デジタルサイネージ標準システム相互運用ガイドライン(1.0版)

Digital Signage Consortium
デジタルサイネージコンソーシアム
デジタルサイネージ標準システム
相互運用ガイドライン
1.0 版
平 成 28 年 4 月
Digital Signage Consortium
目
1
本 ガイドラインの考 え方 ....................................................................... 1
1.1
1.2
2
背 景 と課 題 .......................................................................................... 1
本 ガイドラインの位 置 づけと目 的 ............................................................... 2
サービス概 要 ................................................................................... 3
2.1
2.2
2.3
3
次
災 害 情 報 一 斉 配 信 ............................................................................... 3
スマートフォン連 携 ................................................................................. 4
属 性 に応 じた表 示 ................................................................................. 4
想 定 システム定 義 ............................................................................. 5
3.1 想 定 システム構 成 ................................................................................. 5
3.1.1 連 携 する外 部 システムを含 めたシステム全 体 構 成 ....................................... 5
3.2 デジタルサイネージシステムの要 件 ........................................................... 6
3.2.1 環 境 要 件 ........................................................................................... 6
3.2.2 システム共 通 要 件 ................................................................................ 6
3.2.3 システム想 定 規 模 ................................................................................ 7
3.3 第 1 版 で策 定 する範 囲 .......................................................................... 8
4
機 能 仕 様 ...................................................................................... 10
4.1 「①災 害 情 報 の一 斉 配 信 における表 示 依 頼 」のインタフェース仕 様 ............... 10
4.1.1 「①災 害 情 報 の一 斉 配 信 における表 示 依 頼 」の動 作 の概 略 ....................... 10
4.1.2 インタフェース仕 様 ............................................................................. 10
4.1.3 入 力 情 報 項 目 ・データフォーマット仕 様 .................................................. 11
4.1.3.1
入 力 情 報 項 目 ............................................................................. 11
4.2 「②サイネ ージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 」のインタフェース仕
様
13
4.2.1 サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 (PUSH 型 ) ........... 13
4.2.2 サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 (PULL 型 ) ........... 14
4.2.3 データフォーマット仕 様 (プラットフォーム生 成 コンテンツメタデータ) ............... 15
4.3 「③HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 」の機 能 仕 様 ............................... 16
4.3.1 デジタルサイネージシステムの基 本 構 成 と動 作 の概 略 ............................... 16
4.3.2 HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 の要 求 条 件 .................................... 20
4.3.2.1
端 末 の共 通 要 件 .......................................................................... 20
4.3.2.2
機 能 別 の端 末 要 件 ...................................................................... 22
i
Digital Signage Consortium
<補足> 用語集
本 書 で用 いる用 語 の説 明 を以 下 に示 す。
項番
1
用語
サイネージ配
信 システム
2
プレーヤ
3
ディスプレイ
4
コンテンツ
5
プレイリスト
6
スケジュール
7
配信
8
配 信 セッショ
ン
9
サイネージ端
末
10
HTML5
表 本 書 で用 いる用 語 の説 明
説 明 ・定 義
デジタルサ イネー ジシ ステムの 中 核 をな す装 置 で
あり、コンテンツ管 理 、配 信 管 理 、プレーヤ管 理 の
各 機 能 を有 する。
指 定 スケジュールに従 って、コンテンツ再 生 を自
動 実 行 する装 置 である。ディスプレイに接 続 して
利 用 する。
コンテンツを表 示 出 力 するための媒 体 である。
デ ジ タ ル サ イ ネ ー ジ に お い ては 、 フ ラッ ト パ ネ ル デ
ィスプレイを利 用 するケースが多 いが、ここでは広
く映 像 表 示 媒 体 をディスプレイとして定 義 する。
動 画 、静 止 画 、アニメーション等 のデジタル化 され
た素 材 、および HTML で記 述 される Web 上 に
存 在 する表 示 情 報 等 を総 称 してコンテンツと定 義
する。
コンテンツの表 示 順 序 を決 めるための定 義 情 報 を
構 成 する最 小 単 位 の部 品 と定 義 する。
プレイリストは1つまたは複 数 のコンテンツリストの
集 合 体 で構 成 される。
1つまたは複 数 のプレイリストを指 定 日 付 、時 刻 か
ら表 示 することを定 義 した情 報 。日 付 指 定 部 分 を
分 離 して定 義 する場 合 もある。
サーバに登 録 されているコンテンツおよびスケジュ
ールデータをプレーヤに転 送 する処 理 を配 信 と定
義 する。
コンテンツやスケジュールの配 信 を実 行 する 一 連
の通 信 をコンテンツ配 信 セッションと定 義 する。
コンテンツ配 信 セッションは、コンテンツ配 信 登 録
時 に即 座 に実 行 されるものと、実 行 開 始 時 刻 を指
定 することによって、指 定 時 刻 に実 行 される予 約
型 のものがある。
コンテンツを再 生 し表 示 する装 置 。プレーヤ、ディ
スプレイ、付 属 の機 器 (Wi-Fi、IC カードリーダ等 )
が含 まれる。
W3C より 2014 年 に勧 告 された標 準 言 語 。対 応 し
たブラウザを使 用 することで、動 画 や静 止 画 、文
字 等 の表 示 において特 定 のプラグインが不 要 で
あり、大 型 ディスプレイからスマートフォンまで共 通
的 に取 り扱 うことが可 能 。
ii
備考
デジタルサイネージ標 準
システムガイドライン 1.0
版 の「サーバ」に相 当
デジタルサイネージ標 準
システムガイドライン
1.0 版 参 照
デジタルサイネージ標 準
システムガイドライン
1.0 版 参 照
デジタルサイネージ標 準
システムガイドライン
1.0 版 参 照
デジタルサイネージ標 準
システムガイドライン
1.0 版 参 照
デジタルサイネージ標 準
システムガイドライン
1.0 版 参 照
デジタルサイネージ標 準
システムガイドライン
1.0 版 参 照
デジタルサイネージ標 準
システムガイドライン
1.0 版 参 照
Digital Signage Consortium
11
L アラート
12
自治体防災
システム
サイネージプ
ラットフォー
ム
13
14
15
16
17
外 部 クラウド
サービス
デジタルサイ
ネージシステ
ム
パーソナル
情報通信端
末 (スマート
フォンなど)
属性
18
ローカル配
信 サーバ
19
共 通 クラウド
基
盤
[2][3][4][5]
20
IC カードリー
ダ
災 害 などの住 民 の安 心 ・安 全 に関 わる情 報 を迅
速 かつ効 率 的 に伝 達 する新 たな情 報 流 通 のため
の基 盤 。既 設 のシステム。
各 自 治 体 が災 害 情 報 の管 理 ・配 信 を目 的 として
導 入 しているシステム。
L アラートや自 治 体 防 災 システムから情 報 を受 信
し、サイネージ向 けコンテンツの生 成 と各 サイネー
ジ配 信 システムへのコンテンツ配 信 を行 うシステ
ム。各 サイネージ配 信 システムが共 通 で利 用 する
プラットフォーム。
この定 義 は一 般 的 な概
念 であり、具 体 的 な実 現
形 態 については、今 後
の関 係 諸 団 体 及 びワー
キング等 での議 論 を踏 ま
え、適 宜 改 定 を加 える。
多 言 語 翻 訳 など、外 部 のクラウドで提 供 される各
種 サービス。
デジタルサイネージを提 供 するためのシステム。サ
イネージ配 信 システムとサイネージ端 末 で構 成 さ
れる。
スマートフォンやタブレットなど、サイネージ視 聴 者
個 人 で所 有 するデバイス。一 般 に Wi-Fi や
HTML5 コンテンツの表 示 機 能 を搭 載 。
個 人 に備 わる情 報 であり、言 語 、現 在 位 置 、障 が
いの程 度 等 [1]を意 味 する。
インターネットを介 さずにサイネージ端 末 へコンテ
ンツを配 信 できるサーバ。災 害 時 等 、ネットワーク
が遮 断 あるいは輻 輳 した際 に、利 用 できることを
想定。
自 国 語 情 報 等 の属 性 をスマートフォンや交 通 系
IC カードなどの ID と紐 付 けて管 理 。ホテルや百
貨 店 など多 様 なサービサーが、個 人 に最 適 な情
報 ・サービスを提 供 するために、ID と紐 づけられた
属 性 情 報 等 を提 供 する。
この定 義 の具 体 的 な実
現 形 態 については、今
後 の「2020 年 に向 けた
社 会 全 体 の ICT 化 推
進 に関 する懇 談 会 」及
び各 ワーキング等 で議
論 されている都 市 機 能
高 度 化 に係 る共 通 クラウ
ド基 盤 等 の流 れを踏 ま
え、適 宜 改 定 を加 える。
IC カードに格 納 された情 報 を読 み取 る装 置 。本
ガイドラインでは個 人 属 性 の取 得 の際 に利 用 する
手 段 の一 つとして位 置 付 ける。
※デジタルサイネージシステムの具 体 的 な用 語 の定 義 は、DSC システム部 会 発 行 の 「デジ
タルサイネージ標 準 システムガイドライン」のとおり
iii
Digital Signage Consortium
1 本 ガイドラインの考 え方
1.1 背 景 と課 題
デジタルサイネージは、公 共 的 な空 間 にも広 く設 置 されており、情 報 提 供 手 段 として、重 要
な社 会 インフラの役 割 を担 うことが期 待 される。また、2020 年 に開 催 される東 京 オリンピック/
パラリンピックに向 け、訪 日 外 国 人 旅 行 者 数 が拡 大 すると予 測 されており、よりきめ細 やかな
情 報 提 供 方 法 が求 められている。
このため特 に、災 害 ・緊 急 時 も含 めた対 応 を中 心 に、以 下 の 3 つの機 能 を持 ったデジタル
サイネージへの要 望 が高 い。
・災 害 情 報 等 の一 斉 配 信 :公 共 的 空 間 に設 置 された、様 々なデジタルサイネージシステム
に対 し、重 要 な情 報 を一 斉 に配 信 する機 能
・スマートフォン連 携 :HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 で表 示 している情 報 を、サイネ
ージ視 聴 者 の手 元 (スマートフォン等 の”パーソナル情 報 通 信 端 末 ”)で閲 覧 可 能 とする機
能
・属 性 に応 じた情 報 提 供 :言 語 、食 習 慣 等 に関 連 する様 々な個 人 属 性 に応 じた情 報 を提
供 する機 能
一 方 、現 在 のデジタルサイネージシステムは、コンテンツの共 通 フォーマットがなく、情 報 提
供 主 体 はシステムに応 じたコンテンツ制 作 ・調 整 の上 、システムごとに独 自 の形 式 のコンテン
ツを配 信 している。このため、同 一 コンテンツを異 なるサイネージシステムへ配 信 すること(相 互
運 用 :システムをまたがる情 報 配 信 )は困 難 である。また、スマートフォン連 携 や個 人 の属 性 に
応 じた情 報 提 供 に対 応 するためのガイドラインもないため、個 別 の検 討 が必 要 である。
1
Digital Signage Consortium
1.2 本 ガイドラインの位 置 づけと目 的
前 述 の 背 景 及 び 課 題 を 踏 まえ 、 幅 広 い シーン での 利 用 を 想 定 した デ ジタルサ イ ネー ジの
普 及 促 進 のためのガイドラインを策 定 し、デジタルサイネージの導 入 検 討 者 や導 入 後 の利 用
者 に対 して、今 後 必 要 性 が増 すと思 われる機 能 実 装 に向 けた指 針 を提 示 する。
本 ガイドラインは、既 に策 定 済 みの「デジタルサイネージ標 準 システムガイドライン」にて示 し
たデジタルサイネージシステムと、現 在 検 討 ( ※) が進 められている共 通 クラウド基 盤 を含 む外
部 システムとの連 携 を念 頭 に置 いたものである。
「災 害 情 報 等 の複 数 の異 なるシステムへの一 斉 配 信 」や「個 人 属 性 に応 じた情 報 提 供 」を
実 現 するために、デジタルサイネージシステムが最 低 限 備 えているべき機 能 等 を示 すことによ
り、発 注 者 (要 求 仕 様 策 定 側 )およびシステム設 計 者 (請 負 側 )のシステム選 定 や設 計 作 業 を
補 助 し、これらの普 及 促 進 につながることを目 的 とする。
(※)総 務 省 「2020 年 に向 けた社 会 全 体 の ICT 化 推 進 に関 する懇 談 会 」及 び「都 市 サー
ビス高 度 化 WG」等 各 WGでの検 討
図 1.2-1 多 言 語 サイネージ(左 )と個 人 属 性 に応 じたサイネージ(右 )の例 [1]
2
Digital Signage Consortium
2 サービス概 要
2.1 災 害 情 報 一 斉 配 信
本 サービスは、災 害 ・緊 急 時 の情 報 を情 報 提 供 者 が各 サイネージシステムに対 して一 斉 に
配 信 する機 能 を実 現 する。
図 2.1-1 災 害 情 報 一 斉 配 信 サービス例
3
Digital Signage Consortium
2.2 スマートフォン連 携
本 サービスは、デジタルサイネージシステムとスマートフォンを連 携 し、デジタルサイネージシ
ステムの情 報 をスマートフォンに表 示 する機 能 を実 現 する。
図 2.2-1 スマートフォン連 携 のサービス例
2.3 属 性 に応 じた表 示
本 サービスは、デジタルサイネージシステムに入 力 された属 性 情 報 を利 用 し、属 性 に応 じた
情 報 を提 供 するものである。将 来 、デジタルサイネージシステムは、現 在 検 討 が進 められてい
る共 通 クラウド基 盤 と連 携 し、サイネージ閲 覧 者 の属 性 に応 じた情 報 を提 供 できるようになるこ
とを想 定 している。
例 えば、図 2.3-1 のようにタッチパネル式 のデジタルサイネージ端 末 において、言 語 属 性
を指 定 し、言 語 に応 じたコンテンツを提 供 するデジタルサイネージの他 に、スマートフォンや IC
カード等 を用 いて、属 性 に応 じたコンテンツを提 供 するデジタルサイネージもある。
図 2.3-1 属 性 に応 じた表 示 の例
4
Digital Signage Consortium
3 想 定 システム定 義
3.1 想 定 システム構 成
本 ガイドラインが定 義 するサービスを実 現 するデジタルサイネージシステムの構 成 を以 下 に
示 す。
3.1.1
連 携 する外 部 システムを含 めたシステム全 体 構 成
デジタルサイネージシステム及 びそれと連 携 する外 部 システムを含 めたシステム全 体 構 成 を
以 下 に示 す。本 システム全 体 構 成 は 、一 斉 配 信 時 の情 報 源 である情 報 提 供 者 及 び属 性 に
応 じた表 示 の際 に連 携 する共 通 クラウド基 盤 を含 み、「災 害 情 報 一 斉 配 信 」、「スマートフォン
連 携 」、「属 性 に応 じた表 示 」のシステム構 成 を纏 めたものである。
図 3.1-1 システム全 体 構 成
5
Digital Signage Consortium
3.2 デジタルサイネージシステムの要 件
本 ガイドラインが対 象 とするデジタルサイネージシステムの要 件 を以 下 に示 す。
3.2.1
環境要件
デジタルサイネージの環 境 要 件 を以 下 に示 す。
項目
設置場所
表 3.2-1 対 象 とするデジタルサイネージの属 性
内容
駅 や空 港 、観 光 スポット、商 業 施 設 等 、主 に公 共 的 な場 所
導入事業者
自 治 体 や商 業 施 設 、交 通 系 事 業 者 等
設 置 の目 的
上 記 設 置 場 所 にて導 入 事 業 者 の目 的 に沿 ったコンテンツが配 信
されているが、災 害 情 報 など公 共 的 な情 報 流 す役 割 を担 うシステ
ム
ネットワークに接 続 され、オンライン配 信 が可 能 なシステム
システム形 態
3.2.2
システム共 通 要 件
システム共 通 要 件 を以 下 に示 す。なお、原 則 としてデジタルサイネージコンソーシアム発 行
の「デジタルサイネージ標 準 システムガイドライン」の内 容 を踏 まえることを前 提 とする。災 害 情
報 一 斉 配 信 、スマートフォン連 携 、属 性 に応 じた表 示 の各 機 能 に必 要 な要 件 は、「4 機 能 仕
様 」に記 す。
項目
提供形態
コンテンツ配 信 処
理
ディスプレイ出 力
コンテンツ
プレイリスト、スケジ
ュール
その他
表 3.2-2 システム要 件
内容
ネットワーク接 続 を基 本 とするシステムであり、サイネージ配 信 シス
テムがサイネージ端 末 と通 信 できること。災 害 情 報 一 斉 配 信 及 び
属 性 に応 じた表 示 を外 部 クラウドサービスと連 携 して提 供 する場
合 、そのサービスと可 能 な限 り接 続 ができること。また、ネットワーク
の状 況 に応 じてローカルストレージを用 いた情 報 提 供 が可 能 であ
ること。
ネットワーク経 由 で各 サイネージ端 末 にコンテンツの配 信 制 御 がで
きること。
各 サイネージ端 末 は接 続 されたディスプレイにコンテンツが表 示 で
きること。
動 画 、静 止 画 、HTML 等 のデータを取 り扱 うことができること。
コンテンツの順 序 を登 録 し、指 定 した日 付 、時 刻 にサイネージ端
末 に配 信 処 理 できること。またサイネージ端 末 はそれに基 づきディ
スプレイに表 示 できること。
実 使 用 環 境 での運 用 を考 慮 したハードウェアを選 ぶこと。
6
Digital Signage Consortium
3.2.3
システム想 定 規 模
本 ガイドラインが対 象 とするデジタルサイネージシステムのシステム規 模 を以 下 に示 す。
表 3.2-3 ターゲットシステムの規 模
項目
規模
接 続 サイネージ端 末 (配 信
数 十 台 ~数 百 台
STB)数
接 続 ディスプレイ数
数 十 台 ~数 百 台
サイネージ端 末 に接 続 するス
スマートフォン連 携 の機 能 を提 供 する場 合 は、設 置 環
マートフォン数
境 ごとに想 定 される接 続 数 に応 じて接 続 方 式 の選 定 や
ハードウェア設 定 等 を行 うこと。災 害 時 等 の状 況 も考 慮
し検 討 すること。
ディスプレイインチ数
40 インチから 80 インチ程 度 を想 定
7
Digital Signage Consortium
3.3 第 1 版 で策 定 する範 囲
本 ガイドライン第 1版 では、災 害 ・緊 急 時 に焦 点 をあて、デジタルサイネージが災 害 時 であ
っても出 来 るだけ多 くの人 に情 報 を届 けることができることを中 心 に、デジタルサイネージシス
テムの機 能 仕 様 を定 義 する。
図 3.3-1 本 ガイドラインで定 義 する対 象 (赤 枠 線 内 )
なお、災 害 ・ 緊 急 の定 義 ・範 囲 については 、デジタルサイネージコンソーシアム発 行 の「 災
害 ・緊 急 時 におけるデジタルサイネージ運 用 ガイドライン」にて規 定 されている内 容 を踏 まえる
ものとする。
次 に、本 ガイドラインで想 定 するサービスの実 現 構 成 を以 下 に示 す。
図 3.3-2 本 ガイドラインで想 定 するサービスの実 現 構 成
8
Digital Signage Consortium
本 ガイドラインでは図 3.3-2 の赤 線 枠 内 の下 記 3 項 目 について指 針 を示 す。
①
②
③
災 害 情 報 の一 斉 配 信 における表 示 依 頼 (インタフェース仕 様 )
サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 (インタフェース仕 様 )
HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 (機 能 仕 様 )
詳 細 は、「4 機 能 仕 様 」で説 明 する。策 定 にあたってポイントとなる項 目 や考 え方 を以 下 に
示 す。なお、表 3.3-1 の「使 用 技 術 」の HTML5 形 式 の活 用 について、本 仕 様 書 ではこれに
対 応 するサイネージ端 末 について規 定 するが、サイネージ端 末 で対 応 できない場 合 は、デジ
タルサイネージシステムで対 応 することが望 ましい。これについてはガイドライン化 の対 象 外 と
する。
表 3.3-1 本 ガイドライン策 定 にあたっての考 え方
項目
内容
使用技術
国 際 的 な共 通 フォーマット(HTML5 形 式 )を活 用 することで、
以 下 を実 現 することができる。
・コンテンツ制 作 コストの低 減 (制 作 ・編 集 環 境 の充 実 及 び既
存 Web ページ等 のワンソースマルチユースによる効 率 化 )
・多 様 な端 末 で対 応 可 能 な形 式 でのコンテンツ一 斉 配 信 ・最
適表示
※HTML5 非 対 応 システムへの配 信 も考 慮
・訪 日 外 国 人 を想 定 した国 内 外 スマートフォン端 末 との容 易 な
連携
利 用 者 の UX/UI
外 国 人 の方 でも使 いやすいインタフェースであること。スマート
フォン連 携 を利 用 する場 合 は、可 能 な限 りスマートフォンに標
準 搭 載 の機 能 でカバーできることを考 慮 し設 計 する。
具 体 的 には、以 下 のとおりとする。
・HTML5 コンテンツが表 示 できること。
・アプリケーションインストールは極 力 避 けること。
災 害 時 の情 報 提 供
インフラとしての活 用
日 本 語 に不 慣 れな外 国 人 の方 でも利 用 することができるように
多 言 語 コンテンツを想 定 すること。
災 害 ・緊 急 時 において、通 信 経 路 が遮 断 された状 況 でも、サイ
ネージを情 報 提 供 インフラとして活 用 するための可 用 性 を考 慮
すること。(ネットワーク遮 断 時 には予 めサイネージ端 末 に保 存
された情 報 を配 信 する等 )
9
Digital Signage Consortium
4 機能仕様
4.1 「①災 害 情 報 の一 斉 配 信 における表 示 依 頼 」のインタフェース仕 様
4.1.1
「①災 害 情 報 の一 斉 配 信 における表 示 依 頼 」の動 作 の概 略
「3.3 第 1 版 で策 定 する範 囲 」で示 した「①災 害 情 報 の一 斉 配 信 における表 示 依 頼 (イン
タフェース仕 様 )」を以 下 に示 す。災 害 時 の表 示 依 頼 情 報 インタフェースとは、災 害 情 報 をデ
ジタルサイネージシステムへ一 斉 配 信 するために、情 報 提 供 者 が配 信 対 象 情 報 をサイネージ
プラットフォームへ入 力 するためのものである。
図 4.1-1 情 報 提 供 者 とサイネージプラットフォームのシステム基 本 構 成
図 に示 すように、情 報 提 供 者 である自 治 体 等 は災 害 情 報 等 を一 斉 配 信 する際 に、Web 画
面 や Excel フォーム等 の表 示 依 頼 インタフェースを用 い、災 害 情 報 を入 力 する。入 力 された
災 害 情 報 は XML 形 式 のデータとして、サイネージプラットフォームへ送 信 される。サイネージ
プラットフォームは、受 信 した XML 形 式 のデータを用 い、デジタルサイネージ向 けにコンテンツ
を生 成 し、サイネージプラットフォームが各 サイネージ配 信 システムへ情 報 配 信 を通 知 する。
4.1.2
インタフェース仕 様
情 報 提 供 者 がサイネージプラットフォームに表 示 依 頼 を行 う際 に用 いる、インタフェースの
概 略 仕 様 を以 下 に示 す。
※正 式 なインタフェース仕 様 は、サイネージプラットフォームが提 供 される際 に発 行 される
仕 様 書 を参 照 のこと。
10
Digital Signage Consortium
項目
通 信 プロトコル
データ形 式
データ送 受 信
コンテンツ関 連 情
報
その他
4.1.3
表 4.1-1 インタフェース仕 様
内容
HTTP
・XML データ
情 報 提 供 者 のシステムからの入 力 インタフェース経 由 の投 稿
表 4.1-2、表 4.1-3 を参 照
データ形 式 については、Lアラート XML フォーマット「公 共 情 報 コモン
ズ XML フォーマット」をベースとし、今 後 の拡 張 性 を考 慮 し、XML 要
素 の追 加 は可 とする。
※L アラート XML フォーマットの詳 細 は「公 共 情 報 コモンズ XML フォ
ーマット定 義 書 」参 照
入 力 情 報 項 目 ・データフォーマット仕 様
入 力 インタフェースにて入 力 される概 略 情 報 を以 下 に示 す。
※正 式 な入 力 情 報 項 目 ・フォ ーマット仕 様 は、サイネージプラットフォ ームが提 供 される際
に発 行 される仕 様 書 を参 照 のこと。
4.1.3.1
入力情報項目
情 報 提 供 者 が入 力 する主 な入 力 情 報 項 目 を以 下 に示 す。
区分
ル ー ト 要
素
、
Control 部
ヘッダ要 素
表 4.1-2 主 な入 力 項 目 :共 通 部 (必 須 項 目 のみ)
要 素 名 と内 容
解説
※L アラート XML フォーマット仕 様 書
から抜 粋 (一 部 要 約 ・追 記 )
このメッセージの情 報 種 別 を表 す。
ex. 避 難 勧 告 ・ 指 示 情 報 、 避 難 所 情
情報種別
報 、一 時 滞 在 施 設 情 報 、日 開 情 報 、
お知 らせ、イベント情 報
運用種別
運用種別
ex.本 番 、訓 練 、テスト
本 情 報 を業 務 的 に発 表 した部 署 の情
発表部署情報
報 を示 す。
情 報 のタイトルを示 す。
種類
例 :「加 古 川 市 :避 難 勧 告 ・指 示 情 報
発令」
作成日時
この文 書 が作 成 された日 時 を示 す。
この文 書 の初 版 が作 成 された日 時 を
初版作成日時
示 す。
発表日時
本 情 報 の公 式 な発 表 時 刻 を示 す。
メッセージ ID
本 情 報 の識 別 情 報 を示 し、本 要 素 が
11
備考
Digital Signage Consortium
更新種別
共 通 要 素
の定 義
組 織 (団 体 )・部
署情報
同 じものについては、同 一 の情 報 であ
ることを示 す。
文 書 が作 成 、改 版 、削 除 されたことを
表 す。
情 報 の発 信 元 や編 集 組 織 を表 す。
部 署 の名 称
部 署 の名 称
組 織 の名 称
災害名
組 織 の名 称 。団 体 ・企 業 など、人 格 を
持 つ組 織 の名 称 を表 す。
サイネージ
コンテンツの
本 文 等 で使
用推奨
サイネージ
コンテンツの
本 文 等 で使
用推奨
災 害 名 。正 式 な名 称 が決 まるまでは、
仮 称 でよい。
以 下 、表 4.1-3 に情 報 種 別 が「避 難 勧 告 ・指 示 情 報 」の場 合 の入 力 情 報 (必 須 項 目 のみ)
を示 す。
表 4.1-3 主 な入 力 情 報 項 目 :情 報 定 義
区分
要 素 名 と内 容
解説
備考
※L アラート XML フォーマット仕 様 書
から抜 粋 (一 部 要 約 ・追 記 )
情報種別:
災 害 名 。正 式 な名 称 が決 まるまでは サ イ ネ ー ジ
避難勧告・
仮 称 で よ く 、 以 降 の 同 一 文 書 の 更 新 コンテンツの
災害識別情報
の時 に、別 の災 害 名 称 を設 定 してよ 本 文 等 で使
指示情報
い。
用推奨
避 難 勧 告 ・指 示 の詳 細 情 報 。
サイネージ
コンテンツの
詳細情報
本 文 等 で使
用推奨
発令区分
発令区分
“ 避 難 準 備 ”、 ” 避 難 勧 告 ” 、” 避 難 指
示 ”、”警 戒 区 域 ”
発 令 ・解 除 区 分
発 令 ・解 除 区 分
“発 令 ”、”解 除 ”
発 令 ・ 解 除 対 象 発 令 ・解 除 対 象 地 区 の集 合
地 区 の集 合
発 令 ・ 解 除 地 区 発 令 ・解 除 地 区 情 報
情報
発 令 ・解 除 対 象 発 令 ・解 除 対 象 地 区 の名 称 ・位 置 情
地 区 の名 称 ・位 報
置情報
発 令 ・ 移 行 ・ 解 発 令 ・移 行 ・解 除 日 時
除日時
12
Digital Signage Consortium
なお、情 報 提 供 者 側 でサイネージ用 コンテンツ(そのままデジタルサイネージに表 示 できる
もの)を生 成 した場 合 は、L アラート XML フォーマットの拡 張 要 素 を使 い情 報 を登 録 する。
4.2 「②サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 」のインタフェース仕 様
「3.3 第 1 版 で策 定 する範 囲 」で示 した「②サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォ
ーム連 携 (インタフェース仕 様 )」を以 下 に示 す。
本 インタフェースは、サイネージ配 信 システムが、サイネージプラットフォームからの情 報 配 信
通 知 を受 け取 るインタフェース仕 様 である。
なお、サイネージプラットフォームとサイネージ配 信 システム の連 携 パ ターンとして、 PUSH
型 と PULL 型 を定 義 する。
表 4.2-1 サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 の方 式 の違 い
項目
内容
サイネージ配 信 システム・ サイネージプラットフォームからの最 新 情 報 をプッシュで即 時 受
サ イ ネ ー ジ プ ラ ッ ト フ ォ ー 信 することができる一 方 、プッシュ通 知 受 信 サーバを構 築 する必
ム連 携 (PUSH 型 )
要 がある。外 部 からの受 信 を受 け付 けられる様 にサイネージ配 信
システム側 のセキュリティポリシの変 更 が必 要 になる場 合 がある。
サイネージ配 信 システム・ 定 期 ポ ー リ ン グ に よ る プ ル 型 受 信 に よ る ア ク セ ス と な る た め 、
サ イ ネ ー ジ プ ラ ッ ト フ ォ ー PUSH 型 ほどの即 時 受 信 はできないが、外 部 からの受 信 を許 容
ム連 携 (PULL 型 )
する必 要 がない。
サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 (PUSH 型 )、サイネージ配 信 シス
テム・サイネージプラットフォーム連 携 (PULL 型 )の基 本 構 成 、インタフェース仕 様 を 4.2.1、
4.2.2 に示 す。
4.2.1 サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 (PUSH 型 )
デジタルサイネージシステムが、サイネージプラットフォームから情 報 を PUSH で受 信 するた
めのインタフェース仕 様 を定 義 する。
図 4.2-1 サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 (PUSH 型 )システム基 本
構成
図 4.2-1 に記 載 のプラットフォームアクセスモジュールが、サイネージ配 信 システム側 のイン
タフェースとなる。このモジュールを各 デジタルサイネージシステムが表 4.2-2 の仕 様 に基 づき
13
Digital Signage Consortium
準 備 する。
表 4.2-2 サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 (PUSH 型 )インタフェース仕 様
項目
内容
通 信 プロトコル
HTTP / WebSocket
データフォーマット
XML データ(表 示 依 頼 インタフェースの XML データ項 目 に加 え
プラットフォーム生 成 コンテンツメタデータ(表 4.1-24 参 照 )))
データ送 受 信
WebSocket によるサイネージプラットフォーム側 からのプッシュ配
信
その他
サ イ ネ ー ジ プ ラ ッ ト フ ォ ー ム で 生 成 さ れ た HTML5 コ ン テ ン ツ 、
HTML5 非 対 応 サイネージ端 末 向 けのコンテンツ(静 止 画 ・動 画 )
の所 在 情 報 が XML に格 納 され、配 信 される。
サイネージ配 信 システムからサイネージ端 末 間 は、各 社 仕 様 によ
る
受 信 した XML データを元 に、運 用 ルールに基 づきサイネージ端 末 への配 信 を行 う。
4.2.2
サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 (PULL 型 )
デジタルサイネージシステムが、サイネージプラットフォームから情 報 を PULL で取 得 するた
めのインタフェース仕 様 を定 義 する。
図 4.2-2 サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 (PULL 型 )システム基 本 構 成
図 4.2-2 に記 載 のプラットフォームアクセスモジュールが、サイネージ配 信 システム側 のイン
タフェースとなる。このモジュールを各 デジタルサイネージシステムが表 4.2-3 の仕 様 に基 づき
準 備 する。
14
Digital Signage Consortium
表 4.2-3 サイネージ配 信 システム・サイネージプラットフォーム連 携 (PULL 型 )インタフェース仕 様
項目
内容
通 信 プロトコル
HTTP
データフォーマット
XML データ(表 示 依 頼 インタフェースの XML データ項 目 に加 え
プラットフォーム生 成 コンテンツメタデータ(表 4.1-24 参 照 ))
データ送 受 信
サイネージプラットフォーム側 への定 期 アクセスによるデータ取 得
その他
サ イ ネ ー ジ プ ラ ッ ト フ ォ ー ム で 生 成 さ れ た HTML5 コ ン テ ン ツ 、
HTML5 非 対 応 サイネージ端 末 向 けのコンテンツ(静 止 画 ・動 画 )
の所 在 情 報 が XML に格 納 され、配 信 される。
サイネージ配 信 システムからサイネージ端 末 間 は、各 社 仕 様 によ
る
受 信 した XML データを元 に、運 用 ルールに基 づきサイネージ端 末 への配 信 を行 う。
4.2.3
データフォーマット仕 様 (プラットフォーム生 成 コンテンツメタデータ)
サイネージプラットフォームからサイネージ配 信 システムに送 信 するデータフォーマット仕 様 に
ついて、以 下 に示 す。
本 データは、情 報 提 供 者 が表 示 依 頼 を行 う際 に生 成 される XML データに加 え、サイネージ
プラットフォームが生 成 したサイネージ用 コンテンツに関 する情 報 (プラットフォーム生 成 コンテ
ンツメタデータ)を付 加 した XML データとする。
表 4.2-4 入 力 された情 報 を元 に生 成 したサイネージコンテンツに関 する情 報
区分
要 素 名 と内 容
解説
備考
※L アラート XML フォーマット仕
様 書 から抜 粋 (一 部 要 約 ・追 記 )
プラット
ファイル種 別
デジタルサイネージシ
フ ォ ー ム 提 示 コンテ ンツ HTML 形 式 、 JPEG 形 式 、 MP4 ス テ ム は 、 左 記 フ ォ ー
生 成 コ 種別
形式
マットのファイルを表
ンテンツ
示 可 能 なこと
メタデー
サイネージ端 末 へ提 示 可 能 なフ サ イ ネ ー ジ プ ラ ッ ト フ
タ
提 示 コンテ ンツ ァイル URL
ォームで生 成 した画
所在情報
像 等 のコンテンツ
URL はここに記 載
提 示 コンテンツの言 語
L アラート XML フォー
マ ッ ト 同 様
提 示 コンテ ンツ
「 RFC5646 Tag for
言語
Identifying
Language 」 に 定 め ら
れた表 記 で指 定 。
提 示 コンテ ンツ 提 示 コンテンツの説 明 文
情報
提 示 コンテ ンツ 提 示 コンテンツのファイル情 報
ファイル情 報
ex:縦 横 サイズ
15
Digital Signage Consortium
4.3 「③HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 」の機 能 仕 様
「3.3 第 1 版 で策 定 する範 囲 」で示 した「③ HTML5 対 応 HTML5 対 応 デジタルサイネー
ジ端 末 」の機 能 仕 様 を以 下 に示 す。
4.3.1
デジタルサイネージシステムの基 本 構 成 と動 作 の概 略
HTML5 対 応 型 端 末 を用 いたデジタルサイネージシステムの基 本 構 成 を以 下 に示 す。
図 4.3-1 HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 のシステム構 成
一 般 にデジタルサイネージシステムは、サイネージ配 信 システムとデジタルサイネージ端 末
が 1 対 多 で接 続 され、複 数 端 末 のコンテンツ配 信 を制 御 している。接 続 は、インターネットや
LAN 等 を経 由 する。
HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 は、サイネージ配 信 システムとネットワーク接 続 され、
サイネージ配 信 システム側 でスケジュールされたプレイリストに基 づくコンテンツを受 信 し表 示
する。
(1) 災 害 情 報 一 斉 配 信 の動 作 の概 略 例
災 害 情 報 一 斉 配 信 は、デジタルサイネージシステムがサイネージプラットフォーム側 からの
一 斉 配 信 されたコンテンツを、サイネージ端 末 が割 り込 み表 示 する機 能 である。
まず災 害 情 報 がサイネージプラットフォームにて HTML5 等 のコンテンツに変 換 され、各 サイ
ネージ配 信 システムへ一 斉 に配 信 される(①参 照 )。そしてサイネージ配 信 システムは、サイネ
ージ端 末 に対 して配 信 コンテンツを割 り込 み通 知 する(②参 照 ) 。それを受 け、サイネージ端
末 は、通 知 に基 づき配 信 コンテンツを割 り込 み表 示 する(③参 照 )。
なお、コンテンツの有 効 期 間 は 、表 示 依 頼 の際 に指 定 されたものや運 用 ルール等 で判 断
する。
16
Digital Signage Consortium
図 4.3-2 災 害 情 報 一 斉 配 信 の仕 組 み
図 4.3-3 のコンテンツ例 のように、サイネージ端 末 前 の人 々へ注 意 喚 起 を行 うコンテンツレ
イアウトや配 色 とし、サイレン音 や音 声 ガイダンスなども付 加 したコンテンツ配 信 を推 奨 する。
図 4.3-3 災 害 情 報 一 斉 配 信 のコンテンツ例
(出 典 :「デジタルサイネージコンソーシアム
災 害 ・緊 急 時 におけるデジタルサイネージ運 用 ガイドライン 第 二 版 」
2014 年 6 月 )
17
Digital Signage Consortium
(2) スマートフォン連 携 の動 作 の概 略 例
スマートフォン連 携 は、デジタルサイネージの利 用 者 が、デジタルサイネージのコンテンツを
スマートフォン上 で閲 覧 するための機 能 である。
ここでは、サイネージ端 末 が無 線 LAN AP と連 携 し、スマートフォンが無 線 LAN を経 由 して
サイネージ端 末 に接 続 する例 について説 明 する。
まず利 用 者 はスマートフォンをサイネージ端 末 が接 続 された無 線 LAN AP に接 続 させる。
(①参 照 )。接 続 後 、サイネージ端 末 はスマートフォンへアクセス先 を通 知 し、スマートフォンは
指 定 されたアクセス先 (表 4.3-5 連 携 先 の取 得 を参 照 )へブラウザを用 いてアクセスする(②
参 照 ) 。それを受 けサイネージ配 信 システムは 、スマートフォ ンに配 信 すべきコンテンツをスマ
ートフォンに配 信 する(③参 照 )。
なお、ここでは予 めスマートフォンに配 信 すべきコンテンツをデジタルサイネージシステム内
に格 納 することを前 提 としているが、コンテンツは共 通 クラウド基 盤 を利 用 して、逐 次 生 成 して
もよい。
図 4.3-4 スマートフォン連 携 の仕 組 み
(3) 属 性 に応 じた表 示 の動 作 の概 略 例
デジタルサイネージシステムに入 力 された属 性 情 報 を利 用 し、属 性 に応 じた情 報 を提 供 す
る機 能 である
属 性 に応 じた表 示 の動 作 として、下 記 2 つの例 を示 す。
A) タッチパネルからユーザ入 力 された属 性 (表 示 言 語 )に応 じたコンテンツの切 り替 え
B) スマートフォンの属 性 (使 用 言 語 )設 定 に応 じたコンテンツの表 示
18
Digital Signage Consortium
A) タッチパネルからユーザ入 力 された属 性 (表 示 言 語 )に応 じたコンテンツの切 り替 え
利 用 者 がタッチパネルで言 語 を選 択 (①参 照 )することで、サイネージ端 末 で選 択 された言
語 コンテンツに切 り替 え(②参 照 )て、サイネージ端 末 に表 示 する。
なお、図 では予 め属 性 (言 語 )情 報 に応 じたコンテンツをデジタルサイネージシステム内 に
格 納 することを前 提 としているが、コンテンツは共 通 クラウド基 盤 を利 用 して、逐 次 生 成 しても
よい。
図 4.3-5 属 性 に応 じた表 示 (タッチパネル)の仕 組 み
B) スマートフォンの属 性 (使 用 言 語 )設 定 に応 じたコンテンツの表 示
スマートフォンがデジタルサイネージシステムに接 続 された状 態 (図 4.3-4 の“スマートフォン
連 携 ”③により、アクセス先 のコンテンツがスマートフォンへ通 知 済 )であることを前 提 とする。
スマートフォンは、ブラウザを用 いて、指 定 されたコンテンツにアクセスする際 に、デジタルサ
イネージシステムにスマートフォンの言 語 設 定 (ブラウザの言 語 設 定 等 )を送 る(①参 照 ) 。
デジタルサイネージシステムは言 語 設 定 に応 じたコンテンツをスマートフォンに配 信 (②参
照 )、スマートフォンは配 信 された言 語 設 定 に応 じたコンテンツを表 示 する(③参 照 )。
なお、図 では予 め属 性 (言 語 )情 報 に応 じたコンテンツをデジタルサイネージシステム内 に
格 納 することを前 提 としているが、コンテンツは共 通 クラウド基 盤 を利 用 して、逐 次 生 成 しても
よい。
19
Digital Signage Consortium
図 4.3-6 属 性 に応 じた表 示 (スマートフォン)の仕 組 み
4.3.2
4.3.2.1
HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 の要 求 条 件
端 末 の共 通 要 件
HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 の要 求 条 件 を以 下 に示 す。
(1) ソフトウェア
ソフトウェアの基 本 要 求 条 件 を以 下 に示 す。
表 4.3-1 HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 の基 本 要 求 条 件 (ソフトウェア)
項目
対 応 レベル
仕様内容
備考
プレーヤ
HTML5 コンテンツを受 信 、表 示 可 能 な
必須
ブラウザ等
ソフトウェアの搭 載
災 害 時 に迅
速 に割 込 み
表 示 ができ
るようプッシ
ュ通 知 を受
必須
一 斉 配 信 情 報 による割 込 み表 示 と復 帰 信 できること
が望 ましい。
プッシュ通 知
の実 装 例 と
して
WebSocket。
HTML5 コンテンツの放 映 が可 能 であること、また災 害 情 報 一 斉 配 信 を実 現 するにあたり、
コンテンツが切 り替 わる機 能 を有 していることが必 須 条 件 となる。
20
Digital Signage Consortium
(2) ハードウェア
ハードウェアの基 本 要 求 条 件 を以 下 に示 す。
表 4.3-2 HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 の基 本 要 求 条 件 (ハードウェア)
項目
対 応 レベル
仕様内容
備考
予備電源
推奨
停 電 時 でも可 能 な範 囲 でサービスを継
続 すること
ロ ー カ ル ス ト レ 推奨
ネットワーク切 断 時 に表 示 するコンテンツ 災 害 時 等 の
ージ
を格 納 すること
ネットワーク
切 断 時 に対
応 するため
(
ITU-T
H.785.0 準
拠)
ICカードリーダ
推奨
個 人 属 性 に関 連 付 けられた ID 情 報 など 共 通 クラウ ド
を読 み取 ること
基 盤 と連 携
し、交 通 系 I
Cカードによ
る属 性 に応
じた情 報 提
供 サービス
を行う場合
に推 奨
災 害 情 報 を配 信 するにあたり、HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 として可 用 性 の確 保
を想 定 する必 要 がある。ネットワークや電 源 供 給 が遮 断 された際 を想 定 して、上 記 のとおりロ
ーカルストレージや予 備 電 源 の搭 載 を推 奨 する。
(3) ネットワーク
ネットワークの基 本 要 求 条 件 を以 下 に示 す。
表 4.3-3 HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 の基 本 要 求 条 件 (ネットワーク)
項目
対 応 レベル
仕様内容
備考
ネットワーク接
必須
サイネージ配 信 システムとサイネージ端
ITU-T
続
末 間 で常 時 接 続 できること
H.785.0 に
規 定 されて
いる、信 頼
性 のある回
線 を選 定 す
ることが望 ま
しい
二重化
推奨
ネットワーク障 害 発 生 時 でも可 能 な範 囲
でサービスを継 続 すること
21
Digital Signage Consortium
スマートフォン連 携 のためのハードウェアとして、Wi-Fi アクセスポイントの設 置 を推 奨 するこ
ととする。また、必 要 に応 じてネットワークを二 重 化 することを推 奨 する。
4.3.2.2
機 能 別 の端 末 要 件
(1) 災 害 情 報 一 斉 配 信
災 害 情 報 一 斉 配 信 を実 現 するときの HTML5 対 応 デジタルサイネージ端 末 の主 な要 求 条
件 を以 下 に示 す。
項目
注意喚起
表 4.3-4 「災 害 情 報 一 斉 配 信 」を実 現 するときの要 求 条 件
対 応 レベル
仕様内容
備考
推奨
災 害 情 報 が配 信 されたこと 例 と し て 災 害 に 適 し た 画
を認 知 させること
面 表 示 、音 声 やチャイム
出力等
推奨
平 常 時 か ら 「 災 害 時 に 情 ピクトグラムによる提 示
報 配 信 される端 末 である」
ことを認 知 させること
(2) スマートフォン連 携
スマートフォン連 携 を実 現 するときのデジタルサイネージシステム(端 末 またはシステム内 の
サーバ等 )の主 な要 求 条 件 を以 下 に示 す。
表 4.3-5 「スマートフォン連 携 」を実 現 するときの要 求 条 件
項目
対 応 レベル
仕様内容
備考
コンテンツ表 示
必須
連 携 して表 示 させたいコン
テンツまたはコンテンツのア
クセス先 をスマートフォンに
提 供 すること
推奨
ネットワーク切 断 時 にもスマ ローカル 配 信 サー バの 配
ートフォンへのコンテンツ配 置 等
信 手 段 を確 保 すること
連携手段
必須
ス マ ー ト フ ォ ン と の 通 信 手 Wi-Fi を推 奨
段 を確 保 すること
(理 由 )訪 日 外 国 人 を想
定 したスマートフォンへの
機 能 搭 載 率 及 び災 害 時
スマートフォンがデジタルサ のローカル配 信 への対 応
を考 慮
必須
イネージシステムとの連 携
(連 携 先 の取 得 例 )
先 を容 易 に取 得 できること
captive portal によるリダ
イレクト等
22
Digital Signage Consortium
(3) 属 性 に応 じた表 示
属 性 に応 じた表 示 を実 現 するときのデジタルサイネージシステム(端 末 またはシステム内 の
サーバ等 )の主 な要 求 条 件 を以 下 に示 す。本 ガイドラインにおいては、多 言 語 対 応 に特 化 し
てガイドライン化 する。
表 4.3-6 「属 性 に応 じた表 示 」を実 現 するときの要 求 条 件
項目
対 応 レベル
仕様内容
備考
コンテンツ表 示
必須
属 性 情 報 に応 じたコンテン ・多 言 語 の対 応 範 囲 ・表
ツを取 得 できること。コンテ
記 の考 え方 については
ンツについては、翻 訳 され
観 光 庁 「観 光 立 国 実 現
たライブ情 報 (フロー)・定
に向 けた 多 言 語 対 応
型 的 情 報 (ストック)※ を
の改 善 ・強 化 のためのガ
共 に対 応 できること。
イドライン」等 を参 考 に
※DSC 災 害 ・緊 急 時 にお
すること
けるデジタルサイネージ運
・人 による翻 訳 、機 械 翻
用 ガイドライン参 照
訳 の選 択 は、情 報 の重
要 性 等 を勘 案 して判 断
(機 械 翻 訳 については、
クラウド翻 訳 API の活 用
を推 奨 )
属 性 情 報 の取 得
必須
属 性 情 報 を取 得 する手 段
を備 えること。手 段 は下 記
にて推 奨 。
タッチパネルによる 推 奨
タッチパネル操 作 により使
サイネージ端 末 の
用 言 語 を切 り替 え、表 示 す
情 報 の切 り替 え
ること
スマートフォンへの 推 奨
スマートフォンの使 用 言 語
スマートフォンの使 用 言
表示
に応 じたコンテンツを表 示
語 をサーバ側 で判 定 し、
すること
使 用 言 語 に応 じたコンテ
ンツを配 信 する
IC カードによるサ
推奨
サイネージ端 末 上 のコンテ
イネージ端 末 の情
ンツを、IC カードと連 携 し
報 の切 り替 え
て使 用 言 語 を切 り替 え、表
示 すること
参考文献
[1] 総 務 省 ,2020 年 に向 けた社 会 全 体 の ICT 化 アクションプラン(第 一 版 ) 概 要
http://www.soumu.go.jp/main_content/000392415.pdf
[2] 総 務 省 ,2020 年 に向 けた社 会 全 体 の ICT 化 推 進 に関 する懇 談 会 (第 4 回 )
【資 料 4-5】
横 断 的 アクションプランの具 体 化 について
(都 市 サービス高 度 化 、高 度 な映 像 配 信 サービス)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000390371.pdf
23
Digital Signage Consortium
[3] 総 務 省 , 都 市 サービス高 度 化 ワーキンググループ(第 4 回 )配 付 資 料 【資 料 4-1】
共 通 クラウド基 盤 にかかる報 告 書 概 要 (素 案 )PDF
[4] 都 市 サービス高 度 化 ワーキンググループ(第 4 回 )配 付 資 料 【資 料 4-2】
おもてなしインフラ報 告 書 (案 )PDF
[5] 都 市 サービス高 度 化 ワーキンググループ(第 4 回 )配 付 資 料 【資 料 4-3】
おもてなしインフラ API(案 )PDF
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/2020_ict_kondankai/02tsushin01_0300
0376.html
24