板書ノート(PDF)

1 総則関係(1)
2 総則関係(2)
2 罰則の適用のないもの
1 派遣労働者に係る労働基準法の適用に関する特例(抜粋)
根 拠
項 目
派遣元
派遣先
根 拠
〇
法1条2項
法3条
均等待遇
〇
法4条
男女同一賃金の原則
〇
法5条
強制労働の禁止
〇
〇
法6条
中間搾取の排除
-
-
規 定
労働条件の原則
キーワード等
労働関係の当事者は,
この基準を理由として労働条件を低下
〇
法2条2項
労働条件の決定
労働者及び使用者は,
法 15 条 2 項
労働契約の即時解除
明示された労働条件が事実と相違する場合
労働協約,就業規則,労働契約を遵守し
法7条
公民権行使の保障
法 13 条~法 23 条
労働契約関係
〇
法 94 条 1 項
寄宿舎生活の自治
私生活の自由
法 24 条~法 27 条
賃金関係
〇
法 95 条 4 項
寄宿舎生活の秩序
使用者及び寄宿舎に寄宿する労働者は,
法 32 条~法 32 条の 5
労働時間,変形労働時間制
法附則 136 条
年次有給休暇
寄宿舎規則を遵守し
〇※ 1
法 33 条~法 36 条
時間外労働・休憩・休日 ※ 2
〇
法 37 条
割増賃金の支払い
〇
法 38 条の 2
みなし労働時間制関係
〇
法 38 条の 3
注)企画業務型裁量労働制は,適用なし
法 39 条
年次有給休暇
法 40 条,法 41 条
労働時間・休憩の特例,適用除外
〇
法 64 条の 2
妊産婦:坑内業務の就業制限業務
〇
不利益な取扱いをしないようにしなければならない
3 総則関係
〇
法 64 条の 3
妊産婦:危険有害業務の就業制限
法 65 条
妊産婦:産前産後の休業
〇
法 66 条
妊産婦:時間外・休日・休憩・深夜業
〇
法 67 条
育児時間
〇
1.「労働者」の定義
法 律
労働者の定義
労働基準法 9 条
職業の種類を問わず,事業に使用される者で,賃金を支払われる者を
いう。
〇
法 68 条
生理休暇
〇
法 75 条~法 87 条
災害補償
〇
法 89 条~法 93 条
就業規則関係
〇
法 104 条,法 106 条
監督機関に対する申告,法令等の周知義務
〇
法 107 条,法 108 条
労働者名簿,賃金台帳
〇
労働組合法 3 条
職業の種類を問わず,賃金,給料その他これに準ずる収入によって生
活する者をいう。
労働契約法 2 条
使用者に使用されて労働し,賃金を支払われる者をいう。
2.「使用者」の定義
〇
※ 1:変形労働時間制,フレックスタイム制の定め,労使協定等は派遣元が行う。法 32
条の 4 の 2 の 1 年単位の変形労働時間制における賃金清算は派遣元が行う。1 週間
単位の非定型的変形労働時間制は適用されない。
※ 2:労使協定の締結・届け出は,基本的に派遣元
法 律
労働基準法 10 条
使用者の定義
事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事
項について,事業主のために行為をするすべての者をいう。
労働安全衛生法 2 条
事業を行う者で,労働者を使用するものをいう。
(個人事業所であればその経営者,法人であれば法人自体を指す。)
労働契約法 2 条
その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいう。
派遣 ⇒ 労働者派遣法 ⇒ 労働基準法各条の規定の適用について規定されている。
出向 ⇒ 法令なし
⇒ 労働基準法各条の規定の適用は,①出向元,②出向先,
③出向労働者の三者間の取り決め等により,実態に基づ
き決定する。
-1-
-2-
3.外国人の適用
3 労働契約関係(1)
外国人の在留資格等
賃金の支払
労基法の適用
労災法の適用
研修 ※
なし
適用しない
適用しない
技能実習
あり
適用する(原則)
適用する(原則)
不法就労
あり
適用する
適用する
※:研修…公的な研修,実務作業を含まない研修
1 労働基準法違反の契約(法 13 条)
労働基準法第 13 条(この法律違反の契約)
労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は,その部分につい
4.派遣労働者,出向労働者の適用
ては無効とする。この場合において,無効となった部分は,労働基準法で定める基
派遣,出向
労基法の適用
労災法の適用
雇用法の適用
派遣
派遣元,派遣先
派遣元
派遣元
在籍出向
出向元,出向先
原則,出向先
主たる賃金
移籍出向
出向先
出向先
出向先
準による。
労働組合法第 16 条(基準の効力)
【参考】
労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働
契約の部分は,無効とする。この場合において無効となった部分は,基準の定め
5.公務員関係等の適用
るところによる。労働契約に定めのない部分についても,同様とする。
公務員等
労基法の適用
労災法の適用
一般職の国家公務員
適用しない
適用しない
国の直営事業の職員
適用する
適用しない
行政執行法人の職員
適用する
適用しない
独立行政法人の職員
適用する
適用する
地方公務員
一部適用なし
現業の非常勤のみ適用
船員法 1 条 1 項の船員
一部のみ適用
適用する
労働契約法第 12 条(就業規則違反の労働契約)
【参考】
就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は,その部分につい
ては,無効とする。この場合において,無効となった部分は,就業規則で定める
基準による。
最低賃金法第 4 条第 2 項(最低賃金の効力)【参考】
最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金額に達し
ない賃金を定めるものは,その部分については無効とする。この場合において,
無効となった部分は,最低賃金と同様の定めをしたものとみなす。
2 労働条件の明示(法 15 条)
労働条件の変更 ⇒ 就業規則の変更 ⇒ 労働者への周知
▼
1年
△
雇入れ
1年
1年
△
△
更新
更新
更新
法15条による労働条件の明示
法 15 条の適用はない
-3-
1年
△
-4-
4 労働契約関係(2)
3 労働条件の範囲(法 1 条,法 2 条と法 15 条)
5 解雇退職関係(1)
1 整理解雇の四要件(法 19 条関係)
労働者の職場における一切の待遇をいう
項 目
内 容
① 人員整理の必要性
法 1 条,法 2 条の労働条件
企業が経営危機下にあり,解雇による人員整理が必要やむを得な
いものであること
② 解雇回避努力義務
法 15 条の労働条件
(則 5 条で限定列挙)
の履行
段を尽くしたうえで行われるものであること
③ 被解雇者選定の合
理性
④ 手続の妥当性
解雇以外の配転,出向,希望退職募集などの余剰労働力吸収の手
整理解雇の人選基準が合理性を有し,適用においても公平である
こと
労働者・労働組合に対する説明協議が十分尽くされていること
4 前借金相殺の禁止(法 17 条)
2 労働契約に期間の定めがある場合の期間満了の例(法 19 条関係)
1.合意・同意による相殺は禁止
労働者の自由な意思に基づく相殺は禁止されない
2.労働することが条件となっていない債権と賃金を相殺することは可
※ 1:合意・同意による相殺
⇒
10 月 1 日
3 月 31 日(労働契約期間満了)
6 カ月間の労働契約
1 月 20 日業務上負傷
▼
相殺契約に基づく相殺をいう。契約締結(合意)を使用者から強制されるおそれがあ
るため禁止
労働関係終了
3 月 31 日で期間満了により労
休
業
働関係は終了する
※ 2:労働者の自由意思に基づく相殺
⇒
使用者からの強制が一切なく,労働者の自由な意思に基づく場合は禁止されない
解雇制限期間
※:この場合,労働契約期間の満了により労働関係は終了し,労働者は退職すること
になるが,労働者の補償を受ける権利は退職によって変更することはない(法 83 条)
ため,労働者の退職後も,使用者は,災害補償を行わなければならない。
-5-
-6-
6 解雇退職関係(2)
3 解雇予告期間中に解雇制限事由が生じた場合(法 20 条)
当初の解雇予告期間満了(5/31)
解雇予告期間 30 日間
業務上負傷(5/10)
7 解雇退職関係(3)
5 解雇予告をせずに行った即時解雇
解雇予告をせず,又は解雇予告手当を支払わずに行った即時解雇の通知は,即時
解雇としては無効であるが,使用者が解雇をする意思があり,かつ,必ずしも即時
解雇であることを要件としていないと認められる場合は,30 日経過後において解
雇する旨の予告とみなされるため,30 日経過後に解雇が成立する(判例・通達)。
▼
▲
解雇予告
5/1
出勤した日から 30 日間
5/13
6/11
解雇することができる
6/12
業務上の傷病により
療養のため休業
即時解雇
解雇予告手当の支払いなし
① 解雇有効説(使用者に刑事上の責任が発生する)
② 解雇無効説
休業手当の支払いが必要(通達)
30 日が経過した日
解雇制限期間
③ 相対的無効説
解雇予告手当を支払った日
いずれか早い日に
解雇の効力が生ずる
解雇の無効を主張する
④ 選択権説
4 解雇予告手当を支払わずに行った即時解雇(法 20 条)
いずれかを労働者が選択できる
解雇予告手当を請求する
*最高裁判所は,③の説を採用している
30 日間は,休業扱いとなり,使用者に休業手当の支払義
務が生じる
労働者(離職)
30 日間
即時解雇(解雇予告・予告手当の支払なし)
解雇の効力発生
即時解雇としては,無効 *⇒①,②
① 30 日後に解雇する旨の予告として有効
②予告手当の支払い
解雇の効力発生
労働者は,解雇の無効を主張できない
*:即時解雇を固執する趣旨でない場合
-7-
-8-
28 年次有給休暇関係(1)
29 年次有給休暇関係(2)
..
4 年度の途中で所定労働日数が変更された場合(比例付与)
1 年次有給休暇に係る在籍期間と継続勤務年数
長期病欠期間
在籍期間
休業期間
労働義務あり
年休取得可
労働義務なし
年休取得不可
27.4.1
10.1
雇入れ
休職期間
28.10.1
4.1
29.10.1
30.10.1
6月
1年6月
2年6月
3年6月
5 日/週
10 日
11 日
12 日
14 日
4 日/週
7日
8日
9日
10 日
継続勤務年数に通算される
2 出勤率
4 日/週
出勤した日数
全労働日
365 日 - 年間休日数 = 営業日
5 日/週
※:年次有給休暇の権利は,基準日(図解の場合は「10 月1日」)において発生するも
のであるため,年度の中途で週所定労働日数に変動があり,1 週 4 日(28 時間)か
ら 1 週 5 日(35 時間)に変更された場合であっても,次の基準日までの間において
3 全労働日に含めない日数,出勤したものとみなす日数
全労働日に含まれない
出勤したものとみなす
① 休日出勤した日数
(イ)
② 不可抗力による休業日
業務上の傷病による療養のための休
は,変更されない。
...
5 年度の途中で所定労働時間数が変更された場合(時間単位年休)
業日
③ 使用者側に起因する経営,管理上の障害
による休業日
<基準日>
(ロ) 法 65 条の産前産後の休業日
28.10.1
(ハ) 育児休業日,介護休業日
④ 正当な争議行為により労務の提供が全く
なされなかった日
<基準日>
4.1
29.10.1
(ニ) 年次有給休暇を取得した日
(ホ)
⑤ 割増賃金の代替休暇を取得して終日出勤
労働者の責に帰すべき事由によると
はいえない不就労日(左の②~④を除
しなかった日
継続勤務年数 ⇒
付与日数 ⇒
3年6月
4年6月
14 日
16 日
8 時間労働
く。
)*
残 10 日+ 5 時間
会社の営業日で,本人のみ法定の事由に基
づき休業している日
*:裁判所の判決により解雇が無効と確定した場合や,労働委員会による救済命令を受けて
会社が解雇の取消しを行った場合の解雇日から復職日までの不就労日など。
4 時間労働
10 日+ 3 時間
※:年休年度の途中(10 月 1 日)で所定労働時間が 8 時間から 4 時間に変更になった場
合,その時点における年次有給休暇の残余が 10 日と 5 時間であった場合,変更後
に取得できる年次有給休暇は,10 日と 3 時間になる。
- 29 -
①
日数は,年休年度の途中では変更されない ⇒ 10 日
②
時間数は,5 時間 ×(4 時間÷ 8 時間)= 2.5 時間 ≒ 3 時間(端数切り上げ)
③
10 日+ 3 時間となる
- 30 -
30 年次有給休暇関係(3)
6 育児休業と年次有給休暇の請求
31 年少者関係(1)
1 未成年者
1.法 58 条(労働契約の代理締結の禁止)
2.法 59 条(賃金の代理受領の禁止)
育児休業・介護休業期間
3.法 72 条(未成年者である職業訓練生の年次有給休暇)
取得可
9/1
△
9/2
9/3
△
計画的付与
20 歳未満(未成年者)
休業申出
18 歳未満(年少者)
労使協定により
休業申出後は,育児・介護休業期間
9/1 ~ 9/3 が年休と決定
についての年休の請求は不可
15 歳の年度末まで(児童)
〔原則,労働者として使用することは禁止〕
①
育児休業・介護休業の申出後は,育児休業・介護休業期間中の日について,労働義務
が免除されることになるため,年次有給休暇を取得することはできない。
②
0歳
育児休業・介護休業の申出前に,時季指定や計画的付与が行われた場合で,その計画
的付与の日等が育児休業・介護休業期間と重なった場合は,その日については,時季
指定権又は時季変更権は行使できないため,年次有給休暇を取得することができるこ
2 年少者と児童
とになる。
満 15 歳以上満 18 歳未満の者(満 15 歳
に達した日以後の最初の 3 月 31 日まで
の間を除く)
7 時間給制の労働者の年休中の賃金
4/1(雇入れ)
最 ・労働者として使用することが可
10/1
10/2
満 15 歳に達した日以後の最初の 3 月 31 日ま
での間にある児童
・満 13 歳以上の者については,非工業的業
低
種の事業で,健康及び福祉に有害でなく,
年
かつ,軽易な職業は可(許可が必要)
齢
・満 13 歳未満の者は,子役として使用する
場合にのみ可(許可が必要)
1 日 6 時間・週 3 日
1 日 4 時間・週 3 日
証 ・年齢を証明する戸籍証明書の備付け ・年齢を証明する戸籍証明書
明
基準日
=
5 労働日
※:1 日の所定労働時間が 4 時間,週 3 日勤務の労働者が 6 カ月間継続勤務した場合,
が必要
・学校長の証明書
の備付け
が必要
書
・親権者又は後見人の同意書
労 ・1 週 40 時間,1 日 8 時間以下
・修学時間を通算して 1 週 40 時間,1 日 7
働 ・1 週 48 時間,1 日 8 時間を超えない
時間以下
5 労働日の年次有給休暇の権利が発生するが,基準日の翌日に 1 日の所定労働時間が
時
範囲内の 1 カ月変形と 1 年変形等は ・変形労働時間制は全面不可
6 時間,週 3 日勤務となった場合,10 月 2 日以後に年次有給休暇を取得した際に支払
間
可
われる賃金は,6 時間分の賃金となる。
深 ・深夜業禁止の時間帯は午後 10 時か ・深夜業禁止の時間帯は,午後 8 時から午
夜
ら午前 5 時
前5時 ※
業
※:当分の間,演劇の事業に使用される児童が演技を行う業務に従事する場合に限って,
「午後 9 時から午前 6 時」
- 31 -
- 32 -