苅田港松山地区土砂処分場公有水面埋立事業 環境影響評価方法書 要約書 平成 27 年 12 月 国土交通省 九州地方整備局 目 次 第 1 章 事業者の名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地 ···················· 1-1 1.1 事業者の名称 .......................................................... 1-1 1.2 代表者の氏名 .......................................................... 1-1 1.3 主たる事務所の所在地................................................... 1-1 第 2 章 対象事業の目的及び内容················································ 2-1 2.1 対象事業の名称及び種類................................................. 2-1 2.2 対象事業の目的 ........................................................ 2-1 2.3 対象事業の内容 ........................................................ 2-2 2.3.1 対象事業の種類..................................................... 2-2 2.3.2 対象埋立事業実施区域及び埋立区域の位置 ............................. 2-2 2.3.3 対象埋立事業の規模................................................. 2-2 2.4 対象事業の必要性....................................................... 2-3 2.4.1 苅田港の現況....................................................... 2-3 2.4.2 苅田港の港湾整備................................................... 2-9 2.4.3 土砂処分計画の概要................................................ 2-10 2.4.4 土砂処分計画の決定経緯............................................ 2-11 2.4.5 土砂処分計画のまとめ.............................................. 2-14 2.5 対象埋立事業の工事計画の概要.......................................... 2-16 2.5.1 工事工程 ......................................................... 2-16 2.5.2 護岸の工事........................................................ 2-16 2.5.3 埋立ての工事...................................................... 2-19 2.5.4 環境保全措置...................................................... 2-24 第 3 章 対象事業実施区域及びその周囲の概況 ···································· 3-1 第 4 章 計画段階配慮に関する内容·············································· 4-1 4.1 複数案の設定 .......................................................... 4-2 4.1.1 複数案の設定....................................................... 4-3 4.2 計画段階配慮事項の選定................................................. 4-4 4.2.1 計画段階配慮事項の選定............................................. 4-4 4.2.2 調査、予測及び評価の手法の選定 .................................... 4-11 4.3 計画段階配慮事項に係る調査、予測及び評価の結果 ........................ 4-14 4.3.1 水質 ............................................................. 4-14 4.3.2 地形及び地質...................................................... 4-58 4.3.3 植物 ............................................................. 4-76 4.3.4 動物 ............................................................. 4-92 4.3.5 生態系 .......................................................... 4-136 4.3.6 評価の一覧....................................................... 4-148 4.4 配慮書に対する意見の概要と事業者の見解 ............................... 4-149 4.4.1 配慮書の公告及び縦覧............................................. 4-149 4.4.2 県知事の意見と事業者の見解....................................... 4-150 4.4.3 関係市町の意見と事業者の見解 ..................................... 4-152 4.4.4 一般意見と事業者の見解........................................... 4-153 4.5 環境の保全の配慮に係る検討の経緯及びその内容 ......................... 4-154 4.5.1 事業計画の決定................................................... 4-154 4.5.2 環境影響評価の手続き............................................. 4-169 第 5 章 環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法 ······················ 5-1 5.1 環境影響評価の項目の選定............................................... 5-1 5.1.1 環境影響評価の項目................................................. 5-1 5.1.2 環境影響評価の項目の選定理由 ....................................... 5-3 5.2 調査及び予測の手法..................................................... 5-8 5.2.1 大気質 ............................................................ 5-8 5.2.2 騒音 ............................................................. 5-18 5.2.3 振動 ............................................................. 5-23 5.2.4 水質 ............................................................. 5-28 5.2.5 地形及び地質...................................................... 5-61 5.2.6 動物 ............................................................. 5-67 5.2.7 植物 ............................................................. 5-81 5.2.8 生態系 ........................................................... 5-91 5.2.9 景観 ............................................................. 5-93 5.2.10 人と自然との触れ合いの活動の場 ................................... 5-96 5.2.11 廃棄物等......................................................... 5-99 5.3 評価の手法 .......................................................... 5-100 第1章 事業者の名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地 1.1 事業者の名称 国土交通省 九州地方整備局 1.2 代表者の氏名 国土交通省 九州地方整備局長 鈴木 弘之 1.3 主たる事務所の所在地 国土交通省 九州地方整備局 〒812-0013 福岡県福岡市博多区博多駅東二丁目 10 番 7 号 092-471-6331(代表) 1-1 第2章 対象事業の目的及び内容 2.1 対象事業の名称及び種類 対象事業の名称:苅田港松山地区土砂処分場公有水面埋立事業 対象事業の種類:公有水面の埋立て 2.2 対象事業の目的 苅田港においては、石炭等の需要増加や船舶の大型化に伴い、港湾機能の拡充や船舶 の大型化など物流の効率化を図ることを目的とした事業を実施しており、 水深 13m 岸壁、 航路、航路泊地及び防波堤等を整備している状況である。 苅田港の航路等整備事業で発生する浚渫土砂は、現在、 「新松山地区ふ頭用地等」に埋 立てを行っているが、本用地の利用面や環境上の問題が発生したため、土砂の処分先の 確保が必要となった。 このため、苅田港の航路等整備事業に伴い発生する浚渫土砂を処分するため、土砂処 分場の整備を行うものである。 図 2.2-1 苅田港の状況 2-1 2.3 対象事業の内容 2.3.1 対象事業の種類 公有水面の埋立て 2.3.2 対象埋立事業実施区域及び埋立区域の位置 福岡県京都郡苅田町鳥越町地先海域(重要港湾 苅田港 港湾区域内)である。 事業実施区域及び埋立区域の位置は、図 2.3-1 に示すとおりである。 2.3.3 対象埋立事業の規模 公有水面の埋立て:埋立区域の面積 約 45ha 図 2.3-1 事業実施区域及び埋立区域の位置 2-2 2.4 対象事業の必要性 2.4.1 苅田港の現況 苅田港は、福岡県北東部に位置する重要港湾で石炭の積出港として築港され、昭和 26 年の重要港湾指定、昭和 43 年の貿易港としての開港、さらに昭和 44 年に木材輸入 港としての指定などを受けて急速に港勢を伸ばしてきた。本港の背後には、昭和 30 年 の電力会社をはじめとしてセメント関連企業、木材関連企業、及び、自動車関連企業 などが相次いで進出し、臨海工業地帯を形成している。 一方、苅田港沖において北九州空港が平成 18 年 3 月に開港、また、東九州自動車道 苅田北九州空港ICが供用開始されるなど、陸海空の結節点として苅田港の役割はま すます大きくなるものと期待されている。 2.4.1.1 苅田港の貨物取扱状況 苅田港は、九州地方の市町村で第 3 位の製造品出荷額等を持つ福岡県京都郡苅田 町に位置し、背後の自動車、セメント、電力関連企業の産業活動を支える物流拠点 として、重要な役割を果たしている(図 2.4-1 参照) 。 苅田港の貨物取扱量は、リーマンショック直後の平成 21 年に一時的に落ち込むも のの、以後は堅調に伸び、平成 26 年には取扱量 3,518 万トンを記録している(図 2.4-2 参照) 。 このうち、自動車、セメント、電力関連企業の貨物取扱量(平成 26 年)は、外貿 貨物取扱量 722 万トンのうち約 9 割(679 万トン) 、内貿貨物取扱量の 2,796 万トン のうち約 8 割(2,304 万トン)を占めている(図 2.4-3 参照) 。 大分市 2.90 北九州市 1.98 京都郡苅田町 1.48 宮若市 0.79 中津市 0.60 福岡市 0.57 長崎市 0.49 熊本市 0.37 諫早市 0.36 都城市 0.36 0.0 1.0 2.0 3.0 (兆円) ※出典:「平成 25 年工業統計調査」 (経済産業省) 図 2.4-1 九州地方の都市別製造品出荷額等(平成 25 年) 2-3 (万トン) 4,000 3,500 3,041 2,928 3,000 3,527 3,455 3,290 3,131 3,102 3,518 3,112 2,603 輸出 2,500 輸入 2,000 1,500 1,000 500 1,381 1,315 1,023 572 627 552 551 130 1,365 1,135 1,349 1,061 1,047 169 123 567 430 163 1,224 998 1,141 900 139 132 1,313 1,031 145 1,626 1,182 1,150 643 623 1,635 1,512 移入 計 552 546 149 1,170 移出 170 165 0 平成17年 平成18年 ※出典:「重要港湾 平成19年 平成20年 苅田港要覧 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成 26 年版」(福岡県苅田港務所) 図 2.4-2 苅田港貨物取扱量推移 【輸出】 552 万トン 【輸入】 170 万トン 完成自動車 294万トン 53% 【移出】 1,626 万トン セメント・窯業 品 768万トン 47% 石炭 119万トン 70% ※出典:「重要港湾 その他 4万トン 0.7% 自動車部品 468万トン 40% 完成自動車 89万トン 内貿計 石灰石 8% 2,796 万トン 23万トン うち□:2,304 万トン(82%) 自動車部品 2% 360万トン 非金属鉱物 22% 253万トン 非金属鉱物 22% 石灰石 12万トン 完成自動車88万トン その他 その他 7% 254万トン 5% その他 337万トン 39万トン 16% 29% 155万トン 23% 非金属鉱物 10% 2万トン 0.2% □:自動車、セメント、電力企業関連貨物 外貿計 722 万トン うち□:679 万トン(94%) セメント・窯業 品 254万トン 46% 【移入】 1,170 万トン 苅田港要覧 平成 26 年版」(福岡県苅田港務所) 図 2.4-3 苅田港貨物取扱量 2-4 2.4.1.2 自動車関連企業 北部九州には、自動車生産工場が立地しており、生産能力は 154 万台に上る。こ のうち、苅田港の臨海部に立地する自動車生産工場は、北部九州における自動車生 産能力の約 42%にあたる 65 万台の生産能力を有している(図 2.4-4 参照) 。 また、京築地域には、自動車生産を支える部品メーカー等の関連企業が数多く立 地している等、苅田港の背後地は北部九州における自動車生産の拠点となっている。 A 自動車メーカー ※変速機等部品生産 A 自動車メーカー ※エンジン生産 生産能力:22 万基 B自動車メーカー 生産能力:53 万台 B自動車メーカ 生産能力:12 万台 ※生産能力は北部九州自動車産業アジア先進拠点プロジェクト(福岡県 HP)を参照 図 2.4-4 自動車関連企業の立地状況 (万台) (%) 200 16 120 100 80 60 40 14.2 12.9 対全国シェア(乗用車) 160 140 16.5 北部九州生産台数 180 142 131 11.2 11.2 10.0 10.3 113 9.6 109 9.0 101 96 99 7.9 7.7 91 7.5 7.6 7.2 7.4 6.9 82 80 6.3 64 67 5.4 5.1 61 60 59 57 57 51 44 40 14 12 10 8 6 4 2 20 0 平成 17.3 18 0 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 ※出典:「北部九州自動車産業アジア先進拠点プロジェクト」 (福岡県 HP) 図 2.4-5 北部九州自動車生産の推移 2-5 22 23 24 (年度) 7,506 全国計 名古屋港 横浜港 三河港 川崎港 三田尻中関港 広島港 苅田港 神戸港 博多港 千葉港 その他 (万トン) 2,835 1,074 934 475 370 333 307 280 147 117 634 0 2,000 4,000 ※出典:「港湾統計年報」 (国土交通省 6,000 8,000 平成 25 年) 図 2.4-6 国内港湾における完成自動車の取扱量(輸出) 遠賀郡 宗像市 11 中間市 北九州市 5 4 福津市 74 鞍手郡 1 20 直方市 古賀市 33 5 宮若市 田川郡 31 3 糸島市 5 福岡市 31 飯塚市 19 嘉穂郡 1 糟屋郡 20 田川市 8 苅田港 京都郡 60 行橋市 25 春日市 2 筑紫野市 嘉麻市 筑紫郡 大野城市 2 9 朝倉郡 3 4 朝倉市 小郡市 3 9 2 三井郡 5 うきは市 久留米市 3 24 八女郡 大川市 3 1 三潴郡 八女市 筑後市 1 3 2 柳川市 5 みやま市 1 大牟田市 11 築上郡 13 豊前市 13 ※数字は事業所数を示す。 ※出典:「北部九州自動車産業アジア先進拠点プロジェクト」 (福岡県 HP) 図 2.4-7 福岡県内自動車関連企業立地状況(平成 25 年 10 月現在) 2-6 2.4.1.3 セメント関連企業 苅田港の背後には日本三大カルスト台地の平尾台があり、産出される石灰石を原 料にセメントを生産する工場が古くから臨海部に立地している(図 2.4-8 参照) 。 現在、臨海部に立地しているセメント工場は、クリンカ※1 生産能力約 910 万t/年 (3 工場合計)を有し、全国のセメント工場のクリンカ総生産能力約 5,495 万t/年 の約 17%を占めている。また、生産されたセメント製品等は、苅田港より国内外へ出 荷され、苅田港におけるセメント・窯業品※2 の取扱量は、輸出量、移出量ともに国 内第 1 位である(図 2.4-9 参照) 。 ※1.クリンカ:セメントの中間製品 ※2.窯業品:れんが、セメント製品、コンクリート製品、石灰製品 ※出典:生産能力(平成 25 年 4 月 1 日現在)は一般社団法人セメント協会 HP を参照 A セメント 662 万トン/年 ベルトコンベア A セメント 採石場 貯蔵サイロ B セメント 90 万トン/年 貯蔵サイロ C セメント 157 万トン/年 ベルトコンベア C セメント 採石場 図 2.4-8 セメント関連企業の立地状況 輸出量 全国計 苅田港 宇部港 津久見港 須崎港 函館港 徳山下松港 木更津港 姫川港 松浦港 橘港 その他 移出量 1,097 233 207 163 92 61 54 51 47 28 26 134 0 500 1,000 全国計 苅田港 宇部港 徳山下松港 函館港 津久見港 赤穂 須崎港 北九州港 大船渡港 四日市港 その他 1,500 (万トン) 778 387 350 334 316 292 255 157 149 137 819 0 2,000 3,973 4,000 6,000 (万トン) ※出典:「港湾統計年報」 (国土交通省 平成 25 年) 図 2.4-9 国内港湾におけるセメント・窯業品の取扱量(輸出・移出) 2-7 2.4.1.4 電力企業 苅田港臨港地区に立地する電力会社は、世界最大規模の石炭を燃料とする加圧流 動床複合発電(PFBC)※プラントの新 1 号機、及び重油を発電燃料とする新 2 号機の 2 基の発電設備により最大 73.5 万 kw の発電能力を有し、北九州、京築地域の約 24 万世帯及び周辺のセメント、自動車関連などの企業へ電力を供給し、一般市民の生 活や企業の産業活動を支えている(図 2.4-10 参照) 。 ※加圧流動床複合発電方式(PFBC:Pressurized Fluidized Bed Combustion)とは、圧 力容器内に収納した流動床ボイラーから発生した高温・高圧の蒸気により蒸気タービンを回し て発電するとともに、ボイラーの排ガスによりガスタービンを回して発電する方式。高効率、 環境負荷の少ない発電が可能。 電力会社 図 2.4-10 電力企業の立地状況 2-8 2.4.2 苅田港の港湾整備 苅田港においては、石炭等の需要増加及び輸送船舶の大型化に対応するため水深 13 mの岸壁、航路、航路泊地及び防波堤等を整備し、港湾機能を拡充するとともに、物 流の効率化を図ることを目的としている(図 2.4-11 参照) 。 図 2.4-11(1) 苅田港における主な港湾整備事業の実施内容 注)SH は横縮尺、SV は縦縮尺を示す。 図 2.4-11(2) 航路整備のイメージ 2-9 2.4.3 土砂処分計画の概要 2.4.3.1 関門航路、北九州港、苅田港の土砂処分計画の全体像 苅田港で発生する土砂については、苅田港内及び新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)で 処分することとしており、苅田港松山地区土砂処分場と関連する関門航路、北九州 港を含めた土砂処分計画の全体像を以下に示す。 関門航路の-14m化、北九州港新門司航路等の-10m化、苅田港本航路等の-13m化 及び新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)護岸整備に必要な床掘に係る、苅田港松山地区土 砂処分場配慮書手続き開始時点(平成 26 年度時点)の土砂処分計画は以下のとおり である。 苅田港松山地区土砂処分場には、苅田港(主に本航路)より約 370 万 m3 の浚渫土 砂を受け入れる計画である。 ●関門航路(-14m化) 受入場所 3 発生土量 約 2,100 万 m 新門司沖土砂処分場【既設】 受入土量 約 500 万 m3 新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)【他計画】 約 1,600 万 m3 ●北九州港(新門司航路等-10m化) 発生土量 約 840 万 m3 新門司沖土砂処分場【既設】 約 40 万 m3 新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)【他計画】 約 800 万 m3 苅田港新松山地区ふ頭用地等【既設】 約 200 万 m3 苅田港松山地区土砂処分場【本計画】 約 370 万 m3 新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)【他計画】 約 800 万 m3 ●苅田港(本航路等-13m化) 発生土量 約 1,370 万 m3 ●新門司沖土砂処分場(Ⅱ期) (護岸整備に必要な床掘) 発生土量 約 300 万 m3 苅田港新松山地区ふ頭用地等【既設】 図 2.4-12 関門航路、北九州港、苅田港の土砂処分場 2-10 約 300 万 m3 2.4.4 土砂処分計画の決定経緯 2.4.4.1 当初の土砂処分計画 苅田港の整備で発生する浚渫土砂は、配慮書手続き以前の段階では、今後(平成 26 年度以降)約 1,260 万m3 を見込んでおり、以下の検討を踏まえ、土砂処分の計画 を策定した。 (1) 海面の埋立てによらない方法の検討 先ずは、土砂処分を行うにあたっては、海面の埋立てによらない方法として以下 の検討を行った。 1) 深掘部への埋め戻しや、海底への覆砂(シーブルー事業等)への有効活用 苅田港周辺海域には、深掘部への埋め戻しの適地はない。また、水質や底質の環 境を改善(海底に溜まったヘドロ状の汚泥の上に、良質の砂を覆うことで汚泥から 有機物の溶出を低減)を目的とした覆砂への活用に関しては、苅田港の浚渫工事等 で発生する浚渫土砂のほとんどが泥質土砂であるため、覆砂の活用土砂としては適 切でない。 2) 人工海浜・干潟等の造成などへの有効活用 苅田港周辺海域では、すでに曽根干潟や蓑島干潟などが存在しており、新たに人 工海浜・干潟等を整備する適地が存在せず、本事業で発生する浚渫土砂の有効活用 は困難である。 3) 浚渫土砂の陸域処理 陸域での処分に関しては、民間事業者が他事業で発生する土砂も受け入れる形で 処分場を運営しており、苅田港で発生する土砂に関して計画していた量の処分が困 難となる可能性があり、計画的な土砂処分が担保されないことから、陸域処分場で 処分することは適切ではない。 以上の検討の結果、海面の埋立て以外の対応が困難であり、海面の埋立てによる 方法を採用することとした。 (2) 苅田港内における海面の埋立てによる方法の検討 (1)で検討したように、海面の埋立てによらない方法では処理できないため、苅 田港内における海面の埋立てによる方法の検討を行った。 港湾内で発生する浚渫土砂は当該港湾内で処分するのが一般的である。このため、 苅田港で発生する浚渫土砂について苅田港内で土砂処分することを原則として、土 砂処分方法について検討を行った。苅田港内で浚渫土砂の処分が可能な処分場は、 既に土砂を受け入れ中の新松山地区ふ頭用地等及び港湾計画に位置付けのある松山 2-11 地区の土砂処分場となっており、既に受入を行っている新松山地区ふ頭用地等にお いて、嵩上げも含め優先的に対応することとして、苅田港内で全て処分することと した。 すなわち、配慮書手続き以前の段階で見込んでいた、苅田港内で発生する約 1,260 万m3 について、先ずは、新松山地区ふ頭用地等で約 500 万m3 を埋立処分し、次に、 その土砂処分場を嵩上げ築堤により容量を拡大し約 500 万m3 を受け入れることとし た。さらに、残る約 260 万m3 を苅田港松山地区土砂処分場において埋立免許を取得 した後、処分することとした。 2.4.4.2 当初からの状況の変化 配慮書手続きにあたり、苅田港本航路にて、最新の深浅測量により精査したとこ ろ、当初見込みより浚渫により発生する土砂が約 110 万m3 増加することが判明し、 苅田港で発生する浚渫土砂は、約 1,260 万m3 から約 1,370 万m3 と増加することとな った。 また、苅田港新松山地区ふ頭用地等において、約 500 万m3 を嵩上げ築堤により対 応することとしていたが、①近隣に工場等の立地が進み土砂を盛土すると強風などに よる粉塵の発生を懸念する声があること、②企業進出による土地分譲要請が急速に進 む、などの状況変化があり、地域への企業進出による経済効果、雇用創出等の重要性 を踏まえ、港湾管理者と調整し、嵩上げ築堤による処分を行わない方針とした。 これにより、増加した約 110 万m3 とあわせて合計約 610 万m3 の処分先を新たに確 保する必要が生じた。 2.4.4.3 土砂処分計画の見直し (1) 苅田港内での土砂処分先確保の検討 当初からの状況変化により新たに処分先の確保が必要となる約 610 万m3 の発生土 砂について、苅田港内で処分することを原則として検討したところ、従前の苅田港 港湾計画に位置付けられていた松山地区土砂処分場を、隣接する水面貯木場まで拡 大することで港湾管理者と調整が整い、松山地区での処分量を当初計画の約 260 万 m3 から約 370 万m3 に変更することとした。これにより、約 610 万m3 の発生土砂の うち、苅田港内で約 110 万m3 の処分が可能となった。 (2) 周辺海域にある他の土砂処分場も含めた検討 残る約 500 万m3 の処分について、苅田港内での海面での処分を検討したが、水深 が浅く処分地の面積が広大となり、環境に与える影響も大きくなる。このため、周 辺海域にある他の土砂処分場も含め検討することとした。 周辺海域で苅田港の土砂が受入可能な土砂処分場の候補としては、環境影響評価 手続き中である新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)のみであり、残る約 500 万m3 の苅田港 での発生土砂の処分について、新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)及び苅田港内での土砂 2-12 処分について検討したところ、新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)は苅田港内での海面処 分に比べ、水深が深く海面消失面積を小さくでき、環境に与える影響も少ないこと から、残り約 500 万m3 を新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)に処分することとした。 (3) 新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)護岸整備におけるコスト縮減による土砂処分量の増加 新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)の護岸整備に関して、①床掘置換工法、②砂杭打設 工法について整備費用を検討した。 床掘置換工法は、床掘で発生する土砂約 300 万m3 を新松山地区ふ頭用地等にて受 け入れ、その振り替え分約 300 万m3 の苅田港浚渫土砂を新門司沖土砂処分場(Ⅱ期) で処分するものであり、一方、砂杭打設工法は、床掘しないため新たな土砂が発生 しないものである。 検討の結果、床掘置換工法については面積が約 20ha 拡大するものの、砂杭打設工 法に比しコスト的に有利となることから、床掘置換工法を採用することとした。 2-13 2.4.5 土砂処分計画のまとめ 土砂処分計画変更の理由をまとめると、以下のとおりとなる。 ・苅田港本航路の最新の深浅測量による浚渫土量の増加(2.4.4.2) ・苅田港新松山地区ふ頭用地等の土地利用需要の顕在化による嵩上げの取り止め (2.4.4.2) ・新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)の整備コスト縮減のための工法・土捨場所確定によ る発生土砂(2.4.4.3(3)) なお、発生浚渫土量と受入容量の変化は、表 2.4-1 のとおりで、新門司沖土砂処分 場(Ⅱ期)の整備拡大の見直し後の計画に対する浚渫土砂発生場所別受入容量は、表 2.4-2 のとおりである。 表 2.4-1 発生浚渫土量と受入容量の変化 [単位 : 万m3] 項 苅田港の本航路等の-13m 化 発生 浚渫 土量 受入 容量 差分 見直し後 (見直し の計画 −当初) 当初 計画 目 1,260 1,370 +110 新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)護岸 整備に必要な床掘 - 300 +300 計① 苅田港新松山地区ふ頭用地等(埋立) 1,260 500 1,670 500 +410 ±0 500 0 −500 260 370 +110 1,260 870 −390 ±0 -800 −800 〃 (嵩上げ) 苅田港松山地区土砂処分場 計② 土量バランス (計②−計①) 備考 最新の深浅測量による苅田港本 航路浚渫土量の増加 新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)の 整備コスト縮減のための工法・ 土捨場所確定による発生土砂 410 万m3 の増加 − 土地利用需要の顕在化による嵩 上げの取り止め 埋立面積拡大による受入容量の 拡大 390 万m3 の減少 800 万m3 の受入容量の不足 (※新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)にて受入) 表 2.4-2 新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)の整備拡大の見直し後の計画に対する 浚渫土砂発生場所別受入容量 [単位 : 万m3] 浚渫土砂発生場所 苅田港の本航路 新門司沖土砂処分場(Ⅱ期) 等の-13m化 護岸整備に必要な床掘 苅田港新松山地区ふ頭用地等(埋立) 200 300 500 苅田港松山地区土砂処分場 370 − 370 新門司沖土砂処分場(Ⅱ期) 800 − 800 1,370 300 1,670 受入場所 計 計 苅田港の浚渫土砂は、前述の経緯を踏まえ、苅田港新松山地区ふ頭用地等、苅田港 松山地区土砂処分場(本計画) 、新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)で段階的に処分する計画 とした。苅田港の整備における土砂処分計画は、表 2.4-3 並びに図 2.4-13 のとおり である。 2-14 表 2.4-3 苅田港の整備における土砂処分計画 【当初計画】 ●苅田港の本航路等の-13m化 [発生土量: 1,260 万m3] 処 分 場 容 ①苅田港新松山地区ふ頭用地等(埋立) (嵩上げ) ②苅田港松山地区土砂処分場 合 量 500 万m3 500 万m3 260 万m3 備 考 苅田港の発生土砂 苅田港の発生土砂 苅田港の発生土砂 1,260 万m3 計 【見直し後の計画】 ●苅田港の本航路等の-13m化 [発生土量:1,370 万m3] 処 分 場 容 量 ①苅田港新松山地区ふ頭用地等(埋立) ②苅田港松山地区土砂処分場 200 万m3 370 万m3 ③新門司沖土砂処分場(Ⅱ期) 800 万m3 合 備 考 苅田港の発生土砂 苅田港の発生土砂 苅田港の発生土砂 (内、300 万m3 は苅田港での 新門司沖土砂処分場(Ⅱ期) 床掘土砂の先行受入に伴う振 り替え分) 1,370 万m3 計 ●新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)護岸整備に必要な床掘 [発生土量:300 万m3] 処 分 場 容 ①苅田港新松山地区ふ頭用地等(埋立) 合 量 300 万m3 備 300 万m3 計 図 2.4-13 苅田港の整備における土砂処分計画 2-15 考 新門司沖土砂処分場(Ⅱ期) 床掘土砂の先行受入 2.5 対象埋立事業の工事計画の概要 2.5.1 工事工程 対象事業において想定している工事工程は、表 2.5-1 に示すとおりである。 工事は、主に護岸工事と埋立工事からなり、護岸工事は事業開始から約 2 年間、埋 立工事は約 4 年間を計画している。 今後、さらに詳細な検討を行うことから、工事工程は変更となる可能性がある。 表 2.5-1 工事工程 工事区分 工事年次 1 2 3 4 5 6 期間 護岸工事 約 2 年間 埋立工事 約 4 年間 2.5.2 護岸の工事 2.5.2.1 護岸配置及び構造 処分場の外郭施設は、既存の防波堤を改良し、波浪及び高潮、土圧、地震等の作 用に対して安全性が確保され、内部の埋立用材及び保有水が流出しない等の機能を 有する構造とする。 構造検討は、 「港湾の施設の技術上の基準を定める省令」 (平成 19 年 3 月 26 日 国 土交通省令第 15 号 最終改正年月日 平成 25 年 11 月 29 日 国土交通省令第 91 号) に基づいて行う。 護岸配置図及び護岸構造図は、図 2.5-1 及び図 2.5-2 に示すとおりである。 埋立区域 約 45ha 図 2.5-1 護岸配置図 2-16 図 2.5-2(1) 護岸構造図【東護岸:防波堤改良】 (想定) 図 2.5-2(2) 護岸構造図【南護岸:防波堤改良】 (想定) 図 2.5-2(3) 護岸構造図【南護岸:新設】(想定) 2-17 2.5.2.2 資材等の搬出入計画 工事に使用する資材等は、コンクリートブロック等製作工事を除き、全て海上輸 送により搬出・搬入する計画である。 なお、コンクリートブロック等の製作は、図 2.5-3 に示すコンクリートブロック 等製作ヤードにおいて行う計画である。 図 2.5-3 コンクリートブロック等製作ヤードの位置 2-18 2.5.3 埋立ての工事 2.5.3.1 埋立用材 埋立用材は、苅田港の整備に伴い発生する浚渫土砂として約 370 万m3 を計画して いる。 2.5.3.2 埋立方法 浚渫土砂の埋立方法は、浚渫箇所でポンプ浚渫船により浚渫後、排砂管を経て直 接埋立地に投入する方法を計画している(図 2.5-4 参照) 。 浚渫土砂 埋立区域 図 2.5-4 浚渫土砂投入方法のイメージ 2-19 2.5.3.3 埋立用材の受入基準 本事業の埋立用材の受入管理方法は図 2.5-5 に、受入基準は表 2.5-2 に示すとお りである。 本事業の埋立用材である浚渫土砂は、表 2.5-3 に示す「海洋汚染及び海上災害の 防止に関する法律施行令第五条第一項に規定する埋立場所等に排出しようとする金 属等を含む廃棄物に係る判定基準を定める省令」に定められた水底土砂の判定基準 及び表 2.5-4 に示す「ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚 染に係る環境基準について」に定められるダイオキシン類の環境基準に適合したも ののみを受入れる。 また、苅田港本航路の底質性状は、表 2.5-5 に示すとおりであり、投入土砂の受 入基準を満足したものとなっている。 【投入土砂の受入審査方法】 ❑浚渫前に浚渫箇所にて実施した底質調査結果により、受入基準※に適合するかどうかを判定 ※受入基準: 「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令第五条第一項に規定する埋 立場所等に排出しようとする金属等を含む廃棄物に係る判定基準を定める省令」 (昭和 48 年総理府令第 6 号)及び「ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚 濁及び土壌の汚染に係る環境基準について」(平成 11 年 12 月 27 日環境庁告示第 68 号) ❑受入基準に適合 :浚渫を実施し、土砂処分場で受入れる ❑受入基準に不適合:浚渫の可否、浄化・無害化を検討し、無害化後の試験結果が、受入基準に 適合する場合、土砂処分場で受入れる 底質調査実施 水底土砂判定基準※1 及びダイオキシン類 環境基準※2 の確認 非適合 ※1「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施 行令第五条第一項に規定する埋立場所等に排出し ようとする金属等を含む廃棄物に係る判定基準を 定める省令」 (昭和 48 年総理府令第 6 号) ※2「ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁 及び土壌の汚染に係る環境基準について」 (平成 11 年 12 月 27 日環境庁告示第 68 号) 浚渫の可否、 浄化・無害化検討 適合 不可能 可能 浚渫実施 浚渫、浄化・ 無害化実施 対応策、 最終処分地検討 処分場受入れ 図 2.5-5 投入土砂の受入管理方法 2-20 表 2.5-2 投入土砂の受入基準 区 分 有害物質の 分 析 項 目 浚渫土砂 「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令第五条第一項に規定する埋立場所等 に排出しようとする金属等を含む廃棄物に係る判定基準を定める省令」に定められた水 底土砂の判定基準項目並びに「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づく水底の底質の 環境基準項目:(基準値は表 2.5-3 及び表 2.5-4 参照) アルキル水銀化合物、水銀又はその化合物、カドミウム又はその化合物、鉛又はその化合物、 有機りん化合物、六価クロム化合物、ひ素又はその化合物、シアン化合物、 ポリ塩化ビフェニル、銅又はその化合物、亜鉛又はその化合物、ふっ化物、 トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベリリウム又はその化合物、 クロム又はその化合物、ニッケル又はその化合物、バナジウム又はその化合物、 有機塩素化合物、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、 1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、 1,1,2-トリクロロエタン、1,3-ジクロロプロペン、チウラム、シマジン、 チオベンカルブ、ベンゼン、セレン又はその化合物、1,4-ジオキサン、 ダイオキシン類(含有量試験・溶出試験) 調査方法 事前に浚渫予定場所より試料を採取し、公定法により室内分析を行う。 表 2.5-3 水底土砂に係る判定基準 最終改正 項 目 アルキル水銀化合物 水銀又はその化合物 カドミウム又はその化合物 鉛又はその化合物 有機りん化合物 六価クロム化合物 ひ素又はその化合物 シアン化合物 ポリ塩化ビフェニル 銅又はその化合物 亜鉛又はその化合物 ふっ化物 トリクロロエチレン テトラクロロエチレン ベリリウム又はその化合物 クロム又はその化合物 ニッケル又はその化合物 バナジウム又はその化合物 有機塩素化合物 ジクロロメタン 四塩化炭素 1,2-ジクロロエタン 1,1-ジクロロエチレン シス-1,2-ジクロロエチレン 1,1,1-トリクロロエタン 1,1,2-トリクロロエタン 1,3-ジクロロプロペン チウラム シマジン チオベンカルブ ベンゼン セレン又はその化合物 1,4-ジオキサン ダイオキシン類 (昭和 48 年 2 月 17 日 総理府令第 6 号 平成 26 年 5 月 30 日 環境省令第 19 号) 基 準 値 アルキル水銀化合物につき検出されないこと。 検液 1L につき水銀 0.005mg以下 検液 1L につきカドミウム 0.1mg以下 検液 1L につき鉛 0.1mg以下 検液 1L につき有機りん化合物 1mg以下 検液 1L につき六価クロム 0.5mg以下 検液 1L につきひ素 0.1mg以下 検液 1L につきシアン 1mg以下 検液 1L につきポリ塩化ビフェニル 0.003mg以下 検液 1L につき銅 3mg以下 検液 1L につき亜鉛 2mg以下 検液 1L につきふっ素 15mg以下 検液 1L につきトリクロロエチレン0.3mg以下 検液 1L につきテトラクロロエチレン 0.1mg以下 検液 1L につきベリリウム 2.5mg以下 検液 1L につきクロム 2mg以下 検液 1L につきニッケル 1.2mg以下 検液 1L につきバナジウム 1.5mg以下 試料 1kg につき塩素 40mg以下 検液 1L につきジクロロメタン 0.2mg以下 検液 1L につき四塩化炭素 0.02mg以下 検液 1L につき1,2-ジクロロエタン 0.04mg以下 検液 1L につき1,1-ジクロロエチレン 1mg以下 検液 1L につきシス-1,2-ジクロロエチレン0.4mg以下 検液 1L につき1,1,1-トリクロロエタン 3mg以下 検液 1L につき1,1,2-トリクロロエタン 0.06mg以下 検液 1L につき1,3-ジクロロプロペン 0.02mg以下 検液 1L につきチウラム 0.06mg以下 検液 1L につきシマジン 0.03mg以下 検液 1L につきチオベンカルブ 0.2mg以下 検液 1L につきベンゼン 0.1mg以下 検液 1L につきセレン 0.1mg以下 検液 1L につき1,4-ジオキサン 0.5mg以下 検液 1L につきダイオキシン類 10pg-TEQ以下 2-21 表 2.5-4 ダイオキシン類に係る環境基準 (ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染に係る 環境基準について 平成 11 年 12 月 27 日 環境庁告示第 68 号 最終改正 平成 21 年 3 月 31 日 環境省告示第 11 号) 項 目 基 準 値 ダイオキシン類 150pg-TEQ/g以下 表 2.5-5(1) 投入土砂の底質性状(水底土砂判定基準項目) 項 目 単 位 アルキル水銀化合物 mg/L 水銀又はその化合物 mg/L カドミウム又はその化合物 mg/L 鉛又はその化合物 mg/L 有機りん化合物 mg/L 六価クロム化合物 mg/L ヒ素又はその化合物 mg/L シアン化合物 mg/L ポリ塩化ビフェニル mg/L 銅又はその化合物 mg/L 亜鉛又はその化合物 mg/L ふっ化物 mg/L トリクロロエチレン mg/L テトラクロロエチレン mg/L ベリリウム又はその化合物 mg/L クロム又はその化合物 mg/L ニッケル又はその化合物 mg/L バナジウム又はその化合物 mg/L 有機塩素化合物 mg/kg ジクロロメタン mg/L 四塩化炭素 mg/L 1,2-ジクロロエタン mg/L 1,1-ジクロロエチレン mg/L シス-1,2-ジクロロエチレン mg/L 1,1,1-トリクロロエタン mg/L 1,1,2-トリクロロエタン mg/L 1,3-ジクロロプロペン mg/L チウラム mg/L シマジン mg/L チオベンカルブ mg/L ベンゼン mg/L セレン又はその化合物 mg/L 1,4-ジオキサン mg/L ダイオキシン類 pg-TEQ/L 注)N.D.は定量下限値未満を示す。 苅田港本航路 ② N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. ― 0.0047 ① N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. ― 0.0072 ③ N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. 0.36 水底土砂に係る 判定基準 検出されないこと 0.005以下 0.1以下 0.1以下 1以下 0.5以下 0.1以下 1以下 0.003以下 3以下 2以下 15以下 0.3以下 0.1以下 2.5以下 2以下 1.2以下 1.5以下 40以下 0.2以下 0.02以下 0.04以下 1以下 0.4以下 3以下 0.06以下 0.02以下 0.06以下 0.03以下 0.2以下 0.1以下 0.1以下 0.5以下 10以下 表 2.5-5(2) 投入土砂の底質性状(環境基準項目) 項 目 ダイオキシン類 単 位 pg-TEQ/g ① 12 苅田港本航路 ② 14 2-22 ③ 8.4 環境基準 150以下 図 2.5-6 調査地点図 2-23 2.5.4 環境保全措置 対象事業の実施においては、表 2.5-6 に示す対策を講じることにより、事業実施区 域及びその周囲の環境保全に努める。 表 2.5-6 対象事業の実施における環境保全措置 工事区分 護岸工事 埋立工事 項目 内容 大気汚染防止 ・工事用車両や建設機械等は、低公害型の使用に努める。 水質汚濁防止 ・汚濁防止膜等を設置し、濁水の拡散低減に努める。 騒音・振動防止 ・建設機械等は、低騒音・低振動型の使用に努める。 大気汚染防止 ・工事用車両や建設機械等は、低公害型の使用に努める。 水質汚濁防止 ・護岸背後に防砂シート、腹付土を施工し、濁水の拡散低 減に努める。 騒音・振動防止 ・建設機械等は、低騒音・低振動型の使用に努める。 2-24 第3章 対象事業実施区域及びその周囲の概況 対象事業実施区域及びその周囲(以下、 「事業実施区域周囲」という)の概況について は、既存の文献又はその他の資料等を用いて整理した(自然的状況の概要:表 3-1、社 会的状況の概要:表 3-2、環境関係法令の地域指定状況等の状況:表 3-3 参照) 。 なお、事業実施区域周囲が隣接する北九州市小倉南区、門司区のうち図 3-1 に示す範 囲についても、併せて整理を行った。 図 3-1 事業実施区域周囲 3-1 表 3-1(1) 自然的状況の概要 項 大気環境 の状況 目 概 気象 大気質 二酸化硫黄 二酸化窒素 光化学オキシダント 浮遊粒子状物質 有害大気汚染物質 微小粒子状物質 ダイオキシン類 降下ばいじん量 騒音 振動 水環境の 状況 水象 潮汐 潮流 平均大潮 期の流況 潮流楕円 恒流 波浪 河川 要 事業実施区域周囲の気候は、概ね瀬戸内海式気候に属して おり、1 年を通じて比較的温暖で、降水量は日本海側や太平洋 地域に比べて少ない。 空港北町地域気象観測所における平成 26 年の年平均気温は 16.2℃、年間降水量は 1563.5mm となっている。 事業実施区域周囲において 2 大気測定局で行われた平成 25 年度の測定では、全測定局とも環境基準を満足している。 事業実施区域周囲において 2 大気測定局で行われた平成 25 年度の測定では、全測定局とも環境基準を満足している。 事業実施区域周囲において 2 大気測定局で行われた平成 25 年度の測定では、全測定局とも環境基準を満足していない。 事業実施区域周囲において 2 大気測定局で行われた平成 25 年度の測定では、全測定局とも環境基準を満足している。 事業実施区域周囲において有害大気汚染物質の測定は実施 されていない。 事業実施区域周囲において 1 大気測定局(有効日数が 250 日を満たす測定局)で行われた平成 25 年度の測定では、環境 基準を満足していない。 事業実施区域周囲において一般局によるダイオキシン類の 測定は実施されていない。 事業実施区域周囲において 12 測定地点で行われた降下ばい じん量の年平均値は、調査期間(平成 17∼26 年度)を通じて、 1.5∼10.1ton/km2/月の範囲の値を示している。 事業実施区域周囲において 3 箇所で行われた平成 23 年度及 び平成 24 年度の自動車騒音では、昼間、夜間とも 3 地点中 1 地点が環境基準を満足していない。 事業実施区域周囲において 1 箇所で行われた平成 21 年度の 道路交通振動では、要請限度を満足している。 苅田港検潮所における潮位は、朔望平均満潮面(H.W.L)が 基本水準面上+4.04m、平均水面(M.S.L)が+2.06m、朔望平均 干潮面(L.W.L)が基本水準面上+0.08m で、朔望平均干満差(朔 望平均満潮面-朔望平均干潮面)は 3.96m となっている。 事業実施区域周囲における流向は、東流最強時は関門海峡 から北九州市の東部海岸に沿って南下する流れであり、西流 最強時は北上する流れである。また、流速は、東流最強時、 西流最強時とも事業実施区域周囲で 0.1∼0.2 ノット(約 0.05 ∼0.10m/s)となっている。 事業実施区域周囲における M2 分潮の長軸方向は海岸地形に 沿った方向となっており、苅田港内の南側では南-北方向、苅 田港内の北側では北西-南東方向、苅田港沖合及び空港島北東 側で北西-南東方向、空港島西及び東側で南-北方向、曽根干 潟沖合及び空港島の北西側で東-西方向を示している。 事業実施区域周囲における恒流は、苅田港内で小さく、空 港島周辺で大きい傾向にあり、流れの向きは、岸方向への流 れがみられる。 苅田沖波浪観測塔における波高(有義波高)の大部分は 1m 未満(98.1%)である。波向は、東方向が全体の 36.4%と卓 越しており、次いで東南東(20.1%) 、東北東(14.5%)の順 となっており、東北東∼東南東方向で全体の約 70%を占めて いる。 事業実施区域周囲には、二級河川が 6 河川あるが、事業実 施区域の背後は埋立地であり、河川の流入や流出はない。 3-2 表 3-1(2) 自然的状況の概要 項 水環境の 状況 水質 目 河川 海域 赤潮 生カキの貝毒 水底の 底質 事業実施区域周辺 曽根干潟 概 要 【公共用水域水質調査】 事業実施区域周囲の河川 13 地点で行われた平成 25 年度の 水質調査では、生活環境項目のうち、水素イオン濃度(pH) の 1 地点、生物化学的酸素要求量(BOD75%値)の 1 地点を除 き、全地点で環境基準を満足している。健康項目及びダイオ キシン類は、全地点で環境基準を満足している。 【公共用水域水質調査】 事業実施区域周囲の海域 2 地点で行われた平成 25 年度の水 質調査では、生活環境項目のうち、水素イオン濃度(pH)の 2 地点、化学的酸素要求量(COD)の 1 地点を除き、全地点で環 境基準を満足している。健康項目については、全地点で環境 基準を満足している。 【国土交通省等による調査】 事業実施区域周囲の海域における直近 10 年間の水質調査の 経年変化をみると、COD、全窒素、全燐は、いずれの地点にお いても概ね横ばい傾向で推移している。溶存酸素量は、夏季 にやや低く、秋季から冬季に高くなる傾向を示し、各地点と も同様の傾向で推移している。クロロフィル a は、年度によ って高い値が記録されているが、概ね 10.0μg/L 以下の値で 推移している。 事業実施区域周囲の海域における赤潮は、毎年春季や夏季 に確認されており、事業実施区域を含む豊前海の発生件数は、 1∼5 件の範囲で推移している。 事業実施区域周囲における県内産の市販生カキの貝毒検査 は、平成 19∼23 年度に実施された検査では、いずれの検体も 貝毒は検出されていない。 【国土交通省等による調査】 事業実施区域周辺の海域における直近 10 年間の水質調査の 経年変化をみると、COD は、概ね横ばい及びやや減少傾向で推 移している。また、近年はほとんどの地点において、水産用 水基準を満足している。硫化物は、年度による変動が大きい 地点がみられるが、各地点とも概ね横ばいで推移している。 また、ほとんどの地点において、水産用水基準を満足してい ない。強熱減量、全窒素、全燐及び含水率は、各地点とも概 ね横ばいで推移している。 【北九州市による調査】 曽根干潟における底質の粒度組成の経年変化は、年度によ って多少の変動がみられるが、概ね同程度で推移している。 【国土交通省等による調査】 曽根干潟における直近 10 年間の経年変化をみると、粒度組 成は、全体を通じて砂分が大半を占める砂泥質であり、年度 によって多少の変動がみられるが、概ね同程度で推移してい る。COD 及び硫化物は、概ね水産用水基準以下の低い値で推移 している。強熱減量、全窒素、全燐は、各地点とも概ね横ば いで推移している。 3-3 表 3-1(3) 自然的状況の概要 項 土壌及び 地盤の状 況 目 概 土壌 土壌汚染 地盤沈下 地形及び 地質の状 況 地形 陸上地形 海底地形及び海岸 線 地質 動植物の 生息又は 生育、植 生及び生 態系の状 況 動物 陸生 動物 鳥類 哺乳類 要 事業実施区域周囲の土壌は、山地部では褐色森林土壌、平 地部では灰色低地土壌及び粗粒灰色低地土壌が分布してい る。 なお、事業実施区域周囲には「わが国の失われつつある土 壌の保全をめざして∼レッド・データ土壌の保全∼」に掲載 されている土壌はない。 事業実施区域周囲には、 「土壌汚染対策法」に基づく形質変 更時要届出区域が指定されている。 「平成 25 年度 全国の地盤沈下地域の概況」よると、事業実 施区域周囲においては地盤沈下の問題は生じていない。また、 「工業用水法」及び「建築物用地下水の採取の規制に関する 法律」に基づく地下水の採取の規制地域はない。 事業実施区域周囲は、陸上地形と海岸地形から構成され、 事業実施区域西側に山地が存在し、山裾に広がる扇状地及び 谷底平野からなっている。谷底平野は山地の山裾の砂礫台地 とその下位の三角州性低地からなり、海岸部は、主に干拓地 及び埋立地となっている。また、沖合の埋立地は北九州空港 として利用されている。 なお、事業実施区域周囲に「文化財保護法」、「日本の地形 レッドデータブック」に選定された重要な地形及び地質は分 布していない。 事業実施区域周囲の水際線は、護岸等が大部分を占めてお り、一部には自然海岸が分布している。海底地形は、水深-5m 以浅が広く分布し、事業実施区域周囲には曽根干潟、新浜町 干潟、白石干潟等がある。 事業実施区域周囲の地質は、チャート、石灰岩、花崗閃緑 岩や砂質準片岩等が山地、丘陵地を形成しており、その麓部 には砂及び礫から成る洪積層が、低地には砂・粘土から成る 沖積層が分布している。 また、事業実施区域周辺に「文化財保護法」に基づく天然 記念物に指定された地質はない。 【事業実施区域周辺】 国土交通省による事業実施区域周辺(空港島)における鳥 類調査では、平成 21 年 4 月の春渡りの最盛期に 7 目 19 科 35 種の鳥類が確認されている。 【曽根干潟及びその後背地】 「モニタリングサイト 1000」 (環境省)による曽根干潟及び その後背地の鳥類調査では、 平成 26 年度は、 春季に 39 種 1,756 個体、秋季に 32 種 756 個体のシギ・チドリ類が確認されてい る。 国土交通省による鳥類調査では、平成 26 年度で 12 目 30 科 113 種が確認され、目別にみるとスズメ目が 37 種で最も多く、 次いでチドリ目が 26 種、カモ目が 16 種となっている。また、 定点調査の経年変化(平成 7∼26 年度)をみると、種類数は、 近年は減少傾向となっている。個体数は、年度により変動が みられるが、平成 23 年度以降は、ほぼ横ばいで推移している。 「第 6 回自然環境保全基礎調査 種の多様性調査」 (環境省 平成 16 年)によると、平成 12∼14 年度の調査ではタヌキ、 キツネ、アナグマ、ニホンイノシシの分布が確認されている。 哺乳類は、新門司南地区周辺では 1 目 1 科 2 種、曽根干潟 の後背地では、6 目 7 科 10 種が確認されている。 3-4 表 3-1(4) 自然的状況の概要 動植物の 生息又は 生育、植 生及び生 態系の状 況 項 動物 目 陸生 動物 両生類 爬虫類 昆虫類 底生 生物 魚類 海生 動物 哺乳類 動物 プランクトン 魚卵 稚仔魚 概 要 「第 2 回自然環境保全基礎調査 福岡県動植物分布図」 (環 境庁 昭和 56 年)によると、事業実施区域周囲における学術 上重要な両生類、爬虫類及び昆虫類は、確認されていない。 両生類は、新門司南地区周辺では 1 目 2 科 3 種、曽根干潟 の後背地では、1 目 3 科 5 種、水田生物(両生類)で 1 目 2 科 2 種が確認されている。 爬虫類は、新門司南地区周辺ではカナヘビの 1 種、曽根干 潟の後背地では、2 目 6 科 9 種が確認されている。 昆虫類は、新門司南地区周辺の沿岸域で 77 種、陸域で 101 種、曽根干潟の後背地では、昆虫類で 26 目 224 科 1,188 種、 クモ類で 1 目 13 科 74 種が確認されている。 曽根干潟及びその後背地における水田生物(底生生物)は、 軟体動物門のマルタニシ、環形動物門のエラミミズや節足動 物門のミスジヒメカイエビなど 3 門 7 綱 18 目 33 科 50 種が確 認されている。 曽根干潟及びその後背地における水田生物(魚類)につい ては、ニホンウナギなど 6 目 7 科 12 種が確認されている。 事業実施区域周辺を含む瀬戸内海や周防灘の沿岸海域は、 海生小型哺乳類のスナメリの回遊海域となっている。また、 「福岡県レッドデータブック 2011」においても、 「瀬戸内海・ 響灘」個体群が周防灘、関門海峡及び藍島周辺に生息してい るとされている。 【事業実施区域周辺】 動物プランクトンの経年変化(平成 6∼26 年度)をみると、 種類数は、9∼38 種類の範囲で推移し、季節的な変化傾向はみ られない。個体数も同様に、季節的な変化傾向はみられず、 ほぼ横ばいで推移している。 【曽根干潟周辺】 動物プランクトンの出現状況(平成 7∼8 年)は、総出現種 類数 31∼47 種、平均出現個体数は 18,000∼373,000 個体/m3、 主な出現種はカイアシ亜綱のノープリウス幼生等である。 【事業実施区域周辺】 魚卵の種類数の経年変化(平成 6∼26 年度)は、春季及び 夏季に種類数が多くなる傾向がみられ、個数についても、春 季及び夏季に多くなっており、種類数と同様の季節変化がみ られる。稚仔魚についても、魚卵と同様に、種類数及び個体 数は春季及び夏季に多くなる傾向がみられる。 【曽根干潟周辺】 魚卵(平成 7∼8 年)は、丸稚ネットによる採取では、総出 現種類数は 0∼5 種、平均出現個数は 0∼189 個/曳網、主な出 現種は、ウシノシタ科、ネズッポ科等である。 稚仔魚(平成 7∼8 年)は、丸稚ネットによる採取では、総 出現種数は 4∼25 種、平均出現個体数は 2∼241 個体/曳網、 主な出現種は、サッパ、イソギンポ、ギンポ属、ウキゴリ属 等である。 3-5 表 3-1(5) 自然的状況の概要 動植物の 生息又は 生育、植 生及び生 態系の状 況 項 動物 目 海生 動物 底生生物 付着生物 (動物) 魚介類 カブト ガニ 重要な種及び注目 すべき生息地 概 要 【事業実施区域周辺】 底生生物の経年変化(平成 6∼26 年度)をみると、種類数 は、ほとんどの地点で増加傾向がみられる。個体数は、年度 による変動が大きく、明確な変化傾向は認められない。 【曽根干潟及びその後背地】 干潟のマクロベントスの経年変化をみると、種類数及び個 体数ともに、大きな変化はなく、一定の変動傾向はみられな い。主な出現種は、環形動物門であることが多く、その他、 ホトトギスガイが一時的に大量に増加する場合がみられる。 干潟のメガロベントスの経年変化をみると、種類数は、冬 季ではやや減少、他の季節では概ね横ばいで推移している。 個体数は、平成 13 年度に減少がみられ、以降横ばいで推移し ている。 付着生物(動物)の経年変化(平成 6∼26 年度)をみると、 種類数は、概ね横ばい傾向で推移し、個体数及び湿重量は、 地点及び年度による変動が大きい傾向がみられる。 【事業実施区域周辺】 事業実施区域周辺における魚介類の種類数の経年変化(平 成 6∼26 年度)は、年度により多少異なるものの、冬季に少 ない傾向にあり、経年的には増加傾向がみられる。個体数は 種類数と同様に、冬季に少ない傾向にあり、概ね横ばいで推 移している。 【曽根干潟周辺】 遊泳動物(平成 7∼8 年)の総出現種類数は 1∼16 種、平均 出現個体数は 1∼36 個体、主な出現種は魚類のスズキ、サッ パ、ヒイラギ等である。 河川魚類・甲殻類(平成 7∼8 年)の総出現種類数は 9∼23 種、平均出現個体数は 19∼221 個体/投網 10 打、主な出現種 は甲殻類のスジエビ属やシラタエビ等である。 潮遊溝動物(平成 20 年度)の総出現種類数は魚類が 10∼16 種、エビ、カニ、貝類等が 4∼5 種である。 干潟・河口域の魚類等(平成 20 年度)の総出現種類数は魚 類が 23∼25 種、エビ、カニ、貝類等が 5∼8 種である。 曽根干潟におけるカブトガニ幼生の個体数は、平成 7 年度 から平成 16 年度にかけて増加し、平成 17 年度から平成 22 年 度にかけて減少傾向にあったが、平成 23 年度はやや回復し 920 個体となり、平成 26 年度では 1,012 個体を確認している。 カブトガニの来遊番い数の経年変化は、平成 13 年度から平 成 15 年度にかけて増加し、平成 17 年度調査において、過年 度最大の来遊番い数(1,507 番い)が確認されたが、それ以降 来遊数は減少し、低レベルで推移している。平成 26 年度は合 計 680 番いを確認しており、最大であった平成 17 年以降、最 も多い確認数となっている。 重要な種として、脊椎動物 121 種(鳥類 92 種、哺乳類 5 種、 両生類 1 種、爬虫類 1 種、魚類 22 種) 、節足動物 45 種(昆虫 類 22 種、軟甲綱 22 種、節口綱 1 種) 、刺胞動物 2 種(花虫綱 2 種) 、扁形動物 1 種(渦虫綱 1 種) 、軟体動物 120 種(腹足綱 64 種、二枚貝綱 51 種、頭足綱 5 種) 、環形動物 5 種(多毛綱 5 種) 、星口動物 1 種(サメハダホシムシ綱 1 種) 、腕足動物 1 種(舌殻綱 1 種)及び棘皮動物 1 種(ウニ綱 1 種)の計 297 種が確認されている。また、動物の注目すべき生息地として、 曽根干潟等の干潟が存在する。 3-6 表 3-1(6) 自然的状況の概要 項 動植物の 生息又は 生育、植 生及び生 態系の状 況 植物 目 概 陸生植物 海生 植物 植物 プランクトン 要 「第 6・7 回 自然環境保全基礎調査」 (環境省 平成 11∼ 21 年度)によると、山間部及びその麓部にはシイ・カシ二次 林や水田雑草群落等が分布し、平野部には市街地、工場地帯 や造成地等の人工的な土地が広く分布している。 陸生植物について、新門司南地区では、植物は 66 科 261 種、 植物群落は 7 群落、曽根干潟及びその後背地では、植物は 114 科 564 種、植物群落は 18 群落が確認されている。 塩生植物は、干潟域及び流入河川において 15 科 21 種が確 認されている。塩生植物群落は、ハマボウ群落やハママツナ 群落など 10 群落が確認されている。 【事業実施区域周辺】 植物プランクトンの経年変化(平成 6∼26 年度)をみると、 種類数は、増加傾向にあり、季節変動としては、秋季に多く、 冬季に少ない傾向がみられる。細胞数は大きな変動はみられ ない。 【曽根干潟周辺】 植物プランクトン(平成 7∼8 年)の総出現種類数は 66∼106 種、平均出現細胞数は 258,000∼1,160,000 細胞/L となってい る。 付着生物 事業実施区域周辺における付着生物(植物)の経年変化(平 (植物) 成 6∼26 年度)をみると、種類数は、全体的に増加傾向がみ られる。湿重量は、春季に高い値を示す傾向となっている。 微小底 曽根干潟における微小底生藻類の経年変化(平成 6∼26 年 生藻類 度)をみると、種類数は、いずれの地点においても増加傾向 がみられる。細胞数は、年度によりばらつきがみられるが、 春季及び冬季でやや多く、夏季及び秋季で少ない傾向となっ ている。 付着 藻類 藻場、 海藻草類 生態系 重要な種及び群落 護岸・岩礁部 曽根干潟後背地における付着藻類(平成 7∼8 年)は、総出 現種類数 41∼58 種、平均出現細胞数 218∼2,179×103 細胞 /cm2 、 主 な 出 現 種 は 珪 藻 類 の ニ ッ チ ア フ ル ス ツ ル ム (Nitzschia frustulum)、藍藻類のホモエオスリックス バ リアンス(Homoeothrix varians)等である。 【自然環境保全基礎調査】 事業実施区域周囲の海域における藻場は、 「第 5 回自然環境 保全基礎調査 海辺調査」によると、面積 1ha 以上の分布は 確認されていない。 【曽根干潟】 曽根干潟における海藻草類は、福岡県のレッドデータブッ クに重要な種として選定されているアマモ及びコアマモが確 認されている。 重要な種は 18 種、重要な群落は 11 群落が確認されている。 事業実施区域周囲の水際線のうち、苅田港周辺海域は大部 分が護岸、防波堤や消波ブロックからなっている。また、一 部に自然海岸の岩礁が存在する。 護岸・岩礁部には、クログチ、オオヘビガイ、イワフジツ ボ、サンカクフジツボ等の付着生物(動物)やワカメ、アカ モク、マクサやウスカワカニノテ等の付着生物(植物)が生 息・生育しており、ゴカイ類等の小型底生生物やヨコエビ類 等の小型甲殻類、小型魚類の生息の場としても機能している。 3-7 表 3-1(7) 自然的状況の概要 項 動植物の 生息又は 生育、植 生及び生 態系の状 況 生態系 目 干潟部 浅海部 景 観 及 び 景観 人と自然 との触れ 合 い の 活 人と自然との触れ合いの活 動 の 場 の 動の場 状況 一般環境中の放射性物質の状況 概 要 事業実施区域周囲の沿岸部には、 「日本の重要湿地 500」 (環 境省)に選定されている曽根干潟をはじめとして、新浜町干 潟、白石干潟、蓑島干潟が点在する。 苅田港の北側に位置する曽根干潟は、北九州市内最大の干 潟であり、主に砂泥質からなっている。曽根干潟には、ゴカ イ類、ホトトギスガイやシオフキガイのほか、マテガイ、ア サリといった有用な二枚貝類、重要種のカブトガニ等の底生 生物が多く生息するほか、魚類や甲殻類が生息しており、干 出時には多くの鳥類が飛来し、これら底生動物などを捕食す る。曽根干潟を利用する鳥類は、主に秋・冬に飛来するカモ 類、シギ類、カモメ類等の水鳥である。 事業実施区域周囲の海域は、大部分が水深 10m 以浅の浅海 域であり、底質は主にシルト分からなっている。潮流は概ね 海岸に沿う方向の往復流である。 浅海部では、クリプトモナス目(Cryptomonadales)等の植 物プランクトン、カイアシ類のノープリウス期幼生等の動物 プランクトンが分布しており、これらはカタクチイワシ等の プランクトン食性の小型魚類の餌となる。カタクチイワシ、 コノシロ等の小型魚類は、スズキ等の魚食性の魚類やカモメ 類等の鳥類によって捕食される。また、底層部には、底生生 物のゴカイ類や二枚貝類、アカエイ等の底魚やシャコ、イシ ガニ等の甲殻類、スナヒトデ、マナマコ等の棘皮動物が生息 する。 事業実施区域周囲における自然景観資源としては、沿岸部 に間島海岸等の自然海岸(浜)が分布している。また、事業 実施区域周囲における眺望点としては、松山城跡等がある。 事業実施区域周囲の陸域における人と自然との触れ合いの 活動の場としては、 「松山城跡」や「向山公園」等がある。ま た、海域においては、 「曽根干潟」等がある。 福岡県は、対象事業実施区域から南南西約 8 ㎞に位置する 福岡県行橋総合庁舎において、平成 24 年 3 月より大気中の放 射線量−空間線量率(マイクロシーベルト/時)を定期的に計測してお り、平成 26 年における年平均の空間線量率は 0.054 マイクロシーベ ルト/時である。 3-8 表 3-2 社会的状況の概要 項 人口及び産業の状 況 目 概 人口 産業 産業 構造 農業 漁業 工業 商業 土地利用の状況 水域利用の状況 土地利用状況 用途地域の 指定状況 土地利用計画 港湾区域等 の状況 漁業権の 設定状況 道路 要 平成 25 年度における福岡県全体に対する事業実施区域周囲地域の 人口は約 20%、世帯数は約 21%を占めている。また、平成 21 年度以 降の人口は概ね横ばい傾向を示している。 事業実施区域周囲地域の従業者数は、第 3 次産業の就業者数が最も 多く、次いで第 2 次産業、第 1 次産業の順となっている。 農家数(平成 22 年)は、苅田町で 492 戸、北九州市で 3,003 戸であ り、耕地面積は苅田町で 569ha、北九州市で 2,380ha である。 漁業種類(平成 25 年)は、苅田町ではその他の漁業、刺網及びかき 養殖、北九州市ではその他の漁業、その他の釣及びかき養殖を主とす る経営体が多くなっている。漁獲量(平成 25 年)は北九州市で 3,282t となっている。 事業所数(平成 25 年)は、苅田町で 66 事業所、北九州市で 1,068 事業所となっている。また、産業中分類別の製造品出荷額等(平成 25 年)は、苅田町では輸送機械、北九州市では鉄鋼の占める割合が高く なっている。 卸売業及び小売業の事業所数(平成 23 年)は、苅田町で 287 店、北 九州市で 8,768 店となっている。 民有地面積(平成 24 年)は、苅田町が 3,218.2ha、北九州市が 24,170.9ha であり、苅田町では宅地及び山林、北九州市では宅地の 占める割合が大きくなっている。 事業実施区域周囲地域の用途地域は、苅田町が工業専用地域、北九 州市では第 1 種住居地域の占める割合が大きい。 事業実施区域周囲は、都市区域に指定されている。 事業実施区域は、苅田港港湾区域に位置する。 学校、病院その他 の環境の保全につ いての配慮が特に 必要な施設の配置 の状況及び住宅の 配置の概況 下水道整備の状況 学校、病院等 の配置の状況 事業実施区域周囲の海域は、共同漁業権(豊共第 1 号)及び区画漁 業権が設定されている。 事業実施区域周囲の主要道路は、九州縦貫自動車道、東九州自動車 道、一般国道 10 号等が整備されており、一般国道 10 号の 24 時間交 通量は、北九州市小倉南区で最大 52,928 台となっている。 事業実施区域周囲の主な鉄道路線としては、JR 日豊本線がある。 事業実施区域周囲の主な空港としては、北九州空港(平成 18 年 3 月 16 日開港)があり、国内線として東京便、名古屋便、国際線とし て務安便、国際定期貨物便として仁川便、桃園便が就航している。ま た、平成 26 年 3 月までは、国際線として釜山便が就航していた。乗 降客数(平成 24 年)は国際線 75,754 人、国内線 1,186,482 人、貨物量 は国内線 11,989t となっている。 事業実施区域周囲の主な港湾は、重要港湾である苅田港、国際拠点 港湾である北九州港がある。入港船舶隻数及び総トン数は苅田港では 横ばいの傾向、北九州港ではやや減少の傾向にある。 事業実施区域周囲において、フェリー等の旅客船の定期航路はな い。 事業実施区域周囲に最寄りの学校、病院等の施設は、事業実施区域 から 2km 以上離れた場所に分布している。 住宅の配置 の概況 事業実施区域に最も近い住居地は、事業実施区域から約 1.1 ㎞以上 離れた場所に位置する。 その他の事項 一般廃棄物の 処理の状況 公害苦情の 状況 公共下水道の処理人口普及率(平成 24 年)は福岡県が 78.2%、苅田 町が 41.3%、北九州市が 99.9%となっている。 事業実施区域周囲地域における平成 25 年度のごみ処理総量は 459,102 トン、し尿処理総量は 60,714kL である。 事業実施区域周囲地域における平成 25 年度の公害苦情件数は 279 件であり、苦情の内容としては、騒音に関する苦情が最も多い。 交通の状況 鉄道 航空 船舶 3-9 表 3-3(1) 環境関係法令の地域指定状況等の状況[公害関係法令等] 区分 環 境 基 準 規 制 基 準 等 法令名 主な内容 大気質 騒音 環境基本法 環境基本法 大気汚染に係る環境基準 騒音に係る環境基準 水質 環境基本法 地下水の水質 土壌 ダイオキシン類 環境基本法 環境基本法 ダイオキシン類対策特 別措置法による規制 水質汚濁 健康項目(海域) に係る環 生活環境項目(海域) 境基準 地下水の水質汚濁に係る環境基準 土壌汚染に係る環境基準 ダイオキシン類による大気の汚染、 水質の汚濁及び土壌の汚染に係る環 境基準 ばい煙発生施設ごとの排出基準や硫 黄酸化物及び窒素酸化物についての 総量規制基準、一般粉じん発生施設 についての構造、使用、管理に関す る基準 特定施設から排出される排出ガスに ついての排出基準、特定施設の改善 命令等の措置等を定めている。 ばい煙に関して、大気汚染防止法等 の対象とならない特定施設に対して 規制基準を定めている。 特定工場等の騒音に係る規制基準 大気質 大気汚染防止法による 規制 ダイオキシン類対策特 別措置法による規制 福岡県公害防止等生活 環境の保全に関する条 例 騒音規制法 騒音 特定建設作業の騒音に係る規制基準 自動車騒音の要請限度 振動 振動規制法 悪臭 悪臭防止法 水質 水質 水質汚濁防止法、 福岡県公害防止等生活 環境の保全に関する条 例 水質汚濁防止法第 3 条 第 3 項の規定に基づく 排水基準を定める条例 ダイオキシン類対策特 別措置法による規制 瀬戸内海環境保全特別 措置法による規制 水底の 底質 公害防止計画 海洋汚染及び海上災害 の防止に関する法律 底質の暫定除去基準 環境基本法 特定工場等の振動に係る規制基準 特定建設作業の振動に係る規制基準 道路交通振動の要請限度 悪臭防止法に係る規制基準 特定施設を設置する工場・事業場に 対して、直罰制度、改善命令等の措 置、特定施設の設置・構造等を変更 する場合の事前届出制、特定施設か らの排水基準等を定めている。 業種別の上乗せ排水基準を定めてい る。 特定施設を設置する工場・事業場に 対して、直罰制度、改善命令等の措 置、特定施設の設置・構造等を変更 する場合の事前届出制、特定施設か らの排水基準等を定めている。 化学的酸素要求量、窒素含有量及び りん含有量の総量削減基本方針に定 められた削減のための事項・規制を 定めている。 埋立場所等に排出しようとする水底 土砂に係る判定基準 水銀及び PCB を含む底質の暫定除去 基準 北九州地域公害防止計画 3-10 事業実施区域周囲 の指定状況 全国一律の適用 類型指定 (事業実施区域背後 : C 類型) 全国一律の適用 A 類型 II 類型 全国一律の適用 全国一律の適用 全国一律の適用 適用区域 特定施設で適用 適用区域 規制区域指定 (事業実施区域背後 :第 4 種区域) 規制区域指定 (事業実施区域背後 :第 2 号区域) 規制区域指定 (事業実施区域背後 :c区域) 規制区域指定 (事業実施区域背後 :規制区域未指定) 適用区域 (事業実施区域背後 :区域未指定) 指定水域 指定水域 特定施設で適用 指定地域 全国一律の適用 暫定除去基準 策定地域内 表 3-3(2) 環境関係法令の地域指定状況等の状況[自然関係法令等] 法令名 事業実施区域周囲の 指定状況 主な内容 自然公園法 国立公園 × 国定公園 × 福岡県自然公園条例 県立自然公園 ○ 自然環境保全法 福岡県環境保全に関する条例 原生自然環境保全地域 × 自然環境保全地域 × 指定地域 × 生息地等保護区 × 自然海浜保全地区 × 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律 鳥獣保護区 特定猟具(銃器)使用禁止区域 ○ ○ 森林法 保安林 ○ 都市計画法 風致地区 特別緑地保全地区 ○ × 文化財保護法 指定文化財 ○ 特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に 関する条約(ラムサール条約) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関 する法律 福岡県自然海浜保全地区条例 表 3-3(3) 環境関係法令の地域指定状況等の状況[その他の環境関係法令等] 区分 水産関係法令 瀬戸内海環境保全 特別措置法 環境関連条例 法令名 主な内容 水産資源保護法 瀬戸内海漁業取締規則 沿岸漁場整備開発法 瀬戸内海環境保全特別措置法 保護水面の指定 指定なし 藻場等ひき網漁業禁止区域 指定なし 育成水面の指定 指定なし 水質保全等及び自然景観の保全に関する目標を定め、 工場などの特定施設に対する規制・富栄養化による被 害防止・化学的酸素要求量の総量規制・燐など指定物 質の削減・自然海浜の保全などについて定めている 福岡県が施策を策定する際に環境の保全について配 慮しなければならないこと、及び自然環境保全基本方 針等に関する事項を定めている 環境に及ぼす影響の程度が著しいものとなるおそれ がある土地の形状の変更、工作物の新設等の事業につ いて、環境影響評価が適切かつ円滑に行われるための 手続等に関して必要な事項を定めている 環境国際協力や環境産業振興などの取組み、環境保全 対策、環境教育・学習の推進など、各種の施策を総合 的・計画的に推進していくことなどを規定している 国の環境影響評価法をモデルに北九州市独自の内容 を取り入れた環境影響評価の条例 福岡県環境保全に関する条例 福岡県環境影響評価条例 北九州市環境基本条例 北九州市環境影響評価条例 3-11 第4章 計画段階配慮に関する内容 苅田港土砂処分場公有水面埋立事業は、苅田港内の航路等の整備に伴って発生する浚 渫土砂の処分を図る目的で「苅田港土砂処分場公有水面埋立事業 計画段階環境配慮書」 を平成 27 年 2 月に作成し、平成 27 年 2 月 25 日から1カ月間の縦覧に供するとともに、 福岡県知事及び関係市町(北九州市、行橋市、苅田市)に送付した。 その後の計画段階環境配慮書(以下、配慮書という)に対する福岡県知事、関係市町、 一般意見を受けて、環境面、経済面、社会面から事業計画を決定した。 本章では、配慮書の内容を「4.1 複数案の設定」、 「4.2 計画段階配慮事項の選定」、 「4.3 計画段階配慮事項に係る調査、予測及び評価の結果」に示し、配慮書に対する意見及び 事業計画決定までの経緯を「4.4 配慮書に対する意見の概要と事業者の見解」、「4.5 環 境の保全の配慮に係る検討の経緯及びその内容」に示す。 4-1 4.1 複数案の設定 本事業は公有水面埋立事業であり、埋立て面積は約 35ha∼約 45ha であることから、 「環 境影響評価法」 (平成 9 年 6 月 13 日法律第 81 号 最終改正:平成 26 年 6 月 4 日法律第 51 号)に規定されている第二種事業(40ha 以上)及び「福岡県環境影響評価条例」(平 成 10 年 12 月 24 日、福岡県条例第 39 号 最終改正:平成 25 年 10 月 1 日)(以下、「福 岡県条例」という)の対象事業(25ha 以上)に該当する。 「環境影響評価法」の第二種事業では、配慮書の作成が任意となっているが、「福岡県 条例」の対象事業(25ha 以上)では、配慮書の作成が必要となっている。このため、本 事業の配慮書は、 「福岡県条例」に基づき実施するものとした。 「福岡県条例」では、配慮書対象事業に係る計画の立案段階において、対象事業を実 施する区域等を決定するに当たっては、計画段階配慮事項について検討を行わなければ ならないとされている。 また、 「福岡県環境影響評価技術指針」(平成 25 年 10 月 1 日改正)(以下、 「福岡県指 針」という)では、事業の位置、規模又は配置、構造に係る複数案を適切に設定するも のとしている。 このため、本事業についても事業の位置について、複数案を設定した。 4-2 4.1.1 複数案の設定 対象海域として選定した『苅田港湾区域内』で、発生する浚渫土量(約 400 万m3) の埋立てが可能な複数案を設定した(図 4.1-1 参照) 。 A案 B案 C案 (松山地区水面貯木場) (新松山地区沖合) (南港地区沖合) 現有の貯木場を活用し土砂 新松山地区の現有埋立地沖 南港地区の現有埋立地沖に 処分場を設置 に新たに土砂処分場を設置 新たに土砂処分場を設置 埋立て面積:約 45ha 埋立て面積:約 35ha 埋立て面積:約 40ha 【選定の条件】 ①自然環境に対する影響 ・藻場・干潟、自然海岸、自然公園区域、自然海浜保全地区に該当しない場所 ②船舶航行の安全性に対する影響 ・航行船舶の多い海域・航路に該当しない場所 ③土砂処分場の将来の土地利用に対する影響 ・陸域と接している場所 図 4.1-1 複数案の設定 4-3 4.2 計画段階配慮事項の選定 4.2.1 計画段階配慮事項の選定 本事業に係る環境影響評価の項目は、 「福岡県環境影響評価条例」第 7 条第 1 項の規 定に基づく「福岡県環境影響評価技術指針」 (平成 21 年告示第 1100 号) (以下、 「福岡 県指針」という)に示された参考項目を参考として、事業特性及び地域特性を踏まえ て選定した。 また、 「公有水面の埋立て又は干拓の事業に係る環境影響評価の項目並びに当該項目 に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針、環境の 保全のための措置に関する指針等を定める省令」 (平成 10 年農林水産省・運輸省・建 設省令第 1 号) (以下、 「主務省令」という)及び「北九州市環境影響評価条例」第 6 条第 1 項の規定に基づく「北九州市環境影響評価技術指針」 (平成 11 年公告第 204 号) (以下、 「北九州市指針」という)に示された参考項目も踏まえて選定した。 なお、配慮書においては、工事中の影響を検討するための工事計画等が決まるよう な熟度でないこと、本事業の工事計画が通常の公有水面の埋立工事と同様な形態が想 定されること、及び工事中の影響は一時的であることから、工事の実施による影響は 対象としないこととした。 4.2.1.1 事業特性と地域特性の整理 (1) 一般的な事業の内容と当該事業内容の比較 福岡県指針の第4の3に定める「別表第4の備考2(5)水面の埋立て及び干拓」に 掲げられた一般的な事業の内容と当該事業の内容との相違を整理した。 一般的な事業の内容と当該事業の内容の比較は、表 4.2-1 に示すとおりである。 表 4.2-1 環境影響評価項目の選定結果 環境要因の区分 護岸の工事 工事の実施 埋立ての工事 土地又は工 作物の存在 埋立地の存在 一般的な事業の内容 当該事業の内容 建設機械又は作業船 を使用し、護岸の築造 を行う 道路を経由し、又は船 舶を利用して資材等 の搬出入を行い、及び 当該搬入された資材 等を使用して土地の 造成を行う 埋立てに係る工事が 完了した後の土地が 存在する 建設機械又は作業船 を使用し、護岸の築造 を行う 道路を経由し、又は船 舶を利用して資材等 の搬出入を行い、及び 当該搬入された資材 等を使用して土地の 造成を行う 埋立てに係る工事が 完了した後の土地が 存在する 4-4 比較結果 一般的な事業の内 容と同じである 一般的な事業の内 容と同じである 一般的な事業の内 容と同じである (2) 環境要素の区分毎の事業特性及び地域特性の整理 本事業の環境要素の区分毎の事業特性及び地域特性の把握は、 「計画段階配慮手続 きに係る技術ガイドライン」 (平成 25 年 3 月 計画段階配慮技術手法に関する研究 会)を参考に表 4.2-2 に示すように整理した。 表 4.2-2(1) 事業特性及び地域特性の整理結果 地域特性 環境要素 の区分 事業計画の特性 (埋立地の存在) 大気環境 ・著しい大気汚染物質の発生 や自動車の走行は想定さ れない 騒音 ・著しい騒音の発生や自動車 の走行は想定されない 振動 ・著しい振動の発生や自動車 の走行は想定されない 悪臭 ・著しい悪臭の発生は想定さ れない 水質 ・埋立地の存在に伴う海水の 流れの変化により、周辺海 域の水質への影響のおそ れがある 水環境 大気質 底質 地下水 ・埋立地の存在による水質の 変化に伴う底質への影響 のおそれがある ・地下水の水質及び水位に影 響を及ぼす行為は想定さ れない ②環境保全の観点か ①環境影響を受け ③環境が悪化し又は ら法令等により指 やすい地域又は そのおそれのある 定された地域又は 対象 地域 対象 ・周辺常時測定局の二 ・ばい煙発生施設の総 酸化窒素、二酸化硫 量規制の指定地域 黄、浮遊粒子状物質 に設定されている は環境基準を満足 している ・周辺海域に鳥類の主 要な生息場である 曽根干潟等が存在 ・事業実施想定区域背 する 後は第 4 種区域に ・住居地域、学校・ ・国道 10 号、国道 201 指定されている 病院等は 2km 程 号で環境基準を満 度離れた場所に 足していない 位置する ・道路交通振動は、要 ・事業実施想定区域背 請限度を満足して 後は臨港地区のた いる め、指定されていな ・振動への配慮が必要 い な工場が周辺に存 在する ・事業実施想定区域背 後は悪臭指定地域 − に指定されている ・周辺海域の公共用水 域調査地点(H25) ・周辺海域はA類型、 の 4 地点のうち、2 Ⅱ類型に指定され ・苅田港内及び周 地点で pH、COD が環 ている 辺海域の閉鎖性 境基準を満足して 水域や赤潮発生 いない 海域が存在する − 4-5 − − − − 表 4.2-2(2) 事業特性及び地域特性の整理結果 地域特性 環境要素の区 分 事業計画の特性 (埋立地の存在) 土壌環境・その他の環境 ① 環 境 影 響 を 受 け ② 環境保全 の観点か ら法 ③環境が悪化し又 やすい地域又は 令等により指定された はそのおそれの 対象 地域又は対象 ある地域 ・周辺海域に曽根干 ・白石干潟、蓑島干潟、長 ・埋立地の存在による潮流 潟、白石干潟、蓑 井干潟周辺は、筑豊県立 変化等に伴い周辺海域 地 形 及 − 島干潟等の重要 自然公園に指定されて の重要な地形への影響 び地質 な地形が存在す いる のおそれがある る ・地盤沈下をもたらす構 造物等の設置はないた − − − 地盤 め、影響は想定されな い ・土壌汚染をもたらす廃棄 土壌 物等の受け入れは想定 − − − されない ・日照阻害をもたらす構 その他 造物等の設置は想定さ − − − れない ・周辺には文献掲載の重要 種として、タヌキモの 1 種が確認されている − ・周辺には文献掲載の重要 植物 な群落として、塩沼地植 物群落や蓑島の塩湿地 植生が指定されている ・曽根干潟は、「日本の重 ・事業実施想定区域 要湿地 500」 (環境省)に 周辺には、重要な 「希少種、固有種等が生 種の生育・生息環 育・生息し、特定の個体 境となっている 群のうち、相当数の割合 干潟・自然海岸が の個体数が生息する」湿 存在する 地として選定されてい 【干潟】 る ・埋立地の存在により、 ・曽根干潟 ・白石干潟、蓑島干潟、長 重要な種の生育・生息 ・新浜町干潟 井干潟周辺は、福岡県の 環境を改変するおそれ 動物 − ・白石干潟 県立自然公園「筑豊県立 がある ・蓑島干潟 自然公園」に指定されて ・長井干潟 いる 【自然海岸】 ・周辺には文献掲載の重要 ・間島海岸 種として、鳥類 69 種、 ・神ノ島 哺乳類 2 種、 昆虫類 3 種、 ・蓑島海岸 刺胞動物 1 種、軟体動物 ・長井海岸 29 種、星口動物 1 種、甲 殻類 8 種、魚類 5 種の計 118 種が確認されている ・周辺海域には、「日本の 重要湿地 500」に選定さ れている曽根干潟、県立 生態系 − 自然公園に指定されて いる白石干潟、蓑島干 潟、長井干潟が存在する 4-6 表 4.2-2(3) 事業特性及び地域特性の整理結果 地域特性 環境要素 の区分 事業計画の特性 (埋立地の存在) 景観 ・景観資源や眺望点を直 接改変しない ・臨港地区周辺であるた め、景観資源の著しい 変化は想定されない 人と自然 との触れ 合いの活 動の場 ・触れ合いの活動の場を 直接改変しない ・触れ合い活動の場の環 境質、アクセス特性を 著しく改変する可能性 は少ない 廃棄物等 温室効果 ガス等 ・廃棄物等の発生は想定 されない ・温室効果ガス等の発生 は想定されない ②環境保全の観点から法 令等により指定された 地域又は対象 ③環境が悪化し 又はそのおそ れのある地域 ・文化財保護法に基づく、 町指定の史跡として 『松山城跡』が存在す る − − − − − − − − − ①環境影響を受けや すい地域又は対象 【眺望点】 ・松山城跡 ・殿川ダム ・高城山 ・高蔵山森林公園 【眺望景観】 ・間島海岸 ・神ノ島 ・企救自然遊歩道 ・昭和池公園 ・松山城跡 ・向山公園 ・臨海公園 ・行橋総合公園 ・曽根干潟 ・白石干潟 ・蓑島干潟 ・長井干潟 ・蓑島海水浴場 ・長井海水浴場 4-7 4.2.1.2 計画段階配慮事項の選定 福岡県指針の第4の3に定める「別表第4」の水面の埋立て及び干拓に係る参考 項目について、 「4.2.1.1 事業特性と地域特性の整理」の結果を踏まえ、計画段階配 慮事項を選定した。 計画段階配慮事項の選定結果は表 4.2-3、選定及び非選定の理由は表 4.2-4 に示 すとおりである。 表 4.2-3 計画段階配慮事項の選定 要 素 の 区 因 の 区 分 分 工事の実施 土地又は工 作物の存在 埋立地の存在 境 要 埋立ての工事 環 響 護岸の工事 影 粉じん等 二酸化窒素 大気質 浮遊粒子状物質 大気環境 環境の自然的構成要素 の良好な状態の保持を 旨として調査、予測及び 評価されるべき環境要 素 その他の環境 騒音 騒音 振動 振動 悪臭 悪臭 水の濁り 水の汚れ 水質 富栄養化 水環境 土 壌 環 境・その 他の環境 生物の多様性の確保及 び自然環境の体系的保 全を旨として調査、予測 及び評価されるべき環 境要素 人と自然との豊かな触 れ合いの確保を旨とし て調査、予測及び評価さ れるべき環境要素 環境への負荷の量の程 度により予測及び評価 されるべき環境要素 二酸化硫黄 ○ 溶存酸素 底質 底質 地下水 地下水の水質及び水位 地形及び地質 重要な地形及び地質 地盤 地盤沈下 土壌 土壌汚染(有害物質) その他 日照阻害 ○ 植物 重要な種及び群落 ○ 動物 重要な種及び注目すべき 生息地 ○ 生態系 地域を特徴づける生態系 ○ 人と自然との触れ合いの活 動の場 主要な眺望点及び景観資 源並びに主要な眺望景観 主要な人と自然との触れ 合いの活動の場 廃棄物等 建設工事に伴う副産物 温室効果ガス等 二酸化炭素 風害 強風による風害 低周波 低周波音 景観 注 1)青色網掛けは、福岡県指針の参考項目に示される項目を示す。 注 2) 「○」は、計画段階配慮事項として選定した項目を示す。 4-8 表 4.2-4(1) 計画段階配慮事項の選定及び非選定の理由(埋立地の存在) 環境要素の区分 選定 選定した理由または選定しなかった理由 埋立地の存在による粉じんの発生は想定されないこ とから、計画段階配慮事項に選定しない 埋立地の存在による窒素酸化物の発生は想定されな 二酸化窒素 いことから、計画段階配慮事項に選定しない 大気質 埋立地の存在による浮遊粒子物質の発生は想定され 浮遊粒子状物質 ないことから、計画段階配慮事項に選定しない 埋立地の存在による硫黄酸化物の発生は想定されな 二酸化硫黄 いことから、計画段階配慮事項に選定しない 埋立地の存在による建設機械等の稼動は想定されな いことから、計画段階配慮事項に選定しない 埋立地の存在による道路交通騒音を発生する行為は 騒音 騒音 想定されないことから、計画段階配慮事項に選定しな い 埋立地の存在による建設機械等の稼動は想定されな いことから、計画段階配慮事項に選定しない 埋立地の存在による道路交通振動を発生する行為は 振動 振動 想定されないことから、計画段階配慮事項に選定しな い 埋立地の存在による悪臭の発生は想定されないこと 悪臭 悪臭 から、計画段階配慮事項に選定しない 埋立地の存在による水の濁りを発生する行為は想定 水の濁り されないことから、計画段階配慮事項に選定しない 事業実施想定区域周辺には、曽根干潟等の環境影響 水の汚れ を受けやすい地域が存在し、COD の環境基準の超過地 点や、赤潮の発生海域が確認されている 埋立地の存在に伴う海水の流れの変化により、事業 ○ 富栄養化 実施想定区域周囲の海域の化学的酸素要求量(COD)、 全窒素(T-N)、全燐(T-P)、溶存酸素量(DO)の濃度 水質 分布に影響が及ぶおそれがあることから、計画段階配 溶存酸素 慮事項に選定する 埋立地の存在による底質への影響は、埋立地の存在 底質 による水質の変化に伴う影響と考えられることから、 水質で検討するため、計画段階配慮事項に選定しない 埋立地の存在による地下水の水質及び水位に影響を 地下水の水質及び 及ぼす行為は想定されないことから、計画段階配慮事 水位 項に選定しない 事業実施想定区域周辺海域において重要な生物の生 息場である干潟の存在が確認されている 埋立地の存在に伴う潮流及び波浪の変化により、事 地 形 及 び 重要な地形及び地 ○ 業実施想定区域周囲の重要な地形及び地質(周辺干潟) 地質 質 に影響が及ぶおそれがあることから、計画段階配慮事 項に選定する 埋立地の存在による地盤沈下をもたらす構造物等の 設置がなく、本事業による地盤沈下の影響はないもの 地盤 地盤沈下 と考えられることから、計画段階配慮事項に選定しな い 埋立地では、土壌汚染をもたらす廃棄物等の受け入 土壌汚染(有害物 れを想定しておらず、本事業による影響はないものと 土壌 質) 考えられることから、計画段階配慮事項に選定しない 埋立地の存在による日照阻害をもたらす構造物等の 設置がなく、本事業による日照阻害の影響はないもの その他 日照阻害 と考えられることから、計画段階配慮事項に選定しな い 注) 「○」は、計画段階配慮事項として選定した項目を示す。 粉じん等 大気環境 水環境 土壌環境・その他の環境 4-9 表 4.2-4(2) 計画段階配慮事項の選定及び非選定の理由(埋立地の存在) 環境要素の区分 選定 選定した理由または選定しなかった理由 事業実施想定区域周辺海域において重要な生物の生 息場である干潟の存在が確認されている 埋立地の存在並びに埋立地の存在に伴う潮流、水質 植物 重要な種及び群落 ○ 並びに地形及び地質の変化が、事業実施想定区域周囲 の重要な種及び群落に影響を及ぼすおそれがあること から、計画段階配慮事項に選定する 事業実施想定区域周辺海域において重要な生物の生 息場である干潟の存在が確認されている 埋立地の存在並びに埋立地の存在に伴う潮流、水質 重要な種及び注目 動物 ○ 並びに地形及び地質の変化が、事業実施想定区域周囲 すべき生息地 の重要な種及び注目すべき生息地に影響を及ぼすおそ れがあることから、計画段階配慮事項に選定する 事業実施想定区域周辺海域において重要な生物の生 息場である干潟の存在が確認されている 埋立地の存在並びに埋立地の存在に伴う潮流、水質 地域を特徴づける 生態系 ○ 並びに地形及び地質の変化が、事業実施想定区域周囲 生態系 の地域を特徴づける生態系に影響を及ぼすおそれがあ ることから、計画段階配慮事項に選定する 埋立地の存在による景観資源や眺望点の直接改変は 主要な眺望点及び なく、事業実施想定区域が臨港地区周辺であるため、 景観 景観資源並びに主 景観資源の著しい変化は想定されないことから、計画 要な眺望景観 段階配慮事項に選定しない 埋立地の存在による主要な人と自然との触れ合いの 人と自然との触 主要な人と自然と 活動の場の直接改変はなく、触れ合い活動の場の環境 れ合いの活動の の触れ合いの活動 質、アクセス特性を著しく改変する可能性は少ないこ の場 場 とから、計画段階配慮事項に選定しない 埋立地の存在による建設副産物の発生はないため、 建設工事に伴う副 廃棄物等 計画段階配慮事項に選定しない 産物 埋立地の存在による二酸化炭素を大量に排出する行 温室効果ガス等 二酸化炭素 為はないことから、計画段階配慮事項に選定しない 埋立地の存在による風害をもたらす構造物等の設置 風害 強風による風害 がなく、本事業による風害の影響はないものと考えら れることから、計画段階配慮事項に選定しない 埋立地の存在による低周波音を発生する行為がな 低周波 低周波音 く、本事業による低周波音の影響はないものと考えら れることから、計画段階配慮事項に選定しない 注) 「○」は、計画段階配慮事項として選定した項目を示す。 4-10 4.2.2 調査、予測及び評価の手法の選定 計画段階配慮事項に係る調査、予測及び評価の手法は、表 4.2-5 に示すとおりであ る。 表 4.2-5(1) 調査、予測及び評価の手法 環境要素の区分 水質 水環境 水の汚れ 富栄養化 溶存酸素 調査手法 予測手法 【調査項目】 ・水質の代表項目と ①周辺海域の水質の状況 して COD に着目す ②周辺海域の赤潮の発生状況 る 【調査方法】 ・流況変化範囲によ 事業実施想定区域から影響が想定 る停滞期の形成状 される範囲内について、既存資料によ 況を整理し、埋立 り整理する 地の形状や位置か ①周辺海域の水質の状況 ら流れの阻害の程 「公共用水域水質測定結果」 (福岡県ホ ・ 度を推測し、水の ームページ等 平成 16∼25 年度) 汚れの変化につい ・ 「生態系調査」 (国土交通省九州地方整 て推測する 備局北九州港湾・空港整備事務所 平 成 6∼25 年度) ・ 「苅田港環境監視調査」 (国土交通省九 州地方整備局苅田港湾事務所 平成 9 ∼25 年度) ・ 「覆砂海域環境改善効果検証」 (国土交 通省九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 25 年 3 月) ・ 「苅田港港湾計画資料(その2)−改訂 −」 (苅田港港湾管理者 平成9 年5 月) ・ 「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県苅 田港務所 平成 24 年 8 月) ・ 「行橋市による調査」 (行橋市 平成 26 年 3 月) ・ 「福岡県水産海洋技術センター事業報告 書」 (福岡県水産海洋技術センター 平 成 15∼24 年度) ②周辺海域の赤潮の発生状況 ・ 「瀬戸内海の赤潮」 (水産庁 瀬戸内海 漁業調整事務所 平成 17∼26 年) ③周辺海域の底質の状況 ・ 「環境の現況」 (北九州市ホームページ 平成 25 年度) ・ 「生態系調査」 (国土交通省九州地方整 備局北九州港湾・空港整備事務所 平 成 6∼25 年度) ・ 「苅田港環境監視調査」 (国土交通省九 州地方整備局苅田港湾事務所 平成 9 ∼25 年度) ・ 「覆砂海域環境改善効果検証」 (国土交 通省九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 25 年 3 月) ・ 「苅田港港湾計画資料(その2)−改訂 −」 (苅田港港湾管理者 平成9 年5 月) ・ 「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県苅 田港務所 平成 24 年 8 月) ・ 「福岡県水産海洋技術センター事業報告 書」 (福岡県水産海洋技術センター 平 成 24 年度) 4-11 評価手法 ・事業による水質変 化の程度につい て、複数案の比較 による評価を行う 表 4.2-5(2) 調査、予測及び評価の手法 環境要素の区分 地形及び地質 土壌環境・その他の環境 重要な地 形及び地 質 調査手法 予測手法 評価手法 【調査項目】 ①重要な地形及び地質の状況 ②潮流の状況 ③波浪の状況 【調査方法】 事業実施想定区域から影響が想定 される範囲内について、既存資料によ り整理する ①重要な地形及び地質の状況 ・「国土調査 20 万分の 1 土地分類基 本調査及び土地保全基本調査」(国 土交通省国土政策局国土情報課ホ ームページ) ・「海図 W1101 周防灘及付近」(海 上保安庁 平成 25 年 4 月) ・「第 5 回自然環境保全基礎調査 海 辺調査」 (環境庁 平成 10 年) ・「第 3 回自然環境保全基礎調査 福 岡県自然環境情報図」(環境庁 平 成元年) ②潮流の状況 ・ 「生態系調査」 (国土交通省九州地方 整備局北九州港湾・空港整備事務所 平成 26 年 3 月) ・ 「苅田港環境監視調査」 (国土交通省 九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 26 年 3 月) ・「苅田港港湾計画資料(その2)− 改訂−」 (苅田港港湾管理者 平成 9 年 5 月) ・ 「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県 苅田港務所 平成 24 年 8 月) ③波浪の状況 ・ 「ナウファス」 (国土交通省港湾局全 国港湾海洋波浪情報網) ・埋立地の形状や位 置、及び既存の潮 流シミュレーショ ン結果の重ね合わ せにより、流れに 影響がある範囲と その程度を推測す る ・事業による重要な 地形及び地質への 影響の程度につい て、複数案の比較 による評価を行う 4-12 表 4.2-5(3) 調査、予測及び評価の手法 環境要素の区分 植物 重要な種 及び群落 動物 重要な種 及び注目 すべき生 息地 生態系 地域を特 徴づける 生態系 調査手法 予測手法 評価手法 【調査項目】 ①重要種の分布状況 【調査方法】 事業実施想定区域から影響が想定 される範囲内について、既存資料によ り重要な種の分布状況を整理する ①重要種の分布状況 ・「第 5 回自然環境保全基礎調査 特 定植物群落調査」 (平成 5∼10 年 環 境庁) ・「第 5 回自然環境保全基礎調査 海 辺調査」 (環境庁 平成 10 年) ・「わたしたちの自然史 第 100 号記 念号」(北九州市立自然史・歴史博 物館自然史友の会) ・「第 6 回自然環境保全基礎調査 種 の多様性調査」 (環境省 平成 16 年) ・「第 2 回自然環境保全基礎調査 福 岡県動植物分布図」(環境庁 昭和 56 年) ・「新門司南地区公有水面埋立事業環 境影響評価書」 (北九州市 平成 19 年 4 月) ・ 「生態系調査」 (国土交通省九州地方 整備局北九州港湾・空港整備事務所 平成 22 年 3 月) ・ 「生態系調査」 (国土交通省九州地方 整備局北九州港湾・空港整備事務所 平成 26 年 3 月) ・ 「苅田港環境監視調査」 (国土交通省 九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 26 年 3 月) ・ 「覆砂海域環境改善効果検証」 (国土 交通省九州地方整備局苅田港湾事 務所 平成 25 年 3 月) ・「苅田港港湾計画資料(その2)− 改訂−」 (苅田港港湾管理者 平成 9 年 5 月) ・ 「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県 苅田港務所 平成 24 年 8 月) ・「福岡県水産海洋技術センター事業 報告書」(福岡県水産海洋技術セン ター 平成 26 年 3 月) ・事業実施想定区域 及びその周辺にお いて、重要な種を 抽出し、各種の生 態特性等をもとに 生育・生息環境と 事業実施想定区域 との位置関係を整 理する ・水質、地形及び地 質による影響の程 度と重要な種及び 注目すべき生育・ 生息地の分布状況 を整理し、影響の 程度を推測する ・事業実施想定区域 及びその周辺にお いて、重要な種を 抽出し、各種の生 態特性等をもとに 生育・生息環境と 事業実施想定区域 との位置関係を整 理する ・水質、地形及び地 質による影響の程 度と重要な種及び 注目すべき生育・ 生息地の分布状況 を整理し、影響の 程度を推測する ・事業による植物へ の影響の程度につ いて、複数案の比 較による評価を行 う ・事業による動物へ の影響の程度につ いて、複数案の比 較による評価を行 う 4-13 ・事業による生態系 への影響の程度に ついて、複数案の 比較による評価を 行う 4.3 計画段階配慮事項に係る調査、予測及び評価の結果 4.3.1 水質 4.3.1.1 調査 (1) 調査方法 文献及びその他資料調査結果をもとに、事業実施想定区域周辺海域における水質 の状況、赤潮の状況及び底質の状況を整理した。 使用する既存資料は表 4.3-1、表 4.3-3 に、調査内容は表 4.3-2、表 4.3-4 に、 調査地点は図 4.3-1、図 4.3-2 に示すとおりである。 (2) 調査範囲 調査範囲は、事業実施想定区域から 5km の範囲とした。 ただし、一連の調査については、付随する調査地点全てを標記した。 表 4.3-1 既存資料一覧(水質) 資料 番号 項目 ① ② ③ ④ 水質の状況 ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 赤潮の状況 資料名 「公共用水域水質測定結果」 (福岡県ホームページ等 平成 16∼25 年度) 「生態系調査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所 平成 6∼25 年度) 「苅田港環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 9∼25 年度) 「覆砂海域環境改善効果検証」 (国土交通省九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 25 年 3 月) 「苅田港港湾計画資料(その2)−改訂−」 (苅田港港湾管理者 平成 9 年 5 月) 「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県苅田港務所 平成 24 年 8 月) 「行橋市による調査」 (行橋市 平成 26 年 3 月) 「福岡県水産海洋技術センター事業報告書」 (福岡県水産海洋技術センター 平成 15∼24 年度) 「瀬戸内海の赤潮」 (水産庁 瀬戸内海漁業調整事務所 平成 17∼26 年) 4-14 表 4.3-2 調査内容一覧(水質) 掲載 資料 調査期間 調査頻度 ① 平成 16∼25 年度 年 12 回※1 (毎月) ② 平成 6∼25 年度 年4回 (四季) ③ 平成 9∼25 年度 年4回 (四季) ④ 平成 15∼24 年度 年 2 回※2 (夏・冬季) ⑤ 平成 6∼7 年 ⑥ 平成 23∼24 年 ⑦ 平成 25 年度 ⑧ 平成 15∼24 年度 年4回 (四季) 年4回 (四季) 調査項目 ・COD ・DO ・全窒素 ・全燐 ・COD ・DO 平成 17∼26 年 4 地点 −※1 2 地点 2 地点 5 地点 ・COD ・DO 5 地点 − 4-15 調査地点 全 10 地点 8 地点 :(全項目) 10 地点 2層 :(DO 以外) 表層 全 7 地点 :海面下 0.5m 3 地点 下層 :(全項目) :海底上 1.0m 7 地点 :(DO 以外) 8 地点 赤潮発生状況、 赤潮構成種 ※1.地点及び項目によって調査頻度・調査層は異なる。 ※2.曽根沖は 8 月のみ実施 備考)資料④においては、在来区の調査結果をまとめた。 ⑨ 調査層 ・COD ・DO ・全窒素 ・全燐 年3回 (春・秋・冬季) 年 12 回 (毎月) 地点数 − 2層 図 4.3-1 表層 参照 :海面下 0.5m 下層 :海底上 2.0m 2層 表層 :海面下 0.5m 下層 :海底上 1.0m 1層 表層 :海面下 0.5m 5層 表層、2.5m、 5m、10m、海 底上 1m − 瀬戸内海 表 4.3-3 既存資料一覧(底質) 資料 番号 項目 資料名 底質の状況 「環境の現況」 (北九州市ホームページ 平成 25 年度) 「生態系調査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所 平成 6∼25 年度) 「苅田港環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 9∼25 年度) 「覆砂海域環境改善効果検証」 (国土交通省九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 25 年 3 月) 「苅田港港湾計画資料(その2)−改訂−」 (苅田港港湾管理者 平成 9 年 5 月) 「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県苅田港務所 平成 24 年 8 月) 「福岡県水産海洋技術センター事業報告書」 (福岡県水産海洋技術センター 平成 24 年度) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 表 4.3-4 調査内容一覧(底質) 掲載 資料 調査期間 ① 平成 25 年度 ② 平成 6∼25 年度 ③ 平成 9∼25 年度 ④ 平成 15∼24 年度 ⑤ 平成 7 年 ⑥ 平成 23∼24 年 ⑦ 平成 24 年度 調査頻度 調査項目 年1回 (夏季) 年2回 (夏・冬季) 年4回 (四季) 年2回 (夏・冬季) 年 2 回※ (夏・冬季) 年1回 (夏季) 年4回 (四季) 年2回 (夏・冬季) 地点図 1 地点 8 地点(海域) ・COD ・強熱減量 ・全窒素 ・全燐 6 地点(干潟) 3 地点 3 地点 6 地点 2 地点 ・強熱減量 ※曽根沖は 8 月のみ実施 備考)資料④においては、在来区の調査結果をまとめた。 4-16 地点数 1 地点 図 4.3-2 参照 ● ①平成 16∼25 年度 年12回 ● ②平成 6∼25 年度 年4回 4 地点 8 地点 10 地点 3 地点 7 地点 - ● ③平成 9∼25 年度 年4回 ● ④平成 15∼24 年度 年2回 2 地点 ● ● ⑤平成 6∼7 年 ⑥平成 23∼24 年 年4回 年4回 8 地点 2 地点 ● ⑦平成 25 年度 年3回 5 地点 1層 ● ⑧平成 15∼24 年度 年12回 5 地点 5層 2層 全項目 全項目 DO以外 全項目 DO以外 COD DO 全項目 COD DO COD DO ※全項目は、COD、DO、全窒素、全燐を示す。 図 4.3-1 調査位置図(水質) 4-17 ● ①平成 25 年度 ● ②平成 6∼25 年度 ● ● ● ● ● ③平成 9∼25 年度 ④平成 15∼24 年度 ⑤平成 7 年 ⑥平成 23∼24 年 ⑦平成 24 年度 年1回 年2回 年4回 年2回 年2回 年1回 年4回 年2回 1 地点 8 地点(海域) 6 地点(干潟) 3 地点 3 地点 6 地点 2 地点 1 地点 COD 強熱減量 全窒素 全燐 強熱減量 図 4.3-2 調査位置図(底質) 4-18 (3) 調査結果 1) 水質の状況 a. 苅田港港湾計画資料 苅田港港湾計画資料(平成 6∼7 年)の水質調査結果より、COD、DO、全窒素(T-N)、 全燐(T-P)の水平分布を図 4.3-3 に示す。 水質 4 項目の調査結果の環境基準との整合性をみると、COD で全 8 地点、DO で 2 地点、全窒素(T-N)で 4 地点、全燐(T-P)で 7 地点が環境基準を満足していない 状況にある。 COD(mg/L) DO(mg/L) 2.1∼3.6 2.4∼4.4 8.4∼10.2 7.8∼10.2 2.1∼3.8 2.5∼3.4 7.9∼10.0 7.5∼10.3 2.3∼3.5 2.0∼4.1 2.1∼3.2 7.7∼10.2 8.0∼11.0 1.6∼3.5 全窒素(mg/L) 0.165∼0.268 7.0∼10.4 7.4∼10.3 全燐(mg/L) 0.142∼0.254 0.016∼0.035 0.015∼0.032 0.122∼0.258 0.182∼0.303 0.016∼0.031 0.179∼0.363 0.015∼0.043 0.151∼0.401 0.167∼0.405 0.017∼0.044 0.016∼0.047 0.129∼0.288 0.018∼0.027 0.014∼0.032 注 1)値は、調査期間及び全層(表層、下層)の最小値∼最大値を示す。 注 2)赤字は、環境基準を満足しない値を示す。 COD:2.0mg/L 以下、DO:7.5mg/L 以上、T-N:0.3mg/L 以下、T-P:0.03mg/L 以下 図 4.3-3 COD、DO、全窒素、全燐の水平分布(苅田港港湾計画資料) 4-19 b. 苅田港環境調査 苅田港環境調査(平成 23∼24 年)の水質調査結果より、COD、DO、全窒素(T-N)、 全燐(T-P)の水平分布を図 4.3-4 に示す。 水質 4 項目の調査結果の環境基準との整合性をみると、全窒素は環境基準に適合 しているが、COD、DO、全燐は全 2 地点で環境基準を満足していない状況にある。 COD(mg/L) 表層 下層 DO(mg/L) 春季 夏季 秋季 冬季 3.3 2.4 2.3 2.3 2.1 2.0 2.1 1.9 表層 春季 3.5 夏季 2.4 秋季 2.6 下層 3.0 2.6 2.2 春季 夏季 秋季 冬季 8.8 5.5 7.5 6.4 7.5 6.9 9.9 9.9 冬季 1.7 表層 春季 9.0 夏季 7.3 秋季 7.7 冬季 10 1.7 下層 7.3 6.8 7.4 9.9 表層 下層 全窒素(mg/L) 全燐(mg/L) 表層 春季 0.23 夏季 0.23 秋季 0.21 冬季 0.17 表層 春季 0.032 夏季 0.027 秋季 0.028 冬季 0.020 下層 0.19 0.22 0.21 0.15 下層 0.029 0.030 0.025 0.020 表層 春季 0.21 夏季 0.21 秋季 0.26 冬季 0.16 表層 春季 0.028 夏季 0.027 秋季 0.031 冬季 0.020 下層 0.22 0.24 0.20 0.15 下層 0.034 0.033 0.026 0.020 注)赤字は、環境基準を満足しない値を示す。 COD:2.0mg/L 以下、DO:7.5mg/L 以上、T-N:0.3mg/L 以下、T-P:0.03mg/L 以下 図 4.3-4 COD、DO、全窒素、全燐の水平分布(苅田港環境調査) 4-20 c. 覆砂海域環境改善効果検証、福岡県水産海洋技術センター事業報告書 覆砂海域環境改善効果検証、福岡県水産海洋技術センター事業報告書(平成 24 年 度)の水質調査結果より、調査地点を図 4.3-5、COD、DO の水平分布を図 4.3-6、経 年変化を図 4.3-7、図 4.3-8 に示す。 水質 2 項目の調査結果の環境基準との整合性をみると、COD は 2 地点、DO は 5 地 点で環境基準を満足していない状況にある。 覆砂海域環境改善効果検証の経年変化(平成 15∼24 年度)をみると、COD は表層、 下層ともに一部で環境基準値内の値が見られるが、ほぼ環境基準値を超える値で推 移している。DO は、経年的には基準値を満足する値で推移している。 福岡県水産海洋技術センター事業報告書の経年変化(平成 15∼24 年)をみると、 COD、DO ともに概ね横ばいで推移しており、DO は経年的に環境基準を満足しない値 で推移している。 図 4.3-5 調査地点(覆砂海域環境改善効果検証、福岡県水産海洋技術センター事業報告書) 4-21 COD(mg/L) DO(mg/L) 0.5 0.5 夏季 3.1 3.3 5.9 5.2 0.6 0.6 0.6 0.7 夏季 8.3 7.9 5.9 5.6 0.6 0.7 夏季 2.7 2.5 冬季 1.6 1.8 5.9 5.3 6.0 5.4 夏季 8.1 7.7 0.7 0.6 冬季 9.9 10.1 6.0 5.4 注 1)値は、覆砂海域環境改善効果検証では調査時の値、福岡県水産海洋技術センター事業報告書では年間平 均値(平成 24 年1∼12 月)を示す。 注 2)上段は表層(福岡県水産海洋技術センター事業報告書:海面、覆砂海域環境改善効果検証海面下 0.5m) 下段は下層(海底上 1.0m)を示す。 注 3)赤字は、環境基準を満足しない値を示す[環境基準 COD:2.0mg/L 以下、DO:7.5mg/L 以上] 。 図 4.3-6 COD、DO の水平分布(覆砂海域環境改善効果検証、福岡県水産海洋技術センター 事業報告書) 4-22 COD 表層 地点 B M3 環境基準 冬季 H23 夏季 冬季 H22 夏季 冬季 H21 夏季 冬季 H20 夏季 冬季 H19 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 H18 H24 (年度) 地点 B M3 環境基準 冬季 H23 夏季 冬季 H22 夏季 冬季 H21 夏季 冬季 H20 夏季 冬季 H19 夏季 冬季 H18 夏季 冬季 H17 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 H16 H24 (年度) DO 表層 環境基準 地点 B M3 冬季 夏季 冬季 H22 夏季 冬季 H21 夏季 冬季 H20 夏季 冬季 H19 H18 夏季 冬季 夏季 冬季 H17 夏季 冬季 H16 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 H15 H24 H23 (年度) DO 下層 環境基準 地点 B M3 図 4.3-7 H24 (年度) 平成 25 年 3 月) COD、DO の経年変化(覆砂海域環境改善効果検証) 4-23 冬季 注 1)地点番号は図 4.3-5 に対応している。 注 2)曽根沖(B)は夏季のみ実施 出典) 「覆砂海域環境改善効果検証」 (国土交通省九州地方整備局苅田港湾事務所 夏季 H23 冬季 夏季 H22 冬季 夏季 H21 冬季 夏季 H20 冬季 夏季 H19 冬季 夏季 H18 冬季 H17 夏季 冬季 H16 夏季 冬季 夏季 H15 冬季 夏季 (mg/L) 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 H17 COD 下層 H15 (mg/L) 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 夏季 H16 冬季 夏季 (mg/L) 8.8 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 冬季 H15 夏季 冬季 夏季 (mg/L) 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 (mg/L) 6.0 COD(年間平均値) 表層 5.0 4.0 3.0 2.0 環境基準 1.0 地点 15 5 12 11 10 0.0 H15 H16 H17 (mg/L) 6.0 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 (年) COD(年間平均値) 下層 5.0 4.0 3.0 2.0 環境基準 1.0 地点 15 5 12 11 10 0.0 H15 H16 H17 H18 (mg/L) 14.0 H19 H20 H21 H22 H23 H24 (年) DO(年間平均値) 表層 12.0 10.0 環境基準 8.0 6.0 4.0 2.0 地点 15 5 12 11 10 0.0 H15 H16 H17 H18 (mg/L) 14.0 H19 H20 H21 H22 H23 H24 (年) DO(年間平均値) 下層 12.0 10.0 環境基準 8.0 6.0 4.0 2.0 地点 15 5 12 11 10 0.0 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 注)地点番号は図 4.3-5 に対応している。 出典) 「福岡県水産海洋技術センター事業報告書」 (福岡県水産海洋技術センター H24 (年) 平成 15∼24 年度) 図 4.3-8 COD、DO の経年変化(福岡県水産海洋技術センター事業報告書) 4-24 d. 公共用水域水質測定結果、生態系調査、苅田港環境監視調査、行橋市による調査 公共用水域水質測定結果、生態系調査、苅田港環境監視調査、行橋市による調査 (平成 25 年度)の水質調査結果より、公共用水域水質測定結果及び行橋市による調 査地点を図 4.3-9、COD、DO、全窒素(T-N)、全燐(T-P)の水平分布を図 4.3-10、 経年変化を図 4.3-11、図 4.3-12、図 4.3-13、図 4.3-14 に示す。 水質 4 項目の調査結果の環境基準との整合性をみると、全窒素は環境基準を満足 しているが、COD、DO、全燐は環境基準を満足していない状況にある。調査地点別で は、空港島北西地点、曽根干潟沖合、苅田港沖合や蓑島沖合に位置する調査地点で 環境基準を満足していない傾向がみられた。 公共用水域水質測定結果の経年変化(平成 16∼25 年度)をみると、COD は、やや 減少傾向がみられる。DO、全窒素、全燐は、概ね横ばいで推移している。 生態系調査の経年変化(平成 6∼25 年度)をみると、COD は、平成 15∼16 年度に 比較的高い値がみられたが、平成 17 年度以降は概ね横ばいで推移している。DO は、 平成 6 年度以降同様の傾向で推移している。T-N、T-P は、平成 6 年度以降概ね横ば いで推移している。 苅田港環境監視調査の経年変化(平成 9∼25 年度)をみると、COD は、平成 9∼21 年度では環境基準を超える値で推移していたが、平成 22 年度以降はほぼ環境基準を 満足する値で推移している。DO は、平成 9 年度以降同様の傾向で推移している。T-N は、平成 15 年度以降減少傾向、T-P は、平成 20∼21 年度に高い値がみられたが、平 成 22 年度以降は横ばいで推移している。 行橋市による調査の経年変化(平成 20∼25 年度)をみると、COD は、平成 23 年度 に環境基準を満足する値がみられたが、調査期間を通してほぼ環境基準を超える値 で推移している。DO は、概ね横ばいで推移している。 図 4.3-9 調査地点(公共用水域水質測定結果、行橋市による調査) 4-25 春季 夏季 秋季 冬季 注 1)値は、公共用水域水質測定結果では 75%値、生態系調査・苅田環境監視調査では表層及び下層、 行橋市による調査では表層の結果を示す。 注 2)上段は表層(海面下 0.5m) 、下段は下層(海底上 1.0m)を示す。 注 3)赤字は、環境基準を満足しない値を示す[環境基準 COD:2.0mg/L 以下] 。 図 4.3-10(1) COD の水平分布(公共用水域水質測定結果、生態系調査、苅田港環境監視調 査、行橋市による調査) 4-26 春季 夏季 秋季 冬季 注 1)値は、公共用水域水質測定結果では年間平均値、生態系調査・苅田環境監視調査では表層及び下層、 行橋市による調査では表層の結果を示す。 注 2)上段は表層(海面下 0.5m) 、下段は下層(海底上 1.0m)を示す。 注 3)赤字は、環境基準を満足しない値を示す[環境基準 DO:7.5mg/L 以上] 。 図 4.3-10(2) DO の水平分布(公共用水域水質測定結果、生態系調査、苅田港環境監視調 査、行橋市による調査) 4-27 春季 夏季 秋季 冬季 注 1)値は、公共用水域水質測定結果では年間平均値、生態系調査・苅田環境監視調査では表層及び下層、 行橋市による調査では表層の結果を示す。 注 2)上段は表層(海面下 0.5m) 、下段は下層(海底上 1.0m)を示す。 注 3)赤字は、環境基準を満足しない値を示す[環境基準 T-N:0.3mg/L 以下] 図 4.3-10(3) 全窒素(T-N)の水平分布(公共用水域水質測定結果、生態系調査、苅田港環境 監視調査、行橋市による調査) 4-28 春季 夏季 秋季 冬季 注 1)値は、公共用水域水質測定結果では年間平均値、生態系調査・苅田環境監視調査では表層及び下層、 行橋市による調査では表層の結果を示す。 注 2)上段は表層(海面下 0.5m) 、下段は下層(海底上 1.0m)を示す。 注 3)赤字は、環境基準を満足しない値を示す[環境基準 T-P:0.03mg/L 以下] 。 図 4.3-10(4) 全燐(T-P)の水平分布(公共用水域水質測定結果、生態系調査、苅田港環境 監視調査、行橋市による調査) 4-29 (mg/L) 6.0 COD(75%値) 5.0 地点 S-1 4.0 S-2 3.0 環境基準 S-3 2.0 S16 1.0 0.0 H16 H17 H18 H19 (mg/L) H20 H21 H22 H23 H24 H25 (年度) DO(年間平均値) 14.0 12.0 環境基準 10.0 地点 S-1 8.0 S-2 6.0 S-3 4.0 S16 2.0 0.0 H16 H17 H18 H19 (mg/L) 0.6 H20 H21 H22 H23 H24 H25 (年度) 全窒素(年間平均値) 地点 S-1 0.5 0.4 S-2 環境基準 0.3 S-3 0.2 S16 0.1 0.0 H16 H17 H18 H19 (mg/L) 0.06 H20 H21 H22 H23 H24 H25 (年度) 全燐(年間平均値) 地点 S-1 0.05 0.04 環境基準 0.03 S-2 S-3 0.02 S16 0.01 0.00 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 (年度) 注)地点番号は図 4.3-9 に対応している。 出典) 「公共用水域水質測定結果」 (福岡県ホームページ http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/koukyouyousuiiki.html) 水環境総合情報サイト(環境省 https://www2.env.go.jp/water-pub/mizu-site/) 図 4.3-11 COD(75%値)、DO、全窒素、全燐の経年変化(公共用水域水質測定結果) 4-30 COD(表層) (単位:mg/L) 6.0 最大値 平均値 5.0 最小値 4.0 3.0 2.0 1.0 環境基準 0.0 冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬 季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 COD(下層) (単位:mg/L) 6.0 最大値 平均値 5.0 最小値 4.0 3.0 2.0 1.0 環境基準 0.0 冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬 季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 DO(表層) (単位:mg/L) 14.0 12.0 環境基準 10.0 8.0 6.0 4.0 最大値 平均値 2.0 最小値 0.0 冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬 季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 DO(下層) (単位:mg/L) 14.0 12.0 環境基準 10.0 8.0 6.0 4.0 最大値 平均値 2.0 最小値 0.0 冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬 季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 注)値は、全調査地点(COD:10 地点、DO:8 地点)の平均値を示す。 出典) 「生態系調査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所 図 4.3-12(1) COD、DO の経年変化(生態系調査) 4-31 H22 H23 H24 H25 年度 平成 26 年 3 月) 全窒素(表層) (単位:mg/L) 0.6 最大値 平均値 最小値 0.5 0.4 環境基準 0.3 0.2 0.1 0.0 冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬 季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 全窒素(下層) (単位:mg/L) 0.6 最大値 平均値 最小値 0.5 0.4 環境基準 0.3 0.2 0.1 0.0 冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬 季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H24 H23 H25 年度 全燐(表層) (単位:mg/L) 0.08 最大値 平均値 最小値 0.07 0.06 0.05 環境基準 0.04 0.03 0.02 0.01 0.00 冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬 季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 全燐(下層) (単位:mg/L) 0.08 0.20 最大値 平均値 最小値 0.07 0.06 0.05 環境基準 0.04 0.03 0.02 0.01 0.00 冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬 季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 注)値は、全調査地点(T-N、T-P:10 地点)の平均値を示す。 出典) 「生態系調査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所 H22 H24 H25 年度 平成 26 年 3 月) 図 4.3-12 (2) 全窒素、全燐の経年変化(生態系調査) 4-32 H23 COD (単位:mg/L) 6.0 最大値 平均値 5.0 最小値 4.0 3.0 2.0 環境基準 1.0 0.0 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 春 夏 秋 冬 春 夏 春 夏 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 DO (単位:mg/L) 14.0 最大値 12.0 平均値 最小値 10.0 8.0 6.0 環境基準 4.0 2.0 0.0 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 春 夏 秋 冬 春 夏 春 夏 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 全窒素 (単位:mg/L) 0.6 最大値 平均値 0.5 最小値 0.4 環境基準 0.3 0.2 0.1 0.0 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 春 夏 秋 冬 春 夏 春 夏 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 全燐 (単位:mg/L) 0.08 最大値 0.07 平均値 最小値 0.06 0.05 0.04 環境基準 0.03 0.02 0.01 0.00 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 春 夏 秋 冬 春 夏 春 夏 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 春 夏 秋 冬 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 季 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 注)値は、全調査地点(DO:3 地点、COD、T-N、T-P:7 地点)及び全層(表層、下層)の平均値を示す。 なお、平成 20 年度以前は、詳細な調査結果がないため、平均値のみを示す。 出典) 「苅田港環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 26 年 3 月) 図 4.3-13 COD、DO、全窒素、全燐の経年変化(苅田港環境監視調査) 4-33 (mg/L) 6.0 COD(年間平均値) 地点 蓑島沖 5.0 4.0 苅田沖 3.0 沓尾沖 2.0 1.0 0.0 長井沖 稲童沖 環境基準 H20 (mg/L) 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 環境基準 4.0 2.0 0.0 H20 H21 H22 H23 H24 H25 (年度) DO(年間平均値) 地点 蓑島沖 苅田沖 沓尾沖 長井沖 稲童沖 H21 H22 H23 H24 H25 (年度) 注 1)地点番号は図 4.3-9 に対応している。 注 2)値は、表層の結果を示す。 出典) 「行橋市による調査」 (行橋市 平成 26 年 3 月) 図 4.3-14 DO、COD の経年変化(行橋市による調査) 4-34 2) 赤潮の状況 事業実施想定区域周辺海域の赤潮発生位置図を図 4.3-15、発生状況を表 4.3-5、 豊前海(福岡県)における赤潮発生件数の推移を図 4.3-16 に示す。 最近 5 年間については、苅田港周辺海域で年間 1∼3 回の赤潮の発生を確認してい る。また、過去 10 年間の豊前海(福岡県海域)における赤潮発生件数は、年間 1∼5 回で推移している。 平成 22 年 平成 23 年 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 ※11 月までの速報値を元に作成 出典:「瀬戸内海の赤潮」 (水産庁瀬戸内海漁業調整事務所 平成 22∼26 年) 図 4.3-15 事業実施想定区域周辺海域における赤潮発生位置 4-35 表 4.3-5 事業実施想定区域周辺海域の赤潮発生状況 発生年 平成 22 年 平成 23 年 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 発生日 終息日 7/20 7/26 7/28 8/8 1/25 2/11 5/31 6/29 5/31 6/10 6/25 8/3 7/23 7/29 5/24 5/28 5/7 5/12 7/22 8/19 発生海域 赤潮構成プランクトン 苅田本港 苅田本港 苅田南港 恒見漁港 新門司漁港 蓑島漁港他 苅田南港 恒見漁港 苅田本港 蓑島漁港 苅田本港 苅田南港 恒見漁港 苅田本港 苅田南港 行橋市蓑島沖 苅田本港 苅田南港 蓑島漁港 苅田南港 北九州空港付近 恒見漁港 松山漁港 注)平成 26 年は速報値 出典:「瀬戸内海の赤潮」 (水産庁 [平成 22∼26 年] 漁業被害 最高細胞数 (被害額) (cell/ml) カレニア ミキモトイ カレニア ミキモトイ 無 1,133 1,587 520 457 1,193 600 3,120 3,000 68,000 70,000 7,850 23,300 627 913 8,500 760 32,000 9,000 2,600 1,030 カレニア ミキモトイ 有 3,700 シャトネラ アンティカ シャトネラ マリーナ 無 有 (不明) ノクチルカ 無 ヘテロシグマ アカシオ 有 (不明) ヘテロシグマ アカシオ 無 シャトネラ アンティカ 有 (数万円) ノクチルカ 無 ヘテロシグマ アカシオ 瀬戸内海漁業調整事務所 有 (数千円) 平成 22∼26 年) (件) 6 5 発生件数 4 3 2 4 1 4 3 1 0 平成17 18 19 注)平成 26 年は速報値 出典:「瀬戸内海の赤潮」 (水産庁 3 2 20 21 22 5 4 2 1 23 瀬戸内海漁業調整事務所 24 25 26年度 平成 17∼26 年) 図 4.3-16 豊前海(福岡県)における赤潮発生件数の推移 4-36 3) 底質の状況 a. 苅田港港湾計画資料 苅田港港湾計画資料 (平成 7 年) の底質調査結果より、 COD、強熱減量、全窒素 (T-N) 、 全燐(T-P)の水平分布を図 4.3-17 に示す。 調査項目のうち、水産用水基準に定められている COD をみると、4 地点が基準を満 足していない。強熱減量、全窒素、全燐については、苅田港内で高い傾向がみられ る。 COD(mg/g) 強熱減量(%) 23.4 32.4 12.1 16.2 12.1 13.2 21.2 25.9 15.1 14.0 2.2 1.3 全窒素(mg/g) 全燐(mg/g) 1.60 2.24 0.48 0.52 1.37 0.46 1.67 2.24 0.49 0.27 0.64 0.22 注)赤字は、水産用水基準を満足しない値を示す[水産用水基準 COD:20mg/g 以下] 。 図 4.3-17 COD、強熱減量、全窒素、全燐の水平分布(苅田港港湾計画資料) 4-37 b. 苅田港環境調査 苅田港環境調査(平成 23∼24 年)の底質調査結果より、COD、強熱減量、全窒素 (T-N) 、全燐(T-P)の水平分布を、図 4.3-18 に示す。 調査項目のうち、水産用水基準に定められている COD をみると、苅田港内北側の 1 地点が基準を満足していない状況である。強熱減量、全窒素、全燐については、苅 田港内北側の地点がやや高い値を示す傾向にあり、特に春季において高い値がみら れる。 COD(mg/g) 春季 26.0 夏季 16.6 秋季 19.4 強熱減量(%) 冬季 20.0 春季 9.5 夏季 8.4 夏季 1.49 冬季 9.1 春季 夏季 秋季 冬季 春季 夏季 秋季 冬季 12.4 14.1 15.0 15.4 6.6 7.2 7.6 7.9 秋季 0.66 冬季 0.55 全窒素(mg/g) 春季 2.28 秋季 9.2 秋季 1.56 春季 1.36 全燐(mg/g) 冬季 1.52 夏季 1.31 春季 2.34 秋季 1.77 夏季 0.73 冬季 1.38 秋季 0.64 冬季 0.51 春季 0.76 注)赤字は、水産用水基準を満足しない値を示す[水産用水基準 夏季 0.64 COD:20mg/g 以下] 。 図 4.3-18 COD、強熱減量、全窒素、全燐の水平分布(苅田港環境調査) 4-38 c. 覆砂海域環境改善効果検証、福岡県水産海洋技術センター事業報告書 覆砂海域環境改善効果検証、福岡県水産海洋技術センター事業報告書(平成 24 年 度)の底質調査結果より、COD、強熱減量、全窒素(T-N)、全燐(T-P)の水平分布 を図 4.3-19、経年変化を図 4.3-20 に示す。 調査項目のうち、水産用水基準に定められている COD をみると、蓑島沖の 1 地点 が基準を満足していない状況である。強熱減量、全窒素及び全燐は、蓑島沖でやや 高い傾向がみられる。 覆砂海域環境改善効果検証における経年変化(平成 15∼24 年度)をみると、COD は、蓑島沖(M3)の地点でやや減少傾向がみられる。強熱減量、全窒素、全燐は概 ね横ばいで推移している。 4-39 COD(mg/g) 強熱減量(%) 夏季 夏季 15.3 8.24 春季 夏季 9.2 32.6 夏季 冬季 夏季 冬季 17.6 22.5 9.34 9.99 夏季 冬季 夏季 冬季 19.2 18.0 9.34 9.79 全窒素(mg/g) 全燐(mg/g) 夏季 夏季 1.57 0.572 夏季 冬季 夏季 冬季 1.97 1.53 0.625 0.508 夏季 冬季 夏季 冬季 1.66 0.610 0.437 1.91 注)赤字は、水産用水基準を満足しない値を示す[水産用水基準 COD:20mg/g 以下] 。 図 4.3-19 COD、強熱減量、全窒素、全燐の水平分布(覆砂海域環境改善効果検証、福岡 県水産海洋技術センター事業報告書) 4-40 (mg/g) 50.0 COD 地点 40.0 B 30.0 M3 20.0 10.0 水産用水基準 冬季 H23 H22 夏季 冬季 夏季 冬季 H21 夏季 冬季 H20 夏季 冬季 H19 夏季 冬季 H18 夏季 冬季 夏季 冬季 H17 H24 (年度) 地点 B M3 冬季 H23 夏季 冬季 H22 夏季 冬季 H21 夏季 冬季 H20 夏季 冬季 H19 夏季 冬季 H18 夏季 冬季 H17 夏季 冬季 H16 夏季 冬季 夏季 冬季 H15 H24 (年度) 全窒素 地点 B M3 冬季 H23 夏季 冬季 H22 夏季 冬季 H21 夏季 冬季 H20 夏季 (mg/g) 1.0 冬季 H19 夏季 冬季 H18 夏季 冬季 H17 夏季 冬季 H16 夏季 冬季 H15 夏季 冬季 夏季 (mg/g) 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 夏季 H16 強熱減量 夏季 (%) 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 冬季 H15 夏季 冬季 夏季 0.0 H24 (年度) 全燐 地点 0.8 B 0.6 M3 0.4 0.2 図 4.3-20 H24 冬季 注 1)地点番号は図 4.3-5 に対応している。 注 2)曽根沖(B)は夏季のみ実施 出典) 「覆砂海域環境改善効果検証」 (国土交通省九州地方整備局苅田港湾事務所 夏季 H23 冬季 夏季 H22 冬季 夏季 H21 冬季 夏季 H20 冬季 夏季 H19 冬季 夏季 H18 冬季 夏季 H17 冬季 夏季 H16 冬季 夏季 H15 冬季 夏季 0.0 (年度) 平成 25 年 3 月) COD、強熱減量、全窒素、全燐の経年変化(覆砂海域環境改善効果検証) 4-41 d. 環境の現況、生態系調査、苅田港環境監視調査 環境の現況、生態系調査、苅田港環境監視調査(平成 25 年度)の底質調査結果よ り、COD、強熱減量、全窒素(T-N) 、全燐(T-P)の水平分布を図 4.3-21、経年変化 を図 4.3-22、図 4.3-23 に示す。 調査項目のうち、水産用水基準に定められている COD をみると、曽根干潟の沖合 の 1 地点で基準を満足していない状況である。強熱減量、全窒素、全燐については、 曽根干潟では低く、空港島周辺や事業実施想定区域に近い調査地点で高い傾向がみ られる。 生態系調査における経年変化(平成 6∼25 年度)をみると、COD は平成 19 年以降 減少の傾向がみられ、近年は、水産用水基準(20mg/g)を満足する値で推移してい る。強熱減量、全窒素(T-N)、全燐(T-P)は概ね横ばいで推移している。 また、曽根干潟における経年変化をみると、COD は年度によって多少の変動はみら れるが、基準を満足する値で推移している。他の項目についても、大きな変動はみ られず、同程度の値で推移している。 苅田港環境監視調査における経年変化(平成 9∼25 年度)をみると、生態系調査 と同様に、COD は減少の傾向がみられ、また、強熱減量についても減少の傾向がみら れる。全窒素(T-N) 、全燐(T-P)は概ね横ばいで推移している。 4-42 春季 夏季 17.0(17,000mg/kg) 10.8 9.3 12.0 15.0 14.7 12.7 15.2 21.4 15.0 9.6 2.7 3.2 2.3 3.6 2.4 2.4 2.0 2.1 2.1 3.3 2.0 2.7 13.0 単位:mg/g 単位:mg/g 単位: 秋季 冬季 10.7 14.2 10.4 13.4 16.4 13.9 8.0 9.7 13.1 8.2 2.7 1.6 3.1 1.6 2.0 2.0 2.3 2.6 1.8 2.0 2.2 2.7 7.0 単位:mg/g 単位:mg/g 単位: 注)赤字は、水産用水基準を満足しない値を示す[水産用水基準 COD:20mg/g 以下] 。 図 4.3-21(1) COD の水平分布(環境の現況、生態系調査、苅田港環境監視調査) 4-43 春季 夏季 8.7 7.9 8.3 7.9 9.2 8.7 8.67 9.33 8.9 8.8 2.5 2.8 2.5 2.8 2.1 2.0 2.0 1.8 1.7 2.2 2.0 2.3 8.47 単位:% 単位:% 単位: 秋季 冬季 8.6 7.6 9.1 8.0 7.8 7.4 8.4 8.2 7.2 2.6 1.4 2.5 1.5 1.9 2.2 2.1 2.2 1.7 2.1 1.9 2.3 単位:% 6.3 単位:% 単位: 図 4.3-21(2) 強熱減量の水平分布(環境の現況、生態系調査、苅田港環境監視調査) 4-44 春季 夏季 1.70(1,700mg/kg) 1.62 1.83 2.05 1.31 1.58 1.71 1.61 1.78 0.18 0.33 0.18 0.24 0.15 0.20 1.83 1.12 0.20 0.28 0.19 0.18 0.16 0.18 1.45 単位:mg/g 単位:mg/g 秋季 冬季 1.85 1.74 1.63 1.37 1.36 1.80 1.60 1.69 1.92 1.61 0.23 0.17 0.26 0.11 0.17 0.24 0.19 0.23 0.18 0.16 0.20 0.24 単位:mg/g 1.18 単位:mg/g 図 4.3-21(3) 全窒素の水平分布(環境の現況、生態系調査、苅田港環境監視調査) 4-45 春季 夏季 0.47(470mg/kg) 0.44 0.48 0.52 0.41 0.45 0.51 0.55 0.58 0.43 0.51 0.22 0.21 0.21 0.22 0.21 0.23 0.20 0.19 0.21 0.20 0.21 0.20 0.55 単位:mg/g 単位:mg/g 秋季 冬季 0.46 0.46 0.45 0.40 0.39 0.54 0.40 0.52 0.47 0.39 0.22 0.12 0.23 0.13 0.19 0.19 0.21 0.21 0.20 0.21 0.21 0.23 単位:mg/g 1.18 単位:mg/g 図 4.3-21(4) 全燐の水平分布(環境の現況、生態系調査、苅田港環境監視調査) 4-46 COD (単位:mg/g) 50.0 最大値 平均値 40.0 最小値 30.0 水産用水基準 20.0 10.0 0.0 冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 強熱減量 (単位:%) 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 最大値 4.0 平均値 2.0 最小値 0.0 冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 全窒素 (単位:mg/g) 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 最大値 0.5 平均値 最小値 0.0 冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 全燐 (単位:mg/g) 1.0 最大値 平均値 0.8 最小値 0.6 0.4 0.2 0.0 冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季夏季冬季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 注)値は、全調査地点(COD、強熱減量、T-N、T-P:8 地点)の平均値を示す。 出典) 「生態系調査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所 平成 26 年 3 月) 図 4.3-22(1) COD、強熱減量、全窒素、全燐の経年変化(生態系調査 海域) 4-47 COD (単位:mg/g) 50.0 最大値 平均値 40.0 最小値 30.0 水産用水基準 20.0 10.0 0.0 冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬 季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 強熱減量 (単位:%) 16.0 最大値 14.0 平均値 12.0 最小値 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 秋季 夏季 春季 冬季 0.0 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 全窒素 (単位:mg/g) 3.0 最大値 2.5 平均値 最小値 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬 季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 全燐 (単位:mg/g) 1.0 最大値 平均値 0.8 最小値 0.6 0.4 0.2 0.0 冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬春夏秋冬 季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季季 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 注)値は、全調査地点(COD、強熱減量、T-N、T-P:6 地点)の平均値を示す。 出典) 「生態系調査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所 平成 26 年 3 月) 図 4.3-22(2) COD、強熱減量、全窒素、全燐の経年変化(生態系調査 曽根干潟) 4-48 COD (単位:mg/g) 50.0 最大値 平均値 40.0 最小値 30.0 水産用水基準 20.0 10.0 0.0 冬季 夏季 冬季 夏季 夏季 冬季 夏季 夏季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 強熱減量 (単位:%) 16.0 18.1 最大値 14.0 平均値 最小値 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 冬季 夏季 冬季 夏季 夏季 冬季 夏季 夏季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 全窒素 (単位:mg/g) 3.0 最大値 平均値 2.5 最小値 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 冬季 夏季 冬季 夏季 夏季 冬季 夏季 夏季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 年度 全燐 (単位:mg/g) 1.0 最大値 平均値 0.8 最小値 0.6 0.4 0.2 0.0 冬季 夏季 冬季 夏季 夏季 冬季 夏季 夏季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 夏季 冬季 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 注)値は、全調査地点(COD、強熱減量、T-N、T-P:3 地点)の平均値を示す。 出典) 「苅田港環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 26 年 3 月) 図 4.3-23 COD、強熱減量、全窒素、全燐の経年変化(苅田港環境監視調査) 4-49 年度 4.3.1.2 予測 (1) 予測方法 埋立地の存在においては、埋立地からの新たな汚水排水等が発生しない計画であ り、排水による周辺海域の水質への影響は想定されないと考えられる。 一方で、埋立地の存在に伴い、周辺海域の潮流変化による流速の減少(海水交換 の低下)海域等が新たに発生すること等に伴う、周辺海域の水質への影響の可能性 が想定される。 このため、水質への影響予測は、埋立地の存在に伴い周辺海域の潮流変化が生じ る可能性がある範囲を「既存の潮流・水質シミュレーション結果」 (図 4.3-24 参照) と「事業実施想定区域」の重ね合わせにより把握し、環境影響を受けやすい地域に 対する影響を定性的に予測する方法とした。 なお、水質への影響予測は、潮流変化により発生する水の汚れ(COD の増加等) 、 富栄養化(全窒素、全燐の増加等) 、溶存酸素の低下等が相互作用で生じることから、 これらの項目を「水質への影響」として一連で予測及び複数案の相対評価を行うこ ととし、既存のシミュレーション結果は、苅田港港湾計画資料に示される将来地形 の結果を用いた。 環境影響を受けやすい地域は、表 4.3-6 に示すとおり、 「曽根干潟周辺海域」、 「蓑 島干潟周辺海域」 、 「苅田港内」を抽出した。 表 4.3-6 環境影響を受けやすい地域 環境影響を 受けやすい地域 曽根干潟周辺海域 蓑島干潟周辺海域 苅田港内 選定理由 ・既存の水質シミュレーション結果から COD 濃度が高い傾向が示されている (図 4.3-24 参照) ・現地調査結果からも COD が環境基準を満足しない地点がみられる (図 4.3-25 参照) ・曽根干潟は、鳥類や干潟生物等の重要な生息場となっている ・間島周辺は、自然海岸となっている ・既存の水質シミュレーション結果から COD 濃度が高い傾向が示されている (図 4.3-24 参照) ・現地調査結果からも COD が環境基準を満足しない地点がみられる (図 4.3-25 参照) ・蓑島干潟は、鳥類や干潟生物等の重要な生息場となっている ・蓑島海岸、長井海岸周辺は、自然海岸となっている ・既存の水質シミュレーション結果から COD 濃度が高い傾向が示されている (図 4.3-24 参照) ・現地調査結果からも COD が環境基準を満足しない地点がみられる (図 4.3-25 参照) ・周辺海域の中で、赤潮の発生割合が高い海域である (図 4.3-26 参照) ・新浜町干潟、自然海岸の神ノ島がある 4-50 上げ潮 上層 曽根干潟の 主要な海水交換の場 B案 下げ潮 上層 曽根干潟の 主要な海水交換の場 曽根干潟の 主要な海水交換の場 B案 A案 曽根干潟の 主要な海水交換の場 A案 苅田港内の 主要な海水交換の場 苅田港内の 主要な海水交換の場 C案 上げ潮 下層 C案 曽根干潟の 主要な海水交換の場 B案 A案 下げ潮 下層 曽根干潟の 主要な海水交換の場 曽根干潟の 主要な海水交換の場 B案 A案 曽根干潟の 主要な海水交換の場 苅田港内の 主要な海水交換の場 苅田港内の 主要な海水交換の場 C案 C案 図 4.3-24 潮流、水質シミュレーション結果(苅田港港湾計画資料) 4-51 ・苅田港港湾計画資料 ・苅田港環境調査 2.1∼3.6 2.4∼4.4 春季 夏季 秋季 冬季 表層 3.3 2.3 2.1 2.1 下層 2.4 2.3 2.0 1.9 2.1∼3.8 2.5∼3.4 2.3∼3.5 2.0∼4.1 2.1∼3.2 春季 夏季 秋季 冬季 表層 3.5 2.4 2.6 1.7 下層 3.0 2.6 2.2 1.7 1.6∼3.5 単位:mg/L 単位:mg/L ※調査期間及び全層の最小値∼最大値 ・覆砂海域環境改善効果検証 ・福岡県水産海洋技術センター事業報告書 ・公共用水域水質測定結果 ・生態系調査 ・苅田港環境監視調査 ・行橋市による調査 春季 0.5 0.5 夏季 3.1 3.3 0.6 0.6 0.6 0.7 0.6 0.7 夏季 2.7 2.5 冬季 1.6 1.8 0.7 0.6 単位:mg/L ※資料④:調査時の値、⑧:年間平均値 ※資料①:75%値、資料②③⑦:調査時の値 ※上段:表層(資料④:海面下 0.5m、資料⑧:海面) ※上段:表層(海面下 0.5m) 下段:下層(海底上 1.0m) 下段:下層(海底上 1.0m) 注)赤字は、環境基準を満足しない値を示す[環境基準 COD:2.0mg/L 以下] 。 図 4.3-25 水質(COD 調査結果) 4-52 平成 22 年 平成 23 年 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 ※11 月までの速報値を元に作成 出典:「瀬戸内海の赤潮」 (水産庁瀬戸内海漁業調整事務所 平成 22∼26 年) 図 4.3-26 事業実施想定区域周辺海域における赤潮発生位置 4-53 (2) 予測結果 事業実施想定区域による埋立地の存在に伴う水質の影響範囲は、本事業実施海域 周辺の既存事例の影響範囲(表 4.3-7 参照)をもとに、複数案について、表 4.3-8 のとおり 2km とした。 既存のシミュレーション結果と事業実施想定区域の位置・規模・形状の重ね合せ から推測した水質の影響の予測結果は、表 4.3-9 に示すとおりである。 表 4.3-7 参考とした事例の影響範囲 資料名等 埋立地周辺の流速 埋立地の形状 流れに影響のある範囲 新松山地区公有水面 [平均大潮期の流況] 新規護岸が沖へ ±2cm/s の流速変化がある範 埋立事業 環境影響 低 潮前 2 時頃 に南 流最強 突出した形状 囲は、埋立地の新たな地形に 評価書(平成 6 年 8 17.9cm/s、高潮前 2 時頃に 沿って広がり、最大で約 2km 月 北流最強 12.4cm/s 程度 [恒流] (図 4.3-27 参照) 福岡県) 2.5cm/s 表 4.3-8 複数案の影響範囲 複数案 周辺海域の流況 A案 埋立地の形状 [平均大潮期の流況] 4 方向を防波堤、護岸で囲 (松山地区水面貯木場) 上げ潮最強流時に約 1∼10cm/s まれた形状(一部開口部) B案 の東∼南東流、下げ潮最強流時 新規護岸が沖へ突出した に約 3∼21m/s の北西流 形状 [恒流] 新規護岸が沖へ突出した 5cm/s 未満 形状 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 大潮期:上げ潮最強時 大潮期:下げ潮最強時 単位:cm/s 単位:cm/s 図 4.3-27 流速差分布図(埋立地あり-埋立地なし) 4-54 影響範囲 2.0 ㎞ 表 4.3-9 水質の影響・予測 複数案 A 案(松山地区水面貯木場) 影響・予測 下げ潮 上層 上げ潮 上層 下げ潮 上層 上げ潮 上層 下げ潮 上層 曽根 干潟 海域 曽根 干潟 海域 曽根 干潟 海域 曽根 干潟 海域 曽根 干潟 海域 曽根 干潟 海域 苅田 港内 環境影響を受けやすい 地域への影響 曽根干潟 周辺海域 蓑島干潟 周辺海域 苅田港内 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 苅田 港内 苅田 港内 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 上げ潮 下層 下げ潮 下層 上げ潮 下層 下げ潮 下層 上げ潮 下層 下げ潮 下層 曽根 干潟 海域 曽根 干潟 海域 曽根 干潟 海域 曽根 干潟 海域 曽根 干潟 海域 曽根 干潟 海域 苅田 港内 苅田 港内 苅田 港内 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 水質の変化 苅田 港内 苅田 港内 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 苅田 港内 潮流の変化 C 案(南港地区沖合) 上げ潮 上層 苅田 港内 予測結果図 B 案(新松山地区沖合) 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 ・4 方向を護岸、防波堤で囲まれた形状(一部開口部)であり、新規護岸が現 状の海岸地形より沖へ突出することはないため、流れに強い影響が及ぶこ とはないと考えられる ・護岸、防波堤で囲まれた水域であり、新規護岸が現状の海岸地形より沖へ 突出することはないため、周辺海域の潮流や海水交換への影響は小さく、 水質変化に対する影響は小さいと考えらえる 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 苅田 港内 苅田 港内 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 ・新規護岸が沖へ突出した形状となり、前面に位置する北九州空港との水域 ・新規護岸が沖へ突出した形状となり、前面に位置する防波堤との水域幅が 幅が減少することから、前面水域では流速増加域が発生すると考えられる 減少することから、前面水域では流速増加域が発生すると考えられる ・新規護岸の沖出しに伴い、埋立地の南北方向に流速減少域が発生すると考 ・新規護岸の沖出しに伴い、埋立地の南北方向に流速減少域が発生すると考 えられる えられる ・新規護岸の沖出しによる埋立地の南北方向に流速の低下(海水交換の低下) ・新規護岸の沖出しによる埋立地の南北方向に流速の低下(海水交換の低下) 海域が発生し、海域の海水交換の低下や底質の微細泥化等による水質変化 海域が発生し、海域の海水交換の低下や底質の微細泥化等による水質変化 の可能性が考えられる の可能性が考えられる ・埋立地との位置関係から、曽根干潟に対する潮流変化や水質変化は想定さ れないため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる ・曽根干潟の主要な海水交換の場である既存地と北九州空港間の埋立てとな るため、曽根干潟周辺海域の潮流や海域の海水交換の変化に伴う水質への 影響が懸念される ・埋立地との位置関係から、曽根干潟に対する潮流変化や水質変化は想定さ れないため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる ・埋立地との位置関係から、蓑島干潟に対する潮流変化や水質変化は想定さ れないため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる ・埋立地との位置関係から、蓑島干潟に対する潮流変化や水質変化は想定さ れないため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる ・蓑島干潟の隣接海域であるため、蓑島干潟周辺海域の潮流や海域の海水交 換の変化に伴う水質への影響が懸念される ・苅田港内に位置するが、流速の小さい海域であり、4 方向を護岸、防波堤で 囲まれた形状(一部開口部)で、新規護岸が現状の海岸地形より沖へ突出 することはないため、苅田港内の潮流や海水交換への影響は小さいと考え られる ・埋立地との位置関係から、苅田港内に対する潮流変化や水質変化は小さい ため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる ・苅田港への主要な海水交換の場である既存地と防波堤間の埋立てとなるた め、苅田港内の潮流や苅田港内の海水交換の変化による水質への影響が懸 念される 4-55 4.3.1.3 評価 (1) 評価方法 評価は、事業実施想定区域周辺海域における複数案の環境影響について相対比較 することにより行った。 なお、相対比較の指標は、下記のとおりとした。 用語・記号 説明 影響小 (影響小さい) 影響懸念 (影響が懸念される) 環境への影響が明らかに小さい (影響懸念より影響が小さい) 影響の可能性がある (影響小より影響が大きい可能性がある) ○ 別案に比べて影響は低減される △ 別案に比べて影響は大きい (2) 評価結果 予測結果をもとに複数案の環境影響を比較した結果は、表 4.3-10 に示すとおりで ある。 埋立地の存在に伴う水質への影響については、A 案(松山地区水面貯木場)が周辺 海域の環境影響を受けやすい地域への影響が最も小さいと考えられる。 4-56 表 4.3-10 水質の評価結果 複数案 予測結果図 ・上層 A 案(松山地区水面貯木場) 曽根 干潟 周辺 流況 水質 曽根 干潟 周辺 苅田港内 蓑島干潟 周辺 B 案(新松山地区沖合) 曽根 干潟 周辺 苅田港内 :主な流況 ・4 方向を護岸、防波堤で囲 まれた形状(一部開口部) であり、新規護岸が現状の 海 岸地 形よ り沖 へ突 出す ることはないため、流れに 強 い影 響が 及ぶ こと はな いと考えられる(○) ・護岸、防波堤で囲まれた水 域であり、新規護岸が現状 の 海岸 地形 より 沖へ 突出 することはないため、周辺 海 域の 潮流 や海 水交 換へ の影響は小さく、水質変化 に 対す る影 響は 小さ いと 考えらえる(○) ・埋立地との位置関係から、 曽 根干 潟に 対す る潮 流変 化 や水 質変 化は 想定 され ないため、埋立地の存在に よ る影 響は 小さ いと 考え られる(○) 蓑島干潟 周辺 苅田港内 :主な流況 ・新規護岸が沖へ突出した形 状となり、前面に位置する 北 九州 空港 との 水域 幅が 減少することから、前面水 域 では 流速 増加 域が 発生 し、埋立地の南北方向に流 速 減少 域が 発生 する と考 えられる(△) ・新規護岸の沖出しによる埋 立 地の 南北 方向 に流 速の 低下(海水交換の低下)海 域が発生し、海域の海水交 換 の低 下や 底質 の微 細泥 化 等に よる 水質 変化 の可 能性が考えられる(△) 環境影響を受けやすい地域への影響 ・曽根干潟の主要な海水交換 の 場で ある 既存 地と 北九 曽根 州 空港 間の 埋立 てと なる ため、曽根干潟周辺海域の 干潟 潮 流や 海域 の海 水交 換の 周辺 変 化に 伴う 水質 への 影響 が懸念される(△) ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 蓑 島干 潟に 対す る潮 流変 蓑 島干 潟に 対す る潮 流変 蓑島 化 や水 質変 化は 想定 され 化 や水 質変 化は 想定 され 干潟 ないため、埋立地の存在に ないため、埋立地の存在に 周辺 よ る影 響は 小さ いと 考え よ る影 響は 小さ いと 考え られる(○) られる(○) ・苅田港内に位置するが、流 ・埋立地との位置関係から、 速の小さい海域であり、4 苅 田港 内に 対す る潮 流変 方向を護岸、防波堤で囲ま 化 や水 質変 化は 小さ いた れた形状(一部開口部)で、 め、埋立地の存在による影 苅田 新 規護 岸が 現状 の海 岸地 響 は小 さい と考 えら れる 港内 形 より 沖へ 突出 する こと (○) はないため、苅田港内の潮 流 や海 水交 換へ の影 響は 小さいと考えられる(○) ・潮流 :影響小 ・潮流 :影響懸念 ・水質 :影響小 ・水質 :影響懸念 ・曽根干潟周辺:影響小 ・曽根干潟周辺:影響懸念 ・蓑島干潟周辺:影響小 ・蓑島干潟周辺:影響小 評価結果 ・苅田港内 :影響小 ・苅田港内 :影響小 影響は、B 案、C 案に比べて 影響は、A 案に比べて大きい 最も小さいと考えられる と考えられる ○ △ 備考)○:別案に比べて影響は低減される △:別案に比べて影響は大きい 影響小:影響が小さい C 案(南港地区沖合) 蓑島干潟 周辺 :主な流況 ・新規護岸が沖へ突出した形 状となり、前面に位置する 防 波堤 との 水域 幅が 減少 することから、前面水域で は流速増加域が発生し、埋 立 地の 南北 方向 に流 速減 少 域が 発生 する と考 えら れる(△) ・新規護岸の沖出しによる埋 立 地の 南北 方向 に流 速の 低下(海水交換の低下)海 域が発生し、海域の海水交 換 の低 下や 底質 の微 細泥 化 等に よる 水質 変化 の可 能性が考えられる(△) ・埋立地との位置関係から、 曽 根干 潟に 対す る潮 流変 化 や水 質変 化は 想定 され ないため、埋立地の存在に よ る影 響は 小さ いと 考え られる(○) ・蓑島干潟の隣接海域である ため、蓑島干潟周辺海域の 潮 流や 海域 の海 水交 換の 変 化に 伴う 水質 への 影響 が懸念される(△) ・苅田港への主要な海水交換 の 場で ある 既存 地と 防波 堤間の埋立てとなるため、 苅 田港 内の 潮流 や苅 田港 内 の海 水交 換の 変化 によ る 水質 への 影響 が懸 念さ れる(△) ・潮流: 影響懸念 ・水質: 影響懸念 ・曽根干潟周辺:影響小 ・蓑島干潟周辺:影響懸念 ・苅田港内: 影響懸念 影響は、A 案に比べて大きい と考えられる △ 影響懸念:影響の可能性がある(影響小より影響が大きい可能性がある) 4-57 4.3.2 地形及び地質 4.3.2.1 調査 (1) 調査方法 文献及びその他資料調査結果をもとに、事業実施想定区域周辺海域における重要 な地形及び地質の状況、潮流の状況、波浪の状況を整理した。 使用した既存資料は表 4.3-11 に、調査内容は表 4.3-12 に、調査地点は図 4.3-28 に示すとおりである。 (2) 調査範囲 調査範囲は、事業実施想定区域から 5km の範囲とした。 ただし、一連の調査については、付随する調査地点全てを標記した。 表 4.3-11 既存資料一覧(地形及び地質) 資料 番号 項目 ① ② ③ 重要な地形 及び地質の状況 ④ ⑤ ⑥ 潮流の状況 ⑦ ⑧ ⑨ 波浪の状況 資料名 「国土調査 20 万分の 1 土地分類基本調査及び土地保全基本調査」 (国土交通省国土政策局国土情報課ホームページ) 「海図 W1101 周防灘及付近」 (海上保安庁 平成 25 年 4 月) 「第 5 回自然環境保全基礎調査 海辺調査」 (環境庁 平成 10 年) 「第 3 回自然環境保全基礎調査 福岡県自然環境情報図」 (環境庁 平成元年) 「生態系調査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所 平成 26 年 3 月) 「苅田港環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 26 年 3 月) 「苅田港港湾計画資料(その2)−改訂−」 (苅田港港湾管理者 平成 9 年 5 月) 「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県苅田港務所 平成 24 年 8 月) 「ナウファス」 (国土交通省港湾局全国港湾海洋波浪情報網) 4-58 表 4.3-12 調査内容一覧(地形及び地質) 掲載 資料 調査期間 調査 頻度 調査 項目 調査方法 地点数 調査地点 ① 昭和 42∼43 年 − 地形、地質 − − − ② − − ③ 平成 8∼9 年度 − ④ 昭和 59∼62 年度 − ⑤ 平成 25 年度 年2回 (夏・冬季) ⑥ 平成 25 年度 年2回 (夏・冬季) 周防灘 地形 年2回 (夏・冬季) 平成 7 年 ⑧ 平成 23∼24 年 年4回 (四季) ⑨ 平成 21∼25 年 20 分毎 − − 福岡県 流向 流速 ⑦ − 波高、 波向等 4-59 2層 表層:海面下 1.0m 下層:海底上 1.0m 流速計を設置、夏季は 15 昼夜、冬季は 1 昼 夜測定 2層 表層:海面下 1.0m 下層:海底上 1.0m 流速計を設置、1 昼夜 測定 2層 表層:海面下 2.0m 下層:海底上 2.0m 流速計を設置、4 地点 で 1 昼夜、4 地点で 15 昼夜測定 2層 表層:海面下 1.0m 下層:海底上 1.0m 流速計を設置、15 昼 夜測定 − 6 地点 3 地点 図 4.3-28 参照 8 地点 2 地点 1 地点 ● ● ● ● ▲ ⑤平成 25 年度 ⑥平成 25 年度 ⑦平成 7 年 ⑧平成 23∼24 年 ⑨平成 21∼25 年 年2回 年2回 年2回 年4回 20 分毎 2層 − 6 地点 3 地点 8 地点 2 地点 1 地点 図 4.3-28 調査位置図(潮流の状況、波浪の状況) 4-60 (3) 調査結果 1) 重要な地形及び地質の状況 文献その他の資料調査において重要な地形及び地質は、表 4.3-13 に挙げる法令等 による指定及び掲載状況をみると、重要な地形及び地質として、 「日本の重要湿地 500」 に掲載されている「曽根干潟」が選定される(図 4.3-29 参照) 。 また、事業実施想定区域周辺には、曽根干潟以外に「新浜町干潟」、 「白石干潟」、 「蓑島干潟」 、 「長井干潟」が存在し、「白石干潟」、 「蓑島干潟」、 「長井干潟」は福岡 県の「筑豊県立自然公園」に指定されている(図 4.3-29 参照) 。 なお、 「文化財保護法」 、 「日本の地形レッドデータブック」に選定された重要な地 形及び地質は分布していない。 表 4.3-13 重要な種及び群落の選定基準一覧 番号 法律及び文献名等 a 「文化財保護法」 (昭和 25 年 法律第 214 号) b 「日本の地形レッドデータブック」 (小泉武栄・青木賢人編 c 「日本の重要湿地 500」 (環境省 平成 13 年) 4-61 平成 12 年) 「筑豊県立自然公園」 (福岡県)に指定 出典:「海図 W1101 周防灘及付近」 (海上保安庁 平成 25 年 4 月) 「第 5 回自然環境保全基礎調査 海辺調査」 (環境庁 平成 10 年) 「第 3 回自然環境保全基礎調査 福岡県自然環境情報図」 (環境庁 平成元年) 図 4.3-29 事業実施想定区域周辺の地形及び地質 4-62 2) 潮流の状況 a. 苅田港港湾計画資料 苅田港港湾計画資料(平成 7 年)の潮流調査結果より、流況図を図 4.3-30 に示す。 平均大潮期流況図をみると、上げ潮時には西∼北西方向、下げ潮時には東∼南東 方向に流れている。流速は、沖合で大きく、陸側で小さい傾向がみられる。 図 4.3-30(1) 平均大潮期流況図(上げ潮最強時) 4-63 . 図 4.3-30(2) 平均大潮期流況図(下げ潮最強時) 4-64 b. 生態系調査、苅田港環境監視調査、苅田港環境調査 生態系調査、苅田港環境監視調査、苅田港環境調査の潮流調査結果より、M2分潮 の潮流楕円水平分布を図 4.3-31 に、恒流を図 4.3-32 に示す。 事業実施想定区域周辺海域のM2分潮の潮流楕円水平分布をみると、M2分潮群の 長軸方向は海岸地形に沿った方向となっており、空港島北西側で東北東-西南西方向、 空港島北東側で北西-南東方向、空港島西及び東側で南-北方向、曽根干潟沖で東北 東-西南西方向、苅田港前面で北西-南東方向、苅田港内では南-北方向及び北西-南 東方向を示し、いずれも往復傾向が強い扁平した楕円を示している。 また、流速は空港島の北西及び南東の地点で大きく、苅田港内で小さい傾向がみ られる。 恒流をみると、空港周辺海域は、上層及び下層とも、概ね岸方向の流れとなって いる。苅田港内の地点では、概ね湾口に向かう流れとなっている。蓑島沖の地点で は流れの方向は定まっていない。 4-65 春季 夏季 秋季 冬季 備考) 「生態系調査」、 「苅田港環境監視調査」 :平成 25 年度結果 「苅田環境調査」 :平成 23∼24 年結果 図 4.3-31 M2分潮の潮流楕円水平分布 4-66 春季 夏季 秋季 冬季 備考) 「生態系調査」、 「苅田港環境監視調査」 :平成 25 年度結果 図 4.3-32 恒流図 4-67 「苅田環境調査」 :平成 23∼24 年結果 3) 波浪の状況 苅田港沖波浪観測塔の波浪観測結果(ナウファス)より、平成 21∼25 年における 有義波※の波向別の波高出現頻度及び波浪の観測結果を図 4.3-33、表 4.3-14 に示す。 波高は大部分が 1m 未満(98.3%で)あり、波向は東方向が全体の 61.8%と卓越し ており、次いで北東が(12.0%) 、南東(11.0%) 、北(7.3%)の順となっている。 (%) 凡例 波高(m) 2.0∼2.49 1.5∼1.99 1.0∼1.49 0.49∼0.99 0.3∼0.48 0∼0.29 図 4.3-33 波向別の波高出現頻度図 表 4.3-14 波浪の観測結果(平成 21∼25 年) [単位:件(%) ] 波高(m) 波 高 別 出 現 頻 度 南東 南 南西 5,282 919 747 (7.2) (1.2) (1.0) 1,565 185 130 (2.1) (0.3) (0.2) 1,174 28 37 (1.6) (0.0) (0.1) 110 0 0 (0.1) (0.0) (0.0) 19 0 0 (0.0) (0.0) (0.0) 0 0 0 (0.0) (0.0) (0.0) 0 0 0 (0.0) (0.0) (0.0) 0 0 0 (0.0) (0.0) (0.0) 8,150 1,132 914 (11.0) (1.5) (1.2) 北 北東 東 2,130 4,986 27,537 0∼0.29 (2.9) (6.8) (37.3) 1,257 2,430 9,698 0.3∼0.48 (1.7) (3.3) (13.1) 1,963 1,446 7,315 0.49∼0.99 (2.7) (2.0) (9.9) 21 9 971 1.0∼1.49 (0.0) (0.0) (1.3) 0 0 98 1.5∼1.99 (0.0) (0.0) (0.1) 0 0 2 2.0∼2.49 (0.0) (0.0) (0.0) 0 0 0 2.5∼2.99 (0.0) (0.0) (0.0) 0 0 0 3.0∼ (0.0) (0.0) (0.0) 5,371 8,871 45,621 計 (7.3) (12.0) (61.8) 注 1)欠測値は、値に含めない。 注 2)平成 25 年値は、速報値である。 出典:「ナウファス(国土交通省港湾局全国港湾海洋波浪情報網) 」 西 943 (1.3) 290 (0.4) 82 (0.1) 4 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 1,319 (1.8) 北西 1,394 (1.9) 659 (0.9) 362 (0.5) 1 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 2,416 (3.3) 計 43,938 (59.5) 16,214 (22.0) 12,407 (16.8) 1,116 (1.5) 117 (0.2) 2 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 73,794 (100.0) ※有義波:1 回の波の観測時間の中で観測された波のうち、波高の高い方から 1/3 までを取り出して平均化 したものをいう。 4-68 4.3.2.2 予測 (1) 予測方法 埋立地の存在に伴い、周辺海域の潮流変化に伴い、周辺海域の重要な地形及び地 質への影響の可能性が想定される。 このため、事業実施想定区域周辺海域の重要な地形及び地質について、環境影響 を受けやすい地域の観点から既存資料により抽出した。 また、地形及び地質の影響予測は、埋立地の存在に伴い周辺海域の流況の変化が 生じる可能性がある範囲を「既存の潮流シミュレーション結果」 (図 4.3-35 参照) と「事業実施想定区域」の重ね合わせにより把握し、環境影響を受けやすい地域に 対する影響を定性的に予測する方法とした。 なお、既存のシミュレーション結果は、苅田港港湾計画資料に示される将来地形 の結果を用いた。 環境影響を受けやすい地域は、表 4.3-15、図 4.3-34 に示すとおり、 「曽根干潟」、 「白石・蓑島・長井干潟」を抽出した。 表 4.3-15 環境影響を受けやすい地域 環境影響を 受けやすい地域 曽根干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 選定理由 (環境省)に「希少種、固有種 ・曽根干潟は、 「日本の重要湿地 500」 等が生育・生息し、特定の個体群のうち、相当数の割合の個体数が 生息する」湿地として選定されている ・曽根干潟は、鳥類や干潟生物等の重要な生息場となっている ・間島周辺は、自然海岸となっている 「筑豊県立自然公園」 (福岡 ・白石干潟、蓑島干潟、長井干潟周辺は、 県)に指定されている ・蓑島干潟は、鳥類や干潟生物等の重要な生息場となっている ・蓑島海岸、長井海岸周辺は、自然海岸となっている 4-69 「日本の重要湿地 500」 (環境省)に指定 「筑豊県立自然公園」 (福岡県)に指定 出典:「海図 W1101 周防灘及付近」 (海上保安庁 平成 25 年 4 月) 「第 5 回自然環境保全基礎調査 海辺調査」 (環境庁 平成 10 年) 「第 3 回自然環境保全基礎調査 福岡県自然環境情報図」 (環境庁 平成元年) 図 4.3-34 事業実施想定区域周辺の海底地形と海岸線 4-70 上げ潮 上層 曽根干潟の 主要な海水交換の場 B案 下げ潮 上層 曽根干潟の 主要な海水交換の場 曽根干潟の 主要な海水交換の場 B案 A案 曽根干潟の 主要な海水交換の場 A案 苅田港内の 主要な海水交換の場 苅田港内の 主要な海水交換の場 C案 上げ潮 下層 C案 曽根干潟の 主要な海水交換の場 B案 A案 下げ潮 下層 曽根干潟の 主要な海水交換の場 曽根干潟の 主要な海水交換の場 B案 A案 曽根干潟の 主要な海水交換の場 苅田港内の 主要な海水交換の場 苅田港内の 主要な海水交換の場 C案 C案 図 4.3-35 潮流シミュレーション結果(苅田港港湾計画資料) 4-71 (2) 予測結果 事業実施想定区域による埋立地の存在に伴う地形及び地質(潮流変化)の影響範 囲は、本事業実施海域周辺の事例の影響範囲(表 4.3-16 参照)をもとに、複数案に ついて、表 4.3-17 のとおり 2km とした。 既存のシミュレーション結果と事業実施想定区域の位置・規模・形状の重ね合せ から推測した地形及び地質の影響の予測結果は、表 4.3-18 に示すとおりである。 表 4.3-16 参考とした事例の影響範囲 資料名等 埋立地周辺の流速 埋立地の形状 流れに影響のある範囲 新松山地区公有水面 [平均大潮期の流況] 新規護岸が沖へ ±2cm/s の流速変化がある範 埋立事業 環境影響 低 潮前 2 時頃 に南 流最強 突出した形状 囲は、埋立地の新たな地形に 評価書(平成 6 年 8 17.9cm/s、高潮前 2 時頃に 沿って広がり、最大で約 2km 月 北流最強 12.4cm/s 程度 [恒流] (図 4.3-27 参照) 福岡県) 2.5cm/s 表 4.3-17 複数案の影響範囲 複数案 A案 周辺海域の流況 埋立地の形状 [平均大潮期の流況] 4 方向を防波堤、護岸で囲 (松山地区水面貯木場) 上げ潮最強流時に約 1∼10cm/s まれた形状(一部開口部) B案 の東∼南東流、下げ潮最強流時 新規護岸が沖へ突出した に約 3∼21 cm/s の北西流 形状 [恒流] 新規護岸が沖へ突出した 5cm/s 未満 形状 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 4-72 影響範囲 2.0 ㎞ 表 4.3-18 地形及び地質の影響・予測 複数案 A 案(松山地区水面貯木場) 影響・予測 予測結果図 下げ潮 上層 上げ潮 上層 下げ潮 上層 上げ潮 上層 下げ潮 上層 曽根 干潟 曽根 干潟 曽根 干潟 曽根 干潟 曽根 干潟 曽根 干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 上げ潮 下層 下げ潮 下層 上げ潮 下層 下げ潮 下層 上げ潮 下層 下げ潮 下層 曽根 干潟 曽根 干潟 曽根 干潟 曽根 干潟 曽根 干潟 曽根 干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 ・4 方向を護岸、防波堤で囲まれた形状(一部開口部)であり、新規護岸が現 状の海岸地形より沖へ突出することはないため、流れに強い影響が及ぶこ とはないと考えられる 白石・蓑島・ 長井干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 ・新規護岸が沖へ突出した形状となり、前面に位置する北九州空港との水域 幅が減少することから、前面水域では流速増加域が発生すると考えられる ・新規護岸の沖出しに伴い、埋立地の南北方向に流速減少域が発生すると考 えられる 波浪の変化 環境影響を受けやすい 地域への影響 ・曽根干潟の直接改変には該当しない ・埋立地との位置関係から、曽根干潟に対する潮流変化は想定されないため、 ・曽根干潟の主要な海水交換の場である既存地と北九州空港間の埋立てとな 埋立地の存在による影響は小さいと考えられる 白石・ 蓑島・ 長井干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 ・新規護岸が沖へ突出した形状となり、前面に位置する防波堤との水域幅が 減少することから、前面水域では流速増加域が発生すると考えられる ・新規護岸の沖出しに伴い、埋立地の南北方向に流速減少域が発生すると考 えられる ・主な波高は東方向であり、埋立地の存在が波浪に強い影響を及ぼすことはないと考えられる ・曽根干潟の直接改変には該当しない 曽根干潟 C 案(南港地区沖合) 上げ潮 上層 白石・蓑島・ 長井干潟 潮流の変化 B 案(新松山地区沖合) るため、曽根干潟に対する流動や地形の変化が懸念される ・曽根干潟の直接改変には該当しない ・埋立地との位置関係から、曽根干潟に対する潮流変化は想定されないため、 埋立地の存在による影響は小さいと考えられる ・白石干潟、蓑島干潟、長井干潟の直接改変には該当しない ・白石干潟、蓑島干潟、長井干潟の直接改変には該当しない ・白石干潟、蓑島干潟、長井干潟の直接改変には該当しない ・埋立地との位置関係から、白石干潟、蓑島干潟、長井干潟に対する潮流変 ・埋立地との位置関係から、白石干潟、蓑島干潟、長井干潟に対する潮流変 ・埋立地の存在による白石干潟沖合の潮流変化により、白石干潟、蓑島干潟、 化は想定されないため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる 化は想定されないため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる 長井干潟に対する流動や地形の変化が懸念される 4-73 4.3.2.3 評価 (1) 評価方法 評価は、 事業実施想定区域周辺海域における複数案の環境影響について相対比較す ることにより行った。 なお、相対比較の指標は、下記のとおりとした。 用語・記号 説明 影響小 (影響小さい) 影響懸念 (影響が懸念される) 環境への影響が明らかに小さい (影響懸念より影響が小さい) 影響の可能性がある (影響小より影響が大きい可能性がある) ○ 別案に比べて影響は低減される △ 別案に比べて影響は大きい (2) 評価結果 予測結果をもとに複数案の環境影響を比較した結果は表 4.3-19 に示すとおりで ある。 埋立地の存在に伴う地形及び地質への影響については、A 案(松山地区水面貯木場) が周辺海域の環境影響を受けやすい地域への影響が最も小さいと考えられる。 4-74 表 4.3-19 地形及び地質の評価結果 複数案 A 案(松山地区水面貯木場) B 案(新松山地区沖合) :主な流況 :主な流況 曽根 干潟 C 案(南港地区沖合) 曽根 干潟 :主な流況 曽根 干潟 予測結果図 ・上層 白石・蓑島・ 長井干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 白石・蓑島・ 長井干潟 ・4 方向を護岸、防波堤で囲 まれた形状(一部開口部) であり、新規護岸が現状の 海 岸地 形よ り沖 へ突 出す ることはないため、流れに 強 い影 響が 及ぶ こと はな いと考えられる (○) 流況 波浪 環境影響を受けやすい地域への影響 曽根 干潟 白石 ・ 蓑島 ・ 長井 干潟 評価結果 ・新規護岸が沖へ突出した形 ・新規護岸が沖へ突出した形 状となり、前面に位置する 状となり、前面に位置する 北 九州 空港 との 水域 幅が 防 波堤 との 水域 幅が 減少 減少することから、前面水 することから、前面水域で 域 では 流速 増加 域が 発生 は 流速 増加 域が 発生 する すると考えられる と考えられる ・新規護岸の沖出しに伴い、 ・新規護岸の沖出しに伴い、 埋 立地 の南 北方 向に 流速 埋 立地 の南 北方 向に 流速 減 少域 が発 生す ると 考え 減 少域 が発 生す ると 考え られる られる (△) (△) ・主な波高は東方向であり、埋立地の存在が波浪に強い影響を及ぼすことはないと考えられ る ・曽根干潟の直接改変には該 ・曽根干潟の直接改変には該 ・曽根干潟の直接改変には該 当しない 当しない 当しない ・埋立地との位置関係から、 ・曽根干潟の主要な海水交換 ・埋立地との位置関係から、 曽 根干 潟に 対す る潮 流変 の 場で ある 既存 地と 北九 曽 根干 潟に 対す る潮 流変 化は想定されないため、埋 州 空港 間の 埋立 てと なる 化は想定されないため、埋 立 地の 存在 によ る影 響は ため、曽根干潟に対する流 立 地の 存在 によ る影 響は 小さいと考えられる 動 や地 形の 変化 が懸 念さ 小さいと考えられる (○) れる (○) (△) ・白石干潟、蓑島干潟、長井 ・白石干潟、蓑島干潟、長井 ・白石干潟、蓑島干潟、長井 干 潟の 直接 改変 には 該当 干 潟の 直接 改変 には 該当 干 潟の 直接 改変 には 該当 しない しない しない ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在による白石干 白石干潟、蓑島干潟、長井 白石干潟、蓑島干潟、長井 潟沖合の潮流変化により、 干 潟に 対す る潮 流変 化は 干 潟に 対す る潮 流変 化は 白石干潟、蓑島干潟、長井 想定されないため、埋立地 想定されないため、埋立地 干 潟に 対す る流 動や 地形 の 存在 によ る影 響は 小さ の 存在 によ る影 響は 小さ の変化が懸念される いと考えられる いと考えられる (△) (○) (○) ・潮流 :影響小 ・潮流 :影響懸念 ・潮流 :影響懸念 ・波浪 :影響小 ・波浪 :影響小 ・波浪 :影響小 ・曽根干潟 :影響小 ・曽根干潟 :影響懸念 ・曽根干潟 :影響小 ・白石・蓑島・長井干潟 ・白石・蓑島・長井干潟 ・白石・蓑島・長井干潟 :影響小 :影響小 :影響懸念 影響は、B 案、C 案に比べて 影響は、A 案に比べて大きい 影響は、A 案に比べて大きい 最も小さいと考えられる と考えられる と考えられる ○ △ △ 備考)○:別案に比べて影響は低減される 影響小:影響が小さい △:別案に比べて影響は大きい 影響懸念:影響の可能性がある(影響小より影響が大きい可能性がある) 4-75 4.3.3 植物 4.3.3.1 調査 (1) 調査方法 文献及びその他資料調査結果をもとに、 事業実施想定区域周辺海域における重要な 種と注目すべき生育地の分布状況を整理した。 使用した既存資料は表 4.3-20 に、調査内容は表 4.3-21 に、調査地点は図 4.3-36 ∼図 4.3-38 に示すとおりである。 (2) 調査範囲 調査範囲は、事業実施想定区域から 5km の範囲とした。 ただし、一連の調査については、付随する調査地点全てを標記した。 表 4.3-20 既存資料一覧(植物) 資料 番号 項目 ① 陸生植物 ② 藻場 ③ 陸生植物 海生植物 ④ ⑤ 海生植物 ⑥ ⑦ 資料名 「第 5 回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査」 (平成 5∼10 年 環境庁) 「第 5 回自然環境保全基礎調査 海辺調査」 (環境庁 平成 10 年) 「新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書」 (北九州市 平成 19 年 4 月) 「生態系調査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所 平成 26 年 3 月) 「苅田港環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 26 年 3 月) 「苅田港港湾計画資料(その2)−改訂−」 (苅田港港湾管理者 平成 9 年 5 月) 「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県苅田港務所 平成 24 年 8 月) 4-76 表 4.3-21 調査内容一覧(植物) 分 類 陸生植物 藻場 掲載 資料 調査期間 調査 頻度 調査方法 地点数 ① 平成 9∼10 年度 − − − 日本全国 ③ 平成 13∼14 年 年3回 (秋・春・ 夏季) 現地踏査による植物 相の目視観察 − 図 4.3-36 参照 ② 平成 8∼9 年度 − − − − ③ 平成 14∼15 年 年4回 (四季) ④ 平成 25 年度 年4回 (四季) ⑤ 平成 25 年度 年4回 (四季) 植物 プランクトン 付着生物 (植物) ⑥ 平成 7 年 年4回 (四季) ⑦ 平成 23∼24 年 年4回 (四季) ③ 平成 14∼15 年 年4回 (四季) ④ 平成 25 年度 年4回 (四季) ⑤ 平成 25 年度 年4回 (四季) ⑥ 平成 7 年 年4回 (四季) ⑦ 平成 23∼24 年 年4回 (四季) 4-77 バンドーン採水器を 用いて海面下 0.5m か ら採水し、現場でホ ルマリン固定して、 実験室に搬入 バンドーン採水器を 用いて所定の水深 (上層:海面下 0.5m、 下層:海底面上 1.0m) から採水し、現場で ホルマリン固定し て、実験室に搬入 バンドーン採水器を 用いて海面下 0.5m か ら採水し、現場でホ ルマリン固定して、 実験室に搬入 バンドーン採水器を 用いて所定の水深 (上層:海面下 0.5m、 下層:海底面上 1.0m) から採水し、現場で ホルマリン固定し て、実験室に搬入 大潮期の干潮時に潮 間帯の上・中・下部 で 方 形 枠 ( 30cm × 30cm)を用いて 1 地 点 3 回採取 ダイバーにより方形 枠(0.1 ㎡)内の生物 を 3 層採取(平均水 面、大潮最低低潮面、 大潮最低低潮面下 1.0m) ダイバーにより 25cm 又は 31.6cm 方形枠内 の生物を 3 層採取 (平 均水面、大潮最低低 潮面、大潮最低低潮 面下 1.0m) 方形枠(30cm×30cm) 内の生物採取(高潮 帯、中潮帯、低潮帯 の 3 層を混合) ダイバーにより方形 枠(30cm×30cm)内 の生物を 3 層採取 (平 均水面、大潮最低低 潮面、大潮最低低潮 面下 1.0m) 調査 地点 2 地点 6 地点 3 地点 図 4.3-37 参照 4 地点 2 地点 2 地点 5 地点 3 地点 4 地点 2 地点 図 4.3-38 参照 ■ ③平成 13∼14 年 年3回 1 区域 図 4.3-36 調査位置図(陸生植物) 4-78 ● ● ● ● ● ③平成 14∼15 年 ④平成 25 年度 ⑤平成 25 年度 ⑥平成 7 年 ⑦平成 23∼24 年 年4回 年4回 年4回 年4回 年4回 2 地点 6 地点 3 地点 4 地点 2 地点 図 4.3-37 調査位置図(植物プランクトン) 4-79 ● ● ● ● ● ③平成 14∼15 年 ④平成 25 年度 ⑤平成 25 年度 ⑥平成 7 年 ⑦平成 23∼24 年 年4回 年4回 年4回 年4回 年4回 2 地点 5 地点 3 地点 4 地点 2 地点 図 4.3-38 調査位置図(付着生物(植物)) 4-80 (3) 調査結果 1) 重要な種 文献その他の資料調査において植物の重要な種は、表 4.3-22 に挙げる法令等によ る指定及び掲載状況をみると、重要な種として多年草の浮遊植物であるタヌキモの 1 種が確認された(表 4.3-23、図 4.3-39 参照) 。 2) 注目すべき生育地 文献その他の資料調査において注目すべき生育地は、表 4.3-22 に挙げる法令等に よる指定及び掲載状況をみると、重要な植物群落として 2 群落が確認された(表 4.3-24、図 4.3-40 参照) 。 なお、塩沼地植物群落については、福岡県レッドデータブック 2001 では重要な植 物群落として塩沼地植物群落が掲載されており、 「小倉南区曽根」 との記載があるが、 改訂された福岡県レッドデータブック 2011 では、塩沼地植物群落は保全対象を明確 にする観点からシオクグ群落、フクド群落、ナガミノオニシバ群落、シバナ群落、ハ マサジ群落、ハママツナ群落、ヒロハマツナ群落に分割記載されており、それぞれの 群落の確認位置は非公表とされている。このため、曽根干潟の沿岸域を包括するよう 範囲を設定した。 その他、 「第 5 回自然環境保全基礎調査 海辺調査」 (環境庁 平成 10 年)による と、事業実施想定区域周辺海域では、藻場(面積 1ha 以上)の分布は確認されていな い。 表 4.3-22 重要な種及び群落の選定基準一覧 番号 a b c d e f g h 法律及び文献名等 「文化財保護法」 (昭和 25 年 法律第 214 号) 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」 (平成 4 年 法律第 75 号) 「第4次レッドリストの公表について」 (環境省報道発表資料 平成 24 年 8 月 28 日) 「第 5 回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査」 (環境庁 平成 5∼10 年) 「植物群落レッドデータブック 1996 我が国における緊急な保護を必要とする植物群落の現状と対策」 (財団法人日本自然保護協会 平成 8 年 4 月) 「日本の希少な野生水生生物に関するデータブック」 (水産庁 平成 10 年) 「福岡県レッドデータブック 2011 福岡県の希少野生生物 −植物群落・植物・鳥類・哺乳類−」 (福岡県 平成 23 年 11 月) 「北九州市の希少野生生物」 (北九州市 平成 20 年 3 月) 4-81 表 4.3-23 事業実施想定区域周辺で確認された重要な種 No. 分類群 1 維管束植物 種 名 a b タヌキモ 選定基準 c f g NT EN h 資料 ③ 注 1)選定基準は、次のとおりである。 a: 「文化財保護法」(昭和 25 年 法律第 214 号) 特別:特別天然記念物に指定された動物 天然:天然記念物に指定された動物 b: 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」 (平成 4 年 法律第 75 号) 国内:国内希少野生動植物種 国際:国際希少野生動植物種 c: 「第4次レッドリストの公表について」 (環境省 平成 24 年 8 月 28 日) EX:絶滅 EW:野生絶滅 CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類 CR:絶滅危惧ⅠA 類 EN:絶滅危惧ⅠB 類 VU:絶滅危惧Ⅱ類 NT:準絶滅危惧 DD:情報不足 LP:絶滅のおそれのある地域個体群 f: 「日本の希少な野生水生生物に関するデータブック」 (水産庁 平成 10 年) 減少傾向:長期的にみて減少しつつあるもの 減少種:明らかに減少しているもの 希少種:存在基盤が脆弱な種・亜種 危急種:絶滅の危機が増大している種・亜種 絶滅危惧種:絶滅の危機に瀕している種・亜種 地域個体群:保護に留意すべき地域個体群 g:「福岡県レッドデータブック 2011 福岡県の希少野生生物 −植物群落・植物・鳥類・哺乳類−」 (福岡県 平成 23 年) EX:絶滅 EW:野生絶滅 CR:絶滅危惧ⅠA 類 EN:絶滅危惧ⅠB 類 VU:絶滅危惧Ⅱ類 NT:準絶滅危惧 DD:情報不足 h: 「北九州市の希少野生生物」 (北九州市 平成 20 年 3 月) 注 2)資料は、表 4.3-20 の番号に対応する。 4-82 図 4.3-39 確認された重要な種の分布 4-83 表 4.3-24 事業実施想定区域周辺で注目すべき生育地 選定基準 No. 群 落 名 資料 a 1 塩沼地植物群落 2 蓑島の塩湿地植生 b c d e f g h Ⅰ※ BDH ① ※福岡県 RDB2001 では、小倉南区曽根において塩沼地植物群落の記載があるが、改訂版の福岡県 RDB2011 では塩沼地植物群落は種ごとに分割記載されており、さらに詳細な場所は未掲載とされている。 注 1)選定基準は、次のとおりである。 a: 「文化財保護法」(昭和 25 年 法律第 214 号) 特別:特別天然記念物に指定された動物 天然:天然記念物に指定された動物 b: 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」 (平成 4 年 法律第 75 号) 国内:国内希少野生動植物種 国際:国際希少野生動植物種 c: 「第4次レッドリストの公表について」 (環境省 平成 24 年 8 月 28 日) EX:絶滅 EW:野生絶滅 CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類 CR:絶滅危惧ⅠA 類 EN:絶滅危惧ⅠB 類 VU:絶滅危惧Ⅱ類 NT:準絶滅危惧 DD:情報不足 LP:絶滅のおそれのある地域個体群 d: 「第 5 回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査」 (環境庁 平成 5∼10 年) A:原生林もしくはそれに近い自然林 B:国内若干地域に分布するが、極めて稀な植物群落または個体群 C:比較的普通に見られるものであっても、南限、北限、隔離分布等分布限界になる産地に見られる 植物群落または個体群 D:砂丘、断崖地、塩沼地、湖沼、河川、湿地、高山、石灰岩地等の特殊な立地に特有な植物群落ま たは個体群で、その群落の特徴が典型的なもの E:郷土景観を代表する植物群落で、特にその群落の特徴が典型的なもの F:過去において人工的に植栽されたことが明らかな森林であっても、長期にわたって伐採等の手が 入っていないもの G:乱獲その他人為の影響によって、当該都道府県内で極端に少なくなるおそれのある植物群落また は個体群 H:その他、学術上重要な植物群落または個体群 e:「植物群落レッドデータブック 1996 我が国における緊急な保護を必要とする植物群落の現状と対 策」 (平成 8 年 4 月 財団法人日本自然保護協会) 4:緊急に対策必要(緊急に対策を講じなければ群落が崩壊する) 3:対策必要(対策を講じなければ群落の状態が徐々に悪化する) 2:破壊の危惧(現在は保護対策が功を奏しているが、将来は破壊の危惧が大きい) 1:要注意(当面、新たな保護対策は必要ないが、監視は必要) f: 「日本の希少な野生水生生物に関するデータブック」 (水産庁 平成 10 年) 減少傾向:長期的にみて減少しつつあるもの 減少種:明らかに減少しているもの 希少種:存在基盤が脆弱な種・亜種 危急種:絶滅の危機が増大している種・亜種 絶滅危惧種:絶滅の危機に瀕している種・亜種 地域個体群:保護に留意すべき地域個体群 g:「福岡県レッドデータブック 2011 福岡県の希少野生生物 −植物群落・植物・鳥類・哺乳類−」 (福岡県 平成 23 年) カテゴリーⅠ:緊急に対策必要 カテゴリーⅡ:対策必要 カテゴリーⅢ:破壊の危惧 カテゴリーⅣ:要注意 h: 「北九州市の希少野生生物」 (北九州市 平成 20 年 3 月) 注 2)資料は、表 4.3-20 の番号に対応する。 4-84 備考)塩沼地植物群落については、詳細な場所が不明であることから、曽根干潟の沿岸域を包括するよう 範囲を設定した。 出典:「第 5 回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査」 (環境庁 平成 5∼10 年) 「福岡県の希少野生生物−福岡県レッドデータブック 2011 植物群落・植物・鳥類・哺乳類−」 (福岡県 平成 23 年) 図 4.3-40 注目すべき生育地の分布 4-85 4.3.3.2 予測 (1) 予測方法 1) 重要な種 予測は、調査結果に基づく重要な種の生育状況について、 「事業実施想定区域」の 重ね合わせにより、埋立地の存在に伴う生育地の消失(直接的な影響)や周辺海域の 流動の変化による流速の変化や水質の変化による影響(間接的な影響)の観点から行 った。 なお、埋立地の存在による潮流及び水質の変化に伴い、重要な種(植物)へ影響を 及ぼす範囲は、既存資料等から事業実施想定区域より 2km とした。 2) 注目すべき生育地 予測は、調査結果に基づく注目すべき生育地と「事業実施想定区域」との重ね合わ せにより、埋立地の存在に伴う生育地の消失(直接的な影響)や周辺海域の流動の変 化による流速の変化や水質の変化による影響(間接的な影響)の観点から行った。 なお、埋立地の存在による潮流及び水質の変化に伴い、注目すべき生育地へ影響を 及ぼす範囲は、既存資料等から事業実施想定区域より 2km とした。 4-86 (2) 予測結果 1) 重要な種 調査結果より重要な種としてタヌキモの 1 種が確認された。 既存資料によると確認場所の詳細な位置や生育状況の記載がないことから、 予測は 調査範囲を対象とした。 確認された植物の重要な種の生態的特徴は表 4.3-25 に、複数案における影響・予 測は表 4.3-26 に示すとおりである。 表 4.3-25 重要な種の生態的特性 分 類 植 物 種名 タヌキモ 生態的特性 分布 生育環境 北海道∼ 本州 ため池、水路、湿原 などに生育する多年 草の浮遊植物 確認状況 文 献 事業実施区域より北側に位置す る、新門司南地区公有水面埋立事 業環境影響評価書による調査区域 で確認 ③ 花期 7∼9 月 注)既存資料は、表 4.3-20 の番号に対応する。 表 4.3-26 重要な種(タヌキモ)の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) タヌキモ タヌキモ C案 (南港地区沖合) タヌキモ 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 7.2km 3.9km 9.0km ・埋立地の存在により、タヌ ・埋立地の存在により、タヌ ・埋立地の存在により、タヌ キモの生育地が消失する キモの生育地が消失する キモの生育地が消失する ことはない ことはない ことはない ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 埋立地の存在による潮流 埋立地の存在による潮流 埋立地の存在による潮流 変化や水質変化がもたら 変化や水質変化がもたら 変化や水質変化がもたら す影響は小さいと考えら す影響は小さいと考えら す影響は小さいと考えら れる れる れる 4-87 2) 注目すべき生育地 確認された植物の主な注目すべき生育地は塩沼地植物群落、蓑島の塩湿地植生の 2 群落であり、生態的特性は表 4.3-27 に、複数案における影響・予測は表 4.3-28 に 示すとおりである。 表 4.3-27 注目すべき生育地の生態的特性 生態的特性 分類 既存 種名 確認状況 分布 生育環境 資料 花期 塩沼地植物群落 北九州市 河口∼沿岸域 − 小倉南区曽根で確認 蓑島の塩湿地植生 行橋市 河口∼沿岸域 − 今川河口域周辺に生育 植物 ① 注 1)生態的特性の「−」は生態が不明であることを示す。 注 2)既存資料は、表 4.3-20 を参照 表 4.3-28(1) 注目すべき生育地(塩沼地植物群落)の影響・予測 複数案 影響・予測 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) 塩沼地 植物群落 塩沼地 植物群落 7.4km 塩沼地 植物群落 3.4km ・埋立地の存在により、塩沼 ・埋立地の存在により、塩沼 地植物群落が消失するこ 地植物群落が消失するこ とはない とはない ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在により、曽根 干潟へ向けての潮流が妨 埋立地の存在による潮流 げられ、潮流変化や水質変 変化や水質変化がもたら 化に伴う影響が懸念され す影響は小さいと考えら る れる 4-88 C案 (南港地区沖合) 9.3km ・埋立地の存在により、塩沼 地植物群落が消失するこ とはない ・埋立地との位置関係から、 埋立地の存在による潮流 変化や水質変化がもたら す影響は小さいと考えら れる 表 4.3-28(2) 注目すべき生育地(蓑島の塩湿地植生)の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 配置図 蓑島の 塩湿地植生 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 蓑島の 塩湿地植生 7.4km 蓑島の 塩湿地植生 8.6km 3.5km ・埋立地の存在により、蓑島 ・埋立地の存在により、蓑島 ・埋立地の存在により、蓑島 の塩湿地植生が消失する の塩湿地植生が消失する の塩湿地植生が消失する ことはない ことはない ことはない ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在により、蓑島 埋立地の存在による潮流 干潟へ向けての潮流が妨 埋立地の存在による潮流 変化や水質変化がもたら げられ、潮流変化や水質変 変化や水質変化がもたら す影響は小さいと考えら 化に伴う影響が懸念され す影響は小さいと考えら れる る れる 4-89 4.3.3.3 評価 (1) 評価方法 評価は、 事業実施想定区域周辺海域における複数案の環境影響について相対比較す ることにより行った。 なお、相対比較の指標は、下記のとおりとした。 用語・記号 説明 影響小 (影響小さい) 影響懸念 (影響が懸念される) 環境への影響が明らかに小さい (影響懸念より影響が小さい) 影響の可能性がある (影響小より影響が大きい可能性がある) ○ 別案に比べて影響は低減される △ 別案に比べて影響は大きい (2) 評価結果 予測結果をもとに複数案の環境影響を比較した結果は表 4.3-29 に示すとおりで ある。 埋立地の存在に伴う植物への影響については、A 案(松山地区水面貯木場)が最も 小さいと考えられる。 4-90 表 4.3-29 植物重要種等の評価結果 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) タヌキモ タヌキモ 塩沼地 植物群落 配置図 蓑島の 塩湿地植生 タヌキモ 塩沼地 植物群落 C案 (南港地区沖合) 塩沼地 植物群落 蓑島の 塩湿地植生 タヌキモ 塩沼地 植物群落 蓑島の 塩湿地植生 ・直接改変はなく、埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さいことから、タヌキモの 生育環境への影響は小さいと考えられる ・直接改変はなく、埋立地の ・直接改変はないが、曽根干 ・直接改変はなく、埋立地の 存在による潮流変化や水 存在による潮流変化や水 潟へ向けての潮流が妨げ 質変化は小さいことから、 質変化は小さいことから、 られ、海水交換の低下や水 注目すべき植物群落への 注目すべき植物群落への 質変化による、注目すべき 影響は小さいと考えられ 影響は小さいと考えられ 植物群落への影響が懸念 る(○) る(○) される(△) ・直接改変はなく、埋立地の ・直接改変はなく、埋立地の ・直接改変はないが、蓑島干 存在による潮流変化や水 存在による潮流変化や水 潟へ向けての潮流が妨げ 質変化は小さいことから、 質変化は小さいことから、 られ、海水交換の低下や水 蓑島の 注目すべき植物群落への 注目すべき植物群落への 質変化による、注目すべき 塩湿地植生 影響は小さいと考えられ 影響は小さいと考えられ 植物群落への影響が懸念 る(○) る(○) される(△) ・タヌキモ :影響小 ・タヌキモ :影響小 ・タヌキモ :影響小 ・塩沼地植物群落 :影響小 ・塩沼地植物群落:影響懸念 ・塩沼地植物群落 :影響小 ・蓑島の塩湿地植生:影響小 ・蓑島の塩湿地植生:影響小 ・蓑島の塩湿地植生:影響懸念 評価結果 影響は、B 案、C 案に比べて 影響は、A 案に比べて大きい 影響は、A 案に比べて大きい 最も小さいと考えられる と考えられる と考えられる ○ △ △ 備考)○:別案に比べて影響は低減される △:別案に比べて影響は大きい 影響小:影響が小さい 影響懸念:影響の可能性がある(影響小より影響が大きい可能性がある) 4-91 4.3.4 動物 4.3.4.1 調査 (1) 調査方法 文献及びその他資料調査結果をもとに、 事業実施想定区域周辺海域における重要な 種と注目すべき生息地の分布状況を整理した。 使用した既存資料は表 4.3-30 に、調査内容は表 4.3-31 に、調査地点は図 4.3-41 ∼図 4.3-48 に示すとおりである。 (2) 調査範囲 調査範囲は、事業実施想定区域から 5km の範囲とした。 ただし、一連の調査については、付随する調査地点全てを標記した。 表 4.3-30 既存資料一覧(動物) 資料 番号 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ 項目 資料名 「わたしたちの自然史 第 100 号記念号」 (北九州市立自然史・歴史博物館自然史友の会 平成 19 年) 「第 6 回自然環境保全基礎調査 種の多様性調査」 哺乳類 (環境省 平成 16 年) 爬虫類、両生類、 「第 2 回自然環境保全基礎調査 福岡県動植物分布図」 昆虫類 (環境庁 昭和 56 年) 鳥類、哺乳類、 「新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書」 爬虫類、両生類、 (北九州市 平成 19 年 4 月) 昆虫類、海生生物 「生態系調査」 鳥類 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所 平成 22 年 3 月) 鳥類 「生態系調査」 海生生物 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所 平成 26 年 3 月) 「苅田港環境監視調査」 海生生物 (国土交通省九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 26 年 3 月) 「覆砂海域環境改善効果検証」 海生生物 (国土交通省九州地方整備局苅田港湾事務所 平成 25 年 3 月) 鳥類 「苅田港港湾計画資料(その2)−改訂−」 海生生物 (苅田港港湾管理者 平成 9 年 5 月) 「苅田港環境調査業務委託」 海生生物 (福岡県苅田港務所 平成 24 年 8 月) 「福岡県水産海洋技術センター事業報告書」 海生生物 (福岡県水産海洋技術センター 平成 26 年 3 月) 鳥類 4-92 表 4.3-31(1) 調査内容一覧(動物) 分類 鳥類 掲載 資料 調査期間 調査 頻度 ① 昭和 36∼平成 18 年 (参考文献の発行年を 示す) − ④ 平成 13∼15 年 年4回 (四季) ⑤ 平成 21 年度 年1回 (春季) ⑥ 平成 25 年度 年4回 (四季) ⑨ 平成 6∼7 年 年 12 回 ② 平成 13∼14 年度 ④ 平成 13∼14 年 哺乳類 ③ 昭和 53 年度 爬虫類、 両生類 ④ 平成 13∼14 年 昆虫類 ④ 平成 13∼15 年 調査方法 年5回 (四季と 早春季) 北九州市において記 録・観察された鳥類を文 献等から整理 定点カウント法及びラ インセンサス法による 観察 スポットセンサス及び 定点カウント法による 観察 干潮時に定点カウント 法による観察及び後背 地の任意踏査 定点カウント法、ライン センサス他による調査 アンケート調査、聞き取 り調査及び補完調査 フィールドサイン調査 及び小型トラップによ る捕獲調査 − − 年3回 (秋・春・ 夏季) 年3回 (秋・春・ 夏季) 地点数 調査 地点 − 北九州市 1 区域 6 地点 2 地点 図 4.3-41 参照 4 地点 3 区域 − 日本全国 1 区域 図 4.3-42 参照 − − 福岡県 現地踏査による目視観 察 1 区域 捕虫網による任意採取、 ピットホールトラップ、 ざるふるい法、目視観察 1 区域 5 地点 図 4.3-42 参照 図 4.3-42 参照 備考)資料①は、事業実施想定区域周辺に位置する「曽根」、「曽根海岸」、「曽根新田」、「曽根干潟」、「曽 根干潟間島」、「小倉南区」、「小倉南区雨窪」、「小倉南区毛無島」、「小倉南区朽網沖」、「新門司埋立 地」 、 「新門司北埋立地」 、 「松山」に観察記録がある種を選定した。 4-93 表 4.3-31(2) 調査内容一覧(動物) 分 類 動物 プランクトン 魚卵・稚仔魚 底生生物 掲載 資料 調査期間 ④ 平成 14∼15 年 ⑥ 平成 25 年度 ⑦ 平成 25 年度 ⑨ 平成 7 年 ⑩ 平成 23∼24 年 ④ 平成 14∼15 年 ⑥ 平成 25 年度 ⑦ 平成 25 年度 ⑨ 平成 7 年 ⑩ 平成 23∼24 年 ④ 平成 14∼15 年 ⑥ 平成 25 年度 ⑦ 平成 25 年度 ⑧ 平成 24 年度 ⑨ 平成 7 年 ⑩ 平成 23∼24 年 ⑪ 平成 24 年 調査 頻度 年4回 (四季) 年4回 (四季) 年4回 (四季) 年4回 (四季) 年4回 (四季) 年4回 (四季) 年4回 (四季) 年4回 (四季) 年4回 (四季) 年4回 (四季) 調査方法 調査 地点 2 地点 北原式定量ネットを用いて 鉛直曳きを行い、試料は現 場でホルマリン固定して、 実験室に搬入 6 地点 3 地点 図 4.3-43 参照 4 地点 2 地点 2 地点 丸稚ネットを用いて、約 2 ノット約 10 分間水平曳き を行い、試料は現場でホル マリン固定して、実験室に 搬入 スミス・マッキンタイヤ型 及びエクマンバージ型採泥 器を用いて採泥 (海域)スミスマッキンタイ ヤ型採泥器を用いて採泥 年4回 (干潟)25cm 方形枠を用い (四季) て採泥。また、1m 方形枠内 の表層生物の観察 年4回 エクマンバージ型採泥器を 用いて採泥 (四季) 年 2 回※ エクマンバージ型採泥器を (夏・冬季) 用いて 1 試料 3 回以上採泥 年4回 スミスマッキンタイヤ型採 泥器を用いて採泥 (四季) 年4回 エクマンバージ型採泥器を 用いて採泥 (四季) 年2回 スミスマッキンタイヤ型採 (春・夏季) 泥器を用いて採泥 年4回 (四季) ※曽根沖は 8 月のみ実施 備考)資料⑧においては、在来区の調査結果をまとめた。 4-94 地点数 6 地点 3 地点 図 4.3-44 参照 4 地点 2 地点 4 地点 6 地点 (海域) 6 地点 (干潟) 3 地点 3 地点 4 地点 2 地点 1 地点 図 4.3-45 参照 表 4.3-31(3) 調査内容一覧(動物) 分 類 付着生物 (動物) 掲載 資料 調査期間 調査 頻度 ④ 平成 14∼15 年 年4回 (四季) ⑥ 平成 25 年度 年4回 (四季) 調査方法 ⑦ 平成 25 年度 年4回 (四季) ⑨ 平成 7 年 年4回 (四季) ⑩ 平成 23∼24 年 年4回 (四季) ⑥ 平成 25 年度 年4回 (四季) ⑦ 平成 25 年度 魚介類 年4回 (四季) 大潮期の干潮時に潮間帯の 上・中・下部で方形枠(30cm ×30cm)を用いて 1 地点 3 回採取 ダイバーにより方形枠(0.1 ㎡)内の生物を 3 層採取(平 均水面、大潮最低低潮面、 大潮最低低潮面下 1.0m) ダイバーにより 25cm 又は 31.6cm 方形枠内の生物を 3 層採取(平均水面、大潮最 低低潮面、大潮最低低潮面 下 1.0m) カブトガニ 幼生 生息 分布 産卵 実態 ⑥ 平成 24 年度 平成 25 年度 2 地点 5 地点 3 地点 図 4.3-46 参照 2 地点 底曳網漁船により、船速約 2 ノットで1km 曳網の試験 操業を行い、魚介類を採集 底曳網を用いて、船速約 2 ノットで曳航し、魚介類を 採集 エビ刺網(長さ約 200m、網 年2回 丈約 1m)を用いて、魚介類 (9、10 月) を採取 引き潮時に幼生を探し、個 年2回 体数、位置、水温、泥温、 (6、9 月) 幼生の大き等を記録 産卵に来遊する番い数と産 月2回 卵行動を確認、干潮時には (7 月) 産卵跡で卵を確認 ※曽根沖は 8 月のみ実施 備考)資料⑧においては、在来区の調査結果をまとめた。 4-95 調査 地点 方形枠(30cm×30cm)内の 生物採取(高潮帯、中潮帯、 4 地点 低潮帯の 3 層を混合) ダイバーにより方形枠 (30cm×30cm)内の生物を 3 層採取(平均水面、大潮 2 地点 最低低潮面、大潮最低低潮 面下 1.0m) 年 4 回※ (四季) ⑧ 地点数 1 地点 2 地点 図 4.3-47 参照 1 地点 曽根 干潟 4 地点 図 4.3-48 参照 ■ ● ● ● ④平成 13∼15 年 年4回 ⑤平成 21 年度 ⑥平成 25 年度 年1回 年4回 1 区域 6 地点 2 地点 4 地点 ⑨平成 6∼7 年 年 12 回 3 区域 図 4.3-41 調査位置図(鳥類) 4-96 哺乳類 爬虫類・ 両生類 昆虫類 ■ ④平成 13∼14 年 年5回 1 区域 ■ ④平成 13∼14 年 年3回 1 区域 ■ ● ④平成 13∼15 年 年3回 1 区域 5 地点 図 4.3-42 調査位置図(哺乳類、爬虫類、両生類、昆虫類) 4-97 ● ● ● ● ● ④平成 14∼15 年 ⑥平成 25 年度 ⑦平成 25 年度 ⑨平成 7 年 ⑩平成 23∼24 年 年4回 年4回 年4回 年4回 年4回 2 地点 6 地点 3 地点 4 地点 2 地点 図 4.3-43 調査位置図(動物プランクトン) 4-98 ● ● ● ● ● ④平成 14∼15 年 ⑥平成 25 年度 ⑦平成 25 年度 ⑨平成 7 年 ⑩平成 23∼24 年 年4回 年4回 年4回 年4回 年4回 2 地点 6 地点 3 地点 4 地点 2 地点 図 4.3-44 調査位置図(魚卵・稚仔魚) 4-99 ^ ● ④平成 14∼15 年 年4回 ● ⑥平成 25 年度 年4回 ● ⑦平成 25 年度 ⑧平成 24 年度 年4回 4 地点 6 地点(海域) 6 地点(干潟) 3 地点 年2回 3 地点 年4回 年4回 年2回 4 地点 2 地点 1 地点 ● ● ● ● ※曽根沖は 8 月のみ実施 ⑨平成 7 年 ⑩平成 23∼24 年 ⑪平成 24 年度 図 4.3-45 調査位置図(底生生物) 4-100 ● ● ● ● ● ④平成 14∼15 年 ⑥平成 25 年度 ⑦平成 25 年度 ⑨平成 7 年 ⑩平成 23∼24 年 年4回 年4回 年4回 年4回 年4回 2 地点 5 地点 3 地点 4 地点 2 地点 図 4.3-46 調査位置図(付着生物(動物)) 4-101 ━ ━ ━ ⑥平成 25 年度 ⑦平成 25 年度 ⑧平成 24 年度 ※曽根沖は 8 月のみ実施 ⑧平成 24 年度 年4回 年4回 2 地点(底曳網) 1 地点(底曳網) 年4回 2 地点(底曳網) 年2回 1 地点(エビ刺網) 図 4.3-47 調査位置図(魚介類) 4-102 ⑥平成 25 年 6、9 月 ⑥平成 25 年 7 月 年2回 月2回 4 地点(産卵実態調査) 曽根干潟(生息分布調査) 図 4.3-48 調査位置図(カブトガニ) 4-103 (3) 調査結果 1) 重要な種 文献その他の資料調査において動物の重要な種は、表 4.3-32 に挙げる法令等によ る指定及び掲載状況をみると、重要な種として鳥類 69 種、哺乳類 2 種、昆虫類 3 種、 刺胞動物 1 種、軟体動物 29 種、星口動物 1 種、甲殻類 8 種、魚類 5 種の計 118 種が 確認された(表 4.3-33、図 4.3-49 参照) 。 なお、 「文化財保護法」に該当する重要な種として、特別天然記念物の「コウノト リ」 、天然記念物の「コクガン」、 「マガン」、「ヒシクイ」、 「オジロワシ」の計 5 種が 記録されている。 2) 注目すべき生息地 文献その他の資料調査において動物の注目すべき生息地は、表 4.3-32 に挙げる法 令等による指定及び掲載状況をみると、 法律や条約に指定された生息地は該当するも のはないが、 「日本の重要湿地 500」に選定された、カブトガニの生息・産卵の場と なっている曽根干潟が挙げられる。 表 4.3-32 重要な種の選定基準一覧 番号 a b 法律及び文献名等 「文化財保護法」 (昭和 25 年 法律第 214 号) 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」 (平成 4 年 法律第 75 号) 「レッドデータブック 2014 −日本の絶滅の恐れのある野生生物−(1 哺乳類、2 鳥類、3 爬虫類・ 両生類、6 貝類、7その他無脊椎動物) 」 (環境省 c 平成 26 年 9 月) 「第4次レッドリストの公表について」 (環境省報道発表資料 平成 24 年 8 月 28 日) 「第4次レッドリストの公表について(汽水・淡水魚類)」 (環境省報道発表資料 平成 25 年 2 月 1 日) d e f g h i j k l 「日本の希少な野生水生生物に関するデータブック」 (水産庁 平成 10 年) 「福岡県レッドデータブック 2011 福岡県の希少野生生物 (福岡県 −植物群落・植物・鳥類・哺乳類−」 平成 23 年) 「福岡県レッドデータブック 2014 福岡県の希少野生生物 −爬虫類/両生類/魚類/昆虫類/貝類 /甲殻類その他/クモ形類等」 (福岡県 平成 26 年) 「北九州市の希少野生生物」 (北九州市 平成 20 年) 「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」 (昭和 55 年 条約第 28 号) 「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」 (平成 4 年 条約第 7 号) 「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」 (平成 14 年 法律第 88 号) 「第 5 回自然環境保全基礎調査 海辺調査」 (環境庁 平成 10 年) 「日本の重要湿地 500」 (環境省 平成 13 年) 4-104 表 4.3-33(1) 事業実施想定区域周辺で確認された重要な種の一覧 No. 分類 選定基準 種名 a 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 鳥類 哺乳類 昆虫類 シロエリオオハム アカエリカイツブリ カンムリカイツブリ ヨシゴイ オオヨシゴイ ササゴイ アマサギ チュウサギ カラシラサギ クロサギ コウノトリ ヘラサギ クロツラヘラサギ コクガン マガン ヒシクイ サカツラガン アカツクシガモ ツクシガモ トモエガモ アカハジロ クロガモ ホオジロガモ ミサゴ オジロワシ オオタカ ハイタカ ノスリ ハイイロチュウヒ チュウヒ ハヤブサ ウズラ ナベヅル マナヅル クイナ ヒクイナ タマシギ ミヤコドリ イカルチドリ シロチドリ タゲリ ハマシギ ミユビシギ ヘラシギ シベリアオオハシシギ アカアシシギ カラフトアオアシシギ タカブシギ オグロシギ オオソリハシシギ ダイシャクシギ ホウロクシギ コシャクシギ オオジシギ セイタカシギ ツバメチドリ ズグロカモメ ゴビズキンカモメ オオアジサシ ベニアジサシ コアジサシ ヨタカ コシアカツバメ アカモズ オオヨシキリ センダイムシクイ キビタキ ツリスガラ コジュリン カヤネズミ キツネ ケシゲンゴロウ コガムシ ヤネホソバ b c d 特天 国内 天然 天然 天然 CR DD EN VU NT VU DD DD VU VU DD f NT VU NT CR NT CR NT NT 資料 e 希少種 絶滅危惧種 希少種 g ○ ○ NT NT NT EN NT ○ ○ EN EN ○ ○ ○ ○ ○ ○ NT VU VU VU 天然 国内 国内 国内 国際 国際 NT VU NT NT ○ NT NT NT CR VU DD EN VU VU VU VU VU NT CR DD VU CR VU 国際 ○ ○ ○ ○ ○ ○ CR VU NT NT VU VU VU VU EN NT VU VU VU ○ ○ ○ NT NT NT VU VU NT NT NT NT CR NT VU 国内 ○ ○ ○ ○ ○ 希少種 絶滅危惧種 ○ ○ ○ VU VU 国際 国際 VU VU VU NT 希少種 減少傾向 EN VU EN NT ○ EN NT VU ○ ○ NT VU ○ ○ VU NT NT DD NT 4-105 NT VU ① ① ④⑥⑨ ①⑨ ① ①④⑨ ①⑥⑨ ①⑥⑨ ①⑨ ①④⑥⑨ ① ① ①⑥ ① ① ① ① ① ①⑥⑨ ① ① ① ④⑥⑨ ①④⑤⑥⑨ ① ①④ ⑨ ⑥⑨ ①④ ①⑤⑨ ④⑤⑥ ① ① ①⑨ ① ①⑥⑨ ①⑨ ①⑨ ① ①⑤⑥⑨ ⑥⑨ ④⑥⑨ ① ① ① ① ⑨ ⑨ ⑨ ④⑨ ④⑥⑨ ①④⑨ ①⑨ ① ①⑤⑨ ①⑨ ①④⑥⑨ ① ① ① ①⑥ ① ⑨ ① ①⑤⑥⑨ ⑨ ⑨ ⑤ ① ④ ② ④ ④ ④ 表 4.3-33(2) 事業実施想定区域周辺で確認された重要な種の一覧 No. 分類 選定基準 種名 a b 75 刺胞動物 ウミサボテン 76 アカガイ 77 コケガラス 78 タイラギ 79 チゴマテ 80 クシケマスオガイ 81 イシゴロモ 82 タガソデモドキ 83 ヒナノズキン 84 オウギウロコガイ 85 テリザクラ 86 ユウシオガイ 87 サクラガイ 88 ウズザクラ 89 イチョウシラトリ 90 軟体動物 ネコガイ 91 ゴマフダマ 92 ツガイ 93 イリエツボ 94 タニシツボ 95 エドガワミズゴマツボ 96 ヒロオビヨフバイ 97 アカニシ 98 クレハガイ 99 ヘナタリ 100 スオウクチキレ 101 ヌノメホソクチキレ 102 カミスジカイコガイダマシ 103 イイダコ 104 シリヤケイカ 105 星口動物 アンチラサメハダホシムシ 106 カブトガニ 107 シバエビ 108 ヘイケガニ 109 トリウミアカイソモドキ 甲殻類 110 ヒメムツアシガニ 111 ムツハアリアケガニ 112 オサガニ 113 オオヨコナガピンノ 114 アサヒアナハゼ 115 カナガシラ 魚類 116 ヒモハゼ 117 タビラクチ 118 トラフグ 計 118種 c d 資料 e g NT NT NT 減少種 NT NT VU NT CR+EN NT CR+EN CR+EN VU NT NT NT CR+EN NT CR+EN NT CR+EN NT NT CR+EN f 減少種 DD DD EN EN VU NT NT DD EN NT CR NT VU VU 減少種 NT NT NT VU VU NT NT ○ NT VU 減少種 減少種 CR+EN DD CR 絶滅危惧種 減少傾向 希少種 ○ DD NT ○ NT EN NT 減少種 5種 10種 NT VU 減少種 77種 17種 48種 NT VU NT ○ 33種 37種 ⑥⑧ ⑥ ⑥ ⑥⑦ ⑥ ⑥ ④ ④ ④⑥ ⑩ ⑥ ⑥ ④⑥ ④⑩ ⑥ ⑥⑧⑩ ⑥ ⑥ ⑥ ⑦ ⑥ ⑥ ⑥⑦⑧ ⑥ ⑥ ④ ⑥ ④ ⑥⑦⑧ ⑦⑧ ④ ⑥⑧ ⑥⑦⑧ ⑥⑦⑧ ⑥ ④⑥⑧ ⑥ ⑥ ⑥ ⑥ ⑥ ⑥ ⑥ ⑧ − 注 1)選定基準は、次のとおりである。 a: 「文化財保護法」(昭和 25 年 法律第 214 号) 特別:特別天然記念物に指定された動物 天然:天然記念物に指定された動物 b: 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」 (平成 4 年 法律第 75 号) 国内:国内希少野生動植物種 国際:国際希少野生動植物種 c: 「レッドデータブック 2014 −日本の絶滅の恐れのある野生生物−(1 哺乳類、2 鳥類、3 爬虫類・ 両生類、6 貝類、7その他無脊椎動物) 」 (環境省 平成 26 年 9 月) 、 「第4次レッドリストの公表に ついて」 (環境省 平成 24 年 8 月 28 日)、 「第4次レッドリストの公表について(汽水・淡水魚類) 」 (平成 25 年 2 月 1 日 環境省) EX:絶滅 EW:野生絶滅 CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類 CR:絶滅危惧ⅠA 類 EN:絶滅危惧ⅠB 類 VU:絶滅危惧Ⅱ類 NT:準絶滅危惧 DD:情報不足 LP:絶滅のおそれのある地域個体群 d: 「日本の希少な野生水生生物に関するデータブック」 (水産庁 平成 10 年) 減少傾向:長期的にみて減少しつつあるもの 減少種:明らかに減少しているもの 希少種:存在基盤が脆弱な種・亜種 危急種:絶滅の危機が増大している種・亜種 絶滅危惧種:絶滅の危機に瀕している種・亜種 地域個体群:保護に留意すべき地域個体群 e:「福岡県レッドデータブック 2011 福岡県の希少野生生物 −植物群落・植物・鳥類・哺乳類−」 (福岡県 平成 23 年) EX:絶滅 EW:野生絶滅 CR:絶滅危惧ⅠA 類 EN:絶滅危惧ⅠB 類 VU:絶滅危惧Ⅱ類 NT:準絶滅危惧 DD:情報不足 f:「福岡県レッドデータブック 2014 福岡県の希少野生生物 −爬虫類/両生類/魚類/昆虫類/貝類/ 甲殻類その他/クモ形類等」 (福岡県 平成 26 年) EX:絶滅 EW:野生絶滅 CR:絶滅危惧ⅠA 類 EN:絶滅危惧ⅠB 類 VU:絶滅危惧Ⅱ類 NT:準絶滅危惧 DD:情報不足 g:「北九州市の希少野生生物」 注 2)資料は、表 4.3-30 の番号に対応する。 4-106 備考)資料①「わたしたちの自然史 第 100 号記念号」で確認された重要種については、確認された場所の 記載が地区名等であり、区分が困難なため、図示していない。なお、表 4.3-34 に種ごとの確認され た場所を示す。 図 4.3-49(1) 確認された重要な種の分布(鳥類調査) 4-107 【キツネ(場所不明)】 出典:「第 6 回自然環境保全基礎調査 種の多様性調査」 (環境省 平成 16 年) 図 4.3-49(2) 確認された重要な種の分布(哺乳類調査) 4-108 図 4.3-49(3) 確認された重要な種の分布(哺乳類、両生類、昆虫類調査) 4-109 図 4.3-49(4) 確認された重要な種の分布(底生生物調査) 4-110 図 4.3-49(5) 確認された重要な種の分布(付着生物(動物)調査) 4-111 図 4.3-49(6) 確認された重要な種の分布(魚介類調査) 4-112 備考)魚介類調査で確認された調査地点も図示している。 図 4.3-49(7) 確認された重要な種の分布(カブトガニ調査) 4-113 表 4.3-34 資料①で確認された重要な種と確認された場所 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 分類 鳥類 種名 確認された場所 シロエリオオハム アカエリカイツブリ ヨシゴイ オオヨシゴイ ササゴイ アマサギ チュウサギ カラシラサギ クロサギ コウノトリ ヘラサギ クロツラヘラサギ コクガン マガン ヒシクイ サカツラガン アカツクシガモ ツクシガモ トモエガモ アカハジロ クロガモ ミサゴ オジロワシ オオタカ ハイイロチュウヒ チュウヒ ウズラ ナベヅル マナヅル クイナ ヒクイナ タマシギ ミヤコドリ イカルチドリ シロチドリ ミユビシギ ヘラシギ シベリアオオハシシギ アカアシシギ ホウロクシギ コシャクシギ オオジシギ セイタカシギ ツバメチドリ ズグロカモメ ゴビズキンカモメ オオアジサシ ベニアジサシ コアジサシ ヨタカ アカモズ オオヨシキリ コジュリン 曽根海岸 曽根干潟 松山、曽根新田 曽根新田、小倉南区 曽根干潟間島 小倉南区雨窪 小倉南区雨窪 曽根干潟 小倉南区毛無島 松山、曽根干潟 曽根干潟 曽根干潟 曽根干潟 曽根、曽根新田 曽根新田 曽根新田、新門司北埋立地 松山、曽根干潟、曽根新田 曽根干潟 曽根干潟 松山、曽根干潟 小倉南区朽網川沖 曽根干潟 曽根海岸 曽根新田 曽根新田 曽根新田 曽根新田 曽根新田 曽根新田、曽根干潟 曽根新田 曽根新田 曽根新田 曽根干潟 曽根新田 松山、新門司埋立地 曽根干潟 曽根干潟 曽根新田 曽根干潟 曽根干潟 曽根新田 曽根新田 曽根干潟、曽根新田 曽根新田 曽根干潟 曽根干潟 曽根干潟 曽根干潟 曽根干潟 曽根新田 曽根新田 松山、曽根新田 曽根新田 4-114 4.3.4.2 予測 (1) 予測方法 1) 重要な種 予測は、調査結果に基づく重要な種の生息状況と事業実施想定区域周辺の物理・自 然環境の特徴より類型区分を行い、 「事業実施想定区域」との重ね合わせにより、埋 立地の存在に伴う生息地の消失(直接的な影響)や周辺海域の潮流変化による流速の 変化や水質の変化による影響(間接的な影響)の観点から行った。 なお、埋立地の存在による潮流及び水質の変化に伴い、生息地へ影響を及ぼす範囲 は、既存資料等から事業実施想定区域より 2km とした。 2) 注目すべき生息地 予測は、調査結果に基づく注目すべき生息地と「事業実施想定区域」との重ね合わ せにより、埋立地の存在に伴う生息地の消失(直接的な影響)や周辺海域の潮流変化 による流速の変化や水質の変化による影響(間接的な影響)の観点から行った。 なお、埋立地の存在による潮流及び水質の変化に伴い、生息地へ影響を及ぼす範囲 は、既存資料等から事業実施想定区域より 2km とした。 4-115 (2) 予測結果 1) 重要な種 a. 重要な種の生態的特徴 調査結果より、 事業実施想定区域周辺で確認された動物の重要な種は 118 種であり、 確認された動物の重要な種の生態的特性は表 4.3-35 に示すとおりである。 表 4.3-35(1) 確認された重要な種の生態的特性 生態的特性 No 分類 種名 鳥類 シロエリ オオハム 1 アカエリ カイツブリ 2 3 カンムリ カイツブリ ヨシゴイ 4 5 6 7 8 9 分布 生息環境 北海道、本州、 主 に 海 上 で 生 四国、九州、佐 息 渡島、対馬の海 上で見られ、北 海道では旅鳥、 本州以南では 冬鳥として生 息 北海道の湖沼 繁殖期には湖 で繁殖し、冬鳥 沼や湿地、冬季 として各地に は内湾や河口 渡来 部の岸近く 主に冬鳥とし て九州以北に 渡来 夏鳥として全 国に渡来 オオヨシゴイ 北海道、本州中 部以北、佐渡島 で繁殖するが 局地的、冬季に 本州南部に渡 来する個体が いる ササゴイ 夏鳥として九 州以北に渡来 食性 確認状況 繁殖期 潜 水 し て 主 に 6∼8 月 魚類を捕食 既存 白石・ 曽根 苅田 蓑島・ その他 資料 長井 湖岸の草地 などに草や 海藻で営巣 ① 潜 水 し て 、 魚 5∼9 月 類、甲殻類、昆 虫、軟体動物を 捕食 海岸や河口、湖 潜 水 し て 魚 類 3∼8 月 沼や河川など や 水 生 昆 虫 な どを捕食 池沼や川岸、ア 魚 類 や カ エ ル 5∼8 月 シ原など 類などを捕食 池や湖沼、川岸 など背の高い 植物が繁茂す る湿地 繁殖環境 水 辺 で 魚 や カ 5∼8 月 エル、エビ、昆 虫類などを捕 食 河川や湖沼、水 魚 類 や カ エ ル 4∼7 月 田、アシ原など 類、水生昆虫類 などを捕食 アマサギ 夏 鳥 と し て 本 水田や湿地、草 昆 虫 類 や カ エ 4∼9 月 州以南に渡来、 地 や 牧 草 地 な ル 類 な ど を 捕 九州以南では ど 食 多数が越冬 チュウサギ 夏 鳥 と し て 本 水田や湿地、湖 昆虫類や魚類、 4∼9 月 州以南に渡来、 沼や河川など カ エ ル 類 な ど 西南日本では を捕食 一部が越冬 カラシラサギ 旅 鳥 ま た は 冬 海岸や河口、干 魚類、甲殻類な − 鳥として渡来 潟、河川、水田 どを捕食 など 水草が密生 した水辺の 浅瀬に、水 草で浮巣を つくる 水草が密生 した水辺の ○ 浅瀬 水辺にある アシ原や竹 ○ 林など 草原の乾い た地上に営 巣 ① ○ ○ ④⑥ ⑨ ①⑨ ① 水辺近くの ヤナギ、雑 木林など マツ林、雑 木林、竹林 ○ など マツ林、雑 木林、竹林 ○ など 草の茂みや 藪、コサギ やアマサギ ○ などが集団 繁殖する樹 木 海岸の岩 棚、岩場に ○ 生えた樹木 ○ ①④ ⑨ ○ ①⑥ ⑨ ①⑥ ⑨ ①⑨ 留 鳥 と し て 本 岩 礁 海 岸 や 干 魚類やカニ類、 4∼7 月 ①④ 州以南に分布 潟、河口など 貝 類 な ど を 捕 ○ ⑥⑨ 食 注 1)生態的特性の「−」は生態が不明であることを示す。 注 2)確認状況の「曽根」は曽根干潟周辺、「苅田」は苅田港内周辺、「白石・蓑島・長井」は白石・蓑島・長井干潟周 辺、 「その他」はその他沖合海域を示す。なお、確認された詳細な場所が記載されていない種については、いずれ の欄も空白とした。 注 3)既存資料は、表 4.3-30 の番号に対応する。 クロサギ 10 4-116 表 4.3-35(2) 確認された重要な種の生態的特性 生態的特性 No 分類 種名 鳥類 コウノトリ 11 分布 生息環境 ごく稀に渡来 する冬鳥であ り、国内各地で 繁殖していた が野生絶滅 近年は繁殖保 護政策により 徐々に個体数 が回復 各地に冬鳥と して少数が渡 来 樹林が散在す る湿地草原で 繁殖し、冬季は 河口や干潟、水 田など 食性 確認状況 繁殖期 魚類、両生類、 4∼6 月 昆虫類、小型哺 乳類、ミミズな どを捕食 繁殖環境 既存 白石・ 曽根 苅田 蓑島・ その他 資料 長井 見通しの良 い枯れ木の 上などに営 巣 ① 水 生 昆 虫 、 貝 地方によ 内 陸 の 湖 類、甲殻類、魚 り様々 沼、河川沿 12 ① 類などを捕食 いの樹林に 営巣 クロツラ 水生昆虫、甲殻 5∼7 月 無人島の岩 壁の岩棚 ○ 13 類、魚類などを ①⑥ ヘラサギ 捕食 コクガン 冬 鳥 と し て 北 海 岸 の 入 り 江 草 や 藪 の 新 し 6∼7 月 沿岸の潮の 海道、本州、佐 や内湾の砂浜、 い 枝 葉 を 採 食 干満で寸断 14 渡島に渡来 遠浅の砂泥地 し、越冬地では ① されるよう アマモを採食 な、平原の 地上に営巣 マガン 冬 鳥 と し て 九 冬季は水田、沼 主に植物食で、 5∼7 月 灌木が多い 乾いた沼沢 州 北 部 以 北 に 沢地、湿地、干 葉、茎、根、種 15 ① 渡来 潟、内湾など 子などを採食 地の地上に 営巣 ヒシクイ 冬 鳥 と し て 多 冬季は湖沼、沼 主に植物食で、 5∼7 月 樹林帯の水 辺や草原の く は 本 州 中 部 沢、湿地、水田 特 に ヒ シ の 実 16 以北に渡来し、 など を好む 湿地帯の地 ① 少数が九州や 上に営巣 沖縄にも渡来 サカツラガン 冬 鳥 と し て ご 湖沼、潟湖、沼 主に植物食で、 5∼7 月 水辺に近い 17 く 少 数 が 各 地 沢地、水田など 葉、茎、根、種 ① 草地の地上 に渡来 子などを採食 に営巣 ア カ ツ ク シ ガ 冬 鳥 と し て 少 内陸の海水域、 雑食性で、草や 4∼6 月 砂 丘 や 樹 モ 数 が 本 州 中 部 湖沼の沿岸、塩 種子、昆虫、甲 木、岩の割 以南に渡来 湖、河川、湿地 殻類、貝類、小 れ目などの 18 に 生 息 、 標 高 魚、カエルなど ① 自然洞、哺 5000m の高原や を捕食 乳類の穴、 山地でも見ら 巣箱などを れる 利用 ツクシガモ 冬 鳥 と し て 主 干潟や内湾、河 貝類、昆虫類、 4∼7 月 浅い沿岸、 河口、湖沼 に 九 州 北 部 に 口、水田など 甲 殻 類 な ど を ①⑥ 19 渡来 捕食 などの浅く ○ ⑨ 水につかる 砂泥地 トモエガモ 冬 鳥 と し て 本 湖沼、ダム湖、 雑 食 性 で は あ 4∼7 月 河畔の草む 州、四国、九州 河川、水田など るが、主にイネ らに営巣 に渡来し、北海 に生息し、樹林 科 や タ デ 科 の 20 ① 道 に は 旅 鳥 と に 囲 ま れ た 大 種子を好む して渡来 きな水域を好 む 湖畔や河畔 アカハジロ 冬 鳥 と し て ご 湖沼、沼沢地な 雑 食 性 だ が 詳 − く稀に各地へ ど 細は不明 のヨシ原な 21 ① 渡来 どの草むら に営巣 注 1)生態的特性の「−」は生態が不明であることを示す。 注 2)確認状況の「曽根」は曽根干潟周辺、「苅田」は苅田港内周辺、「白石・蓑島・長井」は白石・蓑島・長井干潟周 辺、 「その他」はその他沖合海域を示す。なお、確認された詳細な場所が記載されていない種については、いずれ の欄も空白とした。 注 3)既存資料は、表 4.3-30 の番号に対応する。 ヘラサギ 湖沼、河川の沿 岸、水田、ため 池、河口、干潟 など 冬 鳥 ま た は 旅 干潟、水田、湿 鳥として渡来 地、河川など 4-117 表 4.3-35(3) 確認された重要な種の生態的特性 生態的特性 No 分類 種名 23 24 生息環境 食性 繁殖期 雑食性で、主に 5∼7 月 潜水して貝類 や甲殻類、ウ ニ、ナマコなど を捕食、ヒルム シロなどの水 草も採食 ホオジロガモ 冬 鳥 と し て 九 河口、内湾、沿 潜 水 し て 水 生 5∼7 月 州以北に渡来 岸、湖沼、河川 昆 虫 や 貝 類 な など どを捕食、水草 の種子なども 採食 1∼8 月 ミサゴ 留 鳥 と し て 全 海 岸 付 近 や 内 魚類を捕食 国に分布 陸の河川、湖沼 など 鳥類 クロガモ 22 分布 確認状況 冬鳥として北 海道から九州 の海岸に渡来 し、特に本州中 部以北には多 く渡来 越冬地では海 岸の沿岸や海 岸から 500m∼ 2km 程度離れた 海域 オジロワシ 繁殖環境 既存 白石・ 曽根 苅田 蓑島・ その他 資料 長井 背丈の高い 草や藪の茂 る場所の地 上に営巣 ① 池や河川付 近の森林 ○ 海岸の岩の 上や岩棚、 ○ 水辺に近い 大木 海岸近くや 付近に河川 や湖沼があ る森林で、 周囲全域が 見渡せる小 高い場所の 樹上に営巣 ○ ④⑥ ⑨ ○ ○ ①④ ⑤⑥ ⑨ 北 海 道 東 部 や 海岸、河口、海 海 鳥 や カ モ 類 3∼8 月 北 部 沿 岸 で 少 沿 い の 水 田 や などの鳥類、魚 数 が 留 鳥 と し 湖沼、ときには 類、アザラシの て繁殖し、冬季 内陸の湖沼 幼獣などを捕 25 には冬鳥とし 食 ① て北海道から 九州の日本海 沿岸に少数が 渡来 オオタカ 南 西 諸 島 を 含 山 地 か ら 都 市 鳥 類 が 主 要 な 1∼8 月 様々な樹林 の大木に営 む 島 嶼 部 を 除 緑地、海岸林ま 獲物であり、ス き、全国的に繁 で 幅 広 い 環 境 ズ メ 等 の 小 型 巣するが、 殖し、四国・九 に 生 息 し て お 鳥類から、ムク 繁殖環境と 州 地 方 で は 繁 り、特に平地か ドリ、ドバト等 しては林内 26 殖記録のない ら丘陵地帯に の中型鳥類を ①④ に適度な空 県もあり、生息 か け て の 農 耕 中心に捕食 間があり、 数も少ないが、 地 な ど の 開 け 尾根よりも 越冬期には全 た環境と樹林 谷などの低 国的に分布 が混在する環 い位置を好 境に主に生息 む ハイタカ 留 鳥 と し て 四 平 地 か ら 山 地 鳥 類 や 哺 乳 類 1∼8 月 平地から亜 国 以 北 に 分 布 の林、農耕地、 を捕食 高山帯の林 27 するほか、全国 河川敷など ○ ⑨ など に冬鳥として 渡来 ノスリ 留 鳥 と し て 北 山地、干拓地、 哺乳類、カエル 2∼8 月 平地から亜 高山帯の林 海道、本州中部 農耕地など 類、昆虫類など 以北、四国で繁 を捕食 など 28 殖し、冬は沖縄 ○ ⑥⑨ ○ を除く各地に 冬鳥として渡 来 ハイイロ 冬 鳥 と し て 北 平 地 の 広 い 草 ネ ズ ミ 、 小 鳥 4∼8 月 草地の地上 チュウヒ 海 道 か ら 九 州 原、ヨシ原、農 類、カエルなど 部に営巣 29 ①④ 各地に渡来 耕地や牧草地 の 小 動 物 を 捕 食 チュウヒ 留 鳥 と し て 本 平地の草地、干 哺乳類、鳥類、 2∼8 月 草原 州 中 部 以 北 に 拓地、農耕地、 カ エ ル 類 な ど ①⑤ 30 分布するほか、 アシ原など を捕食 ○ ○ ⑨ 冬鳥として本 州以南に渡来 注 1)確認状況の「曽根」は曽根干潟周辺、「苅田」は苅田港内周辺、「白石・蓑島・長井」は白石・蓑島・長井干潟周 辺、 「その他」はその他沖合海域を示す。なお、確認された詳細な場所が記載されていない種については、いずれ の欄も空白とした。 注 2)既存資料は、表 4.3-30 の番号に対応する。 4-118 表 4.3-35(4) 確認された重要な種の生態的特性 生態的特性 No 分類 種名 ハヤブサ 31 鳥類 ウズラ 32 ナベヅル 33 マナヅル 34 クイナ 35 ヒクイナ 36 タマシギ 37 ミヤコドリ 分布 留鳥として九 州以北に分布 するほか、冬鳥 として全国に 渡来 北海道と本州 中部以北で夏 鳥として繁殖 し、その他の地 域では渡りの 時期に確認さ れ、西南日本で は越冬 冬鳥として渡 来し、そのほと んどは鹿児島 県出水市に渡 来 冬鳥として渡 来 夏鳥として北 海道や本州北 部に渡来し、留 鳥または冬鳥 として本州以 南に分布 夏鳥として全 国に渡来、本州 北部以南では 越冬もする 留鳥として北 陸地方、関東地 方以南で繁殖 旅鳥または冬 鳥として渡来 生息環境 食性 確認状況 繁殖期 海岸などの 断崖や岩壁 の岩棚 ○ 山地草原、牧草 雑食性で、落下 4∼9 月 地、海岸草原、 している種子、 河川敷の草原 果実や動きの など 少ない昆虫や クモなどを捕 食 草むらの中 や藪の根元 などの窪み に営巣 海 岸 や 山 間 部 雑 食 性 で 、 種 4∼9 月 の開けた水田、 子、根茎、昆虫、 乾田、湿地、干 魚 類 な ど を 捕 潟などで越冬 食 周囲が森林 に囲まれた 湿地帯など の地上部に 営巣 河川流域の 広大な湿性 ○ 草原 湖沼、河川 の湿地の草 むらの地上 部に営巣 水田、畑、河川 植物の種子、昆 5 月頃 など 虫類や魚類な どを捕食 平 地 か ら 低 山 昆虫、クモ、カ 5∼8 月 の湖沼、河川、 エル、エビ、小 水 田 な ど の 水 魚などを捕食 辺の草むらや、 ヨシやマコモ が密生する湿 地 水田、湿地、湖 昆虫類、カエル 5∼8 月 沼、河川など 類、魚類などを 捕食、植物質で は草の種子な ども採食 水田、湿地、休 雑 食 性 で 草 の 4∼10 月 耕田など 種子、昆虫類、 貝類などを捕 食 海岸、干潟、河 貝 類 や 甲 殻 類 4∼7 月 口など などを捕食 河 原 が 発 達 し 陸上昆虫、水生 3∼7 月 た河川に生息 昆虫などを主 し、特に大きい に捕食 河川の中流域 の氾濫原や扇 状地などの砂 礫地に生息 留 鳥 と し て 全 河口、海岸の砂 昆 虫 類 や 甲 殻 3∼7 月 国に分布 浜、干潟、河川、類、ゴカイ類な 埋立地など どを捕食 イカルチドリ 夏 鳥 と し て 本 州、四国、九州 で繁殖し、一部 は留鳥として 生息 シロチドリ 既存 白石・ 曽根 苅田 蓑島・ その他 資料 長井 平 地 か ら 山 地 鳥 類 な ど を 捕 1∼8 月 の海岸、河口、 食 河川、湖沼、農 耕地など 38 39 繁殖環境 ○ ④⑤ ⑥ ① 湖沼、河川 などの湿地 ○ アシの茂る 湿地や休耕 ○ 田など 海岸や干潟 などの沿 岸、湖沼や 川などの沿 ○ 岸の砂地草 原、湿った 雑草地など 巣は礫間の 窪みに営巣 ① ①⑨ ① ①⑥ ⑨ ①⑨ ①⑨ ① 海岸の砂 浜、河口干 ①⑤ 40 潟、河川の ○ ○ ○ ○ ⑥⑨ 広々とした 砂州など 注 1)確認状況の「曽根」は曽根干潟周辺、「苅田」は苅田港内周辺、「白石・蓑島・長井」は白石・蓑島・長井干潟周 辺、 「その他」はその他沖合海域を示す。なお、確認された詳細な場所が記載されていない種については、いずれ の欄も空白とした。 注 2)既存資料は、表 4.3-30 の番号に対応する。 4-119 表 4.3-35(5) 確認された重要な種の生態的特性 生態的特性 No 分類 41 種名 鳥類 タゲリ ハマシギ 42 ミユビシギ 43 ヘラシギ 44 45 46 47 48 49 食性 冬鳥として本 州以南に渡来 旅鳥または冬 鳥として全国 に渡来 旅鳥として全 土に渡来し、本 州以南では少 数が越冬 水田、畑、河川、昆 虫 類 な ど を 草地、干潟など 捕食 干潟、河口、砂 水生昆虫、甲殻 浜、埋立地、水 類、ゴカイ類な 田など どを捕食 海岸の砂浜の 主に陸上及び 波打ち際、広い 水 生 昆 虫 な ど 砂浜、干潟、干 を捕食、岩につ 拓地の水溜り くコケ類や海 など 藻の芽なども 採食 旅鳥として少 海岸の水溜り 雑食性で、昆 数 が 各 地 に 渡 や干潟 虫、甲殻類、種 来 子などを採食 繁殖期 3∼6 月 5∼7 月 6∼7 月 − 旅 鳥 と し て 渡 水田、湿地、干 昆 虫 類 、 甲 殻 4∼7 月 来 潟、河口など 類、貝類、ゴカ イ類などを捕 食 オオソリハシ 旅 鳥 と し て 渡 干潟、河口、砂 甲殻類、貝類、 6∼7 月 来 浜、河川など 昆虫類、魚類な シギ どを捕食 ダイシャク シギ 51 生息環境 シベリア 旅 鳥 と し て 少 水田、ハス田、 昆 虫 や ミ ミ ズ 5∼7 月 オオハシシギ 数 が 各 地 に 渡 水溜り、ため池 などを捕食 来 など泥深い池 に渡来 アカアシシギ 旅 鳥 と し て 各 干潟、河口、潟 軟 体 動 物 や 甲 4∼6 月 地に渡来 湖、池沼、河川 殻類、昆虫の幼 な ど の 浅 い 水 虫などを捕食 域に渡来 カラフト 旅 鳥 と し て 渡 干潟、河口、埋 魚類、甲殻類、 5∼7 月 アオアシシギ 来 立地など 貝類などを捕 食 タカブシギ 旅 鳥 と し て 渡 水田、湿地、河 昆虫類、甲殻類 5∼7 月 来、関東以西で 川、湖沼など などを捕食 は冬鳥として 少数が越冬 オグロシギ 50 分布 確認状況 旅 鳥 ま た は 冬 干潟、河口、砂 昆虫類、ゴカイ 5∼7 月 鳥として渡来 浜など 類、貝類、カニ 類などを捕食 ホウロクシギ 旅 鳥 と し て 渡 干潟、河口、砂 ゴカイ類、カニ 5∼7 月 来 浜、水田など 類などを捕食 52 繁殖環境 既存 白石・ 曽根 苅田 蓑島・ その他 資料 長井 干拓地の水 ○ 田など 湿性の草原 ○ ⑥⑨ ○ ○ ④⑥ ⑨ 植生が疎ら な地上部に 営巣し、粘 土質の高地 でも繁殖 ① 蘚類や矮性 灌木が生育 する地上部 に営巣 湖沼が多く 泥深い湿地 草原の地上 部に営巣 開けた湿っ ぽい草原の 草むらの地 上部に営巣 潟湖のある 海岸湿地 ○ 森林地帯の 中の開けた 湿地や湿っ ぽい荒れ地 草原 牧場、湿っ ぽい草原、 湖沼や河川 の岸の草つ きの荒れ地 低地の森林 限界あたり の湿った蘚 地や蘚類の 多い灌木湿 原など 開けた湿地 草原、湿性 草原、牧草 地、農耕地 など アシ原、湿 地草原、灌 木が散在す る湿った荒 れ地など ① ① ① ⑨ ○ ⑨ ○ ⑨ ○ ④⑨ ○ ④⑥ ⑨ ○ ①④ ⑨ 注 1)生態的特性の「−」は生態が不明であることを示す。 注 2)確認状況の「曽根」は曽根干潟周辺、「苅田」は苅田港内周辺、「白石・蓑島・長井」は白石・蓑島・長井干潟周 辺、 「その他」はその他沖合海域を示す。なお、確認された詳細な場所が記載されていない種については、いずれ の欄も空白とした。 注 3)既存資料は、表 4.3-30 の番号に対応する。 4-120 表 4.3-35(6) 確認された重要な種の生態的特性 生態的特性 No 分類 種名 分布 生息環境 食性 確認状況 繁殖期 鳥類 コシャクシギ 旅 鳥 と し て 渡 農耕地、草地、 昆虫類、実や種 5∼7 月 来 干潟など 子などを採食 53 オオジシギ 54 55 56 57 58 59 夏鳥として北 比較的広々と 海道から本州 した草原や荒 中部に渡来し、 れ 地 上 の 灌 木 渡 り 期 に は 本 草原 州以南の各地 に渡来 雑 食 性 で 、 昆 4∼7 月 虫、ミミズ、種 子、葉、根など を採食 セイタカシギ 旅 鳥 と し て 渡 干潟、河口、水 昆 虫 類 、 甲 殻 5∼7 月 来 田、池、湖沼、 類、魚類などを 河川、湿地など 捕食 ツバメチドリ 旅 鳥 ま た は 夏 農 耕 地 、 埋 立 昆 虫 類 な ど を 3∼6 月 鳥として渡来 地、干潟、河原、捕食 草地など ズグロカモメ 冬 鳥 と し て 関 干潟、河口など 東地方以西に 渡来 ゴビズキン きわめて稀な − 迷鳥として記 カモメ 録がある程度 オオアジサシ 夏 鳥 と し て 南 海岸、洋上で生 西諸島、小笠原 活 諸島に渡来し て繁殖、稀に秋 の台風で運ば れた個体が本 州で確認され る ベニアジサシ 夏 鳥 と し て 南 海岸、洋上で生 西諸島に飛来、 活 少数 カ ニ 類 な ど を 5 月頃 捕食 − − 表 層 に い る 魚 5∼8 月 類やイカなど を捕食 表 層 に い る 魚 6∼8 月 類やイカなど を捕食 60 繁殖環境 森林限界付 近の川辺の 樹木の疎ら な荒れ地、 伐 採跡地など 大小の池が 散在する湿 地草原、灌 木が散在す る湿地周辺 の草原の地 上部の窪み に営巣 湿地帯、河 口部や入江 の干潟、河 川の氾濫 原、水田な ど 干拓地や農 耕地など、 開けて植生 の疎らなと ころ 塩性湿地な ど 既存 白石・ 曽根 苅田 蓑島・ その他 資料 長井 ○ ①⑨ ① ○ ○ ①⑤ ⑨ ○ ①⑨ ○ ①④ ⑥⑨ 中国、モン ゴル国境付 近の内陸部 島嶼の海岸 や岩礁、砂 浜、礫地で 集団繁殖 し、砂浜の 窪みや岩礁 の上に営巣 沿岸や島嶼 の海岸で集 団繁殖し、 草の疎生地 や砂浜の窪 み、岩礁の 上に営巣 河原や砂 州、砂浜な ○ どの砂地 林縁の地上 に胴体が入 る程度の浅 い窪みに営 巣 ① ① ① 5∼7 月 夏 鳥 と し て 本 海岸、干潟、港、魚類を捕食 州以南に渡来 河口、河川、湖 ①⑥ 沼、池など ヨタカ 夏鳥として 4 月 草 原 や 灌 木 が 夜行性であり、 5∼8 月 頃に渡来し、九 散 在 す る 落 葉 飛 び な が ら 主 州以北の全土 広葉樹やマツ に飛翔性の昆 62 で繁殖 な ど の 針 葉 樹 虫類を捕食 ① の林で、地面が 乾いた明るい 林を好む 注 1)生態的特性の「−」は生態が不明であることを示す。 注 2)確認状況の「曽根」は曽根干潟周辺、「苅田」は苅田港内周辺、「白石・蓑島・長井」は白石・蓑島・長井干潟周 辺、 「その他」はその他沖合海域を示す。なお、確認された詳細な場所が記載されていない種については、いずれ の欄も空白とした。 注 3)既存資料は、表 4.3-30 の番号に対応する。 コアジサシ 61 4-121 表 4.3-35(7) 確認された重要な種の生態的特性 生態的特性 No 分類 63 種名 鳥類 コシアカ ツバメ 分布 生息環境 夏 鳥 と し て 九 平 野 部 の 市 街 昆虫類を捕食 州以北に渡来 地 アカモズ 64 65 66 食性 夏鳥として渡 平地から山地 来し、北海道と の ア カ マ ツ 林 本州中部以北 やカラマツ林 で繁殖するが、 の よ う な 明 る 本 州 西 部 で は い林や、低木の 稀 ある草原に生 息 オオヨシキリ 夏 鳥 と し て 九 河口、河川、湖 州以北に渡来 沼 の ア シ 原 な ど 確認状況 繁殖期 5∼8 月 飛 翔 す る 昆 虫 5∼7 月 や樹木の葉に とまっている 昆虫を捕食 昆虫類を捕食 5∼8 月 センダイ ムシクイ 夏 鳥 と し て 九 平 地 か ら 山 地 昆虫類を捕食 州以北に渡来 の 落 葉 広 葉 樹 林 キビタキ 夏鳥として北 低山から山地 海 道 か ら 九 州 にかけての林 に渡来 冬 鳥 と し て 沖 平地のアシ原 縄から本州中 部にかけて渡 来 昆虫類を捕食、 5∼8 月 液果も採餌 本州と九州の 湿原のふちや ごく限られた 河川敷のヨシ 地域で繁殖し、 帯 に は 生 息 せ 冬 季 は 関 東 以 ず、スゲ類や背 南で越冬 丈の低いイネ 科草本類が生 育する草原、休 耕地、牧草地な ど 本州中部以南 ススキなどの から四国、九州 高 茎 の イ ネ 科 に分布 植物が繁茂し た河川敷や堤 防の法面、沼沢 地などの草地 繁 殖 期 は 主 に 6∼8 月 昆虫類を捕食 し、冬季はタデ 科、イネ科など の種子を採食 67 ツリスガラ 68 コジュリン 69 哺乳 カヤネズミ 類 70 5∼6 月 昆 虫 類 や ク モ 5∼7 月 類を捕食、種子 も採食 イネ科、キク科 の種子、サツマ イモ、バッタ類 などを採食 秋から初 冬にかけ て 2 回繁 殖 繁殖環境 既存 白石・ 曽根 苅田 蓑島・ その他 資料 長井 コンクリー ト製建造物 ○ の軒下など 密に茂った 樹木や藪の 中に枯葉、 枯草などを 用いて椀状 の巣をつく る 海岸や河口 などの湿 原、山地の ○ 湖岸や川岸 の湿地、竹 林など 落葉広葉樹 林の林床に 低木や藪の 多いところ 薄暗い林 河川、湖沼 縁のヤナギ などの樹木 の多いアシ 原 草株の脇、 草株の上、 藪の小枝の 上などに営 巣 主に生息地 に生育する イネ科の葉 を巧みに編 んで直径 10 ㎝ 程 度 の球巣をつ くる 12∼5 月 空家の床下 や洞窟、岩 の割れ目な どを利用し たりする が、自ら巣 穴を掘るこ とが多い ○ ⑨ ① ○ ①⑤ ⑥⑨ ○ ⑨ ○ ⑨ ○ ⑤ ① ④ 本州、四国、九 草 原 性 の 動 物 小 ∼ 中 型 げ っ 州に分布 で、広い樹林帯 歯類、鳥類、爬 に は ほ と ん ど 虫類、昆虫類な 生息せず、林縁 ど の ほ か 、 果 71 と 森 と 草 原 が 実、穀物まで幅 ② 入 り 組 ん だ 環 広く採食 境、田園地帯な どに好んで生 息 注 1)確認状況の「曽根」は曽根干潟周辺、「苅田」は苅田港内周辺、「白石・蓑島・長井」は白石・蓑島・長井干潟周 辺、 「その他」はその他沖合海域を示す。なお、確認された詳細な場所が記載されていない種については、いずれ の欄も空白とした。 注 2)既存資料は、表 4.3-30 の番号に対応する。 キツネ 4-122 表 4.3-35(8) 確認された重要な種の生態的特性 生態的特性 No 分類 種名 分布 生息環境 食性 確認状況 繁殖期 繁殖環境 既存 白石・ 曽根 苅田 蓑島・ その他 資料 長井 昆虫 ケ シ ゲ ン ゴ ロ 北 海 道 ∼ 南 西 池沼、水田、湿 幼虫、成虫とも 5 月中旬 水辺の砂礫 類 ウ 諸島 地 な ど の 止 水 に動物食で、水 ∼6 月中 地に産卵 72 域 に 広 く 普 通 生昆虫、オタマ 旬 ④ に生息 ジャクシ、ミミ ズなどを捕食 コガムシ 北海道∼九州 平地の池沼、水 成虫は水草、藻 5 月 ∼ 6 生息地の水 田など などを採餌、幼 月頃 面に卵のう 73 虫は強い肉食 ④ を産卵 性をもち、他の 昆虫類を捕食 ヤネホソバ 本州∼沖縄 人 家 周 辺 に 生 食 草 は 地 衣 類 初春、夏 人家周辺の 息 で 、 茅 葺 き 屋 季、秋季 食草である 根、屋根瓦、板 の年 3 回 地衣類に産 74 ④ 塀などに生え 卵 た地衣類を採 食 − − 刺胞 ウミサボテン 北 海 道 石 狩 湾 潮 間 帯 ∼ 水 深 懸濁物食 75 動物 以南 20m ほどの内湾 ○ ○ ○ ⑥⑧ の砂地 5∼10 月 − 軟 体 アカガイ 北 海 道 南 部 ∼ 内湾の泥底、砂 懸濁物食 76 ○ ⑥ 動物 九州 泥底 コケガラス 東京湾∼九州 内 湾 の 礫 混 じ − − − り砂泥質干潟 77 ⑥ ○ の低潮帯∼潮 下帯 7∼9 月 − タイラギ 本州∼九州 内 湾 の 低 潮 帯 懸濁物食 78 ∼水深 30m の砂 ○ ⑥⑦ 泥底・粗砂帯 − − チゴマテ 瀬戸内海、有明 内 湾 の 低 潮 帯 − 79 海、八代海北部 ∼水深 90m の泥 ○ ⑥ 底・砂泥底 − − クシケ 伊勢湾∼九州、 内 湾 の 干 潟 ∼ − ○ 80 ⑥ 南西諸島 水深 30m マスオガイ − − イシゴロモ 本州∼九州 内湾の中・低潮 − 81 帯の岩盤に穿 ○ ④ 孔 タ ガ ソ デ モ ド 房総半島・兵庫 内 湾 の 礫 干 潟 − − − キ 県北部∼九州、 や 岩 礁 地 の 82 南西諸島 高・中潮帯岩盤 ○ ④ 上の間隙や転 石下 − − ヒナノズキン 瀬戸内海、博多 中・低潮帯∼水 − 湾、天草、八代 深 40m の泥底、 海 砂泥底におい ○ 83 ○ ④⑥ て、トゲイカリ ナマコの巣穴 に共生 − − オウギ 東京湾から九 内湾の干潟か − ○ ⑩ 84 ウロコガイ 州に分布 ら潮下帯の砂 泥底に生息 − − テリザクラ 陸中海岸以南、 内湾の中・低潮 − ○ 85 ⑥ 瀬戸内海、九州 帯の泥底 注 1)生態的特性の「−」は生態が不明であることを示す。 注 2)確認状況の「曽根」は曽根干潟周辺、「苅田」は苅田港内周辺、「白石・蓑島・長井」は白石・蓑島・長井干潟周 辺、 「その他」はその他沖合海域を示す。なお、確認された詳細な場所が記載されていない種については、いずれ の欄も空白とした。 注 3)既存資料は、表 4.3-30 の番号に対応する。 4-123 表 4.3-35(9) 確認された重要な種の生態的特性 生態的特性 No 分類 86 軟体 動物 種名 ユウシオガイ 陸奥湾∼九州 サクラガイ 87 ウズザクラ 88 89 分布 イチョウ シラトリ ネコガイ 90 ゴマフダマ 91 ツガイ 92 イリエツボ 93 タニシツボ 北海道南部∼ 九州 北海道南部∼ 九州 北海道以南 房総半島・男鹿 半島∼南西諸 島 瀬戸内海、有明 海、八代海 房総半島∼沖 縄 東京湾・能登半 島∼九州 東京湾∼九州 94 95 エドガワ 宮 城 県 万 石 ミズゴマツボ 浦・若狭湾∼九 州 96 ヒロオビ ヨフバイ 瀬戸内海、有明 海 生息環境 内湾の中潮帯 付近の砂質干 潟 内湾の潮間帯 ∼水深 10m の砂 泥底 内湾の潮間帯 ∼潮下帯の砂 泥底 内湾干潟の中 潮帯の泥底 内湾の潮間帯 ∼水深 20m 程度 の砂泥底 内湾の中・低潮 帯の泥底・砂泥 底 内湾の潮間帯 ∼水深 20m 程度 の砂泥底 内湾の潮下帯 水深約 5∼10m の軟泥底 内湾潮下帯の 水深 2∼10m の 細砂底または 泥底 内湾に注ぐ河 口汽水域下流 部の干潟中・低 潮帯の砂泥ま たは軟泥底 内湾の中・低潮 帯∼水深 10m の 砂底、砂泥底 内湾の潮下帯 ∼水深 20m ほど の砂泥底 食性 堆積物食 確認状況 繁殖期 − 繁殖環境 既存 白石・ 曽根 苅田 蓑島・ その他 資料 長井 − ○ 堆積物食 − ⑥ − ○ 堆積物食 − ④⑥ ○ ④⑩ − ○ − − − 二枚貝を捕食 − − ○ ○ 二枚貝を捕食 ○ ⑥ ○ ⑥⑧ ⑩ ○ 8∼10 月 − ⑥ ○ 二枚貝を捕食 − − − − − − − ⑥ ○ ⑥ − − ○ − ○ ⑦ ○ − ⑥ ○ 腐肉食性 − − ○ ⑥ 二枚貝を捕食 6∼8 月 − 北海道南西部 以南の日本海 ⑥⑦ と宮城県仙台 97 ○ ○ 湾∼鹿児島県 ⑧ 南部までの太 平洋岸 クレハガイ 房総半島・佐渡 内 湾 か ら 外 洋 − − − 島∼九州 に面した内湾 98 ⑥ ○ の水深 20m まで の砂泥底 − − ヘナタリ 房総半島・北長 内 湾 の 河 口 汽 − ○ 99 門海岸∼南西 水域砂泥底の ⑥ 諸島 中・低潮帯 − − ス オ ウ ク チ キ 瀬戸内海、宇和 内 湾 の 潮 間 帯 − レ 海、有明海 岩礫地の転石 などに付着す 100 ○ ④ るカリガネエ ガイに外部寄 生 注 1)生態的特性の「−」は生態が不明であることを示す。 注 2)確認状況の「曽根」は曽根干潟周辺、「苅田」は苅田港内周辺、「白石・蓑島・長井」は白石・蓑島・長井干潟周 辺、 「その他」はその他沖合海域を示す。なお、確認された詳細な場所が記載されていない種については、いずれ の欄も空白とした。 注 3)既存資料は、表 4.3-30 の番号に対応する。 アカニシ 4-124 表 4.3-35(10) 確認された重要な種の生態的特性 生態的特性 No 分類 種名 分布 生息環境 食性 確認状況 繁殖期 ヌノメ 房総半島・但馬 内 湾 の 細 砂 ま − − 軟体 ホソクチキレ 地方∼九州 たは砂泥質干 101 動物 潟の低潮帯(宿 主は未詳) カミスジ 北 海 道 南 部 ∼ 内湾干潟中・低 − − カイコガイ 九州 潮帯の砂泥底、 102 ダマシ 軟泥底または アマモ場 北 海 道 南 部 以 沿 岸 水 帯 中 の 二枚貝類、ゴカ 春期 イイダコ 南 潮間帯下∼水 イ類などを捕 深 20m の礫混じ 食 103 り砂底 シリヤケイカ 東 北 地 方 南 部 沿岸、内湾部の エビ類、魚類な 4∼7 月 以南 海底 どを捕食 104 星 口 アンチラ 動物 サメハダ 105 ホシムシ 甲殻 カブトガニ 類 106 シバエビ 和歌山県以南 潮間帯∼浅海 の太平洋岸、瀬 の 砂 泥 な い し 戸内海、有明海 サンゴ砂中、あ るいは礫間の 泥中 山口県平生湾・ 稚 仔 は 泥 質 干 山口湾・千鳥湾、潟で成長、亜成 大分県中津干 体は干潟外の 潟・守江湾、福 藻場など、成体 岡県曽根干潟・ は沖合海域 津屋崎沿岸・今 津干潟・加布里 湾、佐賀県伊万 里湾、長崎県佐 世保海域 東京湾以南 内湾・内海の水 深 10∼30m の砂 泥底 雑食性 − ゴ カ イ 類 な ど 6∼8 月 を捕食 繁殖環境 既存 白石・ 曽根 苅田 蓑島・ その他 資料 長井 − ○ ⑥ ○ ④ − 沿岸浅海域 海底の二枚 貝類の空殻 や落ちてい る食器類な どに産卵 沿岸浅海域 の水深 0∼ 20m のアマ ○ モやノリ筏 などに産卵 − ○ ○ ⑥⑦ ⑧ ○ ○ ⑦⑧ ○ ④ ○ ⑥⑧ 砂浜の最満 潮線付近 ○ ○ ア キ ア ミ や ニ 6∼9 月 水 深 5 ∼ ホンイサザア 10m、稚エビ ⑥⑦ 107 ミ、植物プラン は干潟に出 ○ ○ ○ ⑧ クトンなど雑 現 食 ヘイケガニ 房 総 半 島 以 南 水深 12∼30m の − 5∼8 月 − ∼ 九 州 ま で の 砂泥底 ⑥⑦ 108 太平洋岸、瀬戸 ○ ○ ⑧ 内海、能登半島 沿岸 トリウミ 青森県大湊湾 砂泥質干潟に − − − アカイソモド ∼ 八 重 山 諸 島 生 息 す る ア ナ キ 西表島 ジャコ科甲殻 ○ 109 ⑥ 類、スナモグリ 科甲殻類の巣 穴に共生 − − ヒメムツ 瀬戸内海、有明 泥 質 ∼ 砂 泥 質 − 海 干潟に生息す アシガニ るトゲイカリ ④⑥ 110 ナマコやユム ○ ○ ⑧ シ、フサゴカイ 類の巣穴に共 生 注 1)生態的特性の「−」は生態が不明であることを示す。 注 2)確認状況の「曽根」は曽根干潟周辺、「苅田」は苅田港内周辺、「白石・蓑島・長井」は白石・蓑島・長井干潟周 辺、 「その他」はその他沖合海域を示す。なお、確認された詳細な場所が記載されていない種については、いずれ の欄も空白とした。 注 3)既存資料は、表 4.3-30 の番号に対応する。 4-125 表 4.3-35(11) 確認された重要な種の生態的特性 生態的特性 No 分類 種名 分布 生息環境 甲殻 ムツハ 宮城県松島湾 軟泥質の干潟 111 類 アリアケガニ ∼九州 低潮帯∼潮下 帯 オサガニ 宮 城 県 以 南 ∼ 内湾・河口域の 112 九州 海寄り砂質干 潟低潮帯 オオヨコナガ 東 京 湾 、 相 模 砂 泥 底 ∼ 砂 底 湾、三河湾、伊 に 生 息 す る ツ ピンノ 113 勢湾、瀬戸内 バサゴカイな 海、九州 どの棲管内に 共生 魚類 ア サ ヒ ア ナ ハ 北 海 道 渡 島 半 潮間帯、浅海岩 114 ゼ 島以南 礁域及び藻場 カナガシラ 115 ヒモハゼ 116 タビラクチ 117 トラフグ 118 北 海 道 南 部 以 水深 40∼340m 南の沿岸域 で、泥、砂混じ り泥、貝殻・泥 混じり砂、貝殻 混じりの砂底 青森県∼西表 河口域及び前 島 浜干潟の潮間 帯∼潮下帯の 砂礫、砂泥底の ニホンスナモ グリ、アナジャ コ、ヨコヤアナ ジャコなどの 生息孔 三重県から宮 河口干潟や前 崎県にかけて 浜干潟のシル の太平洋、山口 ト 上 の 軟 泥 底 県と長崎県の のテッポウエ 日本海・東シナ ビ類の生息孔 海、瀬戸内海、 有明海、八代海 北海道オホー 浅海域や干潟 ツ ク 海 沿 岸 以 などに生息、外 南の日本各地 海で越冬 食性 − − − 確認状況 繁殖期 6∼9 月 夏期 − 繁殖環境 − 植 物 プ ラ ン ク 5∼8 月 トンや小型の 動物プランク トンなど 生息孔に産 卵 合計 118 種 ⑥ ○ ⑥ − ホヤ類の囲 鰓腔に産卵 エ ビ 類 、 カ ニ 3∼6 月 類、魚類などを 捕食 ○ − エ ビ 類 、 カ ニ 冬期 類、魚類などを 捕食 エビ類、魚類、 3∼6 月 マルソコシラ エビ、動物プラ ンクトンなど 植 物 プ ラ ン ク 5∼7 月 トン 既存 白石・ 曽根 苅田 蓑島・ その他 資料 長井 ○ ⑥ ○ ⑥ ○ ⑥ − ○ ⑥ ○ ⑥ 生息孔に産 卵 水 深 10 ∼ 50m の海底 で、岩礁が ○ 散在する粗 砂底に産卵 ○ 58 種 8 種 22 種 31 種 注 1)生態的特性の「−」は生態が不明であることを示す。 注 2)確認状況の「曽根」は曽根干潟周辺、「苅田」は苅田港内周辺、「白石・蓑島・長井」は白石・蓑島・長井干潟周 辺、 「その他」はその他沖合海域を示す。なお、確認された詳細な場所が記載されていない種については、いずれ の欄も空白とした。 注 3)既存資料は、表 4.3-30 の番号に対応する。 4-126 ⑧ − b. 類型区分 類型区分は、表 4.3-36 に示すとおり、調査結果に基づく重要な種の生息状況と事 業実施想定区域周辺の物理・自然環境の特徴を踏まえ、 「曽根干潟周辺」、 「苅田港内 周辺」 、 「白石・蓑島・長井干潟周辺」、「その他沖合海域」の 4 つの類型に区分した。 類型区分毎の重要な種の確認状況は、「曽根干潟周辺」で 58 種、「苅田港内周辺」 で 8 種、 「白石・蓑島・長井干潟周辺」で 22 種、 「その他沖合海域」では 31 種であっ た。重要種の分布状況は、図 4.3-50 に示すとおりである。 表 4.3-36 類型区分 類型 区分図 物理・自然環境の特徴 確認された重要種の概要 ・広大な面積を持つ曽根干潟 干潟上ではシロチドリ、ダイシャ が存在する 曽根干潟周辺 ・曽根干潟は、「日本の重要 クシギなどのシギ・チドリ類やカ ブトガニ、コケガラス等の底生生 湿地 500」 (環境省)に選定 物が多種確認され、ホオジロガモ、 されている ツクシガモなどのカモ類も確認さ ・曽根干潟は、鳥類や干潟生 れている。また、これらを捕食す 物 等の重要 な生息 場とな るミサゴ、ハヤブサ、ノスリなど っている の猛禽類も確認されている 【確認された重要種:58 種】 ・沿岸はほとんどが人工護岸 で整備されている 確認された重要種は底生生物のオ ウギウロコガイ、ウズザクラ、ネ 苅田港内周辺 ・事業実施想定区域の A 案の コガイ、タニシツボや海域に生息 全域、B 案及び C 案の一部 する鳥類のカンムリカイツブリ、 を含む ホオジロガモなどが確認されてい ・周辺海域の中で、赤潮の発 生 割合が高 い海域 である る 【確認された重要種:8 種】 (図 4.3-15 参照) 白石・蓑島・長井干潟周辺 ・白石干潟、蓑島干潟、長井 水辺ではササゴイ、クロサギが確 干潟が存在し、「筑豊県立 認され、海岸、河口域に林が隣接 自然公園」(福岡県)に指 していることから、センダイムシ 定されている クイ、キビタキなどの鳥類も確認 ・行橋鳥獣保護区に指定され されている。沖合では底生生物の カブトガニ、シバエビ、アカニシ、 ている ・蓑島干潟は、鳥類や干潟生 物 等の重要 な生息 場とな イイダコなどが確認されている 【確認された重要種:22 種】 っている その他沖合海域 ・他の 3 環境の沖合部の海域 沖合部の水深のある海域で、イリ であり、空港周辺の陸上部 エツボ、アカニシ、ヘイケガニ、 も含む カナガシラなどが確認された。ま ・主要な環境は沖合部の水深 のある海域である ・B 案及び C 案の一部を含む た、空港周辺も含まれることから、 チュウヒ、オオヨシキリ、ツリス ガラなどの主に陸域に生息する鳥 類も確認されている 【確認された重要種:31 種】 4-127 図 4.3-50 類型区分と重要種の分布状況の重ね合せ図 4-128 c. 重要な種の予測結果 各類型区分毎の動物の重要な種の複数案における影響・予測は、表 4.3-37 に示す とおりである。 表 4.3-37(1) 曽根干潟周辺の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 3.6km 0.0km 4.7km 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 ・曽根干潟周辺に接する場所 ・曽根干潟周辺は直接改変さ れないため、曽根干潟周辺 に位置するが、曽根干潟周 に生息する動物への影響 辺は直接改変されること は小さいと考えられる はないため、曽根干潟周辺 に生息する動物への影響 は小さいと考えられる ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 埋立地の存在により、曽根 埋立地の存在による潮流 埋立地の存在による潮流 干潟へ向けての潮流が妨 変化や水質変化は小さい 変化や水質変化は小さい げられ、潮流変化や水質変 ことから、曽根干潟周辺に ことから、曽根干潟周辺に 化に伴う曽根干潟周辺に 生息する動物への影響は 生息する動物への影響は 生息する動物への影響が 小さいと考えられる 小さいと考えられる 懸念される ・曽根干潟周辺は直接改変さ れないため、曽根干潟周辺 に生息する動物への影響 は小さいと考えられる 4-129 表 4.3-37(2) 苅田港内周辺の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 苅田港内周辺 一部が苅田港内周辺 一部が苅田港内周辺 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 ・苅田港内周辺の一部が直接 改変されることから、苅田 港内周辺に生息する動物 への影響が懸念される ・苅田港内周辺に位置する が、流速の小さい海域であ り、4 方向を護岸、防波堤 で囲まれた形状(一部開口 部)で、新規護岸が沖へ突 出しないため、埋立地の存 在による潮流変化や水質 変化小さく、苅田港内周辺 に生息する動物への影響 も小さいと考えられる ・苅田港内周辺に接する場所 ・苅田港内周辺の一部が直接 改変されることから、苅田 に位置し、苅田港内周辺の 港内周辺に生息する動物 一部が直接改変されるこ への影響が懸念される とから、苅田港内周辺に生 息する動物への影響が懸 念される ・埋立地との位置関係から、 ・苅田港への主要な海水交換 の場である既存地と防波 埋立地の存在による潮流 堤間の埋立てとなるため、 変化や水質変化は小さく、 埋立地の存在による苅田 苅田港内周辺に生息する 港内周辺の潮流変化や苅 動物への影響も小さい 田港内の海水交換の変化 による水質への影響に伴 う苅田港内周辺に生息す る動物への影響が懸念さ れる ・湾奥部の水質変化により、 赤潮の発生に伴う苅田港 内周辺に生息する動物へ の影響が懸念される 4-130 表 4.3-37(3) 白石・蓑島・長井干潟周辺の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 3.4km 4.5km 一部が白石・蓑島・長井干潟 周辺 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 ・白石・蓑島・長井干潟周辺 ・白石・蓑島・長井干潟周辺 ・白石・蓑島・長井干潟周辺 の一部が直接改変される は直接改変されないため、 は直接改変されないため、 ことから、白石・蓑島・長 白石・蓑島・長井干潟周辺 白石・蓑島・長井干潟周辺 井干潟周辺に生息する動 に生息する動物への影響 に生息する動物への影響 物への影響が懸念される は小さいと考えられる は小さいと考えられる ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在により、白 埋立地の存在による潮流 埋立地の存在による潮流 石・蓑島・長井干潟へ向け 変化や水質変化は小さい 変化や水質変化は小さい ての潮流が妨げられ、潮流 ことから、白石・蓑島・長 ことから、白石・蓑島・長 変化や水質変化等の影響 井干潟周辺に生息する動 井干潟周辺に生息する動 に伴う白石・蓑島・長井干 物への影響は小さいと考 物への影響は小さいと考 潟周辺に生息する動物へ えられる えられる の影響が懸念される 4-131 表 4.3-37(4) その他沖合海域の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 1.8km 大部分がその他沖合海域に 含まれる 大部分がその他沖合海域に 含まれる ・その他沖合海域は直接改変 ・その他沖合海域の一部が直 接改変されることから、そ されないため、その他沖合 の他沖合海域に生息する 海域に生息する動物への 動物への影響が懸念され 影響は小さいと考えられ る る ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在により、潮流 埋立地の存在による潮流 変化や水質変化の影響に 伴うその他沖合海域に生 変化や水質変化は小さい ことから、その他沖合海域 息する動物への影響が懸 に生息する動物への影響 念される は小さいと考えられる ・その他沖合海域の一部が直 接改変されることから、そ の他沖合海域に生息する 動物への影響が懸念され る ・埋立地の存在により、潮流 変化や水質変化の影響に 伴うその他沖合海域に生 息する動物への影響が懸 念される 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 4-132 2) 注目すべき生息地 注目すべき生息地としては、カブトガニの生息・産卵の場となっている曽根干潟が 挙げられ、曽根干潟では、広い範囲で産卵、幼体、成体が確認されている。 カブトガニの生態的特性は表 4.3-35(10)に、カブトガニの生息地に対する複数案 における影響・予測は表 4.3-38 に示すとおりである。 表 4.3-38 カブトガニの生息地(曽根干潟)の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 6.5km 2.5km 7.6km 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 ・曽根干潟は直接改変されな ・曽根干潟は直接改変されな いため、カブトガニ生息地 いため、カブトガニ生息地 への影響は小さいと考え への影響は小さいと考え られる られる ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在により、曽根 埋立地の存在による潮流 干潟へ向けての潮流が妨 変化や水質変化は小さい げられ、潮流変化や水質変 ことから、カブトガニ生息 化に伴うカブトガニ生息 地への影響は小さいと考 地への影響が懸念される えられる 4-133 ・曽根干潟は直接改変されな いため、カブトガニ生息地 への影響は小さいと考え られる ・埋立地との位置関係から、 埋立地の存在による潮流 変化や水質変化は小さい ことから、カブトガニ生息 地への影響は小さいと考 えられる 4.3.4.3 評価 (1) 評価方法 評価は、 事業実施想定区域周辺海域における複数案の環境影響について相対比較す ることにより行った。 なお、相対比較の指標は、下記のとおりとした。 用語・記号 説明 影響小 (影響小さい) 影響懸念 (影響が懸念される) 環境への影響が明らかに小さい (影響懸念より影響が小さい) 影響の可能性がある (影響小より影響が大きい可能性がある) ○ 別案に比べて影響は低減される △ 別案に比べて影響は大きい (2) 評価結果 予測結果をもとに複数案の環境影響を比較した結果は表 4.3-39 に示すとおりで ある。 埋立地の存在に伴う動物への影響については、A 案(松山地区水面貯木場)が周辺 海域の環境影響を受けやすい地域への影響が最も小さいと考えられる。 4-134 表 4.3-39 動物重要種等の評価結果 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) ・直接改変はない (離隔距離 3.6km) ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、動 物への影響は小さいと考 えられる(○) ・重要な種の生息地の一部を 消失する ・流速が小さく、護岸、防波 堤で囲まれた形状で、新規 護岸が沖へ突出しないた め、潮流変化や水質変化小 さく、動物への影響は小さ いと考えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 0.0km) ・曽根干潟へ向けての潮流が 妨げられ、潮流変化や水質 変化に伴う動物への影響 が懸念される(△) ・重要な種の生息地の一部を 消失する ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、動 物への影響は小さいと考 えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 3.4km) ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、動 物への影響は小さいと考 えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 4.5km) ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、動 物への影響は小さいと考 えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 4.7km) ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、動 物への影響は小さいと考 えられる(○) ・重要な種の生息地の一部を 消失する ・主要な海水交換の場の埋立 てとなり、埋立地の存在に よる苅田港内周辺の潮流 変化や苅田港内の海水交 換の変化による水質への 影響に伴う動物への影響 が懸念される(△) ・重要な種の生息地の一部を 消失する ・白石・蓑島・長井干潟へ向 けての潮流が妨げられ、潮 流変化や水質変化に伴う 動物への影響が懸念され る(△) ・重要な種の生息地の一部を 消失する ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化に伴う動物 への影響が懸念される (△) ・直接改変はない (離隔距離 7.6km) ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、生 息地への影響は小さいと 考えられる(○) ・曽根干潟周辺 :影響小 ・苅田港内周辺 :影響懸念 ・白石・蓑島・長井干潟周辺 :影響懸念 ・その他沖合海域:影響懸念 ・注目すべき生息地:影響小 影響は、A 案に比べて大きい と考えられる △ 配置図 曽根干潟 周辺 苅田港内周 辺 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 ・重要な種の生息地の一部を ・直接改変はない 消失する (離隔距離 1.8km) その他沖合 ・埋立地の存在による潮流変 ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化に伴う動物 化や水質変化は小さく、動 海域 への影響が懸念される 物への影響は小さいと考 (△) えられる(○) ・直接改変はない ・直接改変はない 注目すべき (離隔距離 2.5km) (離隔距離 6.5km) 生息地 ・埋立地の存在による潮流変 ・曽根干潟へ向けての潮流が 化や水質変化は小さく、生 妨げられ、潮流変化や水質 (カブトガ 息地への影響は小さいと 変化に伴う生息地への影 ニ:曽根干潟) 考えられる(○) 響が懸念される(△) ・曽根干潟周辺 :影響小 ・曽根干潟周辺 :影響懸念 ・苅田港内周辺 :影響懸念 ・苅田港内周辺 :影響小 ・白石・蓑島・長井干潟周辺 ・白石・蓑島・長井干潟周辺 :影響小 :影響小 ・その他沖合海域 :影響小 ・その他沖合海域:影響懸念 評価結果 ・注目すべき生息地:影響小 ・注目すべき生息地:影響懸念 影響は、B 案、C 案に比べて 影響は、A 案に比べて大きい 最も小さいと考えられる と考えられる ○ △ 備考)○:別案に比べて影響は低減される、△:別案に比べて影響は大きい 影響小:影響が小さい、影響懸念:影響の可能性がある(影響小より影響が大きい可能性がある) 4-135 4.3.5 生態系 4.3.5.1 調査 (1) 調査方法 文献及びその他資料調査結果をもとに、 事業実施想定区域周辺海域における地域特 性と事業計画の特性との関係について整理した。また、地域を特徴づける動植物から 生態系の模式図を作成した。 なお、地域特性は以下に示す視点から、重要な自然環境のまとまりを場として把握 した。 ① 環境影響を受けやすい場 ・自然林、湿原、藻場、干潟、サンゴ群集及び自然海岸等、人為的な改変をほと んど受けていない自然環境や一度改変すると回復が困難な脆弱な自然環境又 は野生生物の重要な生息・生育の場 ② 環境保全の観点から法令等に指定された場 ・文化財保護法、自然公園法、自然環境保全法で指定された区域 ・鳥獣保護区、ラムサール条約に基づく登録簿に掲載された湿地 ③ 法令等に指定されていないが、地域により注目されている場 ・里地里山(二次林、人工林、農地、ため池、草原等)並びに河川沿いの氾濫原 の湿地帯及び河畔林等のうち、減少又は劣化しつつある自然環境 ・地域で認められている魚類の産卵場等である浅海域 (2) 調査範囲 調査範囲は、事業実施想定区域から概ね 5km の範囲とし、海域の埋立事業であるた め、主に海域に面する区域とした。 4-136 (3) 調査結果 事業計画の特性及び地域特性を整理した結果は表 4.3-40 に、各重要な自然環境の まとまりの場の概要は表 4.3-41 に、地域生態系の主な構成種は表 4.3-42 に、重要 な自然環境のまとまりの場の位置図は図 4.3-51 に、地域生態系の食物連鎖模式図は 図 4.3-52 に示すとおりである。 事業実施想定区域及びその周辺における重要な自然環境のまとまりの場としては、 ①環境影響を受けやすい場として干潟・自然海岸、②環境保全の観点から法令等に指 定された場として自然公園、鳥獣保護区、③法令等に指定されていないが、地域によ り注目されている場としてカブトガニの産卵場(曽根干潟)が挙げられる。 当該地域ではこれらの地域特性をとりまとめ、4 箇所を重要な場として区分した。 重要な場-1 はカブトガニの産卵場である曽根干潟及びその沖合の間島周辺の自然 海岸(浜) 、重要な場-2 は苅田港内の神ノ島周辺の自然海岸(浜)、重要な場-3 は苅 田港内湾奥の新浜町干潟、重要な場-4 は白石干潟、蓑島干潟及び長井干潟周辺の自 然海岸(浜) 、筑豊県立自然公園、行橋鳥獣保護区を含む地域とした。 干潟は重要な場-1、3、4 に含まれ、重要な場-1 及び 4 の曽根干潟、白石干潟、蓑 島干潟、長井干潟は面積が広い。これらの干潟には、春及び秋の渡りの時期に多くの シギ・チドリ類が渡来し、冬季には越冬のためにガン・カモ類も多く飛来する。曽根 干潟で確認されているカブトガニは産卵場、幼体の育成場、成体の採餌場として生活 史の多くを干潟という特殊な環境に依存している種であり、 現地調査においても産卵、 幼生、成体が確認されている。白石干潟、蓑島干潟、長井干潟周辺は自然公園及び鳥 獣保護区が設定され、動植物の生育・生息環境が法的に保全されている。また、生態 系の上位に位置し捕食者であるミサゴ、ハヤブサなどの猛禽類も生息している。さら に、干潟に生息する底生動物は多くのシギ・チドリ類、ガン・カモ類の餌動物として 重要であり、干潟面積が広いため餌量も豊富である。 これらのことから、 当該地域は多様な生物種が生息できる健全な生態系が維持され ていると考えられる。 4-137 表 4.3-40 生態系で考慮すべき事業計画の特性と地域特性 特性 事業計画の特性 環境要素 生態系 ・海域における埋 立事業 ・流況の変化等に よる重要な生 息・生育環境の 変化 地域特性(重要な自然環境のまとまりの場) ②環境保全の観点から ③法令等に指定され 法令等に指定された場 ていないが、地域に より注目されている 場 ・干潟 ・カブトガニの産卵 ・自然公園 (曽根干潟、新浜町干 (筑豊県立自然公園) 場(曽根干潟) 潟、白石干潟、蓑島 ・鳥獣保護区 干潟、長井干潟 (行橋鳥獣保護区) ・自然海岸 (曽根干潟沖合の間島 周辺の浜、苅田港内 の神ノ島周辺の浜、 蓑島干潟及び長井干 潟周辺の浜) ①環境影響 を受けやすい場 表 4.3-41 各重要な自然環境のまとまりの場の概要 重要な場№ 重要な場-1 重要な場-2 重要な場-3 重要な場-4 重要な場の概要 カブトガニの産卵場である曽根干潟及び曽根干潟沖合の間島周辺の自然海岸(浜)を 含む 苅田港内の神ノ島周辺の自然海岸(浜) 苅田港内湾奥の新浜町干潟 白石干潟、蓑島干潟、長井干潟、蓑島干潟及び長井干潟周辺の自然海岸(浜)、筑豊 県立自然公園、行橋鳥獣保護区 表 4.3-42 地域生態系の主な構成種 生態的地位 主な構成種 上位性種 ・生態系の栄養段階の上位に位置する種 キツネ、ミサゴ、ハヤブサ、魚類(肉食) 典型性種 ・地域の生態系の特徴を典型的に示す種で、個体 数が多く、分布範囲が広い種 シギ・チドリ類、カモ類、魚類、底生動 物、陸上昆虫類、プランクトン 特殊性種 ・特殊な環境であることを示す指標となる種 カブトガニ 4-138 図 4.3-51 重要な自然環境のまとまりの場 4-139 図 4.3-52 地域生態系の食物連鎖模式図 4-140 4.3.5.2 予測 (1) 予測方法 予測は、 「重要な自然環境のまとまりの場」と「事業実施想定区域」の重ね合わせ により、重要な自然環境のまとまりの場への影響を定性的に予測する方法とした。 また、 事業実施想定区域が地域生態系の食物連鎖に与える影響について、 図 4.3-52 の当該地における主要な食物連鎖に着目したインパクト・レスポンスフロー図(表 4.3-44 参照)を作成し、地域を特徴づける生態系に複数案が及ぼす影響に着目して 予測を行った。 なお、埋立地の存在により潮流及び水質の変化に伴い、重要な自然環境のまとまり の場へ影響を及ぼす範囲は、既存資料等から事業実施想定区域より 2km 程度とした。 (2) 予測結果 1) 重要な自然環境のまとまりの場 重要な自然環境のまとまりの場として、図 4.3-51 に示す 4 箇所を区分した。 各重要な場の複数案における影響・予測は、表 4.3-43 に示すとおりである。 表 4.3-43(1) 重要な場-1 の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 5.2km 1.7km 6.9km 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 ・直接改変されないため、生 ・直接改変されないため、生 態系への影響は小さいと 態系への影響は小さいと 考えられる 考えられる ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在により、重要 埋立地の存在による潮流 な場へ向けての潮流が妨 変化や水質変化は小さい げられ、潮流変化や水質変 ことから、重要な場の生態 化に伴う重要な場の生態 系を構成する種の生息環 系を構成する種の生息環 境への影響は小さいと考 境への影響が懸念される えられる 4-141 ・直接改変されないため、生 態系への影響は小さいと 考えられる ・埋立地との位置関係から、 埋立地の存在による潮流 変化や水質変化は小さい ことから、重要な場の生態 系を構成する種の生息環 境への影響は小さいと考 えられる 表 4.3-43(2) 重要な場-2 の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 0.5km 1.7km 1.2km 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 ・直接改変されないため、生 ・直接改変されないため、生 ・直接改変されないため、生 態系への影響は小さいと 態系への影響は小さいと 態系への影響は小さいと 考えられる 考えられる 考えられる ・流速の小さい海域であり、 ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在により、重要 な場へ向けての潮流が妨 埋立地の存在による潮流 4 方向を護岸、防波堤で囲 げられ、潮流変化や水質変 変化や水質変化は小さい まれた形状(一部開口部) 化に伴う重要な場の生態 ことから、重要な場の生態 で、新規護岸が沖へ突出し 系を構成する種の生息環 系を構成する種の生息環 ないため、埋立地の存在に 境への影響が懸念される 境への影響は小さいと考 よる潮流変化や水質変化 えられる は小さいと考えられるが、 近接海域であるため、重要 な場の生態系を構成する 種の生息環境への影響が 懸念される 4-142 表 4.3-43(3) 重要な場-3 の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 3.3km 5.2km 1.8km 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 ・直接改変されないため、生 ・直接改変されないため、生 ・直接改変されないため、生 態系への影響は小さいと 態系への影響は小さいと 態系への影響は小さいと 考えられる 考えられる 考えられる ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在により、重要 な場へ向けての潮流が妨 埋立地の存在による潮流 埋立地の存在による潮流 げられ、潮流変化や水質変 変化や水質変化は小さい 変化や水質変化は小さい 化に伴う重要な場の生態 ことから、重要な場の生態 ことから、重要な場の生態 系を構成する種の生息環 系を構成する種の生息環 系を構成する種の生息環 境への影響が懸念される 境への影響は小さいと考 境への影響は小さいと考 えられる えられる 4-143 表 4.3-43(4) 重要な場-4 の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 4.8km 6.0km 1.2km 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 ・直接改変されないため、生 ・直接改変されないため、生 ・直接改変されないため、生 態系への影響は小さいと 態系への影響は小さいと 態系への影響は小さいと 考えられる 考えられる 考えられる ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在により、重要 な場へ向けての潮流が妨 埋立地の存在による潮流 埋立地の存在による潮流 げられ、潮流変化や水質変 変化や水質変化は小さい 変化や水質変化は小さい 化に伴う重要な場の生態 ことから、重要な場の生態 ことから、重要な場の生態 系を構成する種の生息環 系を構成する種の生息環 系を構成する種の生息環 境への影響が懸念される 境への影響は小さいと考 境への影響は小さいと考 えられる えられる 4-144 2) 地域を特徴づける生態系 地域を特徴づける生態系は上位性、典型性、特殊性の観点から、複数案が地域生態 系に与える影響について予測した。予測結果は表 4.3-44 に示すとおりである。 表 4.3-44 地域を特徴づける生態系の影響・予測 複数案 影響・予測 インパクト・レスポンスフロー図 生態系への影響 埋立地の存在による 海水の滞留や底質の 微細粒化等に伴う水 質の変化により、典型 性種及び上位性種の 生息環境への影響が 想定される A案 (松山地区 水面貯木場) 埋立地の存在による 沿岸部の消失、潮流変 化や水質変化により、 典型性種及び上位性 種の生息環境への影 響が想定される また、産卵場として重 要な曽根干潟に依存 して生活するカブト ガニの生息環境への 影響が想定される B案 (新松山地区 沖合) 埋立地の存在による 沿岸部の消失、潮流変 化や水質変化により、 典型性種及び上位性 種の生息環境への影 響が想定される また、周辺海域に広く 生息するカブトガニ の生息環境への影響 が想定される C案 (南港地区 沖合) 4-145 4.3.5.3 評価 (1) 評価方法 評価は、 事業実施想定区域周辺海域における複数案の環境影響について相対比較す ることにより行った。 なお、相対比較の指標は、下記のとおりとした。 用語・記号 説明 影響小 (影響小さい) 影響懸念 (影響が懸念される) 環境への影響が明らかに小さい (影響懸念より影響が小さい) 影響の可能性がある (影響小より影響が大きい可能性がある) ○ 別案に比べて影響は低減される △ 別案に比べて影響は大きい (2) 評価結果 予測結果をもとに複数案の環境影響を比較した結果は表 4.3-45 に示すとおりで ある。 埋立地の存在に伴う生態系への影響については、A 案(松山地区水面貯木場)が最 も小さいと考えられる。 4-146 表 4.3-45 生態系の評価結果 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) ・直接改変はない (離隔距離 5.1km) ・潮流変化や水質変化は小さ く、生態系を構成する種の 生息環境への影響は小さ いと考えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 0.5km) ・潮流変化や水質変化は小さ いと考えられるが、近接海 域であるため、生態系を構 成する種の生息環境への 影響が懸念される(△) ・直接改変はない (離隔距離 3.3km) ・潮流変化や水質変化は小さ く、生態系を構成する種の 生息環境への影響は小さ いと考えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 4.8km) ・潮流変化や水質変化は小さ く、生態系を構成する種の 生息環境への影響は小さ いと考えられる(○) ・埋立地の存在による海水の 滞留や底質の微細粒化等 に伴う水質の変化により、 典型性種及び上位性種の 生息環境への影響が想定 される ・埋立地との位置関係から、 特殊性種への影響は小さ いと考えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 1.7km) ・潮流変化や水質変化による 生態系を構成する種の生 息環境への影響が懸念さ れる(△) ・直接改変はない (離隔距離 1.7km) ・潮流変化や水質変化は小さ く、生態系を構成する種の 生息環境への影響は小さ いと考えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 6.9km) ・潮流変化や水質変化は小さ く、生態系を構成する種の 生息環境への影響は小さ いと考えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 1.2km) ・潮流変化や水質変化による 生態系を構成する種の生 息環境への影響が懸念さ れる(△) ・直接改変はない (離隔距離 5.2km) ・潮流変化や水質変化は小さ く、生態系を構成する種の 生息環境への影響は小さ いと考えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 6.0km) ・潮流変化や水質変化は小さ く、生態系を構成する種の 生息環境への影響は小さ いと考えられる(○) ・埋立地の存在による沿岸部 の消失、潮流変化や水質変 化により、典型性種及び上 位性種の生息環境への影 響が想定される。 ・産卵場として重要な曽根干 潟に依存して生活するカ ブトガニの生息環境への 影響が想定される(△) ・曽根干潟 :影響懸念 ・神ノ島 :影響小 ・新浜町干潟 :影響小 ・白石・蓑島・長井干潟 :影響小 ・インパクト・レスポンスフロー:影響懸念 影響は、A 案に比べて大きい と考えられる。 △ ・直接改変はない (離隔距離 1.8km) ・潮流変化や水質変化による 生態系を構成する種の生 息環境への影響が懸念さ れる(△) ・直接改変はない (離隔距離 1.2km) ・潮流変化や水質変化による 生態系を構成する種の生 息環境への影響が懸念さ れる(△) ・埋立地の存在による沿岸部 の消失、潮流変化や水質変 化により、典型性種及び上 位性種の生息環境への影 響が想定される。 ・周辺海域に広く生息するカ ブトガニの生息環境への 影響が想定される(△) 配置図 重要な場-1 (曽根干潟) 重要な場-2 (神ノ島) 重要な場-3 (新浜町干 潟) 重要な場-4 (白石・蓑 島・長井干 潟) イ ン パ ク ト・レスポ ンスフロー 評価結果 ・曽根干潟 :影響小 ・神ノ島 :影響懸念 ・新浜町干潟 :影響小 ・白石・蓑島・長井干潟:影響小 ・インパクト・レスポンスフロー:影響小 影響は、B 案、C 案に比べて 最も小さいと考えられる。 ○ ・曽根干潟 :影響小 ・神ノ島 :影響懸念 ・新浜町干潟 :影響懸念 ・白石・蓑島・長井干潟:影響懸念 ・インパクト・レスポンスフロー:影響懸念 影響は、A 案に比べて大きい と考えられる。 △ 備考)○:別案に比べて影響は低減される、△:別案に比べて影響は大きい 影響小:影響が小さい、影響懸念:影響の可能性がある(影響小より影響が大きい可能性がある) 4-147 4.3.6 評価の一覧 環境影響が考えられる項目についての比較評価の一覧は、表 4.3-46 に示すとおりであり、環境影響を受けやすい地域等へ重大な影響を与えるとは考えにくい。今後、自然環境や干潟・自然海岸等の動植物の生 育・生息の場等への影響が最小限となるよう配慮し、土砂処分場の位置を決定する。 表 4.3-46 評価の一覧表 項目 曽根干潟周辺海域 水質 蓑島干潟周辺海域 苅田港内 曽根干潟 地形 及び 地質 白石・蓑島・長井干潟 新門司南地区 植物 塩沼地植物群落 蓑島の 塩湿地植生 曽根干潟周辺 苅田港内周辺 動物 白石・蓑島・長井干潟 周辺 その他沖合海域 注目すべき生息地 (カブトガニ:曽根干潟) 重要な場-1 (曽根干潟) 重要な場-2 (神ノ島) 生態系 重要な場-3 (新浜町干潟) 重要な場-4 (白石・蓑島・長井干潟) インパクト・レスポン スフロー A 案(松山地区水面貯木場) B 案(新松山地区沖合) C 案(南港地区沖合) ・埋立地との位置関係から、曽根干潟に対する潮流変化や水質変化は想定さ れないため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる(○) ・曽根干潟の主要な海水交換の場である既存地と北九州空港間の埋立てとな るため、曽根干潟周辺海域の潮流や海域の海水交換の変化に伴う水質への 影響が懸念される(△) ・埋立地との位置関係から、蓑島干潟に対する潮流変化や水質変化は想定さ れないため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる(○) ・埋立地との位置関係から、苅田港内に対する潮流変化や水質変化は小さい ため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる(○) ・埋立地との位置関係から、曽根干潟に対する潮流変化や水質変化は想定さ れないため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる。 (○) ・埋立地との位置関係から、蓑島干潟に対する潮流変化や水質変化は想定さ れないため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる(○) ・苅田港内に位置するが、流速の小さい海域であり、4 方向を護岸、防波堤 で囲まれた形状(一部開口部)で、新規護岸が現状の海岸地形より沖へ突 出することはないため、苅田港内の潮流や海水交換への影響は小さいと考 えられる(○) ・曽根干潟の直接改変には該当しない ・埋立地との位置関係から、曽根干潟に対する潮流変化は想定されないため、 埋立地の存在による影響は小さいと考えられる(○) ・白石干潟、蓑島干潟、長井干潟の直接改変には該当しない ・埋立地との位置関係から、白石干潟、蓑島干潟、長井干潟に対する潮流変 化は想定されないため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる (○) ・曽根干潟の直接改変には該当しない ・曽根干潟の主要な海水交換の場である既存地と北九州空港間の埋立てとな るため、曽根干潟に対する流動や地形の変化が懸念される(△) ・白石干潟、蓑島干潟、長井干潟の直接改変には該当しない ・埋立地との位置関係から、白石干潟、蓑島干潟、長井干潟に対する潮流変 化は想定されないため、埋立地の存在による影響は小さいと考えられる (○) ・蓑島干潟の隣接海域であるため、蓑島干潟周辺海域の潮流や海域の海水交 換の変化に伴う水質への影響が懸念される。 (△) ・苅田港への主要な海水交換の場である既存地と防波堤間の埋立てとなるた め、苅田港内の潮流や苅田港内の海水交換の変化による水質への影響が懸 念される。(△) ・曽根干潟の直接改変には該当しない。 ・埋立地との位置関係から、曽根干潟に対する潮流変化は想定されないため、 埋立地の存在による影響は小さいと考えられる。(○) ・白石干潟、蓑島干潟、長井干潟の直接改変には該当しない。 ・埋立地の存在による白石干潟沖合の潮流変化により、白石干潟、蓑島干潟、 長井干潟に対する流動や地形の変化が懸念される。(△) ・直接改変はなく、埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さいことから、重要な種(タヌキモ)の生育環境への影響は小さいと考えられる ・直接改変はなく、埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さいことか ら、注目すべき植物群落への影響は小さいと考えられる(○) ・直接改変はなく、埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さいことか ら、注目すべき植物群落への影響は小さいと考えられる(○) ・直接改変はない(離隔距離 3.6km) ・埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さく、動物への影響は小さい と考えられる(○) ・重要な種の生息地の一部を消失する ・流速が小さく、護岸、防波堤で囲まれた形状で、新規護岸が沖へ突出しな いため、潮流変化や水質変化小さく、生息する動物への影響は小さいと考 えられる(○) ・直接改変はない(離隔距離 3.4km) ・埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さく、動物への影響は小さい と考えられる(○) ・直接改変はない(離隔距離 1.8km) ・埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さく、動物への影響は小さい と考えられる(○) ・直接改変はない(離隔距離 6.5km) ・埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さく、生息地への影響は小さ いと考えられる(○) ・直接改変はない(離隔距離 5.1km) ・潮流変化や水質変化は小さく、生態系を構成する種の生息環境への影響は 小さいと考えられる(○) ・直接改変はない(離隔距離 0.5km) ・潮流変化や水質変化は小さいと考えられるが、近接海域であるため、生態 系を構成する種の生息環境への影響が懸念される(△) ・直接改変はない(離隔距離 3.3km) ・潮流変化や水質変化は小さく、生態系を構成する種の生息環境への影響は 小さいと考えられる(○) ・直接改変はない(離隔距離 4.8km) ・潮流変化や水質変化は小さく、生態系を構成する種の生息環境への影響は 小さいと考えられる(○) ・埋立地の存在による海水の滞留や底質の微細粒化等に伴う水質の変化によ り、典型性種及び上位性種の生息環境への影響が想定される ・埋立地との位置関係から、特殊性種への影響は小さいと考えられる(○) ・直接改変はないが、曽根干潟へ向けての潮流が妨げられ、海水交換の低下 や水質変化による、注目すべき植物群落への影響が懸念される(△) ・直接改変はなく、埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さいことか ら、注目すべき植物群落への影響は小さいと考えられる(○) ・直接改変はない(離隔距離 0.0km) ・曽根干潟へ向けての潮流が妨げられ、潮流変化や水質変化に伴う動物への 影響が懸念される(△) ・重要な種の生息地の一部を消失する。 ・埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さく、動物への影響は小さい と考えられる(○) ・直接改変はない(離隔距離 4.5km) ・埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さく、動物への影響は小さい と考えられる(○) ・重要な種の生息地の一部を消失する。 ・埋立地の存在による潮流変化や水質変化に伴う動物への影響が懸念され る。(△) ・直接改変はない(離隔距離 2.5km) ・曽根干潟へ向けての潮流が妨げられ、潮流変化や水質変化に伴う生息地へ の影響が懸念される(△) ・直接改変はない。(離隔距離 1.7km) ・潮流変化や水質変化による生態系を構成する種の生息環境への影響が懸念 される(△) ・直接改変はない(離隔距離 1.7km) ・潮流変化や水質変化は小さく、生態系を構成する種の生息環境への影響は 小さいと考えられる。(○) ・直接改変はない(離隔距離 5.2km) ・潮流変化や水質変化は小さく、生態系を構成する種の生息環境への影響は 小さいと考えられる(○) ・直接改変はない(離隔距離 6.0km) ・潮流変化や水質変化は小さく、生態系を構成する種の生息環境への影響は 小さいと考えられる(○) ・埋立地の存在による沿岸部の消失、潮流変化や水質変化により、典型性種 及び上位性種の生息環境への影響が想定される ・産卵場として重要な曽根干潟に依存して生活するカブトガニの生息環境へ の影響が想定される(△) ・直接改変はなく、埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さいことか ら、注目すべき植物群落への影響は小さいと考えられる。 (○) ・直接改変はないが、蓑島干潟へ向けての潮流が妨げられ、海水交換の低下 や水質変化による、注目すべき植物群落への影響が懸念される。(△) ・直接改変はない。(離隔距離 4.7km) ・埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さく、動物への影響は小さい と考えられる(○) ・重要な種の生息地の一部を消失する ・主要な海水交換の場の埋立てとなり、埋立地の存在による苅田港内周辺の 潮流変化や苅田港内の海水交換の変化による水質への影響に伴う動物へ の影響が懸念される(△) ・重要な種の生息地の一部を消失する ・白石・蓑島・長井干潟へ向けての潮流が妨げられ、潮流変化や水質変化に 伴う動物への影響が懸念される(△) ・重要な種の生息地の一部を消失する ・埋立地の存在による潮流変化や水質変化に伴う動物への影響が懸念される (△) ・直接改変はない(離隔距離 7.6km) ・埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さく、生息地への影響は小さ いと考えられる(○) ・直接改変はない。(離隔距離 6.9km) ・潮流変化や水質変化は小さく、生態系を構成する種の生息環境への影響は 小さいと考えられる(○) ・直接改変はない(離隔距離 1.2km) ・潮流変化や水質変化による生態系を構成する種の生息環境への影響が懸念 される(△) ・直接改変はない(離隔距離 1.8km) ・潮流変化や水質変化による生態系を構成する種の生息環境への影響が懸念 される(△) ・直接改変はない(離隔距離 1.2km) ・潮流変化や水質変化による生態系を構成する種の生息環境への影響が懸念 される(△) ・埋立地の存在による沿岸部の消失、潮流変化や水質変化により、典型性種 及び上位性種の生息環境への影響が想定される ・周辺海域に広く生息するカブトガニの生息環境への影響が想定される(△) 備考)○:別案に比べて影響は低減される、△:別案に比べて影響は大きい 4-148 4.4 配慮書に対する意見の概要と事業者の見解 4.4.1 配慮書の公告及び縦覧 4.4.1.1 配慮書の公告及び縦覧 福岡県環境影響評価条例第 7 条第 5 項の規定に基づき、 配慮書を作成した旨及びそ の他事項を公告し、配慮書を公告の日から起算して 1 ヵ月間縦覧に供した。 配慮書の公告及び縦覧の内容は、表 4.4-1 に示すとおりである。 表 4.4-1 配慮書の公告及び縦覧の内容 公告の日 公告の方法 縦覧期間 縦覧場所 平成 27 年 2 月 25 日(水) 官報、日刊新聞紙、市町の広報誌への掲載 ①官報(掲載日:平成 27 年 2 月 25 日) ②日刊新聞紙(掲載日:平成 27 年 2 月 25 日) ・朝日新聞(北九州版、京築版) ・毎日新聞(北九州版、京築版) ・読売新聞(北九州版、京築版) ・西日本新聞(北九州版・京築版) ③市町の広報誌 ・広報かんだ(掲載日:平成 27 年 2 月 25 日号) ・市報ゆくはし(掲載日:平成 27 年 3 月 1 日号) 平成 27 年 2 月 25 日(水)から平成 27 年 3 月 27 日(金)までの間 縦覧時間 午前 9 時から午後 5 時まで(土・日曜日・祝日を除く) 下記の 5 箇所で縦覧を実施 ・北九州市小倉南区役所 曽根出張所 ・国土交通省 九州地方整備局 苅田港湾事務所 ・福岡県苅田港務所 ・苅田町役場 環境保全課 ・行橋市役所環境水道部環境課 4-149 4.4.2 県知事の意見と事業者の見解 福岡県環境影響評価条例第 7 条第 5 項の規定に基づき、表 4.4-2 に示すとおり、福 岡県知事からの環境の保全の見地からの意見書の提出を受けた。 配慮書に対する県知事意見及び事業者の見解は、表 4.4-3 に示すとおりである。 表 4.4-2 配慮書についての知事意見聴取の内容 配慮書の送付日 平成 27 年 2 月 25 日(水) 意見書の提出状況 平成 27 年 5 月 25 日(月) (27 自第 331 号) 表 4.4-3(1) 知事意見及び事業者の見解 区分 全般的 事項 意見 1 事業者見解 本事業の実施想定区域である瀬 海面の埋立てによらない方法の検 戸内海においては、瀬戸内海環境保 討として、①深掘部への埋め戻しや、 全特別措置法に基づき、海面の埋立 海底への覆砂(シーブルー事業等)へ について、厳に抑制すべきとの基本 の有効活用、②人工海浜・干潟等の造 方針のもと環境影響に対する十分 成などへの有効活用、③浚渫土砂の陸 な配慮をしなければならないとさ 域処理について検討した結果、海面の れている。 埋立て以外の対応が困難であり、海面 このため、海面の埋立によらない 方法や周辺海域に在る他の土砂処 の埋立てによる方法を採用すること としました。 分場(計画中のものを含む)の活用 また、当初からの状況の変化を整理 その他方法についても幅広く検討 するとともに、土砂処分計画の見直し し、事業計画の決定に反映するこ について、苅田港内及び周辺海域にあ と。また、当該検討の経緯について る他の土砂処分場を含めた検討を行 調査計画書において分かりやすく いました。 記載すること。 これらの検討の経緯について、方法 書に記載しました。 (第 2 章 2 p2-10∼2-15 に記載) 本事業実施想定区域の周辺海域 松山地区水面貯木場跡は、苅田港の においては、新門司沖土砂処分場 湾奥に位置し、4方向を護岸、防波堤 (Ⅱ期)公有水面埋立事業が計画さ で囲まれた形状であるため流況の変 れており、当該事業が実施された場 化が小さいと考えられます。 合、周辺海域において流況の変化及 さらに、地形的な特徴から、新門司 びこれに伴う環境影響が生じるこ 沖土砂処分場(Ⅱ期)との間に、防波 とから、当該環境影響と本事業の実 堤や新松山地区土砂処分場が存在し、 施に伴う環境影響との複合的影響 両事業による複合的な環境影響が小 を勘案した上で事業計画を決定す さいと考えられることから、松山地区 ること。 水面貯木場跡を事業実施区域として 選定しました。 4-150 表 4.4-3(2) 知事意見及び事業者の見解 区分 意見 個別的 [個別的事項] 事項 1 事業者見解 動物・植物 本配慮書において「重要な種」と 配慮書において「重要な種」として して選定されていない希少な動物 選定した調査結果に基づき、環境への や植物が、事業実施想定区域周辺に 影響が少ない松山地区水面貯木場跡 生息・生育していることが文献上確 を選定しました。 認されていることから、この点につ なお、「重要な種」として選定して いて改めて文献調査を行い、事業に いない希少な動植物については、改め 伴うこれら動植物の生息・生育環境 て文献調査を行い、生息・生育環境へ への影響を勘案した上で事業計画 の影響を勘案した検討内容を方法書 を決定すること。この際、必要に応 で記載しました。 じ専門家等から助言を受けること。 その他 (第 4 章 p4-154∼4-165 に記載) [その他] 1 本事業の実施想定区域が瀬戸内 瀬戸内海の環境の保全に関する各 海であることから、調査計画書以降 種行政計画との整合性については、評 の手続きにおいて行う調査、予測及 価の手法に記載するとともに、準備書 び評価の手法の選定並びに環境影 以降の手続きの中で評価します。 響評価に当たっては、本年2月に改 (第 5 章 p5-100 に記載) 正された瀬戸内海環境保全基本計 画や瀬戸内海の環境の保全に関す る福岡県計画などの各種行政計画 との整合性について配慮すること。 2 調査計画書以降の手続きにおい 本事業による環境影響を予測及び ては、選定案に対応した水質や底質 評価する上で必要と考える水質、底質 等に関する詳細な調査を行うとと 等の現地調査の内容を方法書に記載 もに、多くの評価項目の予測に使用 しました。 水環境の予測手法としては、計画中 の新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)計画地 を包括する範囲とするとともに、複合 影響が予測可能な手法を選定しまし た。 なお、流況シミュレーション等の再 現性等の検討は、準備書において実施 します。 (第 5 章 p5-8、p5-28∼5-60 に記載) される流況変化のシミュレーショ ンモデルの精度について検討する こと。また予測及び評価に当たって は、新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)公 有水面埋立事業に伴う環境影響に ついて勘案すること。 4-151 4.4.3 関係市町の意見と事業者の見解 福岡県環境影響評価条例第 7 条第 6 項の規定に基づき、表 4.4-4 に示すとおり、関 係市町からの環境の保全の見地からの意見書の提出を受けた。 配慮書に対する関係市町の意見及び事業者の見解は、表 4.4-5 に示すとおりである。 表 4.4-4 配慮書についての関係市町意見聴取の内容 配慮書の送付日 平成 27 年 2 月 25 日(水) 関係市町の名称 北九州市、行橋市、苅田町の2市1町 意見書の提出状況 北九州市:平成 27 年 4 月 10 日(金)(北九環監環第 9 号) 行 橋 市:平成 27 年 4 月 9 日(木)(27 行環第 47 号) 苅 田 町:平成 27 年 4 月 9 日(木)(27 苅環第 21 号) 表 4.4-5 関係市町の意見及び事業者の見解 関係市町 北九州市 意見 事業者見解 1 土砂処分計画について 本事業は、苅田港内の浚渫土砂を 処分する計画であるが、「新門司沖 土砂処分場(Ⅱ期)公有水面埋立事 業環境影響評価方法書」によると、 当該事業でも関門航路及び北九州 港に加えて苅田港の浚渫土砂を処 分することが示されている。ついて は、苅田港の土砂処分計画を総合的 に示し、浚渫土砂発生量の総量や各 土砂処分場の受け入れ時期及び処 分量等について分かりやすく方法 書に記載すること。 2 計画段階配慮事項について 計画段階配慮事項の調査、予測及 び評価において、複数案の比較結果 が示されているが、環境影響の程度 について分かりやすいよう記載を 修正し、方法書に反映すること。 3 方法書作成に向けた留意事項 (1) 自然環境に関する文献調査の充実 本市等により、これまで曽根干潟 や周辺海域において動植物等自然 環境に関する調査が多数実施され ている。方法書の作成にあたって は、文献調査を充実し、自然環境の 現況を適切に把握すること。 (2) 水環境の予測手法について 水環境の環境影響評価について は、他の埋立事業との複合影響の予 測が可能な手法を採用すること。 行橋市 意見無し 苅田町 意見無し 4-152 苅田港で発生する浚渫土砂につい ては、新門司沖土砂処分場(Ⅱ期)へ の受入れ計画も含めた土砂処分計画 の内容(浚渫土砂の処分場、各土砂処 分場への受入量)を方法書に記載しま した。 (第 2 章 p2-10∼2-15 に記載) 環境影響の程度の記述については、 「影響小」、 「影響懸念」の定義を明確 にし、できる限り分かりやすく、方法 書に記載しました。 (第 4 章 p4-56、p4-74、p4-90、 p4—134、p4-146 に記載) 北九州市実施の曽根干潟の調査結 果等を既存資料として整理し、方法書 に記載し、自然環境の現況を適切に把 握しました。 (第 3 章 p3-2∼3-275 に記載) 水環境の予測手法は、計画中の新門 司沖土砂処分場(Ⅱ期)計画地を包括 する範囲とするとともに、複合影響が 予測可能な手法を選定しました。 (第 5 章 p5-8、 p5-28∼5-60 に記載) 4.4.4 一般意見と事業者の見解 福岡県環境影響評価条例第 7 条第 5 項の規定に基づき、表 4.4-6 に示すとおり、環 境の保全の見地からの意見を有する方の意見書の提出を受けた。 配慮書に対する一般意見の概要及び事業者の見解は、表 4.4-7 に示すとおりである。 表 4.4-6 配慮書についての意見聴取の内容 意見書の提出期間 平成 27 年 2 月 25 日(水)から平成 27 年 3 月 27 日(金)までの間 意見書の提出方法 書面による方法(郵送、FAX、持参) インターネットによる意見聴取:Mail to 形式 意見書の提出状況 提出された意見書:総数 1 通(意見数 1 件) 表 4.4-7 一般意見の概要及び事業者の見解 番号 1 区分 意見 事業者見解 その他 ( 環 境 の 保全 の見地以外) 苅田港事業計画では、一部水面 として残っていたが、今回は全面 埋立てになっている。 現在そこは台風等の一時避難 の場所になっている。ゆえに一部 は水面として残して欲しい。 港湾管理者に確認したところ、 当該箇所は苅田港の発展のため、 航路浚渫土を受け入れる用地と して港湾計画を変更したところ であり、小型船の収容については 苅田港内において、小型船だまり を利用するように整備をしてい ると伺っています。 4-153 4.5 環境の保全の配慮に係る検討の経緯及びその内容 4.5.1 事業計画の決定 計画段階環境配慮書(以下、配慮書という)に対する福岡県知事、関係市町、一般意見 を受けて、環境的要素、社会的要素、経済的要素から事業計画を決定した。 4.5.1.1 知事意見に対する対応 知事意見にある「本配慮書において「重要な種」として選定されていない希少な動 物や植物が、事業実施想定区域周辺に生息・生育していることが文献上確認されてい ることから、この点について改めて文献調査を行い、事業に伴うこれら動植物の生 息・生育環境への影響を勘案した上で事業計画を決定すること」をうけて、既存資料 により、植物の重要な種として「コアマモ、ハマボウ、ハマサジ、シバナ」 、植物の 注目すべき生息地として「ハマボウ群落」 、動物の重要な種として「スナメリ」を抽 出した。 (1) 植物 1) 調査 a. 重要な種 文献その他の資料調査において植物の重要な種としては、計 5 種が確認され、配慮 書段階から追加した種は、 「コアマモ、 ハマボウ、ハマサジ、 シバナ」である (表 4.5-1、 図 4.5-1 参照) 。 コアマモについては、曽根干潟周辺において生育情報があるが、生育箇所が明確で はなく、福岡県レッドデータブック 2011 においても、 「福岡県レッドデータブック 2001 年版では情報不足とされており、その後も県内での生育に関する情報が得られ ていない」とされている。このため、生育範囲は、曽根干潟の沿岸域を包括するよう 範囲を設定した。 また、ハマボウ、ハマサジ、シバナは、 「新門司南地区公有水面埋立事業環境影響 評価書」 (北九州市 平成 19 年 4 月)の資料調査にて確認された種であり、確認位置 は、曽根干潟及び曽根干潟流入河川河口域とされている。このため、生育範囲は、曽 根干潟の沿岸域を包括するよう範囲を設定した。 b. 注目すべき生育地 文献その他の資料調査において注目すべき生育地は、重要な植物群落として 3 群落 が確認され、配慮書段階から追加した種は、 「ハマボウ群落」である(表 4.5-2、図 4.5-2 参照) 。 ハマボウ群落は、 「新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書」 (北九州市 平 成 19 年 4 月)の資料調査にて確認された種であり、確認位置は、曽根干潟及び曽根 干潟流入河川河口域とされている。このため、生育範囲は、曽根干潟の沿岸域を包括 するよう範囲を設定した。 4-154 表 4.5-1 事業実施想定区域周辺で確認された重要な種 分 類 群 種 名 選定基準 a b タヌキモ 維管束植物 c NT f g h EN 資料 ③ コアマモ DD ハマボウ VU ○ ③ ハマサジ NT VU ○ ③ シバナ NT EN ○ ③ 注 1)選定基準は、次のとおりである。 a:「文化財保護法」(昭和 25 年 法律第 214 号) 特別:特別天然記念物に指定された動物 天然:天然記念物に指定された動物 b:「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」 (平成 4 年 法律第 75 号) 国内:国内希少野生動植物種 国際:国際希少野生動植物種 c:「第4次レッドリストの公表について」(環境省 平成 24 年 8 月 28 日) EX:絶滅 EW:野生絶滅 CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類 CR:絶滅危惧ⅠA 類 EN:絶滅危惧ⅠB 類 VU:絶滅危惧Ⅱ類 NT:準絶滅危惧 DD:情報不足 LP:絶滅のおそれのある地域個体群 f: 「日本の希少な野生水生生物に関するデータブック」 (水産庁 平成 10 年) 減少傾向:長期的にみて減少しつつあるもの 減少種:明らかに減少しているもの 希少種:存在基盤が脆弱な種・亜種 危急種:絶滅の危機が増大している種・亜種 絶滅危惧種:絶滅の危機に瀕している種・亜種 地域個体群:保護に留意すべき地域個体群 g:「福岡県レッドデータブック 2011 福岡県の希少野生生物 −植物群落・植物・鳥類・哺乳類−」 (福岡県 平成 23 年) EX:絶滅 EW:野生絶滅 CR:絶滅危惧ⅠA 類 EN:絶滅危惧ⅠB 類 VU:絶滅危惧Ⅱ類 NT:準絶滅危惧 DD:情報不足 h: 「北九州市の希少野生生物」 (北九州市 平成 20 年 3 月) 注 2)資料は、表 4.3-20 の番号に対応する。 4-155 図 4.5-1 確認された重要な種の分布 4-156 表 4.5-2 事業実施想定区域周辺で注目すべき生育地 No. 群 落 1 塩沼地植物群落 2 蓑島の塩湿地植生 3 ハマボウ群落 名 選定基準 a b c d e f g h 資料 Ⅰ※ BDH ① Ⅲ ※福岡県 RDB2001 では、小倉南区曽根において塩沼地植物群落の記載があるが、改訂版の福岡県 RDB2011 では塩沼地植物群落は種ごとに分割記載されており、さらに詳細な場所は未掲載とされている。 注 1)選定基準は、次のとおりである。 a:「文化財保護法」(昭和 25 年 法律第 214 号) 特別:特別天然記念物に指定された動物 天然:天然記念物に指定された動物 b:「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」 (平成 4 年 法律第 75 号) 国内:国内希少野生動植物種 国際:国際希少野生動植物種 c:「第4次レッドリストの公表について」(環境省 平成 24 年 8 月 28 日) EX:絶滅 EW:野生絶滅 CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類 CR:絶滅危惧ⅠA 類 EN:絶滅危惧ⅠB 類 VU:絶滅危惧Ⅱ類 NT:準絶滅危惧 DD:情報不足 LP:絶滅のおそれのある地域個体群 d:「第 5 回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査」(環境庁 平成 5∼10 年) A:原生林もしくはそれに近い自然林 B:国内若干地域に分布するが、極めて稀な植物群落または個体群 C:比較的普通に見られるものであっても、南限、北限、隔離分布等分布限界になる産地に見られる 植物群落または個体群 D:砂丘、断崖地、塩沼地、湖沼、河川、湿地、高山、石灰岩地等の特殊な立地に特有な植物群落ま たは個体群で、その群落の特徴が典型的なもの E:郷土景観を代表する植物群落で、特にその群落の特徴が典型的なもの F:過去において人工的に植栽されたことが明らかな森林であっても、長期にわたって伐採等の手が 入っていないもの G:乱獲その他人為の影響によって、当該都道府県内で極端に少なくなるおそれのある植物群落また は個体群 H:その他、学術上重要な植物群落または個体群 e:「植物群落レッドデータブック 1996 我が国における緊急な保護を必要とする植物群落の現状と対 策」 (平成 8 年 4 月 財団法人日本自然保護協会) 4:緊急に対策必要(緊急に対策を講じなければ群落が崩壊する) 3:対策必要(対策を講じなければ群落の状態が徐々に悪化する) 2:破壊の危惧(現在は保護対策が功を奏しているが、将来は破壊の危惧が大きい) 1:要注意(当面、新たな保護対策は必要ないが、監視は必要) f: 「日本の希少な野生水生生物に関するデータブック」 (水産庁 平成 10 年) 減少傾向:長期的にみて減少しつつあるもの 減少種:明らかに減少しているもの 希少種:存在基盤が脆弱な種・亜種 危急種:絶滅の危機が増大している種・亜種 絶滅危惧種:絶滅の危機に瀕している種・亜種 地域個体群:保護に留意すべき地域個体群 g:「福岡県レッドデータブック 2011 福岡県の希少野生生物 −植物群落・植物・鳥類・哺乳類−」 (福岡県 平成 23 年) カテゴリーⅠ:緊急に対策必要 カテゴリーⅡ:対策必要 カテゴリーⅢ:破壊の危惧 カテゴリーⅣ:要注意 h: 「北九州市の希少野生生物」 (北九州市 平成 20 年 3 月) 注 2)資料は、表 4.3-20 の番号に対応する。 4-157 備考)塩沼地植物群落及びハマボウ群落については、詳細な場所が不明であることから、曽根干潟の沿岸 域を包括するよう範囲を設定した。 出典:「第 5 回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査」(環境庁 平成 5∼10 年) 「福岡県の希少野生生物−福岡県レッドデータブック 2011 植物群落・植物・鳥類・哺乳類−」 (福岡県 平成 23 年) 図 4.5-2 注目すべき生育地の分布 4-158 2) 予測 a. 重要な種 調査結果より、 事業実施想定区域周辺で確認された植物の重要な種は計 5 種であり、 既存資料によると、 いずれも確認場所の詳細な位置や生育状況の記載がないことから、 予測は調査範囲を対象とした。 確認された植物の重要な種の生態的特徴は表 4.5-3 に、複数案における影響・予 測は表 4.5-4 に示すとおりである。 表 4.5-3 重要な種の生態的特性 No 分 類 種名 生態的特性 分布 生育環境 ため池、水路、 湿原などに生育 する多年草の浮 遊植物 湾の奥や川口の 干潟などの、干 潮時には干上が るような浅い水 底の砂泥に生え る多年草 花期 1 タヌキモ 北海道 ∼本州 2 コアマモ 北海道 ∼琉球 ハマボウ 本州、四 国、九州 海岸や河口の砂 泥地 7∼8 月 4 ハマサジ 本州、四 国、九州 海岸の砂地に生 育する 2 年草 9∼11 月 5 シバナ 北海道 ∼九州 塩分を含む湿地 に生育 5∼10 月 3 維 管 束 植 物 注)既存資料は、表 4.3-20 の番号に対応する。 4-159 7∼9 月 生育地に よって異 なる 確認状況 既存 資料 事業実施区域より北側に位 置する、新門司南地区公有 水面埋立事業環境影響評価 書による調査区域で確認 ③ 曽根干潟において確認 新門司南地区公有水面埋立 事業環境影響評価書による 既存資料調査において曽根 干潟周辺で確認 新門司南地区公有水面埋立 事業環境影響評価書による 既存資料調査において曽根 干潟周辺で確認 新門司南地区公有水面埋立 事業環境影響評価書による 既存資料調査において曽根 干潟周辺で確認 ③ ③ ③ 表 4.5-4(1) 重要な種(タヌキモ)の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) タヌキモ タヌキモ タヌキモ 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 7.2km 3.9km 9.0km ・埋立地の存在により、新門 ・埋立地の存在により、新門 ・埋立地の存在により、新門 司南地区(タヌキモの生育 司南地区(タヌキモの生育 司南地区(タヌキモの生育 地)が消失することはない 地)が消失することはない 地)が消失することはない ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 埋立地の存在による潮流 埋立地の存在による潮流 埋立地の存在による潮流 変化や水質変化がもたら 変化や水質変化がもたら 変化や水質変化がもたら す影響は小さいと考えら す影響は小さいと考えら す影響は小さいと考えら れる れる れる 表 4.5-4(2) 重要な種(コアマモ、ハマボウ、ハマサジ、シバナ)の影響・予測 複数案 影響・予測 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) コアマモ、 ハマボウ、 ハマサジ、 シバナ コアマモ、 ハマボウ、 ハマサジ、 シバナ 7.4km コアマモ、 ハマボウ、 ハマサジ、 シバナ 3.4km ・埋立地の存在により、曽根 ・埋立地の存在により、曽根 干潟周辺(コアマモ、ハマ 干潟周辺(コアマモ、ハマ ボウ、ハマサジ、シバナの ボウ、ハマサジ、シバナの 生育地)が消失することは 生育地)が消失することは ない ない ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在により、曽根 干潟へ向けての潮流が妨 埋立地の存在による潮流 げられ、潮流変化や水質変 変化や水質変化がもたら 化に伴う影響が懸念され す影響は小さいと考えら る れる 4-160 C案 (南港地区沖合) 9.3km ・埋立地の存在により、曽根 干潟周辺(コアマモ、ハマ ボウ、ハマサジ、シバナの 生育地)が消失することは ない ・埋立地との位置関係から、 埋立地の存在による潮流 変化や水質変化がもたら す影響は小さいと考えら れる b. 注目すべき生育地 確認された植物の主な注目すべき生育地は塩沼地植物群落、蓑島の塩湿地植生、ハ マボウ群落の 3 群落であり、生態的特性は表 4.5-5 に、複数案における影響・予測 は表 4.5-6 に示すとおりである。 表 4.5-5 注目すべき生育地の生態的特性 生態的特性 分類 種名 確認状況 分布 植物 生育環境 花期 既存 資料 塩沼地植物群落 北九州市 河口∼沿岸域 − 小倉南区曽根で確認 蓑島の塩湿地植生 行橋市 河口∼沿岸域 − 今川河口域周辺に生育 ① ハマボウ群落 北九州市 河口∼沿岸域 − 曽根干潟周辺で確認 ③ 注 1)生態的特性の「−」は生態が不明であることを示す。 注 2)既存資料は、表 4.3-20 を参照 表 4.5-6(1) 注目すべき生育地(塩沼地植物群落、ハマボウ群落)の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) 塩沼地植物群落、 ハマボウ群落 B案 (新松山地区沖合) 塩沼地植物群落、 ハマボウ群落 C案 (南港地区沖合) 塩沼地植物群落、 ハマボウ群落 配置図 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 7.4km 3.4km ・埋立地の存在により、塩沼 ・埋立地の存在により、塩沼 地植物群落、ハマボウ群落 地植物群落、ハマボウ群落 が消失することはない が消失することはない ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在により、曽根 干潟へ向けての潮流が妨 埋立地の存在による潮流 げられ、潮流変化や水質変 変化や水質変化がもたら 化に伴う影響が懸念され す影響は小さいと考えら る れる 4-161 9.3km ・埋立地の存在により、塩沼 地植物群落、ハマボウ群落 が消失することはない ・埋立地との位置関係から、 埋立地の存在による潮流 変化や水質変化がもたら す影響は小さいと考えら れる 表 4.5-6(2) 注目すべき生育地(蓑島の塩湿地植生)の影響・予測 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) 配置図 蓑島の 塩湿地植生 事業実施想 定区域から の離隔距離 直接的な 影響 間接的な 影響 蓑島の 塩湿地植生 7.4km 蓑島の 塩湿地植生 8.6km 3.5km ・埋立地の存在により、蓑島 ・埋立地の存在により、蓑島 ・埋立地の存在により、蓑島 の塩湿地植生が消失する の塩湿地植生が消失する の塩湿地植生が消失する ことはない ことはない ことはない ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地との位置関係から、 ・埋立地の存在により、蓑島 埋立地の存在による潮流 干潟へ向けての潮流が妨 埋立地の存在による潮流 変化や水質変化がもたら げられ、潮流変化や水質変 変化や水質変化がもたら す影響は小さいと考えら 化に伴う影響が懸念され す影響は小さいと考えら れる る れる 4-162 3) 評価 予測結果をもとに複数案の環境影響を比較した結果は、表 4.5-7 に示すとおりで ある。埋立地の存在に伴う植物への影響については、A 案(松山地区水面貯木場)が 最も小さいと考えられる。 表 4.5-7 植物重要種等の評価結果 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) タヌキモ タヌキモ C案 (南港地区沖合) タヌキモ 配置図 コアマモ、 ハマボウ、 ハマサジ、シバナ、 塩沼地植物群落、 ハマボウ群落 蓑島の 塩湿地植生 タヌキモ コアマモ、 ハマボウ、 ハマサジ、 シバナ 塩沼地 植物群落、 ハマボウ群 落 コアマモ、 ハマボウ、 ハマサジ、シバナ、 塩沼地植物群落、 ハマボウ群落 蓑島の 塩湿地植生 コアマモ、 ハマボウ、 ハマサジ、シバナ、 塩沼地植物群落、 ハマボウ群落 蓑島の 塩湿地植生 ・直接改変はなく、埋立地の存在による潮流変化や水質変化は小さいことから、重要な種(タ ヌキモ)の生育環境への影響は小さいと考えられる ・直接改変はなく、埋立地の ・直接改変はないが、曽根干 ・直接改変はなく、埋立地の 存在による潮流変化や水 存在による潮流変化や水 潟へ向けての潮流が妨げ 質変化は小さいことから、 質変化は小さいことから、 られ、海水交換の低下や水 重要な種(コアマモ、ハマ 重要な種(コアマモ、ハマ 質変化による、重要な種 ボウ、ハマサジ、シバナ) ボウ、ハマサジ、シバナ) (コアマモ、ハマボウ、ハ の生育環境への影響は小 の生育環境への影響は小 マサジ、シバナ)の生育環 さいと考えられる(○) さいと考えられる(○) 境への影響が懸念される (△) ・直接改変はなく、埋立地の ・直接改変はないが、曽根干 ・直接改変はなく、埋立地の 存在による潮流変化や水 存在による潮流変化や水 潟へ向けての潮流が妨げ 質変化は小さいことから、 質変化は小さいことから、 られ、海水交換の低下や水 注目すべき植物群落への 注目すべき植物群落への 質変化による、注目すべき 影響は小さいと考えられ 影響は小さいと考えられ 植物群落への影響が懸念 る(○) る(○) される(△) ・直接改変はなく、埋立地の ・直接改変はなく、埋立地の ・直接改変はないが、蓑島干 存在による潮流変化や水 存在による潮流変化や水 潟へ向けての潮流が妨げ 質変化は小さいことから、 質変化は小さいことから、 蓑島の られ、海水交換の低下や水 注目すべき植物群落への 注目すべき植物群落への 塩湿地植生 質変化による、注目すべき 影響は小さいと考えられ 影響は小さいと考えられ 植物群落への影響が懸念 る(○) る(○) される(△) ・タヌキモ :影響小 ・タヌキモ :影響小 ・タヌキモ :影響小 ・コアマモ、ハマボウ、ハマ ・コアマモ、ハマボウ、ハマ ・コアマモ、ハマボウ、ハマ サジ、シバナ :影響小 サジ、シバナ :影響懸念 サジ、シバナ :影響小 ・塩沼地植物群落、 ・塩沼地植物群落、 ・塩沼地植物群落、 ハマボウ群落 :影響小 ハマボウ群落:影響懸念 ハマボウ群落 :影響小 評価結果 ・蓑島の塩湿地植生:影響小 ・蓑島の塩湿地植生:影響小 ・蓑島の塩湿地植生:影響懸念 影響は、B 案、C 案に比べて 影響は、A 案に比べて大きい 影響は、A 案に比べて大きい 最も小さいと考えられる と考えられる と考えられる ○ △ △ 備考)○:別案に比べて影響は低減される、△:別案に比べて影響は大きい 影響小:影響が小さい、影響懸念:影響の可能性がある(影響小より影響が大きい可能性がある) 注)赤字は知事意見を受けて変更した箇所を示す 4-163 (2) 動物 1) 調査 a. 重要な種 文献その他の資料調査において、新たに植物の重要な種として、 「新門司南地区公 有水面埋立事業環境影響評価書」 (北九州市 平成 19 年 4 月)で曽根干潟から北側海 域でスナメリの確認情報が示されている。 また、 「福岡県レッドデータブック 2011」においても、「瀬戸内海・響灘」個体群 が周防灘、関門海峡及び藍島周辺に生息しているとされている。 これらのことから、 本調査海域全域にスナメリの生息の可能性があると考えられる。 2) 予測・評価 a. 重要な種 配慮書における重要な種の予測は、 調査海域を重要な種の生息状況と事業実施想定 区域周辺の物理・自然環境の特徴を踏まえ、 「曽根干潟周辺」、 「苅田港内周辺」、「白 石・蓑島・長井干潟周辺」 、 「その他沖合海域」の 4 つの類型に区分し、相対評価を行 っている。 スナメリは、沿岸の浅海に生息し、 「瀬戸内海・響灘」個体群が周防灘、関門海峡 及び藍島周辺に生息するとされていることから、苅田港周辺を含め、本調査海域全域 に生息の可能性があると考えられる。 このため、配慮書で分類した4つの類型区分について、すべての区分に生息の可能 性があると考えられ、配慮書の複数案の相対評価については、全ての案で同様な影響 の程度と考えられることから、相対評価には差異がないと考えられる。 以上より、スナメリを追加した場合においても、配慮書に示す複数案の相対評価に 相違は生じないと考えられることから、動物の評価は、表 4.5-8 に示すとおり、配 慮書時の評価と同様とする。 なお、方法書以降の手続きにおいては、決定計画に対するスナメリの影響の把握も 配慮事項として、調査・予測・評価の検討を行うこととする。 4-164 表 4.5-8 動物重要種等の評価結果 複数案 影響・予測 A案 (松山地区水面貯木場) B案 (新松山地区沖合) C案 (南港地区沖合) ・直接改変はない (離隔距離 3.6km) ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、動 物への影響は小さいと考 えられる(○) ・重要な種の生息地の一部を 消失する ・流速が小さく、護岸、防波 堤で囲まれた形状で、新規 護岸が沖へ突出しないた め、潮流変化や水質変化小 さく、動物への影響は小さ いと考えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 0.0km) ・曽根干潟へ向けての潮流が 妨げられ、潮流変化や水質 変化に伴う動物への影響 が懸念される(△) ・重要な種の生息地の一部を 消失する ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、動 物への影響は小さいと考 えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 3.4km) ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、動 物への影響は小さいと考 えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 4.5km) ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、動 物への影響は小さいと考 えられる(○) ・直接改変はない (離隔距離 4.7km) ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、動 物への影響は小さいと考 えられる(○) ・重要な種の生息地の一部を 消失する ・主要な海水交換の場の埋立 てとなり、埋立地の存在に よる苅田港内周辺の潮流 変化や苅田港内の海水交 換の変化による水質への 影響に伴う動物への影響 が懸念される(△) ・重要な種の生息地の一部を 消失する ・白石・蓑島・長井干潟へ向 けての潮流が妨げられ、潮 流変化や水質変化に伴う 動物への影響が懸念され る(△) ・重要な種の生息地の一部を 消失する ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化に伴う動物 への影響が懸念される (△) ・直接改変はない (離隔距離 7.6km) ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、生 息地への影響は小さいと 考えられる(○) ・曽根干潟周辺 :影響小 ・苅田港内周辺 :影響懸念 ・白石・蓑島・長井干潟周辺 :影響懸念 ・その他沖合海域:影響懸念 ・注目すべき生息地:影響小 影響は、A 案に比べて大きい と考えられる △ 配置図 曽根干潟 周辺 苅田港内周 辺 白石・蓑島 ・長井干潟 周辺 ・直接改変はない ・重要な種の生息地の一部を (離隔距離 1.8km) 消失する その他沖合 ・埋立地の存在による潮流変 ・埋立地の存在による潮流変 化や水質変化は小さく、動 化や水質変化に伴う動物 海域 物への影響は小さいと考 への影響が懸念される えられる(○) (△) ・直接改変はない ・直接改変はない 注目すべき (離隔距離 2.5km) (離隔距離 6.5km) 生息地 ・埋立地の存在による潮流変 ・曽根干潟へ向けての潮流が 化や水質変化は小さく、生 妨げられ、潮流変化や水質 (カブトガ 息地への影響は小さいと 変化に伴う生息地への影 ニ:曽根干潟) 考えられる(○) 響が懸念される(△) ・曽根干潟周辺 :影響懸念 ・曽根干潟周辺 :影響小 ・苅田港内周辺 :影響懸念 ・苅田港内周辺 :影響小 ・白石・蓑島・長井干潟周辺 ・白石・蓑島・長井干潟周辺 :影響小 :影響小 ・その他沖合海域:影響懸念 ・その他沖合海域 :影響小 評価結果 ・注目すべき生息地:影響懸念 ・注目すべき生息地:影響小 影響は、B 案、C 案に比べて 影響は、A 案に比べて大きい と考えられる 最も小さいと考えられる ○ △ 備考)○:別案に比べて影響は低減される、△:別案に比べて影響は大きい 影響小:影響が小さい、影響懸念:影響の可能性がある(影響小より影響が大きい可能性がある) 4-165 4.5.1.2 事業計画の決定 土砂処分場の位置については、配慮書に対する福岡県知事、関係市町、一般意見を踏 まえて、環境的要素、社会的要素、経済的要素から検討を行った結果、表 4.5-9 に示 すとおり、A案(松山地区水面貯木場)とすることとした。 表 4.5-9 環境的要素、社会的要素、経済的要素からの検討結果 要素 検討結果 総括 配慮書の検討結果、及び知事意見で求められ た動植物の生息・生育環境への影響の観点か 環境的要素 ら、3 案のうち、別案と比べて影響が低減され ると考えられるのは、A案(松山地区水面貯 木場)である A案(松山地区水面貯木場)は、共同漁業権 社会的要素 の除外区域であり、直近に区画漁業権も存在 しないことから、B案、C案と比べて漁業へ の影響が小さい 素、経済的要素から総合 的にみて、A案(松山地 区水面貯木場)が最も優 位であると考える A案(松山地区水面貯木場)は 4 方向を護岸、 防波堤で囲まれた貯木場の跡地を利用するも 経済的要素 環境的要素、社会的要 のであり、既存の護岸や防波堤を有効利用で きることから、B案、C案と比べて経済的に 優位である 4-166 表 4.5-10 環境面からの評価 項目 水質 曽根干潟周辺海域 蓑島干潟周辺海域 苅田港内 A 案(松山地区水面貯木場) B 案(新松山地区沖合) C 案(南港地区沖合) ・曽根干潟周辺:影響小 ・蓑島干潟周辺:影響小 ・苅田港内 :影響小 ➡影響は、最も小さい(○) ・曽根干潟周辺:影響懸念 ・蓑島干潟周辺:影響小 ・苅田港内 :影響小 ➡影響は、A 案に比べて大きい(△) ・曽根干潟周辺:影響小 ・蓑島干潟周辺:影響懸念 ・苅田港内: 影響懸念 ➡影響は、A 案に比べて大きい(△) ・曽根干潟 :影響小 ・白石・蓑島・長井干潟 :影響小 ➡影響は、最も小さい(○) ・曽根干潟 :影響懸念 ・白石・蓑島・長井干潟 :影響小 ➡影響は、A 案に比べて大きい(△) ・曽根干潟 :影響小 ・白石・蓑島・長井干潟 :影響懸念 ➡影響は、A 案に比べて大きい(△) ・タヌキモ :影響小 ・コアマモ、ハマボウ、ハマサジ、シバナ:影響小 ・塩沼地植物群落 :影響小 ・蓑島の塩湿地植生 :影響小 ➡影響は、最も小さい(○) ・タヌキモ :影響小 ・コアマモ、ハマボウ、ハマサジ、シバナ:影響懸念 ・塩沼地植物群落 :影響懸念 ・蓑島の塩湿地植生 :影響小 ➡影響は、A 案に比べて大きい(△) ・タヌキモ :影響小 ・コアマモ、ハマボウ、ハマサジ、シバナ:影響小 ・塩沼地植物群落 :影響小 ・蓑島の塩湿地植生 :影響懸念 ➡影響は、A 案に比べて大きい(△) ・曽根干潟周辺 :影響小 ・苅田港内周辺 :影響小 ・白石・蓑島・長井干潟周辺 :影響小 ・その他沖合海域 :影響小 ・注目すべき生息地 :影響小 ➡影響は、最も小さい(○) ・曽根干潟周辺 :影響懸念 ・苅田港内周辺 :影響小 ・白石・蓑島・長井干潟周辺 :影響小 ・その他沖合海域 :影響懸念 ・注目すべき生息地 :影響懸念 ➡影響は、A 案に比べて大きい(△) ・曽根干潟周辺 :影響小 ・苅田港内周辺 :影響懸念 ・白石・蓑島・長井干潟周辺 :影響懸念 ・その他沖合海域 :影響懸念 ・注目すべき生息地 :影響小 ➡影響は、A 案に比べて大きい(△) ・曽根干潟 :影響小 ・曽根干潟 :影響懸念 ・神ノ島 :影響懸念 ・神ノ島 :影響小 ・新浜町干潟 :影響小 ・新浜町干潟 :影響小 ・白石・蓑島・長井干潟 :影響小 ・白石・蓑島・長井干潟 :影響小 ・インパクト・レスポンスフロー :影響小 ・インパクト・レスポンスフロー :影響懸念 ➡影響は、最も小さい(○) ➡影響は、A 案に比べて大きい(△) 備考) ○:別案に比べて影響は低減される △:別案に比べて影響は大きい 影響小:影響が小さい、影響懸念:影響の可能性がある(影響小より影響が大きい可能性がある) 注) 赤字は知事意見を受けて変更した箇所を示す ・曽根干潟 :影響小 ・神ノ島 :影響懸念 ・新浜町干潟 :影響懸念 ・白石・蓑島・長井干潟 :影響懸念 ・インパクト・レスポンスフロー :影響懸念 ➡影響は、A 案に比べて大きい(△) 地形及び地質 曽根干潟 白石・蓑島・長井干潟 4-167 植物 タヌキモ コアマモ、ハマボウ、ハマサジ、シバナ 塩沼地植物群落 蓑島の塩湿地植生 動物 曽根干潟周辺 苅田港内周辺 白石・蓑島・長井干潟周辺 その他沖合海域 注目すべき生息地 生態系 曽根干潟 神ノ島 新浜町干潟 白石・蓑島・長井干潟 インパクト・レスポンスフロー 表 4.5-11 社会的要素、経済的要素からの評価 複数案 漁業活動 A 案(松山地区水面貯木場) ・共同漁業権の除外区域 ・直近に区画漁業権も存在せず ➡漁業への影響が小さい(○) 社会的要素 B 案(新松山地区沖合) C 案(南港地区沖合) ・共同漁業権内 ・区画漁業権(かき養殖)の一部が 消失 ➡漁業への影響が懸念(△) ・共同漁業権内 ・区画漁業権(かき養殖)が前面に 存在 ➡漁業への影響が懸念(△) 利便性 ・既存の埋立地に隣接し、既存道路から陸上アクセスが可能 安全性 ・苅田港本航路に隣接するが直接影響はない ・苅田港本航路・南航路に隣接するが直接影響はない 概算工事費率 (護岸工事) 1 (○) 6(A 案に対する比率) (△) 6(A 案に対する比率) (△) 工事期間比率 (護岸工事) 1 (○) 2(A 案に対する比率) (△) 2(A 案に対する比率) (△) 経済的要素 4-168 評価結果 備考) ・漁業活動 :影響小 ・利便性 :影響小 ・安全性 :影響小 ➡社会面に対する影響は、B 案、C 案 に比べて最も小さい(○) ・概算工事費率:小さい ・工事期間比率:短い ➡経済面は、B 案、C 案に比べて最も 優位(○) ○:別案に比べて影響は低減される △:別案に比べて影響は大きい ・漁業活動 :影響懸念 ・漁業活動 :影響懸念 ・利便性 :影響小 ・利便性 :影響小 ・安全性 :影響小 ・安全性 :影響小 ➡社会面に対する影響は、A 案に比べ ➡社会面に対する影響は、A 案に比べ て大きい(△) て大きい(△) ・概算工事費率:大きい ・概算工事費率:大きい ・工事期間比率:長い ・工事期間比率:長い ➡経済面は、A 案に比べて劣る(△) ➡経済面は、A 案に比べて劣る(△) 4.5.2 環境影響評価の手続き 本事業に係る配慮書は、「4.1 複数案の設定」に示すとおり「福岡県条例」に基づ き、実施した。 今後、方法書以降の手続きは、本事業の埋立面積が約 45ha であることから、「環境 影響評価法」(平成 9 年 6 月 13 日法律第 81 号 最終改正:平成 26 年 6 月 4 日法律第 51 号)に規定されている第二種事業(40ha 以上)に該当するため、 環境影響評価法に 基づき実施するものとする。 4-169 第5章 環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法 5.1 環境影響評価の項目の選定 5.1.1 環境影響評価の項目 本事業に係る環境影響評価の項目は、 「公有水面の埋立て又は干拓の事業に係る環境 影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法 を選定するための指針、環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令」 (平成 10 年農林水産省・運輸省・建設省令第 1 号)(以下、「主務省令」という)に示された 参考項目を参考にして、事業特性及び地域特性を踏まえて選定した。 また、 「福岡県環境影響評価条例」(平成 10 年条例第 39 号)第 7 条第 1 項の規定に 基づく「福岡県環境影響評価技術指針」 (平成 21 年告示第 1100 号) (以下、 「福岡県指 針」という)に示された参考項目も踏まえて選定した。 本事業における環境影響評価項目は、表 5.1-1 に示すとおりである。 5-1 表 5.1-1 環境影響評価項目の選定結果 要 素 の 区 因 の 区 分 工事の実施 分 硫黄酸化物 ○ 窒素酸化物 ○ 浮遊粒子状物質 ○ 土地又は工 作物の存在 埋立地の存在 境 要 埋立ての工事 環 響 護岸の工事 影 大気質 粉じん等 大気環境 ○ 建設作業騒音 騒音 道路交通騒音 ○ 建設作業振動 ○ 道路交通振動 ○ 振動 環境の自然的構成 要素の良好な状態 の保持を旨として 調査、予測及び評 価されるべき環境 要素 悪臭 悪臭 水質 水の汚れ(COD、T-N、T-P、 DO、クロロフィル a) 土砂による水の濁り 水環境 土壌に係る環境 その他の環境 ○ 底質 底質 地下水 地下水の水位 地形及び地質 重要な地形及び地質 地盤 地盤沈下 土壌 土壌汚染 その他 日照阻害 重要な種及び注目すべ 生物の多様性の確 動物 き生息地 保及び自然環境の 体系的保全を旨と 植物 重要な種及び群落 して調査、予測及 び評価されるべき 生態系 地域を特徴づける生態系 環境要素 主要な眺望点及び景観 人と自然との豊か 資源並びに主要な眺望 なふれあいの確保 景観 景観 を旨として調査、 予測及び評価され 主要な人と自然との触 人と自然との触れ合いの活動の場 るべき環境要素 れ合いの活動の場 環境への負荷の量 廃棄物等 建設工事に伴う副産物 の程度により予測 及び評価されるべ 温室効果ガス等 二酸化炭素 き環境要素 一般環境中の放射 放射線の量 放射線の量 性物質 注 1)表中の網掛けは、主務省令による参考項目を示す。 注 2) 「○」は、環境影響評価項目として選定したものを示す。 5-2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 5.1.2 環境影響評価の項目の選定理由 環境影響評価の項目の選定理由・非選定にあたっての理由は、表 5.1-2 に示すとお りである。 表 5.1-2(1) 環境影響評価項目の選定及び非選定の理由 環境要素の区分 硫黄酸化物 影響要因の区分 護岸の工事 埋立ての工事 選定 ○ 埋立地の存在 窒素酸化物 護岸の工事 埋立ての工事 ○ 大気質 埋立地の存在 浮遊粒子状物質 護岸の工事 埋立ての工事 ○ 埋立地の存在 護岸の工事 粉じん等 埋立ての工事 埋立地の存在 建設作業騒音 護岸の工事 埋立ての工事 ○ 騒音 埋立地の存在 護岸の工事 ○ 道路交通騒音 埋立ての工事 埋立地の存在 選定した理由または選定しなかった理由 護岸の工事及び埋立ての工事に伴う建設機械 又は工事用船舶の稼働による硫黄酸化物の排出 が考えられ、事業実施区域周囲の環境に影響を及 ぼすおそれがあることから、選定する。 埋立地の存在による硫黄酸化物の発生は想定 されないことから、選定しない。 護岸の工事及び埋立ての工事に伴う建設機械 又は工事用船舶の稼働並びに護岸の工事に伴う コンクリートブロック等製作ヤードに資材等を 搬出入する車両(以下、「製作ヤード関連車両」 という)の走行による窒素酸化物の排出が考えら れ、事業実施区域周囲の環境に影響を及ぼすおそ れがあることから、選定する。 埋立地の存在による窒素酸化物の発生は想定 されないことから、選定しない。 護岸の工事及び埋立ての工事に伴う建設機械 又は工事用船舶の稼働並びに護岸の工事に伴う 製作ヤード関連車両の走行による浮遊粒子状物 質の排出が考えられ、事業実施区域周囲の環境に 影響を及ぼすおそれがあることから、選定する。 埋立地の存在による浮遊粒子物質の発生は想 定されないことから、選定しない。 護岸の工事では、粉じん等が発生する行為(掘 削・整地等の土砂を扱う作業)はないため、選定 しない。 埋立ての工事では、粉じん等が発生する行為 (掘削・整地等の土砂を扱う作業)はないため、 選定しない。 埋立地の存在による粉じんの発生は想定され ないことから、選定しない。 護岸の工事及び埋立ての工事に伴う事業実施 区域での建設機械又は工事用船舶の稼働並びに 護岸の工事に伴う製作ヤードでの建設機械の稼 働による建設作業騒音が、事業実施区域周囲の環 境に影響が及ぼすおそれがあることから、選定す る。 埋立地の存在による建設機械等の稼動は想定 されないことから、選定しない。 護岸の工事に伴う製作ヤード関連車両の走行 による道路交通騒音が、事業実施区域周囲の環境 に影響を及ぼすおそれがあることから、選定す る。 埋立ての工事では道路交通騒音を発生する行 為(工事用車両の走行)はないため、選定しない。 埋立地の存在による道路交通騒音を発生する 行為は想定されないことから、選定しない。 注) 「○」は環境影響評価項目として選定したものを示す。 5-3 表 5.1-2(2) 環境影響評価項目の選定及び非選定の理由 環境要素の区分 影響要因の区分 護岸の工事 選定 ○ 建設作業振動 埋立ての工事 振動 埋立地の存在 護岸の工事 ○ 道路交通振動 埋立ての工事 埋立地の存在 護岸の工事 悪臭 悪臭 埋立ての工事 埋立地の存在 護岸の工事 水質 水の汚れ (COD、T-N、T-P、 DO、クロロフィ ル a) 土砂による 水の濁り 埋立ての工事 ○ 埋立地の存在 ○ 護岸の工事 埋立ての工事 ○ 埋立地の存在 選定した理由または選定しなかった理由 護岸の工事に伴う製作ヤードでの建設機械の 稼働による建設作業振動が、事業実施区域周囲の 環境に影響を及ぼすおそれがあることから、選定 する。 事業実施区域と事業実施区域に最も近い住居 とは約 1.1km 離れており、埋立ての工事による建 設作業振動の影響はほとんどないものと考えら れることから、選定しない。 埋立地の存在による建設機械等の稼動は想定 されないことから、選定しない。 護岸の工事に伴う製作ヤード関連車両の走行 による道路交通振動が、事業実施区域周囲の環境 に影響を及ぼすおそれがあることから、選定す る。 埋立ての工事では道路交通振動を発生する行 為(工事用車両の走行)はないため、選定しない。 埋立地の存在による道路交通振動を発生する 行為は想定されないことから、選定しない。 護岸工事による悪臭の影響は想定されないこ とから、選定しない。 埋立ての工事では、廃棄物の埋立て等の悪臭を 発生する行為はなく、かつ、事業実施区域に最も 近い住居とは約 1.1km 離れており、本事業による 悪臭の影響はほとんどないものと考えられるこ とから、選定しない。 埋立地の存在による悪臭の発生は想定されな いことから、選定しない。 護岸の工事では、事業実施区域周囲の海域の化 学的酸素要求量(COD) 、全窒素(T-N) 、全燐(T-P) の濃度分布に影響を及ぼす行為(汚水の排水等) はないため、選定しない。 埋立ての工事に伴う余水排水の放流が、事業実 施区域周囲の海域の化学的酸素要求量(COD)、全 窒素(T-N)、全燐(T-P)、溶存酸素量(DO)、の 濃度分布に影響を及ぼすおそれがあることから、 選定する。 また、動物、植物等の予測に用いるためクロロ フィル a についてもあわせて予測を行う。 埋立地の存在に伴う海水の流れの変化により、 事業実施区域周囲の海域の化学的酸素要求量 (COD)、全窒素(T-N) 、全燐(T-P) 、溶存酸素量 (DO)の濃度分布に影響が及ぶおそれがあること から、選定する。 また、動物、植物等の予測に用いるため、海水 の流れ、クロロフィル a についてもあわせて予測 を行う。 護岸の工事に伴う濁りの発生及び埋立ての工 事に伴う余水排水の放流が、事業実施区域周囲の 海域の濁り(SS)に影響を及ぼすおそれがあるこ とから、選定する。 埋立地の存在による水の濁りを発生する行為 は想定されないことから、選定しない。 注) 「○」は環境影響評価項目として選定したものを示す。 5-4 表 5.1-2(3) 環境影響評価項目の選定及び非選定の理由 環境要素の区分 影響要因の区分 選定 選定した理由または選定しなかった理由 底質 護岸の工事及び埋立ての工事では、底質に影響 を及ぼす行為(地盤改良のための薬液注入等)は 護岸の工事 なく、水底土砂の判定基準に満足する土砂を埋立 埋立ての工事 てる計画としており、本事業による影響はないも 底質 のと考えられることから、選定しない。 埋立地の存在による底質への影響は想定され 埋立地の存在 ないことから、選定しない。 護岸の工事及び埋立ての工事では、地下水の水 護岸の工事 位に影響を及ぼす行為(陸域の掘削工事等)はな 埋立ての工事 く、本事業による影響はないものと考えられるこ 地下水の水位 とから、選定しない。 埋立地の存在による地下水の水位に影響を及 埋立地の存在 ぼす行為は想定されないことから、選定しない。 護岸の工事及び埋立ての工事による重要な地 護岸の工事 形及び地質への影響は想定されないことから、選 埋立ての工事 定しない。 重要な地形及び 地質 埋立地の存在に伴う潮流及び波浪の変化によ ○ り、事業実施区域周囲の重要な地形及び地質に影 埋立地の存在 響が及ぶおそれがあることから、選定する。 護岸の工事及び埋立ての工事では、地盤沈下を もたらす行為(陸域の掘削工事等)はなく、本事 護岸の工事 業による影響はないものと考えられることから、 埋立ての工事 地盤沈下 選定しない。 埋立地の存在による地盤沈下は想定されない 埋立地の存在 ことから、選定しない。 護岸の工事及び埋立ての工事では、土壌汚染の 原因となる物質を取り扱うことなく、本事業によ 護岸の工事 る影響はないものと考えられることから、選定し 埋立ての工事 ない。 土壌汚染 埋立地では、土壌汚染をもたらす廃棄物等の受 埋立地の存在 け入れを想定しておらず、本事業による影響はな いものと考えられることから、選定しない。 護岸の工事及び埋立ての工事では、日照阻害を もたらす構造物等の設置がなく、事業実施区域に 護岸の工事 最も近い住居とは約 1.1km 離れており、本事業に 埋立ての工事 よる日照阻害の影響はないものと考えられるこ とから、選定しない。 日照阻害 埋立地の存在による日照阻害をもたらす構造 物等の設置がなく、事業実施区域に最も近い住居 とは約 1.1km 離れており、本事業による日照阻害 埋立地の存在 の影響はないものと考えられることから、選定し ない。 注) 「○」は環境影響評価項目として選定したものを示す。 地下水 地形及び地質 地盤 土壌 その他 5-5 表 5.1-2(4) 環境影響評価項目の選定及び非選定の理由 環境要素の区分 影響要因の区分 選定 動物 植物 生態系 護岸の工事 埋立ての工事 ○ 埋立地の存在 ○ 護岸の工事 埋立ての工事 ○ 埋立地の存在 ○ 護岸の工事 埋立ての工事 ○ 埋立地の存在 ○ 重要な種及び注 目すべき生息地 重要な種及び群 落 地域を特徴づけ る生態系 景観 主要な眺望点及 び景観資源並び に主要な眺望景 観 人と自然との触れ合いの活動 の場 主要な人と自然 との触れ合いの 活動の場 廃棄物等 建設工事に伴う 副産物 護岸の工事 埋立ての工事 埋立地の存在 ○ 護岸の工事 埋立ての工事 ○ 埋立地の存在 ○ 護岸の工事 ○ 埋立ての工事 埋立地の存在 選定した理由または選定しなかった理由 護岸の工事及び埋立ての工事に伴う建設作業 騒音、護岸の工事に伴う濁りの発生並びに埋立て の工事に伴う余水排水の放流が、事業実施区域周 囲の動物の重要な種及び注目すべき生息地に影 響を及ぼすおそれがあることから、選定する。 埋立地の存在並びに埋立地の存在に伴う潮流、 水質並びに地形及び地質の変化が、事業実施区域 周囲の動物の重要な種及び注目すべき生息地に 影響を及ぼすおそれがあることから、選定する。 護岸の工事に伴う濁りの発生及び埋立ての工 事に伴う余水排水の放流が、事業実施区域周囲の 植物の重要な種及び群落に影響を及ぼすおそれ があることから、選定する。 埋立地の存在並びに埋立地の存在に伴う潮流、 水質並びに地形及び地質の変化が、事業実施区域 周囲の植物の重要な種及び群落に影響を及ぼす おそれがあることから、選定する。 護岸の工事及び埋立ての工事に伴う建設作業 騒音、護岸の工事に伴う濁りの発生並びに埋立て の工事に伴う余水排水の放流が、事業実施区域周 囲の地域を特徴づける生態系に影響を及ぼすお それがあることから、選定する。 埋立地の存在並びに埋立地の存在に伴う潮流、 水質並びに地形及び地質の変化が、事業実施区域 周囲の地域を特徴づける生態系に影響を及ぼす おそれがあることから、選定する。 護岸の工事及び埋立ての工事による主要な眺 望点及び景観資源並びに主要な眺望景観への影 響は想定されないことから、選定しない。 (景観の予測は、眺望景観の変化が最大となる 「埋立地の存在」を対象とする。 ) 埋立地の存在が、事業実施区域周囲の主要な眺 望点及び景観資源並びに主要な眺望景観に影響 を及ぼすおそれがあることから、選定する。 護岸の工事及び埋立ての工事に伴う建設作業 騒音、護岸の工事に伴う濁りの発生並びに埋立て の工事に伴う余水排水の放流等が、事業実施区域 周囲の主要な人と自然との触れ合いの活動の場 に影響を及ぼすおそれがあることから、選定す る。 埋立地の存在並びに埋立地の存在に伴う潮流、 水質及び景観の変化が、事業実施区域周囲の主要 な人と自然との触れ合いの活動の場に影響を及 ぼすおそれがあることから、選定する。 護岸の工事に伴い、建設副産物の発生が考えら れることから、選定する。 埋立ての工事では、建設副産物の発生はないた め、選定しない。 埋立地の存在による建設副産物の発生はない ため、選定しない。 注) 「○」は環境影響評価項目として選定したものを示す。 5-6 表 5.1-2(5) 環境影響評価項目の選定及び非選定の理由 環境要素の区分 影響要因の区分 選定 選定した理由または選定しなかった理由 温室効果 ガス等 護岸の工事及び埋立ての工事では、二酸化炭素 を大量に排出する行為はないことから、選定しな い。 二酸化炭素 埋立地の存在による二酸化炭素を大量に排出 埋立地の存在 する行為はないことから、選定しない。 事業実施区域における護岸の工事及び埋立の 護岸の工事 工事に伴い、放射性物質が相当程度拡散・流出す 埋立ての工事 るおそれが想定されないことから、選定しない。 放射線の量 埋立地の存在により、粉じん、土砂による水の 濁り及び建設副産物は発生しないことから、放射 埋立地の存在 性物質が相当程度拡散・流出するおそれが想定さ れないことから、選定しない。 注) 「○」は環境影響評価項目として選定したものを示す。 護岸の工事 埋立ての工事 放射性物質 5-7 5.2 調査及び予測の手法 本事業に係る環境影響評価項目ごとの調査及び予測の手法は、 「主務省令」 、 「福岡県指針」 に定められている参考手法を参考にして、事業特性及び地域特性を踏まえて選定した。 また、予測にあたっては、県知事意見に示される「計画中の新門司沖土砂処分場(Ⅱ 期)との複合的な影響」について、 『工事の実施』、 『埋立地の存在』における各環境要素 について、下記の観点で検討を行うこととする。 【工事の実施の影響】 ・各事業の影響が最大となる時期の予測結果(水質等)を対比して、複合的な影響の有無 を判断し、両事業による複合的影響が考えられる場合には、さらに具体的な予測の必要 性について検討する。 【埋立地の存在の影響】 ・新門司土砂処分場(Ⅱ期)の埋立地が存在する状態での予測(水質、地形及び地質)を 行う。 5.2.1 大気質 大気質(硫黄酸化物、窒素酸化物、浮遊粒子状物質)に係る調査及び予測の手法を 表 5.2-1∼表 5.2-3、調査地点等の位置を図 5.2-1 に示す。 表 5.2-1(1) 調査及び予測の手法(大気質:硫黄酸化物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 大気質 工事の実施 (建設機械又は 工事用船舶の稼 働による影響) 硫黄酸 化物 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 調査の基本 的な手法 調査地域 (1) 気象の状況 ①風向:年間風向出現割合(16 方位、出現頻度%) ②風速:年間風速出現割合(16 方位、m/s) ③日射量:時刻別日射量(MJ/m2) ④雲量:時刻別雲量 (2) 大気環境の状況 ①二酸化硫黄の状況:年平均値 日平均値の 2%除外値(ppm) 【選定理由】 「予測の基本的な手法」に示す大気拡散式で用 いるパラメータを設定するため、風向、風速、日 射量及び雲量の状況を把握する。 バックグラウンド濃度として現況の二酸化硫黄 濃度を把握する。 (1) 気象の状況 [文献その他の資料調査] 風向、風速、日射量及び雲量の情報の収集並び に当該情報の整理及び解析 (2) 大気環境の状況 [文献その他の資料調査] 「ふくおかの大気環境」 (福岡県)等による情報 の収集並びに当該情報の整理及び解析 【選定理由】 事業実施区域周辺地域においては、行政機関に よる大気質に係る必要な調査が実施されている。 事業実施区域及び近隣住居地区周辺を包含する南 北約 6km、東西約 6km の範囲(図 5.2-1(1)参照) 【選定理由】 同種事業の環境影響評価における予測結果を参 考として、工事による影響が及ぶおそれがあると想 定される地域を包含する範囲を調査地域とした。 5-8 表 5.2-1(2) 調査及び予測の手法(大気質:硫黄酸化物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 大気質 硫黄酸 工事の実施 化物 (建設機械又は 工事用船舶の稼 働による影響) 調査及び予測の方法 調査地点 調査期間等 予測の基本 的な手法 予測地域 予測地点 予測対象時 期等 (1) 気象の状況 [文献その他の資料調査] ①風向、風速 事業実施区域周辺 1 地点(苅田測定局) (図 5.2-1(1)参照) ②日射量、雲量 事業実施区域周辺 1 地点(下関地方気象台) (図 5.2-1(1)参照) (2) 大気環境の状況 [文献その他の資料調査] 事業実施区域周辺 1 地点(苅田測定局)(図 5.2-1(1)参照) 【選定理由】 風向、風速、大気環境の状況の調査地点は、行 政機関が測定を実施している測定局のうち、事業 実施区域に近い測定局とする。 日射量、雲量の調査地点は、調査地域内に測定 局がないが、調査地域の日射量及び雲量の状況と の間に大きな差異はないと考えられる調査地域に 近接する測定局とする。 (1) 気象の状況 [文献その他の資料調査] ①調査対象期間:直近 11 年間 ②調査時期:通年 ③調査時間帯:24 時間 (2) 大気環境の状況 [文献その他の資料調査] ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査時期:毎月 【選定理由】 気象の状況は、予測に必要な精度を有する情報 を得るとともに、 「窒素酸化物総量規制マニュアル [新版] 」 (公害対策研究センター 平成 12 年 12 月)に示される異常年検定を行うため、調査期間 を 11 年間とする。 また、二酸化硫黄は、調査地域における二酸化 硫黄濃度の長期的な変動を把握するため、10 年間 分の情報を収集する。 プルーム式及びパフ式による大気拡散計算 【選定理由】 この予測手法は、 「窒素酸化物総量規制マニュア ル[新版]」(公害対策研究センター 平成 12 年 12 月)に示されている手法であり、過去の環境影 響評価事例でも多く用いられている。 事業実施区域及び近隣住居地区周辺を包含する南 北約 6km、東西約 6km の範囲(図 5.2-1(1)参照) 【選定理由】 「調査地域」の選定理由と同じである。 事業実施区域及びコンクリートブロック等製作ヤ ード周辺2地点(1、2) (図 5.2-1(2)参照) 【選定理由】 事業実施区域至近住居への影響の程度を的確に 把握するため、事業実施区域及びコンクリートブロ ック等製作ヤードに最も近い住居地区に設定した。 工事工程より推測される、建設機械又は工事用船 舶の稼働に伴う硫黄酸化物に係る環境影響が最大と なる一年間 5-9 表 5.2-2(1) 調査及び予測の手法(大気質:窒素酸化物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 大気質 窒素酸 工事の実施 化物 (建設機械又は 工事用船舶の稼 働による影響) 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 調査の基本 的な手法 工事の実施 (製作ヤード関 連車両の走行に よる影響) (1) 気象の状況 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 (2) 大気環境の状況 ①二酸化窒素の状況:年平均値 日平均値の年間 98%値 (ppm) ②窒素酸化物の状況:年平均値(ppm) 【選定理由】 バックグラウンド濃度として現況の二酸化窒素 濃度を把握する。 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 調査地域 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 調査地点 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 調査期間等 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 予測の基本 的な手法 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 予測地域 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 予測地点 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 予測対象時 期等 工事工程より推測される、建設機械又は工事用船 舶の稼働に伴う窒素酸化物に係る環境影響が最大と なる一年間 (1) 気象の状況 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(建設機械 又は工事用船舶の稼働による影響) 」の「調査すべ き情報 (1)気象の状況」と同じとする。 (2) 大気環境の状況 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(建設機械 又は工事用船舶の稼働による影響) 」の「調査すべ き情報 (2)大気環境の状況」と同じとする。 (3) 道路の状況 道路断面構造、法定速度 調査すべき 情報 【選定理由】 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(建設機械 又は工事用船舶の稼働による影響) 」の選定理由と 同じである。 5-10 表 5.2-2(2) 調査及び予測の手法(大気質:窒素酸化物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 大気質 窒素酸 工事の実施 化物 (製作ヤード関 連車両の走行に よる影響) 調査及び予測の方法 調査の基本 的な手法 (1) 気象の状況 [文献その他の資料調査] 風向、風速、日射量及び雲量の情報の収集並び に当該情報の整理及び解析 [現地調査] 風向及び風速の測定、整理及び解析 測定方法は、「地上気象観測指針」(気象庁)に よる。 (2) 大気環境の状況 [文献その他の資料調査] 「ふくおかの大気環境」 (福岡県)等による情報 の収集並びに当該情報の整理及び解析 [現地調査] 窒素酸化物の濃度の測定、整理及び解析 測定方法は、 「二酸化窒素に係る環境基準につい て」 (昭和 53 年環境庁告示第 38 号)に規定する測 定方法による。 (3) 道路の状況 [現地調査] 現地調査での目視による。 【選定理由】 文献その他の資料調査は、「大気質:硫黄酸化 物:工事の実施(建設機械又は工事用船舶の稼働 による影響) 」の選定理由と同じである。 また、予測地点における大気質の状況を把握し、 予測におけるバックグラウンド濃度を的確に設定 するため、現地調査を行う。 調査地域 調査地点 製作ヤード関連車両の走行が想定される路線の道 路端の両側 200m の範囲(図 5.2-1(2)) 【選定理由】 同種事業の環境影響評価における予測結果を参 考として、製作ヤード関連車両の走行に伴う大気 汚染物質の濃度が十分低減すると考えられる範囲 を設定した。 (1) 気象の状況 ①風向、風速 [文献その他の資料調査] 事業実施区域周辺 1 地点(苅田測定局) (図 5.2-1(2)参照) [現地調査] 製作ヤード関連車両走行路線沿道 2 地点(a、b) (図 5.2-1(2)参照) ②日射量、雲量 [文献その他の資料調査] 事業実施区域周辺 1 地点(下関地方気象台) (図 5.2-1(1)参照) 5-11 表 5.2-2(3) 調査及び予測の手法(大気質:窒素酸化物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 大気質 窒素酸 工事の実施 化物 (製作ヤード関 連車両の走行に よる影響) 調査及び予測の方法 調査地点 (2) 大気環境の状況 [文献その他の資料調査] 事業実施区域周辺 1 地点(苅田測定局) (図 5.2-1(2)参照) [現地調査] 製作ヤード関連車両走行路線沿道 2 地点(a、b) (図 5.2-1(2)参照) (3) 道路の状況 [現地調査] 製作ヤード関連車両走行路線沿道 2 地点(a、b) (図 5.2-1(2)参照) 調査期間等 【選定理由】 気象の状況の文献その他の資料調査は、「大気 質:窒素酸化物:工事の実施(建設機械又は工事 用船舶の稼働による影響) 」の選定理由と同じであ る。 現地調査は、調査地域内に含まれ、製作ヤード 関連車両の走行路線沿道の地点を選定した。 (1) 気象の状況 [文献その他の資料調査] ①調査対象期間:直近 11 年間 ②調査時期:通年 ③調査時間帯:24 時間 [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:4 回(春季、夏季、秋季、冬季) (各 1 週間) ③調査時間帯:24 時間 (2) 大気環境の状況 [文献その他の資料調査] ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査時期:毎月 [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:4 回(春季、夏季、秋季、冬季) (各 1 週間) ③調査時間帯:24 時間 (3) 道路の状況 [現地調査] 大気環境の状況の初回調査時に実施する。 【選定理由】 気象の状況の文献その他の資料調査は、「大気 質:窒素酸化物:工事の実施(建設機械又は工事 用船舶の稼働による影響) 」の選定理由と同じであ る。 現地調査については、大気汚染物質の発生状況、 気象状況に応じた季節変動を考慮し、各季節の状 況を把握するための四季調査を行う。 5-12 表 5.2-2(4) 調査及び予測の手法(大気質:窒素酸化物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 大気質 工事の実施 (製作ヤード関 連車両の走行に よる影響) 窒素酸 化物 調査及び予測の方法 予測の基本 的な手法 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響) 」の「予測の基本的 な手法」と同じとする。 【選定理由】 気象の状況の文献その他の資料調査は、「大気 質:窒素酸化物:工事の実施(建設機械又は工事 用船舶の稼働による影響) 」の選定理由と同じであ る。 製作ヤード関連車両の走行が想定される路線の道 路端の両側200mの範囲(図 5.2-1(2)) 予測地域 【選定理由】 「調査地域」の選定理由と同じである。 製作ヤード関連車両走行路線沿道2地点(a、b) (図 5.2-1(2)参照) 予測地点 予測対象時 期等 【選定理由】 製作ヤード関連車両走行路線沿道への影響の程 度を的確に把握するため、影響が大きくなるおそ れがあると想定される上記の地点を選定した。 製作ヤード関連車両の走行に伴う窒素酸化物に係 る環境影響が最大となる一年間とする。 5-13 表 5.2-3(1) 調査及び予測の手法(大気質:浮遊粒子状物質) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 大気質 浮遊粒 工事の実施 子状物 (建設機械又は 工事用船舶の稼 質 働による影響) 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 調査の基本 的な手法 調査地域 調査地点 調査期間等 予測の基本 的な手法 予測地域 予測地点 予測対象時 期等 工事の実施 (製作ヤード関 連車両の走行に よる影響) 調査すべき 情報 (1) 気象の状況 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 (2) 大気環境の状況 浮遊粒子状物質の状況:年平均値、日平均値の 2%除外値(mg/m3) 【選定理由】 バックグラウンド濃度として現況の浮遊粒子状 物質濃度を把握する。 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 「大気質:硫黄酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響)」と同じとする。 工事工程より推測される、建設機械又は工事用船 舶の稼働に伴う浮遊粒子状物質に係る環境影響が最 大となる一年間 (1) 気象の状況 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(建設機械又 は工事用船舶の稼働による影響) 」と同じとする。 (2) 大気環境の状況 「大気質:浮遊粒子状物質:工事の実施(建設機械 又は工事用船舶の稼働による影響) 」と同じとする。 調査の基本 的な手法 (3)道路の状況 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(製作ヤー ド関連車両の走行による影響) 」と同じとする。 (1) 気象の状況 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(製作ヤー ド関連車両の走行による影響) 」と同じとする。 (2) 大気環境の状況 [現地調査] 浮遊粒子状物質の濃度の測定、整理及び解析 測定方法は、 「大気の汚染に係る環境基準につい て」 (昭和 48 年環境庁告示第 25 号)に規定する測 定方法による。 (3) 道路の状況 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(製作ヤード 関連車両の走行による影響) 」と同じとする。 【選定理由】 予測地点における大気質の状況を把握し、予測 におけるバックグラウンド濃度を的確に設定する ため、現地調査を行う。 5-14 表 5.2-3(2) 調査及び予測の手法(大気質:浮遊粒子状物質) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 大気質 工事の実施 (製作ヤード関 連車両の走行に よる影響) 浮遊粒 子状物 質 調査及び予測の方法 調査地域 調査地点 調査期間等 予測の基本 的な手法 予測地域 予測地点 予測対象時 期等 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(製作ヤード 関連車両の走行による影響) 」と同じとする。 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(製作ヤード 関連車両の走行による影響) 」と同じとする。 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(製作ヤード 関連車両の走行による影響) 」と同じとする。 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(製作ヤード 関連車両の走行による影響) 」と同じとする。 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(製作ヤード 関連車両の走行による影響) 」と同じとする。 「大気質:窒素酸化物:工事の実施(製作ヤード 関連車両の走行による影響) 」と同じとする。 製作ヤード関連車両の走行に伴う浮遊粒子状物質 に係る環境影響が最大となる一年間 5-15 図 5.2-1(1) 大気質に係る調査地点等 5-16 図 5.2-1(2) 大気質に係る調査地点等(事業実施区域周辺) 5-17 5.2.2 騒音 騒音(建設作業騒音、道路交通騒音)に係る調査及び予測の手法を表 5.2-4∼表 5.2-5、調査地点等の位置を図 5.2-2 に示す。 表 5.2-4(1) 調査及び予測の手法(騒音:建設作業騒音) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 騒音 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 建設作 業騒音 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 (1) 騒音の状況 騒音レベル(dB) (2) 地表面の状況 地表面の種類 調査の基本 的な手法 【選定理由】 現況の騒音レベルと予測に用いるパラメータを 把握する。 (1) 騒音の状況 [現地調査] 騒音の測定、整理及び解析 測定方法は、「騒音に係る環境基準」(平成 10 年環境庁告示 64 号)に規定する測定方法(JIS Z 8731)による。 (2) 地表面の状況 [現地調査] 現地調査での目視 調査地域 調査地点 【選定理由】 事業実施区域周辺における現況の騒音レベルを 把握できる方法とする。 事業実施区域及び近隣住居地区周辺を包含する南 北約 6km、東西約 6km の範囲(図 5.2-2 参照) 【選定理由】 同種事業の環境影響評価における予測結果を参 考として、工事による影響が及ぶおそれがあると 想定される地域を包含する範囲を調査地域とし た。 (1) 騒音の状況 [現地調査] 事業実施区域及びコンクリートブロック等製作 ヤード周辺 2 地点(1、2) (図 5.2-2 参照) (2) 地表面の状況 [現地調査] 事業実施区域及びコンクリートブロック等製作 ヤード周辺 2 地点(1、2) (図 5.2-2 参照) 【選定理由】 事業実施区域に最も近接する住居地区及びコン クリートブロック等製作ヤードに近接する住居地 区を選定した。 5-18 表 5.2-4(2) 調査及び予測の手法(騒音:建設作業騒音) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 騒音 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 建設作 業騒音 調査及び予測の方法 調査期間等 (1) 騒音の状況 [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:1 回 ③調査時間帯:24 時間 (2) 地表面の状況 [現地調査] 1 回(調査時期は任意の時期) 予測の基本 的な手法 【選定理由】 年間の平均的な騒音の状況を把握するため、虫 の鳴き声等の影響が少ない時期の平日に調査を行 う。 音の伝搬理論に基づく予測式((社)日本音響学会 の ASJ CN-Model 2007)による予測 予測地域 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価事例でも 多く用いられており、実績がある。 南北約6km、東西約6kmの区域(図 5.2-2参照) 【選定理由】 「調査地域」の選定理由と同じである。 事業実施区域及びコンクリートブロック等製作ヤ ード周辺(1、2) (図 5.2-2参照) コンクリートブロック等製作ヤードの敷地境界線 (3、4) (図 5.2-2参照) 事業実施区域の境界 予測地点 予測対象時 期等 【選定理由】 事業実施区域至近住居への影響の程度を的確に 把握するため、事業実施区域及びコンクリートブロ ック等製作ヤードに最も近い住居地区に設定した。 また、コンクリートブロック等製作ヤードの敷 地境界線及び事業実施区域の境界を予測地点とし て選定した。 工事による建設作業騒音に係る環境影響が最大と なる時期とする。 5-19 表 5.2-5(1) 調査及び予測の手法(騒音:道路交通騒音) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 騒音 工事の実施 (護岸の工事) 道路交 通騒音 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 (1) 騒音の状況 騒音レベル(dB) (2) 沿道の状況 ①道路の状況 (交通量、道路断面構造、法定速度、車速) ②地表面の種類 調査の基本 的な手法 【選定理由】 現況の騒音レベルと予測に用いるパラメータを 把握する。 (1) 騒音の状況 [現地調査] 騒音の測定、整理及び解析 測定方法は、「騒音に係る環境基準」(平成 10 年環境庁告示 64 号)に規定する測定方法(JIS Z 8731)による。 (2) 沿道の状況 [現地調査] 現地調査での目視 【選定理由】 事業実施区域周辺における現況の騒音レベルを 把握できる方法とする。 製作ヤード関連車両の走行が想定される路線の道 路端の両側100mの範囲(図 5.2-2参照) 調査地域 【選定理由】 同種事業の環境影響評価における予測結果を参考 として、製作ヤード関連車両の走行に伴う道路交通 騒音が十分減衰すると考えられる範囲を設定した。 (1) 騒音の状況 [現地調査] 製作ヤード関連車両走行路線沿道 2 地点(a、b) (図 5.2-2 参照) 調査地点 (2) 沿道の状況 [現地調査] 製作ヤード関連車両走行路線沿道 2 地点(a、b) (図 5.2-2 参照) 調査期間等 【選定理由】 製作ヤード関連車両の走行が集中する路線沿道に あり、周辺に保全対象が存在する場所を選定した。 (1) 騒音の状況 [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:1 回 ③調査時間帯:24 時間(騒音の環境基準の昼間・ 夜間の時間帯) (2) 沿道の状況 [現地調査] 騒音の状況の調査時 【選定理由】 年間の平均的な騒音の状況を把握するため、年間 のうち交通量の変動が少ない時期の平日とする。 5-20 表 5.2-5(2) 調査及び予測の手法(騒音:道路交通騒音) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 騒音 工事の実施 (護岸の工事) 道路交 通騒音 調査及び予測の方法 予測の基本 的な手法 音の伝搬理論に基づく予測式((社)日本音響学会 の ASJ CN-Model 2007)による予測 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価事例でも 多く用いられており、実績がある。 製作ヤード関連車両の走行が想定される路線の道 路端の両側100mの範囲(図 5.2-2参照) 予測地域 【選定理由】 同種事業の環境影響評価における予測結果を 参考として、製作ヤード関連車両の走行に伴う道 路交通騒音が十分減衰すると考えられる範囲を 設定した。 製作ヤード関連車両走行路線沿道 2 地点(a、b) (図 5.2-2 参照) 予測地点 予測対象時 期等 【選定理由】 製作ヤード関連車両走行路線沿道への影響の程 度を的確に把握するため、影響が大きくなるおそ れがあると想定される地点を選定した。 工事による道路交通騒音に係る環境影響が最大と なる時期とする。 5-21 図 5.2-2 騒音に係る調査地点等 5-22 5.2.3 振動 振動(建設作業振動、道路交通振動)に係る調査及び予測の手法を表 5.2-6∼表 5.2-7、調査地点等の位置を図 5.2-3 に示すとおりである。 表 5.2-6(1) 調査及び予測の手法(振動:建設作業振動) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 振動 工事の実施 (護岸の工事) 建設作 業振動 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 調査の基本 的な手法 (1) 地盤の状況 地盤の種別 【選定理由】 予測に用いるパラメータを把握する。 (1) 地盤の状況 [文献その他の資料調査] 「国土調査 土地分類基本調査及び土地保全基 本調査」(国土交通省国土政策局国土情報課 HP) による情報の収集並びに当該情報の整理及び解析 【選定理由】 予測に必要な精度を有する調査結果が掲載され ている。 事業実施区域周辺1地域(図 5.2-3参照) コンクリートブロック等製作ヤード及びその周囲 200mの範囲 調査地域 【選定理由】 同種事業の環境影響評価における予測結果を参 考として、工事による影響が及ぶおそれがあると 想定される地域を包含する範囲を設定した。 (1) 地盤の状況 [文献その他の資料調査] コンクリートブロック等製作ヤード (図 5.2-3 参照) 調査地点 調査期間等 【選定理由】 予測に必要なコンクリートブロック等製作ヤー ドの地盤の状況を把握する。 (1) 地盤の状況 [文献その他の資料調査] 文献その他の資料に示される調査の実施年度 5-23 表 5.2-6(2) 調査及び予測の手法(振動:建設作業振動) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 振動 工事の実施 (護岸の工事) 建設作 業振動 調査及び予測の方法 予測の基本 的な手法 予測地域 振動の伝搬理論に基づく予測式を用いた予測 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価事例でも 多く用いられており、実績がある。 事業実施区域周辺1地域(図 5.2-3参照) コンクリートブロック等製作ヤード及びその周囲 200mの範囲 【選定理由】 「調査地域」の選定理由と同じである。 コンクリートブロック等製作ヤード敷地境界2地 点(3、4) (図 5.2-3参照) 予測地点 予測対象時 期等 【選定理由】 コンクリートブロック等製作ヤードの敷地境界 線の地点を選定した。 工事による建設作業振動に係る環境影響が最大と なる時期とする。 5-24 表 5.2-7(1) 調査及び予測の手法(振動:道路交通振動) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 振動 道路交 通振動 影響要因の区分 工事の実施 (護岸の工事) 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 (1) 振動の状況 ①振動レベル(dB) ②地盤卓越振動数(Hz) (2) 沿道の状況 道路の状況(交通量、道路断面構造、法定速度) 調査の基本 的な手法 【選定理由】 現況の振動レベルと予測に用いるパラメータを 把握する。 (1) 振動の状況 [現地調査] 振動及び地盤卓越振動数の測定、整理及び解析 振動の測定方法は、 「振動規制法施行規則」 (昭 和 51 年総理府令第 58 号)に規定する測定方法 (JIS Z 8735)による。 地盤卓越振動数の測定は、1/3 オクターブバン ド周波数分析器による方法とする。 (2) 沿道の状況 [現地調査] 現地調査での目視 【選定理由】 事業実施区域周辺における現況の振動レベルと予 測に用いるパラメータを把握できる方法とする。 製作ヤード関連車両の走行が想定される路線の道 路端の両側100mの範囲(図 5.2-3参照) 調査地域 【選定理由】 同種事業の環境影響評価における予測結果を参考 として、製作ヤード関連車両の走行に伴う道路交通 振動が十分減衰すると考えられる範囲を設定した。 (1) 振動の状況 [現地調査] 製作ヤード関連車両走行路線沿道 2 地点(a、b) (図 5.2-3 参照) 調査地点 (2) 沿道の状況 [現地調査] 製作ヤード関連車両走行路線沿道 2 地点(a、b) (図 5.2-3 参照) 調査期間等 【選定理由】 製作ヤード関連車両の走行が集中する路線沿道に あり、周辺に保全対象が存在する場所を選定した。 (1) 振動の状況 [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:1 回 ③調査時間帯:24 時間(道路交通振動の要請限度 の昼間・夜間の時間帯) (2) 沿道の状況 [現地調査] 振動の状況の調査時に実施する。 【選定理由】 年間の平均的な振動の状況を把握するため、年 間のうち交通量の変動が少ない時期の平日とす る。 5-25 表 5.2-7(2) 調査及び予測の手法(振動:道路交通振動) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 振動 工事の実施 (護岸の工事) 道路交 通振動 調査及び予測の方法 予測の基本 的な手法 振動の伝搬理論に基づく予測式(振動レベルの 80%レンジの上端値を予測するための式)による予 測 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価事例でも 多く用いられており、実績がある。 製作ヤード関連車両の走行が想定される路線の道 路端の両側100mの範囲(図 5.2-3参照) 予測地域 【選定理由】 同種事業の環境影響評価における予測結果を 参考として、製作ヤード関連車両の走行に伴う道 路交通振動が十分減衰すると考えられる範囲を 設定した。 製作ヤード関連車両走行路線沿道2地点(a、b) (図 5.2-3参照) 予測地点 予測対象時 期等 【選定理由】 製作ヤード関連車両走行路線沿道への影響の程 度を的確に把握するため、影響が大きくなるおそ れがあると想定される地点を選定した。 工事による道路交通振動に係る環境影響が最大と なる時期とする。 5-26 図 5.2-3 振動に係る調査地点等 5-27 5.2.4 水質 水質(水の汚れ、土砂による水の濁り)に係る調査及び予測の手法を表 5.2-8∼表 5.2-9、調査地点等の位置を図 5.2-4 に示す。 表 5.2-8(1) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 調査及び予測の方法 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 調査すべき (埋立ての工事) 情報 水の汚 れ (1) 化学的酸素要求量・全窒素・全燐・溶存酸素量 及びクロロフィル a の状況 ①生活環境項目等 化学的酸素要求量、全窒素、全燐、溶存酸素量、 クロロフィルa、水素イオン濃度、大腸菌群数、 n-ヘキサン抽出物質(油分等)、全亜鉛、ノニ ルフェノール、直鎖アルキルベンゼンスルホン 酸及びその塩 ②健康項目等 カドミウム、全シアン、鉛、六価クロム、砒素、 総水銀、アルキル水銀、PCB、ジクロロメタン、 四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロ ロ エ チ レン 、シ ス -1,2-ジ クロ ロ エ チレ ン 、 1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエ タン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチ レン、1,3-ジクロロプロペン、チウラム、シマ ジン、チオベンカルブ、ベンゼン、セレン、硝 酸性窒素及び亜硝酸性窒素、ふっ素、ほう素、1, 4-ジオキサン (2) 水温及び塩分の状況 ①水温:各検体の水温 ②塩分:各検体の塩分 (3) 流れの状況 ①流向 ②流速 (4) 水温、塩分、濁度、クロロフィル a、溶存酸素量 の鉛直分布の状況 ①水温(水深 1m 毎) ②塩分(水深 1m 毎) ③濁度(水深 1m 毎) ④クロロフィル a(水深 1m 毎) ⑤溶存酸素量(水深 1m 毎) ⑥透明度 ⑦光量子量 (5) 栄養塩類、有機炭素等の状況 ①化学的酸素要求量 ②全窒素 ③全燐 ④溶存酸素量 ⑤アンモニア態窒素 ⑥亜硝酸態窒素 ⑦硝酸態窒素 ⑧燐酸態燐 ⑨懸濁態有機炭素 ⑩溶存態有機炭素 ⑪懸濁態有機窒素 ⑫溶存態有機窒素 ⑬懸濁態有機燐 ⑭溶存態有機燐 ⑮クロロフィル a ⑯浮遊物質量 5-28 表 5.2-8(2) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 調査及び予測の方法 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 調査すべき (埋立ての工事) 情報 水の汚 れ (6) 生産・分解速度 生産速度、分解速度 (7) 沈降速度 ①浮遊物質量、炭素、窒素、燐の沈降量 ②懸濁態有機炭素の沈降速度 ③懸濁態有機窒素/懸濁態有機炭素比 ④懸濁態有機燐/懸濁態有機炭素比 (8) 動物プランクトンの状況 動物プランクトン(種類数、個体数) (9) 底質の状況 ①酸素消費速度 ②溶出速度 アンモニア態窒素、硝酸態窒素、燐酸態燐、溶 存態有機炭素、全窒素、全燐 ③底質性状 a.粒度組成、強熱減量、硫化物、化学的酸素要 求量、含水率、全窒素、全燐 b.粒度組成、密度、強熱減量、硫化物、化学的 酸素要求量、水素イオン濃度、含水率、全窒 素、全燐、酸化還元電位、総有機態炭素 ④水底土砂判定基準項目、環境基準項目 アルキル水銀化合物、水銀又はその化合物、カ ドミウム又はその化合物、鉛又はその化合物、 有機りん化合物、六価クロム化合物、ひ素又は その化合物、シアン化合物、ポリ塩化ビフェニ ル、銅又はその化合物、亜鉛又はその化合物、 ふっ化物、トリクロロエチレン、テトラクロロ エチレン、ベリリウム又はその化合物、クロム 又はその化合物、ニッケル又はその化合物、バ ナジウム又はその化合物、ジクロロメタン、四 塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロ エチレン、シス 1,2-ジクロロエチレン、1,1,1トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、 1,3-ジクロロプロペン、チウラム、シマジン、 チオベンカルブ、ベンゼン、セレン又はその化 合物、1,4-ジオキサン、有機塩素化合物、ダイ オキシン類(溶出) 、ダイオキシン類(成分) ⑤付着珪藻現存量等 付着珪藻、クロロフィル a、フェオフィチン ⑥底泥分析 粒度組成、密度、含水比、強熱減量 (10)曽根干潟の水温・泥温の状況 ①水温 ②泥温 【選定理由】 調査地域における水質の現状を把握し、予測に 用いるパラメータを把握する。 5-29 表 5.2-8(3) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 調査及び予測の方法 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 調査の基本 (埋立ての工事) 的な手法 水の汚 れ (1) 化学的酸素要求量・全窒素・全燐・溶存酸素量 及びクロロフィル a の状況 [文献その他の資料調査] 下記資料による情報の収集並びに当該情報の整 理及び解析 ①「公共用水域及び地下水の水質測定結果」 (福岡 県、北九州市、苅田町) ②「新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空 港整備事務所) ③「広域総合水質調査(瀬戸内海) 」 (環境省) ④「瀬戸内海総合水質調査」 (国土交通省) ⑤「苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係 る環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅 田港湾事務所、福岡県苅田港務所) ⑥「福岡県水産海洋技術センター事業報告書」 (福 岡県水産海洋技術センター) ⑦「覆砂海域環境調査」 (国土交通省九州地方整備 局苅田港湾事務所) ⑧「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県苅田港務所) ⑨「行橋市による調査」 (行橋市) [現地調査] 生活環境項目、健康項目及びクロロフィル a の測 定、整理及び解析 試料の採取方法は「水質調査方法」 (昭和 46 年 9 月 30 日環水管第 30 号)に準拠し、分析方法は「水 質汚濁に係る環境基準について」 (昭和 46 年環境 庁告示第 59 号)、 「海洋観測指針」 (気象庁)及び 「日本工業規格」に規定する方法による。 (2) 水温及び塩分の状況 [文献その他の資料調査] 下記資料による情報の収集並びに当該情報の整 理及び解析 ①「公共用水域及び地下水の水質測定結果」 (福岡 県、北九州市、苅田町) ②「新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空 港整備事務所) ③「広域総合水質調査(瀬戸内海) 」 (環境省) ④「瀬戸内海総合水質調査」 (国土交通省) ⑤「苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係 る環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅 田港湾事務所、福岡県苅田港務所) ⑥「福岡県水産海洋技術センター事業報告書」 (福 岡県水産海洋技術センター) ⑦「苅田港環境調査業務委託」(福岡県苅田港務 所) ⑧「行橋市による調査」 (行橋市) [現地調査] 水温及び塩分の測定、整理及び解析 水温の測定方法は「日本工業規格」 、塩分の測定 方法は「海洋観測指針」に定める方法による。 5-30 表 5.2-8(4) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 調査及び予測の方法 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 調査の基本 (埋立ての工事) 的な手法 水の汚 れ (3) 流れの状況 [文献その他の資料調査] 下記資料等による情報の収集並びに当該情報の 整理及び解析 ①「新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空 港整備事務所)等 ②「苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係 る環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅 田港湾事務所、福岡県苅田港務所) ③「新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査」 (国土交 通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務 所) ④「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県苅田港務所) [現地調査] 測定方法は、流速計を用いる方法による。 (4) 水温、塩分、濁度、クロロフィル a、溶存酸素量 の鉛直分布の状況 [文献その他の資料調査] 下記資料による情報の収集並びに当該情報の整 理及び解析 (国土交通 ①「新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査」 省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所) (国土 ②「新門司沖土砂処分場(二期)底質調査」 交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事 務所) [現地調査] 水温、塩分、濁度、クロロフィルa、溶存酸素量 の測定は機器測定で行う方法による。 (5) 栄養塩類、有機炭素等の状況 [文献その他の資料調査] 「新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査」 (国土交 通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所) による化学的酸素要求量、全窒素、全燐、溶存酸 素量、アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態 窒素、燐酸態燐、懸濁態有機炭素、溶存態有機炭 素、懸濁態有機窒素、溶存態有機窒素、懸濁態有 機燐、溶存態有機燐、クロロフィル a、浮遊物質 量の測定、整理及び解析 [現地調査] 分析方法は、化学的酸素要求量、全窒素、全燐、 溶存酸素量及び浮遊物質量については「水質汚濁 に係る環境基準について」 (昭和 46 年環境庁告示 第 59 号)に規定する方法、クロロフィル a につい ては「海洋観測指針」 (気象庁)に定める方法、そ の他の項目については「日本工業規格」に定める 方法による。 (6) 生産・分解速度 [文献その他の資料調査] (国土交 「新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査」 通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所) による測定、整理及び解析 [現地調査] 明暗瓶法による疑似現場法による方法による。 5-31 表 5.2-8(5) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 調査及び予測の方法 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 調査の基本 (埋立ての工事) 的な手法 水の汚 れ (7) 沈降速度 [文献その他の資料調査] 「新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査」 (国土交 通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所) による測定、整理及び解析 [現地調査] セディメントトラップを 1 昼夜間設置し、撤去 時に採取するセディメントトラップ内の堆積物の 水質(浮遊物質量)及び底質を測定する方法による。 (8) 動物プランクトンの状況 [文献その他の資料調査] (国土交 「新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査」 通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所) による動物プランクトン調査、整理及び解析 [現地調査] プランクトンネットを用いた鉛直曳きにより試 料を採取し、動物プランクトンの種類、個体数の 同定・計数を行う方法による。 (9) 底質の状況 [文献その他の資料調査] ①酸素消費速度 下記資料による情報の収集並びに当該情報 の整理及び解析 ・「新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査」 (国土交通 省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所) ・「新門司沖土砂処分場(二期)底質調査」 (国土交 通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所) ②溶出速度 下記資料による情報の収集並びに当該情報 の整理及び解析 ・「新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査」 (国土交通 省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所) ・「新門司沖土砂処分場(二期)底質調査」 (国土交 通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所) ③底質性状 ○底質性状 a 主に調査海域の底質の現況を把握するため、 下記資料による情報の収集並びに当該情報の 整理及び解析 ・ 「公共用水域及び地下水の水質測定結果」 (福 岡県、北九州市、苅田町) ・「新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視 調査」(国土交通省九州地方整備局北九州港 湾・空港整備事務所) ・「瀬戸内海総合水質調査」 (国土交通省) ・「苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に 係る環境監視調査」(国土交通省九州地方整 備局苅田港湾事務所、福岡県苅田港務所) ・「福岡県水産海洋技術センター事業報告書」 (福岡県水産海洋技術センター) ・ 「覆砂海域環境調査」 (国土交通省九州地方整 備局苅田港湾事務所) ・「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県苅田港務所) 5-32 表 5.2-8(6) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 調査の基本 水質 水の汚 工事の実施 (埋立ての工事) 的な手法 れ 調査及び予測の方法 ○底質性状 b 主に水質予測のパラメータを把握するため、 下記資料による情報の収集並びに当該情報の 整理及び解析 (国土 ・ 「新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査」 交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備 事務所) ・ 「新門司沖土砂処分場(二期)底質調査」 (国 土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整 備事務所) ④付着珪藻現存量等 下記資料による情報の収集並びに当該情報 の整理及び解析 ・ 「新門司沖土砂処分場(二期)底質調査」 (国 土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整 備事務所) ⑤底泥分析 下記資料による情報の収集並びに当該情報 の整理及び解析 ・ 「新門司沖土砂処分場(二期)底質調査」 (国 土交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整 備事務所) [現地調査] ①酸素消費速度 アクリルパイプを用いて試料を採取し、コア ー連続培養法により行う。 分析手法は、「日本工業規格」に定める方法 による。 ②溶出速度 アクリルパイプを用いて試料を採取し、コア ー連続培養法により行う。また、試験終了後、 間隙水の分析を行う。 溶出速度試験(アンモニア態窒素、硝酸態窒 素、燐酸態燐)の分析手法は、「日本工業規格」 に定める方法による。また、間隙水(アンモニ ア態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素、燐酸態 燐)の分析手法は、「日本工業規格」に定める 方法による。 ③底質性状b 採泥器を用いて試料を採取し、底質の分析を 行う方法による。 底質の分析方法は、粒度組成、密度について は「日本工業規格」、水素イオン濃度について は「土質試験の方法と解説」、総有機態炭素に ついては「海洋環境調査法」、その他の項目に ついては「底質調査方法」(平成24年環水大水 発1207725002号)に定める方法による。 ④水底土砂判定基準項目、環境基準項目 採泥器を用いて試料を採取し、底質の分析を 行う方法による。 底質の分析方法は、「海洋汚染及び海上災害 の防止に関する法律施行令第五条第一項に規 定する埋立場所等に排出しようとする廃棄物 に含まれる金属等の検定方法」、「ダイオキシ ン類に係る底質調査測定マニュアル」、「底質 調査方法」 (平成24年環水大水発1207725002号) に定める方法による。 5-33 表 5.2-8(7) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 調査及び予測の方法 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 調査の基本 (埋立ての工事) 的な手法 水の汚 れ ⑤付着珪藻現存量等 採泥器を用いて試料を採取する。 付着珪藻は、中性ホルマリンで固定後、種同 定、個体数測定を行う。 クロロフィルa、フェオフィチンの分析は、 「海洋観測指針」に定める方法による。 (10)曽根干潟の水温・泥温の状況 [文献その他の資料調査] 「新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査」 (国土交 通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所) による曽根干潟の水温・泥温調査、整理及び解析 温度計により水温・泥温を 15 昼夜測定する方法 による。 【選定理由】 関係法令等に定められた方法であり、調査地域 における水質の現状を把握し、予測に用いるパラ メータが把握できる手法を選定した。 調査地域 事業実施区域を包含する約 22km×約 13km の範 囲の海域(図 5.2-4 参照) 【選定理由】 同種事業の環境影響評価における予測範囲の設 定及び予測結果を参考にするとともに、事業実施区 域周辺海域の潮流・水質の状況を予測モデルで再現 するために必要な範囲を考慮して設定した。 調査地点 (1) 化学的酸素要求量・全窒素・全燐・溶存酸素量 及びクロロフィル a の状況(図 5.2-4(1)∼(6)、(10) 参照) [文献その他の資料調査] ①公共用水域及び地下水の水質測定結果 ・生活環境項目:4 地点(S3、S-1、S-2、S16) ※ノニルフェノールは 2 地点(S-1、S-2)、 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及び その塩は 1 地点(S-1)で実施 ・健康項目:4 地点(S3、S-1、S-2、S16) ※PCB は 1 地点(S-1)で実施、ふっ素、 ほう素は未実施 ・クロロフィル a:3 地点(S-1、S3、S16) ②新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 ・化学的酸素要求量、全窒素、全燐、溶存酸素 量:15 地点(1∼13、a、b) ・クロロフィル a:14 地点(1∼11、13、a、b) ・その他の生活環境項目:10 地点(2∼7、12、 13、a、b) ※その他の生活環境項目は、水素イオン濃 度、大腸菌群数、n-ヘキサン抽出物質(油 分等)、全亜鉛、ノニルフェノール、直 鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその 塩を示す。 ・健康項目:8 地点(2∼7、12、13) ③広域総合水質調査(瀬戸内海) ・化学的酸素要求量、溶存酸素量、全窒素、全 燐、クロロフィル a:3 地点(620、632、636) 5-34 表 5.2-8(8) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 調査地点 (埋立ての工事) 水の汚 れ 調査及び予測の方法 ④瀬戸内海総合水質調査 ・化学的酸素要求量、全窒素、全燐、クロロフ ィル a:1 地点(NO03) ・溶存酸素量:3 地点(NO02、NO03、NO04) ⑤苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る 環境監視調査 ・化学的酸素要求量、全窒素、全燐:7 地点(18 ∼24) ・溶存酸素量、健康項目、その他の生活環境項 目(全亜鉛、ノニルフェノール、直鎖アルキ ルベンゼンスルホン酸及びその塩を除く) :3 地点(18∼20) ⑥福岡県水産海洋技術センター事業報告書 ・化学的酸素要求量、溶存酸素量、クロロフィ ル a:5 地点(st.4∼5、11∼13) ※化学的酸素要求量は、アルカリ法 (COD-OH)による分析結果である。 ⑦覆砂海域環境調査 ・化学的酸素要求量、溶存酸素量:2 地点(B、 M3) ⑧苅田港環境調査業務委託 ・化学的酸素要求量、全窒素、全燐、溶存酸素 量、健康項目、その他の生活環境項目(全亜 鉛、ノニルフェノール、直鎖アルキルベンゼ ンスルホン酸及びその塩を除く):2 地点 (No.1、No.2) ⑨行橋市による調査 ・化学的酸素要求量、溶存酸素量、その他の生 活環境項目(全亜鉛、ノニルフェノール、直 鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩 を除く) :1 地点(苅田沖) [現地調査] ・生活環境項目、健康項目、クロロフィルa:8地 点(表層、下層) ※n-ヘキサン抽出物質(油分等)は表層のみ (2) 水温及び塩分の状況(図 5.2-4(7)、(8)、(10)参照) [文献その他の資料調査] ①公共用水域及び地下水の水質測定結果 ・塩分:4 地点 ②新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 ・水温:15 地点(1∼13、a、b) ・塩分:10 地点(2∼7、12、13、a、b) ※地点 a、b は平成 26 年度のみ ③広域総合水質調査(瀬戸内海) ・水温・塩分:3 地点(620、632、636) ④瀬戸内海総合水質調査 ・水温・塩分:3 地点(NO02、NO03、NO04) ⑤苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る 環境監視調査 ・水温:7 地点(18∼24) ・塩分:3 地点(18∼20) ⑥福岡県水産海洋技術センター事業報告書 ・水温・塩分:5 地点(st.4∼5、11∼13) 5-35 表 5.2-8(9) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 調査地点 (埋立ての工事) 水の汚 れ 調査及び予測の方法 ⑦苅田港環境調査業務委託 ・水温・塩分:2 地点(No.1、No.2) ⑧行橋市による調査 ・水温:1 地点(苅田沖) [現地調査] ・水温、塩分:8地点(表層、下層) (3) 流れの状況(図 5.2-4(11)参照) [文献その他の資料調査] ・新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査:6 地点 ・苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る 環境監視調査:3 地点 ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査:7 地点 ・苅田港環境調査業務委託:2 地点 [現地調査] 事業実施区域周辺 3 地点 (4) 水温、塩分、濁度、クロロフィルa、溶存酸素量 の鉛直分布の状況(図 5.2-4(9)、(10)参照) [文献その他の資料調査] ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査:6 地点(ア ∼カ) (鉛直方向:0.5m 間隔) ・「新門司沖土砂処分場(二期)底質調査」(国土 交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事 務所)8 地点(2、6、7、12、ア、エ、カ、キ) (鉛直方向:0.1m 間隔) [現地調査] ・水温、塩分、濁度、クロロフィルa、溶存酸素量: 2地点(鉛直方向:0.1m間隔) (5) 栄養塩類、有機炭素等の状況 (図 5.2-4(9)、(10)参照) [文献その他の資料調査] ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査:3 地点(ア、 エ、カ) (表層、下層) [現地調査] ・栄養塩、有機炭素等:2 地点 (6) 生産・分解速度(図 5.2-4(9)、(10)参照) [文献その他の資料調査] ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査:3 地点(ア、 エ、カ) (4 層) [現地調査] ・生産速度、分解速度:2 地点 (7) 沈降速度(図 5.2-4(9)、(10)参照) [文献その他の資料調査] ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査:3 地点(ア、 エ、カ) (表層、下層) [現地調査] ・沈降速度:2 地点 (8) 動物プランクトンの状況(図 5.2-4(9)、(10)参照) [文献その他の資料調査] ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査:3 地点(ア、 エ、カ) [現地調査] ・動物プランクトン:2 地点 5-36 表 5.2-8(10) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 調査地点 (埋立ての工事) 水の汚 れ 調査及び予測の方法 (9) 底質の状況(図 5.2-4(12)∼(15)参照) [文献その他の資料調査] ①酸素消費速度 ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査:3 地点(ア、 エ、カ) ・新門司沖土砂処分場(二期)底質調査:5 地点 (6、7、12、カ、キ) ②溶出速度 ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査:3 地点(ア、 エ、カ) ・新門司沖土砂処分場(二期)底質調査:5 地点 (6、7、12、カ、キ) ③底質性状 ○底質性状 a ・公共用水域及び地下水の水質測定結果 強熱減量、化学的酸素要求量、全窒素及び全 燐:1 地点(S-1) ・新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 粒度組成、強熱減量、硫化物、化学的酸素要 求量、含水率、全窒素及び全燐:18 地点(海 域:2∼7、12∼17、干潟:25∼30) ・瀬戸内海総合水質調査 強熱減量、硫化物、化学的酸素要求量、含水 率、全窒素及び全燐:1 地点(NO03) ・苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る 環境監視調査 強熱減量、硫化物、化学的酸素要求量、含水 率、全窒素及び全燐:3 地点(18∼20) ・福岡県水産海洋技術センター事業報告書 強熱減量、硫化物:2 地点(st.11、13) ・覆砂海域環境調査 粒度組成、強熱減量、硫化物、化学的酸素要 求量、全窒素及び全燐:2 地点(B、M3) ・苅田港環境調査業務委託 強熱減量、硫化物、化学的酸素要求量、含水 率、全窒素及び全燐:2 地点(No.1、No.2) ○底質性状 b ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査 粒度組成、密度、強熱減量、硫化物、化学的酸 素要求量、水素イオン濃度、含水率、全窒素及 び全燐、酸化還元電位:3 地点(ア、エ、カ) ・新門司沖土砂処分場(二期)底質調査 粒度組成、密度、強熱減量、硫化物、化学的 酸素要求量、水素イオン濃度、含水率、全窒 素及び全燐、酸化還元電位、総有機炭素:8 地点(2、6、7、12、ア、エ、カ、キ) ④付着珪藻現存量等 ・「新門司沖土砂処分場(二期)底質調査」 付着珪藻(植物プランクトン)、クロロフィ ル a、フェオフィチン:8 地点(2、6、7、12、 ア、エ、カ、キ) ⑤底泥分析 ・「新門司沖土砂処分場(二期)底質調査」 粒度組成、密度、含水比、強熱減量: 1 地点(ク) 5-37 表 5.2-8(11) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 調査及び予測の方法 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 調査地点 (埋立ての工事) 水の汚 れ [現地調査] ①酸素消費速度 ・溶存酸素量:2地点 ②溶出速度 ・溶出速度:2地点 ・間隙水:2地点 ③底質性状 ・底質性状b:6地点 ④水底土砂判定基準項目、環境基準項目:1地点 ⑤付着珪藻現存量等 ・付着珪藻、クロロフィルa、フェオフィチン: 2地点 (10)曽根干潟の水温・泥温の状況(図 5.2-4(14)参照) [文献その他の資料調査] ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査:2 地点 調査期間等 【選定理由】 事業実施区域周辺の水質の現状を把握し、予測 に用いるパラメータの把握が基本的に可能となる 地点を選定した。 (1) 化学的酸素要求量・全窒素・全燐・溶存酸素量 及びクロロフィル a の状況 [文献その他の資料調査] ・公共用水域及び地下水の水質測定結果 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 1∼12 回 ※調査項目、年度、地点によって異なる ・新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 ①調査対象期間:直近 10 年間 ※地点 a、b は平成 26 年度のみ ※地点 12 は平成 26 年度未実施 ※溶存酸素量の地点 1、8∼11、13、a、b 及 びクロロフィル a は平成 26 年度のみ ②調査頻度:年 4 回 ※平成 26 年度の溶存酸素量の地点 1、8∼ 11、13 及びクロロフィル a は年 3 回(夏 季、秋季、冬季) ・広域総合水質調査(瀬戸内海) ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 4 回 ・瀬戸内海総合水質調査 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 4 回 ・苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る 環境監視調査 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 4 回 ・福岡県水産海洋技術センター事業報告書 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 12 回 ・覆砂海域環境調査 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 2 回(夏季、冬季) ※地点 B は年 1 回(夏季) 5-38 表 5.2-8(12) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 調査及び予測の方法 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 調査期間等 (埋立ての工事) 水の汚 れ ・苅田港環境調査業務委託 ①調査対象期間:平成 23∼24 年 ②調査頻度:年 4 回 ・行橋市による調査 ①調査対象期間:平成 23∼26 年度 ②調査頻度:年 3 回(夏季、秋季、冬季) [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:4 回(春季、夏季、秋季、冬季) (2) 水温及び塩分の状況 [文献その他の資料調査] ・公共用水域及び地下水の水質測定結果 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 1∼12 回 ※年度、地点によって異なる ・新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 ①調査対象期間:直近 10 年間 ※地点 a、b は平成 26 年度のみ ※地点 12 は平成 26 年度未実施 ②調査頻度:年 4 回 ・広域総合水質調査(瀬戸内海) ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 4 回 ・瀬戸内海総合水質調査 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 4 回 ・苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る 環境監視調査 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 4 回 ・福岡県水産海洋技術センター事業報告書 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 12 回 ・苅田港環境調査業務委託 ①調査対象期間:平成 23∼24 年 ②調査頻度:年 4 回 ・行橋市による調査 ①調査対象期間:平成 23∼26 年度 ②調査頻度:年 3 回(夏季、秋季、冬季) [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:4 回(春季、夏季、秋季、冬季) (3) 流れの状況 [文献その他の資料調査] ・新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 ①調査対象期間:平成 6 年度∼平成 25 年度 ※ただし平成 6 年度は冬季のみ ②調査時期:2 回(夏季、冬季:1 昼夜) ※ただし平成 25 年度夏季は 15 昼夜 ・苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る 環境監視調査 ①調査対象期間:平成 7 年度∼平成 26 年度 ②調査時期:2 回(夏季、冬季:1 昼夜) 5-39 表 5.2-8(13) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 調査及び予測の方法 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 調査期間等 (埋立ての工事) 水の汚 れ ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査 ①調査対象期間:平成 21 年度 ②調査時期:1 回(夏季:15 昼夜) ・苅田港環境調査業務委託 ①調査対象期間:平成 23∼24 年 ②調査時期:4 回(四季:15 昼夜) [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:2 回(夏季:15 昼夜、冬季:1 昼夜) (4) 水温、塩分、濁度、クロロフィル a、溶存酸素量 の鉛直分布の状況 [文献その他の資料調査] ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査 ①調査対象期間:平成 21 年度 ②調査時期:1 回(夏季) ・新門司沖土砂処分場(二期)底質調査 ①調査対象期間:平成 26 年度 ②調査時期:3 回(夏季、秋季、冬季) [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:1 回(夏季) (5) 栄養塩類、有機炭素等の状況 [文献その他の資料調査] ①調査対象期間:平成 21 年度 ②調査時期:1 回(夏季) [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:1 回(夏季) (6) 生産・分解速度 [文献その他の資料調査] ①調査対象期間:平成 21 年度 ②調査時期:1 回(夏季) [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:1 回(夏季) (7) 沈降速度 [文献その他の資料調査] ①調査対象期間:平成 21 年度 ②調査時期:1 回(夏季) [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:1 回(夏季) (8) 動物プランクトンの状況 [文献その他の資料調査] ①調査対象期間:平成 21 年度 ②調査時期:1 回(夏季) [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:1 回(夏季) 5-40 表 5.2-8(14) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 調査及び予測の方法 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 調査期間等 工事の実施 (埋立ての工事) 水の汚 れ (9) 底質の状況 [文献その他の資料調査] ・公共用水域及び地下水の水質測定結果 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 1 回 ・新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 ①調査対象期間:直近 10 年間 ※地点(14∼16)は平成 24、26 年度、地点 (17)は平成 26 年度のみ実施、地点 12 は平成 26 年度未実施 ※粒度組成(海域)は、平成 24 年度に 3 地 点(14∼16) 、平成 25 年度に 8 地点(2 ∼7、12、13) 、平成 26 年度に 11 地点(2 ∼7、13∼17)の実施 ②調査頻度: 海域(2∼7、12∼17) :年 2 回(夏季、冬季) 干潟(25∼30) :年 4 回 ・瀬戸内海総合水質調査 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 1 回(秋季) ・苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る 環境監視調査 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 2 回(夏季、冬季) ・福岡県水産海洋技術センター事業報告書 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:年 2 回(春季、夏季) ※平成 23 年度は春季、秋季、平成 25 年度 は秋季、冬季の実施 ・新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査 ①調査対象期間:平成 21 年度 ②調査時期:1 回(夏季) ・新門司沖土砂処分場(二期)底質調査 ①調査対象期間:平成 26 年度 ②調査時期:3 回(夏季、秋季、冬季) ※底泥分析は、1 回(夏季)のみ ・覆砂海域環境調査 ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査時期:2 回(夏季、冬季) ※地点 B は 1 回(夏季)のみ ・苅田港環境調査業務委託 ①調査対象期間:平成 23∼24 年 ②調査時期:4 回 [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:1回(夏季) (10)曽根干潟の水温・泥温の状況 [文献その他の資料調査] ①調査対象期間:平成 21 年度 ②調査時期:1 回(夏季) ③調査期間:15 昼夜 5-41 表 5.2-8(15) 調査及び予測の手法(水質:水の汚れ) 環境影響評価の項目 調査及び予測の方法 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 調査期間等 工事の実施 (埋立ての工事) 水の汚 れ 予測の基本 的な手法 【選定理由】 事業実施区域周辺の水質の現況把握を行うとと もに、予測における現況再現性の検討に必要な精 度を有する情報を得られる調査期間等を設定し た。 また、水質の予測対象季節とする夏季の状況を 把握することを考慮して設定した。 (1) 流れの予測 鉛直多層モデルを用いた数値シミュレーション による予測 (2) 化学的酸素要求量・全窒素・全燐・溶存酸素量 及びクロロフィルaの予測 低次生態系モデルを用いた数値シミュレーショ ンによる予測 【選定理由】 潮流予測は、曽根干潟前面から沖合海域の潮流 の変化を予測するため、干潟域の冠水干出や鉛直 方向の流速分布を考慮した多層の流況モデルを用 いる。 また、化学的酸素要求量・全窒素・全燐及び溶 存酸素量の予測は、物質の移流・拡散に陸域から の負荷、植物プランクトンの生産・呼吸・排泄・ 枯死、非生物態有機物の分解・沈降及び底泥から の溶出・酸素消費等を考慮した低次生態系モデル を用いる。 事業実施区域を包含する約 22km×約 13km の範囲 の海域 (図 5.2-4 参照) 予測地域 予測地点 予測対象時 期等 土地又は工作物 の存在(埋立地の 存在) 調査すべき 情報 調査の基本 的な手法 調査地域 調査地点 調査期間等 予測の基本 的な手法 予測地域 予測地点 予測対象時 期等 【選定理由】 「調査地域」の選定理由と同じである。 海域の特性及び水の汚れの変化の特性を踏まえて 予測地域における水の汚れに係る環境影響を的確に 把握できる地点 埋立ての工事による水質(化学的酸素要求量・全 窒素・全燐・溶存酸素)に係る環境影響が最大とな る時期とし、季節は1年間で水質が最も悪化する夏季 を対象とする。 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 埋立ての工事が竣功した時期とし、季節について は1年間で水質が最も悪化する夏季を対象とする。 5-42 表 5.2-9(1) 調査及び予測の手法(水質:土砂による水の濁り) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 土砂に よる水 の濁り 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 (1) 浮遊物質量の状況 浮遊物質量(mg/L) (2) 水温及び塩分の状況 「水質(水の汚れ):工事の実施」の「調査すべ き情報 (2)水温及び塩分の状況」と同じとする。 (3) 流れの状況 「水質(水の汚れ):工事の実施」と同じとする。 (4) 底質の状況 底質の粒度組成(%) 調査の基本 的な手法 【選定理由】 事業実施区域周辺の海域における浮遊物質量の 現状と、工事に伴う濁りの発生原単位を設定する際 のパラメータを把握する。 (1) 浮遊物質量の状況 [文献その他の資料調査] 下記資料による情報の収集並びに当該情報の整 理及び解析 ①「新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空 港整備事務所) ②「苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係 る環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅 田港湾事務所、福岡県苅田港務所) (2) 水温及び塩分の状況 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 (3) 流れの状況 「水質(水の汚れ):工事の実施」と同じとする。 (4) 底質の状況 [文献その他の資料調査] 下記資料による情報の収集並びに当該情報の整 理及び解析 ①「新門司沖土砂処分場(二期)底質調査」 (国土 交通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事 務所) [現地調査] 採泥器を用いて試料を採取し、底質の分析を行 う方法による。 底質の分析方法は、 「日本工業規格」に定める方 法による。 調査地域 【選定理由】 関係法令等に定められた方法であり、調査地域 における水質の現状を把握し、予測に用いるパラ メータが把握できる手法を選定した。 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 5-43 表 5.2-9(2) 調査及び予測の手法(水質:土砂による水の濁り) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 水質 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 土砂に よる水 の濁り 調査及び予測の方法 調査地点 (1) 浮遊物質量の状況(図 5.2-4(16)参照) [文献その他の資料調査] ①新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査:15 地点(1∼15) ②苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る 環境監視調査:10 地点(16∼25) ※地点は年度によって異なる (2) 水温及び塩分の状況(図 5.2-4(7)、(8)、(10)参照) 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 (3) 流れの状況(図 5.2-4(11)参照) 「水質(水の汚れ):工事の実施」と同じとする。 (4) 底質の状況(図 5.2-4(14)、(15)参照) [文献その他の資料調査] ①新門司沖土砂処分場(二期)底質調査:8 地点(2、 6、7、12、ア、エ、カ、キ) [現地調査] ・底質性状 b(粒度組成) :6 地点 調査期間等 【選定理由】 浮遊物質量は、調査地域を代表する地点とし、 底質の状況は、予測のパラメータとして利用する ため、施工範囲の底質を代表する位置を選定した。 (1) 浮遊物質量の状況 [文献その他の資料調査] ①調査対象期間:直近 10 年間 ②調査頻度:基本的に週 1 回 (2) 水温及び塩分の状況 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 (3) 流れの状況 「水質(水の汚れ):工事の実施」と同じとする。 (4) 底質の状況 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 予測の基本 的な手法 予測地域 予測地点 予測対象時 期等 【選定理由】 事業実施区域周辺の水質の現況把握を行うととも に、予測における現況再現性の検討に必要な精度を 有する情報を得られる調査期間等を設定した。 潮流モデル及び浮遊物質拡散モデルを用いた数値 シミュレーションによる予測 【選定理由】 周辺海域への濁りの影響が把握するため、鉛直 多層モデルによる拡散方程式に土砂の沈降作用を 考慮した数値モデルを用いる。 「水質(水の汚れ) :工事の実施」と同じとする。 海域の特性及び土砂による水の濁りの変化の特性 を踏まえて予測地域における土砂による水の濁りに 係る環境影響を的確に把握できる地点 工事中の濁りに係る環境影響が最大となる時期と する。 5-44 図 5.2-4(1) 水質に係る調査地点等(水質の状況(化学的酸素要求量):資料調査) 5-45 図 5.2-4(2) 水質に係る調査地点等(水質の状況(全窒素・全燐):資料調査) 5-46 図 5.2-4(3) 水質に係る調査地点等(水質の状況(溶存酸素量):資料調査) 5-47 図 5.2-4(4) 水質に係る調査地点等(水質の状況(クロロフィル a):資料調査) 5-48 図 5.2-4(5) 水質に係る調査地点等(水質の状況(その他の生活環境項目):資料調査) 5-49 図 5.2-4(6) 水質に係る調査地点等(水質の状況(健康項目):資料調査) 5-50 図 5.2-4(7) 水質に係る調査地点等(水質の状況(水温):資料調査) 5-51 図 5.2-4(8) 水質に係る調査地点等(水質の状況(塩分):資料調査) 5-52 図 5.2-4(9) 水質に係る調査地点等(水質の状況(鉛直分布等):資料調査) 5-53 図 5.2-4(10) 水質に係る調査地点等(水質の状況:現地調査) 5-54 図 5.2-4(11) 水質に係る調査地点等(流れの状況:資料調査・現地調査) 5-55 図 5.2-4(12) 水質に係る調査地点等(底質の状況(粒度組成):資料調査) 5-56 図 5.2-4(13) 水質に係る調査地点等(底質の状況(底質性状):資料調査) 5-57 図 5.2-4(14) 水質に係る調査地点等(底質の状況(底質性状等):資料調査) 5-58 図 5.2-4(15) 水質に係る調査地点等(底質の状況:現地調査) 5-59 図 5.2-4(16) 水質に係る調査地点等(浮遊物質量:資料調査) 5-60 5.2.5 地形及び地質 地形及び地質に係る調査及び予測の手法を表 5.2-10、調査地点等の位置を図 5.2-5 に示す。 表 5.2-10(1) 調査及び予測の手法(重要な地形及び地質) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 地形及 び地質 土地又は工作物 の存在(埋立地の 存在) 重要な 地形及 び地質 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 (1) 干潟の地形の状況 干潟の汀線変化及び地盤高 (2) 干潟の底質の状況 粒度組成(%) (3) 波浪の状況 ①波高(m) ②周期(秒) ③波向(16 方位) (4) 流れの状況 ①流向:10 分毎の流向(16 方位) ②流速:10 分毎の流速(m/s) 調査の基本 的な手法 【選定理由】 調査地域における干潟の地形、底質、波浪、流 れの現状を把握し、予測に用いるパラメータを把 握する。 (1) 干潟の地形の状況 [文献その他の資料調査] 下記資料等による情報の収集並びに当該情報の 整理及び解析 ①「新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空 港整備事務所) ②「曽根干潟環境調査」 (北九州市) (2) 干潟の底質の状況 [文献その他の資料調査] 下記資料等による情報の収集並びに当該情報の 整理及び解析 ①「新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空 港整備事務所) ②「曽根漁港海域環境調査」 (北九州市) ③「曽根干潟環境調査」 (北九州市) (3) 波浪の状況 [文献その他の資料調査] 「苅田沖波浪観測記録」 (国土交通省)等による 情報の収集並びに当該情報の整理及び解析 (4) 流れの状況 [文献その他の資料調査] 下記資料等による情報の収集並びに当該情報の 整理及び解析 ①「新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空 港整備事務所)等 5-61 表 5.2-10(2) 調査及び予測の手法(重要な地形及び地質) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 地形及 び地質 土地又は工作物 の存在(埋立地の 存在) 重要な 地形及 び地質 調査及び予測の方法 調査の基本 的な手法 調査地域 調査地点 ②「苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係 る環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅 田港湾事務所、福岡県苅田港務所) ③「新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査」 (国土交 通省九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務 所) ④「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県苅田港務所) [現地調査] 測定方法は、流速計を用いる方法による。 【選定理由】 空港島着工後から過年度までの流れの状況につ いては、文献その他の資料により把握できるが、 現状の流れの状況について最新の情報を得るため に、現地調査を行う。 曽根干潟を包含する南北約 22km、東西約 13km の範 囲(図 5.2-5 参照) 【選定理由】 同種事業の環境影響評価における予測範囲の設 定及び予測結果を参考にするとともに、事業実施区 域周辺海域の潮流・水質の状況を予測モデルで再現 するために必要な範囲を考慮して設定した。 (1) 干潟の地形の状況(図 5.2-5(1)参照) [文献その他の資料調査] 事業実施区域周辺 (2) 干潟の底質の状況(図 5.2-5(1)参照) [文献その他の資料調査] ①新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 事業実施区域周辺 6 地点 ②曽根漁港海域環境調査 事業実施区域周辺 23 地点 ③曽根干潟環境調査 事業実施区域周辺 23 地点 (3) 波浪の状況(図 5.2-5(1)参照) [文献その他の資料調査] 事業実施区域周辺 1 地点(国土交通省九州地方 整備局 苅田沖観測塔) (4) 流れの状況(図 5.2-5(2)参照) [文献その他の資料調査] ①新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 事業実施区域周辺 6 地点 ②苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る 環境監視調査 事業実施区域周辺 3 地点 ③新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査 事業実施区域周辺 7 地点 ④苅田港環境調査業務委託 事業実施区域周辺 2 地点 [現地調査] 事業実施区域周辺 3 地点 【選定理由】 事業実施区域周辺の地形、底質、流れの現状を 把握し、予測に用いるパラメータの把握が基本的 に可能となる地点を選定した。 5-62 表 5.2-10(3) 調査及び予測の手法(重要な地形及び地質) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 地形及 び地質 土地又は工作物 の存在(埋立地の 存在) 重要な 地形及 び地質 調査及び予測の方法 調査期間等 (1) 干潟の地形の状況 [文献その他の資料調査] ①新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 ・調査対象期間:平成 7 年度∼平成 26 年度 ・調査時期:秋季∼冬季 ・調査期間:1 日(雲が少ない日) ・調査時間帯:干潮時 ②曽根干潟環境調査 ・調査対象期間:平成 7、9、12、17、23 年度 ・調査時期:秋季(ただし平成 7 年度のみ冬季) ・調査時間:干潮時 (2) 干潟の底質の状況 [文献その他の資料調査] ①新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 ・調査対象期間:平成 6 年度∼平成 26 年度 ※ただし平成 6 年度は冬季のみ ・調査時期:4 回(春季、夏季、秋季、冬季) ②曽根漁港海域環境調査 ・調査対象期間:平成 7 年度 ・調査時期:秋季 ③曽根干潟環境調査 ・調査対象期間:平成 8∼12、17、22∼24 年度 ・調査時期:秋季 (3) 波浪の状況 [文献その他の資料調査] 直近 10 年間 (4) 流れの状況 [文献その他の資料調査] ①新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 ・調査対象期間:平成 6 年度∼平成 25 年度 ※ただし平成 6 年度は冬季のみ ・調査時期:2 回(夏季、冬季:1 昼夜) ※ただし平成 25 年度夏季は 15 昼夜 ②苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る 環境監視調査 ・調査対象期間:平成 7 年度∼平成 26 年度 ・調査時期:2 回(夏季、冬季:1 昼夜) ③新門司沖土砂処分場流況外 1 件調査 ・調査対象期間:平成 21 年度 ・調査時期:1 回(夏季:15 昼夜) ④苅田港環境調査業務委託 ・調査対象期間:平成 23∼24 年 ・調査時期:4 回(四季:15 昼夜) [現地調査] ①調査対象期間: 1 年間 ②調査時期:2 回(夏季:15 昼夜、冬季:1 昼夜) 【選定理由】 調査期間等は、流れの現況を把握し、文献その 他の資料調査で得られている情報と経年比較する ため、文献その他の資料調査と同じとした。 5-63 表 5.2-10(4) 調査及び予測の手法(重要な地形及び地質) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 地形及 重要な 土地又は工作物 び地質 地形及 の存在(埋立地の び地質 存在) 調査及び予測の方法 予測の基本 的な手法 埋立地の存在時の潮流シミュレーションによる潮 流変化を踏まえた重要な地形及び地質への影響の程 度を定性的に予測 【選定理由】 本埋立地の存在による重要な地形及び地質への 影響については、埋立地の存在時における海水の 流れの影響に起因すると考えられるため、潮流予 測結果等を踏まえて定性的に予測する。 事業実施区域を包含する約 22km×約 13km の範囲 の海域 (図 5.2-5 参照) 予測地域 【選定理由】 「調査地域」の選定理由と同じである。 予測対象時 期等 5-64 埋立ての工事の竣功後とする。 図 5.2-5(1) 地形及び地質に係る調査地点等(干潟の地形、波浪の状況) 5-65 図 5.2-5(2) 地形及び地質に係る調査地点等(流れの状況) 5-66 5.2.6 動物 動物に係る調査及び予測の手法を表 5.2-11、調査地点等の位置を図 5.2-6 に示す。 表 5.2-11(1) 調査及び予測の手法(動物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 動物 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 重要な 種及び 注目す べき生 息地 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 (1) 陸生動物、海生動物に係る動物相の状況に関す る情報 ①陸生動物の生息種の確認 調査地点、調査時期毎に、確認位置、行動内 容、採餌状況を整理する。 ②海生動物の生息種の確認 調査地点、調査時期毎に整理する。 (2) 動物の重要な種の分布、生息の状況及び生息環 境の状況に関する情報 ①重要な種の生態に関する情報 (1)で確認された種について、下記の「重要な 種の選定基準」に照らして重要な種を抽出し、 これらの種の生態的特性(生息に必要な環境上 の条件、食性等)を調査する。 【重要な種の選定基準】 1.「文化財保護法」(法律第214号 昭和25年) に基づき指定された天然記念物 2.「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存 に関する法律」(法律第75号 平成4年)に基 づき定められた国内希少野生動植物種、国際 希少野生動植物種 3.「レッドデータブック2014 −日本の絶滅の 恐れのある野生生物−(1哺乳類、2鳥類、3爬 虫類・両生類、4汽水・淡水魚類、5昆虫類、6 貝類、7その他無脊椎動物)」(環境省 平 成26、27年)の掲載種 4.「日本の希少な野生水生生物に関するデータ ブック」(水産庁 平成10年)の掲載種 5.「福岡県の希少野生生物-福岡県レッドデータ ブック2011 植物群落・植物・哺乳類・鳥類-」 (福岡県 平成23年)、「福岡県の希少野生 生物-福岡県レッドデータブック2014 爬虫 類、両生類、魚類、昆虫類、貝類、甲殻類そ の他、クモ形類-」(福岡県 平成26年)の掲 載種 6.「福岡県環境保全に関する条例」(昭和47年 施行 平成14年改正)に基づき指定された地 域の人々に親しまれている動植物:地域象徴 動植物 7.「北九州市の希少野生生物」(北九州市 平 成20年)の掲載種 ※「重要な種の選定基準」は、重要な種に関する 新たな法令等の制定や掲載種の見直し等の状 況を踏まえて、環境影響評価の実施中も適宜 見直しを行うこととする。 5-67 表 5.2-11(2) 調査及び予測の手法(動物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 動物 重要な 工事の実施 種及び (護岸の工事、埋 注目す 立ての工事) べき生 息地 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 調査の基本 的な手法 ②重要な種の分布、生息の状況及び生息環境の状 況の確認 (2)①で抽出された種の分布、生息の状況及び 生息環境の状況を調査する。 ・動物相は、「調査地点、調査時期」ごとに整 理し、重要な種の調査地域内の利用の方法を 把握する。 ・鳥類は、行動内容(飛翔、採餌、休息、繁殖) を把握し、調査地域内での重要な種の利用の 方法を明らかにする。 (3) 注目すべき生息地の分布並びに当該生息地が注 目される理由である動物の種の生息の状況及び生 息環境の状況 注目すべき生息地「曽根干潟」における動物の 生息状況、生息環境の状況を調査する。 【選定理由】 事業実施区域西側沿岸部に分布する干潟の中 で、最も規模が大きく、かつ事業実施区域に近い 干潟であり、影響が大きくなるおそれがあると考 えられる「曽根干潟」を注目すべき生息地として 選定した。 [文献その他の資料調査] 下記資料等による情報の収集並びに当該情報の 整理及び解析 ①「自然環境保全基礎調査」 (環境省) ②「モニタリングサイト 1000 シギ・チドリ類調 査」 (環境省) ③「新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価 書」 (北九州市) ④「新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空 港整備事務所) ⑤「苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係 る環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅 田港湾事務所、福岡県苅田港務所) ⑥「覆砂海域環境調査」 (国土交通省九州地方整 備局苅田港湾事務所) ⑦「わたしたちの自然史第 100 号記念号 北九州 市の野鳥一覧(2007 年改訂版)」(北九州市立自 然史・歴史博物館自然史友の会 平成 19 年) ⑧海事広報艇「みらい」の調査資料ほか ⑨「曽根漁港海域環境調査報告書」 (北九州市 平 成 8 年) ⑩「曽根干潟環境調査」 (北九州市) ⑪「北九州市都市計画道路 6 号線整備事業(門司 区新門司三丁目∼小倉南区大字朽網)環境影響 評価書」 (北九州市 平成 22 年) (福 ⑫「福岡県水産海洋技術センター事業報告書」 岡県水産海洋技術センター 平成 27 年 3 月) ⑬「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県苅田港務所) ⑭「福岡県の希少野生生物-福岡県レッドデータブ ック 2011 植物群落・植物・哺乳類・鳥類-」(福 岡県 平成 23 年) ⑮「福岡県の希少野生生物-福岡県レッドデータブッ ク 2014 爬虫類、両生類、魚類、昆虫類、貝類、甲 殻類その他、クモ形類-」 (福岡県 平成 26 年) 5-68 表 5.2-11(3) 調査及び予測の手法(動物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 動物 重要な 工事の実施 種及び (護岸の工事、埋 注目す 立ての工事) べき生 息地 調査及び予測の方法 調査の基本 的な手法 調査地域 [現地調査] 陸生動物及び海生動物についての現地調査によ る情報の収集並びに当該情報の整理及び解析 現地調査方法は、次のとおりとする。 ①陸生動物 ・鳥類(定点) :予め設定した定点において、観測 し得る鳥類を双眼鏡や望遠鏡を用いて目視 確認し、種別個体数の計数(定点記録調査) ②海生動物 ・動物プランクトン:北原式定量ネットを用いた鉛直曳 きによる採取、種の同定、個体数の計数 ・魚卵・稚仔魚:丸稚ネットを用いた水平曳きによ る採取、種の同定、個体数の計数 ・底生生物:採泥器を用いた表層採泥による採取、 種の同定、個体数の計数、湿重量の計測 ・付着生物(動物):目視観察を行うとともに、坪 刈り(方形枠内の付着生物の刈り取り)に よる採取、種の同定、個体数の計数、湿重 量の計測 ・魚介類:底曳網による採取、種の同定、個体数 の計数、重量、体長の計測 ・スナメリ:水質、動物、植物調査時にスナメリ の目撃状況を記録 【選定理由】 現地調査手法は、陸生動物及び海生動物の調査 手法として、環境影響評価で多く用いられている 手法とした。 事業実施区域を包含する半径 5 ㎞の範囲の海域と 沿岸部及び曽根干潟の範囲(図 5.2-6 参照) 【選定理由】 以下の種類毎に必要な調査地域を包含する範囲 として、上記の範囲を設定した。 ・鳥類:護岸の工事及び埋立ての工事による鳥類 への影響要因と考えられる工事による騒音 及び水質の影響が生じるおそれがある地域 を包含する範囲とした。 ・海生動物:護岸の工事及び埋立ての工事による 海生動物への影響要因と考えられる工事に よる水質の影響が生じるおそれがある地域 を包含する範囲とした。 ・注目すべき生息地:曽根干潟の範囲とした。 5-69 表 5.2-11(4) 調査及び予測の手法(動物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 調査地点 動物 重 要 な 工事の実施 種 及 び (護岸の工事、埋 注 目 す 立ての工事) べき生 息地 調査及び予測の方法 [文献その他の資料調査] ①自然環境保全基礎調査 事業実施区域周辺 ②モニタリングサイト 1000 シギ・チドリ類調査 事業実施区域周辺(曽根干潟周辺) ③新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書 ・陸生動物(図 5.2-6(1)、(3)参照) 鳥類:事業実施区域周辺 2 地点 昆虫類:事業実施区域周辺 4 地点 ・海生動物(図 5.2-6(4)、(5)参照) 動物プランクトン、魚卵・稚仔魚:事業実施区域周辺 1 地点 底生生物:事業実施区域周辺 2 地点 ④新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 ・陸生動物(図 5.2-6(1)参照) 鳥類:事業実施区域周辺 6 地点及び後背地、サギ 類繁殖地 ※地点 A、B は平成 20、21 年度のみ ・海生動物(図 5.2-6(4)∼(8)参照) 動物プランクトン、魚卵・稚仔魚、底生生物:事業実施 区域周辺 3 地点 ※地点 12 は平成 26 年度未実施 付着生物(動物) :事業実施区域周辺 2 地点 魚介類:事業実施区域周辺 1 測線 カブトガニ(生息分布) :曽根干潟 カブトガニ(産卵実態) :曽根干潟 4 エリア(竹馬 川、大野川、貫川、朽網川) ⑤苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る環 境監視調査 ・海生動物(図 5.2-6(4)∼(7)参照) 動物プランクトン、魚卵・稚仔魚、底生生物:事業実 施区域周辺 3 地点 付着生物(動物) :事業実施区域周辺 3 地点 魚介類:事業実施区域周辺 1 測線 ⑥覆砂海域環境調査 ・海生動物(図 5.2-6(5)、(7)参照) 底生生物:事業実施区域周辺 1 地点 魚介類:事業実施区域周辺 1 測線 ⑦わたしたちの自然史 第 100 号記念号 北九州市 の野鳥一覧(2007 年改訂版) ・鳥類:事業実施区域周辺 ⑧海事広報艇「みらい」の調査資料ほか ・スナメリ:事業実施区域周辺 ⑨曽根漁港海域環境調査報告書 ・陸生動物(図 5.2-6(1)参照) 鳥類:事業実施区域周辺 ・海生動物(図 5.2-6(4)、(5)、(7)参照) 動物プランクトン、魚卵・稚仔魚、遊泳動物(魚類・ エビ・カニ類等) :事業実施区域周辺 6 地 点(T-1∼T-6) 底生生物:事業実施区域周辺 30 地点 河川魚類・甲殻類、底生生物(河川底生生物) : 事業実施区域周辺 4 地点(R-1∼R-4) カブトガニ:事業実施区域周辺 5-70 表 5.2-11(5) 調査及び予測の手法(動物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 動物 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 重要な 種及び 注目す べき生 息地 調査及び予測の方法 調査地点 調査期間等 ⑩曽根干潟環境調査(図 5.2-6(1)参照) ・事業実施区域周辺 ⑪北九州市都市計画道路 6 号線整備事業(門司区新門 司三丁目∼小倉南区大字朽網)環境影響評価書 ・陸生動物(図 5.2-6(1)∼(3)、(5)、(7)参照) 鳥類、哺乳類、両生類、爬虫類、昆虫類(クモ 類含む) :事業実施区域周辺 水田生物(両生類、魚類、底生生物):事業実 施区域周辺 ・海生動物(図 5.2-6(5)、(7)参照) 底生生物、干潟・河口域(魚類等) 、潮遊溝生物 (魚類等、底生生物) :事業実施区域周辺 ⑫福岡県水産海洋技術センター事業報告書 ・海生動物(図 5.2-6(5)参照) 底生生物:事業実施区域周辺 1 地点 ⑬苅田港環境調査業務委託 ・海生動物(図 5.2-6(4)∼(6)参照) 動物プランクトン、魚卵・稚仔魚、底生生物:事業実 施区域周辺 2 地点 付着生物(動物) :事業実施区域周辺 2 地点 ⑭福岡県の希少野生生物-福岡県レッドデータブック 2011 植物群落・植物・哺乳類・鳥類・鳥類、哺乳類:事業実施区域周辺 ⑮福岡県の希少野生生物-福岡県レッドデータブ ック 2014 爬虫類、両生類、魚類、昆虫 類、貝類、甲殻類その他、クモ形類・爬虫類、両生類、魚類、昆虫類、貝類、甲殻類 その他、クモ形類:事業実施区域周辺 [現地調査] ①陸生動物(図 5.2-6(1)参照) ・鳥類(定点) :事業実施区域及び事業実施区域周 辺 4 地点 ②海生動物(図 5.2-6(4)∼(7)参照) ・動物プランクトン、魚卵・稚仔魚:事業実施区域及び 事業実施区域周辺 8 地点 ・底生生物:事業実施区域及び事業実施区域周辺 9 地点 ・付着生物(動物) :事業実施区域及び事業実施区 域周辺 10 地点 ・魚介類:事業実施区域周辺 1 測線 ・スナメリ:事業実施区域及び事業実施区域周辺 【選定理由】 文献その他資料が少ない事業実施区域、事業実 施区域周辺、自然海岸の神ノ島を中心に地点を選 定した。 [文献その他の資料調査] 「モニタリングサイト 1000 シギ・チドリ類調 査」及び「福岡県水産海洋技術センター事業報告 書」は平成 16∼26 年度、 「新門司沖公有水面埋立 工事に係る環境監視調査」は平成 6∼26 年度、 「苅 田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る環境 監視調査」は平成 7∼26 年度、 「覆砂海域環境調査」 は平成 6∼24 年度、その他の資料は資料に示され ている調査の実施年度とする。 5-71 表 5.2-11(6) 調査及び予測の手法(動物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 動物 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 重要な 種及び 注目す べき生 息地 調査及び予測の方法 調査期間等 予測の基本 的な手法 【選定理由】 現地調査は、季節変動を考慮して、四季の調査 を基本として選定した。 重要な種及び注目すべき生息地について、動物の 調査結果、工事中の騒音、水質の予測結果を踏まえ、 分布又は生息環境の改変の程度を定性的に予測 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価で多く用 いられているものである。 事業実施区域を包含する半径 5 ㎞の範囲の海域と 沿岸部及び曽根干潟の範囲(図 5.2-6) 予測地域 土地又は工作物 の存在(埋立地の 存在) [現地調査] ○陸生動物(鳥類) ①調査対象期間:1 年間 ②定点調査時期:4 回(春季、夏季、秋季、冬季) ③調査期間:各 1 日 ④調査時間帯:早朝から日中 ○海生動物(動物プランクトン、魚卵・稚仔魚、底生生 物、付着生物(動物) 、魚介類) ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:4 回(春季、夏季、秋季、冬季) ③調査期間:各 1 日 ④調査時間帯:日中 ○海生動物(スナメリ) ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:苅田港内の環境調査実施時 ③調査期間:各 1 日 ④調査時間帯:日中 予測対象時 期等 調査すべき 情報 調査の基本 的な手法 調査地域 調査地点 調査期間等 予測の基本 的な手法 【選定理由】 「調査地域」の選定理由と同じである。 工事による騒音及び水質に係る環境影響が最大と なる時期とする。 「動物:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工事)」 と同じとする。 「動物:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工事)」 と同じとする。 「動物:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工事)」 と同じとする。 「動物:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工事)」 と同じとする。 「動物:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工事)」 と同じとする。 重要な種及び注目すべき生息地について、動物の 調査結果、埋立地の存在時の水質、地形及び地質の 予測結果を踏まえ、分布又は生息環境の改変の程度 を定性的に予測 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価で多く用 いられているものである。 「動物:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工事)」 と同じとする。 予測地域 予測対象時 期等 5-72 埋立ての工事の竣功後とする。 図 5.2-6(1) 動物に係る調査地点等(鳥類) 5-73 図 5.2-6(2) 動物に係る調査地点等(哺乳類) 5-74 図 5.2-6(3) 動物に係る調査地点等(両生類、爬虫類、昆虫類) 5-75 図 5.2-6(4) 動物に係る調査地点等(動物プランクトン、魚卵・稚仔魚) 5-76 図 5.2-6(5) 動物に係る調査地点等(底生生物) 5-77 図 5.2-6(6) 動物に係る調査地点等(付着生物(動物) ) 5-78 図 5.2-6(7) 動物に係る調査地点等(魚介類) 5-79 図 5.2-6(8) 動物に係る調査地点等(カブトガニ) 5-80 5.2.7 植物 植物に係る調査及び予測の手法を表 5.2-12、調査地点等の位置を図 5.2-7 に示す。 表 5.2-12(1) 調査及び予測の手法(植物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 植物 重要な 工事の実施 種及び (護岸の工事、埋 群落 立ての工事) 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 (1) 海藻類その他主な植物に係る植物相の状況に関 する情報 調査地点、調査時期毎に整理する。 (2) 植物の重要な種及び群落の分布、生育の状況及 び生育環境の状況に関する情報 ①重要な種の生態に関する情報 (1)で確認された種について、下記の「重要な 種及び群落の選定基準」に照らして重要な種を 抽出し、これらの種の生態的特性(生育に必要 な環境上の条件等)を調査する。 【重要な種及び群落の設定基準】 1.「文化財保護法」(法律第214号 昭和25年) に基づき指定された天然記念物 2.「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に 関する法律」(法律第75号 平成4年)に該当 する国内希少野生植物種、国際希少野生植物種 3.「レッドデータブック2014 −日本の絶滅の恐 れのある野生生物−(8植物Ⅰ、9植物Ⅱ)」(環 境省 平成27年)の掲載種 4.「第5回自然環境保全基礎調査 特定植物群落 調査」(平成5∼10年 環境庁)に該当する植 物群落 5. 「植物群落レッドデータブック 1996 我が国 における緊急な保護を必要とする植物群落の 現状と対策」(平成8年4月 財団法人日本自然保 護協会)の掲載群落 6.「日本の希少な野生水生生物に関するデータブ ック」(水産庁 平成10年)の掲載種 7.「福岡県の希少野生生物-福岡県レッドデータ ブック2011 植物群落・植物・哺乳類・鳥類-」 (福岡県 平成23年)の掲載種及び群落 8.「福岡県環境保全に関する条例」(昭和47年施 行 平成14年改正)に基づき指定された地域の 人々に親しまれている動植物:地域象徴動植物 及び環境指標の森 9.「北九州市の希少野生生物」(北九州市 平 成20年)の掲載種 ※「重要な種及び群落の選定基準」は、重要な種 及び群落に関する新たな法令等の制定や掲載 種の見直し等の状況を踏まえて、環境影響評価 の実施中も適宜見直しを行うこととする。 ②重要な種の分布、生育の状況及び生育環境の状 況の確認 (2)①で抽出された種の分布、生育の状況及 び生育環境の状況を調査する。 ・植物相は、「調査地点、調査時期」ごとに整 理し、重要な種の調査地域内の生育状況を把 握する。 5-81 表 5.2-12(2) 調査及び予測の手法(植物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 植物 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 重要な 種及び 群落 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 調査の基本 的な手法 調査地域 【選定理由】 重要な種及び群落への影響を把握するために、 植物相、植物の重要な種及び群落の分布、生育の 状況及び生育環境を把握する。 [文献その他の資料調査] 下記資料等による情報の収集並びに当該情報の 整理及び解析 ①「自然環境保全基礎調査」 (環境省) ②「新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価 書」 (北九州市) ③「新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空 港整備事務所) ④「苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係 る環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅 田港湾事務所、福岡県苅田港務所) ⑤「曽根漁港海域環境調査報告書」 (北九州市 平 成 8 年) ⑥「曽根干潟環境調査」 (北九州市) ⑦「北九州市都市計画道路 6 号線整備事業(門司 区新門司三丁目∼小倉南区大字朽網)環境影響 評価書」 (北九州市 平成 22 年) ⑧「苅田港環境調査業務委託」 (福岡県苅田港務 所) ⑨「福岡県の希少野生生物-福岡県レッドデータブ ック 2011 植物群落・植物・哺乳類・鳥類-」 (福 岡県 平成 23 年) [現地調査] 陸生・塩生・海生植物についての現地調査によ る情報の収集並びに当該情報の整理及び解析 現地調査方法は、次のとおりとする。 ①陸生植物、塩生植物 ・植物相、植生:現地踏査で植物相を目視観察、 植生は航空写真及び現地踏査により、植物 群落の分布状況を表す相観植生図を作成、 また、ブラウン・ブランケ法(被度・群度) によって群落組成表を作成 ②海生植物 ・植物プランクトン:採水器を用いた試料の採取、種の 同定、細胞数の計数 ・付着生物(植物):目視観察を行うとともに、坪 刈り(方形枠内の付着生物の刈り取り)に よる採取、種の同定、湿重量の計測 ・藻場:船上及び潜水による目視観察 【選定理由】 現地調査手法は、陸生・海生植物の調査手法と して、環境影響評価で多く用いられている手法と した。 事業実施区域を包含する半径 5 ㎞の範囲の海域と 沿岸部及び曽根干潟の範囲(図 5.2-7) 【選定理由】 護岸の工事及び埋立ての工事による海生植物へ の影響要因と考えられる水質の影響が生じるおそ れがある地域を包含する範囲とした。 5-82 表 5.2-12(3) 調査及び予測の手法(植物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 植物 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 重要な 種及び 群落 調査及び予測の方法 調査地点 [文献その他の資料調査] ①自然環境保全基礎調査 ・事業実施区域周辺 ②新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価書 ・海生植物(図 5.2-7(3)参照) 植物プランクトン:事業実施区域周辺 1 地点 ③新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調査 ・海生植物(図 5.2-7(3)∼(5)参照) 植物プランクトン:事業実施区域周辺 3 地点 ※地点 12 は平成 26 年度未実施 付着生物(植物) :事業実施区域周辺 2 地点 微小底生藻類:事業実施区域周辺 6 地点 ④苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係る 環境監視調査 ・海生植物(図 5.2-7(3)、(4)参照) 植物プランクトン:事業実施区域周辺 3 地点 付着生物(植物) :事業実施区域周辺 3 地点 ⑤曽根漁港海域環境調査報告書 ・海生植物(図 5.2-7(3)、(6)参照) 植物プランクトン:事業実施区域周辺 6 地点 付着藻類:事業実施区域周辺 4 地点 ⑥曽根干潟環境調査 ・事業実施区域周辺 ⑦北九州市都市計画道路 6 号線整備事業(門司区 新門司三丁目∼小倉南区大字朽網)環境影響評 価書 ・陸生植物(図 5.2-7(1)参照) 植物相、植生:事業実施区域周辺 ・塩生植物(図 5.2-7(2)参照) 植物相、植生:事業実施区域周辺 ⑧苅田港環境調査業務委託 ・海生植物(図 5.2-7(3)、(4)参照) 植物プランクトン:事業実施区域周辺 2 地点 付着生物(植物):事業実施区域周辺 2 地点 ⑨福岡県の希少野生生物-福岡県レッドデータブ ック 2011 植物群落・植物・哺乳類・鳥類・海生植物:事業実施区域周辺 [現地調査] ①陸生植物、塩生植物(図 5.2-7(1)、(2)参照) ・植物相、植生:神ノ島 ②海生植物(図 5.2-7(3)∼(5)参照) ・植物プランクトン:事業実施区域及び事業実施区域周 辺 8 地点 ・付着生物(植物) :事業実施区域及び事業実施区域 周辺 10 地点 ・藻場:神ノ島周辺 【選定理由】 文献その他資料が少ない事業実施区域、事業実 施区域周辺、自然海岸の神ノ島を中心に地点を選 定した。 5-83 表 5.2-12(4) 調査及び予測の手法(植物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 植物 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 重要な 種及び 群落 調査及び予測の方法 調査期間等 予測の基本 的な手法 予測地域 土地又は工作物 の存在(埋立地の 存在) 予測対象時 期等 調査すべき 情報 調査の基本 的な手法 調査地域 調査地点 調査期間等 予測の基本 的な手法 [文献その他の資料調査] 「新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査」については平成 6∼25 年度、 「苅田港(新松山 地区)公有水面埋立事業に係る環境監視調査」は 平成 7∼25 年度、その他の資料については調査実 施年度とする。 [現地調査] ○陸生植物、塩生植物 ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:3 回(春季、夏季、秋季) ③調査期間:各 1 日 ④調査時間帯:日中 ○海生植物(植物プランクトン、付着生物(植物) ) ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:4 回(春季、夏季、秋季、冬季) ③調査期間:各 1 日 ④調査時間帯:日中 ○海生植物(藻場) ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:2 回(夏季、冬季) ③調査期間:各 1 日 ④調査時間帯:日中 【選定理由】 現地調査は、季節変動を考慮して、四季の調査 を基本として選定した。 重要な種及び群落について、植物の調査結果、工 事中の水質の予測結果を踏まえ、分布又は生育環境 の改変の程度を定性的に予測 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価で多く用 いられているものである。 事業実施区域を包含する半径 5 ㎞の範囲の海域と 沿岸部及び曽根干潟の範囲(図 5.2-7) 【選定理由】 「調査地域」の選定理由と同じである。 工事による水質に係る環境影響が最大となる時期 とする。 「植物:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工事) 」 と同じとする。 「植物:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工事) 」 と同じとする。 」 「植物:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工事) と同じとする。 」 「植物:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工事) と同じとする。 」 「植物:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工事) と同じとする。 重要な種及び群落について、植物の調査結果、埋立 地の存在時の水質、地形及び地質の予測結果を踏ま え、分布又は生育環境の改変の程度を定性的に予測 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価で多く用 いられているものである。 「植物:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工事)」 と同じとする。 予測地域 予測対象時 期等 5-84 埋立ての工事の竣功後とする。 図 5.2-7(1) 植物に係る調査地点等(陸生植物) 5-85 図 5.2-7(2) 植物に係る調査地点等(塩生植物) 5-86 図 5.2-7(3) 植物に係る調査地点等(植物プランクトン) 5-87 図 5.2-7(4) 植物に係る調査地点等(付着生物(植物) ) 5-88 図 5.2-7(5) 植物に係る調査地点等(微小底生藻類・藻場) 5-89 図 5.2-7(6) 植物に係る調査地点等(付着藻類) 5-90 5.2.8 生態系 生態系に係る調査及び予測の手法を表 5.2-13 に示す。 表 5.2-13(1) 調査及び予測の手法(生態系) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 生態系 地域を 工事の実施 特徴づ (護岸の工事、埋 ける生 立ての工事) 態系 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 調査の基本 的な手法 (1) 動植物その他の自然環境に係る概況 動物及び植物の調査結果を基に、事業実施区域 周辺における動植物の生息・生育状況及び生息・ 生育環境を整理する。 (2) 複数の注目種等の生態、他の動植物との関係又 は生息環境若しくは生育環境の状況 (1)の結果を踏まえて、地域を特徴づける生態系 の注目種を「上位性」、「典型性」、「特殊性」の観 点から抽出し、注目種の生態、生息・生育環境を 調査する。 【選定理由】 生態系の予測に用いる注目種を抽出し、それら の種の生態、生息・生育環境について調査する。 [文献その他の資料調査] 下記資料等による情報の収集並びに当該情報の 整理及び解析 ①「自然環境保全基礎調査」 (環境省) ②「モニタリングサイト 1000 シギ・チドリ類調 査」 (環境省) ③「新門司南地区公有水面埋立事業環境影響評価 書」 (北九州市) ④「新門司沖公有水面埋立工事に係る環境監視調 査」 (国土交通省九州地方整備局北九州港湾・空 港整備事務所) ⑤「苅田港(新松山地区)公有水面埋立事業に係 る環境監視調査」 (国土交通省九州地方整備局苅 田港湾事務所、福岡県苅田港務所) ⑥「わたしたちの自然史 第 100 号記念号 北九州 市の野鳥一覧(2007 年改訂版)」(北九州市立自 然史・歴史博物館自然史友の会 平成 19 年) ⑦海事広報艇「みらい」の調査資料ほか ⑧「曽根漁港海域環境調査報告書」(北九州市 平成 8 年) ⑨「曽根干潟環境調査」 (北九州市) ⑩「北九州市都市計画道路 6 号線整備事業(門司 区新門司三丁目∼小倉南区大字朽網)環境影響 評価書」 (北九州市 平成 22 年) ⑪「福岡県水産海洋技術センター事業報告書」 (福 岡県水産海洋技術センター 平成 27 年 3 月) (国土交通省九州地方整備 ⑫「覆砂海域環境調査」 局苅田港湾事務所) (福岡県苅田港務所) ⑬「苅田港環境調査業務委託」 ⑭「福岡県の希少野生生物-福岡県レッドデータブ ック 2011 植物群落・植物・哺乳類・鳥類-」 (福 岡県 平成 23 年) ⑮「福岡県の希少野生生物-福岡県レッドデータブッ ク 2014 爬虫類、両生類、魚類、昆虫類、貝類、甲 殻類その他、クモ形類-」 (福岡県 平成 26 年) [現地調査] 陸生動物(鳥類) 、海生動物、陸生植物、海生植 物についての現地調査による情報の収集並びに当 該情報の整理及び解析 現地調査方法は、 「動物」及び「植物」に示す方 法による。 (表 5.2-11、表 5.2-12 参照) 【選定理由】 調査手法は、生態系に係る調査手法として環境 影響評価で多く用いられている手法とした。 5-91 表 5.2-13(2) 調査及び予測の手法(生態系) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 生態系 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 地域を 特徴づ ける生 態系 調査及び予測の方法 調査地域 事業実施区域を包含する半径 5 ㎞の範囲の海域と 沿岸部及び曽根干潟の範囲(図 5.2-6 参照) 【選定理由】 「動物」の調査地域と同じとする。 「動物」及び「植物」に係る調査の調査地点と同 じとする。 (表 5.2-11、表 5.2-12 参照) 調査地点 調査期間等 予測の基本 的な手法 【選定理由】 「動物」及び「植物」の調査期間等と同じとす る。 注目種等について、生態系の調査結果、工事中の 騒音、水質の予測結果を踏まえ、分布、生息環境又 は生育環境の改変の程度を定性的に予測 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価で多く用 いられているものである。 事業実施区域を包含する半径 5 ㎞の範囲の海域と 沿岸部及び曽根干潟の範囲(図 5.2-6 参照) 予測地域 予測対象時 期等 土地又は工作物 の存在(埋立地の 存在) 【選定理由】 「動物」及び「植物」の調査地点と同じとする。 「動物」及び「植物」に係る調査の調査期間等と 同じとする。 (表 5.2-11、表 5.2-12 参照) 調査すべき 情報 調査の基本 的な手法 調査地域 調査地点 調査期間等 予測の基本 的な手法 【選定理由】 「調査地域」の選定理由と同じである。 工事中の注目種等に係る環境影響が最大となる時 期として、工事による騒音及び水質の影響が最大と なる時期とする。 「生態系:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工 事) 」と同じとする。 「生態系:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工 事) 」と同じとする。 「生態系:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工 事) 」と同じとする。 「生態系:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工 事) 」と同じとする。 「生態系:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工 事) 」と同じとする。 注目種等について、生態系の調査結果、埋立地の 存在時の水質、地形及び地質の予測結果を踏まえ、 分布、生息環境又は生育環境の改変の程度を定性的 に予測 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価で多く用 いられているものである。 「生態系:工事の実施(護岸の工事、埋立ての工 事) 」と同じとする。 予測地域 予測対象時 期等 5-92 埋立ての工事の竣功後とする。 5.2.9 景観 景観に係る調査及び予測の手法を表 5.2-14、調査地点等の位置を図 5.2-8 に示す。 表 5.2-14(1) 調査及び予測の手法(景観) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 景観 土地又は工作物 の存在(埋立地の 存在) 主要な 眺望点 及び景 観資源 並びに 主要な 眺望景 観 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 (1) 主要な眺望点及び景観資源の状況 眺望点:①分布状況 ②利用状況 ③事業実施区域との位置関係 ④事業実施区域の視認状況 景観資源:①分布状況 ②種類 ③自然特性 ④事業実施区域との位置関係 (2) 主要な眺望景観の状況 ①景観特性 ②眺望景観 調査の基本 的な手法 【選定理由】 主要な眺望点と景観資源の分布状況等を把握 し、予測に使用する情報を収集する。 (1) 主要な眺望点及び景観資源の状況 [文献その他の資料調査] 下記資料等による情報の収集並びに当該情報の 整理及び解析 ①25,000 分の 1 地形図 ②「第 3 回自然環境保全基礎調査 福岡県自然環 境情報図」 (環境庁 平成元年) ③「北九州市自然百選」 (北九州市環境局) ④「苅田町観光ガイドブック かんだ旅物語」 (苅 田町) (2) 主要な眺望景観の状況 [現地調査] ①写真撮影 事業実施区域周辺の主要な眺望点から事業 実施区域を望む眺望景観を撮影 調査地域 調査地点 【選定理由】 文献その他の資料により、主要な眺望点及び景 観資源の分布状況を把握し、抽出された主要な眺 望点からの事業実施区域の視認状況及び眺望景観 を現地調査により把握する。 事業実施区域周辺の陸域で半径 5 ㎞の範囲(図 5.2-8 参照) 【選定理由】 事業実施区域周辺の陸域から事業実施区域方向 を眺望した時の眺望景観が変化すると想定される 範囲とした。 [現地調査] 事業実施区域周辺の陸域 2 地点(1、2) (図 5.2-8 参照) 【選定理由】 調査地域のうち、事業実施区域を視認可能であ り、かつ不特定多数の人が利用可能な場所を選定 した。 5-93 表 5.2-14(2) 調査及び予測の手法(景観) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 景観 土地又は工作物 の存在(埋立地の 存在) 主要な 眺望点 及び景 観資源 並びに 主要な 眺望景 観 調査及び予測の方法 調査期間等 予測の基本 的な手法 [現地調査] ①調査対象期間:1 年間 ②調査時期:晴天の日中に 1 回 【選定理由】 事業実施区域の眺望景観は、季節による変化が 小さいことから、1 年間の任意の時期の 1 回とし た。 (1) 主要な眺望点及び景観資源の状況 埋立地の存在による主要な眺望点及び景観資源 の改変の程度について、主要な眺望点及び景観資 源の分布状況及び事業計画の内容を基に定性的に 予測 (2) 眺望景観 フォトモンタージュ法により眺望景観の改変の 程度を予測 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価で多く用 いられているものである。 事業実施区域周辺の陸域(図 5.2-8 参照) 予測地域 【選定理由】 「調査地域」の選定理由と同じである。 事業実施区域周辺の陸域 2 地点(1、2) (図 5.2-8 参照) 予測地点 【選定理由】 「調査地点」の選定理由と同じである。 予測対象時 期等 5-94 埋立ての工事の竣功後とする。 図 5.2-8 景観に係る調査地点等 5-95 5.2.10 人と自然との触れ合いの活動の場 人と自然との触れ合いの活動の場に係る調査及び予測の手法を表 5.2-15、調査地点 等の位置を図 5.2-9 に示す。 表 5.2-15(1) 調査及び予測の手法(人と自然との触れ合いの活動の場) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 人と自 然との 触れ合 いの活 動の場 主要な 人と自 然との 触れ合 いの活 動の場 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 調査及び予測の方法 調査すべき 情報 (1) 人と自然との触れ合いの活動の場の概況 自然構成要素の分布、自然資源の概要を把握し、 調査地域における人と自然との触れ合いの活動の 場の概況を把握する。 (2) 主要な人と自然との触れ合いの活動の場の分 布、利用の状況及び利用環境の状況 ①分布状況 主要な人と自然との触れ合いの活動の場の分 布状況等を把握する。 ②利用の状況 主要な人と自然との触れ合いの活動の場の利 用の状況及び利用環境の状況を把握する。 調査の基本 的な手法 【選定理由】 主要な人と自然との触れ合いの活動の場の分布 状況等を把握し、予測に使用する情報を収集する。 (1) 人と自然との触れ合いの活動の場の概況 [文献その他の資料調査] 「福岡県 環境白書」 (福岡県)等により、情報 を収集 (2) 主要な人と自然との触れ合いの活動の場の分 布、利用の状況及び利用環境の状況 [文献その他の資料調査] 「苅田町観光ガイドブック かんだ旅物語」 (苅 田町)等により、主要な人と自然との触れ合いの 活動の場の分布状況を把握 [現地調査] 現地調査により、主要な人と自然との触れ合い の活動の場の利用状況等を調査 調査地域 調査地点 【選定理由】 文献その他の資料により、人と自然との触れ合 いの活動の場の概況及び主要な場の分布状況を把 握し、主要な場の利用状況等については、現地調 査により把握する。 事業実施区域周辺(図 5.2-9 参照) 【選定理由】 影響要因として考えられる騒音の調査地域のう ちの陸域部分及び水質の調査地域に接する沿岸部 をあわせた範囲とした。 (2) 主要な人と自然との触れ合いの活動の場の分 布、利用の状況及び利用環境の状況 [現地調査] 事業実施区域周辺 4 地点(1∼4) (図 5.2-9 参照) 【選定理由】 調査地域内の主要な人と自然との触れ合いの活 動の場を選定した。 5-96 表 5.2-15(2) 調査及び予測の手法(人と自然との触れ合いの活動の場) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 主要な 人と自 然との 触れ合 いの活 動の場 工事の実施 (護岸の工事、埋 立ての工事) 人と自 然との 触れ合 いの活 動の場 調査及び予測の方法 調査期間等 予測の基本 的な手法 土地又は工作物 の存在(埋立地の 存在) [現地調査] ①調査対象期間:1 年 ②調査時期:4 回(春季、夏季、秋季、冬季の休日 の各 1 日) ③調査時間帯:昼間 【選定理由】 利用者数の季節変動を把握するため、四季の調 査とした。 人と自然との触れ合いの活動の場の調査結果、工 事中の騒音、水質の予測結果を踏まえて、分布又は 利用環境の改変の程度を定性的に予測 予測地域 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価で多く用 いられているものである。 事業実施区域周辺(図 5.2-9 参照) 予測地点 【選定理由】 「調査地域」の選定理由と同じである。 事業実施区域周辺 4 地点(1∼4) (図 5.2-9 参照) 予測対象時 期等 調査すべき 情報 調査の基本 的な手法 調査地域 【選定理由】 「調査地点」の選定理由と同じである。 工事の実施に伴う環境影響が最大となると考えら れる時期とする。 「人と自然との触れ合いの活動の場:工事の実施 (護岸の工事、埋立ての工事) 」と同じとする。 「人と自然との触れ合いの活動の場:工事の実施 (護岸の工事、埋立ての工事) 」と同じとする。 事業実施区域周辺(図 5.2-9 参照) 調査地点 調査期間等 予測の基本 的な手法 予測地域・ 予測地点 予測対象時 期等 【選定理由】 「調査地点」の選定理由と同じである。 「人と自然との触れ合いの活動の場:工事の実施 (護岸の工事、埋立ての工事) 」と同じとする。 「人と自然との触れ合いの活動の場:工事の実施 (護岸の工事、埋立ての工事) 」と同じとする。 人と自然との触れ合いの活動の場の調査結果、埋 立地の存在時の水質、地形及び地質の予測結果を踏 まえて、分布又は利用環境の改変の程度を定性的に 予測 【選定理由】 この予測手法は、過去の環境影響評価で多く用 いられているものである。 「人と自然との触れ合いの活動の場:工事の実施 (護岸の工事、埋立ての工事) 」と同じとする。 5-97 埋立ての工事の竣功後とする。 No 名 称 1 曽根干潟 2 松山城跡 3 向山公園 4 臨海公園 図 5.2-9 人と自然との触れ合いの活動の場に係る調査地点等 5-98 5.2.11 廃棄物等 廃棄物等に係る調査及び予測の手法を表 5.2-16 に示す。 表 5.2-16 調査及び予測の手法(廃棄物) 環境影響評価の項目 環境要素の区分 影響要因の区分 廃棄物 工事の実施 (護岸の工事) 建設工 事に伴 う副産 物 調査及び予測の方法 予測の基本 的な手法 事業計画に基づき、護岸の工事に伴い発生する建 設副産物の種類、発生量及び処分方法等を把握 【選定理由】 発生及び処分の状況の把握による方法は、定量 的な予測が可能であり、一般的な予測手法である。 事業実施区域及びコンクリートブロック等製作ヤ ード 予測地域 【選定理由】 建設副産物が発生する地域を選定した。 予測対象時 期等 5-99 護岸工事の実施時とする。 5.3 評価の手法 調査及び予測の結果を踏まえ、各環境要素において実施する評価の手法を表 5.3-1 に 示す。 また、事業実施区域周囲は、 「瀬戸内海環境保全特別措置法」の適用海域に存在するた め、 「瀬戸内海環境保全特別措置法第 13 条第1項の埋立てについての規定の運用に関す る基本方針」に基づく配慮事項及び「瀬戸内海環境保全基本計画」との整合性について、 併せて評価する。 表 5.3-1(1) 評価の手法 環境要素 の区分 大気 質 硫黄酸 化物 窒素酸 化物 浮遊粒 子状物 質 影響要因 の区分 評価の手法 回避・低減に係る評価 対象事業の実施による環境影響 が事業者により実行可能な範囲内 でできる限り回避され、又は低減 されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 対象事業の実施による環境影響 工事の実施 ( 建 設 機 械 が事業者により実行可能な範囲内 又 は 工 事 用 でできる限り回避され、又は低減 船 舶 の 稼 働 されており、必要に応じその他の による影響) 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 対象事業の実施による環境影響 工事の実施 ( 製 作 ヤ ー が事業者により実行可能な範囲内 ド 関 連 車 両 でできる限り回避され、又は低減 の 走 行 に よ されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての る影響) 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 工事の実施 対象事業の実施による環境影響 ( 建 設 機 械 が事業者により実行可能な範囲内 又 は 工 事 用 でできる限り回避され、又は低減 船 舶 の 稼 働 されており、必要に応じその他の による影響) 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 対象事業の実施による環境影響 工事の実施 ( 製 作 ヤ ー が事業者により実行可能な範囲内 ド 関 連 車 両 でできる限り回避され、又は低減 の 走 行 に よ されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての る影響) 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 工事の実施 (建設機械 又は工事用 船舶の稼働 による影響) 5-100 基準又は目標との整合性 建設機械又は工事用船舶の稼働 に伴い発生する二酸化硫黄が予測 地点に達することによる影響につ いて、二酸化硫黄濃度の寄与率及 び大気質(二酸化硫黄)に係る環 境基準との整合性により環境影響 の程度を評価する。 建設機械又は工事用船舶の稼働 に伴い発生する二酸化窒素が予測 地点に達することによる影響につ いて、二酸化窒素濃度の寄与率及 び大気質(二酸化窒素)に係る環 境基準との整合性により環境影響 の程度を評価する。 製作ヤード関連車両の走行に伴 い発生する二酸化窒素が予測地点 に達することによる影響につい て、二酸化窒素濃度の寄与率及び 大気質(二酸化窒素)に係る環境 基準との整合性により環境影響の 程度を評価する。 建設機械又は工事用船舶の稼働 に伴い発生する浮遊粒子状物質が 予測地点に達することによる影響 について、浮遊粒子状物質濃度の 寄与率及び大気質(浮遊粒子状物 質)に係る環境基準との整合性に より環境影響の程度を評価する。 製作ヤード関連車両の走行に伴 い発生する浮遊粒子状物質が予測 地点に達することによる影響につ いて、浮遊粒子状物質濃度の寄与 率及び大気質(浮遊粒子状物質) に係る環境基準との整合性により 環境影響の程度を評価する。 表 5.3-1(2) 評価の手法 環境要素 の区分 騒音 振動 水質 地形 及び 地質 影響要因 の区分 建設作 業騒音 工事の実施 (護岸の工 事、埋立ての 工事) 道路交 通騒音 工事の実施 (護岸の工 事) 建設作 業振動 工事の実施 (護岸の工 事) 道路交 通振動 工事の実施 (護岸の工 事) 水の汚 れ (COD、 T-N 、 T-P 、 DO、クロ ロフィル a) 工事の実施 (埋立ての 工事) 土砂に よる水 の濁り 工事の実施 (護岸の工 事、埋立ての 工事) 重要な 地形及 び地質 土地又は工 作物の存在 (埋立地の 存在) 土地又は工 作物の存在 (埋立地の 存在) 評価の手法 回避・低減に係る評価 基準又は目標との整合性 対象事業の実施による環境影響 が事業者により実行可能な範囲内 でできる限り回避され、又は低減 されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 建設機械又は工事用船舶の稼働 に伴い発生する騒音が予測地点に 達することによる影響について、 現況の騒音に対する寄与の程度及 び建設作業騒音の規制基準との整 合性により環境影響の程度を評価 する。 製作ヤード関連車両の走行に伴 い発生する騒音が予測地点に達す ることによる影響について、騒音 に係る環境基準との整合性により 環境影響の程度を評価する。 建設機械又は工事用船舶の稼働 に伴い発生する振動が予測地点に 達することによる影響について、 建設作業振動の規制基準との整合 性により環境影響の程度を評価す る。 製作ヤード関連車両の走行に伴 い発生する振動が予測地点に達す ることによる影響について、道路 交通振動の要請限度との整合性に より環境影響の程度を評価する。 埋立ての工事による水質(化学的 酸素要求量・全窒素・全燐)の変 化の程度及び水質(化学的酸素要 求量・全窒素・全燐)に係る環境 基準との整合性により環境影響の 程度を評価する。 埋立地の存在による水質(化学的 酸素要求量・全窒素・全燐)の変 化の程度及び水質(化学的酸素要 求量・全窒素・全燐)に係る環境 基準との整合性により環境影響の 程度を評価する。 対象事業の実施による環境影響 が事業者により実行可能な範囲内 でできる限り回避され、又は低減 されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 対象事業の実施による環境影響 が事業者により実行可能な範囲内 でできる限り回避され、又は低減 されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 対象事業の実施による環境影響 が事業者により実行可能な範囲内 でできる限り回避され、又は低減 されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 対象事業の実施による環境影響 が事業者により実行可能な範囲内 でできる限り回避され、又は低減 されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 5-101 護岸の工事及び埋立ての工事に伴 い発生する濁りの発生量が最大と なる時期における水の濁りの範囲 及び最大寄与濃度の程度並びに濁 りに係る水産用水基準((社)日本水 産資源保護協会)との整合性により 環境影響の程度を評価する。 − 表 5.3-1(3) 評価の手法 環境要素 の区分 動物 評価の手法 回避・低減に係る評価 工事の実施 (護岸の工 事、埋立ての 工事) 土地又は工 作物の存在 (埋立地の 存在) 対象事業の実施による環境影響 が事業者により実行可能な範囲内 でできる限り回避され、又は低減 されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 工事の実施 (護岸の工 事、埋立ての 工事) 土地又は工 作物の存在 (埋立地の 存在) 対象事業の実施による環境影響 が事業者により実行可能な範囲内 でできる限り回避され、又は低減 されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 工事の実施 (護岸の工 事、埋立ての 工事) 土地又は工 作物の存在 (埋立地の 存在) 対象事業の実施による環境影響 が事業者により実行可能な範囲内 でできる限り回避され、又は低減 されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 主要な 眺望点 及び景 観資源 並びに 主要な 眺望景 観 土地又は工 作物の存在 (埋立地の 存在) 対象事業の実施による環境影響 が事業者により実行可能な範囲内 でできる限り回避され、又は低減 されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 人と 自然 との 触れ 合い の活 動の 場 主要な 人と自 然との 触れ合 いの活 動の場 工事の実施 (護岸の工 事、埋立て の工事) 土地又は工 作物の存在 (埋立地の 存在) 対象事業の実施による環境影響 が事業者により実行可能な範囲内 でできる限り回避され、又は低減 されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 廃棄 物 建設工 事に伴 う副産 物 工事の実施 (護岸の工 事) 対象事業の実施による環境影響 が事業者により実行可能な範囲内 でできる限り回避され、又は低減 されており、必要に応じその他の 方法により環境の保全についての 配慮が適正になされているかどう かを評価する。 植物 生態 系 景観 重要な 種及び 注目す べき生 息地 影響要因 の区分 重要な 種及び 群落 地域を 特徴づ ける生 態系 5-102 基準又は目標との整合性 − − − − − − − − − −
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