オゾン水を用いた加湿空気清浄機の開発 ∼加湿能力の向上と制御システムの構築∼ 13A223 制御技術科 超音波霧化装置 冷却 ファン 図 1 超音波霧化ユニット 実験結果 2.1 加湿能力向上の検討 100 45 90 40 80 35 30 25 20 15 湿度 温度 10 5 2.3 加湿制御システムの構築 本装置の実用化を目指し,制御システムの構築を行った.図 3 にシステムの構成を示す.湿度センサの値によって霧化装置 の稼動 ON/OFF を行う.更に湿度が上昇した場合は,排気フ ァン,ポンプ,電解槽の電源を OFF にして,装置の運転を停 止する.ON/OFF 方法はソリッドステートリレーを用いて, 装置の電源電圧の制御をする. PIC マイコンにより制御を行う前に,LabVIEW を用いて各 電源の ON/OFF の確認試験を行った.問題なく制御すること が確認できたため,PIC マイコンへ移行し,プログラムの完 成しだい運転試験を行う. 3. まとめ (1)超音波霧化装置を取り付けることで加湿能力を多少上げ ることができた.さらに加湿能力を高めるには送風量を大き ▲ 霧化装置0つ ● 霧化装置1つ 70 60 50 40 30 20 10 0 0 0 1 稼動時間[h] 2 0 3 1 稼動時間[h] 部屋中央 2 3 2 3 部屋奥 50 45 45 40 40 温度[℃] 湿度[%] 50 35 30 25 20 15 10 5 35 30 25 20 15 10 5 0 0 0 1 稼動時間[h] 2 3 0 1 稼動時間[h] 4 3.5 ■ 霧化装置0つ ◆ 霧化装置1つ 3 2.5 蒸発量 2 1.5 1 2.2 室内のオゾン濃度測定 水を 5 インチのろ過フィルターと RO 膜に通して不純物を 取り除き,純水に近い状態にしてから電解槽で電気分解を行う ことで殺菌能力を有するオゾンを発生させる.これを室内空気 と接触させて空気清浄と循環水の除菌を行う.オゾンは残留性 が無いという性質があるが,強力な酸化力を持ち殺菌・脱臭等 の作用を有するため,人体への影響を考慮して室内環境基準 (Max 0.1ppm,平均 0.05ppm)が定められている.そのため, 本装置で加湿中の室内オゾン濃度を,エフアイエス㈱製オゾン モニタと㈱ガステック製気体採取器で測定し,その安全性の確 認を行った.その結果を表 1 に示す. ここで,送風口では 0.2ppm の濃度のオゾンが検知されたが, 吸込み口及び室内ではオゾンは検知されなかった.これは,オ ゾンは送風口を出てすぐに酸素に戻ったと考えられ,室内環境 基準をクリアできている. 温度[℃] 湿度[%] 50 蒸発量[ℓ] 循環水を上部から降水させ加湿するのに加えて,送風口に本 多電子㈱製超音波霧化装置を取り付けて,霧化粒子を発生させ, 加湿能力の向上を行った.その外観を図 1 に示す.霧化装置 1 個あたりの霧化能力は 125±50 mℓ/h であり,3 個まで取付け が可能である.超音波霧化装置稼動無しの場合と 1 個稼動した 時の温湿度の計測(3 時間)を行った.その結果を図 2 に示す. ここで,送風口において霧化装置稼動無しでは約 89%であ った湿度が,1 個稼動により約 98%に上昇している.また室内 中央の湿度は 9%上昇したのに比べ 13%上昇した.加湿量は 768mℓ/h から 902mℓ/h に増加している.また,霧化装置の稼動 を 2 個,3 個と増やしても湿度及び加湿量に増加は見られなか った.これは,1 個で送風口の湿度が限界に達しているため, これ以上の加湿能力向上に繋がらなかったものと考えられる. 尚,これまでの研究では排気ファンの送風量を 280m3/h か ら 400m3/h に変更したときに,加湿量は 400mℓ/h から 880 mℓ/h まで 2.2 倍向上したことが確認されている.更に加湿能 力を高めるには送風量を大きくすることが有効と考えられる. 吐出し口 吸込み口 温度[℃] 湿度[%] 2. 洸司 はじめに 本研究では,水を電気分解して発生させたオゾンを用いて除 菌を行うスクラバー方式の加湿空気清浄機の加湿能力向上の ため,超音波霧化装置を付加してその加湿性能の比較を行った. オゾン水と接触して装置から排気される加湿空気には,微量の オゾンが含まれるため,湿中の室内オゾン濃度を測定して,そ の安全性についても検討を行った.更に,本装置の実用化を目 指し,制御システムの構築の検討を行った. 温度[℃] 湿度[%] 1. 山浦 0.5 0 0 1 稼働時間[h] 2 3 図 2 加湿性能上昇試験結果 表 1 オゾン濃度計測結果 日付 測定開始時刻 稼働時間[h] オゾンセンサ[ppb] 吐き出し口 ガステック[ppm] オゾンセンサ[ppb] 吸い込み口 ガステック[ppm] オゾンセンサ[ppb] 部屋中央 ガステック[ppm] オゾンセンサ[ppb] 部屋奥 ガステック[ppm] 10:30 0 0 2015.1.6 11:30 13:30 1 3 0.2 0 0 0 0 0 0 0.2 0 0 0 0 0 0 15:00 4.5 0.2 0 0 0 0 0 0 超音波霧化 装置×2 制御装置 湿度センサ 湿度[%] PICマイコン スイッチ ング ボード 図 3 制御システムの構成 排気ファン ポンプ×2 電解槽 給水 排水 くすることや,送風口を大きくすることが考えられる. (2)装置から排気される空気及び室内のオゾン濃度を測定し, 室内空間ではオゾンが検出されないことを確認した. (3)LabVIEW を用いて,各装置電源の ON/OFF 制御の確認 を行った.
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