恐ヶ 淵

おそらがぶち
恐ヶ淵谷 ~ 雨ニモマケズ・・・
ニモマケズ・・・ ~
【報 告
者】宮本,坂本と
【日
時】平成 20 年 6 月 15 日(日)
【参 加
者】Aパーティ : 松下(L),田中ま,畑農,坂本け,坂本と
【天
候】雨
Bパーティ : 田中D(L),福田,塚嵜,加藤
Cパーティ : 石丸(L),高橋こ,泉れ,宮本
≪コースタイム≫
コースタイム≫
入渓 10:20 → 登山道出合い 14:00 → 下山 15:00
≪ 報 告 1 ≫
Cパーティ 報告者:
報告者:宮本
今日はピナクルに入会してから山行第一号の恐ヶ淵谷沢登りである。初めての沢登
りと言う事とまだ、顔も知らない会員さんとの山行と言う事もあって緊張と不安を抱
きながら午前 7:30 千早駅前集合。そこから車で現地へ向かう。天候はあいにくの雨、
どうせ濡れるんだし、もう 6 月の半ば、そう寒くは無いだろうと思っていたが、あま
かった。
午前 10 時過ぎ入渓、パーティは石丸さんチームでベテランの高橋さんを先頭にまず
は膝くらいまで水に浸かりながら進みだす。この日の為に購入した沢靴が威力を発揮、
ヌルヌルした岩でも滑らない凄いグリップだ。途中、地図の見方やコンパスの使い方
等を教わりながらしばらく進むと辺り一面コケに覆われた緑の世界が広がる。ちょっ
ぴり屋久島を思い出す。
最初のうちは寒さからか体が水に濡れない様にみんな深場を避けて歩くが、そのう
ち泉さんが足を滑らせドボン…!全身びしょ濡れ、それで開き直ったのだろうか?浅
場深場関係なしに突き進む、挙句の果てには泳ぎだす。何だか逞しく思える。やがて
皆、首まで水に浸かる。一気に目が覚めるような冷たさが全身を襲い自分も開き直る
ことが出来た。何だか笑いが止まりません。
中盤を過ぎた辺りから滝が現れだす。
「えっ! これが初級なのか…!」先に行った
二つのパーティはこれを越えて行ったのだろう。しかも、女性達もが…
行くしかな
い!
覚悟を決め登り始める、最初は少々の水流くらいなら強引に登れるだろうと思って
いた。しかし、実際は水しぶきを顔に浴びるだけで何も見えないし、息も出来ない。
これが自然の驚異なのか、そこからは滝の連発、高橋さんの真似をしながら必死につ
-1-
いて行く。後半、現れた高さ 5mくらいの滝、自分にとってこれが一番の難所だった。
まず、高橋さんが登って見せるが難なくクリア、次に自分がトライするが 3mほど登っ
たところで足を滑らせ滑り落ちる。その際、脛を強打するがやせ我慢で乗り切る。巻
かしてもらおうか?何だかそれもかっこ悪い!変な見栄だけを胸に秘め、再トライで
登ることが出来た。午後 2 時に沢登りは終了するが無事終った事にホッとした、と同
時に満足感があふれ出す。貴重な体験ありがとうございました。
≪ 報 告 2 ≫
Aパーティ 報告者:
報告者:坂本と
小雨が降りしきる中、集合場所の『道の駅・豊前おこしかけ』に到着。気温 16℃。
「今日はきっと中止だろう・・・」と思いながら、福岡組を待つ。
まずは、松下号が到着。皆、雨の中、傘もささずに雑談している。山屋さんは自然
をそのまま受け入れるのか・・・私だけが傘をさしていた。まだまだ私は、未熟者である。
田中D号も到着し、登山口駐車場に移動。雨も寒さも関係ないのかと思っていたら、
石丸さんが「え~行くの~?中止じゃないの~?」と一言。一瞬、石丸さんに親近感
を覚えかけたが、その言葉とは裏腹に、石丸さんの目は燃えていた。
もう行くしかないんだと覚悟を決める。いよいよ私の人生初沢が始まる。
10:20 Bパーティ(田中 L),Cパーティ(石丸 L)
,Aパーティ(松下 L)の順に入
渓。しばらくは単調な沢が続く。途中、砂防ダムを2つほど巻くと、沢が二俣に分か
れていた。田中まさんと坂本けが地図とコンパスを取り出し、進路を検討している。標
高,方位,水量などから、右俣が本流と判断したようだ。
が、先行の田中Dパーティは左俣を進んでいる。松下さんも加わり、右で間違いない
と最終決定。叫べば声も届くだろうが、田中Dパーティには教えず、そっと右俣に入る。
沢の両岸に岩壁が迫り、いよいよ恐ヶ淵谷の核心部へと進む。
8m程度の滝では、ザイルを出し、田中まさんがリードで登る。が、リードする田中
さんより先に、松下さんが流木につかまりながらスルスルと登り、田中さんに指示を
送っている。松下さんにはザイルはいらないらしい・・・
その後、私も田中さんに上からビレイしてもらいながら、フォローで登る。これま
で、クライミングで生岩を登った経験はあるが、水量の多い滝を登るのは初めて・・・水
圧に押されながら何とか登ることができた。
その後、10m程度の滝は、右を高巻く。足を滑らせると、滝ツボまで真逆さま・・・補
助ザイルを握り締め、慎重に足を運ぶ。
最後に、20m程度の大滝が現れる。これを左に逃げると、登山道に出た。
14:00 沢登りは、そこで終了。
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今回は、気温も低く、時間もなかったため、滝はあまり登らず、経験者の方には物
足りない遡行だったらしい。
しかし、私にとっては、
「初級の沢でコレ??」と思えるほど十分な内容だった。
危なそうな箇所ではザイルやシュリンゲを何度も出してもらいました。皆さん、あ
りがとうございました。
私には、もう一杯いっぱいかな・・・とも思えたが、これから経験を積んで、いろんな
沢に挑戦したいと思います。できれば、天気の良い沢を・・・
恐ヶ淵の案内
● 犬ヶ岳(1,131m)から豊前市を北上し、周防灘に注ぐ岩岳川の源流部の谷。
● 夫婦滝や水行の滝など、多くの滝があり、福岡近郊の沢としては、初心者か
ら中級者まで十分楽しめる沢といえる。
● ちなみに、「九州の沢と源流」には、『恐淵(おそろしぶち)谷』として掲載
されているが、豊前市観光情報センターによると『恐ヶ淵(おそらがぶち)』
と紹介されていることから、こちらが正しい名称と思われる。
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