第 5章 指数関数と対数関数

赤阪正純 (http://inupri.web.fc2.com)
第 5 章 指数関数と対数関数
4STEP の考え方 (数学 b)
327
1 指数の拡張
322
す.例えば (2) の場合,
4
指数法則の基本.
1
an
1
1
=
16
24
指数法則を使って計算します. 324 と同じ.
(1) と (3) は底がそろっていません.まずは
am £ an = am+n
a ¥a =a
= 2¡4 =
328 (2) が一番カンタン.底がそろっているので
これまた指数法則の基本.
n
4
3£#¡ 3 ;
となります.
を利用します.
m
4
8¡ 3 = (23 )¡ 3 = 2
a0 = 1. a¡n =
323
これも指数法則 (am )n = amn に従うだけで
底をそろえることからはじめよう.
(4) は
m¡n
(am )n = amn
329
4 2
16
= # ; ですから・・・
25
5
まず (1)∼(3) が積と商,(4)∼(6) が和と差
の式になっています.この違いは指数計算の
を利用します.
方法に重要な影響を及ぼします.
324 322 と 323 の融合問題.指数部分に注目し
(1) は 3 乗根が共通なので 326 (3) と同じ考
て計算します.
え方でできます.
pn
(2) は指数も底も異なっていますので,ど
325
1
a = a n によって,累乗根を分数乗に変
換して考えます.あとは指数法則 (am )n =
ちらかをそろえないとどうしようもありま
せん.
amn に従うだけです.
B
(1) だけやってみます.
B
4
1
1
1
256 = (256) 4 = (28 ) 4 = 28£ 4 = 22 = 4
1
これ以上ないくらい丁寧にやってみました.
4
有名なので,すぐに「° 」の形に直せるよ
うにしておこう.
326 (1)(2) は 325 と同様.
(3)∼(6) は累乗部分が同じなので中身だけ
計算できます.例えば (3) は
B
B
B
3
3
3
4 10 = 4 £ 10
ここから先ですが,累乗根内を因数分解して
=
B
3
2£2£2£5
「3 乗根」とは「根号内の数字 3 個を 1 個に
して外に放り出す」わけですから
B
3
=2 5
となります.
1
1
B
4
36
とかんがえれば
B
4
(1) の「256」や (2) の「216」という数字は
2
6 = 6 2 = 6 4 = (62 ) 4 = (36) 4 =
B
B
B
B
B
4
4
4
4
6 £ 6 £ 12 = 6 £ 36 £ 12
となり (1) と同じタイプです.(3) も同様.
言うまでもなく「4 乗根」とは「根号内の数
字 4 個を 1 個にして外に放り出す」わけです
からそのまま積や商を計算してしまうのでは
なく.うまく因数分解して「ヨンコイチ」で
まとめてください.
(4) は係数を足すだけ
B
B
B
4
4
4
2 5+3 5=5 5
p
p
p
まッ,2 5 + 3 5 = 5 5 と同じ感覚ですね.
(5) と (6) は累乗根が同じですが和や差なの
でどうすることもできません (積や商ならそ
のまま中身だけ計算できます).となればそ
れぞれの項をカンタンにするしかあありま
せん.
(5) の場合,
B
B
B
3
3
3
81 = 3 £ 3 £ 3 £ 3 = 3 3
赤阪正純 (http://inupri.web.fc2.com)
B
3
B
3
24 =
4STEP の考え方 (数学 b)
B
3
2£2£2£3=2 3
334
にこれまでと同様にやります.
です.
「3 乗根」とは「根号内の数字 3 個を 1
(1) は ¡216 = (¡6)3 ,
個にして外に放り出す」んでした.こうなれ
(2) は ¡32 = (¡2)5 ,
1
1 3
= #¡ ;
(3) は ¡
64
4
ば (4) と全く同じです.
(6) も同様.それぞれの項をカンタンにしま
p4
す (当然ながら 2 はこれ以上は無理です).
330
負の数の累乗根ですが,あんまり深く考えず
と考えることがポイント.
換して考えます.あとは指数法則に従うだけ
(4) と (5) の違いに注意しよう.(4) も (5)
1
も全て 3 乗根 (つまり
乗) で共通ですが
3
(4) は積や商,(5) は和です.この違いが解
です.
法にどのように影響するのでしょうか.とて
pn
a =
1
an
によって,累乗根を分数乗に変
も重要な違いです.
331
329 の (1) と (6) を思い出そう.
指数部分が分数になっただけで 324 と全く
同じ.
335
332
1
1
x 3 = A とおくとこの問題は「A +
=3
A
1
1
のとき,A3 + 3 ,A9 + 9 の値を求める」
A
A
それぞれ置き換えるすると見やすく,考えや
すくなります.
1
1
(1) は a 4 = A,b 4 = B とおくと (A4 =
ことになります.
4
a,B = b です),
3 乗の公式
(A2 + AB + B2 )(A2 ¡ AB + B2 )
x3 + y3 = (x + y)3 ¡ 3xy(x + y)
x
x
(2) は a 3 = A,b¡ 3 = B と お く と
3
x
これも置き換えをすると見やすいです.
を利用します.
x
3
(A = a ,B = b です),
2
336
2
(A ¡ B)(A + AB + B )
しておこう.ax = A,a¡x = B とでもおい
てください.すると (A4 ¡ B4 ) ¥ (A ¡ B)
となります.
333
まずは,(a4x ¡ a¡4x ) ¥ (ax ¡ a¡x ) を計算
となります.A4 ¡ B4 がうまく因数分解で
いずれも因数分解の公式が根底になります.
きるので計算できますね.a2x = 5 というこ
必要に応じて置き換えするなどして見やすく
とは,A2 = 5 ということです.さらに,A
考えやすくしよう.
と B の間に成り立つ関係を考えれば・・・
p4
p4
(1) は , 6 = A, 5 = B と す れ ば ,
(A + B)(A ¡ B) のこと.
1
1
1
337 2x = A とでもおくと,ようするに「A¡ A
=
1
の値を求めよ」というだ
A
(2) は 5 3 = A,3 3 = B と お く と ,
3 のとき,A +
(A + B)(A2 ¡ AB + B2 ) のこと.
けのことです.さて,どうするのか?ヒント
p3
(3) はいろいろな置き方がありますが, 2 =
p3
A, 4 = B とすれば (A + B)3 + (A ¡ B)3
と な り ま す .言 う ま で も な く A3 = 2,
B3 = 4 で,積 AB の値が・・・ですね.
は A¡
1
1
= 3 の両辺や A + を 2 乗して
A
A
みよう.
1
= 3 から実際に A の値を求め
A
ることができるので (できますか?),その
1
に代入しても良いです.
値を A +
A
なお,A ¡