerateMember) i nt h emiddleh o r i z o nbecauseo fi t s complexg e o l o g i c a ls t r u c t u r e .Theageo ft h i sgroupi sregardedas Campaniant oM a a s t r i c h t i a nfromf o s s i le v i d e n c e . Paleogene ThePaleogened i s t r i b u t e di nt h i sd i s t r i c ti sd i v i d e di n t ot h eI s h i k a r i Group , whichi saccompaniedbyc o a lseamso ft h eYubariCoalField , P o r o n a iFormationandMomijiyamaF o r m a t i o n . IshikariGroup v e r l i e st h eHakobuchiGroup , i s Thisgroup , whichunconformablyo dividedi n t of i v eformations-NoborikawaFormation , Horokabetsu Formation , YubariFormation , WakanabeFormationandIkushunbetsu lt h ef o r m a t i o n so ft h eI s h i k a r iGroupi n Formationi na s c e n d i n go r d e r .Al t h eYubariCoalF i e l da r eexposedi nt h i sdistrict , thoughe x p o s u r e so ft h e IkushunbetsuFormationa r ec o n f i n e dt ot h en o r t h e r ne x t r e m i t yo ft h i sd i s ュ t r i c t .T h i sgroupc o n s i s t smainlyo fa l t e r n a t i o n so fs a n d s t o n eands i l t s t o n e . l t h o u g ht h e Ac o n s i d e r a b l ep o r t i o no ft h i sgroupi sf r e s h w a t e ri norigin , a WakanabeFormationi smarinei no r i g i n .Thec o a lseamsworkedf o r m e r l y a r eembeddedi nNoborikawaFormationandYubariFormation , t h el a t t e ro f whichc o n t a i n smanyimportantworkablec o a ls e a m s .Theg e o l o g i c a la g eo f S斗 & t h eI s h i k a r iGroupi smiddleE o c e n e . PoronaiFormation T h i sf o r m a t i o ni sexposedw i d e l yi nt h ewesternh a l fa r e ao ft h i sdistrict , uncomformablyo v e r l i e st h eI s h i k a r iGroupandt h eCretaceous , a t t a i n i n ga maximumt h i c k n e s so fmorethan1,OOOm. I ti scomposedmainlyo fmassive unbeddeds i l t s t o n ec o n t a i n i n gp e b b l yg l a u c o n i t es a n d s t o n ei nt h eb a s a lbed andt u f fi nt h eupperh o r i z o n .T h i sf o r m a t i o ni sf u r t h e rs u b d i v i d e di n t on i n e assemblagez o n e so fA Ithrought h estudyo fabundantmolluscanf a u n a . Theg e o l o g i c a lageo fPoronaiFormationi sl a t eE o c e n e . MomijiyamaFormation T h i sf o r m a t i o ni sd i s t r i b u t e di nt h esouthwesterna r e ao ft h i sd i s t r i c t o v e r l y i n gt h eP o r o n a iFormationwithar e l a t i o n s h i pt h a ti si n f e r r e dt ocomュ f o r m i t y .I ti scomposedo fg r e e n i s hsandstonec o n s i s t i n go fp y r o c l a s t i cmateュ r i a l si nt h el o w e rh o r i z o nandt u f f a c e o u ssandys i l t s t o n ei nt h eupperh o r i ュ zona tt h et y p el o c a l i t yaroundMomijiyama , whilei tc o n s i s t smainlyo f sandys i l t s t o n ei nt h esoutherna r e a .Theg e o l o g i c a lageo fMomijiyama Formationi sO l i g o c e n e . Neogene TheNeogenei sdividedi n t oTakinoueFormationandKawabata Formationi na s c e n d i n go r d e r .Theg e o l o g i c a lageo fthemi sM i o c e n e . TakinoueFormation T h i sf o r m a t i o ni sd i s t r i b u t e di nt h esouthwesternande a s t e r nareao f t h i sd i s t r i c tandc o n s i s t smainlyo fmassivedarkgraymudstone.Int h e southwesternarea , i tunconformablyo v e r l i e st h eMomijiyamaFormation andc o n s i s t so fg l a u c o n i t esandstonea s s o c i a t e dwithb a s a lconglomeratei n t h eb a s a lbeds , w h i l ei tunconformablyo v e r l i e st h eHattaomanaiFormation andt h eYezoSuperGroupandc o n t a i n sc o a lseamsi nt h ee a s t e r na r e a .T h i s f o r m a t i o nl o c a l l yc o n t a i n snumerousl a r g eb l o c k sandb o u l d e r so fs e r p e n t i ュ n i t e . KawabataFormation 4Eム phU Thisformation , whichhasani n t e r g r a d a t i o n a lr e l a t i o n s h i pwith o n s i s t so fc y c l i ca l t e r n a t i o no fconglomerate , s a n d ュ TakinoueFormation , c s t o n eandmudstonewithmorethan700m e t e r si nt h i c k n e s s .E x p o s u r e so f t h i sf o r m a t i o na r ec o n f i n e dt ot h es o u t h w e s t e r na r e a . Quaternary Thet e r r a c ed e p o s i t sandalluviuma r ed i s t r i b u t e da l o n gt h eYubari , PankemoyuparoandHobetsuR i v e r s .TheP l e i s t o c e n et e r r a c ed e p o s i t sa r e d i v i d e di n t ot h r e ed e p o s i t sf o r m i n gt h r e et e r r a c es u r f a c e so fTI , T2andT3 a c c o r d i n gt ot h eemergentt i m eo ft h e s et e r r a c es u r f a c e s .Thea l l u v i u mc o n ュ s i s t so fH o l o c e n ef l u v i a lt e r r a c e sandt h ea l l u v i a lp l a i n . GeologicalStructure Themappedd i s t r i c ti ss i t u a t e donthewesternboundaryo fthe Ka muikotanBelt, whichrunsp a r a l l e lt ot h eHidakaB e l ti ns t r u c t u r a lgeol 0白人 The ・ o l d e s tr o c k si nt h i sd i s t r i c to ft h er o c k so fKa muikotanB e l ta r ed i s ュ t r i b u t e di nt h ee a s t e r ncorner , andt h eyoungers e d i m e n t a r yr o c k so ft h e a l e o g e n e-whichi n c l u d et h ec o a lseamsofYubariC o a lF i e l dュ Cretaceous , P h i l e andNeogenea r ed i s t r i b u t e ds u c c e s s i v e l yfrome a s tt owesti ngeneral , w t h eTakinoueFormationo ft h eNeogenei sa l s od i s t r i b u t e di nt h ee a s t e r n c o r n e r .Thed i s t r i b u t i o no ft h e s es t r a t u m sandt h emaing e o l o g i c a ls t r u c t u r e o fnumerouscomplexf o l d sandf a u l t sshowan o r t ht os o u t ht r e n d .T h i s t r e n di sp a r a l l e lt ot h a to ft h ea x i a lz o n eo fH o k k a i d o . Thes t r u c t u r eo ft h e sv i s i b l ei nt h er o c k so fKamuikotanBelt, c o n ュ e a s tt owesttrend , whichi v e r g e sa tt h eBohzuyama-seienF a u l twhichhasas o u t ht on o r t ht r e n d . T h i sd i s t r i c ti sd i v i d e di n t of i v ez o n e s:1 ) t h eKamuikotanB e l tzone , 2 ) t h ef o l d i n gz o n eofYezoSuperGroup , 3 ) t h eboundaryz o n ebetween t h ef o l d i n gz o n eo fYezoSuperGroupandt h ef o l d i n gz o n eo ft h ePaleogene , 4 ) t h ef o l d i n gzoneo fthePaleogeneand5 ) t h ef o l d i n gzoneo ft h e Neogeneont h eb a s i so ft h ed i s t r i b u t i o no fstratumsandt h eg e o l o g i c a l s t r u c t u r e . TheSanushubeKlippe , whichc o n s i s t so fOsawaFormationand 4Eム 4EA ハ hU 5 万分の 1 地質図幅説明書 (紅葉山) 平成 14年 (2002) 3 月 29 日発行 北海道立地質研究所 干 060-0819 札幌市北区北 19条西 12 丁目 TEL .0 1 1 7 4 7 2 4 2 0 F A X . 0 1 1 7 3 7 9 0 7 1 印 刷 所 国 土 地 図 株 式 会 社 札 幌 支 店 干 06 か0807 札 幌 市 北 医 北 7条 西 2・8 北 ピ ル 7F TEL .0 1 1 7 0 9 5 4 3 5 F A X . 0 1 1 7 0 9 5 4 3 6 。 2002 G e o l o g i c a lS u r v e yo fH o k k a i d o EXPLANATORYTEXT o f t h e GEOLOGICALMAPOFJ A P A N SCALE1: 50 ,000 MOMIJIYAMA (SAPPORO-33) C 日 四 mE H GB iT M 凶山山 ジ且民マ B 印刷机 J 刈 mum H v 山間 & S a t o s h iI S H l M A R U GEOLOGICALSURVEYOFHOKKAIDO TORUWAKE , DIRECTOR N i s h i 1 2Ki t a 1 9Kitaku , Sapporo060 2002 ・0819 , JAPAN
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