若草内外通信 - 医療法人如月会 若草病院

若草内外通信
「自分の望むところで安心して暮らせる」
そういう夢を支えることができる
精神科医療の提供を目指して・・・
医療法人如月会 若草病院
今月の記事
1
はじめまして
医局
木田彩月
3
2
デイケアに移って・・
デイケア
野間 強
3
3
クラシック音楽
給食
日髙一夫
4
4
いつの日か○○㌔に!
事務長室
浅利厚子
4
5
異動して
2階救急病棟
栗沢武志
5
6
アゲアゲええじゃないか!!!
4階在宅復帰支援病棟
看護師M
5
7
寒くなってきました。
2階救急病棟
坂口輝彰
6
8
宮崎地区屋内消火栓操行大会
6
9
WLB推進プロジェクトチーム クローバーWだより
7
研修報告
*
*
*
*
*
*
基礎からはじめる感染管理(8/29)
【感想】
CAPE褥瘡予防ケアセミナー(9/13)
【感想】
精神科における感染管理(9/20)
【感想】
デイケア
鈴木未来
9
4階在宅復帰支援病棟
前川昌英
12
外来
木場﨑久巳
13
検査室
山口佳子
14
4階在宅復帰支援病棟
末永陽一
15
4階在宅復帰支援病棟
飯塚宏美
16
*
看護研究Ⅳ研修を論文にまとめよう(9/27)
2階救急病棟
尾藤光浩
17
*
ひとりで悩んでいませんか?(9/28)
4階在宅復帰支援病棟
前川昌英
18
3階救急病棟
中山大志郎
19
*
【感想】
*
宮崎県医療安全管理者養成研修(10/10)
看護部長室
吉村淑子
19
*
ACLS(二次救命処置)研修会(10/12)
2階救急病棟
日髙聡美
22
4階在宅復帰支援病棟
山内卓朗
30
*
【感想】
*ねむの木だより
31
2
はじめまして
医局 医師事務作業補助 木田 彩月
8月25日に医師事務作業補助者として入職いたしま
した木田彩月と申します。
前職は歯科医院にて歯科助手兼受付として約6年間
就労して参りました。高校も音楽科だった私はパソコンや
事務が得意だった訳でもなく、むしろ今まで技術が主だっ
たのでMAの仕事に不安がありましたが、先輩や周囲の
方々に丁寧に指導してもらい、毎日が勉強の日々ですが
楽しくやらせていただいています。
私の癒しは今飼っている6匹のモルモットたちです。
元々動物は好きでしたが、この子達に出会ってから充実
した日々を送っています。動物たちは嘘をつきません!
人間にない優れたところを見習いながら毎日過ごしています。性格はおっちょこちょいな私ですが
宜しくお願いします。
デイケアに移って・・・
第2デイケア
精神保健福祉士 野間 強
デイケアに移って早や1年3ヶ月経ちました。8年の病棟経験からデイケアに何が生かされるの
か不安の毎日でしたが、自分にできることからやってみようと取り組んでまいりました。
精神保健福祉士として働き始めたころには、患者さんを病棟から地域に送り出すことこそが
ケースワーカーとして最大にして最高の仕事と自負してきました。今も変わらず大切な仕事と感じ
ていますが、デイケアにおいても同じくらい大切な業務があるのだと知ることができました。
デイケアでは、毎日の生活を利用者とともに過ごす事で、ある程度そのひとの生活を包括的に
把握できるため、スタッフそれぞれがその対象者にどんなサービスが必要であり、不必要であるか
を知ることができます。つまりその人にあったデイケアの利用や支援のあり方というものを模索し立
案することができるようになります。それは職種にかかわらずリーダーやセルフケア、薬、食札、送
迎、プログラムなどなどの様々な業務を体験でき、共多職種で共有できることによって身につくもの
であると感じるようになりました。もちろん最初はなれない業務に戸惑いもありましたが、今では医
療従事者として対象者を知る上でとても大切なことだと感じています。
入院や通院のみの生活から一歩自立した社会生活者としてのその人の生活を支える。このよう
な医療のみでなく福祉的なかかわりがデイケアでの醍醐味かなと感じています。
入職して9年。自分の仕事への視野を広げる機会をくださった課長をはじめデイケアスタッフの
皆様、メンバーの皆様に日々感謝です。少しでも良いものを利用者や地域に還元できるようにして
いきたいものです。
3
クラシック音楽
給食 調理師 日高 一夫
子供の頃、小学校の音楽教室にバッハ、ベートーベン、他数名の肖像画が掛けて
あり、みんな髪の毛がなぜモジャモジャなのか不思議でならなかった。
20年以前ひょんなことからクラシック音楽に触れるようになり、学生の音楽コンクー
ルを聴きに行ったとき、素人ながらにパンフレットに心に伝わる弾き方をした人へ印を
つけたところ8割の確立で合格されていた。旋律どおりに的確に琴線に触れるのでは
なく、少しのさじ加減ひとつで随分違うものになるものだなとつくづく思った。
仕事にしろいろんなところにさじ加減は相通ずるものがある。交響楽団の生演奏を
聴いたとき、まるで川のせせらぎが音楽を奏でているかのような心地よさの世界を描き
出し、時間と空間の創造する癒しになりました。生演奏を聴くには先立つものが必要
なので、テレビ、CD、インターネットでクラシックの名曲を聴くのが至福の時間、美しい
調べのメロディー、音色が織りなし何度聴いても身も心も完全無になり疲れを癒してく
れる。
クラシック音楽の天才作曲家そして流れくる毎日に感謝して、人間は決して自分か
ら逃れられないのだからを忘れずにしよう。
いつの日か○○㌔に!
事務長室
浅利厚子
今年こそは・・・と何度思ったことか?
お正月、神社にて神頼み。何年繰り返し行っている行事だろうか?もうそろそろ実現してもよさ
そうだが、何をやっても、3日坊主のダイエットでは夢のまた夢。
ダイエット!たったの5文字なのに永く重く遠い道のりに思える。
若い頃・・・・(何十年も昔の事になりますが)太りたくて、「痩せたいと言う人の気持ちが分からない」
なんて言っていた私が・・・今では、空気を吸っても太っていくのは気のせいなのでしょうか?
いやいや、ちゃんと食べているからですよ(笑)
「ほんとによく食べるわ~」と主人の嫌味も今では、誉め言葉に聞こえてきます。
皆さん~簡単ダイエット、確実に痩せれるダイエット方法をご存知の方、ご一報下さい。
ちょっと真剣に取り組んでみたいと思います。
次回の掲載時には、「痩せれたぞ~!」のタイトルで掲載したいと思います。
(何年後かは不明ですが・・・・)
4
異動して
2階救急病棟 看護師 栗沢武志
以前の3階在宅復帰支援病棟から2階救急病棟に異動して一年が過ぎました。
この一年は、私にとってとても大きな出来事がありました。今年1月に子供を授かりました。
誕生して9ヶ月になりますが、日々子供の成長にびっくりしながら、育児の楽しさを実感して
います。
救急病棟では老若男女、様々な方々が入退院していきますが、様々な方々の考え方や
価値観を知ることができ、日々新しい学びがたくさんあります。これからも一つ一つの患者
さんとの出会いを大切にしながら、精神科救急看護とは、を考え続けていきたいと思います。
アゲアゲええじゃないか!!!
4階在宅復帰支援病棟 看護師 M
最近のはまりごとはLIFriendsというバンドです。
歌に踊りに痛快で爽快です。
出勤前やら海に行く前やらテンションを上げるときには最適です。
生きているといろいろなことがあってがっかりすることもあるけど…
音楽やら海やら酒やらいろいろな力を借りて自分の気持ちを高めることも大切ですね。
もちろん、職場の仲間にも助けられておりますが。
これからも、たくさんの困難があると思いますが、精一杯
人生という壮大なフィールドを遊び尽くそうと思います。
そして、今日も…
嫌な事あったって ええじゃないか! 遊び疲れたって ええじゃないか!
怒られたって ええじゃないか! 立ち上がれれば ええじゃないか!
情けなくても ええじゃないか! ガッツがあれば ええじゃないか!
笑えてるなら ええじゃないか! 全てを忘れて
騒げyeah! パーリートウナイ
なりふりかまわずにほら ダンシング!
Magnificent days!
5
寒くなってきました。
2階救急病棟
看護師 坂口輝彰
寒くなってきましたが、皆さん元気でしょうか。
はじめまして、4月から入職しました 坂口です。2F救急病棟でお世話になっています。
正直、僕の顔すらわからない人達も多いと思います。実際若草病院では、僕よりも兄の方
がご存知の方が多いと思います。優亜館で病院によく来るスタッフのメガネをかけた地味
な男性は何を隠そう我が兄です。今後とも、兄弟ともども宜しくお願いします。
今年も、参加してまいりました。宮崎地区屋
内消火栓操法大会。
11月12日(水)午前9時から宮崎県消防学
校にて開催。
左から中山大志郎・春山智・山本英一朗・
中村勝明の英雄4名が参戦しました。
多忙な中、限られた時間での練習でしたが、
良い成績を残すことが出来たようですよ!
お疲れ様でした。
6
WLB推進プロジェクトチーム クローバーW
だより
7
若草病院を働きやすい職場環境・働きがいのある職場に変革したいという目的を持っ
て、設立された「ワーク・ライフ・バランス推進プロジェクトチーム クローバW」18名です。
年齢も職種も役職もライフステージもそれぞれ違ったメンバーですが、目的達成のため
に頑張りますので、どうぞ宜しくお願いします。今後、私達の活動を全職員にお知らせ
する為に内外通信に掲載します。皆様方のご意見・ご質問等も受け付けています。
記念すべき一回目は、10月15日~16日に看護協会で行われたワークショップの報
告をします。6月に実施された看護職のインデックス調査の結果をSWOT分析(強み・
弱み・機会・脅威)し、現状を知る作業をしました。ポストイットの色分けは、看護職・事務
職・役職別で分けて記入し貼り付けました。5階会議室に貼り出してますので、ご覧下さ
い。皆さんのポストイットも募集してます。無記名ですので、遠慮なくどうぞ。
分析から抽出された課題を取り出し、アクションプラン(3年後のゴール・問題解決・
ゴール達成に向けた取り組み計画)を立てました。アクションプランについては、次回の
内外通信で報告します。
職員一人ひとりの「こうして欲しい」「こういう制度があると助かる」等々、意見や思いを
出し合って、働き続けられる職場にしていきましょう。
8
氏 名
部 署
期 日
研修名
場 所
講 師
内 容
鈴木 未来
デイケア
平成26年8月29日
「基礎からはじめる感染管理~知っておきたい感染防止対策~」
宮崎県看護協会
国立病院機構宮崎病院 感染管理認定看護師 峯崎眞佐人
1 感染防止対策の基本的な考え方
2 感染防止対策の実際
1について
感染・・・宿主の体内で病態微生物(病原体)が存在または増殖している状態で、発熱・腫脹・
痛み・炎症などの症状を示す。
院内感染
・病院内で接種された(植え付けられた)微生物によって惹起される感染症。
・退院してから発症しても病院内での微生物接種に起因する感染症であれば、院内感染。
・医療従事者が病院内で接種された微生物によって感染症を惹起した場合も院内感染。
・病院外で接種された微生物によって入院後に発症した感染症は市井感染であり、院内感染ではな
い。
・特殊な院内感染として新生児の産道感染がある。
・院内感染と定義される時間は48時間である。
例)CV等をして48時間以内に発症したら院内感染、転院してきて48時間以内に発症したら市井感
染となる。
2について
標準予防策・・・血液・体液をすべて感染のあるものとして取り扱う方法。
血液・体液に触れる可能性のある時には、手袋、目の防護器具、マスク、ガウンなどを着用する。
9
・手指衛生 目に見える汚れがある場合は流水と石鹸による手洗い
目に見える汚れがない場合は擦式消毒用アルコール製剤
手指衛生の5つのタイミングとその理由
① 患者に触れる前
→手指を介して伝播する病原微生物から患者を守るため
② 清潔/無菌操作の前
→患者の体内に微生物が侵入するのを防ぐため
③ 体液に暴露された可能性がある場合
→患者の病原微生物から自分自身と医療環境を守るため
④ 患者に触れた後
→患者の病原微生物から自分自身と医療環境を守るため
⑤ 患者周辺の物品に触れた後
→患者の病原微生物から自分自身と医療環境を守るため
※流水下の手洗いは30秒間洗って、30秒間流す!!
・個人防護具(PPE) 粘膜、気道、皮膚、衣類を感染性微生物の接触から守るために、単独または、
組み合わせて使用する、手袋、マスク、ガウン、ゴーグル、フェイスシールドなど
※2枚の手袋は汚染面を中表にしてまとめて捨てる。
※汚れた患者使用器具は洗浄前に消毒液に浸漬してしまうと、たんぱく凝固が起こるため、洗浄してか
ら消毒する。
研修名
場 所
講 師
内 容
「新人のためのメンタルヘルスケア」
宮崎県看護協会
古賀総合病院 非常勤顧問 臨床心理士 荒川 良枝
1 心の健康とは
2 ストレスとは何か
3 看護師のストレス
4 セルフケアについて
5 ストレスの対処行動の実践
1について
心が健康であるとは、悩みや不安を抱えていても、それを受け入れている(悩みを抱える力)状態であ
る。
2について
ストレッサー(ストレスの原因)によって起こった状態⇒ストレス反応
10
ストレスの原因(ストレッサー)
① 看護の仕事にまつわるストレス
・仕事の量
・仕事の内容
・長時間労働、休憩時間の不足
② 人間関係にまつわるストレス
・同僚、上司との対立
・無支援
・患者さんとの関係
③ 家庭生活との兼ね合いからくるストレス
・夫婦の関係、子どもの問題
・親子の関係
適度のストレスは向上心にもつながり、その人の未開発の力を目覚めさせる原動力にもなる。し
かし過剰なストレスはその人の力を萎えさせ、心身にダメージを与えてしまう。
3について
看護師は患者さんの≪生・老・病・死≫すべてに深くかかわり、看護過程の中でそれにまつわる
苦しみ(恐れや不安、怒り、絶望、喪失感など様々な感情)に立ち会うことを余儀なくされる。看護
師の仕事は意義のある役割であるとともに目に見えないストレスは大きい。また、手を尽くしても患
者さんの病状しだいではその労が報われないこともあるため、むなしさ、無力さ、心残り、後悔、
バーンアウト(燃え尽き)の可能性がある。
また、新人看護師では、学校で学んだこと(理想)と臨床現場・実践の場(現実)との間にズレの
あることに気づき、戸惑う(リアリティショック)。
4について
① ストレス状態(うつ病、うつ状態)に気づく
うつ病の症状の中には、自分より周囲の人の方が気づきやすい。
「いつもと違う」ということがポイント!
「食べること」「寝ること」は、健康のバロメーター
自分に過剰なストレスがかかっていることに早く気づく
自分に合うストレス対処法を見つけて実践
② ストレスの予防
*日常生活の中で心がけること
(自分に合ったものを見つけ、日常生活の中に取り入れていく)
時々脳を休める⇒エネルギーの蓄積
1. 自分に合ったリラクセーション法を身につける。
呼吸法 自律訓練法 ストレッチング など
2. しっかり睡眠をとる。
3. 笑いのすすめ。
4. 仕事に関係のない趣味を持つ。
5. 適度に運動をする。
11
6. 自然を楽しむ機会を多く持つ。
*仕事の上で心がけること
1.優先順位を考える。
できることから始める。
少しずつ、欲張らない。
2.休憩をきちんととる。
3.アサーションのすすめ
自分も相手も大切にした自己表現
さわやかな自己表現
4.周りの人の助けを上手に借りる。
上司や同僚に相談する。
5について
コミュニケーションの力をつける
コミュニケーションの力をつけるヒント
・自分を好きになる
・相手を認める
・自己流をやめてみる
・挨拶や笑顔を大事にする
・100%わかりあおうとは思わない
【感想】
今回の研修では感染管理とメンタルヘルスケアについての講義を聞いた。感染管理において
は院内感染のVTR等を見て、改めて院内感染の恐ろしさを学んだ。無意識な行動やこれくらい
なら大丈夫だろうという考えが院内感染を引き起こす原因となることを学んだ。また、今までも自
分なりにはしっかりと手洗い等を行っていると思っていたが、洗い方など不十分であり、感染管
理について意識して行動していきたいと思った。
メンタルヘルスケアではストレッサーによって引き起こされるストレス状態に対応できるように、
自分なりの対処法や気分転換を見つけていく必要があると思った。また、私たち新人は、できな
いことや失敗することも多くあるが、できないことばかりに目を向けるのではなく、できることにも目
を向けていくことも大切だと思った。
【感想】
4階在宅復帰支援病棟
前川 昌英
今回の研修では、病院には抵抗力が低下した患者様がいるということを再認識することが出来た。
自分自身が原因で院内感染を起こす危険性も十分考えられる。精神科の病棟では、病室の洗面所
では石鹸もなく擦式消毒用アルコール製材も常設されておらず、手指衛生は十分に行うことが出来
ない。しかし、多くの患者さんに触れる機会がある看護師は、感染の危険性を十分理解して配慮する
必要がある。処置の前後は詰所内に戻り、完全な手指衛生を行っていきたい。
メンタルヘルスケアでは、新人として感じるストレスは先輩に相談しにくい部分もある。しかし、ストレ
スをため込んでいると限界がくる。相談しにくい部分であっても、伝え方を変えるだけで受け入れても
らえる部分もあると学んだ。ストレスを抱えたままでは良い看護は提供できない。先輩とのコミュニケー
ションを十分に図り、成長できるようにしたい。
12
1、氏名: 木場崎 久巳
2、部署: 外来
3、期日: 平成26年9月13日
4、研修名:CAPE 褥創予防ケアセミナー 宮崎会場
5、場所: KITENコンベンションセンター 8階大会議室
6、講師:梶西 ミチコ 先生
糸島医師会病院 看護部長
ETナース
安部 正敏 先生
医療法人社団廣仁会 札幌皮膚科クリニック 副院長
医療法人社団廣仁会 褥瘡・創傷治療研究所
<研修内容>
①「スキンケアは褥瘡を予防し治癒を早める!」
②「あなたも陥る創傷ケアのピットフォール!
~53分間で学ぶ皮膚潰瘍アセスメントのコツとワザ~」
①「スキンケアは褥瘡を予防し治癒を早める!」
ⅰスキンケアの意義・目的
スキンケアの考え方
・皮膚は常に外界に接し、体内環境を守るインターフェースの役割。皮膚の変化が心理面に与える影
響は大きい
・皮膚を健やかに保つために皮膚障害発生のリスクを軽減し、皮膚の健康を損なった 場合は健康
を回復させる環境を整え、原因を取り除くケアを行う。スキンケアには皮膚の健康を維持・増進させ
る予防的スキンケアと、皮膚の健康を取り戻す治療的スキンケアがある。
13
ⅲ褥瘡ケアのポイント
・体圧分散
・スキンケア
・栄養状態
・褥瘡局所ケア
選択する薬剤や創傷被覆材の使用基準を理解して正しくしようする
今回は、スキンケアに絞って講演
・皮膚はph5.5の弱酸性
・皮膚常菌、体にカビはたくさんいる
・湿度25~30℃、湿度66%以上が大好きなカビ
・カビを追い出そうと反応⇒水泡・痒み・発疹が出る
・皮膚がアルカリ性になるとカビが繁殖し易い
・肌のphや汚れの程度で(汚れをしっかり落とすのはアルカリ性)
洗浄剤を検討する
・洗浄後は、皮膚の持つ機能が発揮できるように
保湿、保護を図る。
②「あなたも陥る創傷ケアのピットフォール!
~53分間で学ぶ皮膚潰瘍アセスメントのコツとワザ~」
ⅰ慢心がおこしてしまう危険性→皮膚のアセスメントの基礎を理解する→皮膚を間
違えず正しく理解する
・強皮症、糖尿病性脂肪類壊死症、膠原病など潰瘍を来たす疾患はいろいろある。
皮膚の症状を読み取ることで、なぜその創傷が生じているのかが理解することが
できる。
・皮膚潰瘍者の前では、絶えず鑑別診断を念頭に置き、誤ったアセスメントのリス
クを低下させる。
・発疹の見方
赤斑:血管拡張、充血による斑。
赤血球の血管外漏出はない。硝子圧法により色調は消える。
紫斑:出血による斑。赤血球の血管外漏出がある。
硝子圧法により色調は消えない。
色素斑:消えてしまう色素沈着は無視!消えない淡い色素沈着は炎症の存在。
【感想】
今回の研修では、なぜ、その状態にあるのか? 褥瘡のでき方や他の疾患での皮膚
の経過を考え、皮膚状態を判断し、Dr報告ができるように意識して行きたいと思
いました。また、褥瘡では紅斑時期のキンケアを大切にして、褥瘡予防を図りたい
と思いました。
【感想】
検査室 山口佳子
スキンケアの基本的な知識の学びなおしに加え、紅斑・紫斑などは「紅」「紫」などの見た
目の色調で区別されるものではないなど、初めて知る事柄も多かった。知っている「つもり」
ではなく知識を再確認することの重要性を学べた。
14
1.氏名:末永 陽一
2.部署:4F在宅復帰支援病棟
3.期日:平成26年9月20日
4.研修名:精神科における感染管理
5.場所:宮崎看護大学
6.研修内容 1)感染対策と精神科の特殊性
2)正しいインフルエンザ対策
3)感染性胃腸炎対策を見直す 4)耐性菌対策と精神科臨床
7.講師:山内 勇人先生(精神科領域の感染制御を考える会 代表世話人
大分県・医療法人仁恵会佐伯保養院 感染制御医師)
8.内容
1)感染対策と精神科の特殊性
精神科患者の病院感染における特殊性
病院感染に対する脆弱性
・自己衛生管理が不十分
・集団性、閉鎖的環境
・栄養状態や生活環境の問題
・高齢者
・身体的合併症
2.病院感染の曝露源となる可能性
・診断が遅れやすい~精神症状があると症状が見つけづらい
・行動制限への協力が得られにくい
自身が感染症に罹患し易いと同時に自らが曝露源となりうる
精神科病院における病院感染
1.スタッフの職業暴露感染の可能性
・高齢者を若い職員が対応
・血液・糞尿などの体液暴露の機会(針刺し・接触・咬傷)
・気道感染暴露の機会(部屋の密閉、換気不十分)
患者病期別での注意すべき感染症
~急性期病棟
病歴・生活歴に関連…結核、疥癬、HBV・HCV・HIV
市中流行性のもの…インフルエンザ、ノロウイルス
医療 介護関連肺炎…MRSA、MDRP(多剤耐性緑膿菌)など
~慢性期病棟
流行性角結膜炎、食中毒関連(O157など)
標準予防策
感染症の有無に関わらず、全ての患者の血液、体液などすべての感染性のあるものと
して対処すること
~病院内での「清潔と不潔」「綺麗と汚い」を理解して、きちんと実行すること
病院内感染対策上での、その施設に応じた“共通の文化”が不可欠
それなくしてMRSA対策など個別対策はあり得ない!!
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病院感染対策に必要な「文化」
(1)精神科病院での清潔と不潔の捉え方
(2)発熱および嘔吐・下痢症状に対して、感染症初発徴候としての危機意識
(3)「かからない、うつさない、拡げない、持ち込ませない」ための知識・意識・行動
・・・・インフルエンザ・ノロかもと思うことが大事
2)正しいインフルエンザ対策
インフルエンザは飛沫感染である
ウイルスが付着した手や媒介物による感染は一般的な感染経路ではない
できるだけ早期に抗Flu薬を開始するべき 効かなければ他の感染症を考慮
「症状のある人がマスクをつける」「症状のある人にマスクをつけてもらう」
これを徹底するのがインフルエンザ対策の基本!!
予防的マスク・全員マスクは「究極の咳エチケット」
どれだけ遵守できるか??がポイント
《インフルエンザの症状と伝播期間》
症状
ただし、4項目を満たす症例は20%
突然の発症
3項目を満たす症例は34%
高熱
上気道炎症状(咽頭痛・咳・鼻汁・鼻閉など)
全身症状(頭痛・倦怠感・関節痛など)
潜伏期
1~4日 最大7日程度 スタッフが感染した場合の感染対策は発症から7日間行う
患者からの伝播期間
発症前日から発症後5~7日(症状が軽快していから2日後ほど)解熱後2日間
精神科病院でのインフルエンザ対策
潜伏期の患者や発症しているが診断されていない患者と喫煙室、ホール、OTなどで
接触する機会が多い
かりに初発患者をただちに隔離したとしても、すでに2次感染が起きている可能性が高い行動
制限や咳エチケットへの協力が得られにくく、拡がりはじめると制御不能になる可能性が高い
「いかに持ち込みを防ぐか」が精神科病院では特に重要!!
【感想】
在宅復帰支援病棟 飯塚宏美
今まで感染委員ということもあり感染の研修は何度か参加させて頂いたが、今回は精 神
科における感染管理ということで聞きたかった内容だった。講師が勤務されている病 院の患者
さんの話を聞いた時、インフルエンザ等に感染した時の感染の理解や自己衛生
管理の不十分さ、行動制限への協力が得られにくいなど悩んでいる事は一緒であること
が解った。精神科の閉鎖的環境で感染が起こるとすぐに拡がってしまう恐れはあるが、 標準予
防策など感染予防の意味をちゃんと理解し徹底していれば外からの感染源を遮断
しそこが安全な場所となることがわかり改めて標準予防策、清潔と不潔の区別の必要性
について再確認できた。研修での学びを業務に生かし、今年度の委員会目標でもある標
準予防策の徹底に役立てていきたいと思います。
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氏 名
部 署
期 日
研修名
場 所
講 師
尾藤 光浩
救急病棟
平成26年9月27日
護研究Ⅳ 研修を論文にまとめよう
看護協会
野間口 千香穂
研修内容 1)論文、抄録の書き方。
2)効果的な発表について。
1)論文、抄録の書き方
①研究を公表するための意義。
研究成果を公表することで、多くの看護実践家と新しい知見を共有することができる。
〈公表の方法〉 ⅰ研究論文としてまとめる。
ⅱ講演や示説で発表する。
②研究論文の作成
表題→キーワードを入れる。 25~30程度を目安として長くなるようであればサブタイトルをつける。
はじめに→研究の動機、背景、研究意義、仮説など。
研究方法→対象者、研究デザイン、データーの収集方法、分析方法。
結果 →調査研究の場合は回収率と有効回答率、データーと分析結果。
考察 →結果の意味、問題解決への自分の考え、研究の限界。
結論 →問題意識や研究目的の答えについて結果から導き出されたものを書く。
③質の良い論文を仕上げるためには。
ⅰわかりやすく正確な文章。(5W1H)
ⅱ文章の展開は論理的に。
ⅲ理解しやすい図表の作成。
ⅳ結果は客観的に文章化。
2)効果的な発表について
①口演発表。
発表時間が10分の場合はスライド8から9枚。
スライド作成上の注意点。
ⅰ話さない事は入れない。スライドに入れたら話す。
ⅱ文字の大きさ、文字への配慮。
ⅲ画面上の文字数。
ⅳ画面上のレイアウト。
ⅴ効果的な図表を入れる。
②発表原稿の作成
ⅰ発表する通りに作成する。
ⅱ発表では暗くなることが多いので少し大きめの字ではっきりと書く。
ⅲ1分間 300字くらいが目安。
③発表の練習
ⅰ声の大きさ、話す速度、調子に気をつける。
ⅱ句読点の他に息継ぎする場所などを決めてマークしておく。
ⅲパソコン操作のタイミングを書きこんでおく。
17
今回の講義の感想
現在、当院で看護研究を進めているが、いくら素晴らしい研究ができ、研究結果を持っていても
論文としてまとめることができなければ、多くの人に伝わらず看護研究の意義として薄れてしまう。
今回論文にまとめること、発表につての講義だったが書式や投稿規程などたくさんルールがあり、
ルールの中で論文を作成しなければならないことを学んだ。発表については、やはり相手にわか
りやすく、伝わりやすく、飽きさせないことを全面から工夫をし、興味を持って聞いていただく姿勢
で取り組まなければならない。論文を作成し、発表を成功させるにはたくさんの知識や工夫、配
慮、伝える技術が必要と学んだ。
氏 名:前川昌英
部 署:在宅復帰支援病棟
期 日:平成26年9月28日
研修名:ひとりで悩んでいませんか?「看護りんり」が解決します!
場 所:看護協会
講 師:板井孝壱朗講師 (宮崎大学医学部社会医学講座教授)
研修内容
1、看護倫理とは
2、倫理的意思決定のプロセス
1、看護倫理とはについて
日本看護協会「看護者の倫理綱領」という文章があるが、実際の教育現場では具体的にどのよ
うに行うことか教わっていない看護師が多く存在する。その為、多くの看護師が臨床に出て、患
者さんのモラルについてショックを受ける事が多い。「倫理的」とは、患者さんのために一生懸
命、ボロボロになっても頑張ることではない。「倫理的な看護師」である為にはどうしたらよい
か?
「同情」と「共感」の違いを理解し自分が「独善」に陥っていないかを一歩立ち止まって考え、自
分の判断を他のスタッフと共有する「チーム・プレー」が出来る事。倫理的であるために重要な2
つの要素。①道徳性がある(善意であることが大前提。しかし、独善ではいけない)。②適法性
がある(ルールを守っているからいいんだ、とういう遵法主義でもいけない)。この両方が満たさ
れ、倫理的な看護師といえる。
2. 倫理的意思決定のプロセス
臨床倫理の「4分割法」
①医学的適応(専門職としての判断)
診断と予後、治療目的の確認、リスクと効用の比較考慮、医学的無益性
②患者の意向(患者さんの想い・気持ち)
患者さんの判断能力、インフォームドコンセント(信頼関係)、治療内容に対するニーズ、事
前指示(リビング・ウィル)、代理決定(キーパーソン)
③QOL(生活の充実度・生きがい)
QOLの定義と評価⇔ADLとの違い、誰がどのような基準で判断するか、QOLに影
響を与える因子(原因)
④周囲の状況(家族や友人との関係等)
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家族や利害関係者の状況、医療リーム内での関係性、法律や省庁学会等の指針・ガイドライン・
病院特性、院内指針等
認識分類…問題だと思われる点を、4分割法を用いて出来るだけあげてみる
調査検討…分類された問題点を見つめながら、疑問点や不明点を調査検討する
具体的対応…全体を見渡して、何を、どうすれば良いか、具体的対応策を考える
【感想】
教科書上では、患者さんを説得してはいけないと学んでいた。しかし、臨床現場では、
説得しなければならない場面もある。例えば、「帰りたい」と言っている患者さんに対し、「帰ることは
出来ない」と説得している自分が居る。今回の研修で、事実を伝えることと、希望を奪うことは別だ
と学ぶことが出来た。今帰りたい人にとって、帰れないということは残酷なことである。その伝え方ま
で残酷な必要はない。患者の訴えを広く収集し、背景を知ることで納得を引き出す説得が出来るよ
うになりたい。また、学んできた教育では、「説得する」具体的な方法は教えてもらうことはなかった。
まだまだ、患者さんとの関わりの中で上手くいかないことが多い。全ての機会では難しいかもしれ
ないが、臨床倫理の「4分割法」を用いて振り返りが出来たらいいなと思う。
【感想】 3F救急病棟 中山大志郎
今回の研修では患者や職場での人間関係、コミュニケーションに役立つ研修であったと思う。
自分に当てはまることもちらほらあったので今回のことを活かせるようにしたい。
今回CSI簡易検査を行ったが自分のタイプ(性格のような)の長所、短所がある。短所を常に意
識して、気をつけて看護をおこなっていきたい。
平成26年度 宮崎県医療安全管理者養成研修
講演
医療安全の基礎知識
医療安全に資する心理学・人間工学とヒューマンファクター
講師 河野龍太郎氏
自治医科大学医学部医療安全管理学教授
メディカルシュミレーションセンター長
期 日 平成26年10月10日(金)
場 所 宮崎県看護等研修センター
報告者 吉田洋子・松尾亮祐・吉村淑子
はじめに
安全は存在しない
リスクマネジメントの基本
1、被害を少なくする 2、現実を直視する(理想・建前は通用しない)
3、失ったら終わり(戻ってこない) 4、データに基づく(冷静な目)
5、全体を見る(部分のベストではダメ) 6、比較する 7、手を抜くとやられる(愚直にやる)
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Ⅰ 事故要因としてのヒューマンエラー
1 ヒューマンエラーとは:「意図しない結果を生じる人間の行為」
2 人間の特性:
心理学者レヴィン(Lewin)の行動の法則
B=f(P,E)
B:Behavior(行動)
P:Person(人)
E:Environment(環境)
世界は物理的空間と心理的空間で構成されているが、人は心理的空間で行動をするため物理的
空間とのズレが生じ、ヒューマンエラーを起こす。
ゲシュタルト特性:距離的に近いものを一つにまとめてみてしまう等。
その他:サーカディアンリズム/疲労/加齢/集団心理「誰かがやるだろう」/怠惰
3 エラーの誘発環境
表示や標準化の失敗
自然な対応付け(Natural Mapping)
Ⅱ 事故対策
4 リスク低減の考え方
医療システムの特徴→情報管理が個人に任されている。
現実を知る→対策を考える
将来予測(制御)微分情報が重要:過去のデータを分析し時間軸で考えることを流動的に行う。
数字やその他のデータの変化を見て、優先順位をつける。
原則:どんなに優秀な人間も正しい情報がなければ正しい判断は出来ない(医療は情報が限られて
いる。)だから、積極的に観察する。そして、制御が難しい。
5 エラー対策の発想手順
①やめる(なくす)
例:危険な薬をやめる(当院ではベゲタミンをやめましたね!)
②出来ないようにする
例:形や大きさで決められたものしかはまらない(物理的制御)
③わかりやすくする 例:色分け、表示方法
④やりやすくする
例:グリップをつける、ものの配置をする(作業の負担軽減)
⑤知覚能力を持たせる 例:自己管理、休息の確保
⑥認知予測させる 例:エラー発生予知能力(KYT・TBMなど)
⑦安全を優先させる
例:職業的正直(Professional Honesty)わからないことはやらない。
ルールを守るものはルールに守られる
⑧出来る能力を持たせる 例:必要な知識や技術、心身状態を身につける
⑨自分で気付かせる 例:指差し呼称など
⑩検出する
例:チェックリストの使用、ダブルチェックなど色分けし順番に並べるなど
⑪備える
例:承諾書・パンフレット・保険・組織的対応・記者会見の練習など
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6 リスクマネジメント
医療現場で取り組むべき最も奨励出来る活動→5S活動
整理:いるものといらないものをはっきり分けていらないものを捨てること
整頓:いるものを使いやすいように置き、誰でもわかるように明示すること
清掃:常に掃除をし、きれいにすること
清潔:整理・整頓・清掃の3Sを維持すること
しつけ:決められたことをいつも正しく守る習慣付けのこと
安全性と仕事の効率は同じベクトル
終わりに
今回の研修では、一般的な身体科における事例が多く話された。しかし、印象的であったのが、
研修の冒頭で精神科による看護師の医療事故裁判の話だった。看護師が患者に布団をかけて窒
息させて死亡に至った事故であり、記憶に新しい。このときの夜勤看護師は、不穏で大声を出す
患者に対して「うるさい」と入眠困難を訴えた患者との間で右往左往し、追加眠剤投与を行ったり、
なだめたり、やれることはやった末、布団をかぶせたとのことだった。亡くなった患者は基礎疾患に
消化器疾患があり、それが元で窒息死に至ったとのことだが、精神科で働くスタッフならこのような
場面にあたることは少なくないと思われる。報道で事故の経緯を詳しく語られたのかは不明である
が、この事例は一旦、殺人罪で起訴されており、現在も裁判は続行中「なぜそのようなことになって
しまったのか?」「ほかに何か方法はないか?」・・・私たちはそれぞれに思考し、日々の業務の中
で話題に上ることが大切なのではないかと考える。
リスクマネジメントの基本は、何が起こっているのか、本当にそうなのか、と事故が起こっている現
実を理解することである。このような研修は毎年繰り返し行われており、それだけ医療現場におけ
る医療事故の発生に対する警鐘が必要ということだろう。
当院でも事故防止委員会が発足しており、今後もその機能を担って行かなければならない。当院
で発生した事故を分析し対策を考えることはもちろんのこと、外で起こっている事例にも目を向け、
「なぜ、どうして」の思考の必要性を多いに感じて行きたいものである。
医療界での事故・安全に対する対策は他の航空業界や工業分野に比べ非常に遅かったと言わ
れている。理由として、医療従事者には責任感が強く、エラーを自罰的に考える傾向が強い人が
多く不注意によって起こると考えられ、個人の問題として考えられて来た傾向にあるからだと言わ
れる。しかし、それは決して悪いことではなく、それに加えシステム的な対策を取ることが重要であ
ることを今回の研修で学ぶことが出来た。それには基本的に愚直さや思考する習慣を忘れてはな
らないと思う。
リスクマネジメントを行うことは最終的にはリソースマネジメントになるということである。
医療における事故はなくなることはない。
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1.氏名 日髙 聡美
2.部署 2F救急病棟
3.期日 平成26年10月12日
4.研修名 平成26年度 宮崎県医師会ACLS(二次救命処置)研修会
5.場所 宮崎県医師会館
6.内容
【はじめに】
救急蘇生法とは呼吸停止・心停止の傷病者を救命するために行う治療法のことであり、一次救命
処置(BLS)と二次救命処置(ALS)に分けられる。心停止傷病者を救命し、社会復帰に導くために
は以下に示す4つの輪がうまく組み合わさり、機能することが重要であるといわれている。
◆1番目の輪(心停止の予防):院内心停止の多くは、「突然かつ予期し得ない事象」ではなく、
概ね60~80%の例で心停止の数時間前に臨床症状が悪化している。しかし、実際は呼吸や
循環の異常に気づかれていなかったり、治療が低水準であったりして、心停止や死に至って
いる。これらを改善させる必要がある。
◆2番目の輪(心停止の早期認識と迅速な通報):心停止であることをいかに早く的確に認識
できるようになるかがポイントである。死戦期呼吸を見たら心停止!
◆3番目の輪(一次救命処置):心肺蘇生(CPR)と電気ショック(AED)
◆4番目の輪(二次救命処置):心拍再開(ROSC)後の集中治療。救急医、循環器医、集中
治療医、麻酔医などの多くの専門家の協調が必要である。
※心肺蘇生法の目標は心停止傷病者の社会復帰である。傷病者の脳に障害が生じず、歩
いて家に帰ることを目標としている。蘇生行為によって心拍は再開したが、脳機能が回復しな
いということがあってほしくはない。心停止中の脳の障害を軽減するために最も重要なことは絶
え間なく有効なBLSを行うことであり、これを忘れてはならない。
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【第1章 BLS】
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【第2章 ALS】
★治療可能な原因の検索のための4つの「か」
・「からだ」をチェック
・「かるて」の準備
・「かぞく」へ連絡
・「かんたんな、検査」オーダー
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【第3章 エアウェイ】
A:気道の確保と換気
意識障害時には舌根沈下により気道が閉塞される場合がある。頭部後屈あご
先挙上法により気道を確保する。
B:心肺蘇生における酸素の投与
呼気中の酸素濃度は16~17%であり、口対口の人工呼吸でも傷病者の肺胞
気酸素分圧はおよそ80mmHgと十分な値となる。
C:バッグ・バルブ・マスクによる換気
リザーバ装着で吸入酸素濃度は100%に近づく
リザーバなしでは50%どまり
<E-C法>
<両手E-C法>
<拇指球法
>
★ポイント
BVM換気の際、胃への送気を減らすための工夫!
・マスク換気では、胃膨満を防ぐことが重要
・胃膨満が好ましくない理由
胃内容物の逆流、誤嚥の危険。横隔膜の圧迫による換気不良
・できるだけ胃にガスを送り込まないようにするための留意点
1.胸が上がる程度の換気量で行う
2.1秒で送気
3.確実な気道確保を行う
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D:咽頭エアウェイ
<口咽頭エアウェイ>
<鼻咽頭エアウェイ>
E:気管挿管による気道確保
★気管挿管の適応
・心停止
・傷病者自身が自分で気道を確保できないとき
・その他の方法で有効な換気、確実な気道確保ができないとき
・長期にわたり人工呼吸管理が必要なとき
★気管挿管のメリット
・確実に気道を確保し、誤嚥を予防できる
・非同期で胸骨圧迫と換気を絶え間なく行うことができる
・確実な換気が可能となる
・気管内の吸引ができる
・ある種の薬剤投与が可能
★気管挿管後の確認(最も大事なのはチューブの声門通過の直視!)
・呼気二酸化炭素による確認…可能であれば気管挿管完了後ただちに確認
①呼気終末二酸化炭素濃度波形(カプノグラフィ)による確認
・視診、聴診による確認
②胃内に空気が入っていないか
③左右の胸郭の動きは良好か
④左右の呼吸音は?(3ポイント聴診:心窩部・左右胸部)
胸骨圧迫再開
⑤100%酸素がつながってリザーバが膨らんでいるか
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【第4章 モニタ/電気ショック】
A:心肺蘇生時のモニタ判読の意義
心停止に対する最初の10分間の処置で最も重要なことは、電気ショックが
必要か否かを判断し、迅速、安全、確実に電気ショックを行うこと。
B:心停止の診断と電気ショックが必要なリズムの鑑別
心電図モニタ所見で心停止と判断するのではない。心停止は反応と正常
な呼吸がないことを確認することによって判断する。心電図モニタは電気
ショックが必要か否かを判断するために読む。
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C:異物除去成功後の処置
・楽な体勢をとらせ、自覚症状や呼吸状態を観察
・口腔内に異物はないか、確認する
・腹部突き上げ法などの処置を行った場合には、腹部症状や胸部症状などについても
確認し、メディカルチェックを受けさせる
7.感想
今回の研修では、ダミー人形を使用した一次救命処置、気管挿管などの気道確保、電気
ショックの実施、実際の蘇生現場をイメージしたケースシナリオシュミレーションなど実際に問題が
発生した時を想像しながらの実習で、前述したアルゴリズムに沿って展開していくことで救急時の
対応をわかりやすく学ぶことができました。
救命処置と聞くだけで、何をすればよいのかわからず、知識・技術ともに未熟なまま不安をかか
えて会場に行きましたが、実際に講習を受けてみるとインストラクターの方々もみな優しく、丁寧に
教えていただき、楽しく受講することができました。丸1日使ってビッシリ詰まったスケジュールの
中、日頃看護師が実施することのない気管挿管や電気ショックなども体験でき、医療従事者とし
て最低限の救命処置を身につけるためにもとても貴重な経験となりました。受講後は、頭をフル
回転させたせいかボーっとしていましたが、充実感もあり、非常事態に対しての少しの自信にもつ
ながったように思います。
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【感想】
4階在宅復帰支援病棟 山内卓朗
今回の研修では、心肺蘇生法の技術を学ぶことができた。院内でのAEDの勉強会に参加して
いたが、研修には看護師のみならず医師も参加されており、医師の指導を受けることで、今まで
以上の観察点や気を付ける点を知ることができた。医師の視点からの指示内容も知ることができ、
今後同じ場面に遭遇した際、次につなげる治療方法も学ぶことができたのではないかと思う。救
命処置を行うに当たって、その場でできる限りの処置+その後の円滑な治療につなげることが
必要だと考える。
座学で学ぶことも必要であると思うが、実際の状況を想定し、体で覚えることも必要であると、
今回の研修を受けて感じ取ることができた。また、心肺蘇生では全身の力を使う必要があること
も学ぶことができた。
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~ 編集後記 ~
太陽が出ている時間はともかく,朝夕の冷え込みを感じるようになりました。昨日からシャ
ツの下にはインナー2枚着込んで防寒使用で出勤です。仕事が終わるころになると喉がひり
ひり痛み出すのもこの時期で,空気が乾燥してきたのを体が教えてくれます。インフルエン
ザの予防接種も受けました。冬対策はばっちりです。今年も扁桃腺を切らずにすむことを
祈っています。
ところで巷ではエボラだデングだと言われていますが,これからの季節気を付けないとい
けないのはインフルエンザウイルスとノロウイルスです。体調管理とともに,院内感染を拡
大しないよう,手洗い等の衛生観念はみなさんしっかり持たれて病院に来られるようにしてく
ださいませ。
編集長 水野謙太郎
若
草
病
院
宮崎市宮田町7-37
0985-28-2801
若草クリニック
宮崎市松山2-1-1
0985-22-1636
㈱健康医療開発
宮崎市宮田町7-37
0985-24-0884
h t t p : / / w w w . m i y a z a k i - w a k a k u s a . o r. j p
若草内外通信編 集委 員会
1.毎月第3水曜日に発行します。
2.編集者の苦労を考えて頂ければ第1水曜日を原稿締め切日と考えてください。
3.院内の方は各部署の編集委員に、院外の方は郵送で「編集委員長宛」でお願いいたします。
可能な限り修正を加えず、そのまま掲載しますが、採否は編集長にお任せ下さい。
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