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【目次】
第1章 計画の概要…………………………………………………………………1
1.計画策定の趣旨………………………………………………………………………………12.計
画の位置づけ………………………………………………………………………………23.計画の
役割 ……………………………………………………………………………………24.計画の対象
……………………………………………………………………………………35.計画の期間 ……
………………………………………………………………………………7
第2章 計画のテーマと実施方針…………………………………………………8
1.計画のテーマ……………………………………………………………………………………82.
計画の実施方針………………………………………………………………………………83.計画
の体系………………………………………………………………………………………9
第3章 マリンスポーツ振興の課題と取り組み………………………………10
1. 広める ∼ マリンスポーツの普及・浸透に向けた取り組み ……………………………………10
(1) 地域の資源を活かしたマリンスポーツメニューの整備 ………………………………………10
(2) だれもがマリンスポーツに親しめる機会提供の促進…………………………………………15 (3)
効果的な情報提供・発信 ……………………………………………………………………17 2. 高める
∼ 来訪者の増大・定着とフィールドの持続的利用に向けた取り組み…………………21
(1) 拠点機能の充実………………………………………………………………………………21
(2) 担い手となる人材の確保・育成………………………………………………………………27 (3)
利用フィールドの保全と管理 …………………………………………………………………30 3. 続ける
∼ マリンスポーツ振興に向けた取り組みが持続的に展開するしくみづくり …………33
(1) 拠点施設の持続可能な運営…………………………………………………………………33 (2)
各主体の連携…………………………………………………………………………………36 (3) 市民
が日常的にマリンスポーツに親しめる環境づくり………………………………………39
第4章 計画の実施体制…………………………………………………………41
1.各主体の役割分担と実施スケジュール…………………………………………………41 2.
計画の実施およびチェック体制……………………………………………………………44
第1章計画の概要
1. 計画策定の趣旨
背景
近年、 少子高齢化の進行に伴う人口減少や子どもの体力低下の顕在化、 ライフスタイルの多様化
などによって、 日常生活での身体活動の機会が減少し、 精神的なストレスも増大してきています。 こ
のような中、健康志向やレジャー志向の高まりなど、スポーツが心身ともに健康な生活を営むうえで不可
欠なものと認識され、 スポーツに対する市民の関心や期待は高まりつつあります。
2002年、旧夜須町は「よさこい高知国体」でセーリング競技の開催地となりました。以来、高知県を代
表するマリンスポーツの拠点として、 ヨットやシーカヤックなどのマリンスポーツを、 青少年の健全育成
や障害のある方たちとの交流事業、 町の活性化などに役立ててきました。 また、 サンゴなどの自然資
源を活かした環境学習やヤ・シィパークをはじめとする施設の整備など、 海と関わりの深い資源を活用
したまちづくりも進めてきました。
2006年3月には、旧5町村(野市町、赤岡町、吉川村、香我美町、夜須町)が合併し、香南市としてスタ
ートしました。 これに伴って地域が有する資源はさらに豊富になり、新しいまちづくりを展開できる可能
性は高まったといえます。 とりわけ、 本市沿岸域は海という資源を活かし、 高知県・四国のマリンスポ
ーツのメッカとして将来の活性化を担う重要なエリアに位置づけられます。今後は、これまでの取り組み
の継続を図るとともに、地域の資源を有機的に連携させ、 より発展・充実させていくことが大きな課題と
いえます。そうしたことから、関連団体・市民・行政が協力連携のうえ、マリンスポーツを生涯スポーツとし
てだれもがいつでも親しめるプログラムとビジョンが求められているのです。
計画策定の目的
上記の背景のもと、「香南市マリンスポーツ振興計画」(以下「本計画」といいます。)は、以下に記す
事項の実現を目的として策定するものです。
○だれもが生涯を通じて海やマリンスポーツに親しめる環境づくりが推進されること
○フィールドとなる沿岸域の自然環境が保全され、持続的に活用されること
○マリンスポーツとその振興活動全体が香南市のブランドイメージとして定着し、交流人口の
増大とともに地域経済活性化の一翼を担うこと
○これらにかかわる団体や市民、行政の連携強化が図られ、振興活動が相乗的に展開して
いくこと
1
2. 計画の位置づけ
本計画は、「夜須町都市再生整備計画」(2006年3月策定)で定められた夜須町沿岸域のまちづくりの
基本目標および整備方針を引き継ぎつつ、 「第1次香南市振興計画」 に基づいた個別計画として、
香南市全体の振興に資するために位置づけられた計画です (図1-1)。
第1次香南市振興計画
○環境と調和のとれたまちづくり (海浜環境の保全と活用など)
○産業の振興と多彩で魅力のある働く場づくり (観光のまちの育成など)
○豊かな心を育む人づくり (青少年健全育成の推進、生涯学習・生涯スポーツの充実など) など
基本理念・基本目標に基づく
基本理念・基本目標に基づく
夜須町都市再生整備計画
○官民協働による交流人口拡大 (地域情報の発信拠点の整備など)
○豊かな観光資源を活用したまちづくり (体験型観光事業の展開など)
香南市スポーツ振興計画
策(定予定)
基本目標・整備方針を引き継ぐ
連携
香南市マリンスポーツ振興計画
図1-1 計画の位置づけ
3.計画の役割
(1) 市民の皆さんに対しては、 この計画を広く知っていただくことで、 だれもが生涯の
各時期にわたってそれぞれの年齢や体力、 目的に応じていつでもマリンスポーツに親しみ、
心と体の健全な発達を促す環境づくりを示すものです。
(2) マリンスポーツ関連団体や各主体の皆さんに対しては、 この計画を参考にしつつ、
香南市のマリンスポーツの底辺拡大や魅力の向上などについて長期的なビジョンを持ち、 団体
間で十分連携を図っていただくための方針を示すものです。
(3) 本計画の策定主体である香南市教育委員会としては、 庁内の関係部局、 市民の皆さ
ん、 マリンスポーツ関連団体の皆さんの積極的な参加と主体的な取り組みを支援していくため
の姿勢を示すものです。
2
4.計画の対象
対象区域
本計画の対象区域は香南市の沿岸域全体とします。 ただし、 現在さまざまなマリンスポーツが行わ
れている「香南市マリンスポーツ施設(通称シースポ)」 (以下「シースポ」 といいます。) およびその周
辺エリアを振興の中心とし、 他の資源と有機的な連携を図りながら、香南市全体の振興に資するものと
します(図1-2)。
図1-2 計画の対象区域
注)国土地理院の数値地図25000地(図画像)手「結」後「免」を使用。
3
マ「 リンスポーツ」とは?
「マリンスポーツ」 とは、ヨットなどの競技系の種目に限らず、手軽なレジャーや観光、体験学習など、
海に親しむさまざまな活動も含めたものとして認知されています。表1-1にそれぞれの概要を示します。
表1-1 マリンスポーツの種目一覧
カヌー・シーカヤック
両端に水かきのある「パドル(櫂-かい)」で左右交互に漕いで進む小型
のボート。 波のある海でも安定性を保つため、 川で使うものより船艇
が長いのが特徴。 下半身を船の中に入れる「クローズドデッキ」、ひっ
くり返っても飛び乗りやすい「シットオントップ」などがあります。初心者
は防波堤などで囲まれた静穏な水域で練習を行います。 操船に慣れ
ると、 自然観察やレースなどを行えるようになります。
ディンギーヨット
1∼4人乗りのキャビン(船室)のない小型ヨット。練習用から競技用まで
その種類はさまざまで、大きさや普及の度合い、活動の中心となる年
齢層によって使用する艇が異なります。例えば、オリンピックにも使用
される「470(艇長4.7m)」や
「レーザー (艇長4.2m)」、 国体でも用いられる 「シーホッパー(艇
長4.2m)」のほか、ジュニア向けの「OP(艇長2.3m)」や「ミニホッパー
(艇長3.4m)」などがあります。
クルーザーヨット
キャビン(船室)のある中・大型のヨット。ベッドや台所、トイレなどの居
住設備を備え、 外洋航行も可能です。 レースやレジャーなど、目的
によってさまざまな種類がありますが、全長7∼10m程度の艇が一般的
です。まれに双胴船もあります。
カッター(ローボート)
グループで行う手漕ぎボート。 カッターが後ろ向きに漕ぐのに対し、
ローボートは前を向いて漕ぐのが特徴です。 進む目標に向かって全
員が声を掛けあって力をあわせて漕ぐことで協調性を養える効果があ
ります。
4
表1-1 マリンスポーツの種目一覧つ(づき)
ボードセーリング
大型のサーフボードに三角帆を張り、風を利用して一人で水上を帆
走するスポーツ。ウィンドサーフィンとも呼ばれています。
サーフィン・ボディボード
サーフィンは、サーフボードの上に立ち、バランスをとりながら波に乗
って楽しむスポーツ。波が形成する斜面を滑走します。
ボディーボードは、サーフボード状の板に腹ばいになって波の上を
滑走します。
シュノーケリング
水中メガネ、シュノーケル、足ひれなどを着用し、磯場や浜辺での海
中生物(サンゴ、魚、イソギンチャク、海藻など)の観察を行う活動で
す。
スキューバダイビング
空気ボンベを用い、 海中に潜るスポーツ。 活動内容は、 海底のサ
ンゴ観察、フィッシュウォッチング、写真撮影など多様です。国内外で
本格的なダイビングのサービスを受けようとする場合、通常Cカード
(民間のダイビング指導団体が技能講習修了者に対して発行する技
能認定カード)の提示が必要となります。
ビーチバレー・ビーチサッカー
ビーチバレーは、砂浜にネットを張ったコートで2人1組のチーム同士
で対戦するバレーボールのことです。
ビーチサッカーは砂浜でするサッカーで、試合は5人1組のチーム同
士で行い、 前後半10分ずつで行われます。
いずれも「観るスポーツ」 として楽しむこともできます。
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表1-1 マリンスポーツの種目一覧つ(づき)
モーターボートボートにエンジンを搭載して水面を走る船舶。ただし、自ら操船・航行する活動を指し、クルージングでの
乗船は除きます。
水上スキー・ウェイクボード モーターボートに持ち手のついたロープを固定し、 スキー板やスノーボード状の板を足に
取りつけた人を引っ張って水面を滑走するスポーツです。
水上バイク ウォータージェットを推進力とした1∼4人乗りの船舶の一種。ハンドルバーの操作と操縦者の身体バランスに
より水面を航行します。海外ではパーソナルウォータークラフトと呼ばれています。
磯釣り 磯場、 護岸、 防波堤、 釣り桟橋など陸上から行う釣りです。 砂浜からの投げ釣りも含みます。
船釣り 釣り船を利用して沖に出て行う釣りです。 主に近海の魚をねらいます。
グラスボート
船底にガラスなどが張られたボート。サンゴや熱帯性の魚類が泳ぐよ
うすなど、手軽に海中の風景を楽しむことができます。
クルージング エンジンのついたクルーザーボートで湾内を周遊するなど、 水上からみる海岸線などの風景を楽しみま
す。
海水浴 主に夏期の海岸で、 水泳や日光浴などの海辺の遊びを行うレジャー。
地引き網体験 観光客や修学旅行生、家族連れなどの団体に地引き網漁法を体験してもらうメニュー。岸近くから力を
あわせて長い網を引きます。
磯遊び・浜遊び 磯や砂浜で行う水辺の遊び。砂浜の漂着物を拾い歩く 「ビーチコーミング」もこれに含みます。
自然観察 海辺の自然環境を観察する活動や体験学習など。
海浜キャンプ 砂浜や海辺のキャンプ場などで行うキャンプ。
資料:水産庁ほか2(004) 『マリンスポーツを活用した都市漁村交流体(験学習)実践マニュアル』
注)上記の種目は、水産庁ほか 2(004) 『マリンスポーツを活用した都市漁村交流 体( 験学習)実践マニュアル』に掲げられている
ものに、香南市において現在体験可能な種目 ク(ルージング、地引き網体験)、香南市が今後導入を構想している種目 グ(ラスボー
ト)を加えてまとめたものです。
6
5.計画の期間
本計画が対象とする期間は、2008年度から2012年度までの5年間とし、「第1次香南市振興計画(基本
計画)」の進捗状況をみながら進めていきます。なお、計画策定から3年を経た2010年度末には、 計画
内容の達成度やその時点での実施方針の妥当性などについて確認することとします(図1-3)。
年度
2008 2009 2010
2011 2012
第1 次香南市振興 計画
(基本構想 :2017年度まで
10年間)
香南市マリ ンスポーツ振 興計画
(5年間)
計画内容・実 施状況の確認
図1-3 計画の期間
7
第2章 計画のテーマと実施方針
1.計画のテーマ
計画策定の目的を踏まえ、 本計画のテーマを以下のように設定します。
いつでも、だれでも、いろいろ楽しめる マ「リンスポーツのまち」香南市
○いつでも…夏季に限らず、 1年を通じて
○だれでも…市民も来訪者も、 心身に障害のある方も、 老若問わずあらゆる人が
○いろいろ…沿岸域の自然環境や海辺の拠点施設を活かしたさまざまなスポーツや体験活動
を楽しむことができる
○マリンスポーツのまち…上記のような香南市のイメージが発信され、内外の交流も盛んになり、
地域ブランドとして定着したまちの将来像
2.計画の実施方針
計画のテーマに即して、「広める」「高める」「続ける」 という3つの視点からみた振興の方向性を本計
画の実施方針と して定めます。
(1)広める∼マリンスポーツの普及・浸透に向けた取り組み
香南市が有する資源を活かしたマリンスポーツの普及・浸透を図るため、老若男女、 心身の障害の
有無を問わず、 あらゆる市民がマリンスポーツを身近に感じ、 手軽に楽しめるよう、 多様なメニューや
機会の提供と情報の発信に努めます。
(2)高める∼来訪者の増大・定着とフィールドの持続的利用に向けた取り組み
来訪者の増大とリピーターの確保に向けて、 マリンスポーツ振興の拠点施設をさらに魅力あるものに
するための取り組みと振興活動にかかわる人材の確保・育成を進めます。 また、 全てのマリンスポーツ
のフィールドである沿岸域の自然環境の持続的な保全と活用に努めます。
(3) 続ける ∼ マリンスポーツ振興に向けた取り組みが持続的に展開するしくみづくり
香南市のマリンスポーツが市民の生涯スポーツとして親しまれ、 取り組み全体が地域ブランドとして
定着するよう、拠点施設の適切な運営と各主体の連携を図り、持続的に展開していける環境づく りに努
めます。
8
3.計画の体系
先に述べた本計画のテーマと実施方針、そして各方針に沿った取り組みの方向を図2-1に示します。
図2-1 計画の体系
9
第3章マリンスポーツ振興の課題と取り組
み
1.広める∼マリンスポーツの普及・浸透に向けた取り組み
(1) 地域の資源を活かしたマリンスポーツメニューの整備
現状と課題
香南市の沿岸域では現在、 シースポおよびその周辺エリアを中心としてさまざまなマリンスポーツを
体験できます(図3-1)。 しかし、アンケート調査の結果によると、マリンスポーツを体験したことのある人
や体験したいと思っている人は少なく、 マリンスポーツがまだまだマイナーな存在であることは否めませ
ん (図3-2)。 したがって、 まずマリンスポーツとはどういうものか、 マリンスポーツの楽しさや魅力を多
くの人に知ってもらう必要があります。 そのためには、香南市で体験できるマリンスポーツのメニューを
広くアピールするとともに、未経験者がマリンスポーツに接する機会を積極的につくっていくことが求めら
れます。
図3-1 香南市で体験可能なマリンスポーツ
注)国土地理院の数値地図25000地(図画像)手「結」後「免」を使用。
10
n=262
海水浴
35.5
磯遊び・浜遊び
9.5
磯釣り
18.7
海浜キャンプ
15.3
船釣り
14.9
シュノーケリング
14.5
カヌー・シーカヤック
3.0
地引き網体験ビ
8.0
ーチバレー水上スキー・ウェイ
8.0
クボード
6.9
スキューバダイビング
6.9
グラスボート
6.9
水上バイク
6.5
自然観察
6.1
サーフィン・ボディボード
6.1
ビーチサッカー
5.7
モーターボート
4.6
クルージング
4.2
ディンギーヨットボードセーリン
3.4
グ
2.7
カッター
1.5
クルーザーヨット
その他
なし
1.5
0.4
9.5
05
10
15
20
25
30
35
40
図3-2 マリンスポーツの普及の現状:体験したことのあるマリンスポーツ
%
ヤ( ・シィパーク、道の駅やす利用者に対するアンケート調査の結果,2007年)
取り組みの方向
① 香「 南市マリンスポーツメニュー」に基づいた各種目の効果的な振興
本計画では表3-1のような方向づけのもと、自然環境に優しいメニューであることを重視しつつ、 各マ
リンスポーツ種目を共存させて効果的な振興活動を展開していきます。 特に現状においてフィールドや
用具、 指導者などの条件が整っておりだれもが体験できる種目、競技としてのレベルアップも図れる種
目について重点的に取り組んでいきます。
11
表3-1 香南市マリンスポーツメニュー:各種目の振興の方向
期間・振興度
○シースポでの体験教室により
○体験教室などによりだれもが
比較的気軽に体験可能
○県外からの体験合宿や障害の
ある方との交流事業などさま
ざまな事業に用いられている
体験し交流できる種目として
普及・浸透を促進
○「ヤ・シィカヤックマラソン」
の拡充
○シースポで体験教室を実施中
○競技大会が定期的に開催され
ている
○障害のある方も体験できる事
業が行われている
短期
中長期
初年度∼
4年目∼
海駅C
○体験教室などによりだれもが
体験し交流できる種目として
海駅C
普及・浸透を促進
○「スプリングカップinYASU」
の拡充
○全国レベルの競技大会の誘致
高セ連
○シースポの体験教室に一部導
入されている (大手の浜のサ
ンゴ観察)
○大手の浜でサンゴ観察会が開
催されてきた実績がある
○大手の浜をフィールドとした
体験教室や環境学習会の積極
海駅C
なぎさ
的な開催
手結漁
○ヤ・シィパーク利用者(学校
○香南市が手結港∼大手の浜で
の海中景観を楽しむためのグ
ラスボート導入を構想中
○ヤ・シィパークで競技大会が
開催されている (同園砂浜に
手結漁
行事や遠足など)を対象とし
たサンゴや熱帯性魚類などの
観覧メニューを検討
○四国のビーチスポーツのメ ッ
カとしてPRし、「やる・観る」
ヤシィ
バレー用コート2面あり)
スポーツとして普及を促進
○ヤ・シィパークの海水浴場は
○現状の集客力を維持しながら
シーズン中8∼10万人の人手
で賑う
○障害のある方も体験できる事
業が行われている
オフシーズン中の海水浴場の
活用を検討
○だれもが体験・交流できる事
業の継続および拡大
○岸本と赤岡で 「観光地曳網」
を体験可能
○利用者の増大に向けた積極的
なPRと情報発信
○ビーチコーミングを取り入れ
たイベントが開催されている
○専門家を交えたビーチコーミ
ングイベントの開催
○手結沖のルアーフィ ッシング
や赤岡沖の遊漁船を体験可能
カッター(ローボート)
ボードセーリング
○特に活動は行われていない
クルーザーヨット
○体験乗船会が開催されている
磯釣り
○手結外港での釣り客がみられる
クルージング
○香南市ポートマリーナで体験可能
海浜キャンプ
○海浜でのキャンプ客がみられる
なぎさ
香南市
ヤシィ
手結漁
赤岡漁
観光協
海駅C
ヤシィ
手結漁
○現況の取り組みを継続
赤岡漁
○シースポの新メニューとしての
導入を積極的に検討
−
−
○今後具体的な振興の方向を検討
−
−
凡例振(興の主な取り組み主体)
海駅C:NPO法人YASU海の駅クラブヤシィ:
ヤ・シィパーク
高セ連:高知県セーリング連盟
手結漁:高知県漁業協同組合手結支所赤
岡漁:高知県漁業協同組合赤岡支所なぎ
さ:大手の浜なぎさの会
観光協:香南市観光協会
注) 上記以外の種目について
○水上バイク、水上スキー・ウェイクボード、モーターボート:他の種目活動の安全を確保していくため、 動力を使用した種目活動を抑制○スキューバ
ダイビング:漁業者とのトラブルやサンゴなど自然資源の保全上の問題につながりやすいため、 その活動を抑制
○サーフィン・ボディボード:特に振興の対象としない(ただし、その活動の抑制はしない)
12
海駅C
−
② マリンスポーツの裾野拡大に向けたシースポでの事業の推進
香南市ならびに高知県下においてマリンスポーツの裾野を広げていくために、 シースポの指定管理
者であるNPO法人YASU海の駅クラブ(以下「海の駅クラブ」 といいます。)が行っている体験教室や各
種イベント(表3-2・3-3・3-4・3-5)を継続的に推進します。特に、現状で集客力のある二大イベント(ヤ・
シィカヤックマラソン、スプリングカップin YASU) についてはその規模を拡大し、 四国ないし西日本レ
ベルでの大会として位置づけ、シーカヤック、ディンギーヨットの普及・浸透を図ります。
○シースポの体験教室・各種イベントの継続的な推進(主体:海の駅クラブ)
○二大イベントヤ( ・シィカヤックマラソン、スプリングカップin YASU)の実施規模の拡大
(主体:海の駅クラブ、高知県セーリング連盟、香南市)
⇒目標:ヤ・シィカヤックマラソン参加者100名2(007年度:49名)
スプリングカップin YASU参加チーム70チーム2(007年度:35チーム)
表3-2 シースポで行われている主なマリンスポーツ活動
B&G YASU海洋クラブ活動海(の駅クラブ主催事業)
B&G YASU海洋クラブは、B&G財団※から認可を受けて2007年度
に発足。香南市内から応募のあった小中学生を対象として、カヌー、
ヨット、シュノーケリングなど、さまざまな海洋体験活動を行っていま
す(2007年度は計7回の活動を実施。 クラブ員は随時募集中)。
※B&G (ブルーシー・アンド・グリーンランド)財団 日本財団の助成を受ける全
国組織で、海洋体験活動を通して青少年の健全育成を図ることを目的とする財団。
ヤ・シィカヤックマラソン海(の駅クラブ・香南市共催事業)
毎年11月に開催されるシーカヤックのレース。一般、シニア、2人乗
り、ジュニア、マイカヤックの5部門に分かれ、 主に高知県下から集
まった参加者がヤ・シィパーク∼手結沖∼大手の浜を巡り、 タイムを
競います。
大会後のパーティでは参加者同士が交流を深め、 入賞者には市
内特産品が贈られます。
スプリングカップin YASU
高(知県セーリング連盟・海の駅クラブ・香南市共催事業)
夜須沖をフィールドとして毎年3月に開催されるディンギーヨットの競
技大会。高知県下を中心に県外からも参加者があり、例年約40チ
ームが集まります。 さまざまな艇種のヨットがいっせいにスタートし、
子どもから大人まで、幅広い年代がレースを楽しみます。
高知県セーリング連盟月例レース 高知県セーリング連盟が主催するディンギーヨットのレース。毎月中旬頃に開催され、
毎回高知県下から約20艇が参加しています。
13
表3-3 海の駅クラブが実施している「シーカヤック体験ツーリング」の概要
シーカヤック体験ツーリングシ
(ースポ∼大手の浜)
14
(2) だれもがマリンスポーツに親しめる機会提供の促
進
現状と課題
マリンスポーツを生涯スポーツとして位置づけ、 だれもが手軽に楽しめるものとしていくためには、 年
代や心身の障害の有無によらずマリンスポーツを楽しめ、 活動にかかわる人たちと交流できる機会をつ
くっていくことが重要です。また、海と親しむことは、 自然環境を守る意識を生み、 郷土愛の醸成ととも
に地域を大切にする人づくりにもつながるものと考えられます。現在、シースポやヤ・シィパークでは、海
の駅クラブや福祉関連のNPO、地元有志の人たちによって、 幅広い年代や障害のある方たちが海と親
しみ、 マリンスポーツを体験できる事業が行われています。 今後も、 上記のような観点からこういった
取り組みを促進することが望まれます。
取り組みの方向
① 障害のある方たちの体験 ・交流事業の促進
現在シースポで行われている「障害者マリンスポーツ教室」を継続・拡大します(表3-4)。また、 ヤ・シ
ィパークの海水浴場での車椅子使用者による海水浴体験を積極的に支援します。 これらの取り組みが
多くの市民に認知されるよう努め、 だれもがいつでもマリンスポーツを楽しめる環境づく りを促進しま
す。
○障害者マリンスポーツ教室の継続(主体:海の駅クラブ)
○ヤ ・シィパーク海水浴場での車椅子使用者の海水浴体験の支援 ・普及促進
(主体:海の駅クラブ、ヤ・シィパーク、香南市、関連NPO)
表3-4 障害のある方たちがマリンスポーツに親しめる事業の例
障害者マリンスポーツ教室海(の駅クラブ受託事業)
障害のある方たちにマリンスポーツを楽しんでもらうための事業。
参加者はアクセスディンギー (転覆しにくいヨット) やシーカヤッ
クの体験を楽しみます。
車椅子使用者の海水浴体験
ヤ・シィパーク海水浴場では、毎年夏季に、水に浮くアウトドア用
の車椅子「チェアボート」「ランディーズ」などを利用した障害のあ
る方たちの海水浴体験が行われています。 この体験は、NPO法
人「自立サポートセンターあきらめないで」 のスタッフと地元有志
の人たちの協力によって支えられています。
15
② 幅広い年代が海やマリンスポーツに親しめる事業の促進
海の駅クラブが市内の小学校で実施している出前教室を推し進め、 市内小中学校の子どもたちや保
護者のマリンスポーツへの興味・関心を高めて、普及を促進します(表3-5)。このほか、同クラブが主催
している「海辺の学校」やヤ・シィパークによる「海辺のクラフト教室」 を継続することで、 子どもから高齢
者まで幅広い年代の市民が海やマリンスポーツに親しめる機会を提供していきます。
また、 「日本スポーツマスターズ2008高知大会」 (2008年9月開催予定) にあわせたセーリング競技
会の開催や、 マリンスポーツを通じた健康増進セミナーの開設など、 生涯学習や生涯スポーツとして
マリンスポーツに親しめる場をつくっていきます。
○出前教室「プールでヨット・シーカヤック」の推進(主体:海の駅クラブ)
○海「辺の学校」海「辺のクラフト教室」の継続(主体:海の駅クラブ、ヤ・シィパーク)○ 「日本ス
ポーツマスターズ20 08 高知大会」にあわせたセーリング競技会の開催
(主体:海の駅クラブ、高知県セーリング連盟、香南市)
○生涯学習・生涯スポーツを推進するセミナーの開設(主体:海の駅クラブ、香南市)
表3-5 幅広い年代がマリンスポーツに親しめる事業の例
プールでヨット・シーカヤック海( の駅クラブによる出前教室)市内
小中学校のプールにディンギーヨットやシーカヤックを持ち込ん
で行う体験教室。 ライフジャケットでの浮遊やパドルの漕ぎ方、
舵の操作方法などを学びます。プールでこれらを体験した子ども
たちは 「次は海でやりたい」 と口にし、海での体験活動のきっか
けづくりとなっています。
海辺の学校海(の駅クラブ主催事業)
マリンスポーツ学科(シーカヤック体験)、 クルージング学科(ヨッ
ト体験)、漁師学科(漁師さんの知恵を学ぶ体験)、海の恵み学科
(長太郎貝料理や磯遊びなどの体験)、アート学科(門松づくりな
ど海辺の材料を使ったクラフト遊び) など、 季節に応じた学科が
実施されています。
大人のヨット教室海(の駅クラブ主催事業)
一般成人を対象とした体験教室。1人乗りヨットの乗り方を室内で
の座学と海上での実習を通じて学びます。 全3回の教室でスキ
ルアップを図り、修了者には修了証が授与され、 シースポでのヨ
ットのレンタルが可能になります。
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(3)効果的な情報提供・発信
現状と課題
シースポおよびその周辺エリアは、 高知県下においてマリンスポーツを体験できるスポットとしては高
いポテンシャルを有しています。 しかし、アンケート調査の結果からは、シースポの存在がそれほど認知
されておらず、 シースポでの体験教室やイベントの開催情報も少なからず口コミで伝達されている実態
がうかがえます(図3-3・3-4)。このことから、シースポやマリンスポーツの認知度を高めることは大きな課
題であるといえ、 市内外の人々に向けて広く情報を提供・発信する広報活動が求められます。また、ヤ・
シィパークや道の駅やすは集客力が高く、 県外からの利用者も多く訪れます。 この有利な条件を十分
に活かして積極的に情報提供を図っていくことも重要な取り組みといえます。
262
図3-3 シースポの認知度
ヤ( ・シィパーク、道の駅やす利用者に対するアンケート調査の結果,2007年)
知り合いや友人に誘われた
n=120
その他
42.5
海の駅クラブからの案内状
24.2
海の駅クラブのチラシそ
2.5
の他の広報誌やホームページ
7.5
海の駅クラブのホームページ
6.7
広報こうなん
2.5
0
0.0
%
10
20
30
40
図3-4 体験教室・イベントの開催情報の入手先
シ(ースポの体験教室・イベント参加者に対するアンケート調査の結果,2007年)注)
そ「の他」にはB「&G YASU海洋クラブ活動での参加」が多数挙げられた。
17
50
取り組みの方向
① 既存メディアと地域情報センターを通じた効果的な情報提供
マリンスポーツとの接点がない市民の目に触れやすい既存のメディアや 「みなとオアシス」(表3-6)な
どの制度を有効に活用し、広く情報提供を図ります。また、多くの利用者が訪れるヤ・シィパークや道の
駅やすにおいては、2008年度に設置される「香南市地域情報センター」や「マリンフェスティバルYASU」
などの大型イベントを通じて、本市のマリンスポーツをPRしていきます。
シースポの体験教室やイベントの参加経験者に向けては、 リピーターとして何度も訪れてもらうために、
それらの開催情報をメールマガジンなどにより定期的に配信していきます。
○香南市ホームページや広「報こうなん」、み「なとオアシス」、ごめん・なはり線の車内吊り広告
などの活用(主体:海の駅クラブ、香南市観光協会、香南市)
○香南市地域情報センターや大型イベントを通じた案内 ・PR
(主体:海の駅クラブ、ヤ・シィパーク、香南市観光協会)
○シースポの体験教室 ・イベント参加経験者に対する開催情報の定期的配信
(主体:海の駅クラブ)
マリンフェスティバルYAS U
毎年夏にヤ・シィパークで開催される恒例のイベント。海辺のまちらしさを
活かしたさまざまな催しが行われ、家族やカップルなどで賑います。会場
では、 ヨットやシーカヤックの体験も楽しめます。
18
表3-6 み「なとオアシス」制度とその支援内容
国土交通省の各地方整備局が認定・登録を推進している制度。 かつては人やもの
が行き交う交流の拠点として賑った「みなと (港湾・港湾海岸)」において、人々
が憩い、集い、潤える空間を「みなとオアシス」 として同局長が認定し、同省が
市民参加による地域活性化の取り組みに対して支援を行っていくものです。
○ホームページや広報誌への掲載、 各種イベン トでの紹介
など積極的なPR
○社会実験の共同実施
○みなとオアシスの商標およびシンボルマーク (標章) の
無償使用
シースポおよびその周辺地区は、2006年10月、「みなとオアシス手結」 として国
土交通省四国地方整備局により正式に認定・登録されています。 その後、海の駅
クラブ、ヤ・シィパークの指定管理者である株式会社ヤ・シィが中心となり、地
域の活性化に向けた取り組みを行っています。
資料 :国土交通省中国地方整備局港湾空港部ホームページ http://www.cgr.mlit.go.jp/chiki/kouwan/information/oasisu.html
国土交通省四国地方整備局港湾空港部ホームページ http://www.pa.skr.mlit.go.jp/useful/oasys/oasis/tei/
19
② インターネットによる広域的な情報発信
アクセスの多いインターネット上のホームページを活用して、 香南市の観光に関心のある人々に対し
て広くマリンスポーツに関する情報を発信します。
○海の駅クラブホームページの継続的な運営と外部リンクの充実 (主体:海の駅クラブ)
⇒ 目標:同ホームページへの年間アクセス数50%増
○香南市観光協会ホームページ上でのマリンスポーツに特化 したポータルサイ トの開設
(主体:海の駅クラブ、香南市観光協会)
香南市観光協会ホームページ高(知のKOUNANぶらっとナビ)
http://www.kounan-navi.com/
香南市観光協会が運営する観光情報の発信サイト。市内
の観光拠点、イベント、宿泊施設などに関する情報が網羅
され、 市内各施設ホームページへのリンクも充実していま
す。 同協会の事務局長による 「局長のブログ」 も人気を
博しており、「pori-navi」では、目的地へのルートや所要時
間などを地図とともに案内するサービスを提供しています。
今後、 市内外からの多くのアクセスを期待できるサイトと
いえます。
海の駅クラブホームページ
http://www4.ocn.ne.jp/~yasu-umi/
海の駅クラブが運営するホームページ。同クラブの体験教
室やイベントに関する情報が随時公開され、 管理人のブ
ログでは日常の活動状況などをみることができます。
20
2.高める
∼ 来訪者の増大・定着とフィールドの持続的利用に向けた取り組み
(1)拠点機能の充実
現状と課題
マリンスポーツの振興に向けた活動は、 そのメニューに応じてさまざまな拠点を中心に展開していくこ
ととなりますが、各種活動情報の一元化や体験学習の受け入れ、イベントへの対応など、 中核となる場
が必要です。 現在、 その中核となるべきシースポは、 指定管理者である海の駅クラブが開催する体験
教室やイベント、 高知大学や夜須中学校のヨット部による利用がほとんどです。 今後、 マリンスポーツ
を広く市民に普及・浸透させていくうえで、 シースポの活用の余地はまだまだ残されているといえます。
シースポの既存施設は、艇庫の収納容量の不足、バリアフリーへの未対応といった不具合を抱えてお
り、 機能的にみても利用者のニーズに応えきれない状況となっています。 このため、2008年度に「香南
市マリンスポーツセンター(仮称)」 (以下「新施設」 といいます。) を敷地内へ増設する機会を活かして、
香南市のマリンスポーツ振興に向けた中核施設として展開を図っていくことが求められています。
香南市マリンスポーツ施設
通(称:シースポ)
2002年の「よさこい高知国体」のセーリ
ング競技会場として整備された施設。
2階建ての建物は、1階部分がヨットや
シーカヤックを収納する艇庫、2階部
分が管理事務所、研修・会議室として
活用されています。また、ヨットハーバ
ー(旧海水浴場)に面したヨット斜路は、
日常艇置き場として使用されていま
す。
21
取り組みの方向
① シースポの拠点機能の充実とバリアフリー化の推進
シースポの既存施設および新施設をマリンスポーツ振興の中核となる施設として位置づけ、現状で不
足している機能を付加し、充実を図ります(図3-5)。特に、シースポが青少年をはじめとするさまざまな団
体の研修・合宿先、 担い手育成の場として利活用されるよう、 両施設およびエリア全体の機能配置を
見直し、新施設に必要な設備を導入します。 このほか、新施設においては、 マリンスポーツ関連商品
や飲料の販売など、利便性の向上につながるサービスの提供も視野に入れて検討します。
さらに、 高齢者や障害のある方たちが安心してシースポを利用できるよう、 新施設をバリアフリーな
設計とし、 特に既存施設で支障をきたしているシャワーやトイレなどのバリアフリー化を実現します。屋
外については、障害のある方でもヨットなどに安全に乗り降りできる施設の導入を検討していきます。 な
お、施設整備とあわせて、介添えなど人的なサポートも積極的に行い、 ヨット斜路を含めたシースポ全
体をだれもが快適に利用できるエリアとしていきます。
○団体による研修・合宿先の提供(主体:海の駅クラブ)
○室内空間の多目的利用調(理・飲食、資料閲覧、物販スペースなど)(主体:海の駅クラブ)○ヨット
やシーカヤックなどの展示見(て触れられるギャラリー)(主体:海の駅クラブ)
○トイレ・シャワーなどのバリアフリー化(主体:香南市)
○障害のある方への人的サポート介(添えなど)の促進(主体:海の駅クラブ)
○障害のある方も安全にヨットなどに乗り降りできる施設導入の検討 (主体:香南市)
22
付加する機能・設備
既存施設
憩い・交流スペース
資料閲覧コーナー
ミーティングルーム
物販コーナー
各種研修・会議スペース
研修 ・合宿生の宿泊スペース
和室
新施設マリンスポーツセンター仮(称)
日常的な交流スペース
オープンテラス
調理・配膳準備が可能な設備
給湯室
事務室
多目的室
調理室
トイレ
2F
トイレ
1F
艇庫
艇庫
シーカヤック収納スペースイ
(ベント対応・収納容量拡大)
団体用更衣スペース
主にシーカヤックを収納
シャワー
室
トイレ
展示スペースギ(ャラリーなど)
●ヨット
●救助艇
●ボードセーリング
倉庫
受付スペース
バリアフリー・屋外からもアクセス可能
バリアフリーへの対応
●セール
●ヨット艤装品
●工具
団体用シャワー設備
海上との交信設備
シャワールーム(ロッカールーム)
バリアフリー・屋外からもアクセス可能
屋外シャワー収(納タイプ)
フラッグポール
図3-5 新施設と既存施設の機能配分
23
② シースポの魅力をさらに向上させる整備の促進
新施設の整備とともに、 その魅力をさらに向上させる周辺の整備を検討します。 特に現状ではマリン
スポーツ体験前の利用者の待機場所や交流スペースがないことから、 新施設に付帯する広場の整備
を検討します。また、年間30万人以上が訪れるヤ・シィパーク、道の駅やすの利用者をシースポに誘導
するため、 シースポの位置と内容を明確に伝えるサインの設置などを検討します。 さらに、 イベント時
や各種教室終了後に飲食が可能な場所として、 現状の桟敷施設展望所の改築を検討します。 ただし、
これらの整備に必要となる資金の確保は容易でないことから、 さらに有効性を検討しつつ、優先順位を
明らかにして整備を進めることとします。
○利用者の憩いの場としての芝生広場の整備(主体:香南市)
○ヤ ・シィパーク、 道の駅やすの利用者をシースポへと誘導するサインの設置
(主体:香南市)
○桟敷施設展望所を有効活用するための改築の検討 (主体:香南市)
現状のシースポ敷地内のようす
既存施設艇(庫の内部)
桟敷施設展望所の利用風景
24
(2)担い手となる人材の確保・育成
現状と課題
シースポでは、 海の駅クラブによってマリンスポーツの体験教室やイベントなどの各種事業が実施さ
れていますが、メインの指導者である正職員はもとより、これらの指導や運営にあたるスタッフの人材が不
足しています。 現状では海の駅クラブの人的ネットワークによってスタッフを募り、 何とか参加者の要望
に応えていますが、 夏季の繁忙期には全ての申し込みに対応できないといった問題が生じはじめてい
ます。
体験教室やイベントの参加者に対するアンケートの結果をみると、 今後も引き続き参加を希望してい
る人が多いことが確認できます(図3-6・3-7)。 このような人たちをリピーターとして定着させていくために
は、 指導者および運営スタッフを確保し、 体験教室やイベントの質を高めていくことが急がれます。
とはいえ、 現状では必要な人材を雇用できるだけの事業収入がなく、 直ちにシースポで指導や運
営に従事できる十分な人材を確保するのは容易ではありません。 このようなことから、当面は従来の人
的ネットワークを拡充することで人材の確保を図り、中長期的には子どもたちへの指導を通して将来の指
導者を着実に育成していくなどの取り組みが必要と考えられます。
どちら
物足り
0.0%
20
参加
n=
答
%
満足
参加したい
90.8%
75.8%
図3-6 体験教室・イベントの満足度
図3-7 体験教室・イベントのリピートの意思
シ(ースポの体験教室・イベント参加者に対
するアンケート調査の結果,2007年)
同(左)
27
20
取り組みの方向
①体験教室やイベントのための指導者・スタッフの確保
短期的には、 海の駅クラブが持つ人的ネットワークや指導者講習の修了生による支援を得つつ、 関
連団体との人材の相互補完や既存の人材バンクなどとの連携も視野に入れ、 利用者の要望に応えて
いきます。 特にヨットを指導できる人材の養成に努め、 指導者の増員を図ります。
また、 自然観察に関するアドバイザーとの協力関係を構築するとともに、インタープリターの養成にも
努めます。 さらに、 市内で地引き網体験や船釣りを運営する漁業者を確保していきます。 このほか、
現在シースポを運営している海の駅クラブが各主体をつなぎ、魅力的なメニューを新たに構築するコー
ディネーターとしての役割を果たしていきます。
○指導者や運営スタッフの人材バンクの設置(主体:海の駅クラブ)
⇒目標:登録指導者20名確保2(007年度現在:暫定6名)
登録運営スタッフ50名確保2(007年度現在:暫定20名)
○指導者養成プログラムの作成(主体:海の駅クラブ、高知県セーリング連盟)
○自然観察 大( 手の浜サンゴなど)に関するアドバイザーとの協力関係の構築およびインタープ
リターの養成(主体:海の駅クラブ、大手の浜なぎさの会、香南市)
○地引き網体験や船釣 りを運営する漁業者の確保
(主体:高知県漁業協同組合手結支所・赤岡支所、香南市)
マリンスポーツ教室での指導・体験サポートの風景
28
② 将来のマリンスポーツ振興を担う人材の育成
中長期的な視点からみると、高知大学や夜須中学校のヨット部の卒業生は将来、香南市のマリンスポ
ーツ振興を担う人材に育つ可能性があります。 その実現のためには、 地元に就労の場が確保されるな
どの条件を整える必要がありますが、 庁内関係部局と連携して、将来の人材育成に向けた取り組みを
模索していきます。 また、 市内の他の中学校でマリンスポーツ部が発足できるよう必要な支援をしてい
きます。
○夜須中学校のヨット部の活動支援 部( 員の指導や施設利用の優遇など)
(主体:海の駅クラブ、高知県セーリング連盟、香南市)
○市内中学校のマリンスポーツ部新設の促進支援(主体:香南市)
夜須中学校ヨット部の練
習風景
29
(3)利用フィールドの保全と管理
現状と課題
マリンスポーツの振興のためには、 そのフィールドとなる自然環境の保全と管理が必須条件となりま
す。 しかし現在、夜須沿岸域における水質の悪化が懸念されており、特に近年ヤ<Vィパーク海水浴場
の水質の悪化が指摘されています。 少しでもきれいな水質を維持し、 改善を図りながら持続的に利用
していくためには、 流入河川である夜須川の水質保全(特に富栄養化の要因となる窒素・リンの流出抑
制)に取り組んでいくことが重要です(図3-8)。
一方、シースポのヨットハーバー(旧海水浴場)では、ヨット斜路付近に恒常的に堆砂・堆石が生じ、
ディンギーヨットやシーカヤックの活動に支障をきたしています。 大手の浜には振興の大きな柱となるサ
ンゴ群集も広がっており、 これらの自然資源の改善を図り、守り活かしていくことが求められます。
また、 海岸ではしばしば不法投棄物がみられ、 特に台風などの後には砂浜や近隣の港に多くのゴミ
が漂着し、美しい景観が阻害される事態となります。 現在、 市民が主体となって清掃活動を行っていま
すが、 今後は広く参加者を募り継続的に実施しつつ、 ゴミなどを投棄しないよう呼びかけていくことも必
要です。
これらのほか、マリンスポーツ活動を行う際には、海域での事故や漁業者とのトラブル、サンゴなどの
自然環境の破壊といった安全やマナー上の問題が生じる可能性があります。今後、 これらを回避する
ための利用上のルールづくりが必要です。 また、 高知県では近い将来に南海・東南海地震が発生す
ることが予想されており、 この地震に伴う津波から利用者の安全を確保する方策も求められます。
.5
)L
/g .0
(m
素
窒 0.5
総
千本池橋
0.0
上流端0
夜須川の河口
0.06 2 4 6 8
)L
/g 0.04
(m
シースポのヨットハーバー(旧海水浴場)に河口を持つ夜須川は、
中流から下流にかけて総窒素、総リンがやや過多な状態にあるとい
河口からの距離(km)
えます(貧栄養の目安とする水準:総窒素0.7mg/L以下、総リン
0.025mg/L以下)。 このことは、農地からの負荷や生活排水の処理
図3-8 夜須川の水質の現状
形態などの関連が考えられ、必要に応じて改善を図っていくことが
リン0.02
富(栄養化の指標である総窒素・総リンの流程変化,2007年)
総
0.00
重要です。
30
取り組みの方向
① 夜須沿岸域の自然環境の保全
全てのマリンスポーツのフィールドとなる自然環境の保全を図ります。 特に沿岸域の水質はフィール
ドとしての魅力に大きくかかわることから、ヤ・シィパーク海水浴場、 ヨットハーバー (旧海水浴場)、 流
入河川である夜須川の水質を監視し、 市民の意識を高めるための啓発活動を行います。 また、 ディ
ンギーヨットなどの活動に支障をきたしている堆砂の問題については、 関係機関と協議し、 除去などの
対策を講じます。
大手の浜のサンゴは重要な資源であることから、 定期的に成育状況のチェックを行いその保全に努
めます。 さらに、 サンゴを活かした体験学習などの際に清掃イベントをあわせて実施するなど、 市民
や関連団体との連携も図りながら自然環境や美しい景観を守っていくことの重要性を訴えかけていきま
す。
○ヤ・シィパーク海水浴場の水質モニタリング(主体:ヤ・シィパーク、高知県)
○夜須川の水質モニタリングと流域住民に対する水質保全の意識啓発(主体:香南市)○大手の
浜サンゴの成育状況の定期的なチェック(主体:大手の浜なぎさの会、香南市)○ヨット斜路周辺
に堆積する砂や石の除去 (主体:香南市)
○砂浜の清掃イベントの実施(主体:海の駅クラブ、高知県セーリング連盟、ヤ・シィ
パーク、 大手の浜なぎさの会、 香南市)
大手の浜に広がるサンゴ群集
市民参加による砂浜の清掃活動
31
② 夜須沿岸域のフィールド利用のゾーニングとルールの作成
夜須沿岸域でのフィールド利用のゾーニングを行い、 各ゾーンについて安全やマナーに関する利用
ルールを定め、 それぞれの種目と漁業を共存させた振興を図ります (図 3-9)。各ゾーンの境界位置
やその中での利用ルールは、 漁業水域の指定範囲と規制事項に留意し、今後関連団体間の協議によ
って取り決めていきます。
また、 「香南市地域情報センター」 の津波避難施設を活用した地震・津波発生時の緊急避難マニュ
アルを作成し、 利用者への周知を図ります。
○フィールド利用のゾーニング図および各ゾーンの利用ルールの作成 (主体:海の駅クラブ、
ヤ・シィパーク、高知県漁業協同組合手結支所、大手の浜なぎさの会、高知県)
○津波対策マニュアルの作成(主体:海の駅クラブ、ヤ・シィパーク、香南市、高知県)
図3-9 夜須沿岸域のフィールド利用のゾーニング案()注)国
土地理院撮影の空中写真2(004年撮影)を使用。
32
3.続ける
∼ マリンスポーツ振興に向けた取り組みが持続的に展開するしくみづくり
(1)拠点施設の持続可能な運営
現状と課題
本計画を持続的に展開していくためには、 携わる主体の運営収支について考慮することが欠かせま
せん。 とりわけ、振興の中核を担うシースポが持続的に運営されることは、本計画の実施にあたっての
必要条件ともいえます。
シースポは現在、 香南市が支出する施設管理料に加え、 指定管理者である海の駅クラブが各種マ
リンスポーツ事業を実施して収入を得ることで運営が維持されています。 市全体のマリンスポーツの振
興にとって、 シースポでの事業を持続発展させていくことは欠かせない取り組みといえますが、 市の財
政状況などから、 その事業収支は今後も厳しい状況が続くことが予想されます。 このため、 マリンスポ
ーツ振興という公益性の高い事業に取り組みつつも、 採算性を見据えた展開が課題となっています。
取り組みの方向
① シースポの自立運営の実現
シースポの持続的な運営のため、 これまでの実施事業を見直し、 無償または低料金で実施している
公益性の高い事業と収入増につながりやすい事業をバランスよく展開していきます。学校、企業や競技
団体の合宿・研修など、団体受け入れの拡大を図りつつ、集客力のあるヤ・シィパークや道の駅やすの
利用者を対象とした体験サービスなど、 収入増を見込める新たな事業の導入も検討します。
なお、施設の管理・運営が安定路線に乗るまでは、上記の取り組みを進めつつ、当座の必要な資金
や施設のランニングコストを軽減できる設備の設置費用を、 交付金事業や助成制度によって得ることも
考慮します(表3-7)。助成制度については、国や地方公共団体によるものだけでなく、 マリンスポーツ
活動の推進や人材育成、 施設整備などを支援する民間助成金を活用することも視野に入れます。
○学校などの団体客を対象とした体験メニューの充実 (主体:海の駅クラブ)
○企業研修の受け入れおよび独自のパッケージメニューの開発 (主体:海の駅クラブ)○ヤ・
シィパーク利用者 遠( 足での来訪者など)を対象としたメニューの開発
(主体:海の駅クラブ)
○各種交付金事業・助成制度の活用(主体:海の駅クラブ、香南市)
33
表3-7 国や県による交付金事業・助成制度の例
事業名
事業概要
補助の対象となる項目
注)2007年12月現在。
34
補助率
所管
② 地域との協力連携による運営のしくみづくり
シースポなどの拠点施設に来訪者が増えることで利益を得られる地元企業や商店、 宿泊施設などを
スポンサーとして募り、 その資金を元にマリンスポーツの振興活動が持続できるしくみづくりを検討しま
す(図3-10)。得られた資金は公益性の高い自然保護活動やマリンスポーツ体験教室の開催などに運用
します。 スポンサーとして協力いただいた企業や商店は、 香南市や海の駅クラブなどのホームページ
へバナー広告を掲載するなどしてイメージアップを図ることができ、 海の駅クラブは体験教室の運営スタ
ッフを確保していけることとなります。このようなつながりを広げていくことによって、 さらに集客力が高ま
っていくことが期待されます。
また、 海の駅クラブとシースポ周辺の宿泊施設との間で協定を結び利用者を紹介しあうなど、 協力
関係を築いていくことにも積極的に取り組んでいきます。
○マリンスポーツを核とした地域連携のしくみの構築(主体:海の駅クラブ、香南市商工会)○海の駅
クラブ ・香南市ホームページへのバナー広告の掲載
(主体:海の駅クラブ、香南市)
○海の駅クラブと宿泊施設間の協定締結の推進(主体:海の駅クラブ)
図3-10 マリンスポーツを核とした地域連携のしくみのイメージ
35
(2)各主体の連携
現状と課題
本計画の実施にあたっては、 関係する各主体が協力連携して取り組んでいくことが重要です。 これ
までは各主体がそれぞれに活動してきた感がありますが、今後はNPO、漁協、学校、民間企業、各種団
体、行政などが協力しあって魅力的なメニューづくりや人材交流、情報交換などを積極的に行っていく
必要があります。 また、 既存の宿泊施設の積極的活用や民家宿泊の可能性なども検討し、香南市の
地域資源を広く活かしてブルーツーリズム (都市漁村交流) へと展開させ、 修学旅行などの受け入れ
につなげていくことも有効な取り組みといえます。
また、 現状シースポおよびその周辺エリアを訪れる人々は、 そのほとんどが車での移動ですが、 公
共交通機関とのタイアップや送迎サービス、 サイクリングロードの活用などを検討することによって、 手
軽に訪れ、周遊できるスタイルを定着させることが必要です。
観光地引き網の体験風景岸
(本海岸)
シュノーケリングなどによるサンゴ観察大(手の浜)
シイラのルアーフィッシング手(結沖)
36
取り組みの方向
① 関連団体の連携による付加価値の高いメニュー・サービスの提供
シースポおよびその周辺エリアへの来訪者がマリンスポーツを満喫し、 市民と交流しながら滞在でき
るしくみとして、表3-8のようなブルーツーリズムのメニュー・プログラムを整備していきます。 その実現に
向けては、 前述した各マリンスポーツ種目の振興の方向に基づき、それぞれを適切に組みあわせ、必
要な人材を配置していくことを検討します。また、 団体客が当地での宿泊を希望する場合は、 事前に
市内のホテル・旅館に協力を呼びかけることで円滑な受け入れを図ります。
一方、土佐くろしお鉄道(ごめん・なはり線) とのタイアップによって、イベント時の道路渋滞の緩和、
近隣市町村からの交通利便性の向上を図ります。 また、 各拠点間の周遊性の向上と利用促進を図る
ため、 サイクリングロードの活用を検討します。
これらの取り組みを進めながら、 将来的には、 夜須から吉川まで香南市の沿岸域全体を活用したブ
ルーツーリズムの確立を目指します。
○各拠点の連携によるブルーツーリズム 都( 市漁村交流)のメニュー構築
(主体:海の駅クラブ、香南市観光協会、香南市商工会)
○市内宿泊施設との連携による送迎サービス導入の検討および円滑な受け入れ体制の構築
(主体:海の駅クラブ、香南市観光協会)
○イベント時の渋滞緩和 ・交通利便性の向上に向けた土佐くろしお鉄道とのタイアップ
(主体:香南市観光協会、香南市)
○周遊性の向上を図るサイクリングロードの活用の検討 (主体:香南市)
② 地域内連携による長期滞在の受け入れ体制づくり
当地は冬季でも比較的温暖な気候が保たれ、 マリンスポーツの体験やセーリング競技のトレーニング
に適した環境といえます。 このような特性を活かして、 各種関連団体と連携して修学旅行や大学・企業
のヨット部、競技チームの合宿誘致に取り組んでいきます。また、合宿や長期滞在のための受け入れ体
制づくりとしては、現状稼働率の低い公共施設の活用方策を検討するとともに、 ニーズに応じてシース
ポ近隣の既存施設の再利用についても模索していきます。 また、 民家宿泊など、 市民にも合宿受け
入れに対する協力を呼びかけていきます。
○各種関連団体と連携 した修学旅行や競技団体の合宿の誘致
(主体:海の駅クラブ、高知県セーリング連盟、香南市商工会、香南市)○公共施
設の宿泊施設としての活用(主体:香南市)
○市民に対する民家宿泊への協力の呼びかけ(主体:香南市)
37
表3-8現在行われているブルーツーリズム県(外からの体験合宿)のメニュー例
受け入れ規模
小学第4∼ 6学年児童約80人および引率者
受け入れ時期
7月下旬頃
13:30 南国IC
夜須町
14:00∼18:00
シースポ 着
■マリンスポーツ体験 (シーカヤック/手結内港クルージング/長太郎貝みがき)
夜須町 手結漁協 着
1
日
目
18:30∼19:30
■夕食:地元の新鮮魚介のバイキング (漁の話・シイラのさばきあり)
赤岡町 着
19:40∼20:20
■絵金祭り見学
芸西村 土佐ロイヤルホテル 着
20:30∼21:20
行程
■入浴(海洋深層水風呂)
21:30 夜須町 香南市サイクリングターミナルしおや宿 着
6:45 夜須町 香南市サイクリングターミナルしおや宿 発
香我美町 岸本漁協 着
7:00∼9:00
2
日
目
9:20∼10:20
■地引き網体験(舟だし体験/朝食/網上げ・片づけ)
赤岡町 絵金蔵 着
■歌舞伎絵学習/まち歩き探検
夜須町 着
10:30∼12:00
■昼食・道の駅やすで土産購入
12:30 南国IC
体験合宿の風景
マ(リンスポーツ・地引き網体験
漁(協での体験学習:漁師さんの話・シイラのさばき・長太郎貝みがき)
38
(3) 市民が日常的にマリンスポーツに親しめる環境づくり
現状と課題
前述したように、マリンスポーツはまだまだマイナーな存在であり、当面の課題は、未経験者がマリンス
ポーツをはじめられる機会を提供していくことだといえます。 本計画の実施によって海やマリンスポーツ
に親しむ人が増えてくると、 市民が生涯スポーツとしてマリンスポーツを手軽に続けていける環境づくり
が次の課題となります。 心身ともに健康な市民が育ち、 マリンスポーツとその振興の考え方や取り組み
全体が香南市のブランドイメージとなっていくためには、 この課題を視野に入れた取り組みを検討する
ことが欠かせません。 しかし、 陸上でのスポーツやレジャーに比べると、 マリンスポーツは活動種目に
よって用具の確保にお金がかかることや、 安全性の問題、 天候などにより活動日が限定されるなどの
制約を伴うため、 継続していくうえではややハードルが高いことは否めません。このため、このハードル
を可能な限り取り除き、より楽しみとやりがいを感じられるような環境づくりを行っていくことが求められま
す。
取り組みの方向
① マリンスポーツを手軽に続けられる環境づくりの推進
市民が最小限の用具を持参するだけでいつでもマリンスポーツを楽しめる環境づくりを進めます。 こ
のため、ヤ・シィパークでの用具レンタル(浮き袋、ビーチバレーのネットやボール、アウトドア用の車椅子
など)のサービスの継続・拡充を図ります。シースポでは、海の駅クラブの会員や「大人のヨット教室」の修
了者にシーカヤックやディンギーヨットが貸し出されていますが、 この制度をさらに拡大して、 これら以
外の利用者が求める用具のレンタル制度の導入を検討します。 さらに、 新施設の一部を日常的に開
放し、 図書や資料を自由に閲覧・使用できるようにする(必要に応じて市民インタープリターがアドバイ
スする) など、 マリンスポーツや自然環境の知識を手軽に得て深められる環境づくりに取り組みます。
○シースポ、ヤ・シィパークでの用具レンタル制度の継続・拡充
(主体:海の駅クラブ、ヤ・シィパーク)
○新施設での資料閲覧サービスの導入(主体:海の駅クラブ)
39
② マリンスポーツを続けることがより楽しくなる環境づくりの推進
マリンスポーツを続けることの楽しみは、 技術向上や健康増進など、 自分自身のレベルアップを図
れることはもちろん、 幅広い年代や市内外の人々と交流できること、 それを通じて新たなモチベーショ
ンを生み出せることにもあるといえます。 そこで、 シーカヤックやディンギーヨットのミニレースや、 ビー
チコーミングで拾い集めた素材によるクラフト作品の展示・品評会などのイベントの開催、 日常的な情報
交流の場づくりなど、マリンスポーツを続けることの楽しさや喜びを仲間と分かちあえる機会をつくってい
きます。
○マリンスポーツを愛好する市民が交流できるイベン トの開催
(主体:海の駅クラブ、ヤ・シィパーク、香南市)
○日常的に情報交流を行える場新(施設など)の提供(主体:海の駅クラブ、香南市)
イベント後に催されている
パーティのもよう
40
第4章 計画の実施体制
1. 各主体の役割分担と実施スケジュー
ル
前章に述べた取り組みを推進するためには、 各主体がそれぞれの役割を担い、 協力連携して活動
を展開することが必要です。 本計画では、 取り組み項目ごとに各主体の役割を明確にし、 計画対象期
間内の実施スケジュールを定めて円滑な推進を図ることとします (表4-1、4-2)。
表4-1 取り組み項目ごとの役割分担
取り組み主体
取り組み項目
広
め
る
高
め
る
続
け
る
海
駅
C
ヤ
シ
ィ
高
セ
連
手
結
漁
赤
岡
漁
香「 南市マリンスポーツメニュー」に基づいた各種目の効果的な振興
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
マリンスポーツの裾野拡大に向けたシースポでの事業の推進
○ ○ ○ ○
障害のある方たちの体験 ・交流事業の促進
○ ○ ○
幅広い年代が海やマリンスポーツに親しめる事業の促進
○ ○ ○ ○
既存メディアと地域情報センターを通じた効果的な情報提供
○ ○ ○ ○
インターネットによる広域的な情報発信
○ ○ ○
シースポの拠点機能の充実とバリアフリー化の推進
○ ○
シースポの魅力をさらに向上させる整備の促進
○ ○
な
ぎ
さ
観
光
協
体験教室やイベントのための指導者・スタッフの確保
○ ○ ○ ○ ○ ○
将来のマリンスポーツ振興を担う人材の育成
○ ○ ○
夜須沿岸域の自然環境の保全
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
夜須沿岸域のフィールド利用のゾーニングとルールの作成
○ ○ ○ ○ ○ ○
シースポの自立運営の実現
○ ○
地域との協力連携による運営のしくみづくり
○ ○ ○
関連団体の連携による付加価値の高いメニュー・サービスの提供
○ ○ ○ ○
地域内連携による長期滞在の受け入れ体制づくり
○ ○ ○ ○
マリンスポーツを手軽に続けられる環境づくりの推進
○ ○ ○
マリンスポーツを続けることがより楽しくなる環境づくりの推進
○ ○ ○
商
工
会
凡例振(興の主な取り組み主体)
海駅C:海の駅クラブ
ヤシィ:ヤ・シィパーク
高セ連:高知県セーリング連盟
手結漁:高知県漁業協同組合手結支所赤岡
漁:高知県漁業協同組合赤岡支所なぎさ :
大手の浜なぎさの会
41
観光協:香南市観光協会商
工会:香南市商工会
香
南
市
高
知
県
図4-1に各主体間の具体的な取り組みの体制を示します。なお、 ここに掲げた主体以外の団体や市
民(関連NPOや各種団体、民間企業、研究機関など) とも取り組み内容に応じて積極的に連携を図って
いきます。 特に香南市のスポーツ全般の振興にかかわっていくことが期待される「NPO法人かがみスポ
ーツクラブ」は、海の駅クラブとともに生涯スポーツの充実と発展を目指して連携を強化していきます。
図4-1 各主体の連携による取り組みの推進体制
42
表4-2 計画の実施スケジュール
年度
2008
推
進
組
織
2009 2010
振興 協議 会定 例
の開
催 (
地域 情報 セン タ
を通
じた
観光 協会 HPに おけ る
ータ
ルサ
香「 南市マリンスポーツ振興協議会
仮( 称)」の立ち上げと運営
香「 南市マリンスポーツメニュー」に
基づいた各種目の効果的な振興
2011 2012
2∼
3回 )
興協 議 の立 ち上 げ
会
スプリ ングカ ップin YAS
マリンスポーツの裾野拡大に向けた
シースポでの事業の推進
ヤ・シ カヤッ クマラ ソン
障害のある方たちの体験・交流事業
広 の促進
め
る
幅広い年代が海やマリンスポーツに
親しめる事業の促進
既存メディアと地域情報センターを
通じた効果的な情報提供
日本
リンフ
スポ ツマス ターズ 競技
ー
会
ェス ィバル
インターネットによる広域的な
情報発信
シースポの拠点機能の充実と
バリアフリー化の推進
報
提供
YASU
ト開 設・
運用
利便 性の 向上 につ な るサ ービ ス提 供の 検討
マリ
ンス ーツセ ンター 仮称) の建 設
ポ
シースポの魅力をさらに向上させる
整備の促進
体験教室やイベントのための
高 指導者・スタッフの確保
め
る
将来のマリンスポーツ振興を担う
人材の育成
人材バ ン
ク
導 養成 プロ グラ の 成
者
ム 作
の
設
指
導
置 運用
者 成プ ログ ム 運
養
ラ の 用
夜須沿岸域の自然環境の保全
夜須沿岸域のフィールド利用の
ゾーニングとルールの作成
シースポの自立運営の実現
波対 策 ニュ ル 作
マ ア の 成
津 対 マ ュア ルの 周
波 策
知
各ゾ ーン にお け ルー ルの 知
る
周
ール ド利 用の ゾ ニン ・ ール の 成
ー グ ル
作
協賛 企業 の募 集・
地域との協力連携による運営の
しくみづくり
P上 での バナ
ー広 告の 掲載
関連団体の連携による付加価値の
続 高いメニュー・サービスの提供
け
る
地域内連携による長期滞在の
受け入れ体制づくり
マリンスポーツを手軽に続けられる
環境づくりの推進
マリンスポーツを続けることが
より楽しくなる環境づくりの推進
2010年度末
計画内容 ・実施状況の確認
43
2. 計画の実施およびチェック体制
本計画に掲げた取り組みを着実に進め、 またその内容を引き続き検討していくためには、必要な活
動や協議を行う基盤組織を機能させることが有効です。 そこで、 関連団体および市民有志をもって構
成する 「香南市マリンスポーツ振興協議会 (仮称)」 を設置し、各々が連携しながら計画の実施とチェ
ックを行っていくこととします。振興協議会は、当面、香南市教育委員会生涯学習課が事務局を務め、
会議運営にあたります。 会議では、 本計画の進捗状況の確認をはじめとして、 新たな取り組みの検討
やイベントなどに関する情報交換を行い、 マリンスポーツの振興を継続的なものにしていくことに努めま
す。
44
香南市マリンスポーツ振興計画策定までの経緯
期日
検討内容
2007年9月6日
■第1回香南市マリンスポーツ振興計画策定委員会
○計画策定趣旨の確認
○現状と課題の把握
2007年10月15日
■第2回香南市マリンスポーツ振興計画策定委員会
○各マリンスポーツ種目の振興に関する検討
2007年11月21日
■第3回香南市マリンスポーツ振興計画策定委員会
○計画のテーマおよび実施方針の検討
○香南市マリ ンスポーツ施設の整備に関する検討
2007年12月21日
■第4回香南市マリンスポーツ振興計画策定委員会
○香南市マリンスポーツ振興計画(案)の審議
2008年1月28日
■第5回香南市マリンスポーツ振興計画策定委員会
○香南市マリンスポーツ振興計画の策定
香南市マリンスポーツ振興計画策定委員
氏名
所属・役職名
委員長
岩瀬 文人
財団法人黒潮生物研究財団 黒潮生物研究所長
委員
足達 和世
香南市観光協会 事務局長
〃
清藤 真司
高知県議会議員
〃
志磨村 公夫
香南漁業協同組合 代表理事組合長
〃
西内 治水
大手の浜なぎさの会
〃
西内 慶明
NPO法人かがみスポーツクラブ クラブマネージャー
〃
野本 修身
手結漁業協同組合 代表理事組合長
〃
畠中 義雄
香南市商工会長
〃
丸岡 克典
NPO法人YASU海の駅クラブ 理事長
〃
山本 宏幸
道の駅やす駅長
〃
山本 誠
高知県セーリング連盟 副会長
〃
松本 州兄
高知県土木部 海岸課長
〃
森部 慎之助
高知県土木部 港湾課長
〃
中元 秀広
香南市商工水産課
井土 晴喜
NPO法人YASU海の駅クラブ
事務局
(敬称略)
香南市マリンスポーツ振興計画
2008年2月
編集・発行
香南市教育委員会生涯学習課
〒781-5601香南市夜須町坪井1-1 TEL
0887-57-7523 FAX 0887-55-1045
http://www.city.kochi-konan.lg.jp/
計画受託
株式会社西日本科学技術研究所
〒780-0812 高知市若松町9-30
TEL 088-884-5151 FAX 088-884-5160
http://www.ule.co.jp/