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日米通信摩擦の再検証

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3-2 一般論文 General Papers
日米通信摩擦の再検証
Re - examination on US-Japan Telecom Frictions
小 尾 敏 夫†
Toshio OBI
【要約】
信摩擦の内容がかなりテクニカルな面もあり,日米経
本論文は過去20年にわたる日米通信摩擦に関して,
済摩擦全体の中では,国民的関心は決して高くなかっ
要因,交渉内容,経緯,問題点,日米プレーヤーの役
た.その結果,通信分野の日米摩擦解析研究は中途半
割,決定メカニズム,経済全体でのリンケージなど各
端な形で終わっている.
分野を再検証している.日米2国間にユニークなトレ
そこで,本稿は1970年代末に電電公社問題に端
ンド及び特徴や官民関係などが浮き彫りにされた.日
を発した日米通信摩擦の要因,内容,推移,そして決
米経済関係における,通信産業のあり方について言及
着に至る日米両国の対応を再検証している.検証の研
する.企業の利害が政治を巻き込む国際政治ビジネス
究対象は,
に関する学問体系の必要性を明示している.
① 時系列的に摩擦業種の推移に対する連続性,関連
性の相関問題
② 業種,品目ごとの特徴と摩擦発生の原因,経緯,
Abstract
This Paper is to re-examine Telecom frictions
between Japan and USA for 2 decades.
解決パターン
Such as
③ 摩擦の両国プレーヤーである行政府,業界・企
negotiating patterns, context of frictions, the way
業,議会(政党),ロビイストなどの行動パター
of solutions and government - business relationship
and etc are carefully reviewed. Under the study, the
need of establishing systematic analysis on linkage of
international politics and business is proposed.
ン分析と政策決定メカニズム/政治力学の問題
④ 産業政策の理念,効果,国防とのリンケージ,国際
競争力強化などの視点による通信摩擦の位置づけ
⑤ 日米関係の外交力,保護主義,選挙の争点など政
治外交メカニズムの通信摩擦への影響
目次
⑥ 全体としての他業種における日米摩擦との相違
1 問題提起と仮説
点,類似点の比較,
2 電電公社調達問題
の6項目に関して,両国の先行研究,理論,実証研究,
3 保護主義的な米通商法成立
学説などを再検証して,それらの合理性と妥当性の分
4 日米携帯電話紛争― I 企業の政治ビジネス化プ
析を試みた.さらに,そのデータ分析に基づき,新し
ロセス
5 長期化した日米政府調達協議
い仮説と普遍的論証を導くものである.
研究方法は,1980年代から2000年頃に至る両国
6 6段階の日米通信摩擦
での文献サーベイ並びに当事者へのヒアリングの両方
7 米議会の対日圧力メカニズム
を重用して,問題の核心をダブルチェックする方式を
8 米ロビイング規制強化法と「ジャパン・ロビー」
採用した.本論文の政治ビジネス学の提唱という結論
9 日米首脳会談に見る通商摩擦解決パターン
は大変独創的なものであるが,新論理・仮説の立証を
10 米官民一体化の対日攻勢
打ち立てることに注力している.
11 結論
日米通信摩擦の再検証で一番重要なのは,当時日米
間で交錯していた両国の問題に対する事実認識と信憑
1 問題提起と仮説
性である.その点において,筆者は通商摩擦の本質,
特徴を精緻した結果,多岐にわたる疑問を投げかけた
1979年から近年に至る20年間にかけて,日米間に
い.集約すると,下記の7項目の命題に整理される.
は電電公社の資材調達を皮切りに通信摩擦と呼べる
【命題1】通信分野の摩擦浮上要因説―摩擦は頻繁に
日米企業同士の激しい市場争奪攻防が展開された.通
浮上したが,幾つかは通信分野が主問題で
† 大学院国際情報通信研究科教授
164
はない.日米間の通商課題のスケープゴー
スーパーハイウェーの完成やマルチメディア社会建設
トにされてきた経緯がある.特に,コメな
ブームの底流に潜んだ“国際標準化”“ソフト技術開
ど農産物の市場開放をめぐる対日交渉で譲
発競争”など新しい日米摩擦が台頭した.
歩条件に通信分野が浮上したケースは顕著
さて,戦後の通信摩擦の第1号は「電電公社資材調
であった.他摩擦との相関関係を軽視でき
達」問題といえる.1979年の日米合意に至るストラ
ない.
ウス,アスキュー両特別通商代表と続く日米交渉はし
【命題2】日米貿易不均衡説―日本の大幅な対米黒字
烈を極めた.が,当時の日米農産物交渉並びに自動車
解消への善後策として,通信市場開放が標
自主規制交渉への揺さぶりに通信分野がスケープゴー
的にされた.しかし,対米黒字は自動車産
トされた面も否定できない.米国の要求に対し政治的
業など一握りの業界が大半の比重を有し,
配慮を優先して呑み,電電公社問題は内外無差別のガ
市場閉鎖性とリンクさせた対日通信要求は
ット政府調達協定に基づく3年間期限の合意策が実施
合理性に乏しい.通信分野の日米貿易不均
された.それ以来,84年の更新時に調達額レビュー,
衡は微々たるもので,説得力に欠ける.
手続き改善が確認され,86年末の再更新に至った.
【命題3】民間企業の政府調達論― NTT 調達を政府
他分野も含めた日米協定や自主規制は臨時的措置とし
調達コードに含める対日主張がまかり通っ
てスタートするケースがほとんどであるが,いざ実施
た.しかし,NTT は民営化されており,
されると多年にわたり廃止されないで継続更新を繰り
民間会社が政府調達ルールに従うのは米国
返すという特徴を持つ.藤井は,「旧電電公社に対す
側の政治圧力行使を可能にさせる詭弁かど
る資材調達開放要求から始まった外圧は,NTT に規
うかの検証が必要.
制緩和を通りつつ,NTT の ISDN 計画と,さらには
【命題4】外圧論―日本は外圧に弱く,首脳会談をタ
ーゲットに米国側が政治決着を計る手法.
ISDN 技術と連動していた光ファイバー計画に見事な
ほどのブレーキをかけた」と分析している(注1).
通商摩擦案件は日米首脳会談成功のために
この分野では NTT に代る大口政府購入機関が見つ
事前に一方的譲歩が迫られた日本政府の弱
からず,民営化後にも NTT に政府調達協定が適用さ
腰外交が常態化しているか.
れた.日本政府自体が大株主であり,役員人事承認
【命題5】協定延長説―臨時措置として締結した日米
権を持つなど,米国側が NTT を純粋な民間企業と認
経済協定が期限が来ると,延長の連続で長
定しない根拠が存在した.その NTT の努力によって
期継続となる官僚交渉のカラクリも特徴的
外国調達額は表1の「NTT 海外調達額」の推移でわ
である.
か る よ う に81年 度44億 円,88年 度414億 円,93年 度
【命題6】片務的要求説―日米の双務性に欠ける問題
解決パターンも特徴といえる.対日要求ば
かりが米保護主義的通商法でゴリ押しされ
る片務性問題である.
【命題7】マッチポンプ説―米国の選挙サイクルとロ
ビイストは日米通信摩擦にどう影響してき
たか,である.議会とロビイストがサポー
ト・プレーヤーとしてマッチポンプの役割
を演じてきた点は見逃せない.
2 電電公社調達問題
戦後の日米間では,摩擦の種類がモノ,ハードから
ソフト,サービス型へ,そして基準,規制緩和へと
質的転換している.また,日米2国間から WTO 多国
間交渉・紛争処理へと“バイとマルチ”の混在体制
に移行し,対日要求も市場開放の機会均等から結果の
均等,自主規制対応型から現地生産型にシフトしてい
る.自由貿易信奉から管理貿易へと,米国の対日通商
姿勢は変化している.とくに,結果重視主義と輸出振
興を第一主義とする90年代の米通商政策の潮流は見
逃せない.クリントン前政権の政治生命を賭けた情報
1,190億円,2000年度2,258億円へと飛躍的に伸長し
表1 NTT 海外調達額
年度
1981(昭和56)年
1982(昭和57)年
1983(昭和58)年
1984(昭和59)年
1985(昭和60)年
1986(昭和61)年
1987(昭和62)年
1988(昭和63)年
1989(平成元)年
1990(平成2)年
1991(平成3)年
1992(平成4)年
1993(平成5)年
1994(平成6)年
1995(平成7)年
1996(平成8)年
1997(平成9)年
1998(平成10)年
1999(平成11)年
2000(平成12)年
総調達額に占める
海外調達額
海外調達額の役割
(単位:億円)
(単位:%)
44
0.6
110
1.4
348
4.4
351
4.1
369
4.0
371
4.1
379
3.2
414
3.5
504
3.9
656
4.7
802
5.9
988
7.4
1,190
8.8
1,350
10.5
1,520
11.2
1,730
12.3
1,850
14.8
1,530
16.6
1,560
17.7
2,258
24.8
出所)NTT
(注1) 藤井耕一郎、
「NTTを殺したのは誰だ」光文社、2004年、p 187
165
た.後述するが,現在は NTT の通信機器調達の3割
て,国益重視の自国産業擁護の姿勢が鮮明になってき
近くを米製品が占めている.このシェアの実績は米
た.米国版産業政策は,米国の敵対的通商法規は下表
国が執拗に要求する人為的な数値目標値設定に対す
2のように8本にのぼり,対日圧力の源泉になってい
る日本側の拒否反論の貴重な証明材料である.日経新
る.
聞取材班は「結局,調達開放は米国の有力メーカーを
NTT の“ニューファミリー”に迎え入れるとともに,
中堅以下の国内旧ファミリーメーカーのシェア低下を
させることで『調達系列』の構造調整を進めてきた」
と説明する(注2).
85年1月の中曽根・レーガン首脳会談で日米2国
間 MOSS(市場指向分野選択型)協議の開始が合意
された.電気通信分野は協議対象5分野に含まれた.
表2 米国の敵対的通商法規
●通商法301条 ●スペシャル301条
●電気通信条項(1377条)
●バイ・アメリカン法 ●通商法306条
●反ダンピング法
●国家安全保障条項 ●スーパー301条
不公正貿易慣行の制裁
知的財産権違反取締り
通信市場開放要求
政府調達の差別的扱い
協定実施監視強化
ダンピング乱訴誘発
戦略産業保護
一方的制裁主義
米国に次ぐ世界2位の日本の大市場参入に米国メーカ
ーの期待は大きかった.同年4月に NTT が民営化さ
れたわけだが,MOSS 協議自体は86年1月に妥結(注3)
し,規制緩和策が推進された.NTT 調達問題は日米
. 日米携帯電話紛争
4
― I 企業の政治ビジネス化プロセス
技術競争力の衝突を意味していた.山本は「NTT は
89年4月に前記の電気通信条項の威力がいかんな
80年代より ISDN 技術を普及させることによって動
く発揮された.日本が MOSS 協議の電気通信協定を
画のパス・デベンデンス覇者を確立する一本シナリオ
順守していないと勝手に断定し,第1次携帯・自動車
(注4)
の事業戦略を取ってきた」と確信する
.ISDN は
米国に狙われた日本の最先端技術の典型である.
電話紛争が勃発した.同年5月3日には決裂時の報復
措置として54品目・4サービス分野のリストが発表
された.脅しの下でのマラソン交渉の末,6月28日
3 保護主義的な米通商法成立
に新協定が締結されている.
ポーターは「モトローラの技術に基づいた規格,も
ところが,レーガン政権はタテマエは自由貿易主義
う1つは日本だけに通用する NTT 技術に基づいた規
を標榜しながら,保護主義的な「1988年包括通商法
格とし,その他の外国企業すべてを国内市場から締め
(新通商法)
」を制定した.この新通商法には外国の
出した」と論じる(注5).
不公正貿易慣行への報復措置を賦課できる「通商法
この携帯・自動車電話と第3者無線の市場開放交渉
301条」
,貿易自由化優先国特定の「スーパー301条」,
で得た日本側の教訓は5つある.すなわち,第1に,
知的財産権の適性かつ有効な保護を拒否する国を特定
米国側は USTR を先頭に縄張り意識の強い12の官庁
する「スペシャル301条」
,
“バイ・アメリカン(米国
にまたがり,意志統一に時間がかかりすぎる点.第2
品優先購入)
”法をベースにした「政府調達タイトル
に,特定企業のためだけの政府間交渉である点.
7」
,通信産業という一業種だけを狙い打ちした「電
第3に,米国側の交渉担当者は攻撃的な弁護士が圧
気通信条項“1377条”
」などの一方的制裁措置が規定
倒的に多い反面,技術的問題や専門知識が不足して
される.さらに MOSS 協議の電気通信協定※の実施
民間企業の意向に左右されていた点.第4に,「強硬
状況をはじめ協定見直し条項をも含む“保護主義のデ
な態度で迫れば,日本は譲歩する」という間違った
パート”と,世界中から非難され,ガット違反の恐れ
外圧論がまかり通っている点.第5に,当時のブッ
が濃厚な悪法である.この時点で,米国の対日通商政
シュ政権の「議会と企業に弱い」側面が交渉に当たる
策は大転換を図ったわけである.
USTR からにじみ出ていた点,である.
新通商法の誕生以前にも,62年に「通商拡大法」
モスバガー商務長官は「今回の交渉パターンは,今
が施行され,通商特別代表部(現在の USTR)の設
後の対日交渉の新モデルの役割を果たすに違いない」
置,
「エスケープ・クローズ(緊急輸入救済条項)」,
と豪語したが,94年2月の第2次携帯・自動車電話
「国家安全保障条項」などが制度化された.そして,
紛争ではいみじくもその予言が的中している.
カーター政権下で「1979年通商協定法」が制定され,
つまり,94年2月15日にクリントン政権は89年の
ダンピング提訴条件が米国企業側に有利になるよう緩
携帯・自動車電話市場開放の日米合意に関して,日本
和された.このように,米国の国内通商関連法令は,
側の違反認定を発表した.その4日前にワシントン
国際社会における米国経済の地位が低下するに比例し
での細川・クリントン首脳会談が戦後初めて決裂した
(注2)日経新聞、「日米摩擦―ミクロの深層」、pp 89-92、日
経新聞、1989年
(注3)MOSS協議は1986年1月10日に共同報告を発表した。
電気通信分野では端末機器、サービス、無線通信機器など
で実施済事項になった。
(注4)山本尚利、「日米技術覇権戦争」、p 91、光文社、2003
年7月
(注5)マイケル・ポーター、「日本の競争戦略」、p 210、ダイ
ヤモンド社
166
最悪のタイミングに便乗した.通例は3月末が発表日
に至った.95年6月にそのレビューが行われた.一
ゆえに,意図的に繰り上げたスケジュールといえる.
方,今回の NTT 調達合意は97年9月まで維持され
その後,3月12日に携帯電話事業者の IDO が米国方
た.新社会資本整備の目玉である光ファイバー網建設
式を普及させるために基地局と周波数割当てを増やし
や通信デジタル化への新需要への米企業の参入など政
(330億円の負担増)
,両国政府が企業間合意の実施
府,NTT 調達をめぐる米企業の関心は高い.
状況を4半期ごとに点検する,などで合意した.カン
中戸は日米政府調達交渉の特徴を,(1)政府の管
ター通商代表は記者会見で「計測可能な『客観基準』
轄の範囲の問題で,輸入品一定のシェア提示が可能,
を盛り込み,結果重視主義に即した内容である」と勝
(2)「客観基準」の解釈を最初に明確にした日米包
利宣言を行った.IDO の増資問題があったにせよ,
括経済協議の天王山としての意味を持つ,と解説する
電気通信条項1377条をタテに一方的制度のゴリ押し
※.米国の狙い NTT 調達であり,政府調達の議論と
スタイルが定着したわけである.
リンクした(注6).
結局,81年に端を発した政府調達拡大要求はエン
5 長期化した日米政府調達協議
ドレスの感があり,やっと2001年6月の取り決めの
完全失効で幕引きとなった.
93年7月の東京サミット時の宮沢・クリントン首
脳会談にて日米包括経済協議開始が大枠合意された.
優先3分野に通信機器の政府調達が取り上げられたの
6 6段階の日米通信摩擦
は記憶に新しい.94年2月の日米首脳会談では客観
金川は日米貿易摩擦を「“非ゼロ・サム・ゲームの
的基準の取り扱いで合意に至らず中断.だが,5月
非協力ゲーム”と称し,日米2人のプレーヤーが自己
24日に再開で合意された.日本側の強い信念が奏功
利益に基づき自己目的の最適化へ行動して発生」と述
して,米国は客観基準の「数値目標」要求を取り下げ,
べている(注7).さらに,アクセロッドは,「囚人のジ
制裁対象にしない点まで譲歩した.
レンマ・ゲーム」と見なし,エゴを主張し合う国家間
表3 日米包括経済協議
の問題と捉えている(注8).稲田は日米貿易摩擦パター
ンを①従来型摩擦―対米輸出急増への規制圧力,②新
しい摩擦―対日輸出拡大,に2分している(注9).
その視点から,80年代からの日米通信摩擦の懸案
問題表面化の流れは次の6段階に集約できる.米国通
信産業の発展と直結する推移とも受け取れよう.従来
の70年代頃からの推移摩擦パターンは繊維,鉄鋼,
テレビ,自動車,半導体セクターに見られた米国市場
での日本製品のシェア拡大→輸入抑制圧力→輸出(自
主)規制,である.80年代央からの新摩擦パターン
は対日輸出拡大をめぐる日本市場開放の攻防といえ
る.農産物,MOSS 協議,包括通商法,日米構造協
議がそれに該当する.1985年の MOSS 協議では電気
通信をはじめ4分野の市場障壁問題が交渉のターゲッ
トとなった.
第1段階の問題は,まず東京ラウンドのガット政府
調達協定に準拠し,民営化を目前にした NTT 資材調
達問題である.佐藤は「電電公社をめぐるそれは,半
(注)*は分野別交渉での優先3項目 出所)外務省
導体産業における日米対立とはその様相をかなり異に
していた」と明示する(注10).
しかし,7月31日に「通商法タイトル7(政府調
第2が,米メーカーなどが強力に後押し,通産省対
達の差別的慣行)」の制裁項目に指定し,60日期限付
郵政省の VAN 戦争にまで発展した VAN 事業参入の
き交渉で揺さぶりをかけてきた.が,10月2日の結
基準や通信機器の日本式認証制度の改善交渉である.
果は,制裁なしの包括経済協議合意で決着した.また,
第3が,AT&T 分割前後の日本製通信機器の対米
NTT 調達に関しては政府調達と切り離して基本合意
輸出増に対する米議会の規制の動き.第4が,日本製
(注6)中戸祐夫、「日米通商摩擦の政治経済学」
、p 93、ミネ
ルヴァ書房、2003年3月
(注7)金川徹、「日米貿易摩擦‐対立と協調の構図」
、1989年
4月、啓文社
(注8)Axelrod,R「The Evolution of Cooperation」、pp
109-141 Basic Books、1984
(注9)稲田義久、「日米経済の相互依存とリンク・モデル」
、
p 16-18、日本評論社、1991
(注10)佐藤定幸、「日米経済摩擦の構図」、p 18、有斐閣
167
電話機器ダンピング提訴,などに集約される.
ところで,第2段階の80年代後半の諸問題は,引
続き(1)NTT 調達問題が最優先,
(2)通信主権を揺
第6段階は,光ファイバー,モバイル,液晶パネル
など先端技術をめぐる日米技術競争と言っても過言で
はない.これらをまとめたのが表4である.
さぶった米国方式の携帯・自動車電話の首都圏参入,
(3)スーパー301条が適用された通信衛星の対日売
り込み,
(4)MOSS 協議の電気通信協定の見直し,
などである.
7 米議会の対日圧力メカニズム
米議会は日米経済摩擦の震源地であり,選挙区の
第3段階は,90年代に入ってのサービス,ソフト
圧力によって対日法案が次々と提出される.1991−
さらに基準問題の表面化である.日米構造協議に代わ
92年会期(1会期は2年)では73本という対日関連
る日米包括経済協議が新機軸を打ち出すには至らず,
法案ラッシュで,前会期と比べて倍以上のペースだっ
米国の対日政策の混乱ぶりが露呈している.その中
た.内訳を見ると,通商関係では「日本の不正貿易慣
で,表3の分野別交渉リストにある政府調達―電気通
行」「スーパー301条の復活」「貿易不均衡の是正」な
信分野の対日規制緩和要求は米国の最大関心事項に浮
どを趣旨とした法案が,21本上程された.うち20本
上した.また,日米両国内市場から第3国市場へ拡散
が時間切れのため廃案で終わった.投資関係では,国
した日米ビジネス競争激化も,米国の円高誘導による
防生産法延長や投資案件の情報公開をはじめ,外国企
国際競争力低下に悩む日本メーカーへ重圧となってい
業の対米投資を規制しかねない法案が10本も上程さ
る.対中国,インド,サウジアラビアに代表される米
れていた.注目すべきは,
「エクソン・フロリオ条項」
国のなりふりかまわずの官民一体の輸出攻勢は欧州企
(米国の安全保障を脅かす米企業の買収差し止め)強
業も閉口している.
化条項が,国防支出権限法案に付帯して成立したこと
第4段階の将来は GII 構想を通して米国の世界市場
である.これによって,外国企業は IT 米企業が国防
制覇戦略は強固となる.そして,米国の好況を支える
を理由に買収しにくくなった.「強硬な米議会に説得
情報化投資やマルチメディア振興で鮮明となった知的
材料が必要」「今年は選挙の年」を殺し文句に,通商
財産権,国際標準化,技術開発競争各分野も激化の一
代表部が制裁を武器に対日譲歩を迫る形,ワンパター
途をたどっていく.
ンの対日交渉スタイルが存在する.
第5段階は,NTT 調達問題の再浮上,回線接続料
竹中は保護主義圧力の政治的要因を,①選挙での次
問題に象徴される.日米企業が入り乱れた NTT ビジ
点得票者の得票比率,②改選議員,③地元州の労働組
ネスに対する競争政策に名を借りた利権再配分競争で
織率,④政党,⑤外交委員会メンバーの有無,の5つ
ある.
に基づいて,選挙に弱い議員ほど保護主義になりやす
表4 日米通信摩擦の系譜
1979年
電電公社の国際資材調達
VAN の自由化/国際通信事業への外資導入/
モトローラ方式の携帯・自動車電話ビジネスの
首都圏市場への参入
いと分析している(注11).
さらに,レーガン共和党元政権が“ロビイスト内
閣”と俗称され,多くのロビイストがホワイトハウス
をフリーパスで出入りしていた腐敗ぶりであった.大
統領選挙でも,マッチポンプ疑惑のロビイストの暗躍
1985年
日米 MOSS 協議
が話題をまいたロビイスト関連の7法案の中には,日
1988年
・本市場開放要求(外国貿易障壁リスト発表)
本企業が米政府高官を高給で雇うことを規制する“ジ
1989年
・通商法「電気通信条項1377条」によるモトロ
ーラ方式の参入問題
・ 第3者無線分野での将来のシステム割り当
てルール策定(モトローラ社への新ルール採
用)
「電気通信事業法の一般二種,特別二種の区分
撤廃」/「光ファイバー市場の開放」/「通信
衛星の国産化路線の見直し」
・携帯・自動車電話の端末機器売り切り制
・日米包括経済協議の通信分野の政府調達協定
の締結交渉
・CATV 会社が通信事業への参入
ャパン・ロビー”締出し要求も存在する.第103議会
1994年
日米構造協議(電気通信分野)決着
1998年
NTT 調達取り決めの決着・延長
2000年
対日規制緩和要求
2001年
NTT 調達取り決めの失効・廃止
2003年
NTT 回線接続料問題
(注11) 竹中平蔵、「日米摩擦の経済学」
、p 150、日経新聞、1991年
168
(2年間)に提出された対日通商関連主要法案(13
本)は下記の通りである.大半は廃案になった.
日米首脳会談の開催地のアンバランスも著しい,ホ
ワイトハウスのあるワシントンでの首脳会談に向けた
日本側のいわゆる“みやげ”が日米関係の不平等感を
助長している.つまり,日本の総理は大統領との会談
に向けて,対米貿易不均衡是正策,日本国内景気刺激
策など日本国民よりも大統領の機嫌をとるための政策
やプランを持参する膳立てで各省の尻を叩く.支持率
低下にあえぐ両首脳が自国民向けの玉虫色の決着を急
いだ.細川内閣の場合,今までの協議と大きく異なる
のは,日米首脳会談が決定的な役割を演じる新基軸と
なる点であった.
中間選挙を控えて議員たちに地元スポンサー向けス
表5 第103議会に提出された対日通商関連主要法案
法案名(法案番号)・
提出者(提出日)
主な内容
競争力強化法案(S4,HR820)
ホリングス(民)(93.1.21)
バレンタイン(民)
S4は,商務省の民生技術開発プログラムを強化・拡大することにより産業競争力と経
済成長を促す.
HR820は,先端技術の研究開発,製造技術の普及,外国技術情報の収集・提供など技
術政策における連邦政府の機能拡大.
● S4は商業・科学・運輸委員会可決,HR820は下院本会議可決(93.5.19)
.
共同生産法案(HR1313,S574)
ブルックス(民)(93.3.11)
レービー(民)(93.3.11)
共同研究法を修正し,共同で製造,販売を行う場合に,独占禁止法の適用を軽減する
ことを目的としている.
● S547は司法委可決(93.3.25),
HR1313は下院本会議可決(93.5.18),
上院本会議可決(93.5.28),大統領署名(93.6.10)
.
ロビー活動開示法案
(S349,HR823)
レビン(民)(93.2.4)
ブライアント(民)(93.2.4)
ロビー活動規正法を修正し,情報開示の義務の対象となるロビイストの定義の拡張,
開示内容の見直し,執行制度の改善.
● S349は上院本会議可決(93.5.6),
HR823は司法委に付託.
外国金融・証券市場調査法案
日本の金融・証券市場の制度,構造,慣行などについて調査を行うよう財務省に要求.
(S163,HR420) ● S163は銀行・住宅・都市問題へ付託,HR420はエネルギー商業委,銀行・財政・都
ダッシェル(民)(93.1.21)
市問題委に付託.
トリセーリ(民)(93.1.5)
スーパー301条復活法案
(S268,S301)
ボーカス(民)(93.2.2)
ダッシェル(民)(93.2.3)
通商代表部(USTR)に,年1回,諸外国の不公正貿易政策・慣行のレビューと,ア
メリカに著しい損害を与えている慣行・政策の実施国の特定を義務づけ,期限付きの
通商法301条に定められている調査・交渉手続きをとるよう求めている.
● S268,S301は共に財政委に付託.
通商法実施改善法案(S90)
ホリングス(民)(93.1.21)
①反ダンピング強化(販売価格の算定方法見直し等)、迂回防止強化。ITC の被害測
定方法見直し、②スーパー301条復活、③通商協定遵守に関する調査、④対日自動車
輸入規制等を盛り込む。
●財政委に付託.
通商協定遵守法案
(S269,HR1248)
ホリングス(民)(93.2.2)
マツイ(民)(93.3.9)
二国間通商協定が相手国に遵守されているかを調査するよう USTR に審査を申し立
てる権限を米企業に与えるもの.申し立てを受けた USTR は90日以内に協定が遵守
されているかどうかを決定し,実質的に不遵守が確認された場合には,通商法301条
調査を進める.
● S269は財政委に付託.HR1248は下院歳入委貿易小委員会可決(93.3.29).
ミニバン関税分類変更法案
ミニバンの分類を乗用車からトラックに変更してミニバンに対する関税を現行の2.5%
(S385,HR228) から25% に引き上げる.
リーグル(民)(93.2.17)
● S385は財政委に付託,HR228は歳入委に付託.
キルディ(民)(93.1.5)
74年通商法修正法案 (HR249)
マッキャンドレス(共) (93.1.5)
アメリカの投資活動に対して,内国民待遇を否定するような制度,政策,慣行を採用
している国に対しては相互主義に基づいて対応する.
●歳入委に付託.
通商報復法案(HR258,HR497)
ニール(民)(93.1.5)
コンディット(民)(93.1.21)
74年通商法を修正し,アメリカとの貿易に対し内国民待遇を否定するような条項,政
策,慣行を採用している国に対し,USTR が相互主義的手段を行使できる権限を付与.
● HR258,HR497は共に歳入委に付託.
ファースト・トラック権限延長法案
(HR1876,HR2264,S1003)
ロステンコウスキー(民)
ギボンズ(民)(93.1.21)
モイニハン(民)(93.5.20)
GATT ウルグアイ・ラウンド交渉だけを権限適用の対象に絞ったもので,権限延長の
期限は94年4月15日.
● HR1876は歳入委可決(93.6.9),HR2264は下院本会議可決(93.5.27),上院本会
議可決(6.30)
,大統領署名(7.2).S1003は財政委付託.
知的所有権保護法(S148)
ロックフェラー(民)(93.1.21)
不公正な輸入慣行を行っている国に対して適用を強化し,GATT との適合性を高める
ことを目的として,1930年関税法第337条(外国の知的所有権侵害に関する規定)の
改正を求めている.
国際特許権保護法案(S149)
ロックフェラー(民)(93.1.21)
74年通商法182条に基づいてアメリカに適切かつ効果的な特許権保護を与えていない
国に対し対抗措置をとる.
●財政委に付託.
(出所)ジェトロなどの資料を筆者が整理.
タンド・プレーが目立ち,議員立法による上程法案は
“簡易審査”で済むはずのところを,行政府の横槍で
全提出の1割ぐらいしか成立しないのが実態である.
“普通審査”に切り換えられ,一方的に保留にしてし
97年 NTT / KDD か日本以外の米国発着信国際
専用線通信サービスの申請に対して,ルール上は当然
まった理不尽な行為に対してである.
日米通信摩擦はユニークなサイクルが見られる.米
169
国業界から WTO 通信自由化問題の交渉成果への不備
思われる.すなわち,ジャパン・ロビー陣営へ大物政
が通商代表部に書簡で持ち込まれ,通商代表部は仕
府高官が天下る道を防ぎ,通商外交の指導権を米国側
方なく,1997年2月15 日の合意後も98年1月1日ま
で牛耳る作戦である.
でに更なる譲歩を勝ち取ることを条件に納得しても
コーエンは「雇われたロビイストの総数,経費の総
らっている.バーチェフスキー女史も通商代表に昇格
額については,正確な数字はつかめない.推定で,日
する審査が前だけに議会,業界の要望に応じざるをえ
本ロビーは数百人,ロビー活動費は年間2500万ドル
なかった.こうした国内の事情が,他の対日要求と巧
を優に超えている」と論じる(注12).
みにリンクして政治攻勢となっている.その典型例が
さらに,同法には以下のような規制強化策が盛り込
NTT,KDD の外資規制20% の撤廃や NTT 調達協定
まれている.
拡張要求といえる.
・「ロビイング」の定義−特定利益グループを代表
して政府並びに議会関係者と接触する行為,ま
8 米ロビイング規制強化法と「ジャパン・ロビー」
た,これに関連する多様な行動である.
1995年12月19日に「ロビイング規制強化(情報公
・「ロビイスト」の定義−労働時間20%以上を行政
開)
」法が成立した.1946年制定以来半世紀ぶりの抜
府並びに議会へのロビイングに充てる個人を指
本的改正となった.そこで,改正の重要点を整理し
す.
てみたら,本件は日本企業の対米情報収集・ロビイン
・「ロビイング会社」の定義−1人以上のロビイス
グにモロに影響する点が判明した.ジャパン・ロビー
トを雇うオフィスのこと.
を標的にしたのが「外国企業」の定義の項目である.
・“対象と範囲”−合法的なロビイグの対象及び範
ジャパン・ロビーが日本の本社ではなく,在米の現地
囲は連邦議会議員のみならず議会スタッフを含
法人や合弁会社経由でロビイング契約が交わされてき
む.
たケースでは外国ロビー登録を免れるのが通例であっ
・“登録手続き”−ロビイストは議会の両院事務局
た.今回は在米企業といえども外国資本が20%以上
に対して,最初の活動から45日以内に登録を行
の会社は外国企業と定義される.
うこと.
また,通商代表部の代表並びに次席代表の経験者は
・“議会報告”−活動内容の報告は書面で契約した
原則3年間,外国企業及び外国政府のロビイストに就
活動,報酬,依頼主などを毎年1月並びに7月の
任できないルールが規定された.逆に,外国政府の
2回に提出する.
ロビイスト経験者は通商代表部のこのポストに就けな
・違反者は5万ドル以下の罰金.
い.対日交渉はもちろん産業振興やダンピング提訴の
窓口官庁の商務省及び国際貿易委員会(ITC)高官の
このように大変厳しい規制内容に変更された一方,
外国企業への就職を禁止する項目は最終的には削除さ
次のような抜け道も併存する.
れた.この点は,現在まで通商代表部首脳が退任後大
挙してジャパン・ロビーの代理人に転向するトレンド
*地元選挙区での“草の根ロビー”は実質的に規制
に米産業界から批判が集中している事態を考慮したと
対象外.
表6 日米通信・エレクトニクス摩擦のロビイストたち
米企業
● ATT
● GTE
●モトローラ
アメリカン・ロビー
○ウォーカー元財務次官
○コンビントン・バーリング事務所
○ヒル・アンド・ノートン(PR 社)
○カトラー元大統領顧問
○ウォーカー元財務次官
○ピーボディ事務所
● EIA
(電子工業会) ○ウルフ元通商次席代表
○ D・ヘイズ
● SIA
(半導体協会) ○ウルフ元通商次席代表
○クリフォード元国防長官
● IBM
○カトラー元大統領顧問
● GE
○クリフォード元国防長官
(注12)ス テ ー ブ ン・ コ ー エ ン、
「 日 米 経 済 摩 擦 」 第 6 章、
1985年。他の調査でもジャパン・ロビーの支出額は明確で
170
業
種
日本企業
●通信機械工業会
通
● NTT
ジャパン・ロビー
○アンダーソン元国務次官補
○フェリス元 FCC 委員長
○キーフ元民主党副委員長
信
●電子機械工業会
エ
レ
ク
ト
ロ ●ソニー
ニ
ク ● NEC
ス ●三菱電機
●東芝
はない。
○ヒル・アンド・ノートン(PR 社)
○アンダーソン元国務次官補
○ W・タナカ(日系弁護士)
○フェリス元 FCC 委員長
○ボッグス(弁護士)
○ポール・ワイス事務所
○ベーカー・マッケンジー事務所
○マッジ・ローズ事務所
*弁護士はダンピング訴訟問題など行政訴訟手続き
に従事する場合は,議会ロビイングも職業上の守
秘義務を理由に情報開示を免除できる.
ンター代表と日本側要人との会談で討議された.
その意味では,日本側は弱気にならず対米主張を
堂々と通すべきであった.なお,1995年末に通商代
*多数の圧力団体や企業が共闘してロビイングを組
表部は既存協定モニター室を新設した.新規の交渉
む“連合ロビイング”は個々の組織名を明示しな
を行うよりも,すでに締結した NTT 調達協定など通
くてもよい.
商協定(日本とは20以上)の実行の成果を評価する
*ロビイストへの謝礼が半年間に5千ドル未満の小
口依頼主は登録義務が免除される.
ことに力点を置く方針の具体化である.“結果主義”
をスローガンとする政権の通商戦略の一面をのぞかせ
た.
以上が新規制法の内容と問題点である.
1998年は小渕首相が東京サミット成功のために日
経団連の調査によれば,対日摩擦は米企業・団体が
米摩擦の解消を望んだため,小渕−クリントン会談
米政府に問題提起,日本側の働きかけは連邦政府関係
の直前にサミットを担当する外務省が対米譲歩やむな
者が主,そしてロビイングが役立っている理由は,い
しと米国政府の要求の NTT 調達延長を呑んでしまっ
ろいろなレベルの交渉が必要である,などの指摘に集
た.さらに,対日交渉の布陣が半数変わったが,特徴
約される(注13).
は知日派の登用が減ったことである.
1980年∼90年代に日米通信・エレクトロニクス業
界,企業の雇用したロビイスト達のリストを表6にま
とめてみた.両陣営とも大物政府高官の就任が目立
つ.通信産業の場合,交渉窓口の通商代表部 OB やそ
れらを抱える法律事務所がカギを握った.
10 米官民一体化の対日攻勢
米政府は従来の通商代表部,商務省に加えて,商務
次官から横滑りしたアイゼンスタット次官(経済担
当)が活躍する国務省,それに FCC の4者が密かに
9 日米首脳会談に見る通商摩擦解決パターン
連絡を取り合って FCC の日系キャリア国際通信事業
免許保留と対 NTT,KDD 外資規制,NTT 調達の3
カンター通商代表が1995年12月1日に対日要求重
項目の行政規制ルール並びに通商課題をドッキングさ
要6項目−「半導体」
「フィルム」
「自動車フォローア
せた(注14).当時の米国官民の対日交渉に関して,TIA
ップ」
「保険」
「農産物」
「規制緩和」−を発表した.
(米国通信協会)のエリック・ネルソン氏(国際担当
それが12月末の同氏の発言では,最後の2項目が落
バイス・プレジデント)にヒアリングした.
ちて焦点が明確になった.
(質問)WTO 通信自由化交渉は米政府が次々と難題
1996年1月に入っての通商代表部スタッフの情報
を持ち込み強硬姿勢に転じたため決裂した
によると,対日重要課題は3月15日の自動車合意フ
が,その原因は国内業界の圧力によるのが真
ォローアップ・モニター,4月の日米包括経済協議の
相のようだが,どうか.
保険分野フォローアップ,7月の半導体協定延長並び
―― 今回の内容で合意したのなら,世界の通信市
に日米フィルム通商法301条問題,に絞られた.通信
場の40%が参加していない状態で終わって
分野は小康状態を保っていた.議会で商務省解体論が
いただろう.米国の方針は出来るだけ沢山の
審議され,CIA の外国経済諜報活動予算カットなど
国々が同時に市場開放することにあった.
各省庁が財政均衡化計画のあおりを受けている以上,
(質問)EU の98年通信自由化でも,体力の弱い国は
その窮余の策として無理に米業界,企業にジャパン・
期限を先延ばしできる.まず,自由化可能
プロブレムを捜させる官製摩擦の浮上も起きている.
な国々の段階からスタートすべきだった.
しかし,橋本政権の誕生で,ワシントンは対日強硬
USTR に圧力をかけたのか
策を手控え,当面は慎重な対応を練った.理由は,通
―― 業界としてロビイングは当然だ.新しい難題
産相時代に見せた橋本首相のタフ・ネゴシェーターぶ
を直前に沢山出したのではなく,以前から要
りを米政府は熟知していた点である.下手に強硬施策
求していたのが未達成になりそうだから再要
に出て,反撃を受けると大統領選へのダメージが大き
求したまでだ.
い点を警戒していた.また,4月16−18日のクリン
(質問)相互主義に則る米国内での免許付与を拒否で
トン大統領の訪日に向けて安保問題の処理を優先する
きる裁量権を要求し始めたが,これは通商法
関係上,通商分野でギクシャクしたムードが浮上する
1377条(電気通信条項)を WTO を通して
場合の訪日成果のマイナス面も計算している.実務的
世界中に行使するに等しい.決裂・延長の米
な問題は4月に神戸で開かれた四極通商会議出席のカ
国のメリットはなにか.
(注13)経団連「日米通商・経済交渉での民間の役割」アンケ
ート調査結果レポート、1999年1月発表
(注14)TIA は通信メーカーの最大手業界団体であるが、政
治力行使はライバルの AEA ほどは持ち合わせていない。
AEA は本部はシリコンバレーだが、通信のみならず全米に
散在する電子産業や IT 中小企業を会員に有する。
171
―― 会員企業の8割は外国市場か外国投資に従事
TIA 並びに AEA が1994年2月27日及び3月4日に
しており,彼らの利益を極大にすることに尽
提出した NTT,KDD 問題に対する FCC 宛書簡を検
きる.
討してみたが,下記の点が注目できる.事前打合せの
上記から通信産業の政府との強い関係がよくわか
結果,両者の文面が非常によく似ている.その点,イ
る.また,業界団体の TIA と AEA は連絡を頻繁に
ンタビューした TIA のネルソン副理事長は「FCC,
取り合っており,政府への類似の書簡を送っている.
USTR の強い要請で,文面を TIA の一部の了解だけ
以前も同様な鉄のトライアングルは構築されていたと
で急いで提出せざるを得なかった」と説明したが,
断言できる.両団体は会員企業がルーセント・テクノ
AEA よりも5日も早く処理している.AEA は日本関
ロジーズ,モトローラなど同じであるが AEA の方が
係委員会が存在し,相談に時間がかかった.背後に,
政治活動が活発といえる.AEA は日本関係委員会を
NTT 調達額が伸び悩んだ米企業の働きが見え隠れす
設けている.TI,コーニング・グラス,ルーセント・
る.
テクノロジー,モトローラ,IBM が主力メンバーで
ある.
米議会による米政府の対日交渉への応援は毎回熱心
の一言に尽きる.よく米議会の連署による対日交渉
強硬論がお目見えする.WTO 協議の最終段階で2組
の書簡が送付されている.1996年は3月5日に上下
この時点での米国の対日通信政策の選択肢は下記に
まとめることができる:
・3月31日発表の通商法1377条対象内容にこの問
題を指摘し,政府間交渉に載せる.
・NTT 調達協定の協議スタートを5月に前倒して
難問の米国ペース決着を狙う.
両院に米通信法改正法案を上程した.第310条b項の
・米議会両院商業委員会が法案審議で後押し.
「外資の直接投資20%以下制限」条項の撤廃を目指
・ 機 構 削 減 を 議 会 か ら 要 求 さ れ て い る USTR,
す.改正案の1つは,FCC の認可で買収が可能とす
FCC にとって対外摩擦は組織防衛に格好の材料
るもの.もう1つは,外資の米国子会社を通じての米
となる.
企業出資上限を現行の25%以下規定を撤廃し,認可
・NTT,KDD の年内外資規制の撤廃(WTO 新ル
申請を不要にする.前者の問題点は FCC が国防条項,
ールは98年始動)させるため認可保留で圧力を
相互主義条項で認可を出さないケースが有りえる点で
かけ続ける.
ある.この法案上程によって NTT,KDD への外資規
制撤廃要求を支援する.
AEA のワグナー副理事長(アジア担当)など複数
・米国側の狙いは NTT 調達協定の有利な延長であ
り,前回3年前は数値目標値の設定を唐突に要求
し,それを引っ込める代わりに延長させた.
の関係者に会って NTT 調達問題などについてヒアリ
・今回は NTT,KDD の国際通信サービスの認可(3
ングした時の説明によると,次の点が明らかになっ
月14日にスウェーデンのテレア米法人に6ヵ月
た:
(1)米企業が NTT 分割問題の行方に関心がある
でフル免許交付)並びに外資規制撤廃要求を交換
のは,東西 NTT 地域会社,長距離会社間の調達が3
カードに利用.この2つを要求して現行以上の額
分されると地方に足場のない外国勢が不利になるの
確保と分割後もルール適用を条件に延長を認めさ
で,分割・再編成の前に NTT 調達協定を延長するの
せる.
が得策と考えた.
(2)成長著しい NTT ドコモ,PHS
・通商法1377条は WTO ルールに優先するとの構
など孫会社にも網をかぶせるには,協定で明文化させ
えで協議を要求し,日本の WTO 提訴に対しては
る必要がある.
(3)政治献金や票田でクリントン民主
制裁を脅しに交渉する.9月まで決着に時間がか
党政権ならびに共和党議会に貸しがある.
(4)NTT
かることは織り込み済み.
調達参入は研究開発段階からの長期的協力関係が重視
このように米政府並びに米業界はあらゆるカード
されるから,短期売り込みには政治力が有効である.
を活用して対日交渉を有利に導くことに傾注した.
(5) 日本は最後に譲歩するパターンが過去の事例で多
1994年の米国官民協力の具体例としては特筆できる.
く,外圧が効果を発揮しやすい国である.(6) まず,
なお,通商代表部は毎年3月末に外国貿易障壁リスト
日本の市場開放,ルール改正をテコにアジア,欧州を
を米議会に報告するが,各国への市場開放圧力の有力
説得するのが作戦シナリオとなる.(7) 日本側の情報
な武器になっている(注15).
管理が甘く,情報が簡単に入手できるから,手の内が
よくわかる.日本企業が雇用している米人ロビイスト
弁護士が米国側にギブ・アンド・テイクで情報を提供
11 結論
するケースも少なくない.このように,NTT 調達戦
日米通信摩擦は論述したように電電公社調達問題を
略を例にしたが,行政,議会,産業界が協調して対日
皮切りに,対米輸出及び市場開放の双方に亘ってかな
攻勢かけている.
り広範な品目に波及している.また単独交渉に加えて
(注15)
「National Trade Estimate」は毎年3月末通商代表部
から各国別に発表され、日本では NTT 問題が常連リスト
172
にのぼっている。通商法301条の対象予備軍の性格もある
が、発表内容が業界側の一方的要望の色も強い。
日米経済交渉全体の枠組みの MOSS 協議並びに SII
協議の一分野と位置付けられた経緯もある.
冒頭の命題に対する回答に移るが,日米通信産業の
摩擦過程に見る国際競争力は各分野によって異なる.
摩擦の政治学』朝日新聞社,1992年
池本清『日米欧ハイテク開発競争』有斐閣,1986年
石川博友『日米摩擦の政治経済学:対日戦略決定のメ
カニズム』ダイヤモンド社,1985年
FAX,光ファイバーなどは日本が強く,ルーターな
ジョン・ザイスマン,ローラ・タイソン(編著)
,国
どネットワーク機器は米国が強いごとく両国間に国
則守生他(訳)『日米産業競争の潮流:経済摩擦
際比較が存在する.従って,日本の通信市場が閉鎖
の政治経済学』理工図書,1990年
的で,米国市場は開放的とは一概に言えない.また,
米国の主張する官民癒着のシンボリックな表現である
「日本株式会社論」は誇張されており,米国側の場合,
は政府高官の回転ドア人事,ロビイストが決定プロセ
スに大きな役割を演じている.すなわち,日米摩擦対
応は俗人的といえる.米国は事実以上に政治決着の手
小島明『日米調整の時代』尾崎行雄記念財団,1993
年
黒田真『日米関係の考え方:貿易摩擦を生きて』有斐
閣,1989年
牧野昇,志村幸雄『日米技術戦争:摩擦克服のための
企業戦略』日本経済新聞社,1984年
法優先で,日米首脳会談を一つのサイクルと対日交渉
マット・フラニガン,小尾敏夫「官民一体の米国製
戦略を策定している.この点,日米の決定プロセスの
造業の復権を検証する」インタビュー『経済界』
透明性に関しても議論の余地があるが,両国の官僚制
度の運営方式によるところが大きい.
この点,日米通信分野は特殊との見方が日米共に
大勢を占めている.筆者はこの見解に組みしない.
WTO 創設以前と以後に変化が見られた.WTO を創
設した時点から国際交渉力は日米2国間ベースからマ
29巻13号,経済界,1994年
松下満雄,遠藤美光,福島政裕『日米経済対決の構図:
通商事件史と関係修復への政治法学』東洋堂企画
出版社,1995年
NHK 取材班『日米の衝突:ドキュメント構造協議』
日本放送出版協会,1990年
ルチベースに拡大するパラダイムシフトが生まれてい
『日米関係研究誌』14号,国際大学,1991年
るからだ.また,通信サービス活動の民営化並びにグ
『日米経済関係の経済学的・経営学的研究』青山学院
ローバル化の進展によって,摩擦が発展段階の異なる
多数国で多発する事態を招いている.
日米通信摩擦はこの産業が対米黒字の時代に始まっ
たが,1990年代後半の米国製ネットワーク機器の大
大学,1994年
日刊工業新聞特別取材版(編)『日米経済新時代:決
着・日米構造協議からの出発』にっかん書房,
1990年
量輸入による日米貿易均衡時代,さらに対日貿易黒字
小尾敏夫『日米官僚摩擦』講談社,1992年
時代に移っても,摩擦が頻繁化していた事実に着目す
小尾敏夫「米議会法案が示唆する「新日米関係」( ア
る必要がある.対日貿易赤字イコール日本通信市場の
メリカ・レポート )」『投資経済』28巻12号,投
閉鎖性説は,この時点で無効であるはずだが,継続し
資経済社,1992年
続けた動向から,政治パワーの影響も見逃せない.ま
小尾敏夫「経済チームが目指す「国内基盤の強化」ス
た,コメなど他摩擦のスケープゴートや米ロビイスト
ーパー301条の復活で対日攻勢も」『世界週報』
のマッチポンプ的策略も否定できない.民営化したの
に政府調達の網がはずれない NTT の調達協定の延長
をはじめ,議会や大統領選挙も大義名分にした対日交
渉は市場論理性を無視した政治圧力に他ならない.日
73巻46号,時事通信社,1992年
小尾敏夫『クリントンの対日戦略―日本を標的とした
アメリカの反撃』ダイヤモンド社,1993年
小尾敏夫『日本が消滅する日―貿易立国ニッポン孤立
本の通信産業のみが槍玉に挙がる片務性こそが日米経
への恐怖のシナリオ』ワニブックス,1993年
済のおかれた立場なのである.最後に,TIA,AEA
小尾敏夫「クリントン政権のハイテク振興策」『経済
業界団体と通商代表部のリンケージを中心に再検証し
たが,特殊性と普遍性を超えて,政治パワーを有する
米企業行動がもたらす日米通信市場の新秩序のあり方
を模索するのは十分価値があると確認している.
界』28巻11号,経済界,1993年
小尾敏夫「クリントン時代の新ロビイスト勢力図」
『経
済界』28巻12号,経済界,1993年
小尾敏夫「民主党系スーパーロビイストの実像」
『経
済界』28巻13号,経済界,1993年
小尾敏夫「クリントン政権の対日経済政策と日本企業
参考文献
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(著)
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ダイヤモンド社,1994年
藤 本 一 美, 浅 野 一 弘『 日 米 首 脳 会 談 と 政 治 過 程:
1951年∼1983年』龍渓書舎,1994年
グレン・S・フクシマ(著)
,渡辺敏(訳)
『日米経済
の対米戦略」『経済界』28巻21号,経済界,1993
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『経
済界』28巻22号,経済界,1993年
小尾敏夫『襲われる日本−アメリカ対日強硬戦略の読
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小尾敏夫,増沢孝吉『情報通信リエンジニアリング』
173
講談社,1994年
小尾敏夫「ニッポンを見つめた50冊―ライシャワー
に始まるアメリカの日本研究はすでに第4世代に
(特集・
「日本人論」の傑作を読む)
」
『プレジデ
ント』32巻3号,プレジデント社,1994年
小尾敏夫「クリントン流米国新産業政策の中身」『経
済界』29巻6号,経済界,1994年
小尾敏夫「対日強硬策の司令塔・通商代表部の実像」
『経済界』29巻9号,経済界,1994年
小尾敏夫「データで明らかにする米国の言い分の是非
−日米関係を読み解くデータ(特集・仕事に役立
つ100の デ ー タ )
」
『THE21』11巻 5 号,PHP 研
究所,1993年
小尾敏夫「なぜ存在する日米パーセプション・ギャッ
プ」
『経済界』29巻11号,経済界,1994年
小尾敏夫「モトローラ対日戦略に隠された日米摩擦の
本質」
『経済界』29巻12号,経済界,1994年
小尾敏夫「米国企業の子会社戦略に学べ!− GM,
GE,AT&T などリエンジニアリングで蘇った」
『財界』42巻15号,財界研究所,1994年
小尾敏夫「なぜ日本はアメリカから叩かれ続けるの
か?− Q & A で理解する日米摩擦」
『THE21』
11巻8号,PHP 研究所,1994年
小尾敏夫「米企業の知られざる政治とのつきあい方」
『経済界』29巻17号,経済界,1994年
小尾敏夫「欧州から見る対米偏重日本外交の陥穽」
『経
済界』29巻18号,経済界,1994年
小尾敏夫「WTO 設立で日米交渉はどう変わるか」
『経
済界』29巻22号,経済界,1994年
小 尾 敏 夫『 マ ルチメディアで変わる政治の未 来 』
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小尾敏夫「米議会の知られざる巨大パワーを徹底分
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小尾敏夫「米国通信法改正がもたらす5つの衝撃」
『経
済界』31巻6号,経済界,1996年
小尾敏夫「米国60年ぶりの通信法改正,競争と再編
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」
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小尾敏夫「インターネットがもたらす情報革命の功
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小尾敏夫「“徹底論争”米国情報通信革命」『経済界』
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小 尾 敏 夫「 情 報 通 信 革 命 と 米 国 経 済 」『CIAJ
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小 尾 敏 夫「 欧 米 政 府 の サ イ バ ー・ ビ ジ ネ ス 戦 略 」
『CIAJ JOURNAL』1997年9月号,1997年
小尾敏夫「NTT 分割までの紆余曲折と新会社のこれ
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小尾敏夫「「NTT 分割」のほんとうの理由−日本は
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小尾敏夫「マルチメディアで再び始動したシリコンバ
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小尾敏夫「米国“官民癒着”の温床・回転ドア人事」
『経済界』30巻16号,経済界,1995年
小尾敏夫「いつまで続く? マルチメディア業界の合
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小尾敏夫『通信新時代の海図』日経 BP 社,1996年
小 尾 敏 夫「1996年 米 国 通 信 法 の 成 立 」
『CIAJ
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小尾敏夫「新通信法下に新戦略策定を急ぐ米国経営者
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小尾敏夫「海外から見た NTT 経営形態の在り方」
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小尾敏夫「米国“委員会政治”と立法プロセス(その
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小尾敏夫「アジア経済不振と米通信産業の影響度」
『CIAJ JOURNAL』1998年6月号,1998年
小尾敏夫「米国で注目される2大新興通信事業者」
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小尾敏夫「米国好景気をリードする旺盛な情報化投
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小尾敏夫,今村勝征『IT ビジネスモデル・日米ウォ
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小尾敏夫「
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『経済界』35巻3号,経済界,2000年
小尾敏夫「巨大化する欧米通信会社が日本を狙う」
『経
済界』35巻10号,経済界,2000年
小尾敏夫「
「次世代携帯電話」で日米欧が国盗り合戦」
『経済界』35巻14号,経済界,2000年
小尾敏夫「
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30」
『THE21』特別増刊,PHP 研究所,2000年
小尾敏夫「
「NTT 弱体化」を狙う米国の思惑」
『エコ
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小尾敏夫「IT グローバル戦略に不可欠の「十カ条」」
『経済界』35巻21号,経済界,2000年
小尾敏夫「ブッシュ政権誕生で日米関係はどう変わる
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『プレジデント』39巻2号,プレジデント社,
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小尾敏夫「インターネット主導で加速する IT 革命(グ
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『経済界』36巻8号,経済界,
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田中伸男,小尾敏夫「欧州から見る対米偏重日本外交
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『経済界』29巻18号,経済界,1994年
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,IIE, 1992
175
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