平成19年11月28日 市政クラブ21 会派視察報告 <日程> 10月30日(火) 登別市→新千歳空港→羽田空港→福岡空港→吉野ヶ里町視察 (14時40分~)→唐津市宿泊 10月31日(水) 唐津市視察(9時15分~)→伊万里市視察(14時15分~) →嬉野市宿泊 11月 1日(木) 嬉野市視察(9時15分~)→鹿島市視察(13時00分~) →長崎市宿泊 11月 2日(金) 長崎市視察(8時45分~)→長崎空港→羽田空港 →新千歳空港→登別市 <調査項目> 1.吉野ヶ里町(報告者:山田新一) ①吉野ヶ里遺跡 ・遺跡の保存と活用を図る整備事業の現地視察 2.唐津市(報告者:沼田一夫) ①病後児保育事業について ・事業概要 ・事業導入までの経緯 ・事業開始までの設備投資(増改築や備品整備等の内容と投資費用額) ・利用者数(年齢・預かり理由別に月毎の推移表) ・収支状況 ・受け入れスタッフ体制(保育師・看護師・管理者の設置基準) ・事故や急変時対策(フローチャート等) ・事業開始までの市民への調査項目と結果 ・医師会との関わりについて(事業開始までの医師会の反応、意見) ・実施後の効果及び課題点について ・現場視察 2.伊万里市(報告者:山口賢治) ①NPO 法人小麦の家への文書逓送業務委託について ・業務概要 ・業務委託までの経緯 ・委託料・委託業務量 ・「小麦の家」施設概要 ・委託業務による施設収益の変動について(利用者労賃の変動など) ・効果及び課題点について 4.嬉野市(報告者:辻弘之) ①地域コミュニティ審議会について ・事業概要 ・審議会から市へ答申された基本方針概要 ・「ミニ市役所」設置へ向けた取り組み状況 ・審議会の組織体系 ・効果及び課題点 ・議会との関係 ②病後児保育事業について ・事業概要 ・事業導入までの経緯 ・事業開始までの設備投資(増改築や備品整備等の内容と投資費用額) ・利用者数(年齢・預かり理由別に月毎の推移表) ・収支状況 ・受け入れスタッフ体制(保育師・看護師・管理者の設置基準) ・事故や急変時対策(フローチャート等) ・事業開始までの市民への調査項目と結果 ・医師会との関わりについて(事業開始までの医師会の反応、意見) ・実施後の効果及び課題点について ・現場視察 5.鹿島市(報告者:上村幸雄) ①ごみ減量化への取り組みについて ・買い物袋持参運動・その他ごみ減量化運動の概要 ・マイバック無料配布実施までの経緯 ・消費者協会や市民団体等との連携について ・市民への浸透状況 ・今後の取り組み予定 ・課題点 6.長崎市(報告者:熊野正宏) ①長崎原爆資料館 ・ 被爆地における平和教育の現地視察 視察先:佐賀県 日 吉野ヶ里町 吉野ヶ里歴史公園 時:平成19年10月30日(火)14時40分 ~16時時20分 報告者:山田 新一 内容: 吉野ヶ里遺跡は1986年からの発掘調査によって発見され、弥生時代の大規模な環 濠集落跡である。現代は国営吉野ヶ里歴史公園として一部を国が管理する施設となって いる。竪穴住居、高床住居、倉庫がみられ、物見やぐらや二重の環濠など、防護的な性 格が強く出されており、日本の城の始まりとも思える様に建物が巨大化し、環濠も二重 となり最盛期を迎える。その後の古墳時代の始まりと共に高地性集落が消滅する。これ は戦乱の世が始まり、もう豪や土盛りなどの防護施設や高地性集落の必要性がなくなっ たことを示すものである。一方、人々は安定した食料の確保を求め、、水田の開拓に力 を入れだした。その規模の大きさと保存の仕方、一方で見学者に古代文化や当時の生活 の体験ができるイベントの工夫などができる、多くの店が並んでいた。 さて、登別市には現在、国指定文化財が1、市指定文化財が7ある。この他にも史跡、 記念碑、歌碑などたくさんの文化財が市内にある。これらは、日本の長い歴史の中で生 まれ、今日の世代まで守り伝えられた貴重な財産です。そこで当市として、登別文化交 流館として市内で出土した埋蔵文化財の展示、保管の場所とするほか、市民や児童・生 徒の学習体験学習コーナーや、地域住民の交流スペースも設けている。3階には各種活 動を発表するギャラリーとして活用する目的で、平成18年から「カントレラ」の名称 で開設した。 特に埋蔵文化財については、単に発掘された遺跡の展示だけでなく、見学者に「火お こし」 「土器作り」 「土笛作り」などの体験をさせる事によって、心に強く残り、歴史の ロマンが感じとれる魅力ある施設として活用出来るのではないだろうかと感じた。本州 等から見れば歴史も浅く大々的な文化遺産や遺跡など、とても及ばない北海道ではある が、厳しい自然の中で縄文古代の人たちの思いを今、現代に呼び寄せることの一助とし ての役割と「カントレラ」が出来ればと思う。 特に最近発掘した登別富岸川右岸遺跡は4000年前の縄文時代中期から後期前半 にかけて、シカなどを捕獲する狩用の落とし穴が数多く発見された。さらに竪穴式の住 居跡が一豪確認され、土器や石器類が数多く発掘された。西胆振地区ではこれほど多く の発見は今までに無く、全道規模でみても非常に珍しいということである。 本来であれば、保存をして子供達の教育に、又多くの市民が何時でも古代の人たちの 生活にふれることが出来る、文化遺産として現時を保存するべきと思うのであるが、文 化財産保護法によれば、土地開発行為等で埋蔵物が破壊されるおそれがある場合で、調 査発掘する必要があると認めたときは教育委員会は土地の地主、開発行為事業主に対し て協力を求めることが出来るとしている。しかし発掘にかかる費用の全額を地主、事業 主が負担をすると定めている。一時補助の制度もうたわれているが、ハードルは極めて 高い。埋蔵文化財は地域の歴史と文化に根ざした歴史的遺産であることから、地域の埋 蔵文化財の状況を適切に把握することが必要である。さらに国や地方自治体は発掘に対 して適切な費用負担をするとか、土地の買い上げ等による保護及び整備活用、発掘成果 の公表、公開等、多岐にわたる行政を進めることが出来ると思う。 そのような意味からして補助体制の整備を図る必要があると感じた。発掘費用の負担 が出来ず、開発行為等で発掘すべきところが破壊されたということが数多くあったであ ろうと思われる。この埋蔵文化財保護法とは何のための法律なのか? そんな疑問をさらに大きくして視察を終えた。 視察先:佐賀県 日 唐津市 時:平成19年10月31日(木)9時15分 ~11時30分 報告者:沼田 一夫 内容: <唐津市概要> 唐津市は九州佐賀県北部に位置し、平成17年 1 月に1市7町村と合併し、その後平 成18年1月に1村と合併し、行政面積 487.45 ㎞、人口 13 万人の歴史文化観光都市 である。特に11月の唐津くんちをはじめ唐津城や唐津焼が有名である。 <事業の経過について> 唐津市では「まちかど福祉のまちづくり」を目的に行政と市民が協議を重ね、安心し て子育てが出来る街づくりを目指し、子育ての不安や相談などの情報ニーズに対する窓 口を一本化して、効率よく支援しようと平成16年 6 月に官民協力体制で「唐津子育て 支援情報センター・にこにこネット(愛称)」を設立し、運営、平成17年7月にNP O法人に認定され現在に至っている。 愛称「にこにこネット」は年中無休で朝9時~夜10時まで、子育てに関する情報の 提供や相談を行い、組織は理事5名、監事 1 名で毎月1回の理事会を行い運営活動を協 議している。 職員はセンター長とコーディネーターと合わせて10名、コーディネーターは地域で 活動されている保健師、助産師、看護師、保育士がいる。 そういった中にあって、仕事が忙しい保護者の要望に応え、子供の送迎代行や一時預 かりする「子育て緊急サポート」と、病気の回復期にある子供を代わりに看護する「病 後児保育」を新たに始めた。 組織図 NPO法人唐津市子育て支援情報センター 病後児保育部門 スタッフ 16 名 子育て支援部門 コーディネーター 作品アレンジャーなど10名 ボランティア登録10名 緊急サポート部門 スタッフ7名 <病後児保育について> 病後児保育は病気回復期の子どもを一時的に預かってくれるサービスで、センターに は看護師の資格を持つスタッフが世話をしてくれる。 センターは小児科病院と併設されており、地元医師会や病院と連携して行っている。 利用時間は午前8時30分~午後 5 時までで、看護師一人あたり 2 人を世話している。 料金は一日 1,000 円~2,000 円とのことである。 この事業は年中無料の℡相談がきっかけで、登録制になっており、これまでに病後児 保育は96名が登録されている。 スタッフはパート、有償ボランティアでまかなっているが、施設が足りないこと、ま た受益者負担のあり方などについて検討を要すると話をしていた。 しかし、子育て中の親にとって緊急時に頼れる場所があることは心強いことでもあり、 説明を聞きながら、当市にも必要性を感じた。 説明された山口センター長はご自身の経験からか、子育て支援について特別の情熱を お持ちで、「最近は地域ぐるみで子育てをする事が少なくなってきた。働く親には厳し い状況。そんな人を少しでもサポートしたい」と熱く話していた。 又、「唐津で子育てして、本当によかった。楽しかった。又、唐津で子育てしたいと の声がたくさん挙がる。そんな唐津にしていきたいと思います。」との言葉に唐津市子 育て支援に対する意気込みを感じた。 視察先:佐賀県 日 伊万里市 時:平成19年10月31日(木)13時15分 ~16時00分 報告者:山口 賢治 内容: <視察趣旨> 当市において、数年前から授産者施設に対する意識が高まってきている。今年、障が い者雇用と自立をめざし、社会福祉法人にて 1 件施設がオープンした。そんな中、平成 15 年「民間事業者による信書の送達に関する法律」が施行され、信書の送達事業など 幅広い送達業務に民間事業者が参入できるようになった。これは、障がい者団体の参入 を拒否するものではない。今回視察の伊万里市においては、障がい者の方々の自立支援 と社会参加を目指す作業所として設立された NPO 法人「小麦の家」と、シルバー人材 センターとの合同事業として、今年 2 月に信書の送達事業が開始された。当市の福祉政 策の一環として何らかの参考になればとの想いで、会派として視察することとした。 <対応説明者> NPO 法人小麦の家 片岡英隆理事 片岡洋子理事長 伊万里市総務部情報広報課 <取組に至る背景、経緯、目的> 伊万里市における郵送料の節減や事務の効率化を図るため、今まで、各出張所や各町 公民館や伊万里町周辺区長への連絡文書や回覧、チラシなどの民間委託業務を郵便法と の絡みから改善する必要性に迫られていた。そこで、平成 15 年の法律改正にあわせて、 今までの入札参加業者が消極的であった為に、シルバー人材センターと NPO 法人「小 麦の家」に打診をした結果,特定信書便事業の取得に意欲的に取組み、平成 19 年 2 月 に全国で初めて、NPO 法人として認可された。 挑戦した主な理由として、福祉施設といえども、一般企業にひけを取らないスキルア ップや資格取得の努力をしなければ、賃金がアップできない。また、平成 20 年度には 伊万里養護学校から多数の卒業生をうけいれる為、積極的に事業を拡大する必要性があ ったこと。そして、何より幸運だったのは、ヤマト福祉財団から軽商用自動車の助成が 決定していたことによるものである。 以上のような経緯より、 「特定信書便事業の許可取得」 、平成 18 年度よりの「障害者 自立支援法」に対する取組という観点より、平成 19 年度、一般の民間事業者に委託し てきた「文書逓送業務」を障がい者の方々の地域活動支援センターである NPO 法人「小 麦の家」に委託した。 <事業内容> 特定信書便事業とは、封書やはがきなどの信書の送達については、明治 4 年に郵便制 度が制定されて以来、国が独占して行われてきた。平成 15 年 4 月 1 日より、法律が改 正され、民間事業者が参入できることになった。この趣旨は、民間の多様なサービスに より、利用者の利便性が向上することを目的としている。 信書便事業には、全国全面参入型である一般信書便事業と、特定サービス型である特 定信書便事業がある。 平成 19 年 8 月時点で特定信書便事業への参入事業者は全国で 224 社ある。 特定信書便事業の役務は、長さ・幅・厚さの合計が 90 ㎝を超えるか、重量が 4kg を 越える信書郵物を送達するものを 1 号役務という。また、信書郵物が差し出されたとき から、3 時間以内に当該信書郵物を送達するものを 2 号役務といい、料金が 1,000 円を 下らない範囲内において、総務省令で定める額を越えるものを 3 号役務という。 現在「小麦の家」で取り組んでいるものは、1 号役務及び 2 号役務を行う事業認可を 受けており、伊万里郵便局や市民図書館、区長、公民館、出張所などへの公文書の送達 などが主な事業内容である。また平成 18 年 12 月には貨物軽自動車運送事業経営の認 可も受けている。 現在のところ年間 2,482,200 円という委託料金となっている。 <事業効果> 通所者の所得向上のため、常に技術の向上に取組んでいる。利用者の給与が月額 14,000 円約 40%増え、自立に一歩近づいた。また、地域社会へ出る事により、社会参 加が自然な形で実現している。更に、この事業については、市役所内職員の提案制度が もとになって生まれた事業であり、職員の意識向上にも貢献した。 <課題と対応> 事業許可における申請手続きが難題であったが、九州総合通信局の親切な指導で、当 初考えていたよりスムーズであった。また、平成 19 年度に県が制定した「佐賀県障が い者授産事業パワーアップ支援事業」に採択され、約 100 万円の交付を受けた。市と しては、コスト削減に取り組んでいるが、民間事業者よりも優良事業所と判断をし、削 減対象から外した。しかし、NPO 法人としては、当初目標としていた賃金には程遠く、 軽貨物自動車運送業務を生かした更なる業務拡大を行う必要がある。現在取り組んでい るクッキーやケーキ販売と融合させ、メッセージ付きギフト商品の開発を視野にいれて いる。 更に大きな課題としては、地方自治法により地域活動支援センターは現行法により、 随意契約ができないこととなっており、競争入札となった場合には、事業の継続性は難 しいものとなる。今後、地域活動支援センターや、小規模作業所などの障がい者施設に おいても「役務の提供」が増加すると予想されるので、地方自治法の改正を希望してい る。 <質問に対する市役所担当者からの説明内容> 障がいを持っている人たちを取材に来る方々から、写真やビデオを撮る時に、顔を映 して良いか聞かれることがある。何ら問題はないと答えている。ここで働いている職員 は、これからも地域で生きていかなければならないというスタンスを明確にしている。 逆に、地域や他の方々に知ってもらわなければならないと考えている。市の情報広報課 としては、障がい者という感覚で見てはいない。信書便の 1 つの事業者として見ている。 他の事業者は認定申請手続きをしなかった。NPO 法人はその努力をしてきた。それ であれば、1 事業者として指定するべきであると考えた。 車は週に 2 日は 2 両、それ以外は 1 両体制である。事故は今のところない。他の授 産施設は幾つかあるが、「小麦の家」はお菓子を製造し、配達までしているというとこ ろに注目した。また、経営理念がしっかりしている。他の事業者が参入しない中で、 NPO が事業に参入してもらい、市側が助けられたという認識をしている。 登録認可手続きについては、授産施設ということでのハンディや差別化などは一切な かった。マニュアル化して、CD に落とし込みをし、いろいろな所に参考にして頂きた いと考えている。議会としても特別な係わりをもったわけではない。 今後、他の官庁も含め、事業拡大が図れれば良いと考えている。 最後に 今回の視察にあたり、あくまでも福祉対策の一つとして取り組んでいる事業という認 識でお話を伺ったが、大きな間違いであった。福祉課が対応しているのではなく、総務 部情報広報課の所管事業として展開されていた。担当の方より、他の事業者が参入しな い中、勇気を持って積極的に認可申請して頂き、市が助けられたという説明を聞き、感 動をした。 今後、随意契約における地方自治法の改正や、収益性の問題、事業拡張の問題など、 解決しなければならない事が山積しているようであるが、NPO の片岡理事長及び片岡 理事ご夫婦及び、NPO をサポートする方々の、他の民間事業者に負けない製品をつく るという強い信念に関心した。その為に、一流の機械と一流の材料を使用しているとい う徹底ぶりである。帰りに、クッキーを 3 袋ほど買わせて頂いた。最後に市の担当者及 び片岡理事に心より感謝する。 視察先:佐賀県 日 嬉野市 時:平成19年11月1日(木)9時15分 ~11時30分 報告者:辻 弘之 内容: <嬉野市概要> 平成18年 1 月1日、嬉野町と塩田町が合併。人口約 29800 人、世帯数約 9800 世帯、 市域面積約 126k ㎡で佐賀県内9番目。主な産業は観光で、嬉野温泉はじめ、嬉野茶、 肥前吉田焼の窯元も市内に見受けられる。 平成19年度一般会計当初予算は1086億円。市議会議員定数は22名、議会費は 1億3655万7千円(平成19年度当初予算) 。 <病後児保育> 病後児保育とは、子どもの病気の回復期などで、保護者が家庭で育児を行うことが困 難な場合に子どもを預かる制度で、嬉野市(旧嬉野町)は佐賀県内で最初に事業実施を した町である。 先に視察した唐津市では、NPO 法人唐津市子育て支援情報センターが医療機関との 連携のもと、市の委託業務を単独で実施しており、医保施設分離型である。一方、嬉野 市でも市の委託事業では変わらないものの、医療機関内(樋口医院)に保育施設を設置 した、医保施設一体型であり、それぞれの特徴を比較検討するため両市を視察した。 事業名/次世代育成支援対策事業(乳幼児健康支援一時預かり事業) ・B型(利用者3人以下/日、スタッフ1名以上) 予算/470万5千円(国庫235万2千円・一般財源235万3千円) 委託料457万1千円 補助率 1/2(利用料 利用状況/平成18年度 需要費(消耗品費)12万4千円 扶助費1万円 通日2千円) 市内31名 市外24名 利用時間/平日8時30分~17時30分 土曜8時30分~12時 事業が開始された経緯は、受託医院長である医師が嬉野町の乳幼児検診当番医であっ たことから、地元保健師との意見交換の中で、病後児保育の必要性を認識し、自発的に 事業実施を同町に求めたことから始まる。 事業実施にあたっては、同医院の改修費約83万円で、その内約76万円を少子対策 特例交付金として町が負担している。事業は年間20万円程度の赤字となっており、同 医院の保育に対する強い理念が、事業を開始・継続させている。 唐津市では NPO 法人、行政の連動のもとで事業開始されたが、嬉野市では個人医院 主導で開始されたと言える。又、唐津市の利用人数と較べ、嬉野市の利用者数は少ない が、この点については人口規模、生活範囲が広域な点が関係していると思われる。 医保施設一体型のメリットとしては、医師が同施設内に常駐していることで、子ども の容態急変時への速やかな対応が可能な点が挙げられる。一方、医保一体型になると、 かかりつけ医が別医院だと利用しづらい現状もあると思われる。もちろん、市の委託事 業であるから、他の医院からの紹介で病後児保育を利用される方もいるが、実際は、か かりつけ医以外の医療機関を利用するのは敷居が高いのではないだろうか。 利用時間については、同医院の開院時間に合わせている都合上、8時30分~5時3 0迄の利用時間になっており、実際に稼動している家庭にはやや利用しづらい面もある と思われる。 事業実施要綱では対象者については、保育所利用者以外にも「市内に居住し、保育所 に通所している児童ではないが、前号と同様の状況にある児童(小学校低学年を含む) のうち市長が必要を認めた児童」と規定している。元来、病後児保育は共働き世帯への 育児支援として開始された事業であるが、広く児童福祉の充実を図った事業である点は 非常に参考になる。 唐津市・嬉野市共に、事業実施にあたっては医師の積極的な協力があったからこそ実 現した経緯が見える。「病後児」の定義は定めづらく、医師の専門的診断があって初め て、利用者も実施体も安心して提供できるサービスであることを踏まえていかなくては ならない。 <地域コミュニティ推進事業> 嬉野市では平成18年1月1日の合併に伴い、今後の住民組織のあり方、各地域の自 治組織の充実を目的に「地域コミュニティー審議会」を条例で設置。審議会委員を立ち 上げ、区長・老人クラブ会長や PTA など各団体代表者他、行政職員、大学教授により 構成されている。今後は、より細かに地区ごと・課題ごとの市民組織を目指しており、 当市での「市民自治推進委員会」とほぼ同様の事業イメージである。 嬉野市では同事業を今後の主用事業に位置づけ、PR ビデオやパンフレットを作成し、 各地区住民に「コミュニティー」の必要性を周知している。 地域共同体の再編は今後の地方自治の大きな課題であり、同事業には行政サービスの スリム化を図りたいとの考えが大きく影響している。例えば、町内会役員や地区消防組 織の高齢化などの課題が嬉野市でも挙げられている。 今後の具体的な取組みとして、各地域自治が独自に使途を決めることが出来る行政交 付金や、各校区に職員在住の「ミニ市役所」を設けるなど、住民自治の権限を高めるこ とを検討している。 嬉野市では、近々モデル地域を設定する予定であり、これからの取組みではあるが、 当市と同種の事業展開を比較検討するためにも、今後の動向を含めて調査を続けていき たい。 いずれにせよ、地域コミュティー推進にあたっては、行政サービスのスリム化を図り たいとの思惑が先行することなく、地域共同体の再編理念を中心に据えた事業展開を意 識しなければならない点は、当市でも同様である。 <その他> 調査項目からは外れるが、嬉野市では温泉資源を活用した「ほっとマンマ・イン嬉野」 という事業が実施されている。これは、講師に大学医師を招き、乳がん患者を対象者に、 市内旅館での温泉入浴をしながら交流を図るというものである。乳がん患者同士で肌の ふれあいを通じた心のケア(ピアカウンセリング)や、乳がんの啓蒙活動にもなってい る。全国の温泉地でも同様の事業が実施されるようになっており、他にもホットドック (温泉と健康診断)など、医療と温泉を結び付けた新たな事業展開が進んでいる。 又、嬉野温泉名物として、温泉水を利用した「温泉湯豆腐」がある。これは温泉水の 成分により、湯豆腐がトロリとした触感になるもので、昭和初期からの名物料理となっ ている。 温泉を単体の資源として捉えるのではなく、他資源と組み合わせる実例はその他の地 域でも多くあり、今後の観光振興の一案を得ることが出来た。 視察先:佐賀県 日 鹿島市 時:平成19年10月31日(木)13時00分 ~15時30分 報告者:上村 幸雄 内容: <①買い物袋持参運動について> 鹿島市環境衛生推進協議会を中心に市内各店舗での啓発・広報活動を実施しており、 市内各店舗で年2回(6月・10月)に県作成の啓発チラシやティッシュの配付を行っ ている。また、市環境衛生推進協議会が作成した『環境だより』を市内全戸に配付して 買い物袋持参運動の取り組みについて啓発・広報活動を実施している。 <②ごみ減量化について> 昭和47年より有料指定袋での回収を始め、鹿島市ごみ処理場で処分していたが、平 成元年に杵藤クリーンセンターがオープンして、ごみの分別についても可燃・不燃・粗 大の3種類による搬入を行う様になった。 平成5年からは、ただ燃やして埋める処理から、資源を活用してゴミを減量しようと 市内各地で『資源物回収』を開始し、市民にリサイクル運動の意識が起こり始めた。 また、平成7年より分別を増やして不燃物をカン類・ビン類などに分別してゴミ袋に 入る鉄類を取り出すことで、リサイクル出来るものは徹底的にリサイクルしてゴミの減 量化に努めてきている。 現在のゴミの分別種類はステーション回収は8種類で各区での回収を含めると24種 類を分別収集して、その内21種類の資源化に取り組んでいる。 さらに、家庭用生ゴミ処理機器やコンポスト・生ゴミバケツの購入などにも、市環境 衛生推進協議会などを通じて、補助金を出している。 <③マイバッグ無料配布までの経緯について> 平成13年より、佐賀県の補助事業を活用して市環境衛生推進協議会が事業主体とな り、事業費6,614,000円(佐賀県2,202,000円・鹿島市4,412, 000円)をかけて、市内全戸(1万世帯)に無料配付した。 その考え方には、世論のマイバッグ運動の高揚や市長の『市内全戸にマイバッグを無 料配付』したいとのリーダーシップもありました。ついては、市環境衛生推進協議会が 中心になり、マイバッグの色や大きさなど各地区の座談会を通じて、全戸事情徴収して マイバッグ運動の啓発や広報活動などに努め、市内事業者や市民などに買い物袋持参運 動は理解は得られたと思れる。 <④消費者協会や市民団体などの連携について> マイバッグ無料配付実施の平成14年からは、市環境衛生推進協議会や消費者協会や 市民団体などが中心になり、買い物袋持参運動の啓発活動や広報活動を実施してきた。 また、平成18年からは市内5店舗でマイバッグキャンペーンなの広報活動を実施し た際、市環境衛生推進協議会や市環境衛生職員などの、人員配置が困難であるためJA 鹿島女性部や消費者団体などへ、広報活動の参加協力や共同チラシ配布などを実施した。 <⑤市民への浸透状況について> 鹿島市では、佐賀県のマイバッグ運動やノーレジ袋推進店に登録されている店舗が2 店あり、そのうち1店舗による独自調査によると買い物袋持参率が65%程度で推移し ている。しかし、この店舗は平成19年より県内の中でも先駆けて、1枚5円のレジ袋 有料化に取り組んだところであり、市内の各店舗を見るとまだ買い物袋持参率が、10% にも満たない状況である。 <⑥今後の取り組みへの予定について> 今後も市環境衛生推進協議会を中心にJA鹿島女性部や消費者団体の連携を図りなが ら、市内各店舗の買い物袋持参運動の啓発活動や広報活動を続けると同時に、市内事業 者へのマイバッグやノーレジ袋推進店に登録を呼び掛ける予定である。 また、市内各地域でも集会や座談会においても啓発活動や広報活動をさらに力を入れ る必要がある。 <⑦マイバッグキャンペーン事業の課題について> 市内のマイバッグやノーレジ袋推進店に参加している2店舗以外はマイバッグ持参率 が伸び悩んでいるのが現状であり、原因としては市内事業者や市民が一体となった運動 へ発展していないのが考えられる。 今後は、市内各店舗での啓発活動や広報活動を月1回程度の頻度で繰り返して行うと ともに、前に述べたように市内事業者にマイバッグやノーレジ袋推進店への登録を呼び 掛けることが必要である。 鹿島市のマイバッグやノーレジ袋推進店の1店を現地店舗の視察をしたが、店舗の来 客者のおおむね半数近くが、市が配付したマイバッグを持参していたが来客者に聞いて みると、市が配付したマイバッグよりも自分で作成したものや店で購入した方が利用価 値があるようだ。 今後はマイバッグの色(2種類)や大きさ(2種類)を市民や事業者などと相談する 必要があると思われる。 <⑧今後の登別市における取り組みへの考え方について> 広域的なマイバッグ運動やノーレジ袋推進が必要であるので、北海道や登別市の行政 職員のリーダーシップや積極的な環境行政に対する、行政手腕が問われると思うので、 今後は北海道や室蘭市・登別市・伊達市などの広域的な考えで事業者や市民の理解を得 るような、マイバッグ運動やノーレジ袋推進が必要である思うので、3市行政間の取り 組みや話し合いを行ってほしい。 事業者や市民ももっと積極的に環境問題を考えて、循環型社会を目指して市民や事業 者・行政がそれぞれの役割を知り、自主的に積極的に登別市の環境行動計画に取り組み 実践しなければいけない。 視察先:長崎市 長崎原爆資料館 日 時:平成19年11月02日(木)9時00分 ~10時00分 報告者:熊野 正宏 内容: …… こよなく晴れた 青空を 悲しと思う これは、 「長崎の鐘」<詞:サトウ・ハチロー せつなさよ …… 曲:古関裕而>の冒頭の歌詞である。 昭和 24 年に出版され 10 万部を超すベストセラーとなった「長崎の鐘」は、著者 永 井隆博士の長崎での原爆被爆体験を生々しく語ったものだ。 最初、作詞を依頼されたサトウハチローは歌謡曲の詞を書くことに難色を示したが 「長崎の鐘」を読んで深く感動し作詞を引き受けたといわれている。 瀕死の重傷を負った日本という国が復興へと歩み始めた時期、藤山一朗の歌声でラジ オに流れた。独特の宗教的雰囲気とともに戦災に打ちひしがれた人々をなぐさめ、励ま し、復興へと奮い立たせた。長崎市原爆資料館には、永井隆博士(写真)の資料が数多 く展示されている。 昭和20(1945)年8月9日 午前11時2分、長崎に原爆が 投下された。74,000 人の人が亡 くなり、75,000 人の人が負傷し た。 長崎原爆資料館は、長崎市の 原爆被爆50周年記念事業の一 つとして、平成8(1996)年4 月に開館した。 原爆資料館には、年間 75 万 人の人が訪れるそうだ。館内には、原爆資料や被爆の惨状を伝える写真などの展示をは じめ、長崎に原爆が投下されるに至った経過、核兵器開発の歴史、平和希求の展示がさ れている。 長崎に原爆が投下される3日前、昭和20(0945)年8月6日 広島にも原爆が投下 された。死者は、約14万人と推定されている。 実は、広島と長崎との両方で被爆したいわゆる「二重被爆者」という人々がおられる そうである。およそ、165人ほどおられるそうだ。恥ずかしながら、先日の新聞記事 を見るまでそのことを知らなかった。 また、広島に投下された原爆と長崎に投下された原爆は、異なるものだそうである。 広島型原爆は、細長い金属の筒の両端に核分裂物質(ウラン235)を臨界量より少 ない2つの塊に分けておき、火薬を使い臨界量以上に合体させるガン・バレル(砲身) 方式と呼ばれるものであり、一方の長崎型原爆は核分裂物質(プルトニウム239)を 火薬で取り囲む形で密閉し、火薬の爆発力で中心部の核分裂物質を圧縮し臨界量以上に 合体させるインプロージョン(爆縮)方式と呼ばれるものだという。これは、長崎原爆 資料館でもらった資料で知った。 現在、世界中には核兵器として使用できる核弾頭はおよそ2万7千発あると言われて いる。 先日、広島に原爆を投下したB29爆撃機「エノラ・ゲイ」の機長だった ポール・ ティベッツ氏が死去したとの報道が載った。氏は生前、原爆投下の正当性を主張し続け たというが、立場上の言葉で、実は心に深い傷を持って過ごしていたのではないか。 長崎市の原爆資料館には、自ら被爆し負傷しながら被災者の治療に当たった永井 隆 博士の資料が多く展示されている。氏には、先述の「長崎の鐘」のほか多くの著書があ り、その中のひとつ、著書『平和の塔』の一節が展示されている。 「平和を祈るものは針一本も隠し持ってはならぬ。武器をもっていて平和を祈る資格 はない」 。この言葉は重い。平和は万人の願いである。 広島や長崎での被爆の惨状の記録をみるにつけ、日本が核兵器を「持たず、作らず、 持ち込ませず」の非核三原則を堅持することの重要さを痛感した。
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