平成23年9月20日

平成23年第5回飛騨市議会定例会議事日程
平成23年9月20日 午前10時00分開議 日程番号
議案番号
事 件 名
会議録署名議員の指名
第1
第2
議案第77号
飛騨市税条例の一部を改正する条例について
第3
議案第78号
岐阜県市町村職員退職手当組合規約の一部を改正する規約について
第4
議案第79号
飛騨市過疎地域自立促進計画の変更について
第5
議案第80号
飛騨市スポーツ施設条例等の一部を改正する条例について
第6
議案第81号
飛騨市介護保険条例の一部を改正する条例について
第7
議案第82号
飛騨市新規就農者支援基金条例の一部を改正する条例について
第8
議案第83号
飛騨市駐車場条例の一部を改正する条例について
第9
議案第84号
市営土地改良事業の変更について(宮川町林沼尻地区)
第10
議案第85号
平成23年度飛騨市一般会計補正予算(補正第2号)
第11
議案第86号
平成23年度飛騨市国民健康保険特別会計補正予算(補正第2号)
第12
議案第87号
平成23年度飛騨市後期高齢者医療特別会計補正予算(補正第1号)
第13
議案第88号
平成23年度飛騨市介護保険特別会計補正予算(補正第2号)
第14
議案第89号
平成23年度飛騨市簡易水道事業特別会計補正予算(補正第2号)
第15
議案第90号
平成23年度飛騨市公共下水道事業特別会計補正予算(補正第2号)
第16
議案第91号
平成23年度飛騨市水道事業会計補正予算(補正第2号)
第17
議案第92号
平成23年度飛騨市国民健康保険病院事業会計補正予算(補正第2号)
第18
認定第 1号
平成22年度飛騨市一般会計歳入歳出決算の認定について
第19
認定第 2号
平成22年度飛騨市国民健康保険特別会計歳入歳出決算の認定について
第20
認定第 3号
平成22年度飛騨市老人保健特別会計歳入歳出決算の認定について
日程番号
議案番号
第21
認定第 4号
平成22年度飛騨市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定につい
て
第22
認定第 5号
平成22年度飛騨市介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
第23
認定第 6号
平成22年度飛騨市簡易水道事業特別会計歳入歳出決算の認定について
第24
認定第 7号
平成22年度飛騨市公共下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定につい
て
第25
認定第 8号
平成22年度飛騨市特定環境保全公共下水道事業特別会計歳入歳出決算
の認定について
第26
認定第 9号
平成22年度飛騨市農村下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定につい
て
第27
認定第 10号
平成22年度飛騨市個別排水処理施設事業特別会計歳入歳出決算の認定
について
第28
認定第 11号
平成22年度飛騨市下水道汚泥処理事業特別会計歳入歳出決算の認定に
ついて
第29
認定第 12号
平成22年度飛騨市駐車場事業特別会計歳入歳出決算の認定について
第30
認定第 13号
平成22年度飛騨市情報施設特別会計歳入歳出決算の認定について
第31
認定第 14号
平成22年度飛騨市給食費特別会計歳入歳出決算の認定について
第32
認定第 15号
平成22年度飛騨市水道事業会計決算の認定について
第33
認定第 16号
平成22年度飛騨市国民健康保険病院事業会計決算の認定について
第34
事 件 名 一般質問
本日の会議に付した事件
会議録署名議員の指名
日程第1
日程第2
議案第77号
飛騨市税条例の一部を改正する条例について
日程第3
議案第78号
岐阜県市町村職員退職手当組合規約の一部を改正する規約について
日程第4
議案第79号
飛騨市過疎地域自立促進計画の変更について
日程第5
議案第80号
飛騨市スポーツ施設条例等の一部を改正する条例について
日程第6
議案第81号
飛騨市介護保険条例の一部を改正する条例について
日程第7
議案第82号
飛騨市新規就農者支援基金条例の一部を改正する条例について
日程第8
議案第83号
飛騨市駐車場条例の一部を改正する条例について
日程第9
議案第84号
市営土地改良事業の変更について(宮川町林沼尻地区)
日程第10
議案第85号
平成23年度飛騨市一般会計補正予算(補正第2号)
日程第11
議案第86号
平成23年度飛騨市国民健康保険特別会計補正予算(補正第2号)
日程第12
議案第87号
平成23年度飛騨市後期高齢者医療特別会計補正予算(補正第1号)
日程第13
議案第88号
平成23年度飛騨市介護保険特別会計補正予算(補正第2号)
日程第14
議案第89号
平成23年度飛騨市簡易水道事業特別会計補正予算(補正第2号)
日程第15
議案第90号
平成23年度飛騨市公共下水道事業特別会計補正予算(補正第2号)
日程第16
議案第91号
平成23年度飛騨市水道事業会計補正予算(補正第2号)
日程第17
議案第92号
平成23年度飛騨市国民健康保険病院事業会計補正予算(補正第2号)
日程第18
認定第 1号
平成22年度飛騨市一般会計歳入歳出決算の認定について
日程第19
認定第 2号
平成22年度飛騨市国民健康保険特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第20
認定第 3号
平成22年度飛騨市老人保健特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第21
認定第 4号
日程第22
認定第 5号
平成22年度飛騨市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定につい
て
平成22年度飛騨市介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第23
認定第 6号
平成22年度飛騨市簡易水道事業特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第24
認定第 7号
日程第25
認定第 8号
日程第26
認定第 9号
日程第27
認定第10号
日程第28
認定第11号
日程第29
認定第12号
平成22年度飛騨市公共下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定につい
て
平成22年度飛騨市特定環境保全公共下水道事業特別会計歳入歳出決算
の認定について
平成22年度飛騨市農村下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定につい
て
平成22年度飛騨市個別排水処理施設事業特別会計歳入歳出決算の認定
について
平成22年度飛騨市下水道汚泥処理事業特別会計歳入歳出決算の認定に
ついて
平成22年度飛騨市駐車場事業特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第30
認定第13号
平成22年度飛騨市情報施設特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第31
認定第14号
平成22年度飛騨市給食費特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第32
認定第15号
平成22年度飛騨市水道事業会計決算の認定について
日程第33
認定第16号
平成22年度飛騨市国民健康保険病院事業会計決算の認定について
日程第34
一般質問
〇出席議員(17名)
1番
2番
3番
4番
5番
6番
7番
8番
9番
10番
11番
12番
13番
14番
15番
16番
17番
後
福
菅
内
堀
森
木
高
齋
天
葛
桑
山
深
池
石
籠
藤
田
沼
海
辺
下
下
原
藤
木
谷
山
下
田
田
田
山
和 正
武 彦
明 彦
良 郎
明 子
真 次
忠 男
邦 子
輝 治
幸 男
寛 徳
茂 子
博 文
直 彦
寛 一
隆 司
恵美子
市長
副市長
教育長
会計管理者
総務部長
財政課長
教育委員会事務局長
企画部長
環境水道部長
市民福祉部長
農林部長
商工観光部長
基盤整備部長
消防長
病院管理室長
国体推進室長
井 上 久
白 川 修
山 本 幸
中 野 正
小 倉 孝
水 上 雅
藤 井 義
森 本 晴
岩 塚 泰
谷 澤 敦
石
腰
沖 村 三 千
飯 島 昭
沢 之 向
川 上 清
谷 口 富
則
平
一
一
文
廣
昌
男
男
子
豊
一
憲
光
秋
之
議会事務局長
書記
野
竹
昭
香
〇欠席議員(なし)
〇説明のため出席した者
の職氏名
〇職務のため出席した
事務局員
村
原
重
美
平成23年第5回飛騨市議会定例会 一般質問・質疑発言者一覧表
№
質 問 者
1
堀辺 明子
(民主クラブ)
質
問
事
項
備 考
1. 飛越新道から北ノ俣岳までの登山整備について
2. 深洞湿原の今後について
20日 午前
3. 史跡江馬氏館跡公園の活用について
1. 深刻化する市民病院の医師不足
2
山下 博文
(民主クラブ)
2. 飛騨市防災訓練からの教訓
〃
3. エコデータセンターの現況と今後の展望
3
菅沼 明彦
(飛有人会)
4
福田 武彦
(飛有人会)
5
後藤 和正
(飛有人会)
1. 市民との懇談会より得たものは
6
内海 良郎
(飛有人会)
1. 市民病院の常勤医師招聘について
7
籠山 恵美子
(日本共産党
飛騨市議団)
1. 増島城址の整備について
1. 教育懇話会に求めるものについて
2. 安全安心な飛騨市の農畜産物と農業振興について
2. 自殺予防教育について
2. 森林環境税の創設と森林整備の促進について
〃
20日 午後
〃
21日 午前
1. 財政を圧迫する公共施設の対応について
2. 特別養護老人施設の必要性について
〃
3. 原発災害に学ぶ防災計画、今後のまちづくりなど市の具体的施策について
8
桑山 茂子
(日本共産党
飛騨市議団)
1. 水害対策と水力発電の活用について
2. 住宅リフォーム助成制度を恒久の制度に
3. 雪害対策の強化で冬も安心の飛騨市に
9
池田 寛一
(飛政会)
1. 防災対策について
10
高原 邦子
(飛政会)
1. 住宅リフォーム補助金について
2. 子供たちの体力と技能向上について
2. 医師不足への対応はどのようになっているのか
※ 〃
21日 午後
〃
〃
1. 障がいのある人達の自立をどのように考えているか
11
天木 幸男
(飛友クラブ)
2. ぎふ清流国体について
3. イノシシ対策について
22日 午前
4. 市単独補助金の適性化について
1. 北陸新幹線開業に伴う高山本線強化について
12
石田 隆司
(飛友クラブ)
2. 旧神岡鉄道財産整理と利用について
〃
3. 第5期介護保険料の見直しについて
13
木下 忠男
(飛友クラブ)
1. 住宅リフォーム補助金について
※時間の関係で場合によっては、午前と午後の質問となる議員がいます。
〃
(
開議
午前10時00分
)
◆開議
◎議長(森下真次)
本日の出席議員は全員であります。代表監査委員、福田幸博君が欠席であります。そ
れでは、ただ今から本日の会議を開きます。本日の議事日程および質疑、一般質問の発
言予定者はお手元に配付のとおりであります。
◆日程第1
会議録署名議員の指名
◎議長(森下真次)
日程第1、会議録署名議員の指名を行います。本日の会議録署名議員は、会議規則第
81条の規定により16番、石田隆司君。17番、籠山恵美子君を指名いたします。
◆休憩
◎議長(森下真次)
ここで、市長より議案書説明資料の訂正の申し出があり、これを許可したので、これ
より正誤表をお配付いたします。暫時休憩いたします。
(
休憩
午前10時01分
再開
午前10時02分
)
◆再開
◎議長(森下真次)
休憩を解き、会議を再開いたします。
◆日程第
2
議案第77号
飛騨市税条例の一部を改正する条例について
から
日程第33
認定第16号
平成22年度飛騨市国民健康保険病院事業会計決算の認定
について
日程第34
一般質問
◎議長(森下真次)
日程第2、議案第77号、飛騨市税条例の一部を改正する条例についてから、日程第
33、認定第16号、平成22年度飛騨市国民健康保険病院事業会計決算の認定につい
てまでの32案件を一括して議題といたします。32案件の質疑と併せて、これより日
程第34、一般質問を行います。
それでは、これより順次通告順に発言を許可いたします。最初に5番、堀辺明子君。
なお、質問中資料の使用願が出ておりますので、これを許可いたします。
〔5番
堀辺明子
登壇〕
1
○5番(堀辺明子)
皆さん、おはようございます。一般質問に入らせていただく前に、一言御礼申し上げ
ます。一昨日、山之村で飛騨市山の村だいこんマラソンを盛大に開催させていただきま
した。天候にも恵まれ、1,100人のエントリーがありました。事故もなく、開催終
了させていただくことができましたこと、飛騨市長様もとより関係者の皆様に御礼申し
上げます。ありがとうございました。
それでは、質問に入らせていただきます。私は3問用意をさせていただいております。
まず1番目に、飛越新道から北ノ俣岳までの登山道整備について質問をさせていただき
ます。中部山岳国立公園内にある飛騨市の山、北ノ俣岳は2,661mあり、薬師岳や
黒部五郎岳と並んで大パノラマが広がるすばらしい山であります。
富山県大山町の有峰湖と飛騨市の県境にある飛越トンネル口の登山道入り口から、平
成6年に開設された飛越新道を歩き始め1,996mの寺地山を通り、北ノ俣岳に登山
道が続いております。
飛越新道から寺地山まではアップダウンが多く、特に飛越新道と神岡新道の分岐点か
ら寺地山までの登山道はかなりの湿地帯で、私も9月11日、この北ノ俣岳をこのルー
トで登山してまいりましたが、晴れた日でも道がぬかるんで足をとられる箇所がたくさ
んあり、木道も十分に整備されていないため、登山道に生息している水芭蕉の葉を踏み
つけたり、登山道の脇に咲いている御前橘やミヤマリンドウなどの花を踏んでいかざる
を得ない状況でした。
また、寺地山を越え約1時間で避難小屋に到着いたしますが、ここから500m~6
00m頂上に向かい、平成13年度から3年間をかけ木道が整備されております。この
木道は、避難小屋から頂上に向かう登山道が積雪、雪解け水や雨水により、どんどん深
まり大きな溝のようになり容易に歩けなくなったため、代わりの登山道として整備され
たものです。この木道もちょうつがいがはずれ、壊れた箇所が数カ所あり大変危険であ
りました。この木道を越え、そこから上は深い溝のようになった従来の登山道の脇を歩
かなければならず、道幅も狭くこれもまた大変危険であります。
以上のように、北ノ俣登山道は登山者にとって危険箇所がいっぱいであります。また、
生息している草木も登山者の足で踏みつぶされ、自然が少しずつ破壊され続けています。
さて、整備つきましては飛騨市の毎年の当初予算において約100万円の予算で飛越
新道、神岡新道、深洞湿原、唐尾峠等の伐採や草刈り、歩道の整備を業者に委託して行
っていただいております。また、毎年神岡振興事務所の職員が雪解けの頃、5名程度一
泊で北ノ俣岳登山道の補修に行きます。しかし、この程度の補修や応急処置程度では登
山道は荒廃し、浸食はますます広がっていきます。専門家による調査を行い、できるだ
け早いうちに大規模改修を手掛ける必要があると考えます。別紙資料をご覧いただけれ
ば、現在の様子がよくお分かりになるかと思います。
北ノ俣岳までの生態系を変えないよう登山道を確保し、登山者が安全に歩ける登山道
2
整備に力を入れていただきたいと思いますが、3点、市長の考えを伺います。1点目、
現在北ノ俣岳の登山道を市としてどの程度把握しているか。2点目、避難小屋から北ノ
俣岳に向かう木道の壊れた箇所は大変危険であります。早急に補修する必要があります
が、できないでしょうか。3点目、専門家による北ノ俣岳までの登山道調査が必要であ
ると思いますが、やる考えはありますか。以上、お伺いいたします。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
(「議長」と呼ぶ声あり。
) ※以下、この「議長」と呼ぶ声の表記は省略する。
◎議長(森下真次)
市長、井上久則君。
〔市長
井上久則
※以下、この議長の発言者指名の表記は省略する。
登壇〕
△市長(井上久則)
皆さん、おはようございます。今日から三日間、皆様方の一般質問にそれぞれお答え
させていただきたいと思います。それでは、最初に堀辺議員から北ノ俣岳の質問がござ
いました。お答えさせていただきたいと思います。余談でありますけれども、私もちょ
うど寺地山の1,996mの年、1996年に北ノ俣登山をいたしました。15年経ち
ましたものですから、堀辺議員の質問を聞きまして、その頃と比べてかなり崩壊をして
いるという感じを受けているところでございます。そういったことを踏まえまして、お
答えさせていただきたいと思います。
1点目の、登山道を市としてどの程度把握しているかということでございます。北ノ
俣岳登山道につきましては、旧神岡町が中心となりまして昭和37年に神岡新道を開設。
昭和42年と昭和61年に避難小屋建設。平成6年には飛越新道を開設など、登山道の
整備を行ってまいりましたが、近年、登山者などから登山道の損傷についての報告を受
けているところでございます。飛越トンネル経由で、国立公園内にある北ノ俣避難小屋
まで約4時間30分から5時間。そこから北ノ俣岳山頂まで2時間程度。全長約9km
でございますが、アップダウンがきつく、湿地帯が多いことから歩くのは容易ではなく、
また降雨時には歩道が水路となって浸食されていることも承知いたしているところでご
ざいます。
これまで、平成13年度から15年度にかけて約6,000万円を費やし登山道の整
備を行いましたが、浸食箇所の規模が大きすぎることや財政的なこともあり、その後の
大規模な整備は行っておりません。国立公園につきましては、国立公園関係都市協議会
を通じて、国等で整備をしていただくよう要望をしているところでございます。
2点目でございますが、避難小屋から北ノ俣岳に向かう木道の壊れた箇所のことでご
ざいます。避難小屋からの木道に関しましては、神岡振興事務所が中心となって毎年シ
ーズン前に整備を行っており、昨年度は2回修理を行いました。今年の7月上旬にも修
理を行いましたが、さらに修理が必要な時にはできる範囲で対応したいと考えていると
3
ころでございます。ただし、大規模な修理につきましては、今後、関係機関、特に森林
管理署、環境省などと協議の上、検討をしてまいらなければなりませんのでご理解をい
ただきたいと思っているところでございます。
3点目でございますが、専門家による北ノ俣岳の登山道調査が必要であると思うが、
ということでございます。専門家による調査につきましても、森林管理署など関係機関
との意見調整をしてまいりたいと考えているところでございますので、よろしくお願い
を申し上げたいと思います。
〔市長
井上久則
着席〕
○5番(堀辺明子)
再質問させていただきます。この北ノ俣岳の質問をさせていただくに当たって、以前
より全国のいろんな地域からの登山ファンの方から、何とか北ノ俣を改修してほしいと
いう声を聞いております。また、前回質問をさせていただきました山岳救助隊の方々か
らも、毎年北ノ俣岳に登山された方から、例えば道に迷った、それから足をくじいたと
いうような救助をしてほしいという声がある。そして何とか救助隊の方々が、あのよう
な登山道では人を助けるのも大変だということで、登山道の改修をしてほしいという声
を聞いた上で、私は質問をさせていただきました。そして、私が先ほど申しましたよう
に9月11日に山を登ってまいりましたけれども、本当に大変時間がかかりましたし、
ぬかるみもありましたし、これは大変だと痛感いたしました。山之村の飛越トンネル前
の登山口には、十数台の全国各地からの車が止まっておりました。それだけやはり、そ
こから登られる登山ファンがいらっしゃるということを思いましたし、年々登山ファン
が増えているということを聞いております。その上からも、やはりこの大規模改修とい
うのは必要ではないかと思います。その中で、私が登った時の感想ですが、北ノ俣まで
上がる標識が見えにくくなったり、曖昧になっていたり、これはどういう意味なのかと
いう箇所がいくつもありました。その箇所の標識を早めに改修していただきたいと思い
ますが、この点はいかがでしょうか。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
△市長(井上久則)
私も北ノ俣を登った時は、神岡新道から登らせていただきまして、あそこのアップダ
ウンの強さ、そういったことも経験をしておりますし、ぬかるみにつきましても経験を
しているところでございます。この登山に関しましてはいろんなご意見がございまして、
登山道をしっかり整備した方が良いという方と、自然のままで良いという方と意見が分
かれるところでございます。しかしながら一度手をかけた以上は、ある程度の手はかけ
ておかなければならない責務はあるのではないかという感じもしているわけでございま
すが、この辺の大きな補修等につきましては、先ほど答弁をいたしましたとおりでござ
いまして、国立公園でもございますし、森林管理署の管轄外ということもございますの
4
で、この辺はしっかり協議をしながら良い方向へ進むような努力はしてまいりたいと思
っているところでございます。特に危険箇所、落石などそういったことにつきましては、
標識をしっかり設置するなど、そういった手当てはしなければならないと思っておりま
すし、また案内標識につきましても間違った所へ行った時に遭難をする危険性もござい
ますので、この辺につきましても一体どういった標識が必要なのかということも、よく
現地を把握させていただいた上で検討してまいりたいということでご理解いただきたい
と思っているところでございますので、よろしくお願いいたします。
○5番(堀辺明子)
ぜひお願いをしたいと思いますが、毎年、この間も新聞に載っておりましたけれども、
山ガールが増えたり、それから登山がよく分からなくて登山がブームだから登られると
いう方が年々増えておりまして、今年は本当にまた昨年以上に登山者が多く、そして遭
難される方もかなり多いと聞いております。仮に事故があった場合、飛騨市の責任、こ
の登山道を整備しないから、こういうことになったということで訴えられることもなき
にしもあらずと思っておりますので、国とも県とも協議をしていただきながら、できる
だけ整備を早めにしていただけるように要望いたします。
また、避難小屋ですが、作られた時は素晴らしい小屋だったんだろうと思いますが、
かなり周辺も傷んでおりますし、その辺も整備をしていただけたらと思っております。
ただ、避難小屋ですので、それ以上あまり手を、これ以上かけられないのかと思います
が、山小屋を経営していただけるのであれば、山小屋の経営者と共にその周辺の整備も
できるのではないかと思いますが、この点についてどう思われますか。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
△市長(井上久則)
まず1点目でございますけれども、この北ノ俣岳の登山道の管理者はどこにあるのか
という、これがちょっと不明なところがございまして、この辺は先ほど言いましたよう
に、しっかりと協議をして進めていかなければならないことと思っているところでござ
います。
また、山小屋につきましては、本当に必要なのかどうかということから考えていかな
ければならないと思いますけども、今のところ北ノ俣岳につきましては、頂上まで行け
ば近くに太郎山の方へ行けば太郎小屋がございますし、いろんな形の中で山小屋があり
ますので、本当に北ノ俣岳に山小屋は今の時点では、あそこの避難小屋をしっかり管理
をしていれば必要はないのではないかというような思いでいるところでございますので、
ご理解をいただきたいと思います。
○5番(堀辺明子)
ぜひ、前向きに検討いただきたいと思います。では、次の質問に入らせていただきま
す。
5
深洞湿原の今後について質問をさせていただきます。8月22日、飛騨・美濃じまん
飛騨地区会議で、「岐阜の宝もの」認定委員会に飛騨地域の候補を、飛騨市の天生県立自
然公園と三湿原回廊が決定されたと報道されました。
平成20年「岐阜の宝もの」には下呂市小坂町の滝めぐりが認定されました。認定さ
れた後、小坂滝めぐりに観光客が以前よりも倍近く増えたそうですが、駐車場が狭いこ
とやトイレの数が少ないこと、また水道や道路の整備がいまだ遅れていると聞いており
ます。
今年、飛騨市の天生県立自然公園と三湿原回廊が認定されるかどうかは分かりません
が、候補に挙がったということは新聞報道されておりますし、これから今まで以上に注
目されると予測されます。
飛騨市観光協会では「明日の宝もの」ブラッシュアップ事業として、昨年度から天生
県立自然公園と三湿原回廊について自然環境保護、保全を一層進めながら、観光資源と
してもブラッシュアップし、滞在型周遊観光の振興を図り、地域経済を活性化し、持続
可能な地域づくりを進めるよう取り組んでおられますが、この三湿原の一つである深洞
湿原については現在も林道の入り口に森林管理署管理下のゲートがあり、許可なくゲー
ト内には入れません。また、ゲートから湿原までは車で約30分、徒歩では2時間程度
かかり、誰でも許可なく容易には深洞湿原を散策できない状態であります。
さて、この深洞湿原整備には、平成20年度までに深洞湿原を周遊する木道と林道整
備がされてはおりますが、今述べたように人が容易に入らなかったからこそ、素晴らし
い自然が保護されてきたこの湿原であります。今後、訪れてみたい地域としてスポット
をあてられることが予測される中で、この自然を保護、保全しながら要望にどのように
応えていくか飛騨市として対応を4点伺います。
1点目、天生県立自然公園と三湿原回廊は「岐阜の宝もの」として認定される可能性
はあるのか。2点目、深洞湿原への入山に対し、観光客にはどのような手順で案内する
計画なのか。3点目、駐車場についての計画はあるのか。4点目、野草の乱獲防止と自
然保護のためガイドは必要であるが、どのように考えているか。この4点を質問いたし
ます。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
〔市長
井上久則
登壇〕
△市長(井上久則)
それでは、2点目の深洞湿原についてお答えさせていただきたいと思います。
1点目の、「岐阜の宝もの」として認定されるのかどうかということでございます。三
湿原回廊につきましては、平成20年度に「じまんの原石」に認定されまして、平成2
1年度に天生県立自然公園協議会の活動と自然環境が評価されまして、「明日の宝もの」
として天生県立自然公園と三湿原回廊が認定をされたところでございます。これを受け
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て、平成22年度から今年度にかけて、飛騨市観光協会が事業主体となりまして岐阜県
からの補助をいただき、
「岐阜の宝もの」の認定を目指して将来構想の策定、自然環境の
保護、保全、モニターツアー、シャトルバス実験運行、新散策ルートの開設に向けた取
り組み、情報発信など数々のブラッシュアップ事業の展開をしております。
7月26日には、「岐阜の宝もの」認定委員会による現地調査を実施していただきまし
て、8月22日に平成23年度飛騨・美濃じまん飛騨地域会議において、飛騨地域とし
て「岐阜の宝もの」に推薦いただいたところでございます。今後、県において認定員会
が開催されますが、
「岐阜の宝もの」に認定されることを願っているところでございます。
2点目の、深洞湿原への入山に対し観光客にどのような手順で案内をするかというこ
とでございます。深洞湿原につきましては、遊歩道入口まで約4.3キロの林道を通ら
なければならず、ご承知のとおり、入口のゲートは森林管理署が鍵をかけて管理をして
みえます。自然の保護、保全のためには、ガイドが同行して散策するシステムが適切と
考えておりまして、観光協会のブラッシュアップ事業部では、昨年度、春と秋にモデル
ツアー、これは散策会を実施いたしまして、参加者から感じ方をモニタリングされ、概
ね満足との結果を得られたところでございます。今年度もトレッキングツアーを実施さ
れております。また、散策を楽しみながら深洞へ入れる登山道の開設を目指して新たな
ルートも検討されており、山之村牧場や山之村キャンプ場などをビジターセンターに位
置付けた案内システムの確立に向けて検討されているところでございます。
駐車場の計画でございます。この駐車場についてでございますけども、駐車場につい
ての計画は現在のところはございませんので、集合場所ビジターセンターから林道入口
までの輸送については、バス輸送など今後検討が必要であると思っているところでござ
います。
続きまして、野草の乱獲防止の件でございます。先にも述べましたが、ガイドが同行
してその魅力を説明し、自然保護、保全をしながらの散策システムが必要と考えており、
ガイドの養成、料金システムや受け入れ体制の整備など天生県立自然公園協議会の取り
組みを参考にしたいと考えているところでございますので、よろしくお願いをいたしま
す。
〔市長
井上久則
着席〕
○5番(堀辺明子)
再質問させていただきます。1点目ですが、今市長から県の「岐阜の宝もの」と認定
を願っているということを言っていただきましたので、ぜひその方向でいけば良いと私
も願っておりますが、認定を仮にされますと、どのような援助や補助などが具体的にあ
るかお教えください。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
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□商工観光部長(沖村三千一)
ただ今のご質問にお答えいたします。「明日の宝もの」でございますと、ソフト事業に
つきまして県の支援がございました。「岐阜の宝もの」に挙がりますと、ハード事業につ
きましてもご支援をいただけるという形で、ソフト、ハード両面でご支援をいただける
ということでございますが、これはこれまでの事業で、今後の事業につきまして継続さ
れるのかどうかということがちょっとはっきり分かりませんが、現在の段階では両方整
備をいただけると認識しております。
○5番(堀辺明子)
もう一つ質問をさせていただきます。深洞湿原は山之村の大事な資源でございます。
先ほどビジターセンターを設置してというお話しがありましたが、山之村一帯を、山之
村牧場、キャンプ場、道の駅そして天蓋山など、今の北ノ俣岳一帯として山之村の開発
をする中での深洞湿原ということを位置付けていただいて、できれば山之村牧場をビジ
ターセンターとしてこのものに進んで行っていただきたいという私の思いがありますが、
その点どのようにお考えでしょうか。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
□副市長(白川修平)
お答えさせていただきます。一つの考え方としましては、山之村牧場の駐車場をビジ
ターセンターにという考え方がございます。現在、観光協会と飛騨市の方で観光ビジョ
ンを策定中でございますが、そうした中で一つのパッケージと申しますか、観光の在り
方としてモデルといいますか、観光コースを決めて、どのようにお金をいただき、どの
ように深洞湿原を楽しんでいただくかというようなコースを立てていますので、その中
の一つの構想としまして考えていきたいと思っております。
○5番(堀辺明子)
ぜひ、今の考えも含め検討いただきたいと思いますし、深洞湿原は先ほど申しました
が、人がたくさん入らなかったから今の自然が保護されてきたということ、そして天然
記念物の蝶や様々な野草がありますので、そこを保全していただきながらガイドの養成
も含め、深洞湿原の開発といいますか、この湿原を皆様に見ていただきたいと思ってお
りますのでよろしくお願いいたします。
それでは、3点目の史跡江馬氏館跡公園の活用について質問をさせていただきます。
旧神岡町から引き継いで平成21年度で整備が終った江馬氏館跡公園でありますが、戦
国時代の武将の庭園の会所および城跡の復元は素晴しいものであり、史跡としてまた名
勝指定に匹敵する文化財と思っております。ここに至るまでの地元住民の方々のご理解
とご協力、関係者の皆様に感謝するところでありますが、現在この素晴らしい文化財を
十分に活用できていないのが大きな課題であります。
まずはたくさんの観光客に入館いただくことと、地元住民に身近な文化財として愛着
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を持っていただくような手立てを考えることであります。
たくさんの観光客に江馬氏館跡公園に入館いただきたいのですが、問題点がいくつか
あります。一番には駐車場の問題です。現在宙ドームをバス等の駐車場としております
が、江馬氏館跡公園から少し遠いため、この公園まで歩く方は少なく、高齢者のバスツ
アーには敬遠されやすい場所となっております。できれば江馬氏館跡公園周辺にバス一
台分の駐車スペースを確保するべきではないかと思います。また、国道471号にもっ
と江馬氏館跡公園への案内誘導看板を増やしていただき、ドライバーへの周知と誘導を
行っていただきたいと思います。
次に地元住民が身近な文化財として愛着を持っていただけるには、やはり江馬氏館跡
に足を運ぶ機会を多くすることが肝心であります。一つには施設周辺の整備であります。
日蔭の下で座って休める東屋のようなスペースを作っていただき、いつ通っても気軽に
休める場所を設置してほしいと住民の声も出ております。
また、たくさんの市内外の人々に足を運んでいただく機会として様々なイベントの開
催が必要と考えます。市内の小学校では、遠足や社会の学習などで江馬氏館跡公園に入
館いただいていると聞いておりますが、市民全般においては、以前開催したお月見会や
観月会のような文化的イベントをもっと継続的に開催していただきたいと思うところで
す。ほかには着物の着付け教室や和服での昼食会、大河ドラマブームにあわせそれに関
わる催しなど。また神岡城、神岡町街歩き、藤波八丁、がおろの道、レールマウティン
バイクなど、それぞれ神岡の観光名所をウォーキングでつなげるツアーなど、観光課お
よび観光協会などの様々な団体と一緒に協議する中で、市民も観光客もこの江馬氏館跡
公園を利用する機会を増やすことを考えていただきたいと思います。
以上を踏まえ、5点質問をいたします。1点目、江馬氏館跡公園の周辺に駐車スペー
スの確保および東屋の設置はできないのか。2点目、国道471号に案内誘導看板を増
やすことはできないか。3点目、住民が大切な文化財として身近に感じられるようなソ
フト面での事業はどのように考えているか。4点目、この文化財を教育委員会だけに任
せるのではなく観光課と協働でイベントや事業を行うべきであるが、今後の考え方は。
5点目、市内の小中学生には学習の中で江馬氏館跡との関わりについて、どのような指
導をされているのか質問いたします。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
〔教育長
山本幸一
登壇〕
□教育長(山本幸一)
おはようございます。堀辺議員のご質問の順番ではなく恐縮ですが、学校との関連か
ら最初に私が五つ目の市内小中学生と江馬館跡について、ふるさと意識の高揚という意
味において極めて重要なことであるという認識のもとにお答えさせていただきます。
本年度の内容で申し上げますと、神岡小学校の2年生で9月、終了いたしましたが「生
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活科の町巡り」で見学、同6年生では10月に「総合的な学習の時間」の年間総時数7
0時間のうちの約10時間を江馬館の見学およびまとめとしての学習に使う予定になっ
ています。
また、神岡中学校では、
「社会科の歴史における戦国時代」の単元で、見学はしません
が、資料を活用しての学習として扱っています。さらに喜ばしいこととして、11月に
は古川町子ども会がその交流会事業として見学するということを聞いています。
さて、私は大人、とりわけ子どもたちを指導する学校の教職員が、地域を知り、地域
を好きになることなくして、地域に根ざした教育の実現はないと思っています。このこ
とは本年度の教職員着任式でも申し上げましたが、この意味において、特に初任者教員
に対しては、神岡は「江馬館跡の説明ガイドができる」、それから古川は「増島城のガイ
ドができる」をテーマとして与え、研修させることにしています。神岡小学校で申し上
げますと、私が担当しました岐阜出身の2名の初任者は、確実に江馬館のガイドができ
ます。
確かに議員ご指摘のように、利活用という面での課題は多々ありますが、子どもたち
やその指導に携わる学校の教職員には、純粋に郷土教育に関わっての価値ある歴史教材
として、より活用を働きかける所存でいます。続いて1点目から3点目までのご質問は、
教育委員会事務局長が答弁いたしますので、よろしくお願いいたします。
〔教育長
山本幸一
着席〕
◎議長(森下真次)
続いて答弁を求めます。
〔教育委員会事務局長
藤井義昌
登壇〕
□教育委員会事務局長(藤井義昌)
それでは、続いて1点目から3点目につきましてご質問にお答えいたします。
1点目の駐車スペースの確保および東屋の設置についてでございます。観光バスにつ
きましては、現状としてエントランススペースで乗客を降ろした後、一旦スカイドーム
で待機し、江馬館見学後迎えに来ていただくという対応をとっております。
観光バスが江馬館に止められる駐車場を整備するには、適当な敷地を確保すること、
または進入路を拡幅整備することが必要になります。場合によっては新たな用地取得も
必要となり、すぐには困難かと思われます。
東屋の整備につきましても、広い敷地内で日陰となる休憩場所が必要との要望はいた
だいております。いずれにしましても、平成21年度に長期計画により施設の整備が終
了したばかりでございまして、新たな整備につきましては、例えば、来客がどんどん増
えてきて、次の対策が必要になってくるなどの利用者数や、観光バスの動向を見ながら、
強い必要性が出る状況になってくれば、必然的に検討することになろうかと存じます。
2点目の案内誘導看板の設置についてでございますが、国道471号からの進入路付
近に設置するよう、位置関係、看板の大きさ等を検討し、設置に向けて調査し、進めて
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まいります。
3点目のソフト面での事業でございますが、かつて、この施設がオープンした頃は、
お月見会を開催しておりました。これらは、施設がオープンしたてということもあって、
市側から出演者をお願いして開催しておりました。利活用は重要な課題であると認識し
ております。持続可能な利活用という面では、地元の方々の施設に対する理解と愛着を
持った、市主導よりも地元の方からの発案による関わりが不可欠と考えております。こ
のため、江馬館の利活用を考える地元組織の会が必要と考え、22年度には史跡江馬氏
館跡公園利活用協議会を開催しまして、その中で利活用の検討をしました。その結果、
22年の秋には下館跡を起終点とした高原諏訪城への散策ツアーを開催いたしました。
そのほかには、昨年、今年と夏期に江馬館の夜間無料開放の実施等を行っております。
まだ、数は少ないですけれども、地元の方々との連携による共同での事業の開催、しい
ては地元主体のイベント開催により気軽に施設利用が進むことが、江馬館の価値認識を
高めることにつながるものと考えております。
また、江馬氏の神岡町における歴史上の位置付け、町づくりに果たした歴史的な役割
等が市民に分かりにくく、これらを親しみやすい史実として分かりやすく紹介すること
が、地域の江馬氏に対する認識を高めるために必要と思われ、利活用策と併せて、検討
を進めてまいりたいと考えております。
〔教育委員会事務局長
藤井義昌
着席〕
◎議長(森下真次)
続いて答弁を求めます。
〔商工観光部長
沖村三千一
登壇〕
□商工観光部長(沖村三千一)
それでは、4点目のご質問にお答えさせていただきます。
江馬氏館跡の活用につきましては、神岡城、鉱山資料館などがある高原郷土館などと
共に町歩きの散策ルートとして活用できないか、神岡町歩きガイドの皆さんのご意見も
伺いながら検討したいと思います。
また、イベントや事業につきましては、江馬氏館跡の設置目的に合った事業で誘客に
つながるものを関係団体と模索したいと思っております。
〔商工観光部長
沖村三千一
着席〕
○5番(堀辺明子)
再質問させていただきます。教育委員会事務局長の答弁の中に、協議会を作られてイ
ベントなどは開催をされたということですが、最初お月見会などをやられまして素晴ら
しいと思っておりました。しかし、継続していただいていないということが私は問題だ
と思うのです。この点、どういう理由があって継続していただけてないのか、その点を
お伺いします。
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◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
□教育委員会事務局長(藤井義昌)
なにぶん
お答えいたします。何分市主導でございましたので、出演者の依頼などに費用等が発
生してきまして、その話の中で一旦この行事が途絶えたという形になっております。
○5番(堀辺明子)
ということは、予算を出してもらえないというようなことですね。いろんな団体に江
馬館が使えるというアピールが市として私は不十分だと、不足していると私は思ってお
ります。いろんな団体に、文化協会の方々などにこんな使い方ができますよとか、先ほ
ごう
ど言いました今、大河ドラマの江というのがすごい人気で見ていらっしゃいます。あれ
は戦国時代のお話ですが、それに伴ってこういうこともできるとか、ああいうこともで
きるということをご指導いただくとか、それからやはり市が事業を行って、その中で関
わってくださった団体にもう一度今の江馬館の振興についての協議会を新たに立ち直し
て、いろんなイベントをやっていただいて、この江馬館を活性化していただきたいと思
いますがいかがでしょうか、市長にお伺いいたします。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
△市長(井上久則)
市のイベントの全体的な考え方に関わってきますけども、市が直接トップダウンで事
業を行うことにつきましては、先ほど話がありましたように予算が伴ってまいります。
変な話、金の切れ目が縁の切れ目ではないのですが、持続性が薄いという考え方を持っ
ています。これはどういうことかと言いますと、やはり地元の方から持ち上がってきた
ものに対して行政がお手伝いをするという事業が長持ちをして、地域に根ざしてくると
いう考え方を持っております。これは市全体でございます。江馬館の問題につきまして
も、どの時点でこの予算上でお月見などがなくなったというのはちょっと承知しており
ませんけれども、やはり先ほど言いましたように、そういった協議会が立ち上がってお
りますので、その辺とよく協議をして地域の方がそういった事業を起こしていただく。
こういったことに対して市がお手伝いをするというようなスタンスにぜひ持って行って
いただければ、事業なども長持ちをするのではないかと思いますし、素晴らしイベント
につながっていくのではないかと思っていますので、先ほど大きい括りの中で説明をい
たしましたように、そういったものが今できておりますので、そういった形の中と協議
会とよく相談をしながら今後のあそこの在り方、これは当然考えていきたいと思います
し、多くのお金を費やしてあのような立派なものができたのですから、これからは利活
用ということが非常に大きな課題になってくると思いますので、地域の皆様方とよく相
談をしながら良いイベントが育っていくように努力してまいりたいと思っています。
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○5番(堀辺明子)
市民の中から今の協議会をもっとということですが、ぜひとも行政の方からもご指導
いただきたいと思いますし、先ほど教育長のお話しによりますと、子どもにも小学6年
生には10時間も時間を頂いているということで、中学生の方にもご指導していただい
ておりますし、また教職員の方々にもガイドができる方を養成していただいているとい
うことで有り難いと思っておりますし、今後とも継続して地域の宝としてご指導願いた
いと思っているところですが、私も一生懸命、地元でございますし江馬館の活用につい
ては力を入れていきたいと思っております。
今、一つ課題になっております。こういうふうにして地元にやろうと起こすにも、今、
名勝指定というようなことも出ております。昨年から名勝指定についてはいろいろ言わ
れておりますし、前回高原議員も質問されておりまして副市長からの答弁も頂いており
ますが、市長としてのお考えはどのように思われているか、その辺をお伺いしたいと思
います。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
△市長(井上久則)
前にお答えしたとおりでございまして、白紙の状態で皆様方にお話しをさせていただ
きました。そして、そういった名勝指定になったリスク、こういったものもお話しをさ
せていただきました。そういった中で、今のところいつ、どういったタイミングで申請
をすべきであるかというようなことにつきましては、今検討をしているところでござい
ますが、今ほど堀辺議員から申し上げられましたように、地域の皆様の熱い江馬館に対
する思い、こういったものが盛り上がってきた時点での判断になるのではないかという
思いでいるわけでございますが、どちらにいたしましてもいろんなことの中で総合的に
判断をしなければならない大きな問題だと思っておりますので、慎重に検討してまいり
たいというふうに思っていますのでよろしくお願いします。
○5番(堀辺明子)
私も江馬館の利活用については力を入れてまいりたいと思います。行政の皆様方もご
協力をいただいて、今後史跡名勝指定につながっていただくようにご努力願いたいと思
います。以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
〔5番
堀辺明子
着席〕
◆休憩
◎議長(森下真次)
ここで暫時休憩といたします。
(
休憩
午前10時50分
再開
午前10時52分
13
)
◆再開
◎議長(森下真次)
それでは休憩を解き、引き続き会議を再開いたします。次に13番、山下博文君。
〔13番
山下博文
登壇〕
○13番(山下博文)
それでは早速質問に入ります。私は3点について質問いたします。1点目ですが、深
刻化する飛騨市民病院の医師不足についてであります。
飛騨市の高齢化が一段と進む中で、地域医療の充実が益々求められております。高齢
化によって誰もが何らかの病気を抱えるのが実態であり、高齢者にとりまして飛騨市民
病院は、市民が安心して暮らせる、心のよりどころとしての大切な病院であります。今、
市民病院では市民の皆さんの願いに応えるため、ぎりぎりの診療体制での状況の中、黒
木医院長はじめ職員一丸となって、幅広い疾患に対応できるよう各診療科の体制を維持
されており、救急患者に対しても、限られた医師にもかかわらず受け入れてみえます。
また、決算報告にもありますように、患者数が横ばいで減っておりません。こういう現
状の中で、少ない医師、看護師で地域医療確保のため懸命の対応がなされていることに
心から敬意を表したいと思います。
この8月22、23日に、夏休みを利用して岐阜大学、富山大学の医学部学生の皆さ
んが市民病院を訪れました。医学生たちに市民病院の医療現場を見学してもらい、地域
医療の大切さと必要性を認識してもらうと同時に、この病院を将来の勤務希望病院の一
つにしてもらうということが目的であります。市民病院を見学した医学生は「現場の大
変さが、ひしひしと伝わり、患者と医師の関係もよく、今後は本当に医師が必要とされ
る病院で働いてみたい」と感想を述べております。是非とも来ていただきたいし、この
ような企画をどしどし続けてほしいと思います。
国の医療制度改革によりまして、市民病院は平成18年度に11名の常勤医師がみえ
ましたけどれも、翌年から減員となってきて、平成23年は現在4名と激減をしており
ます。さらに平成24年度、来年度になりますと2名となるということが予測されます。
この厳しい病院経営でありますが、次の5点について見解を伺います。市長と財政担当
部長に伺います。一つ、医師確保に向けた市長の対応と今後の見通しでありますが、市
と病院関係者の努力は承知しておりますが、ますます医師確保が厳しい状況であると聞
いております。市長の今までの具体的な対応と今後の見通しについて伺います。二つ目
ですが、市民病院、診療所に対する今後の市長のスタンスは何かであります。飛騨市に
は、市民病院と河合、宮川、神岡の山田、山之村と4つの診療所があります。高齢化が
進む中で、市民の病院への依存度はますます高まってまいります。自治体の病院経営に
対する市長のスタンスについて伺います。三つ目ですが、県への要望について。今年6
月に高山市長と飛騨市長の連名で、古田岐阜県知事に医師確保の要望書が出されたと聞
いております。その後の県の対応はどうであったか伺いたいと思います。四つ目ですが、
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一般会計から病院会計への繰出金の堅持について。平成22年度の市民病院の決算は、
他会計からの補助金が1億2,200万円ありまして、収支決算は3,360万円の黒
字となっております。一般会計からの病院会計への繰り出しは今後とも堅持すべきであ
りますが、この点について市長の見解を伺います。5点目ですが、自治体病院会計に対
する普通交付税、特別交付税について伺います。市民病院会計に対する普通交付税は、
元利償還金、病床割、救急告示によりまして算出されますが、それではこの普通交付税
額はいくらになるのか。また、飛騨市民病院は不採算地区病院となっております。不採
算地区病院とは、病床数が150床未満で、さらに直近の一般病院までの移動距離が1
5km以上となる区域に所在している病院であるということです。飛騨市民病院は、一
番近くても22kmということであります。市民病院に対する特別交付税額について伺
いたいと思います。1点目の質問は以上であります。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
〔市長
井上久則
登壇〕
△市長(井上久則)
それでは、山下議員の質問にお答えさせていただきたいと思います。この医師確保に
つきましては、全て私の方からお答えをさせていただきたいと思いますのでよろしくお
願いいたします。
1点目の医師確保に向けた私の対応と今後の見通しについてでございます。医師確保
に向けた私の対応でございますが、県庁へ出向いた折には、岐阜県知事、副知事を始め、
健康福祉部長や次長、医療整備課等関係各所へお願いをしてきているところでございま
す。高山市長との連名による県への医師派遣要望を行い、東京の青梅慶友病院院長へ、
そして自衛隊の医療関係部署などに医師の紹介や派遣を、事あるごとにお願いをしてい
るところでございます。
飛騨市民病院は、非常勤医師が行っている専門外来の担当医師のほとんどが富山大学
からの派遣であることから、今後は富山大学を軸に医師の招聘に向けて取り組みを継続
する必要があると考えております。岐阜大学からは、飛騨市民病院まで片道3時間を要
することから、岐阜大学の医師が日帰りで飛騨市民病院の外来診療を担当することは困
難であります。ご承知のとおり、富山大学や岐阜大学では、大学に勤務する医師が不足
している状況であります。大学では「学生を教育できる医師数は残さないといけない」
と言われておりますが、引き続き窮状を訴えてお願いをするしかないと考えているとこ
ろでございます。
ちなみに、9月26日には富山大学の第2内科と面談をする予定になっているところ
でございます。
2番目の市民病院、診療所に対する私のスタンスでございます。飛騨市第二次総合計
画の将来像と理念に掲げてあります「市民がいつまでも安心して暮らせるまち」を実現
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するために、安定した地域医療の提供は、欠くことのできない重要な施策でございます。
高齢者が増加することにより救急車の出動件数の増加も想定されることから、二次救
急病院までの距離が遠い地域では、身近な場所で医療が受けられるアクセスポイントを
堅持しなければなりません。また、医療機関の閉鎖は、代替となる医療機関がない地域
では、地域の崩壊に直結することから、地域のニーズに応えられる医療体制の維持は不
可欠でございます。飛騨市民病院のような小規模な病院は、高度先進医療等への専門特
化は、その立地条件からもすることができません。また、診療圏の人口も少ないことか
ら、高収益化も困難であると思います。飛騨市のような地域では、住民と近い距離で向
き合う医療を継続して提供することが大切なことだと思います。
地域医療を守るべく医師や看護師を確保する努力をいたしますが、医師、看護師不足
は全国的な問題でございまして、短期間に解決することも見込まれません。医師、看護
師等が確保できない場合は、地域への影響を最小限にし、規模の縮小等の措置を取らざ
るを得ない場合もあると思います。
次に診療所についてでございます。河合、宮川、杉原の3診療所につきまして、現在
診療に当たっていただいております2名の先生は、地域における医療の必要性を存分に
発揮していただいており、市といたしましても非常に有り難く、嬉しく思っております。
今後も末永く継続して診療所を守っていただくようお願いをしておりますし、袖川、山
之村診療所につきましても診療をしていただいております先生から「行ける限りはしっ
かり診療に当たりたい」との言葉をいただいております。5診療所については、先にも
述べましたように「いつまでも安心して暮らせるまち」を実現するためには地域におけ
る医療体制は必ず必要であり、診療所としてしっかり守っていく思いでおります。
県への要望についてでございます。7月6日に岐阜県へ要望書を提出いたしましたが、
自治医大卒業医師の派遣要望等で要望書の内容が配慮されるものと考えているところで
ございます。現時点では、県の対応に変化はございませんが、引き続き要望を継続する
ことが大切であると感じております。
次に一般会計からの繰出金等の堅持についてでございます。平成22年度においては、
病室の改修工事で入院患者が減る一方、外来患者の増加や、休日、祝日の診療業務を市
民病院の医師が行うなど、懸命に費用負担を抑えたことなどにより、一般会計からの1
億2,200万円余りの繰入れはありましたが、3,300万円余りの純利益を計上す
ることができました。
しかし、医師や看護師の確保が厳しい状況の中にあって、その確保に向けて努力する
ことはもちろん、それと並行して、在庫管理の徹底や、未収金の回収など更なる経営改
善も図らなければなりません。このような状況の中、先ほども申し上げましたように、
市民に安定した地域医療を提供するために、市民病院の果たす役割は大きく、地域医療
体制は堅持しなければなりません。
一般会計からは、収益的収支に対する繰入れのほか、資本的収支における新たな建設
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改良事業等に対しても、平成21年度には、病院管理システムの整備や院内の改修工事
に2億7,000万円余り、平成22年度には21年度に引き続き院内の改修工事に1
億2,000万円余りの補助をし、病院事業の経営安定に努めております。したがいま
して、今後においても病院事業の動向と一般会計の動向を注視し、互いに経営健全化の
努力をする中で、必要に応じた繰出し等を行うべきであると考えております。
最後に自治体病院会計に対する普通交付税、特別交付税についてでございます。平成
22年度の普通交付税において算出しております市民病院関係の措置額は、元利償還金
については、平成13年度以前の借り入れに対するものとして、償還額の3分の2の6
0%、これは約40%に当たるわけでございます。平成14年度以降の借り入れに対す
るものとして約2分の1の45%、これは22.5%に当たるわけでございますが、そ
の分で2,000万円余り。病床割については、病床数99床に70万1,000円を
乗じた額6,940万円。救急告示病院として、病床数に169万7,000円を乗じ
3,290万円を加えた額3,799万円。合計で1億2,000万円余りでございま
す。
また、特別交付税については、不採算病院に要する費用として、病床数に123万円
を乗じた額1億1,193万円が算定した額でございます。
普通交付税は、算定根拠が明確になっており、計算で導き出された額が交付されてい
るところでございます。
特別交付税については、普通交付税の需要額の中では捕捉されなかった特別な財政需
要、算定式によるものやそれ以外のものも含め算出した額を国に提出しております。具
体的には、平成22年度では、除雪に要した経費1億5,000万円、投資単独事業経
費、これは建設事業費でございますが7億3,000万円など、もろもろを含め24億
5,300万円を申請いたしましたが、実際の交付額は8億4,100万円余りにとど
まっております。これは、特別交付税が交付税総額の6%と定められている中で、申請
額が圧縮されて交付されるためで、不採算病院の費用についても、あくまでも算定した
額であって、措置された額ではないと考えているところでございます。
〔市長
井上久則
着席〕
○13番(山下博文)
再質問をいたします。今年の5月に市民病院で眼科の医師が辞められました。その後
の対策としまして、富山大学病院から毎日ではありませんが派遣をしていただいて診療
に当たっていただいております。9月11日に病院関係のシンポジウムがありまして、
その場で黒木医院長が11月に常勤医師一人が辞められるということが述べられており
ますが、もう目前でありますから、この対策はどう考えられておりますか。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
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△市長(井上久則)
病院の今後のことにつきましては、川上室長が来ておりますので答えさせていただき
ますが、11月に副院長がお辞めになることにつきましては事実でございまして、この
方は郡上の方でございましてお父さんが医者をやっておりまして、その方が具合が悪く
なったということで急遽、3月までは居っていただきたいと思っていたわけでございま
すが、急遽帰らなければならなくなったということで、突然そういった申し込みがあっ
たということでございまして驚いているわけでございますが、この辺の対応につきまし
ては今、黒木院長を中心に考えておみえになりますので、その内容につきましてはこれ
から担当の方から答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
□病院管理室長(川上清秋)
それでは副院長の退職について報告をさせていただきます。先ほど市長が申されまし
たように、8月の終わりに院長に年度内は居りたかったが、どうしても自宅の親の具合
が悪くなってきたということで、11月までの退職ということでございます。副院長も
富山大学医学部の出身でございまして、副院長も富山大学の方に何とか派遣をできない
かというお願いをしていただいているのが現状でございます。それぞれ各富山大学の第
1、第2、第3内科の教授にも常に派遣をお願いしているのが現状でございまして、な
かなか難しいという返事しか頂いておりません。先ほど市長が申されましたように、今
月の26日、第2内科の教授、富山大学病院の院長でございますけれども、と第1内科
の教授に面談をお願いしております。その時にも、市長からも強く医師の派遣を要望し
ていただく予定でございますので、よろしくお願いしたいと思います。以上です。
○13番(山下博文)
それでは2点目の再質問です。上宝地区関係では本郷地域は住民の約50%の皆さん
が飛騨市民病院にかかってみえますし、それから奥の温泉郷では約16%の住民がかか
ってみえるということです。さらに救急患者に対しましても、これも発生する15%を
飛騨市民病院で受け入れられているということであります。そういう意味からしても、
この高原郷の非常に重要な病院と位置付けをされると思います。この医師確保の面で、
飛騨組長連合と言いますか、名称はちょっとはっきりしませんが、こういう組織を立ち
上げられまして取り組んでみえるということですが、今言いました高山市もこのような
状況でありますし、上宝がこのようになっている。そして、神岡町もこうであるという
意味からして、この飛騨組長連合で私は医師確保というものを広域の視野の下で取り組
んでいかないと、なかなか先ほど言われましたように実現は難しいと思います。やはり
幅を広げて、そしていろんな面で取り組んでいただきたいと思いますがいかがでしょう。
△市長(井上久則)
今、山下議員から指摘がございましたとおりでございまして、先般も高山市長と連名
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で要望を出させていただいた折も、高原郷はあの神岡市民病院が必要だということで、
ぜひ一緒にやりましょうということで理解をいただいておりますし、また地元の佐竹議
員が一生懸命取り組んでおみえになりまして、そういったことにつきましても一緒にや
らないかと、ぜひやってほしいというようなことで強く応援をいただいております。
組長連合の方ではそういった広域でという話はまだ出ておりませんけれども、近々に
寄ることがございますので、ぜひ高山と私の方からも呼び掛けをしながら進めてまいり
たいと思いますけども、宮峠を挟んで高山が一部ありますが、下呂病院も県立の病院が
あったりいたしまして、あそこも医師不足ということも聞いておりますので、せっかく
飛騨地域は一つになったわけでございますので、一緒に今後行動を起こせるように努力
してまいりたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
○13番(山下博文)
医師確保、大変難しいことは私も重々承知をしておりますが、今、市民の皆さんは、
お医者さんが減ってきて非常にこの市民病院は大丈夫なのかと不安を持っております。
声も寄せられております。この不安を払拭するために、飛騨市の危機と捉え、全力で医
師確保に傾注をしていただきたいと思います。もちろん私どもも、今佐竹さんのお話も
ありました。私ども民主クラブも代議士を通したり、いろんな関係各位に機会あるごと
に話をしている。今後とも続けてまいりたいと思っておりますので、是非ともよろしく
お願いしたいと思います。病院経営に対しましては大変厳しさを強いられておりますけ
れども、先ほど市長の答弁がありました。交付税問題、これもしっかり堅持をしていた
だいて、そして市民が安心して暮らせるまちづくり、このことに全力で取り組んでいた
だきたいと願いを込めまして次の質問に入らせていただきます。
二点目ですが、飛騨市防災訓練からの教訓についてということで、8月28日に飛騨
市防災訓練が行われました。神岡町では川西地区の住民を主体に、飛騨市北部を震源と
する内陸直下型地震、震度5の震災を想定して、住民の避難訓練、けが人の応急処置、
初期消火、AEDによる取扱いなど実戦さながらの訓練が行われました。また、新たに
神通砂防事務所の豪雨体験や、アマチュア無線による情報伝達訓練も実施されておりま
す。この防災訓練を通して感じたこと、あるいは市民の皆さんから寄せられた声も含め
まして提言をしたいと思いますので、見解を伺いたいと思います。
一つは、避難訓練の住民参加であります。今回の防災訓練について、議会冒頭の市長
の諸般の報告では、参加者は全体で5,367名という報告であったと思いますが、4
町別の住民の参加数はどうであったか。二つ目ですが、防災、避難訓練の住民意識向上
について、神岡町で実施してきた防災訓練への住民参加は、地域限定で実施され、地域
ごとにやられているということであります。住民参加率を向上することももちろん大切
でありますが、この地域限定の方法ですと、住民側にとってみれば、防災訓練の機会は
10年に一度くらいということになると思います。東日本大震災を教訓として、自治体
の危機管理の強化、住民の意識向上が今ほど求められていることはないと思います。少
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なくとも1年に一度は、防災意識を持ち、地域ごとで何らかの形で避難訓練、防災訓練
に参加する方法を検討すべきではないかと思います。
また、台風12号は全国に大きなつめ跡を残しました。三重県熊野市では、東海、東
南海、南海の3地震が同時に発生したと想定した防災訓練が行われました。より実戦的
にしようと、初めて抜き打ち形式で、訓練の開始時間を住民に知らせず実施をされたと
報道がありました。参加した住民は「これが夜だとスムーズにはいかなかった。自分の
命は自分で守るという意識を普段から持ち続けたい」と話されておりました。抜き打ち
訓練も一考すべきではないかと思います。3点目ですが、水門の点検について。今回の
防災訓練、消防の放水は水利は消火栓でありました。ただ非常時の場合、これはやはり
どうしてもウェイトは側溝の水が主体になってくると思います。それほど消火栓はあり
ませんから。そこで、神岡町の山田川、吉田川には各地域への側溝の導水あるいは水量
が増えれば遮断をするということになるわけですが、こういう水門が数カ所設置されて
います。この水門の日常点検について、そして水門へのアクセス道路に不具合はないか。
この点についてお聞きします。4点目、水門の開閉と住民協働ということですが、振興
事務所の職員が減ってきている。非常時の場合、なかなか手が回らないというのが現状
だと私は思います。そこで非常時の対応として、近くの住民の皆さんに手助けをしても
らう、住民に水門を開閉してもらう、これも一つの手法ではないかと思います。地域住
民と協同体制をとることも検討をされたいと思います。五つ目ですが、山田川の板堰に
ついてであります。板堰という表現が正しいかどうかは知りませんが、千歳橋の100
m上流に板を使った堰が川を横断しております。この板堰の目的は、聞くところにより
ますと川が増水し水位が上がった時に、この板を外して川の水位を下げることにあるそ
うです。しかも、この板はピンを外すことによって板が順次外れていく構造になってい
るということでありました。河川氾濫に有効な板堰なら、私は一度使ってみるべきだと
思います。20年近く使用していないということでありますから、当然必要な板堰なら
使って試験をやっていかなければならないと思うのですが、逆にこの板堰は本当に用を
なしているのか、必要なのか。こういうことも含めて検討をいただきたいと思います。
以上で2点目の質問を終わります。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
〔総務部長
小倉孝文
登壇〕
□総務部長(小倉孝文)
おはようございます。ただ今、山下議員から5点の質問がございましたが、そのうち
最初の2点について答弁させていただきますのでよろしくお願いいたします。
最初に8月28日に実施しました飛騨市防災訓練における参加者5,367名のうち、
各町の内訳でございますが、古川町が4,669名、河合町が131名、宮川町が86
名、神岡町が481名です。なお、このうち住民の参加者数は古川町が4,389名、
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河合町が41名、宮川町が9名、神岡町が194名の合計4,633名でございます。
古川町において住民参加者が大勢となっておりますが、これは町内の各区におきまして
自主防災組織が組織されており、組織が主体となって避難訓練や初期消火の訓練など実
施された結果でございます。
引き続きまして、住民意識の向上についてでございます。議員ご指摘のとおり、地域
限定の訓練ですと訓練の参加の回数が少ないということから、意識向上は薄れる恐れが
ございます。しかし、これは神岡町ばかりではなく、今も言いましたように河合町、宮
川町においても同様かと思われます。しかし、本年は東北大震災以降市民の防災意識が
高く、市が開催しております市政が見える化講座の防災の心構えの開催申込みが、各団
体から多数ございました。講座の中では、大規模な災害が発生した場合には自分たちの
地域は自分たちで守るという自主防災組織的な体制の元、地域の皆さんが協力し合って
地域の中で防災という共通の目的をもって避難訓練、初期消火の体制の確立または各家
庭での安全確認および被害の情報収集訓練等が目的とした自主防災組織の結成が必要か
と考えております。
市では今、各町の区長会、自治会を通して自主防災組織の設立についてお願いを始め
ております。この組織が設立されました暁には、各地区での自主的な防災訓練が実施さ
れることに伴い、防災意識は高まるものと確信しております。
なお、抜き打ち訓練等につきましては、現在では地域の混乱を避けるためにも、各地
域で自主防災訓練等が実施しました暁には、実施してまいりたいと考えておりますので
よろしくお願いいたします。
〔総務部長
小倉孝文
着席〕
◎議長(森下真次)
続いて答弁を求めます。
〔基盤整備部長
飯島昭憲
登壇〕
□基盤整備部長(飯島昭憲)
私からは、3番目から5番目までを答弁させていただきます。よろしくお願いします。
まず、水門の点検につきまして。飛騨市内の農業用水につきましては、受益者の協力
で点検等を行っているところでございますが、神岡市内の市街地へ山田川、吉田川から
導水している水門の管理につきましては、用水組合等の受益者による団体がございませ
んので市職員が点検を行っております。なお、現在のところ水門、アクセス道路に支障
をきたしている箇所はございません。
続きまして、水門の開閉と住民協働についてお答えします。本年6月に高山市におい
て発生した油の流出事故の際には用水組合、地元区の協力で迅速な取水の閉鎖が行え、
池や農地への被害を回避できました。
神岡地区における用水管理につきましても、今後、非常時の即応体制がとれるように
関係団体、自治会などとの協議を行い、共同体制を整えてまいりたいと考えております。
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最後に、山田川の板堰についてお答えします。千歳橋の上流にある板堰の詳細な経緯
については現在調査中でありますが、堰が立った状態でも平成11年および平成16年
の洪水を流下する断面を有しております。このようなことを考えますと、上流側にある
取水部がございますが、その土砂除去の必要から板堰構造にされたものと思われます。
現状では土砂の異常堆積は見られませんが、今後そういった土砂の異常堆積等、取水に
支障が生ずるような場合には堰の転倒を検討したいと考えております。
〔基盤整備部長
飯島昭憲
着席〕
○13番(山下博文)
参加数ですが、古川が圧倒的に多い。今の答弁ですと、区ごとに対応されているとい
うことでまさに理想的な防災訓練だと私は思います。神岡町は、先ほど言いましたよう
なことですから、川西がやっていてもほかの地域は知らん顔と言えば変ですが、そうい
う意識は持てないような状況であるわけです。今の答弁の中で、これから区長会にも要
請をしていくということであります。神岡町の一つの例を言うと、江馬町では毎年、町
内ごとに防災訓練あるいは消火訓練を自主的にやられて、それぞれ区民の皆さんの防災
意識、防火意識を高めるということを毎年やられているということであります。
神岡町もどこもそうでしょうが、各地域には必ず消防団が配備されておりますから、
私はこの消防団と区が相談をされ、計画を立てられて、そしてそれぞれが意識を持つと
いうことが重要だと思いますが、こういう考え方はいかがですか。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
□副市長(白川修平)
先ほど総務部長が申し上げました自主防災組織という考え方は、阪神淡路大震災の後
に国が示した方向性の一つでございます。この原因は何かと言いますと、神戸地区で大
震災が発生いたしまして、それぞれの地域が孤立いたしました。その際の救助活動また
消火活動につきまして、なかなか行政側が直ちに活動にかかれない中で、それぞれの地
域は一時的にはそれぞれの地域が守るんだというような体制づくりをしないと一時的な
対応ができないということで、各地域に自主防災組織を設けていただくように要請があ
ったところでございます。古川町につきましても、その要請を受けまして区ごとに自主
防災組織ができたわけでございます。
その自主防災組織の役割としましては、各地域の実情や、また各地域の人数が異なっ
ていますが、本当に大震災が起こって行政側の救援活動が入る前、消防署、消防団も含
めてでございますが、そうした活動が入る前に第一次的に地元として何をしなければい
けないかということを、それぞれの地域で考えていただくことが自主防災組織の大きな
役割でございます。地震等で倒壊した場合の第一次の救出もございます。火災が大きく
ならない前の初期的な消火活動も必要でございます。また、それぞれの地域の災害状況
を災害対策本部へ連絡するというのも大事な事業でございます。その中で誰がトップに
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なって、誰の指揮系統の下で、それぞれの地域がどのような役割をするかということを、
それぞれの地域の問題として考えて実践をしていただくのが自主防災組織でございます
ので、そうしたことを含めて、こうした考え方が市内のそれぞれの地域に根付くように
したいと考えておりますのでお願いしたいと思います。
○13番(山下博文)
本当に今、何が起こるか分からない時代です。思いもよらないこと、いつも災害があ
るとそういうことを報道されておりますが、本当に何が起こるか分からないような時代
に入ってきているということで、行政側も危機管理意識を持ち、当然住民の皆さんも常
にこういう意識を持つということが大切だと、自分の体は自分で守る、こういう基本的
な精神に私も立脚をしていきたいと思います。それでは最後の質問に入ります。
最後にエコデータセンターの現況と今後の展望について伺います。地下空間を活用し
たエコデータセンターの、最近の情報が議会に説明がありません。内閣官房地域活性統
合本部のホームページを見ますと、新成長戦略を実現するための政策課題解決の突破口
として、国際競争力の強化、地域の活性化のための包括的かつ先駆的なチャレンジに対
し、規制の特例措置、税制、財政、金融上の支援措置などにより総合的に支援する総合
特区制度を実現するための総合特別区域法が6月に成立したとあります。
総合特区制度は、地域の包括的、戦略的なチャレンジをオーダーメードで総合的に支
援しようとするものであり、具体的には、地域の責任ある戦略、民間の知恵と資金、国
の施策の「選択と集中」の観点を最大限活用活かすために、規制の特例措置および税制、
財政、金融上の支援措置等を総合的な政策パッケージとして実施するものであります。
この制度は、①我が国の経済成長のエンジンとなる産業、機能の育成に関する取り組
みを対象とした国際戦略総合特区、②地域資源を最大限活用した、先駆的な地域活性化
の取り組みを対象とした地域活性化総合特区の2つのパターンの総合特区によりまして、
拠点形成による国際競争力の向上および地域資源を、最大限活用した地域力の向上を図
ることを狙いとしております。
総合特区制度の流れは、まず、地域のチャレンジに際して必要とされる規制、制度改
革や、税制、財政、金融上の支援措置の提案とともに、地域より指定の申請が行われ、
これを受け、政府が一定の要件に基づき総合特区を指定することとなります。指定され
た総合特区においては、国と地域が一体となって、取り組みを推進するための国と地方
の協議会を設置し、必要な規制、制度改革や支援措置等について総合的に協議、改善、
実施等を行うこととなり、国と地方の協働プロジェクトとして推進されることも特徴と
いえます。
内閣官房地域活性化統合本部では、新たに創設した総合特区制度の第1次指定申請の
募集を現在行っているということですが、受付期間は今年の9月いっぱいまでで、同制
度は「新成長戦略『元気な日本』復活のシナリオ」6月18日閣議決定に基づき、地域
の責任ある戦略、民間の知恵と資金、国の施策の「選択と集中」の観点を最大限活かし、
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規制の特例措置や税制、財政、金融上の支援措置をパッケージ化して実施するもので、
地域の包括的、戦略的なチャレンジを、オーダーメードで総合的、規制、制度の特例、
税制、財政、金融措置に支援するほか、総合特区ごとに設置される国と地方の協議会で
国と地域の協働プロジェクトとして推進する。第2回以降の指定は、毎年3月末あるい
は9月末を期限に設けて、随時受け付けを行うとなっております。そこで、質問であり
ます。
一つは、昨年6月の議会だったと思いますが、まだ決定したということではなかった
のですが、市が昨年国に提案した事業計画の中身についてお聞きしたいと思います。二
つ目ですが、第1次指定のために今月末までに申請し、12月末指定と聞いております
が、市の今後の展望はどうか。三つ目に、国と地方の協議会、先ほど出てきました。こ
の構成メンバーはどう考えてみえるかということについてお聞きいたします。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
〔市長
井上久則
登壇〕
△市長(井上久則)
それでは、エコデータセンターの現状と今後の展望についてお答えさせていただきた
いと思います。
1点目の昨年行った国に対する提案は、規制の緩和と財政支援の二本の柱となってお
ります。
規制の特例措置として、コンテナ型データセンターの建築物からの除外、地底空間自
体の建築基準法上の取扱いの明確化、地底空間に対する所有権の効力の除外の3点につ
いて提案を行っております。また、税財政支援策として、過疎法に基づく固定資産の特
別償却の承認と地方交付税による税の減収補てん、環境配慮型データセンター整備に係
る奨励金の創設、電源立地対策に基づく支援措置の創設、事業用通信回線の敷設に対す
る助成制度の創設について提案をしているところでございます。なお、昨年もお答えを
いたしたとおり、本提案は、特区制度を創設するにあたってのアイデア募集に応じたも
のでございます。提案内容の中には、既に本年度から全国的に規制が緩和された項目も
あります。また、税財政支援策については、特区に指定された後に国と地方の協議会の
場で改めて検討されるものであり、あくまでも昨年度の提案内容ということでご理解を
願いたいと思います。
2点目の今後の展望につきましては、現在、今月末を期限とする1回目の募集が行わ
れていることは議員ご指摘のとおりでございます。本制度は、地域の資源や知恵を最大
限に活用し、政策課題解決の実現可能性の高い区域における取り組みに対して、国と地
域の政策資源を集中する制度でございます。したがって、実際には地域が一体となって
先駆的な取り組みが行われているものの、国の規制や制度がボトルネックとなって取り
組みが進まないような事例について制度の適用が検討されるものであり、したがって申
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請する取り組みには一定の熟度が求められております。市といたしましては、進出を予
定する企業に対する協力、支援の観点から、昨年度来、事業者側との密接な連携を図り
ながら、再三にわたり本制度に対する提案を続けてまいりましたが、現段階において明
確な事業計画の樹立が困難であることから、今期の指定申請は見送ることで意見が一致
をしているところでございます。
また、先ほども申し上げましたが、民主党政権となり、さまざまな分野で規制緩和が
進んでおります。コンテナ型データセンターの建築基準法上の取扱いも緩和され、消防
設備等の設置が不要になる等、特区申請することのメリットも少なくなってきておりま
す。また、計画の調整者であるプラネット社からも「事業の推進にあたり特区申請が必
須条件ではない」との考えが示されております。したがいまして、今後の特区申請につ
きましても、事業の実施主体である民間企業の考え方も踏まえ、慎重に進めてまいりた
いと考えているところでございます。
3点目の国と地方の協議会の構成メンバーでございますが、この会議は特区として指
定された地域に設立されるものでございまして、指定地方公共団体、民間事業者、内閣
府、規制の特例措置等の関係府省により組織されることとなっているところでございま
す。
〔市長
井上久則
着席〕
○13番(山下博文)
再質問します。今年の4月から東京事務所が開設されました。いろんな情報収集の機
関だと私は思っていますが、このデータセンター関係に関する情報収取として東京事務
所がどう関わっているか、市がどう連携をとってきているか、この点について。
△市長(井上久則)
東京事務所につきましては、県の職員として派遣をしておりまして、東京事務所に県
から派遣をされているということでございます。県の仕事をやりながら、情報収集に当
たっているというのが現状でございまして、大変忙しく走り回っていただいているわけ
でございます。このデータセンターにつきましては特殊性もございまして、企画部の関
係で直接プラネット社へ出向いて協議をしているのが現状でございます。挨拶程度のこ
とにつきましては顔を出しておりますけれども、内容、中身につきましてはあくまでも
企画部が直接、先般もこのことにつきましても担当が直接東京のプラネット社へ出向い
て、打ち合わせをしたばかりでございますけれども、直接協議をしているというのが現
状でございますのでよろしくお願いいたします。
○13番(山下博文)
先ほど市長の答弁の中に、民間業者としてこの特区制度の取得申請は疑問といいます
か、必要があるかどうかという認識があるということを言われました。私も確かに、民
間業者が進める事業でありますから、本当に国の制度に乗っていくのか、なかなか国と
いうと難しい、あるいは遅いということがあると思いますので、確かにそういう考えも
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あるのかなと思います。そこで質問でありますが、企業誘致は自治体の組長の重要な責
務だと私は思っております。このデータセンターの誘致、先ほど答弁の中で民間事業体
とも接触をされているという答弁でありましたけれども、私は第一に、民間の事業体と
飛騨市の信頼関係がないと事業がうまくいかないのかなと。そういう意味では、まず信
頼関係を構築するということが重要だと思います。そういう意味で、市長としてこの事
業を後押しするということも私は必要だと思いますが、そういうお考えはありますか。
△市長(井上久則)
このことにつきましては、この事業が始まる当初から企業誘致制度の優遇措置を最大
限に活用していきたいということをお話しをしているところでございまして、皆様方ご
存知のとおり、今の予定されております80数億円の事業がもしのだったといたします
と、8億円、9億円くらいの支援になるということでございますので、この特区申請を
するかどうかということの取っ掛かりから、そういったことを全面的に出して進めてき
ているのが現状でございます。私たちの方もいろんな形の中で、行かなければならない
所につきましては顔を出しているつもりでございますけれども、今の時点ではこの真ん
中に入っていただいておりますプラネット社の指導によって、その時期その時期のポイ
ントを聞いて動いているのが現状でございますので、そういった情報収集には今後もし
っかり力を入れて、遅れをとらないように進めてまいりたいと思っておりますのでよろ
しくお願いしたいと思います。
○13番(山下博文)
今、市長の心強い答弁をいただきました。是非とも、この企業誘致を実現するために
一層の努力をお願いしたいと思います。以上で私の質問を終わります。ありがとうござ
いました。
〔13番
山下博文
着席〕
◆休憩
◎議長(森下真次)
ここで13時まで暫時休憩といたします。
(
休憩
午前11時48分
再開
午後12時58分
)
◆再開
◎議長(森下真次)
それでは休憩を解き、引き続き会議を再開いたします。次に3番、菅沼明彦君。
〔3番
菅沼明彦
登壇〕
○3番(菅沼明彦)
議長のお許しを得ましたので、私は1問だけ質問をさせていただきます。増島城址の
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整備についてお伺いいたします。
今、増島城址の整備については、今までに何回か質問をさせていただいておりますが、
市当局も検討をしていただいていることは重々承知をしております。
歴史を紐解きますと、金森長近の養子、金森可重は高野地区に構えた古河城、通常蛤
城と言いますが、に住みながら約422年前に増島城の築城に19年もの歳月をかけま
して飛騨地域では唯一の平城を築城しました。396年前一国一城令により増島城は旅
館となり、城としての存在は約26年間しかありませんでした。また、316年前金沢
藩により一国一城令により取り壊されたということで、その後約232年前に城址跡に
増島天満宮が建立されました。天神、それから金刀比羅大神、拍子大神を祭神として祭
られ、また菅原道真公を祭り、学問の神様、蚕の神様として大神として古川町民に天神
様と慕われてきましたが拝殿の老朽化、また増島天満宮は増島城址天守閣に鎮座されて
いるため等、平成17年4月1日に気多若宮神社と合祀を余儀なくされました。
平成17年1月13日合祀調印式での、気多若宮神社・増島天満神社合祀に伴う覚え
書の内容を見ますと、財産飛騨市へ寄付歳入する物件として、土地、建物、建物の中に
は神殿、拝殿、社務所、土蔵を飛騨市へ寄付されてみえます。また、気多若宮神社へ引
き継ぐ財産として手水舎、鳥居、石柱二基、石灯篭一対、石畳一式、この物件が気多若
宮神社へ移築すると書かれております。これに関わる移築諸経費は、飛騨市の負担とす
る。と調印してありますが、合祀して6年経過しました。手水舎、石灯篭、石畳がまだ
増島城址跡地に存在しております。では、5点についてお伺いいたします。
一つ目に、気多若宮神社、手水舎、石灯篭、石畳は、移築はまだされておりませんが、
どのようになっているのか伺います。二つ目、現在古川小学校の解体作業が行われてお
りますが、日中重機の音で鷺は数羽しかいません。夕方になりますと5、6羽が帰って
きますが、50羽以上いた鷺がどこへ転居したか分かりませんが、私はいろいろ鷺につ
いては委員会で発言をしておりますが、鷺の追放について何か良い対策が見つかったの
か伺います。三つ目、8月21日地元の皆さんに説明会等行っていただきました。天神
様の森を護る会の方々は、天神石垣近辺の立ち木の伐採をしないでくださいと陳情され
ました。また、地元市民の方々は鷺対策等を含めて伐採をとの意見も多数ありましたが、
やはりなぜ切らなければならないのか、なぜ守らなければならないのか、市は今後どの
ように対応されるのか伺います。四つ目、観光客の方が増島城址を見学されても城址の
雰囲気もない状況です。古川小学校が新築され、また平成24年度には特別支援学校の
建設、増島城址付近は道路含めて学校群として整備されています。市当局は神殿、拝殿、
社務所、土蔵を取り壊し、増島城址の公園化整備を早急にするのか伺います。五つ目、
市民と協働し地域の声を聞くため、例えば「増島城址を守る会」とか「天神様を守る会」
等団体を立ち上げ、話し合いの場を設立してはどうか伺います。以上です。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
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〔教育長
山本幸一
登壇〕
□教育長(山本幸一)
増島城祉の整備について、私の方からは、3点目および5点目のご質問の「天神の森
の今後の対応」について合わせて答えさせていただきます。
増島城址は、県指定の史跡として文化財指定を受けており、石垣を保全し、城址を保
存していく必要があります。この地には、城がなき後、増島天満神社が建立され、神社
の周囲には杉木立が長きにわたって形成されてきましたが、一部には石垣を崩壊させる
と危惧される樹木も出てきています。また、先ほどご質問の中にありましたように、杉
の木の上部に鷺が巣を作って、その鷺の糞や羽が学校の敷地や近所、民家に落ちていま
す。
一方、旧増島天神の森は、古くから「天神の森」と称され、古川町のシンボル的存在
として皆様に親しまれ、崇められてきたものであり、杉木立を保存してもらいたいとい
う要望もたくさん寄せられています。
よって、切る、切らないの単純なものの考えではなく、広い視野に立っての対応が求
められます。今、これまで多くの市民の方から頂いたご意見やご指導に深く感謝しつつ、
増島城周辺が一つの学園地域として整備されるのを機会に、併せてその間に位置してい
る城址全体を整備、保護するということが必要であるという認識で、増島城址整備検討
委員会の立ち上げを早急に行います。
〔教育長
山本幸一
着席〕
◎議長(森下真次)
続いて答弁を求めます。
〔教育委員会事務局長
藤井義昌
登壇〕
□教育委員会事務局長(藤井義昌)
それでは、1点目、2点目、4点目につきまして私の方から答弁させていただきます。
1点目の気多若宮神社への手水舎などの移築についてでございます。手水舎、石灯籠、
石畳は、平成17年9月に気多若宮神社総代長、増島天満神社総代長、両神社宮司およ
び飛騨市との間で、市が譲り受けることの確認がなされまして、以後そのまま残ってお
ります。
2点目の鷺の追放対策についてでございます。鷺の追い払いは、全国各地で試みられ
ておりますが、有効な対策が無いのが実状のように伺えます。近隣の例をお聞きします
と、鳥よけのネットをかぶせてはみましたものの、取り外しを余儀なくされましたり、
追い払いの光物をぶら下げたりしましたけども、効果は無かったということでありまし
た。全国各地の取り組みを見ると、鷺が飛来する前に、営巣を阻止することが最善の方
策のように考えられております。
8月23日に、古川消防署の協力を得まして、消防ポンプ車の放水による巣の撃ち落
しを試みましたけども、水柱が目的まで到達せず全体的に落とすことができませんでし
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た。再度、放水位置を高くして巣を落とすようなことを試みる予定でございます。
4点目の増島城祉公園の整備を早急にするのかというご質問についてでございますが、
史跡指定地として増島城祉は、かつて城の天守櫓の跡地であり、古川小学校と来年建て
られます飛騨北部特別支援学校の2つの学校は、城跡の遺跡に建つということになりま
す。
また、この2つの学校の配置により、古川市街地から見える増島城址の景観も、今ま
でと違って、その姿を見渡せるようになってまいります。
城跡に建つ学校群、または学校が建っている遺跡という特色を、どう表現していくか
が、一つの課題ともなりまして、市民や子どもたちへの理解と合わせ、景観にも配慮し
た整備を進める必要性があります。
このような背景の中で、旧増島天神の森については、既設の旧神殿、拝殿等や樹木を
含め、その整備につきまして、先程、教育長が申しました検討委員会にて協議してまい
ります。
また、現在、古川小学校グラウンド整備の設計を進めておりますけども、歴史的な背
景と継承、子どもたちの学校生活、ならびに周辺住民の安全性と利便性を総合的に配慮
して進めるように検討をしているところであります。
〔教育委員会事務局長
藤井義昌
着席〕
○3番(菅沼明彦)
ありがとうございました。若干、私の理解していることと違うことがありましたので、
もう一度お聞きしたいと思います。
17年1月13日に調印された中で、気多若宮神社へ引き継ぐ財産として手水舎、鳥
居、石柱二基、石灯篭一対、石畳一式というふうに覚書書に書いてあるわけでございま
すが、先ほど事務局長さんの話によりますと飛騨市へ寄付されたというお話でしたが、
その辺私の認識と違うのか教えてください。
□教育委員会事務局長(藤井義昌)
第1回の寄付物件とか撤去物件の確認が1月にされたわけですが、その後9月になり
まして変更がございまして、また残すものと壊すもの、引き取るものなどの確認が再確
認されて現状に至っているわけでございます。
○3番(菅沼明彦)
分かりました。そうなりますと、今の石灯篭、石畳、手水舎等は飛騨市の財産という
ことでございますが、6年間も放置といいますか、何も手を加えずにいます。先ほど、
検討委員会を立ち上げて、その辺について協議をするということでございますが、やは
り神殿、拝殿、社務所、土蔵含めてですが、あのように物を置いておきますと雪が降っ
て雪害で壊れたり、また石灯篭等含めて地震などが起きた場合倒れたり、いろいろ危険
も伴っていくのではないかという心配をしております。そういうことで、やはり要らな
いものといったらおかしいですが、どこかへ移築できるようなもので欲しいところがあ
29
るのなら、早めに手を打って移動されたりすることは早めにできないものか伺います。
□教育委員会事務局長(藤井義昌)
拝殿等につきましても、先般の地元説明会の中で残してほしいような意見も若干あり
ましたので、これも含めまして検討委員会の中で全て進めていきたいと思います。よろ
しくお願いします。
○3番(菅沼明彦)
それからもう1点お聞きしたいのですが、今のお稲荷様の下に永瀬校長さんの碑があ
ります。あの碑については、今の石柱二基のうちに入っているのか入っていないのかお
聞きしたいのですが、分かれば教えてください。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
□副市長(白川修平)
永瀬先生の記念碑につきましては、今回の増島城を購入した際の物件に入っておらず、
当時の有志の会の方が、当時の古川町に対しまして、こういうものを建てたいという申
し出によって建立されたものでございまして、増島天満神社のものではなくて当初から
古川町、後の飛騨市が管理するということで、今回の契約の中には含まれていないと理
解をいたしております。
○3番(菅沼明彦)
ありがとうございます。今まで天満宮が合祀された後、私たち地域の者もなかなかい
ろいろな団体を立ち上げて清掃、管理等含めて出来なかった。市当局もやはり一番大事
なとこですが、なかなかそこまで気が回らなかったのではないかと思っております。先
ほど5番目に質問をしました、地域と協働して守るものは守っていくというものを、私
も地域で一度お話ししながら立ち上げていきたいと思いますし、またその辺について検
討委員会、市当局も今の城址を後世にどう残していくのか、また学校の近くということ
で城跡についてはきれいにしながら、子どもがそこで勉学をとれるような、先ほどの江
馬館の話ではありませんけども、そういう含みを持ちながら極力今の環境の良い城址を
みんなで造っていくように努力をお願いしたいということで、これはお願いでございま
す。私の質問を終わります。
〔3番
菅沼明彦
着席〕
◆休憩
◎議長(森下真次)
暫時休憩といたします。
(
休憩
午後1時18分
再開
午後1時18分
30
)
◆再開
◎議長(森下真次)
休憩を解き、引き続き会議を再開いたします。次に2番、福田武彦君。
〔2番
福田武彦
登壇〕
○2番(福田武彦)
議長から発言の許可をいただきましたので、私は大きく2点について質問をさせてい
ただきます。
1点目は、教育懇話会に求めるものについてであります。小さい見出しの1番としま
して、設置の目的と活用について。2、市長の考える飛騨市の教育について。3、委員
の構成について。4、教育委員会が教育懇話会から得られるものについて。5、今後の
教育委員会と首長部局の在り方についてであります。
18日の日曜日に、古川小学校で運動会が開催されました。私もしばらくのぞいて見
ましたが、子どもたちが繰り広げる応援合戦やリレー競技など、周りからの声援を目に
して子どもたちからも元気をもらって帰ってまいりました。そこで、私は一般質問で教
育については初めてでありますが、このことを取り上げてみたいと思います。
8月上旬の新聞報道等では、飛騨市が教育懇話会を立ち上げたとされておりました。
本年当初の予算委員会の折にも、教育行政と一般行政との行き来を活発にする旨いくつ
かの施策説明があったかと存じますが、この懇話会の設置もその一つではないかと推測
いたします。
井上市長は就任当初から、校舎や体育館など教育関連施設の耐震化を積極的に進めら
れ、県下最低であった耐震化率を飛躍的に高めたことは、阪神淡路大震災や東日本大震
災を目の当たりにしてきた市民の皆様からも高く評価いただいているものと思っており
ます。これらのいわゆるハードの教育環境の整備に目途をつけた今、懇話会の設置は、
飛騨市の教育の在り方を、将来を見据えて探っていく最初の一里塚を立てようとなされ
ているのではないでしょうか。
そもそも、地方自治体における教育に関する事務については、基本的には教育委員会
がその責任を負っております。教育委員会が所管する教育事務については首長の指揮命
令は及ばず、首長は教育委員の任命や予算編成などを通じて間接的に責任を負っていま
す。このような仕組みとされている理由は、教育については政治的中立性や継続性、安
定性の確保が求められ、合議制の機関を通じて公正中立な意思決定や住民意思の反映を
図ることが適当であると考えられているからだと認識しております。そこで、次の4点
についてお伺いいたします。
1番目、設置の目的と活用についてであります。本懇話会はどのような目的で設置さ
れたのでしょうか。全国学力テストの結果がありましたが、そのための学力向上のため
なのか。私は学力だけが全てではないと思いますが、何をご期待されての設置なのか。
そこには当然に教育委員会ならびに教育委員会所属の会議等では得られないご意見が頂
31
けることを期待されてのことと思っておりますが、懇話会で頂いたご意見を飛騨市の教
育行政にどのように反映させるおつもりでしょうか。
2番目、市長の考える飛騨市の教育についてであります。昨今、子どもたちの学力低
下が叫ばれる中、国の学習指導要領が改訂されました。ゆとり教育が見直され、学習時
間を増加し、小学生にも外国語の授業が導入されるなどの取り組みがなされるようにな
りました。私は、子ども達の基礎的な学力を上げ、将来はこの国を担いあるいは世界に
通用する人材の礎を築くことは大切なことであると思っておりますが、この飛騨市が存
続していくためには、今の子どもたちがやっぱり飛騨市に住みたいと思えるような郷土
愛を育む教育、あるいは就業先を含めた環境整備も大切ではないかと考えております。
また、教育は子どもたちだけの問題ではなく、幅広い世代への社会教育や生涯学習、
そして幼児教育を含めた一生涯の市民のための教育を考えなければなりません。そこで、
市長がお考えになる飛騨市の教育の在り方について、大きな視点からで結構ですのでお
答えください。
3、委員の構成についてであります。本懇話会の委員構成をお聞きしたところ、10
名の委員の内訳は、専門家として岐阜大学の教授と准教授が2名おられますが、教育長
を含め3名の教育委員が属し、副市長ならびに神岡高校の教頭先生以外の残りの4名の
方は、いずれも教育委員会に無縁の方ではなく日頃からご意見を伺える立場にある方で
はないかと思います。
また、オブザーバーとして同席する職員も、事務局の企画課長以外は教育委員会所属
の職員となっております。私は、先ほど申しましたとおり、教育は生涯を通じて全ての
市民に対し行われるものであり、文化やスポーツ、生涯学習のみならず、地域づくりの
観点や幼児教育など、もう少し幅広い分野のご意見も伺うべきではないかと考えます。
このような委員構成にはどのような意図をお持ちで、どのようなご意見を期待されて選
出なされたのでしょうか、お伺いいたします。
4番目、教育委員会が教育懇話会から得られるものについて。次の質問は教育長にお
答え願います。教育委員会でも、同様に教育関係の方々から様々なご意見を伺いながら、
本市の教育行政に反映されていらっしゃると思いますが、これまでに開催された懇話会
へ出席されていますが、この懇話会の意義をどのようにお考えですか。また、ご意見を
今後の教育委員会活動にどのように反映させていこうとお考えですか、お伺いいたしま
す。
最後に5番、今後の教育委員会と首長部局の在り方について市長にお伺いいたします。
冒頭に申しましたとおり、教育委員会制度はある意味では独立性の確保にその根源があ
ると認識しておりますが、本懇話会の設置を踏まえ、今後の教育委員会と首長部局の在
り方をどのようにお考えですか。または組織の見直しなどもお考えになっているのでし
ょうか、お伺いいたします。
32
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
〔市長
井上久則
登壇〕
△市長(井上久則)
それでは、福田議員の質問にお答えをさせていただきます。教育懇話会の関係でござ
います。
1点目の設置の目的と活用についてでございます。私が目指す教育の充実の原点は、
政策公約に掲げました「自然と文化が色濃く残る飛騨市だからこそできる教育の追求」
であり、遅れていた学校整備と共に、そこで何をするのか、飛騨の子どもにどう育って
ほしいのかを考えていくという1点に尽きます。学校という器はお金をかければ整備で
きますが、その器で学び、育つ子どもの資質や学力を向上させるためには、お金をかけ
ることだけでは解決できない授業内容の充実や指導する教員の資質の向上、友達関係や
家庭生活の充実が必要であります。
私は、これまで小学3年生までの35人学級の導入や児童生徒支援員の配置、学校図
書の充実、特色ある教育経営推進事業を推進し、さらに今年度より確かな学力をつける
学力向上プロジェクト事業を予算化いたしました。そして今回設置した教育懇話会こそ
が、飛騨市の教育の充実を図る柱であり、私が行う教育施策の集大成であると位置付け
ております。
設置した目的は、教育現場の現状を認識し、取り巻く課題を幅広い視野から議論して
もらうことにあり、協議する内容につきましては、一つ目に学校教育の在り方と学力向
上に関すること。二つ目に従来の教育事業に関する検証と今後の展開について。三つ目
に一般行政と教育行政との連携についてなどを、2年間かけて細かい部分にまで踏み込
んでもらいたいと考えているところでございます。
また、結論を初めから求めているのではなく、議論する過程を尊重し、ましてこの会
は権限を持たない任意設置の会でございますので、提言としてまとめていただくかどう
かも懇話会にお任せをしております。結果、子どもたちのことを真剣に考えて導きださ
れたものであれば、どのような形であろうとも飛騨市の今後の施策に反映していければ
と大いに期待をしているところでございます。
二つ目の私が考える飛騨市の教育についてでございます。教育懇話会の座長をお願い
した岐阜大学、須本先生のお話によれば、学力には知識、理解、技能といった見えやす
い学力と、思考力、判断力、関心、意欲といった見えにくい学力に分かれるそうでござ
います。子どもが学び、育ち、人として生き甲斐のある人生を過ごすためには、この見
えやすい学力も見えにくい学力も両方が必要であり、教育という手段において子供が持
つ限りない可能性を、一つでも二つでも導き出してやることが必要であるとのことでご
ざいます。
先ほども述べましたが、私は行政を預かる責任者として学校という器を整備すること
33
はもちろんのことですが、その器で学ぶ飛騨市の子どもが持つ未知の可能性と学力を引
き出すために、あらゆる教育施策を講ずることが市長としての責務であると考えており
ます。
三つ目、委員の構成についてでございます。教育委員会委員と学校管理職の先生をお
願いしたのは、従来の教育委員会の範疇を超えて一度広い視野から議論していただいた
ものを、教育方針を決める権限を持った教育委員会でさらに煮詰めていただきたい、学
校の運営方針を決める学校現場で、他の教員とも一緒になって考えていただきたいとの
思いからの人選であります。
また、民間の方2名をお願いしたのは、お二人は、現役の父親、母親であり、普段の
生活の中からより子どもに近い目線からの教育を語っていただけるのではないかとの思
いでの人選であります。男性は地域で商売をなされ、学校を卒業し社会に出てからの厳
しい現実に対応できるような学校教育プログラムの必要性を意見していただけるのでは
ないかと期待をしております。女性には家庭における学習習慣の必要性や、学力ばかり
ではなく生活のけじめや規律など、少年期の人間形成の面で意見をいただけるのではな
いかと期待をしているところでございます。
ここで、生涯学習に少し触れさせていただきます。私は、生涯学習とは社会人となっ
ても一線を退いた後の第二の人生においても、人間として満ち足りた人生を送るために
何かに興味を持って自らが学ぼうとする姿勢のことで、その対象は文化、スポーツ、旅
行、ボランティアなどの活動にとどまらず日々の普段の活動など広範にわたると思いま
す。そして、教育委員会に求められている生涯教育とは、一人一人が生涯学習を行い得
るように動機付けする活動を指し、団塊の世代が第一線を退き高齢化社会が進展する今
日こそ、特に必要な活動であります。しかしながら、この懇話会においていきなり広範
な教育問題について議論することは、意見の集約化が難しくなるために、とりあえず学
校教育の問題から始めておりますが、教育委員会では今年度生涯学習の基本方針を定め
るそうでありますので、こうした問題についても話し合える機会を設けたいと思ってい
るところでございます。
4番目につきましては、教育長から答弁をさせます。
五つ目の今後の教育委員会と首長部局の在り方についてでございます。教育委員会制
度は、戦後まもなくのGHQ勧告により創設されたものであり、現代日本が繁栄する基
礎を担ってきた教育の役割を考えれば、素直に評価されてよいと感じていますが、一方
で、時代の変遷と共に多様化する社会においては、画一的な側面をもつ教育委員会には、
縮小論や廃止論が出ていることも承知しております。
そこで今後の教育の在り方については、国家レベルの議論において最も良い制度に意
見が集約されることを期待するところでございます。したがって現段階では、教育委員
会と首長の在り方については法が定めるように、市長の職務権限と教育委員会の職務権
限は遵守されるべきものであり、飛騨市の教育方針を教育委員会が決定するという権限
34
にまで口出しできるものではございません。また、これらの問題に起因する組織の改編
も考えておりません。
しかしながら、私が教育の課題を問題提起することや、一緒になって議論することま
でを法が禁じているのではありませんので、中学校統合と学校整備が一段落したこの2
年間でじっくり腰を据えて、教育の充実につながる施策を教育委員会共々、大いに議論
していきたいと考えているところでございます。
〔市長
井上久則
着席〕
◎議長(森下真次)
続いて答弁を求めます。
〔教育長
山本幸一
登壇〕
□教育長(山本幸一)
それでは、4番目の教育委員会が教育懇話会から得られるものについてお答えさせて
いただきます。
議員のご指摘のとおり、教育委員会の在り方の柱としましては、政治的中立性の確保、
継続性、安定性の確保、地域住民の意向の反映の3つがあります。本市の教育懇話会は、
特にこの中の、地域住民の意向の反映を受けるものとして私はとらえています。これは、
教育は地域住民にとって身近で関心の高い行政分野であり、また、特定の見方や教育理
論の過度の重視など、偏りが生じないようにする必要があることから、専門家のみが担
うのではなく、広く地域住民の意向を踏まえて行われなければならないということです。
現在、教育委員会は、学校教育の理念を「美しい飛騨市の環境の中ですこやかに育つ
子どもたちが、創意工夫を生かした特色ある教育活動を通して、よりよく生きるための
智慧を習得し、身につけることが、夢と感動に満ちた飛騨市の人づくりの基盤となって
いく」として掲げています。そして、この理念を踏まえ、1つ、生きる智慧を育む創意
工夫を生かした特色ある学校経営をします。2つに、誰からも信頼される教職員として
人間性を磨き、確かな指導力を身につけます。3つ目に、家庭と連携して学習習慣の確
立を図り、個に応じたきめ細かな指導と単位時間毎の確実な評価に取り組み、一人一人
に確かな学力をつけます、と3つの方針を示しています。すなわち、特色ある学校経営、
教職員の資質の向上、そして確かな学力の定着の3つです。
教育懇話会は、特にこれらの方針をより具現するために得るものは多々ありますし、
何よりも子どもたちには、将来の飛騨市を担う人材として、郷土を愛し、豊かな心に育
ってほしいという点では、首長部局も教育委員会も願いは同じです。ただ今市長の答弁
にもありましたように、私は教育懇話会イコール顔の見える連携としてとらえる中で、
今後の教育の在り方を共通理解することは非常に意味あることであるととらえています。
なお、この教育懇話会で得られるものについては、本年度策定を計画しております教
育基本計画の策定にも結び付けたいというようなことは思っております。
〔教育長
山本幸一
着席〕
35
○2番(福田武彦)
ご丁寧に答弁をいただきましたので、私は再質問を少し考えておりましたが、その答
えは今の答弁でなされましたのでお願いといいますか、要望としましては先ほども言い
ましたように、学力を上げることはもちろんのことでありますが、とにかく地元を愛す
るといいますか、そういうような子どもを育てていくことも非常に大事なことではない
かと思います。それと、そういう子どもたちが帰ってきても就業できる場所が必要であ
るということを強くお願いをして、次の質問に移ります。
2番目は、安全安心な飛騨市の農畜産物と農業振興についてであります。小さい見出
しの1番としまして、牛肉の放射能汚染問題に係る市内への流通状況について。2、放
射能汚染に係る市内農畜産物への影響と検査対応について。3、市内農家の経営環境と
対策について。4、地産地消の推進についてであります。
東日本大震災は我が国が過去に経験したことのない原発事故を誘発し、その影響は、
国民生活はもとよりさまざまな経済活動、とりわけ農畜産物への影響は計り知れないも
のとなっています。震災から半年が経過した今も、放射能汚染に関する抜本的な解決策
は見いだせないまま、被災地以外の農家にもその影響は広がっております。
特に、放射能に汚染された可能性のある牛肉が岐阜県内にも流通し、また、放射性物
質に汚染された稲わらが地域を代表するブランド品である飛騨牛にも与えられていた事
実は、市民や畜産農家にも大きな衝撃を与えました。
これを受け、岐阜県では県内産牛肉の全頭検査の方針を打ち出し、去る8月29日か
ら開始されましたが、検査は県内での飼育期間が長く、かつ高山を含めた県内3カ所の
食肉処理場に出荷された牛のみが対象で、他県から持ち込まれ県内で処理される牛や、
県外で処理された県産牛は対象外となります。また、当然ですが放射能汚染は牛肉に限
らず、米や野菜などの農産物からも放射能物質が検出されています。飛騨市は原発から
離れており、直接的な影響はほとんどないと思っていますが、そうであればこそ、確実
に安全性をアピールし、消費者に安心して購入いただけるような独自の検査対応が必要
ではないかと思っております。そこで、まず次の2点をお伺いします。
1番目、牛肉の放射能汚染問題に係る市内への流通状況についてであります。放射能
に汚染された可能性のある牛肉が岐阜県内にも流通していましたが、それらの飛騨市内
への流通状況と、放射性物質に汚染された稲わらの市内畜産農家での使用状況について
お答え願います。消費の減少や風評被害が心配されますが、その対策についても答弁を
求めます。2番目、放射能汚染に係る市内農畜産物への影響と検査対応についてであり
ます。先ほど申しましたとおり、飛騨地域は幸い原発より離れているため直接的な被害
はないと思います。今こそ、市内で収穫される米や野菜などの農産物が確実に安全であ
ることを広くアピールすることは、重要であると考えます。9月初めの産業厚生委員の
視察でも、大阪市場の関係の方々から飛騨野菜の高い評価を聞きました。そこで、それ
らの検査体制の必要性についてどのようにお考えか、もし必要であれば今後の整備見通
36
しについてお答えください。
視点を変えますが、さて、世界的に深刻な問題となっております食料不足と価格の高
騰。米以外の食料を海外に頼る我が国の食料政策は、世界の人口爆発や異常気象による
食料不足、マネーゲームなどによる食料価格の高騰に大きな影響を受け、海外では、食
料輸出国が自国の食糧確保のため輸出規制の姿勢を明確にし、巨大資本による他国農地
の買い占めが行われるなど、食糧危機は顕在化しつつあります。
また、食料価格のみならず、燃料や肥料、飼料、農業資材などの価格も高騰しており、
市内の農家の経営にも大きな影響を与え、追い打ちをかけるような原発事故による農作
物の放射能汚染問題により農業経営はますます悪化し、農業経営を継続するあるいは志
す方がどんどん減り、高齢化が一段と進行する状況となっているのではないかと推測し
ます。そこで、次の2点をお伺いします。
市内農家の経営環境と対策についてであります。市内の農家の経営環境をどのように
認識されておりますか。それらの経営環境により、今後の飛騨市の農業がどのようにな
り、そのためにはどのような施策や支援策が必要で、具体的にはどのような対応をお考
えかお聞きします。四つ目、地産地消の推進について。国は、今後中長期的に想定され
る食糧不足に対応するため、農業生産と食糧消費の両面から食料自給率の引き上げをも
くろみ、一つの施策として地産地消の推進を図ろうとしております。一方で、地域の農
産物をブランド化することにより、収益性の高い商品を県外や外国向けに販売すること
は、農家の経営を安定化することからも今の時代に求められていることであります。
しかしながら、飛騨牛などのブランド品は比較的高価なものとなるため地元市民が気
軽に購入できるものではなく、どんなに素晴らしい食材であっても、結局食べたことが
ない市民の方も相当いらっしゃるのではないでしょうか。
また、現役を引退された世代の方が農業を始められることがよくあります。このこと
は前に私は質問しましたが、収穫物は市場に流通することなく身内や近隣などへの分配
で終わってしまい、農地がない方あるいは若い世代の方々の中にはほとんど地の物を食
べられない状況も少なからずあるのではないでしょうか。地産地消には、ある程度市民
に使いやすい状況を作ることが必要であると感じます。例えば、農業を生業としない方
が作った農作物を気軽に持込め、市民に販売できるような市場的な場所を開設するなど、
生産者、消費者ともに誰もが利用しやすい環境を作ってはいかがでしょうか。朝市や直
売所は開設されていますが、利用できるのは一部の人であります。
また、岐阜県では、学校給食に県内産の農産物や加工品を使用した場合に助成を行っ
ていますが、そのような助成制度を市でも行ってみてはいかがでしょうか。
食の安全性が問われる中、地元の方々が地元の食材を安全でおいしいと思えることは、
農作物の安全性をアピールするためにも重要なことであると思います。地産地消の必要
性をどのように認識し、必要であればどのような具体的な施策がおありになるのかお答
えください。以上であります。
37
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
〔農林部長
石腰豊
登壇〕
□農林部長(石腰豊)
安全安心な飛騨市の農畜産物と農業振興についての4点、ご質問をいただきました。
それでは順次お答えをさせていただきます。
牛肉の放射能汚染問題に係る市内への流通の状況につきましてお答えいたします。牛
の取引によります国内移動、牛肉の流通および稲わらの流通について、国、県およびJ
Aなど関係機関により調査が行われました。放射性物質に汚染されました牛肉の流通に
つきましては、新聞報道等にございました、7月の神岡町内での1件の後は、流通はし
ておりません。稲わらにつきましても、市内の畜産農家全戸を個別に調査を行いました
結果、飛騨管内での調達と中国産購入であることから、市内の畜産農家が放射性物質に
汚染されました稲わらを購入、使用した農家はございませんでした。
2番、放射能汚染に係る市内農畜産物への影響と検査対応についてお答えいたします。
農産物の放射性物質の検査状況は、日本人の主食であります米につきまして、県内3カ
所の県農業試験研究機関で生産されました、コシヒカリ、たかやまもち、のモニタリン
グ調査が8月12日、9月5日に行われました。この結果、放射性物質の検査結果は全
て、不検出でございました。したがいまして、米につきましては例年どおりの収穫出荷
を行うこととなっております。
蔬菜関係につきましては、3月18日に茨城県高萩市で収穫されましたホウレンソウ
から、国で定められました暫定規制値を超えますセシウムが検出されたことを受けまし
て、JA飛騨においては5月に民間検査機関に委託し自主検査が行われました。この結
果、不検出でありました。このことから、平常の出荷が行われております。
現在は、動向調査のためホウレンソウを含みます、その他の県産農産物につきまして、
県とJAがモニタリング検査を実施することで協議が進められている状況でございます。
また、県内地方卸売市場で流通しております県外産農産物につきましても、今月より
定期的にモニタリング検査が実施され安全を確認された農産物のみ、流通させることと
なっております。
3番目の市内農家の経営環境と対策についてでございますが、市内農家の経営環境に
つきましては、長引く景気の後退による農産物等の価格の低迷、昨年の猛暑からの影響
によります食糧自給率の低下、東日本大震災の影響によります農業資材等の高騰、福島
原発事故に係ります放射性セシウムによります農畜産物への風評被害、農業者の高齢化
など、経営環境は非常に厳しい現状にあると感じております。
今後の飛騨市の農業につきましては、飛騨農林事務所、中山間農業研究所、JA飛騨
および市で構成いたします新たな組織を創設いたしまして、市の農業の方向や現在の主
要品目でありますトマト、ホウレンソウの収益増を含む安定経営に向けての検討を行い、
38
また、農業者の高齢化、後継者不足、団塊世代の農業新規参入などの対応といたしまし
て、営農作業の軽減が図れ、収益増につながります第三品目の検討についても継続して
進めてまいりたいと考えております。
また、実験展示圃、土地借り上げによります新品種等の試験栽培、専門家によります
市場調査等も新たな組織の中で検討したいと考えております。
現在、事業展開しておりますチャレンジ農業やフレッシュファーマー事業などの諸事
業についても、対象者、対象事業、対象経費、補助額など支援の拡大を行いまして、総
合的な飛騨市の農業振興を進めてまいりたいと考えております。
4点目の地産地消の推進についてでございます。現在、地域で生産されました農業生
産物を直接購入できますのは、市内の朝市、直売所等でございます。このような場所に
おいて、安心、安全な農産物を安定的に供給できるような施設の整備などを模索し、農
産物の消費拡大、産地維持を図ることでも地産地消の推進を進めてまいりたいと考えて
おります。しかしながら、地域を支えます小売業者の方の育成、この問題も語る上では
忘れてはならないところでございます。したがいまして、双方の意見を聞かせていただ
きまして、慎重な対応が必要と考えております。
また、学校給食におきましては、議員ご周知のとおり県補助事業の学校給食地産地消
推進事業を活用し、トマト、きゅうり、ホウレンソウなどの地元産農産物をはじめとし
ます安心、安全な県産農産物を積極的に利用し、より身近な地域の段階からの地産地消
による拡大を図っております。市としましても、さらにこの補助事業の拡充を含めた継
続した対応を行ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。
〔農林部長
石腰豊
着席〕
○2番(福田武彦)
今の答弁を聞きますと、比較的安心できるのかなということを思うわけでありますが、
ただ、今の原発事故によって飛騨牛の消費が悪いというようなことを聞いているのです
が、そのような風評被害による市としての対応策、あるいはもし逆に今度は野菜の方な
どは大丈夫だという形なら、積極的にこういう情報を広報するというようなことを考え
てあるのかどうか。その2点についてお伺いします。
□農林部長(石腰豊)
ただ今の2点について回答させていただきます。順序は逆になりますがお願いいたし
ます。
先ほどの答弁と重複点はございますが、積極的な広報という点につきましては県およ
びJAでは、現在の段階で農作物の安全ということは確認されております。万一に備え
まして、動向のモニタリング調査を検討されている段階でございます。広報につきまし
ては、県およびJA関係機関との細部の調整が必要と思いますので、今後検討をさせて
いただきたいと思います。
2点目の飛騨牛を含みます風評被害対策ということでございますが、放射性セシウム
39
に対します畜産農家、飛騨牛の販売促進への支援策といたしまして、三市一村の首長連
合およびJA飛騨が連携を図りまして、飛騨市安全、安心対策事業を行う予定としてお
ります。飛騨市におきましても、本定例会に200万の予算を要求したところでござい
ます。内容につきましては、事業運転資金などへの対応といたしまして貸付信用保証料
補給事業ということで、貸付保証料の全額免除、これは0.4%でございます。また、
JA関係の融資事業、農業経営改善支援事業に対する利子補給といたしまして2分の1、
0.5%を利子補給することを計画しております。
販売促進の関係でございますが、月刊誌さるぼぼの11月号に特集版として掲載を予
定しております。また、販売促進のためのポスターの作成、飛騨市の公用車、市内を走
ります巡回バスにマグネットステッカーの掲示、高速バスのラッピング等を計画いたし
まして、販売促進に少しでも努力をしたいと考えているところでございます。以上です。
○2番(福田武彦)
ありがとうございました。先ほども言いましたように、大阪市場へ行きましたら非常
に飛騨の野菜は評価が高いということを聞きまして、そういう力強いものを受けてきて
おります。それで今度は逆に、消費者についても安全だということは分かった範囲でい
いですが、今後そういうPR活動もやっていただければということをお願いしまして、
私の質問を終わります。
〔2番
福田武彦
着席〕
◆休憩
◎議長(森下真次)
ここで暫時休憩といたします。2時10分に再開をいたしますのでお願いいたします。
◆再開
◎議長(森下真次)
それでは休憩を解き、引き続き会議を再開いたします。次に1番、後藤和正君。
〔1番
後藤和正
登壇〕
○1番(後藤和正)
議長のお許しをいただきましたので、通告に基づき大きく2点につき質問をさせてい
ただきます。
はじめに、市民との懇談会で得たものについてお尋ねいたします。井上市長は、市長
就任以来、財政状況が大変厳しい中でのどうしてもやらなければならならない先送りさ
れていた小中学校の耐震化事業やごみ焼却場建設事業の実施等、人口減少と少子高齢化
問題を抱えながら、財政基盤を安定させることを訴えてみえました。将来、子や孫に大
きな借金を負わせられないと、長期財政見通しを立てて、公約にも挙げられた政策総点
検を受けた第二次総合計画と第二次行政改革大綱の策定に取り組まれました。総合計画
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策定にあたっては、職員の手作りにより、市民座談会で貴重な意見をいただきながら、
飛騨市の抱える課題や現状を分析し、生活重視のまちづくりを基本に構想を立てられま
した。そして、現場主義を唱えられ、常に市民の声に耳を傾けながら、現地を含めた現
状把握の重要性を認識し、実践されて来られました。
今定例会初日の諸般の報告にもありましたように市長移動懇談会など、年間数十回の
地域、団体の懇談会に出席され、多くの市民と膝を交えた対話集会にて、地域特性も含
めたたくさんのご意見や要望をお聞きのことと思います。市長は、就任以来こうした対
話集会など、何回位実施されたことでしょうか。
また、先ほども自主防災組織についての前向きな意欲的な意見がもらえたとありまし
たが、良質な市民サービスの提供を目指し、昨年度から始まった職員の出前講座「市政
見える化講座」を実施され、市政の透明化を推進し、市が持つ情報を市民と共有できる
ような取り組みが行われております。現場で行政情報を伝達するだけではなく、団体か
らの市に対するご意見や要望も市長に伝わっていることと思います。
そこで1点目の質問は、懇談会等で収集された意見要望等で今後、第二次総合計画を
ベースとしながら市政運営に反映できる意見としては、どのようなものがあったのでし
ょうか。2点目にそれらを受け、新年度予算編成を間近に控え、市政発展のために直近
の施策として対策を講じなければならない具体的な事業、事例としては、どのようなも
のがあったのでしょうか。以上2点についてお伺いいたします。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
〔市長
井上久則
登壇〕
△市長(井上久則)
それでは、後藤議員の質問にお答えさせていただきたいと思います。市民との懇談会
により得たものはということでございます。
私は、この懇談会を始める上で心においていたことにつきましては、市民の声を聞く
ということは非常に大切だと思いますけども、今までの経験の中で飛騨市の掲げる現状、
課題、そして今取り組んでいることが市民の方に正確に伝わっていない、こういうこと
がいろんな形の中で出てきていたということも強く感じておりますので、特に気を配っ
たのは市政というものをしっかり市民の方に伝える。その上で、市民の声を聞くという
ことを心掛けてまいったところでございます。そういったことを踏まえまして、お答え
をさせていただきたいと思います。
市長移動懇談会につきましては、平成22年度、昨年でございますけども私が29回、
相手方1,360人でございました。今年は、23年度上半期では18回、590人の
参加をいただいて開催しております。地域別では、古川町26回、河合町6回、宮川町
4回、神岡町11回でございまして、この後も神岡町袖川地区、宮川町の杉原女性会、
古川町の大村など四ヶ区などで計画しているところでございまして、これ以外にもこれ
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からどんどんと地元へ出て、市政懇談会を開催したいと思っているところでございます。
また、職員が行う市政見える化講座につきましては、昨年度は75回、3,539人、
今年度は数が非常に多くなりまして、上半期だけで85回、4,770人の参加をいた
だいております。特に、この見える化講座は、常に健康、福祉の講座が多いのですが、
今年は震災の影響で防災と救急救命の講座が増えたのが特徴でございます。市長移動懇
談会では、私が進める市政の詳細を説明した後、地域や団体が抱える様々な課題につい
て意見交換をしてまいりました。
今までのご意見を聞く限り、地域のことを真剣に考え、市民感覚から少しでも暮らし
が豊かになるようにとの切実な声を聞くことができました。また、行政や職員に対する
お褒めの言葉や厳しい意見がございまして、どの懇談会も有意義な時間を持たせていた
だいているのが、率直な感想でございます。
そこで、ご質問の1点目、懇談会で収集された意見、要望で今後、第二次総合計画を
ベースとしながら市政運営に反映できる意見としてはどのようなものがあったかという
ことでございます。この1年半にいただいたご意見を総合計画の所管別に分けますと、
地域に密着した空き家対策や避難所整備、防災、交通安全施設の総務関係が約20%、
市民生活に密着した道水路などの基盤整備の要望が同じく20%、3中学校統合後の地
域振興や子供の進路を含めた教育の充実が15%、鳥獣被害対策や耕作放棄地解消、山
の手入れ、農業振興が10%、保健センターや介護施設の設置要望、保育園など保育環
境の充実、敬老会助成金など高齢者福祉に関するものが同じく10%、地場産業の振興、
企業誘致、若者の定住促進など商工観光振興が10%、職員の資質向上や市民生活に密
着したきめ細やかな行政を望む声などを含めると、総合計画に掲げます大きな6つの柱
に関係する意見、要望は実に9割を占めているところでございます。
このうち、具体的に施策に反映できた一例では、廃屋対策条例の制定、地デジテレビ
普及推進、地元商店活性化事業や住宅リフォーム補助制度などの経済活性化策、まちづ
くり交付金事業での神岡保健福祉センター計画、東町コニュニテイー施設計画、今年度
策定予定の第5期高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画での介護施設整備の検討、保
育園統合、民営化の方向性、除雪基準の見直しや道路消雪路線の検討、指定管理施設の
見直し検討など、市長として市政運営を判断する上で、移動懇談会で出される市民の声
に後押しされることが多く、得るものは大変大きなものがございます。
続いて2点目の新年度予算を控え、市政発展のために直近の施策として対策を講じな
ければならない具体的な事業、事例としてはどのようなものがあったかについてでござ
います。
数多く行った移動懇談会の中で、次世代を担うリーダー達が集まった神岡青
年会議所、宮川町青年団、古川町商工会青年部の3つの懇談会の意見から印象に残った
意見と、今後に向けた取り組みの事例を挙げたいと思います。
まず、神岡青年会議所では商店街の活性化に向けた提案の中で、空き家を店舗にした
いが持ち主から貸してもらえなかった現実を鑑み、行政に対し街中の空き家活用制度創
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設の要望がありました。私は、せっかく意欲のある若手経営者を育てるためにも、既に
商店街空き店舗等活用事業奨励金交付金事業があるものの、制度の周知が図られていな
いことなどの反省を踏まえ、広報を充実させることや商店街との話し合い連携を深める
ことを担当課に指示をしているところでございます。また、宮川町青年団では「市内に
は優良企業があるのにその存在自体を知らず進学で都会へ行ったまま帰って来ない。U
ターン施策として飛騨市の産業フェアを開催したらどうか」との提案がございました。
こうした催しを通じて、小学生、中学生の頃から市内企業に就職できるような学業面で
の仕向けや郷土意識の醸成を育むことで、若者の田舎離れを食い止める一助になるので
はないかとの提案であります。飛騨City人財会議の活動も確認しながら、内容によ
って来年度予算に計上できる部分があるのではないかと思いましたので、担当の商工課
に検討をさせているところでございます。古川町商工会青年部では「若者の政治離れ、
無関心が目立つ。我々青年部員が地域をリードできるようにいろんなことに首を突っ込
んで行こう」とか「厳しい財政状況を理解して行政に頼らないまちづくりを考えよう」
など、非常に前向きな意見が出ました。私からは、地域活性に向けた大きな枠組みを構
築し、ストーリーの具現化に向けて個々具体的なアクションプランを提案してもらいた
い旨のお願いをし、今後も行政との連携を深めることを約束いたしました。
いずれの団体とも、会議の後の懇親の席にも出席をして、膝詰めで飛騨市の未来を語
ったところでございます。若者らしく突拍子もない提案や意見も出てまいりましたが、
彼らの考える意図を十分尊重して、次年度予算では元気なまちを創出できるような施策
が提案できればと考えているところでございますので、よろしくお願いいたします。
〔市長
井上久則
着席〕
○1番(後藤和正)
ただ今は、市長よりそれぞれ懇談会へ出た内容を述べられました。反映できたところ
から、廃屋対策、地デジ、住宅リフォーム等、後押しをしていただいたということで、
これはやはりそういった市民との懇談会があって出てきた意見であったのか。やはり、
そういったところで市民とのつながりが大事かな思います。それを伺います。
そして、今出ました神岡の会議所の商店街活性化空き家店舗活用とか宮川青年団のU
ターン産業フェアをやったらとか、すごく期待できそうな画期的な前向きな意見なので
すが、そういったものをボトムアップしていく上で今後予算に検討していると言ってみ
えましたが、今、新年度予算編成においてはどの地点なのか。直近の施策としての具体
的な事業として、今挙げられたものを具体的な事例として受け止めていいのかというこ
とをお聞きします。
△市長(井上久則)
まず、リフォーム補助などの話をさせていただきましたが、このリフォーム補助1点
に取り上げていただいても結構ですが、前にもリフォーム補助を始める時にお話しをし
たとおりでございまして、いろんな形の中で先ほど冒頭に申し上げましたように、市政
43
の現状等々を地元に語る中でこのリフォームにつきましては、それぞれの地域の、それ
ぞれの団体17団体の方が寄って、こういったリフォーム補助をぜひ創設してほしいと
いう話の中で生まれてきた事業でございます。これらにつきましても、やはり市民との
対話と飛騨市の現状を踏まえ、今こういったものが一番飛騨市に必要ということで市民
の方から提案があって、初めてのだってきたリフォーム補助だというふうに思っていま
すので、これもこういった懇談会の成果であるというふうに思っているところでござい
ます。
また、地デジの対応等につきましてもやはり、地デジとは何ぞやから始まらなければ
ならなかったわけでございますが、こういったものも地域に出て担当部局も出たりして、
いろんな地デジのことに対してお話しをする中で、こういった活性対策が出てきたので
はないかというふうに思います。
いろんな形の中で正しく市政を伝える、そして市民の方の声を聞く、そんな中から生
まれてきた事業だということでお話しをさせていただいたところでございます。この1
年半の大きな成果ではなかったかというふうに思っているところでございます。
また、来年度予算にどう反映するかということにつきましては、先ほど申し上げまし
たように担当部局の方へそういった意見を集約して報告をしております。その中で担当
部局でこういった町並み活性化とか、いろんな形の中で今予算編成の段階に入っており
ますので、上がってくるものと期待をしながらいるわけでございますが、今後しっかり
とした中で予算化できるものについては予算化をしてまいりたいと思っておりますので、
よろしくお願いをしたいと思います。
○1番(後藤和正)
よく分かりました。もう一つだけ質問させてください。今、最初に向かうに心におか
れたことで、正確に市政が市民に伝わっていないのでそこを伝えたい、そういった気持
ちからしても市長は実のある懇談会であったのではないかと思いますが、市長自らそう
いう対話集会に出られまして、今までは良い成果が得られて生の声が聞けたと言われま
すが、今後そういったものはこの状態では、今後はそれは議員がやる事とか、市長が自
らやることではないとか、そのような意見を言われる方もみえますが、今後については
それによって得られた良かった効果が大きかったと思うのですが、どのようにお考えで
しょうか。
△市長(井上久則)
先ほど冒頭で申し上げましたように、今まではこの市政というものが正しく市民の方
に伝わっていなかったということに尽きると思います。今までは現状ばかり話をしてま
いりました。特に聞かれた方は分かったと思いますけど、財政の健全化というものを冒
頭に出して、地方交付税が減るんだということを申し上げておりますけども、地方交付
税とは何ぞやから入って、こういった形の中で10年経って、5年終えて11億円ほど
なくなりますよという話をさせていただいて、厳しいことをまず知っていただいた上で
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市政は運営されているということを含めて、今までは本当に市政の現状を訴えて意見を
聞いてまいりました。いつまでも厳しいことばかり言っていても夢のある市政にはなり
ませんので、これからはやはり、これからどうするか、飛騨市をどう活性化していくか
とか、そういったビジョンを語りながら市政懇談会に向かっていくつもりでおります。
この4年間しっかりそういった現状を語ってまいりましたので、これからはやはり飛騨
市はどうあるべきかなど、そういった前向きな話をしっかりできるような市政懇談会に
していきたいというふうに今考えているところでございます。
○1番(後藤和正)
ありがとうございました。今、議会改革特別委員会でも飛騨市議会基本条例の制定に
向けての協議を行っていますが、市民との意見交換等、市民参加の機会の拡充など検討
事項とされております。市長におかれましては、今後も今言われたように前向きに市民
の多様な意見を的確に把握していただきまして、市政の政策形成に適切に反映されるよ
うに努めていただきたいと存じます。次の質問に移らせていただきます。
次に、自殺予防教育について質問いたします。先日、小中高で自殺予防教育という見
出しで、文部科学省が先進的な米国の教育を参考に、小中高に自殺予防教育を導入する
方針を決めたという記事を目にしました。ストレスとの向き合い方や悩みを一人で抱え
ない対処法を学ぶことを想定し、2013年度予定とありました。
日本における児童生徒の自殺は、文部科学省によると、2010年度147人で、こ
こ数年は、年間150人前後で推移しているようであります。しかし、遺族が学校へは
自殺だと明らかにしないことなどがあり、警察庁の発表のデータでは19歳以下の自殺
は500人を越えていて深刻さが伺えます。警察庁のデータでは、2010年度の日本
の自殺総数は31,690人と13年連続して3万人を突破していて、諸外国と比べて
も自殺率が高く、アメリカの自殺率の2倍となっております。ちなみに、日本での自殺
未遂者は、自殺者の10倍といわれております。自殺者の46.2%は、事前に何らか
のサインを出していたと遺族は後で感じているそうですが、自殺者遺族が自殺以前にサ
インに気づいたのは20%にとどまっております。
えんせい
文部科学省による若年層、学生の自殺原因では、厭世、父母等の叱責、精神障害、進
えんせい
路問題、学業問題、恋愛の順となっております。厭世というのは、世の中に生きる希望
を失くしたということだと思いますが。新聞記事によりますと、原因としては、いじめ
が多いとされ、対策に強化されてきたが、実際は家庭環境や不安など多様な要因が絡み、
抜本的な対策はされていないのが実情のようであります。
そういった中で文部科学省は、米国の学校での自殺者を減らした予防教育に注目して、
それらを参考に専門家会議を設置するとありました。専門家会議では、校長や教員がよ
り子どもに配慮するための意識向上策や診療内科医ら地域の専門家との連携の在り方な
ども検討されるそうです。
まず、1点目としまして、市長にお尋ねいたしますが、国は自殺に関する総合対策の
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緊急かつ効果的な推進の観点から、2006年10月28日には自殺対策基本法を施行
しております。その第4条では地方公共団体の責務としまして、地方公共団体は、自殺
対策について、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有するとさ
れておりますが、岐阜県や飛騨市においては、現在どのように実施されているのかお伺
いします。2点目からは山本教育長にお伺いします。私は、自殺を食い止めることは容
易なことではない。方法、手段だけでなく、やはり子どもの頃からの尊い命の教育が大
切なのかなと思っております。しかし、現実には繰り返し言って聞かせても、その瞬間
は逃れられない、突発的なことでそういった事実もあります。2点目に、取り巻く社会
環境と自殺について、山本教育長はどう捉えてみえるのか。遺族にとっては大変つらく
悲しいことですが、現実から目を背けられず否定できません。自ら命を絶つということ
に対して、どのようにお考えかお尋ねいたします。3点目に自殺予防教育とはどういっ
たものか。文部科学省の自殺予防教育の方針と米国の自殺予防授業について、もっと詳
細が分かればご説明願います。4点目の質問としまして、以前、前松葉教育長が若者の
自殺に関する答弁の中で、飛騨市の命の大切さの教育の取り組みについて、定期には各
小中学校では毎週、道徳の授業で全ての学年において年間35時間行う中で、かけがえ
のない存在としての命と捉えて、指導を行っていること。また、日常の朝の会、帰りの
会、学級会等で機会を捉えて、学級担任を中心に全教職員が、自分の命、友達の命、物
の命の大切さについて必ず指導、見届けをして週案簿に記録されていることを挙げられ、
このような指導と各家庭の連携、啓発を進めていると述べられております。私は、命の
教育は学生だけでなく、成人になっても脳裏に残るものであると思っております。
そこで、実際、自殺を授業で取り上げることは子どもを刺激する可能性もあり抵抗感
もあると思いますが、命の大切さの教育では、自殺予防をどのような理念の基にどうい
った内容で指導されているのか、指導者の意識向上はどのように行われているのか、各
家庭の連携、啓発は、どのように進んでいるのか教育長にお伺いします。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
〔市長
井上久則
登壇〕
△市長(井上久則)
それでは、自殺予防教育についての1点目を私の方からお答えをさせていただきます。
大変難しい質問でございますので、後藤議員の意に沿った回答になるかどうか、また後
ほどお願いしたいと思います。
まず、岐阜県、飛騨市の自殺対策の実施についてでございます。岐阜県および飛騨市
における自殺予防対策についてでございます。岐阜県では、平成28年度までに県内の
自殺者を396人以下に減少することを目標に、平成25年度までに420人以下を目
指し岐阜県自殺総合対策行動計画、これは平成21年度から25年度まででございます。
それを推進しているところでございます。
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平成23年度は、岐阜県地域自殺対策緊急強化基金を活用し、一つ目に対面型相談支
援事業、二つ目に電話相談支援事業、三つ目に人材養成事業、四つ目に普及啓発事業、
五つ目に強化モデル事業、六つ目にうつ病医療体制強化事業を実施しております。飛騨
保健所においてもこの計画の推進を図るため、弁護士と臨床心理士よる対面型包括支援
相談を飛騨圏域で8回実施するほか、自殺予防リレーフォーラムや病院と地域医師会と
の医療連携が計画されております。
飛騨市では、まだ飛騨市自殺予防対策計画を策定しておりませんが、飛騨保健所と連
携し、こころの健康相談の実施や民生委員等関係機関から把握された気になるケースに
対し、まずは専門医療機関への受診につながるよう対応を行っているところでございま
す。
また、随時関係者による会議を開催し、必要な場合は、保健師等による家庭訪問など
継続的な係わりを行っております。今後は、飛騨保健所の指導を受けながら、計画策定
に向けて取り組んでいきたいと考えているところでございますので、よろしくお願いい
たします。
〔市長
井上久則
着席〕
◎議長(森下真次)
続いて答弁を求めます。
〔教育長
山本幸一
登壇〕
□教育長(山本幸一)
ご質問の社会環境と自殺、自殺予防教育とは、飛騨市現行の命の大切さの教育につい
て、関連しておりますのでまとめてお答えさせていただきます。
1998年以来、わが国では年間自殺者数が3万人を超え、深刻な社会問題となって
おります。この数は交通事故死者数の5倍以上にものぼり、中でも働きざかりの人やお
年寄りにおいて高い自殺率を示しています。これは、社会が大きく変化しただけでなく、
戦後の右肩上がりの高度経済成長が終わり、豊かになったとはいえ、今、円高に伴う経
済の変革期を迎えていることに加えて地域社会の構造も大きく変化して、特に近年、人
間関係もますます複雑化、孤立化が進んでいます。そのため、日々安心して生きがいを
もって生活をしていくことがなかなか難しい社会情勢となってきていると言っても過言
ではありません。その中で、特に子どもは、素直で感受性が強く、環境の影響をとても
受けやすいこともあり、経験するストレスも多岐にわたっております。
子どもの自殺予防の教育については、後藤議員がご指摘のように確かに難しい点もあ
りますが、飛騨市においては、平成21年3月の文部科学省よりの「教師が知っておき
たい子どもの自殺予防」のマニュアルおよびリーフレットを基に、家庭、地域、関係機
関の理解と協力を得ながら、小学校からいのちの教育の実践を積み上げていくことが自
殺防止となると考え、現在、3つのことを重点的に取り組んでいます。
前松葉教育長が答弁したことと重複するかもしれませんが、その一つは、日々の授業
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を基にした教育活動における指導です。毎日の教科の学習、特に保健体育では、わたし
の名前、生命の誕生。それから社会科での人権、戦争体験、ひろしま。それから週一時
間の道徳、生活科、総合的な学習の時間、そして特別活動との関連を図って、生命の大
切さや人生のかけがえのなさが実感できる、いのちの教育を意図的に学校は実践してい
ます。
2つ目は、日常的な教育相談活動の充実です。全教職員が登校後から下校するまで一
日中、子どもたちの心の叫びを見逃さないよう、表情あるいは言葉遣いなど、変化に気
付いてひと声かける相談の徹底に取り組んでいます。いじめへの対応は、最も重視して
いることです。市としましても、各小中学校に児童支援員、教育相談員を配置するとと
もに、定期的にスクールカウンセラーを派遣するなどして、教育相談体制の強化にも努
めています。そして、状況を把握した場合には学校だけが抱え込むことがないように、
教育委員会の担当を派遣し、学校の担当委員会と一体となってチームを作り、関係諸機
関と連携を図りながら、子どもと周囲との絆の回復に向けて取り組む体制を整えていま
す。
3つ目は、地域と連携して心の教育に取り組むということです。市の青少年育成推進
委員の方々が中心に、ふれあい集会やこころの広場など、各地域に即した実践活動に家
庭、学校、地域が一体となって取り組む推進を精一杯果たしていただいています。
このような取り組みにより、一人一人はかけがえのない存在であり、かけがえのない
命であるという自己存在感、すなわち、自分は自分一人の命ではなく、周りの人とつな
がって生きているということを実感し、自分の命はもちろん、他の人間の命も尊重でき
る人間として育っていくものと確信しています。
最後になりましたが、お尋ねのアメリカの取り組みにつきましては、文部科学省より
出された自殺予防に関する調査研究協力者会議の平成22年度第3回議事録に、米国調
査ワーキンググループからの報告として、次のように記してありますので、一部抜粋を
紹介させていただきます。
まとめとしては、自殺率は先進国中でも比較的低いにもかかわらず、アメリカでは積
極的な自殺予防対策が、高校を中心にして実施されており、NPOなどの様々な主体が
多様なプログラムを提供している。州によって教育の内容も指導者も違っており、地域
の実態や特性に合わせて実施されているが、それぞれの地域ではおおむね好意的に受け
止められていた。そこには、青少年の命を守るという考え方が大事にされているのを肌
で感じることができた。また、こうした教育が健康教育の一環として、生涯にわたるメ
ンタルヘルスの基礎となるように長期的な取り組みとして授業にも位置付けられていた。
〔教育長
山本幸一
着席〕
○1番(後藤和正)
今、教育長から三つの対応を説明していただきまして、自分は自分一人の命ではない
実感を確信を持って、そこから自殺を少なくしていくということであったと思います。
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難しい問題と言われましてデリケートな部分がありますが、カーテンを引いていたので
は対策は進まないと思いますので、今後ももっともっと中身がどれだけでも重視してや
っていただきたいと思います。
1点、市長の答弁の中で、まだ飛騨市は対策を策定されていないということでありま
した。国を見ますと、内閣府には特別機関として自殺総合対策会議が置かれております。
今件は文部科学省でありますが、内閣官房、厚生労働省、警察庁、法務省、農林水産省、
経済産業省、国土交通省、防衛省、各省庁にそれぞれ自殺防止対策の施策等があります。
その中で、それぞれがいろいろなことをやっていますけど、17年に自殺対策関係省庁
連絡会議というのがそれでもって設置されました。が、これは第1回の会議しか私は確
認できていないのですが、多分機能が生かされていないようなのですが、そうやって各
省庁によっての対応がバラバラであるようです。先ほど市長がこれからそういったもの、
医療機関や、保健師とか言ってみえました。そこで、飛騨市としましても国と同じよう
な警察署や消防署、保健所、医療機関、学校関係、各部署等の横のつながりを持って対
策会議などを実施できないものかと思いますが、今後の対策としてのお考えを1点お聞
きします。
もう1点いいですか。さっき、市長の説明で電話相談というのがありましたが、いの
ちの電話ですが、これは皆さんご存知のことかと思います。自殺率が有意に下がってい
るそうです。岐阜県にもNPO法人で岐阜いのちの電話協会がありますが、こういった
相談方法はお子さんでも、学生さんでもいいんですよね。市民にどのように周知されて
いるか。また、こういった相談所の拡充が求められておりますが、教育長は学校の方で
カウンセリングを行ったりということでしたが、相談所というと飛騨市の場合はどうい
った所でやられてみえるのか。この地域のどこでやられているかということをお聞きし
ます。
◎議長(森下真次)
答弁を求めます。
□市民福祉部長(谷澤敦子)
それでは、ただ今のご質問の第1点目からお答えいたします。
計画策定につきましては、現実にまだ県内においても先進的に作られているところが
少なく、先般も飛騨保健所の方に今後の策定のことでご相談をしたところですが、また
高山市、下呂市も策定に至っていないというところで、今後いろんな情報を集めながら
飛騨市としての状況をきちんと見極めて、一緒になって策定に向かいましょうというこ
とでご指導いただきましたので、今ほど議員がおっしゃいました他機関との連携をどの
ように図りながらきちんと向かっていけるかということは非常に大きな問題だと思いま
すけれども、これは一つの所だけでは決してできないものですから、やはり様々な要因
がからんでいるので必要な部署とうまく連携を取りながら、きちんと策定に向けて取り
組んでいければいいなと思っております。
49
それから2点目のご質問ですが、このPR等につきましても今飛騨保健所が中心とな
って動くところに飛騨市も一緒になって健康相談を実施したり、家庭訪問等も保健所の
保健師と一緒にという形があるので、PRに関しましても保健所から頂くようなパンフ
レットを折に触れて健康相談をする時にお渡ししたり、窓口に置かせていただいたり、
家庭訪問の際に持参したりというような形で行っております。また、広報等に予防週間
であったり、こころの健康相談を実施しますというところでお知らせをしておりますが、
積極的にどんどんPRをしているかというと、若干今一度対応については見直して周知
の仕方についてもう一度検討していければいいかなと、今お聞きして思いましたので、
また頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。以上です。
○1番(後藤和正)
谷澤部長からは、今後の対策としては策定に向かって前向きなご意見を聞かせていた
だきました。
日本では自殺は交通事故死者数の4倍以上である中で、対策予算は交通安全対策の1
700分の1だそうです。本当に対策を練ることができないかなと思われます。これか
らも健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会の実現に向けて、一人でもそうい
った自殺者がなくなるように実効性のある様々な取り組みが継続的に実施されますこと
を期待し、私の質問を終わります。ありがとうございました。
〔1番
後藤和正
着席〕
◎議長(森下真次)
以上で、本日の日程は全て終了いたしました。明日の会議は午前10時からといたし
ます。本日はこれにて散会といたします。
(
地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。
飛騨市議会議長
森
下
真
次
飛騨市議会議員(16番)
石
田
隆
司
飛騨市議会議員(17番)
籠
山
恵
美
50
子
散会
午後2時55分
)