チャイナクラブ通信

2011 年 3 月配信【第 61 号】
名銀「中国ビジネスクラブ」ビジネスレポート
チャイナクラブ通信
～中国ビジネスの昇龍を求めて～
名銀「チャイナクラブ通信」では、中国に拠点を構える当行ならではの
現地取材に基づいた情報をお届けいたします。
― CONTENTS （第 61 号） ―
＜南通トピックス＞ P2～3
2011 年は、中国の飛躍的な成長に注目が集まる 1 年となるはずです。今年 1
年更に活躍するであろう中国注目企業 5 社を紹介致します。
＜上海トピックス＞ P3～7
2010 年の中国自動車販売台数は 1,800 万台を超え、2011 年も、各自動車メ
ーカーは強気の販売計画を発表しています。主要メーカー22 社の特徴と 2011 年
販売目標等についてご紹介致します。
＜次号のトピックス予告＞
南通「南通市投資ガイドブック 2011」
上海「上海万博のその後」
ご感想等がございましたら、弊行支店担当者又は事務局までご一報賜りますよ
うお願い申し上げます。
＜南通トピックス＞
2011 年の中国注目企業
2011 年は中国の飛躍的な成長に注目が集まる 1 年となるはずです。今年 1 年さらに活躍
するであろう中国注目企業 5 社を紹介します。
1.華誼兄弟（HY.Brothers）メディアグループ
当社は 1994 年に王兄弟によって創立された中国大手の総合エンターティメント産業グル
ープである。映画・ドラマへの投資や製作、芸能人のプロデュース、音楽 CD 製作の分野に
参入し、好業績をおさめている。
2009 年 10 月中国版ナスダックである「創業板」(2009 年 10 月より深圳証券取引所で開
業したベンチャー企業向け市場)に正式に上場。華誼兄弟は今後 10 年以内に 100 億ドル規
模の企業に成長すると予想されているとともに「中国のワーナー」（ワーナーとはハリウッ
ドのメジャー映画会社ワーナーブラザーズのこと）と呼ばれる企業である。
2.阿里巴巴(アリババ)
当社は国際電子取引の大手企業で、現在世界最大のオンライン商取引と企業間マッチング
に特化したインターネット上のコミュニティーの一流企業である。1998 年末、杭州で創業。
同時にシリコンバレー、ロンドンなどにも支店を置き、上質なサービスにより 220 万人の
顧客を持つ電子取引のサイトに成長。国際的電子取引のパイオニアであるとともに、最大利
用者を誇る企業間マッチングサイトでもある。
3.中国銀聨(ぎんれん)株式有限公司（中国ユニオンペイ）
当社は国務院の同意を経て、中国人民銀行が認可設立した株式制金融機構であり、中国工
商銀行、中国農業銀行、中国銀行、中国建設銀行、交通銀行などのクレジットカード発行金
融機構と共同にて設立された。
電子マネー決済システムとカードによる銀行間の情報ネットワークに特化している。現在
当社の利用可能店舗は 150 店、専用 POS 端末は 231 万台、ATM は 19 万台となっている。
又、提携機関である各商業銀行やモバイル事業者との共同開発で「携帯決済」事業は急速に
発展し、利用者は 2,100 万人を超えている。当社のカード処理ネットワークは都市はもちろ
ん、農村地帯にまで及び海外 68 ヶ国と地域をカバーしている。
4.中国移動（チャイナモバイル）
当社は国家の電子体制改革の際、元の中国電子移動通信から分離・設立された国家の基幹
産業である。2009 年 1 月に中国は第 3 世代移動通信システム（3G）のサービスを開始。
中国移動は、「Ophone プラットフォーム」を発表。これは「ソフトウェア開発キット」
や「デジタル回線交換サービス」に対応する多機能モバイル通信プラットフォームである。
「Ophone」は中国移動が 3G 時代を勝ち抜く切札として大いに力を発揮している。
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5.華蘭生物プロジェクト株式有限公司（華蘭バイオ）
1992 年設立。血液製品の研究開発を行う国家レベル重点科学技術企業であり、世界最大
のインフルエンザ・ワクチンメーカーである。1998 年に血液製品に関する GMP（医薬品
等品質管理基準）の認証を受けた。当社は、大型生物製品生産企業であり、高い開発技術力、
一流の検査、生産設備、経営管理、高品質を誇る。季節性インフルエンザワクチンを年間
2,500 万本を生産している。
＜上海トピックス＞
2011 中国主要自動車メーカーの販売計画
※
昨年 2010 年の中国での自動車販売台数は 1,800 万台を超え、販売台数は 2 年連続で世界
№1 となりました。今年も中国の各自動車メーカーは強気の販売計画を発表しております。
2011 年は前年比で各社どこまで売上げを伸ばすことができるでしょうか。主要メーカー
22 社の特徴と 2011 年販売目標と 2010 年販売実績について以下紹介いたします。
※ 内、乗用車（ＳＵＶ、ＭＰＶ、小型自動車を含む）の販売台数は 1,200 万台超
1、各メーカー特徴
（1）上海通用五菱汽車株式有限公司（上海ＧＭ五菱)
〔上海汽車集団公司、米ＧＭ社と柳州五菱汽車有限公司との三社合弁会社〕
・主な車種：Spark（中国名：五菱楽馳）、五菱之光、鴻途
（2）上海通用汽車有限公司（上海ＧＭ）
〔上海汽車集団公司と米ＧＭ社との合弁会社〕
・主な車種：ビュイック及び 2 ボックス車ＧＬ８、キャデラック、シボレーブランド
（3）上海大衆汽車有限公司(上海フォルクスワーゲン)
〔上海汽車集団公司と独ＶＷ社との合弁会社〕
・主な車種：サンタナ 3000、パッサート、ポロ、SUKODA オクタビア
（4）一汽大衆汽車有限公司（第一汽車フォルクスワーゲン)
〔中国第一汽車集団公司と独ＶＷ社との合弁会社〕
・主な車種：ジェッタ、ボラ、アウディＡ６・Ａ４、ゴルフ
（5）北京現代汽車有限公司（北京現代汽車）
〔北京汽車投資有限公司と韓国現代自動車株式会社との合弁会社〕
・主な車種：ソナタ、エラントラ、タクソン、アクセント
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（6）奇瑞汽車株式有限公司
〔上海汽車集団公司と安徽省(中国資本)他の 5 社との合弁会社〕
・主な車種：QQ、Tiggo、Easter、A18
（7）東風日産汽車有限公司(東風日産汽車)
〔中国東風汽車有限公司と日産との合弁会社〕
・主な車種：ティアナ、ティーダ、シルフィー、ゲニス、リビナ
（8）比亜迪汽車有限公司（ＢＹＤ）
（100％中国資本の民営企業）
・主な車種：フライヤー、Ｆ3、Ｆ6
（9）一汽豊田汽車有限公司（一汽トヨタ）
〔中国第一汽車集団公司とトヨタとの合弁会社〕
・主な車種：ビオス、カローラ、クラウン、レイツ（日本名：マークＸ）
（10）華晨宝馬汽車有限公司(華晨 BMW)
〔実質的には 2003 年 5 月に華晨中国汽車控股有限公司と独 BMW とが合弁で設立〕
・主な車種：BMW3 シリーズ(318i、325i、330)、BMW5 シリーズ(520i、525i、530i)
（11）江淮乗用車汽車株式有限公司（ＪＡＣ）
〔100％中国資本の民営企業〕
・主な車種：リファイン、瑞鷹
（12）吉利汽車有限公司
〔100％中国資本の民営企業〕
・主な車種：自由艦、美日、美人豹
（13）長城汽車株式有限公司
〔100％中国資本の民営企業〕
・主な車種：哈弗、賽影、精霊
（14）神龍汽車有限公司
〔中国東風汽車有限公司と仏シトロエン社との武漢の合弁会社〕
・主な車種：シトロエンＣ５、ピカソ、エリーゼ、プジョー307
（15）東風悦達起亜汽車有限公司（東風悦達ＫＩＡ）
〔中国東風汽車有限公司、江蘇悦達投資有限公司と韓国起亜自動車の三社合弁企業〕
・主な車種：アクセント、オプティマ、リオ、スポルテージ
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（16）広州豊田汽車有限公司（広州トヨタ）
〔広州汽車集団有限公司とトヨタとの合弁会社〕
・主な車種：カムリ、ヤリス
（17）東風本田汽車有限公司（東風ホンダ）
〔中国東風汽車有限公司とホンダとの合弁会社〕
・主な車種：CR-V、シビック
（18）長安鈴木汽車有限公司（長安スズキ）
〔中国長安汽車有限公司とスズキとの合弁会社〕
・主な車種：スイフト
（19）上海汽車乗用車公司
〔上海汽車集団公司の子会社〕
（20）東風標致汽車有限公司
〔中国東風汽車有限公司と仏シトロエン社との合弁会社〕
（21）一汽馬自达汽車有限公司（第一汽車マツダ）
〔中国第一汽車集団公司とマツダとの合弁会社〕
・主な車種：Ｍ２（日本名：デミオ）
（22）東南汽車有限公司
〔福建省汽車工業集団有限公司、台湾中華汽車公司と三菱自動車との合弁会社〕
・主な車種：ランサー、ギャラン、デリカ、サブリン、ベリカ
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2、主要自動車メーカー22 社の 2011 年販売目標と前年実績
（2010 年の販売実績順単位：万台）
自動車メーカー名
（1）
（2）
（3）
（4）
上海通用五菱汽車株式有限公司
(上海ＧＭ五菱)
上海通用汽車有限公司（上海ＧＭ）
上海大衆汽車有限公司
（上海フォルクスワーゲン）
一汽大衆汽車有限公司
（第一汽車フォルクスワーゲン）
2011 年
2010 年
目標
販売目標
販売実績
増加率
130.00
124.06
4.79%
115.00
101.23
13.6%
120.00
100.14
19.83%
100.00
87.00
14.94%
（5）
北京現代汽車有限公司（北京現代）
72.00
70.30
2.42%
（6）
奇瑞汽車株式有限公司
80.00
68.20
17.30%
（7）
東風日産汽車有限公司（東風日産汽車）
77.20
66.10
16.79%
（8）
比亜迪汽車有限公司（BYD)
60.00
51.98
15.43%
（9）
一汽豊田汽車有限公司（一汽トヨタ）
55.00
51.00
7.84%
（10）
華晨宝馬汽車有限公司（華晨 BMW)
65.70
50.14
31.03%
（11）
江淮乗用車汽車有限公司（JAC)
68.00
45.50
49.45%
（12）
吉利汽車有限公司
49.00
41.53
17.99%
（13）
長城汽車株式有限公司
50.00
39.73
25.85%
（14）
神龍汽車有限公司
42.50
37.34
13.82%
（15）
東風悦達起亜汽車有限公司（東風悦達 KIA）
43.00
33.00
30.30%
（16）
広州豊田汽車有限公司（広州トヨタ）
28.00
26.90
4.09%
（17）
東風本田汽車有限公司（東風ホンダ）
28.20
26.00
8.46%
（18）
長安鈴木汽車有限公司（長安スズキ）
23.00
20.00
15.00%
（19）
上海汽車乗用車公司
23.00
16.00
43.75%
（20）
東風標致汽車有限公司
20.00
15.00
33.33%
（21）
一汽馬自达汽車有限公司（第一汽車マツダ）
21.30
14.69
45.00%
（22）
東南汽車有限公司
15.00
12.00
25.00%
※赤色は中国 100%資本、水色は日系資本
ここ数年間の中国車の生産と販売台数の急成長振りはめざましく、二桁成長を続け、米国
を抜き世界一となりました。2011 年の中国車の生産と販売台数は 2,000 万台を越えると予
想されています。
しかしその一方で、自動車の急増による、道路渋滞、環境汚染などの問題が深刻となって
いるのも実態です。このような問題を最小限に抑えながら、自動車生産と販売数をいかにし
て伸ばし続けていけるかが、地方政府の重要な課題でもあります。
上海では既に自家用車の登録台数の増加を抑えるため、毎月の新車登録数を 7,000～
9,000 台に限定し、乗用車のナンバープレートを競売入札方式にして管理しています。2011
年 2 月、一つのナンバープレートに対する入札平均価格は 44,627 人民元（約 58 万円）とな
っています。
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また、北京市も今年 1 月から毎月発行する新しいナンバープレートを 20,000 台に限定、
抽選で供与する方式としました。乗用車メーカー各社にとって、登録台数がコントロールさ
れ、右肩上がりの成長が緩やかになる中、販売台数をいかに確保してゆくか、今後、熾烈な
シェア争いが続くのは必至と言えるでしょう。
（写真 1：上海市内走る乗用車）
（写真 2：一汽大衆汽車（独 VW との合弁）による、中国国内製造のアウディ）
以上
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