CSRレポート2014

C S R レポ ート 2 0 1 4
SUMITOMO OSAKA CEMENT
SUMITOMO OSAKA CEMENT
CSR Report 2014
CONTENTS
企業理念 ・ 行動指針……………………………………………… 2
トップメッセージ……………………………………………………
3
住友大阪セメントの概要… ……………………………………… 5
住友大阪セメントの事業領域… ………………………………… 6
C SR 推 進
● CSR 経営の推進… ……………………………………… 7
C S R の 取り組 み
特集 2014 〜 2016 年度 中期経営計画… ………………… 9
1 国内セメント事業の競争力強化
住 友 大 阪 セ メ ント グ ル ー プ
● ThemeⅠ セメントの安定供給のための取り組み… …… 10
企業理念
2 成長分野の拡充と安定的収益確保
● Theme Ⅱ 補修事業の拡充……………………………… 12
● Theme Ⅲ 海外セメント事業の基盤確立… ……………… 13
私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、
● Theme Ⅳ新規事業 選択と集中… ……………………… 13
豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。
リサイクル事業紹介……………………………………………… 14
CSR ニュース… ………………………………………………… 16
鉱山緑化・森づくりへの取り組み………………………………… 20
行動指針
生物多様性への取り組み………………………………………… 21
第三者の方からメッセージ、WEB サイトのご紹介… ………… 23
1 信用を重んじ、健全な事業活動をおこないます。
サ イト レ ポ ート
2 法令・規則を守り、社会良識に則って行動します。
● 栃木工場… ………………………………………………… 24
● 岐阜工場… ………………………………………………… 25
3 お客様と社会の信頼や期待に応える製品・サービスを提供します。
● 赤穂工場… ………………………………………………… 26
4 時代の変化に柔軟に対応し、効率的経営をおこない、
● 高知工場… ………………………………………………… 27
企業価値の向上をはかります。
● 八戸セメント㈱……………………………………………… 28
環 境 関 連 デ ー タ …………………………………………… 29
5 人権を尊重し、安全で活力あふれる職場環境をつくります。
事業 紹 介
6 社員一人ひとりを大切にします。
住友大阪セメントの事業展開
● セメント事業、鉱産品事業………………………………… 33
● 建材事業、光電子事業、新材料事業、電池材料事業…… 34
<編集方針>
このレポートは、住友大阪セメントグループの CSR(企業の社会的責任)の取
り組みを、ステークホルダーの皆さまにわかりやすくお伝えすることを目的に
発行します。
2014 年版では構成を大きく、CSR 推進、特集、サイトレポート、環境関連デー
タ、事業紹介とし、第一線で活動を推進する方の声をお伝えします。
また、地域に密着した情報としてサイト別情報の充実に取り組みます。今後も
循環型社会を目指し、企業活動を展開し説明責任を果たしていきます。
<参考にしたガイドライン>
環境省「環境報告ガイドライン2012 年版」
環境省「環境会計ガイドライン2005 年版」
<報告書の対象範囲>
●対象期間:2013 年 4 月1 日〜 2014 年 3 月31 日
●対象会社:住友大阪セメント株式会社およびグループ会社
1
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
写 真:ヒトツバタゴ
[モクセイ科]
開花期:4月〜5月 長崎県対馬市上対馬町鰐浦
(わにうら)
地区には、約3,000本
の本種が自生しており、
「鰐浦ヒトツバタゴ自生地」
として国の天
然記念物に指定されています。
別名「ナンジャモンジャ
(の木)」、
また白い花が海を照らす様から
「ウミテラシ
(海照らし)
」の呼び名もあります。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
2
トップ メッセ ー ジ
セメントの安定供給という
メント、栃木工場にも展開する予定です。
で約 10 万トンの処理を完了することができました。また、
重い使命を担い、
循環型社会の構築に貢献する
また、生産したセメントを速やかに全国 62 ヵ所の出荷拠点
同社では、2005 年より青森県と岩手県の県境に不法投棄
であるサービスステーション(SS)に輸送するため、輸送体
された廃棄物の処理を9 年間にわたり行ってまいりました
制の強化にも取り組んでいます。2013 年度には、セメン
が、これも総量 20 万トンもの処理を2013 年までに完遂
トを輸送するタンカーを1 船新造するとともに、来年度に
しております。
は既存のタンカーをスケールアップして新しいタンカーにリ
災害廃棄物処理と県境不法投棄廃棄物処理という2 つの事
プレースすることなども予定しており、輸送能力を更に高め
案は、本業を通じた CSR 活動を目指す当社グループにとっ
ていく方針です。また、受け入れ側の SSにおきましても、
て象徴的な事案でありました。セメント産業の特性を活か
名古屋港 SS の貯蔵能力増強や、千葉みなとSS の開設な
し、地域社会にとって切実な問題解決の一翼を担うことが
どに取り組んでいます。東北の被災地に近い仙台港 SSや
できたことを、とても誇らしく思っています。
小名浜 SSには、地盤改良に必要なセメント系固化材の供
給能力を高める設備を増強しました。
加えて、安定した操業を担う人材育成のため、社員教育に
住友大阪セメント株式会社
代表取締役
取締役社長
安全安心な暮らしを守るために
見直される社会資本整備
まだ道半ばにある東日本大震災からの東北復興を着実に進
2011 年 3 月の東日本大震災では、日本の国土を脅かす自
トメーカーに課せられた「安定供給」という重い使命を強く
然災害に対する社会基盤整備の重要性が再認識されてい
感じております。
ます。日本の面積は世界の約 0.25%に過ぎませんが、マ
グニチュード6 以上の地震の約 20% が日本で起こると言
われており、更に台風や豪雨も毎年多くの被害を出すなど、
3
も注力しています。特にベテラン技術者から若手技術者へ
余談ですが、災害廃棄物の広域処理には、社会的にも様々
の技能伝承を中心に、緊急時にも機械に頼るだけでなく、
な議論が巻き起こりました。しかし、八戸市の地域住民の
安全を第一に考えた的確な判断と行動ができるような技能
方から『もともと八戸市と同じ旧南部藩(岩手県北部地域)
を身につけることを目指しています。
の仲間が困っているのを見過ごすことはできない』とのお声
セメント以外の事業では、鉱産品事業分野は石灰石資源の
もいただき、当社グループの取り組みにご理解を示してい
安定確保に努めております。建材事業分野では、社会的に
ただいたことが個人的にはとても印象的でした。
も関心の高いインフラの老朽化に対して、独自技術で営業
また八戸セメントだけでなく、他の当社各工場においても、
対応しております。光電子事業分野、新材料事業分野では、
地元自治体からの下水汚泥や一般ごみ焼却灰などを受け入
それぞれオプトエレクトロニクスとナノテクノロジーを駆使
れリサイクルするなど、工場の所在する地域社会の環境保
し、技術革新の著しい光通信市場や電子デバイス市場にお
全に貢献しています。加えて、森林保護活動や工場周辺の
いて、
「選択と集中」により市場を見極めながら事業を展開
清掃活動等も積極的に推進し、地元住民の方々とのコミュ
しています。電池材料事業分野では、今後拡大が期待され
ニケーションを深めています。
る車載用電池向けの営業展開を図っております。
一方、2007 年から行っている長崎県対馬での絶滅危惧種
「ツシマヤマネコ」の保護活動は、引き続き、行政、ボラン
めつつ、安全安心な暮らしのための社会資本整備や国家的
プロジェクトへの準備を遅滞なく行うために、私どもセメン
安定供給を目指した体制づくり
地域住民との共生
循環型社会形成に貢献する
セメント産業
ティアと当社グループが一体となって進めています。その
セメントの主な原料となる石灰石は 100% 国内で調達で
賞しました。これまでの地道な活動が評価され、多くの方
きる資源であること、セメント業界が、年間約 3,000 万トン
に知っていただける良い機会をいただき、地元の皆様にも
(東京ドーム17 杯分)の産業廃棄物・副産物を引き受けて
成果が認められて、2014 年 4 月に、
「舟志の森づくり推進
委員会」が「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受
喜んでいただけたことを大変うれしく思っています。
自然災害の多さはつとに知られています。国の財産である
このような中、当社では、2014 年度の国内セメント需要
いることは、これまで折にふれてご紹介してきました。セメ
国土と国民の生命を守るための対策は、国を挙げての重要
を約 4,800 万トンと想定していますが、直近の需要のボト
ント産業とは資源の制約が少ない産業であり、かつリサイク
課題となっているものと認識しています。
ムであった 2010 年度の国内需要 4,161 万トンからみる
ル資源の有効活用にも貢献できる特性を持っていることは、
また、高度成長期に建設された社会資本の老朽化対策も急
と約 15% 程度需要レベルが引き上がっていることになりま
他の産業にはない強みであると自負しています。
務となっています。一例を挙げますと、2026 年には国内
す。 更に2014 年度以降も当面の間、この高いレベルが
この強みを活かして、当社グループの八戸セメントでは、東
2014 年 2 月、私は、一般社団法人セメント協会会長を拝
にある幅 15m 以上の 15 万橋の約半分が築 50 年を経過
継続するものと見込んでいます。この需要に対応するため、
日本大震災により発生した災害廃棄物の処理に際しても大
命しました。この業界に身を置く私たちが、社会整備に不
するといわれており、安全性を確保するためには維持管理
すでに現状でも全てのセメント工場がほぼフル稼働の状況
きな貢献を致しました。八戸セメントでは、震災後間もな
可欠なセメントという製品を造っているという使命と誇りを
や補修補強、更新が必要になるものと思います。
でありますが、更に、安定した操業を維持しながらより効率
く地元八戸市をはじめとする青森県内の災害廃棄物の処理
持ち、廃棄物や副産物のリサイクル事業を通じて社会に貢
一方で昨年は、2020 年の東京オリンピック・パラリンピック
的な生産・物流体制づくりを推進することが必要です。
にいち早く取り組むとともに、2012 年 3 月には岩手県、
献しているという自信を持つことで、セメント・生コン業界全
の開催決定という明るいニュースもありました。今後、競
当社では、2013 年に赤穂工場、高知工場にてクリンカ急
宮城県及び八戸市との間で広域災害廃棄物の受入れ処理
体の社会的な評価を底上げしていきたいと考えています。
技場をはじめとした様々な施設の建設や、道路や交通機関
冷装置(エアークエンチングクーラー)
を更新し、より高いエ
に関する協定を締結し、セメント業界初となる広域処理を
ステークホルダーの皆様には、今後も引き続き温かいご支
などの整備が進むものと想定されます。
ネルギー効率を実現しました。2014 年にはこれを八戸セ
実施致しました。2013 年度末までに当社グループ全体
援をいただきますようお願い申し上げます。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
セメント産業に対する
社会的評価の向上へ
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
4
会社概要
住友大阪セメントの概要
■ 会社概要
住友大阪セメントの事業領域
商 号 住友大阪セメント株式会社
Sumitomo Osaka Cement Co.,Ltd.
本 社 〒102-8465 東京都千代田区六番町 6 番地 28
創 立 1907(明治 40)年 11 月29 日
資本金 416 億円
(2014 年 3 月末現在)
従業員 1,193 人
(2014 年 3 月末現在)
売上高 1,503 億円
(2013 年度)
■ 事業所一覧
■ 本社
札幌支店
● 支店
◆ セメント製造拠点
▲ 石灰石事業所
● 研究所
北陸支店
大阪支店
住友大阪セメントは、セメント事業を中心に鉱産品事業、建材事業、光電子事業、新材料事業など
さまざまな事業を展開しています。
また、新たな役割としてセメント事業では廃棄物・副産物を受け入れ、循環型社会の構築に注力し、
豊かな社会の維持・発展に貢献しています。
鉱産品事業
光電子事業
国内有数の規模を誇る良質で豊富な資
光通信デバイスや CATV 用送受信機と
源を活かし、国内の主要産業に石灰石、
いった光通信システムなどを製造・販売
骨材、タンカルを供給しています。
しています。
和歌山高炉セメント株式会社
赤穂工場
八戸セメント株式会社
四国支店
セメント事業
広島支店
東北支店
山口事業所
各種セメント、固化材を製造・販
小倉事業所
売しています。 高度な技術力と
福岡支店
徹底した品質管理で社会のイン
栃木工場
本社、東京支店
新規技術研究所
セメント・コンクリート研究所
名古屋支店
高知工場
岐阜工場
■ 海外事務所
フラ整備に貢献しています。ま
建材事業
コンクリート構造物向け補修材・補強材
料を製造・販売しています。豊富な経験
た、廃棄物などのリサイクル原
燃料の受け入れ拡大など、循環
型社会の貢献に向けて積極的に
取り組んでいます。
と技術力を結集して、社会のコンクリー
新材料事業
独自のナノ粒子製造技術を駆使し、フィ
ルムや塗料などの各種機能性材料を開
発・製造しています。
トリハビリテーションを支えています。
.
SOC AMERICA INC.●
(米国ニュージャージー州) 上海事務所(中国上海市)
●
東莞住創光電子技術有限公司(中国広東省)
●●住龍ナノテク材料有限責任会社(中国広東省)
SOC VIETNAM CO.,LTD
(ベトナム フンイエン省)●
その他事業
■ 連結業績の推移
売上高
経常利益、売上高経常利益率
(単位:百万円)
300,000
240,000
194,624 201,644
(単位:百万円)
30,000
217,044 219,083
235,078
14,612
12,000
60,000
5,262
6,000
0.4
2009 2010 2011 2012 2013(年度)
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
0
785
2.6
7,666
3.5
6.6
9.5
9.0
6.0
3.0
7,460
3,645
4,000
△1,002
△2.41
0 △4,000
2009 2010 2011 2012 2013(年度)
44.8
32.03 30.00
8,000
0
(米国ニュージャージー州)● 47.1
13,331
22,400 12.0 12,000
18,000
120,000
5
15.0 16,000
24,000
自己資本比率
(単位:円)(単位:%)
SOC AMERICA INC.
40.00 50.0
住龍納米技術材料有限公司(中国深圳市)●
180,000
0
当期純利益、1株当たり当期純利益
(単位
:%)(単位:
上海事務所
(中国上海市)
●百万円)
920
2.21
20.00
40.0
17.92
39.6
40.9
二次電池正極材料の製造販売、所有す
る遊休地を活用した不動産賃貸や情報
処理サービス、電設工事等を行ってい
ます。
42.1
10.00
8.76
0
△10.00
2009 2010 2011 2012 2013(年度)
30.0
2009 2010 2011 2012 2013(年度)
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
6
CSR 推進
CSR 経営の推進
住友大阪セメントでは、企業理念を実現するためには、
『社会とのつながり』を強く意識し、経済的側面からの貢献を
はじめ、環境保全活動や社会貢献活動を通じて地域社会との共生を図っていくことが重要な経営課題のひとつである
と考えています。
ステークホルダーの皆様や社会との関わりを重視し、社会の一員として経済・環境・社会問題に積極的に取り組み、皆
コンプライアンス体制
当社グループ全ての役職員(執行役員、嘱託、派遣社員を含む。)
「コンプライアンス委員会」は、監査結果について、必要に応じて
長を委員長とする
「コンプライアンス委員会」を設置し、その役割
適切な措置を講じるとともに、監査結果等を取締役会および監査
当社は社長を委員長とするCSR 委員会を組織し、
『地域社会との共生』
『 皆様とのコミュニケーション』の更なる充実・
と責任を明確にするため、
「コンプライアンス委員会規程」を制定
役に報告しております。
拡大に取り組んでいます。
しております。
当社グループのすべての役職員からの通報を受け、調査是正な
様とのコミュニケーションを通じて社会から信頼を高めることが、当社の企業価値向上につながると考えています。
「コンプライアンス委員会」は、年度ごとにコンプライアンスに関
する活動の計画を策定し、その進捗を管理しております。コンプ
コーポレート・ガバナンスは企業経営を規律する仕組みであり、その目的は、経営の効率性を向上させるとともに、経営の健全性と透明性
コンプライアンス推進体制概要図
位置付けております。
株主総会
取締役会
選任・監督
権限・責任の明確化により経営の効率化をはかるた
会計監査
を分離し、各々の機能の強化や意思決定の迅速化と
取締役社長
め、
「執行役員制度」を導入しています。
監査役︵会︶
意思決定
選任
選任・監督
業務監査
月より、経営における意思決定・監督機能と執行機能
選任
行状況の報告を受けています。また、2006 年 6
コンプライアンス
責任者
指揮・命令
コンプライアンス
責任者
コンプライアンス
委員会
コンプライアンス
担当者
委員長
事務局
(封書、TEL、
FAX、メール)
通報者
通報
調査
違反行為者
違反部署
住友大阪セメント
グループ社員
(封書、TEL、
FAX、メール)
調査結果報告
内部監査室
社外窓口
弁護士
調査
通報内容の連絡
調査結果の連絡
調査結果の連絡
委員長
社長
事務局
コンプライアンス
ホットライン
担当者
当社グループのリスクの把握、評価および対応を図るため、社長
に関する監査は、
「内部監査室」が行い、その監査結果を「リスク
を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、その役割と責任を
管理委員会」に報告しております。
明確にするため、
「リスク管理委員会規程」を制定しております。
「リスク管理委員会」は、監査結果について、必要に応じて適切な
「リスク管理委員会」は、毎年度ごとにリスク管理に関する活動の
措置を講じるとともに、監査結果等を取締役会および監査役に報
会計監査人
会計監査
通報窓口︵社外︶
通報
コンプライアンス委員会
計画を策定し、その進捗を管理しております。リスク管理の状況
監査結果
報告
通報
通報
内部監査
通報
リスクの把握・
評価・対応
子会社
子会社
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
監査結果報告
内部監査室[通報窓口︵社内︶]
内部監査
本社・各事業所
リスクの把握
評価・対応
む重要会議に出席しています。
リスク管理委員会
以上、監査役会を開催するとともに、取締役会を含
業務執行
3 名は社外監査役であります。監査役は、毎月1 回
周知徹底
是正措置等
監査役会は、監査役 5 名から構成されており、うち
代表取締役
社内窓口
通報
コンプライアンス
委員会
リスク管理体制
執行役員
■監査役会
コンプライアンス
担当者
住友大阪セメントグループ会社
調査結果の連絡
CSR経営の推進
コーポレート・ガバナンス模式図
意思決定
CSR経営の推進
住友大阪セメント
各部門
取締役会は、社外取締役 1 名を含む取締役 7 名か
し、経営上の重要事項の決定を行うとともに業務執
代表取締役
コンプライアンス委員会
委員長:社長
事務局:法務室
調査結果
報告
会社の機関および内部統制システムの整備状況
コンプライアンス・ホットライン制度フロー図
取締役会
通報窓口
社内:内部監査室
社外:弁護士
ら構成されており、毎月1 回以上、取締役会を開催
制度」を設けております。
CSR推進
CSR推進
を確保することにより継続的な企業価値の増大を実現させることと考えております。よって、当社は、その充実を経営上の最重要課題と
■取締役会、執行役員
どの措置を行うための制度として「コンプライアンス・ホットライン
ライアンス状況に関する監査は、
「内部監査室」が行い、その監査
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な方針
7
結果を「コンプライアンス委員会」
に報告しております。
に対し、
コンプライアンスの意識高揚、浸透、定着を図るため、社
告しております。
■ 2 0 1 3 年度の取り組み事項
1 市川地区大震災マニュアル改訂
3広報関係リスク管理マニュアル策定
❶「首都圏直下型地震」を想定し、市川地区の大震災マニュアル
を改訂いたしました。
❷一昨年に船橋地区、昨年は大阪大正地区、そして今年は市川
地区と地区別に統合した大震災マニュアルとしては 3 地区目と
なりました。
❸被災時には、部門を超え、その地区で統一したルールに基づき
対応できるよう体制を整えました。
●企業リスク発生時に、迅速で正確に社内外への情報発信がで
きるよう、広報対応の流れや体制について取りまとめたマニュ
アルを作成しました。
2新材料事業部の事業継続計画(BCP)策定
●一昨年に改訂した「船橋地区大震災マニュアル」及び今年改訂
した「市川地区大震災マニュアル」の内容をもとに、被災時の
連絡体制、顧客への対応等通常の操業レベルまでの復旧計画
を織り込み策定しました。
4リスク管理に関する社内説明会、研修会の実施
❶各部署及び関係会社リスク管理担当者を集め、リスク管理担当
者会議を開催しました。その場ではグループ全体のリスク管
理に関する方針を説明するとともに、リスクに対する感度を高
めるための研修も織り込みました。
❷新入社員研修時には当社リスク管理体制の説明、会社に起こり
うるリスクの種類等について説明し、啓蒙に努めました。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
8
CSR の取り組み
2014〜2016年度
特集
中期経営計画
当社グループは、2014 年度より3カ年の中期経営計画を遂行中です。
その具体的取り組みについてご紹介します。
経営環境
1 国内セメント事業の競争力強化
セメントの
安定供給のための取り組み
基本方針
企 業 理 念 : 豊かな社 会 の 維 持 発 展
CSRの取り組み
CSRの取り組み
□ 国内セメント需要は比較的高水準で推移
□ 将来的には減少も見込まれる
□ 補修市場や海外市場には成長分野も存在する
セメント内需推移予測
(単位:万 t )
6,000
5,009
4,771 4,800 4,800 4,800
4,273
4,161
4,265
成長分野の拡充と安定的収益確保
4,434
国内需要減少時においても
「全社的な安定収益構造を確立する」ために、
成長分野の拡充を積極的に進める
4,000
成長市場である補修事業の拡充
3,000
海外セメント事業の基盤確立
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016(年度)
新規事業 選択と集中
特集
セメントの
安定供給のための取り組み
特集
5,000
国内セメント事業の競争力強化
セメント国内需要が高水準で推移するなかで、
グループ力の結集により、収益の極大化を目指す
高効率クリンカクーラーの導入
当社では 2013 年度に、更なる省エネルギー化を図るため、主
今年度は栃木工場及び八戸セメントに高効率クリンカクーラーの
力臨海工場の赤穂工場 3 号キルンと高知工場 6 号キルンに高効
導入を予定しており、当社(八戸セメント含む)所有の 8 キルンの
率クリンカクーラーを導入しました。
うち、5 キルンに高効率クリンカクーラが導入されることになりま
クリンカクーラーはキルンで焼成されたクリンカの冷却に加え、
す。中期経営計画では来年度以降も導入を計画しており、省エ
高温クリンカの熱量をクリンカ焼成炉に回収する機能を担ってい
ネルギー化推進による低炭素社会への貢献に加えて、今後継続
ます。クリンカクーラーの高効率化により、クリンカ冷却能力の
が見込まれるセメント需要増に着実に対応できる生産体制の構築
改善と焼成炉への熱回収量増加によって、クリンカ焼成用熱エネ
に一層努めてまいります。
ルギー原単位は導入前と比較して約 6% 低減することができま
した。
また、熱エネルギー原単位低減によってプレヒーター排ガス量も
低減し、従来より生産量を上げることが可能となっております。
6000
横バイ
5000
4000
3000
2000
2008 年2009 年2010 年2011 年2012 年2013 年2014 年2015 年2016 年2017 年
9
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
10
CSR の取り組み
1 国内セメント事業の競争力強化
2 成長分野の拡充と安定的収益確保
補修事業の拡充
セメント輸送能力の強化
海上輸送能力の増強による物流体制の強化にも取り組んでい
ます。
当社では、従来より、セメントコンクリート分野の独自技術を活かし、コンクリート構造物の維持補修に寄与する材料や工法を開発してい
2013年度には、
セメントタンカー『第二十二すみせ丸』
を建造し、
ます。
2014 年 2 月に就航しました。セメント積載量は 8,000トンで、
昨今、老朽化したインフラの維持補修は、社会的にも緊急の課題として認識されています。中期経営計画では、生産販売体制や社外と
当社では最大級のタンカーとなります。
の連携強化により、この社会的課題に対応していくため、事業の拡充を図っていく方針です。
第二十二すみせ丸の就航により、当社のセメント輸送能力は約
10% 増強されました。また中期計画では、更なるセメントタン
カーの建造も予定しています。消費地に対して、主力臨海工場か
“材工一体”
となったサービスの提供
2020 年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに備え、
コンクリート構造物の補修や補強のニーズに対して、当社が開発
特に首都圏においては老朽化したインフラの整備が進むものと
した材料をより効率的に活用頂くために、グループ内外との連携
想定されます。当社では、道路や橋梁などの土木分野や建築分
を強化し、材工一体となった製品サービスの提供を進めていま
野において、確実にニーズを取り込み、国家的プロジェクトの成
す。
功に貢献することが出来るよう情報収集並びに営業展開を進めて
例えば、発塵を抑えたコンクリート構造物の乾式断面修復材料で
いきます。
あるリフレドライショット。橋梁や桟橋、トンネル、上下水道など
東日本大震災で注目を集めた液状化被害への対策に大きな効
果を発揮するセメント系固化材は、2013 年度に過去最高の
い評価を得てきました。2013 年には『リフレドライショット工法
特集
特集
の補修・補強工事に対して経済性、耐久性に優れた材料として高
セメント系固化材供給体制の増強
CSRの取り組み
CSRの取り組み
ら確実に運搬できる体制を整えてまいります。
東京オリンピック・パラリンピックを見据えた対応
協会』
を設立。当社グループ会社をはじめ、
施工会社と一体となっ
てサービスを提供しています。優れた技術の更なる普及促進に
努めていきます。
702 万トンの国内需要を記録しました。
当社におきましても、東日本大震災後、東北地区太平洋側での
旺盛な需要に対応するため、仙台港 SS 構内(宮城県)にセメン
ト系固化材の製造設備を新設(2013 年 7 月稼働)、また、出荷
能力が小さい小名浜 SS(福島県)に出荷サイロを新設すること
により出荷能力の増強を図りました(2013 年 3月)。今後とも、
震災復興需要や全国で広がる防災、減災需要に対して、安定供
給で応えるために、供給体制の増強を進めてまいります。
補修材料生産能力増強
補修材料の生産を委託するグループ会社の泉工業(栃木県佐野
市)
において、生産設備を増強し、生産能力を拡充する予定です。
前述の東京オリンピック・パラリンピックに伴う需要増加に対応し
ていきます。
安定供給を担う人材育成
ベテランの技術を若手社員に確実に伝承するなど、安全で安定
したセメント生産を持続的に行うための人材育成にも注力して
います。
2013 年にはセメント工場の技術部門を統括する本社生産技術
部内に『教育推進グループ』を発足しました。研修担当専任者を
配置し、各セメント工場の若手技術者を対象に研修を行ってい
ます。
また、従来からセメント工場単位による小集団活動『FSO(フレッ
シュ住友大阪)活動』にも力を入れています。これは、職場ごとに
10 人前後のグループを組織し、安全、環境、品質などの向上の
ため、現場レベルでの課題解決を行っていくものです。技術やノ
ウハウの共有に繋がり、若手社員の学びの場としても効果的な取
り組みとなっています。
11
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
12
CSR の取り組み
リサイクル事業紹介
2 成長分野の拡充と安定的収益確保
海外セメント事業の基盤確立
セメント工場は巨大な資源再生工場です
廃棄物や副産物をセメント製造における原料またはエネルギーとして活用
そもそもセメントは、その主要原料の石灰石に粘土などの副原料を適正に調合したうえで、キルンという回転窯で高温焼成して出来上が
当社は、2007 年から香港の出資パートナーであ
ります。焼成エネルギー源には主に石炭を使用します。現在では、副原料の大部分、また焼成エネルギーの一部を多種多様な廃棄物・…
る嘉華建材との合弁会社を通じて、中国雲南省に
副産物をリサイクル原燃料として使用しています。
てセメント事業を手がける昆鋼嘉華水泥グループ
へ間接投資をしており、当該グループの工場数は
廃棄物・副産物が利用できる仕組み
4 工場まで拡大しております。また、5 工場目を
建設しています。雲南省では、活発なインフラ投
資により、セメントの需要が拡大しており、5 工場
模となります。
セメントの半製品であるクリンカの製造には、酸化カルシウム、酸
多種多様で大量のリサイクル原燃料を、二次廃棄物を排出するこ
化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化鉄といった主要成分を含んだ
となく、JIS(日本工業規格)
で定められた厳しいスペックを満たす
原料が必要で、化学的にはこれらの主要成分をある程度含んだ
セメントという製品に変えていくリサイクルプロセスは、他の産業
廃棄物・副産物であれば原燃料 =リサイクル原燃料として使用す
にはないセメント産業独自の強みと言えるでしょう。
ることが可能です。
また、東南アジア地域では引き続きセメント需要
の増加が見込まれており、技術力を背景に、海外
循環型社会構築への貢献
高精度な成分管理
におけるセメント事業の基盤を確立するべく調査・
検討を進めています。
CSRの取り組み
CSRの取り組み
トータルの生産能力は 1,000 万トンを超える規
セメント産業独自のリサイクルプロセス
全国のセメント工場においてリサイクルされる廃棄物・副産物は
リサイクル原燃料の使用にあたっては、セメントの品質の安定化
年間約 3,000 万トンにおよび、これは国内で排出される量の約
5%にあたります。近年、社会的な環境意識の高まりを受けて、
循環型社会構築という観点からも、
『大量処理が可能』で『高温焼
製造しています。
成による無害化』ができ『二次廃棄物の発生がない』セメント工場
リサイクル事業紹介
特集
のために、それらの成分を各工程で高精度に管理し、生産プロセ
スにおいてフィードバックを繰り返しながら、高品質なセメントを
の役割はますます重要性を増しています。
産業界との関わり
(廃棄物・副産物)
火力発電/鉄鋼
廃白土
廃油
石炭灰
廃プラスチック
再生油
高炉スラグ
鋳物砂
木くず
廃アルカリ
副産石膏
高炉スラグ
未燃灰
肉骨粉
2 成長分野の拡充と安定的収益確保
今後拡大が期待される車載用電池材料への用途展開を図ってい
光電子事業では LN 変調器、新材料事業では半導体製造装置向
ます。
け部品が主力製品となっており、独自の技術による高機能な製品
各事業において成長市場を見極め、成長分野における設備の増
はユーザーから高い評価を受けています。また電池材料事業は
強等、ターゲットを絞った経営資源の投入を行ってまいります。
焼成プロセス
仕上プロセス
石灰石
粘土
[ ロータリーキルン ]
珪石
[ セメントミル ]
サービスステーション
2012 年に製造子会社の SOC ベトナムにて量産体制を確立し、
業では選択と集中により、収益の拡大を図っていきます。
原料プロセス
セメント製品出荷
光通信用デバイスである光電子事業、新材料事業、電池材料事
天然原料
船舶
新規事業 選択と集中
建築現場/工場
[ 原料ミル ]
トラック
クリンカ
建設発生土
下水汚泥・脱水汚泥
廃タイヤ
肉骨粉
再生油
生活
フロン
未燃灰
社会との関わり
(廃棄物・副産物)
火力発電所から出る石炭灰など、他産業から排出されるリサイクル原燃料の他にも、建設発生土や木くずをはじめ、汚泥や廃タイヤ、
…
廃プラスチックなど、人々の生活に密接につながっている社会全般からリサイクル原燃料を受け入れています。
13
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
14
CSR の取り組み
リサイクル事業紹介
CSR ニュース
TOPICS
CLOSE
UP
1
一般ごみ焼却灰のセメント資 源 化
八戸セメントにて県境不法投棄廃棄物および
東日本大震災災害廃棄物の処理を完遂
当社セメント工場では、産業活動から排出される産業廃棄物の他にも、暮らしのなかから排出される一般廃棄物のセメント資源
化にも取り組んでいます。
2013 年度をもって、グループ会社の八戸セメント
(青森県八戸市)は、県境不法投棄廃棄物および東日本大震災災害廃棄物の
処理を完遂しました。
2010 年 8 月から赤穂工場において、
青森・岩手県境不法投棄廃棄物
兵庫県内の一般ごみ焼却場から排出
される一般ごみ焼却灰およびばいじん
国内最大級の不法投棄事件と言われる青森・岩
を行っています。これは財団法人ひょ
手の県境にまたがる広範囲に不法投棄された
うご環境創造協会と共同で一般廃棄
廃棄物のセメントリサイクル処理を行ってきま
物の前処理設備を建設し、前処理さ
した。
れた一般廃棄物を既存のセメント焼成
2004 年 か ら 現 地 か ら の 撤 去 が 始 ま り、
炉(キルン)にて原料としてリサイクル
2013 年 12 月まで、約 9 年の歳月をかけて
しています。
総量 114 万 7 千トンもの全量撤去が実現しま
した。 八戸セメントにおいても、2005 年 4
月より青森県側の廃棄物を受入れ、約 20 万ト
い、セメント原料としての受入基準に
ンのリサイクル処理を実現しました。この間、
適合するよう処理することです。前処
処理状況の説明会や見学などを通じた情報発
理されたごみ焼却灰・ばいじんはセメン
信に努め、地域の皆さまのご理解のもとでリサ
ト原料である粘土に非常に近い成分
イクル処理を進めました。
CSRニュース
リサイクル事業紹介
前処理とは、収集されたごみ焼却灰・
ばいじんを粗砕、異物除去、除塩を行
CSRの取り組み
CSRの取り組み
といった一般廃棄物のセメント資源化
を持ち、リサイクル資源として、有効
に活用することが可能となります。
また、2014 年 6 月より八戸セメント株式会社では、東京都 23 区の清
掃工場より排出される一般ごみ焼却灰のセメント原料化実証確認を開始
工業用原料、
飼料、
廃タイヤなど…… 約
ントリサイクル処理を手掛けるとともに、2012 年 3 月1
八戸セメントでは、地元青森県の自治体より発生する焼却灰のセメント原
日、岩手県、宮城県及び八戸市との間で広域災害廃棄物
料化を行ってまいりましたが、他県から発生する焼却灰を処理するのは今
青森県
岩手県洋野町
の受入れ処理に関する協定を締結し処理を行いました。
回が初めてとなります。
木くず、
廃タイヤ …………………… 約
33,500トン
900トン
これはセメント工場における災害廃棄物の広域処理(発
東京 23 区では、東京都が管理する東京湾岸の埋立処分場などで主灰
岩手県久慈市
生県以外での処理)としては初めての取り組みとなりまし
の最終処分が行われております。しかし、新たな最終処分場を確保する
木くず、
混合不燃物………………… 約
秋田県
た。以降、2014 年 3 月までに約 6 万トンの災害廃棄物
ことが極めて困難であるため、既存の最終処分場の延命化対策が課題
の広域処理を行いました。青森県内の災害廃棄物もあわ
となっています。八戸セメントはその東京都の取り組みに協力するもの
岩手県
せると、総量約 9.3 万トンとなりました。
です。
岩手県野田村
木くず、
混合可燃物、
混合不燃物… 約
26,500トン
11,100トン
八戸市ならびに地域の皆さまのご理解とご協力のもとで、
岩手県普代村
セメント産 業 の 特 性
なお、他のセメント工場においても、地元自治体より一般ごみ焼却灰を受
混合不燃物 ……………………… 約
を活かした災害廃棄
入れセメント原料として活用しています。
物処理への貢献をす
一般ごみ焼却灰のセメント資源化は、埋め立て処分場の延命といった環
ることができました。
境負荷低減につながる事業であり、更なる地域社会への貢献と循環型社
20フィートコンテナに積まれた焼却灰 約 9.5トン
岩手県釜石市
山形県
宮城県
今 後とも、被 災 地 の
会の構築に貢献できるものとしてその取り組みを強化してまいります。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
青森県八戸市
東日本大震災後、青森県内で発生した災害廃棄物のセメ
しています。
15
●八戸セメントにおける災害廃棄物処理実績(2014 年 3月末)
東日本大震災災害廃棄物
一般ごみ焼却灰前処理設備
コンクリートがら …………………… 約
復興のため、セメント
宮城県石巻市
の安定供給に努めて
廃肥料、
廃飼料、
工業用原料など… 約
いきます。
1,800トン
3,000トン
15,700トン
八戸セメント行 最終搬出便
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
16
CSR の取り組み
CSR ニュース
TOPICS
2
4
TOPICS
高知工場に石炭灰 1 万トンサイロ完成
コンクリート舗装の普及促進に向けて
2014 年 2 月、高知工場に石炭灰 1 万ト
当社事業所にて早期交通開放型コ
ンサイロが完成しました。石炭灰はリサ
ン ク リ ート 舗 装『1DAY PAVE』
イクル原燃料として主に石炭火力発電所
より受入れ、セメント資源化しています。
の試験施工見学会を実施しました。
『1DAY PAVE』はコンクリート舗
装の欠点とされる養生期間を短縮
所の稼働が高まっていることで、石炭灰
し、早期交通開放が求められる道路
の引き取り要請が強くなっています。こ
補修工事などでの適用が期待される
のサイロの完成により、工場での貯蔵容
技術です。
量を拡大することで、そのような要請に
見学会には行政関係者、建設会社、
十分対応できる体制が整えました。
生コンクリート製造会社またマスコミ
ちなみに、観光 PR の一環としてサイロ
関係者などより多くのご参加を頂き
壁面には工場の位置する須崎市のマス
ました。
CSRの取り組み
CSRの取り組み
東日本大震災以降、国内の石炭火力発電
コット『しんじょうくん』の巨大なイラスト
CSRニュース
CSRニュース
を描きました。
TOPICS
3
石灰石鉱業大会にて平尾台共同事業が最優秀功績賞を受賞
2013 年 5 月、第 72 回石灰石鉱業大会(石灰石鉱業協会
の採掘が開始されています。この事業で、約 3 億トンもの鉱
主催)にて、三菱マテリアル株式会社と共同で進める平尾台
量を活用することが可能となり、当社および三菱マテリアル
共同事業が最優秀功績賞を受賞しました。
社のセメント工場に今後 100 年にわたり石灰石を安定供給
この事業は福岡県北九州市に位置する当社(小倉鉱山)と三
する体制が整いました。
解 説
早期交通開放型コンクリート舗装『1DAY PAVE』
とは
コンクリート舗装を取り巻く現状
『1DAY PAVE』の開発と普及促進
現在、国内の道路は、交通開放の早さや、初期施工コストの
一方で、コンクリート舗装は、施工後、交通開放までに数日
菱マテリアル社(東谷鉱山)が隣接して操業する石灰石鉱山
なお、両鉱山は国定公園平尾台に位置しており、共同開発に
優位性などから、大半がアスファルト舗装となっており、コン
間を要するという課題がありました。新設道路のように、施
について、小倉鉱山の未着手となっている一部鉱区と、東谷
よって発生する剥土の堆積場では在来種植物の生態系保護
クリート舗装はわずかに6% 程度しかありません。
工後一定の養生期間が確保できる舗装工事には充分対応で
鉱山の残壁形成によって取り残される石灰石について共同
を目的とした緑化も実施しています。
しかし、近年では、耐久性が極めて高く、維持管理の合理化
きますが、供用中道路の補修工事など、早急な交通開放が
が図れ、長期的な供用が可能な点、その明色性からヒートア
求められる工事には、対応が困難となっておりました。
イランドの抑制に繋がるという点、また、自動車走行性能の
この解決策として、一般社団法人セメント協会では、施工後
改善による燃費向上など、コンクリート舗装の優位性が明ら
1 日以内で交通開放を可能とする『1DAY PAVE』を開発し
で開発する事業です。2012 年 7 月より共同事業エリアで
かとなってきました。
一昨年度から国土交通省が適材適所にコンクリート舗装を活
用する方針を打ち出すなど、注目が高まっています。
ました。
『1DAY PAVE』は、施工翌日の交通開放を実現するだけで
なく、汎用的な材料で製造出来るため、全国どの生コンクリー
ト工場からも出荷ができ、しかも特殊な施工機械も必要とし
ないことから、今後の普及が大いに期待されます。
当社では、3 年以上前からその試験施工に取り組んでおり、
実績を重ねてまいりました。今後も順次、当社関連施設等で
の施工見学会を開催する予定で、さまざまな条件下でのデー
タを蓄積することで、その普及促進に努めてまいります。
17
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
18
CSR の取り組み
CSR ニュース
TOPICS
鉱山緑化・森づくりへの取り組み
5
●鉱山跡地の緑化
募金型自動販売機の設置
2012 年 9 月より、募金型自動販売機を導入し、当社の工場、支店、
研究所等 9カ所に設置しました。
募金型自動販売機では、購入した金額の一部が自動的に募金でき
るもので、社員が気軽に募金活動へ参加できる仕組みになってい
ます。
2013 年度は、総額約 247 万円もの募金が自動販売機を通じて
CSRの取り組み
CSRの取り組み
集まりました。
この募金は自治体への寄付制度である「ふるさと納税」や募金団体
を通じて以下に寄付しました。
1 ツシマヤマネコ保護活動への寄付
2 東日本大震災被災地支援
伊吹鉱山
4 東京都千代田区さくら基金への寄付
TOPICS
6
滋賀県米原市に位置する当社伊吹鉱山では、1971 年から
TOPICS
7
本社ビルにて
青森県特産品フェアを開催
東京都千代田区一斉清掃へ参加
式』
と呼ばれています。
採掘跡地の緑化事業に取り組んでいます。これは国内の鉱
現在、緑化の開始から既に40 年以上が経過し、当時植生し
山において企業自らが緑化に取り組む先進的な事例である
た箇所には、草木が自生をはじめ、樹木と呼べるまでに成長
と言われています。1972 年には滋賀県との間で鉱山の緑
しているところもあります。
化を謳った自然環境保護協定を締結しました。また、岐阜大
また国内他の鉱山でも、この方法を活かし、採掘跡地の緑化
学農学部の協力のもと確立した原生生物移植法は『伊吹方
を進めています。
● 企 業 の 森づくりへ の 取り組 み
2013 年 7 月、本社ビルロビーにて、青森県特産品フェ
住友大阪セメントは地域貢献の一環として、東京都千代
アを開催しました。これは東日本大震災復興支援を目的
田区一斉清掃の日へ参加しました。
栃木工場と高知工場にて、地方自治体が進める企業の森づく
11 月には、第 1 回目の植樹活動を実施。当社社員と家族、
に企画したものです。丸一日の開催で、約 50 万円もの
この活動は千代田区が環境美化意識の向上を目的とし
り活動に参画し、森林保護活動に取り組んでいます。
地元の高校生などにも参加をいただき、ヤマザクラやイヌブ
売り上げを記録しました。
て、年 2 回実施しているものです。
高知工場では、2007 年より、高知県の進める「協働の森づ
ナなど、17 種 300 本を植樹しました。
当社では本社所在の四ツ谷駅および市ヶ谷駅周辺の清
くり事業」に協賛しています。高知県は県面積に占める森林
掃活動を毎月1 回継続的に行っています。
の割合が 84%と日本一の森林県です。近年、国産木材の
参加者には、本社在勤社員の自己参加を募っています。
需要低迷や、林業の担い手不足から、手入れが行き届かず
従業員各自が環境に対する美化意識を強めると共に地
緊急間伐が必要とされる森林が数多く存在しています。
域交流を深めています。
高知工場では、高知県および須崎市と協定を締結し、整備の
鉱山緑化・森づくりへの取り組み
CSRニュース
3 工場立地自治体への寄付
対象とする協定森林を『住友大阪セメント〜須崎 未来を拓
く森』と名付け、森林再生に取り組んでいます。この事業を
通じて得られた間伐材は、高知工場の火力発電用バイオマス
燃料として利用しています。
高知工場
間伐作業の様子
また、協定森林のうちシンボルフォレストを定めて、従業員
も参加する間伐作業イベントを年 1 回開催しています。
栃木工場では、栃木県が進める「企業の森づくり推進事業」
に参画し、2013 年 8 月栃木県及び佐野市と「森づくりに関
する協定」を締結しました。栃木工場が整備する森林は「チー
ム栃木の森」
と名付けました。
19
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
栃木工場
植樹の様子
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
20
CSR の取り組み
生物多様性への取り組み
平成 26 年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受賞
ツシマヤマネコ保護活動
4 月23 日、東京・新宿御苑にて「平成 26 年度みどりの日自然環境功労者環境大臣表
彰式」が開催され当社が地元の皆さんと取り組む絶滅危惧種ツシマヤマネコ保護活動
「舟志の森づくり推進委員会」が環境大臣表彰を受賞しました。
この表彰は、自然環境の保全に関し顕著な功績があった個人や団体を、毎年みどり
の日に環境省が表彰するもので、今年度は 37 件が表彰されました。
CSRの取り組み
CSRの取り組み
今回の受賞は、長崎県対馬市において地元行政ならびに地域の皆さまと組織する「舟
志の森づくり推進委員会」
として受賞したものです。
同委員会は、2007 年(平成 19 年)
に発足し、当社が無償で提供した対馬市に所有す
る森林「舟志の森」をベースに、日本で最も絶滅が危惧されるツシマヤマネコ保護の
ための森づくりに取り組んでいます。ツシマヤマネコの保護を目的として、行政・ボラ
ンティア・企業が一体となって取り組む活動は初めてのことです。
当社が地道に進めてまいりました活動が、このように高い評価を受けるに至りました
して活動を続けてまいります。
当社は社会貢献活動の一環として『ツシマヤマネコ』
を保護するため
樹木の育成に適した自然環境の再生に努めています。
舟志の森 植樹イベント
海洋製品事業の展開
生物多様性への取り組み
生物多様性への取り組み
のは、地元対馬の皆さまの温かいご協力の賜物であり、改めて感謝いたします。
これからも、その絆を大切に育みながらツシマヤマネコが住みやすい自然再生を目指
Photo by Makoto Kawaguchi
3 月9 日に「舟志の森」においてイベントが開催され、当社グ
近年、日本近海では、地球温暖化などの影響により、海藻類が
当社は遊休地であった長崎県対馬市舟志地区に所有する森林約 16 ヘ
ループは㈱ SNC 海洋製品事業グループから2 名、総務部から
焼失していく磯焼けという現象が大きな環境問題となるなど、
クタールを無償で提供しています。当該用地は、かつてセメントの原料
1 名が参加しました。
海洋環境の保全対策が注目されています。 九州で最も豊か
(粘土)を採掘する用地として取得したものでしたが、セメント産業へ
今回の内容は、広葉樹の苗木 20 本の植樹と、2008 年に植
な海域といわれる対馬地方にて、当社ではグループ会社の㈱
のリサイクルの要請が高まったことで、粘土の代替品となる産業廃棄物
樹した樹木のシカ食害防止カバーの取り外しでした。植樹につ
SNCと共同で、海洋製品事業を展開しており、極めて独創的
(石炭灰等)の利用が増加したことから、天然の粘土の使用が激減し、
いては、ヤマネコが住みやすい環境作りの為に、杉や檜の人工
な魚礁製品と独自技術の藻場造成製品にて海洋環境の保全に
遊休地となっておりました。
林を徐々に広葉樹林に戻そうと継続的に取り組んでいるもので
貢献しています。
この主な取組みは、森の間伐、皆伐を行い、小動物のエサとなる実を
す。食害防止カバーの取り外しでは、木によってはカバーがは
ハイブリッド魚礁スーパー SK1300S は、高さ20m の大型
つける広葉樹の植樹を行い、小動物が生息しやすい森を育て、絶滅の
ちきれんばかりに成長しているものもあり、取り外しにてこずる
魚礁であり、魚の乱獲を防ぎながら資源を増殖していきます。
危機に瀕するツシマヤマネコの保護を推進していこうというものです。
場面も見られましたが、参加者にとってはそれがまた嬉しい悩
魚類の生態を研究した独創的な構造にて、業界 NO.1 の集魚
この活動も 2007 年春から開始し、8 年目となります。2008 年に植
みでもありました。当日は多数の方々が参加され、この「舟志
能力を誇ります。
樹した 300 本の広葉樹も人の背を超えるほどの大きさまでに成長しま
の森」の取り組みが地域の皆さんに支持されている事を実感し
また、当社独自技術である着脱式藻場増殖プレートを用いた藻
した。
ました。今後も積極的に参加し、元気な森づくりに少しでも貢
場造成技術は、藻場造成
セメント会社にとって天然資源は欠かせないもので、当社が創立 100
献できればと思います。
をシステム的に実施する
年を越えられたのも自然の恵みがあってからこそです。だからこそ貴
画期的なもので、磯焼け
重な自然をより大切にしていき、かつての遊休地をも希少動物の保護
海域でも藻場造成できる
活動へ役立たせたいと願っています。自然を回復させるにはとても長
K-hatリー フβ型 は、核
い年月がかかりますが、これからも、
『ツシマヤマネコ』が住みやすい自
藻場造成礁として、多く
然再生を目指し、地元対馬の方々と協力し合い、さまざまな環境保全
の実績を上げています。
活動を続けて参ります。
ハイブリッド魚礁スーパー SK1300S
21
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
22
CSR の取り組み
サ イトレ ポ ート
栃
第 三 者 の 方 からメッセ ージ
セメントは暮らしを支えるサポーター
●奈良県地域婦人団体
連絡協議会
会長
中島
祐子
工
日本はゴミの山?
工場名
栃木工場
●工場が受け入れる廃棄物は年間約 3,000 万トン。もし
稼動年月
1938 年
(昭和 13 年)
5月
所在地
栃木県佐野市
受け入れなかったなら・・・
はじめに
石炭灰、下水汚泥、高炉スラブ、タイヤ、プラスチック等々、
生産能力
(万 t)
90
これらの廃棄物をセメント工場が受け入れて、セメントの原
敷地面積
(㎡)
239,623
地球温暖化が様々な形で私たちの生活を脅かしている昨
料、熱エネルギーとして活用しています。いわゆる廃棄物
生産品種
今、利便性ばかり追いかけている私たち住民は、果たして
の有効利用で資源の節約につなげ、循環型社会・低炭素社
持続可能な社会の構築に寄与できるのでしょうか。
会・自然共生社会等の輪をつなぎ、快適な生活をサポートし
普通ポルトランドセメント
早強ポルトランドセメント
高炉セメント
ジェットセメント
固化材
珪石粉
ている「優れもの」であることを教えていただき、深く感銘
を受けました。
らしの中で生かされなくてはならないことに気付きました。
また、効率的なエネルギー利用を通して、ライフラインを
●廃棄物を上手に使っているセメント工場、未来を支える
セメント工場
思いです。
なかった」と、正直な感想です。特に、セメント工場の役割
25 年 10 月22 日、住友大阪セメント株式会社の見学を実
本の未来を支えていることを、声を大にして報告させてい
施しました。この会社は、高度な設備技術を基に地球環境
ただきます。ありがとうございました。
保全と企業活動の調和を図り、環境への負荷の少ない豊か
な社会づくりに貢献されています。
また、工場内は環境美化にも配慮しており、
「セメント」と言
う固いイメージは全くなく、
「パパさんの似顔絵展、プラン
ターによる花いっぱいを通してのおもてなし」など、このよ
うな心の温もりがあってこそ、真の安全な暮らしをサポート
見学会の様子
● CSR サイト http://www.soc.co.jp/csr/
トップメッセージ
社長によるトップメッセージを
掲載しています。
CSRレポートの特 集 記 事を
掲載しています。
社会との
コミュニケーション
社会とのコミュニケーションに
ついて説明しています。
サイトレポート
各サイトの活動報告を掲載し
ています。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
発電所
(25,000kW)
を稼動させ、工場の使用電力を全て賄う事が
出来るエネルギー効率の高い工場となっております。この発電所
では、栃木県の「とちぎの元気な森づくり奥山林整備事業」にて間
栃木工場は、関東平野北部、栃木県南西部
伐された木を燃料に使用するなど、地球温暖化防止へのアプロー
の佐野市に位置し、万葉集に詠われた山河
チ活動が評価され、栃木県知事より
「マロニエECO 事業所(2010
(南に三毳山、西に秋山川)を控える、豊か
年 特別賞 、2011 年 最優秀賞)」を頂きました。また、2013 年
な自然に囲まれた工場です。操業は1938 年に遡り、地域と共に
10 月には栃木県 - 佐野市 - 弊社で協定を結び、栃木県が進める「企
歩んで、今年で76 年を迎えます。セメント主原料である自社石灰
業等の森づくり」活動を始めました。森の名を「チーム栃木の森」と
石鉱山(唐沢鉱山)を工場の近傍に有し、関東を中心にセメントを供
名づけ、2013 年 11 月2日、地域・行政の方々と力を合わせた植
給する内陸工場です。
樹会を皮切りに、
「元気な森づくり」
を進めています。
当工場は、
「地球環境を保全し、次世代への良いしくみを残す」を合
栃木工場では、地域の企業として雇用維持、環境保全、経済活性
言葉に、
「環境負荷の少ない、高度なリサイクルシステム」の実現を
化等の社会的責任を果たすとともに、工場見学、地域懇談会、産官
目指し、各種産業や自治体と連携し、廃棄物や副産物を「セメントの
民連携等を通して、多くの意見を賜り、また情報を発信することで、
原料・燃料」
に活用する取組みを進めています。
今後も信頼される、頼られる
「地域に根ざした工場」
を目指します。
活動
レポート
住 友 大 阪 セメントの W E B サイトのご紹 介
2009 年に再生可能エネルギーとして注目される木質バイオマス
チーム栃木の森
植樹会
活動
レポート
2014年7月
一斉クリーン作戦
栃木工場では、栃木県-佐野市-当社
7月に「工場一斉クリーン作戦」を実
が協定を結び、
「企業等の森づくり推
施し、工場並びに近隣の美化活動を
進事業」を行っています。
「木質バイ
オマスを活用する会社が、木を植え、 ●環境課 作田 哲也
行いました。
これは、安全週間行事の一環として、 ●業務課 和田 悠暉
スペシャルコンテンツ
森を育て、森に親しんで頂くことで森林保全の大切さを知っ
年二回実施しているものです。
ツシマヤマネコの保護活動に
ついて紹介しています。
てもらう」を趣旨として、
「チーム栃木の森」
と命名した土地
クリーン作戦では、いつもと違った目線で工場内を見て、清
で「森づくり」を始めました。昨年11月2日、秋晴れの中行っ
掃に励みます。場内を綺麗に保つことで、作業環境を改善
た第1回植樹会では160名、今年6月7日あいにくの小雨
し、災害リスクも減少させています。工場近隣の清掃では、
循環型社会を目指して
となった第2回植樹会へも150名の近隣・行政・関係各社の
美化活動する社員
循環型社会を目指した取り組
みを説明しています。
方々に参加して頂き、多数の苗木を植えました。今後も地
と地域住民の方々
域・行政と一体となり
「元気な森づくり」を継続し、地域と工
が挨拶する姿も見
場の共生の場となるよう取り組んでいきます。
られました。地域と
環境報告
環境に関する方針と活動報
告を掲載しています。
栃木工場
第三者の方からメッセージ、WEBサイトのご紹介
が、リサイクルの大きな力となって、
「地震大国」である日
特集
● 栃木工場長 大嶋 信太郎
なお、今回の見学を通して、
「知っているつもりが何も知ら
奈良県地域婦人団体連絡協議会の会員 35 名は、去る平成
できるのだと深く認識しました。
Message
支え、豊かな社会の維持発展に貢献いただき、頭の下がる
サイトレポート
CSRの取り組み
奈良県地域婦人団体連絡協議会では、東日本大震災の教訓
を受け、活動の目標を環境・防災へと視野を広め、日々の暮
工場見学
場
工場データ
住友大阪セメントの CSR 活動の内容をより深くご理解いただくためにサイトコンテンツの充実を図っています。ぜひご覧ください。
23
木
共存する工場であ
るということを再認
識出来るいい機会
となりました。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
24
サ イトレ ポ ート
サ イトレ ポ ート
岐
阜
工
場
赤
穂
工
場
工場データ
工場データ
● 岐阜工場長 青木 秀起
岐阜工場
稼動年月
1960 年(昭和 35 年)
1月
所在地
岐阜県本巣市
生産能力(万 t)
160
敷地面積(㎡)
124,630
生産品種
普通ポルトランドセメント
早強ポルトランドセメント
中庸熱ポルトランドセメント
高炉セメント
さて現在のセメント工場にはセメント供給(動脈産業)
と廃棄物リサ
Message
イクル(静脈産業)の両面の社会的責務があります。動脈産業とし
ての当工場は、主に中京地区へのセメント供給です。セメントの品
● 赤穂工場長 中川 藤外志
質維持と安定供給は勿論、多品種のセメントを揃え、お客様に便
赤穂工場
稼動年月
1966 年
(昭和 41 年)
9月
所在地
兵庫県赤穂市
生産能力
(万 t)
420
敷地面積
(㎡)
624,472
生産品種
普通ポルトランドセメント
早強ポルトランドセメント
中庸熱ポルトランドセメント
低熱ポルトランドセメント
高炉セメント
フライアッシュセメント
固化材
くりと地球環境保全に貢献する」を基本理念にセメント生産活動
を進めております。
現在あるセメントキルン2 基には廃熱発電設備を有しており、火
力の自家発電設備とあわせて工場内全ての電力を自家発電でま
利な工場と評価して頂けるように努めています。静脈産業として
かなえるエネルギー効率の高い工場となっております。リサイ
野の北端に位置し、工場西側に清流根尾川
は、セメント1トンに使用される廃棄物・副産物の割合が業界トップ
クル事業では兵庫県外郭団体である『(公財)ひょうご環境創造協
が流れ、南側には水田の広がる、豊かな自
クラスの工場となっています。廃棄物・副産物も主に中京地区から
然に囲まれた工場です。6 月には工場脇の用水路にホタルが飛
受け入れており、中京地区の
“ものづくり”
を動脈産業と静脈産業
赤穂工場は兵庫県西南端の赤穂市に位置し、瀬戸内海国立公園
サイクル事業を実施しております。循環型社会の構築へ貢献す
会』
との共同事業として一般ごみ焼却灰及びばいじんのセメントリ
び交うことから、ホタルの描かれたセメントサイロやホタルのイル
の両面から支える循環型社会の要になっていると自負しています。
に面した塩田跡地に建設された、関西圏唯一のセメントプラント
るという重要な社会的責務を担い、廃棄物・副産物を積極的に活
ミネーションがあるタワーが当工場のシンボルとなっています。
これらの活動を円滑に進めるためにも地域の皆様や行政のご理
です。
用しております。事業の継続と発展には地域の皆様のご理解が
このような立地にあって、当工場は根尾川下流域や用水の環境を
解が不可欠です。工場見学や地元自治会への合同説明会などを
名水百選に選ばれた千種川が流れる豊かな自然環境の中にあり、
不可欠であり、今後も開かれた工場として工場見学会・環境保全
守る重要な責務を担っていると考えています。またこの他にも地
通して積極的な情報開示を進めています。また、地域に根ざした
水資源・自然環境を守るべく「地球環境と企業活動の調和を図り、
連絡会を通じ地域の皆様との信頼関係を深め、地域社会・地域経
域環境の保全を重視し、安心・安全な工場であり続けるよう、真摯
工場と評価されるよう、地域の各種イベントにも積極的に参加し
環境への負荷の少ない生産・物流等の追求を通し、豊かな社会づ
済に貢献できる工場を目指します。
な取り組みに努めています。
ています。
活動
レポート
2014 年 3 月
近隣祭礼行事参加
活動
レポート
2014 年 6 月
消防署合同訓練実施
活動
レポート
2013 年 10 月
奈良県地婦連工場視察研修会
2014 年 4 月
サイエンスメイト工場見学
2014年3月23日に工場隣の山口
地元消防署との共同で、
「再生油タン
地区にある住吉神社の祭礼神事、神
クからの油漏れ後、引火火災発生」を
さま35名及び、
セメント協会の方々に
組の親子が工場見学に来場されまし
輿祭りに参加しました。
想定した合同消火訓練を実施いたし
よるセメント工場の見学会が行われま
た。見学会では、
「科学に触れる」を
この祭礼は長い歴史のある行事であ
ました。
した。奈良県地婦連の方々から「工場
テーマにキルンの見学、
セメントの品
り、毎年工場の若手職員中心に多数
実際の火災を想定し、初期消火の実
は、
とてもきれいで、環境対策はもち
質管理試験や測定機器の体験実習も
参加し、地域の皆様と大いにふれあう
機会となっています。
●工務課 田中 大智
践や関係各所への迅速な連絡が可能
か、訓練を行いました。当日は消防署
奈良県地域婦人団体連絡協議会の皆
活動
レポート
●業務課 宇崎 恵亮
ろん、省エネルギー、循環、再利用、
自
然のことなどいろいろな方向から考え
サイエンスメイトの親子見学会で19
●業務課 森田 敏行
行いました。子供たちは灼熱の窯内
に興味津々の様子でした。質疑応答
●工務課 森 元気
「神輿担ぎ」は、全部で4基(4体)ある神輿の中で、当社関
長や地元TV局にも、初期
られていて感心させられました。」
とありがたいお言葉を頂
では、予定時間を超えるほど多くの手が挙がり、
リサイクル
係者のみで1基(1体)
を任され、町内を練り歩きました。ほ
消火の活動を視察頂きま
きました。
やセメント品種など多岐にわたる質問にお答えしました。
ぼ30mおきに「休憩」が入り、その都度「お神酒」がありが
したが、消火班もプロの
たい程振舞われ、地域の皆様と一緒に大盛り上がりでした。
方を前にいつも以上に緊
地元の方達からは、
「SOCのお陰で毎年盛り上がり、助かっ
張感のある訓練ができた
ているよ!」
と御礼のお言
と思います。
赤穂工場
岐阜工場
岐阜工場は、岐阜市の西北 15km、濃尾平
サイトレポート
サイトレポート
Message
工場名
工場名
葉を頂きました。今後も
地元に貢献できるよう、
積極的に参加・協力して
いきます。
25
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
26
サ イトレ ポ ート
サ イトレ ポ ート
高
知
工
場
八 戸セメント㈱
工場データ
● 高知工場長 井上 慎一
工場名
高知工場
会社名
八戸セメント㈱
稼動年月
1961 年(昭和 36 年)
12 月
稼動年月
1921 年
(大正 10 年)
6月
所在地
高知県須崎市
所在地
青森県八戸市
生産能力(万 t)
435
生産能力
(万 t)
150
敷地面積(㎡)
334,312
敷地面積
(㎡)
100,100
生産品種
普通ポルトランドセメント
早強ポルトランドセメント
高炉セメント
固化材
生産品種
普通ポルトランドセメント
早強ポルトランドセメント
高炉セメント
フライアッシュセメント
知県、須崎市とタイアップし、間伐体験事業を共催する等、CO2
Message
削減ならびに工場周辺の山林再生を目的とした地域への貢献も
目指しています。
● 八戸セメント㈱ 社長 青木 泰宏
直近の課題としては、今後発生が予測されている南海トラフ地震
このような長きに渡り、操業を継続出来ていることは、ひとえに地
域住民及び行政のご支援やご理解の賜物と感謝いたしておりま
す。引続き、工場見学や地域の諸行事の場を通じ積極的な情報
高知工場は高知県のほぼ中央に位置し、太
設備を集中制御監視する中央操作室を、海抜 29m の位置にあ
開示を行い、地域に愛され、信頼される企業づくりに努めます。
平洋に面した国内有数の臨海工場です。
る高台へ移設する計画に2012 年度より取り組み、津波専用避
また、昨年度で青森・岩手県境不法投棄廃棄物並びに八戸市、岩
当社は、青森県南東部の人口 24 万都市の八戸市に位置し、住友
手県、宮城県の自治体から依頼のあった災害廃棄物の処理も無
全体での避難訓練も年 2 回行い、地震・津波が発生した際の被害
大阪セメントグループの北の生産拠点として、東日本広域にセメ
事に終了致しました。今後は、リサイクルポートである八戸港を
軽減に努めています。
ント製品を供給しております。
活用し、新規リサイクル原燃料の広域受入の拡大とモーダルシフ
2 基の石炭火力発電とセメント生産ラインに附設した廃熱発電設
難路の新設もあわせ、2013 年度中に完了しました。また、工場
備により工場の電力を100% 賄う事が出来るエネルギー効率の
高い工場であり、主に関東・中部地区ならびに海外向けのセメント
を供給しています。
上記対策は協力会社を含めた全従業員の人命を最優先する対応
遡ること90 有余年前の 1921 年に、前身の日出セメント㈱とし
トによる低炭素型物流の促進に努めると共に、セメントの品質維
また当工場ではリサイクル原燃料の活用、発電燃料の木質バイオ
として継続して実施していくとともに、
『豊かな社会の維持・発展
て操業を開始して以降、幾多の変遷を経て、1977 年に当時の
持と安定供給に努め、東日本震災復興と地域社会・地域経済の発
マス燃料代替などを積極的に推進し、循環型社会構築に取り組ん
に貢献する』という当社の企業理念を具現化すべくセメントの安
住友セメント㈱より分離独立し、今日に至っております。
展に貢献すべく社員一丸となって邁進して参ります。
でいます。特に、木質バイオマス燃料の活用につきましては、高
定供給に努めて参ります。
活動
レポート
2013 年 8 月
インターンシップ
活動
レポート
2014 年 2 月
BCP 避難訓練
活動
レポート
八戸市立白山台小学校
工場見学
活動
レポート
環境大臣災害廃棄物広域処理
感謝状 授与
高知工場では、例年8月に須崎市内
高知県が作成した南海地震に関する
2013年11月青森県(県境再生対
2014年3月12日、東日本大震災で
の高校生を対象としてインターンシッ
冊子の中で、南海地震が発生した場
策室)主催による、八戸市立白山台小
発生した災害廃棄物の広域処理を積
プを実施しており、今年は須崎工業
合、1メートルの津波が須崎市の海岸
学校4年生168名を迎えて工場見学
極的に支援した団体・企業に対して石
高校の機械科2年生から2名、電気・
に到達するまで約15分と記載されて
を行いました。当社の工場見学実施
原環境大臣名の『感謝状』の授与式
情報科から2名の計4名が参加しまし
います。30㎝の津波であっても足を
可能人数が100名程度という事もあ
が行われ、当社からは青木社長が出
た。講義形式でのセメント製造工程
の学習や、現場での実習などにも参
●業務課 中山 功大
取られ避難が困難と言われているの
で、津波が到達する前に高台へ迅速
●業務課 尾形 俊充
り、午前(3クラス)、午後(2クラス)
に
分けての2部構成で実施と成りまし
●総務課 前村 寛幸
席し授与を受けました。地域の皆様の
ご理解とご協力のもと、災害廃棄物
●環境課 田中 晴樹
加し、学校とは異なる環境に緊張した様子も見られました
に避難することが重要となります。高知工場では、
こうした
た。NSPから望む360度の眺望に一同歓喜の表情を浮か
処理への貢献をすることができたと思います。今後とも、被
が、若さと元気で積極的に学ぼうとする姿が印象的でした。
背景を踏まえ年2回の避難訓練を実施しています。当日は、
べていたのが印象的でした。講堂での座学会も真摯な姿勢
災地の復興のため、セメントの安定供給に努めると共に一
で傾聴し、質疑の活発な様には好感が持たれました。
日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
今回のインターン
社員と協力会社の方々を合わせ、総勢432名が参加し①連
シップを通して、参
絡訓練②避難訓練③
加された生徒の皆
安否確認訓練の三点
さまが「社会で働
をメインに訓練を実
く」
という事を考え
施しました。今後、来
るきっかけになれ
るべき南 海トラフ地
ば幸いです。
震に備え、継続して取
八戸セメント㈱
高知工場
による津波対策が挙げられます。当工場ではセメント製造や発電
サイトレポート
サイトレポート
Message
工場データ
り組んで参ります。
27
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
28
資料編
環境関連データ
廃棄物・副産物使用状況
2013 年度環境会計
2013 年度の廃棄物・副産物の使用量は559 万トンと昨年より約 4% 増加し、セメント生産数量は前年並みであったが、
2000 年度より環境保全コストの把握を始め、環境省環境会計ガイドライン
(2005 年版)
に準拠して把握しました。
セメント1トンあたりに使用した廃棄物・副産物の総使用量及び原単位は共に増加しました。
なお、連結対象会社については、石灰石等採掘・生コンクリート製造等全 15 社を含めています。
2009
2010
2011
2012
2013
集計範囲:住友大阪セメント
(セメント4 工場、4 事業部、2 研究所、2 鉱山)
、八戸セメント、和歌山高炉セメント
秋芳鉱業他鉱山会社 5 社、位登産業、東京エスオーシー他生コンクリート製造会社 5 社、SNC、栗本コンクリート工業
対象期間:2013 年 4月1日〜 2014 年 3月31日
原料系産業廃棄物
2,440
2,569
2,690
2,754
2,858
環境保全コスト
燃料系産業廃棄物
321
354
380
364
371
2,256
2,257
2,168
2,244
2,361
5,017
5,180
5,238
5,362
5,590
9,732
9,939
10,245
10,679
10,815
原料系
251
259
263
258
264
燃料系
33
36
37
34
34
副産物
232
227
212
210
218
516
521
511
502
516
(単位:千トン/ 年)
年度
副産物
計
原単位
計
(kg/トン- セメント)
(千トン)
8,000
(kg/トン)
600
■ 副産物 ■ 燃料系産業廃棄物 ■ 原料系産業廃棄物
516
6,000
5,017
5,180
事業エリア内コスト
セメント1トンあたりの廃棄物・副産物使用原単位推移
■副産物 ■ 燃料系産業廃棄物 ■原料系産業廃棄物
5,238
5,362
5,590
521
511
502
主な取り組み内容およびその効果
516
投資額
費用額
計
1,697
1,433
3,130
公害防止
環境汚染防止設備の維持管理および新設
649
163
811
地球環境保全
地球温暖化防止および省エネルギー
979
258
1,237
資源循環
廃棄物減量化およびリサイクル
70
1,012
1,082
0
0
0
上・下流コスト
環境物品などを提供するための追加コスト
環境管理活動コスト
環境負荷監視、環境マネジメントシステム維持 ・ 更新
12
115
127
研究開発コスト
環境保全に資する製品などの研究開発コスト
27
165
192
社会活動コスト
自然保護、緑化、美化、景観保持改善のためのコスト
0
6
6
環境損傷対応コスト
事業所自然修復コストおよび汚染負荷量賦課金など
8
70
78
その他コスト
その他環境保全に関連するコスト
0
6
6
1,744
1,795
3,540
400
4,000
合計
200
2013年度環境会計
廃棄物・副産物使用状況
廃棄物・副産物の使用量推移
分類
環境関連データ
環境関連データ
セメント生産数量
(百万円)
2,000
0
0
2009
2010
2011
2012
2013 (年度)
2009
2010
2011
2012
2013 (年度)
●用語解説
(セメント協会資料より)
原料系産業廃棄物:建設発生土、汚泥
(上水、下水、建設)
、燃殻・ばいじん、スラッジ、瓦礫、廃酸、廃アルカリ、鉱さい、その他
燃料系産業廃棄物:廃プラスチック類、廃白土、廃油、廃タイヤ、木くず、その他
副産物:高炉スラグ、石炭灰、副産石膏、その他
効果の内容
公害防止
■廃棄物・副産物をセメント用 原 燃 料として使 用するにあたって
廃棄物・副産物の使用にあたっては、化学成分や溶出試験結果を
用量を決めるなどの品質管理を徹底しています。
年度
鉛
2009
2010
2011
2012
2013
41
34
34
33
38
3
3
5
5
5
この結果、使用量が毎年増加しても、品質管理上問題はありま
カドミウム
せん。
総クロム
76
75
75
72
69
六価クロム
8.2
7.8
7.1
7.3
7.3
環境負荷指数
温暖化防止
排出量
2012 年度
2013 年度
NOx
10,900トン
11,370トン
SOx
1,060トン
1,440トン
135トン
129トン
2,940 千トン
2,990 千トン
1,340kg/トン
1,329kg/トン
化石エネルギー使用原単位
102kg/トン
101kg/トン
再資源化量
3,118 千トン
3,229 千トン
ばいじん
当社普通セメントの抜き取りサンプル中の微量成分 (単位:mg/kg)
チェックして、周辺環境や健康、そしてセメント品質および製造工
程に有害な作用をおよぼすことがないように取捨選択したり、使
社会全体の環境負荷低減による経済効果
■ 環境保全対策に関わる物量効果
CO2 ※
鉱物資源使用原単位
天然資源枯渇化防止
廃棄物の再資源化
※エネルギーの使用にともなって発生したCO2 排出量
※※一部データについて、過年度に遡って見直しを行っています。
29
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
30
資料編
環境関連データ
マテリアルバランス・エネルギーバランス
インプット
住友大阪セメント
エネルギー
アウトプット
原料
石炭
1,460千トン
天然資源と廃棄物副産物
石油コークス
85千トン
重油
5千 kL
軽油
8千 kL
廃棄物燃料
371千トン
購入電力
273千 MWh
材料
3,830トン
火薬
1,830トン
耐火物
7,935トン
粉砕媒体・鋳鋼品
708トン
潤滑油・薬品類
128トン
石灰石
19,111 千トン
粘土類
2,681 千トン
珪石
548 千トン
石膏
47 千トン
非鉄鉱滓
資 源
軽油、火薬など
101 千トン
副産石膏
343 千トン
石炭灰
220 千トン
その他
192 千トン
セメント事業
セメント生産量
セメント工場
発 電
売電事業
石炭、用水、
薬品など
16 百万トン
10,815 千トン
※クリンカ輸出含む
サービスステーション
用水
海水・河川水を含む
3,523 千トン
セ メ ント
石炭、石油コークス、
重油、購入電力、添加剤
など廃棄物・副産物
1,447 千トン
高炉・転炉スラグ
4,488 千トン
石灰石製品
※唐沢・岐阜・栃窪・伊吹・多賀・勝森・秋芳・小倉
鉱山の実績
鉱山
24 千トン
鋳物砂
骨材他
売電量
発電所
1,027 千 MWh
■ 環境負荷低減の状況(アウトプット)
住友大阪セメントグループのセメント工場では、2013 年度において 1,082 万トンのセメントを生産し、103 万 MWh の電力を売電しま
当社は、セメント生産プロセスにおける大気・水質への排出および廃棄物の排出、それぞれの状況を把握、分析し、より効果的な環
した。そのために使用した原燃料は、1,610 万トンでした。なお、火力発電所・他産業及び地方自治体からの廃棄物・副産物を559 万ト
境負荷低減対策や省エネルギー対策の立案に役立て、さまざまな技術開発に取り組むだけでなく、廃棄物・副産物を積極的に活用
ン使用し、天然資源使用による環境負荷を低減しました。
することにより地球環境への負荷低減を進めています(セメント工場、発電所の排ガス中の 1 年間の排出量をグラフ化しています)。
総原燃料投入量
(百万トン)
25
20
14.9
15
原料=石灰石類、
粘土類、
珪石類、
鉄原料、
他、
石膏
(天然・化学)
燃料=石炭、
石炭コークス、
重油、
その他
15.5
16.0
16.4
16.1
セメント製造に関わるCO2 排出量
600
400
10
0
2009
2010
2011
2012
2013 (年度)
0
1990
214
213
206
19
462
461
442
430
200
5
NOx ※ 1 排出量
(万トン)■セメント製造用化石燃料起源※ ■石灰石起源 ■自家発電用化石燃料起源
800
679
68
67
2011
2012
ばいじん排出量
(千トン/年)
30
(トン/年)
300
20
200
10
10
11
11
11
2009
2010
2011
2012
11
142
134
139
135
2010
2011
2012
0.2
0.1
2011
2012
129
マテリアルバランス・エネルギーバランス
マテリアルバランス・エネルギーバランス
■環境負荷低減の状況(インプット)
環境関連データ
環境関連データ
添加剤
資源事業
100
70
2013
(年度)
0
2013 (年度)
0
2009
2013 (年度)
※セメント製造用燃料起源には、購入した電力起源による排出量も含みます。
セメント製造に関わる総エネルギー消費量
(PJ=10 J)
50
※PJ
(ペタジュール)
15
40
30
31.7
31.4
32.3
33.3
33.6
費量とCO2排出量の報告を改訂。
●総エネルギー消費量は、セメント製造用、自家発電、購
●CO 2 排出量は、エネルギー起源と非エネルギー起源
10
(石灰石起源)
の合計。
2009
2010
2011
2012
2013 (年度)
● 用語解説
※ 1 NOx(ノックス)
:窒素酸化物のことで、自動車の排気ガスや工場設備などか
ら発生し、大気汚染、光化学スモッグの原因となる気体です。大気汚染防止法で、
設備の規模、種類ごとに排出基準が定められています。当社のセメント工場、発電
設備では、NOxの発生しにくい設備の導入や、尿素やアンモニアを用いてNOxを
分解する方法などで、NOxの排出を低減しています。
31
SOx ※ 2 排出量
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
ダイオキシン類※ 3 排出量
(トン/年)
3,000
(g-TEQ/年)
3.0
2,000
入電力の合計。
20
0
●2008年度からセメント製造に関わる総エネルギー消
1,130
1,000
0
2009
1,030
2010
1,210
2011
1,440
1,060
2012
2.0
1.0
2013 (年度)
● 用語解説
※2 SOx(ソックス)
:硫黄酸化物のことで、
石油など硫黄を含む物質の燃焼によっ
て生じ、自動車の排ガスや工場設備などから発生し、酸性雨など大気汚染の原因と
なる気体です。NOx 同様、法律で排出基準が定められています。セメント製造設
備は、硫黄分を吸着する性質を持つ「石灰石」を原料に使用するため、排ガスから
のSOx 排出量が非常に少ないという特長があります。
0
0.5
2009
0.5
2010
0.1
2013 (年度)
※3 ダイオキシン類 : 有機塩素化合物の一種で、法律ではPCDD、PCDF、
コプラナー
PCBをあわせて「ダイオキシン類」
と定義しています。PCDDは、ベトナム戦争で使われた枯
れ葉剤(2,4,5-T)
や、除草剤・防腐剤として使われるペンタクロロフェノールに不純物として
含まれていて問題となった物質です。ダイオキシン類にも、法に基づく排出基準があります。
セメント製造設備は、約1,450℃の高温で焼成すること、高性能な集じん装置を完備してい
ることなどにより、排ガス中のダイオキシン類濃度が非常に低いという特長があります。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
32
事業紹介
住友大阪セメントの事業展開
建材事業
コンクリート構造物において近年クローズアップされているのが、経年劣化の
問題。海岸沿いでは塩害、寒冷地では凍害など、構造物の位置する周辺環境
さまざまな事業を通じて豊かな社会の維持発展に貢献しています。
住友大阪セメントでは、安定したセメント供給とともに、
コン
石灰石の採掘にあたっては、
“生物多様性”
にも配慮した鉱
クリート構造物の維持補修のためコンクリートリハビリテー
山づくりを行っています。更には
“高度情報化社会に寄与”
す
ション技術や製品を提供し、
“社会インフラの整備”
を支えて
るオプトエレクトロニクス技術や
“製品の高機能化に寄与”
す
います。また、セメント製造プロセスの特長を活かしたリサ
るナノテクノロジー技術は、それぞれの関連する社会に対し
イクル事業の進展により、
“ 循環型社会構築”
という新たな
て、
その豊かさを創造すべく取り組んでいます。
からくる特有の劣化要因も指摘されています。
既存社会資本の高齢化が進む現状において、既設のインフラの維持管理のた
め、コンクリートリハビリテーション技術による、コンクリート構造物の補修・補
強は、ライフサイクルコストの低減という観点からも社会的に重要性を増して
います。
住友大阪セメントではさまざまな劣化の要因に合わせた構造物の補修・補強材
料をラインナップするとともに、その工法なども含めて技術開発を推進、イン
社会性を付与されています。また、
セメントの原料ともなる
フラの予防保全、補修、補強に貢献しています。
橋梁補修工事
光電子事業
セメント事業
スマートフォンやクラウド・コンピューティングの普及による通信容量増大に対
を社会に提供しています。
応するため、コヒーレント伝送方式を始め、大容量システムの導入が拡大して
セメントは、あらゆる構造物や建築物に使用される製品であり、私たちの生活の身近なところで活躍しています。当社は、全国 5カ所に
おり、更なる高速化・大容量化に向けた技術開発も盛んに行われています。
工場、70カ所にサービスステーションを配置し、製品を各地域に迅速に安定供給できる体制を整えています。
事業紹介
事業紹介
セメント事業は 100 年以上の歴史を持つ当社のコアビジネスであり、様々なユーザーニーズに対応した高品質で高機能な各種セメント
住友大阪セメントの光電子事業では、光通信機器を開発・販売し、光通信シス
されるデバイスです。音声や画像、動画などの情報を電気信号から光信号に
変換し、光ファイバーケーブルを使用して伝送する、光通信システムのなかで
は心臓部と言える箇所で使用されるキーデバイスです。長距離の伝送であっ
ても、高品質な信号を送信できるため、主として陸上幹線や、海底ケーブルな
どの長距離伝送用に使用されています。また、通信業界で培った光技術を非
LN 変調器
通信分野での展開も行っています。
住友大阪セメントの事業展開
住友大阪セメントの事業展開
テムを支えています。主力商品であるLN 変調器は、電気 / 光変換部で使用
新材料事業
粒子は細かくすればするほど意外な性質が現れることに着目し、
『ナノ』レベルの粒子技術から、
多彩な素材を生み出しているのが、新材料事業です。
独自の技術で開発したタバコの煙の粒子よりも細かいナノ粒子は、紫外線カット、熱線カット、反
サービスステーション
セメントタンカーへの積み込み
射防止、帯電防止、電磁波シールド、導電、抗菌、防臭など様々な機能を発揮。それらはディスプ
レイ、化粧品、衛生陶器といった生活に身近な製品にも使用され、それぞれの製品の高機能化、
高付加価値化に寄与し、より便利な生活環境の創造にも寄与しています。
鉱産品事業
星形ナノ粒子
(酸化チタン)
国内で唯一自給できる資源と呼ばれる石灰石は、工業用原料と
して実に多彩な用途を持っています。鉱山を開発することによっ
て採掘された石灰石は、セメント、鉄鋼、化学、生コンクリート
電池材料事業
などの用途に応じ、徹底した品質管理のもと最適に破砕、選別
当社はリチウムイオン電池用正極材料としてリン酸鉄リチウムの開発・量産化を進めています。そ
され工業用原料として国内外で幅広く使われています。
の優れた安全性と電池特性、品質管理体制が評価されたことにより、既に車載および電力貯蔵用
住友大阪セメントでは、計画的な鉱山開発によって、貴重な天
大型リチウムイオン電池で採用され、業務用、民生用の蓄電装置として商品化されています。
然資源の有効活用を図るとともに、無人ダンプトラックや、IT 技
また、2011 年 6 月には、リン酸鉄リチウムを全世界で製造販売できるグローバル特許も取得し
術を駆使した鉱山操業システムの構築など、最先端の技術で効
ました。さらに2012 年 12 月にベトナム北部の工業団地に新工場を竣工し、競争力の高い体制
率的な生産性を追及しています。一方、周辺環境に配慮し、騒
を整え、リチウムイオン電池正極材料事業の事業拡大を推進していきます。
音や粉じんといった環境負荷の低減にも注力するとともに、自
然環境と調和した鉱山開発の一環として、鉱山の緑化も積極的
リン酸鉄リチウム
に進めています。
秋芳鉱山
33
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2014
34
写真:長崎県対馬市上対馬町鰐浦のヒトツバタゴ
2014年11月発行
2014年11月発行
FSC®森林認証を受けた紙印刷物をデータにして掲載しています。
®
FSC
森林認証を受けた紙印刷物をデータに
して掲載
しています。
ま
た、
印刷
・製本工程で使用した電力量
(100kWh)
は、
グリーン電力でまかなわれています。
また、印刷・製本工程で使用した電力量
(100kWh)
は、
グリーン電力でまかなわれています。