筆者が担当しているドイツーオランダ語圏の報告書の一部。

インタビュー調査報告書
原 俊彦
1. 調査の概要
平成 13 年 3 月 2 日から 3 月 14 日 ま で ド イ ツ の フ ラ ン ク フ ル ト 市 及 び そ の 近 郊 で 、 イ ン
タビュー調査を実施した。モデル家族計算に対応し、ドイツの家族政策が実際の家庭で、
具体的にどのように受容・認識されているかを定性的に確認することを目的とした。
調査対象とした家族は、無子家族1組、1子家族 4 組、1子母子家族(同棲後別居)1
組 、 2 子 家 族 3 組 、 3 子 家 族 2 組の計 11 組 で 、 主 と し て 収 入 、 税 金 、 児 童 手 当 、 育 児 休
業などについて質問した(ただし、無子家族 1 組については企業経営者としての視点から
ド イ ツ の 家 族 政 策 に 対 す る 意 見 を 聞 く こ と を 目 的 と し た た め 、プ ロ フ ィ ー ル デ ー タ は な く 、
ま た 他 の ケ ー ス と 質 問 内 容 が 異 な る )。
なお、調査対象には、夫婦ともドイツ人、ドイツ人と日本人、ドイツ人と他の外国人、
日本人同士など多様な組み合わせを選んだ(ドイツでは家族政策的施策において国籍によ
る差がないこと、日本や外国との比較、インタビューにおける言語上のニュアンスの違い
な ど を 重 視 し た た め )。
調査では事前に質問票を配布、面接し会話を録音、VTRによる周辺環境・家族の撮影、
テープ内容の事後分析を行った。
2. 調査結果
2.1 プロフィール
(1)世帯構成
1 子 カ ッ プ ル ( 以 下 CP1 と記述)は 4 組 で 、 男 性 は 28 歳から 44 歳、女性は 32 歳から
37 歳 、 男 女 と も 他 の グ ル ー プ よ り 年 齢 が や や 若 く 、 ま た 子 供 も 0 歳から 1.5 歳と幼い。
ケ ー ス ナ ン バ ー ( 以 下 CN と記述)2 の男性は 44 歳 と 例 外 的 だ が 、 す で に 別 居 し て い る
息子がおり事実上の再婚ケースにあたる。また、女性は他のグループよりは若いが、第1
子 が 1 歳 未 満 前 後 で あ る こ と を 考 え る と 晩 産 で あ る ( 表 1 )。
こ れ に 対 し 2 子 カ ッ プ ル ( 以 下 CP2 と 記 述 ) は 3 組 で 、 男 性 は 41 歳から 51 歳、女性
は 35 歳から 43 歳 、 3 子 カ ッ プ ル ( 以 下 CP3 と 記 述 ) は 2 組 で 、 男 性 は 39 歳/41 歳、女
性は 43 歳/47 歳と、いずれも CP1 より年齢が高い。CN9 の マ レ ー シ ア 人 男 性 が CP3 で 39
歳と若いが、これは母国の結婚習慣によるものと思われる。また子供数を考慮すると、女
性は CP2、CP3 で、CP1 よ り 概 ね 早 婚 で あ る 。
CN10 は 、 単 親 1 子 ( 以 下 LP1 と 記 述 ) で 、 専 門 学 校 在 学 中 に 妊 娠 、 こ れ を 契 機 に 同 棲
し近年別居したケースで、子供はすでに 7 歳となっている。
(2)パートナー関係・就業状況の変化
関係期間/結婚・同居期間は子供数が多いほど長いが、知り合ってから同居開始までの
期間(両者の差)は半年から3年程度とバラついており、子供数による違いはみられない
(表2)。
就業状況は、男性は、結婚・同居前、結婚後、子どもの誕生後とも、一貫してフルタイ
ム 就 業 が 大 部 分 で 、 家 族 構 成 の 変 化 が 就 業 形 態 に 与 え る 影 響 は み ら れ な い 。 C N 2 C P 1 で、
第 1 出 産 後 、 週 30 時 間 以 下 の パ ー ト タ イ ム と な っ て い る が 、 こ れ は 職 業 が 芸 術 家 ( 自 由
業)で 実 働 時 間 の 把 握 が 困 難 で あ り 、「制度上(税制?)有利」と の 理 由 に よ る 。また CN8CP3
では「様々」となっているが、これは外国人として種々の職業訓練・仕事に就き、現在は
自 営 者 と し て 起 業 中 と い う 特 殊 事 情 に よ る 。 C N 9 C P 3 と CN10LP1 は、第 1 子 出 産 前 後 、
まだ学生であった事による。
これに対し、女性の就業状況は、結婚・同居前は学生かフルタイム就業で共通している
ものの、子供数や男性の職業などにより結婚後や出産後に変化しており、はるかに複雑で
ある。以下、具体的には:
●CP1
CN1 で は 結 婚 後 は パ ー ト に 切 り 替 え 、 出 産 準 備 に 入 り 、 現 在 、 産 休 取 得 中 で 、 そ の 後 、
3 年間の育児休暇に入る予定。3 年 後 の 職 場 復 帰 の 時 は 、 ど う さ れ ま す か ? と の 質 問 に は 、
育 児 マ マ ( T a g e s m u t t e r ) を 雇 っ て パ ー ト を 考 え て い る が 高 そ う な の で 、 2 人、3 人と子供
を作ろうと思っているとのことであった。CN3 も同様の答えで、いずれも女性より男性
の方がそれを希望している様子である。CN4 も同様に育児休暇中だが 3 年間後はフルタ
イム就業での復帰を希望。ただし保育所などの問題が上手く行くかどうか不安とのことで
あ っ た 。 例 外 は CN2 で 、 女 性 の 職 業 業 が 美 術 史 家 と 、 高 度 な 専 門 職 で あ る ( 以 前 は 美 術
館に勤務)関係もあり育児休暇ではなく失業中とのこと(ただし育児休暇手当は取得して
いる)。 仕 事 が あ れ ば フ ル タ イ ム 就 業 で の 復 帰 を 希 望 し て い る 。
●CP2
CN5 と CN6 は 、 第 1 子 誕 生 ま で は フ ル タ イ ム だ っ た が 、 育 児 休 暇 取 得 後 の 職 場 復 帰 で
は子供の世話をしなければならないという理由でパートタイムに変更。第2子出産後も同
様のパターンを取っている。ただし、ここでいうパートタイムは、出産前の同じ職場で週
の 労 働 時 間 を 減 ら し た も の で あ る 。 ま た CN6 で は 第 1 出 産 後 が 週 25 時 間 、 第 2 出 産 後 は
週 12 時 間 と 子 供 が 増 え る に つ れ 、就 業 時 間 が 短 く な る 傾 向 が 確 認 で き る 。これに対し CN7
では、結婚後、学生+パート、第1出産後パート、第2出産後パートからフルタイムと複
雑 な 変 化 が み ら れ る が 、 こ れ は 男 性 が 自 由 業 ( 芸 術 家 )、 女 性 が 副 業 で 翻 訳 業 と 比 較 的 時
間が自由であること、パートには育児休暇制度が適用されないこと、また現在フルタイム
就業になっているのは、子供が大きくなり手が離れてきたことによる。
●CP3
CN8 は 男 性 が マ レ ー シ ア 人 で 、 外 国 人 と し て 様 々 な 職 業 訓 練 ・ 仕 事 に 就 き 、 現 在 は 自 営
業、女性はスチワーデスというケースで、とりわけ、女性が勤める企業は、子育てのため
の勤務時間調整に理解があることで有名であり、育児休暇を取るより年間のフライトを調
整する方が収入面でも遙かに優位であるという事情による。このためフルタイムのまま、
第 1 子 出 産 後 は 9 0 % 、 第 2 子 出 産 後 は 7 5 % 、 6 5 % と 勤 務 時 間 を 減 ら し 、 現 在 は 64%、つ
まり5ヶ月/年は完全に職場を離れることが可能であるという。
これに対し、CN9 は 、 第 1 子 誕 生 以 前 は 学 生 で あ っ た た め 、 育 児 休 暇 制 度 は 適 用 外 で あ
り、その結果、第1子から第3子誕生まで専業主婦となり、その間に通信教育で職業資格
を取得、末子が手を離れた後、フルタイム就業に入ったケースである。
●LP1
CN10 は 妊 娠 → 同 棲 → 第 1 子 出 産 ま で は 学 生 で あ り 、 や は り 育 児 休 暇 制 度 は 適 用 外 で あ
ったという。そして第1子出産後も学生+パートで学位を取得、その後フルタイム就業と
なった。また男性との別居後は経済的な理由からもフルタイム就業せざる得ないとの話で
ある。
(3)居住形態
居住形態は CP1 グ ル ー プ で は 、 マ ン シ ョ ン ・ ア パ ー ト ( A l t e Wohnung)が主流で、CP2
グ ル ー プ 、 C P 3 グ ル ー プ で は 、 一 戸 建 て 持 ち 家 が 中 心 と な る 傾 向 が み ら れ る ( 表 3)。ま
た部屋数も子供数が多いほど多い。インタビューを通じて分かったことだが、ドイツでは
基本的に一人の子供には一人の部屋が当たり前との考え方になっており、子供数に比例し
て 、 住 居 が 必 然 的 に 大 き く な る と の こ と ( た だ し 、 こ の 考 え 方 は 戦 後 の 高 度 成 長 期 以 降 )。
住宅補助は基本的に自己所有の場合のみであるが、その形態にはばらつきがあり、また
CN3 の よ う に 、 各 種 補 助 制 度 の 導 入 時 期 と の 関 係 で 適 用 外 と な る ケ ー ス も み ら れ る 。 な
お 単 親 世 帯 の CN10LP1 で 住 宅 補 助 が 出 て い な い 点 は 意 外 だ が 、 「 政 府 か ら の 家 賃 補 助 は
ないのですか?」との質問に「大して稼いでいるわけでもないのだけど、収入が申請基準
を超えてしまうので」と回答している。
周辺住環境は、大都市から離れた村の方が子育てには明らかに適しているとの印象を受
けた。また今回調査の中心となったフランクフルトは最悪との発言もあった。
*以下、インタビューの抜粋。CN はケース番号。文中、H:インタビュアー、N:イ
ンタビュー・コーディネーター、M:は男性パートナー、F:は女性パートナーの発言。
冗長部分は(中略)などの形で割愛した。
CN2: F : フ ラ ン ク フ ル ト は 駄 目 。 フ ラ ン ク フ ル ト は 家 族 向 き じ ゃ あ な い Keine
Familienstadt。独身都市 S i n g l e s s t a d t 。 た と え ば ド ル ト ム ン ト な ん か だ っ た ら 、 子 供 が 産 ま
れ て も 広 い 住 居 に 引 っ 越 せ る し 、 そ し た ら 2 人でも 3 人 で も 産 め る 。 N : そ れ に 子 供 が 大 き
くなると部屋も必要になるしなあ。昔はドイツでも4Zimmer-wohnung(4部屋住居)が
標準だった。
2.2 家計
(1)収入・家族政策的補助・税控除
事前に質問票を配布する段階で、答えたくない項目、わからない項目については回答不
要と伝えたこともあり、収入に関しては、特に男性の給与所得者で無回答(NA)が目立
っ た が 、 回 答 が 得 ら れ た ケ ー ス の み を 見 て も 、 粗 世 帯 収 入 は 月 額 3753DM から 14670DM
まで、かなりのばらつきがあり、世帯規模や共稼ぎかどうかなどとの明確な関係はみられ
ない(表 4)。
収 入 の う ち 、 児 童 手 当 Kinder geld は 、 所 得 と 無 関 係 に 金 額 が 子 供 数 に 比 例 し て い る こ
ともあり、すべての世帯で明確な回答が得られ、この制度が当然のものとして広く定着し
て い る 様 子 が う か が え る 。な お 児 童 手 当 の 受 け 取 り 人 は CN1, 4,5,6,7,9 が男性、 CN2,3,8,10
が女性と、世帯により異なる。
これに対し育児休暇手当に関しては、回答が曖昧で、CN2、CN3 のみで受給が確認され
た。これは受給に所得制限その他の制約条件があり算定が複雑であること、また過去の受
給は度重なる制度変更もあり、記憶が曖昧であるなどの事情によると思われる。
そ の 他 の 補 助 と し て は 、 C N 8 で 住 宅 補 助 金 年 額 7000DM と、CN9 で 新 築 住 宅 援 助 金 年
額 1133DM が あ る が 挙 げ ら れ て い る 。 ま た CN10・LP1 の 600DM は 公 的 補 助 で は な く 、
男性パートナーから受け取っている養育費である。
回答が得られたケースのみについて、世帯の粗収入に占める補助金の割合を計算してみ
る と 、 児 童 手 当 が 3.1%から最高 18.0%で概ね 6 % 前 後 、 育 児 休 暇 手 当 は CN2 で 6.3%、
そ の 他 の 手 当 ・ 補 助 が 7.7%から 1 6 . 0 % で 、 粗 収 入 に 占 め る 手 当 ・ 補 助 の 割 合 は CN6 の
最低 4.8%から CN8 の最高 2 9 . 7 % ま で 様 々 で あ る が 、 い ず れ も 小 さ い と は 言 え な い 。
また、その他に、家族政策上の税控除として、家族控除、扶養者控除、教育控除などが
あるが、所得や家族の就業状況などにより非常に複雑で、納税票を見るか会社の税理士に
聞くかしないとわからないという世帯が大部分であり、殆ど意識されていないか、よく理
解 さ れ て い な い 印 象 で あ っ た 。 ま た CN6 は 収 入 面 で は 住 宅 手 当 を も ら っ て い な い が 、 代
わりに住宅費控除(Baukindergeld 年額 1960DM。8 年 後 に は な く な る ) を 得 て い る 。
所得税などの回答が得られたケースのみについて純世帯収入を算定し、手取りとして純
世 帯 収 入 が 粗 収 入 に 占 め る 割 合 を 求 め る と 、 C N 2 の 99.8%から CN8 の 48.3%までかなり
の格差があることがわかるが、この違いは家族政策的控除によるより、自営業か非自営業
かなどの職種の違いによるものと思われる。
(2)支出
収 入 の 場 合 と は 異 な り 、 支 出 で は NA や 不 明 な 回 答 が 少 な く 、 そ れ だ け 強 く 意 識 さ れ て
い る こ と が わ か る 。 た だ し 、 回 答 の 精 度 に つ い て は CN6 の よ う に 家 計 簿 に 基 づ き 詳 細 な
数値を積算してくれた世帯から、夫婦で議論になるケースまで様々であり、全体としては
主 観 的 評 価 と 解 釈 す べ き で あ ろ う ( 表 5 )。
し か し 、 各 家 庭 の 支 出 全 体 に 占 め る 割 合 は 、 い ず れ も 住 居 費 が も っ と も 高 く 、 C N 5 の最
低 34.4%から CN8 の 7 1 . 3 % ま で 、 か な り の 比 重 を 持 つ 点 で 共 通 し て お り 、 こ の 事 は 『 一
番、負担に感じているのは?』という質問に対し、
CN3 の NA を 除 き 、 す べ て の 家 庭 が 異
口 同 音 の 回 答 を 寄 せ て い る こ と で も 確 認 で き る 。 な お CN8 の 住 居 費 割 合 が 71.3%と異常
に高いのは、男性が起業中のため事業への投資分がマイナス所得となり、家計所得が一時
的に縮小していることによるが、住居が大きく住宅ローンが高額であることも影響してい
ると思われる。
こ れ に 対 し 、 食 費 の 割 合 は 、 C N 1 ・ C N 9 の 15%から CN2 の 40.5%まで世帯によりバラ
ツキが大きい。が、家族構成員の数との相関はなく、ライフスタイルの違いを反映してい
るものといえる。
粗収入の場合と同様に、ここでも児童手当を支出で割り、その相対比率を求めると、CN1
の 6.9%から CN8 の 3 6 . 9 % ま で 様 々 で あ る が 、 粗 収 入 よ り 支 出 ベ ー ス で 見 る 方 が 児 童 手 当
の ウ エ イ ト は 大 き い 。 公 的 手 当 全 体 で は 、 こ の 比 率 は CN1 の 6.9%から CN8 の 60.8%ま
でと拡大し、ドイツの家族政策的財政支援の手厚さが確認できる。
2.3 政策の受容
(1)児童手当・扶養控除について
児童手当などの家族政策的施策や制度について、どの程度、認知しているかの質問(自
分の子供が受けている児童手当・扶養控除などの額を良く知っていますか?)に対しては、
CN2 と CN5 を除き、CN7、CN8、CN9 が 「 法 律 の 改 正 も 含 め し っ か り 把 握 し て い る 」、そ
の 他 の 家 族 も 「 十 分 に 知 っ て い る 」 と 回 答 し て お り 、 制 度 の 認 知 度 は 高 い ( 表 6 )。
しかし、いつ、これらの制度を意識するようになったかとの質問に対しては「子供を持
と う と 思 っ て か ら 」、 「 第 1 子 出 産 後 」、 「 第 2 子 出 産 後 」 と し て お り 、 「 結 婚 あ る い は 同
居 開 始 以 前 」、 「 結 婚 あ る い は 同 居 後 」 な ど の 回 答 は な く 、 イ ン タ ビ ュ ー で も 子 供 の 出 産
が間近になるか、あるいは生んでしまってから、両親教室や友人・知人から知識を得るケ
ースが殆どであることが確認できた。
一方、現状について「もし、現在、受給している児童手当・扶養控除などがなくなった
としたら」という質問に対しては、
CN4 が 「 変 化 な し 」、 CN3 と CN6 が 「 影 響 は あ る が
深刻ではない」としているのに対し、他の世帯は「かなり生活が苦しくなる」と回答して
おり、この評価は、家計に占める手当・補助の大きさに対応していると思われる。
だが、制度に対する評価は、各家庭とも非常に厳しく、「たいへん良い(ただし金額は
少ない)」としたのは
CN9 の、専業主婦からフルタイムに復帰した女性のみであり、
CN2
と CN4 は 一 応 「 十 分 」 と 評 価 し て い る も の の 、 手 続 き が 面 倒 、 制 度 改 正 が 多 く 一 般 の 人
には複雑過ぎる(特に税控除)と指摘している。
その他の家庭は、主として金額が少ない点を問題にしており「赤ん坊のミルク代程度に
し か な ら な い 」、 「 無 子 の 場 合 と 比 較 し て 、 子 供 の 養 育 費 ・ 女 性 の 逸 失 所 得 ・ 年 金 な ど の
費 用 が 補 償 さ れ て い な い 」、 「 ど の 家 庭 も 一 律 定 額 で は な く 、 塾 な ど 具 体 的 支 出 に 応 じ た
補 償 を す べ き だ 」、「子供にやる小遣いなども含め月
3000 から 4000DM は ほ し い 」 な ど 、
より手厚い財政支援への要求が強い。またインタビューから受けた印象から、子供が多い
ほど、ま た 子 供 の 年 齢 が 高 い ほ ど 金 額 に 対 す る 不 満 が 強 く な る 傾 向 が あ る こ と が わ か っ た 。
CN1:
M:意識したのは子供を持とうと思ってから。まあ児童手当があるから産もうという人は
いないでしょう。生活の足しにはなる。でも、まあ産もうと思ってから。最初よく聞いた
のは、よくトルコの人が子供を沢山産んで、それで生活しているとか。N:いるよ。児童
手当と生活保護、特に片親の場合。住宅手当も付くし。外国人の場合には確かに安定した
収入にはなる。H:手続きは面倒ですか?M:役所と近くに住んでいる友人に聞いた。向
こ う か ら は 連 絡 な し 。 出 産 準 備 ク ラ ス Vorbereitungsklass で 書 類 と か も 教 え て く れ 、 参 考
に な っ た 。 児 童 手 当 の 方 は 、 そ れ ほ ど で も な い の だ け ど 育 児 休 暇 手 当 Erziehungsgeld の方
がすごくややこしくて、同じクラスの人に教えてもらって。
CN2:
H : 子 供 が で き る ま で 知 ら な か っ た ? M : え え 。 全 く 。 H : ま あ 、 で も 毎 月 300DM は悪
く な い で し ょ ? F:え え 。 そ れ に 600DM ( 300DM の 間 違 い か ? ) の 育 児 休 暇 手 当
Erziehungsgeld も あ る し 。 さ ら に 私 た ち の 場 合 、 保 育 マ マ Tagesmutter を 雇 う と 、 青 少 年
局 Jugendamt か ら さ ら に 補 助 が 出 る し 。 た だ 申 請 は 恐 ろ し く や や こ し い 。 H : T a g e s m u t t e r
を雇う場合ですか?F:他の事も含めて、とにかく沢山、書類を書かねばならない。H:
で 、 ど う 評 価 し ま す か ? M , F : 十 分 Ausleichend。
CN3:
H : 児 童 手 当 は 270DM は 十 分 と 言 え ま す か ? M : も ち ろ ん 十 分 と は 言 え な い 。 ミ ル ク と
おむつ代くらいか。だから、今日では子供を育てることは非常に大きな経済的負担だとい
える。やはり子供を持つ前に経済的な問題(やってゆけるかどうか)を考えるのは常識。
じゃあないと、子供が産まれてから、びっくりしてしまうことになる。母親学級の受講者
は今日では 30 代 前 半 く ら い 。 我 々 な ん か も 今 は 30 代 半 ば だ か ら 。 つ ま り 、 今 日 で は 子 供
を 持 つ 前 に 、 そ の 負 担 に 対 す る 覚 悟 や 準 備 が 必 要 で 、 そ の た め に 出 産 時 期 が 30 代にずれ
込んでいるのではないか。どっちにしろ親になるのは大変。日本では、もっと色々お金が
掛かるとか?
CN4:
H:必要な程度にご存じ?M:ええ。H:システムに関心を持ったのは?F:子供を持とうと思
ってからです。H:児童手当がなくなっても生活に影響なしとなっていますが、珍しいで
すね?M:月
300 DM し か 貰 っ て な い の で 、 大 し た 役 に は 立 っ て な い か ら ( * 奥 さ ん も 同
意)。
H:だから十分という訳ですね。仕組みが複雑のところにもチェックが入っていますが。
CN5:
H:家族政策については、あまり詳しく知らない?F:ええ。H:いつ知るようになりました
か? F:第
1 子が産まれてから H:まあ、これが多数派ですね。M:そうだ。F:政府
は 色 々 考 え て 制 度 を 作 っ て い る ん で し ょ う が 。子 供 を 持 つ か ど う か 、普 通 は わ か な ら い(で
き な い 場 合 も あ る し )。 だ か ら 、 や は り 生 ま れ て か ら で し ょ 。 も ち ろ ん 子 供 は ほ し い と 思
っていたけど。
H:もし制度がなくなったら、かなり苦しい。これも多数派ですね。F:ええ。
H:この制度をどう思われますか?F:額が十分でない。H:これも多数派ですね。F:え
え。M:ある女性政治家が、子供 1 人当たり 300EUR にする提案をしているよ。 H:EUR?
M:そう要求している。F:だから児童手当は確かに良い制度なんだけど、この額では子供に
掛かる費用をまったくカバーできないでしょ。赤ん坊を育てる費用にも足りないわ。で、
その後、大きくなって教育を受け始めると、もっと掛かる。M:問題は子供がいると女性
が働けない。収入が減るからね。ドイツでは共稼ぎでフルタイム就業ならかなり稼げる。
F:ある本に専業主婦の仕事がどれくらいの所得に相当するか書いてあって興味深かったん
だ け ど 、 そ れ に よ る 3000 から 4000DM/月になるんだって。 2 子 家 族 の 場 合 で 。
CN6:
H:児童手当・児童控除の知識は?家族の生活にとって必要な程度?M:ええ。
M:どっちにしろ、子供を育てるコストとしては児童手当は十分ではない。ドイツでは子
供 1 人 育 て る の に 百 万 マ ル ク ( 約 5000 万 円 ) は か か る と 言 わ れ て い ま す 。
H:意識したのは?第1子が産まれてから。M:ええ。
H:なくなった場合の影響は、それほど深刻ではない?いずれにしろ、大した金額ではな
い?
M:そう。ドイツの問題は家族持ちは貧乏しなければならい
(auf der Straße breiben) という
点 で す 。 ド イ ツ で は 平 均 世 帯 の 子 供 数 は 2.02 人 で す 。 日 本 は ど れ く ら い か 知 り ま せ ん が 。
ど っ ち に し ろ 少 な い 。 こ の 国 で 3 人 も 子 供 が い る と asozial 非 社 会 的 と 呼 ば れ ま す 。 ひ ど
い言葉ですけどね。みんな言いますよ。
H:それは子供が多いと世話が大変で、趣味と余暇で他の人たちとお付き合いする時間がな
くなるからですか?
F:お金がなくなるからです。そういう人は、すべてのお金を子供に投資しなければならな
い。ホビーはもちろん誰も家に招待できないし、女性は外に働きに行けないし。N:パー
トでさへ。F:そうです。私の友達に 4 人子供がいますが、パートを少しやっているけど、
それだけでも大変で夜は子供の宿題は見てやらなければならないし。M:ドイツの家族政
策は、そういう意味では非常にマズイ。本当は家族が社会の基盤なのに。若い人がいなけ
れば、いずれ我々は滅びてしまうのに。だから外国人の受け入れに関する法律を検討しな
ければならない。このままではみんな年寄りになっちゃうしね。
CN7:
H:法律改正も含め良く知っている?まあ、奥さんの方だけかなあ。M:俺も税金の申告す
る 時 に 結 構 な あ 。 H : い つ 頃 か ら ? 第 一 出 産 後 。 ( 中 略 )。 F : 二 人 目 を 産 む か ど う か の
判断にはなる。M:二人目はね。多分3人目まで行かないと無理なんじゃない。F:だって
二人目になると、奥さんがフルタイムで働くのきついじゃないですか。その時に育児休暇
とか手当とか。そういうのは凄く影響する。やっぱりね。育児休暇の方が私は影響がある
と思う。
CN8:
H:児童手当などの制度には詳しい?F:はい。H:制度的なものを知るようになったの
は?F:子供を持ちたいと思うようになってから。あるいは、最初の子供が生まれる前か
な。H:評価は?やはり金額が十分ではないと?F:ええ。子供がいない人と比べれば不
利なので。まず、働く時間が短くなるので所得が減るし、子供の養育に費用が掛かる。さら
に所得が減る分、年金も少なくなる。我々の子供たちが年金を払うというのに。H:今日、
そういえばラジオで、年金改革との関係で、専業主婦の問題を取り上げていましたね。F:
そのとおり。H:特に配偶者が早く亡くなると大変ですね。
CN9:
H:システムは変更も含めてよくご存じで。ああ、お二人とも専門家ですものね。F:彼はよ
く知っているわ。M:管理部門・人事部を担当しているからね。H:なるほど。管理職なん
ですね。
H:システムを意識したのは、最初のお子さんが産まれてから? まあ、みんなそうです
ね。
F : え え 。 そ う で な け れ ば 全 く 知 り ま せ ん 。 M : 今 で も 思 い 出 す け ど 、 最 初 の 子 供 が 1985
年 産 ま れ た 頃 は 、 た っ た 50DM/月だったよ。(確認*1992 年から 70DM)F:今は第1子
から 300DM だから。
H:制度が廃止になると、かなり堪える?F:はい。
H:現在のシステムの評価は? F:どこに付ければ良いのかわからなかったので?
H:大変、良い?F:はい。
CN10:
H:制度については自分の生活に必要な程度は知っている?F:はい。(*後で、社会教育
が 専 門 だ と わ か る が 、 そ の 割 に は 回 答 が 曖 昧 だ 。)H:制度について知るようになったのは、
子供が産まれてからですね?F:はい。H:大多数がここに付けますね。F:ええ。H:これ
がないと生活の維持が困難?F:はい。H:金額に不満がある?F:ええ。特に税制面の対応
が。今は単親家庭に対する課税が厳しくなったので。H:単親家庭は非常に優遇されてい
る の で は あ り ま せ ん か ? F : 私 は そ う は 思 い ま せ ん 。 確 か に 私 た ち は 児 童 手 当 Kindergeld を
もらっていますし、幼稚園に対する補助も受けていますが、かっては単親家庭に対する特
別 な 課 税 階 層 Steurklasse が あ っ た ん で す が 、 こ れ は 廃 止 に な っ た ん で す 。
H : あ れ 、 で も 、 養 育 控 除 Kinderbetreungsbeitrag は 受 け て い る の で は あ り ま せ ん か ? F :
わからないんです。税金の書類を何度みても、それらしいことは書いてないし。正直なと
ころ、よくわからなくて。
(2)産休・育休について
男 性 パ ー ト ナ ー で 産 休 ・ 育 休 を 取 得 し た ケ ー ス は CN8 を 除 き 皆 無 で 、 そ の 理 由 は 「 主
な 稼 ぎ 手 だ か ら 」 が 最 も 多 く 、 次 い で 「 妻 が 取 る か ら 」・「 妻 が 家 に い る か ら 」、 「 自 営 業
だから」などの理由が挙げられており、ドイツでも基本的に男性が働き、女性が育児に責
任を負うのが常識であるという傾向がはっきりと確認できる。確かに「主な稼ぎ手だから」
という回答には、実際問題として逆にしたら十分な所得が確保できず生活できないという
ニ ュ ア ン ス も 感 じ ら れ る が 、 現 状 の 制 度 に 対 す る 評 価 も 「 た い へ ん 満 足 」、 「 十 分 」、「肯
定的。女性には良いが、男には実質的に関係なし」など全体として肯定的であり、男女の
性 別 役 割 分 業 解 消 を 求 め る 意 見 は な か っ た ( 表 7 a )。
CN8 で は 、 例 外 的 に 第 1 子 出 産 時 に 6 ヶ 月 、 第 2 子 出 産 時 に 13 ヶ 月 の 産 休 を 取 得 し て
いるが、これは妻の方が高収入でしかも就業期間を自由に調整できたためと思われる。な
お CN8 男 性 は 「 マ レ ー シ ア で は 考 え ら れ な い 。 男 性 も 仕 事 ば か り で な く 、 家 族 を 大 切 に
できる素晴らしい制度である」と高く評価している。
一方、女性パートナーでは産休・育休を取らない方が例外で、第1子誕生前後に学生で
あ っ た か 失 業 業 中 で あ っ た CN2、CN7、CN9、CN10 が こ れ に あ た る ( 表 7b)。
そ の 他 の ケ ー ス で は 、 産 休 は 産 前 6 ヶ月産後 8 ヶ月取得(CN8 ス チ ワ ー デ ス は 男 性 と 分
け合ったので短い)休業補償も支給されている。また育児休暇は概ね3年を取得している
が、CN5 で は 第 1 子 で 1 年 、 第 2 子 で 3 年 、 C N 8 で は 第 1 子 、 第 2 子 は 0 年 で 、 第 3 子
のみ2年と変則的なケースもある。インタビューでは子供が増えるほど育児休暇が必要に
なるという印象を受けた。また産休とは異なり、育児休暇の場合は休業補償に所得制限が
あり、最長2年の補償を受けたケースは、CN6 の女性(社会保険会社勤務)のみで、CN4
が年金への算入、他は補償はなしとの回答を得た(法律上は全員、年金への算入が認めら
れ て い る は ず だ が 意 識 さ れ て い な い も の と 思 わ れ る )。
女 性 パ ー ト ナ ー の 産 休 ・ 育 休 制 度 に 対 す る 評 価 は 、 C N 1 、 4 、 9 が「大変満足」、CN2、5、
6 が 「 十 分 」 と 概 ね 良 好 で あ る が 、 C N 7 の 「 実 際 に 取 れ れ ば 」、CN8、10 の 「 不 十 分 」 な
ど男性より厳しいものも見受けられる。
また制度自体は評価するものの、採用時に育児休暇を取得する可能性があると見なされ
て 警 戒 さ れ た 経 験 を 持 つ 女 性 CN3 や 、 実 際 に 職 場 復 帰 後 、 再 適 応 が 困 難 で あ っ た CN6 な
どの例もあった。
なお、CN11 で 日 本 の 現 地 法 人 の 経 営 者 に 行 っ た イ ン タ ビ ュ ー で も 、 こ の よ う な 困 難 が
実際にありうることが確認できた。
CN7:
H:で、この国の産休・育児休暇についてはどう思いますか?あなたは取れなかったんで
すけど、一般的に見て。F:実際に実行されている会社はいいなと。H:かならずしも実
行されていない?F:職場復帰する権利だけあっても、その後のケアがないと続けられない
でしょ。
CN8:
H:御主人は、この制度をどう思いましたか?M:すごいと思いました。マレーシアでも
似たような制度を作ろうとする試みがありますが比較になりません。F:マレーシアでは
女 性 は 出 産 直 前 ま で 働 い て 、 そ の 後 4 ヶ月の産休で、すぐに職場に復帰します。F:しかし、
マレーシアの女性は、長い産休・育児休暇の危険性がないので、経営者側から喜ばれるし、
出世のチャンスも大きい。私の妹(ドイツ人)は就職先を探してますが、30 歳で新婚なの
で仕事が見つかりません。雇う側は、いつ妊娠して産休や育児休暇に入るかわからないか
らです。
CN10:
H:えーと貰っていない? ああ、学生だったんですね?F:はい。H:母親手当ももらってま
せんか?F:いいえ。H:育児休暇も?F:いいえ。学生だったので。(中略)H:制度に対
する意見は?F:これは私に関してではなく、一般的な意味での意見(不十分。期間が短
い、金額が少ない)です。H:でも、次の子が産まれれば、あなたも利用できますね。い
まはフルタイム就業されている訳ですし。F:ええ。でも私が知る限り、育児休暇は職場
復 帰 が 保 証 さ れ る だ け で 、 手 当 は 付 か な い は ず で す 。 つ ま り 、 産 休 は 出 産 前 6 週分の賃金
が補償されますが、育児休暇は最長 3 年取れますが、お金は貰えません。
CN3:
H : 奥 さ ん が 育 児 休 暇 Erziehungsuralaub と 言 っ た 時 の 職 場 の 反 応 は ? F : 雇 わ れ る 時 に 、
将来子供を持つつもりがあるかどうか聞かれた。本当は、そういうことは聞いていけない
ことになっているのですが。就職時に既婚で子供がいないと、雇い主は、しばらくすると、
子供を産んで教育休暇を取るのではないかと不安になるからです。無論、子供が産まれて
申請した場合には拒否できない。雇用主は、半年の試用期間は確かに警戒していたようで、
他のドイツ人の女性たちには、私は音楽家でありOLの経験もないし、もしかしたら2,
3ヶ月で、子供が産まれて職場を離れるかも知れないから、そんなに仕事を教えなくても
いいと言っていたとか聞いて、不愉快な思いをしました。
CN6:
H:で、再び職場に復帰されて問題はありませんでしたか?
F:大変でしたよ。休業している間に色々な事が変わりました。H:昔の同僚はいないし、法
律も変わった?F:ええ。特にコンピュータ処理が様変わりして。H:ああ、そうですね。
それは問題だ。M:そして常に新しい法律。F:そして職場のシステムが大きく変わった。
前は、お互いに協力し合っていたのに、今は、互いに競争するようになった。企業社会が
様変わりしたんです。ちょっと、がっかりしましたね。
CN11:( 経 営 者 サ イ ド )
M:ただ育児期間(Erziehungszeit)の問題などを考えた場合、本音を言えば、面接の時か
ら取りたくないですね。H:そういう警戒はしている訳ですか?M:してます。警戒してい
ると同時に、6 か月間の法律的なターミネーションというのがあり、H:日本の産休みたい
なものですか?M:いいえ、試用期間(仮採用 Provezeit)のようなものです。6 か月以上
たちますと、自動的に本社員と同じになる。この期間の間に辞めてもらえばいいのですが、
だいたい、この期間に自分は妊娠してますなんて言う人はいないね。H:まあ、採用時には
わからないですよね。日本は採用時に医者の健康診断書を提出させますが、ドイツでも可
能なんですか?M:ドイツではそれはないですね。それから聞いて良いことと悪いことの
制約が厳しいです。特に個人に属する事柄、あなたは誰と住んでいるのですか?結婚する
気はありますかとか?余計なお世話だということになります。とにかく個人の問題につい
ては法律で守られているので、採用時に、この人は健康な人なのかとか、余程、注意して
観察しなければならない。
H:( 中 略 ) 取 ら れ る 方 は い ら っ し ゃ い ま す か ? M : 今 ま で 3 人 い ま し た 。 こ れ は は っ き り
言って、お手上げ。H:さっきおっしゃたように、まあ注意はしているけど、なっちゃた
ら仕方ないと。M:それは言葉を気を付けなければならないんだけど、結婚している人は
取 る 可 能 性 大 な ん で す よ 。 H : ま あ 30 く ら い で 、 最 近 結 婚 し た ば か り だ っ た ら 、 時 間 的
に見てももう行くかなって感じですよね。M:そう。そりゃあ当たり前で。だからある程
度は覚悟してますね。一番大事なのは仕事ができるかどうか。リスクは高くなるかも知れ
ないけど、仕事のできる人間なら仕方がない。
H: ( 中 略 ) よ く わ か ら な い の は 、 3 年 た て ば 戻 る 権 利 を 持 っ て い る 訳 な ん で す が 。 ま あ 、
経営者サイドとしては、実際問題、うっとしいでしょうが、でも、その間、お給料を払う
訳ではないのですから、それほど実害はないのでは?
M:手当も保証も国が払いますからね。H:そうすると、具体的な損害はあるんですか?
M:いや、社員としてのベネフィット(ホテル・航空券の割引など)を持っているから。
(中略)会社に属していれば身分証明書を持っている訳で育児期間でも使えます。もちろ
ん、会社にとっては別に痛くないけど。腹立たしいっていうか。H:あ、そうか、一応は
社員なんだ。T:そうですよ。H:保険はどうなります?M:それは関係ない。旦那の方に入
っている。H:年金の積み立ては?M:会社は、その期間は出さなくて良い。H:後、昇級と
かは?M:ありません。全部、止まります。
M:で、問題は、終わり近くになると帰ってきたいということになる。その時に、帰って
来る職場が様変わりしちゃっている。H:インタビューでもありましたね。たとえばコン
ピュータなんか。
M:ええ、でも、そんなのはエクスキューズにならない。とにかく法律的には前にいた職
場に戻るというのが前提ですから。で、たいてい、その時に相手が言って来るのは、子供
の関係があるから半日にしてくれと。H:だいたい、みんなそうしているようですね。
M:うちは、それはノー。二つ目に、もし、(戻って)欲しくない人の場合には、うちは、
会社の業務全体が悪くなっている。だからあなたは余所に行ってもらわなければいけない
という。同じ業務に戻さなければいけないんだけど、そういう状況がありますよと話して
おく。
H:余所の会社というのではなく、会社の中の別の営業所とかセクションへの配置転換です
か?M:そう。(中略)最初から元の職場に帰れませんというと法的な問題があるので。
H:なるほど。そういう職場復帰後の配置転換はできるわけですね。M:会社の都合です
から。ただ、うまく話さないと、弁護士とか入って、えらいことになるんで。落とし所を
よく見極めないとね。それに相手だって一度、割れた鍋を修復しようとは考えてないもの。
H:そうか。相手も必ずしも元の職場に復帰することを望んでいるとは限らないんだ。
M:限らない。そりゃ人によって違うでしよ。でも当然の権利なんだから、もらうべきも
のをもらおうという人もいる。
(3)家庭外保育
CP1 グ ル ー プ で 家 庭 外 保 育 を 利 用 し て い る の は CN2 の み で 、 保 育 園 へ の 申 請 中 だ が 、
現 在 、 必 要 な 時 に 保 育 マ マ Tagesmutter を 雇 っ て い る と の こ と 。 そ れ 以 外 は 「 子 供 が 生 ま
れ た ば か り だ か ら 」、 「 母 親 が 家 に い る か ら 」、 「 育 児 休 暇 中 で 妻 が 家 に い る か ら 」 な ど の
理由で、当面、利用は考えていないとのことで、子供が小さいうちは母親が面倒をみるも
のだという、ドイツの一般的な傾向が確認できる。
CN2:
H:0−1 歳 ? F : 一 応 申 請 は し て い る が 、 待 ち リ ス ト が 300 人 も あ る の で 、 当 分 は 実 現
し な い 。 M : だ か ら 必 要 な 時 は Tagesmutter を雇う。F:でも、Tagesmutter は 保 育 所 よ り
む ち ゃ く ち ゃ 高 い 。 M : 半 日 で 600DM。F:700 DM よ 。 M : も ち ろ ん 、 月 だ け ど 。 F : 本
当に高いし、手続きも面倒。
CN4:
H : 何 ら か の 家 庭 外 保 育 の 経 験 は ? M : あ り ま せ ん 。 H :( 奥 さ ん に 日 本 語 で ) さ っ き お 聞
き し た よ う に 、 託 児 所 と か Tagesmutter は 全 く 利 用 さ れ て い な い ? F : は い 。 使 う 必 要 が な
いというか。H:ああ、育児休暇中だから必要なし?F:はい。N:ベビーシッターも?F:ま
だ 考 え た こ と も な い で す ね 。 ( ご 主 人 に ド イ ツ 語 で 確 認 )。M:はい。
し か し 、 子 供 が 大 き く な る CP2 グ ル ー プ で は 、 第 1 子 ・ 第 2 子 と も 3 − 5 歳 の 就 学 前
に は 家 庭 外 保 育 を 利 用 し て い る 。 た だ し 、 こ の 場 合 、 幼 稚 園 が 圧 倒 的 に 多 く 、 1 9 9 2 年の
児童青少年支援法の改正(3 歳以上の未就学児に幼稚園への就園を 100%補償することが
地方自治体に要請された)が定着してきているものと思われ、インタビューでは、これが
事実上、保育園と同様の機能を果たしていること、近年になるほど手続きが容易になって
き た こ と 、 費 用 は 結 構 掛 か る こ と な ど が 確 認 で き た 。 な お CN7 で 託 児 所 の 利 用 が あ る が 、
これは早い時期からドイツ人の子供とコンタクトさせることが目的であったという。
CN5:
H:保育は利用された?F:幼稚園からね。3 歳−5 歳。M:これは有料。H:いくらですか?F:80
−90EUR。6 歳からは義務教育。Tagesmutter は見つからないし、高い。半日でだいたい 300
−400EUR/月。500EUR く ら い ま で 掛 か る 。
H:幼稚園は簡単に見つかりましたか?F:上の子の場合は、むずかしくて4歳から入園しま
した。法律的には3歳から入園する権利が認められていたのですが、空きがなくて。下の
子の時は新しい幼稚園ができたので問題なかった。M:子供も少なくなったしね。N:ここ
は人口は増えているの?M:まあね。新興住宅地域でだけど。
H:第2子の場合は?F,M:全く問題なし。H:月謝は相変わらず?M:ちょっと安くなっ
た。F:もし二人子供がいると二番目は少し安くなる。M:ただし二人同時に入園した場合
だけ。F:だから 1 人 目 が 卒 園 し て 、 二 人 目 が 入 る と 、 ま た 一 人 目 と 同 じ 。 M : 8 0 ー 9 0 E U R 。
CN6:
H : 保 育 は 利 用 さ れ て い な い ? M : 幼 稚 園 は 利 用 し ま し た 。 3 歳−5 歳 。 ド イ ツ で は 3 歳
から幼稚園に行く権利が法律で認められている。
H:0 歳−1 歳、2 歳−3 歳 は 産 休 ・ 育 休 中 だ っ た の で 保 育 は 必 要 な か っ た 訳 で す ね ? F : え
え。家にいましたから。
H:で、幼稚園はすぐに見つかりましたか?F:ええ。H:コストは?F:私は安くないと思った
わ。M:360DM/月掛かった。で 150DM/月ぐらいは補助があったけど、プロテスタント
の 幼 稚 園 で 補 助 だ け で は カ バ ー で き な か っ た 。 で も ま あ 150DM く ら い だ よ 。 ( 夫 婦 で 意
見 が 合 わ な い )。
CN7:
H:幼稚園ですね。F:でも性格からすると保育園かな。ほんとんど公的でしょう。市とか
教会。
H : 簡 単 に 見 つ か っ た ? 費 用 も 安 か っ た ? い く ら ぐ ら い ? F : 確 か 月 100DM。第二子が半額。
お昼がついて全日制で。M:170DM だ っ た ん じ ゃ な い か 。 兄 弟 が 行 く と 二 人 目 は 半 額 。 F :
今はどうなっているか?ちょうど下の子が入った頃にそうなった。
H:いつ頃から? F:第1子が産まれてからだけど。うちの子にとってはドイツ人とのコ
ンタクトがそこしかなかった。ドイツ語を習わせるため。H:大事だもんね。F:やっぱ
りああいうところって、社会性を養う上で大事だから。
CP3 グループも、CP2 と 同 様 、 幼 稚 園 を 利 用 し て い る が 、 女 性 が ほ ぼ フ ル タ イ ム で 就 業 し
ている CN8 で は 、 託 児 マ マ や 学 童 保 育 の 利 用 が み ら れ 、 逆 に 、 専 業 主 婦 を 続 け 、 子 育 て
に 区 切 り を 付 け て か ら フ ル タ イ ム 就 業 に つ い た CN9 で は 、 幼 稚 園 以 外 の 学 童 保 育 は 「 考
えたこともない」と、対照的な回答を得た。
CN8:
F : 最 初 の 子 供 の 時 は 、 彼 が 教 育 Ausbildung を 受 け て い た の で 、 そ の 間 は Tagesmutter を雇
い ま し た ( * 奥 さ ん は フ ル タ イ ム だ っ た か ら )。 M : あ れ に は 参 っ た な あ ? H : 本 当 に ?
M : と に か く Tagesmutter の と こ ろ に 子 供 を 連 れ て ゆ く た び に 、 大 泣 き す る の で 。 H : な
る ほ ど 。 F : で 、 3 歳からは幼稚園に行きました。 3 歳− 6 歳 ま で 。 H : 幼 稚 園 は 問 題 な く
見つかりましたか?F:はい。N:このあたりなら市外だから簡単かも知れないなあ。F:
その時は、まだフランクフルト市内に住んでいました。(中略)
H:第2子の場合も同じですか?F:二番目の子は、
2 歳から幼稚園に行きました。私達
は ベ ル リ ン に 住 ん で い て 、 親 達 で 運 営 す る 幼 稚 園 Elterninitiativ が あ っ た の で 。 親 が 自 分 達
で 食 事 を 作 っ た り 掃 除 を し た り 。 H : そ れ と ? F : 学 童 保 育 Schulebetreu ung。14:00 か
ら 17:00 まで。100DM/月です。
H : で 、 第 3 子 は ? F : ご く 普 通 に 幼 稚 園 で す 。 昔 は 全 日 保 育 だ っ た の で 、 3 0 0 D M 掛かっ
た の で す が 、 今 は 11:30 までなので 120DM で す 。 H : 全 日 保 育 の 幼 稚 園 っ て あ る ん で す
か ? F : 7 : 0 0 から 17:30 ま で 。 ど こ に で も あ る わ け で は な い け ど 。 美 味 し い 朝 食 も 出
ますよ。パイナップルやメロンなど、素敵ですよ。
CN9:
H:幼稚園に行かした?F:ええ、子供にとっては社会的な接触の機会ですから。
H:それ以外は?なし。F:ええ、専業主婦で家にいましたから。
H:ところで、小さなお子さんとずっと家にいて満足でしたか?F:はい。子供が小さい時に
母親が家にいるのは大変重要なことです。
H:いつ保育の利用を考えましたか?一度もない? F:はい。
LP1 の 場 合 は 、 託 児 所 、 幼 稚 園 、 学 童 保 育 所 の 利 用 な し に は 就 業 で き な い 状 況 に あ り 、
も っ と も 依 存 度 が 高 い が 、 そ れ で も CN10 では子供が 0 歳−1 歳 で は 「 早 す ぎ る 」 と い う
理由で家庭外保育は利用していない。
CN10:
H:2 歳−3 歳 と 、 そ れ 以 降 ? F : 前 ( 2 歳−3 歳 ) は 託 児 所 Krabelstube。市立のものと私
的 な も の と あ り ま し た 。 で 、 そ の 後 、 幼 稚 園 に 行 き 、 就 学 後 は 学 童 保 育 所 Hortplatz?。
運が良かった。私はフルタイムで働かなければならないから。H:
0 歳− 1 歳 の 時 は 、 保
育 所 を 探 さ な か っ た ん で す か ? F:い い え 。 希 望 し ま せ ん で し た 。 早 す ぎ る 。 託 児 所
Krabelstube に 入 れ た の は 1 歳と 3 か 月 の 時 だ か ら 。 で 、 じ き に 幼 稚 園 に 入 っ た か ら 。 H :
すぐに見つかりましたか?F:幼稚園ですか?M:法律ができて政府は希望する子供に幼稚
園へ行かせる義務があるからね。
なお「家庭外の保育機関・機会を利用することをいつ頃から考えるようになりました
か?」という質問に対しては「第1子出産後」と答えたものが最も多く、次いで「考えた
こ と な し 」、 「 将 来 の 職 場 復 帰 を 考 え た 時 」 と な っ て お り 、 第 1 子 出 産 前 に 、 こ の 問 題 を
検討したカップルは皆無であった。
2.3 家族・出産・子育てなどについての考え方
「 結 婚 ・ 同 居 の 理 由 ( 複 数 回 答 可 )」 と い う 質 問 に 対 し て は 、 男 女 と も 「 当 然 の こ と と
思 っ た か ら als ganz natürliches Prozeß 」 が 一 般 的 で 「 子 供 が 欲 し か っ た wegen
Kinderwunsch 」を挙げたのは
CN8 の女性、 CN7 の男性のみである。ただし
CN10 は「子
供ができたから同棲した」と答えている。
立ち会い出産は、帝王切開など止むえない事情による場合以外は、すべてのカップルで
当然の事と受け止められている。
夫の育児参加については、「専ら妻」が最も多く、これに「主として妻」「主として妻
だが夫も積極的に参加」が続く。夫の家事参加もほぼ同様だが、
CN1 、 CN2 、 CN10 など
では「公平に分担している」という回答もみられた。
インタビュー調査では、これらの項目は、カップルで意見が分かれるケースが多く、男
性は主観的には「積極的に参加」しているつもりだが、女性から見ると、お手伝いの域を
出ないという評価が多くみられた。しかし、女性の側も、男女の性別役割分業の廃止を求
める者はなく、主として男性が稼がなければならないのだから、女性と同じように育児・
家事を行えとは言えないという見方が大勢であった。
家計については「一つの家計」が最も多く、伝統的にドイツでは、男性が女性に毎月の
生活費のみを渡すといわれているが、そのようなケースはなく、「共通コストのみ」とい
う例外は、いずれも男性が自営業(芸術家)で仕事上の経費を別にしている場合と、別居
中の CN10 だ け で あ っ た 。
CN1:
M:母親中心。F:疲れた時に見てくれる。でも上手ですよ。M:僕は仕事を今コックをや
っているんで 1 日仕事で、ドイツのホテルで働いているんで、日本のレストランよりは休
みは多くもらっているんですが、でも、日曜日は休みで、もう一日は毎週バラバラなんで
すね。それでこう計画が立たなく。で、今回、子供ができるにあたって転職することにし
たんです。そうすると日月休みになって夜も早く帰って来られるし。やっぱり子供ができ
るということで、すごく考えましたね。
CN4:
H:ほとんど家事とか育児は奥さんがされている?不満はありませんか?F:不満って。だ
んながもっと会ってくれたらいいとか?笑い。H:もちろん収入とか考えれば奥さんが家
にいる方が有利なんでしょけど。でも、いつも家にいて子供の世話は大変でしょう。まあ、
まだ生まれて 1 年半くらいだから、そんなに追い詰められることもないですか?F:時々、
自分が子供を見るんじゃなく、外に働きに行きたいとは思います。子供の世話じゃあなく
て、自分が社会に復帰したいという気は時々します。
CN7:
H:育児について? M:さあ、そろそろ揉めそうだなあ。
F:どちらかとえば、って感じじゃないなあ。
H:ほとんど妻任せってのもありますよ。
M:他の家庭に比べらりゃ、マシだよ。ドイツ人並み。
F:だけど、よその日本人家庭で、旦那が夜 1 時まで、子供の勉強に付き合うとか。
(中略)
H:家事について?これは。いつの話? 子供が小さい時は?
F:今も昔も。
M:子供が赤ん坊の時。
H:まあ、主観的にはやっているつもり。やっぱり要求水準が全然違うんだよね。
F:家事をする立場としては、自主的にやるのと、お手伝いでは違う。
M:やあ、やり方が違うから。たまにやると揉める。揉めるというか。合わない。
F:靴下を何度もピンクに染めたりね。
CN8:
H:子育てに御主人も共同参加?これはマレーシアでは普通なんですか?
M:ぜんぜん。F:マレーシアでは子育てはインドネシアの家政婦がやります。みんな、
ひたすらお金を稼ぐのに忙しくて家庭を顧みない。H:勤勉なんですね。M:西洋の影響
で考え方が変わった。私の姉妹なども仕事ばかり。もう十分お金ができたのに、なんで仕
事ばかりなんだというんだけど。F:本当に。休暇も何もなし。ひたすら働くだけ。H:
20 年 前 の 日 本 み た で す ね 。 M : そ の 通 り 。 ル ッ ク ・ イ ー ス ト 政 策 の 影 響 で す 。
H:家事は? F:家事はね。我々はいつも家政婦を探しています。M:あんまりいい人
がいないので。フィリピン人の女の子を雇ったんですが、帰りのバスの時間ばかり気にし
てろくに働かない。
3. 考察
3.1 プロフィールについて
インタビューで接触した数少ない例からも、CP1、CP2、CP3 と、子供数が多いほど、
カップルの関係期間も長く年齢も高くなり、就業歴も複雑となることがわかった。とりわ
け、CP1 と CP2・CP3 の 間 に は 、 単 な る 年 齢 の 違 い と い う よ り 世 代 ・ コ ー ホ ー ト 的 な 相 違
も感じられ、年次データに基づくモデル家族の解釈にあたっては、この点に十分配慮する
必要があると思われる。
就業歴については、男性が、ほぼ一貫してフルタイム就業であるのに対し、女性は、子
供の年齢や数、男性の職業などにより、結婚後や出産後、就業状況が極めて複雑に変化し
ており、男女で明確な差がみられる。この事は、北欧諸国や旧東ドイツ地域より低い、旧
西ドイツ地域の女子(とりわけ有配偶・有子)労働力率、高いパートタイム比率などの統
計的事実を裏付けるものである。
しかし、その一方、わが国のM字型女子就業構造と比較した場合、内容の相違は、明確
であり、同じ専業主婦でも、いずれはフルタイムでの職場復帰を前提としているか、また
はパート就業でも、わが国とは異なり、出産前の同じ職場で、週の労働時間を減らしたも
のであるなどの点で、育児休暇制度の効果を反映したものとなっていることがわかった。
逆にいえば、ドイツの専業主婦、パート就業というカテゴリーには、3年の育児休暇中や、
育児休暇で明けでパート就業中というケースがかなり含まれることになり、やはりモデル
家族の解釈にあたっては、この点に十分配慮する必要があると思われる。
居住形態は CP1 グ ル ー プ で は 、 マ ン シ ョ ン ・ ア パ ー ト ( A l t e Wohnung)が主流で、CP2
グループ、CP3 グ ル ー プ で は 、 一 戸 建 て 持 ち 家 が 中 心 と な る 傾 向 が み ら れ 、 ま た 部 屋 数 も
子供数が多いほど多い。ドイツでは、戦後、一人の子供には一人の部屋が当たり前との考
え方が主流となり、子供数に比例して必然的により大きな住居を求める結果、これが子育
ての大きな負担となっていることがわかる。なお住宅補助は基本的に自己所有の場合のみ
であるが、その形態には、補助金、税控除などばらつきがあり、しかも適用条件も複雑で、
地域や時期によっても異なり、今回のようなインタビュー調査でも、その把握は困難であ
った。従って、しばしば指摘されるようにモデル家族による分析では、この住宅補助金の
要素をどう扱うか(家計に占める割合も大きい)が問題となることがわかった。
3.2 家計について
収入のうち、児童手当は、所得と無関係に金額が子供数に比例していることもあり、す
べての世帯で明確な回答が得られ、この制度が当然のものとして広く定着している様子が
うかがえるが、育児休暇手当に関しては回答が曖昧で、受給に所得制限その他の制約条件
があり算定が複雑であること、また過去の受給は度重なる制度変更もあり、記憶が曖昧で
あるなど、あまり良く認識されていない。これは家族政策上の税控除も同様で、納税票を
見るか会社の税理士に聞くかしないとわからないという世帯が大部分であり、殆ど意識さ
れていないか、よく理解されていない印象であった。
しかし、回答が得られたケースのみについて、世帯の粗収入に占める補助金の割合を計
算 し て み る と 、 児 童 手 当 が 3.1%から 1 8 . 0 % 、 手 当 ・ 補 助 全 体 で は 4.8%から 29.7%とい
ず れ も 小 さ い と は い え な い 。 支 出 と の 相 対 比 率 も 同 様 で 、 児 童 手 当 が 6.9%から 36.9%、
公 的 手 当 全 体 で は 6.9%から 6 0 . 8 % ま で と 、 ド イ ツ の 家 族 政 策 的 財 政 支 援 の 手 厚 さ が 確 認
できた。
ま た 支 出 に 占 め る 割 合 は 、 住 居 費 が も っ と も 高 く 、 最 低 34.4%から CN8 の 71.3%まで、
かなりの比重を持つ点で共通しており、『一番、負担に感じている』ことがわかる。なお、
わが国で問題となる教育費について言及するケースは皆無であった。
3.3 政策の受容について
児童手当の認知は極めて高いが、制度を意識するようになったのは、子供の出産が間近
になるか、あるいは生んでしまってからで、この制度があるから「安心して子供を産んだ」
といったケースはない。CP0 やシングルにも同様のインタビューを行わないと確認はでき
な い が 、 第 1 子 出 産 以 前 に は 殆 ど 関 心 を 持 た な い も の と 思 わ れ 、 殆 ど の CP1 が 「 大 し た
金額ではない」「ミルク代程度」としている点と呼応している。その一方、殆どの家族が、
なくなると「かなり生活が苦しくなる」と回答しており、この評価は、家計に占める手当・
補助の大きさに対応している。また不満の大部分は金額に集中しており、これは、子供の
多 い 家 庭 ほ ど 、財 政 支 援 的 家 族 施 策 に 対 す る 関 心 が 高 い と い う BiB の 意 識 調 査 結 果( Roloff
& Dorbritz,1999:236 )とも一致している。またインタビュー結果からもわかるように、CP2、
CP3 が 求 め る 児 童 手 当 は 、 単 な る 「 生 活 の 足 し 」 で は な く 、 子 育 て に と も な う 追 加 費 用 の
すべてであり、完全な所得補償であるといえよう。
男性が産休・育休を取得したケースは殆どなく、基本的に男性が働き、女性が育児に責
任を負うというのが一般的認識であることが確認できた。これは男女の賃金格差とも関係
があるようで、現状では男性の取得は論外という印象であった。一方、女性パートナーで
は産休・育休を取らない方が例外で、この制度がすでに広く認識・実践されていること
が確認できた。ただし、休業補償は一般的ではなく、また年金への算入も殆ど意識され
ておらず、「育児休暇=無給だが 3 年以内に元の職場に復帰できる権利」として理解され
ていることがわかった。また、この法律上の権利の行使は、実際には、それほど容易では
なく、雇用者サイドの抵抗や、職場復帰にあたって様々な困難を乗り越えねばならないこ
とも確認された。
家庭外保育については、1992 年の児童青少年支援法の改正により、幼稚園への通園が
急速に一般化し、事実上、保育園的機能を果たしていることが確認できた。しかし、CP1
グ ル ー プ も 含 め 、 子 供 が 0 歳ー3 歳 の 間 は 母 親 が 面 倒 を み る も の だ と い う 、 ド イ ツ の 一 般
的な傾向は変化しておらず、むしろ、3 年以内に元の職場に復帰できるという育児休暇制
度は、この規範に基づくものであり、その実現を促進する役割を果たしていると思われる。
実 際 、 幼 稚 園 以 外 の 、 主 要 な 家 庭 外 保 育 手 段 で あ る 託 児 マ マ Tagesmutter は 、 非 常 に コ ス
トが掛かり、これがフルタイム就業の妨げになっているとのことである。ただし「家庭外
の保育機関・機会を利用する」を意識したのは、「第1子出産後」と答えたものが最も多
く、少なくとも第1子出産前に、この問題を検討することはないようである。
夫の育児・家事参加については「専ら妻」が最も多く、これに次いで「主として妻」「主
として妻だが夫も積極的に参加」となっており、ここでも男女の性別役割分業の廃止を求
める傾向は確認できない。
謝辞
末尾ながら、短期間に効率良く調査をアレンジして下さったフランクフルト在住の那須
秀至氏を初め、インタビューにご協力いただい多くの方々に心より謝意を表します。
参考文献
原 俊彦、2000、「ドイツの家族政策の特徴と受容」
『 現 代 社 会 学 研 究 』 1 4 号 北海
道社会学会
Bandelt C.& S. Baumgartner,1998,Denkbare Konstellationen der sozio ökonomischen Lage von
Familien:Ergebinisse der Modellfamilienanalyse. In:Bandelt Christoph(Hrsg.), Zur Lage der
Familien in Österreich- Ergebnisse des sozio- ökonomischen Indicatorsystem.
Österreichsches Institut f ür Familenforschung, Schriftenreiche Band 6, Wien: S.223-300.
BIB(Hrsg.), J. Roloff, Familienbildung und Kinderwünsch in Deutschland− Famileneinkommen,
Kinderkosten und deren Einfluß auf generative Verhaltensentscheidung, Materialien zur
Bevolölkerungswissenschaft, Heft82d,1996
Ditch J., H. Barne, J. Bradshaw, J. Commaile und T. Eardelr, Europäische Beobachtungssstelle
für National Familienpolitiken-Eine Synthese nationaler Familienpolitiken 1994,
Entwicklungen der nationalen Familienpolitiken 1994
Dorbritz, J. und B. Fux (Hrsg.) , 1997, Einstellungen zur Familienpolitik in Europa.,
Schriftenreihe des Busdesinstituts für Bevölkerungsforschung Band 24. Harald Boldt Verlag
Lohkamp-Himmighofen, M.,1997, Familienpolitischen Maßnahmen bei Mutterschaft und der
erziehung von Klienkindern in den Mitgliedsstaaten der EU, Norwegen und der Schweiz,
Zeitsschrift für Bevölkerungsvorschung, 1/1999, 47-64.
Roloff, J., J. Dorbritz(Hrsg.), 1999,
Familienbildung in deutschland anfang der 90er Jahre-
Demographische Trends, individuelle Einstellungen und socio-öchonomische Bedigungen,
Schriftenreiche des BIB Band 30, Leske+Burdrich
註:表中、CN=ケース番号。CP=カップル、LP=単親、国籍:J=日本D=ドイツM=マレーシア、就業:F=フルタイム、P=
パートタイム、N=無就業・専業主婦、性別:m=男f=女、年齢:なし=年、W=週、M=月、学歴:数値は学年。レア=レア
ルシューレ、ギム=ギムナジウム。
表1:世帯構成
世帯
男性パートナー
女性パートナー
CN
Typ
年
齢
国
籍
仕事
就
業
学歴
年
齢
国
籍
1
CP1
(0)
28
J
調理師
F
NA
33
2
CP1
(0)
44
D
芸術家
P
芸術高等専
門学校
35
3
CP1
(1)
35
D 会社員(石油化
学)
F
大卒Dip.Eng. 37
4
CP1
(1.5)
32
D 会社員(経理担
当)
F
大卒
Dip.Kaufman 32
5
CP2
(10,7)
41
D 会社員(旅行
業)
F
商業学校
42
D 社会保険専門員
F
51
J
41
6
7
8
9
10
CP2
(14,
8)
CP2
(16,
13)
CP3
(13,
7,6)
CP3
(16,13,
10)
LP1
(7)
第1子
第2子
第3子
就
業
学歴
年齢 性別 学歴 年齢 性別 学歴 年齢 続柄 学歴
J 会社員(空港関
係)
F
大卒
2W
m
*
*
*
*
*
*
*
D
U 芸術史専攻 6M
m
*
*
*
*
*
*
*
J 会社員(旅行関
係)
F
大卒
1
f
*
*
*
*
*
*
*
J 会社員(経理担
当)
F
音大卒
1+
5M
m
*
*
*
*
*
*
*
35
D
現在は専業主婦
N
商業学校
10
m
小学
7
m
小学
2
*
*
*
社会保険専
門学校
36
D
社会保険専門員
P 社会保険専
門学校
14
f
ギム
8
8
m
小学
2
*
*
*
F
芸術高等専
門学校
43
J 会社員(通信)
+翻訳業
F
大卒
16
m
ギム
13
m
ギム
*
*
*
M 自営業(商人)
F
Hotel学校・
電気技術
47
D
スチワーデス
F
大卒
13
f
ギム
7
m
小学
1
6
f
小学
1
39
D
企業の管理職
F
プログラ
マー(専門
学校)
33
D
企業の管理職
N→ 家政学専門
F
学校
16
f
レア
9
13
f
ギム
8
10
m
小学
4
34
D
ソーシャル・
ワーカー
F
専門高等学
校Dip.
37
D
社会教育
専門高等学
校Dip.
7
f
小学
*
*
*
*
*
*
芸術家
仕事
芸術史家
F
表2:関係・就業状況の変化
世帯
関係期間・就業
註:表中、F=フルタイム就業(%は勤務時間割合)、P=パートタイム就業(数値は週の労働時
間)、PL=育児休暇、UN=失業中、N=無就業・専業主婦
夫
妻
第1子 第2子 第3子
誕生後 誕生後 誕生後
CN
Typ
関係
結婚・
同居
初・再
婚
結婚前
就業
結婚後
就業
第1子
誕生後
第2子
誕生後
第3子
誕生後
初・再
婚
結婚前
就業
結婚後
就業
1
CP1
(0)
4年
3年
初婚
F
F
F
*
*
初婚
F
p
PL
*
*
2
CP1
(0)
8年3ヶ
月
4年5ヶ
月
初婚?
F
F
P30
*
*
初婚
F
F
UN
*
*
3
CP1
(1)
NA
6年
初婚
F
F
F
*
*
初婚
F
F
PL
*
*
4
CP1
(1.5)
9年
3年
初婚
F
F
F
*
*
初婚
F
F
PL
*
*
5
CP2
(10,7)
14年9ヶ 12年9ヶ
月
月
初婚
F
F
F
F
*
初婚
F
F
PL→P
PL→P
*
6
CP2
17年7ヶ 15年7ヶ
(14,8)
月
月
初婚
F
F
F
F
*
初婚
F
F
PL→P
PL→P
*
7
CP2
(16,13)
初婚
F
F
F
F
*
初婚
F
S+P
P
P→F
*
初婚
様々
様々
様々
様々
*
初婚
F
F
F90%
F65%
*
初婚
S
S
S
F
F
初婚
S
S→N
N
N
N→F
S
S
S+P
F
*
同棲→
別居
S
S
S+P
→F
*
*
8
9
10
19年
17年
CP3
(13,7, 14年6ヶ
14年
月
6)
CP3
(16,13,
19年 16年9ヶ
月
10)
LP1
(7)
6年
5年3ヶ 同棲→
月
別居
表3:居住形態
註:表中、Alte Wohnung は、市街地に立地する古い集合住宅でワンフロアー2世帯程度の伝統的アパート。Wohnung も同様
だが郊外立地で比較的新しいタイプ。マンションは日本のものとほぼ同じタイプの住居。
世帯
住居
CN
Typ
住居タイプ
所有形態
部屋数
寝室
浴室
子供部屋
住宅補助
立地条件
1
CP1
(0)
マンション
民間賃貸
2
1
1
0
なし
大都市(中心街)
2
CP1
(0)
Alte Wohnung
民間賃貸
3
1
1
1
なし
大都市(中心街)
3
CP1
(1)
マンション
自己所有
(ローンあ
り)
2
1
1
0
住宅取得手当は、制度の関
係で受けていない。
村
4
CP1
(1.5)
Wohnung
社宅賃貸
3
1
1
1
社宅で格安
大都市周辺の住宅地
5
CP2
(10,7)
一戸建て持ち家(上
に母親の住居)
3
1
1
2
なし
村
6
CP2
(14,8)
一戸建て持ち家
自己所有
(ローンあ
り)
自己所有
(ローンあ
り)
5
1
2
2
Baukindergeld(税控除)
年額1960DM
村
7
CP2
(16,13)
Alte Wohnung
3
1
1
1
なし
大都市近郊の新興住宅
街
4
1
3
3
(8年後にはなくなる)。
大都市(中心街)
11
5
3
3
新築住宅援助金 年額1133
DM
村
3
1
1
1
なし
大都市(中心街)
8
9
10
CP3
(13,7, 一戸建て持ち家(10
年前に購入)
6)
CP3
一戸建て持ち家(そ
(16,13, の他に2軒を所有し
10)
貸している)
LP1
(7)
Alte Wohnung
民間賃貸
自己所有
(ローンあ
り)
自己所有
(ローンあ
り)
民間賃貸
表4:収入・家族政策的補助
収入
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
=(2)+(3)+(4) =(2)/(1)
(7)
=(3)/(1)
(8)
=(4)/(1)
(9)
(10)
(11)
=(9)/(1)
(12)
(13)
=(12)/(1)
育児休業
手当が粗
世帯収入
に占める
割合
その他公
的手当が
粗世帯収
入に占め
る割合
手当・補
助合計が
粗収入に
占める割
合
家族政
策上の
税控除
家族政策
上の税控
除が粗収
入に占め
る割合
純世帯収
入金額
(DM/月)
手取割合
その他
の手当
手当・補
助合計
児童手当
が粗世帯
収入に占
める割合
0
0
270
5.0%
0.0%
0.0%
5.0%
0
0.0%
NA
NA
300
600
0
900
3.1%
6.3%
0.0%
9.4%
0
0.0%
9,545
99.8%
NA
270
375
0
645
NA
NA
NA
NA
414
NA
NA
NA
CP1
(1.5)
NA
300
0
0
300
NA
NA
NA
NA
0
NA
NA
NA
5
CP2
(10,7)
NA
604
0
0
604
NA
NA
NA
NA
949
NA
NA
NA
6
CP2
(14,18)
12,690
604
0
0
604
4.8%
0.0%
0.0%
4.8%
1094
8.6%
8,738
68.9%
7
CP2
(16,13)
6,790
540
0
0
540
8.0%
0.0%
0.0%
8.0%
372
5.5%
5,127
75.5%
8
CP3
(13,7,6)
4,997
900
0
583
1483
18.0%
0.0%
11.7%
29.7%
0
0.0%
2,413
48.3%
9
CP3
(16,13,10)
14,670
900
0
1133
2033
6.1%
0.0%
7.7%
13.9%
0
0.0%
8,967
61.1%
3,753
270
0
600
270
7.2%
0.0%
16.0%
7.2%
0
0.0%
2,850
75.9%
CN
Typ
粗世帯収
入金額
(DM/月)
1
CP1 (0)
5,366
270
2
CP1 (0)
9,567
3
CP1 (1)
4
10
LP1
(7)
児童手当 育児休
業手当
表4:収入・家族政策的補助
収入
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
=(2)+(3)+(4) =(2)/(1)
(7)
=(3)/(1)
(8)
=(4)/(1)
(9)
(10)
(11)
=(9)/(1)
(12)
(13)
=(12)/(1)
育児休業
手当が粗
世帯収入
に占める
割合
その他公
的手当が
粗世帯収
入に占め
る割合
手当・補
助合計が
粗収入に
占める割
合
家族政
策上の
税控除
家族政策
上の税控
除が粗収
入に占め
る割合
純世帯収
入金額
(DM/月)
手取割合
その他
の手当
手当・補
助合計
児童手当
が粗世帯
収入に占
める割合
0
0
270
5.0%
0.0%
0.0%
5.0%
0
0.0%
NA
NA
300
600
0
900
3.1%
6.3%
0.0%
9.4%
0
0.0%
9,545
99.8%
NA
270
375
0
645
NA
NA
NA
NA
414
NA
NA
NA
CP1
(1.5)
NA
300
0
0
300
NA
NA
NA
NA
0
NA
NA
NA
5
CP2
(10,7)
NA
604
0
0
604
NA
NA
NA
NA
949
NA
NA
NA
6
CP2
(14,18)
12,690
604
0
0
604
4.8%
0.0%
0.0%
4.8%
1094
8.6%
8,738
68.9%
7
CP2
(16,13)
6,790
540
0
0
540
8.0%
0.0%
0.0%
8.0%
372
5.5%
5,127
75.5%
8
CP3
(13,7,6)
4,997
900
0
583
1483
18.0%
0.0%
11.7%
29.7%
0
0.0%
2,413
48.3%
9
CP3
(16,13,10)
14,670
900
0
1133
2033
6.1%
0.0%
7.7%
13.9%
0
0.0%
8,967
61.1%
3,753
270
0
600
270
7.2%
0.0%
16.0%
7.2%
0
0.0%
2,850
75.9%
CN
Typ
粗世帯収
入金額
(DM/月)
1
CP1 (0)
5,366
270
2
CP1 (0)
9,567
3
CP1 (1)
4
10
LP1
(7)
児童手当 育児休
業手当
表5:支出
支出
(14)
(15)
(16)
(17)
(18)
(19)
=(2)/(14)
(20)
=(5)/(14)
CN
Typ
世帯支出金
額(DM/月)
食費
住居費
住居費割合
食費割合
児童手当÷ 公的手当÷
世帯支出
世帯支出
1
CP1
(0)
3,920
588
1764
45.0%
15.0%
6.9%
6.9%
住居費
2
CP1
(0)
1,934
784
1150
59.5%
40.5%
15.5%
46.5%
家賃(アトリエなど)
3
CP1
(1)
2,550
650
1000
39.2%
25.5%
10.6%
25.3%
NA
4
CP1
(1.5)
2,196
700
804
36.6%
31.9%
13.7%
13.7%
家賃(社宅なのでそれほどでもな
い。生保など
5
CP2
(10,7)
2,852
980
980
34.4%
34.4%
21.2%
21.2%
ローン返済
6
CP2
(14,18)
6,842
1568
4226
61.8%
22.9%
8.8%
8.8%
ローン返済(約25年間)
7
CP2
(16,13)
4,182
1250
1830
43.8%
29.9%
12.9%
12.9%
夫:高い家賃、妻:すべて(家事が
大変)
8
CP3
(13,7,6)
2,440
400
1740
71.3%
16.4%
36.9%
60.8%
すべて(特にローン返済)
9
CP3
(16,13,10)
5,320
800
3200
60.2%
15.0%
16.9%
38.2%
ローン返済
10
LP1
(7)
2,270
500
1550
68.3%
22.0%
11.9%
11.9%
高い家賃
もっとも支出が多いのは
表6:政策受容(児童手当・扶養控除)
世帯
(1)児童手当・扶養控除について
CN
Typ
制度の認知
いつ
1
CP1
(0)
十分に知っている
子供を持とうと
思ってから
2
CP1
(0)
全く知らなかった
3
CP1
(1)
4
5
評価
ないとしたら
かなり苦しくなる
金額が少ない
手続きが面倒
第1子が産まれて かなり苦しくなる
から
十分
手続きが面倒
十分に知っている
子供を持とうと
思ってから
影響はあるが、深刻で
はない
NA
NA
CP1
(1.5)
十分に知っている
子供を持とうと
思ってから
変化なし
十分
児童手当300DMくら 制度改正が多く一般
いなので、殆ど生活 の人には複雑過ぎ
に影響なし。
る。
CP2
(10,7)
あまり良く知らない。
第1子が産まれて かなり苦しくなる
から
金額が少ない
赤ん坊のオムツ、ミ 3-4000DM/月
ルク代程度
は欲しい。
4子家庭などは
asozializiertしてしま
う。
NA
6
CP2
(14,8) 十分に知っている
第1子が産まれて 影響はあるが、深刻で
から
はない
金額が少ない
7
CP2 法律改正も含めしっか
(16,13) り把握している(妻)
第1子が産まれて かなり苦しくなる
から
金額が少ない→
定額ではなく掛かった費用に対して
補償してほしい。
8
CP3
(13,7, 法律改正も含めしっか
り把握している(妻)
6)
子供を持とうと
思ってから
金額が少ない→
無子の場合に比較して子供の養育
費・逸失所得・年金など
9
CP3
(16,13, 法律改正も含めしっか
り把握している
10)
10
LP1
(7)
十分に知っている
かなり苦しくなる
第2子が産まれて かなり苦しくなる
から
大変良い
第1子が産まれて かなり苦しくなる
から
金額が少ない(税金
が高い)
が、金額が十分では
ない
表7a: 政策受容(産休・育休)男性パートナー
世帯
産休(単位:ヶ月)
育休(単位:年)
1
子
産
前
産
後
補 2子 産
償
前
産
後
補
償
1 産前 産後 補償
子
1
CP1 N
(0)
0
0
0
*
*
*
*
0
0
0
2
CP1 N
(0)
0
0
0
*
*
*
*
0
0
3
CP1 N
(1)
0
0
0
*
*
*
*
0
4
CP1
(1.5) N
0
0
0
*
*
*
*
5
CP2
(10,7 N
)
0
0
0
N
0
0
6
CP2
(14, N
8)
0
0
0
N
0
0
0
0
N
0
6
Y
0
0
0
S
CN
7
8
9
10
Typ
CP2
(16, N
13)
CP3
(13, Y
7,
6)
CP3
(16,13 N
,10)
LP1
(7) N
コメント
世帯
取得しない理由
評価
CN
0
収入減。妻が取るため
大変満足
1
0
0
自営業だから
十分
2
0
0
0
お金を稼がねばならない
十分
3
0
0
0
0
収入減。妻が家にいる
個人的には大変満足。社会全体とし
ては問題が多い。
4
0
0
0
0
0
主な稼ぎ手だから
十分
5
0
0
0
0
0
0
主な稼ぎ手だから
十分
6
0
0
0
0
0
0
0
自営業だから
意識したことなし
7
Y
13
0
N NA NA
NA
NA
*
驚きマレーシアでは考えられない。
8
0
N
0
0
0
0
0
0
0
妻が家にいたから
大変満足
9
0
*
*
*
*
0
0
0
0
在学中だったから)
「肯定的。女性には良いが、男には
実質的に関係なし
10
表7b: 政策受容(産休・育休)女性パートナー
世帯
産休(単位:ヶ月)
Typ
育休(単位:年)
1 産 産 補 2子 産 産 補 3子 産 産 補 1 産 産 補 2子 産 産 補 3子 産 産 補
子 前 後 償
前 後 償
前 後 償 子 前 後 償
前 後 償
前 後 償
評価
CN
大変満足
1
CP1
(0)
Y
6
8
* * * * * * * *
Y
0
3
CP1
(0)
N
U
* * * * * * * * * *
N
U
* * * * * * * * * *
十分
2
CP1
(1)
Y
6
8
Y
* * * * * * * *
Y
0
3
N
NA
3
CP1
(1.5)
Y
6
8
Y
* * * * * * * *
Y
0
3
年 * * * * * * * *
金
大変満足
4
CP2
(10,7) Y
6
9
Y
Y
6
8
Y
* * * *
Y
0
1
N
Y
0
3
N
* * * *
十分
5
Y
Y
2
* * * *
十分
6
実際に取れば?
7
不十分
8
大変満足
9
不十分
10
Y
N
* * * * * * * *
* * * * * * * *
CP2
(14,
8)
Y
6
8
Y
6
8
* * * *
Y
0
3
2
Y
0
3
CP2
(16,
13)
N
S
* * N
S
* * * * * *
N
S
* *
N
S
* * * * * *
CP3
(13, Y
7,6)
2
1
Y
2
8
Y
Y
2
8
Y
N
* * *
N
* * *
Y
0
2
CP3
(16,13, N
10)
S
* * N
N
*
*
N
N
* *
N
N
* *
N
N
N
N
* *
S
* * * * * * * * * *
N
S
* * * * * * * * * *
LP1
(7)
N
Y
* *
Y
表8: 家庭外保育
世帯
第1子
第2子
Typ
利
用
CP1
(0)
N
生まれたばかりなので不要。先行
きは保育ママを希望
CP1
(0)
Y
0-1
CP1
(1)
N
母親が家いるから不要
CP1
(1.5)
N
育児休暇で妻が家にいるので
CP2
(10,7)
Y
3-5
CP2
(14,8) Y
3-5
CP2
(16,13) Y
時期
時期
手段
手
続
費用
利
用
時期
手段
費用
*
*
*
*
*
*
*
*
*
将来の職場復帰を考えた時
高い半日700DM *
保育ママ 面
倒
/月
*
*
*
*
*
*
*
*
第1子出産後
*
*
*
*
*
*
*
*
*
まだ考えたことがない
*
*
*
*
*
*
*
*
*
考えたことなし。第二子も育
児休暇を取るつもり。
幼稚園
面 安くない157-176 Y
倒
DM/月
3-5
幼稚園
面 安くない157- *
倒 176DM/月
*
*
*
第1子出産後
幼稚園
容
易
3-6
幼稚園
容
易
150DM/月
*
*
*
*
第1子出産後
普
通
安い
*
*
*
*
第1子出産後(ドイツ人との
コンタクト)
就学 託児所,幼 普
前
稚園
通
費用
普通150DM/
月
Y
安い
Y
就学 託児所,幼
前
稚園
CP3
託児ママ 容
2-3,3- 幼稚園+学 普
(13,7, Y 2-3,35,5+ +幼稚園 易 半日600DM/月 Y 5,5+
童保育
通
6)
CP3
(16,13,
10)
LP1
(7)
コメント
利
用
手段
手
続
第3子
月謝100DM/
月
いつ意識したか?
全日
幼稚 300D
Y 2-3,3第1子出産後
5
園
M
Y
3-5
幼稚園
*
*
Y
3-5
幼稚
園
*
考えたことなし
託児所,幼 面 補助あるいは無 *
Y 2-3,35,5+
稚園
倒
料
*
*
*
*
*
*
*
*
第1子出産後
Y
3-5
幼稚園
*
*
表9:家族・出産・子育てなどについての考え方
世帯
妻
結婚・同居理由
夫
立ち会い出産
2子
3子
夫の育児参加
夫の家事参加
家計の形態
*
主として妻・夫も積
極的
公平に分担している
一つの家計
*
*
主として妻
公平に分担している
共通コストのみ(芸
術家としての経費が
大きいから)
分娩室
*
*
主として妻・夫も積
極的
主として妻・夫も積
極的
一つの家計
分娩室
*
*
専ら妻
専ら妻
一つの家計
当然のことと
思ったから+経済
性
分娩室
分娩室
*
専ら妻
専ら妻
一つの家計
CN
Typ
1子
1
CP1
(0)
当然のことと
思ったから
当然のことと
思ったから
分娩室
*
2
CP1
(0)
当然のことと
思ったから
当然のことと
思ったから
分娩室
3
CP1
(1)
当然のことと
思ったから
当然のことと
思ったから
4
CP1
(1.5)
当然のことと
思ったから(親 当然のことと
思ったから
との関係で)
5
CP2
(10,7)
当然のことと
思ったから
6
CP2 当然のことと
(14,8) 思ったから
当然のことと
思ったから
分娩室
分娩室
*
専ら妻
専ら妻
一つの家計
7
CP2 当然のことと
(16,13) 思ったから
当然のことと
思ったから+子
供がほしかった
から
分娩室
分娩室
*
主として妻・夫も積
極的(ドイツ人並)
主として妻・夫も積
極的(ドイツ人並)
共通コストのみ(芸
術家としての経費が
大きいから)
8
CP3
子供がほしかっ 当然のことと
(13,7, たから+主人の 思ったから+滞在 病院(帝
王切開)
6)
滞在許可
許可
分娩室
分娩室 主として妻・夫も積
極的(時期による)
主として妻・夫も積
極的(時期による)
*できれば家政婦を
使いたい。
一つの家計(妻:共
稼ぎなのに分割なん
て信じられない)
分娩室
分娩室
分娩室 専ら妻
専ら妻
一つの家計
病院(帝
王切開)
*
公平に分担していた
共通コストのみ(今
は月600DMの養
育費のみ)
9
10
CP3
(16,13, 当然のことと
思ったから
10)
LP1
(7)
当然のことと
思ったから
子供ができたの 子供ができたの
で同棲した。
で同棲した。
*
主として女性・男性
も積極的だった。
ドイツ/フランクフルト:インタビュー調査 2002-3-2∼3-13
6:04新道東6:35札幌
Hide Nasu, Hanau Land
駅→新千歳空港7:14 JAL 407 成田 13:30-フラ str.139. 60594 FFM .自宅
JAL 500 千歳発7:50-羽
069-614149 アトリエ069ンクフルト17:35
438180 携帯0173-48-60田9:20 リムジンバス
266?
9:50
1日目 3月2日
土
2日目 3月3日
日
11:00 ケース3
15:00 ケース1
3日目 3月4日
月
●資料整理
●資料整理
18:00 ケース2
4日目 3月5日
火
●資料整理
●資料整理
19:00 ケース10
20:00 ケース7
5日目 3月6日
水
●資料整理
●資料整理
6日目 3月7日
木
10:00 BiB
Dr.Dorbritz In
Wisbaden
7日目 3月8日
金
10:00 ケース8
12:00 打ち合わせ。
●資料整理
8日目 3月9日
土
9:15 ケース5
11:00 ケース6
12:30 ケース9
15:30 ●資料整理
9日目 3月10日
日
●資料整理
14:00 ケース4
17:00 ケース11
10日目 3月11日
月
●資料整理
●資料整理
11日目 3月12日
火
●資料整理
●資料整理
12日目 3月13日
水
●資料整理
●資料整理
Ckin:18:25→ JAL408 フ
ランクフルト20:25
13日目 3月14日
木
成田15:40着/JAL565
成田18:00発
千歳19:30
t6.xls
調査スケジュール
2002.12.15
「先進諸国の少子化の動向と少子化対策に関する比較研究」 *
モデル家族調査−調査票
* こ の 調 査 は 1999 年 度 − 2001 年 度 に わ た り 厚 生 労 働 省 科 学 研 究 費 補 助 金 ( 政 策 科 学 推 進 研 究 事 業 ) を 受 け 行 わ れ て い る 「 先
進諸国の少子化の動向と少子化対策に関する比較研究」プロジェクトの一部をなすもので、日本 を含めた超低出生力状態にある
先進地域の、出生・家族動向と、その背景、これに対する家族政策について、各国の研究機関の協力を得て、論文・データを収
集・分析・比較し、日本における少子化対策の参考に資することを目的としています。
よろしくご理解の上、ご協力下さいますよう、心よりお願い申し上げます。
● 連 絡 先 : 国 立 社 会 保 障 ・ 人 口 問 題 研 究 所 〒 1 0 0 - 0 0 1 1 東 京 都 千 代 田 区 内 幸 街 2 丁 目 2 番 地 3 号 日 比 谷 国 際 ビ ル 6F
電 話 : 03-3503-1711 FAX : 03-3591-4818
担当:小島宏、原 俊彦
(記入上のお願い)
●この調査票は、ご家庭を訪問して行うインタビューの際に、利用するものです。
●答えたくない質問、記入の仕方がわからないものは、そのままにしておいていただいて結構です。
●空欄に必要事項をご記入下さい。
●選択枝のある質問は、該当する回答をチェックして下さい。例(
□フルタイム レ □パートタイム □非就業 □失業中)
●この調査票は、上記の調査目的以外には使用しません。調査結果は、匿名で分析・公表されますので、個人・家族の情
報が外部に漏れることはありません。
*調査員記入欄
圏域
国名
整理番号
調査者氏名
訪問調査実施日
備考欄
I. プ ロ フ ィ ー ル デ ー タ
(1)家族構成について、お答え下さい。
続柄
氏
名
性
別
同・
別居
生年月日
国籍
配偶
関係
職業
就業
状態
最終学
歴
宗教
(2) 結婚歴・就業歴、お答え下さい。
知り合って
年目
夫 の 婚 姻 歴
は?
□初婚 □離別・再婚 □死別・再婚
□初めての同居 □他のパートナーと同居歴あり
妻 の 婚 姻 歴
は?
□初婚 □離別・再婚 □死別・再婚
□初めての同居 □他のパートナーと同居歴あり
時期
結婚・同棲前
夫の就業歴は?
□フルタイム □パートタイム □非就業 □失業
中
□フルタイム □パートタイム □非就業 □失業
中
□フルタイム □パートタイム □非就業 □失業
中
□フルタイム □パートタイム □非就業 □失業
中
時期
結婚・同棲前
妻の就業歴は?
□ フル タイ ム □ パ ート タイ ム □
業中
□ フル タイ ム □ パ ート タイ ム □
業中
□ フル タイ ム □ パ ート タイ ム □
業中
□ フル タイ ム □ パ ート タイ ム □
業中
結婚・同棲後
第1子誕生後
第 2 子誕生後
結婚・同居を始めて
年目
結婚・同棲後
第1子誕生後
第 2 子誕生後
非 就業 □ 失
非 就業 □ 失
非 就業 □ 失
非 就業 □ 失
NO.3
t7.doc February 27, 2002 (3)家計について、お答え下さい。
●粗収入
続柄
給与収入
自営収入
資産収入
児童手当
育児休暇手当
その他補助金・手当
粗収入合計
夫
妻
●税控除
続柄
基礎控除
社会保険料控除
配偶者控除
扶養者控除
その他控除
控除合計
夫
妻
●税・年金・保険などの支払い
続柄
夫
妻
所得税
地方税
年金
生命保険
医療保険
租税・保険などの合計
●毎月の家計支出
食費
衣服
住居費
光熱費
教育費
その他
支出合計
* 一番、負担に感じているのは?
NO.4
t7.doc February 27, 2002 (4)お住まいについて、お答え下さい。
質問
回答
住居形態は?
□一戸立て □マンション □アパート
□その他( )
所有形態は?
□自己所有(□ローン有り □ローンなし) □民間賃貸 □公共賃貸
□その他( )
部屋数
室 ( 寝 室 室 : 浴 室 室 : 子 供 部 屋 室)
立地条件
□大都市 □中都市 □小都市 □田園地帯 □その他
II. 家 族 政 策 関 係 の 質 問
(1)児童手当・扶養控除について
●自分の子供が受けている児童手当・扶養控除などの額を良く知っていますか?
□法律の改正などの動きも含め、しっかり把握している。 □大まかな金額なら知っている。
□あまり詳しく知らない □まったく知らない。
●いつ頃から児童手当・扶養控除などを意識するようになりましたか?
□結婚あるいは同居開始以前 □結婚あるいは同居後 □子供を持とうと決めてから
□第1子誕生後 □第2子誕生後 □経済状況の変化があってから
□意識したことはない。
●もし、現在、受給している児童手当・扶養控除などがなくなったとしたら
、
□受給なしでは子育てできない。□かなり生活が苦しくなる □ないより、あった方が良い。□大した影響はない。
●現在の児童手当・扶養控除に対して、どう思われますか(重複回答可)
□金額が少ない □不公平 □手続きが面倒 □制度の変更が多い。□その他
t7.doc February 27, 2002 NO.5
(2)産休・育児休業・休業手当について
●妻に対する質問:産休を取ったことがありますか?
第1子 □ある 産前( )ヶ月 産後( )ヶ月 休業補償(□あり □なし)
□ない(理由: )
第2子 □ある 産前( )ヶ月 産後( )ヶ月 休業補償(□あり □なし)
□ない(理由: )
●妻に対する質問:育児休業を取ったことがありますか?
第1子 □ある 産前( )ヶ月 産後( )ヶ月 休業補償(□あり □なし)
□ない(理由: )
第2子 □ある 産前( )ヶ月 産後( )ヶ月 休業補償(□あり □なし)
□ない(理由: )
●妻に対する質問:この国の産児休暇・育児休暇について
□大変、満足している □不十分である(□期間 □金額 □その他) □あまり意識した事がない。□その他
●夫に対する質問:産休を取ったことがありますか?
第1子 □ある 産前( )ヶ月 産後( )ヶ月 休業補償(□あり □なし)
□ない(理由: )
第2子 □ある 産前( )ヶ月 産後( )ヶ月 休業補償(□あり □なし)
□ない(理由: )
●夫に対する質問:育児休業を取ったことがありますか?
第1子 □ある 産前( )ヶ月 産後( )ヶ月 休業補償(□あり □なし)
□ない(理由: )
第2子 □ある 産前( )ヶ月 産後( )ヶ月 休業補償(□あり □なし)
□ない(理由: )
●夫に対する質問:この国の産児休暇・育児休暇について
□大変、満足している □不十分である(□期間 □金額 □その他) □あまり意識した事がない。 □その他
NO.6
t7.doc February 27, 2002 (3)家庭外での保育について
●家庭外の保育機関・機会を利用したことがありますか?
第1子 □ある 時期:□
0 歳 □ 1 歳 -3 歳 □ 就 学 前 手 段 : □ 保 育 園 □ 保 育 マ マ □ ベ ビ ー シ ッ タ ー □ そ の 他
手続き:□大変だった □普通 □簡単だった
費用:□高額 □普通 □安い □無料
□ない(理由: )
第2子 □ある 時期:□
0 歳 □ 1 歳 -3 歳 □ 就 学 前 手 段 : □ 保 育 園 □ 保 育 マ マ □ ベ ビ ー シ ッ タ ー □ そ の 他
手続き:□大変だった □普通 □簡単だった
費用:□高額 □普通 □安い □無料
□ない(理由: )
●家庭外の保育機関・機会を利用することをいつ頃から考えるようになりましたか?
□結婚・同居前から □子供を生むことにしてから □第1子が生まれてから □第2子が生まれてから
□子育てと仕事との両立が困難になってから □その他
III. 家 族 ・ 出 産 ・ 子 育 て な ど に 対 す る 考 え 方 に つ い て の 質 問
●妻に対する質問:結婚・同居の理由(複数回答可)
□当然の事だと思ったから □子供ができた、または子供がほしかったから。□一緒に暮らした方が経済的だと思ったから。
□その他
●夫に対する質問:結婚・同居の理由(複数回答可)
□当然の事だと思ったから □子供ができた、または子供がほしかったから。□一緒に暮らした方が経済的だと思ったから。
□その他
●夫に対する質問:子供の出産に立ち会いましたか?
第1子 □分娩に立ち合った。 □出産時、産院・病院で待機していた。 □出産後、産院・病院に行った。 □その他
第2子 □分娩に立ち合った。 □出産時、産院・病院で待機していた。 □出産後、産院・病院に行った。 □その他
t7.doc February 27, 2002 NO.7
●育児について
□夫婦で公平に分担している □どちらかといえば妻が中心だが、夫も積極的に参加 □ほとんど妻に任せ □その他
●家事について
□夫婦で公平に分担している □どちらかといえば妻が中心だが、夫も積極的に参加 □ほとんど妻に任せ □その他
●家計について
□家計は夫婦別々にしている(共通の生活費部分を分担)□夫が生活費を妻に渡している。□妻が生活費を夫に渡している。
□二人の収入で一つの家計を営んでいる。 □その他
以上で質問は終わりです。ご協力ありがとうございました。
Forschungsprojekt:
"Comparative Study of Low Fertility and Family Policy in Developed Countries"
Im Rahmen dieses Fors chungs projekts ( 1999-2002 ) untersuchen wir die Geburtenentwicklungen und die familien-politischen
Maßnahmen in hoch-entwickelten Länder, um die sozio-ökonomischen Hintergründen der Famlilienbildung, die Einflüßen der
familien-politischen Maßnahmen auf diesem Prozeß aufzuklaren. Das Fors chungsziel liegt darin, daß wir die wichtigen
Kenntnissen für die kunftigen Verbesserungen der Japanischen Familien Politik erreichen.
Fragebogen für Interview
National Institute of Population and Social Security Research (NIPSSR) in Japan
( Vorbemerkung )
● Dieser Fragebogen ist für das Interview bei Besuch ihrer Familie
● Sie können die Fragen offen lassen, nachdem Sie nicht antworten wollen oder die Sie nicht verstehen .
● Füllen Sie bitte die Felder aus und Kreuzen die entsprechenden Antworten an !
ex.
(□ Ganztagarbeit レ□ Halbestagarbeit □ nicht erwerbstätig □ arbeitlos
● Dieser Fragebogen wird nur für das
Informationen bleiben anonym.
)
oben erwähnte Zuweg des Forschungsprojekts benutzt und alle persönlichen
Befragungs-Nummer
Area
Country
SN.
Researcher
Date of Interview
memo
I. Fragen zu ihrem Haushalt
(1) Ihre Haushaltmitglieder
Beziehung
zur
Befragten
Vorname
Nachname
Geschlecht
zusammen
wohnen in
Haushalt
□m ännlich
□Ja
□weiblich
□nein
□m ännlich
□Ja
□weiblich
□nein
□m ännlich
□Ja
□weiblich
□nein
□m ännlich
□Ja
□weiblich
□nein
Alter
Staatsangehörig
keit
Familen
stand
Beruf
Erwebstätigkeit
Ausbildung
Religion
(2) Ihre Partnerschaft
Wie lange dauert es, nachdem Sie sich zum ersten Mal kennengelernt
haben ? (Seit wann kennen Sie sich ?)
Für
Jahr(en) und
Monat(en)
□die erste Heirat □Geschieden/die zweite Heirat
Für den Partner
□die erste Nichteheliche Gemeinschaft
□die Nichteheliche Gemeinschaft
□die andere
Erwerbssituation des Partners
Wie lange sind Sie verheiratet oder leben Sie zusammen?
Vor der Heirat /
Zusammen Leben
Nach der Heirat /
Zusammen Leben
Nach dem Geburt
des 1 Kindes
Nach dem Geburt
des 2 Kindes
□Ganztagarbeit □Halbtagarbeit □nicht
□arbeitlos □ Selbstst ändige Arbeit
□Ganztagarbeit □Halbtagarbeit □nicht
□arbeitlos □ Selbstst ändige Arbeit
□Ganztagarbeit □Halbtagarbeit □nicht
□arbeitlos □ Selbstst ändige Arbeit
□Ganztagarbeit □Halbtagarbeit □nicht
□arbeitlos □ Selbstst ändige Arbeit
□Ganztagarbeit □Halbtagarbeit □nicht
□arbeitlos □ Selbstst ändige Arbeit
□Ganztagarbeit □Halbtagarbeit □nicht
□arbeitlos □ Selbstst ändige Arbeit
□Ganztagarbeit □Halbtagarbeit □nicht
□arbeitlos □ Selbstst ändige Arbeit
□Ganztagarbeit □Halbtagarbeit □nicht
□arbeitlos
□ Selbstst ändige Arbeit
arbeitt ätig
arbeitt ätig
arbeitt ätig
arbeitt ätig
Für
Jahr(en) und
Monat(en)
□die erste Heirat □Geschieden/die zweite Heirat
Für die
□die erste Nichteheliche Gemeinschaft
Partnerin
□die Nichteheliche Gemeinschaft
□die andere
Erwerbssituation der Partnerin
arbeitt ätig
arbeitt ätig
arbeitt ätig
arbeitt ätig
(3) Ihre Famileneikommen, Stuerzahlung und Ausgaben
● Bruttoeinkommen
jährlich
aus nichtselbststätige Arbeit
aus selbsttätige
Arbeit
aus
Vermögen
Kindergeld
Mutterschafts/Eltern-Urlaubsgeld
Familenfreibeitrag
Kinderfreibeitrag
andere Übertragung
vom Staat
insgesamt
Partner
Partnerin
● Steurliche Freibeträge
jährlich
Grundfreibeitrag
Sozialversicherungsfreibeitrag
Ehepartnerfreibeitrag
Erziehungsfreibeitrag
sonstige
freibeitrag
insgesamt
Partner
Partnerin
● Stuerzahlung und Sozialversicherungskosten
jährlich
Einkommenssteur
Vermögenssteur
Pflichtbeiträge
zur
Sozialversicherung
Zahlung für PrivatVersicherung
sonstige
insgesamt
Partner
Partnerin
● Monatliche Ausgaben
Nahrung Bekleidung
Wohnungsmieten
s-mittel
und Energie
AutoVerkehrskosten
ErziehungsKosten
sonstige
insgesammt
Was für Ausgaben sind belastend
bei Ihr Haushalt ?
(4) Ihre Wohnsituation
Wohnungstyp
□ Haus □ flat □ Wohnung
□ sonst ( )
Eigentums- oder Miet- ?
□ Eigentum- (□ ohne Darlehen □ mit Darlehen )
□ Miet- ( freifinaziertte-) □ Miet- ( öffentlich finaziertte-)
□ sonst ( )
Räume( Schlafzimmer,
Anzahl des Räume
Umgebung
Bade zimmer,
Kinderzimmer )
□ in einer Großstadt □ in einer Mittelstadt □ in einer Kleinstadt □ in eim Dorf
□ sonst ( )
II. Fragen zu den familien-politischen Maßnahmen
(1) Kindergeld/ Kinder-freibeträge
● Kennen Sie sich im Familienlastenausgleichessystem ( z.B. Kindergeld, Kinder-freibeträge) aus ?
□ sehr gut, auch die Veränderung des Systems □ so gut wie ausreichend für eigenes Familien Leben
□ nicht so gut □ kaum
● Wann haben Sie das System zur Kenntniss genommen ?
□ Vor der Heirat/vor dem Zusammenleben □ Nach der Heirat/vor dem Zusammenleben □ Nach dem Kinderwünsch
□ Nach dem Geburt des 1 Kindes □ Nach dem Geburt des 2 Kindes □ Nach der Veränderung der ökonimischen Lage
□ noch nicht
● Was könnte bei Ihrem Familienleben vorkommen, wenn dieses System nicht exisitiert würde ?
□ Es wäre unmöglich, Kinder zu ernähren
□ Es wäre schwerig, gegenwuartiges Lebensniveau zu erhalten
□ Es würde bestimmte Veränderung geben, aber kein ersthaftlichen Einflüß □ Es würde nichts verändern.
● Wie finden Sie das gegenwärtige System( z.B. Kindergeld, Kinder-freibeträge) ? ( Mehrfach Ankreuzung möglich!)
□ sehr gut
□ ausreichend □ die Höhe ist nicht ausreichend □ ungleich □ zu kompliziert zu verstehen
□ viele Formularen zu erfullen
□ sonst (
)
(2) Mutterschafts-/Eltern-Urlaub
● auf Partnerin : Haben Sie schon mal Mutterschafts-Urlaub genommen ?
Für das 1 Kind □ Ja :vor dem Geburt ( ) Monaten: nach dem Geburt ( ) Monaten:Urlaubgeld (□ Ja □ Nein )
□ Nein ( Grund : )
Für das 2 Kind □ Ja :vor dem Geburt ( ) Monaten: nach dem Geburt ( ) Monaten:Urlaubgeld (□ Ja □ Nein )
□ Nein ( Grund : )
● auf Partnerin : Haben Sie schon mal Eltern-Urlaub genommen ?
Für das 1 Kind □ Ja :vor dem Geburt ( ) Monaten: nach dem Geburt ( ) Monaten:Urlaubgeld (□ Ja □ Nein )
□ Nein ( Grund : )
Für das 2 Kind □ Ja :vor dem Geburt ( ) Monaten: nach dem Geburt ( ) Monaten:Urlaubgeld (□ Ja □ Nein )
□ Nein ( Grund : )
● auf Partnerin : Wie finden Sie das System ?
□ sehr gut
□ ausreichend □ nicht ausreichend (□ Gesamtdauer □ Höhe des Geldes □ andres ) □ sonst
● auf Partner : Haben Sie schon mal Vatherschafts-Urlaub genommen ?
Für das 1 Kind □ Ja :vor dem Geburt ( ) Monaten: nach dem Geburt ( ) Monaten:Urlaubgeld (□ Ja □ Nein )
□ Nein ( Grund : )
Für das 2 Kind □ Ja :vor dem Geburt ( ) Monaten: nach dem Geburt ( ) Monaten:Urlaubgeld (□ Ja □ Nein )
□ Nein ( Grund : )
● auf Partner : Haben Sie schon mal Eltern-Urlaub genommen ?
Für das 1 Kind □ Ja :vor dem Geburt ( ) Monaten: nach dem Geburt ( ) Monaten:Urlaubgeld (□ Ja □ Nein )
□ Nein ( Grund : )
Für das 2 Kind □ Ja :vor dem Geburt ( ) Monaten: nach dem Geburt ( ) Monaten:Urlaubgeld (□ Ja □ Nein )
□ Nein ( Grund : )
● auf Partner : Wie finden Sie das System ?
□ sehr gut
□ ausreichend □ nicht ausreichend (□ Gesamtdauer □ Höhe des Geldes □ andres ) □ sonst
(3) Kinderkrippe/Tagesstätte/ Tagesmutter
● Haben Sie bisher außerfamilien Kinderbetreugsmöglikeit(z.B. Kinderkrippe/Tagesstätte/ Tagesmutter ) benützt ?
Für das 1 Kind □ Ja : Wenn :□ 0-1 Jahre Alt □ 2-3Jahre Alt □ 3-5 Jahre Alt □ Schul Jahre Alt bis 12
Welche :□ Kinderkrippe □ Tagesmutter □ Baby Sitter □ sonst
Wie finden Sie die Möglichkeit? :□ sehr schwer □ nicht so einfach □ leicht □ sonst
Wie sind die Kosten :□ sehr tuer □ nicht billig □ mäßig
□ frei
□ sonst
□ Nein ( Grund : )
Für das 2 Kind □ Ja : Wenn :□ 0-1 Jahre Alt □ 2-3Jahre Alt □ 3-5 Jahre Alt □ Schul Jahre Alt
Welche :□ Kinderkrippe □ Tagesmutter □ Baby Sitter □ sonst
Wie finden Sie die Möglichkeit? :□ sehr schwer □ nicht so einfach □ leicht □ sonst
Wie sind die Kosten :□ sehr tuer □ nicht billig □ mäßig
□ Nein ( Grund : □ frei
□ sonst
)
● Wann haben Sie diese Möglichkeit angedacht?
□ Vor der Heirat/vor dem Zusammenleben □ Nach der Heirat/vor dem Zusammenleben □ Nach dem Kinderwunsch
□ Nach dem Geburt des 1 Kindes □ Nach dem Geburt des 2 Kindes □ Nachdem wir Problem mit Arbeit bekamen
□ noch nicht
III. Fragen zu Ihrem Lebensstil
● auf Partnerin: Warum haben Sie Ihren Partner geheiratet oder angefangen mit Ihm zusammenzuwohnen ?
( Mehrfach Ankreuzung möglich!)
□ als ganz natürliches Prozeß □ wegen Kinderwunsch
□ weil ich das Zusamenleben für sehr ökonomisch gefunden habe
□ sonst ( )
● auf Partner: Warum haben Sie Ihre Partnerin geheiratet oder angefangen mit Ihm zusammenzuwohnen ?
( Mehrfach Ankreuzung möglich!)
□ als ganz naturliches Prozeß □ wegen Kinderwunsch
□ weil ich das Zusamenleben für sehr ökonomisch gefunden habe
□ sonst ( )
● auf Partner: Wo sind Sie beim Geburt ihrer Kinder ?
Für das 1 Kind □ im Kreißsaal □ im Krankenhaus □ im Arbeitsplatz □ sonst
Für das 2 Kind
□ im Kreißsaal □ im Krankenhaus □ im Arbeitsplatz □ sonst
● Wer betreut meistens Ihre Kinder ?
□ Beide Partner
□ Großeltern
□ Partnerin aber Partner ist auch activ □ überwiegend Partnerin
□ sonst(
)
● Wer macht am Meistens die Hausarbeit ?
□ Beide Partner
□ Großeltern
□ Partnerin aber Partner ist auch activ □ überwiegend Partnerin
□ sonst(
)
● Wie teilen Sie die Haushaltsausgaben ?
□ Teilen nur gemeinsame Lebenskosten in beiden □ Partner gibt der Partnerin die Lebenskosten für die ganze Familie
□ Partnerin gibt dem Partnern die Lebenskosten für ganze Familie
□ Alles in einem Eintopf
□ sonst(
Vielen Dank für Ihre Teilnhame an der Befragung !
)
Sendem Sie bitte diese Fragebogen mit beigelegten Umschalg nach !