Digital Cinema Consortium Newsletter 2003年第1号(2003年5月) 編集・発行/ディジタルシネマ・コンソーシアム事務局 〒239-0847 横須賀市光の丘8-3 316号室 Digital Cinema Consortium Newsletter 発行にあたって DCC会員の皆様 まず当コンソーシアムの活動への参画に対して心から謝意を表します。 当DCCはディジタルシネマに不可欠である、35mmフィルムと同等、あるいはそれを上回る品質のディジタルシ ネマを制作、上映、アーカイブできる技術とそのシネマコンテンツの配信技術の研究開発を支援し、その技術の実 験やデモを通して世界標準に取り入れられるための活動を支援することを活発に行ってまいりました。その成果は ハリウッドのDCIや欧州EDCFのディジタルシネマスタンダードの議論に対して、当コンソーシアムが支援したデモ や評価試験を通して大きなインパクトを与えることができ、我々の主張が受け入れられつつあります。 現時点までの活動は当コンソーシアムに参画されている企業のボランティア的活動に支えられてここまで進めて まいりましたが、今後のさらなる活動にはやはりコンソーシアムとしての活動資金が必要であり、当コンソーシアム をNPO化し、会員より妥当な会費を頂くとともに、NPOとして国や各種団体の助成金を獲得することによってその 活動基盤をより強固なものにする必要があります。このような背景から前回のコンソーシアム総会においてNPO 化することを決議させて頂き、まもなくNPOとして認可を得る段階にいたっております。NPOとしての活動は従来 のボランティア的活動に比べて、より目標と活動状況を会員に明確に示し、会員間の 情報の共有を進める必要があると考えます。そこで、活動情報の共有と得られた内外 の情報を会員に提供するために可能な頻度でニュースレターを発行することといたし ました。 当面年4回程度を目標にしたいと考えております。会員の皆様からの情報提 供をよろしくお願いいたします。 ディジタルシネマ・コンソーシアム会長 青山友紀 ディジタルシネマ・コンソーシアムの NPO化 NPO化 本年2月21日に神奈川県庁へのディジタ ルシネマ・コンソーシアムのNPO法人化申 請が行われています。受理した担当者の方 の説明では、神奈川県においては特別の問 題が無い場合、申請受理後3ヶ月後から2 週間以内に法人化が認定され、認定後2週 間以内に法人登記をすることが要求される とのことです。 従ってディジタルシネマ・コンソーシアムは 5月21日から2週間程度以内(6月4日頃ま で)にNPO法人化が認定されると予想されま す。認定後直ちに横須賀市の登記所に法 人登記をする予定ですので、遅くとも6月下 旬にはNPO法人としてのディジタルシネマ・ コンソーシアムが設立されます。 (小野) 標準化動向 ITU-R Study Group 6において「ディジタルシネマ」 を研究課題として 標準化を進めることが各国間で 合意され2002年3月にTask Group 6/9として立ち上 げられました。ところがハリウッドを中心とした米国 の映画界からの反発で、米国代表団がこの研究課 題に反対する立場にまわり、TG6/9の審議が停滞 する状況になっていました。事態の好転を図るため、 TG6/9の所掌の範囲を見直すことを目的として Extraordinary会議が2003年3月18日に招集され、研 究課題を「Large Screen Digital Imagery (LSDI)」と することで妥協が計られました。米国の理解は、 「LSDIはHDTV技術をベースとした大型スクリーンに よる改善された視聴覚体験に関する技術であり、映 画とはまったく別のもの」とのこと。但し、35mm 映 画フィルムからLSDIの変換についてはテレシネの 延長としてとらえ、特に問題無しとのこと。この妥協 を受けて、3月19日から25日までジュネーブにおい てTG6/9 Digital Cinemaの会合が開催され、いくつ かの勧告案がまとめられ始めました。(藤井) ディジタルシネマ・シンポジウム2003開催 情報通信月間推進協議会(総務省)の後援により「ディジタルシネマ・シンポジウム2003 新展開 - ディジタルシネマ・ビジネス」を開催いたします。詳細は同封のプログラムをご覧 ください。(プログラムは一部変更になる可能性がございます。) ◆日時:2003年6月2日(月) 13:00~17:35 (開場12:30) ◆会場:銀座ヤマハホール (東京都中央区銀座7-9-14) ◆会費:無料 また、シンポジウム後、下記の通り臨時総会を予定しております。 ◆時間:18:30~20:30 ◆会場:銀座ライオン 安具楽 東京都中央区銀座7-9-20 ライオン銀座7丁目店3階 電話 03-3571-4384 ◆会費:お一人様 6300円 シンポジウムと合わせて、ご出欠を事務局までご連絡ください。どうぞよろしくお願いいたし ます。(山田) ヨーロッパデモの予定 NAB2003情報 NAB2003情報 ディジタルシネマ・コンソーシアムは EDCF(European Digital Cinema Forum)との連携 の具体的活動として、2003年6月下旬から7月上 旬にかけてヨーロッパで800万画素超高精細ディ ジタルシネマ配信システムのデモンストレーション を行うことになりました。現在の予定では、6月 27 日にEDCFのテストベッドとして位置づけられてい るロンドンの National Film Theater (NFT)で最初 のデモを行います。これに引き続き7月3日と4日 の両日にローマのCinecitta (映画村)で2回目のデ モンストレーションを行う予定です。現在これに向 けて、準備を進めているところです。 (藤井) 本年4月5日から10日にかけて、ラスベガスで例年 通りNAB2003が開催されました。但し、IT不況とイラ ク戦争の煽りを受け、Sands Expo Centerでの展示 は中止、会場がConvention Centerのみに縮小され ての開催となりました。メディア系に関する報告は 他の雑誌などの解説記事に譲るとして、ディジタル シネマに関する話題は4Kという数値に表れていまし た。 関連サイトのご紹介 NFT http://www.bfi.org.uk/showing/nft/index.html Cinecitta http://www.cinecitta.it/ 映画村:イタリアの伝説的な撮影所「チネチッタ映 画撮影所」に隣接する施設。かつて、この撮影所 では数多くのイタリア映画や「ベンハー」・「クレオ パトラ」などの外国映画が製作され、世に送られ ました。フェリーニがこよなく愛したこの撮影所は、 彼の作品「インテルビスタ」(1987年)にも登場して います。 まず、Thomsonより、Spirit 4Kが登場。35mmフィ ルムの4Kでのスキャンを6フレーム/秒で高速ディ ジタル化できることを謳っていました。Film Lightから は6Kもスキャン可能なフィルムスキャナが展示され ました。また、DALSAから出展された解像度4Kの映 画撮影用ディジタルカメラも注目を集めていました。 画素数が4046(H) x 2048(V)であり、回転するミラー 型シャッターが組み込まれ、撮影者がレンズを通し ての像を直接見て、撮影可能な映画専用ディジタ ルカメラです。また、ディジタルシネマ・サミットも NAB2003に先だって開催され、土曜の午前9時から のセッションにもかかわらず400~500名が集まりま した。南カリフォルニア大学ETCのSwartz教授のディ ジタルシネマの講演、新技術の紹介、映画関係者 のパネル討論等が予定通り進められました。(藤井) Digital Cinema Consortium Newsletter 2003年第1号(2003年5月) 野田前郵政大臣、月尾前総務省審議官への ディジタルシネマの説明 本年3月27日午後4時から約1時間かけて、野田代議士(前郵政大臣)、月尾前総務省 審議官、島政策秘書と、青山東京大学教授、小野NTT未来ねっと研究所・特別研究室長 (当時・現慶応義塾大学教授)、萩本NTT未来ねっと研究所・企画部長が参加して、衆議院 第一議員会館の7階の面談室で行われました。 コンソーシアム側の準備した資料によって現在までの状況、ハリウッドにおける3回のデ モの様子、その結果としてハリウッドがディジタルシネマ・コンソーシアムが推してきた8M (4000×2000画素)の規格が採用されるであろう見通し(2003年末)などの今後の状況が 説明されました。その後ディジタルシネマに関する各自の意見を基にした討論がなされ、今 後ディジタルシネマが光ネットワークのキラーアプリケー ションとして産業政策・文化政策と して非常に大きな意味を持つことで、共通の認識を得ました。 また月尾前総務省審議官から規格について今後もハリウッドとの連携を今まで以上に深 めた形で進めるようにとの指摘があり、一同は了解しました。青山教授から光ネットワーク のキラーアプリケーションとしての早期確立には、アメリカ・ヨーロッパ等と同様に実験・評 価用の定常使用可能な上映会場の必要性が説明されました。 野田代議士は引き続き国会関係者並びに映画に興味のあるメディアの専門家に様々な 協力を求め、日本におけるディジタルシネマの早期普及に尽力することを言明されました。 (小野) YRPに新オフィスを開設 本年4月1日、横須賀リサーチパーク(YRP)内の横須賀市産学官交流センターに東京大学情報 理工学系研究科/新領域創成科学研究科 青山・森川研究室が開設され、これにともない研究室 内にディジタルシネマ・コンソーシアム事務局を移転いたしました。 会員の皆様からのお問い合わせ等は下記の連絡先でお受けいたしますので、今後共どうぞ宜し くお願い申し上げます。(山田) 【事務局連絡先】 〒239-0847 横須賀市光の丘 8-3 横須賀市産学交流センター ベンチャー棟316号室 ディジタルシネマ・コンソーシアム事務局 e-mail: [email protected] Digital Cinema Consortium Newsletter 2003年第1号(2003年5月)
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