かわら版 2008 年 2 月 6 日 No.28 ―北アフリカ地域ニュース― アルジェリア:国営炭化水素会社ソナトラックに対する国営銀行の融資 (2 月 2 日付電子版 tout sur l Algerie) 1.ソナトラック(Sonatrach 注:アルジェリア最大の石油・天然ガス企業で、アフリカで最 大企業の一つ)の要請により、複数の国営銀行が、ソナトラックが実施を計画している 11 の石油化学プロジェクトに対して資金提供する。 2.ソナトラックに近い筋によると、国営銀行による融資は、ソナトラックの石油化学プロジ ェクト実施に必要な出資総額 200 億ドルのうち、120 億ドルに達する模様である。これら のプロジェクトは外国企業との共同出資(ソナトラック 51%、外国企業 49%)により実 施され、不足資金は外国企業が補うこととなる。 3.ソナトラックは既に 3 つの契約を外国企業との間で締結した。 (1)1 番目は、オラン近郊のアルズー工業地帯で、国際コンソーシアム(三井物産、クウェ イト Qurain、ドイツ Lurgi、タイ PPSL、アルジェリア Sonatrach)によって進められる 10 億ドルのメタノールプラントの建設である。 (2)2 番目は、フランス Total が同じ工業地帯で 30 億ドルの蒸留分解によるエタノールプ ラント建設を内容とする契約である。 (3)3 番目は、14.6 億ドルでエジプトのオラスコムと締結された、同じくアルズーでのア ンモニア製造プラント建設である。 4.同筋によると、ソナトラックの決済銀行であるアルジェリア海外銀行(BEA)と国営貯蓄 共済銀行(CNEP)は既にソナトラックのプロジェクトへの相当な金額の融資手続きを終わ らせている。国内で最も資金力のある銀行の一つである CNEP は、最初の融資部分である 7 億ユーロを承認する段階にある。 5.オブザーバーによれば、国営銀行に融資を求めることにより、ソナトラックは外国から の融資を求めなくとも良くなる。これはコストを減らすことができ、資金を効率的に運用 できることから、アルジェリアの国営銀行にとっても有利となる。 <参考> これらのプロジェクトは本年から来年にかけてプラント建設等の入札が予定されている。 ◎本「かわら版」の許可なき複製、転送、引用はご遠慮ください。 ご質問・お問合せ先 財団法人中東調査会 TEL:03-3371-5798、FAX:03-3371-5799
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