秋 田 県 内 中 小 企 業 景 況 調 査 結 果 【付帯調査結果】 (平成 26 年 10~12 月期) 秋田県商工会議所連合会 〈内容〉 Ⅰ.円安による影響 Ⅱ. 適正な円の対ドル相場 Ⅲ. 消費税増税による経営への影響 Ⅳ. 消費税増税によるコスト上昇分の価格転嫁 Ⅴ. 消費税 10%への増税時期の延期 Ⅵ.政府の金融・経済政策及び当所に対する意見・要望 〈回収状況〉 対象企業数 有効回答企業数 200 167(83.5%) Ⅰ.円安による影響 円安による影響について聞いたところ、160 社中「影響がある」と回答した企業は 62 社 38.8%となっ た。 影響の内容として、「原材料・仕入コストの上昇」と回答した企業は 54 件 66.7%となっているが、「エネ ルギーコストの上昇」も 19 件 23.5%となっており、この 2 つの要因で 90%を超えている。 企業の対応として、「価格転嫁」「省エネ・コストの更なる削減」の 2 つで全体の約半数を占めている。 選 択 肢 件 数 構成比 1.影響がある 62 38.8% 2.影響はない・ほとんどない 98 61.3% 160 100.0% 合 計 ○ 円安の具体的な影響(複数回答可) 選 択 肢 件 数 構成比 1.受注増加 3 3.7% 2.受注減少 4 4.9% 3.原材料・仕入コストの上昇 54 66.7% 4.エネルギー(電気・ガス等)コストの上昇 19 23.5% 1 1.2% 81 100.0% 5.その他 合 計 「5.その他」・・・輸出商品の収益性の向上【清酒製造業】 1 ○ 企業の具体的な対応(複数回答可) 選 択 肢 件 数 1.国内・海外取引の拡大 構成比 2 2.3% 2.仕入の見直し 19 22.1% 3.価格転嫁 24 27.9% 4.省エネ・コストの更なる削減 24 27.9% 7 8.1% 10 11.6% 86 100.0% 5.対策を講じる予定はない 6.その他 合 計 「6.その他」・・・どうすれば良いかわからない【一般土木建築工事業】 営業先の検討(客層が変わるため)【塗装工事業】 出荷実績が向上するように努力する【清酒製造業】 新たに雇い入れる予定【金属製品製造業】 泣き寝入り、対応できない【その他の製造業】 対応に無理がある【綱製造業】 価格転嫁できず我慢する以外ない【調味料等製造】 値上げ【紙・紙製品卸売業】 配送ルートの見直し【牛乳販売】 対策のしようがない【リネンサプライ業】 Ⅱ.適正な円の対ドル相場 適正な円の対ドル相場について聞いたところ、160 社中「100~104 円」と回答した企業は 40 社 25.0% と1番多かったものの、むしろ「無回答」の方が上回っており、先行きが不透明な状況の中判断を付け かねているものと思われる。 選 択 肢 件 数 構成比 1.89 円以下 1 0.6% 2.90~94 円 7 4.4% 3.95~99 円 9 5.6% 4.100~104 円 40 25.0% 5.105~109 円 20 12.5% 6.110~114 円 7 4.4% 7.115~119 円 5 3.1% 8.120~124 円 6 3.8% 9.125~129 円 1 0.6% 2 1.3% 62 38.8% 160 100.0% 10.130 円以上 ※ 無回答 合 計 2 Ⅲ.消費税増税による経営への影響 消費税増税による経営への影響について聞いたところ、160 社中「ある」と回答した企業は 91 社 56.9%と半数を超え、「大いにある」と合計すると 115 社 71.9%となった。 選 択 肢 件 数 構成比 1.大いにある 24 15.0% 2.ある 91 56.9% 3.あまりない 40 25.0% 4.ない 4 2.5% ※ 無回答 1 0.6% 160 100.0% 合 計 Ⅳ.消費税増税によるコスト上昇分の価格転嫁 消費税増税によるコスト上昇分の価格転嫁について聞いたところ、160 社中「転嫁した・する予定」と 回答した企業は 91 社 56.9%と半数を超えたものの、「転嫁できない」と回答した企業も 45 社 28.1%あり、 価格転嫁の困難な状況が表れている。 選 択 肢 件 数 構成比 1.転嫁した・する予定 91 56.9% 2.転嫁できない 45 28.1% 3.まだ決めていない 23 14.4% 1 0.6% 160 100.0% ※ 無回答 合 計 Ⅴ.消費税 10%への増税時期の延期 消費税 10%導入時期の延期について聞いたところ、160 社中「延期してよかった」と回答した企業は 66 社 41.3%である一方、「延期しない方がよかった」と回答した企業は 12 社 7.5%にとどまり、増税はや むを得ないとしながらも延期を肯定的に受け止める声が多い結果となった。 選 択 肢 件 数 構成比 1.延期しない方がよかった 12 7.5% 2.延期してよかった 66 41.3% 3.増税すべきでない 40 25.0% 4.わからない 41 25.6% ※ 無回答 1 0.6% 160 100.0% 合 計 3 ○ 具体的な理由 「1.延期しない方がよかった」 建設業 ・もう少し全体を見て、景気の回復ができてから【一般土木建築工事業】 ・大変助かるが公共工事等は増加する【建築金物工事業】 ・増税後の極端な工事減少の回避。増税前のかけこみ需要による人手不足の回避 【塗装工事業】 ・個人消費の落ち込み【一般管工事業】 ・消費税増税前のかけこみ需要後の落ち込みが大きくなるから。消費の冷え込みが建設投 資に影響を与える【総合建設業】 ・民間需要が一同に減るため【建設工事】 ・現状の景気低迷による受注減に拍車をかけるから【板金工事業】 ・「延期しない方がよかった」というより「延期しなくてもよかった」と思う。住宅建築を検討さ れているお客様は(8%に上がる時もそうだったが)増税分をほとんど気にしてはいない 【住宅建築設計】 ・景気が良くなったということはない。さらに消費税増税となれば精神的にも痛手 【土木建築】 製造業 ・必ず消費が冷え込むから【婦人服製造業】 ・増税後の影響(悪い方)が大きすぎるので、他の方法を使うなり景気が安定するまで延期 したほうが良い【印刷業】 ・円高是正後の景気回復を待っても良いのではないか【金属製品製造業】 ・消費税 8%にした結果や動向が未だ見えていない【電気機器製造】 ・延期している間に対策を練れるから【印刷業】 ・値上げを実施したので少しでも時間が必要【清酒類製造】 卸売業 ・可処分所得減少、家計負担増加により消費が減少する【その他の食料・飲料卸売業】 ・需要の停滞。下落が不安【紙・紙製品卸売業】 ・時期尚早。もう少し地固めしてから【製材・建材卸】 ・景気の先行きが未だ不透明であるから【鶏卵卸】 ・住宅関連企業との取引が多く、非常に影響を受けている【機械器具卸】 ・対策に要する期間がある【米穀類卸】 ・増税は構わないが 10%を商品に転嫁すると消費が伸びないと思う【青果卸売】 ・景気回復が見込めるところまできていない。実感がない【建築資材卸売】 ・消費の停滞【雑貨卸売】 ・地方経済は都市との格差が大きくなり為替差益を生む。大企業だけの恩恵なので延期し て良かった【塗料、塗装器具他】 4 小売業 ・いずれ増税になるのであれば、気にしながら消費者の財布の紐はどんどん固くなる気が するので、はっきりさせてそれに向かう対応が必要なのではないか【婦人服小売業】 ・今のタイミングでは消費行動に悪影響【食肉小売業】 ・選挙のために先送りしただけだと思われる【自動車小売業】 ・8%への増税で景気が減速気味に加え、賃金への反映がなされていない現状では何のた めの増税なのか疑問。都市部と地方の格差も考えてほしい【電気機械器具小売業】 ・中小企業にとっては景気が良くなっているとは思えないから、一般消費者の負担が大きく なる【化粧品小売業】 ・消費者の買い控えが進むため需要がさらに落ち込むことが予想されるから 【石油製品・住宅設備機器】 ・消費税増税で販売単価を上げたばかりなのに、すぐにまた上げられない【酒類・雑貨】 ・3%の増税で売上の減少が続いている状況なのに、更なる増税は非常に商売の悪化が 予想される【石油製品・LP ガス】 ・経済の立て直しが先である【タイヤ販売】 ・消費税を切り替えるための時間、費用がかかる【衣類販売】 ・増税に対しての転嫁は限界があると思う【鮮魚】 ・10%は苦しい【生花】 サービス業 ・軽減税制など制度がはっきりしていないため【ソフト開発等】 ・燃料(ガソリン・軽油)の価格上昇により、経費増、食料品の値上がり等 【自動車整備、販売】 「2.延期してよかった」 建設業 ・個人の設備投資がなかなか改善しないので延期して良かった【一般土木建築工事業】 ・財政から見れば返せなくなる。少しでも健全化すべき。まず国会議員の人数や人件費 等、自らの身辺をまとめてから国民に負担をさせるべき【建築設計業】 ・急な変動は受注に影響する【防水工事業】 ・再増税に至るまでの期間が短いから【一般電気工事業】 5 製造業 ・消費税増税後、市況に影響が出た。年末までその影響は回復しなかったが、日本の財政 上将来を考えた場合、増税は必要と思われる【清酒製造業】 ・買い控えが顕著になっている【綱製造業】 ・さらなる消費停滞が予測されるため【清酒製造業】 ・政府が思っているほど市況が悪いため延期したのに、それがなぜ 29 年 4 月にはどのよう な状況にあろうと完全実施すると言うのか理解できない。延期したのは選挙のためであ ったような気がする【調味料等製造】 ・地方の景気が回復傾向にない【食品加工】 卸売業 ・消費意欲の低下による売上減少【食肉卸売業】 ・増税の前にやるべきことがいっぱいあるはず【その他の卸売業】 ・業界によって景気の良し悪しがはっきりしているようだ。一般電気は不況で、電気工事は 好景気。10%になったら(8%になった時と同じで)少しは売れるが後が心配 【家庭用電気機械器具卸売業】 ・需要の停滞が少しなくなる【青果物卸】 小売業 ・昇給率が増税分に追いつくまで相応の時間を要するため 【自動車部分品・付属品小売業】 ・増税後、売上が落ち込んだ。同じような落ち込みが考えられるので、10%に上げるのであ れば最初から上げたほうが良かった【花・植木小売業】 ・売上に伸び悩んでいるところなので少し落ち着いてからのほうが対策を立てやすい 【呉服小売】 ・事務処理の煩雑さが見込まれる【書籍】 6 サービス業 ・やるなら早くしたほうが良い。先送りしても景気に良い影響はない【リネンサプライ業】 ・今の段階では判断できない【普通洗濯業】 ・消費者の財布のひもがますます固くなり、車の修理などしなくなる 【その他の自動車整備業】 ・前回の増税を見ても経営に好影響なことはない【広告製作業】 ・最近の宴会の注文はほとんどが税込での全額表示であり、2~3%の税金分を調節する のが非常に難しい【食堂】 ・増税のタイミングが近すぎると、不必要に消費マインドが冷える恐れがあるから【IT 関連】 ・社会保障の費用負担について、将来の子供達に負担をかけるだけであると考えるから 【社会保険労務士】 ・他にすべきことをしてからにしてほしい。改革しないうちに簡単に増税するのは政治家の 怠慢であり、学者が世間知らずであるように思える。また増税によって不景気になるの は目に見えている【ホテル業】 ・消費税増税分を商品に転嫁できないので、税の支払いが困難【飲食業】 ・延期しても他の税金で増税されるかもしれないので、どちらとも言えない【自動車整備】 ・消費税の支払いが大変【写真館】 ・国の財政難は苦しいが、消費税として確保することは必要だと思う。問題の先送りは何の 解決にもならない【建築設計】 ・税込表示だと価格が上がるように思われるから【広告代理店】 ・地方の景気がさらに悪化する【ホテル業】 「3.増税すべきではない」 建設業 ・まだ景気が実感できない状態のため【一般土木建築工事業】 ・約 1 年の間に増税による受注減の対策ができる【木造建築工事業】 ・8%でも暮らし向きが悪くなっているのに、10%になったら今以上に悪くなるから増税すべ きではない【一般電気工事業】 ・景気回復後、財政健全化の見通しが立ったら増税すべき【建設業】 製造業 ・増税はやむを得ないが、預かり分を受取手形で割引借入して利息を払い、また納税の時 期まで準備資金として積み立てする必要がある。現金取引の場合は問題ないが弱者は 困る【金属工作機械製造業】 ・27 年以降円安による原材料の値上がりに伴う価格の決定【製麺業】 ・売上減少に確実につながる【漬物製造】 ・規模の小さな取引先等にとっては転嫁される分を考慮すると延期は良かったと思う 【目立加工】 7 卸売業 ・地方はまだその時期ではない【酒類、茶、食品】 ・無駄をなくすほうが先【工具、金具】 サービス業 ・増税前後の収支をトータルすると、ほぼ例年通り【写真業】 Ⅵ.政府の金融・経済政策及び当所に対する意見・要望 建設業 ・増税しなければならないのは理解しているが実態は大変だと思う【一般土木建築工事業】 ・地方に景気の波が来るまでアベノミクスを続けてほしい【一般土木建築工事業】 ・借金も返さず予算を何に使っているのか。本来、消費税は何のために設けたものか、もう 一度考える必要あり【建築設計業】 ・アベノミクスを追い風にして進めるようにしてほしい。TPP もピンチはチャンスと捉え、前向 きに対応してほしい【木造建築工事業】 ・地方の隅々まで景気が良くなるよう願いたい【一般土木建築工事業】 ・政府の景気政策は大変嬉しい。銀行や商工会議所には我々のような零細企業を助けて ほしい【建築金物工事業】 ・会社経営をして収入があるために年金が全くもらえないのは納得がいかない(今まで以 上の納付額が 1,300 万円以上)。少しでも戻ってくるような年金制度に改めてほしい 【一般電気工事業】 ・消費税を 5%に引き下げ、消費拡大を図る。アベノミクスは強い者だけが生き残る政策で はないか。地方に波及することはないと思う【総合建設業】 ・地方の景気回復にはまだまだ時間を要することを理解してほしい【板金工事業】 ・以前よりは格段に動きやすくなったが、全体的にやや活発であるため逆に現状維持が難 儀になる。ゆえに波に乗るのが大変【住宅建築設計】 製造業 ・地方に一切反映されない政策があたかも大成功のように世論操作しないでほしい 【婦人服製造業】 ・TPP 導入、JA 改革は賛成。中小企業が参入できるように様々な分野の規制緩和が必 要。議員数、議員報酬、選挙など政治に金を使いすぎる【印刷業】 ・円安でも大企業は良いが、中小企業は物価が上がり収益が悪くなり、賃上げできる状態 ではなくなり、赤字経営が続き倒産状態になると思う【金属工作機械製造業】 ・電気料金が下がってほしい【木製品製造】 ・保証協会の制度資金枠減額で選択肢が狭まる【乾麺製造業】 8 卸売業 ・中小企業向け制度融資の拡充【鶏卵卸】 ・自社のことは自社で考える。切り拓く努力と知恵が必要【建築資材卸売】 ・未だ景気の良さが感じられないので地方にも感じられるような政策を【雑貨卸売】 ・アベノミクスは格差を増大にするだけ【酒類、茶、食品】 ・地方に影響なし、県も市もやる気なし?【工具、金具】 ・3 本の矢の成長戦略にもっと力を入れてほしい【塗料、塗装器具他】 小売業 ・なかいち等に関する秋田市の経費の使い方には疑問を感じる。今は郊外型のショップが にぎやかになっているが、町中の駐車場の無料化があれば人は確実に集まると思って いる。また歩いて行ける場所もたくさんあるのに中心部の活性が見えないと思う 【婦人服小売業】 ・早く地方にも効果があるようにしてほしい【時計・眼鏡小売業】 ・TPP で養豚業は廃業するところも多くなり、外国産の豚肉で市場はいっぱいになる。逆に 国産がもてはやされるが体力がないと。生き残るのは大規模な企業養豚【食肉小売業】 ・外旭川に建設予定のイオンタウンについては反対【めん類小売業】 ・会議所への要望で、地方活性化のアイデアを広く(懸賞付きで)公募し、実現可能なもの を具体化する企業を支援する施策はどうか【自動車部分品・付属品小売業】 ・景気の回復は期待している。商工会議所は小規模な専門店の売上げアップに繋がるよう な事業などを企画してほしい【花・植木小売業】 ・地方、中小企業への施策が不十分【タイヤ販売】 ・お客様の購買意欲が上がるように何か良い薬でも煎じてほしい。町内の若い経営者が地 域をもっと盛り上げられるように色々対策を練ってほしい【呉服小売】 ・地方に恩恵がない【生花】 サービス ・地方は大変【リネンサプライ業】 ・富裕層だけが得をする世の中。政府も自分たちのことしか考えていない 【その他の自動車整備業】 ・地方創生は良いが、実際体力やアイデアのある企業、個人が少ない。人や中期的なもの に投資してほしい【IT 関連】 ・共産党の躍進は庶民が苦しいということでもあるのではなかろうか。国民が苦しみ、公務 員が楽しているのではアベノミクスの成功とは言えない。年金問題やあちこちに不要な 建物、施設を作って税金の無駄使いをした反省があるとは思えない。TPP 含め、思い切 った改革をしなければいけない時ではなかろうか【ホテル業】 ・地方にヒト、モノ、カネが集まる仕組みを官民一体となって進めてほしい【広告代理店】 9
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