TOPICS 思いあたるあなた、 心臓CT検査を受けましょう!! 循環器内科 副部長 黒田 忠 心臓病は癌に次いで、日本人の死亡原因の第2位となっ て い ま す。 中 で も 、特 に 高 血 圧 、 脂 質 異 常 症 ( 高 脂 血 症)、糖尿病、喫煙、肥満等の生活習慣病により動脈硬化 が進行 し 、心 臓 を 栄 養 する冠動脈が狭 窄し たり閉 塞 する ことによって発症する「狭心症」や「心筋梗塞」が増加して います。 しかし、その症 状 は 冠 動脈の内 腔 が ほとんど 閉 塞する まで 出現することはありません。また、発 症すると生命 を脅かすこと のある心筋梗 塞 も 、そ の 約 5 0 % は 何の前 兆の症状もな センターのご案内 ◎ 設 立 1959(昭和34)年9月〔平成18年4月法人化〕 ◎病 床 数 500床〔看護配置基準7対1〕 ◎ 主な機能 特定機能病院・都道府県がん診療連携拠点病院 治験拠点医療機関・臨床研修指定病院 ◎診 療 科 ●消化管内科 ●肝胆膵内科 ●呼吸器内科 ●血液・化学療法科 ●臨床腫瘍科 ●消化器外科 ●呼吸器外科 ●乳腺・内分泌外科 ●脳神経外科 ●整形外科(骨軟部腫瘍科) ●婦人科 ●泌尿器科 ●耳鼻咽喉科(頭頸部外科) ●心療・緩和科(腫瘍精神科) ●アイソトープ診療科 ●放射線治療科 ●循環器内科 ●脳循環内科(神経内科) ●心臓血管外科 ●眼科 ●放射線診断科 ●内分泌代謝内科、臨床検査科 ●病理・細胞診断科 ●中央手術科(麻酔科) ●消化器検診科 ●精密健康診断科 ふれあい 森の宮 TOPICS ハイケアユニット(HCU)病棟開設 がん患者の救急受入について 病 院長 左近 賢人 平成25年 11月号 これまでは特定集中治療管理室 (ICU) 8床を中心に vol.87 術 後 管 理 を 行 っ て き ま し た が 、 本 年 1 0 月 か ら ハ イ ケア 大阪府立成人病センターニュース ユニットを新たに4床設置いたしました。これにより、 術後管理の充実を図るとともに、現状では重症率の高い 一般病床の業務負担を少しでも軽減できればと考えて います。ご 紹 介 いただいた患者さんの救急対応について ご 迷 惑 を お か け し て お り ま す が 、今 後 は H C U 病 棟 に お け る 看 護 師 な ど の 増 員 に 努 め 、が ん 救 急 患 者 の 受 入 体 制 を 順 次 充 実 さ せて いく予 定 で す。 く突然に発症 すると言われ ています。 狭心症や心 筋梗塞は早期 大阪がん循環器病予防センター の検査で、そ の発症を予防 することがで (旧) 大阪府立 健康科学 センター 診療現場ルポ ▶脳神経外科の紹介 ▶がんリハビリテーションの推進にご協力を 研究所の取り組み きます。 ▶かく乱した免疫を活性化する治療法 これまで、冠 TOPICS 動脈を視覚的に検査する方法は、心臓カテーテル検査しか ありませんでした。しかし、動脈にカテーテル(管状の医 療器具)を挿入して行うため、身体の負担が大きく、通常 は入院する必要があります。 それに比べ、最近の技術の進歩により可能となった心 臓 C T検査では造影剤を静脈内に注射するだけで済み、 【交通機関】 JR 大阪環状線、地下鉄中央線・長堀鶴見緑地線「森ノ宮駅」下車 東へ300m(徒歩3分) (※駐車場の台数に限りがありますので、なるべく電車で来院ください。) 身体の負担が少なく外来で短時間に検査することができ ます。 生 活 習 慣 病(特に糖尿病)があり、さらに血縁の方が 心臓の病気を患っているなど、心配に思われる方は、ぜひ 早期に心臓CTによる精密検査を受けることをお勧め します。 地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪府立成人病センター 〒537-8511 大阪市東成区中道1-3-3 TEL.06-6972-1181(代) FAX.06-6981-3000 ホームページ http://www.mc.pref.osaka.jp ▶ハイケアユニット(HCU)病棟開 設 がん患者の救急受入について ▶思い あたるあなた、 心臓 CT 検査を受けましょう!! ▶看護セミナー「ちゃ・ちゃ・ちゃセミナー」がスタートしました! 本 院 は 5 大 癌 を 始 め と し た 術 後 生 存 率 で は 全 国 的 に 大阪府立成人病センターの理念 がんと循環器疾患の克服 人間性の尊重 高度先進的医療の提供と創造 医療水準の向上への寄与 知性と感性豊かな人材、活力と魅力あふれる職場 みてもトップレベル に あります。また、平 成 23 年度 のがん 入院患者数では全国第 9 位、またDPCの複雑性指数では 第4位(DPC機能係数Ⅰ群の大学病院とⅡ群の地域基幹 病院中)となっています。当院に課せられた社会的責務を 果たすために、今後とも周術期管理などのいっそうの 充 実 【編集・発行】大阪府立成人病センター広報委員会 を 図っていきたいと思います。 診療現場ルポ 診療現場ルポ 脳神経外科の紹介 TOPICS 研究所の取り組み がんリハビリテーション推進に ご協力を かく乱した免疫を活性化する 治療法 看護セミナー「ちゃ・ちゃ・ちゃ セミナー」がスタートしました! 脳神経外科 医長 木下 学 リハビリテーション科 部長 橋本 伸之 分子遺伝学部門長 井上 徳光 成人病センターで は7月1日より、3人の 脳神経外科学 本 年4月 か ら 当 院 が ん の 第 4 の 治 療 法 と し て 、 免 疫 療 法 が 期 待 さ れ て い 2 013 年 6 月 会認定専門医(木下、高垣、高野)が日々の脳神経外科診療 のリハビリテーショ ますが、未だ広く確立された治療法ではありません。そこ から患 者・家 族 にあたっております。 ン 部 は 診 療 科 に 格上 良性・悪性脳腫瘍と脳血管障害を中心に診療を行って げ さ れ ま し た 。こ れ おり、悪性脳腫瘍に対しては放射線治療科や 臨床腫瘍科と は 2 0 10 年 の 診 療 報 共同で病巣の拡大摘出、放射線治療、化学療法といった 酬 改 定 に よ り がん リ 集学的治療を、脳血管障害に対しては、直達手術と血管内 ハ ビ リテ ー ション が 治療を組み合わせた脳外科診療を提供しております。 算 定 可 能 と なった こ 開頭術では、これまでも当院で行っておりましたナビ と が 契 機 と なり、リ ゲーション手術に加えて、術中の電気刺激による神経機能 ハ 専 門 職 の 増 員 に合 モニタリングも併用し、病巣の拡大摘出と神経機能の温存 わせて実施されたも に努めております。脳血管障害では頸動脈閉塞試験など、 のです。 脳血流に影響がおよぶ他科手術の術前リスク評価を開始し ております。 には、大きく2つの問題点があります。 (1)自己細胞から発生したがん細胞を、免疫系は非自己 として認識しにくい事、(2)がん細胞は免疫系から逃れて 成長するために、免疫系をかく乱している事です。 一般的には、がんを認識する免疫細胞は、少ないながら がんの発生によって既に誘導されています。それ故、後者の がんが 免疫をかく乱する作用を抑制し、がんを攻撃できる 免疫細胞を効果的に活性化する事が大切です。 通常、がん組織には多くの免疫細胞が集積していますが、 これらはがん細胞を攻撃することができません。私達は、 ご く あ り ふ れ た 糖 分 解 産 物 で あ る 「 乳 酸 」が 免 疫 細 胞 の 当院では、都道府県がん診療連携拠点病院として、侵襲 かく乱因子の1つであることを発見しました。マウスで の大きい治療や高齢者に対する治療も積極的に行なってい は、 「乳酸」の産生をブロックすると、抗がん免疫応答が 改善 ますので、治療後の身体機能の障害や低下を克服し、早期 しました。 生活復帰への支援もより強化・専門化されています。 さらに、がんを攻撃する免疫細胞の効果的な活性化方法 リハ ビ リ テ ー ション の 適 応 は 、 悪 性 腫 瘍 に 対 す る 手 術 として、当センターで行っている免疫賦活療法 BCG-CWS 治療、放射線治療、化学療法を実施する患者と幅広く、 を発展させた副作用の少ない新しい免疫アジュバントを開 血液疾患に対する移植治療も含まれています。潜在的な適 発しました。現在大阪府立大学と共同で、犬のがん治療の 応患者は、当院の入院患者さんの大多数に及びます。 臨床研究を開始しています。 看護部 副看護部長 笹田 友恵 の み な さまを 対 象 にし た 看 護セミナーを始 めまし た 。セミ ナーの目的は 「大阪府立成人 病 センター の 看 護 を病 院 外 に 向けて発 信していく」 「 在 宅でが ん 治 療を受ける患 者と 家 族を支 援する」です。セミナー名 称は「CHA(ちゃ) ・CHA (ちゃ) ・C H A(ちゃ)セミナー」。名称の由来は CHANCE・ C H A L L E N G E・C H A N G E をもじった も の。前 向 きに 新し い ことに 挑 戦 、そ の ことで 変 わって い けることを期 待して命 名しまし た 。 セミナーは 毎月1回で、9月17日は「がんに 伴う症 状 の 対 応 その1:疼 痛 」をがん性 疼 痛 看 護 認 定 看 護 師が担当 しました。以後も「がんに伴う症状の対応シリーズ」が 続き ます。詳しくは病院内案内掲示をご覧ください。場所は病院 棟6階会議室です。みなさん のご参加お待ちしています。 過去のセミナーにご参加いただいた方からは「このような 治 療前の活動性に何ら セミナーを定期的に開催して欲しい」「もっと突っ込んだ話が 問題のない方でも、70歳 聞きたい」「最新医療の噛み砕いた話が聞きたい」。今後のセ 以上のご高齢の方や、安静 ミナー内 容 の 希 望としては「 病 気に対する食 事について」 臥 床 が 1週 間 以 上 に 及 ぶ 「担当医とのコミュニケーショ 治療を受ける方など は 良 ン」「患者さんやご家族の話 い適応となります。 をもっと聞きたい」などのご また、転移性脳腫瘍患者さんが多いことが当院での脳神 しかし、このような条 意見をいただきました。 経外科診療の特徴ですが、原発巣の診療科と詳細な検討を 件に該当しない場合の運 患 者 や 家 族 の みなさまへ 行い、手術治療をふくめ、可能な限り積極的な治療を志して 動器リハ、脳血管疾患リ の情報源として、がんとうま おります。 ハ、呼吸器リハの施設基 くつきあいながら日常生活を 我々は、院内外の各診療科、診療部門のご支援を頂き 準も従来通りですので、 送っていただけるように、私 ながら、複雑な病態を患っておられる患者さんに対して、 が ん 以 外 の リハ ビ リ テ ー たちが提供できることを考え 少しでも お 役 に立てれ ばと考えております。 ション の 適 応 に 関しても 取り組 んでいきたいと思って お気軽に ご 相 談 下さい。 います。 お 気軽 に各種 症例相談をいただ けれ ば 幸 いです。
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