こうえいフォーラム第 21 号 / 2013.3 ゲート設備開閉装置の老朽化診断技術と適用例 TECHNOLOGIES FOR DIAGNOSIS OF DETERIORATION OF HOISTING EQUIPMENT FOR WATER GATES 国頭正信 *・秋元英人 *・石川紳二 ** Masanobu KUNIGAMI, Hideto AKIMOTO and Shinji ISHIKAWA The deterioration of aging equipment on river gates and dam gates that were constructed during the period of rapid economic growth in Japan is an increasing problem. Engineers face increasing requests to diagnose such equipment to determine whether or not continued use of them is possible. However, appropriate diagnostic technologies for aged hoisting equipment have not yet been established. Here, we present an outline of several potential techniques that can be used to assess aged gate hoisting equipment with examples of their application. These techniques are: vibration analysis, lubricating oil analysis, harmonic diagnosis, and open gears diagnosis. Keywords : water gate, hoisting equipment, aging, diagnosis technology, vibration analysis, tribology, lubrication oil analysis, ferrography testing, higher harmonics wave diagnosis, diagnosis of open gear, tooth form factor 1. はじめに の劣化状況が分かりにくいという特徴も併せ持っている。 本稿では、江戸川水閘門における老朽化診断実施事例も 河川・ダムに設置されている水門等のゲート設備は、大 含め、もう一歩踏み込んだ開閉装置の診断手法である振動 きく分けてその構成要素を、扉体・戸当り(鋼構造) 、開閉 測定、潤滑油診断(フェログラフィ法) 、高調波診断、開放 装置(機械機器) 、機側操作盤(電気・電子機器)の 3 要素 歯車診断等の手法を紹介し、近年の重要な社会的要求事項 に分類することができる。 の一つであるインフラストラクチャの長寿命化対策におけ 従来、老朽化したゲート設備の診断手法としては、扉体・ る一助としたい。 戸当り(鋼構造)の板厚測定とその結果に伴う強度照査を 江戸川水閘門は、国土交通省関東地方整備局江戸川河川 実施しているが、扉体を動かす開閉装置の診断手法は、通 事務所が管理する江戸川水門および江戸川閘門から構成さ 常の年点検内容の域を出ていないのが一般的である。 扉体構造の強度照査は、水圧を安全・確実に土木構造に 伝えるのがゲート設備の機能でありかつ鋼構造の主要な劣 れ、建設からの経過年が 2011 年時点でそれぞれ 40 年、68 年であり、ともに老朽化が懸念されているゲート設備であ る。以下に江戸川水門・閘門の設備諸元を示す(表- 1) 。 化要因が腐食であることを考えれば、至極当然の診断手法 表- 1 江戸川水閘門 設備諸元 である。一方、確実な開閉動作もまたゲートの最も基本的 かつ重要な機能であることから、設備の詳細診断を外部に 項目 委託する施設管理者としては、開閉装置についても、扉体 ゲート 形式 同様、定期点検よりももっと掘り下げた評価を期待するの 江戸川水門 江戸川閘門 鋼製ローラゲート (2 門は 2 段式ゲート) 鋼製ローラゲート 開閉装置 形式 電動ワイヤロープ ウインチ式 (1M1D) 電動ワイヤロープ ウインチ式 (1M2D) 変化、ワイヤロープ径、歯車の歯当り・バックラッシ等の 純径間 10.0m 11.0m 測定を加えた通常の年点検レベルの内容と大きく変わらな 扉高 5.0m 6.5m いのが一般的であった。 門数 5門 2門 (上流扉・下流扉) は当然といえる。しかしながら、開閉装置の診断手法とし ては、前述の通り、目視、触診、聴診に、絶縁抵抗、温度 また、ゲート設備は一般の産業機械と異なり、可動する機 械設備でありながら、洪水・高潮・津波時等に稼働する非常 用設備が多く、普段の稼働頻度は少ないことから、開閉装置 * ** 建設年 備考 昭和 18 年(1943 年)昭和 18 年(1943 年) 昭和 46 年(1971 年) 改造 閘室長さ 100m ×幅 16 m 国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所 施設管理課 日本工営株式会社 プラント事業部 機械・情報通信技術部 17 ゲート設備開閉装置の老朽化診断技術と適用例 表- 3 歯車減速機の振動判定値例 3) 2. 振動測定 ゲート設備開閉装置の老朽化診断技術と適用例 高速側回転数 (1)概要 2. 振動測定 ゲート開閉装置のような回転機械においては、回転する (1) 概要 機器のアンバランス、ミスアライメント、軸受摩耗、歯車 全振幅 600min-1 以下 95/1000mm 以下 全 振 幅 -1 -1 1000min 600min以下 以下 80/1000mm 120/1000mm 以下 以下 800min -1 以下 95/1000mm 以下 器のアンバランス、ミスアライメント、軸受摩耗、歯車の異常等 1000min -1 以下 80/1000mm 以下 の健全性を示す有効な指標である。 が異 常 振動となって現れることから、振動は機械 の健全 性を とくに、ゲート開閉装置を構成する機器のうち、比較的 示す有効な指標である。 とくに、ゲート開閉装置を構成する機器のうち、比較的高速 高速で回転している電動機や減速機の健全性を判断するう で回 転 している電 動 機 や減 速 機 の健 全 性 を判 断 するうえで えで有効な診断手法と考えられる。従来の点検項目の中に 全振幅 表-3 歯車減速機の振動判定値例 -1 -1 以下 800min 高速側回転数 ゲート開閉装置のような回転機械においては、回転する機 の異常等が異常振動となって現れることから、振動は機械 高速側回転数 120/1000mm 以下 1200min-1 以下 75/1000mm 以下 3) (4)実施例 1800min 以下 55/1000mm 以下 高速側回転数 全 振 幅 - -1 以下 1200min - 以下 75/1000mm 55/1000mm 以p.101 下 参照 : 機械設備管理指針 1800min -1 以下 - - 参照:機械設備管理指針 p.101 (4) 実施例 実際にポータブル振動計を使用し、江戸川水閘門の開閉 実際にポータブル振動計を使用し、江戸川水閘門の開閉 装置の振動測定を実施した事例を以下に示す。 装置の振動測定を実施した事例を以下に示す。 有効な診断手法と考えられる。従来の点検項目の中にも、触 も、触診による異常振動の評価が含まれているが、定量的 診による異常振動の評価が含まれているが、定量的な測定に な測定により健全度が明確に評価可能となる。 より健全度が明確に評価可能となる。 (2)測定方法 (2) 測定方法 振動とは一定の振幅をもつ繰り返し運動であり、動いて 振動とは一定の振幅をもつ繰り返し運動であり、動いている いる速さと向きが常に変化している。振動の測定項目は以 速さと向きが常に変化している。振動の測定項目は以下の 3 項 目 であり、いずれの項目も、近年多数市販されているポー 下の 3 項目であり、いずれの項目も、近年多数市販されて タブルな接触型の簡易振動計により比較的簡易に測定が可 いるポータブルな接触型の簡易振動計により比較的簡易に 能である。 測定が可能である。 また、表-2 に振動測定項目の一般的な適用を示す。 写真-1 ヘリカル減速機(江戸川閘門)の振動測定状況 写真- 1 ヘリカル減速機 (江戸川閘門) の振動測定状況 また、表- 2 に振動測定項目の一般的な適用を示す。 ①変位: 実 際 に振 動 しているものの振 幅 であり全 振 幅 で ①変 位: 実際に振動しているものの振幅であり全振幅で 表す。単位は mmP-P である(P-P はピーク・トゥ・ 速機の振動を測定している事例で、減速機単体としては設置 表す。単位は mmP-P である (P-P はピーク・トゥ・ 減速機の振動を測定している事例で、減速機単体としては ピーク) 。 設置後(更新後)30 年を経過しており、かつ年間を通じほ ピーク)。 ②速度: 一 定 時 間 にどれだけ変 位 したのかを表 すもの ②速 度:一定時間にどれだけ変位したのかを表すもので、 で、単位は mm/s(RMS 二乗平均速度)である。 単位は mm/s(RMS 二乗平均速度)である。 ③加速度: 単位時間当たりの速度変化であり、単位は m/s 2 ③加速度:単位時間当たりの速度変化であり、単位は m/s (Peak)である。 2 (Peak)である。 表-2 振動測定項目の一般的な適用 項目 変位量や動きの大きさそのもの 変位 が問題となる異常(芯振れ等) 一般的な適用と大よその振動周波数帯 後(更新後)30 年を経過しており、かつ年間を通じほぼ毎日 開閉操作を実施する常用系河川ゲートであり、歯車や軸の摩 ぼ毎日開閉操作を実施する常用系河川ゲートであり、歯車 耗等の劣化が懸念されていた。 や軸の摩耗等の劣化が懸念されていた。 振 動 測 定 は、ゲート開 操 作 時 および閉 操作 時 に変位、速 度、加速度をそれぞれ X-Y-Z の 3 軸方向から測定した。 振動測定は、ゲート開操作時および閉操作時に変位、速 当該ヘリカル減速機の入力側(高速側)回転数は 490min -1 度、加速度 をそ れぞれ X - Y - Z の 3 軸方 向から測定 1),2) 一般的な適用と大よその振動周波数帯 1),2) 表- 2 振動測定項目の一般的な適用 項目 写真-1 は、江戸川閘門(下流扉)開閉装置のヘリカル減 写真- 1 は、江戸川閘門(下流扉)開閉装置のヘリカル 10Hz 以下 であり、表-3 の判定基準によれば、変位が全振幅で した。当該ヘリカル減速機の入力側(高速側)回転数は 120/1,000mmP-P(0.12mmP-P)以下であれば良いことにな 490min-1 であり、表- 3 の判定基準によれば、変位が全振 る。測定の結果、全振幅は最大でも 0.034mmP-P であり、当 幅で 120/1,000mmP-P(0.12mmP-P)以下であれば良いこ 該のヘリカル減速機に異常な振動は発生しておらず、基本的 変位 振動エネルギや疲労度が問題と 10Hz 10Hz~ 変位量や動きの大きさそのものが問 速度 なる異常(ミスアライメント等)以下1kHz 題となる異常(芯振れ等) とになる。測定の結果、全振幅は最大でも 0.034mmP-P で に健全な状態であると判断された。 速度 衝撃力のような力の大きさが問10Hz 1kHz 振動エネルギや疲労度が問題となる ~ 加速度 異常(ミスアライメント等) 1kHz以上 題となる異常(歯車損傷等) 測定を実施した。高速側回転数が 950min -1 、許容変位が全 ず、基本的に健全な状態であると判断された。 加速度 衝撃力のような力の大きさが問題と なる異常(歯車損傷等) (3) 評価方法 1kHz 以上 データの評価方法は、本来、対象機器設置当初から定期 的 に振 動 を測定し、傾向管理によりその変化を評 価 すること (3)評価方法 が望ましいが、ゲート設備の場合、そういった継続的な測定デ あり、当該のヘリカル減速機に異常な振動は発生しておら 同様に、江戸川水門各ゲートのサイクロ減速機についても 振幅で 80/1,000mmP-P(0.08mmP-P)以下であったが、測 同様に、江戸川水門各ゲートのサイクロ減速機について 定結果は最大でも 0.008mmP-P であり、異常振動は検知さ も測定を実施した。高速側回転数が 950min-1、許容変位が れなかった。 全振幅で 80/1,000mmP-P(0.08mmP-P)以下であったが、 測定結果は最大でも 0.008mmP-P であり、異常振動は検知 3. 潤滑油診断 されなかった。 (1) 概要 データの評価方法は、本来、対象機器設置当初から定期 ータを有 しているケースは非常に少ないため、その時点にお ゲート開 閉 装 置 の減 速 機 は、その歯 車 が鋼 製 のケース内 ける振 動 値 評 価 (絶 対 値 評 価 )に依 らざるを得 ないことが多 的に振動を測定し、傾向管理によりその変化を評価するこ 部 に納 められているため、分 解 整 備 を実 施 しない限 り、直接 い。 とが望ましいが、ゲート設備の場合、そういった継続的な JIS 等にも振動判定基準(絶対値評価基準)が規定されて 測定データを有しているケースは非常に少ないため、その いるが、ゲート・ポンプ設備を対象とした判定基準として、独立 時点における振動値評価(絶対値評価)に依らざるを得な 行 政 法 人 水資源機構の機械設備管理指針には、以 下 の電 いことが多い。 動機や歯車減速機の振動判定値が示されている(表-3)。 3. 潤滑油診断 的 に目 視 ・測 定 することが難 しい。よって前 述 の振 動測 定 等 (1)概要 により健全度を判断することになるが、歯車と一緒に減速機内 部に注入されている潤滑油の成分分析によっても、歯車の摩 ゲート開閉装置の減速機は、その歯車が鋼製のケース内 耗状態を推察することが可能である。 部に納められているため、分解整備を実施しない限り、直 JIS 等にも振動判定基準(絶対値評価基準)が規定され 接的に目視・測定することが難しい。よって前述の振動測 2ゲート・ポンプ設備を対象とした判定基準として、 ているが、 定等により健全度を判断することになるが、歯車と一緒に 独立行政法人水資源機構の機械設備管理指針には、以下の 減速機内部に注入されている潤滑油の成分分析によっても、 電動機や歯車減速機の振動判定値が示されている(表- 3) 。 歯車の摩耗状態を推察することが可能である。 18 こうえいフォーラム第 21 号 / 2013.3 歯車は、噛み合いながら回転して動力を伝えることから、 長期にわたって稼働すれば歯と歯の当り面が摩耗し、その 歯車は、噛み合いながら回転して動力を伝えることから、長 歯車は、噛み合いながら回転して動力を伝えることから、長 歯車は、噛み合いながら回転して動力を伝えることから、長 歯車は、噛み合いながら回転して動力を伝えることから、長 摩耗粉が潤滑油中に混入していく。よって潤滑油中の金属 期にわたって稼働すれば歯と歯の当り面が摩耗し、その摩耗 期にわたって稼働すれば歯と歯の当り面が摩耗し、その摩耗 期にわたって稼働すれば歯と歯の当り面が摩耗し、その摩耗 期にわたって稼働すれば歯と歯の当り面が摩耗し、その摩耗 成分を分析すれば摩耗の状況を推察することができる。 粉が潤滑油中に混入していく。よって潤滑油中の金属成分を 粉が潤滑油中に混入していく。よって潤滑油中の金属成分を 粉が潤滑油中に混入していく。よって潤滑油中の金属成分を 歯車は、噛み合いながら回転して動力を伝えることから、長 粉が潤滑油中に混入していく。よって潤滑油中の金属成分を 潤滑油中の摩耗粉を分析する方法として、フェログラ 分析すれば摩耗の状況を推察することができる。 分析すれば摩耗の状況を推察することができる。 分析すれば摩耗の状況を推察することができる。 期にわたって稼働すれば歯と歯の当り面が摩耗し、その摩耗 分析すれば摩耗の状況を推察することができる。 潤滑油中の摩耗粉を分析する方法として、フェログラフィ法 フ ィ 法(Ferrography) と、SOAP 法(Spectrometric Oil 潤滑油中の摩耗粉を分析する方法として、フェログラフィ法 潤滑油中の摩耗粉を分析する方法として、フェログラフィ法 粉が潤滑油中に混入していく。よって潤滑油中の金属成分を 潤滑油中の摩耗粉を分析する方法として、フェログラフィ法 (Ferrography)と、SOAP 法(Spectrometric Oil Oil Analysis Analysis Analysis Program)がよく知られている。フェログラフィ (Ferrography)と、SOAP 法(Spectrometric (Ferrography)と、SOAP 法(Spectrometric Oil Oil Analysis Analysis 分析すれば摩耗の状況を推察することができる。 (Ferrography)と、SOAP 法(Spectrometric Program)がよく知られている。フェログラフィ法は、油中に含 法は、油中に含まれる摩耗粉の量、大きさ、形状を調べる Program)がよく知られている。フェログラフィ法は、油中に含 潤滑油中の摩耗粉を分析する方法として、フェログラフィ法 Program)がよく知られている。フェログラフィ法は、油中に含 Program)がよく知られている。フェログラフィ法は、油中に含 まれる摩耗粉 の量、大きさ、形状を調べる物理的分析である 物理的分析であることに対し、SOAP 法は油中に含まれる まれる摩耗粉 の量、大きさ、形状を調べる物理的分析である (Ferrography)と、SOAP 法(Spectrometric Oil Analysis まれる摩耗粉 の量、大きさ、形状を調べる物理的分析である まれる摩耗粉 の量、大きさ、形状を調べる物理的分析である ことに対し、SOAP 法は油中に含まれる元素を調べることによ 元素を調べることによって摩耗粉の量と材質を知る化学分 ことに対し、SOAP 法は油中に含まれる元素を調べることによ Program)がよく知られている。フェログラフィ法は、油中に含 ことに対し、SOAP 法は油中に含まれる元素を調べることによ 法は油中に含まれる元素を調べることによ ことに対し、SOAP って摩耗粉の量と材質を知る化学分析である。 って摩耗粉の量と材質を知る化学分析である。 析である。 まれる摩耗粉 の量、大きさ、形状を調べる物理的分析である って摩耗粉の量と材質を知る化学分析である。 って摩耗粉の量と材質を知る化学分析である。 江戸川水閘門 においては、両方法により潤滑油分析を試 ことに対し、SOAP 法は油中に含まれる元素を調べることによ 江戸川水閘門 においては、両方法により潤滑油分析を試 江戸川水閘門においては、両方法により潤滑油分析を試 江戸川水閘門 江戸川水閘門 においては、両方法により潤滑油分析を試 においては、両方法により潤滑油分析を試 みたが、本稿においては近年注目されているフェログラフィ法 って摩耗粉の量と材質を知る化学分析である。 みたが、本稿においては近年注目されているフェログラフィ法 みたが、 本稿においては近年注目されているフェログラフィ みたが、本稿においては近年注目されているフェログラフィ法 みたが、本稿においては近年注目されているフェログラフィ法 江戸川水閘門 について述べる。 法について述べる。 においては、両方法により潤滑油分析を試 について述べる。 について述べる。 みたが、本稿においては近年注目されているフェログラフィ法 (2)測定 ・ 評価方法 について述べる。 (2) 測定・評価方法 (2) 測定・評価方法 測定・評価方法 (2) (2) 測定・評価方法 フェログラフィ法は、磁気勾配により潤滑油中の摩耗粉をサ フェログラフィ法は、磁気勾配により潤滑油中の摩耗粉 フェログラフィ法は、磁気勾配により潤滑油中の摩耗粉をサ フェログラフィ法は、磁気勾配により潤滑油中の摩耗粉をサ フェログラフィ法は、磁気勾配により潤滑油中の摩耗粉をサ (2) 測定・評価方法 イズごとに捕獲し、その濃度を定量的に計測する定量フェログ をサイズごとに捕獲し、その濃度を定量的に計測する定量 イズごとに捕獲し、その濃度を定量的に計測する定量フェログ イズごとに捕獲し、その濃度を定量的に計測する定量フェログ イズごとに捕獲し、その濃度を定量的に計測する定量フェログ フェログラフィ法は、磁気勾配により潤滑油中の摩耗粉をサ ラフィ法と、捕獲した摩耗粉の形状を観察して摩耗形態を推 フェログラフィ法と、捕獲した摩耗粉の形状を観察して摩 ラフィ法と、捕獲した摩耗粉の形状を観察して摩耗形態を推 ラフィ法と、捕獲した摩耗粉の形状を観察して摩耗形態を推 イズごとに捕獲し、その濃度を定量的に計測する定量フェログ 定する分析(定性)フェログラフィ法がある。ガラス管または特 定する分析(定性)フェログラフィ法がある。ガラス管または特 耗形態を推定する分析(定性)フェログラフィ法がある。 定する分析(定性)フェログラフィ法がある。ガラス管または特 定する分析(定性)フェログラフィ法がある。ガラス管または特 ラフィ法と、捕獲した摩耗粉の形状を観察して摩耗形態を推 殊な表面処理をしたガラス板(フェログラム)に、わずかな試料 殊な表面処理をしたガラス板(フェログラム)に、わずかな試料 ガラス管または特殊な表面処理をしたガラス板(フェログ 殊な表面処理をしたガラス板(フェログラム)に、わずかな試料 殊な表面処理をしたガラス板(フェログラム)に、わずかな試料 定する分析(定性)フェログラフィ法がある。ガラス管または特 油を希釈して磁場勾配中で流し、試料中の粒子を捕捉配列 ラム)に、わずかな試料油を希釈して磁場勾配中で流し、 油を希釈して磁場勾配中で流し、試料中の粒子を捕捉配列 油を希釈して磁場勾配中で流し、試料中の粒子を捕捉配列 殊な表面処理をしたガラス板(フェログラム)に、わずかな試料 する。 する。 試料中の粒子を捕捉配列する。 する。 する。油を希釈して磁場勾配中で流し、試料中の粒子を捕捉配列 2),4),5) 2),4),5) 2),4),5) 1)定量フェログラフィ法 1) 定量フェログラフィ法 2),4),5) 1) 2),4),5) する。 1) 定量フェログラフィ法 定量フェログラフィ法 )と l1 1 定量フェログラフィ法では、5μm 以上の鉄粒子量(D 定量フェログラフィ法では、5µm 以上の鉄粒子量(D ) 定量フェログラフィ法では、5μm 以上の鉄粒子量(D ll )と 定量フェログラフィ法では、5μm )と 1 1 定量フェログラフィ法では、5μm 以上の鉄粒子量(D ll )と 1) 定量フェログラフィ法 2),4),5) 以上の鉄粒子量(D ~2μm の鉄粒子量(D )を光学的に測定する。機械設備の ~2μm の鉄粒子量(D と 1 ~ の鉄粒子量(D 2µm の鉄粒子量(D s)を光学的に測定する。機械 ss )を光学的に測定する。機械設備の ~2μm 以上の鉄粒子量(D l )と 1 ~2μm定量フェログラフィ法では、5μm の鉄粒子量(D ss )を光学的に測定する。機械設備の )を光学的に測定する。機械設備の ll ≧D ss となるが、異常が発 摺動部が正常に稼働しているとき D 設備の摺動部が正常に稼働しているとき Dl ≧ Ds となるが、 摺動部が正常に稼働しているとき D ≧D l ~2μm の鉄粒子量(D s )を光学的に測定する。機械設備の 摺動部が正常に稼働しているとき D l ≧D ss となるが、異常が発 となるが、異常が発 ≫D ss (D (D ss より より Dll D が非常 生すると大きい粒子が支配的となり D ll ≫D D が非常 生すると大きい粒子が支配的となり D 異常が発生すると大きい粒子が支配的となり Dl ≫ s(Ds ≫D D 生すると大きい粒子が支配的となり D ss (D ss より 摺動部が正常に稼働しているとき l ≧D s となるが、異常が発 ≫D (D より Dll が非常 が非常 生すると大きい粒子が支配的となり D llD に大きい)となるので異常を検知できる。定量フェログラフィ法 に大きい)となるので異常を検知できる。定量フェログラフィ法 より Dl が非常に大きい)となるので異常を検知できる。定 に大きい)となるので異常を検知できる。定量フェログラフィ法 生すると大きい粒子が支配的となり D l ≫D s (D s より Dl が非常 に大きい)となるので異常を検知できる。定量フェログラフィ法 の原理を図-1 に示す。 の原理を図-1 に示す。 量フェログラフィ法の原理を図- 1 に示す。 に大きい)となるので異常を検知できる。定量フェログラフィ法 の原理を図-1 に示す。 の原理を図-1 に示す。 の原理を図-1 に示す。 こうえいフォーラム第 21 号/ 2012.12 こうえいフォーラム第 21 号/ 2012.12 こうえいフォーラム第 て捕捉粒子を分類し機械設備の摺動状態を診断する方法で こうえいフォーラム第 21 21 号/ 号/ 2012.12 2012.12 捉 粒 する方 捉ある。定性フェログラフィ法の原理を図- 粒子 子 を分 を分 類 類 し機 し機 械 械設 設備 備 の摺 の摺 動 動状 状態 態 を診 を診2断 断に示す。 する方 法 法 であ であ 捉 捉粒 粒子 子 を分 を分 類 類 し機 し機 械 械設 設備 備 の摺 の摺 動 動状 状態 態 を診 を診 断 断 する方 する方 法 法 であ であ こうえいフォーラム第 21 号/ 2012.12 る。定性フェログラフィ法の原理を図-2 に示す。 る。定性フェログラフィ法の原理を図-2 に示す。 る。定性フェログラフィ法の原理を図-2 に示す。 る。定性フェログラフィ法の原理を図-2 に示す。 捉 粒 子 を分 類 し機 械 設 備 の摺 動 状 態 を診 断 する方 法 であ る。定性フェログラフィ法の原理を図-2 に示す。 図- 2 定性フェログラフィ法 原理概要2),4),5) 2),4),5) 図-2 定性フェログラフィ法 定性フェログラフィ法 原理概要 原理概要 2),4),5) 2),4),5) 図-2 図-2 図-2 定性フェログラフィ法 定性フェログラフィ法 原理概要 原理概要 2),4),5) また、表- 4 に粒子形状と発生形態の例を示す。 図-2に粒子形状と発生形態の例を示す。 定性フェログラフィ法 原理概要 2),4),5) また、表-4 に粒子形状と発生形態の例を示す。 また、表-4 また、表-4 また、表-4 に粒子形状と発生形態の例を示す。 に粒子形状と発生形態の例を示す。 表- 4 粒子形状と発生形態の例2),4),5),6),7) 2),4),5),6),7) 表-4 に粒子形状と発生形態の例を示す。 粒子形状と発生形態の例 2),4),5),6),7) 表-4 粒子形状と発生形態の例 2),4),5),6),7) また、表-4 表-4 表-4 粒子形状と発生形態の例 粒子形状と発生形態の例 2),4),5),6),7) 粒子形状 粒子名称 発生形態 粒子形状 粒子名称 発生形態 粒子形状 粒子名称 発生形態 粒子形状 粒子名称 発生形態 2),4),5),6),7) 粒子形状 粒子名称 発生形態 表-4 粒子形状と発生形態の例 15μ 以下 正常ラビング 正常摩耗 15µ 以下 正常ラビング 正常摩耗 15μ 以下 正常ラビング 正常摩耗 15μ 正常ラビング 正常摩耗 粒子形状 粒子名称 発生形態 15μ 以下 以下 正常ラビング 正常摩耗 薄片 粒子 表面薄層の剥離 薄片 粒子 表面薄層の剥離 薄片 粒子 表面薄層の剥離 薄片 粒子 表面薄層の剥離 15μ 以下 正常ラビング 正常摩耗 切屑状 カッティング 切削摩耗 切屑状 カッティング 切削摩耗 切屑状 カッティング 切削摩耗 切屑状 カッティング 切削摩耗 薄片 粒子 表面薄層の剥離 切屑状 カッティング 切削摩耗 カール状長い 粒子 硬い異物混入 カール状長い 粒子 硬い異物混入 カール状長い 粒子 硬い異物混入 カール状長い 粒子 硬い異物混入 カール状長い 粒子 硬い異物混入 切屑状 カッティング 切削摩耗 15μ 以上 シビアスライディン 重摩耗 15µ 以上 シビアスライ 重摩耗 カール状長い 粒子 硬い異物混入 15μ 以上 シビアスライディン 重摩耗 15μ 以上 シビアスライディン 重摩耗 鋭いエッジ グ粒子 片当り、高荷重 鋭いエッジ ディング粒子 片当り、高荷重 鋭いエッジ グ粒子 片当り、高荷重 鋭いエッジ グ粒子 片当り、高荷重 15μ 以上 シビアスライディン 重摩耗 15μ 以上 スグ粒子 ホ ゚゚ ーー ルル 疲労摩耗 15μ 以上 ス ホ 疲労摩耗 鋭いエッジ 片当り、高荷重 15µ 以上 スポール 疲労摩耗 15μ 以上 疲労摩耗 15μ 以上 スス粒 ホホ ゚゚子 ーー ルル 疲労摩耗 表面ピット ギヤ・軸受疲労 表面ピット 粒 子 ギヤ・軸受疲労 表面ピット 粒子 ギヤ・軸受疲労 表面ピット 粒 子 ギヤ・軸受疲労 表面ピット 粒 子 ギヤ・軸受疲労 15μ 以上 スポール 疲労摩耗 表面ピット 15μ 以上 15μ 以上 15µ 以上 15μ 以上 層状薄片 層状薄片 層状薄片 層状薄片 15μ 以上 層状薄片 層状薄片 10μ 以下 10μ 以下 10μ 以下 10µ 以下 10μ 以下 赤色粒子 赤色粒子 赤色粒子 10μ 以下 赤色粒子 赤色粒子 赤色粒子 粒子 ラミナー粒子 ラミナー粒子 ラミナー粒子 ラミナー粒子 ラミナー粒子 ラミナー粒子 赤さび 赤さび 赤さび 赤さび 赤さび 疲労摩耗 ギヤ・軸受疲労 疲労摩耗 疲労摩耗 疲労摩耗 疲労摩耗 疲労粒子の圧延 疲労粒子の圧延 疲労粒子の圧延 疲労粒子の圧延 疲労摩耗 疲労粒子の圧延 疲労粒子の圧延 フレッティング摩耗 フレッティング摩耗 フレッティング摩耗 フレッティング摩耗 フレッティング摩耗 水分、酸化 水分、酸化 水分、酸化 フレッティング摩耗 水分、酸化 水分、酸化 水分、酸化 (3) 実施例 (3) 実施例 (3)実施例 (3) 実施例 (3) 実施例 (3) 実施例 実際に江戸川水門のサイクロ減速機の潤滑油についてフ 実際に江戸川水門のサイクロ減速機の潤滑油についてフ 実際に江戸川水門のサイクロ減速機の潤滑油についてフ 実際に江戸川水門のサイクロ減速機の潤滑油について 実際に江戸川水門のサイクロ減速機の潤滑油についてフ ェログラフィ分析を実施した事例を以下に示す。 実際に江戸川水門のサイクロ減速機の潤滑油についてフ ェログラフィ分析を実施した事例を以下に示す。 ェログラフィ分析を実施した事例を以下に示す。 フェログラフィ分析を実施した事例を以下に示す。 ェログラフィ分析を実施した事例を以下に示す。 ェログラフィ分析を実施した事例を以下に示す。 サイクロ減速機 サイクロ減速機 サイクロ減速機 サイクロ減速機 サイクロ減速機 2),4),5) 2),4),5) 図-1 定量フェログラフィ法 原理概要 2),4),5) 図-1 2),4),5) 図-1 定量フェログラフィ法 定量フェログラフィ法 原理概要 原理概要2),4),5) 図-1 定量フェログラフィ法 原理概要 図-1 定量フェログラフィ法 原理概要 2),4),5) 図- 1 定量フェログラフィ法 原理概要 2),4),5) 2),4),5) 2) 2),4),5) 2)2)定性フェログラフィ法 定性フェログラフィ法 2),4),5) 2) 2),4),5) 2),4),5) 定性フェログラフィ法 2) 定性フェログラフィ法 定性フェログラフィ法 2) 定性フェログラフィ法 定性 性 フェログラフィ法 フェログラフィ法 は、捕 は、捕 捉 捉粒 粒子 子 を光 を光 学 学顕 顕微 微鏡 鏡 で観 で観 察 察 定 定 性 フェログラフィ法 は、捕 捉 学 察 定定性フェログラフィ法は、捕捉粒子を光学顕微鏡で観察 性定 フェログラフィ法 は、捕 捉粒 粒 子 を光 学顕 顕 微 鏡 で観 察察 性 フェログラフィ法 は、捕 捉子 粒を光 子 を光 学微 顕鏡 微で観 鏡 で観 し、摩耗粉の形状、表面状態、大きさ、材質などに注目して捕 し、摩耗粉の形状、表面状態、大きさ、材質などに注目して捕 し、摩耗粉の形状、表面状態、大きさ、材質などに注目して捕 し、摩耗粉の形状、表面状態、大きさ、材質などに注目し し、摩耗粉の形状、表面状態、大きさ、材質などに注目して捕 し、摩耗粉の形状、表面状態、大きさ、材質などに注目して捕 写真-2 写真-2 江戸川水門サイクロ減速機潤滑油採取状況 江戸川水門サイクロ減速機潤滑油採取状況 写真-2 江戸川水門サイクロ減速機潤滑油採取状況 写真-2 江戸川水門サイクロ減速機潤滑油採取状況 写真-22 江戸川水門サイクロ減速機潤滑油採取状況 江戸川水門サイクロ減速機潤滑油採取状況 写真- (右は採取された潤滑油) (右は採取された潤滑油) (右は採取された潤滑油) (右は採取された潤滑油) (右は採取された潤滑油) (右は採取された潤滑油) 19 3 3 33 3 ゲート設備開閉装置の老朽化診断技術と適用例 写真-2 は、江戸川水門 3 号ゲート開閉装置のサイクロ減 ゲート設備開閉装置の老朽化診断技術と適用例 速機潤滑油の採取事例で、江戸川閘門同様、年間を通じほ 4. 高調波診断 減速機潤滑油の採取事例で、江戸川閘門同様、年間を通じ (1) 概要 4. 高調波診断 ゲート開閉装置の原動機はその多くが電動機である。電動 ゲート設備開閉装置の老朽化診断技術と適用例 ほぼ毎日開閉操作を実施する常用系河川用ゲート設備の事 (1)概要 機 の主 たる劣 化 要 因 は、絶 縁 劣 化 と軸 受 の摩 耗 といわれて 例であり、設置後 41 年を経過し、軸受等内部機器の摩耗等 おり、従 来 、電 動 機 の健 全 度 を把 握 する定 期 点 検 項 目 とし ゲート開閉装置の原動機はその多くが電動機である。電 4. 高調波診断 動機の主たる劣化要因は、絶縁劣化と軸受の摩耗といわれ て、振動、異常音、温度上昇、電流値、電圧値、絶縁抵抗等 写真- 2 は、江戸川水門 3 号ゲート開閉装置のサイクロ ぼ毎日開閉操作を実施する常用系河川用ゲート設備の事例 であり、設置後 41 年を経過し、軸受等内部機器の摩耗等の 劣化が懸念されていた。 採取した 3 は、江戸川水門 号ゲート減速機の潤滑油の定量フェログラフィ ゲート設備開閉装置の老朽化診断技術と適用例 写真-2 3 号ゲート開閉装置のサイクロ減 の劣化が懸念されていた。 分析結果は、以下のとおり D l ≧D s であり、機械設備としては 速機潤滑油の採取事例で、江戸川閘門同様、年間を通じほ 採取した3号ゲート減速機の潤滑油の定量フェログラフィ 写真-2 は、江戸川水門 3 号ゲート開閉装置のサイクロ減 正常 に稼働していることが分かったものの、全体の摩耗 粒子 ぼ毎日開閉操作を実施する常用系河川用ゲート設備の事例 分析結果は、以下のとおり Dl ≧ Ds であり、機械設備とし 速機潤滑油の採取事例で、江戸川閘門同様、年間を通じほ であり、設置後 41 年を経過し、軸受等内部機器の摩耗等の 量としては異常(高濃度)であるとの結果であった。 ては正常に稼働していることが分かったものの、全体の摩 ぼ毎日開閉操作を実施する常用系河川用ゲート設備の事例 劣化が懸念されていた。 耗粒子量としては異常(高濃度)であるとの結果であった。 5μm 以上の摩耗粒子量(D 52.10/ml l) : であり、設置後 41 年を経過し、軸受等内部機器の摩耗等の 採取した 3 号ゲート減速機の潤滑油の定量フェログラフィ : 52.10/ml 5µm 以上の摩耗粒子量(Dl) 劣化が懸念されていた。 : s42.20/ml 1~2μm の摩耗粒子量(D sD)l ≧D であり、機械設備としては 分析結果は、以下のとおり : 42.20/ml 1 ~ 2µm の摩耗粒子量(Ds) 採取した 3 号ゲート減速機の潤滑油の定量フェログラフィ 正常 に稼働していることが分かったものの、全体の摩耗 粒子 さらに同潤滑油の定性フェログラフィ分析結果事例を以下 さらに同潤滑油の定性フェログラフィ分析結果事例を以 分析結果は、以下のとおり D l ≧D s であり、機械設備としては 量としては異常(高濃度)であるとの結果であった。 に示す(写真-3)。粒子形状はほとんど正常ラビング粒子で 下に示す(写真- 3) 。粒子形状はほとんど正常ラビング粒 正常 に稼働していることが分かったものの、全体の摩耗 粒子 5μm 以上の摩耗粒子量(D 52.10/ml l) : 子であり、正常な摩耗状態であることが分かった。 あり、正常な摩耗状態であることが分かった。 量としては異常(高濃度)であるとの結果であった。 1~2μm の摩耗粒子量(D s ) : 42.20/ml 5μm 以上の摩耗粒子量(D l ) : 52.10/ml さらに同潤滑油の定性フェログラフィ分析結果事例を以下 1~2μm の摩耗粒子量(D ) : 42.20/ml s に示す(写真-3)。粒子形状はほとんど正常ラビング粒子で さらに同潤滑油の定性フェログラフィ分析結果事例を以下 あり、正常な摩耗状態であることが分かった。 に示す(写真-3)。粒子形状はほとんど正常ラビング粒子で あり、正常な摩耗状態であることが分かった。 8) ており、従来、電動機の健全度を把握する定期点検項目と (1) 概要 の測定が実施されてきた。 4. 高調波診断 して、振動、異常音、温度上昇、電流値、電圧値、絶縁抵 近 年 、新 しい診 断 技 術 として高 調 波 診 断 が注 目 されてい ゲート開閉装置の原動機はその多くが電動機である。電動 8) (1) 概要 。化 と軸 受 の摩 耗 といわれて 抗等の測定が実施されてきた 機る。高調波とは、基本周波数の整数倍の周波数のことをいい の主 たる劣 化 要 因 は、絶 縁 劣 ゲート開閉装置の原動機はその多くが電動機である。電動 近年、新しい診断技術として高調波診断が注目されてい おり、従 来 、電 動 機 の健 全 度 を把 握 する定 期 点 検 項 目 とし 規則性を有する。設備機器が劣化や異常を起こすと、熱・音・ 機 の主 たる劣 化 要 因 は、絶 縁 劣 化 と軸 受 の摩 耗 といわれて る。高調波とは、基本周波数の整数倍の周波数のことをい て、振動、異常音、温度上昇、電流値、電圧値、絶縁抵抗等 振動が発生すると同時に電流に高調波が発生することが知ら おり、従 来 、電 動 機 の健 全 8) 度 を把 握 する定 期 点 検 項 目 とし の測定が実施されてきた。 い規則性を有する。設備機器が劣化や異常を起こすと、熱・ れている。その高調波を計測・数値化し分析して設備の異常 て、振動、異常音、温度上昇、電流値、電圧値、絶縁抵抗等 近 年 、新 しい診 断 技 術 として高 調 波 診 断 が注 目 されてい 音・振動が発生すると同時に電流に高調波が発生すること を検 知 するのが高 調 波 8) 診 断 であり、過 去 の実 績 を蓄 積 し分 の測定が実施されてきた。 る。高調波とは、基本周波数の整数倍の周波数のことをいい が知られている。その高調波を計測・数値化し分析して設 析・検証することから確立された経験的な診断技術である。 近 年 、新 しい診 断 技 術 として高 調 波 診 断 が注 目 されてい 規則性を有する。設備機器が劣化や異常を起こすと、熱・音・ 備の異常を検知するのが高調波診断であり、過去の実績を 電 動 機 の場 合 、電 気 的 な要因 として、巻 線絶 縁 の劣 化 や る。高調波とは、基本周波数の整数倍の周波数のことをいい 振動が発生すると同時に電流に高調波が発生することが知ら 蓄積し分析・検証することから確立された経験的な診断技 規則性を有する。設備機器が劣化や異常を起こすと、熱・音・ 巻 線 の部 分 加 熱 の発 生 は、巻 線 電 流 によって生 じる漏 れ磁 れている。その高調波を計測・数値化し分析して設備の異常 術である。 振動が発生すると同時に電流に高調波が発生することが知ら 束の分布波形に歪を生じさせる。その結果、電流に高調波が を検 知 するのが高 調 波 診 断 であり、過 去 の実 績 を蓄 積 し分 電動機の場合、電気的な要因として、巻線絶縁の劣化や れている。その高調波を計測・数値化し分析して設備の異常 含まれる。また軸受摩耗の様な機械的要因による場合、モー 析・検証することから確立された経験的な診断技術である。 巻線の部分加熱の発生は、巻線電流によって生じる漏れ磁 を検 調波 であり、過 去 の実 績縁 を蓄 積化 し分 電知 動するのが高 機 の場 合 、電 気診 的断 な要因 として、巻 線絶 の劣 や タ定常状態で発生している固有振動数が劣化により変化し、 束の分布波形に歪を生じさせる。その結果、電流に高調波 析・検証することから確立された経験的な診断技術である。 巻変化した振動数が機械的に共振する。その結果、やはり電流 線 の部 分 加 熱 の発 生 は、巻 線 電 流 によって生 じる漏 れ磁 が含まれる。また軸受摩耗の様な機械的要因による場合、 電 動 機 の場 合 、電 気 的 な要因 として、巻 線絶 縁 の劣 化 や 束の分布波形に歪を生じさせる。その結果、電流に高調波が に高 調 波 が含 まれる。これら電 動 機 電 流 の高 調 波 の成 分 を モータ定常状態で発生している固有振動数が劣化により変 巻 線 の部 分 加 熱 の発 生 は、巻 線 電 流 によって生 じる漏 れ磁 含まれる。また軸受摩耗の様な機械的要因による場合、モー 調べることによって異常・劣化状態を診断・分析する。 9),10) 化し、変化した振動数が機械的に共振する。その結果、や 束の分布波形に歪を生じさせる。その結果、電流に高調波が タ定常状態で発生している固有振動数が劣化により変化し、 はり電流に高調波が含まれる。これら電動機電流の高調波 含まれる。また軸受摩耗の様な機械的要因による場合、モー 変化した振動数が機械的に共振する。その結果、やはり電流 (2) 測定・評価方法 の成分を調べることによって異常・劣化状態を診断・分析 タ定常状態で発生している固有振動数が劣化により変化し、 に高 調 波 が含 まれる。これら電 動 機 電 流 の高 調 波 の成 分 を 9) , 10) する 変化した振動数が機械的に共振する。その結果、やはり電流 9),10) 高 調。波 診 断 は、専 用 の診 断 器 により実 施 する。電 動機運 調べることによって異常・劣化状態を診断・分析する。 に高 調 波 が含 まれる。これら電 動 機 電 流 の高 調 波 の成 分 を 転時に、診断器センサを機側操作盤内の電動機電源ケーブ (2) 測定 ・ 評価方法 9),10) 調べることによって異常・劣化状態を診断・分析する。 (2) 測定・評価方法 ルに近接させることにより高 調波を測定することから、非接触 高調波診断は、専用の診断器により実施する。電動機運 高 調 波 診 断 は、専 用 の診 断 器 により実 施 する。電動 機 運 方式であり安全かつ簡易に実施することができる。 (2) 測定・評価方法 転時に、診断器センサを機側操作盤内の電動機電源ケーブ 転時に、診断器センサを機側操作盤内の電動機電源ケーブ 詳細調査は、専門の検査機関に診断を依頼することになる ルに近接させることにより高調波を測定することから、非 高 調 波 診 断 は、専 用 の診 断 器 により実 施 する。電動 機 運 ルに近接させることにより高調波を測定することから、非接触 が、上記の通り比較的簡易に実施することが可能なことから、 写真-3 定性フェログラフィ分析結果事例 写真- 3 定性フェログラフィ分析結果事例 (①が正常ラビング粒子) (①が正常ラビング粒子) 写真-3 定性フェログラフィ分析結果事例 上記の定量および定性フェログラフィ分析結果を総括す 上記の定量および定性フェログラフィ分析結果を総括する (①が正常ラビング粒子) ると、摩耗粒子は正常な摩耗状態を示しているが、摩耗粒 写真-3 定性フェログラフィ分析結果事例 と、摩耗粒子は正常な摩耗状態を示しているが、摩耗粒子濃 子濃度が高いため、機械の摩耗状態は「摩耗量での異常が (①が正常ラビング粒子) 度が高いため、機械の摩耗状態は「摩耗量での異常が考えら 上記の定量および定性フェログラフィ分析結果を総括する 転時に、診断器センサを機側操作盤内の電動機電源ケーブ 接触方式であり安全かつ簡易に実施することができる。 方式であり安全かつ簡易に実施することができる。 コスト的 にはそれほど高 いものにはならない。なお、稼働でき ルに近接させることにより高調波を測定することから、非接触 詳細調査は、専門の検査機関に診断を依頼することにな 詳細調査は、専門の検査機関に診断を依頼することになる ない(管理運転ができない)電動機は診断を行うことができな 方式であり安全かつ簡易に実施することができる。 るが、上記の通り比較的簡易に実施することが可能なこと が、上記の通り比較的簡易に実施することが可能なことから、 い。以下に診断器の事例を示す(写真-4)。 詳細調査は、専門の検査機関に診断を依頼することになる から、コスト的にはそれほど高いものにはならない。なお、 コスト的にはそれほど高いものにはならない。なお、稼働でき が、上記の通り比較的簡易に実施することが可能なことから、 ない(管理運転ができない)電動機は診断を行うことができな 稼働できない(管理運転ができない)電動機は診断を行う コスト的にはそれほど高いものにはならない。なお、稼働でき い。以下に診断器の事例を示す(写真-4)。 ことができない。以下に診断器の事例を示す(写真- 4) 。 ない(管理運転ができない)電動機は診断を行うことができな い。以下に診断器の事例を示す(写真-4)。 考えられる」という結果であった。 と、摩耗粒子は正常な摩耗状態を示しているが、摩耗粒子濃 れる」という結果であった。 上記の定量および定性フェログラフィ分析結果を総括する 上記江戸川水門 3 号ゲートと、1 号下段ゲートの減速機 と、摩耗粒子は正常な摩耗状態を示しているが、摩耗粒子濃 が同様の結果であったことから、当該ゲートの重要性と今 れる」という結果であった。 度が高いため、機械の摩耗状態は「摩耗量での異常が考えら 上記江戸川水門 3 号ゲートと、1 号下段ゲートの減速機が 同 様 の結 果 であったことから、当 該 ゲートの重 要 性 と今 後 の 度が高いため、機械の摩耗状態は「摩耗量での異常が考えら 後の供用期間を考慮し、当該のサイクロ減速機を取り替え 上記江戸川水門 3 号ゲートと、1 号下段ゲートの減速機が れる」という結果であった。 ることとした。他号機の減速機については、分析結果が良 同 様 の結 果 であったことから、当 該 ゲートの重 要 性 と今 後 の 供用期間を考慮し、当該のサイクロ減速機を取り替えることと した。他号機の減速機については、分析結果が良好であった 上記江戸川水門 3 号ゲートと、1 号下段ゲートの減速機が 供用期間を考慮し、当該のサイクロ減速機を取り替えることと 好であったことから継続使用とした。 ことから継続使用とした。 同 様 の結 果 であったことから、当 該 ゲートの重 要 性 と今 後 の した。他号機の減速機については、分析結果が良好であった ただし、他号機の減速機も老朽化が懸念されていること ただし、他号機の減速機も老朽化が懸念されていることか 供用期間を考慮し、当該のサイクロ減速機を取り替えることと ことから継続使用とした。 から、取替済の旧減速機は、他号機の減速機に何らかのト した。他号機の減速機については、分析結果が良好であった ら、取替済の旧減速機は、他号機の減速機に何らかのトラブ ただし、他号機の減速機も老 朽化が懸念されていることか ラブルが発生した場合の応急的な対応に供することを目的 ことから継続使用とした。 ルが発生した場合の応急的な対応に供することを目的に、予 ら、取替済の旧減速機は、他号機の減速機に何らかのトラブ に、予備品として保管管理することとした。 ただし、他号機の減速機も老 朽化が懸念されていることか ルが発生した場合の応急的な対応に供することを目的に、予 備品として保管管理することとした。 20 ら、取替済の旧減速機は、他号機の減速機に何らかのトラブ 備品として保管管理することとした。 ルが発生した場合の応急的な対応に供することを目的に、予 4 備品として保管管理することとした。 4 写真-4 高調波診断 診断器例と診断状況 10) (エイテック株式会社カタログ参照) 10) 写真-4 高調波診断 診断器例と診断状況 (エイテック株式会社カタログ参照) 10) 10) 高調波診断 診断器例と診断状況 高写真-4 調 波 診4 高調波診断 診断器例と診断状況 断 の判 定 は、正 常 時 の高 調 波 パターンと異 常・ 写真- (エイテック株式会社カタログ参照) 劣化時の高調波パターンを比較するパターンマッチング(パタ 高調波診断 の判 定 は、正 常 時 の高 調 波 パターンと異 常 ・ (エイテック株式会社カタログ参照) 劣化時の高調波パターンを比較するパターンマッチング(パタ ーン認識)手法により、不平衡率を算出し判定する。 高 調 波 診 断 の判 定 は、正 常 時 の高 調 波 パターンと異 常 ・ ーン認識)手法により、不平衡率を算出し判定する。 劣化時の高調波パターンを比較するパターンマッチング(パタ ーン認識)手法により、不平衡率を算出し判定する。 こうえいフォーラム第 21 号 / 2013.3 高調波診断の判定は、正常時の高調波パターンと異常・ 劣化時の高調波パターンを比較するパターンマッチング(パ 判 定 値 区 分 の一 例を以下に示す(表-5)。異常・劣化判 ターン認識)手法により、不平衡率を算出し判定する。 定は、上記 5 段階の他、異常・劣化度合いを数値化した定量 判定値区分の一例を以下に示す(表- 5) 。異常・劣化判 値も出力される。劣化の程度が分かることから、定期的に実施 定は、上記 5 段階の他、異常・劣化度合いを数値化した定 5. 開放歯車診断 こうえいフォーラム第 21 号/ 2012.12 5.(1)概要 開放歯車診断 (1)開放歯車の健全度評価としては、一般的に定期点検時に 概要 することにより傾向管理、予防保全が可能となる。 量値も出力される。劣化の程度が分かることから、定期的 歯当り・バックラッシの測定により確認している。バック 開放歯車の健全度評価としては、一般的に定期点検時に ラッシとは噛み合う歯車の歯と歯の間の隙間(遊び)のこ 歯当り・バックラッシの測定により確認している。バックラッシと に実施することにより傾向管理、予防保全が可能となる。 表-5 高調波診断 判定値区分(負荷影響度の例)9),10) とである。歯当り・バックラッシが基準値以内であるならば、 は噛み合う歯車の歯と歯の間の隙間(遊び)のことである。歯 判定 9),10) 判定内容 不平衡率 表- レベル 5 高調波診断 判定値区分 (負荷影響度の例) 判定 正常 A 判定内容 レベル 軽度な劣化(約 1 年は運転に支障 A 正常 B1 なし) 軽度な劣化(約 1 年は運転に支 B1 障なし) 中度な劣化(約 6 カ月は運転に支 B2 障はないが、傾向管理が必要) 中度な劣化(約 6 カ月は運転に B2 支障はないが、傾向管理が必要) 重度な劣化(約 3 カ月の運転は可 重度な劣化(約 3 カ月の運転は 能だが、部品交換や修理の準備が B3 B3 可能だが、部品交換や修理の準 必要) 備が必要) C C 40%以下 不平衡率 40% 以下 40~60% 40~60% 60~80% 60~80% 80~90% 80~90% 90%以上 90% 以上 不良 (3)実施例 (3) 実施例 実際に高調波診断を、江戸川閘門(上・下流 門)の開 実際に高調波診断を、江戸川閘門(上・下流 22門)の開閉 装置の電動機において実施した事例を以下に示す。 閉装置の電動機において実施した事例を以下に示す。 当該の歯車は健全であると判断されるが、設備が老朽化し、 当り・バックラッシが基準値以内であるならば、当該の歯車は 健全であると判断されるが、設備が老朽化し、歯当り・バックラ 歯当り・バックラッシに異常値が検知された場合の詳細な ッシに異常値が検知された場合の詳細な診断技術について 診断技術については、ゲート設備においてはこれまであま は、ゲート設備においてはこれまであまり議論されていない。 り議論されていない。 バックラッシが増大するということは、摩耗により歯が薄くな バックラッシが増大するということは、摩耗により歯が っている可能性もしくは歯車軸芯の摩耗・ずれ発生等の可能 薄くなっている可能性もしくは歯車軸芯の摩耗・ずれ発生 性が考えられる。よって、歯の摩耗量を評価することにより、軸 等の可能性が考えられる。よって、歯の摩耗量を評価する 芯の摩耗・ずれの発生有無についても評価することが可能と ことにより、軸芯の摩耗・ずれの発生有無についても評価 なり、対策を検討することが可能となる。 することが可能となり、対策を検討することが可能となる。 現行の点検要領であるゲート点検・整備要領(案)(社団法 現行の点検要領であるゲート点検・整備要領(案) (社 人ダム・堰施設技術協会 H17.01)p676 においても、歯面の 団法人ダム・堰施設技術協会 H17.01)p676 においても、 損傷・摩耗は強度不足および、さらなる損傷につながる恐 れ 歯面の損傷・摩耗は強度不足および、さらなる損傷につな があり、摩 耗 量を測 定 のうえ、摩 耗 量 が許 容範 囲 内 であるこ がる恐れがあり、摩耗量を測定のうえ、摩耗量が許容範囲 と、かつ強度照査により必要な剛性が確保されていることを確 内であること、かつ強度照査により必要な剛性が確保され 認する必要があるとされている。 ていることを確認する必要があるとされている。 よって、実 際 に開 放 歯 車 の歯 厚 を測 定 し、摩 耗 量 の評 価 よって、実際に開放歯車の歯厚を測定し、摩耗量の評価 および曲げ強度の照査を実施することにより歯車の診断が可 および曲げ強度の照査を実施することにより歯車の診断が 能となる。 可能となる。 写真-55 高調波診断状況 高調波診断状況 写真- (2) 評価方法 11),12),13),14),15),16) (2)評価方法11),12),13),14),15),16) 1) 摩耗量の評価 1) 摩耗量の評価 摩 耗 量 の評 価 は、歯 車 のピッチ円 歯 厚 を測 定 し、製 作 時 摩耗量の評価は、歯車のピッチ円歯厚を測定し、製作時 の歯 厚 と比 較 する。上 記 ゲート点 検 ・整 備 要 領 (案 ) によれ の歯厚と比較する。上記ゲート点検・整備要領(案)によ ば、歯車の摩耗量の許容値は以下の通りである。 れば、歯車の摩耗量の許容値は以下の通りである。 【歯厚摩耗量の許容値】 製作時歯厚の 5%以内 11) 【歯厚摩耗量の許容値】 製作時歯厚の 5% 以内 11) ここで、一般的にゲート開閉装置の場合、開放歯車製作 ここで、一般的にゲート開閉装置の場合、開放歯車製作時 写真-5 は、江戸川閘門上流扉の主電動機(三相誘導電 写真- 5 は、江戸川閘門上流扉の主電動機(三相誘導電 動機 37kW)の事例であり、同電動機は設置後(更新後) 37kW)の事例であり、同電動機は設置後(更新後)31 年を経過し経年劣化が懸念されていた。一方、下流扉は 7年 31 年を経過し経年劣化が懸念されていた。一方、下流扉は 前に主電動機を更新している。 7 年前に主電動機を更新している。 高調波診断の結果、新・旧電動機(上・下流扉)は以下に 高調波診断の結果、新・旧電動機(上・下流扉)は以下 示す同様の傾 向を示しており、当該構造物 の構造上 の特徴 に示す同様の傾向を示しており、当該構造物の構造上の特 と推 察 された。よって古 い電 動 機 が特 別 に劣 化 しているとは 徴と推察された。よって古い電動機が特別に劣化している 考えられず、正常(継続使用可能)であると判断した。 とは考えられず、正常(継続使用可能)であると判断した。 電 動 機 負 荷 側の条 件 による「カップリング異常 、軸 ア ● 電動機負荷側の条件による「カップリング異常、軸ア ンバランス」に初期劣化レベル(B2)が検知されたが、 ンバランス」に初期劣化レベル(B2)が検知されたが、 電 動 機 の回 転 軸 、軸 受 の診 断 結 果 は正 常 (A)であ 電動機の回転軸、軸受の診断結果は正常(A)であり、 り、原因は軸のアライメント(芯振れ)によるもの、もしく 原因は軸のアライメント(芯振れ)によるもの、もし はゲート扉体が開閉時に水中~気中~水中へと移動 くはゲート扉体が開閉時に水中~気中~水中へと移動 することにより負 荷 状 態 が大 きく変 動 することが原 因 することにより負荷状態が大きく変動することが原因 (構造上の要因)と推測された。 (構造上の要因)と推測された。 時の歯形図面は提出されない(完成図書には含まれていな の歯形図面は提出されない(完成図書には含まれていない) い)ことから、いかに製作当時の歯形(歯厚)を想定する ことから、いかに製作当時の歯形(歯厚)を想定するかが大き な課題となる。 かが大きな課題となる。 曲げ強度の評価 2)2)曲げ強度の評価 歯車の曲げ強度については、ゲート用開閉装置(機械式) 歯車の曲げ強度については、ゲート用開閉装置(機械式) 設計要領 (社団法人ダム ・堰施設技術協会 H22.08) に、 設 計 要 領(案) (案 )(社 団 法 人 ダム・堰 施 設 技 術 協 会 H22.08) に、以下の強度計算式が示されている。 以下の強度計算式が示されている。 【平歯車の曲げ強度計算式】 12) 【平歯車の曲げ強度計算式】 12) P1 = ・b・m・y P1 = fv・σ fv・σb・b・m・y b ここに、P1 ここに、 P1 fvfv 歯の曲げ強度(N) :: 歯の曲げ強度(N) : 速度係数 : 速度係数 許容曲げ応力度(N/mm22)) σbb :: 許容曲げ応力度(N/mm σ 歯幅(mm) b b :: 歯幅(mm) モジュール(mm) mm :: モジュール(mm) yy :: 歯形係数 歯形係数 21 5 ゲート設備開閉装置の老朽化診断技術と適用例 ゲート設備開閉装置の老朽化診断技術と適用例 ゲート設備開閉装置の老朽化診断技術と適用例 ここで、上式には「歯厚」そのものが含まれておらず、 ここで、上 式 には「歯 厚」そのものが含まれておらす、歯厚 ゲート設備開閉装置の老朽化診断技術と適用例 を測歯厚を測定してもそのまま歯の強度照査が可能となる訳で 定 し ても そのま ま 歯 の強 度 照 査 が可 能 となる訳 で はな ここで、上 式には「歯 厚 」そのものが含 まれておらす、歯厚 はない。歯厚の要素は上式のうち「y:歯形係数」に加味さ い。歯 厚 の要素 は上 式のうち「y:歯形係数」に加味されてお 式 には「歯 厚 」そのものが含 まれておらす、歯厚 を測 定ここで、上 し ても そのま ま 歯 の強 度 照 査 が可 能 となる訳 で はな れており、歯厚が減少することにより歯形係数も変化する。 り、歯厚が減少することにより歯形係数も変化する。 を測 定 し ても そのま ま 歯 の強 度 照 査 が可」に加味 能 となるされてお 訳 で はな い。歯 厚の要素は上式のうち「y:歯形 係数 機械工学便覧によれば、平歯車の歯形係数 は以下によ 機械工学便覧によれば、平歯車の歯形係数 YYは以下によ い。歯 厚 の要素 は上 式のうち「y:歯形 係数 」に加味 されてお り、歯厚が減少することにより歯形係数も変化する。 り求めることが可能である(Y と上式yとは逆数の関係に り求めることが可能である(Y と上式yとは逆数の関係にある)。 り、歯厚が減少することにより歯形係数も変化する。 機械工学便覧によれば、平歯車の歯形係数 Y は以下によ ある) 。 機械工学便覧によれば、平歯車の歯形係数 Y は以下によ り求めることが可能である(Y と上式yとは逆数の関係にある)。 Y = 6・m・l/S F 2 2 F Y = 6・m・l / S り求めることが可能である(Y と上式yとは逆数の関係にある)。 ここに、 SF : 危険断面歯厚(mm) 2 F : F危険断面歯厚(mm) Y ここに、S = 6・m・l/S Y l = 6・m・l/S F2 : 荷重作用線までの距離(mm) 荷重作用線までの距離(mm) ここに、 S Fl :: 危険断面歯厚(mm) ここに、 S F l l : : 危険断面歯厚(mm) : 荷重作用線までの距離(mm) 歯形キャリパーを使用する際は、あらかじめ測定位置が 歯形キャリパーを使用する際は、あらかじめ測定位置が歯 歯先から何 の位置であるかを算出しておく必要がある。 先から何 mmmm の位置であるかを算出しておく必要がある。そ 歯形キャリパーを使用する際は、あらかじめ測定位置が歯 そのためあらかじめ製作時の歯形想定がやはり必要となる。 のためあらかじめ製作時の歯形想定がやはり必要となる。 歯形キャリパーを使用する際は、あらかじめ測定位置が歯 先から何 mm の位置であるかを算出しておく必要がある。そ 歯形キャリパーの例を以下に示す(写真- 6) 。 歯形キャリパーの例を以下に示す(写真-6)。 先から何 mm の位置であるかを算出しておく必要がある。そ のためあらかじめ製作時の歯形想定がやはり必要となる。 のためあらかじめ製作時の歯形想定がやはり必要となる。 歯形キャリパーの例を以下に示す(写真-6)。 歯形キャリパーの例を以下に示す(写真-6)。 荷重作用線までの距離(mm) 写真-6 歯形キャリパー(歯厚を測る測定器具)例 写真- 6 歯形キャリパー (歯厚を測る測定器具) 例 写真-6 歯形キャリパー(歯厚を測る測定器具)例 写真-6 歯形キャリパー(歯厚を測る測定器具)例 (4) 実施例 13) 図-3 図-平歯車の歯形係数を求める方法 3 平歯車の歯形係数を求める方法 13) (4)実施例 実際に、江戸川水門(3 号・5 号下段ゲート)の開閉装置の (4) 実施例 (4) 実施例 開放歯車で実施した診断事例を以下に示す。 実際に、江戸川水門(3 号・5 号下段ゲート)の開閉装置 実際に、江戸川水門(3 号・5 実際に、江戸川水門(3 号・5号下段ゲート)の開閉装置の 号下段ゲート)の開閉装置の 開放歯車で実施した診断事例を以下に示す。 の開放歯車で実施した診断事例を以下に示す。 開放歯車で実施した診断事例を以下に示す。 13) 図-3 平歯車の歯形係数を求める方法13) 図-3 平歯車の歯形係数を求める方法 図- 3 の危険断面歯厚 が実測値となり、作用線まで 図-3 の危険断面歯厚 SFSF が実測値となり、作用線までの の距離 l(エル)は作図から求めることにより得られる数値 図-3 の危険断面歯厚 SF が実測値となり、作用線までの 距離 l(エル)は作図から求めることにより得られる数値である。 図-3 の危険断面歯厚 S F が実測値となり、作用線までの 距離 l(エル)は作図から求めることにより得られる数値である。 である。 よって平 歯 車 の曲 げ強 度 評 価 は、現 地 調査 により実 際 の 距離 l(エル)は作図から求めることにより得られる数値である。 よって平 歯 車 の曲 げ強 度 評 価 は、現 地 調 査 により実 際の よって平歯車の曲げ強度評価は、現地調査により実際の 危険断面歯厚を測定し、かつ当該歯車の歯形図(CAD 図) よって平 歯 車の曲 げ強 度 評 価 は、現 地 調 査 により実 際の 危険断面歯厚を測定し、かつ当該歯車の歯形図(CAD 図) 危険断面歯厚を測定し、かつ当該歯車の歯形図(CAD 図) を描くことによって可能となる。 危険断面歯厚を測定し、かつ当該歯車の歯形図(CAD 図) を描くことによって可能となる。 を描くことによって可能となる。 しかしながら、摩 耗 量 の評 価 同 様 、開 放 歯 車 製 作 時 の歯 を描くことによって可能となる。 しかしながら、摩 耗 量 の評 価 同 様 、開 放 歯 車 製 作 時 の歯 しかしながら、摩耗量の評価同様、開放歯車製作時の歯 形 が不 明 で あ るこ とか ら量、の評 い か に製 作、開 当時 の歯 形 し しかしながら、摩 様 製を想 作を想 時定 の歯 形 が不 明 で あ る耗 こ とか ら 、価 い同 か に製 作放 当歯 時車 の歯 形 定し 形が不明であることから、いかに製作当時の歯形を想定し CAD 図として作成するかが大きな課題となる。 形 が不 明 図として作成するかが大きな課題となる。 で あ る こ とか ら 、 い か に製 作 当 時 の歯 形 を想 定 し CAD CAD 図として作成するかが大きな課題となる。 CAD 図として作成するかが大きな課題となる。 (3) 測定・評価方法 (3) 測定・評価方法 (3)測定 ・ 評価方法 実際の平歯車の歯厚測定は、図-4 の通り、摩耗量につい (3) 測定・評価方法 実際の平歯車の歯厚測定は、図-4 の通り、摩耗量につい 実際の平歯車の歯厚測定は、図- 4 の通り、摩耗量につ てはピッチ円歯厚を測定し、曲げ強度を評価するためには危 てはピッチ円歯厚を測定し、曲げ強度を評価するためには危 実際の平歯車の歯厚測定は、図-4 の通り、摩耗量につい いてはピッチ円歯厚を測定し、曲げ強度を評価するために 険断面歯厚を測定する。歯厚測定は専用の測定機器である 険断面歯厚を測定する。歯厚測定は専用の測定機器である てはピッチ円歯厚を測定し、曲げ強度を評価するためには危 は危険断面歯厚を測定する。歯厚測定は専用の測定機器で 歯形キャリパーによる。 歯形キャリパーによる。 険断面歯厚を測定する。歯厚測定は専用の測定機器である ある歯形キャリパーによる。 歯形キャリパーによる。 ピッチ円歯厚 ピッチ円歯厚 ピッチ円歯厚 危険断面歯厚 危険断面歯厚 図-4 歯厚測定位置 危険断面歯厚 図-4 歯厚測定位置 13) 13) 図-4 歯厚測定位置 13) 図- 4 歯厚測定位置 13) 226 6 6 写真-7 開放歯車(平歯車) 歯厚測定状況 写真-77 開放歯車 開放歯車(平歯車) 歯厚測定状況 写真- (平歯車) 歯厚測定状況 写真-7 開放歯車(平歯車) 歯厚測定状況 写真-7 写真-7は、江戸川水門(5 は、江戸川水門(5 号下段ゲート)の診断事例であ 号下段ゲート)の診断事例であ 写真- 7 は、江戸川水門(5 号下段ゲート)の診断事例 り、設置後 41 年を経過し、開放歯車のバックラッシが増大し り、設置後 41 年を経過し、開放歯車のバックラッシが増大し 写真-7 は、江戸川水門(5 号下段ゲート)の診断事例であ であり、設置後 41 年を経過し、開放歯車のバックラッシが 異常値として検出されていた。かつ直近 10 年間の進行は確 年間の進行は確 異常値として検出されていた。かつ直近 10 り、設置後 41 年を経過し、開放歯車のバックラッシが増大し 増大し異常値として検出されていた。かつ直近 10 年間の進 認されていないものの歯車歯面に傷(油切れによるスコーリン 認されていないものの歯車歯面に傷(油切れによるスコーリン 異常値として検出されていた。かつ直近 10 年間の進行は確 行は確認されていないものの歯車歯面に傷(油切れによる グ)が観察 されており、開放歯 車の健全度を詳細に調 査査 ・評 グ)が観 察 されており、開 放 歯 車 の健 全 度 を詳 細 に調 ・評 認されていないものの歯車歯面に傷(油切れによるスコーリン スコーリング)が観察されており、開放歯車の健全度を詳 価する必要があった。 価する必要があった。 グ)が観察 されており、開放歯 車の健全度を詳細 に調 査 ・評 細に調査・評価する必要があった。 診断における最大の課題 は、製作時 いこと 診 断 における最 大 の課 題 は、製 作 時の歯 の歯形図が無 形 図 が無 いこと 価する必要があった。 診断における最大の課題は、製作時の歯形図が無いこと であったが、暫定的に標準平歯車を想定して噛合い図(CAD であったが、暫定的に標準平歯車を想定して噛合い図(CAD 診断における最大の課題 は、製作時 の歯 形図 が無 いこと であったが、 暫定的に標準平歯車を想定して噛合い図(CAD 図)を作成し、測定位置、想定される歯厚値を仮設定した。標 図)を作成し、測定位置、想定される歯厚値を仮設定した。標 であったが、暫定的に標準平歯車を想定して噛合い図(CAD 図)を作成し、測定位置、想定される歯厚値を仮設定した。 準歯車とは JIS B1701(ISO53)に定められている基準ラック 準歯車とは JIS B1701(ISO53)に定められている基準ラック 図)を作成し、測定位置、想定される歯厚値を仮設定した。標 の輪郭をラック形工具に与えて理想的 にころがり接 触 させて 標準歯車とはJIS B1701 (ISO53) に定められている基準ラッ の輪 郭 をラック形 具 に与 えて理 想 的 にころがり接 触 させて 準歯車とは JIS 工 B1701(ISO53)に定められている基準ラック 得られる歯車であり、通常、転位係数が0の歯車をいう(転位 クの輪郭をラック形工具に与えて理想的にころがり接触さ 得られる歯車であり、通常、転位係数が0の歯車をいう(転位 の輪郭をラック形工具に与えて理想的 にころがり接 触 させて 13),17) 係数とは歯車の転位の大きさを表す)。 せて得られる歯車であり、通常、転位係数が0の歯車をい 13),17) 係数とは歯車の転位の大きさを表す)。 得られる歯車であり、通常、転位係数が0の歯車をいう(転位 13) , 17) 図-5 に噛合い図(CAD 図)の作成事例を示す。 。 う(転位係数とは歯車の転位の大きさを表す) 13),17) 図-5 に噛合い図(CAD 図)の作成事例を示す。 係数とは歯車の転位の大きさを表す)。 図- 5 に噛合い図(CAD 図)の作成事例を示す。 図-5 に噛合い図(CAD 図)の作成事例を示す。 こうえいフォーラム第 21 号 / 2013.3 こうえいフォーラム第 21 号/ 2012.12 図- 5 開放歯車 噛合い図作成事例 図-5 開放歯車 噛合い図作成事例 歯厚測定は、江戸川水門 3 号ゲート、5 号上段・下段ゲー 実測の結果、5 号上段ゲート等、一部の平歯車(ピニオ トの 6 平歯車(ドラムギヤ・ドラムピニオン× 3 セット) 歯厚測定は、江戸川水門 3 号ゲート、5 号上段・下段ゲー において実施し、各歯車とも 4 歯(上・下・左・ 右×各 1 歯) 、 トの 6 平歯車(ドラムギヤ・ドラムピニオン×3 セット)において 1 歯につき 6 点(ピッチ円・危険断面×左・右・真中) 、計 実施し、各歯車とも 4 歯(上・下・左・右×各 1 歯)、1 歯につき 点について実施した。 6144 点(ピッチ円・危険断面×左・右・真中)、計 144 点について ンギヤ)の歯厚が想定した設計値よりも厚く、標準歯車で 実測の結果、5 号上段ゲート等、一部の平歯車(ピニオン はなく転位歯車(プラス転位)である可能性が考えられた。 ギヤ)の歯厚が想定した設計値よりも厚く、標準歯車ではなく 転位歯車とは、歯車間の中心距離を変化させたり、歯の強 転位歯車(プラス転位)である可能性が考えられた。転位歯車 度を上げるため、標準歯車とは異なる歯厚の歯車をいう。 とは、歯 車間 の中 心距離 を変化させたり、歯の強度 を上げる また参考値として、同ゲートの 6 かさ歯車(大歯車・小 実施した。 一例として、歯数比の大きい一組の歯車の場合、早く摩耗 ため、標準歯車とは異なる歯厚の歯車をいう。一例として、歯 歯車× 3 セット)についても、各歯車 4 歯(上・下・左・ また参考値として、同ゲートの 6 かさ歯車(大歯車・小歯車 数しやすい小歯車をプラス転位して歯厚を厚くすることがあ 比 の大 きい一 組 の歯 車 の場 合 、早 く摩耗 しやすい小歯車 ×3 セット)についても、各歯車 4 歯(上・下・左・右×各 1(写 歯) 右×各 1 歯) のピッチ円歯厚のみ 24 点の測定を実施した をプラス転位して歯厚を厚くすることがある。 る。 のピッチ円歯厚のみ 24 点の測定を実施した(写真-8)。 真- 8) 。 上 記 より、可 能 性 のある転 位 係 数 を実 測 歯 厚 より推察し、 上記より、可能性のある転位係数を実測歯厚より推察し、 最最も計測データとの差異が少ない転位係数を想定して設計 も計 測 データとの差 異 が少 ない転 位 係 数 を想 定 して設 計 歯形とした。ただし、想定に次ぐ想定でありデータは参考値扱 歯形とした。ただし、想定に次ぐ想定でありデータは参考 いとした。 値扱いとした。 写真-8 開放歯車(かさ歯車) 歯厚測定状況 写真- 8 開放歯車 (かさ歯車) 歯厚測定状況 また、かさ歯車については作図そのものが難しいことから、 また、かさ歯車については作図そのものが難しいことか 相当平歯車(標準歯車)に歯数換算し、平歯車として噛合い ら、相当平歯車(標準歯車)に歯数換算し、平歯車として 図を作図し設計値を想定した。 噛合い図を作図し設計値を想定した。 歯厚測定の結果、歯の摩耗量は最大でも平歯車 3.8%、か 歯厚測定の結果、歯の摩耗量は最大でも平歯車 3.8%、か さ歯車 3.6%であり、測定した全歯厚とも許容値である製作時 さ歯車 3.6% であり、測定した全歯厚とも許容値である製 歯厚の 5%以内となっており、いずれのゲートも歯車の異常摩 作時歯厚の 5% 以内となっており、いずれのゲートも歯車 耗は発生していないと判断された。 の異常摩耗は発生していないと判断された。 歯の曲げ強度評価についても、計測したすべての平歯車・ 歯の曲げ強度評価についても、計測したすべての平歯車・ かさ歯車 において発生 応 力は許 容 応力 度内 におさまってお かさ歯車において発生応力は許容応力度内におさまってお り、歯車強度は確保されていると判断された。 り、歯車強度は確保されていると判断された。 23 7 ゲート設備開閉装置の老朽化診断技術と適用例 上記より、開放歯車のバックラッシが増加した原因とし としたものであるが、油圧シリンダ式等、他の開閉装 ては、歯車摩耗ではなく、軸・軸受の摩耗が考えられるが、 置形式や、同じワイヤロープウインチ式の主要機器の 現状、軸・軸受については振動・異音等が検知されていな 中でもブレーキ類やワイヤロープ自体の経年劣化につ いことから不具合とはなっておらず、あえて軸位置調整を いては、現状、これといった詳細診断方法が見当らない、 実施した場合の他への影響波及の可能性(より悪い状況に もしくはあっても高コストであり適用が難しい。今後 してしまう可能性)等も考えれば、現状のまま継続使用す の技術開発に期待したい。 ることが望ましいと判断された。 謝辞:本稿に記載した各診断の実施にあたり、国土交通省 6. 今後の課題等 関東地方整備局江戸川河川事務所関係各位より、種々の情 報提供を始め、多大なご指導・ご配慮を賜りました。また、 ゲート設備開閉装置の詳細な診断技術として、①電動機・ 開放歯車診断については、その手法を首藤祐司様(株式会 減速機の振動測定、②減速機の潤滑油分析(フェログラフィ 社 IHI インフラシステム)のご助言により、また歯車噛合 法) 、③電動機の高調波診断、④開放歯車診断とその適用例 い図作成は小原歯車工業株式会社様ホームページのご支援 を紹介した。ゲート設備の老朽化診断は、今後とも増加し と CAD オペレータの菅井麻里子様のご尽力により結果を ていくと考えられるが、開閉装置については、いまだ適用 得ることができました。この場を借りて厚く御礼申し上げ 事例も少なく、今後、詳細な研究や診断事例の収集、他ゲー ます。 トへの適用を増やしていくことにより、当該知識の深耕と ともに診断結果へのより深い考察が可能となるよう努めて 参考文献: いきたい。 1) リオン株式会社ホームページ 以下に各診断方法の現時点における課題等を述べる。 ● 振動測定は、従来から適用されている手法であり、開 閉装置(高速回転部)の劣化診断には有効な手法であ 3) 機械設備管理指針、独立行政法人水資源機構、2008 4) ジュンツウネット 21(JuntsuNet21)ホームページ 潤滑油分析は、分解整備ができない場合においても(あ http://www.jalos.or.jp/ 機等の内部状況を推察することが可能な手法であるが、 http://www.kawaju.co.jp/index.html 7) ジャパン・アナリスト株式会社ホームページ http://www.kyb.co.jp/analyst/ 可能性がある。維持管理状況、稼働状況をよく確認の 8) 坪島茂彦・中村修照:モータ技術百科、オーム社、1996 うえ、適用を検討する必要がある。 9) アルカディア・システムズ株式会社ホームページ 高調波診断は、電動機の劣化を診断可能な有効な手法 であると考えるが、振動測定同様、管理運転が可能で かつある程度の測定時間が確保可能な設備でなければ 適用が難しい。また、定期的に実施することにより予 知保全が可能となり、より効果的と考えられるが、そ の場合、定期的に測定コストが発生する。 開放歯車診断は、一般的に製作時歯形が不明であるこ http://www.arc-mec.com/main.cgi 10)電気設備機器診断器 KS シリーズカタログ、エイテック株式 会社、2008 11) ゲート点検・整備要領(案)、社団法人ダム・堰施設技術協会、 2005 12)ゲート用開閉装置(機械式)設計要領(案)、社団法人ダム・ 堰施設技術協会、2010 とから、何を根拠に製作当時の歯形を想定するか、い 13)機械工学便覧 基礎編・応用編、日本機械学会編、1990 かにそれを噛合い図(CAD 図)として作成するかが大 14)和栗明:歯車の設計と製作、社団法人日本機械学会、1956 きな課題である。想定要素が多いことから、最終的に 15)歯車技術資料、小原歯車工業株式会社、2010 参考データ扱いとなってしまう可能性も高いことから、 16)小原歯車工業株式会社ホームページ 事前に発注者との協議により、診断の精度、診断結果 の取扱いにつき確認しておく必要がある。 今回紹介した診断技術は、電動機、減速機、歯車といっ たワイヤロープウインチ式開閉装置の主要機器を対象 24 5) 社団法人潤滑油協会ホームページ 6) 川重テクノロジー株式会社ホームページ 極めて少ないゲートでは正しい評価結果が得られない ● http://www.juntsu.co.jp/index.php る年数を経過するとメーカも対応してくれない) 、減速 頻繁に潤滑油を取り替えているケースや、稼働頻度が ● ステム、2000 ると考えるが、堰やダムの洪水吐ゲートのように管理 い。 ● 2) 大島榮次監修:設備診断予知保全実用辞典、フジ・テクノシ 運転が物理的にできない設備や、小開度の運転しかで きず十分な測定時間を確保できない場合は適用が難し ● http://www.rion.co.jp/products/sound/sound01.html http://www.khkgears.co.jp/index.html 17)wed2CAD ソフトウエアホームページ用語集 http://product.web2cad.co.jp/index.html
© Copyright 2026 Paperzz