エンベディッド・バリュー(EV)

主要経営指標
エンベディッド・バリュー
(EV)
●修正純資産とは
●保有契約価値とは
修正純資産とは過去に確定した利益を蓄積したも
2 兆 4,403 億円
平成 22 年度末
(平成 21 年度末 2 兆 8,363 億円)
(平成 20 年度末 1 兆 7,584 億円)
第一生命
(単体)
のエンベディッド・バリュー:2 兆 4,796 億円
保有契約価値とは、各年度に生じる将来の利益
(税
ので、貸借対照表上の純資産に、負債性の内部留保、
引後)
を算出し、それぞれを割引率によって決算日時
時価評価されていない資産の含み損益等を加算する
点まで割り引いたものの総額をいいます
(将来の新契
などして計算されます。
約からの利益は除きます)
。
第一生命の経営戦略
第一生命グループのエンベディッド・バリュー
EV のイメージ図
(平成 21 年度末 2 兆 8,680 億円) (平成 20 年度末 1 兆 7,959 億円)
将来利益の見積り額
将来
利益の見積り (将来の新契約からの利益は含まない)
平成
※エンベディッド・バリューの詳細はP162・163をご参照ください。
保有契約価値
エンベディッド・バリューとは
22
前々年度 前年度 当年度
分が発生する一方で、生命保険の契約は 20 年、30
年度決算の概要
す。通常は契約の初期に販売手数料等の費用の大部
1年後 2年後
1年後
2年後 3年後
3年後 4年後
4年後 ・・・
年と非常に長期にわたるため、時間の経過にともな
第一生命グループは市場における当社の企業価値
って収益が発生し、長期間で収益を上げる仕組みと
を図る指標として、エンベディッド・バリュー
(以下
なっています。EV では、この将来にわたる利益貢献
「EV」
)
を開示し、その向上に努めています。
現行の生命保険会社の法定会計では、新契約獲
内部留保等の過去に確定した利益の蓄積
※図はあくまでもイメージ図であり、実際の決算数値等とは関係ありません。
る財務情報を補強することができると考えられて
主要経営指標
得から会計上の利益の実現までに時間がかかりま
を現時点に割り戻して認識するため、法定会計によ
修正純資産
修正純資産
います。
●新契約価値とは
生命保険の収支イメージ図
新契約価値は、当年度
(平成22年度)
に獲得した新契約の契約獲得時点における価値
(契約獲得に係る費用を
収益の発生
控除した後の金額)
を表したものです。
新契約価値のイメージ図
契約年度
決算日時点
経営体制
期間
新契約価値
利益
費用の発生
第一生命グループのEEV
ー原則
(EEV 原則)に準拠したEV
(以下「EEV」
)を開
示しています。平成22年度末におけるEEVは、前年
度末と比べて減少し、2兆4,403億円となりました。
EVは、貸借対照表などから計算される「修正純資
を合計したものです。
EV の構成
2兆4,403億円
保有契約価値
修正純資産
(1兆4,542億円)
28,363
24,403
12,966
18,635
14,542
4,618
9,728
9,860
835
1,189
1,581
新契約価値
(注)
1.第一生命グループのEEVは、第一生命のEEVに第一フロンティア生命
のEEVのうち第一生命の出資比率に基づく持分を加え、第一生命が保
有する第一フロンティア生命の株式の簿価を控除することにより算出
しています。
2.第一フロンティア生命に対する第一生命の出資比率は、平成20年度
末時点で93.9%、平成21年度末時点および平成22年度末時点で
90.0%です。
3.第一生命が保有する第一フロンティア生命の株式の簿価は、平成20
年度末時点で1,519億円、平成21年度末時点および平成22年度末時
点で1,634 億円です。
第一生命
(単体)
のEEV
EEV
修正純資産
保有契約価値
新契約価値
1年後
新契約の獲得には費用がかかり
ます。現行の法定会計では契約年
度に新契約費相当の損失が発生
します。
2年後
3年後
4年後
契約年度の
損失
なお、当社グループは、保険数理に関する専門的
当社ホームページ掲載のニュースリリース
(http://
知識を有する第三者機関
(アクチュアリーファーム)
www.dai-ichi-life.co.jp/company/results/
に、前提条件や計算方法等について検証を依頼し、
kessan/2010/pdf/index_009.pdf)
をご参照くだ
意見書を受領しています。当該意見書については、
さい。
(単位:億円)
平成20年度末 平成21年度末 平成22年度末
保有契約価値
(9,860億円)
17,584
17,959
28,680
24,796
13,458
18,809
15,187
4,500
9,871
9,609
1,021
1,356
1,585
ここに記載されている内容は、リスクと不確実性をともなう将来の見通しを含んだ前提条件に基づき計算されたものです。将来の実績がこれらの
社会貢献活動と
環境保護への取組み
産」と保有契約に基づき計算される「保有契約価値」
EEV
修正純資産
損失
年度末EVよりヨーロピアン・エンベディッド・バリュ
(単位:億円)
平成20年度末 平成21年度末 平成22年度末
評価の基準としてEVが浸透しています。当社グルー
プでは当社をよりよくご理解いただくため、平成19
新契約価値は契約年度の
損失に将来利益を含めて
評価することから、通常の
場合、
プラスとなります。
第一生命の
﹁新・生涯設計﹂
欧州を中心とする海外では、生命保険会社の株価
将来利益
前提条件と大きく異なる場合がありますので、使用にあたっては十分な注意を払っていただく必要があります。
平成22年度末
28
第一生命の現状 2011
第一生命の現状 2011
29
主要経営指標
主要経営指標
基礎利益
逆ざや
2,759 億円
(平成 21 年度 3,301 億円)
(平成 20 年度 3,608 億円)
平成 22 年度
903 億円
タル損益」と危険準備金繰入などの「臨時損益」を加
逆ざやとは
を、運用収益などで確保する必要があります。
この予定利息の合計を実際の運用収益などでまか
味したものが経常利益となります。
当社の平成22年度における基礎利益は、東日本
生命保険会社は、保険料の計算にあたって、資産
なえない状態を「逆ざや」
といいます。
大震災にともなう保険金等のお支払に備える保険契
運用による運用収益をあらかじめ一定程度見込ん
当社の平成22年度における逆ざや額は、基礎利
約準備金の積み立てや利息及び配当金等収入の減少
で、その分保険料を割り引いて計算しています。この
益上の運用収支等の利回りの低下により、903億円
内容に沿って保険金・給付金等をお支払いする一方、
などにより前年度と比べて減少し、2,759億円とな
割引率を「予定利率」といいます。そのため保険会社
となりました。
将来のお支払いに備えるために責任準備金を積み立
りました。
て、これを運用するという活動の結果としての収支
を捉えたものです。
●逆ざや額の算出方法
上に努めていきます。
(注1)
(注2)
(903億円)
(2.46%)
(2.81%)
う
ち
保険料等収入
う
ち 資産運用収益
基礎利益
(①)
(2,759億円)
基礎収益
基礎費用
基礎費用
(4兆863億円) (3兆8,104億円)
う
ち
保険金等支払金
う
ち
事業費
①基礎利益
キャピタル収益
(△1,079億円)
臨時損益
(③)
(△891億円)
キャピタル収益
キャピタル費用
(2,220億円)
(3,299億円)
有価証券売却益
う
ち
金融派生商品収益
キャピタル費用
う
ち
金銭の信託運用損
う
ち
有価証券売却損
う
ち
有価証券評価損
臨時収益
臨時費用
う
ち
金融派生商品費用
(250億円)
(1,141億円)
う
ち
為替差損
キャピタル損益含み基礎利益 ①+②
経常利益
(①+②+③)
臨時収益
(789億円)
臨時費用
危険準備金戻入額
経常利益等の明細(基礎利益)について
は P123 をご参照ください。
う
ち
危険準備金繰入額
③臨時損益
経常利益①+②+③
特別利益
う
ち
価格変動準備金戻入額
特別損失
う
ち
価格変動準備金繰入額
契約者配当準備金繰入額
税引前当期純利益(注)
法人税及び住民税
法人税等調整額
法人税等合計
当期純利益(注)
40,843
28,372
9,062
37,542
26,105
4,387
3,301
40,863
30,565
7,005
38,104
26,250
4,246
2,759
4,253
3,826
411
10,450
67
5,048
4,419
̶
914
△6,196
△2,588
2,471
2,425
─
2,536
─
2,078
105
167
185
△65
3,236
2,220
2,122
98
3,299
10
1,209
1,796
─
284
△1,079
1,680
4,780
4,780
1,100
̶
3,680
1,091
─
─
1,300
180
△1,300
1,936
250
250
1,141
̶
△891
789
1,224
1,200
3
─
401
350
118
̶
1,165
140
118
─
̶
̶
785
2,197
8
883
891
1,305
774
3
163
166
608
286
259
△142
117
169
(注)1. 基礎利益上の運用収支等の利回り=(基礎利益中の運用収支(※ 1)−配当金積立利息(※ 2))/一般勘定責任準備金
(※ 1)基礎利益中の運用収支=(利息及び配当金等収入+有価証券償還益+その他運用収益)
−(支払利息+有価証券償還損+一般貸倒引当金繰入額+賃貸用不動産等減価償却費+その他運用費用)
(※ 2)配当金積立利息とは、保険会社に積み立てられている配当金に対する利息で、損益計算書上、契約者
(社員)配当金積立利息繰入額と
して計上されるものです。
2. 平均予定利率とは、予定利息の一般勘定責任準備金に対する利回りのことです。
3. 一般勘定責任準備金は、危険準備金を除く一般勘定部分の責任準備金について、以下の方式で算出します。
1
(期始責任準備金+期末責任準備金−予定利息)×̶
2
責任準備金の積立て
責任準備金は、将来の保険金・年金・給付金の支払
基づいて標準責任準備金を積み立てており、法令上
いに備え、積立てが義務付けられている準備金です。
最も健全な方式を採用しています。また、平成19年
責任準備金の積立水準は、積立方式と計算基礎率に
度より、将来の逆ざやを改善させて健全性のさらな
よって決まります。平成8年4月より施行された保険
る向上を図るため、高予定利率の終身保険のうち払
業法において「標準責任準備金制度」
が導入され、責
込満了後契約等に対して、追加責任準備金の積立て
任準備金の積立方式および計算基礎率について監督
を行っています。
当局が定めることになりました。
当社においては、保険業法等で定められた基準に
なお、追加責任準備金を積み立てることでお客さ
まの契約内容等に変更はありません。
社会貢献活動と
環境保護への取組み
【価格変動準備金】
株式などの価格変動の著しい資産について、その価格が将来下落したと
きに生じる損失に備えることを目的に積み立てている準備金です。
【危険準備金】
保険契約に基づく将来の債務を確実に履行するため、将来発生が見込
まれる危険に備える準備金です。
将来発生が見込まれる危険とは、保険リスク
(実際の保険事故の発生率
などが通常の予測を超えることにより発生し得る危険)
、予定利率リス
ク
(責任準備金の算出の基礎となる予定利率を確保できなくなる危険)
及び最低保証リスク
(特別勘定を設けた保険契約の保険金等の最低保
証に関する危険)
とされています。
43,885
29,043
7,530
40,277
27,535
4,440
3,608
第一生命の
﹁新・生涯設計﹂
②キャピタル損益
平成22年度
経営体制
キャピタル損益(②)
う
ち
平成21年度
(25兆3,712億円)
※算式中の各項目は、
全て一般勘定の値
主要経営指標
基礎収益
平成20年度
(注3)
逆ざや額 = (基礎利益上の運用収支等の利回り−平均予定利率) × 一般勘定責任準備金
(単位:億円)
●基礎利益から経常利益への流れ
22
当社は、引き続き、中核事業の競争力強化、成長市
場への積極投資などを通じた、基礎利益の維持・向
基礎利益は、経常的な収益力を測るための指標で
年度決算の概要
指標のひとつです。具体的には、ご契約者からお預
かりした保険料や運用収益を原資として、ご契約の
平成
「基礎利益」
とは保険本業における期間収益を示す
(平成 21 年度 逆ざや額 828 億円)
(平成 20 年度 逆ざや額 648 億円)
は、毎年割り引いた分に相当する金額
(
「予定利息」
)
あり、基礎利益に有価証券売却損益などの「キャピ
基礎利益とは
第一生命の経営戦略
平成 22 年度
(注)
平成20年度、21年度は、それぞれ「税引前当期純剰余」
「
、当期純剰余」
を
記載しています。
30
第一生命の現状 2011
第一生命の現状 2011
31
主要経営指標
ソルベンシー・マージン比率
(参考)
新基準によるソルベンシー・マージン比率
(平成 21 年度末
(平成 20 年度末
953.5%)
768.1%)
〔新基準によるソルベンシー・マージン比率:547.7%〕
30,480
ソルベンシー・マージン総額 (A)
資本金等
(注1)
5,768
価格変動準備金
804
危険準備金
5,020
一般貸倒引当金
率が 200%以上であれば、健全性についてのひとつ
ソルベンシー・マージン比率とは
の基準を満たしていることを示しています。
率は、リスク削減の取組みなどにより、前年度末と比
えて発生するリスクに備えて「支払余力」
がどの程度
べて上昇し、983.9%となりました。なお、ソルベン
カバーされているかを示す行政監督上の指標のひと
シー・マージン比率は、平成23年度末より算出基準
つです。
が一部変更
(マージン算入の厳格化、リスク計測の厳
土地の含み損益×85%
(マイナスの場合100%)
174
全期チルメル式責任準備金相当額超過額
(注2)
13,674
負債性資本調達手段等
(注2)
4,561
全期チルメル式責任準備金相当額超過額及び負債性
資本調達手段等のうち、マージンに算入されない額(注2)
△2,274
控除項目
△1,698
その他
リスクの合計額
1,059
2+
2+R4(B)
(R1+R8)
(R2+R3+R7)
保険リスク相当額
R1
980
支払いに係るリスクや資産運用に係るリスクなど、
平成22年度末におけるソルベンシー・マージン比率
第三分野保険の保険リスク相当額 R8
1,547
多様なリスクが通常の予測を超えて発生した場合、
を算出した結果、547.7%となりました。
予定利率リスク相当額
R2
2,965
資産運用リスク相当額
R3
7,541
経営管理リスク相当額
R4
261
最低保証リスク相当額
R7
(注3)
(ソルベンシー・マージン総額)
で、これらリスク
(リス
当社に対して安心感を持っていただくための重要な
クの合計額)をどの程度カバーできているかを指数
指標のひとつであると考えており、今後も引き続き
化したものです。同比率の算出は、ソルベンシー・マ
十分な支払余力を確保していきます。
ソルベンシー・マージン比率(A)/
{(B)
×
(1/2)}
×100
主要経営指標
格化・精緻化等)となる予定です。この新基準により
当社は、ソルベンシー・マージン比率をお客さまが
22
11,129
具体的には、生命保険会社が抱える保険金等のお
資本などの内部留保と有価証券含み益などの合計
※平成22年内閣府令第23号、平成22年金融庁告示
第48号により、ソルベンシー・マージン総額及びリ
スクの合計額の算出基準について一部変更
(マージ
ン算入の厳格化、リスク計測の厳格化・精緻化等)
が
なされています。当該変更は平成23年度末から適
用されます。
左記は、仮に当該変更を平成22年度末に適用した
と仮定した場合の数値です。
年度決算の概要
ソルベンシー・マージン比率とは、通常の予測を超
3,345
平成
平成22年度末におけるソルベンシー・マージン比
44
その他有価証券の評価差額×90%(マイナスの場合100%)
います。
2.
「全期チルメル式責任準備金相当額超過額」
は
平成23年金融庁告示第25号第1第1項第1号
に規定する額、
「負債性資本調達手段」は同告示
第1第1項第2号に規定する額、
「全期チルメル
式責任準備金相当額超過額及び負債性資本調
達手段のうち、マージンに算入されない額」は
同告示第1第1項第3号に規定する額です。
3. 標準的方式を用いて算出しています。
第一生命の経営戦略
983.9%
平成 22 年度末
(単位:億円)
平成22年度末 (注)1. 社外流出予定額及び評価・換算差額等を除いて
62
547.7%
ージン総額をリスクの合計額で割算して求め、同比
資産の含み損益の状況(一般勘定)
●ソルベンシー・マージン比率の算出方法
=
ソルベンシー・マージン総額
リスクの合計額 × 1 2
× 100(%)
平成 22 年度末
ソルベンシー・マージン比率
(単位:億円)
6,392 億円
平成20年度末 平成21年度末 平成22年度末 (注)1. 社外流出予定額及び評価・換算差額
35,258
33,147
資本金等
(基金等)
(注1)
6,604
5,946
5,768
価格変動準備金
1,014
1,154
804
危険準備金
5,090
5,270
5,020
74
48
44
△742
6,493
3,345
一般貸倒引当金
その他有価証券の評価差額×90%(マイナスの場合100%)
土地の含み損益×85%
(マイナスの場合100%)
全期チルメル式責任準備金相当額超過額
負債性資本調達手段等
控除項目
その他
174
含み損益とは
有価証券
公社債
含み損益とは、保有している資産
(有価証券、不動
産等)
の時価と帳簿価額との差であり、行政監督上の
指標のひとつであるソルベンシー・マージン比率の
(単位:億円)
平成20年度末 平成21年度末 平成22年度末
株式
外国証券
(注1)
1,565
8,514
6,141
4,038
2,657
3,838
△967
5,225
3,056
△1,370
598
△804
公社債
株式等
△511
790
△655
△858
△192
△149
その他の証券
△134
△9
△50
その他
(注2)
─
42
101
11,488
12,454
13,674
分子であるソルベンシー・マージン総額を構成して
3,462
3,289
4,561
いることから、実質的な自己資本と考えられます。ま
不動産(土地等)
(注3)
1,612
908
205
△1,583
△1,698
△1,698
3,192
9,420
6,392
1,080
1,527
1,451
た、含み益は、当社を取り巻くさまざまなリスクに対
その他共計
(注4)
(注)1. 時価を把握することが極めて困難と認められる外国証券については為
替のみを時価評価しています。
2.「その他」
については金融商品取引法上の有価証券として取り扱うこと
が適当と認められるもの等を含んでいます。 3. 土地については再評価前帳簿価額と時価との差額を含み損益として
記載しています。 4. 貸付金、建物等の含み損益は計上していません。
7,253
7,395
1,057
1,023
980
第三分野保険の保険リスク相当額 R8
1,471
1,501
1,547
予定利率リスク相当額
R2
1,368
1,305
1,239
資産運用リスク相当額
R3
5,169
5,385
4,758
経営管理リスク相当額
R4
182
185
171
が低下する一方、株式市場の低迷、円高の影響を受
最低保証リスク相当額
R7
(注2)
66
62
60
け、有価証券の含み益は全体で6,141億円と前年度
205億円の含み益となりました。この結果、一般勘定
768.1%
953.5%
983.9%
末と比べて2,373億円減少しました。不動産
(土地
資産全体では6,392億円と前年度末と比べて3,028
等)においては、前年度末と比べて703億円減少し、
億円の減少となりました。
保険リスク相当額
ソルベンシー・マージン比率(A)/
{(B)
×
(1/2)}
×100
第一生命の現状 2011
6,737
するバッファーとしての役割を果たすとともに、資
R1
リスクの合計額
32
772
※ 1.左記は、保険業法施行規則第86条、第
87条、及び平成8年大蔵省告示第50
号の規定に基づいて算出しています。
2.ソルベンシー・マージン比率の詳細は
P160・161をご覧ください。
3.危険準備金と価格変動準備金について
はP30をご覧ください。
一般勘定資産全体の含み損益
産運用面においてもリスクをとれる余地を大きくし、
収益力向上に大きな役割を果たしています。
平成22年度末の当社の含み損益の状況は、金利
第一生命の現状 2011
社会貢献活動と
環境保護への取組み
2+
2+R4(B)
(R1+R8)
(R2+R3+R7)
1,370
等を除いています。
2. 標準的方式を用いて算出しています。
9,420 億円)
3,192 億円)
第一生命の
﹁新・生涯設計﹂
27,861
ソルベンシー・マージン総額 (A)
(平成 21 年度末
(平成 20 年度末
経営体制
ソルベンシー・マージン比率
33
主要経営指標
主要経営指標
実質純資産額
3 兆 668 億円
(平成 21 年度末 3 兆 3,216 億円)
(平成 20 年度末 2 兆 7,037 億円)
※この指標がマイナスになったときには、監督官庁による業務停止命令等の対象となることがあります。
平成 23 年 7 月 1 日現在
㈱格付投資情報センター
(R&I)
㈱日本格付研究所
(JCR)
スタンダード&プアーズ
(S&P)
第一生命の経営戦略
平成 22 年度末
格付け
フィッチ・レーティングス
(Fitch)
A+
A+
A
A
(保険金支払能力格付け)
(保険金支払能力格付け)
(保険財務力格付け)
(保険会社財務格付)
当社の平成22年度末における実質純資産額は、
実質純資産額とは
株価の下落や円高の進行にともなう有価証券含み益
※上記格付けは、格付会社の意見であり、保険金支払等について格付会社が保証を行うものではありません。また、格付会社の判断により、将来的には変化すること
があります。
実質純資産額とは、時価ベースの実質的な資産か
当社では、格付けを、財務の健全性をはじめとす
668億円となりました。
る経営内容を客観的に判断する材料のひとつと考
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え、㈱格付投資情報センターおよび㈱日本格付研究
まり、時価評価後の実質的な自己資本を指し、保険
会社の健全性の状況を示す行政監督上の指標のひと
つとなっています。
実質的な資産とは、バランスシ ート上の資産に、
格付けとは、主に企業の財務の健全性に関する意
所より保険金支払能力格付けを、スタンダード&プ
見として、利害関係のない第三者が判断、公表する
アーズより保険財務力格付けを、フィッチ・レーティ
ものです。通常は、理解を容易にするために記号化さ
ングスより保険会社財務格付を取得しています。
含み損益等のオフバランスの資産を加えたもので
れて示されます。こうした格付けには、企業が格付会
平成23年7月1日現在、㈱格付投資情報センター
す。また、実質的な負債とは、バランスシート上の負
社に依頼して発表されるものと、企業側の依頼の有
からは「A+
(シングル Aプラス)
」
、㈱日本格付研究
無に関わらず格付会社の意見として発表されるもの
所からは「A+
(シングル Aプラス)
」
、スタンダ ード
とがあります。
&プアーズからは「A
(シングル A)
」
、フィッチ・レー
生命保険会社についての格付けは、通常、保険金
や年金等が契約どおりに支払われる確実性の程度を
資本の充実
主要経営指標
債から各種準備金等を差し引き算出したものです。
ティングスからは「A
(シングル A)
」という高水準の
格付けを得ています。
示しています。
保の積上げや、ALMの一層の推進、リスク性資産の
ためには、強固な財務基盤をつくりあげていくことが
残高コントロールを中心としたリスク削減などに取り
重要であると考えています。そこで、期間収益の確保
組んでいきます。
経営体制
当社は、お客さまから信頼される会社であり続ける
資本の内訳
の内部留保等を積上げることで、資本の充実に努め
てきました。
年度決算の概要
格付けとは
ら資本性のない実質的な負債を差し引いたもの、つ
に努め、株主資本や危険準備金・価格変動準備金など
平成
の減少などにより、前年度末と比べて減少し、3兆
1兆9,279億円
1兆9,638億円
2兆1,120億円
平成20年度末
平成21年度末
平成22年度末
20,000
れている劣後債務の調達にも取り組んでおります。
第一生命の
﹁新・生涯設計﹂
また、生命保険会社の資本として制度的に認めら
15,000
平成22年10月には、従前に取り入れた期限付劣後
借入について、より資本性の高い永久劣後借入にす
るため契約条件変更を行ったほか、平成23年3月に
10,000
は米ドル建永久劣後社債を発行するなどし、財務基
盤を一層強化しております。
5,000
これらの取組みに加え、平成19年度からは、将来
ため、追加責任準備金の積立てを行っています。一方
0
基金
劣後債務
追加責任準備金
社会貢献活動と
環境保護への取組み
の逆ざやを改善させて健全性のさらなる向上を図る
内部留保等
で、相互会社のみに認められている資本調達制度で
ある基金については、平成22年4月の株式会社化ま
でに全額を償却しました。
引き続き、規制動向等を踏まえつつ、リスク対比で
十分な資本の確保を目指します。具体的には、内部留
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第一生命の現状 2011
第一生命の現状 2011
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