高等学校 美術科学習指導案

高等学校
美術科学習指導案
学
校
名
指導者 職・氏名
指導日時・教室
対象生徒・集団
科
目
名
使 用 教 科 書
1
題材名
2
題材の目標
高等学校
教諭・
平成
年
月
日( ) 限目・美術室
普通科 1年生
名 (内訳
H
人)
美術史(日本美術史) (単位数 1)
日本美術史(出版社名 美術出版社)
「室町~桃山美術
-長谷川等伯作品を通し日本絵画に触れてみよう-
」
文 化 遺 産 や 美 術 文 化 に つ い て の 理 解 を 深 め 、伝 統 文 化 を 尊 重 す る 態 度 を 養 い 、新 た な
美術文化を創造していく基礎となる能力を高める。
・長 谷 川 等 伯 作 品 の 表 現 の 特 徴 や そ の 時 代 の 文 化 の 特 色 に つ い て 、自 ら 理 解 を 深 め よ う
とする。
【 関 心・意 欲・態 度 】
・作 品 鑑 賞 を 通 し て 、時 代 の 違 い に よ る 美 術 の 変 遷 や 歴 史 的 背 景 な ど に よ る 表 現 様 式 の
違 い を 理 解 し 、そ の よ さ や 美 し さ を 感 じ 取 る こ と が で き る 。
【鑑賞の能力】
3
指導に当たって
(1) 生徒の状況
美術史の履修については、1年生で日本の美術を中心に1単位、2年生では西洋の美術を中
心に1単位、それぞれに東洋の美術と美術文化を合わせながら学んでいく。
美術作品についての知識については、歴史資料集にある有名な作品を知っている程度で、個々
の学力差もある。日本の歴史を時代順に並べることができない生徒から、各時代の代表的作品
や現代作家についても語ることができる生徒まで在籍している。
(2)指導方針・方法
美術史を学ぶ目的のひとつには、より多くの美術作品に触れ、様々な作品を知ることを通し
て、自分で見て感じ取り考える力を身に付け、そして自分の表現に生かせるようにすることで
ある。また、歴史を苦手とする生徒にとっては、美術作品が生まれる時代背景を知ることで様々
な時代や人々の心情に興味や関心をもつことも大切である。それらを考慮しながら、時代ごと
にキーワードを設定し、それぞれの時代や美術作品の特徴を理解できるような指導を心がけて
いる。
(3)教材選定の理由
美術作品の鑑賞を通して、歴史の移り変わりを理解させたいと考え、1学期はそれぞれの時
代を代表する作品を中心にして、歴史的背景を学びながら古代から鎌倉時代まで学習してきた。
古代では、生活用品の中に生まれた美を、飛鳥時代から平安時代までは、仏像表現の変遷を時
代の主役たちと重ね合わせながら、立体作品を中心に学んできた。美術作品が人々にどのよう
な影響を与えてきたのか、また、この後、江戸時代の美術から近代・現代にいたるまでの作品
を学ぶ前段階として、特に絵画表現を中心に室町桃山美術についての理解を深めさせたい。
4
題材の指導計画(総時数2時間)
1時
室町から桃山時代の歴史的背景を知り、それまでの絵画表現との違いについて
作品を比較しながら考える。
2時
石川県七尾市出身の作家である長谷川等伯の作品鑑賞を通して、時代と作家の
関係を知り、作家の心情と表現方法の特徴などを感じ取り、日本の絵画表現に
ついて考える。・・・本時
-1-
(1) 本時のねらい
・長 谷 川 等 伯 作 品 の 表 現 の 特 徴 や そ の 時 代 の 文 化 の 特 色 に つ い て 関心をもち、意欲的・主
体的に調べ、自 ら 理 解 を 深 め よ う と す る 。
【関心・意欲・態度】
・作 品 鑑 賞 を 通 し て 、時 代 の 違 い に よ る 美 術 の 変 遷 や 歴 史 的 背 景 な ど に よ る 表 現 様 式 の
違 い を 理 解 し 、感 じ 取 る こ と が で き る 。
【鑑賞の能力】
(2)準備・資料等
教科書、参考資料、プリント
(3)本時の展開
時
学 習 内 容
生徒の学習活動
教師の指導・留意点
間
評 価 規 準
【観点】(評価方法)
導 学習のねらい
入 と内容の確認
5
分
前時までの学習を振り
返る。
前時までの学習を教科書、
プリントで振り返らせ、各
時代のポイントについて
確認させる。
教科書で、学習する範囲と
作品を確認させる。
時代を代表する絵画作品
の鑑賞を通して、作品を深
く味わいながらその表現
の特徴と時代背景につい
て知ることを確認する。
本時のねらいを確認す
る。
展 鑑賞
開
40 プリント①記入
分
【10分】
配布されたプリントを確
認する。
プリント・図版を配布す
る。
長谷川等伯の「松林図屏風」と狩野永徳の「唐獅子
図屏風」を比較しながら違いを見つけよう
2作品の違いを感じ取り
気付いた点をプリント① *まずは先入観を持たない
で、純粋な気持ちで作品を
に記入する。
比較させるために、作品の
サイズのみ提示する。
作品に関心をも
ち意欲的、主体的
に調べようとし
ている。
【関心・意欲・態度】
*観察の際、まず作品全体を (行動観察)
捉えること、全体から感じ
ること、また、表現された
モチーフから表現方法へ
と順を追って観察できる
ように助言する。
*特に空間表現の違いに気
付くように構図・色などの
ポイントを示す。
話し合い・発表
【5分】
気付いた点についてグル
ープで話しあう。
生徒に話し合わせ、発表さ
せる際、具体的な点を例示
して答えるようにさせる。
「どのようなところに違いを感じ取れたか?」
「何を感じる?どうしてそう思うのだろう?」
プリント①を参考に発表
する。
-2-
水墨画による表現方法に
ついて復習させ、その特徴
を考えながら作品をより
深く感じ取らせる。
水墨画の表現方法と効果
について考える。
「等伯の気持ち」を考えてみよう
プリント②記入
【5分】
描く気持ちと表現方法、制
作に対する姿勢等の関係
に目を向けさせる。
作品を見て気付いた点か
ら、等伯がどのような気
持ちでこの作品を描いた
か想像し、プリント②に
記入する。
話し合い・発表
【5分】
グループで話し合う。
作品について知
る・屏風作り
【10分】
2つの作品について知
る。
生徒の発表を元にそれぞ
れの作品の制作背景につ
いてプリント③を使い
説明する。
プリント③と説明から
「松林図屏風」が描かれ
*等伯の生涯について、地元
た制作背景を知る。
ゆかりの作家であること、
京都での活躍、権力者との
結びつきによる成功と息
子の死などについて説明
する。
作家の心と表現方法につ
いてあらためて考えさせ
る。
「松林図屏風」を作って、体感してみよう
プリントを折り曲げて屏
風状態にして机の上に立
てて鑑賞する。
平面から実際の屏風の状
態・半立体にすることで、
作品が構成する空間を理
解させる。
立体と平面の違いを意識
できたか確認する。
感想を記入する。
授業のはじめからこれま
での間に気付いたことや
人の意見を聞いて感じた
ことなどの感想を記入さ
せる。
プリント②記入
【5分】
ま 学習の振り返
と り
め
5
分
鑑賞プリントをまとめ
本時の学習を振り返る。
次時の予告を聞く。
作品を生んだ時代背景に
関心をもち理解できたか、
作者が作品に込めた思い
を感じ取ることができた
かを振り返らせる。
次時は、江戸時代の作品を
学ぶことを伝える。
-3-
表現様式の違い
を理解し、その
よさや美しさを
感じ取ることが
できる。
【鑑賞の能力】
(行動観察・プリン
ト)