公共的使命を担う 情熱と自負を持って、 社会的価値創造を 続けます

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G4-1, 2
公共的使命を担う
情熱と自負を持って、
社会的価値創造を
続けます
太平洋セメント株式会社
代表取締役社長
「14中期経営計画」
の遂行
によって、廃棄物処理と製品生産の両面を担うリバー
シブル産業として循環型社会の構築に貢献します。
2014 年度までの 3 年間を実行期間とする「14 中期
第三の「成長分野の拡大」では、豊富な資源と技術
経営計画」は、現在仕上げの年を迎えています。①社
力・研究開発力をもとに、資源事業や環境事業におけ
会的使命の遂行 ②本業の追求 ③成長分野の拡大の
るマテリアル(素材)ビジネスを推進します。同時に、
3 つを事業戦略として掲げた業績目標や財務指標は、1
当社グループが長年培った多彩な力を発揮し、廃棄物
年前倒しで概ね達成することができました。
や副産物のセメント資源化など独自色のある事業をグ
第一の「社会的使命の遂行」では、東日本大震災復
ローバルに展開します。
興事業への貢献に最大限取り組んでいます。災害廃棄
物については、2013 年度末に当初計画を上回る累計
約 100 万トンの処理が完了しました。復旧から復興
へと事業の軸足が移る中、当社グループは総合力を発
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事業環境の変化に対応し、
成長を続けるために
揮し、セメントや骨材などの建設資材の供給、多様な
2015 年度から次期 3 年間の中期経営計画がスター
工法・技術の提供などにより、広範なニーズに引き続
トします。さらに次の中期経営計画が終了する 2020
き全力で応えていきます。
年度までの今後 7 年間において、経営の基盤固めを確
第二の「本業の追求」では、国内セメント事業の持続
実に行うことが、2020 年の東京オリンピック・パラ
性を確立し、社会基盤産業としての責務を遂行してま
リンピック後も当社グループが持続的に成長していく
いります。社会基盤産業としての自負と誇りを持って
鍵となります。
本業を徹底追求し、安定供給の責任を果たします。そ
そのために、現在の堅調な内需の推移をチャンスと
のために、運転の効率化とメンテナンスの徹底による
捉え、財務基盤を強化し、柔軟で筋肉質な体質をつく
最大生産の維持、海上輸送力の増強による物流面の強
り上げるとともに、グループ事業の選択と集中を進
化に、万全を尽くしています。さらに、廃棄物や副産
め、経営資源の効率的な活用を図っていきます。さら
物をセメントの原燃料として活用するセメント資源化
に人口減少による国内需要の長期的な縮小を見据え、
TAIHEIYO CEMENT CSR REPORT 2014
アジアを中心とする環太平洋での成長に向けて、海外
事業を推進していきます。
1998 年 10 月に「太平洋セメント株式会社」が発足
し、当社は 2013 年に 15 周年を迎えました。さらに
それを達成するための太平洋セメントグループの強
前身である会社設立の 1881 年(明治 14 年)まで遡る
みは「総合力」です。グループ各社が有する様々な材
と 132 年間、太平洋セメントグループは、土木建設資
料素材・技術・ネットワークを活用してシナジーを高
材を提供する企業として国内外で地域に根差した事業
め、社会のニーズに応えます。
活動を行い、信頼関係を築き上げてきました。その歴
史の中で絶えず技術を磨き続け、社会で果たす役割を
「人財力」
と「安全」
の強化
太平洋セメントの活力の源泉は「人財力」です。今
広げています。
例えば成長を続けるアジアは今、資源多消費型の経
済・産業構造から資源や環境の問題に直面しており、
後は人財育成に一層注力していきます。喫緊の課題と
資源枯渇・環境汚染と経済成長のデカップリングを
して、国内・海外の部門を行き来し、ボーダーレスな
図っていくことが大きな社会的課題となっています。
フィールドで力を発揮できるグローバル人財の育成・
そこで日本で培った廃棄物・副産物のセメント資源化
登用に取り組んでいます。また、真のグローバル化の
技術を展開し、地域の廃棄物受け入れが実現すれば、
ためには、国籍や性別などにとらわれず多様な個性
セメント供給でインフラ構築を支えるだけでなく、環
が力を発揮するダイバーシティの推進も必然です。女
境汚染や資源消費の抑制にも貢献できます。このよう
性の登用についても、数値目標を定め長期的な視点を
なソリューションの提供は、当社グループならではの
持って進めていきます。
地域貢献であり、同時に当社グループの成長戦略の要
また、安定供給の責任を果たすため、最大限の稼働
です。
による生産を継続していくことが求められています
CSRの要諦は、事業活動を通じて持続可能な社会の
が、その前提として第一に優先されるのは現場の安全
実現に貢献し、その結果、企業自身も持続的成長を遂
です。従来から施設・設備の点検・巡回、安全教育に
げることにあります。130 年あまりにわたり大切にし
よる不安全行動是正の徹底を行っていますが、労働災
てきた「信頼」を原点として、これからの 100 年も、
害件数が減少しないことを憂慮しています。国内外の
公共的使命を担っているという情熱と自負を持って、
全拠点において、協力会社や関係会社も含む全員の安
太平洋セメントグループならではの社会的価値を創造
全保安衛生の確保なくしては、太平洋セメントグルー
し、「持続可能な地球の未来を拓く先導役」を目指し
プは存立しません。「労働災害ゼロ」はスローガンで
てまいります。
はなく、メーカーの生命線とも言える最も重要な必達
目標です。引き続き原因の分析と万全の対策を取り、
現場力の向上に努めます。
「土着の産業」
だからこそ、果たせる役割
セメント産業は「土着の産業」です。基本的にはそ
の地域で原料を調達し、雇用し、セメントをつくり、
供給していく、地域密着型の事業です。したがって、
操業地域に認められ、必要とされなければ、事業活動
自体が成り立ちません。
TAIHEIYO CEMENT CSR REPORT 2014
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