若草内外通信 - 医療法人如月会 若草病院

若草内外通信
H27. 2月号
「自分の望むところで安心して暮らせる」
そういう夢を支えることができる
精神科医療の提供を目指して・・・
医療法人如月会 若草病院
今月の記事
1
若草病院デイケアCW
デイケア
浦岡 彰
3
2
私のつぶやき
外来
川越礼子
4
3
異動になって
在宅復帰支援病棟
桜木加奈生
4
4
青太のボランティア参加
給食
有田浩敏
5
5
初体験!!
相談支援事業所スマイル
図師 崇
6
6
「光子のバヤキ パート3」
2階救急病棟
日高光子
6
7
恒例!青島はだか参り
病棟治療部
束野博幸
7
*子育てサポート企業認定
8
*ワークライフバランス
尾藤光浩
9
研修報告
*
新人看護職員実施指導者研修(12/5)
デイケア
北ノ薗由恵
10
*
精神科訪問看護基本療養算定要件研修会
(1/17~19)
訪問看護ステーションこころ
野邉裕子
13
訪問看護ステーションこころ
平島紀子
16
*
【感想】
*
第11回宮崎県作業療法学会(1/24~25)
訪問看護ステーションこころ
堀江桃子
16
*
NPO法人日本医師事務作業補助者研究会
(1/31)
医局
古川優子
18
医局
木田彩月
20
*
【感想】
*ねむの木だより
21
若草病院デイケアのCW
精神保健福祉士 浦岡 彰
私は、若草病院へ入職して12年目になります。CWになって7年目になります。最初は、
遊学舎で教育療法士として勤務していましたが、現在は、デイケアCWとして勤務してい
ます。デイケアへ異動になり3年がたちましたが、デイケアのCWは、私が専門学校で勉
強してイメージしていたCW像とは、まったく違ったものでした。
デイケアCWの仕事とは、
○ 服薬管理等・・・ DCリーダー業務を行うので、朝、昼、夕、寝る前の薬を手渡しし、
飲んでいるかの確認をします。
受診の促し、受診後の処変等の確認、薬のセット等を行う。
○ 金銭管理 ・・・ 個々の収入(生保・障害年金・家族の入金等)を確認し、滞納があ
れば支払い計画を立て、1日の小遣いなどプラン立てを行い、本人の了解を受け管
理を行います。
○ デイケアの利用計画・・・ 訪問、作業所等の利用、クロザリル加算、デイケア利用開
始から1年以上のメンバーは、週5回のデイケア利用のため、1週間の利用プランを
立てます。
○ 就労支援・手続き等の支援・・・ 作業所や相談支援事業所へとつなぐ。他の施設の
利用のための支援、障害者手帳、障害年金、自立支援医療の新規・更新手続き等
の支援を行う。
○ 環境調整・・・ 部屋の環境調整。保正面の調整(入浴指導等)から家族との調整。
行政との調整。他の施設との調整(作業所・訪問等)などを行う。
○ プログラムの運営・・・ CWプログラム(作業所へ行こう・個々のプログラム)とDCのプ
ログラムを行う。
○ その他・・・ 食札業務・退院前カンファ・・・etc。
上記の業務を5名のCWがそれぞれ、NS、OT、CP、管理栄養士とで分担しながら
行っています。細かいものを挙げるときりがありませんが、注射や処置といった法的に行
えない業務以外は、全部行います。
驚きましたが、おかげで、広い視野でデイケア利用者を見ることができるようになりまし
た。個別的な支援が多方面でできるようになったと思っています。
若草病院デイケアでは、猪上課長を中心に他職種の視点で、すばらしいチーム医療
が行われていると、私は思っています。すばらしいスタッフに囲まれ、働いている自分自
身に日々、充実感を持ちながら働けることを感謝しています。
3
私のつぶやき
外来 准看護師 川越礼子
中江Drが第一診察室で仕事をしている頃でした。外線電話が入り、中江Drに尋ねようと
第一診察室の後ろのドアを開け、Drに向かって「もしも~し」と大きな声で言ってしまった
事!もう恥かしくてはずかしくて・・・・・
Aさん
訪問で毎週500円を手に持ち、一緒に歩いてローソンへお弁当を買いに行きますが、
歩くのが早いので、私はついて行くのがやっとです。私の事を気づかってか、後ろを振り向き
待っててくれます。とっても優しいですよね。胸キュンでした・・・
Bさん
いつもブツブツ独語を言いながら歩いており、会話も成り立たない方ですが、足の軟膏処置
をした後、立ち上がり「ありがとう」とはっきり言われました。感謝の気持ちがある事に、私は
とても感動しました。
Cさん
ある日受付前あたりで、私を呼び止め近づいてきて、いきなり、私の頬を右の手の平で叩き
ました。全く痛みは感じず、逆に「愛情表現?」かと思いました。本当に嫌いならキツイ顔を
して叩くし痛いはずですよね。彼女なりのスキンシップだったのかなと私は思います。
在宅復帰支援病棟に異動になって。
在宅復帰支援病棟
桜木 加奈生
今回、在宅復帰支援病棟に配属になりました。
初めての異動という事もあり、まだまだ慣れない点は多いのですが、退院促進に向けて頑
張っていきたいと思います。
ところで育休中に自堕落な生活を送っていたので更に太ってしまい、昨年の12月の復
帰と同時にダイエットを始めました。目指せ○○Kg!!
まずは間食をやめて、昇り降りも階段を使うようにしています。
ただ、階段の昇り降り時は息切れが半端じゃないです。「やっぱダイエットや~めた!!」
4
第
28
回 同時開催 第23回視覚障害者マラソン宮崎大会
青太のボランティア参加
給食
有田浩敏
去年の12月14日青島太平洋マラソンがありました。
参加するランナー12,000人、ボランティアの数3000人です。私は4年前から視覚障害者の
伴走として大会に参加してます。参加するきっかけは、ある本を読んでいるとボランティアを
勧める事が書いてあり、自分も好きなランニングを活かしてやってみようと思ったからです。
今回、伴走した方は去年の方と一緒で、彼はオーストラリア人でまず日本語が通じるかすご
く不安でした。会ってみると日本語は普通に話せ、視覚も全盲ではありませんでした。彼と何
度か連絡を取り9月から月に3~4回練習を重ねてきました。主に10kのコースを走りにくい所
や光や影で見えにくい所をチェックしながら練習しました。
大会当日は寒くて少し風のある日でした。この時のコース確認や1kのペースはどの位で走
るか話し合いながら、アップを行いました。いよいよ9:30スタート!!目標通りのペースで走り
風の強いトロピカルロードも彼はほとんどペースも落としませんでした。9k地点ここからは彼1
人でも走れ、いつも練習しているコースです。彼は更にスピードを上げ上位でゴールしました。
今年も無事に終った気持ちになり一息ついていると「来年はフルマラソンに挑戦したい」と
伴走を頼まれました。今年はもっと彼と練習して頑張りたいと思いました。
5
初体験!!
相談支援事業所スマイル
CW 図師 崇
いつからなのか忘れてしまいましたが、その年に何か1つは初めての事・体験をしようと決めて
います。ダイビング資格、クライミング、スノーボード、社会福祉士資格…これは途中で挫折しちゃ
いました…いゃ~レポート提出が厳しくて、お恥ずかしい(;^_^A)
成る成らずに関わらず、体験・景色・見え方など初めて知る・感じられる事が好きで、今まで色々
な事にチャレンジしてきました。
去年は相談支援事業に携わる事を目標にし、5月より病院5階の相談支援事業所スマイルにて
従事しています。足りない知識や経験を同僚・他事業所・利用者の方々など、周りに助けて頂きな
がら頑張っています。やり甲斐のある仕事です。
すでに今年は意図せず初体験した事がありまして…「ぎっくり腰」。年末30日にやってしまい、妻
の実家に帰省する飛行機もキャンセル、正月を一人寝て過ごしました。痛いものですねぇ~2日間
は這い這い移動(笑)、その後も2日間は腰をかがめてやっと動ける日々を送りました。日頃何でもな
い生理現象をするだけで激痛が走るので、“くしゃみ、咳、寝返り”など、止められない生理現象の
たびに痛みを覚悟しないといけないあの嫌な瞬間、トイレにも苦労しました(笑)。腰痛持ちの利用者
さんや高齢の方の気持ちが、文字通り良くわかり体感できた初体験でした。
さて、今年は何をするか?ぎっくり腰で済ませる訳にもいかないなぁと思案している時に前回内
外通信を読み、親愛なる4階兄貴の御言葉を拝見、「これだ!!」と決めました。
厄年を迎え40年、これまで点滴ひとつした事が無いのですが、ぎっくり腰も味わい身体の衰えも
多少なりとも感じ(イヤイヤまだまだ行けます!!)…寝て過ごした為か体重も106kgに成長…ほんの
ちょっと太め男子になり…足親指の痛みが気になる今日この頃(苦笑)。治療ではないのですが、以
前から気になっていた検査・人間ドックへ今年は行ってみる事に決定しました!!
バリウムはどんな味なのか?内視鏡の上から下から…TVのバラエティで見る様に辛いのか?身
体は健康なのか?初めての体験と、自身を知り健康を考える事になる一挙両得の機会!!
神妙に検査を受けている自分の姿を想うと何か可笑しくも感じ、今から楽しみです♪
皆さんにも“初体験”お勧めです(*^_^*)
「光子のボヤキ パート3」
2階救急病棟
看護師
日高光子
早いもので、前回夏に書いて提出したと思ったら、またもや順番が廻って来ました。月日の
経つのははやいものぢゃーと、しみじみ思いつつ、書くネタないぞ------と我が家の超ラブリー
な猫を撫でながら思案に暮れておりました。そういえば、あの夏できたお腹のハゲ未だに毛
がはえずハゲのままです。うちの時間は世間の早さと違ってあまり変化なくゆっくり流れてい
る様で、これが年寄りの時間の流れかなと、これまたしみじみ思っております。
だーかーらー、何するにも鈍いけど大目に見て下さいね!えへへ
6
恒例!
青島はだか参り
病棟治療部
看護師
束野博幸
先月にはなりますが、成人の日に恒例の裸参りが行われました。隊長の栗沢さ
んを筆頭に、羽根田さん、貴島さん、斉藤(雅)さん、日高(正)さん、初めて
参加の宮越さん、そして私の計7人です。都合でキャンセルになった人が3人いま
したので、皆参加できていれば10人の大台にのるところでした。
今年の海は格段に冷たく、胸まで浸かる事も難儀しました。しかしその分外気
は温かく感じられ半分は意気揚々の自分が居たのでした。神社参拝直後の全身に
熱湯を浴びる神事では参加者500人は最高潮に達し、言わば狂喜乱舞!宮越君を
餌食に差し出すのに懸命になってしましました「ごめんなさい、あなたの健康祈
願ですから(笑)」。6~7年前までは裸とフンドシに抵抗があるようで仲間が
増えませんでしたが、今では皆恥ずかしがりもせず参加してくれるようになりま
した。私自身参加10年目(祝)の今回、皆にバケツの祝水をかけてもらうまでにな
り幸せをイッパイ感じました。
7
厚生労働大臣(都道府県労働局長への委任)
○認定を受けると、以下のようなメリットがあります。
☆次世代認定マーク(愛称:くるみん)を、商品・広告・求人広告などにつけ、子育て
サポート企業であることをPRできます。その結果、企業イメージの向上、従業員のモ
ラールアップやそれに伴う生産性の向上、優秀な従業員の採用・定着が期待できます。
☆取得・新築・増改築した建物等について割増償却ができます。認定を受ける対象と
なった行動計画の計画期間開始の日から認定を受けた日を含む事業年度終了の日ま
での期間内に取得・新築・増改築をした建物とその附属設備について、認定を受けた日
を含む事業年度において、普通償却限度額の32%の割増償却ができます。
「子育てサポート企業」の証
愛称:くるみん
8
≪4か月の取り組み≫
1/29に看護協会でワークライフバランスのフォローアップワークショップに行ってま
いりました。実際にワークライフバランスを取り組みはじめ当院でも4か月が過ぎ、今
までの取り組みの発表をしてまいりました。会場ではワークライフバランスを始めて
から3年目になる病院の方々の発表も、今後当院がワークライフなランスを進めるにあ
たりとても参考になる内容でした。 院内の表彰制度ではアイスクリーム券がもらえ
るユニークな取り組みもしている病院もあったりと、盛り上がったフォローアップシ
ョップでした。
当院でのワークショップ後4か月の取り組み
まずは、現状がみんなに見えるよう目標を3点に絞った。
①勤務表の表示方法の変更
②現在の各部署の業務内容を明文化する。
③現在の経営方針や現状について説明する。
上記についてのプランとしては
①については今後、代休・有給残日数が記載されていきます。
②はまずは看護指針を作成しました。その他の職種も今後作成し業務内容
を明確にする。
③3/7(土)如月会20周年祝賀会で経営方針などの説明を理事長に依頼しま
した。
WLBはまだまだはじまったばかりで目に見えるような成果はないですが、3年
後のゴールにはWLBを使って職員皆さんが仕事とプライベートが両立でき充実
した毎日が過ごせるように頑張りたいです。
9
研 修 報 告
氏名 北ノ薗 由恵
部署 デイケア
期日 H26年12月5日(金)
研修名 新人看護職員実地指導者研修
場所 看護協会
講師 久保 敦子 (宮崎大学医学部付属病院 副看護部長)
研修内容
1.基礎看護教育と臨床現場の現状
2.新人看護職員研修ガイドライン
3.成人学習者の特徴と教育方法
4.新人看護職員研修の実際
5.実地指導者の役割
1について
〇臨床現場の現状と課題
①看護職員の役割が複雑多様化している
②患者に分かりやすい丁寧な説明、緻密な観察と生活援助が求められる
③患者・家族への療養生活指導や退院調整に多くの時間を費やすと共に、医療機器の確実
な操作・管理をし、多種多様な医薬品についても誤り無く与薬し、経過を緻密に観察する
必要がある。
④多重の課題に対応する必要がある。
⑤看護職員に求められる社会的責任は非常に大きい。
⑥医療安全の確保が最重要課題になっているが、ヒアリ・ハットの報告者は新人看護職員の
占める割合が高い。
⑦卒後の研修を充実させる必要性が非常に高い。
〇看護の今日的課題
①安全で安心な医療・看護の提供
②医療技術の進歩と高度医療における倫理的諸問題
③患者の意識変化と医療への参加
④変革期を迎える生活習慣病予防への取り組み
⑤療養の場の拡大
⑥多職種との連携と看護の専門性の発揮
⑦災害時の取り組み
〇看護基礎教育の課題とこれまでの取り組み
・科学的根拠に基づいた看護を実践できる基礎的能力を養う
・健康の保持増進、疾病予防と治療、リハビリテーション、ターミナルケア等健康の状態に応
じた看護を実践するための基礎的能力を養う
〇看護基礎教育における隣地実習の現状と課題
①臨床現場の多重課題の優先度を考えながら時間内に業務を実施するなどの能力を、基礎
教育の中で見につけることは極めて困難
②看護技術の訓練の範囲や機会が限定される傾向にある。
10
〇新人看護職員研修の現状と課題
①新人看護職員に対する、免許取得後の研修に関する規定は設けられていない。
②看護師等においては自ら進んでその能力の開発及び向上を図ることが求められる。
③看護基礎教育卒業時の看護技術の到達度には差異が生じている。
④研修に関する標準的な考え方や指針の策定を期待する声が多い。
⑤看護職員の臨床研修の在り方について制度化を含めた検討を行うなど、新人看護職員
教育の充実のための対策の必要性が指摘されている。
〇新人看護職員に関する今後の取り組みの必要性
・新人看護職員研修に関する内容(習得すべき知識・技術・態度、研修体制等)の標準化
を進めることが有効である。
2について
〇新人職員とは
・主として免許取得後に初めて就労する保健師、助産師、看護師及び准看護師
・免許取得した以降に、初めて臨床現場で就労する看護職員も対象
〇新人看護職員研修の理念
①新人看護職員研修は、看護の基礎を形成するもの。
②皆で育てるという組織文化の醸成が重要
〇新人看護師が“育つ”環境の視点
1、新人を温かく見守るという組織文化
2、業務トレーニングの組織化
3、基盤となる社会人としての成長
〇新人看護職員研修の基本方針
①新人看護職員は、新人看護職員研修で習得したことを基盤に、生涯にわたって自己研
鑽する事を目指す
②複数の受け持ち患者を受け持ち、多重課題を抱えながら、看護を安全に提供するための
臨床実践能力を強化する
③医療機関は患者の理解を得ながら組織的に職員の研修に取り組むもの
④専門的な知識・技術を有する職員を新人看護職員研修に参画させることも必要
〇実地指導者とは
・新人看護職員に対して、臨床実践に関する実地指導、評価等を行う物である。
〇成人教育の本質
・成人教育は、「成人学習」といわれる
・成人教育=学習者本人が主役
〇成人学習の5原則
①活用の原則:日々の実践の中で早速使える役に立つ技術を求めている
②協力の原則:指導者と学習者の協力の下に学習活動を進めていくことが大切
③工夫の原則:ブレーンストーミングなどを使って、学習者の創意工夫、自由な発想を引き
出す
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④経験の原則:豊な経験を交流しあうことが、指導者と他の学習者にとって極めて有益
⑤肯定の原則:頭ごなしの否定や批判は、学習者の自尊心を傷つけ、学習意欲の低下
を招く。肯定的に受け止める度量が、成人学習の指導者には不可欠の条件である
〇教育の3つの柱(能力開発の方法)
・OFF-JT:日常を離れ、集団で指導を受ける
・OJT:日常業務の中で、マンツーマンで指導を受ける
・SD:自己啓発
〇実地指導者の役割
・実地指導者は、臨床のOJTの中で新人看護職員を直接指導、評価を行う物である。
〇新人教育における実地指導者の役割
1、社会人としての自立を支援
2、組織人としての成長を支援
3、プロとしての能力開発を支援
4、キャリアデザインを支援
〇新人職員の特徴
・叱られたとき、どう対処していいか分からない
〇新人看護職員の特徴を考慮した指導
・指導者は新人の行動や考え方を指導していることを伝える
〇リアリティショックを受けやすい時期
・入職1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月
〇実地指導者に求められる能力
・教育的に関わる能力
・適切な関係性を築くコミュニケーション能力
・新人の置かれている状況を把握し、一緒に問題を解決する能力
・研修の個々のプログラムを立案できる能力
・臨床実践能力を評価する能力
〇教育・指導のコツ
1、相手を責めない
2、問題点を見極める
3、相手のレベルに合わせる
4、見せて、やらせて、承認する
5、何度も繰り返す
〇ティーチングとコーチング
・ティーチングとは・・・指示や助言によって相手に答えを与えること
・コーチングとは・・・相手から答えを引き出し、自己解決・自己決定を支持する事。
12
〇教える技術
・「教える」とは、相手から“望ましい行動を引き出す”こと。
・安心して話ができる土台づくり
・部下が悪いと決め付ける前に自分をチェックする
・教える内容を「知識」と「技術」に分ける
・子どもをお使いに出すときを思い出す
・指示や指導は具体的な表現に具現化する
・目標も具体的な行動に置き換える
・長期目標の道のりにはスモールゴールをも設ける
・業務そのものだけでなくその意義や全体像も教える
・「わかりました!」をあてにしない
・ほめる
・「叱る」は〇、「怒る」は×
【感想】
今回の研修で、実地指導者になることは難しいことではないことが分かった。研修の中で、
「人はひとりだけでは1人前になれない。そしてあなたも、一人の力で一人前になったわけでは
ない。人が1人前になる時、その傍らにはかけがえのない他者がいる」ということを忘れないで
ほしいと講師が言われていた通り、それを忘れずにいようと思った。また、同じチームの一員と
して、いいところをたくさん見つけて褒め、皆で育てて生きたいと思った。
氏名: 野邉 裕子
部署: 訪問看護ステーション こころ
期日: 平成27年1月17日(土)~1月19日(月)
研修名:精神科訪問看護基本療養費算定要件研修会「精神科訪問看護研修会~基礎編」
場所: 日精看 協会研修室(東京都港区港南2-12-33)
講師: 仲野 栄(日本精神科看護協会)
安来 大輔(都立多摩総合医療センター)
花田 政之(医療法人白日会黒川病院)
田中 文人(地域活動支援センター)
寺田 悦子(多摩在宅支援センター)
研修内容:
「精神科訪問看護の動向」 講師:仲野 栄
1月17日
訪問看護の基本姿勢として、①訪問看護導入時の「契約」を大切にする。②話を聞くだけでも、
治療的意味がある。③病気に関する利用者のエピソードを知っておく。④治療や薬について話
せる関係になる。⑤「一緒に困ってくれる支援者」を探し連携する。
「精神疾患の理解」 講師:安来 大輔 1月17日
・ 統合失調症、気分障害、パーソナリティー障害、アルコール依存、認知症などの症状
看護師⇔患者 ①病の影響を受けたその人のありようをそれなりに理解し介入できること②患者の
心身の問題・変化に気付けること→その疾病の性質を知ることが役立つ。
看護師⇔医師 チームワークを行うために専門のことばがわかり連絡や協議ができること→疾病、
症状、基礎知識の必要性。
13
「精神科訪問看護に必要な薬物療法の知識」
・ 向精神病薬の作用と副作用
・ 服薬管理の際の留意点
処方の決定原則(理想)(1)どれが最も有効か(2)どれが最も副作用が少ないか(3)服用継
続が可能か
副作用について・薬が悪者論に安易に同意しない:嫌いになったら取り戻せない。・必要性と
副作用のバランスについて主治医と相談。・適切に内服しているか再確認。
「精神科訪問看護の実際~日常生活支援」 講師:花田 政之 1月18日
・ QOL向上に向けた援助等
■QOLの高低は誰の物差しで計っていますか?■寄り添うとはどういうことか考えたことがあり
ますか?(その人の夢や希望)■「その人らしい暮らし」とはどういうことかを意識できるように
なってください。
「精神科訪問看護の実際~医療継続支援」
・ 服薬に関する援助等
コンプライアンス:医療従事者の指示に患者さんがどの程度「従っている」のかという視点で
の評価。「服薬遵守」を高めるための説得が行われる。信頼関係、生活習慣や服用意義の理
解不足によりノンコンプライアンスとなる。アドヒアランス:患者さんが主体となって「自分自身
の医療に自分で責任を持って治療法を守る」という考え方。コンプライアンスの維持向上のた
めに志向された概念。コンコーダンス:「患者を指導する時代からパートナーにする時代」患
者さんとケアチームによる治療同盟。決定権は患者さんにある。医師との意見が相違する場
合は患者さんの見解を優先させる。
「精神科訪問看護の実際~拒否のある利用者への対応」
訪問時の不在、拒否への対応等:拒否拒薬には患者さんなりの理由がある。目の前の現象
を解決するために患者さんを理解しようとする努力が必要。拒否拒薬で困るのは誰なのか?
支援者の期待を相手に押し付けない。自主性を尊重した関わりが最終的には患者さんを成
長させることになりより深い信頼関係の構築にも繋がる。
「精神科訪問看護の実際~病状悪化の早期発見・介入」
・ 病状悪化のアセスメント等
生活のしづらさに対して:「できていること」やその人の持ち味やり方を認める。「できるように
手伝う」立場で支持していく。「本人のやる気がない」のではなくそれが症状であることを念頭
に置いて関わる。聴く技術:①受容②繰り返し③質問④支持⑤明確化「明確化」の技術が鍵、
相手が話したことを要約する。聴き手の言葉で言い換える。相手に伝えて確認をとる。無理
に言葉を発する必要はなく何も言えないような時は隣にいるだけで十分。
妄想に対する関わり:その内容ではなく感情に寄り添う。興奮している際の対応:援助者側が
物理的な距離をとる冷静さを保つ。複数名での対応が望ましい。状態悪化時の関わりが今
後支援していく上での信頼関係に大きく影響する。当事者との約束を守ることは重要。状態
悪化時は関わりの深い支援者が対応することで当事者の安心感を生む。支援者同士の日々
の情報共有が当事者の危機時に大きく作用する。
「精神科訪問看護の実際~家族支援」
・ HighEE家族への介入等
病状の悪化した患者を前にしたとき家族はどのように対応していいのかが分からず混乱困惑
してしまう。→疾患の理解やコミュニケーション方法。家族が疲れた時や負担が大きくなった
時の支援が不足している。→家族支援の調整、家族が「支援してくれる人がいる」ということを
認識することが重要。
14
「精神科訪問看護の実際~他職種連携」
・ 多職種・多機関との連携等
クライシスプランの活用:本人の調子が良い時に信頼関係を築けている支援者とともに作成、本
人がどう支援してもらいたいかを明確にしておく、本当の意味でその人が望む支援を提供できる
のではないか。「つなぐ」ための留意点:当事者の希望や想いが反映されており安心感をもたら
すよう配慮すること。他の支援者との役割分担を考える、当事者の健康面を支援者に情報提供
する。患者さん利用者さんのニーズを知りそれを叶えるためにチームが存在する。ニーズによっ
てメンバーが変化、コーディネーターとなる職種が変化する。*主役は患者さん利用者さん。
「精神科訪問看護における社会資源の活用」 講師:田中 文人 1月19日
・ 精神障害者が利用できる制度・社会資源の理解
地域活動支援センター、相談支援事業所、多機能型事業所、グループホーム、居宅生活安定
化自立支援事業、東京都地域移行促進事業、地域体制、社会資源、ネットワークについての説
明。
「事例検討(公開コンサルテーション)」 講師:寺田 悦子 仲野 栄 1月19日
① 40歳代男性の統合失調症、要介護認定を受けている高齢の父親と二人暮らし、歩行困難が
あり閉じこもりがちな利用者との関わりについて
→父親の負担が大きいことについては本人の役割を増やせるような支援、社会資源をつかう、親
があっても親なき後のことを考えられるよう利用者が気付けるような支援、可能であれば利用者
と父親別々の支援がいいのではないか、このケースの訪問看護の存在意義としては問題を抱
えている家族がそこにいるということを知っている専門家がいること。
② 40歳代女性の統合失調症、両親と三人暮らし、拒薬があり入院を勧められているが拒否、幻
聴と話をして過ごしている利用者・家族との関わりについて
→情報収集不足という点については生活保護受給開始時に詳しく調べられているので行政にそ
の情報を見せてもらう。訪問看護が入れている父親とも話ができているという点は評価する、待つ
ということも大事。
③ 講師から伝えておきたいこと
→家族を対象とした訪問看護について、特別指示書に家族支援をお願いしますと書いてもらう。
→Drへの報告について、急いで伝えたいことに関してはTelまたはFax利用する、急を要さないこと
についてはその月の報告書で伝える。タイムリーさが大事。
→拒薬のある利用者については最初から薬のことは聞かないほうがいい、まずは人間関係をつく
ること、アドヒヤランスを大切にする。
《感想》
私自身精神科勤務の経験、訪問看護の経験がないまま昨年11月末に入職させて頂き、患者さ
ん利用者さんに対する理解や疾患治療に対する理解が不十分ななか同行訪問をさせて頂く日々
でした。今回の研修で精神科訪問看護とは、長期入院患者を含む精神障害者の地域生活をサ
ポートする、退院後同居される家族の負担軽減、地域住民への理解の深化を図る、地域スタッフと
の協同を図る、退院後の生活状況を病院スタッフへ情報提供する。という役割を担っていることを
理解することができ、訪問看護ステーションこころのスタッフの対応を振り返るとそのような視点で関
わりをされていたことを実感しました。
今回の研修は精神科訪問看護の基礎編ということでその概要について大まかな理解はできたと思
いますが、精神科看護についての奥深さ、精神科訪問看護の重要性について改めて感じる機会
となりました。
今後も日々学びの姿勢を忘れず、今回の研修で学んだことを生かしてよりよい看護が提供できるよ
う努力していきたいと思います。
15
【感想】
訪問看護ステーション こころ 看護師 平島紀子
今回の研修に参加して、精神障害のある患者さんの現状や関わり方、社会資源など多くの事を
学ぶ事が出来ました。中でも、精神科看護ではリカバリー・ストレングスの考え方がとても重要であ
り、利用者さん自身が自分らしく生活できるように、様々な職種や地域が連携していくことが、とて
も大切であると学びました。この考え方は、今までの看護経験を振り返る良い機会にもなりました。
私は初めて精神科看護に携わりますが、利用者さん自身が目指す生活の援助が出来るように、
少しずつ信頼関係を築いて行けたらと思います。
氏名:堀江 桃子
部署:訪問看護ステーションこころ
期日:平成27年1月24日(土)~平成27年1月25日(日)
研修名:第11回宮崎県作業療法学会
場所:宮日会館11階
研修内容
1.一般演題内容(口述発表:12演題、ポスター発表6演題)
※下記に精神科領域関連の口述発表内容を抜粋する
(1)妄想性障害を呈した症例に対するベッドサイドでの関わり
~家庭内役割についての傾聴を通して~
自閉・臥床傾向は倦怠感や病前の自分との比較による自身の低下あり、料理に関することを介
入し
自身の回復、離床を促した。結果、個別的な関わり・家庭内役割であった料理を介しての関わりは
過度に侵襲することを避けることが出来、個人依存を生かしながら緩やかな行動範囲拡大を促すこと
ができた。料理は「教える役割」により自己効力感の低下を防ぎ、更に、料理への前向きな発言と改
善時期に合わせて料理実施したことが成功体験となり自信の回復を図ることができた。
(2)訪問看護ステーションにおける作業療法の役割
当法人、訪問看護ステーションこころより角OTが発表。事業所概要、開設の経緯、訪問看護の
目的、OTアプローチ、考察など。
(3)脱抑制・退行に対し、段階的な目標設定とポジティブフィードバックが有効であった頭部外傷
の一例について
頭部外傷後の問題に対しては、気付きのレベルが低い段階では環境調整など外的なアプローチ
を重点に置き、徐々に内的アプローチに移行していくほうがされているとされている。今回、症例に
対して環境調整および問題行動に対する消去対応により問題行動を軽減させ、さらに、段階的な目
標設定とフィードバックにより望ましい行動を引き起こす行動療法を行った。認知リハビリテーションに
基づく介入は、問題行動を呈する症例に加入する助けとなりえる。さらに、個々の年齢や環境に合わ
せたアレンジが重要と考える。
(4)精神障がい者の院内生活満足度調査~ADOCを用いて~
ADOCはリハビリテーションで目標とする活動を決める面接の際に、クライエントとリハビリテーショ
ン従事者とのコミュニケーションを促進するためのIPadアプリ。ADOCを用いてOT評価・面接を行うこ
とで、精神科OTの開始時からクライエントにとって意味のある作業を特定することができる。しかし、
ADOCは用意に面接を実施できるが故に、実現不可能な作業を目標に挙げてしまうことも考えられる。
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2.特別講演(2演題)
①「地域へ繋ごう~高次機能障害の生活を支えるために~」
神戸大学大学院保健学研究科 副研究科長
種村留美先生
OTは意味のある作業を治療として扱う職種であり、障害のためにかけてしまった作業に対し、
もう1度「満たす」ための支援をするために、生活上での必要な作業の核を的確に抽出し、アプ
ローチを行っていくことが必要である。その人にとって必要な作業の抽出・評価・アプローチ・再
評価を行う中で、評価結果の焦点化、アプローチの優先順位など核を捉えることが必要。リハの
内容がズレてしまうと、自然治癒以外の機能は回復できない。
<『わかば』という地域活動センターで行っていること>
・アサーティブな遂行機能評価 ※アサーティブ:両者にとって良い結果になる主張。
・健康習慣~デトックス
・よく笑う
・ピラティス
・短所の裏の長所
・何でも自分たち(患者)で話し合って決めること
・イメージ法トレーニング
<地域で使える機器情報>
・生活支援機器『テンタクルス』
・徘徊予防支援機器『アルガス』
家屋の玄関近くにその機械を設置して、対象者が玄関席に近づくと「○○さん、どこ行くの?
お部屋に戻りましょう」などと事前に録音してある音声が流れるという仕組みになっており、それ
を実際に設置してから一切徘徊をすることもなくなり、自分で部屋に戻るようになったという結果
が紹介されていた。
・記憶補助機器『タブレットあらた』
タブレットを使ったソフトの紹介も行われた。アンドロイド携帯使用であれば、
http://aratalife.com.というサイトで月額540円より利用できる。
②「本当の作業療法をするための道具:COPMとAMPS」
県立広島大学 保健福祉学部 作業療法科 教授 吉川 ひろみ 先生
<COPDの手順>
(1) 作業遂行におけるクライエント自身が認める問題の発見
(2) 問題の重み付け、優先順位の決定
(3) 遂行(上手くできると思う)と、満足(やり方に満足)の評定※カード利用
(4) 再評価、遂行と満足の評定
<作業遂行(技能)質> ※ 作業遂行≠身体機能・動作のみの評価ではない
楽に、安全に、効率よく、一人でできる
<トップダウンアプローチ>
疾病を捉えて治療をするアプローチではなく、クライエントのしたいこと“意味のある作業”をみ
つけ、それに対する遂行を観察し、原因を解釈。その作業の要素に必要な機能を分析し、それ
に対するアプローチを行う。
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人-環境-作業の関係
・なぜできない作業がある?
⇒嫌なこと・なれないことは上手くできない
⇒体調が悪いと上手くできない
⇒汚い場所や混雑していると上手くできない など
※様々な環境因子、個人因子、疾病などを総合的に把握した上で、作業遂行を評価する
【感想】
今回の学会は、精神領域、地域など様々な分野で、新人から経験者のOTによる幅広い層の
研究発表が行われました。私は運営スタッフとして1年前より準備をし、本学会のテーマも私が
提案したテーマを採用して頂きました。『繋ぐ』という主題は、1つ目が対象者を取り巻く生活、家
族、地域生活、それをサポートする様々な職域、分野の従事者を繋ぐという意味。2つ目が経験
者・新人・各領域の作業療法士を繋ぐという意味を込めて提案しました。
精神領域での発表としては、まだ院内での取り組みの発表が多く、退院後の支援・再入院予防
の取り組みや症例発表の少なさを感じました。訪問看護ステーションからの発表に対しても質問
が多く、興味・関心は高いものの現状として精神科作業療法中心での算定やマンパワーの問題、
組織作りの課題などが聞かれておりました。
また、チームアプローチが重要視されている中、OTの評価は細かく習得するまで知識と経験を
要し、地域の現場で活用するには難しさを感じました。ただ、治療計画立案・患者主体的な生活
を導くアプローチなど幅を広げるためには有効ではないかと感じました。
今後は研修会で得たことを個々のアプローチのみに生かすのではなく、他職種への発信、情
報・意見交換をしながらチームアプローチの質の向上に役立てていきたいです。
氏 名
部 署
期 日
会 場
研修名
古川優子
医局
平成27年1月31日(土)
都城市郡医師会病院 都城健康サービスセンター
NPO法人日本医師事務作業補助者研究会
第8会宮崎地方会「職種確立に向けたアクション
講 師 (1)国立病院機構熊本医療センター 副院長 片渕 茂氏
(2)潤和会記念病院 糖尿病代謝内科部長 水田 雅也氏
(3)都城市郡医師会病院 大盛 美由紀氏 ・ 古賀総合病院 川越 千尋氏
研修内容
(1)講演1「医師事務作業補助者の職種確立に向けた取り組み」 国立病院機構熊本医療センター
●病院概要
医師事務作業補助者 24診療科に44名配置(平成27年1月時点)
3分の2が医療機関勤務未経験者であり、常に算定可能人数まで増員し、まとめて教育同院で
は「ドクター秘書」と呼ばれている
※「クラーク」と呼称すると医療事務や患者案内、看護師補助など禁止事項(算定要件)を依頼さ
れる可能性があるため。実際、病棟研修時に看護師より「電話対応や家族対応をしてもらって助
かった」との意見があり、病棟研修は1回で中止
新しい補助業務の導入は副院長や統括診療部長などで構成されて教務管理者会議で話し合い、
院長が最終承認を行う
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※医療事故に結びつくものや薬剤処方、個人秘書的な業務は禁止事項としている
●基本方針
①医師がキーボードに触れず診療できるようになることが目標
米国では医師1名に対して医師事務作業補助者5名で新患40~50名を診察している
②患者に近いものから補助をする
診断書作成 →外来補助(診療録入力)→doオーダー管理料オーダー入力
→病棟入力(入院届けやサマリー作成補助)→セットオーダー入力→新規オーダー入力
③担当診療科の医師に平等に補助
④医療の文化を身に付ける
●新人 継続研修
①基礎研修 採用後2~3ヶ月で診断書作成や電子カルテ操作、外来研修を実施
②OJT
診療科に配属し、診療医より直接教育(各科の部長や医長から配置)
③継続研修 医学用語研修や外部講師による研修、ドクター秘書カンファレンスに参加(月1回)
※今後、教育専従者を育成して各診療科の流儀の対応できるような新人教育体制を構築
●職種確立において有効であったこと、課題
クラーク業務や看護師補助業務の渦に巻き込まれるため病棟には配置せず、新しい業務は許
可制にすることで多職種との役割分担を明確にでき、医師が直接教育することで短期間で高いレ
ベルに成長できた。今後は診療緑の書き方を全診療科で統一し、診療記録の標準化に取り組む。
また、ドクター秘書のみによる教育や医学用語研修体制の構築していく。
(2)講演2 「知っておきたい糖尿病の臨床」 潤和会記念病院
インスリン抵抗性の増大やインスリン分泌機能低下によるインスリン作用が不足→高血糖を招く
(3)実践報告
①「救急外来におけるメディカルアシスタント業務」 都城市郡医師会病院
(病院概要)
平成25年2月4日メディカルアシスタント業務を開始し、医師事務作業補助加算75対1を算定
(業務内容)
救急対応(検査依頼、処置 使用薬剤の入力、定期処方チェック) 診断書作成
台帳入力 医学管理料入力 検査データ入力 未作成サマリーのチェック 等
(今後の課題)
指示が略語や専門用語で行われてるため医学知識を習得し、病状に合わせて必要な検査
内容を把握理解できるように努める。また、診療請求の対象になるか判断できるように診療報
酬についても理解できるようにする。
②「書類代行の精度向上を目指した取り組み」
社会医療法人同心会 古賀総合病院
(病院概要)
平成21年 9月 医師事務作業補助者研修開始
平成21年11月 医師事務作業補助体制加算 75対1を算定
平成26年 4月 医師事務作業補助体制加算 20対1を算定
(業務内容)
書類作成 外来診療補助 がん登録 NCD登録 サマリー代行 等
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(現在の課題)
平成25年度の書類内容の確認やミスによる問い合わせが332件あり、ミス(147件)のうち
3分の2は医師事務作業補助者によるミスであった。
(対 策)
問い合わせ内容で多いものを調査し、該当書類については備考欄に追記し。個人ごとに
問い合わせないようやミスを一覧化しフィードバックを行った。
(結 果)
平成26年度のミスによる問い合わせ件数は147件から106件に減少した。
知識を習得することで意識付けができ、書類の精度向上が医師との信頼関係に繋がった。
【感想】
古川優子
国立病院機構熊本医療センターでは医師事務作業補助体制加算1を算定し、精神科の医師事
務作業補助者が在籍していることを知り、直接お話する機会を得た。「将来的には外来診察に同席
して診察内容を代行入力したいが、実現は困難ではないか」とお話したところ、同院では精神科や
産婦人科、泌尿器科にて診察室で陪席を試みたが、患者さんより「診察室に入れないで欲しい」と
の苦情があり、医師事務作業補助者は書類作成をメインとした業務を行っているとのことであった。
また、体制加算1の算定条件である「8割は外来または病棟」について、同院では医師事務作業補
助者は外来のみに配置し、時間と場所を記載した日誌で対応していた。
今回の研修で体制加算1を算定する方法について情報交換ができたことは大きな収穫であった。
今後、体制加算1を算定できる方法を検討し、医師事務作業補助者として職種確立するためにどの
ようにしていくかを話し合っていきたい。
【感想】
木田彩月
医師事務作業補助者の職種確立に向けた取り組みと糖尿病についての講義を聞いた。講師をし
て頂いた先生の病院では、医師事務作業補助者が44名も在籍しており教育もしっかりされていた。
加算対策もされており大変良い情報が収集できた。糖尿病については専門ではないが、糖尿病の
種類や治療薬など豆知識が出来たので聞けてよかった。
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~ 編集後記 ~
「適切とは言えない薬物治療がいまだに見直されないことで,統合失調症と言われる状態
に苦しんでいる方々が,失調状態から本来の状態に回復できる機会が損なわれている」
と,大きな声で言う勇気がまだないのですが,先日も70歳を超えた患者さんの家族から,「な
んで今頃になっていい薬が出たんでしょうかね。もっと早くに使えたら兄もつらい思いをせん
かったのかもしれんのにね」
と言われました。
うちにかかり始めて20年以上経過された患者さんの家族の言葉です。その間患者や家族
しか知らない苦しみがあったでしょう。家族の本音と思われる言葉から,出遅れたことについ
ての反省をするとともに「今進めているやり方は患者さんや家族が待ち望んでいたことなん
だな」と少し勇気を頂戴しました。クロザリルといういい薬が出て5年が経ちました。この薬を
必要とする患者さんに安全かつ有効に使用できる工夫を見つけて実際に使用することで,長
年病に苦しんできた患者さんや家族の気持ちが和らいで,安心して生活できるようになれば
と望みます。
編集長 水野謙太郎
若
草
病
院
宮崎市宮田町7-37
0985-28-2801
若草クリニック
宮崎市松山2-1-1
0985-22-1636
㈱健康医療開発
宮崎市宮田町7-37
0985-24-0884
h t t p : / / w w w . m i y a z a k i - w a k a k u s a . o r. j p
若草内外通信編 集委 員会
1.毎月第3水曜日に発行します。
2.編集者の苦労を考えて頂ければ第1水曜日を原稿締め切日と考えてください。
3.院内の方は各部署の編集委員に、院外の方は郵送で「編集委員長宛」でお願いいたします。
可能な限り修正を加えず、そのまま掲載しますが、採否は編集長にお任せ下さい。
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