沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 平成 25 年度 家族計画・母体保護法指導者講習会 「改正母体保護法下の研修会のあり方」をテーマに 常任理事 金城 忠雄 平成 25 年 12 月 7 日 ( 土 ) 日本医師会と厚 プログラム 1. 開 会 司会:今村 定臣(日本医師会常任理事) 生労働省共催により、日本医師会館で開催され 2. 挨 拶 横倉 義武(日本医師会会長) 田村 憲久(厚生労働大臣) する。 た標記講習会に出席したのでその概要を報告 本講習会の目的は、母体保護保指定医に必要 3. 来賓挨拶 木下 勝之(日本産婦人科医会会長) な家族計画並びに同法に関連する最新の知識に 4. 講 演 座長:今村 定臣(日本医師会常任理事) 適正を期すことにある。毎年この時期に開催さ ついて指導者講習を行い、母体保護法の運営の テーマ「改正母体保護法下の研修会のあり方」 (1)母体保護法指定医師指定基準モデル改正のポイント 福田 潤(熊本県医師会長 / 日医母体保護法等に関 する検討委員会委員長) (2)生命倫理に関するもの 平原 史樹(横浜市立大学附属病院病院長 / 日医母 体保護法等に関する検討委員会委員) (3)母体保護法の趣旨と適正な運用に関するもの 白須 和裕(小田原市立病院病院長 / 日医母体保護 法等に関する検討委員会委員) (4)医療安全・救急処置に関するもの 落合 和彦(東京慈惠会医科大学産婦人科教授 / 日 医母体保護法等に関する検討委員会委員) (5)指定発言 - 行政の立場から 桑島 昭文(厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子 保健課長) れている。 講習会には、全国から各都道府県所属の母体 保護法担当理事をはじめ、日本産婦人科医会会 員など約 190 名が出席した。沖縄県からは、私 と沖縄県産婦人科医会担当理事の當山雄紀先生 が参加した。 日本医師会今村定臣常任理事の司会により開 会された。 5. 閉 会 - 2(392) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 挨 拶 2014 講 演 横倉 義武日本医師会会長 座長:今村 定臣(日本医師会 常任理事) (日医常任理事 今村定臣代読) 平成 23 年 6 月に改正母体保護法が成立した テーマ「改正母体保護法下の研修会のあり方」 (1)母体保護法指定医師指定基準モデル改 のを受け、母体保護法指定医指定基準モデルを 正のポイント 改正、平成 25 年 5 月にすべての都道府県医師 福田 稠(しげる)熊本県医師会会長 会へ資料を示したところである。指定医更新に (日医母体保護法等に関する検討委員会委員長) は、「生命倫理」「母体保護法の趣旨と適正な運 平成 25 年 11 月末日までに、一般社団法人 用に関するもの」「医療安全・救急処置に関す が公益社団法人への移行が規定された。公益社 るもの」3 点が含まれることとなり、研修内容 団法人に移行した都道府県医師会であれば、こ が見直された。 れまで通り「認定可能」となった。しかしなが 刑法における堕胎罪の違法性を阻却(妨げる) ら、公益法人に移行せず一般社団法人の医師会 という面を持つ母体保護法指定医師の責務は重 は指定権を失ってしまうため、日医内にプロジ く、そのためにも職能集団である医師会が責任 ェクト委員会を立ち上げ、これまで検討・審議 を持って指定することに意義があると認識して を繰り返した。 いる。指定を公平かつ公正に行うため、引き続 プロジェクト委員会内における意見は、「現 きご支援ご協力をお願いしたい。 行制度下で、専門職能団体としての医師会によ る中立・公正なプロフェッショナル・オートノ 田村 憲久厚生労働大臣(厚労省雇用均等・児 ミーが確立されている」「これまで各都道府県 童家庭局母子保健課長桑島昭文代読) 医師会および産婦人科医会が果たしてきた役 母体保護法を取り巻く環境に大きな変化があ 割を正当に評価すべきであり、この点を国に理 った昨今、行政においても、母子保健、少子高 解させるべき」「一般社団法人となった都道府 齢化などについて、安心して妊娠出産できる環 県医師会が従来通り指定権を持てるように、法 境づくりを整えていくべく制度や支援の強化に 改正を早急に実現させることで方向性が一致す 邁進しているところである。 る」などであった。 厚生労働省として、保険、医療、福祉など連 改正論議の中で表面化した課題として、非会 携して、母子保健対策に取り組んでおり、医療 員に対する指定の取り扱い(一部地域で、非会 の現場でご活躍の先生方には、格段のご理解と 員の母体保護指定医師の申請が円滑に受理され ご協力をお願いしたい。 なかった事例)が挙げられた。公正取引委員会 の見解は、非会員医師を合理的理由無く差別的 来賓挨拶 に取り扱うことは、独占禁止法の規定に抵触す 木下 勝之日本産婦人科医会会長 る恐れがある。今後同様の事例が改めて発生し 日本産婦人科医会は、母体保護法の前身であ た場合、医師会という民間法人による指定の是 る「優生保護法」が昭和 23 年に制定されたこ 非が問われる可能性がある旨、再確認した。参 とを受け、これまで 65 年余の間、母体保護法 考までに、平成 23 年 4 月の調査によると、母 とその運営に携わってきた。人工妊娠中絶は、 体保護法指定医師数 7,189 名の内、207 名が非 法的な面も含め多くの課題はあるが、女性の自 会員(2.9%)である。よって、より一層の公正性・ 己決定権を尊重し、母体の健康を優先する本来 公平性が確保されるようお願いする。 の母体保護法の理念を遵守する形での運用をお 母体保護法指定医師制度の運用にあたって 願いする。 は、プロフェッショナル・オートノミー(専門 - 3(393) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 職自律規範)により厳格な適用が求められてお 指定の要件 り、母体保護法の趣旨を忠実に遵守する形での 母体保護法指定医研修会を必ず受講し、母体 運用をお願いしたい。 保護法指定医研修会修了証(スライド 2)及び 研修会の時間は、概ね 3 時間を目標とし、う 産婦人科医会研修参加証 6 枚相当を提出する ち 2 時間程度は生命倫理、母体保護法の趣旨と こと。 適正な運用、医療安全・救急処置の 3 つの内容 母体保護法指定医師研修会修了証(見本) をコアカリキュラムとして含むものを目安とす る。研修会における留意事項(スライド 1) 第○○○○号 証 ○○○○○殿 母体保護法指定医師に関する 留意事項① あなたは母体保護法指定医師の必須研修 である母体保護法指定医師研修会を履修 されたことを証します 1.新規研修 2.更新研修 母体保護法指定医師研修会は、指定医師が 習得すべきものとして、最低限以下の三つの 内容を「コアカリキュラム」 として含むものとする。 平成 年 月 日 ○○○医師会長 印 ○ ○ ○ ○ ①生命倫理に関するもの ②母体保護法の趣旨と適正な運用に関するもの ③医療安全・救急処置に関するもの JAPAN MEDICAL ASSOCIATION スライド 2 *コアカリキュラム以外の内容については、各都道府県 医師会の独自性に委ねる。 指定の更新及び取り消し JAPAN MEDICAL ASSOCIATION 研修会カリキュラムに「生命倫理に関するも スライド1 の」「母体保護法の趣旨と適正な運用に関する ①都道府県医師会は、母体保護法指定医師審 査委員会を設置する。 もの」「医療安全・救急処置に関するもの」の 3 点を含むカリキュラムが求められている。加 ②指定医師でない医師は、研修機関で指導医 えて、病気療養中、妊娠・分娩、留学、国内外 の直接指導の下においてのみ人工妊娠中絶 出張等の理由により、更新の手続きを延期する 手術ができる。 ことが出来るなどの文言も加えられた。 ③指定の取得および更新のためには、母体保 護法指定医師研修会を必ず受講する。 母体保護法指定医制度の運用に当たっては、 プロフェッショナル・オートノミー(専門職自 研修機関の条件 律規範)をより厳格な適用が求められている。 年間の開腹手術 50 例以上 (腹腔鏡手術を含む) 今回の改訂により「母体保護法指定医師審査委 分娩数 120 例以上、2 名以上の指定医師資格 員会」の位置付けを明確にされた。各都道府県 者を有すること。 医師会には、適切な委員会運営にさらに努力し 緊急手術に対応できる機関であること。 ていただきたい。 医療機関が単独では研修要件を満たさない場 合、関連施設として都道府県医師会に登録す (2)生命倫理に関するもの 平原 史樹横浜市立大学附属病院院長 ることで連携研修機関と認める。 指定基準モデルおよび細則改定のポイントとして 技能 (日医母体保護法等に関する検討委員会委員) 母体保護法指定医更新の際、1、生命倫理に 研修期間中に、20 例以上の人工妊娠中絶手 関するもの。2、母体保護法の趣旨と適正な運 術または流産手術の実地指導を受けたもの。 用に関するもの。3、医療安全・救急処置に関 ただし 10 例以上の人工妊娠中絶手術を含むこ するもの。3 点が研修会に盛り込まれること ととする。なお、指定医師でない医師につい を受け研修会のあり方を見直す必要が出てき ては、研修機関で指導医の直接指導の下にお た。医療における生命倫理的原則は、患者の いてのみ人工妊娠中絶手術が出来る。 自己決定権の尊重と生命・健康への配慮であ - 4(394) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 る(スライド 3)。 襲的出生前遺伝学的検査 NIPT(non-invasive 平成 12(2000)年に日本医師会が定めた「医 prenatal genetic test)などがある。十分な情報 の倫理綱領」(スライド 4) 提供と自己決定のもとに遺伝子診断は実施され 個人情報の取り扱い(スライド 5) ねばならない。 新聞に報道され話題になった母体血を用い 医療における生命倫理的原則 た新しい出生前遺伝学的検査の無侵襲的出生 前 遺 伝 学 的 検 査 NIPT(non-invasive prenatal ■患者の自己決定権 genetic test)について、日本産科婦人科学会・ ・自己決定を尊重することが重要 ・本人の意思を優先して医療(や研究) を行う ・本人への医学的説明とその内容に対する同意 日本医学会は、2013 年 3 月に指針を出した。 1. マススクリーニングにすべきでない 2. ハイリスク妊婦への検査をすべき ■患者の生命・健康への配慮 3. この検査は非確定検査であり、確定には羊 ・医学的に妥当かつ適正 ・患者の立場として妥当かつ適正 水検査が必須 4. 認定施設を登録し臨床遺伝専門医や認定遺 スライド 3 伝カウンセラーによる遺伝カウンセリング 医の倫理綱領 日本医師会(2000年4月) を行うこと(一般診療ではない) 医学および医療は、病める人の治療はもとより、人びとの健康の維持 もしくは増進を図るもので、医師は責任の重大性を認識し、人類愛を 基にすべての人に奉仕するものである。 1.医師は生涯学習の精神を保ち、つねに医学の知識と技術の習得 に努めるとともに、 その進歩・発展に尽くす。 2.医師はこの職業の尊厳と責任を自覚し、教養を深め、人格を高め るように心掛ける。 3.医師は医療を受ける人びとの人格を尊重し、やさしい心で接する とともに、医療内容についてよく説明し、信頼を得るように努める。 4.医師は互いに尊敬し、医療関係者と協力して医療に尽くす。 5.医師は医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会の発展に尽くす とともに、法規範の遵守および法秩序の形成に努める。 6.医師は医業にあたって営利を目的としない。 ⇒母体保護法;母体と胎児の命を護る使命 遺伝カウンセリングは、疾患の遺伝学的関与 について医学的・心理学的影響を理解し適応し ていくことを助けるプロセスである。知る権利 があれば、知らない権利もあり、情報提供だけ でなく自律的選択が可能となるような心理・社 会的支援が重要である。カウンセリングはイン フォームドコンセントではなくインフォームド スライド 4 チョイスである。様々な「異常」に対する理解・ 教育・環境が醸成された中で出生前診断が扱わ 個人情報の取り扱い ■医療における個人情報の保護 個人情報保護法,条例, ガイドラインの遵守 事業者の義務,利用目的の特定と公示 医療・介護関係事業者における個人情報の適切な 取扱いのためのガイドライン(2004年12月厚生労働省) ■電子カルテ時代における個人情報保護 患者情報,医療情報の開示管理, アクセス管理 ■診療における守秘義務 れることが重要である。 最新の遺伝学的検査における出生前診断で は、ヒトの DNA(約 30 億塩基)すべてを解読 できる「マイクロアレイ染色体検査法」や全ゲ ノムを対象とした網羅的な分子遺伝学的解析・ 検査手法を用いた診断などもあり、十分な遺伝 ■プライバシーへの配慮 学的専門知識を備えた専門職(認定遺伝カウン ⇒遺伝医学的情報は 究極の個人情報 とのコンセプトも セラー、遺伝専門看護職など)が検査の前に適 切な遺伝カウンセリングを行った上でインフォ スライド 5 ームド・コンセントを得て実施すべきだとの見 出生前診断に関する倫理的対応 解が示されている。以上を考慮し、医療側の倫 出生前診断には、確定的検査として、羊水・ 理的対応としては、遺伝学的検査のカウンセリ 絨毛診断などと、非確定的検査として超音波、 ングを行い、患者が適切な自己選択、自己決定 血清マーカーや母体血胎児染色体検査(無侵 が出来る支援をすることが重要である。 - 5(395) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 (3)母体保護法の趣旨と適正な運用に関す 2014 妊娠 12 週以降の人工妊娠中絶は、 「死産証明書」 るもの と死産届けによる埋葬許可書を取り火葬させね 白須 和裕小田原市立病院病院長 ばならない。加えて、出産育児一時金は、妊娠 (日医母体保護法等に関する検討委員会委員) 12 週以後の生産、死産、人工流産又は早産を問 母体保護法は、母性の生命健康を保護するこ わずすべて支給される。流産や人工妊娠流産中 とを目的として定められた。 絶での満額支給は異論もあるが、母体保護また 1. 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理 は保健衛生上の保障の視点から支給されている。 由により母体の健康を著しく害するおそれ 同意書は、裁判において問題になるので必ず のあるもの 本人および配偶者からの同意書を取って実施す 2. 暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しく は拒絶することができない間に姦淫されて べきである。 堕胎罪(スライド 8) 妊娠したもの 堕胎罪(刑法212条∼216条) 前項の同意は、配偶者が知れないとき若しく 第212条(堕胎)妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法に より、堕胎したときは、一年以下の懲役に処する。 第213条(同意堕胎及び同致死傷)女子の嘱託を受け、又はその承諾 を得て堕胎させた者は、二年以下の懲役に処する。 よって女子を 死傷させた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。 第214条(業務上堕胎及び致死傷)医師、助産師、薬剤師又は医薬品販 売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたとき は、三月以上五年以下の懲役に処する。 よって女子を死傷させたときは、六月以上七年以下の懲役に処する。 第215条(不同意堕胎)女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を 得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の懲役に処する。 ②前項の罪の未遂は、罰する。 第216条(不同意堕胎致死傷)前条の罪を犯し、 よって女子を死傷 させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。 はその意思を表示することができないとき又は 妊娠後に配偶者がなくなった時には本人の同意 だけで足りる。 母体保護法指定医師の責務(スライド 6) 指定医師と指定施設はセットである(スライド 7) 母体保護法指定医師(指定医師) スライド 8 人工妊娠中絶は、都道府県医師会が指定する指定医師 のみが行い得る。 日本医師会が、人格、技能、施設設備など について指定基準モデルを作成している。2年ごとの更新 制で、研修や届出の状況が審査される。 刑法の堕胎罪に問われる可能性もある人工妊 娠中絶手術は、母体保護法指定医として慎重に対 応すべきであり、 医師としてプロフェッショナル・ オートノミー(専門職自律規範)を厳格に守り母 一方、不妊手術は、指定医師に限らず医師であれば 体保護法の適切な運用をしていただきたい。 実施可能である。 スライド 6 (4)医療安全・救急処置に関するもの 落合 和彦東京慈恵会医科大学産婦人科教授 指定医師と指定施設はセットである (日医母体保護法等に関する検討委員会委員) 日本における中絶の実態について 指定医師は、指定の際勤務先とした指定医療施設以外の 施設(例えば分院やアルバイト先の病医院など)において、 人工妊娠中絶を行うことはできない。 現在、本邦での人工妊娠中絶は約 20 万件行 われている。 日医賠償責任保険における事故については、 原則として指定医師の勤務場所は1人1か所である。 子宮穿孔が最も多い。手術時の留意事項につい 離島、へき地の医療施設など特例として都道府県医師会が ては医会「指定医師必携」を再確認して欲しい。 スライド 7 静脈麻酔は、使い慣れたものを用い、呼吸・ 認める場合はこの限りではない。 循環管理を継続的に実施する。 - 6(396) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 麻酔薬の追加投与は、薬剤の蓄積に注意し、 信頼関係の構築を図るべく十分な問診とイン 高血圧、低血圧、呼吸抑制、低酸素症やアナフ フォームドコンセントや同意書の確認と緊急時 ィラキシーなど合併症に熟知しておくこと。 の対応や広報病院の確保が重要である。(スラ 麻酔事故件数は減少しているが、発生した場 イド 12) 合には重篤事故に繋がっている。 静脈麻酔について(スライド 9) まとめ • • • • • 信頼関係の構築をはかるべく十分な問診とIC 同意書の確認 麻酔薬の使用に習熟しておく 緊急時の対応、処置をシュミレーションしておく 緊急時の搬送体制、連絡体制を周知する (医療スタッフだけでなく患者本人にも) • 後方病院を確保しておく 静脈麻酔薬の種類と特徴 • バルビツール酸系 チオペンタール(ラボナール®) 、チアミラール(イソゾール®) ⇒作用時間が短い(短時間作用型)の麻酔薬。留意すべきは「作用時間 が短いこと≠速やかに代謝・排泄されること」。標的臓器には速やか に移行し効果を発揮するが、代謝排泄は決して早くなく、蓄積性が 問題となる。大量投与時は覚醒遅延が問題となる。 • ケタミン(ケタラール®) ⇒体性痛に対して協力な鎮痛作用を発揮する点が特徴である。鎮静は ベンゾジアゼピン系鎮静薬を併用する。血圧上昇・唾液分泌・悪夢を みるなどが欠点である。また近年は麻薬指定された。 • プロポフォール(ディプリバン®) ⇒1995年に薬価収載された比較的新しい薬剤。代謝が速やかで蓄積 性がほとんどないことから導入覚醒が極めて速いのが特徴で、「調節 性に富む麻酔薬」である。欠点は鎮痛作用がないこと、呼吸循環抑 制があること、血管痛があることである。 スライド 12 (5)指定発言―行政の立場からー スライド 9 桑島 昭文厚生労働省雇用均等・児童家庭局 日本麻酔科学会によるモニター指針など参考 母子保健課長 にして安全のための監視や救急カートの整備を 母体保護法の概要 怠らないようにしなければならない。(スライ 母体保護法は、不妊手術及び人工妊娠中絶に ド 10,11) より母性の生命健康を保護することが目的であ る。手術数は、都道府県知事に届け、この結果 は厚生労働省官房統計情報部にて集計し報告さ 救急救命措置(1) • アナフィラキシ―:薬剤の投与開始直後から5分以内に生じ ることが多い。じんま疹、紅斑・皮膚の発赤などの全身的な 皮膚症状がみられる。当該医薬品をただちに中止する。 血圧測定を行いつつ、血管確保、心電図モニター装着、酸 素投与、気道確保の準備を行う。補液は最大量。犬吠様咳 そう、呼吸困難、喘鳴、チアノーゼなどの呼吸器症状がみら れれば、アドレナリン投与を行う。エピネフリン0.1mg静注 (点滴路がなければ0.3mg筋注)。反応が悪ければ10~15分 おきに最大1mgまで反復投与。筋注の場合、部位は大腿部 が好ましい。 れている。 人工妊娠中絶の件数は、昭和 30 年 117 万 143 件であったが、平成 24 年度は 19 万 6639 件に減 っている。 「健やか親子 21」では、10 代の人工 妊娠中絶の実施率の減少を目標の一つとし、報 告においては着実に減少したと評価している。 中絶件数は減っているものの、依然として母体 保護法指定医に求められているニーズは高い。 スライド 10 日本医師会の母体保護法指定医師におかれては、 救急カートの1例 母体保護法に則って適切な運用をお願いしたい。 • アンビューバッグ、挿管セット • 注射器、点滴セット • エピネフリン注(1mg,1mL)10アンプル、硫酸アトロピ ン注(0.5mg,1mL)4アンプル、塩酸ドパミン注 (100mg,5mL)2アンプル、塩酸リドカイン(静注 用,2%,5mL)2本、炭酸水素ナトリウム(7%,20mL)3本、 生理食塩水(100mL,500mL)各2本、コハク酸ヒドロコルチ ゾンナトリウム注(100mg)1アンプル、硫酸マグネシウ ム注(0.5M,20mL)1アンプル、ジアゼパム注 (10mg,2mL)1アンプル、アデノシン三リン酸二ナトリ ウム注(10mg,2mL)2本、アミノフィリン注 (250mg,10mL)1本、dl-マレイン酸クロルフェニラミン 注(10mg,1mL)1本 母体保護法指定医の法的性質について 堕胎は、刑法により禁じられている。しかし、 母体保護法で規定する一定の要件を満たす場合 に限って正当化され母体保護法指定医師は、刑 法の堕胎罪の違法性を阻却され、堕胎罪が免れ ることになる。指定を行う都道府県医師の役割 は重く、適切な運用を認識していただきたい。 スライド 11 - 7(397) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 印象記 常任理事 金城 忠雄 平成 18 年の公益法人制度改革が、母体保護法指定医審査を行う日本産婦人科医会に与えた衝 撃と平成 23 年 6 月の法律改正により資格認定権を取り戻すまでの苦心を再認識した講習会であ った。日医の母体保護法担当今村定臣常任理事のロビー活動による九州の国会議員団の活躍で「一 般社団法人医師会」の沖縄県医師会でも母体保護法指定審査が可能となったことを思い起こす。 母体保護法指定医師は、刑法の堕胎罪を免れる制度ゆえに「母体保護法指定医師研修」が必須 になり専門職自律規範をより厳格で慎重な運用を求めている。 厚労省「健やか親子 21」では、10 代の人工妊娠中絶の減少を目標とし、減少はしているが、 依然として母体保護法指定医に求められているニーズは高いため法律の適切な運用を求めている。 ちなみに、沖縄県平成 24 年度母体保護法報告では、人工妊娠中絶総数が 2581 例のうち、中学年 齢(~ 15 歳)の中絶 27 例、高校年齢(16 ~ 18 歳)の中絶は 191 例と報告している。 精神保健指定医は、厚生労働大臣が資格認定するのに対して、母体保護法指定医師は、これま で通り「一般社団法人医師会」保持できたので、その運用には十分慎重に運用して欲しいと繰り 返し力説している。 九州医師会連合会は、診療やその他の理由で「母体保護法指定医師研修会」に出席できない医 師のことを考慮して九州ブロックで相互に研修会を受講できるよう申し合わせている。沖縄県医 師会は、日医の指定基準モデルを参考に母体保護法の規約改定を起案中である。特に沖縄県は、 宮古・八重山・北部と遠隔離島県なので、その地区は県医師会作成の DVD を各地区医師会会長 の立ち合いのもとに研修し「母体保護法指定医師研修会修了証」発行可能な研修認定の方向で検 討している。 厳しい適応の下に施行される人工妊娠中絶は、母体保護法指定医のみに許され、その他は刑法 の堕胎罪の適応にあたる。今後、妊娠中絶剤がインターネット個人購入が可能になった事態には、 服用後の出血や堕胎罪関連の厄介な問題を引き起こすのではないかと憂慮している。 - 8(398) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 平成 25 年度日本医師会医療事故防止研修会 ~平成 24・25 年度『医療安全対策委員会』答申報告~ 常任理事 稲田 隆司 去る平成 26 年 1 月 19 日(日)に日本医師 本日ご参加の皆様には、是非、医療安全のリ 会大講堂において標記研修会が開催されたので ーダーとなっていただき、『成果が見える医療 下記のとおり報告する。 安全』が全国津々浦々で始まることを期待して いる。 会長挨拶 最後に、本日ご講演いただく、医療安全対策 日本医師会の横倉義武会長より挨拶が述べら 委員会委員に心から感謝を申し上げるととも れた。 に、長時間の研修にご参加をいただいている皆 本日の研修会では医療安全対策委員会の答申 様に感謝を申し上げ、より良い研修会になるよ の内容のご紹介を兼ねて、各地でどのような医 うお願い申し上げる。 療安全の活動を行っているのかということをテ ーマにし、お集りの皆様と『成果が見える医療 第 1 部『無床診療所における医療安全管理体制 安全』について意識の共有をしたいと思う。 の整備と院内感染対策体制の徹底』 また、目下のところ医療事故調査制度の創設 岩手県医師会の小原紀彰副会長より、無床診 に向けた議論が重ねられているが、事故を未然 療所における医療安全管理体制の整備と院内感 に防止するという医療環境を作るということ 染対策体制の徹底と題した講演が行われた。 は、医療関係者がなによりも優先をして取り組 平成 19 年 4 月から無床診療所も医療安全管 むべき使命である。日頃から医療安全に取り組 理体制の整備及び、院内感染対策体制の確保 んでいれば、万が一、院内の調査報告を作成す が義務化されたことを背景とし、岩手県内の るという事態になった場合でも、迅速で正確な 診療所 693 件に向けて、平成 25 年 2 月 4 日~ 報告書が出来るものと確信をしている。 2 月 28 日及び平成 25 年 9 月 25 日~ 10 月 10 - 9(399) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 日の 2 回実施された医療安全管理と院内感染 埼玉県の医療現場ではどのような医療安全対 対策についてのアンケート調査について説明 策が行われているかを把握するため、医療安全・ があった。 医療訴訟問題を中心に、埼玉県内の 30 郡市医 1 度目(平成 25 年 2 月 4 日~ 2 月 28 日)の 師会と 2 大学病院医師会に対して、所属する全 現状調査後、関係文書を送付し、2 度目(平成 病院、全有床診療所及び医師会ごとに 20 カ所 25 年 9 月 25 日~ 10 月 10 日)の調査で成果 の無床診療所を選び、各郡市医師会を通してア を検討し、院内感染対策指針については、未完 ンケート調査を実施した旨の説明が行われた。 成が 28.4%から 17.6%と減少、院内感染対策 総配布数 1,180 件のうち回収 877 件で、回収 マニュアルについては、未完成が 28.4%から 率 74.3%と非常に多い回答が得られたことが報 20.0%と減少していると報告があった。この結 告され、入院基本料の施設基準として義務化さ 果に対し、参考となる指針、予防策についての れている安全委員会感染対策委員会の活動は、 モデル文書の配布が功を奏したと考察された。 病院ではほぼ全てで実行されていたが、有床診 また今後に向けてとし、次年度は各診療科に 療所の 47%では、計画だけで実際の活動が充 共通する採血時の神経損傷事例について、診療 分行われているとは言い難いと述べられた。 所(有床・無症)を対象に静脈採血手順に沿っ これらの結果から、日本医師会医療安全対策 て実施しているか、アンケート調査を行うこと 委員会において、有床診療所に適合した活動指 としていると述べられた。 針を提示すること及び、日本医療機能評価機構 の客観的評価で医療安全活動が適切に行われて 第2部 『医療安全報告件数の経年的推移について』 いると評価された場合、加算点数を取れるよう 鹿児島県医師会の川原裕一常任理事より医療 にする必要等について述べられた。 安全報告件数の経年的推移についてと題した講 演が行われた。 第 4 部『予防接種間違いの報告制度』 鹿児島県では『目に見える医療安全』に対し 大分県医師会の阿南茂啓常任理事より予防接 て、毎年の報告件数を経年的に見ることにより、 種間違いの報告制度と題した講演が行われた。 取り組みの成果として報告件数が減少傾向にあ はじめに、予防接種の間違いによる健康被害 るか検討することとし、会員施設 6 医療機関を の報告はほとんどないとしながらも、非接種者、 対象とした医療安全モデル事業について説明が そして社会一般の方々への医療全般に対して不 行われた。 安感を抱かせる要因の一つになりかねないと述 モデル事業の報告では、 QCサークル活動 (Quality べられた。 Control) 、PNS 活動(Partnership Nursing System) 間違い報告の更なる収集と分析が必要である と様々な取り組みが紹介され、現場での継続的 とし、間違い報告漏れを減少させるためには、 な努力が示されたが、今回の集計報告で報告件 医療機関の不安要因の払拭、環境整備が必要と 数の減少傾向は汲み取れなかったと報告があっ 述べ、市町村との予防接種契約の内容確認と、 た。しかし、意識調査のアンケートより、本取 その内容の周知徹底、報告制度の内容、特にそ り組みによる成果があったとの回答は 87.4% の報告後の内容についての周知徹底等が必要で であったと述べられた。 あると唱えられた。 おわりに、情報の適切な分析、確実なフィー 第 3 部『医療管理体制に関するアンケート調査 ドバック等によって、各医療機関への安心と信 結果』 頼を確立し、さらなる間違い報告漏れを少なく 埼玉県医師会の岡治道常任理事より医療管理 することが期待できるとし、ひいては、接種間 体制に関するアンケート調査結果と題した講演 違いの減少、医療安全の質の向上に資すること が行われた。 への期待について述べられた。 - 10(400) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 第 5 部『採血時の神経損傷に対するリスクマネ 位で実施されていた等が報告された。また、共 ージメント:現状と今後の展望』 同行動の有効性として、現状は各施設間の連携 東京都医師会の小林弘幸理事より採血時の神 がないまま、独自の医療安全対策マニュアルを 経損傷に対するリスクマネージメント、現状と 実施しており独善・慣行のため不備を生じる可 今後の展望と題した講演が行われた。 能性があるとし、共同行動は、確立された手技 医療現場の採血実施は日常的行為であるが、 や対策についても、再点検・確認し周知徹底す 採血に伴う合併症(神経損傷、皮下血腫、血管 る契機になると述べられた。 迷走神経反応、CRPS(Complex regional pain 次に、愛媛県医師会の吉田博常任理事より白 syndrome) 等 ) に よ る 医 事 紛 争 も あ る と し、 内障手術時のタイムアウト実施状況と題した講 採血時の神経損傷に関する対応の方向性を示す 演が行われた。 ことについて述べられた。 愛媛県内の白内障手術を実施している眼科医 医療者の手技になんら問題なく、患者自身に 療機関に白内障手術時のタイムアウトに関する 問題がなくとも、神経損傷を 100%防ぐことは アンケート調査を行い、総合病院 10 施設、眼 できないと述べ、血管穿刺部位に選択に関する 科病院 1 施設、眼科診療所 24 施設より回答を 基礎知識を持ち、末梢神経損傷が生じる可能性 得た旨の説明があった。 が低い皮静脈を選択する、また神経損傷が生じ アンケート結果のまとめとして、白内障手術 た事実を医療者が早期に認識し、事例発生後は 時のタイムアウトの実施について、35 施設中、 一人で対応せず、上司へ報告し医師が診察説明 17 施設(48.6%)でタイムアウトを実施して をする等の説明が述べられた。 いたが、18 施設(51.4%)では実施されてい また、何が起きているか、どのくらいの確率 なかったと報告され、実施していなかった医療 で神経損傷事例が発生しているかという事実を 機関の多くは眼科単独の診療所であり、理由と 知るためには、データを収集し、分析・判断・ しては、局所麻酔手術で患者の意識があるから 対策を講じることが必要であると述べられた。 等が報告された。 また、白内障手術時の事故防止への対策とし 第 6 部『静脈採血時の神経損傷削減・白内障手 て、手術件数の多い総合病院のみならず、眼科 術時のタイムアウト実施状況』 診療所へのタイムアウトによる確認作業の必要 はじめに、愛媛県医師会の今川俊一郎常任理 性を周知させて行かなければならないと述べら 事より静脈採血時の神経損傷削減と題した講演 れた。 が行われた。 静脈採血時の神経損傷削減を統一テーマと 第 7 部『愛知県医師会における医療安全対策の し、その結果を可視化することによって、これ 取り組み』 まで各医療施設が独自に実施してきた注射手技 愛知県医師会の細川秀一理事より愛知県医師 や事故防止対策を再点検・再確認することが可 会における医療安全対策の取り組みと題した講 能になり、より安全な静脈採血方法の標準化に 演が行われた。 貢献することを目的とし、愛媛県内の医療関係 愛知県医師会では、医療安全に関する事業と 者に対し、3 つのアプローチにより実態調査を して、①医療安全支援センター(患者からの相 実施した旨の説明が行われた。 談に対応し、専門委員が問題解決に向け仲介す 調査結果のまとめとして、静脈採血時におけ る)、②医療安全対策委員会(医事紛争のなか る神経損傷予防の問題点について、安全な静脈 で金銭が関わるものについて検討する)、③会 採血手技や穿刺部位についての知識は持ってい 員相談窓口(会員の福祉に寄与することを目的 るが、実際は採血困難例に遭遇することも多く、 とし、問題解決に向け支援する)の三本柱を実 その場合は各自の経験をもとに、安易に危険部 施している旨の説明が行われた。 - 11(401) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 また、愛知県内の医療機関に対し、静脈採血 663 名が修了していると述べ、今回平成 23 年、 のチェックリスト及び院内感染予防対策のチェ 24 年度の講習会参加者(195 名)に対してア ックリストによる調査の実施について説明が行 ンケート調査を実施した旨の説明がされた。 われ、チェックリストの施行により実施率が向 講習会にて学んだ内容を院内の医療安全対策 上し、継続した医療安全対策の取り組みが期待 に反映させた結果、『職員の医療安全に対する できる等の考察があった。愛知県医師会では、 知識が高まった』、『他職種との連携・コミュニ 今後も同様のチェックリストを実施すること ケーションが強化された』等の成果が現れた等 で、医療安全の向上に資する取り組みを継続し の評価がされる一方、『医療安全管理者の知識 ていきたいと述べられた。 向上につながる研修会が少ない』、『石川におい て医療安全に関するテキストやマニュアルを作 第 8 部『兵庫県医師会インシデント・アクシデ 成して欲しい』等の意見から、診療所などの中 ントレポート事業―医療安全・会員間ピアレビ 小医療機関では人材、財政的要因から医療安全 ューに向けて―』 管理体制の整備が進んでいないことが窺えると 兵庫県医師会の西田芳矢副会長より兵庫県医 考察された。 師会インシデント・アクシデントレポート事業 今後の取り組みとして、郡市医師会で伝達講 ―医療安全・会員間ピアレビューに向けて―と 習会を開催、郡市医師会医療安全担当理事連絡 題した講演が行われた。 協議会の定期的な開催等、積極的に郡市医師会 はじめに、医療安全の新たな概念として、人 と連携することについて説明があった。 間は間違うものであるとし、過誤の原因は個人 の問題ではなくシステムの問題であり、危機管 第 10 部『診療所における院内感染予防対策に 理(リスクマネジメント)から安全管理(セー ついて』 フティマネジメント)へと変化している旨の説 北海道医師会の水谷匡宏常任理事より診療所 明がされた。 における院内感染予防対策についてと題した講 次に、兵庫県医師会インシデント・アクシデ 演が行われた。 ントレポート事業として、県内医療機関(特に 北海道内 2 カ所の医師会(小樽市、室蘭市) 診療所)での事故症例を情報収集し、検証及び に院内感染に対策について、院内感染対策実践 分析したものを医療現場へのフィードバック マニュアル試行版(北海道大学病院と東京都福 (改善策(案)・先行参考事例提示)する等の説 祉保健局作成の合成改正版)を習読、実施した 明がされた。 前後で、同一の内容の質問に対し回答を求める 近未来的には、『患者参加型』の医療安全に アンケート調査を実施した旨の説明がされた。 向けての取り組みについて検討し、医療安全を 院内感染予防に対するポスター掲示、身だし 地域に定着させることを目指していると述べら なみチェック、手袋・サージカルマスクの装着 れた。 等については、これまで積極的に取り組まれて こなかったため、マニュアルの習読、実施後に大 第 9 部『医療安全推進指導者講習会修了者に対 きな改善がみられ、手指洗浄の実施、消毒薬に関 するアンケート調査』 する知識等についは、 すでに実施されていたため、 大阪府医師会の齋田幸次理事より医療安全推 大きな改善は得られなかったと考察された。 進指導者講習会修了者に対するアンケート調査 今後は院内掲示用ポスターの配布や、実施マ と題した講演が行われた。 ニュアルの完成版作成等積極的な取り組みを展 大阪府医師会では平成 16 年度より『医療安 開していく予定であると述べられた。 全推進指導者講習会』を実施し、これまでに - 12(402) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 第 11 部『医療事故収集・分析手法について』 Q. 福岡県医師会:医療事故に偶然や運がなか 日本医療機能評価機構の後信理事より医療事 ったということはないとするが、事故の中には 故収集・分析手法についてと題した講演が行わ 偶発的な事例も沢山あると考えるがいかがか。 れた。 また、『人と機械を信用しない』と恩師の言 はじめに、都道府県医師会における “成果が 葉を紹介されたが、日本の文化には馴染まない 目に見える医療安全” の取り組みとして、『医 と考える。人や機械には間違いが生じるが、間 療安全管理体制に関するアンケート調査』(岩 違いが生じるから対策を立てるのであって信用 手県、大阪府、埼玉県)、『特定の事例の概要の しないとチーム医療は成り立たないと考えるが 分類と集計』 (東京都、鹿児島県)、『確立した いかがか。 手技の遵守に関するアンケート調査』(北海道、 愛知県、愛媛県)、『インシデント・レポートシ A. 小林先生:確かに言葉的にはきついかもし ステムの活用と分析』(大分県、兵庫県)につ れないが、指導する立場の人間は細かいことも いて説明された。 教えていかなければならないと考える。 次に、医療事故情報収集等事業における “可 チーム医療はありきで、信用するということ 視化” の取り組みとして、医療機関から事故情 は重要で、人は信用の上に成り立っているため、 報及びヒヤリ・ハット情報を収集し、さらに学 その考え方で 9 割はうまくいっていると思う。 会等からも幅広く事故防止に有用な情報を収集 しかし、残り 1 割で事故が起きる可能性があり、 し、それらにつけて分析を加えた上で改善方策 多忙な日常診療において医師の確認が必要だと 等を広く社会に提供し、また医療機関からの相 いうことを伝えたい。 談に応じて必要な助言・支援を行ことにより、 例えば都内で一番多い事故がアラームの事故 医療事故の発生予防・再発防止を促進すること であり、アラームが鳴らないから患者は大丈夫 を目的としている旨が述べられた。 という認識になってしまい、診回りに行かない。 9 割は大丈夫だと思うが機械に頼らず、残りの 第 12 部『総合討論―成果が見える医療安全を 1 割を防いで欲しい。 目指して』 例えば急患に急患が重なることで、事故が発 日本医師会の高杉敬久常任理事と医療安全対 生してしまう際、運が悪かったと言えるかどう 策委員会の北原光夫委員長の司会により総合討 かだと思う。 論が行われた。 上に立つ立場のものが常に、確認を行うとい う意識を持たなければならないと思う。 <質問> Q. 兵庫県医師会:予防接種の報告書について、 Q. 福岡県医師会:福岡県は、東京都、大阪府 チェックを付けるだけの報告の場合、報告数は に次いで 3 番目に案件の多い県である。人口割 増えるかもしれないが、会員に周知する際、情 にすると一番多い都道府県になるのではないか 報が少なくないか。 と思う。 医療の不確実性が世の中でやっと言われるよ A. 阿南先生:情報を多く集めること、内容を うになって来たが、先生のおっしゃることも分 充実させることについてはジレンマがある。 かるが、なんとも言えない事故はあると思う。 今回は、まず早く情報を集めようとチェック形 やはり、患者さんはそういうこともあるのだと 式にすることとしたが、一番最後の項目として少 理解してもらう必要があると思う。 しであるが意見を記載できるものとなっている。 先生のご意見を今後の参考にさせていただき A. 小林先生:先生のおっしゃるとおりだと思う。 たい。 ただ、今の教育についてかなり厳しく指導し - 13(403) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 ていかないと一番かわいそうになるのが若い医 Q1. 岡山県医師会:35 年間小児科しており予 師になると思う。 防接種は全て自ら行っているが、予防接種の救 済制度は看護師が実施しても適応となるのか。 Q. 福岡県医師会:医療安全推進講習会の中で Q2. 岡山県医師会:6 年前より介護老人ホーム 患者参加の医療安全の内容を簡単に伺いたい。 で勤務しており、手洗い、床掃除等を徹底して いるためノロウィルスを 1 例も出していない。 A. 齋田先生:患者の意識と医療者の意識をつ なごうという考えのもと実施しており、医療安 A. 阿南先生:予防接種は基本的には医師がや 全のいろはうたを作成した。 るべきと思う。確か法律でもそうなっていると い(今いちど自分の名前を 伝えましょう) 思う。 ろ(廊下は意外にすべります スリッパはや A. 高杉常任理事:基本的には医師が指示をし めて夜も安心) は(歯は外したら いれ物へ 大事な体の一 部です) てやることだから、ナースが責任を取ることは ない。 に(二度 三度 たずねることも 遠慮なく A. 水谷先生:ノロウィルス感染については調 治療の主役は あなたです) ほ(ホッとする 相手に話そう 不安な気 持ち) 査を実施していないが、つい最近、静岡県浜松 市で食パンから大量の感染者が出た。その際に、 へ(変だな?と思った時は 確認を くす りは 正しく 飲みましょう) 吐しゃ物の処理の仕方について議論された。 マニュアルに則ってやれば二次感染、大量感 と(とっても 大切 次の診察 いつですか) 染を防げると思う。 これを一つの公用語としていこうと実施して いる。なるべく患者さんとの間を埋めていこう おわりに、医療安全対策委員会の北原光夫委 と思う。 員長より『本日、ご参加いただいた方々が、地 元に戻られて医療安全をお示しいただき、日本 Q. 福岡県医師会:患者さんとはどうしても対 の隅々まで広がっていくことを期待する』と挨 立した関係になってしまいがちで大変参考にな 拶され、日本医師会の高杉敬久常任理事より『一 った。 番関心のある医療調査制度は枠組みが決まって 福岡県では、メディペチャという取り組みを そこから前に進んでいない。新しい年度に入っ 行っており、患者さんをお招きして年に 4、5 てワーキンググループの議論が始まると思う。 回行っているが、どうしても医療側に寄ってい いろんなことに取り組んでいるが、医療安全に る気がする。 関心が高まってきていると思う。』と挨拶が述 参考にさせていただきたい。 べられた。 - 14(404) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 印象記 常任理事 稲田 隆司 「意識障害の有無を常に意識していないと意識障害は診断できない」と研修の際教わったが、そ の教えを呼び起こすような発表の数々であった。有意義であった。 印象に残る取り組み、発言を列記してみる。 「アンケート・情報の送付が意識化につながる」(小原氏) 「成果とはある目的にかなった好ましい結果」 「QC サークル活動、PNS:partnership nursing system を取り入れ医療安全を図る」 「心ここにあらざれば視えども視えず聴けども聴けず」(川原氏) 「医療安全の加算点数を」 「医賠責 100 万未満を強制加入に」 「母親と協力して予防接種間違いを防ぐ」(阿南氏) 「Don't believe anybody ! - 自分の眼で確認を」 「神経損傷時には専門医へ紹介し神経伝導速度の測定を」 「意識せよ」 「自己のコントロール:心・技・体」(小林氏) 「白内障手術時のタイムアウト周知徹底を」(吉田氏) 「チェックリストを繰り返し行うことで医療安全の水準を上げる」(細川氏) 「ハインリッヒの法則を逆に読み換え 300 のインシデント分析・改善が 1 件の重大事故を防ぐ」 「PDCA を患者参加型の医療安全対策へ」(西田氏) 「医療安全推進指導者の養成を」(齋田氏) 「チェックリスト、ポスター掲示の有効性」(水谷氏) 「医療事故情報収集等事業の推進を」(後氏) 等々 このように様々に工夫をこらした各地域の実施が語られた。 最後の総合討論ではこれを補うような質疑が行われたが、興味深かったのは研修半年後に医療 メディエーター教育を行っているという愛媛の今川常任理事の発言であった。 この事は多様なまなざしを研修医に与え懐の深い臨床医を育てていくものと思われた。 沖縄は全国でも有数の充実した研修群を持っており、この医療メディエーター研修を加えると 更に発展するのではなかろうか。 高杉常任理事も医療メディエーターの養成は日医の大きな課題であると強調された。 1 月早々、午前・午後とタイトな研修会であったが帰りのモノレールから観えた夕焼けに映え る富士山は美しく心地良かった。 - 15(405) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 平成 25 年度 第 3 回都道府県医師会長協議会 会長 宮城 信雄 去る 1 月 21 日(火)午後 2 時 20 分より日 1.2%のマイナスである。一方、社会保障・税 本医師会館において標記協議会が開催された。 一体改革への対応としては、診療報酬の底上げ はじめに今村定臣常任理事の司会により開会の のみならず、医療法等の改正により創設される 辞があり、来年 4 月 11 日~ 13 日に開催する 基金 544 億円に 360 億円を上積みし、全体で 第 29 回日本医学会総会を代表して井村裕夫会 904 億円の基金で対応することになった。今回 頭、平井豊博幹事長、森洋一副会頭の挨拶の後、 の診療報酬改定は、消費税率引き上げと同じタ 引き続き、日医横倉会長より概ね次のとおり挨 イミングで、保険料や患者負担を増やさないよ 拶があった。 うにするとの、政府の強い意向を反映した結果 である。 横倉義武日本医師会長挨拶 しかし、国民との約束である社会保障・税一 すでに皆様ご承知のことであると思うが、常 体改革に基づき、消費税引き上げ分を社会保障 任理事の大野和美先生が、昨年 12 月 29 日に、 の充実に充てられることになっていたことを考 ご逝去された。国民医療の向上を願い、地域医 えると、決して充分な内容とはいえない。特に、 療提供体制の再興に尽くす強い覚悟をもって会 医療機関の努力によって引き下げられた薬価 務にあたられてきた先生のご無念は、拝察する は、診療報酬本体の改定財源に充てられるべき に余りあるものがある。我々執行部としても、 であり、そもそも健康保険法において診察等と まさに痛恨の極みであり、心よりご冥福をお祈 不可分一体である薬剤の財源を切り分けること り申し上げる。 があってはならないはずである。そのため、今 さて、平成 26 年度の診療報酬改定について 回は消費税率引き上げと同時に更なる国民負担 は、厳しい国家財政の中、消費税の増税分の補 を避けるために取られた、極めて特例的な措置 填も含め、診療報酬全休で 0.1%のプラスとな であると考えている。 ったが、薬価の切り下げ分を考慮すると、実質 904 億円の基金による新たな財政支援制度に - 16(406) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 ついては、後ほど協議のなかで詳細な説明をさ 危険な行為は特定行為から除くよう、審議会等 せていただくが、都道府県や市町村において策 の場で主張していくとともに、研修を修了した 定される整備計画に基づき実施される事業が対 旨を看護師籍へ登録するのではなく、研修施設 象となっている。そのため、整備計画の策定に が修了証を交付することで足りるよう、制度設 あたっては、医療・介護の現場を担う我々医師 計についても提言していく。 会が中心となって、真に国民に必要な医療・介 こうした活動を推進していく原動力、実行力 護サービスの在り方を提言し、整備計画に反映 という意味も含めて、医師会組織の強化という させていくことが必要である。 ことが、目下、急務であると考えている。ただ、 特に、地域包括ケアシステムの構築にあたっ ご承知の通り、医師会組織は三層構造をとって ては、地域の医師会が先頭・核となっての街づ いるため、オールジャパンの強い医師会を目指 くりと地域のケア体制の充実を図っていくこ していくためには、都道府県医師会、郡市区等 とが重要と考えているので、皆様方の一層のご 医師会のご協力が必要不可欠である。先般実施 理解ご支援を賜るよう、よろしくお願い申し上 した都道府県医師会、郡市区等医師会の会員数 げる。 についての調査結果によると、都道府県医師会 日本医師会としては、団塊の世代が後期高齢 員で日本医師会に未加入の方が約 1 万 6 千人、 者となる 2025 年を展望するなかで、医療・介 郡市区等医師会員で日本医師会に未加入の方は 護の提供体制改革を推進し、 「ビジョン」と「実 約 2 万 7 千人いる。まずはこうした方々に都道 行力」をもって、あるべき医療・介護の実現を 府県医師会、日本医師会にまでご加入いただけ 目指していく。 れば、組織強化に向けた大きな一歩になるもの また、創設に向けた議論が大詰めを迎えてい と考えている。そうして、わが国すべての医師 る医療事故調査制度についても、その早期実現 が医師会組織に加入し、『日本医師会綱領』の に向けて、関係団体との連携の下、積極的な提 理念を共有しながら、日夜、医学の研鎭と医療 言、取り組みを進めていく。ただその具体化に の実践に挺身していけば、必ずや国民の共感を あたっては、萎縮医療という負の影響をもたら 得るなかで、最善の医療・介護の実現に繋がっ した医師法 21 条の運用ということについて、 ていくものと確信している。 改めて問い直す必要があると認識している。現 後日、改めて書面をお送りさせていただくが、 在でも、診療中の患者が医療事故により死亡し 医師会組織の強化につきましても、皆様方の特 た際、警察への届け出を行わなかったことを理 段のご理解とご協力をお願い申し上げ、私から 由に、警察が刑事捜査に着手するといった事例 の挨拶の言葉とさせていただく。 が少なくない。したがって、医師法 21 条の在 り方についても、医療界の意見を集約し、必要 協 議 (1)ネット依存症に対する日本医師会の対 な解決を図るための方策を講じていく。 さらに、看護師の特定行為に係る研修制度案 応について (徳島県) について、このほど厚生労働省の看護業務検討 <提案要旨(抜粋)> ワーキンググループが取りまとめた 41 の特定 ネット依存症とは ICD・10 にも存在してい 行為(案)の中には、医師が行うべき絶対的医 ない耳慣れない病態であるが、国内で数少ない 行為と思われる危険な行為も含まれており、医 専門医療機関である国立病院機構久里浜医療セ 療安全を脅かすものと大変危惧している。チー ンターによると、わが国の成人においてネット ム医療の原点は、国家資格で認められた各職種 依存の嗜癖傾向にある人は 270 万人に達して の業務の質の向上に尽きるものであり、医師の いると推定されている。 メディカルコントロールの下に、医療安全を確 今までのゲームと大きく異なる点はゲーム上 保することが重要である。この認識にたって、 でチームプレーを組むことにより人間関係を広 - 17(407) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 げていき、終わりが無いことである。また、頑 荷になると共に、直後に睡眠をとろうとしても 張れば頑張るほど成果を出すことができ、それ 深く眠れることはできない。成長過程にある子 により他から認められ、現実の嫌な世界とは異 どもたちの体のホルモンバランスを崩し、日中 なる自分の居場所が形成されていくのである。 の学習効率を低下させることは明らかである。 その結果ネット上で新たな人間関係が構築さ 何より、中枢神経系の疲労蓄積は、成長過程に れ、ますます現実社会に戻れないという泥沼に ある子どもたちの精神衛生の大きなリスクファ 入ってしまうのである。 クターになると考えている。 状態としては昼夜逆転、遅刻、欠席、留年、 現在厚生労働省では、厚生労働科学研究にお 退学にはじまり、引きこもり、骨密度の低下、 いて、インターネット嗜癖(しへき)の実態解 エコノミークラス症候群などがあげられる。ま 明と治療法開発に関する研究を進めていること た家族がネットを取り上げると家族への暴力、 を確認している。 家族や友人の金を盗む、ネットカフェへの無銭 また、中国では、2008 年 11 月に、インター 飲食など深刻な状態を呈するようになる。治療 ネット依存に正式な診断基準が設けられ、精 としてネット依存の背景ある問題が ADHD な 神疾患の一種に認定されている。米国でも、 どの発達障害であれば薬物治療等があげられる 2008 年に米医療情報学会(ANA)が、インタ が、これ以外は入院等の隔離しか適切な治療法 ーネットビデオゲーム中毒を精神障害に分類す が無いようであり、予防的手段が最重要である。 ることを提言している。ANA は、ビデオゲー この意味で学校保健活動を通して注意喚起や広 ムの過度の利用により家庭生活や学校生活にお 報活動を行い未然の予防が肝要であると思われ ける障害が起きる可能性を指摘し、「インター る。インターネットの普及は今後ますます拡大 ネットビデオゲーム中毒」を「精神障害の診断 が想定され、日本の学童の将来を考えると看過 と統計マニュアル(DSM)Ⅳ」の次の改訂版 できない深刻な状況と判断される。 に正式な診断名として含めることを強く推奨し 本県でこの件を感知したのはごく最近である ている。韓国では、ネットが急速に普及した結 が、日医としての今後の対応を聞かせて頂きた 果、オンラインゲームをしたまま死亡するケー く質問させていただく次第である。 スも報告されており、治療や予防の研究は進め られているが、診断と治療の定式が確立したと 回答:道永麻里常任理事 は言い切れないのが現状のようである。 ご指摘のオンラインゲームの問題は、社会的 我が国では、ネット依存を精神疾患とみな スキルが未熟で、自己コントロールが難しい児 すべきか、どう取り扱うべきか議論のあると 童生徒がその世界に耽溺してしまうと、ネット ころで、目下、最新の診断ガイドラインである 依存の深刻化を招きかねない。 DSM-5 では「インターネット嗜癖」は独立し 2013 年 8 月には、厚生労働省が、ネット依 た診断カテゴリーとはみなされておらず、付属 存の中高生が国内に 51 万人いるとの調査結果 書(appendix)に掲載されているだけである。 を発表している。 しかし、ネット依存が子どもたちの心身の健 その中で、ネット依存者と判定された人の 全性を損ない、生涯保健の基盤を危うくさせる 43%が 6 時間未満の睡眠時間で、午前中の体調 危険を孕んでいることからも、診断カテゴリー 不良者は非該当者の 1.6 ~ 2.7 倍に及び、依存 に載っているか否かに係わらず、子どもたちの が強いほど睡眠時間が短くなることも判明し、 ネット依存の予防策を講じることは喫緊の課題 調査班は、「ネット依存が健康に悪影響を与え であり、メディアリテラシーやセルフコントロ ている」と警鐘を鳴らしている。真夜中、交感 ール、健康的な使い方に関する注意喚起や広報 神経を興奮させながら明滅するディスプレイを 活動、教育を行い、未然のネット依存防止策を 凝視し続けるのは中枢神経系にとって相当な負 講じることが肝要と考えている。先日、ネット - 18(408) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 依存問題について、当職から、文部科学省初等 療を全面解禁しなくても同じことが具現化され 中等教育局・児童生徒課長に照会したところ、 るであろう。 現在、同省では、情報教育の担当部局が、ネ このような国の施策に対し我々は今のままで ットの負の側面について教育教材を検討中であ 良いのか。最終的に医師会は行政と対峙するも り、今後は学校保健の担当部局である学校健康 のであるとの認識を持たなくてはならない。今、 教育課と併せて、本会からの問題提起を同省内 日医が早急にしなくてはならないことは、将来 で共有したいとのことである。 の国民医療を壌さないためのプロジェクトチー 今後の文部科学省への問題提起や協議に応じ ムを結成し、我々の考える「将来の国民医療」 て、都道府県医師会や郡市区医師会、学校医の の在り方を国民に提示することだと思う。 先生方に、適宜、情報提供させて頂きたいと考 えているが、状況に応じて、地域や学校におけ 回答:石川広巳常任理事 る学校保健委員会や協議会で、地区医師会や学 ご質問のとおり、昨年 11 月 19 日の「国民 校医の先生方のご支援をお願いすることもある 医療を守る議員の会」と、昨年 12 月 6 日の「国 かも知れないので宜しくお願い申し上げる。 民医療を守るための総決起大会」においては、 2014 年は 2 年ごとに行われる診療報酬の改定 (2)国民医療を守るということ (奈良県) の年であることから、診療報酬改定率などが大 <提案要旨(抜粋)> きな話題となった。 昨年 11 月 19 日には多くの国会議員を集め 「国 財政制度等審議会は 2014 年度予算編成に向 民医療を守る議員の会」が開催され、12 月 6 日 けて、昨年 11 月 29 日の建議で、「診療報酬本 には「国民医療を守るための総決起大会」が国 体」の引き下げを明記した。これを受けて、昨 民医療推進協議会の主催で開催された後、全国 年 12 月 12 日に閣議決定された「平成 26 年度 の医師会でも同様の会が開催されているが、こ 予算編成の基本方針」においては、社会保障を のような集会で政治家の方々は診療報酬のこと 始めとする義務的経費等を含め、聖域を設けず ばかりを話題にしており、診療報酬の引き上げ に歳出を見直しする方針を示している厳しい が、本当に国民の医療を守ることだろうか。も 状況の中、我が国は、高齢化がピークに達する っと遙かに重大な問題があるのではないか。 2025 年までに世界に先駆けて高齢化に対応し TPP に参加することでアメリカから大挙し た医療提供体制を構築と同時に適切な改革を進 て医療資本が進出し、株式会社が病院を経営し、 めなければならない。そのために「社会保障制 既存の医療法人を合併させる。医療を成長分野 度改革国民会議」をはじめ、いわゆる「税と社 と位置づけ、無制限に医師数を増加させ、国際 会保障の一体改革」が進められてきており、こ 化の名の下にアジア諸国に人、物を輸出する。 のたびの消費税増税もあったわけである。 一方で医師を専門医、総合診療医として位置づ まず、専門医制度を通して、開業医をゲート け、開業医をゲートキーパー化し、全ての医師 キーパー化し、すべての医師を国によってコン を国がコントロールできるようにする。まるで トロールされてしまうのではないかという、先 それに呼応するかのような医学会の法人化が浮 生のご懸念はごもっともであり、日本医師会執 上する。 行部もそのような事態に絶対に陥らないよう 皆保険制度については、保険外併用療養を無 に、専門医制度の議論にあたって、「専門医の 制限に拡大することにより相対的に保険診療の 評価・認定はプロフェッショナルオートノミー 範囲が縮小されていく。日医が主張するように を基盤としてこれを行う」、「現行の医療制度と 「公的な医療給付範囲を将来にわたって維持す 整合性のとれた専門医制度とし、地域を診てい ること」が達成できても、膨大な自由診療が拡 る、かかりつけ医を評価する」という指針を立 大すれば皆保険制度の形骸化に繋がる。混合診 て、国の検討会で強力に議論を展開してきた。 - 19(409) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 そして、厚労省「専門医の在り方に関する検討 域の事情に合った適切な医療提供体制を構築す 会」報告書に、専門医の位置づけについて「新 ることは、日本医師会の執行部の最大の課題で たな専門医の仕組みは、プロフェッショナルオ あり、四病協との合同提言などはその一例であ ートノミーを基盤として、設計されるべきであ り、会内の関係委員会の議論を踏まえて、執行 る」と、明確に記述させている。現在は、日本 部は常に全力で取り組んでいるところである。 医師会をはじめ 5 団体で構成する「日本専門医 改めてそれを統括するような委員会等を会内に 機構組織委員会」で、この理念に沿って制度設 設けることは考えておらず、本日のような都道 計の議論を行っている。 府県医師会会長協議会や代議員会こそ、そうい 総合診療専門医については、あくまでも専門 った議論を活発に行う場と考えているので、ご 医の 1 つとしての議論であり、日本医師会とし 理解のほどよろしくお願い申し上げる。 ては、総合診療専門医を含む専門医制度の設計 は、地域医療と整合性をもって設計されなけれ (3)JMAT の派遣体制と研修について(東京都) ばならず、あくまでも「かかりつけ医」を中心 <提案要旨(抜粋)> とした地域医療の充実に努めていくことが、国 本年 12 月 19 日に政府中央防災会議の首都 民に対する医療提供者側の責任であると考えて 直下地震対策検討ワーキンググループ最終報告 いる。 が発表された。その被害想定によると、最悪の 一方、日本医学会の法人化については、前回 場合火災による死者約 16,000 人、倒壊による の会長協議会でも報告申し上げたが、昨年 10 月 ものと合わせて最大約 23,000 人に及ぶとされ 4 日に、横倉会長と高久会長が話し合いを行い、 ている。南海トラフ巨大地震の被害予想は、同 日本医学会はこれまでどおり、日本医師会の内 じく中央防災会議の南海トラフ巨大地震対策 部機関として存続すること、本年 4 月 1 日付け 検討 WG によると、場所によって変動するが、 で新法人「日本医学会連合」を設立するが、そ 最悪の場合死者約 17 万人から 27 万人とされ れ以降も日本医師会と日本医学会は連携強化に ている。このように災害に関してはおおよその 向けて協議を継続することで意見の一致をみた。 想定がされており、被災する都道府県はケース 医療に対する市場化の直接の圧力、また医療 ごとに被害状況を想定することができる。東日 の周辺分野から国民皆保険を崩そうとする、い 本大震災では全国医師会ブロックごとに被災県 かなる試みに対しても、日本医師会は一貫して を割り当て、JMAT の派遣が行われた。これに 明確に反対しており、今後も、政府の審議会な よりラインが形成され継続的な支援が可能とな どの場に参加することにより、無原則な保険外 った。これから発生しうる日本全国各地の災害 併用療養の拡大に反対していく。 に対して被害想定に基づき、どこの地域からど 事態の変化に迅速に対応するようにロビー活 この県に派遣するのか、事前に想定をしておい 動等を積極的に行っていく。ロビー活動につい ても良いのではないかと考える。当然発災後状 ては、地元選出の国会議員等、都道府県医師会 況に合わせて作戦を立て直す柔軟性は必要であ におかれても、ご協力のほどお願い申し上げる。 るが、シミュレーションを行っておいても良い 日本医師会は、原則として行政と対峙すると のではないか。 いう基本姿勢をとるべきではないと考えてお また、大規模災害の場合、全国の自治体が被 り、常に対峙するという関係からは前進と改革 災地に集結すると思われるが、JMAT の標準携 は生まれない。必要に応じて決然と対峙するこ 行医薬品、資器材は既に発表され、全国ほぼ同 とは言うまでもないが、議論に参画して、意見 様の準備がなされていると考える。一方 JMAT を述べ国が誤った方策を取ればそれを正してい の研修は、日本医師会において平成 24 年 3 月 くことが重要である。 に行われたが、医療救護班に求められる人権 ご提案については、国民医療を守り抜き、地 擁護や公衆衛生などの座学にとどまり、実際の - 20(410) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 行動に対する細かなものではなかった。出動を 医師会も同じく静岡、新潟・長野・山梨は愛知 希望する現場の医師会員からは実際的な研修を と三重である。それから、医療資源が多い東京 望む声が高く、東京都医師会では今年度から災 都医師会には、可能ならば愛知、三重も支援す 害医療総論やトリアージ、検視検案などを盛り るようお願いした。中部ブロックは、岐阜は愛 込み、DMAT との連携を意識しながら独自の 知中心、富山・石川・福井は和歌山県が支援先 カリキュラムに基づく JMAT 研修を開始する。 となるが、和歌山県医師会は、三重県医師会、 日本全国でこのような研修が同様にはじまって 奈良県医師会と紀伊半島の災害支援協定を結ん いるであろうが、日本医師会として望むべき標 でいるので、これを準用して三重県も支援先に 準的研修プログラムあるいは必須内容などを検 入れてかまわないとした。近畿ブロックは、近 討しているのか伺いたい。 医連の協定もあるので、同じブロック内の和歌 山、三重にもお願いした。中国四国ブロックは 回答:石井正三常任理事 徳島、高知で、九州ブロックは大分、宮崎であ 第一のご質問、被害想定が行われている大震 った。防災訓練は、来年度以降も予定しており、 災、特に南海トラフ巨大地震と首都圏直下地震 あと 2 年は南海トラフ大震災を想定したものを について、JMAT を派遣する都道府県医師会や 考えているが、いずれもう一度、関東甲信越医 医師会ブロックの割り当てを行い、シミュレー 師会連合の災害相互支援協定も参考にして、首 ションを行うべきではないかについては、まず 都圏直下地震も検討したいと思っている。 平成 25 年 7 月に、JAXA(宇宙航空研究開発 第 2 のご質問、JMAT の研修プログラムや内 機構)との連携により、短い時間ではあるが、 容については、JMAT と DMAT との連携、人 首都直下型地震が起こり日医会館も機能停止し 道支援、検案、緊急被ばく医療などを取り上げ たとの想定で訓練を行った。次に、昨年、都道 た 24 年 3 月の JMAT 研修会以降、災害支援者 府県医師会を対象に「災害医療に関する調査」 のメンタルヘルス、法的問題、インシデントコ を実施し、各ブロックや医師会同士、医師会と マンドシステム、医師会の災害体制、スポーツ 行政、行政同士などの災害時の応援協定の締結 イベントや地域起こし等で多数の人間が集まっ 状況を把握した。この調査結果を参考にしつつ、 ている Mass Gathering での災害対応など、様々 「南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実 な研修を行ってきた。そうして、これらは、総 験」を企画立案し、特に愛知、兵庫、香川の 3 ての医師を対象にした生涯教育のコンテンツに 県医師会にご協力をいただき、インターネット 活用して頂けるように、全部日医ホームページ 衛星も利用した防災訓練を 11 月 20 日に実施 上にアップしている。また実践的なトレーニン した。 グでは、大阪府医師会では災害・外傷初期診療 この訓練では、中央防災会議・防災対策推進 (DTLS)研修会を実施され、1 月 19 日には、 検討会議「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキ 福岡県医師会で、南海トラフ大震災を想定した ンググループ」報告での想定被害のうち、 「東海 JMAT 研修会がワークショップ形式で開催され 地方が大きく被災するケース」で、 冬のタ方(18 たと聞いている。 時) 、風速 8m/s、早期避難率が低めを基本とし、 日本医師会では、昨年、日本医師会 ACLS 避難者数が最大のケースになる。また、東海地 研修事業の中でも、「災害医療」の研修も評価 方以外でも、和歌山、徳島、高知、大分、宮崎 することにした。また、日本医師会では、東日 でも重大な被害を受けているとの想定である。 本大震災が発生する直前まで、アメリカ医師会 この想定に基づいて、陸上自衛隊の専門家に の災害医療研修コースなども踏まえつつ、検討 もご指導をいただきながら、JMAT の派遣先の を重ねてきた経緯がある。特殊災害への備えの 割り振りを決め、北海道・東北ブロックは静岡 中身には労働災害や産業医活動とも関係の深い 県、関東甲信越ブロックのうち東京と関東各県 部分があり、突発する様々な事象において、直 - 21(411) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 接さらされる地域医療の担い手である会員総て 医学会に強くすすめていただき、日本医学会各 に有用な情報が含まれている。東京都医師会の 分科会で普及を進めている「電子化されたカー 研修なども参考にさせて頂きながら、JMAT 参 ド」と「医師資格証」を統一し、多くの医師特 加者、それからすべての医師会員を対象にした に学会に所属している勤務医や専門医に「医師 研修プログラムの一層の充実に、今後も取り組 資格証」を普及させていくべきではないか。 んでいきたいと考えている。 回答:石川広巳常任理事 (4)医師資格証の利活用について日本医師 会の考えを問う(茨城県医師会) ご指摘の通り、 「医師資格証」には、 「署名(e文書法に基づいた電子署名)」と「認証」の機 去る平成 25 年 12 月 11 日に「平成 25 年度 能があり、各地域における IT を活用した医療 日医認証局の運営に係る情報担当理事及び事務 連携システムの中で活用していただくことを第 局担当者向け連絡協議会」が開催され、「医師 一義としている。また、現状においては任意加 資格証」の発行業務本稼働に向けて、各都道府 入ということもあり、これらの医療連携システ 県医師会及び郡市区医師会の役割などについて ムに参加している医師の利用が主となっている 説明がなされた。本県では現在 IT を活用した ことも事実である。 医療連携システム「いばらき安心ネット」を構 費用に関しては、会内で課金制度やコスト面 築しており、ネットワークに参加する医師の作 も含めさまざまな議論を行った結果、このよう 成する文書への電子署名とシステムへのログイ な形とさせていただいて、ご了承いただきたい ンのためにこの「医師資格証」を使用すること と考えている。また、医師資格証を発行するに にしている。 あたっては、各都道府県医師会にご協力をいた 将来、こうしたシステムが普及していくと、 だくこととしており、日医認証局は、厚労省の 多くの医師が「医師資格証」を持つことは非常 運営する認証基盤と相互に接続され、国におけ に意義がでてくるだろう。しかし「IT を活用 る医療関連施策に出てくる HPKI(保健医療福 した医療連携にしか利用できない」なら、日 祉分野の公開鍵基盤)の一部を構成する位置づ 本医師会会員で年間 5,000 円、非会員で年間 けとなっている。このことから、各種の地域医 10,000 円という会費は、利用用途と比べてあ 療連携のシステムを構築する際には、是非、活 まりにも高いのではないか。「医師資格証」は、 用していただきたい。そのため、医師の資格を 会員の入退会管理、生涯教育、健康スポーツや 証明するため、極めて厳格な審査を行っていく 産業医の資格研修の単位取得管理など応用も考 ので、よろしくお願い申し上げる。この厳格さ えられるが、「署名」「認証」機能をもつこの資 を保持していくことで、日医認証局が行政に対 格証に、日本医師会は具体的にどういう利用法 し主導権をもち医師資格の証明をしていくこと を検討しているのかご教示いただきたい。 ができると考えている。今後の利用方法は、今 また、最近、日本整形外科学会など日本医 回、電子認証センターとして新たに発行するカ 学会分科会に所属する学会がその会員に向け ードの券面表記は、既にご案内の通り「医師資 て「電子化された会員カード」を発行し、専門 格証」とし、また顔写真を貼付する。これは、 医の取得や維持の管理に活用している。「日本 カードそのものを提示していただくことで、医 医師会と日本医学会の関係」については、高杉 師の資格保有ならびに顔写真による本入確認が 敬久常任理事から「これまでどおり日医の内部 できるものとしている点で、従来の日医認証局 機関として存続していく」「今後も日医と日本 の顔写真のない IT 利用に特化したカードと大 医学会の更なる連携強化に向けた協議を継続す きく異なっている。 る」という報告がされているが、それならば、 このため、今後、日医として行政や各関係機 日本医師会として「医師資格証」の利用を日本 関に働きかけをした上で、カード提示による医 - 22(412) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 師資格証明と本人確認ができるカードとするこ また、その接種主体が市町村行政に委ねられ、 とも目指していきたい。利用例としては、災 地域に密着した対応がとられる反面、地域間格 害時に被災地入りする場合の資格証明書とし 差と広城対応の困難性から、国民が何処でも平 て使えば、先般の東日本大震災のような時に、 等な条件で安心して予防接種が受けられるもの JMAT の活動で優先通行が可能になったり、医 となっていないことも問題である。更には、提 薬品の盗難防止のため、医師資格証を提示する 起されている、新型インフルエンザ等対策特別 などの活用が考えられる。 措置法施行下における登録事業者への「特定接 また、生涯教育等の講習を受けた際の出席確 種」のあり方など、子宮頸がんワクチンの取り 認や単位取得管理に関していえば、IC チップ 扱いも含め課題は次々と重なってきている。 に入っている情報を複雑な処理をして読み取ら これらは、厚労省の予防接種部会等で各種検 なくても実現可能な仕組みとしている。従って、 討がなされ、その中で日医としてのご意見も述 必ずしも IT システム上での署名や認証に限ら べられていることは理解している。予防接種の ずとも、様々な応用ができ、もちろん、署名や 期限内接種のためのより柔軟な対応も検討され 認証の仕組みほど複雑ではないが、システムの ていると聞くが、それらが地域での接種機関の 構築は必要であるので、それに関しては、別途、 現場の声を反映したものとなるよう、厚労省予 電子認証センターでご相談に応じていく。 防接種部会等の拡充も、日医から更に求めてい このように、新たに医師資格証とするカード ただきたい。日医公衆衛生委員会からも関連の は、これまでの署名や認証に特化したカードと 全国調査を踏まえた答申が準備されているとの 違い、様々な応用ができるカードとしているの ことではあるが、組織的拡充について、次期体 で、他に各医師会での活用方策があれば、ご教 制も展望される中、このような委員会等を設置 授いただきたいと思う。また、ご指摘いただい するといった具体的な方針の提示をお願いする。 ている各学会との連携も可能となってくること となり、各学会所属の先生方は、日医の会員の 回答:小森貴常任理事 方が殆どであるので、今後、発展的に統合して ご質問の趣旨は、このような状況に対して、 いくものと考える。 医療現場の声をより国の施策に的確に反映させ 日本医師会では、先ほども申し上げたが、行 つつ、有効かつ安全な対策を打てるよう、日本 政に対し主導権を持った形で、医療学術団体た 医師会として常設の組織体制を再構築すべきと る日本医師会が認証を行うことが重要であると いうご提言であると理解している。また、本会 位置づけているので、各都道府県医師会におい の公衆衛生委員会の議論においても、予防接種 ても、ご理解、ご支援いただくよう何卒よろし 施策に特化した常設委員会の必要性が指摘され くお願い申し上げる。 ていることを同委員会の担当常任理事から聞い ている。 (5)感染症・予防接種に適切に対処する恒 これらのご意見とも関連すると思うが、昨年 常的な検討・指導組織の確立を(兵庫県) 6 月 23 日に開催された第 129 回定例代議員会 <提案要旨(抜粋)> において、本会のアドバイザリー委員会である ご周知のとおり、この間日医も取り組んでき 感染症危機管理対策委員会は、厚生科学審議会 た VPD への取組の成果もあり、定期予防接種 予防接種・ワクチン分科会等の委員をされてい 対象ワクチンの種類や回数もどんどん増えると る先生方も多く入っており、日本医師会として 同時に、その副反応対応や薬剤取り違え・接種 の検討という視点から、同委員会の構成の見直 量・回数等過誤接種事故のリスクも高まり、そ しについてご質問いただいた。その際には、委 の安全実施のための現場の負担は、かなりなも 員会の任期の途中ということもあり、次期に向 のとなっている。 けて検討させていただきたい旨を私からご回答 - 23(413) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 申し上げているが、必ずしも「委員会」という こととすることを含め、地域にとって必要な事 形にこだわる必要はないとも考えている。 業に適切かつ公平に支援が行われ、透明性が確 次年度予算案においては、同委員会の予算を 保される仕組みとすべきである。」という「医 計上しているが、構成の見直しを図るとともに、 療法改正に関する意見」が、医療部会で取りま 国の動向、あるいは審議会での審議事項に対す とめられた。 るあるべき対応を都度協議し、また審議会での まずは、先ほど述べた上乗せ分の 360 億円 審議に対する各種疑義等についても、厚生労働 を中心に、できる限り民間医療機関への支援を 省の担当者を交えて議論できるような、機能的 目的にした財政支援制度の仕組みづくりに力を な内容への変容を考えている。 尽くすつもりである。 いずれにいたしましても、公衆衛生委員会の 今回の新たな財政支援制度は、すでにある「地 ご提言も近くとり纏められると聞いているの 域における公的介護施設等の計画的な整備等の で、その内容を踏まえ適切に対応していきたい。 促進に関する法律」を改正して法制化されるが、 その法改正は、医療法などの改正を一括して行 (6)新たな財政支援制度について う法案によって行われるとのことで、法案は 2 (鈴木邦彦常任理事) 月中に国会に提出される見込みである。 ご存じの通り、この度、社会保障制度改革プ ぜひとも、都道府県医師会においては、都道 ログラム法に盛り込まれた「新たな財政支援制 府県内の病院団体等の意見も取りまとめて、民 度」が創設されることになった。本制度は消費 間医療機関の充実を中心とした計画の立案と、 税増収分を活用することから、平成 26 年通常国 基金財源の確保に向けて、早急に行政と協議を 会に提出予定の医療法等の改正において、制度 開始していただきたい。 として法的に位置付けられることになっている。 ここで、特にご留意いただきたい点は、既存 この制度は、病床の機能の分化・連携、在宅 の国庫補助事業の内、本日の資料に掲載されて 医療・介護サービスの充実、医師・医療従事者 いるものが、平成 26 年度より、この新たな財 の確保・養成のため、各都道府県が整備計画を 政支援制度で対応することが可能になるという 立てて基金をつくり、国がその資金の 3 分の 2 ことである。 を負担し、都道府県が残りの 3 分の 1 を負担す 既存事業及び概算要求新規要求事業は合計で るという仕組みである。平成 26 年度において も約 280 億円であるので、新たな財政支援制 はまず医療を対象とし、介護サービスの充実に 度では、3 分の 2 というこれまでにない高い国 ついては次期計画がスタートする平成 27 年度 庫負担率となる。つまり都道府県の負担が減り、 から実施することになっている。 かつ法的に財源が確保され、そして予算規模も 来年度、平成 26 年度予算では、国・都道府 増加することになる。 県負担分をあわせて 904 億円が計上され、そ しかしながら、看護師等養成所運営費補助な の内訳は消費税増税分を財源とする 544 億円 ど、地域医療にとって必要不可欠なものが移行 と、上乗せ分として一般会計を財源とする 360 するため、昨年暮れと年明けに、厚労省担当者 億円で構成されている。なお、都道府県の負担 を呼び、新たな財政支援制度でも、既存の補助 分は、地方消費税の増収分と地方交付税で調整 事業を守ること、なおかつ民間医療機関への支 すると聞いており、「基金」というと「地域医 援を担保することを強く要求した。 療再生基金」を連想するが、日本医師会は、社 新たな財政支援制度は、財源として、たとえ 会保障審議会医療部会などの場で、補助先の官 ば看護師等養成所運営費補助等の枠があるわけ 民格差(公立公的 73.9%:民間 26.1%)を問 ではないので、都道府県の判断によっては、補 題提起し続けてきた。その結果、昨年末に、 「公 助金の減額や廃止も懸念される。しかし、逆に 的医療機関及び民間医療機関を公平に取り扱う 言えば国の縛りがなくなり、地域の実情に柔軟 - 24(414) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 に対応できることになる。 「定款・諸規定検討委員会は現在、諮問「新 年末の 12 月 27 日、横倉会長名で、都道府 公益法人制度移行後のさらなる組織強化に向け 県医師会長に対して、病床機能報告制度及び地 た方策」について、鋭意検討を行っているとこ 域医療ビジョンとともに、新たな財政支援制度 ろである。 に基づく必要な予算確保等について、現時点か そのなかで、理事への勤務医・女性医師の積 ら都道府県行政との協議等を十分に行っていた 極的登用について審議を行った結果、現在の理 だく旨の文書をお送りしている。法案成立は遅 事定数を 2 名増員し、それぞれ勤務医・女性医 くとも 6 月の見込みとなるが、日本医師会とし 師各 1 名の登用にあてるべきとの結論を得た。 ても、厚生労働省に対して、都道府県医師会、 そのため、理事定数について定めている定款 郡市区医師会の意見や要望が反映されるような 第 28 条第 1 項について、現行の「理事 27 名以内」 仕組み作りを要求していきたいと考えている。 を「理事 29 名以内」に改正するよう、ここに ぜひとも、既存の事業の継続・充実はもちろん、 中間報告として提言する。 民間医療機関を中心とした新たなメニューも含 なお、本答申は、近日中に都道府県医師会、 めて、予算の確保を都道府県に要望していただ 郡市区等医師会及び代議員宛てに発送する予定 くよう、お願い申し上げる。 である。また、本答申を受けて、定款一部改正 の件を次回代議員会に上程することが、さきほ (7)平成 24・25 年度定款・諸規定検討委員 会中間答申について(今村定臣常任理事) ど開催の理事会で決定したので、あわせてお知 らせする。 去る 1 月 16 日、平成 24・25 年度定款・諸 規程検討委員会(委員長:蒔本恭長崎県医師会 長)より中間答申「理事定数の増員に係る提言」 が、横倉会長宛に提出されたので、以下のとお り全文を報告する。 暴力団追放に関する相談窓口 暴力団に関するすべての相談については、警察ではもちろんのこと、当県民会議でも応じており、 専門的知識や経験を豊富に有する暴力追放相談委員が対応方針についてアドバイスしています。 暴力団の事でお困りの方は一人で悩まず警察や当県民会議にご相談下さい。 ●暴力団に関する困り事・相談は下記のところへ 受 付 月曜日∼金曜日(ただし、祝祭日は除きます) 午前 10 時 00 分∼午後 5 時 00 分 なくそうヤクザ スリーオーセブン TEL(0 9 8 )8 6 8 − 0 8 9 3 8 6 2 − 0 0 0 7 FAX (0 9 8 )8 6 9 − 8 9 3 0 (24 時間対応可) 電話による相談で不十分な場合は、面接によるアドバイスを行います。 「暴力団から不当な要求を受けてお困りの方は ・・・・・・・悩まずに今すぐご相談を(相談無料・秘密厳守!) 」 財団法人 暴力団追放沖縄県民会議 - 25(415) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 日本医師会女性医師支援センター事業 九州ブロック会議 沖縄県医師会女性医師部会 副部会長 大湾 勤子 去る、12 月 8 日(日)、鹿児島県医師会館に た。その中で、周囲の理解とサポートの必要性、 おいて開催された標記協議会について、以下の 女性医師自身の自立への心構えの大切さ等も示 通り報告する。 唆され、収穫の多い会であった。 本日は、各県より特色ある支援策も示される 挨 拶 と思うので、是非今後の支援に役立てていただ 池田 哉 鹿児島県医師会長 きたい。 本会議は各県から女性医師支援を中心とした 取り組み等の報告を伺ったあと、今後の支援の 松原謙二 日本医師会副会長・女性医師支援 あり方を協議する有意義な会である。また、本 センター長 会議は日本医師会女性医師支援センター事業を 私ごとであるが嫁も同級生で、女性医師を取 ご理解いただくことも趣旨であり、平成 22 年 り巻く事情は良く理解しているつもりだと自負 度より全国 6 つのブロックで開催されている。 している。その様な中、横倉会長から適任だと 鹿児島県医師会では、平成 14 年度より女性 指名を受け、今回よりセンター長を務めること 医師支援を政策の大きな柱に掲げ、さまざまな になった。 課題に取り組んできている。去る 10 月には、 男女共同参画のもと就業継続ができる社会的 鹿児島大学医学部において、女性医師を考える 仕組みを作っていきたい。辛いこと、変えねば シンポジウムを開催し、女性医師を取り巻く環 ならないこと、力を合わせて変えていきたい。 境や大学や附属病院における女性医師支援、女 嫁の意見と同様、尊重して進めていきたい。 性研究者支援等の多様な支援策、更には男性医 師から見た女性のあり方等で意見交換を行っ - 26(416) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 小森貴 日本医師会常任理事 2014 導的立場、意思決定機関への女性の積極的参 平成 18 年に石川県医師会長に就いてから 8 画を目的に、女性医師会員に日医の組織・運 年間、3 名の女性医師短時間正規雇用に支えら 営・活動内容に理解を深めていただき、将来 れ、今日まで来ている。平成 27 年度に見直さ 日医の活動への参加を働きかけるものである。 れる初期臨床研修制度については、先般パブリ 年 度 内 に 2 回( 第 1 回:H25/12/13、 第 2 回 ックコメントをいただき、最終案が決定された。 H26/2/14)懇話会を予定している。 最終案では女性医師を中心とした出産・育児・ 5.こ の 他、 全 6 ブ ロ ッ ク で 実 施 さ れ た ブ ロ 介護等について、不利益にならないような仕組 ック別会議の中の先進例を全国規模で情報 みを 18 行記載した他、本年 4 月 22 日に公表 共 有 す る「 女 性 医 師 支 援 事 業 連 絡 協 議 会 された専門医のあり方に関する検討会報告書に (H26/2/21)」の開催を予定している。また、 も、男女を問わずキャリア支援を記載した。本 本年 9 月初めての試みとして、H250927- 大 日は、九州の地で新しく活躍される女性医師の 学医学部女性医師支援担当者連絡会(62 大 ことをディスカッション出来ることを嬉しく思 学参加)を開催し、意識の共有や連携強化を っている。 図った。 6.また、今後、女性医師支援のための各施策 報告・協議事項 を、より実効あるものとすべく、本支援セン 1)日本医師会女性医師支援センター事業に ターが実施している各事業の利用状況や各都 ついて 道府県医師会における女性医師支援の現況を すべての女性医師の活躍を支援すべく各種事 把握する「女性医師支援事業に関する調査」 業を展開している。 報告書を纏めた。(回収数 47 医師会(回収率 1.日本医師会女性医師バンクでは、平成 19 100%)) 年 1 月の開設以降、平成 25 年 11 月末まで 7.女性医師支援における広報活動の一環とし の就業実績件数は 375 件(内訳:就業成立 て、各種支援情報(講習会等で使用されたプ 358 件、再研修紹介 17 件)である。民間業 レゼンデータ等含む)をアーカイブした「女 者とは異なり、現役医師が相談・マッチング 性医師支援センターホームページ」や「女性 に応じており、すべて無料である。 医師の多様な働き方を支援する冊子」、「キャ 2. 「医学生、研修医等をサポートするための会」 リア支援のための DVD」等がある。 については、都道府県医師会や学会・医会等 との共催により、年々開催箇所数が増加傾向 2)各県における女性医師支援の活動報告等 にある。本講習会等を通じ、医学生や若い医 について 師がキャリアを中断せず就業継続できるよ 福岡県 う、多様な医師像のモデルを提示いただいて 福岡県医師会では、働く女性医師の仕事と家 いる。 庭の両立を支援すべく、本年 9 月より行政から 3. 「女性医師の勤務環境の整備に関する病院長、 補助を受け、保育士による相談窓口事業を開始 病院開設者・管理者等への講習会」につい した。出産・育児を境に現場から離れる女性医 ては、平成 18 年度より平成 20 年度までの 3 師を減らすことを目的としている。経験豊富な 年間に、ほぼ全ての都道府県医師会において 保育士が、不規則な勤務時間に対応できる保育 開催することが出来たため、一旦休止してい 施設の紹介や産休・育旧休後に仕事復帰するま たが今年度再開した。本講習会では、施設代 での準備等への相談に応じる体制を確保した。 表者に雇用に関する種々の法律を熟知して貰 相談は会員・非会員問わず無料で実施している。 い、代表者の意識改革を図るものである。 この他、男女共同参画連絡会議や研修会(病院 4. 「『2020.30』 推 進 懇 話 会 」 に つ い て は、 指 開設者、管理者への講習会)の開催、託児サー - 27(417) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 ビスの利用促進(11 回実施)、医学生、研修医 の貸出、ワークライフバランス推進員を配置し をサポートするための会を 4 大学全てで実施、 ている。この他、意見交換企画として、医科系 産業医科大学での講義(ライフワークバランス 医局長訪問、地域医療機関訪問、学生とのラン 1 コマ)、女性医師相談窓口等も実施している。 チミーティングを行っている。今年度、仕事と 広報活動では、福岡県医報や地方紙を活用した 介護の両立を考えるための講演会を開催し、年 女性医師の宣伝を行っている。今後、他県の例 度内に介護準備ハンドブックを作成する。さら を参考に、平成 26 年 3 月より行政の事業とタ に、医師会との共同による保育サポーター事業 イアップして病院訪問の開始を予定している。 を計画検討中である。 佐賀県 大分県 佐賀県医師会では、これまで日本医師会との 大分県医師会女性医師の会では、昨年 7 月県 共催により「女性医師の勤務環境整備に関する 内 159 の医療施設を対象に、職場環境アンケー 研修会(H19、20)」、「医学生・研修医等をサ ト調査を実施した(回答数 133 施設、回収率 ポートする会(H21 ~)」を開催している。今 83.6%)。その結果、①勤務体制は比較的柔軟 年度は医師と同様に専門職として活躍している な対応がみられた。②院内保育施設・学童保育 女性弁護士(佐賀市男女共同参画委員会委員) 施設・病児保育施設等の環境整備はまだ不十分 を講師に迎え、講演を行い、終了後には、恒例 であった。③復職支援システムの導入も難しい のティーパーティーを行い意見交換を行った。 現状にある等が分かった。本年 7 月、医師不足 今後この様な場を通じて、医師会への入会促進、 解消のための協議会(医師会、行政、大学)を 理解を深めていきたい。この他、佐賀大学では 開催した。行政からの問題提起として「大分県 行政から委託を受け、学内に復職に関する相談 と大学の連携で設立した「地域医療支援センタ や研修を支援するための女性医師等就労支援事 ー」が実働には程遠い」「地域枠の卒業生が 10 業(SAGA JOY)が展開されおり、修士課程・ 年間の義務期間後も本県に残るかは未確定」 「ド 博士課程における女性研究者の育成と研究中断 クターヘリで地域医療救急対策を進めるもへき 者への支援として、女性研究者支援室(かささ 地医師不足は深刻」等が挙げられた。大学から ぎサポート)が設置されている。 は「キャリア支援のための専従指導者の不足」 「比較的充足している大分市でも病院間で医師 長崎県 の偏在がある」「学内でも女性医師の実態が把 平成 24 年 4 月より長崎大学病院内にメディ 握しにくい」「女性医師支援で不満を抱く男性 カル・ワークライフバランスセンターを設置。 医師も見受けられる」等が挙がった。大分大学 仕事と家庭の両立支援や就労環境整備を推進し も卒業生の 4 割を女性医師が占めるようになっ ている。また、県内医療機関に勤務する医師を ており、今後、この様な問題点を整理し、関係 対象に「あじさいプロジェクト」を展開し、行 機関との連携を推進していきたい。 政、医師会、大学等関係機関と連携して各種支 援を行っている。主な取り組みは、就労支援の 宮崎県 ためのキャリアコンサルティングや復職 & リ 宮崎県医師会では、主な女性医師支援とし フレッシュトレーニングのためのプラン作成、 て、女性医師相談窓口の設置や無料託児サービ イキイキ働く女性のための美と健康セミナーの ス、メーリングリストの運用を行っている。平 開催(女性特有の疾患を学び、終了後にキャリ 成 25 年男女共同参画に係る各種支援事業とし アの意見交換・年 5 回)している。また、大学 て、①女性医師就労環境改善事業説明会(3 月)、 病院内の支援としては、イブニングシッターの 医療現場のワークライフバランスセミナー(7 配置やホスピレートの取得、マタニティー白衣 月)、中・高校生、医学生、医師との交流会(8 - 28(418) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 月・英国女子医学生と語ろう)、女性医師フォ であった場合のフォローアップについて討議を ーラム(10 月)、医学生向けセミナー・交流会(11 行った。学生も非常に熱心に討議する姿を見て、 月)等を企画開催した。 早い時期からこの様な考える機会を与えること とりわけ、医学生向けセミナーにおいては、 は良いことだと感じた。また、沖縄県ドクター 宮崎大学医学部(全 19 診療科)、基幹型臨床研 バンクの運営状況は、本年求人情報は前年に比 修病院(4 病院)で提供される研修プログラム べ減少しているがマッチング率は 11 月時点で や働きやすい環境整備(女性医師支援、ワーク 27.8%と上昇している。さらに、会員非会員問 ライフバランス等)を盛り込んだ内容をパネル わず女性医師の情報共有や伝達の場としてメー 展示し、医学生向けにアピール、地域への研修 リングリストを立ち上げているが、現在登録者 医定着を目指している。さらに、各病院や診療 数は 257 名(会員 123 名、非会員 134 名)と 科の男女共同参画に向けた情報の共有や意識改 なっている。今後、取り組むべき課題は、休職 革の一助にもなっている。 中の医師のリクルートをどの様に働きかけてい くか。キャリアプランも重要な対策だが、如何 沖縄県 に就業を継続させるかの環境整備も重要な問題 本県では毎年 1 回「女性医師フォーラム」並 だと考えている。今後、ワークショップ等の企 びに「女性医師の勤務環境整備に関する病院長 画も検討していきたい。医師として誇りを持ち 等との懇談会」を開催している。今年で 7 回目 働き続けることができるよう考えていきたい。 を迎えるフォーラムでは今回「IT を使いこな す!」をテーマに、参加者はタブレットやスマ 鹿児島県 ートフォン等を持ち寄り、文献検索や整理術、 本年 1 月、鹿児島大学医学部・歯学部附属病 学会発表への応用等について、共に操作を行っ 院に女性医師等支援センターが発足、特撰講師 た。また 6 回目を迎える病院長等との懇談会で 1 名が配属されている。支援センターの活動目 は、今回、夫婦共に医師で育児をしながらキャ 標は、①女性医師及び看護師・薬剤師の復職支 リアを積む夫の立場から意見発表を行い、参加 援、②キャリアアップ支援、③女子医学生及び された公民各病院長にインパクトを与えた。そ 休職中の医師への情報提供、④各種支援の情報 の他、事前アンケート調査に基づき、①同じ診 提供である。現在までの活動は、▽女性職員を 療科に女性医師が多く勤務している医療機関で 雇用する部局長を対象としたアンケート調査、 の女性医師ならではの連携、②女性医師が外科 ▽県医師会共同による女子医学生及び研修医を 医になる際の障害は何か、③院内保育所の運 対象としたシンポジウム等である。女性医師へ 営方法 3 点に絞って討論を行った。また、昨 の主な支援制度は、医員の多様な勤務形態に配 年 11 月に県医師会広報委員会の企画による座 慮すべく、週 24 時間以上の勤務で社会保障の 談会に大学医学部教育関係者や女性医師部会役 対象となる規定を設けている。また、院内保育 員が参加し、ワークライフバランスについて意 園定員数の増員や 24 時間保育利用日の拡大等、 見交換を行い、男女共同参画の啓発には学生の 制度の充実で医員の数も年々増加している。今 頃から意識を植えつけた方が良いとの話であっ 後の活動は、広報活動の充実に向けたホームペ た。その様ななか、12 月 4 日に琉球大学医学 ージの作成や院内託児所との連携強化、休日保 部附属病院との合同企画により医学部 3 年生を 育や長期休暇中の学童保育の検討、キャリアア 対象にキャリアプラン講義を行った。講義は、 ップ・スキルアップ支援に向けた卒後臨床研修 学内で活躍している 10 年未満の若い女性医師 センターとの連携、地域枠学生への支援等を模 3 名に自身のキャリア形成や仕事と家庭の両立 索していきたい。 等について講話いただいた。その後、ワークシ ョップを行い、女性医師が配偶者・同僚・部下 - 29(419) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 熊本県 4)平成 25 年度女性医師支援事業連絡協議 本県では、熊本市医師会が女性医師支援につ 会(2/21)における女性医師支援センター いて積極的に活動している。種々研修会等の開 事業ブロック別会議の報告について 催や医師会内に託児所も設置されている。また、 平成 26 年 2 月 21 日(金)日本医師会館に 熊本県から委託を受けて熊本県女性医師キャリ おいて開催されるみだし連絡協議会における九 ア支援センター等も運営している。私の勤める 州ブロック代表について協議を行った結果、宮 国立病院機構熊本医療センターでも復職支援に 崎県医師会を代表に選出した。 向けた非常勤職員の入職や月 1 回程度の管理当 5)平成 26 年度日本医師会女性医師支援セ 直等の支援を行っている。 ンター事業九州ブロック会議の開催県につ いて 3)日本医師会への要望、提言等について 女性医師等就労支援事業(補助事業)の効果的 佐藤薫 女性医師バンク西日本センターコー 活用を(宮里常任理事) ディネーターより提案理由の説明があった。 育児中の医師に対する勤務条件の緩和策とし 本ブロック会議については、これまでコーデ て、代替医師を雇用するための人件費を補助す ィネーターが配置されている福岡県と鹿児島県 る制度があるが、院内の医師が協力してカバー の両県で隔年毎に開催してきたが、各県の女性 した場合には対象外となっている。当初、本県 医師支援に向けた意識の高揚を図るべく持ち回 の行政も本会の訴えに理解を示したが、厚労省 り開催を提案したい。次年度開催県は、九州医 へ照会をかけると対応が一変、補助対象は部外 師会連合会の開催順に倣い検討いただきたい。 からの応援に限るとのことであった。各種アン 協議の結果、九医連開催順に倣うと、次回開 ケートを見ても、女性医師支援で最も重要なこ 催県は佐賀県医師会にあたることから、一旦持 とは上司の理解や周りの理解とある。上司や周 ち帰り検討いただくことになった。 りの理解がある病院ほど支援が受けられない構 図である。今後、理解ある病院を増やしていく ためにも、是非補助対象となるよう厚労省と交 閉 会 下川優子鹿児島県医師会女性医師委員会委 渉をお願いしたい。 員より閉会の挨拶があり本ブロック会議を終 小森常任理事より要望として伺い、担当と調 了した。 整していきたいと返答があった。 大学医学部女性医師支援担当理事連絡会の継続 を(福岡県) 本年 9 月に開催されたみだし連絡会について は、是非次年度も継続開催をお願いしたい。 小森常任理事より決定事項ではないが、非常 に好評であったことから、次年度も開催できる よう調整していきたいとの返答があった。 - 30(420) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 印象記 沖縄県医師会女性医師部会 副部会長 大湾 勤子 今回は、鹿児島県医師会が担当した日本医師会女性医師支援センター事業九州ブロック会議に 参加させていただいた。その日の鹿児島は天気が良く、散策に出かけたいほどの陽気であった。 思えば数年前に日本医師会主催の男女共同参画に関する会議がご当地で開催され、当時主催の鹿 児島県医師会長のご挨拶で、女性医師の支援に取り組む際に、ご自身の事例をふまえてまず男性 医師の意識改革から始めたいと、お話しになっていたことを思い出した。九州での女性医師支援 の実際はどのようになっているのかという興味と期待を持って会に参加した。 日本医師会は医師が男女を問わず就業を継続できる支援をさらにすすめていく方向性を示し、 男女共同参画は社会のニーズであることを強調されていた。「女性医師支援」という言葉が語られ る前に、男女ともに働きやすい環境の整備が必要であるのは言うまでもない。 九州 8 県から女性医師支援の取り組みについて発表があり、各県とも年々活発に取り組みが進 んでいることを再認識した。特に私が興味深く伺ったのは、長崎大学病院内に設置されたメディ カルワークバランスセンターの「あじさいプロジェクト」で、行政、医師会、大学関連機関との 連携のしくみが機能していることに感心した。また、宮崎県からの発表で医学部全 19 診療科、基 幹型臨床研修 4 病院が合同で、医学生向け研修プログラム(女性医師支援、ワークライフバラン ス等)の情報提供をプレゼンテーション形式で行った報告があった。この取り組みは医学生のみ ならず、各診療科や基幹病院が他の科や施設の取り組みを知るうえで参考になると思われ、沖縄 県でもぜひ取り入れられたらよいと思った。さらに他県の発表を伺いながら沖縄県の取り組みも 地道にすすんでいると確信した。特に今回沖縄県では医学部と県医師会女性医師部会の合同企画 で医学部 3 年生を対象にキャリアプラン講義が開催されたが、ライフワークバランスを学生の時 からイメージしていくことは、教育の大事なカリキュラムの一つだと思う。 急速な高齢化がすすむ我が国では、働きながらの子育て支援のみならず、介護支援がこれから ますます必要となるであろう。男女を問わず医療の現場で「働きやすさ」と「働きがい」を感じ て「働き続ける」環境整備に、我々が少しでも役立つことができればと思う。同時に「女性医師支援」 という言葉をきくたびに、制度の整備は重要であるが、その前提として医師自身が「支援する立場」 でも「支援を受ける立場」でも、責任と使命を果たす心意気が大切であることを忘れてはならな いと思っている。 - 31(421) - ご 注 意 を! 沖縄県医師会常任理事 稲田隆司 1.【金銭交渉について】 医事紛争発生時に、医師会に相談なく金銭交渉を行うと医師賠償 責任保険の適応外となります。 医事紛争発生時もしくは医事紛争への発展が危惧される事案発生時に は、必ず地区医師会もしくは沖縄県医師会までご一報下さい。 なお、医師会にご報告いただきました個人情報等につきましては、厳 重に管理の上、医事紛争処理以外で第三者に開示することはありません ことを申し添えます。 2.【日医医賠責保険の免責について】 日医医賠責保険では 補償されない免責部分があり100万円以下は 自己負担となります。その免責部分を補償する団体医師賠償責任保険 があります。この団体医師賠償責任保険は医師の医療上の過失による事 故だけでなく、医療施設の建物や設備の使用・管理上の不備に起因する 事故も補償いたします。 詳細については、沖医メディカルサポートへお問い合わせ下さい。 3.【高額賠償責任保険について】 最近の医療事故では高額賠償事例が増えていることから、日医医賠責保 険(1億円の限度額)では高額賠償にも対処できる特約保険(2億円の限 度額)があります。特約保険は任意加入の保険となっております。 詳細については、沖縄県医師会へお問合わせ下さい。 【お問い合わせ先】 沖 縄 県 医 師 会:TEL(098)888-0087 沖医メディカルサポート:TEL(098)888-1241 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 平成 25 年度九州各県医師会 医療情報システム担当理事連絡協議会 会 長 宮城 信雄 副 会 長 安里 哲好 常任理事 宮里 善次 理 事 佐久本嗣夫 去 る 1 月 25 日( 土 ) 午 後 2 時 00 分 よ り、 ○日本医師会 石川広己常任理事 ANA クラウンプラザホテル沖縄ハーバービュ 本日の議題を拝見させていただき、先生方の ーにおいて開催された標記協議会について報告 熱心なご討議に参加させていただくことを非常 する。 に嬉しく思う。継続して医療情報についてこの ような場を設けているのは、九州ブロックのみ 挨 拶 である。このような状況から見ても、九州・沖 ○沖縄県医師会 宮城信雄会長 縄の先生方は、この分野について非常に熱心に 本協議会では、各地域において構築されてい お考えであるという表れである。 る医療連携システムに関する議題や日医認証局 日本医師会及び日本医療情報学会でシンポジ に関する議題等、非常に多岐にわたる協議題が ウムをもっており、昨年、一昨年に「医療連携 用意されている。各議題について各県よりご意 の IT 化」と題し、開催している。日本医師会と 見を賜るとともに、ご多忙の中、本協議会にご しては、医療情報連携は現代になくてはならない 出席いただいている日本医師会の石川常任理 ものであると考えており、なるべく利用するべき 事、日医総研の矢野様よりコメントあるいはア であると考えている。昨年、日医認証局センター ドバイスを頂戴したいと考えている。 を立ち上げており、認証基盤ということで、日本 本協議会の協議が、会員のための一つの指標 の ICT 化に一つ役目をかっている状況である。 となればと考えているため、忌憚のないご協議 本日は、私を含め日医総研の矢野をお呼び の程、よろしくお願いしたい。 いただき、御礼申し上げる。よろしくお願い したい。 - 33(423) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 協 議 2014 ①ピカピカリンクは医師を対象としているもの (1)医療情報連携システムの相互乗り入れ について(福岡) の、閲覧権限については、特別に規定を設け ていないため、実際の現場では看護師、ヘル <提案要旨> パーや事務員も閲覧できる状態となってい 福岡県医師会では、平成 25 年度の地域医療 る。現在本県では、医師、歯科医師(歯科医院) 再生基金にて、医療情報連携システムを構築中 及び薬剤師(薬局)までを閲覧可能とする方 であり、平成 26 年度より 2 地域にて運用開始 向で検討中である。各県の医療情報連携シス 予定である。今後の展開としては、運用状況を テムにおいて、事業所(歯科医院、薬局、介 見ながら県下に広げていきたいと考えている。 護事業所等)及び職種(薬剤師、看護師、ヘ しかしながら、福岡県内で、形態は様々では ルパー、事務員等)等の閲覧権限を規定等で あるが医療情報連携システムが数か所の地区で 定められているかお伺いしたい。併せて、情 既に構築されており、それぞれのネットワーク 報漏洩に備えた対策や罰則規定等が定められ が独立して存在し、横断的に患者情報を共有す ていればご教示願いたい。 る必要性や運営経費を考えると、地区ネットワ ②ピカピカリンクは、地域医療再生基金の年限 ークを接続して広域的なネットワーク構築も検 である平成 27 年度までは現状の協議会での 討しなければならない。 継続が可能であるが、それ以降は会費徴収や それぞれのシステム形態や構築業者があろう 運営母体の組織化(県行政、医師会、NPO 等) かと思うが、システムの相互乗り入れを検討、 等を行わなければ継続が危ぶまれる。 若しくは実現されている事例があればご教示い 各県または地域の医療連携システムにおいて ただきたい。 も同様の課題を抱えていると思われるが、各県 のシステム継続のための財源措置や組織化につ (2)ICT を用いた医療情報連携システムのプ いて、現状をご教示願いたい。 ライバシーポリシーと継続した運営のあり (3)目的別に特化した医療情報連携について 方について(佐賀) (宮崎) <提案要旨> 昨年度の本協議会でご紹介した通り、本県で <提案要旨> は、平成 22 年より、地域医療連携ネットワー 本県では、宮崎県透析医会と宮崎大学の共同 クサービス「ID-LINK」(NEC)を用いて佐賀 で、はにわネットを活用した透析患者の診療情 大学医学部附属病院、佐賀県医療センター好生 報バックアップシステムの構築について取り 館など県内 12 の中核病院における患者の診療 組んでいる。現在、災害時に最低限必要となる 情報(受診歴、治療、検査等)を、加入する 透析患者情報の項目を確定し、本年度中の本稼 108 医療機関等が参照できる佐賀県診療録地域 働を目指している。このように特化した目的の 連携システム(愛称:Pica Pica Link ピカピカ ために構築する医療情報連携は、全医療情報連 リンク)を運用している。 携よりも医療従事者及び患者双方のコンセン また、ピカピカリンクは、地域医療再生基金 サスが得やすく、進めやすいのではないかと思 を利用した整備が進められており、現在、県に われる。 事務局を置く協議会及び小委員会で運用方法や 各県において取り組まれている目的別の医療 システムの改修等を検討している。 情報連携の例があればご教示願いたい。 今後、同システムを更に発展させるに当たり、 以下の 2 点について、各県の現状や課題等につ いてお伺いしたい。 - 34(424) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 (4)日医主導の医療情報連携システムの構 築について(佐賀) 2014 医療連携システムにおけるプライバシーポリ シーについては、各県ともにセキュリティ担保 <提案要旨> の関係から、医師のみの閲覧権限、もしくは薬 日医総研が平成 24 年度に実施した調査で 剤師・地域医療に関わる看護師等のみの閲覧権 は、IT を使った医療情報連携システムは全国 限と考えているとともに、継続した運営のあり 約 170 ヶ所で開始され、そのうち約 50 ヶ所が 方については、なるべく医療機関への負担がな 停止、更に同数程度の停止が見込まれるという いようにすることを前提として、各県ともに医 ことであった。 師会にて運営する、もしくは参加医療機関から 停止の理由は、事業開始時に交付されていた の使用料をいただく等の意見が示された。 補助金等が途中で廃止されるなど、継続した運 目的別に特化した医療情報連携については、 営費用の捻出が困難であることが挙げられてい 各県ともに、全診療情報の共有に比べ、範囲を る。一方で、地域単位で汎用性のないシステム 絞った情報の共有は取り組みやすいとの意見が を運用することは、システム間の乗り入れがで 示された。 きないことや複数のシステムに加入しなくては 日医主導の医療情報連携システムの構築につ ならない等、システム普及の障壁となっている。 いては、各県ともに賛成ではあるものの、構築 また、平成 25 年 8 月 4 日付け読売新聞によ に至るには様々な課題があること等から、先ず ると厚生労働省は、患者の治療歴や処方薬など は、医療情報連携に関する法的な部分を含めた の診療情報を全国の病院・診療所で共有するネ 指針及びルールについての検討や日医認証局に ットワークの構築を 2018 年度までに目指すと 関連した意見、日医認証局の関連性や医療情報 報じられている。 を集積するためのデータセンターの整備等につ 医療情報連携システムは、膨大なデータを扱 いて検討いただきたい旨の意見が示された。 うことになり、厚労省のシステム構築より先に、 日医主導のシステム構築が必要と思われる。 <日医コメント> 日医の方針と厚労省のネットワーク化への見 医療連携システムを構築するにあたり、ID- 解についてお伺いしたい。 LINK やヒューマンブリッジのどちらであって (1)、(2)、(3)、(4)一括協議 も、ソフトを縦断し連携が出来ているところも ある。 <各県回答> しかし、大きな問題が 2 つある。1 つは、様々 医療連携システムの相互乗り入れについて な情報が見え過ぎてしまうことである。医療連 は、長崎県のあじさいネット、佐賀県のピカピ 携の作法として、見に来る側に配慮したサマリ カリンク、沖縄県のおきなわ津梁ネットワーク ーを作る等の検討が必要ではないかと考える。 では、全県下での運用が展開されている。その 2 つ目は、医療連携システムを構築するにあた 他の県においても、医療連携システムの相互の り、業者は多額の費用を提示してくることがあ 乗り入れが必要であると考えているものの、運 る。その為、先生方には現実的で自走できるよ 営費や集積する情報の標準化等、課題が山積し う考えていただきたい。 ている等の意見があった。 また、医療連携の相互乗り入れについては、 その中でもあじさいネットは、県の協力やネ 日医医療認証基盤を用いたシングルサインオン ットワークが構築される前に地域や病院でシス の仕組みを使ってはどうかと考えている。ただ テムが構築されたこと等により、全県下統一の し、日医の中にある訳ではないので、それぞれの システムになっている。また、佐賀県において 地域連携の中で使っていただきたく考えている。 は全県下だけではなく、ID-LINK を用いて他県 プライバシーポリシーについては、閲覧権限 の一部の地域と相互乗り入れを開始している。 ということがあるが、介護の分野が医療と連携 - 35(425) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 する際に、どこまで閲覧させるかということに <各県回答> ついて慎重に考えなければいけないと思ってい 各県ともに医師会情報のバックアップは取っ る。介護が関係する際に、絶対に見せたくない ているものの、会館内で保存している状況であ ものをボックスの中に入れ、鍵をかけるという り、日医主導のデータセンターの整備が望まし ことが必要であると考えており、鍵をあけるも い旨の意見が上がった。 のは個人認証であると考えている。現在厚労省 一方で、鹿児島県においては外部保存を行っ では、介護と医療のガイドラインを作成中であ ているが、医師会館から 4km 離れた場所であり、 るが、その中で、どの分野まで閲覧させるのか 大規模災害に備えたバックアップとは言えない ということも示すことになっている。 状況である。また、日医主導によるデータセン 目的別に特化した医療情報連携については、 ター運用に関しては、データの一元化を招き、 岩手県周産期医療情報ネットワークシステムで 大規模災害対策を考えると必要性を感じない旨 は、多くの方が助かった経緯があるので、この の意見があった。 ようなシステム構築は良いのではないかと考え ている。 <日医コメント> 日医主導の医療情報システムの構築について 首都圏直下型の大規模災害が起こった際に、 は、日医では、基盤の一つを整備するというこ どこに JMAT の拠点を置く、もしくはその拠 としか出来ない。各地域、医療情報の ICT 化 点に情報も置いた方が良いのではないか等につ ということが進んでおり、統合することは難し いて様々なところで議論はされているが、日医 い。認証局という一つの基盤を作り、考えてい では、壊滅した時にどこに拠点を置くのかとい きたい。 うことは議論していない状況である。 ネットワークもそれぞれ構築されているが、 日本医師会では、会員情報のバックアップは 利益を得るものを考えると患者や保険者、自治 考えているが、健診等情報については、考えて 体である。維持費のメンテナンスの費用は、医 いない状況である。しかし、自治体では既に行 師会だけではなくネットワークの利益を共有す っているところがあり、千葉県では、救急病院 る者に払っていただきたいと考えている。これ の稼働情報を愛知県と共有し、やり取りを行っ が常識であるという形にしたいと考えている。 ている。このような取り組みに県医師会が乗り 込むことは出来るのではないかと考える。 (5)医師会における会員情報等の遠隔バッ クアップについて(宮崎) (6)会員情報について(福岡) <提案要旨> <提案要旨> 医師会では会員個人情報、文書データ等の重要 福岡県医師会では、現在、入会・異動・退会 データを多量に保持している。各医師会におい 等に基づく会員情報については、会員管理シス て随時バックアップは取られているものと思う テムを構築し管理をおこなっているが、日本医 が、大規模災害が発生した場合には各県医師会 師会生涯教育講座、認定産業医、スポーツ医、 のみに保管してあるデータは消失するおそれも 各種表彰(叙勲、大臣、県知事、医師会表彰) ある。都道府県医師会同士での相互バックアッ 等の情報については、各担当課が個別にエクセ プや、日医主導によるデータセンター開設・運 ルファイル等で管理を行っている。 営などの遠隔バックアップを検討する必要があ また、各種講習会等の出欠確認も紙ベースで るのではと考えるがいかがか。各県医師会の会 行っているため、今後、IC カード等での一元 員情報の保管状況や災害対策についてお伺いし 管理及び既存の会員管理システムとの連携が必 たい。 要と考える。 - 36(426) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 さらに、先日の九州医師会連合会委員・九州 各県医師会役員合同協議会の中で横倉会長が、 2014 (8)日医認証局による医師資格証(IC カード) の普及啓発と会費負担について(熊本) 組織力強化の中で講演された入退会・異動手続 <提案要旨> きの簡素化も踏まえ日本医師会・都道府県医師 先に、日医で開催された連絡協議会で、日医 会・郡市区医師会の統一した情報管理が求めら 認証局の意義、医師資格証(IC カード)の使 れる。 い方、都道府県医師会・郡市医師会における審 現在日本医師会で準備が行われている、認証 査等について説明されました。 局が発行する「医師資格証(IC カード)」は、 この医師資格証(IC カード)は医療情報の 過去に厚労省が目指していた医師の「管理」を みならず様々な分野で利用され、将来医師の資 目的としているものではなく、「認証」と「電 格確認に必須なものになると考えられます。 子署名」を利用用途としており、ここでいう「認 熊本県では、全会員へ交付できるよう郡市医 証」は主に地域医療連携等を想定されたもので 師会や病院関係者に啓発・普及活動を行い、目 ある。しかし、今後の「医師資格証」の発行・ に見える会員福祉の一端として医師会による年 運用状況を踏まえ、先に述べた会員情報等への 会費全額負担を検討しております。 IC カードの活用について検討を行う必要があ この問題の広報・普及や年会費負担等につい ると考える。 て日医および各県のご意見を伺いたい。 九州各県において、会員情報に関する管理方 (6)、(7)、(8)一括協議 法(入退会管理・各単位・出席管理・表彰歴等) について、現在運用中のシステム、また今後の <各県回答> 計画があればご教示いただきたい。 入会・異動・退会等に基づく会員情報につい ては、6 県(大分県、熊本県、鹿児島県、佐賀県、 (7)日医認証局の普及に向けて(長崎) 宮崎県、沖縄県)が会員管理システムを構築し <提案要旨> 管理を行い、長崎県はアクセスファイルで管理 12 月 11 日、日医認証局の説明会が行われま している。 した。 産業医・スポーツ医の情報については、5 県 認証局は、個人認証と電子書類への電子署名 (大分県、熊本県、鹿児島県、宮崎県、沖縄県) に使うことが可能であるが、残念ながら、セキ が会員管理システムおよび当システムの情報を ュリティー上の問題で閉鎖されたネットワーク 一部活用して管理を行い、2 県(長崎県、宮崎県) 網でないと利用できません。 はファイルメーカーやエクセルファイル等で管 また、登録のための手続きがやや煩雑で負担 理している。 が多く、年会費も 5000 円かかるなど、いろん 日本医師会生涯教育講座については、5 県(大 な面ですぐには申し込み者が増えるとは考え難 分県、熊本県、鹿児島県、佐賀県、沖縄県)が い状況です。 会員管理システムの情報を一部活用して管理を しかし、日医が 10 年かけて行ってきた事業 行い、2 県(長崎県、宮崎県)はエクセルファ であり、そのコンセプトは素晴らしいものがあ イルで管理している。 ります。 各種表彰(叙勲、大臣、県知事、医師会表彰等) 何とかしてこの事業を成功させ、できるだけ 等は、各県ともに各課担当者が個別に紙、エク 多くの医師がこのカードを保持するように、各 セルファイルで管理をしている。 地の医師会が中心となって啓発活動を行うべき 各県より、今後は医師資格証(IC カード) と考えますが、各県のお考えは如何でしょうか。 を活用した会員情報管理や研修会・各種表彰等 の情報管理及び既存の会員管理システム等との - 37(427) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 連携が必要であるとの見解が示された。 なシミュレーションをした上で設定させていた 日医認証局の普及及び会費負担については、 だいている。 各県ともに、登録手続きが煩雑であることや年 普及の目標としては、来年度 1 万枚、3 年後 会費(5,000 円)が高額である等の登録に関する には 5 万枚を発行できるように進めている。身 課題や、個人認証カードの利用が、無関係であ 分証での使用や ICT での使用を考えている。 る医師や情報ネットワークに対し知識が少ない 会員情報システムについては、ASP 化を行 会員の自主的な使用が困難である等の運用面に った上で基本的な会員情報を全県下で提供する 関する課題が山積しているとの意見があった。 ということを考えている。各都道府県において しかし、現代の IT 化普及の流れは著しく、 独自の管理項目があるかと思うが、接続できる また、地域医療情報連携が進むにつれ、日医認 インターフェースを使用した会員情報システム 証局が重要な役割を果たすことが考えられるこ を提供できないかと考えているところである。 とから、各県ともに日本医師会と足並みを揃え、 (9)会内広報充実のための施策について 普及啓発に努めたい方向性が示された。 (福岡) 日医及び日医総研コメント <提案要旨> <日本医師会 石川広己常任理事> 医師会活動は、地域や時代のニーズに応じ 認証局こそ日医の仕事であると考えている。 た「より良い医療」体制を確立することを目 様々な議論はあるが、医師全員にこの資格証を 的としており、目まぐるしく状況が変わる今 持っていただきたいと考えている。厚労省が本 日においては、医師会の活動方針や事業内容 事業に対し助成してくれており、国がバックア を会員間で共有することが、上記目的達成の ップしてくれている状況である。将来的には、 基盤となる。 国家試験を合格した際に、この資格証をプレゼ 福岡県医師会では、標題の施策として県医報 ントするということまで、厚労省の中で出てき 発行の他、ICT(情報通信技術)の特徴である ている。しかし、更新は厚労省では出来ない為、 地理に関係なく素早い情報伝達を可能とする 我々医師会が担うことになると考えている。 点を生かし、ホームページの運営や、メールに 年会費の会員 5,000 円、非会員 10,000 円とい よるニュース配信、フェイスブックを活用し、 うのは、苦肉の策である。様々な議論の中で、認 医師会員が手軽かつ確実に医師会情報(最新の 証局を何故非会員にも対応するのか等の意見も 医療情勢や研修会などの行事予定、各種会議の 出たが、このような形で進めている状況である。 報告等)を入手できる仕組みを模索している。 しかし現状は、文書や活字でまとめた情報発信 <日医総研 矢野一博氏> がほとんどを占め、個々に求められている情報 本資格証明を身分証として使用できるように を、効果的に伝達できずにいる。そこで福岡 することについては、担当者レベルであるが、 県医師会では、診療等で多忙な毎日を送る会 厚生労働省と具体的に協議に入っている。 員が、わずかな時間で、時間や場所を選ばずに、 研修会のポイント管理については、情報を読 各々が必要とする情報にアクセスできるよう み取っていただき、ID が入っているので、各 にするため、音声や映像での情報発信を考えて 会員の紐付けをすれば管理ができることにな いる。 る。このアプリケーションについては、ベータ 各県において取り組まれている有用な事例 版ではあるが試作品を構築している。日医協で や、参考となる考え方や視点があればお聞かせ デモが出来ればと考えている。 いただきたい。 会費については、高額である旨の意見や無料 にするべきとの意見等が上がっているが、様々 - 38(428) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 <各県回答> (11)会議等のペーパレス化について(大分) 各県ともに、会員への情報伝達配信は県医師 <提案要旨> 会報誌・ホームページ・FAX やメールでの配 医師会の業務の複雑化、多様化に伴い会議の 信が主である。 際の文書量も増えている。 その中で、長崎県医師会では「あじさいネッ 経費や保管スペースの問題もあり、日医から ト」上に構築したテレビ会議システムを用いて の通知などを始め文書の電子化はある程度進ん 有効利用できないか検討中である。熊本県医師 できている。一方、当県では理事会など会議の 会では広報委員会で Facebook やグループウェ ペーパレス化にはまだ取り組んでおらず今後検 アの活用を試験的に行っている。沖縄県医師会 討すべき課題ととらえている。 では会員や地区医師会宛に発出した文書を随時 各県においてはすでに会議にペーパレス化に 検索参照するための「文書映像データ管理シス 取り組まれているところもあると思われるが、 テム」を構築し希望する会員には本システムに その現状や具体的なシステム、使用されている 文書が掲載された際に自動的にメールを通知す モダリティなどについてご教示戴きたい。 る仕組みも整備しているとの意見があった。 <各県回答> (10)IT を用いた医師会情報の伝達(長崎) 長崎県、福岡県、宮崎県、沖縄県においては、 <提案要旨> 理事会や常任理事会等にて iPad を配布、また 本県において、会員への医師会情報は主に、 は、PC にて PDF を閲覧できるようにし、ペ 手紙や会員専用ホームページへの掲載を利用し ーパレス化を行っている状況であるが、それ以 行っている。 外は、ペーパレス化されていないようである。 しかし、これらは即時性に乏しく、情報を読 また福岡県では、郡市医師会への発信文書や んで貰ったかどうか、あるいは、情報を交換す 伺書決裁等を、ワークフローシステムを開発し、 るには不便である。 運用している旨の意見があった。 会員との情報交換にメーリングリストやフ ェイスブックを用いている県があれば、その活 (12)昨今中国大陸から偏西風に乗って飛来 用方法及びメリット・デメリットをご教示くだ する微小粒子状物質 PM2.5 問題に対する取 さい。 り組みについて(鹿児島) <提案要旨> <各県回答> 微小粒子状物質 PM2.5 は、粒子が非常に小 各県ともに、各種委員会については、メーリ さいため肺の奥深くまで入りやすく、大量に吸 ングリストにて情報共有は行っているものの、 い込むとぜんそくなどの症状を悪化させたり、 会員を対象としたメーリングリスト等の運用は 肺がんの発症リスクを高めると言われている。 行っていないとのことであった。 一般的には、各自治体が発表する速報や飛来 福岡県では、facebook を活用しており、県民 予測をチェックして、濃度の高い日は、長時間 向けの行事や医師会活動報告、医師向けの研修 の外出を控える、マスクを着ける、空気清浄機 会の案内等、情報の入り口として活用している。 を使用するなどの注意喚起が促されているが、 また宮崎県では、会員対象に 2 種類のメーリ 医師会の立場として予防対策を呼びかけたり、 ングリストを開設しており、①県医師会から会 あるいは花粉情報観測のような、何か特別に取 員への情報提供(一方向性)を行うもの、②会 り組んでおられる事があれば今後の参考のため 員からの情報提供や会員同士の意見交換(双方 ご教示いただきたい。 向性)を行うものである。 - 39(429) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 <各県回答> ッターを利用した情報提供を行っているとの意 各県ともに、PM2.5 に対する取り組みは行 見があった。 っていない状況であり、行政において、市町村 (9)、(10)、(11)、(12)は、書面回答のみ。 や関係機関に対する連絡やホームページ、ツイ 印象記 理事 佐久本 嗣夫 今年の標記協議会は例年にも増して多くの提案議題が集まった。九州各県とも大なり小なり種々 の地域医療ネットワークを構築している。その中で常々の問題であるセキュリティについて、地 域の小さなネットワークをどううまくリンクして拡大していくか、データをどう安全に確保、保 存していくか、システムの維持費をどう捻出するか、日医認証局の医師資格証をどう普及させて いくか等々が協議された。これらの問題に対しこれで必要十分という解決策はないが、それでも 各県とも真剣に取り組んでおり、互いの県で参考になったと思われる。 今回の協議会では IT 医療の便利さと運営維持の難しさを同時に認識させられた。地域医療ネ ットワークの中で継続維持が困難になった例も多いが、我々の「おきなわ津梁ネットワーク」が 順調に普及拡大して行くことを期待したい。 文書映像データ管理システムについて(ご案内) さて、沖縄県医師会では、会員へ各種通知、事業案内、講演会映像等の配信を行う「文書映像デー タ管理システム」事業を平成 23 年 4 月から開始しております。 また、各種通知等につきましては、希望する会員へ郵送等に併せてメール配信を行っております。 なお、「文書映像データ管理システム」(下記 URL 参照)をご利用いただくにはアカウントとパス ワードが必要となっており、また、メール配信を希望する場合は、当システムからお申し込みいただ くことにしております。 ア カ ウ ン ト ・ パ ス ワ ー ド の ご 照 会 並 び に ご 不 明 な 点 に つ き ま し て は 、 沖 縄 県 医 師 会 事 務 局 (TEL098-888-0087 担当:山川・池田)までお電話いただくか、氏名、医療機関名を明記の上 [email protected] までお問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。 ○「文書映像データ管理システム」 URL : http://www.documents.okinawa.med.or.jp/ ※ 当システムは、沖縄県医師会ホームページからもアクセスいただけます。 - 40(430) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 九州医師会連合会第 338 回常任委員会 会長 宮城 信雄 去る 1 月 25 日(土)、ANA クラウンプラザ なお、7 月 12 日(土)に予定している常任 ホテル沖縄ハーバービューにおいて、標記常任 委員会は、前週の 4 日(金)宮崎県で開催され 委員会が開催されたので、その概要を報告する。 る「九州各県保健医療福祉主管部長・各県医師 当日は、九州各県医師会医療情報システム担 会長合同会議」に併せて開催することになった。 当理事連絡協議会、今年度第 2 回目の各種協議 会(地域医療対策協議会、医療保険対策協議会、 3)その他 介護保険・在宅医療対策協議会)が併せて開催 ①九医連からの弔意について(沖縄) された。 前群馬県医師会長の鶴谷嘉武先生、日本医師 会常任理事の大野和美先生のご逝去に伴う九医 報 告 連としての弔意の対応について報告した。 1)第 113 回九州医師会連合会総会・医学会及 び関連行事について(沖縄) 協 議 去る 11 月 16 日(土)・17 日(日)に開催さ 1)九州各県医師会医療事故調査制度に係る連 れた九医連総会・医学会について下記のとおり 絡協議会(2 月 15 日(土)福岡市)について(沖縄) 報告した。 当連絡協議会を下記のとおり開催することが ①参加者数について 了承された。 当日は、福岡県医師会の上野先生より福岡県 平成 25 年 11 月 16 日(土) 総会・医学会 374 人 の取り組みについて、ご説明をいただき、種々 意見交換をしていただくことになっている。 11 月 16(土)・17 日(日) 分科会(9 分科会) 1,554 人 日 時 平成 26 年 2 月 15 日(土) 15:00 ~ 17:00 11 月 17 日(日) 記念行事(7 種目) 222 人 場 所 福岡県医師会館 延べ出席者合計 2,150 人 2)第 131 回日医臨時代議員会(3 月 30 日(日) ②宣言・決議の取扱いについて 日医)について(沖縄) 総会において可決、決定した宣言・決議文の 標記代議員会が来る 3 月 30 日(日)日医会 取り扱いについて、内閣総理大臣をはじめ関係 館において開催されるに当たり、九医連として 機関、240 人へ送付しその実現方をお願いした。 下記のとおり対応することが了承された。 2)平成 26 年度九州医師会連合会及び各種関 ①九州ブロック日医代議員連絡会議について 連行事予定表(案)について(大分) 当日午前 9 時より 9 時 30 分迄の間、九ブロ 大分県の近藤会長より、平成 26 年度(H26.7 控室において当連絡会を開催する。 ~ H27.6)の九医連及び関連行事予定について ②九州ブロック代表・個人質問について 報告があった。 日医代議員会迄の間、常任委員会を開催する - 41(431) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 予定がないことから、これまでの慣例に倣っ その他 て、沖縄県医師会に質問事項を提出して頂き、 ①九州医師会連合会第 9 回事務局長連絡協議会 取り扱いは九医連会長・副会長・議事運営委 (3 月 15 日(土))について(沖縄) 員で協議した上で、代表質問、個人質問を決 標記事務局長会議について、下記のとおり開 定し、各県会長に連絡することに決定した。 催することに決定した。 3)第 339 回九州医師会連合会常任委員会(4 日 時 平成 26 年 3 月 15 日(土) 月 12 日(土)湯布院)について(沖縄) 16:00 ~ 18:00 標記常任委員会について、下記のとおり開催 場 所 沖縄県医師会館 することに決定した。 沖縄県南風原町字新川 218-9 日 時 平成 26 年 4 月 12 日(土) TEL098-888-0087 17:00 ~ 日 程 場 所 由布院温泉「山のホテル夢想園」 1. 講 演 「新公益法人制度移行後の定期報告書等 4)日本医師会―AMDA のフィリピン台風被害 申請書類作成の留意事項(仮題)」 救援活動への支援について(沖縄) 講 師:調整中 昨年 11 月に発生したフィリピンの台風被害 2. 意見交換 に際し、日医より要請のある標記支援について 協議した結果、九医連としてのこれまでの海外 ②本医師会選挙管理委員会委員及び予備選挙管 への義援金の対応に倣い、各県から 30 万円を 理委員の選出について(沖縄) 支援金として日医へ送ることに決定した。 日本医師会長より、標記委員の任期が来たる 3 月末日を以て満了になることから、九州ブロ 5)九州各県における母体保護法指定医師研修 ックから各々 2 名を選出するよう要請がある。 会の相互受講について(宮崎) その対応について協議した結果、現任者を選 平成 23 年 6 月に改正母体保護法が施行され、 出している福岡県と鹿児島県から選挙管理委員 日医の「母体保護法指定医師の指定基準」モデ 及び予備選挙管理委員各 1 名を再度選出してい ルが改定された。その中で、母体保護法指定医 ただくことに決定した。 の新規指定・更新の際は、都道府県医師会の指 なお、当選挙管理委員及び予備選挙管理委員 定する「母体保護法指定医師研修会」を申請時 は日医の役員、代議員、予備代議員、裁定委員、 までに受講することが義務づけられているこ 顧問、参与を兼ねることができないし、また、 とから、九州各県の相互受講について提案があ それらの候補者や候補推薦者になれないほか、 った。 選挙運動もできないことが規定されている。 協議した結果、指定医が受講し易い環境をつ くるためにも、九州各県の相互受講を認め、受 講認定証を発行することとし、研修会の開催が 決まったら各県へ案内することになった。 - 42(432) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 九州医師会連合会平成 25 年度 第 2 回各種協議会 去る 1 月 25 日(土)ANA クラウンプラザ沖縄ハーバービューにおいて、 同協議会が開催された標記協議会(医療保険対策協議会・介護保険対策協議 会・地域医療対策協議会)について報告する。 1.医療保険対策協議会 常任理事 真栄田篤彦 理 事 平安 明 挨 拶 協 議 ○沖縄県医師会 真栄田常任理事 (1)平成 24 年度改定での入院基本料等への 本日はお忙しい中、九州各県よりご参集いた 包括化について(福岡) だき感謝申し上げる。また、本日は日本医師会よ <提案要旨> り、鈴木邦彦常任理事、今村定臣常任理事にお越 栄養管理実施加算と褥瘡患者管理加算の入 し頂いた。鈴木先生、今村先生には後程、各協 院基本料への包括化については、平成 25 年 11 議事項に対し、適宜コメントを頂く予定である。 月 20 日の中医協で、 「病院では両加算を有床診 今回の協議会には各県から 11 題の提案事項 療所では褥瘡患者管理加算の包括化を次期改定 が上がっているが、皆様には忌憚のないご意見 以降も継続する方向性にある」とあるが、有床 をお願いし、実りの多い協議会となるようお願 診療所は勿論であるが小規模病院でも常勤管理 い申し上げる。 栄養士の獲得が困難なところもあり、現在示さ - 43(433) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 れている平成 26 年 3 月 31 日までの猶予期間 される方向で議論が進んでいるので、機械的に の更なる延長を希望するが各県の状況及び日医 4 月 1 日から猶予がなくなるということはない。 のお考えをお聞きしたい。 一方、栄養師会の栄養ケアステーションに対 し、管理栄養士の紹介について働きかけられて <各県の主な意見> いるので都道府県の栄養師会に是非お問い合 各県からは包括された管理加算を従来通りの わせいただきたい。栄養士会としても地域包括 加算方式に戻すことが一番であるが、それが難 ケアに関わりたいとの希望を持っているよう しいようであれば猶予期間の延長を求めるとの である。 意見が上がった。 管理栄養士を確保できるところは確保してい ただき、地理的に難しいところは一定の配慮を □日医 鈴木常任理事 いただくような方向で進めているのでよろしく 有床診療所に関しては、前回改定直後から問 お願いしたい。 題点を指摘していただいた。当時の議事録を確 認したところ、「有床診療所における管理栄養 <追加発言・質疑応答> 士の確保は困難ではないか」と質問をしている。 ■福岡県 その際、事務局担当者が有床診療所に関するデ 九州厚生局に管理栄養士の件について 12 月 ータのないまま資料を出していることを正直に 初め頃に確認したところ、九州管内では 30 余 話していれば修正も出来たと思うが、それがな りの病院で管理栄養士を確保できておらず、猶 かった。そのかわりに有床診入院基本料に 11 予申請中との回答であった。 点加点することで終わってしまった。 届出状況については厚生局でしっかり把握し 先日の中医協では有床診療所の管理栄養士に ているはずなので、厚労省より改定情報を収集 ついては「加算」に戻すことに加えて、管理栄 し、もう少しハッキリした情報を出していただ 養師を希望する医療機関については、他医療機 きたい。4 月まであまり時間がない。 関に勤務する管理栄養師や栄養ケアステーショ 先程のコメントのなかに病院は猶予されると ンといったところから非常勤として必要な時に いうお話があったが、どのような形になるのか、 栄養指導を行った場合についても別途加算を設 病院の存立にかかわる問題であるのでその辺り けることで議論がされている。 を早くお知らせいただきたい。 次に病院についてであるが、小規模病院のな かには、管理栄養士の確保が困難なところが ■大分県 あるとのお話を頂いている。平成 24 年 3 月 31 管理栄養師の離職者を「再教育→現場復帰」 日時点で、栄養管理実施加算の算定なしの病院 させる事を目的にした補助事業があるようだ。 が 200 余りあった。厚労省が内々に調査した 現状は管理栄養師の絶対数が足りないことか ところ、この 2 年間で対応したところもあるよ ら、入院基本料の包括化を外すよう要望してい うだが、かなり減ったとはいえ一定の数がまだ るところであるが、管理栄養師の離職者を掘り 対応出来ずにいることから、有床診療所だけで 起こして数が足りるようになったときには、管 なく小規模病院についても対応するよう要望し 理栄養師の問題が再燃しないかが危惧される。 ている。 しかし、1 号側(支払側)は「病院である以 □日医 鈴木常任理事 上、有床診療所と同じ条件というわけにはいか 潜在看護師と同じ問題である。離職者全ての ない」との意向から、有床診療所と全く一緒で 方が復帰されるとは思えない。 はないと思うが、病院に対しても一定の配慮が - 44(434) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 (2)診療報酬体系の複雑化(福岡) るか分からない。我々は一歩も譲るつもりは無 <提案要旨> く、最後の最後まで頑張るつもりである。来週 診療報酬体系の簡略化が必要と考えられる。 攻防となると思うので、ご支援をお願いしたい。 種々の加算を算定するための施設基準のハード ルが改定ごとに高くなり、結果として複雑化し <追加発言・質疑応答> ている。加算は一部の施設でしかとれず、恩恵 ■長崎県 に浴するところが少ない。場合によっては実質 診療報酬体系の複雑化の件について。今回の の報酬切り下げとなっている。この方式の診療、 厚労省のパブリックコメントに「患者等から見 施設の質を高めるという効用は認めるものの、 て分かりやすく納得でき、安心・安全で質の高 改定のよい影響が広く及ぶように加算方式を改 い医療を実現する視点を改定の視点として位置 善するべきである。 付けることとする。」とあるが、診療報酬体系 が複雑化していることから結局、明細書を渡し <各県の主な意見> てもよく分からないと思われる。 各県とも提案県と一様に見直しを求める意見 一方で分かりやすくと言いながら、一方で診 が上がった。 療報酬を複雑化しているのは矛盾しており、日 また、熊本県からは診療報酬体系の簡素化に 医からもご指摘いただきたい。 加えて、点数表の解釈の説明文も難解な法律文 書ではなく、平易で解りやすい文体するよう要 □日医 鈴木常任理事 望があった。 明細書の件は 1 号側、特に患者代表の方々が 本県からは、診療報酬体系の複雑化によって 強く主張されている話である。 施設基準・算定要件の誤った解釈や判断に繋が 1 号側が同意しなければ物事が進まないの りかねず、審査支払機関による査定や個別指導 で、譲歩するところは譲歩して我々の主張を受 の一因となることも十分に考えられることか け入れて頂くこともある。別の論理で動いてい ら、分かり易い診療報酬体系への見直しが必要 るところである。 と意見した。 今回も多少前進ということなるが、よろしく ご理解をいただきたい。 □日医 鈴木常任理事 おっしゃるとおりである。 ■佐賀県 私も改定を何度か担当しているが、現実的に 物事にはルールがある。今の医療保険制度、 は財源の問題である。十分な財源があれば加算 点数配分がどのようになっているのか、このル ではなく、基本の点数とすることも可能である ールを患者さんに一番に知ってもらいたい。日 が、財源が無いなかで一定の方向に進めようと 本医師会からもっと積極的に説明をして欲しい。 すると「とりあえず加算で」ということになる。 加算を設ける際、点数は若干低くなるが要件 □日医 鈴木常任理事 を多少緩和した「その 2」みたいなものを作っ 特に今回、消費税の引き上げにより基本診療 てもらい、出来るだけ多くの医療機関が加算を 料に上乗せということになれば、患者さんのな 取れるように働きかけをしている。 かには「診療報酬は非課税といいながら、なぜ また、消費税対応ということで基本診療料の 上がるのか。」となかなか理解しにくい方もい 引き上げを継続して強く訴えてきたが全く門前 らっしゃると思う。この件については厚労省に 払いであった。このところ新聞各紙で「基本診 も、ポスター、チラシ等を作成し周知するよう 療料引上げ」の記事が掲載されているが、1 号 お願いしている。 側が強行に反対している状況なのでまだどうな また、我々としても医療機関ごとに丁寧な説 - 45(435) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 明をし、消費税の抜本的な解決方法を考えてい 患者さんは消費税増税分がアップされたと誤 ることについて、今の段階から話していかなけ 解しているので、その辺は日医から全国民に対 ればならないと考えている。 してしっかりアピールして頂きたい。 ■福岡県 □日医 鈴木常任理事 今回の診療報酬改定について、マスコミ報道 おっしゃるとおり。私も 2 回改定に携わって では「医師の報酬」のように書かれているが、 きて、確かに前の方が本体の引上げ率も高く、 そのようなこと自体がおかしい。これは医療費 金額も多かった。しかし、前々回は急性期の大 そのものであり、医師の報酬だけではないとい 病院に手厚く配分され、前回は地域医療の再生 うことをしっかり広報して頂きたい。 を図る観点から医療と介護の役割分担と連携、 在宅医療などが重点課題となり、診療所、有床 □日医 鈴木常任理事 診療所、中小病院の役割が評価されたが在宅な おっしゃるとおりである。我々は「事実と異 どの専門的なところなど、ごく一部しかとれな なる」と繰り返し申し上げているが、マスコミ いような形であった。今回はそれを見直し、配 は敢えてそのような言い方をする。 分で少しでも取り戻したいと頑張っている。 全体の収入のうち医師の給与は 1 割程度しか なく、その多くは人件費等の諸経費であり、地 (3)診療報酬改定の発表時期について(大分) 域の経済を支えている。この辺をご理解をいた <提案要旨> だけないのは残念なところである。 まもなく平成 25 年度の診療報酬改定が行わ 今回の改定では消費税の引き上げ率に出来る れるが、毎回その発表時期が遅く、改定のたび だけ近づけるということで、別途基金が積まれて に医療機関のみならず関連業界は大混乱を来し おり、診療報酬改定率以外の配慮といったところ ている。施設基準の変更等は申請からさかのぼ もあるので、この辺は我々の取組みの成果だと思 って適応される猶予を設けられているが、準備 う。国民会議の報告書には「改革は診療報酬と補 や周知に時間がかかるので現場の負担はきわめ 助金とで組み合わせて行う」と書かれていること て大きい。前回の改正の際は有床診療所の管理 から、 「補助金に積み上げ」という考え方になっ 栄養士配置義務が発表直後に判明したため、関 たと思うが、今度はそこをいかに我々が取り込め 係者は対応に翻弄させられた。 るかということであり、 「官民公平に」という文 次回の診療報酬改定ではせめて施設基準の変 言を入れてもらった。特に上乗せの 360 億の部 更など、改定によって速やかに対応しなければ 分は出来るだけ民間にということで、都道府県 ならないような事項は他の項目より早めに通知 医師会や医療団体と行政との交渉となるが、我々 して頂けるよう、日本医師会より関係機関への としても情報提供しながら適宜支援させて頂き 強い働きかけをお願いしたい。 たいと考えているので、取組みをお願いしたい。 (4)診療報酬改定に伴う会員への伝達方法 ■真栄田常任理事 について(鹿児島) 会員全員が納得できるよう形で頑張っていた <提案要旨> だきたい。 隔年で行われる診療報酬改定の際、3 月上旬に 我々はいつも押されっぱなしで結局、内部留 日本医師会で開催される都道府県医師会社会保 保の部分を削られて我慢という形で決断される 険担当理事連絡協議会の内容を担当理事が聴講 と非常に辛い。やはり譲れないものは譲れない、 し、各県で伝達説明会を実施しているかと思う。 消費税はあくまでも消費税であって、我々が内 本会でも従来、郡市医師会の担当理事を集め 部で負担するものではない。 説明を行い、郡市医師会で会員へ伝達をしてい - 46(436) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 ただくという形で実施してきた。しかし、改定 かかりつけ医の評価について、厚労省は包括 内容が分かってから、説明を行うまでの期間が 化の意向である。現在の宇都宮課長は以前に後 短く、郡市医師会も対応に苦慮していたため前 期高齢者診療料を担当されており強い想いがあ 回(H24)の改定の説明から、本会担当理事が るようである。私が各地域を訪問した際、皆様 本会館で説明会を行い、その模様をインターネ よりお聞きするのはやはり「加算」という声が ット(TV 会議システム)で郡市医師会へ中継 多い。その辺りは厚労省に伝えているので、あ を行い、会員へ伝達している。 とはどのように判断されるかだと思う。 1 か月もない期間で会員へ周知を行う必要が しかし、財源は限られており、当初考えてい あり、各県苦慮されていることと思うが、各県 たことを全て実現することは難しいと思われ での伝達方法について工夫されている点などあ る。今回、財源問題から新規の医療技術の保険 ればご教示いただきたい。 導入が大幅に縮小された。出来るだけ現場に回 また、日本医師会で開催される社会保険担当 るようにと配慮されているように感じる。 理事連絡協議会の模様(可能な範囲で)を日本 先程も申し上げたが、かかりつけ医の評価に 医師会ホームページ「メンバーズルーム」内で、 ついては 2 つの意見がある。我々は加算、厚労 映像配信することができれば、より改定内容の 省は包括化。どのように点数に反映されるか、 周知徹底が出来るかと思うが、日本医師会の見 ぎりぎりまで話し合いを続けていきたいが、当 解をお伺いしたい。 初のような考えどおりにはいかない。優先順位 (3)、(4)については関連している為、一括 からすると入院医療を優先に考えているのでは 協議された。 ないかと思われる。 <各県の主な意見> <追加発言・質疑応答> (3)診療報酬改定の発表時期に対し各県から ■熊本県 は、改定の 4 月実施は医療機関への周知が行き 医療経済実態調査(実調)を基に予算の総枠 届かず、現場では毎回混乱している状況。その を検討しているようだが、そうなると決まるの 為に施設基準の届出漏れや誤った解釈による誤 が年末頃となりタイトなスケジュールとなる。 請求なども見受けられることから、改定の時期 結局、我々の対応する時間がなくなる。 を多少遅らせる等、スケジュールの見直しが必 診療報酬改定については実調ではなく、抜本 要とする意見があった。 的な見直しができないか。その辺りの議論を中 (4)診療報酬改定の伝達方法については、各 医協でお願いしたい。 県で取り組まれている説明会の開催方法につい て報告があった。また、日医改定説明会の映像 □日医 鈴木常任理事 配信については各県からも賛成の声が上がった。 我々も現場で毎回苦労しているが、医療課も 泊り込みで大変苦労しているようにみえる。 ■福岡県 このようなやり方がいつまで受け入れられるの 診療報酬改定の発表時期において、全体に影 かと思うが、予算編成と絡む話なのでこのよう 響を与えるような内容について、ハッキリした な形になっている。 方針が出ていない。例えば 7 対 1 の問題やかか 基本方針は通常、年末に近づいてから社会保 りつけ医の評価についてであるが、日医からこ 障審議会の医療部会、医療保険部会で議論され れらに対して何か提案されるのか。 るが、今回は 8 月の国民会議報告書のなかで病 院の機能分化やかかりつけ医機能の強化など、 □日医 鈴木常任理事 大きな方向性が早めに出たのでいつもよりは議 今のご質問についてお答えする。 論が出来た方だと思う。 - 47(437) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 このように基本方針を早めに決めることが 時中継はなかなか難しいことから、録画したも 可能なら議論がある程度前倒しできるので、そ のを出来るだけ早くお届けできるよう改善する の分少しは余裕を感じることが出来た。このよ 方向で検討中である。 うに運用を見直す方法と、根本的なもの、例え ば診療報酬は 2 年、介護は 3 年、医療計画は 5 ■熊本県 年と、それぞれ改定や見直しの期間が異なって いつも会員への伝達方法に苦労している。 いることから、その期間を見直すのも方法の一 今回も膨大な改定内容になると思うが、日医 つである。 の説明会は時間が短いのではないか。 実調を用いた検証方法は、速報の段階でやら 厚労省は 2 日間に渡り説明会を開催している ないと間に合わないので、たしかに慌ただしい。 と思うが、日医も時間を延長してはどうか。 そういった見直しも課題として出てくると思う が、現状はこのような形でやらざるを得ない。 □日医 鈴木常任理事 また改定の時期について 7 月や 10 月とのお 時間は出来るだけ取りたいと考えているが、 話もあるが、マイナス改定の場合は影響が少な 皆様の都合もある。横倉会長からは「分かりや いからいいが、プラス改定の場合はどうするの すい資料で」と指示を頂いているので、そのよ か。その時その時で変える訳にもいかない。 「少 うに医療課には伝えている。 しでも低ければいい」という人達もおり、いろ 出来るだけ分かり易く、かつコンパクトに んな思惑がある。この辺りは慎重に検討しなが と考えている。メリハリをつけて、皆様に主 ら、時代の流れの中でいずれは見直しが必要な に関係するところを中心に工夫をして取り組 時がくるのではないか。 みたい。 ■佐賀県 ■長崎県 改定に伴う伝達方法について。説明会に白本 白本について。基本診療料と特掲診療料、そ 持っていってもよく分からないのが現実。 れに対する通知や通達が別々に掲載されている ところが保険医協会、医療系コンサル会社に ので分かりにくい。そこを編集するだけでかな よる説明会は資料も整理、簡素化されて非常に り理解は進むと思うが、そのような編集はでき 分かりやすい。 ないか。 このようなものを日医は日医総研やコンサル 会社と提携して作成し、会員に配布することは □日医 鈴木常任理事 できないか。 今回は発注済みであり、間に合わないと思う。 いろいろご意見をいただいているので、今後 □日医 鈴木常任理事 検討していきたい。 経営者としては同意見である。日医の説明で 分からないところはそのようなところに参加し て聞いている。日医は早く伝達するのが目的で (5)病床機能報告制度と診療報酬改定の最 新情報について(宮崎) ある。3 月 5 日に厚労省の説明会があるが、日 <提案要旨> 医も同日開催であり一番早い。 社会保障・税一体改革で示されている 2025 白本については参考にならないとのご意見も 年の将来像に向けて、病床機能分化・推進の議 あるが、社会保険研究所の解釈本が出版される 論が進んでいる。社会保障審議会医療部会では、 までの間を埋めるものとしてぜひ活用して頂き 一定の合意がみられたものの実際に、医療現場 たい。 はどのような準備をしなけばならないのか、不 今回、映像配信のご意見も頂いているが、同 安な面が多い。 - 48(438) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 また、亜急性期病棟の新設や 7 対 1 入院基本 ■大分県 料の要件強化、再診料を含めたかかりつけ医機 現在の一般病床と療養病床を「高度急性期」 能の評価等について、診療報酬改定の最新情報 をお聞かせいただきたい。 「急性期」「回復期」「慢性期」の 4 つの医療機 能に区分し、それぞれに病床数の上限である「基 準病床数」を設定、または手術件数などの基準 (6)病床機能報告制度と地域医療ビジョン について(熊本) を各区分に組み込み、必要な機能に医療機関を 誘導するといったことが考えられているが、地 <提案要旨> 域で頑張っている医療機関にとってはたまった 社保審医療部会で協議されている病床機能報 ものではない。また、病床機能報告書類の膨大 告制度の具体的なあり方が次第にあきらかにさ な内容をきちんと理解・判断して、決定する能 れつつある。次期診療報酬改定で、「亜急性期 力のある人が存在するのであろうか。 入院医療管理料」の見直しに伴う「亜急性期病 また、その憎まれ役を誰がするのであろうか。 棟」の創設の要件や医療機関が自主的に医療機 能を選択、一定の圏域毎に機能分化と連携の「協 ■長崎県 議の場」を設置して、医療機関の合意形成への 本県では地域医療ビジョン策定にはまだ取り 努力義務や罰則条項など、第 6 次医療法改正 組めていない。 (案)も間近となっている。 これからの最重要課題になるだろう。 また、この報告制度により二次医療圏毎の医 療機能の現状と将来的な医療ニーズの必要量を ■福岡県 示す地域医療ビジョンの作成は、厚労省が作成 行政との意見交換会は開催されていないが、 する「ガイドライン」に基づいて、都道府県に 行政との密接な連携が必要であり、かつ他県で 策定義務を指示している。 の進捗状況の情報の共有も重要と考える。 熊本県医師会では、11 月、12 月の 2 回にわ この件についての各県医師会間の定期的な情 たって県行政と意見交換会を開催したが、先の 報交換が出来るシステムの構築が望まれる。 「療養病床削減」と同様、膨大な内容と医療機 関の痛みを伴う施策であり、困難な局面も予想 ■鹿児島県 される。したがって、県行政と密接な協議の窓 県行政との意見交換等はまだ行っていない 口となる「プロジェクトチーム」を会内に設置 が、地域に合った「地域医療ビジョン」の策定 して、この問題への対応を準備中である。 には医師会の参画が必須と考える。 日医の見解とその対応及び九州各県のご意見 をお伺いしたい。 ■佐賀県 (5)、(6)については関連している為、一括 日医からの行政との早期協議の要請を受け、 協議された。 現在事務レベルで県担当課へ働きかけている。 12 月末の本会常任理事会にて、県担当課から <各県の主な意見> 本報告制度等への説明・協力依頼が行われる予 病床機能報告制度と地域ビジョンについて、 定で、その説明を受け、県医師会としての対応 行政と調整を始めているのは提案県のほか、佐 を検討していく方向で調整中である。 賀県において事務レベルでの取組みがされてい るとの報告があった。この件に関する各県の主 ■宮崎県 な意見は下記のとおり。 県と定例的な意見交換会は行っているものの、 この件に関して具体的な協議は行っていない。 - 49(439) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 ■沖縄県 ついては次回の消費税改正時或いは次回の診療 地域医療ビジョンの策定にあたっては、単に 報酬改定時等が検討されており、まだ先の話で 各病床機能の必要量を基準化し当てはめていく ある。しかし一方では、地域医療ビジョンの策 のではなく、現に地域医療を担う医療機関毎の 定を前倒しする話もあるので、熊本県のように 状況も勘案しながら機能分化と連携を進めるこ 早くから行政と連携を取ることによって医師会 とが必要であり、現場が混乱しないよう取り組 の意向を通しやすい環境作りを各県でもぜひ取 みたいと考えている。当県における地域医療ビ り組んでいただきたい。 ジョン策定に関する県行政との調整について 有床診療所に関しては、報告をより簡便な は、まだ準備段階であり、貴県並びに各県にお ものにするように要望している。病床機能報 ける取り組みを参考にしたい。 告制度は、有床診療所を含む各病院が自主的 に現在の医療機能と数年後の構想・計画につ ■宮崎県 いて併せて報告する仕組みになる。現場が混 社保審の医療部会、医療保険部会の会合資料 乱しないように我々も働きかけていくが、各 について、欲しい内容がどこに書かれているの 県におかれては窓口を一本化し、強力に主張 か見つけにくい。日医にはその辺りについても していただきたい。 対応できるようにお願いしたい。 <追加発言・質疑応答> □日医 鈴木常任理事 ■熊本県 これからは地域医療ビジョンの策定や、基金 新たな財政支援である 904 億円の内容がよ 900 億円の活用などについて都道府県行政の役 く分からない。来週、県と意見交換を行う予定 割が重視とされるようになるので、カウンター であるが、資料提供や情報伝達を徹底していた パートナーである都道府県医師会の役割がます だきたい。 ます重要なものになると思う。今回提案いただ また、行政の最大の弱点は他県の情報を持っ いた熊本県医師会の取り組みは非常に進んでお ていないところである。その点、医師会は他県 り、ぜひ医師会が医療団体の窓口となって取り との情報交換がある程度保たれているので、日 纏めていただきたい。 医にはブロック単位ごとでも良いので何か情報 また情報に関しては地域医療 1 課が窓口とな があれば取り纏めていただくようお願いしたい。 るので、分かりやすく情報を流すように努力し たい。基金については医療法改正後となるので □日医 鈴木常任理事 6 月以降となる見込みであるが、情報は早く分 去る 1 月 21 日に開催された都道府県医師会 かり易く提供したいと考えている。 長会議と同じ日に、厚労省では第 1 回目の全国 診療報酬と病床機能報告との関係であるが、 部局長会議が開催されており、同時スタートと 中医協でもその整合性について議論していると なった。おそらく現時点では県の部長クラスま ころである。病床機能報告制度は医療法改正後 でしか情報を持っていないと思われる。今後の のスタートとなるので、始まるのは 26 年度後 予定は 2 月に全国医政関係主管課長会議が開催 半になるものと思われる。現在、「病床機能情 され、細かい留意事項等について示されるよう 報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討 である。 会」のなかで議論が進められているが、レセプ この基金の内訳は消費税増税分を財源とする トに記載された情報をもとに報告項目を簡易に 544 億円と、上乗せ分として一般会計を財源と 集計する方法が提案されているようである。但 する 360 億円で構成されているが、消費税分の し、レセプト情報の活用はレセコンのシステム 544 億円については継続するものであり、消費 改修に準備期間が必要なことから、実施時期に 税が増収となれば増えると思われる。また 360 - 50(440) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 億円について、私は広い意味で改定の一部と <追加発言・質疑応答> 考えているので民間医療機関を中心に活用し、 ■佐賀県 544 億円は官民公平にと考えている。 調剤の医療費は 10 兆円を超したところであ また、既存事業及び概算要求新規要求事業の る。薬が全て飲まれているかというと私的な意 約 280 億円は付け替えられ、国庫負担が 2 分 見ではあるが、2 割~ 3 割は飲まずに捨てられ の 1 から 3 分の 2 となるので、内容について ていると考えている。ある老人会を尋ねたとき 県との話し合いで調整いただきたい。 に「長期処方した薬を全部飲むか」と尋ねたが、 今回は初回であり先例となるので、我々から 殆どの方が「全部飲みきる前に次の診療を受け も情報提供や提案をしていきたい。また医師会 ることになり、その際、薬が余っている事を医 の横の連携も大切なことである。九州は連携が 師に伝えない」という回答が殆どであった。こ とれている方だと思うので情報交換をしながら ういった状況は全国至るところで起きている問 進めていただきたい。 題であると考えられる。単純に 1 割もしくは 2 割の薬が捨てられているという事は、医療費の (7)長期処方について(熊本) 1,000 億円から 2,000 億円が捨てられていると <提案要旨> いう事と同じである事を理解しなければならな 今国会の委員会で「長期投薬の適否は医師に い。全部ごみ箱行きなのである。末端の診療を よる自律的な判断の問題であるが、医学的根拠 どうするかという事を考えていかなければなら に乏しい長期処方」についての質問主意書に、 ないが、現状では無駄が非常に多い。今の世の 厚労省は「中医協などにおける議論を踏まえて 中の状況では医療費という言葉に過剰に反応し 適切に対応していく」との政府見解を示して、 ているが、我々は保険料を払っているし、窓口 答弁書を閣議決定した。 で 3 割負担又は 1 割負担を必ずしているわけで この問題は、平成 14 年に長期投薬に係る規 あり、日本人全員の人口で計算すると、国は医 制が原則廃止されて以来幾度となく検討されて 療費自体にお金を支払っているわけではなく、 きたが、療養担当規則の「投薬量は予見するこ 医療機器等の環境周囲産業に大半のお金が使わ とのできる必要期間」との条文を盾に、徒に「外 れているという事を国民へもう少し広報してい 来医療」の本質を混乱させる要因になってい かなければならないと考えている。 ると云えよう。日医総研ワーキングペーパー№ 300「2012 年度診療報酬改定後の医療費の分析 ■福岡県 - 長期処方による診療所の外来受信日数減少と ある訪問看護ステーションで調査を行った結 中小病院の現状など -」にも記載されているよ 果、3 人に 1 人がかかり付け医を持たずに直接 うに、更なる高齢化や認知症患者の増加などで 病院で薬をもらっているという状況であった。 問題事例も深刻化しており、この長期処方のあ さらにその一部の患者さんは、「症状が悪くな り方を見直す時期ではないかと考える。 ったら救急車を呼べばいい」という考え方を持 「外来医療」における医療機関の機能分化と連 っているという結果であった。かかりつけ医機 携が進められようとしている現在、日医の見解 能が十分に活かしきれておらず、医療費適正 とその対応及び九州各県のご意見を伺いたい。 化に非常に逆行したものとなっている現状であ る。しかし、この件で一方的に勤務医を責める <各県の主な意見> わけにはいかず、勤務医とかかりつけ医の信頼 長期処方については、各県とも今後は患者側 関係を築く事が大切である。日医への要望とし の不利益にならないよう、ある一定の期間を設 ては地域医療支援病院以外の病院についても紹 ける事が妥当であるとの意見で概ね一致してお 介率、逆紹介率が増加するような仕掛けを検討 り、日医の意見を伺うことになった。 して頂きたい。 - 51(441) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 □日医 鈴木常任理事 との意見があった。なお、廃用症候群について 長期処方については、徐々に見直しが進んで 提案県のような取扱いは、各県ともなかった。 いる。特定機能病院や 500 床以上の地域医療 支援病院だけではなく、500 床以上の全ての病 □日医 鈴木常任理事 院(一部の精神科や療養病床のみの病院は除く) 廃用症候群の話に関しては、西日本の一部の については、投薬日数によって投薬に係る費用 国保連の審査で査定が増えたとの指摘があり調 を制限する方向で議論が進んでいる。 べたところ、リハビリの取扱いについて苦慮し また、500 床以上の地域医療支援病院や特定 ているとの事から、医師会と相談の上、適正化 機能病院の長期処方について、かかりつけ薬局 していくという話を聞いている。この件は厚労 等で分割調剤にしてはどうかという意見が薬剤 省でも把握しており、廃用症候群とリハビリに 師会側からの提案がある。これは十分な議論が ついて今回の改定でも協議されている。議論で されておらず、また、分割調剤で全て解決出来 は廃用症候群に対するリハビリテーション算定 る話ではないと考えている。医師の関わりが抜 回数は増加傾向であり、脳血管及びリハビリテ けているのではないかと考えられるし、処方医 ーションを算定する医療機関で新規患者に対す へ調剤の情報提供の仕組み等があればわからな る神経廃用症候群を算定する割合が 5 割を超 いこともないが、分割調剤ありきの話ではない。 える医療機関は 41.7%であり、年々増加傾向 今回は話がなくなったが、そのような方向性と にあるとの事であった。この論点としては、廃 なっても、かかりつけ医は服薬管理を調剤薬局 用症候群は予防が重要であること、廃用症候群 に丸投げせずに行わなければならない。大変だ 以外のリハビリテーションを算定できる場合は とは思うが、そこはしっかりと対応して頂きた 当該リハビリテーション料を算定することとあ いと考えている。 り、そういったことを踏まえて次回の改定が行 われるのではないかと考えている。また、1 月 (8)青本にない各県独自の診療報酬のルー ルの情報開示(福岡) 15 日の総会で取り纏められた議論の中でも廃 用症候群に対するリハビリテーションにおける 青本に載っていない各県独自の診療報酬のル 対象患者の明確化や評価適正化等を検討するこ ールがあるようである。 とになっているが、適正化という事は大抵引下 たとえば、回復期リハビリテーション病棟入 げに繋がると考えている。 院患者においては 1 日に 9 単位までのリハビリ ローカルルールについては、福岡県の状況は テーションが実施可能のはずであるが、福岡県 厳しいという事は理解できるが、ここまで厳し においては廃用症候群については 3 単位までし い審査は聞いた事がない。審査情報を開示する か認められないようで、4 単位以上は査定されて ことについては賛否両論ある為、日医としても いる。他県の状況はいかがでしょう。もし、各 慎重に対応しなければならないと考えている。 県の支払基金・国保連合会で独自のルールを作 る場合には事前にその正当な理由と情報を開示 する必要があると考えるが、いかがでしょう? (9)あんま、マッサージの施術にかかる医 師の同意について 九州で統一した同意の基 準や書式は必要ないか?(長崎) <各県の主な意見> <提案要旨> 各県からは、両審査機関の審査基準について 近年特に後期高齢者でのあんま、マッサージ 協議し冊子に取纏め、会員へ情報提供している の保険請求が増えている。特に往療の増加が問 との報告があった。また、熊本県からは「審査 題となっている。さらに医療保険を使用するた 情報の開示については一長一短があり、むしろ めには医師の同意書が必要となるが、本来の主 支払審査機関内部での共通認識に留めるべき」 治医の同意が得られない場合「主治の医」と言 - 52(442) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 われる本来の治療医以外からの同意書の提出さ を使用出来るようにした制度と考えるが、一度 れることがある。 制度として決定した事を覆す事は難しい為、な このように同意書の記載をめぐり医師会会員 んとか運用を適正化していく事が重要になって 同士で混乱が生じている。この問題を解決する くると考えている。少しデータは古いが、医療 ために各県医師会がそれぞれの会員にその対処 類似行為の医療費は年間 4,000 億円であり、整 法を通知しているが、今後も継続的な取り組み 形外科は 7,000 億円であるが、医療側は手術等 が必要と思われ、この際九州で統一した同意の も全て含めた金額であるのに対し、医療類似行 基準や同意書の形式の作成が必要と思われる。 為は診るだけで半分以上の報酬を得ているのは 各県ごとの事情が異なると思われるが、この おかしいのではないかと考えている。 ような協議会は必要ないであろうか? □日医 鈴木常任理事 <各県の主な意見> 本件のような問題点について、これまでは議 同意書の対応について各県より、これまで以 論をする場面すらなかったのだが、24 年 10 月 上に患者側、医療機関側への周知徹底が必要と に社会保障審議会医療保険部会の下に 柔道整 の意見や、保険者・関係団体と協議を行う事が 復費療養費検討専門委員会及びあんまマッサー 重要ではないかとの意見が上がった。 ジ指圧、はり・きゅう療養費検討専門検討委員 会の 2 つの専門委員会が設けられ、そこで医 ■宮崎県 療類似行為の検討を行う事となっており、その 本県でも、平成 24 年度に同意書の見直しに 中には臨床整形の先生方や、医師会推薦の先生 ついて、広域連合より提案があった。医療類似 方に委員になっていただいているが、当時の与 行為は非常に問題が多く、特に高齢者のはり・ 党と野党のそれぞれの支援団体との兼ね合いか きゅうは毎年 2 桁以上の伸びとなっている。医 ら、中々話が進まない状況が続いていたが、結 療行為でいう往診の往療行為については、毎年 果的に 25 年 5 月 1 日に医療費の改正が行われ、 倍近く増えており、同意書を確認したところ、 24 年度改定が約 1 年後に反映される形となっ 全件とも内容についてはほぼ同じような内容で た。今回の改定でもどのようになるかまだ先が あり大変雑である。たとえば肩こりの症状でも 見えない状況である。この療養費の問題につい 肩関節の高縮といった診断名がついて、ほとん ては、保険者も非常に厳しい意見を持っており、 ど毎日行われていることから、実際の高縮の角 我々診療側と対立する事が多い保険者側である 度はどの程度であるかといった記載を求めてい が、この部分については、お互いに協力し合い る。さらに変形はどの程度であるかの記載並び この問題を解決していきたいと考えている。 に適用となっても、往療が必要であるかどうか、 厚労省もあまり積極的ではないが、こういっ 肩が悪いだけでなぜ往療が必要であるかを明確 た協議の場が出来てきた事によって議論の機会 にするべきである為、度合いを記載するように が増えていくと考えている。また、九州各県で 求めることについて、関係団体へ通知したとこ 同意書を統一する事が出来れば、全国にもモデ ろ、内容が重すぎるとの反発があった為、角度 ルとして取り上げていく事が出来ると考えてい 等までの詳細は求めないが、肩の高縮軽度の状 る。宮崎と長崎のようなモデルをまず九州で広 況を記載することで決着した。本来は内容をも げていくのもいいかと考えるが、関係団体との う少し厳しくしたいが、関係機関との関係もあ 日頃の関係もあるかと思うので各県にあった形 る為に妥協せざる負えない状況であった。広域 で対応頂きたい。また、養成校が増えた事も問 連合に確認したところ、伸び率は減少したとの 題であると考えている。 報告があった。柔道整復についても問題である。 大学等でも、柔道整復等の学科を新設される 一番の問題点は医療類似行為に対して健康保険 事になっているような状況ではあるが、少しず - 53(443) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 つ改善するように厚労省等へ働きかけを続けて った初歩的な事から、定例報告まできめ細か いく事が重要であると考える。 い内容の説明会であったとの事で、非常に好 評であったとの事である。また、近畿のある (10)厚生局適時検査に関する要望(福岡) 県でも、県と調整し、施設基準の説明会を開 九州厚生局は医療機関に対して定期的に「施 催させたようである。その他、適時調査の指 設基準に係る適時調査」を実施している。しか 摘事項等を情報提供していく事も重要である しながら、本調査内容に関する施設基準の解釈 と考える。一時期、関東では大きな問題とな 及び関係書類が医療機関と厚生局でその認識に っていたが、現在は比較的落ち着いている状 関して違いがあるように感じる。厚生局の解釈 況である。情報共有はかなり有効であると思 は文章等に書いてあることと比較してきわめて うので、是非各県から行政側に働きかけをし、 厳格であるようである。そこで、医療機関と厚 説明会等を開催する事で医療機関と行政側に 生局で本基準について同一の見解を持つために 誤解が残ったままにしないといった取組み等 何らかの講習会などを開催し、チェックリスト も必要であると考える。 などの作製を求めたいと思うが、日医の見解は <追加発言・質疑応答> いかがか。 □長崎県 <各県の主な意見> 現在の厚生局の話とは別に、福岡で起きた火 各県からは、提案県と同様に同一の見解を持 災の後、厚生省と国土交通省より有床診療所の つ事に概ね賛成との意見であったが、審査を統 調査があったかと思う。この内容についても似 一することで厳格化する危険性も孕んでいると かよっており、やはり縦割り行政を 1 本化して の意見もあった。本県からは、施設基準調査で 頂きたいと考える。 返還や取下げを要求する際には青本上も明らか な点を根拠とすべきで、それ以外は指摘に留め □日医 鈴木常任理事 るべきであると意見した。 我々としても、なるべく重複した内容となら ないよう厚生局へ働きかけを行っている。 □日医 鈴木常任理事 以前は九州ではあまり問題ないという認識で ■福岡 あったが、最近になってこういった事例が増え 福岡県では、厚生局による施設基準の定例説 てきているのではないかという認識である。 明会等を 4 ブロックに分けて毎年行って頂いて この問題は確かに医師会の立会が無い為、医 いるが、適時調査については、厚生局で今年度 療機関からの報告がないと分からないまま調査 はどの部分を中心に調査するといったところを が行われ、届出通り行われていないと言われれ 明らかにして頂きたい。 ばそうかもしれないが、説明も十分に行われな いまま、その部分だけ厳しくするというのは問 □日医 鈴木常任理事 題ではないかという話をしている。是非、厚生 そういった情報があればもちろん情報提供す 局が説明会を開催して認識の違いが無いよう努 るが、厚生局はその部分については明らかにし めて頂きたいと思っている。 ないのではないかと考えている。 関東のある県では、県医師会が厚生局へ働き かけを行い、3 年がかりで厚生局の指導監査課 ■鹿児島県 主催の施設基準等講習会を全病院対象に行っ 以前に本件より同じような内容を提案させて ており、92%の病院が出席したとの事であっ 頂いた。ある医療機関が 1 年間の間に、個別指 た。2 時間半の講習で施設基準とはなにかとい 導、保健所の監査、厚生局による適時調査等が - 54(444) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 1 年で 3 回も行われたという内容であったが、 おらず対応に苦慮しているとの意見等が出され いずれのチェックについても同じような項目を た。また福岡県からはジェネリック医薬品を品 チェックされており、保健所と厚生局の情報交 質、安定供給、情報量の 3 点について評価した 換が全くされていない為に医療機関に不利益が 「ジェネリック医薬品採用マニュアル」を作成 生じることは問題であるとして、九州厚生局へ しているとの報告があった。 異議申し立てを行った所、保健所は各地区によ って管轄が違う為、情報交換は難しいという事 □日医 鈴木常任理事 であったが、今後は対応について努力するとの 国はジェネリックに関してかなり強力に利用 回答であった。 を推進していく方向である。先生方には完全に しかし、以前に自身の医療機関も適時調査を 信頼しきれない部分もあるかと思うが、この 受けたが、医師以外の従業員で対応するのが適 度、日医に薬務対策室を設け、薬剤師で行政の 時調査であり、また、適時調査については返還 経験者に入って頂き対応をしているが、ジェネ 命令が出ないものであると考えていたが、年間 リックの問題は先発品とは完全に異なる点があ 45 ~ 50 件の適時調査が行われる中で、その内 るという点である。1 つは製造ライン全体が異 の 1、2 件は 1 千 5 百万円を超える大きな返還 なり、先発品を作る所で必ずしもジェネリック 事例が出ているのが現状である。それを未然に が作られているという事ではないという点、2 防ぐためにもやはり、チェックリスト等を作成 つ目は在庫管理の姿勢や配送体制が異なる点、 し、全医療機関へ配布しなければならないと考 3 点目は、添加物の種類や製剤の加工技術が異 えている。これについては各県とも行政側と調 なる点であるが、医療側が 1 番重要視するのは 整する必要があるのではないかと考えている。 有効性と安全性の部分である。ジェネリックは 先発品と有効成分が同じという事になっている □日医 鈴木常任理事 が、動物や人の組織細胞を用いた非臨床の薬理 情報共有を各県の医師会が中心に行って頂く 試験と、人を対象にした臨床薬理試験が省略さ とかなり有効であると考える。日医としても、 れており、実際は生物学的同等性試験と安定性 情報提供が出来る内容があれば伝えていきたい 試験で代用している。生物学的同等性試験は血 と考えている。 中濃度の推移に統計適用されなければいいとい う事と、安定性試験は有効期間保存して有効性 (11)ジェネリック薬品の品質向上について (沖縄) が一定の範囲内であれば同等以上と判定する事 になっているが、国の基準というのは最低限の <提案要旨> 基準となっており、メーカーごとの製剤の差異 厚労省はジェネリック薬品の使用促進を勧め を完全に排除することができない。日本の問題 ている。効果および副次反応については先行薬 点は後発品の種類が多すぎる点であると考えて 品と同等性は担保されておらず、現実に日常診 いる。非常によく使われるような後発品が出る 療でも経験している。 と一斉に何十種類も出されることがある。こう ジェネリック薬品の認可承認時には「安定性 いった動きは問題であるという事で徐々に集約 に関する資料」および「薬理作用に関する資料」 化していく動きがあるが、いきなり全てに適用 を義務付けるように改正することを要望する。 という事は難しいと考えている。 福岡県の取組みは非常に先進的なものである <各県の主な意見> と考えている。マニュアル等を作成し、評価し 各県ともに国のジェネリック推進の動きに対 て医療機関の採用の参考にしてもらっていると して、安全性及び有効性が担保されていない中 いう事であり、医師の臨床の結果を踏まえ、後 で、ジェネリックに対する不信感が払拭されて 発品の選択を行うべきであると考えている。地 - 55(445) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 域の基幹病院で採用しているジェネリックをホ にジェネリック医薬品の使用マニュアルのリス ームページ上に公開しているところもあるよう ト、汎用ジェネリック医薬品のリスト、モデル なので、そういった部分も活用してもいいので 病院で作成しているリスト等を提供している。 はないかと考えている。ジェネリックの中でも、 また、各地域で地域協議会を作り、ジェネリ 「信頼出来るもの」の情報等を共有していくこ ックには在庫の問題があることから、汎用され とで、「信頼されていないもの」が淘汰されて る薬剤についてなるべく交換出来るような体制 いくような取組みが必要であると考えている。 をとっている。 <追加発言・質疑応答> ■鹿児島県 ■鹿児島県 あんまマッサージの件であるが、国保連合会 本県もジェネリックの使用率が全国で 2 番目に の審査員をさせていただいているが、在宅医療 高い。低所得者が多いことと、処方箋の 7 割は が進むにつれて同意書問題がクローズアップさ サインがなく、ほとんどが薬剤師の裁量にかか れている。事務共助として、治療もなく同意書 っている状況である。それでも品目数が 23% を発行した場合はすべてピックアップされ、そ 程度であり、30%は超えていない。大病院の れをもとに審査員の裁量権をもって審査してお DPC を入れることによってジェネリックの利 り、大分抑制できている。また、県医 FAX ニ 用促進を図っていることと、大手メーカーのジ ュース等で会員へ情報提供している。 ェネリック参入により、少しずつではあるが使 用率が上昇している。患者側のニーズとしては ■熊本県 医療費が抑えられるということもあって、安全 本県でも使用促進協議会を開催しているが、 性さえ確保できれば、使用は促進されてもやむ その中で薬剤師会を中心に代表的なジェネリ 負えないと考えている。 ックの良質試験を行っており我々に情報提供 がある。この面ではある程度進歩しているが、 ■福岡県 製薬会社からの情報提供が一切ないという事 平成 19 年からジェネリックの使用促進協議 で不安を訴える先生方が多いという状況を報 会を開催している。県庁、薬剤師会、モデル病 告する。 院とで協議を行っており、県庁のホームページ 印象記 理事 平安 明 平成 26 年 1 月 25 日(土)に平成 25 年度第 2 回医療保険対策協議会が ANA クラウンプラザ沖 縄ハーバービューホテルにて開催された。今回は 11 題の議題があったが、診療報酬改定直前と いうこともあり、それに関する議題が半数以上を占めた。詳細は議事録を参照していただきたい。 今回の改定は消費増税分の補填分に関し、財務省が主張する 1.23%でなく厚労省主張の 1.36% (5600 億円相当)を満額確保したことや、医療提供体制改革のための基金 900 億円を創設したこ となど評価できる点もあるが、消費増税補填分を除いた通常改定分の本体改定率は 0.1%(400 億 円相当)と前回改定時(1.379%)に比べると微増であり、薬価と材料価格がマイナス 1.36%なの - 56(446) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 ネット改定率は実質マイナス 1.26%と厳しい結果といえる。消費増税分の補填は言わば当然のこ とであり、財務省主張分より厚労省主張分が獲得できたのはよかったことではあるが、それです べて補填できるのか、次の 10%に上がった時にどうするのか等課題は多い。何れにしても “消費 増税分を活用して 0.1%のプラス改定である” との国の主張には違和感を感じざるを得ない。この 印象記が出る頃には次期診療報酬が決定していることと思われるが、基本診療料の増点(初診料 12 点、再診料 3 点、外来診療料 3 点)はあくまで消費増税補填分であり、評価されて点数が戻っ た訳ではない。今後もさらに検討が必要である。 病床機能報告制度については地域医療対策協議会でも取り上げられ協議されているので、そち らの議事録もあわせてご覧になっていただきたい。この制度は医療法改正後のスタートなので、 実際に始まるのは平成 26 年度後半くらいであろうとのことであったが、今後の地域医療のあり 方に大きく関わることになるため会員の皆様も注視していただきたい。 当県からは「ジェネリック医薬品の品質向上について」を提案させていただいた。沖縄県はジ ェネリック使用率が全国 1 位であるが鈴木常任理事を始め多くの方が、“沖縄はジェネリックを積 極的に推進している模範県” と認識していたようで驚いた。負担の少ない方を選択せざるを得な い経済的事情や比較的受容しやすい県民性等の複合的結果として使用率が上がっていると思われ るが、だからこそ、処方する側としては安全性や同等性の担保をしてもらいたいし、それによっ てさらに使用が促進されるのではないかと思う。 今年度は当県が九医連の担当であり、第 2 回目各種会議を無事に終えることができたのは、ひ とえに事務局スタッフの周到な準備の賜物である。関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。 会員にかかる弔事に関する医師会への連絡について(お願い) 本会では、会員および会員の親族(配偶者、直系尊属・卑属一親等)が亡くなられた場合は、沖縄 県医師会表彰弔慰規則に基づいて、弔電、香典および供花を供すると共に、日刊紙に弔慰広告を掲載 し弔意を表することになっております。 会員に関する訃報の連絡を受けた場合は、地区医師会、出身大学同窓会等と連絡を取って規則に沿 って対応をしておりますが、日曜・祝祭日等に当該会員やご家族からの連絡がなく、本会並びに地区 医師会等からの弔意を表せないことがあります。 本会の緊急連絡体制については、平日は本会事務局が対応し、日曜・祝祭日については、緊急電話 で受付して担当職員へ取り次ぐことにしておりますので、ご連絡下さいますようお願い申し上げます。 ○平日連絡先:沖縄県医師会事務局 TEL 098-888-0087 ○日曜・祝祭日連絡先:090-6861-1855 ○担当者 庶務課:國吉栄人 知念さわ子 山城政 - 57(447) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 2.介護保険対策協議会 副 会 長 安里 哲好 常任理事 宮里 善次 理 事 比嘉 靖 監 事 山里 将進 挨 拶 厚生労働省が国立長寿医療研究センターを通し ○沖縄県医師会 安里哲好副会長 て行った評価では、医師会モデルを最も高く評 在宅医療の分野については、昨年 9 月に開催 価している。 した第 1 回各種協議会において「在宅医療対策 今後 3 年で 500 か所まで事業を増やす計画 協議会」として開催したところであるが、在宅 の中、今年度、各県において再び募集が行われ 医療を推進するに際し介護分野との連携が非常 たと思われるが、長崎県においては各市町村が に重要であるとの考えから、今回は「介護保険・ 消極的なことから、なかなか郡市医師会の手挙 在宅医療対策協議会」として開催させていただく げがままならず、今年度、医師会として新たに こととした。本協議会が会員のための一つの指標 取り組んでいただける所は 0 か所であった。各 となれればと考える。よろしくお願いしたい。 県の状況はいかがか。 ○日本医師会 高杉敬久常任理事 (2)平成 25 年度在宅医療連携推進事業の進 今度の改正はいろいろと盛り込まれて審議さ 捗状況および地域医療再生臨時特例交付金 れるようである。地域の取り組みはどうかと気 の活用状況(福岡県) にしながら、本日は近々の情報も流しながらと <提案要旨> 考えている。よろしくお願いしたい。 各県とも平成 23 年度・24 年度の国のモデル 事業を皮切りに、本年度も引き続き在宅医療連 協 議 携拠点事業を中心として在宅医療連携推進事業 (1)在宅医療連携拠点事業について(長崎県) を実施されていることと存じます。 <提案要旨> 本県においては、地域医療再生臨時特例交付 既に先行して行われたモデル事業において、 金(在宅医療推進対策)の活用について、平成 - 58(448) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 25 年度からの 3 年間で、県内 30 郡市区医師会 の導入が盛んに行われているが、沖縄県でも医 と県行政が直接契約の上、 「地域在宅医療推進事 療連携を目的とし設立運営を行っている「おき 業費補助金」の名目で 1 医師会につき 750 万円 なわ津梁ネットワーク」に在宅医療支援システ (平成 25 年度:150 万円、平成 26 年度:300 万円、 ムを組み合わせることで、医療連携・在宅医療・ 平成 27 年度 300 万円) が交付される予定である。 介護サービスの統合を目指しているところであ その対象事業は、1. 医療資源の調査、2. 医師会 るが、資金面、運営面、具体的システム構築な 内での検討会、3. 在宅患者を支える医療体制の どの多くの問題を抱えているのが現状である。 検討、4. 多職種連携研修会、5. 市民啓発、6. 各 各県の医療(医療連携、在宅医療)・介護保 地域在宅医療支援センターとの協働に関するも 険サービスの ICT を用いた統合、展開などに のとされ、それに基づき郡市区医師会が地域の ついて現状、計画等をご教授願いたい。 特性に応じた事業計画を作成することとされて 協議事項(1)(2)(3)は一括協議 おり、現在までに全郡市区医師会より基準額相 当の計画書が提出されている。 <各県回答> 本年度については、交付金の決定が年度途中 在宅医療連携拠点事業への取り組みについて になり事業開始が遅くなった結果、事業実施期 は、長崎県と宮崎県を除き各県ともに取り組み 間が短くなり、各医師会で実施可能な事業が制 が行われるとの回答が示された。 限されており、また、各地域の既存の在宅医療 大分県では、今年度より全ての二次医療圏で ネットワークなどの事業との連携を含め、それ 在宅医療連携拠点事業が実施されており、実施主 ぞれの郡市区医師会により事業計画・予算配分 体は地区医師会や市町村等であることが報告さ に温度差があるなど、来年度以降に向けた課題 れた。熊本県では、26 年度より全郡市医師会で も浮き彫りになってきている。しかしながら、 実施予定であることが報告された。福岡県では、 本県では、県下全郡市区医師会に均等に補助金 平成 24 年度の厚労省事業とした実施した郡市医 を配分することで、在宅医療が進んでいる地域 師会の事例をモデルとして、県下全郡市医師会に は更なるレベルアップを図ることができ、まだ 対し説明会を行い、県下全郡市医師会に均等に 行政や多職種との連携が進んでいない地域につ 予算を配分し事業を実施予定であることが報告 いては、多職種を含めた協議会や研修会を開催 された。鹿児島県では、県医師会に在宅医療支 するなど「顔の見える関係」の構築のために活 援推進室を設置し研修会や市民フォーラムを開 用されることが期待される。 催するとともに、各郡市医師会にて事業が実施 そこで、九州各県医師会において、同交付金 される予定であることが報告された。佐賀県で の活用状況並びに在宅医療推進に向けた事業に は、県医師会に在宅医療連携拠点施設、在宅医 ついてどのように検討されているのかご教示い 療・介護関係機関、行政を構成委員とする在宅 ただくとともに、在宅医療の推進及び地域包括 医療連携拠点連絡会議を設置し、連携拠点間の ケアシステムの構築について日本医師会の今後 連絡調整を実施するとともに、各郡市医師会に の方向性等について併せてご教示いただきたい。 て事業が実施される予定であることが報告され た。本県では、 県医師会内に各地区医師会や行政、 (3)在宅医療・介護保険連携の現場におけ る ICT 導入について(沖縄県) 医療、介護団体で構成する在宅医療連携推進委 員会を設置し、本委員会にて在宅医療連携体制 <提案要旨> の事業項目を策定するとともに、各地区医師会 平成 24 年度の厚生労働省事業「在宅医療連 にて事業を実施頂く予定であることを報告した。 携拠点事業」等により、各地において在宅医療 ICT の活用については、大分県別府市の「ゆ の現場に医療施設と在宅医療スタッフ(歯科、 けむりネット」、長崎県の「あじさいネット」、 薬剤、介護スタッフ)の連携を目的とした ICT 福岡県北九州市の「カナミック」、鹿児島県の「か - 59(449) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 ごしま救急医療遠隔画像診断センター事業」、 いうところもあるかと思うが、地区は目覚めて 佐賀県では 1 郡市医師会でシステムが構築予 いただき、県医師会は県行政とやりあっていた 定、宮崎県では 2 つの市で医療介護の連携のた だきたい。医師会が正に大きな発言権を持てる めの ICT 導入が試行される予定であること等、 機会だと考える。これが各県で差がある。しか 各県においても様々な取り組みがなされている し目覚めている医師会と目覚めない医師会の差 ことが報告された。また、医療情報の先進県で が極端に出てきては困ると考える。それをきち ある長崎県からは、ICT を活用した医療介護の んとやってほしいということがこのグループ会 連携について、「多職種連携に関わる職種のう 議の大きな目標となっている。その辺を踏まえ ち、どこまで入会を認めるか」、「情報をどこま 取り組んでいただきたいと考える。 でみることができるようにするか」とした課題 お金の問題は消費税を使うということであり、 も提起され、システムの利便性に相対するセキ 単年度の、これまでのいい加減なお金ではない。 ュリティの確保について、より慎重な検討が必 これは正に地方分権の一番の象徴的なものであ 要であるとした意見が示された。 る。国の指導の下に、県、地区がしっかり頑張 っていこうと、医師会はむしろ地域のリーダー <日本医師会コメント> になってほしいと考える。危機感を持って取り 在宅医療連携拠点事業は、昨年 5 月にモデ 組んでいただきたい。地区医師会のリーダーが ル事業の説明が行われた。その時まで日本医師 発信しながら、動く人を引っ張っていき、医師 会にもあまり情報が入っていなかった。おそら 会の考え方を変えていく。これに取り組まなけ く県医師会にも入っていない。行政マターとし れば、かかりつけ医の機能がなくなってしまう。 てバタバタと動いて実施されたということが大 地域で私達が信頼される医師会に、あるいはか 体のスタートであった。8 月に出された社会保 かりつけ医になるためには、発信していかない 障国民会議の中に、これからの日本の進む方向 と地域住民を不幸にする。そういう意味で頑張 がはっきりと示されている。地域包括ケアを国 っていただきたいと考える。各地区でやってい 策として取り組む、医療保険と介護保険を融合 ただきたいという厚労省のはっきりとしたメッ する、消費税を充てる、これは国民の為に使う セージもある。よろしくお願いしたい。 ということがはっきりと明記されている。段々 ICT 活用について、連携のツールには、それ と明らかになってきた。昨日から始まった通常 ぞれの地区でいろいろな取り組みがある。医師 国会でも多分これが議論となり制度化されてく だけや訪問看護だけの情報では不都合なことが る。その前の準備段階として、在宅医療連携拠 多くある。そのセキュリティをどのようにして 点事業であり、あるいは介護保険の要支援 1 を いくか。各地区でいろいろな取り組みがある。 地域支援事業に持っていく等、いろいろなメッ その中の良いところを集め、また流す、あるい セージが入っている。在宅医療連携拠点事業も、 は国の方で紹介するということを、モデル事業 いわゆる医療と介護を融合させる、市町村行政 と組み合わせてやるということも考えているよ はしっかり頑張る、県にはしっかり指令を出し うである。大きく厚労省も動き出している。 ていただく、そして県行政と県医師会、地区医 介護保険のあり方も介護保険部会で 12 月に 師会と市町村がきちんと連携し、そのまちづく 答申をまとめた。医療はしっかりしなければな りを考えていただきたいというメッセージで、 らないし、今までの地域包括支援センターは何 今これから一気に進めようとしている。これは をしているのかということもしっかり書き込ま 正に、各地区で計画を立て行政にどうするのか せた。本気でやる。お金は消費税を持ってくる。 と医師会が問いかけるくらいの迫力を持ってま 相当の余裕もできてくるということになれば、 ちづくりに入っていただかないと困る。確かに これをきっかけに動くということが必要だと考 情報も少なく、どうしたら良いか分からないと える。 - 60(450) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 (4)地域支援事業(在宅医療・介護の連携 推進の事業)について(鹿児島県) 2014 るとすればコンピュータのソフトウェア変更の 費用負担に加え、ただでさえ多忙な地域包括支 <提案要旨> 援センターの負担増大につながるのではないか。 本年 8 月 28 日に開催された介護保険部会にお 日医の見解及び各県のご意見を伺いたい。 いて地域支援事業の議論がなされ、これまでの 協議事項(4)(9)は一括協議 在宅医療連携推進拠点事業(平成 23・24 年度) 、 在宅医療推進事業(地域医療再生交付金:平成 <鹿児島県追加発言> 25 年度~)の成果を踏まえ、在宅医療・介護の 11 月 14 日の介護保険部会において厚生労働 連携推進の恒久的な制度として介護保険法で位 省が出した修正案の中に、2 号保険料が充当され 置づけ、 全国的に展開することが検討されました。 ることが記載されてあり、この質問自体が成立 現在の地域支援事業は、総合相談支援業務や しないということを先ずお詫びしたい。鹿児島 権利擁護業務、介護予防ケアマネジメントなど 県では在宅医療を進めるにあたり、県主催で在 を一括して地域包括支援センターに委託するこ 宅医療市町村セミナーというものを行政が開い とになっていますが、医療に関しては専門的な ている。3 市町村毎に首長も出席し、振興局、県 知識、経験が必要なことから在宅医療・介護の 医師会、それぞれの地域の郡市医師会が出席し、 連携推進に関する業務については、これを適切 在宅医療について話し合っているが、その時に に行える事業体に別途委託ができる仕組みにし 出る資料として、保険料の最高から最低、鹿児 ようとの議論でした。 島県でも 2 倍の差がある。市町村の財源にかな この議論では、財源を国・県・市町村・1 号 り差があると思うが、これで果たして地域支援 保険料としており、2 号保険料は財源にしない 事業ができるのかどうか。介護保険部会でその とされています。しかし、実際は、2 号保険者 辺の仕組みについて議論されているのか首長も も恩恵を受ける事業であり、2 号保険料も財源 県行政に質問するが答えられない状況。その辺 とすべきと考えますが、各県のお考え及び日医 の進み具合を聞かせていただければと考える。 の見解をお伺いしたい。 <各県回答> (9)要支援者のサービス利用手続きはどう なるのか(大分県) 各県より、要支援者介護サービスの一部を市 町村の地域支援事業に移管することについて <提案要旨> は、市町村財源の差によるサービスの低下を招 厚生労働省は、 「要支援」向けの介護保険サー かないかとする意見や、地域包括支援センター ビス(予防給付)を、地域支援事業に全面的に の負担増につながり、本来の役割を担い得ない 移す改革方針を転換し、移管は最も利用者の多 状況にならないかとする意見が示された。 いデイサービスや訪問介護のみにとどめ、訪問 看護などそれ以外のサービスは今の仕組みに残 <日本医師会コメント> すことを提案した。 「サービスの質が下がる」な 地域支援事業は非常に大切になってくる。あ どの慎重論に配慮し、当初案より対象を絞り込 るいは明確になってくる。介護保険部会でも、 んだとしているが、両者にまたがるサービスが 要支援 1、2 を外すことはいかがなものかと相当 必要な利用者の手続きはどうなるのであろうか。 な異論が出た。しかしながら、本日資料に示し 地域包括支援センターのケアマネジャーが一括 た 1 ページ、これが全てを表している。予防給 で書類作成を行うのであろうか(現時点で 150 付と地域支援事業がこれまでやっていたことを 万人分) 。それとも 2 つの事業所でそれぞれ書類 一緒にして、事業化して新しい総合事業にして を作成するのであろうか。書類が 2 種類であれ いく。要支援事業もそれに入れる。既に認定を ば事務量が増大するであろうし、1 種類にまとめ 受けている人、あるいは制度化される前に認定 - 61(451) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 を受けている人は、29 年度までに全て新しい地 らの発言を、介護分野の人達も入りインフォーマ 域支援事業に入っていくということである。費 ルなサービスも入れてということになると、まち 用の財源は、このページに示しているとおりで が元気になってくるという効果を期待している。 ある。従来の給付はそのままであるが、いわゆ る通所系の訪問介護や通所介護は予防給付に入 (5)「在宅医療」と「高住・有料老人ホーム」 れていくということである。介護保険の適応と (熊本県) なる人を出来るだけ抑えていかないとどうにも <提案要旨> ならない。これからの 2025 年を考えるときに、 「施設から在宅へ」 ・ 「地域包括ケアシステム」 ・ いろいろな目標を掲げ、そこに向かっていこう 「医療と介護の連携」など声高に叫ばれ、強力 ということである。要支援 1、2 の費用が節約で に「在宅医療」が推進されている。 き、元気なお年寄りが増えればいわゆる成果が 熊本県医師会も熊本県行政に協力して「在宅 上がってくるという見通しも立っている。介護 医療」を推進する立場である。 保険部会において、地域包括支援センターの事 以前より、英力魚の利益追求の為のモラルハ 務量がもの凄く大変だということは行政もしっ ザードについて発言してきたが、今回、日医総研 かり言われていた。しかしできるだけその業務 より 「介護保険下における営利企業の現状と課題」 量は減らしていく。しかしケアマネジメントは と題してワーキングペーパーが出された。正に営 一貫性がなければいけない。予防給付のみであ 利企業の利益追求、不正事案、患者紹介サービス、 っても担当ケアマネ一人で十分であろう。これ 囲い込み、ひいては公的介護保険の持続可能性を から動かしてどのようになるかは予測の段階で も危うくさせる実態が報告されている。 はあるが、そこで踏み留まっていたのでは、い また、ある新聞報道で、ある営利企業が、利 わゆる地域支援事業はできないということで、 用者が体の不調を 2 ~ 3 回訴えたが受診させず とにかくやってみようと。その事務量に比べて 重篤になって受診させ死亡させた。その結果、 効果のほうが大きいということである。既に保 事業取り消し処分となったとの報道を見た。正 険料が各市町村で違うが、保険料を全国平均で にこういう事が実態と推測する。 5,000 円、上がることは予測されるがそこをでき 自社の居宅支援事業所でケアプランを作成 るだけ抑えていきたいということも考えている。 し、自社の介護サービスを優先的に利用する。 医療はその次だという方針がうかがえる。 <大分県> この状況で「在宅医療」が医療と介護の連携 事業内容については市町村の裁量となる。市町 のもとで有効に機能するのだろうかと心配して 村で差ができるのではないかということを一番気 いる。かかりつけ医が「在宅医療」に関心を持ち、 にしている。市町村で幅があることはしょうがな 取りかかれるような状況を作ってほしいと思っ いと考えるが、ある程度以上はどんな市町村でも ている(利用者が必要)。さもなくば、地域で していただきたいということが一番の願いである。 の高齢者の安全・安心の確保はもとより、開業 医、地域医師会にとっても将来は無いと断言で <高杉常任理事> きると考えている。 そういう目標を掲げていくということで、市 このような状況に関して、各県医の考え方、 町村行政の考え方に委ねられるものである。逆に 日医としての取り組み方針をお伺いしたい。 言えば市町村の独自裁量でいろいろなサービス をつくって良いということもある。そこまで細か (8)施設入所とかかりつけ医(熊本県) く制約を付けていない。市町村で頑張って下さい <提案要旨> というメッセージである。その中に医師会もしっ 老人ホームやサ高住等のケアマネジャーや介 かり入り発言していただきたい。我々が医療面か 護施設の施設長が、入所者に対して、かかりつ - 62(452) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 け医を配置医師へ変更を迫る例がある。 するかということも当然入ってくる。高齢者の 施設入所者でも送迎により通院可能な者まで 住まいをどうするかということで、大都会周辺 専門医以外の嘱託医が往診を行うことは ADL でサ高住が広がっている。地方でやっていると、 の低下を招き寝たきりをつくることになる。 普通のことをやっては利益が上がらないためい 主治医を尊重すべきと考えるが、各県及び日 ろいろなことをやっている。そこに対してケア 本医師会のご意見をお伺いしたい。 マネがどうなのか、ケアマネ同士のチェックは 協議事項(5)(8)は一括協議 どうなのか。あるいは医療がそこに入っている か。その辺のチェックシステムをこれから作る。 <各県回答> 地区医師会が本気で地域を見だしたら、それ 各県ともに、利用者の状態ではなく営利を優 は直ぐに炙り出されるであろうと期待している。 先するサービス提供に係る対応策として、かか 今までに存在している有料老人ホーム等につい りつけ医や地域医師会の積極的な関与が重要で ては、老人福祉法等で入ってチェックすることは あるとの回答であり、福岡県からは、ケア会議 あるが、実際に忙しくて出来ていない。県あるい への医師の積極的な参加が極めて大切であると は市が動かざるを得ない。その辺が今回これから した意見が、鹿児島県からは、郡市医師会毎に の新しい形としてのチェックシステムが効いて 関係団体、行政等で構成する連絡協議会を設置 くると考える。ケアマネの向上研修もやり直して し、その中で地域で起こる問題等についても情 いる。主任ケアマネについても、いい加減な認 報交換を行う等の対応策等について意見が示さ 定の仕方で良いのかということも私は言ってい れた。また、施設系在宅医療と在宅かかりつけ る。もう一つ、 介護情報制度も大きく変えていく。 医の提案については、かかりつけ医の医療の優 これは住民が見えるような形にとにかくしよう 先制やフリーアクセスの権利の尊重、施設の形 ということである。日医総研のワーキングペーパ 態等の状況により、柔軟に対応する必要もある ーを確認いただきたい。 介護保険の伸び率以上に、 とした回答が示された。 そういう施設の収入が上がっているということ は、やはり何かをやっていると想像せざるを得な <日本医師会コメント> い。それを明るみに出さないと、やはりこれから 介護保険は、いわゆる業者が参入して良いと、 大変なことになると考える。 その中にいろいろなものが入り込んできたこと 施設入所とかかりつけ医の件については、特 は確かである。これは医師外しと言えないこと 別養護老人ホームで配置医師がおり、みだりに もない。日医総研から介護保険下における営利 往診を頼んではいけないということが特別養護 企業の現状と課題というワーキングペーパーが 老人ホームについては書いてある。ただし、専 出ている。営利企業はあらゆる手段で利益を上 門外の医療が必要な場合は往診を依頼すること げようとする。その中には介護サービスあるい は当然である。配置医師の今までのあり方も変 は周辺サービスで提供している以外の施設サー えないといけないと考える。良心的な医師がき ビスは全く密室であるということは確かである。 ちんとやれるようなことにしなければならな それをどのようにチェックするかということで い。かかりつけ医は、そこの施設に入ったらあ あるが、これまで地区医師会で何かしていたか る程度はそこの嘱託医師と連携する。あるいは というと何もしていない。介護認定審査会の役 何かあった時には頼むよという人間関係も大切 目として、サービスをどのように提供して下さ かと考える。自由に入るということは難しい。 いというチェックはしても、そこに注文はでき サ高住の医療、これは当然入居者の権利はある ない。介護保険は新しい段階に完全に入ったと だろうと、これもケアマネの質と関わってくる 私は思っている。そうすると地域ケア会議で、 が、私がここに入る条件として私のかかりつけ この不良なところの施設をどのようにチェック 医に往診していただく等、それはそれでも十分 - 63(453) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 にできるであろうと。この辺はこれからのチャ 方からすると、個人にきちんと対応していない レンジである。今は国交省マターでサ高住がど ということになる。医療は一律にやれるもので んどん作られている。そこに厚労省がなかなか はない。同じように介護サービスも同じように チェックできていない。このチェックできるシ 一律にやれるものではない。個人の望むことと、 ステムこそ、これから必要であろうと考える。 体の状況を勘案しながら、本人に一番良いケア マネジメントをつくるということが、介護保険 (6)在宅医療の報酬について(佐賀県) のケアマネジメントの根幹である。 <提案要旨> 佐賀県では、現在、在宅医療・介護保険連携 (7)厚生労働省市町村認知症施策総合推進 体制の構築に取り組んでいる。郡市医師会が連 事業「認知症初期集中支援チーム設置促進モ 携拠点施設を担い、郡市医師会が中学校区程度 デル事業」及び「認知症医療支援診療所(仮 の範囲に各 1 か所の在宅医療・介護連携のグル 称)地域連携モデル事業」について(福岡県) ープ窓口施設(主に医療機関)を設置し、郡市 <提案要旨> 医師会関与のもと医療機関や関係事業所・施設 厚生労働省は、認知症施策推進 5 か年計画(オ のグループ化を進めている。このグループには、 レンジプラン)の着実な実施を図り、全国の自 医療機関では、在宅医療に特化していない或い 治体で、認知症の人とその家族の支援体制を計 は重点化していないが、少数の患者に在宅医療 画的に整備することを目的とした、認知症対策 を提供している医療機関にも産科いただく方向 等総合支援事業を開始した。 で進めている。これらの医療機関では、在宅患 そのうち、市町村認知症施策総合推進事業の 者の診療報酬や訪問看護の介護報酬・診療報酬 一部として、「認知症初期集中支援チーム設置 などの算定にあたり理解が十分でない場合も散 促進モデル事業」及び「認知症医療支援診療所 見されることから、在宅医療・介護連携体制整 (仮称)地域連携モデル事業」について、北九 備の一助として、日医で在宅医療の主な患者像 州市高齢者支援課を実施主体として、北九州市 に対する診療報酬・介護報酬の推奨算定例を示 内の精神科クリニックをモデルに事業を開始し した算定マニュアルを作成いただけると有難い たところである。 が、日医のご意見をお伺いしたい。 実施主体には「認知症医療支援診療所(仮称) また、在宅医療・介護の連携推進については 地域連携モデル実施委員会の設置及び運営」が義 介護保険で対応するよう検討が行われている 務付けられており、本会はオブザーバーとしての が、報酬のあり方の検討状況について、併せて 立場で本委員会に参画しているが、各県の本モデ お伺いしたい。 ル事業への関与及び進捗状況をお伺いしたい。 また、「認知症初期集中支援チーム設置促進 <日本医師会コメント> モデル事業」についても、各県の関与及び進捗 介護保険の成立の過程から、いろいろな不都 状況をお伺いしたい。 合が溜まり現在にきている。医療が必要なとき は 2 週間を限度に、いろいろな訪問看護をつけ <各県回答> るとか往診をつける等はある。それを大きく変 熊本県では「認知症医療支援診療所(仮称) えるといことは難しいと考える。地域で高齢者 地域連携モデル事業」 、 「認知症初期集中支援チー を看取っていく、あるいは急変に対応していく ム設置促進モデル事業」の両方が取り組まれてお というところの連携がキーワードである。地域 り、鹿児島県では「認知症初期集中支援チーム が一丸となることが必要である。推奨算定事例 設置促進モデル事業」が実施されているとの回答 を出すことは不適切で馴染まない。これは一人 が示された。その他の、大分県、長崎県、佐賀県、 ひとりに作られるケアマネジメントという考え 宮崎県、沖縄県では、現時点で特に当該事業に係 - 64(454) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 る取り組みは行われていないとの回答であった。 2014 動き出す。しかし動きすぎて十分に伝わらない という弊害もあると思うが、良いことは協力し <日本医師会コメント> ていかなければならないと私は思っている。 高齢社会になり、一つの大きなテーマが認知 症である。とても地域では追いつかない。急遽 (10)介護職員の確保について(佐賀県) サポート医を養成し、あるいはかかりつけ医の <提案要旨> 認知症に対する対応力を上げる等、あるいはオ 在宅医療を完備するには介護士が必要である レンジプランやオレンジキャラバン等、いろい が、介護士が不足しているのが現状である。 ろなことが出てきている。しかしその裏付けは 介護士を確保する為にも、介護士の報酬を上 何かというと、きちんと診断してきちんと早期 げる事が必須と考える。 介入ができるのかということが話題となる。認 2025 年には要介護認定者が約 60 万人、認知 知症施策推進 5 か年計画もやっつけ仕事みたい 症高齢者が約 40 万人増加する。2011 年の介護 につくったのではないかと。相談もなしに計画 職員数は 140 万人であり、現在も職員数はあま ができた。これは何かと当初文句を言った。厚 り変化がないと思われる。2025 年の必要な介 労省の省庁がそこに向かって進んでいくんだ 護職員は約 240 万人と言われており、現在数に と、それ自体は悪いことではない。この中に、 100 万人足りない。求人を出しても介護士にな 認知症医療支援診療所という名前であったが、 り手が無いのは仕事のきつさに対し、あまりに その前は身近型認知症疾患センターという言葉 も給与が少ないからである。 が出ていた。これは何かと文句をつけたらこう これから在宅医療を完備するにあたり、必要 変わった。私はサポート医の孤独と称している な介護職員数を確保するには、介護職員給与の が、サポート医を受けたが、地区医師会は支え ベースアップが必要と考える。 てくれないし、サポート医を受けたがこれを発 各県及び日医の見解をお伺いしたい。 揮できないと。これをとにかく活かすようなこ とをしようと、地区において認知症はきちんと <各県回答> 計画を立ててやっていただきたいと、必ず地区 各県ともに、今後の高齢者の増加に対する在 医師会を入れていただきたいということを意見 宅医療の推進には、介護職員がプライドを持っ していたら、本日お示しした認知症医療支援診 て勤務に励む給与体制が整えられるべきであ 療所地域連携モデル事業、これも相談なしに出 り、そのためには介護報酬の更なる引き上げが 来て、案がいつの間にか消えて正式な文章とな 重要であるとした回答が示された。 り、地域で頑張って下さいと。あまり相談を受 けたことはないが、こういうことが出てきた。 <日本医師会コメント> しかしこの精神は大切である。精神科の先生方、 介護職員の確保は、高齢者が増えていき若者 認知症にこれまで関わってきた医師をうまく地 が減っていく中で、不況になると増えて、景気が 区で支えていくしかない。サポート医になって 良くなると少なくなる。これは報酬が悪い、ある も診察には非常に時間はかかる。サポート医を いは魅力がない。ちゃんと家族を養える収入が保 評価する、インセンティブが働かなければなら てなくては、それは誰も入らない。ここを良く ないということもこれから主張していきたい。 しなければならないと考える。そのために加算 こういうテーマは、介護保険部会でいろいろ でみるというが、 それが十分だとは思っていない。 な意見をいただいているが、国が出すことがと これからどうしていくか、 全体に人が必要であり、 にかく遅いということがしばしばある。厚労省 そこにきちんとした対価を払わないと若い人は の方は、早く地域でそれを形成していかないと 入ってこない。いろいろな工夫がいる。あるいは いけないという状態。8 月に出た答申に向けて 誇りをもてる職場にしなければいけない。 - 65(455) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 (11)介護支援専門員の研修について 2014 いるとの回答が示された。大分県からは、資質 (鹿児島県) 向上の為の研修は必要であるとしつつも、多忙 <提案要旨> で疲れきった介護支援専門員に更なる負担にな 鹿児島県における介護支援専門員試験の合格 らないかと懸念する意見も示された。 率 は、15.6 %(436 人 /2,787 人 ) で あ り、 狭 ケアマネジャーの中立性に関する提案につい き門となっています。従って、これまで試験に ては、 「ケアマネジャー個々の人間性(モラル) ・ 合格した方々は、優秀な方々であると考えられ 資質向上」、「かかりつけ医の関わりを強くす ますが、それでもなお、医療系の介護支援専門 る」、「地域ケア会議などの自浄効果」等の意見 員は福祉制度に弱く、福祉系の介護支援専門員 が示された。 は医療に弱いといわれています。 この状況を改善するためには、介護支援専門 <日本医師会コメント> 員に対する継続した研修が必要と考えられます 介護保険は新しい段階に入ってきた。これま が、県が介護支援専門員協議会や社協に委託し でケアマネは大切大切と言いながら、大切にさ ているのは、基礎研修や更新時の研修であり、 れたのかと。地域になくてはならない人材に育 介護支援専門員の資質向上に向けた日常の研修 つためには連携と地域ケア会議。自分が誇れる 機会は、介護支援専門員協議会の自主性による ことをやっていくということしか質は上がって 研修しかないのが本県の実情です。 いかない。いい加減なケアマネは淘汰されてい 介護支援専門員の資質向上のために、認定や更 く。医療ときちんと連携できる、あるいは多職 新の制度以外の研修を県として仕組んでいく必要 種連携ができる、あるいは地域のまちづくりに があると考えますが、各県の実情をお伺いしたい。 意見が言える。そうすることでケアマネは誇り を持つだろうし淘汰されてくる。ただの御用聞 (12)ケアマネジャーの中立性について きケアマネと、地域住民のことを一生懸命考え (宮崎県) ているケアマネとは差ができてくる。それが評 <提案要旨> 価につながるであろうと考える。 最近、高齢者の住まいが多様化してきている。 ただ研修を受けるだけでは、そのケアマネの そんな中で、訪問看護や訪問リハビリ、通所リハ 資質が上がる訳はない。主任ケアマネのあり方 ビリなど医療系サービスがケアプランの優先順 についても、ただ経験を積んだら受けられるの 位から外されるケースが多くなっている。特に かと、いわゆるカリキュラム、あるいは教材も 有料老人ホームにおいてその傾向が目立つ。入所 見直しを行っている。こういう展開になってく する際にケアマネジャーを、施設に都合よく動 ると、もっとケアマネは大事にされないといけ いてくれる人に変更し、施設の収入を最大限に ないし、大事にしなければならない、育てなけ するようなケアプランが作成されている。本来 ればならないという展開に入ってくると考える。 のケアマネジャーの中立性をより強めるために 広島県の試みとして、今年 3 名、昨年 4 名、 は、介護支援事業所がひも付きではなく、完全 ケアマネの正にリーダーたるリーダーを県知事 に独立した組織にすべきであると考える。各県 認定でつくった。これは書類選考と人物審査と における状況はいかがであるか、お聞きしたい。 面接を行う。結構、本人たちがやる気になって 協議事項(11)(12)は一括協議 いる。それで誇りをもって仕事をしてもらおう と、あるいは誇りをもって皆さんのリーダーに <各県回答> なってもらおうという広島県の試みである。こ 各県ともに、介護支援専門員の資質向上に係 の人達がケアマネのリーダーとして地域をつく る研修等については、法定研修のみが行われて ってくれるという印象を持った。 - 66(456) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 (13)老健施設の重度者の増加と在所日数の 長期化(沖縄県) 2014 の機能を果たせないと言える。 そこで九州各県における介護老人保健施設の <提案要旨> 在宅復帰率の現状や今後の老健施設等について 全般的に高齢化が進む中、老健施設入所者の ご意見を伺いたい。 平均要介護度は、上昇傾向を示している。 そのため、各施設ではより重度の療養者への <各県回答> 対応に追われているのが現状である。 各県ともに、本県同様の平均介護度、平均在 こうした状況を受け、老健施設の平均在所日 所日数の増加傾向であるとした回答が示され、 数は、年々増加傾向にあり、在宅復帰率は下が その原因として、介護保険各施設の役割分担が る一方である。 曖昧になってきているとした意見が上げられ、 これは、相対的に重度者(要介護 4・5)の 老健施設が適切に中間施設としての機能を果た 高齢者が増えているため、在宅復帰率を維持す すためには、各種制度の見直しや評価も必要で る事が困難になったと考えられる。 あるとの見解も提起された。 これまで老健施設の利用者は、比較的に介 護度の軽い方が多く、年々重度者が増えるに <日本医師会コメント> つれ、このような状況が生じたと思われる。社 老健の本来の機能は在宅復帰の訓練機能であ 会における人口構成が大きく変化していくなか る。少し視点を変えて考えると、在宅に向けて で、老健施設に求められる在宅復帰施設の機能 老健は何かしていたかというと、フォローがな を発揮するのは、なかなか難しい状況にある。 いと帰れない、顔なじみの人がフォローに来て 特に独立型の老健施設においては、家庭復帰率 くれると、それで地域にうまくつなげていくと が 10%に満たないため、加算申請が出来ず大 帰ろうかという気になる。考え方を変えないと きな収入減となっている。 いけない時代になったかと考える。 こうした状況から老健施設は中間施設として 印象記 理事 比嘉 靖 平成 26 年 1 月 25 日に九州医師会連合会の平成 25 年度第 2 回各種協議会が ANA クラウンプラ ザホテル沖縄ハーバービューで開催され、日本医師会からは高杉敬久先生に御参加いただきました。 今回の協議会では、在宅医療を推進するに際し介護分野との連携が非常に重要であるとの考え から、「介護保険・在宅医療対策協議会」として開催されました。 介護保険・在宅医療対策協議会においては各県から 13 の議題が提出され、今回は在宅医療推 進事業についての 3 題、地域支援事業に伴う問題についての 2 題、モラルハザードについての 2 題、 在宅医療報酬、認知症モデル事業、介護職員確保、ケアマネージャーの資質についての 2 題、老 健施設の在所長期化についてについて各県の実情に基づいた意見の交換が行われました。在宅医 療、介護保険ともに地域性にあわせた対応の重要性、医療、介護サービスの現場での中立性、モ ラルハザードの重用性などが実感される協議会でした。 - 67(457) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 3.地域医療対策協議会 副会長 玉城 信光 理 事 佐久本嗣夫 理 事 照屋 勉 理 事 石川 清和 協 議 への防火防災体制強化に係る整備費用の財政支 (1)(8)については、関連議題につき一括協 援等について、国や県行政への積極的な働きか 議が行われた。 けを行っている。沖縄県では、消防法に基づく (1)有床診療所及び病院の防火防災体制に 防火管理者選任のための資格取得講習会を実施 ついて(大分) することとしている。 【提案要旨】 福岡の有床診療所における火災は記憶に新し 【主な意見等】 いところである。日医の有床診療所担当理事連 ・ スプリンクラーなどのハード面が充実しても 絡協議会でも議論されたところであるが、現時 職員の意識がなければ意味がない。自施設に 点でのスプリンクラー設置等義務化の動きとそ どのような防火設備があり火災の際にどのよ れ以前の対策について、有床診療所、病院を問 うに作用するのか等、理解していない職員が わず各県医師会レベルでの取り組み状況につい 多い。ハードの充実より職員の意識改革等の てお伺いしたい。 ソフトの充実が急務である。当県では、職員 の防災意識を高めるため、医療安全講習会を 【九州各県回答】 実施することとした。当講習会では、宮崎市 長崎県と鹿児島県では、県内の病院等に対し、 の北消防署予防課より講演いただくこととし スプリンクラーの設置について独自のアンケー ている。また、スプリンクラーの会社を呼ん ト調査を行っている。熊本県では、機会ある度 でスプリンクラーの内容や料金等を説明いた に火災への予防を呼びかけているが、「火災対 だくこととしている(宮崎県)。 応マニュアル」の作成が急がれるとしている。 福岡県と佐賀県では、有床診療所や中小病院等 ・ 先日の有床診療所担当理事連絡協議会では、消 防庁より説明が行われたが、スプリンクラーの - 68(458) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 設置には消極的であった。それは、消防法改正 3. スプリンクラーの設置 すると、遡って全医療機関が設置しなければな 認知症グループホーム等では、平成 27 年 4 らなくなるからとの事である。厚労省の補助も 月から原則義務化されていることもあるので、 出ることになるが、今できることとして福岡の 有床診療所について、どうするかということを 事故に倣い、初期消火が不十分で通報するのに 検討中である。仮に義務化するにしても、全て 時間を要したこともあったため、火災報知機と ではなく、例えば、自力での避難が困難な患者 消防への自動通知を全医療機関が実施した方が が常時入院しているような有床診療所という括 良いのではないか。また、防煙の意識が薄いの りで限定出来るのか。また、スプリンクラーの で、エレベーターの部分が煙突になるので、そ 種類も簡易型の水道連結型スプリンクラーで良 の部分をシャットアウトする等のソフト面をマ いのか。さらに、設置費用の負担により無床化 ニュアル化して徹底してはいかがか(大分県) 。 する診療所が出てこないかなど、様々な面から 検討していかなければならないとしている。 【藤川常任理事コメント】 スプリンクラーの補助金については、厚労省 消防庁の有床診療所火災対策検討会の検討状 が平成 25 年度補正予算で、定額補助(1 ㎡あ 況について概要を説明する。 たり 17,000 円:合計 101 億円)を確保してい ハード面では、大きく 3 つの設備が論点とな るが、小規模病院も含まれているので、この金 る。1 点目は、自動火災報知機の設置、2 点目は 額で全ての有床診療所に設置できるという状況 火災通報装置の設置および自動火災通報設備と ではない。日医としては、平成 27 年度以降も の連動、3 点目がスプリンクラーの設置である。 予算を確保していただけるよう要望していると ころである。仮に義務化するという方向になれ 1. 自動火災報知機の設置 ば、厚労省として更に予算を確保していくこと 昨年 12 月 27 日付、消防法の改正がなされ は当然のことであると考えている。厚労省も消 ており、全ての病院、有床診療所、助産所で設 防庁もスプリンクラーの必要性については重々 置が義務付けられた。平成 27 年 4 月より施行 認識しているが、財務省に対してもしっかりと となり、平成 30 年 3 月末まで経過措置がある。 要望していくと内々の打合せで認識いただいて これは、今回の福岡の火災事故とは無関係で、 いる。今後、毎年補正予算で組んでいくのか、 既に住宅でも義務付けられているものである。 有床診療所や中小病院全てに補助金が回るよう なスタイルをきちんと文書化して担保できるか 2. 火災通報装置の設置および自動火災通報設備 どうか、今後の詰めの勝負となってくる。 との連動 現在、病院、診療所は 500 ㎡以上を有して いれば設置義務はあるが、有床診療所の場合は 特例適用で消防機関への常時通報できる電話が (8)医療機関における「非常災害対策に関 する基準」の条例化について(佐賀) 【提案要旨】 設置されていれば免除となっている。 地方分権改革に係る一括法により、既に「医 認知症グループホームについては、平成 21 療法に基づく病院及び診療所の人員及び施設に 年から火災通報装置の設置が義務付けられて 関する基準等を定める条例」が制定されている おり、更に、平成 27 年 4 月から自動火災通報 が、県担当課より、その条例に「非常災害対策(防 設備との連動が義務付けられている。夜間など 火・防災対策)に関する基準」の条項を追加し は人手が少ないため、患者の院内誘導に力が集 たいとの提案があった。 中できるよう消防への通報は自動化した方が良 県担当課が当初示した追加条項(案)では、 いのではないかとの方向で議論が進められてい かなり細部事項まで条例の条項に盛り込まれ、か る。費用面では 20 万円程度と聞いている。 つ現行の消防法、建築基準法など関係法令の基準 - 69(459) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 以上に規制を強化する内容であった為、本会で て都道府県は地域医療ビジョンを作成して、住 は、現行の関係法令と同等迄の基準とすること、 民に公開し、医療計画に反映させる予定という 細部事項まで規定せず、 大きく 3 つに分け「設備」 ことである。 「計画策定、周知等」 「訓練、防災教育等」の項目 病棟単位で定期的に報告するということであ で調整が進んでおり、各県の状況を伺いたい。 るが、有床診療所のベッドも病院と同じように扱 うことも問題であり、地域における一般病床の取 【各県回答】 り扱いや亜急性期の取り扱いなど問題点も多い。 各県とも新たな条例化に向けた動きや予定は そうした中で制度化を急ぐ理由はなんなのか、そ なく、当面、その推移を注視したいとの回答 のことと現時点で日医の得ている制度の具体的報 であった。 告内容をお教えいただきたい。さらに現時点での 各県医師会の取り組み状況をお伺いしたい。 【石川常任理事からのコメント】 全般的な非常災害対策に関する基準につい 【九州各県回答】 ては、この間議論したことはない。総論的に 長崎県では、医師会と病院、有床診療所で は、大規模災害時(都圏直下型と南海トラフ) WG を作り協議する予定としている。熊本県で の援助体制について、各県がどのように行動 は、県行政からの情報提供や説明が行われ、地 すれば良いか大きなプログラムの明示の求め 域医療ビジョンの課題等について、県医・郡市 があり準備を進めているが、各医療機関の基 医師会役員と県行政で意見交換が行われたとの 準は議論になっていない。 ことである。福岡県では県行政に情報提供求め 各医療機関の基準については、医療法上、 たものの特段の情報はないとしている。佐賀県 厚生労働省以外にも都道府県の条例で定める では、常任理事会の場で県担当課より説明が行 施設を設置しなければならないとされている われたとの事である。 ことについて、この様な義務的な規定は、あ くまで最低限度でなければいけない。くわえ 【主な意見等】 て、医療機関が対応困難な高いレベルの基準 ・ 当初、日医から当該制度を始めたほうが良い を押し付けるべきではない。 と言っていた時期があったと思う。現在は行 もちろん、福岡の火災事故が起きたばかり 政の規制に使われてしまうことが多いのでは で、防火防災の重要性は理解しているが、行 ないかと反対しているところである。一方、 政は地域の医療機関が経営や人手の問題等で 地域再構築のために機能情報の把握を行って 大変厳しい状況に置かれている事は知ってい いくということで各医療機関がどの機能を持 るはずである。非常災害対策に対して、現行 っているかを医師会が把握するために発案さ の消防法や建築基準法よりも厳しい基準が必 れたと思う。日医の見解はいかがか(宮崎県)。 要と考えるなら財政的な支援を考えていただ くことも併せて議論されるべきだと考える。 この問題については日医としても十分にお答 えできない状況である。 ・ 日医としては、地域の医療資源を連携という 手段を使って有効活用しようと考えている。 そのために、県行政等において正確な数字を 用い、医療機関の特性を活かした地域医療ビ ジョンを策定するという事になり、次期医療 (2)病床機能報告制度について(大分) 法改正に盛り込むこととされている。正確な 【提案要旨】 医療機能の使い方に関して反対してないが、 国は新たに『病床機能報告制度』の法案成立 管理的に抑える方向で情報を使うことを注視 を急いでおり、早ければ来年度末には制度運用 している(石川常任理事)。 が開始されようとしている。この制度を利用し ・ この問題が初めて出たのは、原中執行部時代で - 70(460) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 あり、当時は、登録制(許可制)にして新規 用が誘導的に使われる可能性があることに危 の開業を抑制する自由開業制を支配していく 惧している(熊本県)。 という考えが官僚にあったため、横倉執行部 ・ 基金でいうと、官民不平等であるといわれてい となり報告制度を提案し、厚労省が折れてき るが、今回の基金は民間でも利用いただくこと た経緯がある。現実の地域医療の実態を見え を訴えている。また、地域差がなくならないよ る形にしたいという事が厚労省サイドにあっ う医師会がイニシアチブを持って県と実施し たので、 各医療機関が報告する方向で折衝した。 ていくことを提案している(石川常任理事) 。 厚労省の目的は地域開業の制限であり、人口当 ・ 地域の医療は地域の実情に応じて決めていく たりで抑制することを目論んでいる。自由開業 という趣旨と、病床機能報告と地域医療ビジ 制が廃止されると科別での開業制限にも繋が ョンの考え方は、その通りで進めていきたい ることになり危惧している(藤川常任理事) 。 と思っている。しかし、第 6 次医療法改正の ・ 医療機関が病床機能を報告するのでなく、レ 内容をみると、病床削減のためになっており、 セプトなどで患者の状態に応じて、どの病床 地域医療の充実のためにやっていることが逆 なのかを決めていくという方向が良いのでは に進むのではないか、ベッドの買い上げで病床 ないか(佐賀県)。 を削減してしまうのではないかと危惧してい ・ 今回の報告制度は、自院で何床が急性期、何 る。更に、医療審議会の中で病床機能を転換 床が回復期と報告することになっている。即 しようとするところは公表もしくは指導する ち、患者がどの時期に行ったかという事は、 といった事が既に文章に出ている。実際にや レセプトで表現できることになる。これらを ろうとしていることと、 現実がかい離しており、 把握して地域医療ビジョンに載せていきたい 方向性としては良いが現段階での内容は危な (石川常任理事)。 いのでしっかりと対応いただきたい(福岡県) 。 ・ 国が地域医療ビジョンのガイドラインを作 り、各県が参考にすることになるが、自由度 【石川常任理事コメント】 があると言われているが、長崎県の場合、医 当報告制度は、社会保障制度改革国民会議に 療過疎ということがあり、医師も病院もない おいて、地域医療ビジョンの策定を早くしたい というところで、どうやって 4 つに分類して ということで 3 年前倒しになった。 MIX 病棟を制限するのか。これが続くと今 我々がこれまで 2 年間議論してきた 7 対 1 や 以上に医療崩壊になる。国会に持っていく前 10 対 1 の盃型を 2025 年までにヤクルト型にし に県と医師会でしっかり議論して地域によっ たいという事である。 ては病床基準の緩和や病床基準数の融通を持 それがなかなか上手くいかないために、強制 たせる等の対応をお願いしたい(長崎県)。 的に 7 対 1 の病床を 11 ~ 12 万床減らしたい ・ 中川・今村両副会長で折衝しているところで という試みの中から出てきたものである。 ある。地域の医療機関が自主性を十分尊重し 一方には、その人材を有効に活用し、13 対 1 てもらうような地域医療ビジョンでなければ や 15 対 1 として扱っていく考えもあるが、言 崩壊する。そのための法案づくりをしている ってみれば、病床再編による医療費削減の方向 ところである。4 つに分類して、以前細かく ではないかと考える。 されていたのが、大まかに分類できるように 当件については、横倉会長と 4 病協が相談し なり、ある程度融通が利くと思う。亜急性期 て、4 つの類型にしてきた経緯がある。 の話もあったが、なかなか分かりにくく今回 これまでは大変複雑な病床の類型があったと の案となっている(石川常任理事)。 ころを、分かりやすく 4 つに類型したが、病棟 ・ 一番問題なのは、当然過不足が起こるので、 誰が調整を行うかである。また、補助金の活 の報告制度というのは、患者や国民に分かりやす い病院の類型ということで報告が義務付けられ - 71(461) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 てきた。それにより、4 つの類型だが医療内容を また、10 月 4 日開催の社会保障審議会医療 細かくくっつけた報告内容となっている。例え 部会において、地域医療支援センターの機能を ば、報告項目が構造や設備、人員配置だけでなく、 医療法上に位置付ける法改正について概ね了承 具体的な医療内容を盛り込むこととなっており、 されている。 レセプトを活用していくことが考えられている。 本県でも県へ確認したところ、来年度地域医 ナショナルデータベースを利用して、レセプ 療支援センターを設置すべく、財政当局と折衝 トに 4 つの病床の番号を振ることで、患者 1 ヶ 中とのことである。 月のうち何日間、どの病床にいたのかというこ そこで、地域医療支援センターが既に設置し とが細かく分かる。また、その患者の手術状況 てある県(補助事業:大分県・宮崎県・長崎県、 や処置内容等が分かることになる。 地域医療再生基金:鹿児島県)の活動状況並び 平成 26 年の後半から報告制度が始まると、 に設置されていない県の進捗状況及び本会とし レセプトソフトを変えなければならなくなるた ては、医師会として地域医療支援センターに積 め反対していた。しかし、次期診療報酬改定に 極的に関わりをもっていくべきと考えている 合わせてレセプトソフトを変えることになり、 が、今後、医師会としてどのように関わってい 報告制度の内容がのって、医療内容が把握でき くのかについて各県のご意見をお伺いしたい。 るようになることが条文化されている。 なお、現在、本県では、医師不足解消の取組 反対した理由は、報告制度が 365 日のうち、 みとして、地域医療再生基金を活用して九州大 1 ヶ月間の報告と決まっており、その他の目的 学、久留米大学、福岡大学に寄付講座を設けて には利用しないことになっている。しかし、レ いるのみとなっている。 セプトなので 365 日分を見ることは可能にな る。従って、病院の内容が把握可能となり、管 【九州各県回答】 理的に使われることを危惧している。 大分県、長崎県、鹿児島県、宮崎県で地域医 そのようなことから、目的外の使用は絶対に 療支援センターが設置されており、研修会やセ しないこと、1 年のうち 1 ヶ月のみの報告とす ミナーの開催、医師のキャリア形成支援、求人 ることが考えられる。 情報等の発信、医師派遣の調整、派遣医師の研 有床診療所も同様な報告を行うことになって 修・就業支援等が行われている。 いるので、自主的に現在の医療機能と将来担う 医療機能を報告する仕組みとしていただくこと 【主な意見等】 を主張している。 ・ 地域医療支援対策は、先の 2 医療圏を対象と した地域医療再生基金で、相当の予算が熊本 (3)地域医療支援センターについて(福岡) 【提案要旨】 大学の寄付講座に投入された。阿蘇が医師充 足に繋がったが、新たな財政支援が寄付講座 地域医療支援センターは現在、厚生労働省の の存続の資金になると非常に困る。現在、県 補助事業として取り組む自治体のほか、地域医 医師会が主体になったとしても寄付講座の人 療再生基金や全額自治体負担での設置など多種 事は各医局になるので、 主体になれない。今回、 多様となっている。 評議員の中に医師会を数名入れた構成になる 地域の医師不足・偏在の解消に都道府県が主 との事で、県全域の状況把握分析をし、県全 体的に取り組めるよう、厚生労働省が補助事業 域に充足するようしていきたい(熊本県) 。 をスタートさせたのは 2011 年度で、当初は 15 箇所であったが、来年度予算の概算要求では厚 【石川常任理事コメント】 生労働省は、42 箇所に拡充する費用を盛り込 地域医療支援センターについては未だ十分に んでいる。 議論されていないのではないかと考える。 - 72(462) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 以前より、一定の考えとして、県医師会が県 思えないランキングが目立つのも事実であろう。 の医師偏在を解消する最大の武器になるもので 日医の見解をお伺いしたい。 あると考えている。その際に、県医師会と県行 政、中心となる大学医局が一緒になって運営し 【九州各県回答】 ていかなければならないと考えている。 九州各県ともに、日医の見解を伺いたいとの 先日行われた都道府県医師会長会議でも鈴木 回答である。長崎県では、日医に会員の公平性 常任理事が説明されたが、新たな財政支援制度 を保つための国民に分かりやすい広報を続けて が基金として創設されることになっており、国 いただきたいとの要望があった。 が基金の 2/3、都道府県が 1/3 負担という仕組 みで 904 億円が基金として活用されるよう提 【石川常任理事コメント】 案がなされている。 日医が実施したアンケート調査では、国民の 日医としては、社会保障審議会医療部会等で 9 割は、いざというときに行く地域の医療機関を 補助先の官民格差の問題提起を行い、基金の使 分かりやすくしていただきたいと望んでいる。 途に注意していただきたいと考えている。 フリーアクセスの中で国民は医療機関の情報 医師と看護職の確保に関するものが基金の中 を求めており、よく売れるという事で、それが に国庫補助事業として盛り込まれている。その ランキングとして雑誌に出ることもある。 中で地域医療支援センター、特に医師の偏在に しかし、万が一ランキング雑誌に医療機関が ついて運営費の補助が組まれている。 費用を出しているということであれば、沖縄県の 各都道府県の地域医療支援センターを失くす 回答にもあるように、患者の意思を誘因する意図 ということは無いと思うが、30 の都道府県が設 があるとみなされ、医療法上の広告規制が適用さ 置されているものの、 明らかな活動内容を持って、 れる予知がある。他の医療機関と比べて優れてい 成果を上げているところが少ないように思う。是 るとすると、比較有料広告に該当する可能性もあ 非、県医師会が中心となり、キャリアアップとい り得るので、広告規制違反ともいえる。地域でそ う事で県の医師偏在を解消し、県の中で医師を養 のような実例があれば、日医に問い合わせていた 成していく運営にしていただきたい。そのために だければ、きちんと取り扱っていきたい。 も、県医師会は県行政と十分に相談しながら地域 日医としては、地域の住民にかかりつけ医を 医療支援センターを構築していただきたい。 持つことの大切さを啓発して、なるべく多くのか かりつけ医を持っていただき、必要な際には直 (4)各種雑誌等における病院ランキングに ついて(福岡) ぐに専門医や専門施設に、かかりつけ医から紹 介していただくことを今後も啓発していきたい。 【提案要旨】 近年、各種雑誌等において病院ランキング等 の特集が多いと感じる。聞くところによると、 病院ランキングの特集を行うことで雑誌の売り (5)診療所・中小病院の看護師確保対策に 名案はないのか(長崎) 【提案要旨】 上げも良くなるとのことである。 民間ナースバンクの台頭と大病院の離職者の 国民の多くがフリーアクセスの中で、どの病 減少に加え、中小病院での看護師は離職者が多 院の診療レベルが高いのかを悩み、自身や家族 く、看護師確保が難しい状況にある。頼りは地 が診療を受ける際に、このようなランキングを 元の医師会立看護学校の新卒者の確保と思われ 参照したがっているものと推察する。 るが、その多くを占めていた新卒准看護師の減 しかしながら、各種雑誌等がどのような基準を 少は歯止めがきかず、なかなか多くは望めない。 もってランキングを付けているのかについて不透 これからの方策として、①民間ナースバンクと 明な面もあり、さらに医師の目から見て適切とは の提携、②新人看護師への研修制度、③医師会 - 73(463) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 立看護学校の進路指導者への積極的活動などが 考えられるが、各県の取り組みで良い方策があ れば教示いただきたい。 2014 な支援を実施していく予定である。 しかしながら、ナースセンターは機能してい ないというのが各県の実情である。そこで日 本医師会から中川・今村両副会長が委員とし 【各県回答の概況】 て参画している社会保障審議会医療部会の医 ・ 各県とも看護師確保には苦慮している現状の 療法等改正に関する意見書に、ナースセンタ 中で、キャリアアップ支援や勤務環境改善が ーによる看護職員確保対策については、医師 主な取り組みであると回答した。 会や病院団体等も入ったナースセンター運営 ・ 医師会として具体的な取り組みを紹介したの 協議会等で十分に協議して進める必要がある が 3 県あり、①大分県では毎年先行事例を共 という文言を盛り込んだ。是非、各県の医師 有する研修会の開催、②福岡県では平成 26 年 会も関与していただきたい。 度より医師会立准看護学校の学生向けの奨学 とりわけ、中小医療機関の看護職員の確保の 基金の運用を開始、③宮崎県では地区医師会 ためには、地元の看護学校での養成が重要で が地元行政と協力し、看護学校誘致(平成 27 あるが、看護大学卒業生は中小医療機関には 年 4 月開校予定) に成功したとの報告があった。 就職が見込めない。医師会立看護学校は経営 ・ 長崎県や鹿児島県からは看護職を養成しても地 的には苦しい状況であるが、現在国や県から 域に定着せず、県外や都市部、大規模病院等に 出ている運営費補助金が来年度から新たな財 偏るとの意見が出され、一部県内への定着率が 政支援制度基金の中で運営される。 低い養成校には補助金を抑えるよう要請してい いわゆるひも付きではなくなり、都道府県が るとの報告があったものの医療機関から出され 設ける基金の中で運用される。勿論これまで る奨学金制度の問題を解決しなければ根本的な の予算が確保されるよう日本医師会から厚生 解決にならないとの指摘もあった。また、実習 労働大臣に強く要求している。基本的に既存 病院については、佐賀県から学生の受入れ規模 の事業は継続することは厚生労働大臣からも に応じた補助が必要との意見もあった。 各県行政に対して要請することになっている。 ・ この他、民間ナースバンクとの提携で遭遇した これまでは都道府県が独自に財源を確保し、 課題については、長崎県や本県から民間ナース 予算を組んでいたが、今回の基金は消費税が バンクは失業手当受給の隠れ蓑になっている。 充てられ、安定的な財源の確保が可能となり、 臨時収入目的で転々とするケースもあるとの 国庫負担が一律 2/3 に上がるため県の負担も 説明があった。また、本県から就業継続に重き 軽くなる。しかしながら、県が提案すること を置いた仕組み作りや看護学校の同窓会を利 が条件であるため、是非、行政と医師会が協 用した就職斡旋のアイディアを提案した。 力し、補助金を取るための予算 1/3 を確保の 上、国に要請していただきたい。 【藤川常任理事からのコメント】 都道府県の裁量になるので、都道府県でメニ 看護職員確保対策における国の取り組みとし ューを考え補助金をつけることも新たに可能 ては、医療法等改正の中で、看護師資格保持者 になってくる。例えば、従来の国庫補助事業 の登録制度をスタートさせる。潜在看護職員を には無かったが卒業生の地元定着率を評価し 把握するため、今後離職する者などに対し、住 た加算も可能とのことである。是非この基金 所等の連絡先等必要な情報のナースセンターへ を看護職養成の強化に活用いただければと考 の届出・登録を義務化することになっている。 えている。県民の社会保障を守るためには、 離職した看護職がスムースな復職が可能とな るよう離職中における定期的な情報の提供や 県行政と県医師会とがっちり握手をしていた だくことがポイントだと考えている。 復職研修等、ナースセンターがよりきめ細か - 74(464) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 准看問題については、厚労省や看護協会の 2014 制がなく対応に苦慮している。 中にも准看については抵抗が根強くある。し 各県で同様のような事案がないか、また、そ かし、平場では表立って准看に対して一切発 ういった患者への対応などご教示いただきた 言はしないという暗黙知になっている。 い。また、こういった事案に対する日本医師会 今回、新人看護職員研修ガイドラインを見直 の見解をお伺いしたい。 す際にも「新人看護師」の研修とされていた が「看護職員」ということで准看も含め、日 【九州各県回答】 医で准看護師のガイドラインを作り答申の中 大分県では、保険者から被保険者に注意・指 に組み込ませて、国として准看制度を認知さ 導が行われ、主治医を決められた。熊本県で せ文書化させる働きかけを行わないと、文言 は、行政からの情報提供の場合は個人情報に配 が無いとして行政は不作為に排除する傾向が 慮し、郡市医師会に対しての注意喚起を行って あるので、明記できるよう努力している。 いる。保険者からの場合には、保険者の責任に 実習病院の問題については、准看の受け入れ おいて患者指導をお願いしている。 を排除し、全日制の看護大学や 3 年課程を代 わりに受け入れ、その交換条件として卒業生 を就職させる実態がある。 【石川常任理事コメント】 以前、生保の患者で大量の向精神薬の営利目 的処方が報道された。 (6)複数の医療機関で向精神薬の大量処分 今回の提案は、生保のように国からの指導の を求める患者への対応について(鹿児島) 徹底が出来ない困難な場合であると思うが、現 【提案要旨】 在、レセプトデータがデジタル情報として扱わ 本県内で複数の医療機関で睡眠薬の処方を求 れ、保険者側で薬局と医療機関の突合が実際に める患者がおり対応に苦慮している。 行われている。名寄せが容易になっていること 平成 22 年に A 市医師会へ複数の会員から情報 を考えると、チェック機能としてはいいが、患 提供が寄せられ発覚。A 市医師会内で複数の医 者本人の他院受診や不正使用については、保険 療機関で紛失や旅行等を理由に再処方をもとめ 者は自らの責任において、頻回受診対策や禁忌 る等の行為を繰り返していた。個人情報である 対策などを実施すべきものと考えている。 こともあり、イニシャルや生年月日と保険の種 各都道府県に保険者協議会が設置されている 類(当時は、 社保。現在は国保。 )等のみを記載し、 と思うので、当協議会へこのような事例の適切 当郡市医師会で注意喚起を行った。その後、離 な対応を保険者に求めていくのが一つの方法で 島や他の地域でも同様の行為を繰り返している。 はないかと考える。 郡市医師会の情報提供、医療機関での処方状況 の確認等で未然に防げているときもあるが、いろ いろな地域で複数の医療機関を受診していること もあり、処方されてしまっているケースもある。 (7)特定健診・特定保健指導実施時に事故 等が発生した際の対応について(福岡) 【提案要旨】 平成 22 年に生活保護受給者による向精神薬の 本県では、特定健診において採血後に内出血 営利目的の所持等の事件を受け、国が生保受給 及び疼痛があったとして、特定健診実施医療機 者を対象に緊急サンプル調査等を行ったところ 関に対して損害賠償請求が行われるという事例 全国で不適切な受診が発覚し、福祉事務所に適 が平成 23 年度及び平成 24 年度に 1 件ずつ発 正な受診を指導するよう通知がなされている。 生している。 複数の医療機関での重複処方については、最 どちらの案件も、本会医事調停委員会にかけ 終的には保険者でしか把握できないかと思う た後、医療機関に重過失はないものと判断され が、社保や国保の場合は、生保のような指導体 たため、「特定健康診査・特定保健指導委託契 - 75(465) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 約書」に基づき、当該患者が加入する保険者と り纏められたものである。 協議を重ね、解決に当たった次第である。 特定健診・特定保健指導のあらゆる事故や損 その後、健診による事故が発生した際、速や 害に対する責任を実施主体である保険者に課す かに補償が行われるために、保険の加入を各保 べきという意見もあり、そのような契約を交わ 険者に要望するとともに、事故対応マニュアル すこと自体に問題はないが、これを雛形として を作成するなど対応を行っているところではあ 示すことはハードルが高い。 るが、各県で同様の事例が発生しておれば状況 今期の会内公衆衛生委員会において、特定健 をお聞かせ願う。 診・特定保健指導事業を含め、地域保健全国実 また、本県としては、事業の実施主体は保険 態調査を都道府県医師会・郡市区医師会に実施 者であるので、被保険者等と何かトラブルがあっ しており、各事業の取り組みと問題点について た際(実施機関に故意または重過失が無い場合) 協議されている。近く答申することになってい には、実施主体である保険者が責任を持って解 るが、今回の内容も踏まえ、日医としては対応 決を図るべきであると考えているが、各県の本 していきたいと考えている。 件に関する意見と日医の方針をお伺いしたい。 今後、厚労省における特定健診・特定保健指導 の第 3 期(平成 30 年度)の見直しに向けて、地 【九州各県回答】 域医療の現場の意見を聞いて対応していきたい。 九州各県ともに、福岡県の様な事例はないが、 実施主体である保険者が責任を持って解決を図 (9)警察活動に協力する医師の全国組織化 に伴う各県の対応等について(熊本) るべきであるとの回答が多数を占めた。 【提案要旨】 【石川常任理事コメント】 日本医師会では、「警察医」の安定的確保、 特定健診・特定保健指導に係る委託契約書の 検視・検案の均質化、能力の担保、大規模災害 雛形の 11 条に規定する事故及び損害責任の条 時等の派遣体制の整備を行う目的で、平成 25 文では、実施機関側に故意または重過失がない 年 10 月 9 日開催の都道府県医師会検案担当理 場合は、保険者、医師会、実施機関の三者協議 事連絡協議会において、警察活動に協力する医 で対応することになっている。 師の全国組織化について提案がなされた。 日医としては、本来、実施主体者である保険 今後の予定としては、平成 26 年 4 月以降、 者が責任を持って解決を図るべきと考えている 会内に警察活動に対する医師の連絡協議会や警 が、条文にある三者協議の周知が保険者側に徹 察業務への協力業務について検討する委員会を 底されなかったことに問題があると思われる。 設置するなどして、警察協力医業務をめぐる諸 厚労省の担当部局に対しても強く改善指導を求 問題の改善、警察との連絡調整を行うとされて めているが、委託契約書の雛形は、健保組合 いる。 と全国に散らばる多くの保険者との契約にあた また、都道府県医師会に対しては、会内に警 り、個別に調整することが困難な場合を想定し、 察活動に協力する医師部会の設置、検視立会い 厚労省が示したに過ぎない。従って、この雛形 等の警察業務に協力する医師のリスト作成につ は法令の様な拘束力を持つものではなく、民法 いて要請がなされた。 上の基本原則である契約自由の原則により、各 これを受けて本会では、準備を進めるべく地 契約者が自由に交渉していただき、契約される 元警察医会や県警と意見交換を行っているとこ ことに問題はない。しかし、雛形は法的観点か ろである。 らも公平な条文であり、受託する実施機関や医 日医の資料によると各県の警察医会の設置場 師会等の取りまとめ団体が独占禁止法に抵触し 所は、医師会、県警、法医学、個人とさまざま ないよう、公正取引委員会とも相談しながら取 である。 - 76(466) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 本件に対する各県の考え方や現在までの取組 み状況についてご教示いただきたい。 2014 (熊本県)。 ・ 検視はあくまで警察が行う。我々は補助的な 助言を与えることになる。大規模災害時には 【九州各県回答】 可能な方は行った方が良い。検案書は医師の 長崎県では、会員より検視の積極的な協力の みしか書くことが出来ないので遺体を葬るこ 話はなく、日医の方針に反対する方が多いとの とはできない。日医は在宅医療において往診 ことである。福岡県では、正式決定に至ってい した医師が検案書を書くであろうということ ないが、県医師会への事務局設置、警察医会の で、検案書は誰でも書けるような方針を持っ 解散の有無について方針を打ち出している。鹿 ている。大規模災害は死因が限られてくるの 児島県では、平成 7 年より鹿児島県医師会警察 で、医師が行う業務としては十分に取り組む 協力医会が発足され研修会等が実施されている。 必要がある(福岡県)。 佐賀県では、 会内に「警察活動医師委員会(仮称) 」 ・ 大規模災害は喫緊の課題として捉えており、 を設置して対応する方向で検討予定している。宮 日医と警察庁で非常事態発生の際の対応を 崎県では、会内の部会設置について、既存の警 予め決めておくということを含めて考えてい 察医会と調整を図りながら進めていくこととし る。都道府県単位の派遣体制の準備をお願い ている。沖縄県では、緩やかに警察本部から医 することを準備していることと、具体的な方 師会への移行を進めていくこととしている。 策としては、日医に検討委員会を新設して協 議することしている(石川常任理事)。 【主な意見等】 ・ 災害を考えた場合、検案する JMAT と考え ・ 38 名の警察医リストが出来ている。現在は てよいか(福岡県)。 県警の中に嘱託警察医会がある。緩やかに医 ・ 大規模災害では様々な形があるが、基本的には 師会に移行しようという事で、既に 2 回の準 JMAT の形としてあると思う(石川常任理事) 。 備委員会を実施した。今後検討していくこと ・ これまでタブー視されてきた検視の問題につい になるが、医学会の分科会という形ではなく、 て、実際に広域的な大規模災害発生時に一本釣 ワンランク上の組織として位置付けすること りされた警察医が派遣される強制権があるかと を考えている。平成 27 年 4 月には移行でき いったら、現実にはないので、全国的に取り組 るよう準備を進めている(沖縄県)。 む必要があるということで、確立された報酬や ・ 平成 7 年から警察協力医と警察との協議会 を持っている。当初、死体検案する際の勉強 指示系統を作ろうという事で、標準化に向けて 日医は前向きに考えている(藤川常任理事) 。 会でスタートした。最近は医師法 21 条の異 常死体等の問題についても勉強会を行ってい 【石川常任理事コメント】 る。また、大規模災害時において死体の確認 昨年 2 月に検案担当理事連絡協議会では、警 等のために、警察と医師会だけではなく歯科 察に協力する医師の組織が各県ごとに名称、設 医師会や海上保安庁も一緒になり勉強会を開 置形態等がまちまちであることが報告された。 催している。法医学の教授を呼び異常死体等 一気に全国一律は不可能であると考えてい について講義いただいた。そういうことで、 る。アンケート調査も実施したが、県警本部に 警察と医師会との連携体制、コミュニケーシ 設置されていて、医師会への移行が難しい場合 ョンがとれ、医師法 21 条の不都合が取れる は従来の組織を残したまま、県医師会に連絡窓 のではないかと思っている(鹿児島県)。 口を設置する事でも差支えないとしている。無 ・ 現状の協力医で検案している方は順調であ 理のない形で移行していければ幸いである。 る。大規模災害時に日常の検案をしている方 警察医の業務を担っている医師に対し、日本 が現場に行けるかどうかも重要になってくる 医師会、県医師会、郡市医師会、各警察医で情 - 77(467) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 報伝達や指揮命令系統が確立され、万一の大規 模災害時等にも迅速な初動体制を整えることが 2014 【石川常任理事からのコメント】 本事業の説明に関しては、各都道府県で早 重要である。 い時期から県行政への予算立てを働きかけて 既に県医師会からも相談があったが、県警に いただく必要があり、医師の過重労働問題に 言いにくい場合は日医から警察庁にも、その都 ついては、産業医学的なアプローチにより、 度円滑な協議が進むよう依頼することも可能な 日医内部でも委員会を設け取り組んでいる。 ので、日医事務局の医事法医療安全課または高 このことから 10 月に開催された産業保健活 杉常任理事に相談いただきたい。 動推進全国会議の場で厚労省担当者に詳細な 情報提供をいただいた経緯がある。また、医 (10) 「医療勤務環境改善センター事業」へ の対応について(宮崎) 療機関の勤務環境問題については、勤務医を 含む多くの関係者への情報提供も重要である 【提案要旨】 ことから、都道府県医師会長協議会でも報告 医療勤務環境改善センター(仮称)について させていただき、会長名でも各都道府県医師 は、平成 26 年度予算において設置が予定され、 会へ通知した経緯がある。 27 年度には医療法に位置付ける方向で検討が 国における指針については、勤務医をはじめ なされている。日本医師会では、都道府県医師 とする医療従事者が働きやすい医療機関整備 会に対して本事業への積極的関与を求めている を推進するため、各医療機関の自主的に勤務 が、事業の意図や内容に不明の点が多い。 環境改善計画作りを進めるための参考となる ついては、本事業への対応について各県の状 ようなものと考えている。 況を伺うと共に、日医の方針を確認させていた だきたい。 国で研究事業は行われているが、これまでの 説明では PDCA サイクルによる改善計画作 りを推進するための参考となるべくものと承 【各県回答の概況】 知している。 ・ 本件については、福岡と本県を除き、県行政 自主的な改善システムという制度の趣旨から の方針が定まっていないことから、行政の動 して、拘束的なもの、規制的なものになるこ きに注視するとの説明があった。各県行政の とがないよう考えているが、日医として注視 方針が定まらない理由として、現時点で厚労 していきたい。また、勤務医支援の取り組み 省から各県行政へ具体的な要綱が示されてい との整合性についても働きかけていきたい。 ないこと、県行政においても予算確保をしな 改善の取り組みや運用に要する費用等の補助に ければならないこと、今通常国会で審議段階 ついては、来年度から新たな財政支援制度基金 にあること等により、行政内部での調整が進 の中で、医療従事者の勤務環境改善の為の事業 んでいないとの意見もあった。 も位置づけられていることから、これ等の取り ・ 現時点で県行政が予算要求した県は 2 県あ 組みが関係してくるのではないかと考えてい り、①福岡県が行政内で直営型の実施、②沖 る。この活用について日医でも考えていきたい。 縄県は本会に受託について相談があり前向き IT 等の活用における支出費用については、 に考えると回答した。この他、福岡や熊本県 勤務環境改善システムに基づく具体的な計画 から県から相談があれば受託する方向にある の実行にあたっては、医師確保のための地域 と回答があった。 医療支援センターの財政支援のための基金な ・ また、熊本県から何故このタイミングでの法 ど、あらゆる制度・政策を導引し、組み合わ 律策定なのか、ガイドライン化されれば、何 せた活用が必要だと考える。その為、都道府 かの方針の中でペナルティーが出てくること 県医師会主導のもと、県庁サイドを巻き込む に危惧するとの意見があった。 戦略も検討していただきたい。 - 78(468) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 専門スタッフの確保については、勤務医健 2014 表示することが可能である。 康支援委員会等の取り組みの成果も踏まえ、厚 また、地域別統計機能は、全国の医療需要(年 労省と中央レベルの社会保険労務士会連合会、 齢階級別予測人口)及び医療資源の情報を地域 医療経営コンサルタント協会と連携し、適切な 別に集計し、地域別及び地域間の医療需給状況 アドバイスが行える専門家の確保に向けた対 を比較することが可能である。 応について働きかけていきたいと考えている。 これらの活用方法としては、各県及び各医療 日医としては、先ずはセンター受託について 圏の現状把握、また、今年度見直しが行われた 積極的にご検討をお願いしたい。未だ説明不 地域医療計画の検証などが考えられるが、各県 足の点もあるが、協力をお願いしたい。この における JMAP の認知度・活用度及び日医の 問題については、今後も議論する機会がある 今後の活用法についてお伺いしたい。 ものと承知している。 【九州各県回答】 (11)日医の地域医療情報システム(Japan 九州各県ともに、認知度・活用度とも低いが、 Medical Analysis Platform:JMAP)につい 利便性や今後の地域医療ビジョン策定の基礎資 て(福岡) 料として期待を寄せている部分も一理ある。 【提案要旨】 日医ホームページのメンバーズルーム中に地 【石川常任理事コメント】 域医療情報システム(Japan Medical Analysis 平成 30 年より、第 3 期の 5 疾病 5 事業および Platform:JMAP)がある。これは、日本全国 在宅医療を含めた医療計画がスタートする。そう の地域医療提供体制に関する情報を正しく把握 した中で JMAP は、地域の人口や二次医療圏の し、地域医療の質を高めることを目的に提供さ 人口等を示しながら、それぞれの医療提供体制が れているもので、施設別検索機能と地域別統計 どの程度なのかを示したものでとなっている。 機能を有する。 しかし、ご指摘どおり、認知度が足りないの 施設別検索機能は、全国の医療機関を地域別 で PR していく必要がある。また、鈴木常任理 (都道府県・二次医療圏・市区町村)、施設種類 事が、地域医療対策委員会において JMAP の 別(施設類型・診療科目・医療機能)に検索で あり方を議論している。 き、さらに医療機関の医療資源(病床数・医師 今後、先生方が実際に使える情報源に機能ア 数・看護師数)と、近隣の医療機関を地図上に ップしていきたい。 印象記 副会長 玉城 信光 いつもの様に 11 題にのぼるたくさんの議題が提出された。会議には日医より石川常任理事、藤 川常任理事が出席され日医の見解を報告して頂いた。 1、有床診療所の防火体制について スプリンクラーなどお金のかかるハード面への補助の要請がある一方で、まず簡単にできる防火 訓練や迅速に通報のできるシステムへの変更、防火ドアの煙探知への更新等は安価で出来ること。 - 79(469) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 ソフトの面でも年に 1 ~ 2 回の防火訓練は大切で、福岡の事例でも通報が早ければ消防は 10 分 以内に到着できたようである。当院でも先日の防火訓練で防火ドアの閉じないものを発見できた。 2、病床機能報告制度については多くの議論があった。中央で一律に決められることではなく、地 域によってはあらゆる機能を担わなければならない施設のあることも認識すべきである。またレ セプトの点検の中で病床機能を把握することが出来る様になるが、これを医療再編に悪用されな いように注視が必要である。 3、地域医療支援センターのモデル事業等が行われているが、大学に丸投げしている県も見受けら れる。地域医療は県医師会が中心になり、各研修群の代表を集め、学生、研修医、後期研修医な ど総合的な医師の養成と配置を考慮すべきだと考える。 7、特定健診・特定保健指導時の事故についての保障が問題になった。現在は委託医療機関が責任 を負うようになっているが、日医としては保険者の責任も明記するように働きかけている。 その他多くの議題が議論されたが、詳細は報告書を参考にして頂きたい。協議時間が足りずに 5 分超過してしまった。 日医白クマ通信への申し込みについて さて、日本医師会では会員及び、マスコミへ「ニュースやお知らせ」等の各種情報を E メールにて 配信するサービス(白クマ通信)をおこなっております。 当該配信サービスをご希望の日医会員の先生方は日本医師会ホームページのメンバーズルーム (http://www.med.or.jp/japanese/members/)からお申し込みください。 ※メンバーズルームに入るには、ユーザー ID とパスワードが必要です。(下記参照) 不明の場合は氏名、電話番号、所属医師会を明記の上、[email protected] までお願いいたします。 ユーザー ID ※会員 ID(日医刊行物送付番号)の 10 桁の数字(半角で入力)。 日医ニュース、日医雑誌などの宛名シール下部に印刷されている ID 番号です。 「0」も含め、すべて入力して下さい。 パスワード ※生年月日 6 桁の数字(半角で入力)。 生年月日の西暦の下 2 桁、月 2 桁、日 2 桁を並べた 6 桁の数字です。 例)1948 年 1 月 9 日生の場合、「480109」となります。 - 80(470) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 平成 25 年度第 6 回 沖縄県・沖縄県医師会連絡会議 副会長 玉城 信光 去る 1 月 23 日(木)、県庁 3 階第 1 会議室 て様式が異なる、もしくは色が異なっている等 において標記連絡会議が行われたので、以下の の状況から、医療機関での確認作業が煩雑化す とおり報告する(出席者は以下のとおり)。 るとともに、確認ミスによる接種時のトラブル を引き起こす可能性があり、非常に懸念してい 出席者:宮城会長、玉城副会長、安里副会長(以 るところである。 上医師会)崎山福祉保健部長、里村参事、 このような状況に鑑み、本会では、定期予防 糸数健康増進課長、大城障害保健福祉課 接種における全市町村の予診票統一化をお願い 長(代理) 、阿部医務課長 したく、要望致します。 議 題 <健康増進課回答> 1. 定期予防接種に係る予診票の様式統一化 予防接種法に基づく定期の予防接種の実施主 について(要望)(提案者:沖縄県医師会) 体である市町村が、基本的に国からの関連通知 <提案要旨> を尊重し運用を行っており、予防接種事務につ 本県における定期予防接種は、一部を除いて いては、市町村事務となっている。また、定期 は市町村を跨いで相互乗り入れが可能となって の予防接種実施要領により、予診票の様式の雛 おり、県民が予防接種を受けやすい体制を整え 形が示されており、「予防接種の種類により異 ているところである。 なる紙色のものを使用すること等により予防接 しかし、このような接種体制であるにも関わ 種の実施に際して混同を来さないよう配慮する らず、市町村から接種者に対して事前に配布さ こと。」との記載がある。 れる予診票は、同じ予防接種でも市町村によっ 以前は、各市町村では、集団接種で予防接種 - 82(472) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 が行われていたが、近年では個別接種化がすす を鳴らされた。 んでいる。それに伴い、市町村ごとに、予防接 今、沖縄県にとっては、「健康長寿復活」が 種の種類別の用紙の色が異なることが医療機関 大きな柱の一つとなっている。 での混乱の原因となっているのであれば、当課 今後、「健康長寿復活」を推進していく中で、 で精査し統一化について検討したい。 県庁職員の健康改善について、どのようにお考 えか。具体的な対策等があれば、ご教示いただ <主な意見等> きたい。 ◆県福祉保健部: <健康増進課回答> 本件については、定期的に予防接種担当者の 本県の健康長寿復活のために、働き盛りの世 会議が行われており、各市町村の情報収集を行 代の死亡率を改善することが課題であり、事業 った上で、そのような場を通して検討していき 所における健康づくりが重要と考えている。県 たいと考える。 庁をひとつの事業所と捉え、県庁職員の健康状 ◆県福祉保健部: 況の改善について、担当部局である総務部職員 現状では、何かトラブル等の報告は上がって 厚生課も危機意識を持ち保健事業の強化を行っ いるか。 ているところである。 ◇県医師会: 今後、総務部と連携し、県職員の健康意識を 現時点では特に報告は上がっていない状況で 高め改善に努めていきたいと考えている。 あるが、トラブルを引き起こす原因になるので 今年度、健康長寿おきなわ復活のための 10 はないかと考えている。 ヵ年プランの策定や、県内各界を網羅し官民一 沖縄県は、相互乗り入れが可能な接種体制が 体の取り組みとして県民会議を本年度中に設立 整っている為、このようなことが現場の意見と 予定となっている。幅広い県民運動を進める体 して上がっている。是非お願いしたい。 制づくりの準備を進めているところである。 ◆県福祉保健部: 現場でトラブル等を引き起こす可能性がある <職員厚生課回答> ということであれば、対策を検討する必要があ 11 月の健康長寿プロジェクトにおいて、県 ると考える。 庁職員の有所見率が、8 割で推移していること を報告した。しかし、有所見においては受診率 2. 沖縄県庁職員の健康状況の改善について 及び健診検査項目が異なることから、一概に全 (提案者:沖縄県医師会) 国、沖縄県平均と比較できない。 <提案要旨> 生活習慣病に関連する 6 項目 (血圧、 血清脂質、 本県における事業主健診(定期健康診断)の 肝機能、血糖、尿糖、心電図)においての有所 有所見率は 65.01%(平成 23 年)と非常に高く、 見率は H23 年度労働局ホームページ定期健康診 全国 52.69%(平成 23 年)と比べ、12.32 ポイ 断結果状況データ資料の沖縄県と比較してみる ントも上回り、全国ワースト 1 位になるなど、 と、有所見率は心電図以外は下回っている。 社会的にも大きな問題となっている。 県職員においては、BMI からみる年代別肥 一方、去る 11 月 25 日、県庁職員を対象に 満率では、20 歳代で 15 ~ 17%、30 歳代で 22 行われた「うまんちゅのための健康管理セミナ ~ 24%、40 歳代では 38 ~ 42%、50 歳代では ー」においても、職員厚生課の稲嶺課長より、 43 ~ 46%と年代毎に増加傾向である。活動状 昨年度の県庁職員約 4,500 人が受けた定期健康 況からみても運動を習慣化していない職員が 診断の有所見率が 8 割に上ったことが報告さ 75.4%であり、さらに食生活の乱れもあり、生 れ、県庁職員の健康が危機的状況にあると警鐘 活習慣病に関連した疾病の発症が増えることが - 83(473) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 予測される。 の規定に係る罰則はない。)。 生活習慣病はこれまでの生活習慣の積み重ね 県としては、今後、条例がすべての県民に日 に関連することから、生活習慣病になってから 常的な権利擁護のルールとして共有され、障害 ではなく、日頃からの生活習慣病に対するセル のある人に対する理解の不足、誤解や偏見等を フケアが必要不可欠であると考え、昨年度まで なくし、ともに支え合う社会づくりにつながる の保健指導対象者の枠を広げ、軽度異常の段階 よう取組を進めていくこととしている。 から保健指導に取り組んでいる。また、定期健 各医療機関には、条例第 9 条の内容等につい 康診断の結果を有意義に活用するため、検査結 て、ご理解とご協力をお願いしたい。 果の見方を研修で取り入れた。さらに生活習慣 に関する行動変容に時間を要すると判断された (医療の提供における差別の禁止) 職員においては、継続した保健指導に取り組ん 第 9 条 医師その他の医療従事者は、障害のあ でいる。 る人に医療を提供し、又は受けさせる場合にお いて、障害のある人に対して、障害を理由とし <主な意見等> て、次に掲げる行為をしてはならない。 (1)本人の生命又は身体の保護のためやむを ◇県医師会: 得ないことその他の正当な理由がなく、 50 歳代で 2 人に 1 人が肥満、かつ、75.4% 医療の提供を拒み、若しくは制限し、又 の職員が運動を習慣化していない状況である。 はこれに条件を課す行為その他不利益な 夜遅くまで仕事をし、終わってお酒や食事をと 取扱いをする行為 っているのではないか。そのような状況を踏ま (2)法令に特別の定めがある場合を除き、本 えながら、県民のリーダーとして、県庁職員の 人が希望しない長期間の入院その他の医 健康改善に取り組んでいただきたい。 療を受けることを強制し、又は隔離する ◆県福祉保健部: 行為 今後、総務部の職員厚生課と連携して県職員 の健康改善に取り組んでいきたい。 〔参考資料(別添)〕 ◇県医師会: *沖縄県公報 (平成 25 年 10 月 29 日号外第 38 号) 有所見率は、健診項目が多く全国との比較が ・ 沖縄県障害のある人もない人も共に暮らし 難しい状況となっている。有所見率 8 割という 数字が独り歩きしているので、十分な説明が必 やすい社会づくり条例 ・ 沖縄県障害のある人もない人も共に暮らし 要である。 やすい社会づくり条例施行規則 3. 沖縄県障害のある人もない人も共に暮ら <主な意見等> しやすい社会づくり条例の公布等について (提案者:県福祉保健部) ◇県医師会: <提案要旨> パブリックコメントがあり、医師会から提案 〈趣旨〉 された意見が検討されているか確認したい。 沖縄県障害のある人もない人も共に暮らしや 医師会の顧問弁護士より、9 条については医 すい社会づくり条例(平成 25 年沖縄県条例第 師法の 19 条で既にこのようなことをしてはい 64 号)が平成 25 年 10 月 29 日に公布され、平 けないと決まっているので、ネガティブで言う 成 26 年 4 月 1 日に施行される。 のではなく、 「障害のある人の性別、年齢及び障 条例第 2 章において、事業主体ごとに障害を 害の状況に応じた適切な医療を提供すべき責務 理由とする差別の禁止等を定めている(第 2 章 を負う」という定めにした方が前向きだと思う。 - 84(474) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 また、全体で「障害」の表記を「障がい」と ◇県医師会: した方が良いのではとの意見を提出した。 医師のみではなく、医師法に縛られない医療 ◆県福祉保健部: 従事者全体を含めるということで理解した。 障害の用語については、障害者県民会議の中 条例に身体障害、知的障害、精神障害、難病 で議論し、本条例で定義規定しており、障害者 と記載があり、身体障害は外観からわかり、知 を「障害のある人」という用語に置き換えて定 的障害もある程度分かる。精神障害もわかる。 めるとした。確かに他府県では障害の「害」を 現状背景がわかると病院でも適切な対応ができ ひらがなで標記するところも増えてきている ると思う。問題は精神障害の発達障害である。 が、その関係する法律の中では、未だ障害の害 少し自覚症状が強い人や短気な人などの発達障 は漢字を用いていることが多いため、関係法令 害の対応がかなり社会の中で問題になっている との整理で標記方法を合せることとなった。よ のではないかと思う。 って、障害者の用語は本条例では「障害のある 我々もなかなか理解しえない状況だと思う。 人」とした。 何百人もいると何%かはそういう方々がいる、 また、医師法 19 条との関係では、我々もパ 診療の中でもある、今後また一つの課題になっ ブリックコメントの意見を受けて議論したが、 ていくのではないか。その中から紐解いてこの 先行する他府県の条例の内容や規定を前提に提 条例ができたのでないかと個人的に感じる。 示することになるが、9 条では事業主体という 運用していろいろな事例が出てくると思う。 ことで、医師に限らずその他の医療従事者を事 境目のない事業であり、ある人から見たらおか 業主体とすることもあり、今回本条例を出すに しい人でも自分ではそうでもないと思っている あたり、障害者県民会議の中で、障害当事者や こともある。 有識者との議論を踏まえた上で、原文通りのま 発達障害に関してはこの前にも議論があった まで条例の内容とした。 かと思う。専門の先生方をしっかり確保して一 確かに、条例においては第 2 章で障害を理由 般に診る人が連携してしっかり診断していこう とする差別の禁止を定めているが、罰則規定が ということであった。 ないこともあり、広く県民の方々に障害のある 具体的には医師会としてどのように周知した 方がどのようなところで差別、誤解偏見を受け 方がよいか。県民へはどのように周知するのか。 ているかがイメージしにくいため、文章表現と ◆県福祉保健部: しては、県民の皆さんが、どのようなところに 県民へはフォーラムやパンフレット・ポスタ 配慮していけば障害者の方でも暮らしやすい社 ーで周知を図っていきたいと考えている。今回 会に繋がるかを理解していただきたいとの意図 情報提供させて頂いたが、後日、周知依頼を出 でこのような条例となった。 すのでその際にご協力頂きたい。 ◆県福祉保健部: 会議の中でコメントについては検討されたと いうことである。 - 85(475) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 印象記 副会長 玉城 信光 議題 1 定期予防接種に係る予診票の様式統一化について 予防接種は全県下で相互乗り入れが行われているが市町村により用紙の色がことなり、間違う 恐れがある。実際には過誤事例はないようであるが、県としても確認し善処したいとの回答であ った。 このような事例をあげて頂くことは大切なことである。各種委員会を通じて理事会にあげて頂 きたいものと考える。 議題 2 沖縄県庁職員の健康状況の改善について 沖縄県医師会からの提案だが、多くの県庁職員の健診データーを解析し、改善することは沖縄 の長寿復活の一助となるので異常所見を把握して改善してほしいと要望した。県の回答では個別 の項目では必ずしも異常の割合が多くはないが、肥満率は高いのでセルフケアも含めて県の見本 となる様に福祉保健部と職員厚生課と一緒になり努力したいとのことである。 議題 3 沖縄県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例の公布等について 沖縄県からは条例の第 9 条に「医師その他の医療従事者は、障害のある人に医療を提供し、又 は受けさせる場合において、障害のある人に対して、障害を理由として、次に掲げる行為をして はならない。」とあるのでその周知をお願いしたいとのことである。 県医師会からは「障害」を「障がい」にしてはどうかということ、また第 9 条の医療の提供に 関しては医師法で規定されているので表現をかえても良いのではないかとパブリックコメントに 意見を出したのだが、どのように検討されたかと質問をした。パブリックコメントに関してはす べて検討されており、害に関しては害の表記の県が多いのでそのようにしたとのこと。またこの 条例は医師以外の方にもひろく認識して頂きたいので医師法ではなく、あえてこのように文言を 入れたとのことであった。 沖縄県医師会に対してどのようなことをしてほしいのか問うたところ、いずれ広報の方法等検 討しお知らせするので協力をお願いしたいとのことである。 先生方のご協力をお願いしたい。 - 86(476) - 沖沖 縄縄 県県 医医 師師 国国 民民 健健 康康 保保 険険 組組 合合 のからのお知 のからのお知 らせ らせ ■医師国保組合とは ■医師国保組合とは 沖縄県医師国民健康保険組合は、国民健康保険法に 沖縄県医師国民健康保険組合は、国民健康保険法に 基づき、国民健康保険を行う目的で昭和 基づき、国民健康保険を行う目的で昭和 4949 年 10 年 10 月に 月に 設立された公法人で、沖縄県内で医業関係のお仕事に 設立された公法人で、沖縄県内で医業関係のお仕事に 従事されている方を組合員とした「国民健康保険組合」 従事されている方を組合員とした「国民健康保険組合」 です。 です。 ■加入対象者について ■加入対象者について ・医師 ・医師… …沖縄県医師会会員で医業に従事しており、社会保険等に加入していない方。 沖縄県医師会会員で医業に従事しており、社会保険等に加入していない方。 (※開業医、勤務医等は問いません。詳しくは事務局までご連絡下さい。 (※開業医、勤務医等は問いません。詳しくは事務局までご連絡下さい。 ) ) ・家族 ・家族… …医師、従業員組合員と住民票が同一で社会保険等に加入していない方。 医師、従業員組合員と住民票が同一で社会保険等に加入していない方。 ・従業員… ・従業員…医師組合員が開設する医療機関に勤務する従業員の方。 医師組合員が開設する医療機関に勤務する従業員の方。 ■組合の保険料について(※1 ■組合の保険料について(※1 人当たり) 人当たり) 国保分 国保分 後期分 後期分 介護分 介護分 月額保険料 月額保険料 (※40~64 (※40~64 歳)歳) 年間保険料 年間保険料 (月額×12) (月額×12) 医 医師 師 26,000 26,000 2,600 2,600 3,300 3,300 31,900 31,900 382,800 382,800 家 家族 族 7,000 7,000 2,600 2,600 3,300 3,300 12,900 12,900 154,800 154,800 従業員 従業員 8,000 8,000 2,600 2,600 3,300 3,300 13,900 13,900 166,800 166,800 ※介護分(介護保険料)は ※介護分(介護保険料)は 4040 歳から発生し、64 歳から発生し、64 歳までは組合で徴収します。 歳までは組合で徴収します。 6565 歳からは市町村へ納付することになります。 歳からは市町村へ納付することになります。 ■組合の保健事業について ■組合の保健事業について 組合では、被保険者の健康保持・増進のため、次の保健事業を実施しています。 組合では、被保険者の健康保持・増進のため、次の保健事業を実施しています。 ○半 ○半 日人 日間 人ド 間ッド クッ助ク成 助事 成業 事 業… …半日人間ドックの受診費用を一部助成します。 半日人間ドックの受診費用を一部助成します。 ○インフルエンザ予防接種助成事業 ○インフルエンザ予防接種助成事業 … …予防接種の接種費用を一部助成します。 予防接種の接種費用を一部助成します。 ○宿 ○宿 泊助 泊成 助事 成業 事 業… …県内ホテルへ宿泊された場合、宿泊費用の一部を助成します。 県内ホテルへ宿泊された場合、宿泊費用の一部を助成します。 ○育 ○育 児支 児援 支事 援業 事 業… …出産された被保険者の方へ、育児支援本を 出産された被保険者の方へ、育児支援本を 1 年間提供します。 1 年間提供します。 詳細につきましては、事務局までお気軽にお問い合わせください 詳細につきましては、事務局までお気軽にお問い合わせください 沖沖 縄縄 県県 医医 師師 国国 民民 健健 康康 保保 険険 組組 合合 住 住所:南風原町字新川218-9 所:南風原町字新川218-9 TEL:098-888-0087 TEL:098-888-0087 FAX:098-888-0089 FAX:098-888-0089 事務局:高良、新崎まで 事務局:高良、新崎まで 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 平成 25 年度那覇空港 航空機事故救急医療部分訓練 理事 玉井 修 平成 26 年 1 月 23 日(木曜日)那覇空港航 動が開始される。第 3 救護所は自力歩行可能な 空機事故救急医療部分訓練が開催された。例 軽症者が対象だが、後に急変する可能性は充分 年は自衛隊や消防訓練も同時に行い、ヘリに にあるので気は抜けない。トリアージタッグの よる救助訓練、ヘリ搬送などの訓練も同時に 記載に取り組みながら、傷病者名簿の作成に追 実施されるが、今回は救急医療に集中した部 われる。混乱と喧噪の中、軽症患者の中に緊張 分訓練となった。1 月の那覇空港滑走路は風も 性気胸の疑いのある患者が発生し、対応に追わ 強く、非常に寒い事が予想されたが、訓練当 れる。そして次々に、意識障害を生じた患者、 日はポカポカ陽気であり、風もほとんどなか 顔面外傷の患者などの患者に対する二次トリア った。那覇市医師会の救護班は医師 4 人、看 ージを行い、救急処置可能な救護所への移送要 護師 9 人、事務職員 3 人の合計 16 人で、これ 請を現地対策本部に連絡する。喧噪の中、トラ に浦添市と南部地区の医療班が合流して総勢 ンシーバーの音も聞き取りにくい。混乱の中、 29 人の大きな編成となった。これまでの訓練 傷病者名簿と実際の患者数とが合わない状況と では、医師、看護師がそれぞれに独立して救 なり、現場行方不明者を出してしまうという事 護所の患者対応を行っていたが、今回は医師 1 態となった。後で判った事だが、重症患者を救 名に看護師 2 ~ 3 人を一つのユニットとして 急処置可能な第一、第二救護所へ移送する場合 動かす事とした。 には本来は現地対策本部への連絡と移送手段の 午後 2 時に訓練開始である。我々救護班に出 指示を待って行うべきところを、現場判断で移 動命令が出た。医師会医療救護班は軽症者を収 動させていたために人数が把握出来ない状態と 容する緑の第 3 救護所と決まった。次々とやっ なっていたのだ。 てくる傷病者に対して医療チームによる救護活 指揮命令系統に対する充分な理解が無い場合 - 88(478) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 報 告 2014 はこの様な事態に陥るのだという事が良く理解 方が優先されるべきである。個々の判断で 1 人 できた。私自身がこの事をもっとしっかりと現 救う事よりも、全体の動きで 2 人救う事が優先 場医療チームに徹底させるべきだったと反省し されるのだ。私自身を含めて医療チームはこの た。プロフェッショナルオートノミーとは現場 様な指揮命令系への認識が甘い傾向がある。1 の判断で動く事を意味するのだが、いっぺんに 時間半に及ぶ長い訓練を終えて、疲労しきった 多くの傷病者が発生し、重症患者同士の選別、 身体を引きずりながら、様々な局面での反省点 優先判断を行う場合にはプロフェッショナルオ が思い起こされ、訓練の重要さを改めて認識す ートノミーよりも指揮命令系に従うという事の る貴重な経験であった。 対策本部の掲示板 対策本部の様子 トリアージエリアの様子 第 3 救護所の前 第 3 救護所の内部の様子 総評の様子 - 89(479) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 連絡協議会より 地区医師会連絡協議会より 2014 第 55 回地区医師会連絡協議会 公益社団法人 北部地区医師会 会長(代表理事) 大城 修 去る、1 月 18 日(土)に名護市にある万国 津梁館(オーシャンホール)にて、第 55 回地 議 題 1)「県医師会表彰選定基準について」 中部地区医師会 区医師会連絡協議会が開催された。 今回の連絡協議会は、北部地区担当の下、各 〈提案趣旨〉 地区並びに県医師会の 60 名を超える参加者が 各種表彰候補者の推薦については、各地区医 一堂に会し、本会小生(大城会長)より挨拶の 師会より県医師会に候補者を推薦し、県医師会 後、早速協議に移った。 「表彰選定委員会」において各地区からの推薦 議題は、中部地区から提案のあった「県医師 候補者の中から各表彰ごとの候補者及び順位を 会表彰基準について」と浦添市医師会より提案 選定されており、その推薦者の選定順位は下記 のあった「認知症への医師会の取り組みについ のとおりとなっている。 て」の 2 題と北部福祉保健所所長宮里達也先生 本会も同様の基準で推薦候補者を決定してい から「北部医療の現状と課題」の報告があった。 るが、近年、本会では高齢者の新入会員が増えて 協議会終了後は、同館サンセットラウンジに きており、年齢を優先して推薦選定すると医師会 場所を移し交流会が行われお互いの親睦を深め 事業(学校医、予防接種)に長年貢献した会員よ た。翌日 19 日(日)にはジ・アッタテラスゴ り先に表彰を受けることになるケースが発生し ルフリゾートにて親睦コンペが行われた。 たため、選定基準を①本会会員歴、②医師会事業 貢献度を優先することにしている。 以下、今回の協議会の回答(概要)を報告する。 県医師会での推薦候補者及び順位を選定する にあたって、各地区で候補者を選定する基準が 異なると表彰候補者及び順位に影響をおよぼす - 90(480) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 地区医師会連絡協議会より 2014 こともあると推測されますので、各地区医師会 ○浦添市医師会 ではどのような推薦基準で候補者を決定されて 浦添市医師会でも沖縄県医師会で定められた いるのかご教示願いたい。 推薦基準(H23 年改正)に準じて推薦を行って 【推薦者の選定順位】 いるが、中部地区医師会ご提案と同様に「会員 1. 年齢 歴」を優先し、表彰に応じた実績(事業従事年 2. 事業従事年数 数、貢献度)により推薦を行っている。 3. 貢献度 4. 業績内容等 ○宮古地区医師会 5.推薦基準で、既に同格の賞を受賞した者の推薦 宮古地区医師会としても推薦者の選定基準を を妨げない場合(推薦要項で母子保健知事賞を 満たしていれば地区医師会での貢献度や業績の 受賞した者を公衆衛生知事賞の候補者となる 内容、年齢等を考慮し、理事会で協議して決め こと)であっても、本会においては、同格の ている。 賞の受賞候補者は原則推薦しないこととする。 但し、文部科学大臣表彰の受賞者が厚生労働大 ○八重山地区医師会 臣の推薦を受ける場合等、上位の賞の受賞の 八重山地区では、地区医師会での貢献度、事 条件になっている場合はその限りではない(叙 業従事年数、年齢等を考慮して選定している。 勲・褒章申請に際し、厚生労働大臣表彰を受 条件を満たしている年配の先生方が受賞を拒否 賞していることが条件となる場合がある) されると後に続く若い先生方が受賞出来ない悪 6. 原則、上位の賞を受賞した後に、下位の賞 循環につながっている。 の推薦はしないものとする。 *表彰推薦者は、原則として受賞決定の際には 表彰式に参加するものとする。 ○那覇市医師会 本会では、学校保健功労、公衆衛生部門にお いては、校医歴、予防接種歴、理事歴等の医師 【議題①に対する意見・回答】 会事業への貢献度を優先しているため数年先ま ○北部地区医師会 で候補者推薦順が決まっている。 北部地区医師会は、沖縄県医師会で定められ 県功労者、日本医師会最高優功賞、叙勲につ た推薦基準を基に地区医師会での貢献度を重要 いては、功績と年齢を加味して選定しているが、 視し、理事会で協議後決定する。地区医師会入 大臣表彰まで受けるにはある程度の年齢になっ 会が数年単位で有っても沖縄県医師会内での貢 ているので、おのずと候補者推薦順が決まって 献度を見て認められれば沖縄県医師会からの推 いる状況である。 薦として表彰の対象にする方法も有るかと思う。 ○南部地区医師会 本会における当該表彰候補者の選定基準は、 各種表彰基準に沿った業績内容(地域医療への 貢献度・学校医歴・予防接種事業への従事年数・ 役員歴等)を踏まえ、①表彰基準を満たした者 ②業績内容の経歴(従事年数)が長い者③本会 の会員歴 ④年齢の順位を基本として選定して いる。 ○沖縄県医師会 説明する北部地区医師会 仲村佳久常任理事 県医師会としてもある一定の基準を設けない - 91(481) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 地区医師会連絡協議会より 2014 と各地区医師会での会員数や会員の年齢等、構 例をもとに地域ケア会議の演習を行いました。 成が異なるため選定基準を定められた経緯があ また、中部地区医師会の班の中では積極的に る。地区医師会での事情を考慮し今後基準を変 独自に月 1 回の頻度で認知症の勉強会を開催し 更するか検討したい。 ている班もある。 地域の開業医の先生と介護福祉関連施設や行 2)「認知症への医師会の取り組みについて」 政の職員とが顔と顔で繋がる連携を構築中であ 浦添市医師会 る。今後も地道な活動を重ね、治療介護が必要 〈提案趣旨〉 な認知症患者がスムーズに支援を受けられるよ 認知症センターが沖縄県において 2 か所設置 う努力しているところである。 が決まり、センター発足に向けた取り組みが始 まっている。 ○宮古地区医師会 認知症の早期診断治療、リハビリテーション、 全体的な取り組みは行っておらず定期的なか 予防等の課題は山積している。 かりつけ医に対する講習会開催(沖縄県主催) 各地区医師会での認知症への取組の状況を交 支援、認知症家族への支援、市民向けに年 1 回 換し、認知症診断のレベルの向上を図る必要が の認知症講座の開催、認知症の患者さんの情報 ある。 を医師のみではなく包括支援、介護福祉施設等 センターとの連携や多職種協働等について、 と情報共有を行ってサポートしている。 意見を交換したいと思う。 ○八重山地区医師会 【議題②に対する意見・回答】 認知症対策として当地区は、神経内科医が居 ○北部地区医師会 ない為ほとんど活動がされていない。 本格的な認知症の取組は行っておらず今後 サポート医講習を受講した先生を中心にこれ は、在宅医療の延長上として多職種連携に盛り から少しずつ活動始めていく所である。 込んでいき、診断レベルの向上に取り組んでい ○那覇市医師会 きたい。 認知症連携の会として、年に 1 ~ 2 回の講演 ○中部地区医師会 会を開催しているが、本格的な取り組みは行っ 認知症疾患医療センターの北中城若松病院お ていない、多職種間の在宅医療ネットワークを よび中部地区医師会在宅医療連携ネットワーク 立ち上げておりさらに活性化させていきたいと が積極的に認知症患者の地域連携活動に取り組 思う。今後は地域の包括支援センターを中心に んでいる。 行政、介護等と連携深め、本日の各地区の取り 北中城若松病院は北圏域の認知症疾患医療セ 組みを参考にさせていただきたい。 ンターとして平成 25 年 8 月より活動を開始し、 12 月までの 5 カ月間に 564 件の医療相談が寄 ○南部地区医師会 せられている。 これからますます少子高齢社会が進むなか、 8 月、10 月には中部地区医師会館にて認知症 地域で生活する認知症患者がより良い医療や介 講演会、研修会が開催されました。12 月には 護サービスを受けるためには、専門医療・地域 在宅医療ネットワークと認知症疾患医療センタ 医療・介護・福祉それぞれの機関が情報を共有 ーがタイアップし認知症在宅ケアのワークショ するための地域連携を図っていく必要があると ップが開催された。医師、コメディカル、地域 思う。 包括支援センター職員、介護施設管理者等が参 認知症に対する本会の活動は今のところ行っ 加し 10 名× 10 グループに分かれ具体的な症 てはいない、各々の医師が県の行政事業で行わ - 92(482) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 地区医師会連絡協議会より 2014 れてきた「かかりつけ医認知症対応能力向上研 地域に定住している住民のみならず、観光 究会」などに参加しているのが現状である。 客の医療安全上(地域の経済発展の面からも) 、 しかしながら、今年 8 月に本会の会員施設で ある嬉野が丘サマリヤ人病院が認知症疾患医療 救急車搬送件数(平成24年1~12月) センターとして県から指定を受けているので、 県立北部病院 北部地区 医師会病院 現在当会にて進めている在宅医療連携ネットワ 名護消防 1,603 1,050 ーク事業」と絡めて、同病院を認知症連携の中 本部今帰仁消防 670 712 国頭消防 553 268 計 2,826 2,030 心施設として位置づけ、連携の拡充に取り組ん で行きたいと考えている。 なお、当面の取組として在宅医療連携ネット 一日平均 (シェア割合) ワーク事業の一環で 3 か月に 1 回開催を予定し 7.7(58%) 5.5(42%) ている多職種間連携強化を目的とした症例検討 会及び講演会等において、認知症疾患に関する 救急医療受け入れ体制の確保は重要と思う。 内容を取り上げながら認知症連携の強化も図っ 2. 慢性的な医師不足に関して ていく予定である。 ○僻地であるための問題 報 告 ①子供の教育的な環境が整っていない? 北部医療の現状と課題 (中高一貫の進学校など)県外から赴任 して来たものの、子供の教育環境を理由 に家族が中部地区に引っ越ししたケース が少なくない。(医師家庭は子供の教育 に対する要求が高い傾向にある) その結果、中南部在住となるため住民税 なども北部には還元されない 県立北部病院と北部地区医師会病院で勤務する医師の居住地 北部地区 県立北部病院 医師会病院 (全医師数48名) (全医師数39名) 研修医含む 研修医含む 1. 北部地域の救急体制 北部圏域 17名(59%) 27名(69%) 北部地区医師会病院の両病院が担っている。し 中部圏域 7名(24%) 7名(18%) かし、県立北部病院は、内科医の減少などによ 南部圏域 5名(17%) 5名(13%) 北部の救急患者の受け入れは、県立北部病院、 り、約 2 年前より夜間の独歩での救急受診(内 科患者)を制限している。県立北部病院の内科 医の減少が今後も進んでいく傾向にあり、内科 救急に関しては危機的状況になることが予想さ れる。また、北部地域には民泊が盛んなことも あり県外から多くの修学旅行生が訪れる。冬場 の来沖が主であるため、インフルエンザやノロ ウイルス感染症の集団発生の際には両病院が対 応している。 - 93(483) - ②住居に関しては、中南部よりも有利な部 分もある。 北部地域は、中南部に比較して土地購入 の観点から、家を建てやすい環境にある。 内地から家族ともに赴任してくる医師 で、土地を購入し家を新築する人もいる。 沖縄医報 Vol.50 No.4 地区医師会連絡協議会より ③医師が循環するシステムが整備されてい ない。 2014 3. 診療科全体として 両病院の診療科比較 ○北部に対する強い思いがあり 10 年以 県立北部病院:内科、外科、小児科、産婦 上勤務した医師が、中堅の医師が赴任 人科、救急科、整形外科、麻酔科、脳神 して来ないため、疲弊し退職するケー 経外科、放射線科(1)、耳鼻咽喉科(1)、 スが増えてきている。 泌尿器科(1)、眼科(1)、病理(1)脳 ○研修(初期・後期)を受ける医師は確 血管障害、頭部外傷は基本的に脳神経外 保されても、その後のスキルアップ教 科のある県北が担当 育の体制が十分ではない(他の地区の 北部地区医師会病院:内科、外科、救急科、 病院へ学びを求め、その後北部に帰っ 整形外科、麻酔科、放射線科(1)、病理(1) てこないこともある) 。 附属病院:循環器内科、心臓血管外科 ④病院の規模、地域患者数の問題 消化管出血(吐血・下血)は消化器内科 ○県北 275 床(届出病床:293 床)、医 の充足している医師会病院が担当 潜水 師 会 病 院 236 床 と 中 規 模 の 病 院 が、 病は機器のある医師会病院が担当 それぞれ救急、一般診療を行っている。 ○外科に関しては、両病院の競合が発生 している。 数年前より地域の産婦人科医師の確保が問題 となっている。現在、産科は主に 2 つの産婦人 (胃・大腸・乳癌の外科手術は医師会 科診療所が約 800 件 / 年(地域全体としては 病院で受ける人が多く、県北の外科に 約 1000 件 / 年)の出産に貢献している。 おいては、癌の手術件数が極端に少な それでも診療所で出産できないハイリスク分 く外科医の修練として十分な環境にな 娩や緊急処置が必要な妊婦は中部病院へ搬送し い。)過去に両病院に脳神経外科が存 ている。現在、両診療所の医師は共に 60 代半 在した際には競合していた。 ばであり、それを支援する体制、もしくは代替 する医師の確保ができなければ、将来北部で出 産できなくなる可能性もある。 平成20~22年度の脳神経外科診療実績 県立北部病院 現代の医療状況においては、リスクを回避し 北部地区医師会病院 やすい病院施設での出産を希望する傾向にあ H20 H21 H22 H20 H21 H22 り、将来的には地域中核病院の産科機能の充実 が不可欠である。また、産婦人科以外の診療科 新入院 患者数 147 1日平均 在院患者数 12.7 医師 1人当り 患者数 6.3 202 186 199 7 0 として、泌尿器科・耳鼻咽喉科・眼科などが 1 名ずつ県立病院に配置されているが、救急対応 15.9 17.5 10 1 0 できる状況ではなく、必要な場合は中南部の病 院へ搬送しているのが現状である。 8.0 8.7 9.8 0.7 0 そして、精神科救急に関しても、特に夜間の 救急患者発生時は北部圏域での対応は困難であ り、中南部へ搬送されているのが現状である。 - 94(484) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 生涯教育 2014 生涯教育コーナーを読んで単位取得を! 日本医師会生涯教育制度ハガキによる申告 ( 0.5 単位 1カリキュラムコード) 日本医師会生涯教育制度は、昭和 62 年度に医師の自己教育・研修が幅広く効率的 に行われるための支援体制を整備することを目的に発足し、年間の学習成果を年度末 に申告することになっております。 これまでは、当生涯教育コーナーの掲載論文をお読みいただき、各論文末尾の設問 に対し、巻末はがきでご回答された方には日医生涯教育講座 5 単位を付与いたしてお りましたが、平成 22 年度に日本医師会生涯教育制度が改正されたことに準じ、本誌 の生涯教育の設問についても、出題の 6 割(5 問中 3 問)以上正解した方に 0.5 単位、 1 カリキュラムコードを付与することに致しました。 つきましては、会員の先生方のご理解をいただき、今後ともハガキ回答による申告 に、より一層ご参加くださるようお願い申し上げます。 なお、申告回数が多く、正解率が高い会員につきましては、年に 1 回粗品を進呈い たします。ただし、該当者多数の場合は、成績により選出いたしますので予めご了承 ください。 広報委員会 生涯教育 の設問に 答える ハガキ で回答 0.5 単位 1カリキュラムコード+ 付 与 0.5単位、 1カリキュラム コード付与 - 95(485) - 粗 品 進 呈 沖縄医報 Vol.50 No.4 生涯教育 2014 産婦人科領域における腹腔鏡手術の現状と将来 琉球大学医学部附属病院産婦人科 講師 銘苅 桂子 【要旨】 2002 年、経験の少ない医師が腹腔鏡手術を行い死亡に至るという重大な事故が報 道された。1990 年以降、腹腔鏡手術が急速に普及したのに対して指導やトレーニン グ体制が確立していなかったことが大きな要因であると考えられている。開腹手術 と同じ手術内容を行うにもかかわらず、限られた 2 次元の視野、限られた鉗子操作 で行うことは開腹手術とは異なる多くの訓練と技術を要する。日本産科婦人科内視 鏡学会では、10 年前から内視鏡技術認定制度が始まり、現在認定技術者は 300 名を 超えている。さらに、技術認定医を目指す若手医師の教育システム確立のため、技 術認定医を認定する施設基準制定と審査が開始された。加えて、婦人科領域では初 の悪性疾患となる子宮体がんに対する腹腔鏡手術が保険収載されることになった。 産婦人科領域における腹腔鏡手術は今まさに、より安全で確実な技術、標準的な術 式と教育システムの確立、そして悪性疾患への適応拡大へと、次のステージへ上り つつある。本稿では、婦人科領域における腹腔鏡手術の概要について述べる。 腹腔鏡手術とは いという利点がある。一方で、一定以上の技術 機器や技術の進歩により、様々な病気に対し 水準を要求されるため行う医療機関は自ずと限 内視鏡を用いて、体への負担を少なくする形で られる。 の手術が行われるようになってきている。婦人 科領域においては、腹腔鏡を用いて子宮や卵巣 腹腔鏡下卵巣腫瘍核出術・腹腔鏡下付属器摘 の手術を行う腹腔鏡下手術と子宮鏡を用いて子 出術 宮内の病気に対して行う子宮鏡下手術とがこれ 良性の卵巣腫瘍の中で頻度の高いものとし に該当する。ここでは主に腹腔内で操作を行う て、漿液性嚢胞腺腫、粘液性嚢胞腺腫、成熟嚢 腹腔鏡手術について概説する。従来これらの 胞性奇形腫(皮様嚢腫、類皮嚢腫、デルモイド 手術は開腹をして行ってきたが、この場合通常 腫瘍)などが挙げられる。腹部膨満感を訴える 10cm 以上にわたり下腹部を切開する。おなか こともあるが多くは無症状であり、検診等で発 に傷が残るという美容上の問題だけでなく、術 見されることが多い。卵巣茎捻転をきたした場 後の回復に時間がかかること、術後の癒着によ 合は緊急手術が必要となる。術前の画像診断や って不妊症となったりすることが問題であっ 腫瘍マーカーなどで悪性を十分に否定すること た。そこで、腹腔鏡という直径が 1cm 程の内 が重要である。女性の年齢や妊孕能温存の希望 視鏡システムを用いて、より小さい切開で同様 により、卵巣実質を残して腫瘍のみを摘出する の手術をする方法が開発された。この方法では 腹腔鏡下卵巣腫瘍核出術、卵巣実質と卵管も合 創が小さいため、術後の疼痛が少なく回復も早 わせて切除する腹腔鏡下付属器摘出術が選択さ - 96(486) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 生涯教育 2014 れる。当院において良性卵巣腫瘍と診断された ものは全例腹腔鏡手術を行っている。 【症例 1】 35 歳、0 経妊、3 年不妊にて受診。数年前よ り月経痛が強くなってきている。子宮卵管造影 にて両側卵管閉塞、MRI にて両側の卵巣チョコ レート嚢腫(右 10cm、左 6cm)を認め(図 1) 、 子宮内膜症による卵管閉塞の疑いで腹腔鏡手 術の適応とした。 (術中所見)全身麻酔+硬膜 写真 2 卵巣嚢腫を核出 外麻酔、開脚位にて手術開始。トロッカーは臍 10mm、左右と正中の下腹部 3 か所に 5mm を挿 腹腔鏡下子宮筋腫核出術 入した。腫大した両側の卵巣嚢腫はダグラス窩 子宮筋腫とは平滑筋繊維束で構成される良性 に位置し、癒着は軽度であった(写真 1) 。癒 腫瘍で、性成熟期女性のおよそ 30%に認めら 着を剥離して両側の嚢腫を卵巣実質より核出し れる疾患である。女性ホルモン依存性に増大し、 た(写真 2) 。 過多月経、不正性器出血、不妊症の原因となり、 卵管周囲癒着剥離後に卵管通水テストを行 さらに増大すると腹部膨満感、頻尿の原因とな い、両側の卵管疎通性を確認した。術後はタイ る。症状のある子宮筋腫は治療適応となり、手 ミング療法にて妊娠成立した。 術療法としては子宮温存の希望があれば腹腔鏡 下筋腫核出術、子宮温存の希望がなければ腹 腔鏡下子宮摘出術が選択肢の一つとなる。子宮 筋腫核出術を腹腔鏡下に行えるかどうかの限界 は、筋腫の大きさに依存する。子宮の切開に伴 う出血を適切に縫合止血できるかどうかが必要 な要件であり、筋腫が大きくなるほど視野と操 作スペースの確保は困難となり出血量は増加す る。当科ではおよそ 10cm 以下を腹腔鏡手術の 適応とし、筋腫核数についての制限は今のこと 図 1 T2 強調 MRI 所見(両側卵巣チョコレート嚢腫) ろ設けていない。 【症例 2】 39 歳、0 経妊、8 年不妊。挙児希望、過多月 経にて受診。前医にて排卵誘発 2 周期、当科 にて人工受精 2 周期施行するも妊娠せず。MRI にて筋腫は子宮内膜に接する 5cm 大の筋層内 筋腫であり、過多月経と不妊の原因となると判 断し手術適応とした(図 2)。前壁の子宮腺筋 症については現在のところ着床障害になるとい うエビデンスに乏しく、流産の既往もないこと 写真 1 チョコレート嚢腫により腫大した両側卵巣 から切除のリスクの方が高いと判断し手術適応 - 97(487) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 生涯教育 2014 とはしなかった。体外受精にて胚盤胞を 4 個 凍結したのちに、腹腔鏡下筋腫核出術を施行し た。(術中所見)全身麻酔+硬膜外麻酔、開脚 位にて手術開始。トロッカーは臍と左下腹部 に 10mm、左側腹部と右下腹部に 5mm、計 4 か 所に挿入した。筋腫は後壁に突出し(写真 3)、 電気メスで横切開を加え、核出した(写真 4)。 子宮内膜に接していたが損傷することなく、核 出後の筋層はバイクリル 1-0 で 2 層縫合。表 面はベースボール縫合を行い、癒着防止剤を 図 2 T2 強調 MRI 画像(後壁子宮筋腫) 貼付して手術を終了した(写真 5)。出血量は 100g、手術時間 2 時間 25 分。術後 4 カ月から 融解胚移植を行う予定である。 腹腔鏡下子宮全適術 子宮筋腫、子宮腺筋症などの良性子宮疾患に 対して腹腔鏡下子宮全適術が施行される。 腹腔鏡手術は低侵襲であるが、重症合併症に ついてはむしろ従来の手術よりも頻度が高くな る術式である。拡大されて立体視のできない 2 次元映像下では、奥行きの認知が困難で、臓器 写真 3 子宮後壁に突出した子宮筋腫 の位置や操作鉗子の位置、動かす方向を誤認し やすい。とくにパワーソースを用いた場合、直 接触れなくても分流熱傷や熱伝導による損傷が 起こるため臓器損傷を起こしやすくなり、尿管、 膀胱、直腸のなどの隣接臓器の損傷リスクが高 まる。特に腹腔鏡下子宮摘出術では、開腹によ 1) る子宮摘出術よりも尿管合併症の頻度が上る 。 そのようなことから、尿管損傷をさけるため開 腹手術とは異なる術式が開発されてきた。開腹 での子宮摘出術では尿管の走行は触診で確認す るのみであり、子宮動脈を分離することは少な 写真 4 筋腫を核出(青く染まっている部分は子宮内膜) いが、腹腔鏡下では触診を行うことができない ため尿管を剥離して走行を確認し、子宮動脈を 分離して結紮を行うことが多い。最初に尿管の 走行を明らかにすることで子宮筋腫や子宮内膜 症により尿管が変位している症例に対してもよ り安全に手術を遂行することができる。 【症例 3】 46 歳 2G1P 5 年前より月経痛、慢性下腹部 痛あり、前医にて薬物療法施行するも改善せず - 98(488) - 写真 5 縫合終了時 沖縄医報 Vol.50 No.4 生涯教育 2014 当科紹介。MRI にて子宮腺筋症を認め、子宮 くには十分なインフォームドコンセントが必要 温存の希望ないため腹腔鏡下子宮摘出術の適応 である。腹腔鏡手術の合併症が重症化しやすい とした(図 3)。GnRH agonist 6 周期施行後の 理由として、死角の存在、エネルギーデバイス 手術となった。全身麻酔+硬膜外麻酔、開脚位 の頻用、二酸化炭素による気腹操作などがあげ にて手術開始。トロッカーは臍 10mm、左右と られる。トロッカーの誤刺入により大動脈を損 正中の下腹部 3 か所に 5mm を挿入した。子宮 は腺筋症により腫大し、腸管と子宮後面が強固 に癒着し(写真 6) 、両側の卵巣・卵管は癒着 により一塊となっていた。膀胱剥離を施行後、 卵巣・卵管を子宮から剥離し、円靭帯、卵管、 卵巣固有靭帯を超音波凝固切開装置にて切断。 子宮動脈、尿管交差部を剥離し子宮動脈を結紮 (写真 7)。基靭帯、仙骨子宮靭帯を切断し腟壁 を全周性に切断。腟から子宮を摘出し腟壁をバ イクリル 1-0 にて連続縫合(写真 8)。インジ ゴカルミン静注後、膀胱鏡にて両側尿管口から 写真 6 子宮後面に腸管が癒着 インジゴカルミンが流出してくることと腹腔内 にインジゴカルミンの流出がないことを確認し 手術を終了。術中出血 320g、手術時間 5 時間 20 分。 腹腔鏡手術の合併症とトレーニングの必要性 腹腔鏡手術には開腹手術にはみられない特有 の合併症が存在し、さらに重症化しやすいため 極めて重大な転機をとることがある。低侵襲性 を期待する患者さんにとってはギャップが大き く、発生しうる合併症について理解していただ 写真 7 子宮動脈を結紮(子宮動脈の背側は尿管) 写真 8 腟壁縫合後(左の鉗子の先は尿管) 図 3 MRI T2 強調画像(子宮の全周性に子宮腺筋症を認める。 直腸と腟内にゼリーを注入し癒着の程度を判断) - 99(489) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 生涯教育 2014 傷し緊急開腹と大量輸血を要した症例、電気メ を取得するためには認定研修施設で研修を行う スでの腸管損傷に気付かず術後に腹膜炎をきた 必要がでてきた。また、エビデンスに基いた産 した症例などが報告されている。腹腔鏡下手術 婦人科内視鏡手術ガイドラインも刊行され、手 の術中合併症頻度は 0-28.6%、開腹手術の頻度 術の適応、術式の選択など適切な判断が行える は 0-32.5%であり、両者はほぼ同等であるが、 よう、多くの指針が示されている 。これから その多くは leaning curve 途上で生じることを 婦人科悪性腫瘍についても腹腔鏡手術が導入さ 指摘している 2)、3) 。当科における平成 25 年の 4) れていくなかで、個々の技術の向上、技術認定 合併症は術後出血が 1 例、術後イレウスが 1 例、 医を育てる研修システムの構築、そして適切な 下肢神経障害が 1 例であった。術中合併症はな 手術を行うための婦人科腫瘍専門医を含めたチ く、いずれも軽微なものであったが、術中、術 ーム医療が求められている。それは即ち、良質 後までリスクマネージメントを行いながら手術 な医療を患者さんへ提供するための道のりであ を計画する必要があることは言うまでもない。 り、我々腹腔鏡手術を行うものはそれらの努力 以上より、安全、確実な腹腔鏡手術のためには、 を怠ってはならないと思われる。 個々のトレーニングに加えてチームにおけるリ スクマネージメントが非常に重要である。 【参考文献】 1) Jhonson N, Barlow D, et al. Methods of hysterectomy: systematic review and meta-analysis of randomised 内視鏡技術認定医制度 日本産科婦人科内視鏡学会の内視鏡技術認定 医制度は、書類とビデオ審査からなり、特に手 術ビデオでは手技の安全性と確実性、手術とし ての完遂度が評価される。①トロッカーの挿入、 ②切開、剥離操作、③縫合結紮操作、④出血の コントロールと止血操作、⑤手術時間や完遂度 の適正度の項目で評価されるが、いずれも安全 な手術のためには欠かせない項目である。今 年度より内視鏡手術の臨床研修を行う施設とし て認定研修施設の登録も開始され、技術認定医 controlled traials. BMJ. 2005; 330: 1478. 2) Eltabbakh GH, Mount SL. Laparoscopic surgery does not increase the positive peritoneal cytology among women with endometrioal carcinoma. Gynecol Oncol. 2006; 100: 361-364. 3) Janda M, Gebski V, et al. Quality of life after total laparoscopic hysterectomy versus total abdominal hysterectomy for stage I endometrial cancer(LACE) : a randomised trial. Lancet Oncol. 2010; 11: 772780. 4) 日本産科婦人科内視鏡学会編 産婦人科内視鏡手術ガ イドライン 2013 年版 - 100(490) - U E S T I O N! 沖縄医報 Vol.50 No.4 生涯教育 Q U E S T I O N! 次の問題に対し、ハガキ(本巻末綴じ)でご回答い ただいた方で6割(5問中3問)以上正解した方に、日 医生涯教育講座0.5単位、1カリキュラムコード(84. その他)を付与いたします。 問題 次の設問 1 ~ 5 に対して、○か×でお答え下 さい。 問 1.腹腔鏡手術は開腹手術に習熟したもの 2014 1 月号(Vol.50) の正解 心血管カテーテル治療の最新の話題: 高度大動脈弁狭窄の治療 「経カテーテル的大動脈弁置換術(Transcatheter Aortic Valve Replacement:TAVR) 」 ― 内科医の立場から ― 問題 であれば容易に手術可能である。 問 2.腹腔鏡下子宮摘出術と開腹の子宮摘出 術による尿管損傷の頻度は同じである。 問 3.悪性卵巣腫瘍も腹腔鏡下手術の適応で ある。 次の設問 1 ~ 5 に対して、○か×でお答え下 さい。 問 1.現在、大動脈弁狭窄症の原因で最も多 いのはリウマチ性のものである。 問 4.安全、確実な腹腔鏡手術のためには、個々 問 2.重症大動脈弁狭窄症で心不全状態にあ のトレーニングに加えてチームにおけ る症例の予後はおよそ2年といわれて るリスクマネージメントが非常に重要 いる。 である。 問 3.大動脈弁狭窄症に対する大動脈弁置換 問 5.婦人科悪性腫瘍に対する腹腔鏡手術が 術の不能症例やハイリスク症例に対す 導入されるにあたり、婦人科腫瘍専門 る経カテーテル的大動脈弁置換術が 2013 医を含めたチーム医療が求められている。 年 10 月に保険償還された。 問 4.PARTNER 試験では大動脈弁置換術不 能症例で経カテーテル的大動脈弁置換 術群と内科的治療群を比較しているが、 1 年後の総死亡率は同等であった。 問 5.PARTNER 試験では大動脈弁置換術ハ イリスク症例で経カテーテル的大動脈 弁置換術群と大動脈弁置換手術群を比 較しているが、1 年後の総死亡率は同等 であった。 正解 1.× 2.○ 3.○ 4.× 5.○ 問 1.1 位は動脈硬化性 問 4.1 年後総死亡率は経カテーテル的大動脈 弁置換術群 30.7%、内科的治療群 50.7% と有意に経カテーテル的大動脈弁置換術 群が低かった。 問 5.1 年後の総死亡率は経カテーテル的大動 脈弁置換術群 24.2%、大動脈弁置換術 群 26.8%と同等であった。 - 101(491) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 2014 して、多職種協働による在宅医療の支援体制を 構築し、医療と介護・福祉・行政が連携した地 域における包括的かつ継続的な在宅医療の提供 浦添市在宅医療ネットワーク 代表世話人 まちなと内科クリニック 大濵 篤 多職種参加の意見交換会で みえてきた在宅医療の課題 について プライマリ・ケア を目指すものであります。私は浦添市在宅医療 ネットワーク代表世話人の立場で平成 24 年 10 月に厚生労働省から委託を受けた国立長寿医療 研究センターが企画した在宅医療連携拠点事業 の都道府県リーダー研修会に参加、また同年 12 月千葉県松戸市医師会主催による第 3 回在宅医 療推進のための多職種連携研修会(東大 ― 柏 プロジェクト)に傍聴参加しました。そこで学 んだことを活用しまして、平成 24 年 9 月から はワークショップ及びグループワークを通して の意見交換会を行っています。そこで私たちは 在宅医療を推進するにあたって、課題を抽出し 整理し、ひとつひとつ解決していくことが重要 と考えまして、会を通して抽出した在宅医療の 課題についてご紹介したいと思います。 【目的】 【はじめに】 多職種からなる医療・介護・福祉・行政の従 高齢化が急速に進み、有病率が上昇すると 事者を対象に在宅医療の課題抽出を行い、在宅 ともに通院が困難な方が増える等在宅医療への 医療の課題を松戸市医師会が作成し概念化した ニーズが高まっており、在宅医療を行うケース 図を引用し、優先して解決する課題項目として が増加しています。浦添市在宅医療ネットワー 各々 1 ~ 2 項目を選択し一覧表を作成する。 クは浦添市医師会に属する在宅療養支援診療所 【方法】 の医師たちにより平成 21 年に設立しました。 平成 25 年 1 月:テーマ:「在宅医療を推進 設立時は、症例検討会及び意見交換会は医師の するにあたっての課題」について医療・介護・ みあるいは症例に関わった一部の医療・介護の 福祉・行政従事者 49 名(医師 10 名、歯科医 事業所の方だけが参加し行われていました。そ 師 2 名、 保 健 師 1 名、 看 護 師 6 名、 薬 剤 師 7 こで私達は、在宅で貴重な症例から生み出され 名、PT2 名、MSW9 名、ケアマネジャー 7 名、 てくる医療・介護・福祉・行政の関わり方を地 介護福祉士 1 名、医院事務 2 名、市職員 2 名) 域に拡げみんなで学ぼう。そして顔の見える関 を対象に意見交換会(KJ 法を用いたグループ 係づくりをしようという目的で平成 23 年から ワーク)を実施した。(表 1)を参照。6 ~ 7 名 2 か月に 1 回の割合で福祉・行政も含む多職種 参加の症例検討会・意見交換会を行ってきまし た。また、一つの取り組みとして浦添市医師会 は平成 24 年度在宅医療連携拠点事業(復興枠) に参加しました。昨今、高齢化、価値観の多様 表1 KJ法:日本の文化人類学者・川喜田二郎氏(元東京工業大学教授)が考案し た創造性開発(または創造的問題解決)の技法で、川喜田氏の氏名の頭文字を とって“KJ法”と名付けられている。 KJ法は4ステップからなる。 1. カードの作成: 1 つのデータを 1 枚のカードに要約して記述する。(※1 枚に 1 つ のデータだけを記入) 化に伴い、病気を持ちつつも可能な限り住み慣 2. グループ編成 :数多くのカードの中から似通ったものをいくつかのグループにま れた場所で自分らしく過ごす「生活の質」を重 3. 図解化(KJ 法 A 型):輪どりや線などで、グループ同士の関係を表示し、全体が 視する医療が求められています。この事業の目 的は、在宅医療を提供する機関等を連携拠点と とめ、それぞれのグループに見出しをつける。 姿・形を持った図解となるようにしていく。 4. 文章化(KJ 法 B 型):A 型図解を元にして論文や記事などに文章化していく。 - 102(492) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 プライマリ・ケア 2014 で構成された 8 グループは 11 職種からなる多 11 個のテーマは “連携に関する課題”、“本人・ 職種グループで参加者個人が「在宅医療を推進 家族に関する課題”、“地域資源・制度に関する するにあたっての課題や問題点」をポストイッ 課題”、“医療体制に関する課題” の 4 つに大別。 ト 1 枚につき一つの事だけを記入した(ステッ 次に 26 個に分類した課題には当会で記述した プ 1)。次に思いついてポストイットに書き出 全 249 枚の内容を事務局で再整理した。 【結果】 した課題や問題点を関連性のあるもの同士集め グループ化する(ステップ 2)のだが、会の時 参加された多職種の方々は、在宅医療に熟知 間に制限があり、この会ではこのステップ 2 の し活動している方、少しは知っている方、全く 途中で終了した。8 グループ 49 名が記入した 知らない方もおられ、記入して頂いた課題内容 ポストイットの総数は 249 枚であった。ステッ はまちまちで、かなりのばらつきがみられたが、 プ 3、4 の作業は、その後同年 7 月の意見交換 これを在宅医療の課題一覧と表にした。地域が 会「参加者 40 名(医師 7 名、歯科医師 4 名、 抱える様々な課題がみえてきた。連携に関わる 看護師 3 名、薬剤師 7 名、PT2 名、MSW9 名、 項目が最も多かった。そして情報の共有が不十 ケアマネジャー 7 名、介護福祉士 1 名、医療事 分、困難であるとの意見。また、医療・介護・ 務 2 名、市職員 2 名)」で継続して行う予定で 福祉・行政関係者・一般市民を含めて在宅でど あったが、進行役である私の不手際で、記述し の程度の医療・介護が受けられるかがわからな た全 249 枚の記述内容を確認し、極く一部を い等があげられた。まずは優先度の高いものか 再分類するだけに終わった。後日、私の判断で ら課題解決に取り組むことが重要と考え、各項 ステップ 3、4 に関しては、松戸市医師会(あ 目を 1 ~ 2 題にして整理した(表 2)を参照。 【考察】 おぞら診療所)が作成したカテゴリー分類(図 1)を参照にそのまま使用させて頂くこととし 参加者 49 名 249 枚ものポストイットに書か た。これは記述内容を再分類し 11 個のテーマ れた情報を集約することによって、浦添地域の (A ~ K)と 26 個の課題に分類するものである。 在宅医療の課題をある程度客観的に抽出するこ 「在宅医療の課題」に関する概念図 㻌 連携に関する課題 (n=166㻘㻌㻌㻼㼚=㻌 611) K.㻌 市民への啓蒙 A.㻌 専門職種間の連携 多職種連携 F. 本人・家族に関する課題 医師との 連携 同職種連携 いB.医療と介護の連携 方針決定プロセス 病院から在宅への 移行 臨床倫理 退院調整 相互理解 D.病院と在宅の連携 情報にまつわる 障壁 在宅医療に要す る労力 世帯の抱える 問題 介護力不足 経済的問題 在宅を補完する 病院や施設 介護保険にまつ わる課題 地域資源の把握 制度の複雑さ 相談機能 J.在宅医療に 関わる諸制度 C. 方針決定プロセスや 相互理解 いE.顔の見える関係 サービス利用へ の障壁 H. 在宅医療を支える 地域資源 マンパワー不足 I. 在宅医療の非効率性 緊急入院先の 不足 24時間365日 対応 G. 在宅医療を支える医療体制 図1 - 103(493) - 医療依存度の高 い患者の増加 沖縄医報 Vol.50 No.4 プライマリ・ケア 2014 在宅医療の課題一覧 表 2 在宅医療の課題一覧 番号 連 携 に 関 す る 課 題 課題文 項目 A.専門職種間の連携 1. 地域の中の連携(多職種連携) 2. 地域の中の連携(同職種連携) 3. 医師との連携 B.医療と介護の連携 4. 医療と介護の連携 C.方針決定や相互理解 5. 方針決定プロセス 各専門職間での患者の情報共有が難しい 病院医と在宅医、看護師同士などの情報共有が不十分である 医師に気軽に話しにくい。質問しにくい。気後れすることがある 救急できた時に引き継ぎの情報を持ってくる方がほとんどいない 訪問診療時に医師への情報提供がうまく伝えられない 急変時の対応について本人や家族の理解がない 本人が元気な時にどうしたいのかをはっきりさせていないから介護する家族が迷う 6. 臨床倫理 7. 相互理解 D.病院と在宅の連携 8. 病院から在宅への移行 9. 退院調整 E.顔の見える関係 10. 顔の見える関係 F.本人・家族に関する課題 11. サービス利用への障壁 12. 世帯の抱える問題 13. 介護力不足 14. 経済的問題 G.在宅医療を支える医療体制 15. マンパワー不足 16. 緊急入院先の不足 17. 24時間365日対応 18. 医療依存度の高い患者の増加 H.在宅医療を支える地域資源 19. 在宅を補完する病院や施設 20. 地域資源の把握 21. 相談機能 I.在宅医療の非効率性 22. 情報にまつわる障壁 23. 在宅医療に要する労力 J.在宅医療にかかわる諸制度 24. 介護保険にまつわる課題 25. 制度の複雑さ K.市民への啓蒙不足 26. 市民への啓蒙 胃瘻の考え方の違いがある。医師でも考え方の違いが多い 情報共有や提供について遅れがち(多職種間の職種専門性を理解していない) 病院の医療者が在宅医療についての知識が乏しい 退院調整や退院前カンファレンスの開催などが不十分である コメディカルとお互いの顔が見えない。ケアマネとの連携が不十分 家族が在宅療養に対しての不安がある(医療や介護のサービスの内容や意義な どが理解されず、その導入や継続が難しい) 現在の病気の状態について患者・家族が理解していないことが多い 家族や支える介護力が不足・協力が得られない 医療・介護利用による負担金増による問題により導入の拒否 在宅医療に従事する専門職が不足している 希望すれば入院できるように(在宅医と急性期病院との連携)・対応に苦慮する 24時間対応の医師負担を軽減するための工夫が足りない 医療度の高い患者、痰の吸引が頻回に必要な患者、特定疾患患者が増えている が、その受け入れ体制が不十分である PEGの患者・痰の吸引が必要な患者はどこが引き受けてくれるのか、在宅を 補完する病院や施設が不足している 災害時の電源確保(吸引器・吸入器等)が不十分。医療機関や事業所の特徴や空 き状況の把握ができない 地域の住民(民生委員や協力者)が定期的に訪問したり関わっている時の負担等 相談できる所が不足している 情報が分散し患者の情報が共有しにくい 医師や看護師が多大な労力を要している 医療保険との兼ね合いや有料老人ホーム等の入居ではデイサービス利用により 介護保険限度額の問題がある。 医療保険と介護保険の両方の介入が必要であり、それらの諸制度が煩雑でわかりにくい 在宅でどの程度の医療が受けられるのかわからない。市民への啓蒙が不足している とができたと思われる。そして、今後は、各々 われる「退院前カンファレンス」を積極的に行っ の課題に対して、どのように解決していくのか、 て頂き、ただ参加するだけでなく、予測される課 その対応策をひとつひとつ練って具体的な表現 題を把握し、より具体的に綿密に計画を立てて情 で文章化し行動していくことが重要と考える。 報を共有することを行う。そして、在宅医療を理 今回、KJ 法を使用してのグループワークの 解して頂き、顔の見える関係作りを行う等、在宅 進行は私が中心になり行いましたが、進行役で 医療に関わる仕事をより興味深いものにするこ ある私が KJ 法について勉強不足で、進行をス とになると考えています。尚、浦添市医師会ホー ムーズに行えず、グループワークへの導き方の ムページ内浦添市在宅医療ネットワークの欄に 工夫をしなくてはいけないと猛省しています。 症例検討会・意見交換会における参加者のアン 在宅医療を推進し連携を深めていくためには、 ケート調査の集計及び感想(自由記述)が掲載さ 多職種間で事例検討会や意見交換会等にて知識 れております。是非、ご覧頂きたいと思います。 と技能を分かち合うことによって各専門職に求 められているものが明確になり、その結果各職 種の専門性を強化することになる。また、地域 開業専門医への在宅医療の啓蒙、そして医療度の 高い患者さんが病院から在宅へ移行する前に行 【参考資料】 都道府県リーダー研修・課題抽出の方法とその解決策 の事例紹介・あおぞら診療所 川越正平 KJ 法:川喜田二郎『発想法 - 創造性開発のために』 中公新書 1967 年 ISBN 978-4-12-100136-8 - 104(494) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 インタビュー 2014 本土に行く必要のない、 完結型医療の提供を!! 琉球大学医学部附属病院 病院長 國吉 幸男 先生 質問 1. この度は、琉球大学医学部附属病院長 “なじみ” はそれほど緊密ではなかったように ご就任おめでとうございます。ご就任に当たっ 感じておりました。しかしながら、琉大医学部 てのご感想と今後の抱負をお聞かせ下さい。 が県内での唯一の医育機関であり多くの医師・ この度、琉大医学部の多くの方々からの支持 医学研究者を輩出し、各医療機関との連携が出 を得て琉球大学医学部附属病院院長を拝命させ 来また強くなるに従って、その関係は急速に縮 ていただきました。支持を頂きました多くの諸 まってきていると感じています。既に県立病院 兄に、本紙面を借りまして感謝申し上げます。 を含めた他病院との関係はお互いに相互補完的 国立大学が法人化して以来、財政面での “国頼 であり、医学教育や若手医師育成の面でも協力 み” が難しくなってきており、この時期に病院 関係が存在し、今後益々強固になるものになる 長のはたす役割は、特に経営改善に関する多く ものと考えております。同時に、各地の診療所 の重大な決断をすることだと考えています。そ との連携も重要で、特に地域医療教育において のため多大なる緊張をしているというのが本音 は診療所での実習は必須であります。 ですが、この度結成した新執行部とともに、こ 多くの離島を抱える沖縄県にある琉大病院で の病院経営改善を最重要課題として多くの改革 すので、僻地医療を含めて離島医療抜きには地 を推し進めてこの重責を果たしていきたいと考 域医療への貢献は語れません。琉大病院は、従 えています。 来より各医局が多くの医師を派遣し離島医療に 参加してきました。今後、更なる専門医師を含 質問 2. 琉球大学医学部附属病院は県内唯一の めた医師派遣を行い離島における専門医療の発 大学附属病院として県民から寄せられる期待が 展に貢献できるのではと考えており、行政も含 大きいと思います。県立病院を含めた他病院、 めて協力・推進していければと考えております。 診療所との連携、離島医療に関してご意見をお 聞かせ下さい。 質問 3. 病院再開発があると伺いしております 琉大病院が設置されたのは、昭和 56 年 1981 が、どのような再開発でしょうか、可能な範囲 年で既に 33 年が経過しました。しかしながら、 でお聞かせ下さい。 戦後最後に設置された国立大学医学部であり他 琉大病院は築 30 年ちかくが経過しました。 府県と比較して歴史が浅く、既に沖縄県の医療 琉大病院の外観は堅牢に見えますが、内部の排 に貢献していた多くの医療機関や県医師会との 水管関連を中心に老朽化が著しく、衛生的観点 - 105(495) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 インタビュー 2014 から医療機関としての問題を抱えています。他 承認をえる)を受けていることが条件ですが、 多くの国立大学病院の再開発時期が約 30 年を 術後退院して家庭での生活が可能であり、体外 境にして再開発が行われています。中には既に 式補助人工心臓植え込み患者と比較して、格段 第一回の再整備が終了し、第二次の再開発を目 に生活の QOL が違います。退院後、元の職場 指している附属病院もあるのが現状で、琉大病 に復帰したり、結婚をした患者さんの例もあり 院は大いなる後塵を拝しています。しかしなが ます。この差異を解消すべく、本年 4 月からは ら、大学附属病院再開発の最後として、従来の 心移植適応承認を受けていない患者さんの緊急 再開発から得られた多くのヒントを参考にでき 手術においても、植え込み型補助人工心臓移植 る利点もまたあり、担当省庁の文科省と調整を が可能となります(事後の心移植承認が必要)。 しながら再開発計画を進めております。再開発 植え込み型補助人工心臓治療を行った患者さん には将来の琉大病院を担う若手医療職を中心と は、琉大病院で二人ですが、いずれも元気であ してワーキング班をつくり新病院構想を練って り内一人は退院し家庭生活を楽しみ、現在心移 いる段階です。 植待期の状態です。心移植の順番が近くなる と、琉大病院の連携病院である東大病院へ転院 質問 4. 琉球大学医学部附属病院は「植え込み となります。我が国における植え込み型補助人 型補助人工心臓実施施設」に認定され、國吉 工心臓の術後生存率は 6 ヶ月で 89%、1 年で 先生は、植え込み型の補助人工心臓で県内で 83%、3 年で 70%と良好です。諸外国の報告 初めての手術を成功させております。植え込 でも通常の心移植の成績に劣らない成績である み型補助人工心臓についてお聞かせ頂けるで ことから、米国では本装置を BTD(Bridge to しょうか。 destination)として心移植までのブリッジでは 心臓移植を待っている、多くの末期重症心不 なく、最終治療として医療保険での治療が行わ 全患者が沖縄を含め全国に多数います。しかし れてるようになり、既にこの目的で年間約 3,000 ながら、本邦ではたかだか 40 例前後の心移植 例が移植されています。 が行われているに過ぎません。その恩恵にあず からない待機患者は不幸な転帰を辿ることとな 質問 5. 県医師会に対するご要望等がございま ります。これらの患者に対して、一時的に人工 したらお聞かせ下さい。 心臓を設置して、心移植までの期間を延長する 沖縄県の医療を、人的に冬の時代を含めて継 ことが近年行われてきました。これが、補助人 続的に支え、また、古くから沖縄県の医療レベ 工心臓治療です。心臓を摘出することなく心臓 ルを向上させるべく多くのご努力をしてきた沖 機能を補助するとの意味から、補助人工心臓と 縄県医師会に敬意を表します。今後とも沖縄県 呼んでいます。大きく 2 つの種類の機種があり、 の医療界の指南役を担って頂けましたら大変幸 駆動装置を体外に設置する、体外設置型補助人 甚に存じます。 工装置と、体内植え込み型補助人工装置です。 前者は当該患者が急に心不全に陥った際には緊 質問 6. 大変ご多忙の身でありますが、日頃の 急処置としてこの装置が植え込まれますが、駆 健康法、ご趣味、座右の銘等がございましたら 動装置が大きく体外設置であることなどより、 お聞かせください。 循環が改善され通常生活がおくれる状態まで回 健康法として特別なものはやっていません 復しても入院継続を余儀なくされます。一方、 が、Walking(俳徊にちかい?)やゴルフレン 体内植え込み型補助人工装置は、その植え込み ジでの練習ぐらいです(最近はサボっています 条件として植え込み手術までに心臓移植適応承 が)。趣味は、若い頃から心臓外科診療中心の 認(日本循環器学会移植委員会の審査にて適応 生活でしたので趣味を作る時間的余裕がなかっ - 106(496) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 インタビュー 2014 たのですが、今後の夢として週一回ぐらいのゴ この度はお忙しい中、ご回答頂きまして、誠 ルフラウンドを行い、それが趣味ですといえる に有難うございました。 ようにしたいと思っています。座右の銘として は、今までの多くの諸兄の姿を見て、「愚直な る努力」、「意思あるところ道あり」、「真(まく とう)そ一け一、なんくるないさ」等です。 - 107(497) - インタビューアー:広報委員 本竹 秀光 沖縄医報 Vol.50 No.4 月間 (週間)行事お知らせ 2014 「未成年者飲酒防止強調月間」に因んで 沖縄県警察本部生活安全部少年課長 砂川 喜久治 沖縄県医師会の皆様には、平素から少年警察 表 1 刑法犯少年、不良行為少年の検挙・補導状況 1. 沖縄県の少年非行等の概況について 少年 (平成 25 年中) 4 7 無職少年 不良行為 776 237 有職少年 少年 その他学生 態等をご説明致します。 刑法犯 大 学 生 における少年非行等の概況や未成年者の飲酒実 高 校 生 この度は、折角の機会を得ましたので、県内 中 学 生 りして厚くお礼を申し上げます。 小 学 生 数 ご協力を賜っているところであり、誌面をお借 未 就 学 総 活動をはじめ、警察業務各般に格別なご理解と 1,315 0 58 108 125 59,695 2 277 17,117 12,439 101 251 11,240 18,268 2. 沖縄県における飲酒補導等の実態 (1)刑法犯少年の検挙・補導状況 平成 25 年中、県内で窃盗や傷害等の刑法 (1)不良行為少年及び飲酒補導の実態 犯で検挙・補導されたいわゆる刑法犯少年は 近年、飲酒で補導される少年は下表のとおり 1,315 人で、前年に比べ 225 人(20.6%)増加 増加傾向にあり、不良行為少年に占める割合も しています。 平成 25 年は 3.3%で、全国平均 1.7%の 1.9 倍 刑法犯少年の約 6 割を中学生が占め、その と依然として少年による飲酒が多い実態にあり 比率は全国平均の約 1.5 倍と高くなっている一 ます。(表 2) 方、高校生の割合は全国平均を大きく下回って 表 2 不良行為少年及び飲酒補導状況の推移と割合 います。 H21 また、共犯率、再非行率は全国平均に比べ高 い水準で推移しています。 不良行為 少年総数 (2)不良行為少年の補導状況 非行の入口と言われる深夜はいかい、飲酒、 喫煙等で補導された不良行為少年は、59,695 人で前年に比べ 18,808 人(46.0%)増加して うち飲酒 占める 割合 います。 H22 H23 H24 H25 34,000 41,277 44,559 40,887 59,695 1,246 1,667 1,685 1,350 3.7 4 3.8 1,983 3.3 3.3 不良行為少年の特徴は、全体の約 7 割が深夜 はいかい(午後 10 時~午前 4 時)であること (2)飲酒補導及び集団飲酒の学職別状況 や飲酒の補導が全国に比べて高い水準にありま 飲酒で補導される少年の学職別は、有職・無 す。(表 1) 職少年が多く両方で全体の約 6 割を占めてい ます。 - 108(498) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 月間 (週間)行事お知らせ また、3 人以上の集団飲酒で 561 人(109 件) 2014 罪種別では が補導され、その中にはアパート 5 階から転落 ○県青少年保護育成条例違反 し、意識不明で救急搬送された事案等、極めて (非行助長行為の禁止・酒類提供)25 件 危険な事案も発生しています。(表 3) ○風営適正化法違反(酒類提供)4 件 ○未成年者飲酒禁止法違反(知情販売)9 件 表 3 飲酒補導及び集団飲酒の学職別状況【平成 25 年中】 ( )はうち女子 飲酒 補導 集団 飲酒 有職 総数 中学生 高校生 大学生等 少年 人員 無職 少年 1,983 661 291 410 75 546 (499)(130)(140)(20) (57)(152) 561 104 186 16 110 145 (190)(42) (71) (7) (17) (46) (親権者不制止)4 件 となっています。 4. おわりに 県警察少年課では、今後も学校等関係機関・ 団体と連携しながら、小・中・高校生等を対象 に飲酒の危険性を理解させるための非行防止教 室の開催や少年に対する酒類提供業者などの取 締りを強化する等、未成年者の飲酒防止に関す る各種対策を推進していきますので、沖縄県医 師会の皆様方におかれましても、県警察へのご 3. 少年の福祉を害する犯罪の状況 理解とご協力をお願い申し上げます。 コンビニや居酒屋等の関係者が少年に対し酒 類を販売・提供したり、親権者が子どもの飲酒 行為を容認し、検挙された飲酒絡みの福祉犯件 数が 42 件となっており、全国と比べても高い 水準となっています。 - 109(499) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 月間 (週間)行事お知らせ 2014 2014 年世界保健デー(4 月 7 日)に寄せて 八重山福祉保健所長 東 朝幸 はじめに どまっていました。一時的に、1990 年には 50 WHO(世界保健機関)は 1948 年 4 月 7 日 例を超えましたが 1991 年からは患者数は再び に設立された国連の専門機関の 1 つです。 減少し、1992 年以降は 10 例を超えていないの その日を記念して「世界保健デー」とし、毎 が現況です。 年標語を掲げ啓発活動を展開していますが、 それにも関わらず、沖縄県では、2011 年に 2014 年 の 標 語 は「small creatures,big threat」 13 年ぶりの患者発生(那覇市在住 1 歳男児) 小さな虫でも大きな脅威とでも訳したらいいの がみられました。日本脳炎の死亡率は 20 ~ でしょうか、Vector borne Disease「媒介動物 40%で、後遺症は生存者の 45 ~ 70%に残ると による疾病」がテーマです。世界人口の 40% 言われています。ほとんどが不顕性感染として がデング熱の危険にさらされ、アフリカでは 1 も、やはり今後の対策強化が必要と思われます。 分毎にマラリアで子供が死亡し、世界中で毎年 また、沖縄県衛生環境研究所におけるフラビ 130 万人の人が新たにリーシュマニアに罹患し ウイルス媒介蚊に関する調査によると Vector ているとのことです。主に開発途上国の課題と であるコガタアカイエカが県内各地でも採集さ もいえますが、この機会に沖縄県で注目すべき れ確認されています。加えて、デング熱や黄熱 Vector borne Disease をいくつか取り上げて考 のヒトスジシマカ、マラリアのシナハマダラカ えてみたいと思います。(表 1) も見つかっています。(表 2) 日本脳炎(Vector コガタアカイエカ) 感染症流行予測調査から まず、最初にとりあげたいのが日本脳炎です。 日本脳炎感染源調査は 1965 年より毎年実施 我が国の日本脳炎患者数は 1967 年以降急速に されていますが、日本脳炎のウイルス侵淫の指 減少し、1980 年代には 20 ~ 40 例の範囲にと 標として飼育ブタの日本脳炎ウイルス赤血球凝 表 1 主な Vector borne Disease Vector 疾患名 Vector 疾患名 蚊 日本脳炎 マダニ 日本紅斑熱 ノミ デング熱 ダニ媒介性脳炎 マラリア ライム病 フィラリア症 重症熱性血小板減少症候群 バンクロフト糸状虫 (SFTS) マレー糸状虫 野兎病 ウエストナイル熱 Q熱 チクングニヤ クリミア・コンゴ出血熱 黄熱 ハエ リーシュマニア ペスト ツツガムシ つつが虫病 発疹熱 シラミ 発疹チフス - 110(500) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 月間 (週間)行事お知らせ 2014 表 2 県内で採取された蚊の種類:フラビウイルス媒介蚊に関する調査 2006 デング熱 黄熱 ネッタイ オオクロ イエカ ヤブカ 豊見城(三角池) ● ● 那覇市(公園) ● 採集地/媒介蚊 大宜味(豚舎) キンイ ロヤブ カ ● シナハマ ヒトスジ コガタア ダラカ シマカ カイエカ ● ● ● ● ● ● ● ● 与那国町(役場) ● ● 与那国町(豚舎) ● ● 与那国町(湿地帯) ● 日本脳炎 ● ● ● ● ● ● ● ● 集 抑 制(Hemagglutination Inhibition:HI) 抗 理センター)の報告によると、米国で日本脳炎 体保有率と新感染抗体(2-ME 感受性抗体)が と極めて近縁であるウエストナイルウイルスに 追跡されています。沖縄県では毎年 5 ~ 8 月に よるウエストナイル熱・脳炎が、1999 年以降 月 3 回ずつ、と畜場に搬入されたブタ 25 頭の 毎年流行している現況があります。ウエストナ 血液を採取し、日本脳炎の抗体検査を実施、抗 イル熱が侵入・定着した場合、このコガタアカ 体陽性ブタが 50%以上になった場合、注意報 イエカ等が重要な媒介蚊になる可能性もあると を発令していますが、毎年のように注意報が発 も考えられています。日本脳炎を疑う場合にも 令されているのが現況です。 鑑別疾患としてウエストナイル熱・脳炎が重要 となると思われます。 年齢 / 年齢群別の日本脳炎抗体保有状況から 日本脳炎の定期予防接種が 2005 年 5 月の積 極的勧奨の差し控え、また新型ワクチンの開発 マラリア (Vector シナハマダラカ コガタハマダラカ) の遅れ等の問題はありましたが、2012 年度感 アフリカや東南アジア等を中心とした亜熱帯 染症流行予測調査の年齢 / 年齢群別の日本脳炎 や熱帯地域の主として辺地で現在も大流行をし 抗体保有状況をみると 9 歳児群に 70%台の低 ていますが、我が国では 100 名以下であり、そ 下はあるものの、30 歳以下の若年者には 80% の大部分はアフリカや東南アジアの奥地などの 近くの保有率がみとめられます。一方、30 代 流行地域で感染した人が日本へ帰国後、発症し 後半以降は急激に低下しています。日本脳炎ワ た輸入マラリアと考えられています。比較的軽 クチンは 1954 年に勧奨接種として始まったこ 症の三日熱マラリアを媒介するシナハマダラカ とから、日本脳炎ワクチンを過去に受けたこと は、先述の県の調査でも確認されています。(表 のある年齢群は 60 歳以下の若い年齢層です。 2)。一方、調査は 2001 年に終了していますが、 最近の 50 代の抗体陽性率の低下は著しく 30% 重症の熱帯熱マラリアを媒介するコガタハマダ 以下です。沖縄県のようにブタの抗体が高い地 ラカは沖縄の宮古・八重山諸島に分布している 域では、若年者の定期予防接種率の更なる向上 ことが以前より報告されています。今のところ、 と中高年層への対策としてワクチンの追加接種 沖縄本島では見つかっていませんが、温暖化が の検討が必要と思われます。 進めば、沖縄本島へも広がる可能性もあります。 ウエストナイル熱との関連 日本紅班熱(Vector マダニ) 注目すべき点として CDC(米国疾病予防管 リケッチア(Rickettsia japonica)による感染 - 111(501) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 月間 (週間)行事お知らせ 2014 症ですが、マダニ(キチマダニ、フタトゲチマ 重症熱性血小板減少症候群(severe fever with ダニなど)に刺されることにより感染します。 thrombocytopenia syndrome,SFTS)(Vector 2010 年に沖縄県で、初めて発生があり 2011 年に マダニ) も 1 例 2012 年にも 1 例で合計 3 例の報告があり ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類さ ます。いずれも感染推定地は沖縄本島北部です。 れる新規ウイルス、SFTS ウイルス(SFTSV)、 症状としては、刺されてから 2 ~ 8 日頃から頭 によるダニ媒介性感染症です。県内の発生はま 痛、全身倦怠感、高熱などを伴って発症し、高 だありませんが、感染症発生動向調査で届出ら 熱とほぼ同時に紅色の斑丘疹が手足など末梢部 れた 2013 年 1 月 1 日以降 40 人の SFTS 患者 から求心性に多発します。CRP 陽性、白血球減 が報告されています。ちなみに、八重山管内の 少、血小板減少、肝機能異常などはツツガムシ 宿泊客の着衣からはウイルスはいませんでした 病と同様ですが、ツツガ虫病に比べ DIC など重 が、媒介動物であるタカサゴキララマダニが同 症化しやすいようです。刺し口を見つけること 定されています。 が診断の助けとなり、刺し口のかさぶたや血清 のDNA診断PCRで確定できます。ペニシリン系、 おわりに セフェム系、アミノグリコシド系は全く無効な 久米島において「アーサ虫」という俗称の微 ので、診断が遅れると重症化する恐れがありま 小昆虫による住民や観光客への刺症状被害があ す。重症例にはテトラサイクリン薬とニューキ り県衛生環境研究所が 2010 年と 2011 年に調 ノロン薬による併用療法が提唱されています。 査を行っています。それによると、回答総計の 84.5%が刺症性の微小昆虫の被害にあっており、 ツツガムシ(Vector ツツガムシ) かなりの割合でこのヌカカ(Leptoconops 属の リケッチア Orientia tsutsugamushi を起因菌 1 種)が推定されています。今のところかゆみ とする感染症ですが、ツツガムシによって媒介 やかぶれ、腫脹などの軽傷で医療機関を受診し されます。従来沖縄県では発生がないといわれ ているケースは少ないようですが、何らかのウ てきましたが、2008 年に宮古島市で 1 件の発 イルスの媒介動物にもなる可能性も否定できな 生がありその後、同地域で現在まで 5 例の症例 いので注意が必要と思われます。このように沖 報告があります。遺伝子解析によると本土の株 縄県においても Vector borne Disease とまった とは異なり台湾の株と類似するとのことです。 く無縁というわけではありません。まずは、疑 沖縄本島では、まだ 1 例も発生していないので ってみること、問診をきちんと取ること、そし すが、ヒトの移動に伴い、汚染地域に出かけて て鑑別疾患の一つとして頭の隅に Vector borne 感染し、帰宅後発症する例もあるので、他の地 Disease を置いておく必要がありそうです。 域の医療機関でも注意が必要です。 コガタアカイエカ(国立感染症研究所昆虫医科学部 HP より) - 112(502) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 2014 随 筆 「自分は味オンチなのか?」その時は軽くそう 思ったぐらいでワインを飲んで気分良くホテル イタリア旅行 に向かいました。 2 日目はヴェネツィアです。ヴェネツィアの 沖縄赤十字病院 上里 忠和 中は車が通れないため(街中の道幅は人が通れ るぐらいしかありません)街の近くまでバスで 行き、そこから水上バスでの移動でした。水上 バスからみる街並みは素晴らしいです。水上バ 随筆の依頼があり「はて、何にしようか…」 スを降りて歩いて有名なサン・マルコ広場に向 と悩んでいました。 かいます。特にシーズンでもないのに広場には 趣味という趣味はなくグルメでもありませ たくさんの人がいます。 ん。ということで、少し前ですが約 2 年前に新 サン・マルコ大聖堂の中も見た後、エレベー 婚旅行でイタリアに行ったときのことを書かせ タで鐘楼を登り広場全体やヴェネツィアの海、 ていただきます。会員の諸先生方にはすでに行 船を眺めました。ヴェネツィアで有名なゴンド かれた先生もいらっしゃると思いますし、申し ラにも乗りました。ちょうど先を行くゴンドラ 訳ありませんが穴場的な話はありません(笑)。 の船頭さんが優雅に「サンタルチア」を歌って ご了承ください。 いました。きっと有料でしょう、タダで聴けて 私は以前からイタリアに行ってみたくて、妻 少し得した気分です。お昼はパスタを食べてま には申し訳ないですが独断で決めてしまいまし たワインを飲んでしまいました。ほぼ毎日飲ん た。ヨーロッパに行くのは初めてで個人で行く でいます。幸せですね。ヴェネツィアでは記念 のはきついと思い、添乗員のいるツアーにしま にガラス製品を買いました。 した。休みは 1 週間程度(往復あわせて)取っ 次の日のフィレンツェは旧市街を見に行きま て 9 月に行ってきました。成田からドバイ経由 した。立派なドゥオーモをみたあとは鐘楼を階 でイタリアのマルペンサ空港に着きました。こ 段で登り、息が切れました。旧市街の街並みの んなに長く飛行機に乗るのは初めてです。機内 眺めは大変良かったです。 では日本ではまだ上映されていない新作映画を この頃はまだ円高で 1 ユーロ 105 円ぐらい ずっとみていました。ミラノでは、まずバスで でしたので買い物もしやすかったです。フィレ スカラ座まで移動です。時間がないのでスカラ ンツェでは少し奮発して靴を買いました。 座は外観だけ見てガレリアのアーケードを歩き 旅行も半ばになると同行するツアーのみな ます。アーケード入口は立派で大きな彫刻がな さんとお話するようになり、北は北海道から されています。アーケードを抜けるとドゥオー 南は沖縄(私と妻です)からきていることで盛 モと呼ばれる建物が見えますが、これがすごい り上がりました。私と妻が抱いていた思い(ツ です!遠目にみても非常に細かい彫刻で飾られ アーで行く食事がいまひとつ)は周りの方々も て完成まで 500 年かけたそうです。「おぉーヨ 思っていたようで「イタリアだからもっと食事 ーロッパにきたぞー」と実感しました。ドゥオ 期待していたのに、帰ったら仕事仲間になんて ーモの中もステンドグラスがきれいです。 言おうかしら」との声がちらほらです。(※イ 夕食はミラノのお店でチーズリゾットとミラ タリアにはおいしいお店がたくさんあり、私た ノ風カツレツを食べました。イタリアに来て初 ちが行ったお店だけの話です。誤解なさらない めての食事です。食べ物がおいしいと聞いてい ように) たので楽しみにしていたのですが、期待が大き 最後の日はローマです。市内には遺跡がたく 過ぎたのか「微妙な感じ…?」です。カツレツ さんあります。一見普通の建物の脇に無造作に がうすく、リゾットはほとんど味がありません。 遺跡があります。「保護しなくても大丈夫?」 - 126(516) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 2014 随 筆 と思いましたがごく当たり前のことのようで いローマ法王が選出されたコンクラーベが行わ す。有名なコロッセオの周りを歩き、ヴェネツ れ、よくテレビで見た場所です。ヴァチカン博 ィア広場をバスから眺め、真実の口(ローマの 物館にも行きました。ミケランジェロの描いた 休日で有名な)はバスから場所だけ確認しまし システィーナ礼拝堂の天井画と最後の審判も見 た(真実の口は建物のなかなので見えないです てきました。世界史で教わったものそのもの(当 ね)。とにかく強行です。イタリアンジェラー 然ですが)で感動です! トを食べてトレヴィの泉に向かいます。ガイド 楽しい旅行も終わり(かなり強行的な 1 週 からすごくスリが多いと注意されて泉の中に小 間でしたが)帰りもドバイ経由で帰ってきま 銭を投げに行きます。多くの人を避けながら財 した。その後はしばらく遠くの国に行っていま 布を気にしながら無事たどり着き、小銭を投げ せんが、時間が取れたらまた行きたいですね。 ました。財布も無事でした。スペイン広場(こ 今度は妻にも相談して行くようにしたいと思 れもローマの休日で有名ですね)に行き階段で います。 座って和んでみました。目の前にはブランド品 会員の諸先生方には最後まで乱筆、乱文にお 店が並んでいます。ローマ市内の道路は石畳が 付き合いいただきありがとうございます。今後 多く建物もおしゃれですね。最後に楽しみにし ともよろしくお願いいたします。 ていたヴァチカン市国です。ついこの間、新し ドゥオーモの前にて - 127(517) - 沖縄医報 Vol.50 No.4 感染症情報 2014 沖縄県感染症発生動向調査報告状況 (定点把握対象疾患) 疾 病 定点区分 インフルエンザ インフルエンザ RSウイルス感染症 咽頭結膜熱 5週 6週 7週 2/2 2/9 2/16 報告数 報告数 報告数 8週 2/23(定点あたり) 報告数 4001 2166 1947 1650 (28.45) 小児科 4 10 13 32 (0.94) 小児科 13 10 7 3 (0.09) A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 小児科 69 70 57 73 (2.15) 感染性胃腸炎 小児科 214 156 189 149 (4.38) 水痘 小児科 60 66 102 80 (2.35) 手足口病 小児科 6 2 8 1 (0.03) 伝染性紅斑 小児科 2 1 0 4 (0.12) 突発性発疹 小児科 9 9 9 4 (0.12) 百日咳 小児科 5 4 4 4 (0.12) ヘルパンギーナ 小児科 3 4 1 0 (0.00) 流行性耳下腺炎 小児科 11 8 12 13 (0.38) 急性出血性結膜炎 眼科 0 0 0 0 (0.00) 流行性角結膜炎 眼科 13 15 10 6 (0.60) 細菌性髄膜炎 基幹 2 0 0 0 (0.00) 無菌性髄膜炎 基幹 1 0 0 1 (0.14) マイコプラズマ肺炎 基幹 6 3 3 8 (1.14) クラミジア肺炎 基幹 0 0 0 0 (0.00) 感染性胃腸炎(ロタウイルス) 基幹 1 0 0 1 (0.14) ※1.定点あたり・・・対象となる五類感染症(インフルエンザなど18の感染症)について、沖縄県で定点として選定された医療機関から の報告数を定点数で割った値のことで、言いかえると定点1医療機関当たりの平均報告数のことです。 (インフルエンザ定点58、小児科定点34、眼科定点10、基幹定点7点) ※2.最新の情報は直接沖縄県感染症情報センターホームページへアクセスしてください。 http://www.idsc-okinawa.jp (麻しん確定情報) 5 週から 8 週までの、県内での麻しん確定報告はありません。 確定例 年齢 住所・性別 感染源 備考 1 例目 51 (沖縄市・男性) フィリピンで麻疹 患者と濃厚接触 1/28PCR 陽性 - 128(518) - 沖縄県医師 会 館 利 用 のご案 内 フロアガイド ● 会議室1∼4 2F 会議室1・2 S=42席 T=64席 ロ=35席 会議室3・4 S=36席 T=54席 ロ=30席 ● ホール (S=144席 T=234席) 3F (S=スクール、T=シアター、ロ=ロの字) 環状 2号 線 アクセス 金城ダム 那覇IC 沖縄自動車道 与那原→ 沖縄県 薬剤師会館 県立南部医療センター こども医療センター 県立精和病院 ←寄宮 識名トンネル 沖縄県小児保健協会 沖縄県医師会館 那覇バス新川営業所 那覇市民 体育館 ←国場 沖縄県公文書館 上間交差点 兼城十字路 国道329号線 与那原→ 会館利用に関する問い合わせ 会館利用に関する問い合わせ 沖縄県医師会事務局 経理課(城間) 〒901-1105 沖縄県南風原町字新川218-9 TEL:098-888-0087/FAX:098-888-0089 沖縄医報 Vol.50 No.4 編集後記 平成 25 年度は、 「オスプレイ配備・普天間基地辺 野古移設などの基地問題!」 、 「尖閣諸島・竹島・北 方四島などの領土・外交問題!」 、 「 『大胆な金融政策』 ・ 『機動的な財政政策』 ・ 『確実な成長戦略』という『3 本の矢』をもってデフレ脱却を目指すとした “アベ ノミクス” !」 、 「東日本大震災から 3 年…、遅々と して進まない原発除染・震災復興!」などなど難題 山積の状態が続いておりました。国の借金も 1,200 兆円を超え、いよいよ今月から消費税が 5%から 8% へ増税となります。今後は、 「社会保障と税の一体改 革!」 「 、TPP・日中韓 FTA・アジア広域 FTA(RCEP) への加盟の是非!」 、 「特定秘密保護法・集団的自衛 権の是非!」など、まさに “アベノミクス・安倍内閣” の真価が問われる、ハラハラ・ドキドキの新年度の 始まりであります。さて、会報 4 月号…!。如何で したでしょうか?。 【表紙: 『花いかだ(弘前城にて) 』 】~とよみ生協 病院の原国政裕先生に、新年度早々、またしても素 晴らしい “一枚の写真” をご投稿頂きました。一日 違いの見事な “シャッターチャンス” …。心をくす ぐられる思いがいたしました!。 【報告】~ 4 題の『トピック』以外にも内容のあ る報告が“てんこ盛り”でございます。“読まず嫌い!” にならないように、まず『印象記』からお読み頂き、 難なく、さらさら~と、すらすら~と…、ご一読く ださい!。様々な最新情報が満載です…。 【生涯教育:産婦人科領域における腹腔鏡手術の 現状と将来 by 銘苅桂子先生】~「腹腔鏡手術の合 併症とトレーニングの必要性を認識した上で、個々 のトレーニングに加えてチームにおける “リスクマ ネージメント” が重要である!」とのこと…。現場 の緊張感がヒシヒシと伝わってまいりました。 【プライマリ・ケアコーナー:在宅医療の課題に ついて by 大濱篤先生】~ KJ 法(by 川喜田次郎氏) による①カードの作成、②グループ編成、③図解化、 ④文章化…の話!。とても参考になりました。“連 携に関する課題”・“情報の共有の重要性” を痛感い たしました。 【月間行事お知らせ:①「未成年者飲酒防止強調月 間」に因んで by 沖縄県警察本部生活安全部 砂川喜 久治課長】~窃盗・傷害などの刑法犯少年:1315 名、 深夜徘徊・飲酒・喫煙などの不良行為少年:約 6 万人 …。高校生より中学生が “要注意” ということは、高 校に行かない少年の再犯率が高いのだろうと推測でき ます。やはり、PTA + C = PTCA(家庭・学校・地 域の連携!)が最重要課題ということだと思います。 【月間行事お知らせ:②「2014 年世界保健デー(4 月 7 日)によせて」 by 東朝幸先生】~ 2014 年の 標 語 は、「Small creatures,big threat !( 小 さ な 虫 でも大きな脅威!)」…。 「Vector borne Disease !(媒 介動物による疾病!)」を疑い、しっかり問診を取り、 鑑別疾患の一つとして頭の片隅に置いておくべし! …という話です。小生的にも、“ガジャン(蚊)対策” は “日焼け対策” より重きを置いております。本当 2014 に気をつけなければなりません!。 さてさて、ご周知の通り、沖縄県の平均寿命~男 性が 25 位から 30 位、女性が 1 位から 3 位に後退い たしました。「330 ショック!」、「長寿県転落!」、 「長寿神話崩壊!」、「早世率日本一!」、「肥満日本 一!」、「特定健診有所見率日本一!」…。“長寿世 界一復活” をめざす沖縄県として、この結果を重く 受け止めなければなりません。そこで、2040 年の 平均寿命全国 1 位奪回を目指し、県中小企業団体中 央会などの経済団体、県医師会など保健・医療・福 祉関係団体、県国保連・協会けんぽなどの医療保険 者、県教育庁などの学校教育機関、労働団体、マス コミ各社、県婦人連合会、県老人クラブ連合会など 約 70 団体が参加する “官民一体の県民運動” を担 う「長寿復活県民健康づくり運動推進県民会議(仮 称)」発足の準備が着々と進んでいるようです。「健 康おきなわ 21」の大きな柱は、“肥満解消”・“長寿 復活” を目的とした「①メタボ対策(食育:栄養対 策)、②ロコモ対策(貯筋:運動対策)、③禁煙(タ バコ対策)、④節酒(アルコール対策)、⑤ストレス マネジメント(うつ病・自殺・不眠対策)、⑥歯周 病対策(歯科保健対策)」の 6 つですが、今回の “県 民会議” では「①特定健診の受診!」、「②肥満の解 消!」、「③適正飲酒の理解!」の 3 項目に絞り、重 点目標として位置付けています。沖縄県医師会にお いても、「本会主催:県民公開講座」・「おきなわ津 梁ネットワーク」などを通して、「健康長寿復活!」 のため県民に向けて積極的な啓蒙活動を続けていか なければなりません。そのためにも、①各地区医師 会・各班会議の活性化、②かかりつけ医・学校医・ 産業医の連携強化、③歯科医師会・薬剤師会・看護 協会など全職種との連携強化、④老人会・婦人会・ 青年会・子供会などの “公民館活動” との連携強化 …が喫緊の重要課題と思われます。また、日本医師 会は「公益社団法人」として新たなスタートを切っ たことを契機に、“国民の健康と生命を守る専門家 集団” としての役割を担い、その責務を果たしてい くことを国民に約束する『日本医師会綱領』(会報 表表紙の裏)を採択いたしました。①国民の生涯に わたる健康で文化的な明るい生活を支えます!、② 国民とともに、安全・安心な医療提供体制を築きま す!、③医学・医療の発展と質の向上に寄与しま す!、④国民の連帯と支え合いに基づく国民皆保険 制度を守ります!。以上 4 点を、“誠実に実行する ことを約束します!” …と明記いたしました。『医 の倫理綱領』(会報裏表紙の裏)と併せて肝に銘じ、 医師としての” プロフェッショナルオートノミー(自 主性・自立性)” を発揮していかなければならない と考えます。いよいよ、春爛漫の新年度…。アゲイ ンストの風にも負けず、消費税にも負けず、足場を しっかり固めて、連携を取りながら、めげずにめげ ずに、もう少しだけ頑張ってまいりましょう!。 広報委員 照屋 勉 - 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