第9節 就労環境の向上 1 雇用機会の拡大と安定化 [現状と課題] 技術

第9節 就労環境の向上
1 雇用機会の拡大と安定化
[現状と課題]
技術革新などの産業構造の変化等による経済社会の変遷が雇用の面にも大きく影響して、
労働者の高齢化や女性の職場進出が進んでいる。
また、若年労働者の減少、労働力人口の高齢化や、就業形態の多様化、女性の雇用機会
の増加、産業ロボットの導入、OA機器の導入によるテクノストレスの発生など、労働者
を取り巻く環境の変化が生じている。
さらには、価値観の多様化もあって、企業は人手が足りない、求職者は仕事がないなど、
雇用のミスマッチとなっている。
定年延長や労働時間の短縮への対応といった社会的要請もあり、その対応が求められて
いる。
インターネット等最新の情報技術、若年層の雇用問題など新たな就業形態で働く人が増
加するものと考えられ、多様な働き方が選択肢としてあり、その就業環境を整備していく
必要がある。
女性の就業率は富山県が全国第4位と女性の役割は極めて大きくなっている。しかし、
配置や昇進が男女で異なったり、結婚や出産等のため、キャリアを活かすことができない
などの問題があり、働く場における実質的な男女平等を実現することが必要である。
外国人労働者 については、労働環境の改善を図るとともに、職業相談や求人・雇用管理
の改善の施策を推進してその能力の活用を図る必要がある。
[目標と計画]
①
IT革命など労働者を取り巻く厳しい環境に対応するため、中高年齢者やパートタイ
マーの就業機会の拡大、職業能力の向上、再開発の促進や勤労者融資制度、雇用奨励助
成制度、勤労者福利厚生事業、労働福祉施設等の充実を図る。
②
職業訓練、能力再開発等の技能、資格取得に関する情報提供に努め、中高年齢者の技
能の向上と再就職を推進し、雇用の促進を図る。
③
インターネット等を通じて、市内企業のPRや求人情報の提供に努め、U・I・Jタ
ーン者も含め、市内企業の雇用を支援する。
④ 公共職業安定機関等との連携を強め、雇用就業対策を推進する。
⑤
心身障害者雇用、外国人労働者の活用について、障害者雇用事業所の育成に努めるな
ど一般雇用の場への参加を促進する。
⑥
男女の雇用機会均等の趣旨に鑑み、人事・賃金・待遇などの男女格差を取り除き、女
性の能力開発、技能の習得向上の機会の確保を図る。また、女性の行政機関への積極的
な登用など、社会的な地位の向上と定着を推進する。
2 勤労者福祉の充実
[現状と課題]
労働時間の短縮は、勤労者の心身の健康維持により、仕事の効率や創造性を確保し、ま
た、高齢者や障害者を含めたすべての勤労者に働きやすい職場環境づくり、職業生活と家
庭生活、地域生活との調和に資する重要な課題である。しかしながら、本市の年間労働時
間は徐々に短縮しているものの、とりわけ、中小企業の労働者が働きがいとゆとりを感じ
られる魅力ある職場づくりに向けて、労働時間の短縮等の労働条件の改善や福利厚生事業
の充実が課題となっている。
経済の低成長、グローバル化、社会の成熟化、あるいは、企業のコスト削減のため、勤
労者の働き方や就業意識の多様化が進んでいる。こうした中で、安心して働くことができ
る労働条件や職場環境の整備が重要である。また、厳しい経済情勢の中で、中小企業の活
性化を図るためには、勤労者の充実した生活を実現することが大切であり、退職金制度へ
の加入促進や福利厚生事業の充実を進めることが重要である。
労働時間短縮に伴う勤労者の多様な余暇ニーズに対応し、勤労者福祉施設において利用
者のニーズにサービスが提供できるとともに、勤労者の心身のリフレッシュや交流を促進
するため、文化・スポーツ活動を実施する必要がある。
[目標と計画]
①
労働条件の改善、勤労者福祉の充実、労働時間短縮等、勤労者が安心して働くことが
でき、ゆとりと豊かさを実感できる職場環境の創造を推進する。
② 勤労者の生活安定、余暇利用のための福利厚生制度・施設の整備拡充を図る。また、
小規模事業所の労働者の健康保持を図るため健康診査制度の充実を推進する。
③
経済社会情勢の変化に対応して、労働時間の短縮、完全週休 2 日制の実施、年次有給
休暇の取得等について、中小企業などにも定着するように啓発に努める。
④
勤労者の多様化する余暇ニーズに対応できる環境づくりのため、勤労者福祉施設の整
備充実を図るとともに、生涯学習やスポーツ活動の拠点施設についても整備拡充を図る。