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アジア・マンスリー / 2016年 9月号

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審査番号: 160906-A1
アイザワ証券 投資リサーチセンター
Asia Monthly
アジア・マンスリー / 2016年9月号 (2016年9月12日発行)
(今月号は 9 月 2 日時点の情報を基に作成しています。)
CONTENTS
イン ドネ シ アの 熱 いインフ ラ事 情
● 中国
2∼5
中国経済・政策動向
中国株の業種別動向
躍進する中国のスマートフォンメーカー
● コラム
5
サッカー大国を夢見る中国
-チャイナマネーが動き出す● グローバル
6∼7
ジャカルタ市内の道路は恒常的な渋滞に見舞われている。これは近
年変わらぬジャカルタの光景だ。しかし定期的に現地を訪れると、深刻
さは増しているように感じる。渋滞がなければ車で30分程度の距離も、
朝晩の通勤ラッシュ時は2∼3時間掛かるという。そのような中、ジャカル
タで急成長しているのがバイクタクシーだ。渋滞する車の間を多くのバ
イクタクシーが縦横無尽に進む。以前はぼったくりも多く、値段交渉に
手間取ったというが、配車アプリの普及でそのような心配はなくなった。
相場は1キロ約20円だ。直線距離15km進むのにタクシー(車)では所要
時間約1時間、800円程度掛かるが、バイクタクシーでは約20分、300円
弱で済む。地場系のゴジェック社とシンガポール系のグラブ社が大手2
強だが、今年4月に世界最大手の米ウーバーテクノロジーズ社が参入
期待の高まるベトナム
● 銘柄研究
― 北野 ち ぐ さ
8∼10
騰訊[テンセント・ホールディングス]
し、シェア争いが激しさを増しそうだ。もちろん、政府もジャカルタの深刻
な渋滞をただ放置しているわけではない。現在ジャカルタでは、MRT
ベトナム乳業 (ビナミルク)
(地下鉄)、LRT(高架鉄道)、スマンギ交差・高架道路、タンジュンプリ
オク港アクセス有料道路などの大規模インフラプロジェクトが進行中だ。
● 経済統計&ランキング
中でも日本のODAの下、2018年の開通を目指して建設が進められてい
るMRTは、現地でも期待が大きい。7月からはタックスアムネスティ(租税
カルベ・ファルマ
11
特赦)も始動し、資金面でもインフラプロジェクトを下支えする。しばらく
インドネシアのインフラ事情から目が離せなそうだ。
主要株価指数
NYダウ工業株30種
日経平均225
上海総合指数
香港ハンセン指数
香港H株指数
韓国総合株価指数
台湾加権指数
シンガポールST指数
FTSEブルサマレーシア KLCI指数
タイSET指数
ジャカルタ総合指数
フィリピン総合指数
ベトナムVN指数
イスラエルテルアビブ25種指数
2015年12月末 2016年8月末
17,425.03
19,033.71
3,539.18
21,914.40
9,661.03
1,961.31
8,338.06
2,882.73
1,692.51
1,288.02
4,593.01
6,952.08
579.03
1,528.74
*時価総額は各国・各地域の市場全体の時価総額を記載
18,400.88
16,887.40
3,085.49
22,976.88
9,541.80
2,034.65
9,068.85
2,820.59
1,678.06
1,548.44
5,386.08
7,787.37
674.63
1,447.01
年初来
時価総額
為替レート(8月31日)
実績PER
騰落率
(百万米ドル)
1ドル= 103.430 円
5.60%
17.72
24,398,414
―
-11.28% 21.03
5,043,901
1元=
-12.82% 17.87
6,415,323
15.490 円
4.85%
12.51
4,073,876 1香港ドル= 13.333 円
-1.23%
8.07
3.74%
18.04
1,307,533 100ウォン=
9.265 円
8.76%
16.95
960,825 1台湾ドル=
3.257 円
-2.16%
12.12
483,998 1シンガポールドル= 75.910 円
-0.85%
18.17
398,017 1リンギット= 25.374 円
20.22%
20.64
421,028 1バーツ=
2.987 円
17.27%
26.85
433,098 100ルピア=
0.779 円
1ペソ=
12.01%
22.00
275,445
2.213 円
100ドン=
16.51%
16.30
72,071
0.464 円
1シェケル=
-5.35%
15.01
160,572
27.395 円
[出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成]
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
くお願いいたします。
Asia Monthly
2
中国
経済
中 国 経 済 ・政 策 動 向
― 柳 林
中国の7月の経済指標を見ると、過剰生産能力の削
減を背景に銀行の企業向け新規貸出は前月比ベース
で初めて減少に転じたほか、製造業の生産・投資活動
も低調に推移しているため、中国の景気は依然として減
速し続けている。その一方で、7月の工業部門の企業利
益は前年同期比11%増(1∼7月の累計は同6.9%増)と、
(%)
中国の主な経済指標の伸び率(年初累計ベース)
15
10
5
0
需要面はまだ弱いものの利益面での改善が目立ってい
る。また、工業の電力消費量や鉄道貨物輸送量、乗用
車販売台数、不動産投資金額といった指標も全体とし
て回復基調をたどっており、年末に向けて約5年間続い
た生産者物価指数(PPI)のデフレ状態はいよいよ解消
される可能性が出てきている(右図参照)。さらに、中国
-5
-10
-15
工業部門の企業利益
工業の電力消費量
鉄道貨物輸送量
-20
生産者物価指数(PPI)
不動産投資金額
乗用車販売台数
[出所:WIND、アイザワ証券作成]
の外貨準備高は過去6ヵ月間で殆ど減少しておらず、資本流出の圧力は弱まっているように思われる。
今後、過剰設備と過剰債務の整理が加速される中で、製造業の需給バランスは緩やかながら、均衡水準に
なるまで調整されていくと予想される。その間、企業の設備投資の低迷や不動産投資の減速が予想されるが、
中国政府は需要の落ち込みを補うために再び財政出動を拡大させる可能性がある。国内投資の低迷とは対照
的に、7月の乗用車新車販売は前年同期比23%増加したほか、アリババ・グループやテンセントなど巨大新興
企業も相次いで予想を上回る好決算を発表するなど、国内消費の堅調ぶりが目立っている。また、株式市場で
は企業利益の改善と経済構造転換の進展を好感して、香港ハンセン指数とMSCI中国株指数はほぼ1年振りの
高値を付けている。この先、景気と株価が持続的に回復するためには、ゾンビ企業の閉鎖や債務処理を着実に
行わなければならないほか、民間資本の活用促進など更に踏み込んだ構造改革も必要であるため、そういった
政策面の動きを注意深く見守っていきたい。
中 国 株 の業 種 別 動 向
― 王 曦
/ 8 月の香港市場は年初来高値を更新、企業利益の改善などが背景に
8月の香港市場は、7月の工業企業利益の改善などを背景に主要株価指数が年初来高値を更新した。香港
ハンセン指数と香港H株指数の月間騰落率はそれぞれ前月比+5.0%と+6.5%となっており、香港メインボードの
1日あたり平均の売買代金は681億香港ドルと今年3月以来の高水準を記録した。
アイザワ中国株業種別指数(ACSI)(注)の業種別月間騰落率(次頁下図参照)を見ると、8月はほぼ全面高だ
った中で、「電子機器」と「銀行」、「公益事業」など一部業種の株価上昇が特に目立った。このうち「電子機器」
については、AACテクノロジーズ(香港:2018)やサニーオプチカル・テクノロジー(香港:2382)などスマートフォ
ン部品のサプライヤーの中間決算が好調だったほか、9月のアップルの新iPhone発表に対する期待感もあった
ため、全業種の中で最も高い株価上昇率を記録した。また、「銀行」については、工業企業利益の改善を受けて
不良債権の増加に対する懸念が後退し、4大国有銀行を中心に関連銘柄の株価が大きく反発した。そして「公
益事業」については、水処理の北京水務集団(香港:371)やゴミ処理の中国光大国際(香港:257)といった環境
関連銘柄の好決算が株価上昇の手掛かりとなった。一方、株価が下落した業種は「空運」や「石炭」などが挙げ
られるが、このうち「空運」は人民元安に伴う外貨建て債務の負担増で減益を強いられたこと、「石炭」は政府に
よる石炭価格の抑制懸念が出たことがそれぞれ株価の売り材料になったと考えられる。
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
くお願いいたします。
Asia Monthly
中国
3
経済
/ 9 月は中間決算の結果を踏まえて、好業績と業績改善の銘柄に注目
香港市場に上場している中国株の中間決算は8月末時点で出揃ったが、全体的に予想されていたほど悪く
なかったといった印象だ。ブルームバーグが集計した香港H株指数の構成銘柄全体の売上高と純利益は、そ
れぞれ市場予想を5.5%と2.6%上回っており、減益の企業がまだ多いものの、業績改善期待が高まっている。
今回の決算では、「自動車」と「電子機器(スマートフォン部品)」、「小売(スポーツ用品)」、「医薬品」、「公益
事業(環境関連)」、「IT」といった業種で好業績の企業が多く見られた。これらの企業は自動車購入税の減税
措置や自主ブランド車の販売好調、高機能スマートフォン部品の需要増加、スポーツブームの到来、医薬品市
場の成長加速、環境対策の強化といった個別要因が業績の追い風になっており、総じて中国の経済構造転換
で恩恵を受けていると言える。代表的な好業績銘柄としては、吉利汽車(香港:175)や広州汽車(香港:2238)、
AACテクノロジーズ(香港:2018)、サニーオプチカル・テクノロジー(香港:2382)、アンタ・スポーツ(香港:2020)、
麗珠医薬集団(香港:1513)、シノファーム・グループ(香港:1099)、北京水務集団(香港:371)、中国光大国際
(香港:257)、テンセント(香港:700)などが挙げられる。
また、「鉄鋼」、「石炭」、「機械」などの業種は、国内需要が伸び悩んでいる中でほとんどの企業が減収を強
いられたものの、原材料コストの低下や販管費の削減、不採算生産拠点の閉鎖などによって純利益ベースでは
業績が改善し始めている。中でも「鉄鋼」と「石炭」の関連企業については、黒字転換や大幅増益の企業が目
立っており、今後過剰生産能力の削減が進捗するのにつれて業績の回復基調が更に強まると予想される。代
表的な業績改善銘柄としては、中国神華能源(香港:1088)や中国中煤能源(香港:1898)、アンガン・スチール
(香港:347)、馬鞍山鋼鉄(香港:323)、海天国際(香港:1882)などが挙げられる。一方、「石油化学」、「電力」、
「一般素材(セメント)」、「食品(インスタント麺、ビール)」などの業種は需要が減少している上に様々な要因で
製品や電力の単価下落が同時に起こっているため、純利益ベースでは業績が悪化している。これらの業種は
「鉄鋼」、「石炭」などと違って、今後も業績の低迷が続くことになりそうだ。以上のように中間決算の結果を踏ま
えて、9月は好業績と業績改善の銘柄に注目していきたい。
(注)アイザワ中国株業種別指数(ACSI)の構成については11ページをご覧下さい。
(%)
アイザワ中国株業種別指数の月間騰落率 (2016年8月)
20
16.2
15
10.9
10.0
10
6.5
5.0
5
電子機器
公益事業
銀行
不動産
医薬品
IT
機械
一般素材
陸運
保険
香港H株指数
新エネルギー
食品
鉄鋼
香港ハンセン指数
自動車
上海総合指数
輸出関連
小売
非鉄金属
証券
石油化学
電力
通信
ホテル・その他 サービス
日用品
家電
娯楽・
カジノ
産業用設備
-2.1
海運
-4.8
-5.1
-10
インフラ建設
-5
石炭
空運
0
3.6
[出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成]
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
くお願いいたします。
Asia Monthly
4
中国
トピックス
躍 進 す る中 国 のスマー ト フォンメーカー
― 柳 林
/ 世界のスマホ市場はサムスンとアップル、中国勢の三つ巴状態
米IT調査会社のIDCによると、2016年4∼6月期の全世界のス
マートフォン(以下スマホ)出荷台数は前年同期比0.3%増の3億
4330万台と、2016年に入ってから2四半期連続で横ばいに推移し
た。スマホ市場全体の成長が鈍化している中、中国のスマホメー
カー主要7社(ファーウェイ、Oppo、Vivo、シャオミ、レノボ、ZTE、
TCL)の出荷台数は前年同期比4.4%増の1億1152万台と安定的
な伸びを見せた。
世界全体と中国メーカーのスマホ出荷台数
(億台)
18.0
100%
世界のスマホ出荷台数(左軸)
16.0
80%
13.0
中国メーカーの世界シェア(右軸)
12.0
90%
14.4
うち中国メーカーのスマホ出荷台数(左軸)
14.0
70%
10.2
10.0
60%
7.3
8.0
6.0
7.7
7.2
4.9
40%
4.7
4.0
30%
20%
2.4
2.0
50%
0.9
10%
0.0
0%
また、昨年主要7社に他の中国メーカーを加えた中国勢の出荷
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
[出所:WINDとIDC、アイザワ証券作成]
台数は7.7億台と既に世界全体の約56%を占めるようになってお
り、今年上半期の出荷状況を踏まえると今後中国勢の世界シェア
は更に高まる見通しだ(右上図参照)。現在、世界のスマホ市場
はサムスン、アップル、中国勢の三つ巴状態になっているが、サ
中国大手4社とアップル、サムスンのスマホ出荷台数
(億台)
3.5
3.0
2.5
ムスンとアップルがシェアを落としている一方、中国大手4社に代
2.0
表される中国メーカーの躍進ぶりが目立っている。今年上半期、
1.5
ファーウェイ、Oppo、Vivo、シャオミの中国大手4社のスマホ出荷
台数は1億6158万台に達し、業界首位のサムスンの1億5890万台
を初めて上回るようになった(右下図参照)。
1.0
0.5
0.0
2012年
Vivo
2013年
Oppo
シャオミ
2014年
ファーウェイ
2015年
2016年上半期
サムスン
アップル
[出所:IDCデータ、アイザワ証券作成]
/ 中国メーカーは中価格帯の製品に注力
中国メーカーが躍進している背景には、スマホの製造技術が成熟化してきたのに伴って、大容量メモリや新
型プロセッサー、高画質・大画面液晶、有機EL、USB Type-C端子などの高性能部品を積極的に採用したこと
が考えられる。高性能部品を採用することによって、中国メーカーはアップル製やサムスン製のスマホに比べて
も遜色ない製品を製造できるようになり、これまで得意としていた低価格帯品から中価格帯品へと販売の軸足を
移している。中国メーカーの中で特に有力な大手4社は製品に独自色を持たせており、例えばファーウェイは基
礎通信技術、Oppoは充電スピード、Vivoはカメラと音響性能、シャオミはマーケティングに強いブランドイメージ
を築き上げている。今年上半期、中国市場で中高価格帯スマホ(3000∼4000元、日本円換算で約4.5万∼6万
円)のメーカー別シェアは、中国メーカーが7割以上を占めるようになった反面、サムスンとアップルは3年前の
26%からほぼ半減している。また、中国市場で中価格帯製品の競争が激化している一方、海外市場が中国メー
カーにとって新たな主戦場となっている。例えばインド市場では中国メーカーのシェアが約3割に達し、欧州市
場でもファーウェイのシェアがサムスンに迫るなど、今後海外市場の成長はますます期待できそうだ。
また、中国メーカーの躍進によって、スマホ部品のサプライチェーンにも恩恵が出始めている。今までアップ
ルとサムスンのサプライヤーとして技術を培ってきた部品メーカーは、近年中国の大手スマホメーカーにも部品
を大量供給するようになり、業績の押し上げ要因となっている。中国国内では、一部の高性能半導体やセンサ
ー、モーターなどを除けば、ほとんどの部品が既に国産化されており、カメラレンズや音響モジュール、金属筺
体、電池、タッチパネルなどの分野で有力な部品メーカーが育っている(次頁図参照)。2016年4∼6月期に、中
国IC設計会社の売上高が初めて台湾を追い越すなど、中国政府は国を挙げて半導体産業を育成していること
もあって、今後高い技術が要求される半導体製造の分野においても国産化が進むと予想される。
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
くお願いいたします。
Asia Monthly
中国
5
トピックス
/ 業界の寡占化が進む中で、有力な部品メーカーに注目
今後、スマホ市場全体の成長が鈍化する中で、メーカー間の競
争は更に激化し、独自の技術力や販路などに優位性を持つ数社に
集約される可能性がある。中国のスマホメーカーはファーウェイを筆
頭に国内市場を固めつつ、サムスンやアップルへの追撃を続けよう。
この過程において、激しいシェア争いを繰り広げるスマホメーカーよ
りも、部品メーカーの方が株式投資の点から見て有望だ。特定の分
中国スマホ大手4社の主なサプライヤー一覧
SOC(統合チップ)
SOC委託製造
カメラモジュール
カメラレンズ
金属ケース
野に強みを持つ部品メーカーは既にある程度寡占化が進んでいる
ため、製品の粗利益率は比較的安定しており、中国のスマホメーカ
ーへの供給拡大を通じて恩恵を享受できると考えられる。
組立製造
指紋認証
有力な部品メーカーとしては、AACテクノロジーズ(香港:2018)や
音響部品
サニーオプチカル・テクノロジー(香港:2382)、オーフィルム(深セン
バッテリー
A:002456)、通達集団(香港:698)などが挙げられ、株価は年初か
ガラス製造・加工
ら大幅に上昇している。これら部品メーカーが保有する先端技術は
人工知能や自動運転、IoTなどの成長分野でも応用される可能性が
あり、今後更なる業績の拡大が期待される。
液晶ディスプレイ
有機EL
クアルコム(米国:QCOM)
聯発科技(台湾:2454)
スプレッドドラム(未上場)
自社製
SMIC(香港:981)
TSMC(台湾:2330)
長電科技(上海A:600584)
サニーオプチカル・テクノロジー(香港:2382)
オーフィルム(深センA:002456)
ライトオン・テクノロジー(台湾:2301)
大立光電(台湾:3008)
サニーオプチカル・テクノロジー(香港:2382)
BYD電子(香港:285)
Evenwin(未上場)
鴻海精密工業(台湾:2317)
通達集団(香港:698)
AACテクノロジーズ(香港:2018)
BYD電子(香港:285)
インベンテック(台湾:2356)
鴻海精密工業(台湾:2317)、自社製
FPC(スウェーデン:FINGB)
オーフィルム(深センA:002456)
クルーシャルテック(韓国:114120)
AACテクノロジーズ(香港:2018)
歌爾声楽(深センA:002241)
欣旺達電子(深センA:300207)
徳賽電池科技(深センA:000049)
藍思科技(深センA:300433)
オーフィルム(深センA:002456)
鴻海精密工業(台湾:2317)
京東方科技集団(深センB:200725)
天馬微電子(深センA:000050)
信利国際集団(香港:732)
ジャパンディスプレイ(日本:6740)
京東方科技集団(深センB:200725)
サムスン電子(韓国:005930)
[出所:各種情報、アイザワ証券作成]
コラム:
サッカー大国を夢見る中国
ーチャイナマネーが動き出すー — 姚 莉
サッカーファンとして知られている習近平国家主席の「夢」でもあるW杯の中国開催や、2030年ま
でに中国代表チームをアジアトップにするなどの目標を念頭に、政府は「中国サッカー、2016∼
2050年の中長期発展計画」を発表し、国を挙げてサッカーの強化に力を入れている。国策の後押し
は豊富な資金力を持つ中国企業にとって活発な投資への追い風となっている。今年に入って、ブラ
ジル代表のアレックス・テイシェイラ(移籍金が約56.5億円)、コロンビア代表のジャクソン・マルティネ
ス(移籍金が約47.5億円)、元日本代表監督であるアルベルト・ザッケローニ監督など、ワールドクラ
スの現役代表選手や監督が続々と中国スーパーリーグ(日本のJ1リーグに相当する)に移籍し、世
界のサッカー界の話題を集めた。今シーズンのリーグ開幕を前に、冬の移籍市場では、中国スーパ
ーリーグ所属の16のクラブが3.3億ユーロ(約373億円)の移籍金を投じ、欧州のビッグクラブも狙って
いた有名選手を次々と獲得した。更に、「爆買い」のターゲットはプロサッカークラブにも及んでい
る。イタリア名門のインテル・ミラノに続き、ACミラン、英プレミアリーグのWBAが相次ぎ中国企業への
身売りを発表した。チャイナマネーによる「爆買い旋風」が止まらない。実際に、ワールドクラスのビッ
グネームの中国移籍で、中国スーパーリーグは異様な盛り上りを見せている。一方、移籍を決めた
選手や監督は破格の年棒や多数のサッカーファンを抱える中国に魅力を感じている模様。また、経
営難に陥っている欧州の強豪クラブは巨額のマネーを提供してくれる中国に対しておおむね好意
的に受け止めているようだ。
空前のサッカーブームを背景に、株式市場でもサッカー関連銘柄の注目度が急上昇。スポーツ
用品・ウェアメーカーやサッカーなど球技用品メーカーのほか、サッカークラブの所有企業まで広範
囲に及んでいる。しかし、代表チームはこれまでW杯へ出場できたのは1回だけで、今年、7月に発
表されたFIFAランキングでも81位に留まり、夢の実現にはまだまだ時間がかかりそうだ。そのため、
豊富な資金力を武器に、世界レベルのノウハウを吸収し、若手代表選手の育成や施設・設備の整
備等にも力を入れなければいけないと思うのだ。
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
くお願いいたします。
Asia Monthly
6
グローバル
トピックス
期 待 の 高 ま るベ ト ナ ム
― 明松 真一郎
ASEAN主要国のうち、ベトナムの経済成長率は比較的高い水準で推移している。2015年には、TPPやEUと
のFTA(自由貿易協定)への合意が行われたことで、海外からの注目度も高まりつつある。ベトナムの直近のい
くつかの変化、今後解決すべき課題などについて考えてみたい。
/ ASEAN 加盟 10 ヵ国の比較
ベトナムの2015年のGDP成長率は、ASEAN加盟10ヵ国のうち、データが公表されている6ヵ国のなかで最も
高かった。国内の安定的な消費に加えて、アジア主要国の中では、中国経済減速の影響が比較的少なかった
ことが高い成長率につながったと推測される。また、人口はインドネシア、フィリピンに次いで第3位の規模で、
豊富で若い労働力は、ベトナム経済成長の最大の原動力といえよう。
とはいえ、1人あたりGDPは2052ドルと世界レベルからみればまだ低い水準だ。政府は2020年までに1人あた
りGDPを3750ドルまで引き上げる、とする目標を掲げているが、今の成長スピードを維持していくことができれば、
十分達成可能な目標といえるだろう。なお、一般的には、1人あたりGDPが3000ドルを超えると、家電、耐久消費
財、自動車などの消費が急拡大するといわれている。今後、ベトナムの1人あたりGDPの3000ドル超えが近づく
につれて、徐々に、安価な労働力を武器とした生産拠点としての魅力よりも、消費市場としての魅力がクローズ
アップされてくることとなろう。
ASEAN各国の経済規模等比較(2015年)
シンガポール マレーシア
タイ
インドネシア フィリピン
ベトナム カンボジア
ラオス
ブルネイ ミャンマー
名目GDP(億ドル)
2,927
2,962
3,953
8,589
2,920
1,914
182
125
1人当たりGDP(ドル)
56,319
11,055
5,445
3,531
2,850
2,052
1,080
1,692
━
1,221
2015年GDP成長率(%)
2.0
5.0
2.8
4.79
5.8
6.68
━
━
━
━
人口(万人)
509
2,840
6,912
23,987
9,234
8,785
1,414
620
39
28.5
38.0
27.8
24.2
30.4
23.9
21.9
30.6
平均年齢(歳)
40.0
118
669
4,796
27.9
[出所:IMF、アイザワ証券作成]
/ アジアの産業集積地としての地位を高めるベトナム
これまで、アジアの産業集積地としては、中国を除けばタイが主要国で、次いではインドネシアが徐々に市場
を拡大しつつある、という状況だった。特に、タイは他の周辺国より交通インフラが比較的整備されており、自国
だけで完結できる幅広い産業基盤がある、という点が最大の優位点であった。しかし、中国やタイやインドネシ
アにおける人件費の上昇やベトナムの技術力上昇によって、ベトナムへの生産シフトも増えつつある。
この流れに拍車をかけているのが、関税撤廃の動きだ。ベトナムは他のASEAN諸国や中国、インドなどに先
駆けて、TPPへの参加を決定した。世界銀行のまとめによると、TPPに参加することによって最も恩恵を受ける国
としてベトナムが挙げられている。TPPが発効すると、加盟国向けの輸出品は域内で生産すれば特恵関税の適
用が受けられることになる。実際、他のTPP加盟国と賃金レベルを比較すればベトナムは最も高いオーストラリア
に比べて20分の1以下と極めて安い(次頁グラフ参照)。賃金の面だけからみても、ベトナムは他のTPP加盟国
に比べて優位な位置にあるといえよう。
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
くお願いいたします。
Asia Monthly
グローバル
7
トピックス
実際、TPPをにらんで、ベトナムへの進出
機会を探る動きが活発化し始めている。近
年の国別の対越投資額をみると、韓国が最
も多く、次いでシンガポール、香港、日本な
どが続いている。加えて、2015年はベトナム
戦争終結40周年、米越国交正常化20年と
(米ドル)
4500
4000
3500
3823
※主要都市のデータをもとに作成
3096 3048
3000
2500
いう節目の年で、かつ、オバマ大統領の初
2000
訪越も行なわれた。歴史的転換点を迎えた
1500
という点も、米国からの投資増加に寄与して
1000
いるといえよう。当面、海外企業からベトナム
500
での覇権争いが繰り広げられそうだ。
TPP加盟国製造業ワーカーの月額賃金
2373 2238
1526
608
459
418
323
185
0
国内では、縫製企業がTPPを見据えて積
極的に増産体制を整えつつある。国営繊維
[出所:ジェトロ、アイザワ証券作成]
グループのビナテックスのトゥエンクアン縫
製工場は、米国、EU、日本向けにスーツの生産ライン20本を設置し、9月中に操業開始の予定だ。増産によっ
て、年間売上高約8000億ドンを見込んでいる。また、米国の小売大手ウォルマートは、すでに2013年にホーチ
ミン事務所を開設しているが、今後、ベトナムでの販売をさらに強化すべく、新たなサプライヤーを探している。
TPPをめぐって、関係各社のシェア争いが激しくなってきそうだ。
そのほか、TPP発効を機に増加が予想されているのが小売業の進出だ。ベトナムでは中間所得者層の増加
を背景に消費拡大が見込まれており、百貨店や大型商業施設、コンビニエンスストアなどの出店が加速すると
みられている。ベトナムのコンビニ業界ではファミリーマート、ミニストップが既に出店しているが、2017年度中に
はセブンイレブンが1号店のオープンを計画しているほか、ローソンも「進出を前向きに検討する」と意欲を示し
ている。コンビニは日本企業が得意な分野であるため、今後、ベトナムで日本企業の存在感が高まってくると予
想される。
/ 今後解決すべき課題
課題のひとつが、物流インフラの問題だ。現在、ベトナム最大級の港は、ホーチミン市にあるカットライ港で、
ホーチミン市の貨物コンテナのうち約85%がこの港で積み下ろしされているが、貨物数の増加と税関における
書類の増加で混雑が常態化している。また、水深が浅いため大型船が入港できず、近くのカイメップ港で一旦
別の船舶に積み替えて荷物を運ぶ、という段取りが必要となっている。TPPなどに絡んで今後ベトナムが扱う貨
物は一段と増加すると予想されるため、早急な改善が必要といえよう。なお政府は、北部ではハイフォン市を国
際ゲートとして開発し、2020年までに貨物の取り扱い能力を年間109万∼114万トンまで引き上げるとの目標を
示した。今後、このような港湾整備計画が活発化してきそうだ。
もうひとつの課題は、国営企業の非効率な経営状態だ。この問題はこれまで長期に亘って議論されてきた問
題だが、現時点までほとんど改善に至っていない。ベトナムの国営企業の売上高合計は、GDP総額の30%以
上を占めているが、非効率で情報開示に消極的な企業が多い。不良債権を抱えている企業や赤字企業も多く、
実態がつかめないというのが実状だ。政府はこの問題点を認識しており、民営化することによって経済成長を加
速させようとしているが、株式売却の際の価格設定に時間がかかるため、なかなか進んでいない。今後、通信の
モビフォン、ビナフォン、ベトナム航空など多くの大手国営企業の上場予備軍が控えている。上場までに、経営
効率と情報開示姿勢を改善させることが、当面の最も重要な課題といえよう。
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Asia Monthly
8
銘柄研究
香港:700/Z4275
騰訊[テンセント・ホールディングス]
― 王 曦
業種: IT
/ 中国の大手IT企業、世界有数のユーザー基盤が強み
騰訊[テンセント・ホールディングス](以下同社)は中国の大手IT企
業。2016年1∼6月期の売上構成は、オンラインゲームが48%、
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が24%、ネット広
告が18%、その他が10%。このうちオンラインゲーム事業は、
海外の大手ゲーム会社と提携してパソコンやモバイル向けの
ゲームを中国で展開。また、SNS事業は世界有数のユーザー
基盤を 誇っ ており、同社 が運営し てい るSNSアプ リで ある
「QQ」と「Wechat」の月間アクティブ・ユーザー数はそれぞれ9
億人と8.1億人に達している(2016年6月末時点)。
/ 2016 年中間決算は増収増益
2016年1∼6月期中間決算は、売上高が前年同期比47.7%
株式データ
2016/9/2 現在
株価
売買単位
時価総額
実績 PER
PBR
52 週高値
52 週安値
201.80香港ドル
100株
1兆9103億香港ドル
45.35倍
11.58倍
205.40香港ドル
125.10香港ドル
業績推移
【連結】
決算期
‘14/12
‘15/12
売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当
78,932 30.6%
23,810 53.6%
2.58
0.36
102,863 30.3%
28,806 21.0%
3.10
0.47
単位:百万元、ただし 1 株利益は元、1 株配当は香港ドル
※1 株配当は株式分割・併合等調整済み
株価チャート(週足2015年9月18日∼2016年9月2日)
増の676.9億元、純利益が同40.3%増の199.2億元と増収増
株価
(香港 ドル)
出来高
(百万株)
益。事業別の売上高は、オ ンライ ンゲームが前年同期比
1,000
900
200
32.0%増、SNSが同56.8%増、ネット広告が同60.4%増、その
800
190
700
180
600
170
のコンテンツ課金収入が好調だったほか、「Wechat」の収益化
500
160
400
150
や動画配信アプリの視聴者増加を背景に、モバイル広告とク
300
140
200
130
100
120
0
110
他が同274.9%増。主な収益源であるオンラインゲームとSNS
ラウドサービス、電子決済関連サービスの収入も高い伸びを
示した。また、「Wechat」の月間アクティブ・ユーザー数は前年
210
同期比34.3%増の8.1億人と速いペースで拡大を続けており、
ユーザー基盤の拡大は今後ネット広告とモバイルゲームの収
入増加を通じて業績の押し上げ要因になると予想される。
[出所:株式データ、業績推移、株価チャートともに
ブルームバーグなど、アイザワ証券作成]
その他
/ モバイルビジネスの成長は続く見通し
2016年6月、同社はソフトバンクからモバイルゲーム開発会
社であるスーパーセルを86億米ドルで買収すると発表した。ス
ーパーセルは、「クラッシュ・オブ・クラウン」や「ヘイ・デイ」など
人気のゲームタイトルを複数保有しているため、今回の買収
は同社にとってモバイルゲーム事業の強化につながると予想
される。2016年4∼6月期に、同社モバイルゲームの収入は前
年同期比114%増の96億元と大幅に増加したが、今後人気タ
(億人)
Wechatの月間アクティブ・ユーザー数の推移
9.0
8.0
7.0
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
イトルの導入に伴ってモバイルゲーム事業の成長は更に加速
する見通し。また、「Wechat」の収益化が進んでいることを背
景に、モバイル広告の投入やモバイル決済の利用増加も業
※月間アクティブ・ユーザー数は1ヵ月間に最低1回アプリを利用するユーザーの数。
[出所:会社発表資料、アイザワ証券作成]
績成長に寄与し始めており、これらの事業は成長の初期段階
にあるため今後の成長余地は大きいと考えられる。
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
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Asia Monthly
銘柄研究
9
インドネシア:KLBF/Z1443
カ ル ベ ・ ファ ルマ
― 北 野 ちぐさ
業種: 医薬
/ 東南アジア最大の上場製薬会社
ジェネリック医薬品を中心とした処方薬から、市販薬、サプリ
メント、エナジードリンクを含む清涼飲料水、生活習慣病患者
向けの特殊ミルクや低カロリースナック等の栄養補助食品、乳
児用粉ミルクなど幅広い製品の製造・販売を行う。そのほか、
医薬品の原材料となる化学原料や医療機器等の輸入・販売、
ジャカルタ首都圏においてクリニックの運営等も手掛ける。
/ ルピア相場の安定化で足元収益は回復の兆し
2015年は、①ルピア安を背景に輸入原料の調達コストが増
加したこと、②公的医療保険制度で使用が義務付けられた一
般ジェネリック医薬品の売上が増加し、利益率が低下したこと、
③麻酔薬の大規模リコールなどが響き、純利益が15年ぶりの
株式データ
2016/9/2 現在
株価
売買単位
時価総額
実績 PER
PBR
52 週高値
52 週安値
1760ルピア
100株
82兆5002億ルピア
40.93倍
7.69倍
1815ルピア
1135ルピア
業績推移
【連結】
決算期
‘14/12
‘15/12
売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当
17,369
8.5%
2,066
7.6%
44
19
17,887
3.0%
2,004 -3.0%
43
19
単位:十億ルピア、ただし 1 株利益、1 株配当はルピア
※1 株配当は株式分割・併合等調整済み
株価チャート(週足2015年9月11日∼2016年9月2日)
減益となった。しかし2016年1∼6月期は、ルピア相場の安定
出来高
(百万株)
株価
(ルピア)
化に加えて、栄養補助食品、化学原料及び医療機器等輸入・
5,000
4,500
1,900
販売事業が牽引し、前年同期比9.6%増収、同7.8%増益へと
4,000
1,800
3,500
1,700
3,000
1,600
に依存し、ルピア相場の変動に収益が大きく左右されている現
2,500
1,500
2,000
1,400
状を鑑み、外資による国内医薬品原料メーカーへの出資制限
1,500
1,300
1,000
1,200
500
1,100
0
1,000
好転した。政府は、国内の製薬会社が原料の9割以上を輸入
の撤廃や、製薬会社への税優遇などを相次いで打ち出してい
る。同社にとっても原料の国内調達比率が上昇すれば、中長
2,000
期的な収益の安定化につながり好感されるだろう。
/ 長期的には利益率の高い処方薬の開発強化
会社側は2016年の収益目標について、売上高を前年比8
[出所:株式データ、業績推移、株価チャートともに
ブルームバーグなど、アイザワ証券作成]
その他
∼10%増、営業利益を同14∼15%増に定めた。短期的には、
急成長している清涼飲料水や栄養補助食品事業を強化すると
ともに、市販薬における既存ブランドの製品ラインナップを充
カルベ・ファルマの事業別売上高構成
(2016年1∼6月期)
実させることで収益を確保していく。また、長期的には先発医
薬品やブランドジェネリック医薬品など、利益率の高い処方薬
の開発を強化し持続的な成長を目指す方針だ。同社は、2014
年に国内製薬会社で初となる抗がん剤の工場を稼働、2015年
にもエリスロポエチン(EPO、赤血球の産生を促進する造血因
子のひとつ)のバイオシミラー(バイオ後続品)開発で韓国メー
カーと合弁会社を設立し、2017∼2018年の工場稼働を計画し
ている。昨年同社の株価は業績悪化を背景に大幅な調整を余
化学原料及
び医療機器
等輸入・販売
30%
栄養補助食
品・乳児用粉
ミルク等
28%
処方薬
24%
市販薬・清涼
飲料水
18%
[出所:カルベ・ファルマ、アイザワ証券作成]
儀なくされたものの、ルピア相場の安定化や政策支援を追い
風に、早晩成長軌道への回復が期待できそうだ。
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Asia Monthly
10
銘柄研究
ベトナム:VNM/Y3302
ベ ト ナ ム 乳 業 ( ビ ナ ミル ク)
― 姚 莉
業種: 食品
/ 国内最大の乳製品会社
牛乳や粉ミルク、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズなどの製
造と販売を手掛けている。また、子会社を通じて酪農場の運営
や原乳の生産も行っている。2015年末現在、液体牛乳、ヨーグ
ルト、コンデンスミルク各製品の市場シェアはそれぞれ53%、
84%、80%となっており、いずれもベトナム首位を誇る。国内で
は13ヵ所の生産工場と2ヵ所の配送センターを有するほか、243
社の代理店と21万ヵ所以上の小規模小売店、1609ヵ所のスー
パーマーケット、575ヵ所のコンビニエンスストアなど幅広い販
売網を持っている。また、海外40ヵ国への輸出も行っている。
/ 海外事業の急拡大で好業績が続く
2015年12月期本決算は、売上高が前年比14.3%増の40.1
兆ドン、純利益が同28.1%増の7.8兆ドンと共に過去最高を更
株式データ
2016/9/1 現在
株価
売買単位
時価総額
実績 PER
PBR
52 週高値
52 週安値
業績推移
【連結】
決算期
‘14/12
‘15/12
株価チャート(週足2015年9月11日∼2016年9月2日)
体を牽引した。8月2日に発表された2016年1∼6月期決算も前
50
年同期比18.6%の増収、32.9%の増益を達成し、年間計画に
40
対する進捗率は売上高が51.3%、純利益が60.3%と好業績が
30
続いている。粉ミルクやコンデンスミルクなど利益率の高い製
20
品が輸出の大半を占めるため、輸出部門の粗利益率が48.6%
10
ベトナムでは経済成長に伴う食生活の西洋化や健康志向
の高まりなどにより牛乳の消費量が年々増加している。1人当
株価
(ドン)
出来高
(百万株)
新した。海外売上高が同39.3%増の7.9兆ドンと急成長し、全
/ 国内乳製品需要の増加と海外事業の伸長で高成長へ
売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当
35,072 13.3%
6,069 -7.1%
3,797
2,778
40,080 14.3%
7,773 28.1%
4,864
4,444
単位:十億ドン、ただし 1 株利益、1 株配当はドン
※1 株配当は株式分割・併合等調整済み
60
と前年同期の39.1%から大幅に改善し、好業績に寄与した。
154000ドン
10株
223兆5238億ドン
31.66倍
9.76倍
156000ドン
80417ドン
160,000
150,000
140,000
130,000
120,000
110,000
100,000
90,000
80,000
70,000
0
60,000
[出所:株式データ、業績推移、株価チャートともに
ブルームバーグなど、アイザワ証券作成]
その他
たりの年間牛乳消費量は、1990年の0.5リットルから2013年の
18.0リットルまで急拡大し、2020年には28.0リットルに達すると
(億ドン)
予想されている。また、政府は産業振興や国民の栄養改善な
80000
どの観点から乳製品の消費拡大に積極的に取り組んでいるこ
70000
ともあって、乳製品の市場規模は2000年以降、年率15%以上
60000
のペースで順調に拡大している。国内の乳製品需要が急増す
50000
40000
る中で同社は設備投資の拡大や高品質の生産・管理技術の
30000
導入などを行う一方、アフリカ諸国やミャンマーなど新たな市場
20000
開拓を計画するなど、輸出の強化にも力を入れている。そのほ
か、ニュージーランドや米国などに生産拠点を置くなど、海外
事業も加速させている。2016年上半期の決算では、海外売上
ベトナム乳業 海外売上高推移
10000
0
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
[出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成]
高が過去最高を更新し、急拡大している。今後、ブランド力を
武器に、高い収益性と更なる成長が期待できそうだ。
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Asia Monthly
DATA
11
経済統計&ランキング
/ アジア各国の経済統計 (2016年9月2日現在)
日本
2013
中国
2014
2015
2013
2014
台湾
2015
2013
2014
韓国
2015
2013
シンガポール
2014
2015
2013
2014
2015
実質GDP成長率(%)
1.4
-0.03
0.7
7.7
7.3
6.9
2.2
3.9
0.85
2.9
3.3
2.6
4.7
3.3
2.0
1人当りGDP(米ドル) 38,552 36,156 32,486 6,995 7,626 7,990 21,888 22,288 21,607 25,998 27,970 27,195 55,980 56,287 53,224
外貨準備高(億米ドル) 12,024 11,997 11,790 38,213 38,430 33,300 4,168 4,190 4,260 3,465 3,636 3,680 2,731 2,569 2,477
経常収支(億米ドル)
407
244 1,375 1,482 2,197 2,932 553
654
462
811
844 1,059 541
532
576
鉱工業生産(%)
消費者物価指数(%)
政策金利(%)
2016年
6月
2016年
7月
2016年
8月
2016年
6月
-1.50
-0.40
―
-3.80
-0.40
―
タイ
―
―
―
6.20
1.90
4.35
2013
2014
2015
2013
2016年
7月
2016年
8月
6.00
―
1.80
―
4.35
4.35
マレーシア
2014
2015
実質GDP成長率(%)
2.7
0.7
2.8
4.7
6.0
5.0
1人当りGDP(米ドル) 6,148 5,889 5,742 10,809 11,050 9,557
外貨準備高(億米ドル) 1,673 1,571 1,565 1,305 1,118 914
経常収支(億米ドル)
-52
154
348
113
145
87
2016年
6月
鉱工業生産(%)
0.80
消費者物価指数(%) 0.38
政策金利(%)
1.50
※ データに一部予想を含む
2016年
6月
2016年
7月
2016年
8月
0.88 -0.31
―
0.90 1.23
―
1.375 1.375 1.375
インドネシア
2013
2014
2016年
6月
0.80
0.80
1.25
2015
2016年
7月
2016年
8月
1.60
―
0.70
0.40
1.25
1.25
フィリピン
2013
2014
2015
2016年
6月
2016年
7月
2016年
8月
-0.30
-0.70
―
-3.60
-0.70
―
ベトナム
―
―
―
2013
2014
2015
5.6
5.0
4.8
7.1
6.1
5.8
5.4
6.0
6.5
3,676 3,532 3,362 2,770 2,844 2,858 1,902 2,051 2,088
994 1,119 1,059
832
795
807
259
342
283
-291 -275 -178
114
108
84
78
93
28
2016年
7月
2016年
8月
2016年
6月
2016年
7月
2016年
8月
2016年
6月
2016年
7月
2016年
8月
2016年
6月
2016年
7月
2016年
8月
2016年
6月
2016年
7月
2016年
8月
-5.10
0.10
1.50
―
0.29
1.50
5.30
1.60
3.25
―
1.10
3.00
―
―
3.00
―
3.45
5.25
―
3.21
5.25
―
2.79
5.25
―
1.90
3.00
―
1.90
3.00
―
―
3.00
7.40
2.40
6.50
7.20
2.39
6.50
7.30
2.57
6.50
[出所:IMF、ブルームバーグ、アイザワ証券作成]
/ アイザワ証券 アジア株売買代金上位ランキング (2016年8月1日∼8月31日統計)
アジア株式(買い手口)
順位 ティッカー
銘柄名
ベトナム乳業 (ビナミルク)
[ベトナム・デイリー・プロダクツ]
アジア株式(売り手口)
終値
市場
騰落率
156000
ベトナム
46.2%
1
22.7%
2
2202
132.6%
3
13.6%
4
1
VNM
2
WIKA ウィジャヤ・カリヤ
3
2382
舜宇光学科技(集団)
[サニーオプチカル・テクノロジー]
41.45
4
LPPF
マタハリ・デパートメント・ストア
20000 インドネシア
5
5
6
VIC
7
INDY
8
665
9
10
11
香港
銘柄名
終値
市場
騰落率
845000
韓国
28.4%
万科企業
19.90
香港
-13.1%
WIKA
ウィジャヤ・カリヤ
3240 インドネシア 22.7%
KAEF
キミア・ファルマ
2980 インドネシア 242.5%
035420 Naver [ネイバー]
匯豐控股
[HSBCホールディングス]
57.50
香港
-7.1%
5
665
ビングループ
48100
ベトナム
16.8%
6
700
675 インドネシア 513.6%
7
BSDE ブミ・スルポン・ダマイ
2150 インドネシア 19.4%
3.8%
8
CPALL CPオール
62.25
タイ
58.6%
36.2%
9
HMPRO ホーム・プロダクト・センター
10.90
タイ
60.3%
366 インドネシア 114.0%
10
インディカ・エナジー
海通国際証券集団
[ハイトンインターナショナルセキュリティーズ]
TLKM テレコムニカシ・インドネシア
BNII
3240 インドネシア
順位 ティッカー
バンク・メイバンク・インドネシア
BSDE ブミ・スルポン・ダマイ
4.95
香港
4210 インドネシア
2150 インドネシア
[ハイトンインターナショナルセキュリティーズ]
騰訊 [テンセント・ホールディングス]
4.95
香港
3.8%
201.80
香港
32.3%
ANTM アネカ・タンバン
720 インドネシア 129.3%
アストラ・インターナショナル
8150 インドネシア 35.8%
LPKR
リッポー・カラワチ
1100 インドネシア
13
VNM
ベトナム乳業 (ビナミルク)
[ベトナム・デイリー・プロダクツ]
19.4%
11
ASII
-24.3%
12
11.9%
12
494
利豊 [リー&ファン]
13
JFC
ジョリビー・フード
245.00 フィリピン
14
BH
バムルンラード病院
170.00
タイ
-19.4%
14
INDY
インディカ・エナジー
675 インドネシア 513.6%
15
GL
グループ・リース
41.00
タイ
125.3%
15
CTRP シプトラ・プロパティ
600 インドネシア 47.8%
3.99
香港
海通国際証券集団
☆終値は現地通貨 ☆騰落率は年初来
156000
ベトナム
6.3%
46.2%
(2016 年 8 月 31 日現在のデータ)
☆アジア株売買代金上位ランキングは当社取扱いのアジア株式市場(香港、中国 B 株、上海 A 株を含む)すべてを対象としています。
(注)アイザワ中国株業種別指数(ACSI)は、アイザワ証券が独自に作成した大分類 8 区分 30
の業種別指数です。当指数は、香港市場と中国本土の上海 B 株および深セン B 株市場から中国
関連銘柄を選定し、構成銘柄の浮動株時価総額の加重平均で算出しています。2016 年 5 月 1 日
時点で選定した 306 銘柄の浮動株時価総額は約 6.6 兆香港ドルに上っており、海外から直接投
資できる主な中国株をカバーしています。当指数は不定期に構成銘柄の調整を行うことがあり
ますのでご留意ください。
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました。ご確認の程、宜し
くお願いいたします。
Asia Monthly
12
各市場の取引時間(日本時間)
日本(東証)
中国
香港
9:00∼11:30
10:30∼12:30
10:30∼13:00
12:30∼15:00
14:00∼16:00
14:00∼17:00
マレーシア
タイ
インドネシア
台湾
韓国
10:00∼14:30
9:00∼15:30
フィリピン
シンガポール
10:00∼18:00
ベトナム
10:00∼13:30
12:00∼14:30
月∼木
金
10:30∼13:00
11:00∼13:30
15:30∼18:00
16:30∼18:30
11:00∼14:00
15:30∼18:00
11:00∼13:30
16:00∼18:00
14:30∼16:30
15:00∼17:00
イスラエル
16:45∼24:15
(現地サマータイム時)
15:45∼23:15
外国株投資の主なリスクと留意点
株価・為替の変動リスク:
株式は株価の変動等により、損失が生じるおそれがあります。外国株式は、為替の変動等により、損失が生じ
るおそれがあります。
時価総額リスク:
時価総額による企業の社会的信用度、規模の把握をお勧めします。小型株は、流動性の低さ/企業の情報開示
/コーポレートガバナンス等に問題がある場合があります。また、客観的投資情報が不足しているため、投資
対象として安全なのは、情報量が豊富で、時価総額の大きな代表企業と思われます。
政策リスク:
突発的な政情変化や政策変更など、また、各国の慣習や文化などの違いにご注意ください。
会計基準変更リスク:
国や企業により会計基準が違いますので、ご注意ください。
投資家の皆様へ
■
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生じるいかなる損害や不利益について、当社では責任を負いかねます。
本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終決定は、情報の被提供者自身による判断でお
決め下さい。本資料は企業取材等に基づき作成していますが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。結論
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(1)委託取引の場合
外国証券の外国取引にあたっては、取引口座に応じて以下の委託手数料(税込)をいただきます
対面口座: 売買代金に対し、最大 0.8640%(2,700 円に満たない場合は 2,700 円(買付けの場合のみ))
インターネット口座 「ブルートレード」: インターネット発注 2,160 円/コールセンター発注 4,320 円(上海 A 株・米国株・欧州株・イスラエル株はコ
ールセンター発注のみ)
コンサルティングネット口座「アイザワプラス」: インターネット発注 6,480 円/コールセンター発注 12,960 円(上海 A 株・米国株・欧州株・イスラエ
ル株はコールセンター発注のみ)
(2)国内店頭取引の場合
外国証券の国内店頭取引の場合は、所定の手数料相当額を含んだお客様の買付け及び売却の単価を当社が提示いたします。
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外国証券の外国取引にあたっては、外国金融商品市場等における売買手数料及び公租公課その他の賦課金が発生します。外国取引に係
る現地諸費用の額は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、本書面上その金額を予め記載することができません。
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商 号 等 : 藍澤證券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 6 号
(本社)東京都中央区日本橋 1-20-3
加 入 協 会:日本証券業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会
当社が契約する特定第一種金融商品取引業務に係る指定紛争解決機関
:特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター(略称:FINMAC)
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