当日配布資料(972KB)

人為動作と自然現象を識別する、
果樹園用防犯システム
成蹊大学
成蹊大学
成蹊大学
理工学部 情報科学科
教授 小口 喜美夫
理工学部 情報科学科
助教 塙 大
理工学部 情報科学科
山下 修司
平成23年新技術説明会, JSTホール, 7月15日, 2011
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目次
研究背景
農業被害、従来対応とその問題点
新技術の基となる研究成果・技術
転倒検出:ウェアラブルセンサと判定アルゴリズム
提案のシステム構成
センサ、アドホックネットワーク、判定装置
模擬実験結果
実験環境、測定例、検出率
まとめ
評価(従来技術の比較)、想定される用途、業界
実用化に向けた課題、企業への期待
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研究背景
農業被害の発生
台風や異常気象などによる自然災害
動物による農場荒らし
人間による盗難
人間による被害は転売目的など悪質
豪雪:昨冬の農業被害、過去最悪58億
2900万円 「四八」を上回る /秋田
(毎日新聞 2011年6月9日 地方版 )
サクランボの盗難防止へ 関係者が対策話し合う
(山形新聞 2011年05月20日)
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従来対応とその問題点
十分な防犯対策が行われていない現状
畑の出入り口には、簡単に入ることができない工夫
泥棒は人目を嫌う。知らない人に対しても挨拶などの声かけ
不審車両を見かけたら、車種やナンバーなど、メモ
盗難を見かけたら、すぐ110番
被害に遭ったら、警察に
(http://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/cit
izen/guide/protect/crime/kajyutounan.html)
実際の果樹園
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新技術の基となる研究成果・技術
これまでウェアラブルセンサ(加速度・角速度)を用いた
転倒検出法の考案とそのシステム化検討(昨年発表)
転倒を検出しNWにより家族、医療機関に連絡
ネットワーク
2. 送信
(転倒状況、
生体情報など)
医療機関
(病院、救急センター、
医療サービスプロバイダ等)
3. 対応(必要であれば
救急車などを要請)
:ウェアラブルセンサ
1. 転倒検出
家族等
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新技術の基となる研究成果・技術2
転倒検出法
転倒、非転倒動作に大きな測定値差異
閾値での検出
3パラメタによる転倒検出
400
300
20
200
2
30
歩行
10
100
0
角速度[dps]
新規アルゴリズム:
3種すべて転倒と
判断した場合に転倒
と判断
転倒
40
加速度[mps ]
加速度
角速度
角度変化
0
-10
-100
進行方向加速度
ピッチング角速度
-20
-200
0
1
2
測定時間[s]
3
4
6
提案システム構成
本発明に係る防犯システムの構成
無線通信端末装置
センサ(振動検出部):木の枝に配されて枝の振動量を検
知
通信部:互いにアドホックネットワークを構成するための中
継機能を有して検知信号を送受信
判定装置
演算部:受信した振動量を処理
判定部:加工された振動量とこの振動量に関する所定の
閾値との大小比較により、枝の振動発生原因が人為動作
または自然状態かを判定
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提案システム構成のイメージ
果樹園:規模例、山梨県の平均65a(80x80 m)
センサ+
通信部
アドホックネットワーク
判定装置
(演算部+判定部)8
人為的変動検知のアルゴリズム概要
時系列データ
ノルム算出
高速フーリエ変換
False
パワースペクトルのしき
い値を越えたか?
True
人為的変動
伝達
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基本動作確認実験
果樹を模擬した環境構築
盗難動作(人為的動作)、風による木の枝に生じる加
速度変化の時系列データの収集
測定環境
模擬果樹:学内の桜
模擬果実:ソフトボール3号、テニスボール
使用センサ:日立製wireless-T 3軸加速度センサ
サンプリング周波数:50Hz
10
実験環境
加速度センサを亜主枝に設置
日立製wireless-T 3軸加速度センサ
36.5(w)×39(H)×10(D) mm
複数の錘(ボール)を模擬果実と想定
ソフトボール3号(190g±5g)
野球ボール(141.7~147.6g)
桃:200~300g(参考)
センサ
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模擬果実切り取り時における加速度変化測定例
明確な加速度増加
左図:1個切り取り、右図:3個切り取り
ノルム値
切り取り
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パワースペクトル算出例
3500
3500
3000
3000
3000
2500
2500
2500
2000
1500
パワースペクトル
3500
パワースペクトル
パワースペクトル
加速度の時系列データからノルムを算出
算出したノルムからパワースペクトルを算出
2000
1500
2000
1500
1000
1000
1000
500
500
500
0
0
0
5
10
15
20
25
周波数(Hz)
風速5.8m/sの時の自然の揺れ
0
0
5
10
15
20
周波数(Hz)
模擬果実1個切り取り時
25
0
5
10
15
20
25
周波数(Hz)
模擬果実3個切り取り時
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判別アルゴリズム
要求条件
高い検出率
低い誤差率
もぎ取り個数が少なくても検出可
判別
3Hz以降の周波数帯域に着目
適当なしきい値設定
自然の状態
重り切り取り時
1000
パワースペクトル[v^2・s]
パワースペクトル[v^2・s]
1000
750
500
250
0
750
500
250
0
3
14
周波数[Hz]
25
風速5.8m/sの時の自然の揺れ
3
14
周波数[Hz]
模擬果実1個切り取り時
25
14
人為的動作の検出率
高い検出率確認
センサと模擬果実との距離依存性
適切なしきい値の設定の必要性
3Hz以上の周波数帯域
センサと模擬果 しきい値
実との距離
L
(cm)
30
100%
しきい値
H
80%
50
80%
80%
100
100%
80%
120
100%
80%
15
15
従来技術とその問題点
これまでの製品等で使用される機器
使用機器
光ファイバセン
サ
可視カメラ
遠赤外線カメ
ラ
利点
・ 地震観測や
侵入者検知な
ど幅広い用途
に対応
・ 安価
・ 夜間対応可 ・ 夜間対応
可
・ 自動化アル
ゴリズム
・ 死角
・ 設置個所
・ 夜間対応
・ 自動化アル
ゴリズム
・ 死角
・ 設置箇所
・ 価格
果樹園使用 ・ 取り付け方
での課題
法
・ フェンスなど
の設置場所
近赤外線カメ
ラ
・ 自動化ア
ルゴリズム
・ 死角
・ 設置箇所
・ 価格
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新技術の特徴・従来技術との比較
従来技術の問題点の改善(特にカメラ使用の場合と
比較)
新技術の特徴
死角なし:葉が多い果樹園ではカメラの死角となる箇所が
多く存在→死角なし
夜間対応可:通常カメラでは夜間には確認できないため、
盗難行為に対して監視のもれ→24時間対応可
処理量の軽減:常時動作のカメラからの画像データ処理
が膨大→ 少ない処理量
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想定される用途
果樹園における果実の防犯システム
野外にある無人施設の防犯システム
住居等の防犯システム
等、終日の遠隔監視防犯システムとして展開する
ことが可能と思われる
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想定される用途、業界
用途
農業用防犯システム(人為的、動物等)
家庭用防犯システム
野外施設防犯システム
業界、市場規模
日本の農業就業者
約202万人(平均年齢64.6歳)(2007年)
果実の栽培面積
約24.8万ha(2008年)
(もし1件あたり平均65aとすると約38万ヶ所)
一人暮らしの高齢者
約465万人(2010年)
のべ利用端末台数:30万台、導入費用:20,000円/端末と想定
(ただし判定装置は含まない)
→ 60億円の市場規模
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実用化に向けた課題、企業への期待
実用化に向けた課題
アラーム通知方法(処理方法)
サンプル数増大による精度評価
実際のフィールドにおける評価実験
企業への期待
システム化を目指すセンシング技術を持つ企業との
共同研究を希望
センサの開発
アラーム通知法のプログラム処理など
防犯分野への展開を考えている企業には本技術の導入
が有効
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本技術に関する知的財産権
• 発明の名称 :防犯システム及び
防犯プログラム
• 出願番号 :特願2011-040908
• 出願人
:学校法人成蹊学園
• 発明者
:小口喜美夫、山下修司、
塙大
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お問い合わせ先
成蹊大学 理工学部 光通信網研究室
小口喜美夫
TEL : 0422-37-3732
FAX : 0422-37-3871
E-mail: [email protected]
タマティーエルオー株式会社
産学連携事業部 田島 伸明
Tel
: 042-570-7240
Fax
: 042-570-7241
E-mail : [email protected]
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