笹中だより 12号 [728KB pdfファイル]

横浜市立笹下中学校
平成27年度
第 12 号(2月号)
平成28年 2月 1日
笹中HP
http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/jhs/sasage/
失敗から学ぶ
副校長
新井
利秋
年が明け大寒を過ぎ、寒さの厳しい朝夕ですが、い
つの間にか2月に入りました。風邪やインフルエンザ
が流行する時期です。「うがい・手洗い」「早寝早起き
朝ご飯」で規則正しい生活習慣によりこの時期を乗り
切ってください。
3日は、節分です。節分が近くなると「春は名のみ
の風の寒さや 谷の鶯歌は思へど 時にあらずと声も
立てず」の「早春賦」の歌詞を思い出します。春とは
名ばかりの風の寒さに谷の鶯が鳴こうと思ったが未だ
その時ではないと声も出さないと、耐え偲んでいる様
《校舎脇の水仙》
子が目に浮かびます。3年生にとっては、今はまだ、力を蓄える時期、学問の積み重ね
をするときかもしれません。1・2年生も同様です。
4日は、立春、暦の上では、春です。ここから日差しが少しずつ長くなり力強くなり、
寒さの中にも春の訪れを感じさせてくれる頃です。「西風の賦(みつぎ)」の詩の一節に
「冬来たりなば春遠からじ」があります。めげてしまいそうな自分を振るい立たせます。
進路決定を控える3年生だけでなく、1・2年生にとっても「厳しく辛いことだけの連
続だけで無く、努力の後に、喜びや楽しさは必ずやってくる」と励まされる言葉です。
さて、昨年ラクビーワールドカップで活躍した五郎丸選手のインタビューが1月7日
に放映されました。このインタビューで五郎丸選手が強調していたのは、
「失敗から学ぶ」
でした。ワールドカップが終わって今思うことは、「この4年間、努力してよかった。失
敗して初めて気づくことが多かった。」と語られていました。五郎丸選手は、29歳でワ
ールドカップに初出場しましたが、2011年のワールドカップでは代表から外された
そうです。大学時代1年生からエースで、19歳で日本代表と順風満帆の人生でしたの
で、五郎丸選手にとっては、初めての大きな挫折を味わったそうです。当時のことを、
「も
ちろん当時も努力したが、今と比べると努力が足りなかった。出る権利がなかったな」
と振り返っていました。その後、キックの精度を高める訓練を続け、キック1つ1つの
映像を撮って自己採点しチェックする日々を送っていたそうです。それが今回のワール
ドカップにつながりました。「失敗しないと自分自身が得るものが少ない。成功ばかりし
ていてもだめ」「逆境は自分にとってのチャンスと思えばチャンスになる。考え方の問題
です」と答えていました。続いて、オーストラリアの「スーパーラクビー」に挑戦する
ことについての問いでは、「不安はありません。成功するのが楽しみではなく、失敗して
いろいろなことに気づくことが楽しみです。このまま日本でプレーし続ければ失敗もせ
ずに指摘もされない。失敗した先に何かがあると僕は思っている」と答えていました。
また、「自分を失敗させてくれて、自分を成長させてくれる現場」を求めて海外に行き、
日本のラクビーをもっと成長させたいという使命感が伝わってきました。
そのことから、本校の生徒たちには、今まで実施されたテストで間違えたところの復
習や部活で失敗したこの振り返りをしっかり行い、これから訪れる出来事にしっかりと
向き合い、失敗を恐れずに、失敗を力に変えて欲しいと願っています。
3年生にとっては、いよいよ受験本番。出願に出かける生徒の姿を見ていると、いよ
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いよこの時期を迎えたと私自身も身が引き締まる思いがします。2月は、授業をはじめ
学校生活を充実させ、受験は「自分を伸ばす機会」となります。また、1・2年生は、
「ま
だまだ受験でない」と思っている生徒もいますが、何事も「普段からの心がけ」を大切
にし、学校生活や日常生活での「梵事徹底」、当たり前の事を当たり前の事として行える
ことの積み重ねが、生徒の人となりを形づくっていくことになっていきます。保護者の
皆様、地域の皆様、笹中生の頑張りに応援宜しくお願いします。
キャリア教育・進路学習
本校ではキャリア教育・進路学習の一環として、1年生は職業講話、2年生は各種事
業所のご協力を得て、職業体験をさせていただいております。今年度は11月27日
(金)、本校に10事業所18名の方々をお迎えして職業講話を、1月21日(木)、52
事業所において職業体験をさせていただきました。生徒たちは、普段の学校生活とは違
った表情で体験に臨みました。どの事業所でも懇切丁寧に対応していただき、仕事に対
して深く学ぶことができました。事業所の皆様には、ご多用の中、わざわざ時間と労力
を割いてご指導いただき、改めて深く感謝申し上げます。お陰様で生徒たちにとって、
自分の将来の仕事について具体的に考えるきっかけになるとともに、豊かな職業観・勤
労観を学ぶ貴重な機会になりました。生徒たちの感想を幾つかご紹介いたします。
(紙面の都合で、すべての感想や事業所の写真が掲載できませんでした。)
【職業講話】
接骨院とそよかぜの家の人達の話を聞いて、人を助ける仕事につき
たいと思いました。自分にとって大切なことが何なのかよくわかりま
した。今回の内容をもう一度思い出し、将来にどうつながるか考えて
みようと思いました。(1組 島 蒼也)
職業講話でお話を聞いて、色々なことを知ることができました。ど
の仕事も大変な事はあるけれど、とてもやりがいを感じられると思い
ました。将来、自分の好きな事・やりたい事を仕事にできるかは分か
らないけれど、やりがいがある、喜んでくれる人がいる、そんな仕事
につけたらいいなと思いました。貴重な話が聞けてとてもためになり
ました。(1組 木間 杏)
IHIから学んだことは、IHIなどの大きな会社も身近なところ
で、橋を造ったりして、活躍していることです。国土交通省から学ん
だことは、同じ仕事でもたくさんの事務所があり、その場所によって
仕事が違うことです。(2組 上野 鼓喜)
私は、この職業講話を通じて「仕事の大切さ」を学ぶことができました。仕事は大変だけれど
も誰かの役にたつやりがいがあると知り、仕事はただ働いてお金を貰えることだけではなく世界
の役に立ち自分も成長できるということに気づくことができまし
た。また、仕事は「自分が本当に好きと思える仕事」をやった方が
よいということも分かりました。これらの事から私は、将来やりが
いがあって誰かの役に立てるような仕事に就きたいと思いました。
(2組 田窪 明日香)
今回の講話で仕事に対する考えが変わり、将来どのような仕事に
就きたいのかを考えるきっかけとなりました。どのような思いで取
り組んでいるのか、どんな仕事をしているのかを聞いて難しい事で
あったけれど学べる事もたくさんあったので、今後の生活にいかし
ていきたいです。(3組 茂木 元翔)
私は、この職業講話を通して、“仕事の大変さ”や“やりがい”
“コミュニケーションの大切さ”を改めて学ぶことができました。
やっぱりその仕事を選ぶにあたって、その仕事が本当に好きか、人
の役に立てるかということを教えてもらいました。やはりその仕事
が好きでないと継続は難しいし、将来の仕事に就くときには、じっ
くり考えておきたいです。私は常に笑顔で相手の気持ちを考えられる、そんな人になりたいとい
う新たな夢がみつかりました。(3組 金成 玲那)
今回は、2つの職業しか聞くことができなかったのですが、どの仕事も苦労をしないことはな
いんだなと思います。その職業をやるには試験も受けないといけないし、その場でやっても先輩
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に怒られてしまったりと何かしら苦労することがあると思うのですが、僕は何事があっても一生
懸命にその仕事をして先輩や社長に褒めてもらいたいです。今でも自分は1年生だけれど先輩の
ために何か仕事をして、良い後輩になれるようにしていきたいです。(4組 川上 翔大)
様々な経験や資格が必要な仕事であることがわかった。それぞれの仕事に、それぞれのやりが
いがあり、それぞれの誇りをもってお仕事をしていることに感動した。
その職業につくまで苦労、仕事の大変さ・責任・難しさもお話してく
ださってけれど、楽しさや達成したときの喜びもよくわかった。色々
な仕事があって、その内容もさ様々だが、いつか自分にあった職業に
就きたいと思った。今回の貴重なお話をしっかり忘れず、来年の職業
体験を見据えていきたいと思う。(4組 諏訪 真由香)
職業講話を聞いて、沢山のことを学べました。仕事の大切さやどう
いう事をするのかなどを学びました。まったく知らなかった事を知れ
て良かったし、これを今後の事に生かしていけたらいいと思いました。
(5組 片岡 陽和)
そよかぜの家も笹下保育園も責任を持って仕事をしている事がわか
りました。また、両方ともどうしたらできるかを考えたり、色々な事
を気づく事が大切だと言っていました。私も自分の言動に気を付けて
積極的に行動したいと思います。(5組 内田 涼花)
【職業体験】
<ムラサキスポーツ>一日、ムラサキスポーツでお仕事をさせてもらい、
ずっと立って歩いていたので、とても疲れました。楽しくて、自分を店員
だと思ってお客さんが、質問してきてくれたとき、とても嬉しかったです。
スポーツ店の人たちは、本当にフレンドリーで頼りやすくて、何か聞いた
ら笑顔で答えてくれたり、優しく丁寧に教えてくださって、見習うところ
が沢山ありました。掃除、品出し、品並べから全てできていて、とてもよ
い経験になりました。常にお客さんのことを考えて、全力で仕事をすることで、やりがいやうれ
しさを感じることを学びました。(1組 村上 夏帆)
<島村楽器横浜ビブレ店> 今回の体験で思ったことは、JAZZ部で
行っている挨拶や掃除は、社会に出て、とてもためになるとよくわかり
ました。店員さんに頼まれたことや、店がやっていることを聞くと、J
AZZ部と一緒じゃん!とか思ったりもしました。だから、今自分が頑
張っていることは絶対に無駄にならないと思いました。また、店員さん
たちは、いつも笑顔で、
「どんなことがやりがいですか?」と聞いたら、
音楽好きのお客様と関わりをもてることと言っていて、とてもお客さま
のことを思っているんだなと感じました。また、どんなに遠くにいてもカウンターで「ありがと
うございました」と言ったら「ありがとうございました」と言ったりしていて、いつでも気を抜
かず仕事をしていることがよくわかりました。「本気でやっていれば誰かが見ていてくれる。」と
思いました。今回の体験はとても貴重でいろいろなことを学べた体験だったと思うので、これか
らの自分の仕事に生かそうと思いました。(1組 羽生 航)
<港南つくしんぼ保育園> 今回、楽しい分、大変なことも多く、
大人のかっこよさを学んだ。私は、すごく楽しみにしていて早く行
きたいなと思っていました。当日になったら、何をすればいいのか
分らず困りました。初めから、みんなが遊んでくれたり、なついて
いくれて楽しかったです。立っているだけの時は、それに気づいた
先生が、「やってくれる」と言って仕事をさせてくれました。子ども
といる時はすごい笑顔で心の底から楽しんで、会議などをして、子
どもたちの知らない所で働いている時は、すごく真剣で大変さも感じました。すごくやりがいの
あるお仕事だと改めて思いました。保育士にあこがれをもちました。自分は看護師になりたいけ
れど保育士にもなりたいと思いました。(2組 関根 杏奈)
<有限会社 イソノ> まだ自分には夢がなくて困っていたけれど、今回の職業体験で、職場の
人は皆笑顔でとても楽しそうでよかったと思います。だから、自分も心から楽しいと思える仕事
に就きたいと思いました。「やり直しとかになるのが一番つらいけれど、何があってもめげずに根
性をもって何事にも取り組んでいくことが大事」という言葉にすごく感動しました。小さなこと
でも少しずつ挑戦し、興味をもったらそのことについて調べることを大事にしていきたいと思い
ました。(2組 村中 葵)
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<清水公益社サバスホール> 葬儀屋さんでは、ただのお葬式(司会な
ど)だけをやると思っていたけれど、実際は、幕張り(布をテーブルに
つける)、棺の組み立てなど、準備を丁寧に時間をかけてやっているこ
とを知りました。お葬式は一度きりなので、絶対に
失敗できないものなので、本当に責任感が必要で大変な仕事だと思いま
した。お葬式には、沢山の人が関わっていて、お花やさん、筆耕者(亡
くなった人の名前などを書く人)、お坊さん、葬式の道具を運ぶ人など、
とても素晴らしいものだど思いました。(3組 福井 大介)
<港南消防署> 火を消す時の格好に着替えるとき、私はとても時間がかかった。やりかたがわか
らなかったという事もあるが、10分くらいかかったが、消防士の方々は寝ている間に、通報が
かかって起きて着替えて消防車が発進するまで、およそ1分しか
かからないらしく、とても気力と体力のいる仕事であることがわ
かった。また着替えた姿で動くのはすごく大変で、あの格好で走
って火に向かっていく消防士の方々はすごいと思った。人を助け
るという事は決して美しいことではない。消防士は色々な係があ
るけれど、どんな係でも人を助けることに関係していることがわ
かった。人を助けることができなくて、その人が亡くなってしま
ったら、その人からの恨みは決して取り返すことができずに、一
生その恨みを背負って生きていくことになってしまう。一人ひと
り助けるのにも、とても大きな覚悟が必要ということがわかった。(3組 權藤 悠貴)
<横浜水道局栄サービスセンター> 最初は、きれいな水ではなく
海水だった。それから鉤素(ハリス)が井戸水を汲んで、濾過など
をしてきれいな水を手に入れることがわかった。もし、水が漏れて
しまったときは、パッキングを変えたり道具を変えたりすることが
わかりました。今回の水道局職業体験で学んだことは、「全て知識
になることや、ためになること」を教えていただき、パッキングの
講習では、家や学校で水漏れなどがあったら、積極的に教えてもら
ったことを生かしていこうと思いました。(4組 三根山 智也)
<シンシア動物病院> 笑顔でコミュケーションをとりながら仕事に取り組むことが大切だと思
いました。興味のある仕事だったので、近くでその仕事を見れてとても勉強になりました。命を
扱う仕事なので、責任感がとてもありますが、それだけやりがいのある仕事だと思います。動物
関係の仕事も考えてみようと思いました。(4組 白井 美咲)
<宮古寿司> 普段できない体験を沢山できて良かった。やったことは、皿洗い、掃除、寿司を
握る、テーブルのセットなどです。特に印象に残っていることは、初めて寿司を握れたことです。
職人さんの握るのがとても早く、今までは簡単そうだなと思っていました。でも、握ってみると
米がなかなか固まらず大変だった。職人さんに丁寧に教えてもらい、鮪、海老、干瓢巻きなどを
握った。とても楽しかった。またお客さんのことを一番に考え、朝早くから掃除、仕込みをして
いるお店の人達の姿勢は、生き生きしていていました。テーブルのセットは均等に並べ、お客さ
んのことを考えて、毎日窓やレール、椅子まで掃除をしていて素晴らしいと思いました。やりが
いは何ですかという質問に対して、「ありがとうとお客さんに言われることがやりがい」という事
だった。短い時間だったけれど、充実した時間を過ごせて良かった。職業体験を終えて考えたこ
とは、お客さんなどに「ありがとう」とお礼が言われるような、人に役に立てる仕事に就きたい
と思いました。(5組 冨永 愛衣)
<トヨタ自動車> 午前中は車検の話を聞き、午後は洗車を中心とし
て体験を行いました。接客はできなかったけれど、人の車を洗うのは
楽しかった。タイヤが普通に動くかどうかの確認テストで、タイヤが
高速回転したことが印象に残りました。事業所の方からは笑顔の大切
さを教えられ、仕事をする上でのお客さんへの気遣いが大切だと学ん
だ。昼食を食べている時に思ったのは、仕事場の雰囲気がとても楽し
いそうで仕事がやりやすかった。当たり前だけど、あいさつは大きな
声ではっきりしていた。エピソードは、どこでもドアを通った。トヨタの前を通る度に通りたい
と思っていたので良かったです。職業体験を終えて考えたことは、自信をもって何かに取り組む
ことも大切なことだと思いました。(5組 山田 航)
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