かわら版 ―北アフリカ地域ニュース― モロッコ:テロ関連組織の摘発 2008 年 7 月 7 日 No.140 (7 月 3 日付現地紙) 1.当局筋によると、35 名のモロッコ人が最近、治安維持当局によって逮捕された。 2.この組織は、イラクでの自爆テロ候補者 30 人及び AQIM(イスラム・マグレブ諸国のアルカ ーイダ)への志願兵 3 人のリクルート及び移送を行った他、当国内でのテロ行為を計画し ていたとの疑いがもたれているが、計画の内容は明らかにされていない。 3.この摘発はモロッコの複数の都市(Tnager, Larache,Oujda, Tetouan, Rabat, Khouribga, Fes)で行われた。 4.現在のところ、爆発物等は発見されておらず、対テロ警戒レベルも「オレンジ(中レベル) のままである。なお治安当局の対テロ警戒レベルは「赤」 、 「オレンジ」 「黄」の 3 段階に 区分されている。 <参考> モロッコにおける最近のテロ関連事件 2007-08-08 モロッコの軍事裁判所は、アルカーイダ系のテロ組織の企みに関する機密情 報を Al Watan Alaan 紙に漏洩したことで、軍の将校 8 名に最高 5 年の懲役刑を言い渡した。 Al Watan Alaan 紙は、先月、アルカーイダが、マグレブ諸国に対する攻撃を実行するため にアラブ人 12 名、パキスタン人 4 名を送ることを決定したと報道した。 2007-08-13 モロッコの Meknes で、観光客のバスを狙った自爆テロ未遂が発生。自爆犯 が重傷。場所は観光地の Sahat Lahdim square。 2007-09-19 モロッコの裁判所は、テロ攻撃を企てたとして 2005 年にカサブランカとラ バトで逮捕されたモロッコ系ベルギー人 2 名を含む 17 名を収監した。モロッコ系ベルギー 人のムハンマド・リーハと叔父のムハンマド・ゼムーリーは懲役 10 年、ハーリド・アジグ は 10 年、残りは懲役 1 年から 6 年。 2008-01-28 スペイン当局は、2004 年の列車爆弾テロに関与したモロッコ人 Abdelilah Hriz を逮捕。 2008-02-20 モロッコのアッバス・エル・ファッシ首相は、イスラーム政党 Al Badil Al Hadari 党首ムスタファ・モアタッシムを対イスラームテロ対策の一環として逮捕し、同党の 公認を取り下げると表明した。同党の認可は 2005 年。 2008-02-21 モロッコ政府・内務省はアル・カーイダ系イスラムテロ組織に所属する 32 名を逮捕したと発表した。閣僚級大臣と北アフリカユダヤ人協会のメンバーの暗殺計画は未 然に防がれたと報道。2003 年カサブランカで 45 名の犠牲者を出した無差別テロ以来、治安 は小康状態を保っている。 2008-04-07 2003 年 45 名の犠牲者を出したカサブランカで起きたテロの首謀者として収 監されていた 9 名のイスラム主義者がケニトラ刑務所を脱走、当局は緊急配備を敷いた。 2008-04-07 モロッコのケニトラ州の刑務所から 9 人が脱獄。2003 年のカサブランカ爆 弾テロに関係した囚人。 2008-05-01 捕。 モロッコ警察は、4 月に脱獄した 9 人のテロ事件関連囚人のうちの一人を逮 2008-05-08 オランダ当局は、新年の夜に爆弾テロを計画した容疑で逮捕したモロッコ人 2 名(31 歳と 32 歳)とスーダン人 1 名(39 歳)を、証拠不十分で不起訴処分にした。 2008-05-08 モロッコ当局は先月 7 日、ケニトラ刑務所から脱獄した 9 名のうち、1 名を 逮捕したと発表。また 3 名の脱獄計画を未然に防いだとした。ほとんどの囚人はテロによる 終身刑囚。 2008-05-19 モロッコ当局は、ベルギーとモロッコでテロを予定していたテログループ 11 名を逮捕したと発表。1 名がベルギー在住。フェズとナドールで計画中であったと伝えら れている。また同グループはアルジェリアテログループ GSPC とつながりがあるとのこと。 ◎本「かわら版」の許可なき複製、転送、引用はご遠慮ください。 ご質問・お問合せ先 財団法人中東調査会 TEL:03-3371-5798、FAX:03-3371-5799
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