機能形態学Ⅱ

機能形態学Ⅱ
[健康・漢方・医療]2 年次 通年(前期) 2 単位(必修) 講義
奈佐吉久
〔授業概要および目標〕ヒトのからだは神経系・循環器系・消化器系など多くの器官から構成され,これら各器官系が生命を維持するために
重要な役割を演じている.機能形態学はヒトのからだのしくみを学び,薬理学・薬物治療学・病態生理学などを理解するための基本となる
学問である.機能形態学Ⅰで学んだ主な人体の基本的構造と機能を基礎知識として,機能形態学Ⅱでは特に薬理学で必要な各組織・器官の
しくみを中心に,組織全体から分子細胞レベルにまで生体のしくみを掘り下げて解説する.特に神経伝達物質・ホルモンのような生体内物
質の作用やそれら生体内物質が作用する受容体・チャネルなどについて解説する.薬理学・薬物治療学の基礎教科として,薬や生体内物質
が作用する部位・機序を理解させることを目的とする.
〔授業計画〕前期
回
項目
到達目標(授業内容)
方略
コアカリ
SBO 番号
1
機能形態 II 総論
ヒトの身体を構成する臓器の名称、形態および体内での位置を説明できる。
ヒトの身体を構成する各臓器の役割分担について概説できる。(機能形態学総
論,神経系のしくみと薬理学との接点)
プリント
C8(1)1-1,12
2
末梢神経系
体性神経系の構成と機能の概要を説明できる。神経系の興奮と伝導の調節機
構を説明できる。シナプス伝達の調節機構を説明できる。(自律神経系のしく
み,神経伝達物質と受容体1)
プリント
3
末梢神経系
自律神経系の構成と機能の概要を説明できる。モノアミン系神経伝達物質を
列挙し、その生合成経路、分解経路、生理活性を説明できる。(自律神経系の
しくみ, 神経伝達物質と受容体2)
プリント
C8(1)2-2,
C8(3)1-1,
1-2
C8(1)2-3,
C9(5)3-1
4
末梢神経系
自律神経系の構成と機能の概要を説明できる。アセチルコリンの生合成経路、
分解経路、生理活性を説明できる。交感神経系に作用し、その支配器官の機
能を修飾する代表的な薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用について説
明できる。副交感神経系に作用し、その支配器官の機能を修飾する代表的な
薬物を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用について説明できる。(自律神経系
のしくみ,神経伝達物質と受容体3)
プリント
C8(1)2-3,
C9(5)3-4,
C13(2)2-1,
2-2
5
細胞内情報伝達系
細胞膜受容体から G タンパク系を介して細胞内へ情報を伝達する主な経路に
ついて概説できる。(受容体・GTP 結合タンパク質)
プリント
C9(5)5-2
6
細胞内情報伝達系
細胞膜受容体タンパク質などのリン酸化を介して情報を伝達する主な経路に
ついて概説できる。(セカンドメッセンジャー・タンパクリン酸化)
プリント
C9(5)5-3
7
細胞内情報伝達系
細胞内情報伝達に関与するセカンドメッセンジャーおよびカルシウムイオン
などを、具体例を挙げて説明できる。(受容体とカルシウムイオン)
プリント
C9(5)5-1
8
イオン輸送と活動電
位
アミノ酸系神経伝達物質を列挙し、その生合成経路、分解経路、生理活性を説
明できる。知覚神経に作用する代表的な薬物(局所麻酔薬など)を挙げ、薬
理作用、機序、主な副作用について説明できる。(イオンチャネルとイオンポ
ンプ1,ナトリウムチャネル・カリウムチャネル)
プリント
C9(5)3-2,
C13(2)3-1
9
イオン輸送と活動電
位
細胞内情報伝達に関与するセカンドメッセンジャーおよびカルシウムイオン
などを、具体例を挙げて説明できる。(イオンチャネルとイオンポンプ2,カ
ルシウムチャネル・ナトリウムポンプ)
プリント
C9(5)5-1
10
11
筋肉の収縮・弛緩
筋収縮の調節機構を説明できる。(骨格筋の収縮・弛緩)
プリント
循環器系
心臓について機能と構造を関連づけて説明できる。(心臓の構造と生理・心臓
のポンプ機能)
プリント
C8(3)1-4
C8(1)5-1
12
循環器系
代表的な抗不整脈薬を挙げ、薬理作用、機序、主な副作用について説明でき
る。
(心臓の構造と生理・心臓の電気生理学)
プリント
C13(4)4-1
13
循環器系
血管系について機能と構造を関連づけて説明できる。一酸化窒素の生合成経
路と生体内での役割を説明できる。血圧の調節機構を説明できる。(血圧の調
節機構,血圧反射のしくみ)
プリント
C8(1)5-2,
C9(5)2-6,
C8(3)3-1
14
試験
〔評価方法と基準〕中間試験,定期試験,レポート,出席状況から総合的に評価
〔学生の質問への対応〕オフィスアワー(在室時であれば何時でも対応可能),場所:機能形態学研究室
Email ; [email protected]
〔教科書〕佐藤進・櫻田誓・奈佐吉久(2009)
『イメージから学ぶ機能形態学』京都廣川書店、櫻田忍・櫻田司(2006)
『機能形態学』南江堂、
奈佐吉久『機能形態学テキスト サブノート』
〔参考書〕G.J. Tortora, S.R.Grabwski (2005)
『トートラ人体解剖生理学』丸善、田中千賀子・加藤隆一(2007)
『NEW 薬理学』南江堂、浅野
伍朗(2005)
『からだのしくみ辞典』成美堂出版、森 亨(2005)
『からだのしくみ・はたらきがわかる辞典』西東社 高校の生物学 I,生物学
II の教科書あるいは参考書も適宜参考にして下さい.NHK 教育放送の番組である”高校講座生物”や”サイエンス ZERO”は,基礎知識の
確認や最新の科学全般の情報収集のために役立ちます.活用して下さい.
〔担当教員からのコメント〕途中で中間試験を必ず行います.また必要に応じて演習補講・セミナーを実施します.
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