JICA/IDCJ 共催セミナー - IDCJ

JICA/IDCJ 共催セミナー
「学校と社会をつなぐ人づくり」
地域経済の活性化に向けた技術教育・職業訓練
議事録
1.開催日及び会場
日時:2011 年 10 月 5 日(水)14:30-17:20
会場:JICA 地球ひろば
講堂
2.プログラム
(1)開会挨拶:国際協力機構
人間開発部部長
萱島信子
(2)途上国における技術形成と国際協力の潮流
名古屋大学大学院国際開発研究科
准教授
山田肖子
(3)JICA「技術教育・職業訓練」支援の現状と今後の方針
国際協力機構
人間開発部
森田千春
(4)技術教育・職業訓練からの知見
①JICA「スーダン職業訓練システム開発調査」から
国際開発センター
主任研究員
建部直也
②JICA「南部スーダン基礎的技能・職業訓練強化プロジェクト」から
システム科学コンサルタンツ
人材開発本部担当
執行役員
山本幸生
③「企業の活力や CSR を通じた職業訓練」
法政大学地域研究センター
国際技術ネットワーク
客員研究員
代表取締役
鎌田洋祐
④「南アフリカでのトヨタの人材育成」
トヨタ自動車
アフリカ部部長
一井誠二
(5)意見交換
(6)閉会挨拶:国際開発センター
理事長
竹内正興
2.プログラム
(1)開会挨拶:国際協力機構
人間開発部部長
萱島信子
1990 年の「万人のための教育世界会議」による国際コンセンサスの形成、2000
年代のミレニアム開発目標に対する基礎教育支援の重視により、基礎教育分野の国
際協力は益々増加し、高等教育や職業訓練の分野は援助の対象から外されがちであ
った。しかし近年、基礎教育の就学率の上昇で、基礎教育を修了した後の子供たち
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に就業の機会を与えることが重視されるようになってきた。そして現在、基礎教育
から就業に繋がるための支援、ポスト・プライマリーエデュケーションとしての技
術教育や職業訓練が再度注目されるようになってきている。加えて、アラブの春と
称される一連の大規模反政府デモの背景には、ある程度の学歴を持ちながら職に就
けない大量の若年失業者の不満が根底に大きくあったと伝えられている。以来、失
業対策に繋がる技術協力や職業訓練に対する JICA への要望が非常に多く寄せられ
るようになってきている。
本日はこのような国際的な援助の変化の流れも頭の中に少しおきながら、セミナ
ーにご参加頂きたい。
JICA は開発途上国の能力強化、及び自立を支援し、途上国の産業の発展を支え
る人材の養成ニーズに応えるために技術教育や職業訓練分野の協力を 1960 年代か
ら実施してきた。対象地域は当初はアジアが中心であったが、近年はアフリカ支援
強化という流れもあり、アフリカ地域への協力も増加している。主要な領域として
は、産業開発に直接繋がるような産業人材の育成という領域と、社会的弱者を対象
とした生計向上の機会の拡大という領域とがある。
また、近年 JICA が実績を増やしている分野として、アフガニスタン、スーダン
等における紛争終結後の復興支援となる職業訓練等がある。これは、就業だけでな
く、平和に対する意識の醸成と新しい国づくりへの実感を国民一人一人に持たせる
ことを目的としている。
世界では脆弱層の就業機会がクローズアップされている。しかしながら、産業が
未成熟なために、そもそも労働力の受け皿を特定することが難しい国もある。また
受け皿を特定でき、それに合わせた職業訓練の機会を作ったとしても、常に移り変
わる産業や経済の需要に対し、タイミング良く追いかけながら、訓練や教育の内容
を見直さなければならない。
地域経済の活性化と技術教育、職業訓練を結びつけることは不可欠であり、成果
を目指して取り組むには、非常に難しいテーマではあるが、私どもも試行錯誤を重
ねながら支援を行っている。
本日のセミナーを通じて ODA での技術教育、職業訓練について参加者の皆様か
ら JICA にもご示唆頂ければ大変有難い。本日のセミナーがご来場の皆様にとって、
我が国を含め困難に立ち向かっていく社会における開発と仕事について考える有意
義な機会になるよう祈念致して私のご挨拶とさせて頂く。
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(2)途上国における技術形成と国際協力の潮流
名古屋大学大学院国際開発研究科
准教授
山田肖子
本日は技術教育に関する概要を説明するという趣旨でお話ししたい。
本日の多くの発表事例がアフリカにおける職業訓練ということで、内容的にアフリ
カに偏ることになるかと思うが、どうかご理解頂きたい。
途上国の製造業と労働市場
世界の国民所得(GNI)を見ると、4 分の 3 は先進国、東アジア・太平洋州で占
められており、途上国全体では世界経済の国民所得のわずか 4 分の 1 という現状が
ある。特に南アジア、サブサハラ・アフリカを中心とする地域に貧困層が集中して
いる。
世界の地域別のセクター別労働人口は、後発途上国の多い南アジアやサブサハ
ラ・アフリカでは農業分野が高い。それらの地域では、大企業はほとんど存在して
おらず、中小企業やインフォーマルセクターでの労働が大部分を占めている。イン
フォーマルセクターでは、短期間に起業と廃業を繰り返す泡沫的な組織が多く、生
活・雇用の不安定が社会問題になっている。若年層については、問題が二極化してい
る。一方では、雇用の絶対量が増えない中で、高学歴化が進み、期待するような職
がないために若年失業が増加しており、これは特に中所得国に見られる傾向である。
他方、職を選ぶ余裕がない貧困層は、実は失業はしておらず、サブサハラ・アフリ
カでは、働いてはいるけれども非常に貧しいというワーキングプアが多い。アフリ
カ全体では労働人口の 4 割を占める 24 歳以下の若年層における失業率が最も高く
なっており、大きな社会問題となっている。
1990 年代以降の教育開発分野の動向について
90 年代から国際社会では貧困削減、ミレニアム開発目標等が掲げられてきた中で、
就学率の向上が国際社会における一つの目標とされた。就学率の向上が貧困削減の
一つの大前提になるとの考えの下、国際的な取り組みが実施され、90 年代には就学
率が大きく向上した。元来、教育指標が低かったサブサハラ・アフリカにおいても、
総就学率、初等就学率等は著しく上昇した。しかし、時が経過するにつれ、就学の
拡大が貧困ライン以下の生活をしている貧困層の削減に直接的には繋がっていない
ということが、教育援助の世界で認識されるようになった。そのような中、課題と
なったのは、生活とかけ離れた知識ではなく、いかに生計向上や生活の中で活かせ
る知識や技術身につけるかということである。
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スキル・ディベロップメントの方法
学校でのフォーマルな職業教育は、スキル・ディベロップメントの方法の一部に
すぎない。実際には、企業研修、伝統的徒弟制度、生涯学習等で継続的に学ぶとい
うことを視野に入れていく必要がある。
知識を一人一人の安定した雇用と収入増加、国の経済成長にまで繋げるためには、
知識のレレバンスを高める、必要な時に技術、知識を高める機会を増やす、生活環
境にあった学び方を提供する等がポイントとなる。
ODA の主対象である政府が運営する技術訓練校は、民間の小さな訓練センター等
では導入できない大規模な機材の導入や、長期ビジョンで人材育成が出来る等の特
徴がある。また国家戦略に基づく人材育成という面でも重要な役割を果たす。しか
しながら、技術が陳腐化しやすいため、機材投資のコストが高い割にリターンが低
い、労働市場への反応が鈍い等の課題も存在する。
民間の職業技術訓練は、パソコン、料理、マネジメント等機材投資が少なくてす
むサービス業や軽技術分野で果たす役割が大きい。一方で、その技術レベル、実際
の教育内容は様々であり、民間の職業訓練の実態把握も困難である。また授業料が
高い等の負の側面も持つ。そこで、政府の役割として、どこで技術を学んでもいい
が、一定の技術レベルを承認する基準を作る、技術のクォリティコントロールを公
的機関でしっかりするということが求められてきている。
次に徒弟制度であるが、徒弟制度は貧困から脱する技術の習得として大きな役割
を果たしている。現在インフォーマルセクターで働いている人の多くが、車のエン
ジン修理等、技術系のスキルは実際の徒弟としての仕事の中で身につけたものが学
校で学んだことより役に立ったとの調査結果も出ている。また、公的職業訓練に対
する大衆の不信もあり、学校卒業後に徒弟としてもう一度訓練を受けるケースも多
い。近年は、徒弟の親方を職業訓練制度に取り込んでスキル・ディベロップメント
制度を確立しようという動きもある。公的教育機関が社会の変化に対応するのが不
得意という中で、徒弟制度によって実社会のニーズにあった技術を身につけられる
というメリットは大きい。
最後に企業内研修だが、企業の中で独自に研修を行うのは、その企業の技術を継
承するという観点から非常に重要である。OJT を通じて、グローバル企業の生産ラ
イン、マネージャー育成等、企業の社員育成に役立っている。企業が政府や民間の
訓練機関に従業員を派遣する場合には、短期的なテーマ特定型の技能向上や、長期
的な新しい分野を総合的に学ぶ、学位を取得する等の例があげられる。しかしなが
ら、政府が職業訓練を全て丸抱えしていくというのは最近の職業訓練の潮流には合
わず、政府が民間と棲み分けをしながら全体として、スキル訓練の枠組みを作り、
クォリティコントロールしていくことが求められている。
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教育協力を取り巻く環境の変化
教育に関わる援助機関の議論が初等教育中心からポスト・プライマリーへと広が
りつつある。DAC 加盟国で、2004 年には初等教育が教育分野への支援の 6 割を占
めていたのに対し、2008 年にはポスト・セカンダリーや後期中等教育への支援が全
体の半分を占めるようになった。これらの分野は、中等レベル以上の職業技術教育
も含んでいる。こうした変化の理由として、初等教育が拡大する中で、卒業生を吸
収するための中等教育需要の拡大、また初等教育は貧困削減の必要条件だが十分条
件ではないとの認識の拡大があげられる。アフリカでも知識を雇用に繋げるための
スキル・ディベロップメント、職業訓練が必要になってきていると広く認識されて
いる。
職業訓練分野は伝統的に日本の強みの分野であり、アフリカ諸国からの支援依頼
が多くなってきている。
まとめ
アフリカにおける産業スキル・ディベロップメントの課題として、外資を誘導で
きるような裾野産業の育成と貧困削減のためのインフォーマルセクターの雇用訓練
を、各国の状況に応じてバランスよく実施していくことがあげられる。特に脆弱層
の雇用の安定のためのスキル訓練は、単独ではなく、マイクロクレジットの供与や
起業支援の制度整備等も同時に行う必要性がある。また、スキルにも産業技術その
ものと、会計、市場調査、人事管理等の中小企業経営の技術がある。マクロ、ミク
ロの支援策を連動して、現代のニーズに合う形に繋げていくということも必要であ
る。
そして、総合的な取り組みとして、アクター間の連携、特に教育・訓練機関、産
業界、政府が一体となった連携策を今後、見出す必要がある。
(3)JICA「技術教育・職業訓練」支援の現状と今後の方針
国際協力機構
人間開発部
森田千春
本日は、JICA 人間開発部の技術教育・職業訓練の取り組みについてご紹介する。
JICA の職業訓練・技術協力の取り組みは、実際の教育・訓練の場(学校・訓練
校)に入って支援しているという点で他のドナーと比較して優位性があり、途上国
からは日本に対する期待が非常に大きい分野である。しかしながら、多種多様かつ
変遷し続ける産業構造の国々のニーズに応えることは容易ではなく、JICA では、
要望、案件ごとに試行錯誤しながら支援を行っているというのが現状である。
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これらの背景の下、JICA 技術教育・職業訓練支援の現状と今後の方針について
説明する。
TVET について
まず TVET という用語に関し、技術教育は教育省系、職業訓練は労働省系である
が、組織の縦割りを超えた包括的な概念を示すために TVET(産業技術教育・職業
訓練)という略称を用いている。TVET は、
「雇用や起業に繋がる生産活動を行うた
めに必要な、技術及び知識を身につけることを目的とした人材育成」と定義(JICA
課題別指針 2007)され、産業人材の育成を対象とするものと、生計向上のための機
会拡大を対象とするものがある。
TVET 関連政策は非常に幅広く、産業界、教育業界、社会福祉業界に亘った考え
が必要である。
援助動向について
近年の国際的援助動向については、60~80 年代は人的資本論の下で技術教育・訓
練分野に援助が集中した。90 年代以降は、技術教育・訓練の収益率の低さに対する
批判、基本的人権の観点や「万人のための教育」等から基礎教育重視の方向に進ん
だ。そして 2000 年代に入ると、経済発展の進んだ社会におけるポスト・プライマ
リーの受け皿、産業ニーズに応える人材供給のニーズ増加、ミレニアム開発目標に
よる技術教育・訓練分野への再注目がなされてきた。
他ドナーの TVET 分野の協力の傾向として、TVET のポリシーペーパー策定等の
政策支援があるが、政策を具現化する支援方法を持たず実施については JICA に期
待される例がみられる。アフリカではセネガル、ウガンダにおいて厚生労働省の協
力を得て、域内の TVET 協力のリソースとなる拠点校を築く等の実績を作ってきて
いる。その他、紛争終結国における除隊兵士を対象とした訓練も実施している。
主なプロジェクトタイプについて
1.産業人材育成については、制度・組織の構築として、効果的・効率的な教育・
訓練のための環境整備が目標とされ、セクターの情報整理、政策整備、技能資格制
度の整備、マネジメントの改善等が行われている。また、産業界との連携というこ
とで、変動する産業界のニーズに対応できる体制整備のために、教育・訓練ニーズ
の把握、企業内訓練の導入等、様々な面での連携を行っている。
教育・訓練の質の向上は、JICA の TVET 協力の中で最も実績のある分野であり、
効果的な訓練を実現するために、訓練機関におけるカリキュラム・教材の開発・改
善を市場・産業界の動向に合わせて実施している。
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2.生計向上のための機会拡大については、貧困層および社会的弱者を対象に支
援を行っている。また、技術だけでなく識字教育や計算等起業に最低限必要となる
基礎的な事項に関する訓練等の導入も図っている。
訓練実施体制の整備では、アクセスの改善や組織の強化が中心になるが、特に訓
練経費をいかに確保するかが課題となっている。
近年の援助傾向について
近年の援助の傾向としては、南南協力があげられる。南南協力とは、過去に日本
が協力した支援相手が、今度は協力する側になり支援を行う仕組みである。一定程
度発展した国のリソースを頼りに第 3 国への支援を行うという点で新興ドナー国の
強みを活かして日本の支援を補足できる反面、日本の顔をどうやって見せるかとい
う点が外交的な課題でもある。また、紛争終結国において基礎的知識・技能訓練等
の支援を行うことも最近の一つの傾向である。
今後の JICA の TVET 支援としては、①開発途上国の移り行くニーズに合わせて
いくこと、②国内/第3国の協力リソースとマッチングさせていくこと、③その国
の発展段階に応じた協力を行っていくことの 3 点を方針としている。
課題について
1.JICA 全体で増加している紛争終結国への支援について、生計向上のための
基礎的技能習得に対するニーズが高まっている中で、安全を確保しながら、即効性
のある支援、生計向上の機会拡大を進めている。もともと通常の開発途上国と同様
の成果を求めることが困難な状況を前提として開始していることから、復興支援案
件のための評価基準で評価していくことが必要である。
2.産業構造は国において千差万別であり、技術・技能ニーズは産業の発展段階
に応じて常に変化するものであるため、分野によっては途上国のニーズがあるにも
関わらず、本邦リソースが限定的であるために専門家を容易に派遣できる状況には
ない場合がある。
3.各国の産業構造、産業レベル、雇用市場等、実態に合わせた形で案件形成を
行うことが重要であるが、各国の産業発展段階や、産業構造に合致しない協力要請
も多くあげられてくる。それをしっかり現状に即して精査することも必要である。
また、「失業対策のために職業訓練を」という要望も多くみられるが、「TVET イコ
ール雇用創出」ではないので、失業対策・雇用創出には民間セクターと連携してメ
カニズムを作った上で職業訓練の実施を考えることも重要である。
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(4)技術教育・職業訓練からの知見
①JICA「スーダン職業訓練システム開発調査」から
国際開発センター
主任研究員
建部直也
スーダンの職業訓練の背景
スーダンの職業訓練の歴史はドイツから始まり、その後日本の JICA、現在では
韓国の KOICA も精力的に支援を行っている。
スーダンの技術教育・職業訓練は、現在では様々存在するが、背景としては内戦
の終結による平和化、経済産業の変革によって経済発展が進み、技術教育・職業訓
練の需要が高まってきたことがある。特に、国内でインフラ整備が進められてきた
ことに伴い、重機、建設用機械の維持、修理、電化製品のメンテナンス等の需要が
職業訓練、熟練労働のニーズに直結している。
教育・訓練体制の変化と職業訓練生の意向
教育・職業訓練体制の変化としては、工学教育の進展と職業訓練校経営自体の多
様化があげられる。職業訓練校経営は、現時点では国、州管轄の職業訓練校が国内
訓練校の 7 割を占めるが、公的なものだけでなく、民間や NGO が運営しているも
のも徐々に増加傾向にある。
職業訓練生の卒業後の希望を調査したところ、希望としては、工場等への就職、
海外への出稼ぎだけでなく、大学進学を目指している者もおり、職業訓練を受ける
動機としても、実際には就職目的だけではなく、多様な意向がみられた。また、実
際の職業訓練校卒業生の就職先としては、公的機関、伝統的産業である食品産業へ
の就職等、様々であった。
スーダンの職業訓練に対する課題
スーダンの職業訓練に対する課題としては、国の職業訓練機関における需要と供
給のギャップがあげられる。その一つは、スーダン国の産業が求める技能レベルが、
実際の訓練生のレベルに合致していないということであり、もう一つは潜在的な職
業訓練必要者数に施設数が追いついていないということである。さらに、潜在的な
貧困者、除隊兵士等は学びたいという意識があっても、職業訓練校への入学へのア
クセスが閉ざされているという問題もある。
技能レベルギャップの問題については、その要因として、職業訓練校でのマンネ
リ化した訓練内容、訓練職員の高齢化、不十分な資機材管理、硬直的な訓練校運営、
脆弱な政府のサポート体制があげられる。特に多くの訓練校では、資機材のメンテ
ナンスがうまくいっておらず、故障して、内部では修理が出来ない機材も多く存在
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する。
スーダンの職業訓練に対する提案
スーダンの職業訓練に関する大枠の基本方針としては、若年層に焦点をあてた、
国民経済の多様化・高度化に応じた技能労働力の供給、そしてスーダン経済の中心
となっている零細企業の競争力強化が提案としてあげられた。
また、公的職業訓練の重点対象は、一般的に民間、NGO による職業訓練を受け
られない人々、つまり社会的弱者と呼ばれる低所得者層、国内避難民、除隊兵士と
し、その他の人々の職業訓練は、民間、NGO のイニシアティブに任せるという方
針で一致した。
そして、カリキュラムに対する提案としては、頻繁に企業を訪問することで、社
会、経済のニーズの変化を察知し、改革及び改善に活かす必要性、職業訓練卒業生
の声に耳を傾け、カリキュラムにフィードバックする必要性、サポート体制として、
官民連携でのカリキュラムの相互協力、カリキュラム改善を行っていく必要性の提
案を行った。
②JICA「南部スーダン基礎的技能・職業訓練強化プロジェクト」から
システム科学コンサルタンツ
人材開発本部担当
執行役員
山本幸生
現在、私が関わっている、7 月にスーダン共和国から独立したばかりの南スーダ
ン共和国の職業訓練の事例について紹介する。
スーダン国では 1995 年に内戦が始まり、2005 年の内戦終結に至るまで 200 万人
が死亡、400 万人が避難民としての生活を余儀なくされていた。長い内戦の影響で
人材育成に対する投資、支援も当然としてストップしており、最近になって、よう
やく南スーダンは開発の道を歩み始めた段階にきた状況である。
戦後復興時における職業訓練の特徴
戦後復興時における職業訓練の特徴としては、供給側では脆弱な行政機能、職業
訓練制度の未確立、職業訓練施設の未整備、NGO 主導の支援があげられる。需要
側には人口増大に伴う衣食住の需要の急増、インフォーマルセクターにおける限定
された就業機会、そして技術者、熟練工の外国人依存という特徴がある。この時期
の職業訓練は、「国づくりと社会的不安定要素の排除」が重要な役割である。
プロジェクトの紹介
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紛争を繰り返さないために、人々が職を得て、安定した生活を送れるようにする
というのがプロジェクトの主目的である。具体的には、労働省の能力強化を通じた
職業訓 練の 制度構 築、 公共職 業訓 練機関 の能 力強化 を通 じた技 術者 の育成 、NGO
を通じた生計向上職業訓練の提供による社会的弱者の生活改善が本プロジェクトの
活動である。
資本投資を必要とするものや、訓練に時間を要するものはアフリカの場合、特に
民間では難しい。そこで国とドナーが一緒になって支援する必要性が生じる。
紛争終結国の場合、プロジェクトでは通常、職業訓練に入る前に施設の改善、訓
練センターの再開を行うパターンが多い。施設は紛争によって破壊されたり、老朽
化したりしている。本プロジェクトでも、日本、マルチドナー信託基金からの支援
で職業訓練センターの改修、改築を行った。
生活弱者に対する支援は、南スーダンでは主として NGO を中心として行われて
いる。技能だけでなく、職業生活を送るため、様々な社会経済的な障害を抱えてい
る生活弱者に対しては、訓練内容が硬直的な公共の職業訓練センターよりも柔軟性
の高い NGO の方が向いているといえる。
技能の習得と就業
職場で必要な技術の習得が職業訓練センターの主な役割である中で、実際にどの
ようにしたら仕事に就けるかという感覚は非常に薄い。社会環境、職場の種類が異
なる中で、カリキュラムが同じ、提供している技術が同じという場合には、技術は
得られても、就業の機会、就業の方法の習得は不十分である。
就職するためには、技術だけでなく、資金、情報、意思も重要であり、それらを
総合的にパッケージとして身につけさせるための訓練、支援が重要である。また、
就職を目標とした場合、基礎的な技術訓練から起業実習、そして就職した場合の定
着支援も職業訓練センターと企業が共に協力する必要がある。
まとめ
スーダンのような紛争終結国の職業訓練を考える場合には、まずはカリキュラム
の内容を良く考えること、訓練から就職までの段階の位置づけを見極めること、そ
して卒業生の就職状況、技術をしっかりと把握するということが本事例からのメッ
セージである。
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③「企業の活力や CSR を通じた職業訓練」
法政大学地域研究センター
国際技術ネットワーク
客員研究員
代表取締役
鎌田洋祐
日本の民間企業からの観点、企業の活力や CSR を通じた職業訓練について、関
わり方、課題について簡単にご説明したい。
日本と途上国の現状
最近、円高、ギリシャ危機等で企業の活力が非常に低下してきている。また、ODA
の予算も減少してきており、途上国における日本の支援活動も最盛期に比べると低
下している。一方、企業にとっては社会的責任が増加しており、多くの企業で自主
的な CSR 活動の取り組みが始まりつつある。
途上国においては、経済の不安定、高い失業率、貧富の格差が顕著であり、依然
として深刻な問題を抱えている。
企業の活力と CSR 活動
民間企業の自主的な CSR の取り組みが盛んになってきた昨今、営利活動を途上
国の発展に繋げる、そして CSR 活動を途上国に振り向かせることで、途上国の職
業教育、就業率の向上に繋げることは可能だと考えられる。
しかしながら、日本の企業、特に中小企業は、技術を持っていても売り方を把握
できていない、販路獲得の展開チャンネルを有していない等の問題点を抱えており、
途上国の職業教育においては、就業機会の限定と高失業率の問題が存在している。
そのため、従来型の ODA の発想では、これらの問題点を解決し、日本企業の展
開、CSR 活動と途上国における職業教育のマッチングをすることは難しいと言える。
一方、企業の事例には、途上国の無限の将来性を認識し、現地との橋渡し、チャ
ンネル作りのために、スリランカ人の学生を採用、就労ビザを取得させ、日本人社
員と同待遇で雇用しているという事例も存在している(東京・大田区の中小企業)。
提案
新たな ODA の取り組みとして、日本企業と職業訓練校との連携を提案したい。
日本と現地との橋渡し、コネクションの構築を目的として途上国からの人材の確保
に興味を示している日本企業は多数ある。そこで ODA による途上国の職業訓練校
への支援の一つとして、日本企業への研修、留学、そして就職に繋がる取り組みを
行ってもいいのではないだろうか。日本企業と職業訓練校をマッチングすることで、
将来の展望が限りなく広がるはずである。
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これまでの ODA は無償資金協力、技術協力による公的施設である職業訓練校へ
の支援が中心であった。しかしながら、一方的な援助の終焉を迎えた現在、これか
らは ODA の枠を拡大させ、民間連携から民間相互支援まで関与できる仕組み、日
本企業と途上国の職業訓練校の Win-Win 関係を築くことが重要である。例えば、
民間連携の更なる強化のための日本企業の CSR 活動との連携、技術援助の概念の
拡大のための日本企業・職業訓練校の相互支援、そして人材を中心とした相互支援
の確立のために途上国へ進出を予定している企業への支援が考えられる。
④「南アフリカでのトヨタの人材育成」
トヨタ自動車
アフリカ部部長
一井誠二
本日は南アフリカの子会社での人材育成についてご説明する。
南アトヨタ会社の概要だが、社名は Toyota South Africa Motors、通称、TSAM と
言い、本社をヨハネスブルグ、工場をダーバンに置いている。100%トヨタの子会
社であり、従業員は 7,600 名程で、カローラ、ハイラックスを中心に生産している。
南アでの人材育成の難しさ
南アで人材育成を行っていく上で、大きな特徴としてあげられるのは、高い失業
率である。南ア政府の取り組みにも関わらず、失業率は 25%前後と高いレベルで推
移している。その大きな要因の一つに、教育レベルの低さがある。
また、専門スキル別に見た人口に偏りがあることも問題となっている。特に製造
業に必要なエンジニアリング技術者はわずか 29 万人しかいない。
TSAM での人材育成上の問題
TSAM が抱えている問題としては、離職率の高さがある。国レベルでの切実な技
術者不足の影響で、特に大卒技術者や技術者、マネージャー等の社外からの引き抜
きが多く、離職率が大変高い状況にある。
TSAM で行っている人材育成
TSAM で行っている人材育成は大きく二つの活動に分けられる。一つは社会貢献
としての活動で、もう一つが社員の人材育成である。
TSAM の社会貢献活動は、TSAM と日本トヨタの合同で設立した南アフリカトヨ
タ財団により、教育、保健福祉、環境等の分野で実施されている。そのうち教育支
援では、大きな取り組みとしてトヨタ初等教育プロジェクトがある。TSAM では、
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地域の小中学校に対し、教員養成、学校施設やプログラム、資金の提供等の教育支
援を行っている。こうした活動を通じて、将来のトヨタファンを増やしたいと思っ
ている。
TSAM 社内の人材育成は、国全体が深刻な技術員、技能保有者不足であることを
受け、採用の段階から将来キャリアを意識した人材育成を実施している。例えば、
事技系要員向 けには、 TSAM 奨学金制度 を受 けて大学を卒 業した学 生を優先的 に
TSAM が採用し、2 年間の契約社員の後、正社員として雇用するシステムがある。
また、保全要員は、保全養成工として 4 年間教育し、保全技能国家資格を取得させ
たり、高専・短大 3 年目の学生に TSAM での実務実習を経験させ、保全技能の学歴
を取得させたりしている。
現場技能員に対しては、工業高校卒、高卒、従業員の親戚知人、期間工のうち、
優秀者を対象に 7 カ月間の基礎技能研修を行っている。求職があれば、その後、現
場作業員として採用している。
現場技能員育成については、実務実習、座学、能力確認テストの 3 つから構成さ
れており、7 カ月間の研修終了後、基礎技能研修終了の国家資格(高卒以上)を授
与する。保全要員育成については、4 年間で現場の保全に必要な機械と電気の 2 資
格を取得することを目標としている。
また、現場技能員育成では、整理・整頓・清掃・清潔・躾からなる 5S 教育の実
施を、現場で徹底している。トヨタ生産方式や現場による改善活動を導入するにあ
たり、その土台となるのがこの 5S である。
その他、トヨタの人材育成の特徴として、Toyota Academy と呼ばれる社内人材
育成組織があげられる。この育成組織のベースとなるのは、トヨタウェイ・現場で
の OJT である。トヨタウェイとは、グローバルトヨタの発展と、オペレーション・
マネジメントの現地化をスムーズに進めていくために、これまで暗黙知として伝承
されてきたトヨタの経営哲学、価値観、実務遂行上の手法を明文化したものであり、
「人間性尊重」「知恵と改善」の 2 つを柱に、「チームワーク」「リスペクト」「現地
現物」「改善」「チャレンジ」の 5 項目からなり、2001 年に策定された。また、本
年 3 月に発表したトヨタグローバルビジョンでも、グローバルでトヨタ共通の価値
観として、企業活動の根底をなしている。
成人向け教育プログラムは、高校卒業資格を持たない従業員、特に高齢者が、高卒
資格・高卒レベル学歴を身に付けるために運営開始されたものである。アパルトヘ
イト時代に入社しているメンバーの不十分な英語での読み書きの実情に対応してお
り、国の補助金制度もある。
最後にマネジメント要員向け育成であるが、マネジメントに必要な能力を習得す
べく、国内の大学と提携した教育を実施している。内容は MBA でやっているよう
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な、ケーススタディーを通じた戦略立案等で、日本でも行われている短期の幹部研
修のようなものである。
まとめ
これまでの南アトヨタでの人材育成の成果と課題をまとめると、まず、成果とし
ては 3 点、①設備可動率向上、②品質改善、③従業員の勤務態度改善があげられる。
現在のところ未だ、トヨタの日本を始めとするトップクラスの工場のレベルには至
っていないが、これまでの教育により、TSAM でのオペレーションレベルは、大い
に改善してきている。一方、課題としては大きく 2 点ある。まず、一つ目は、各職
種・個人別キャリアパスの明確化である。現状では、大卒からマネージャー・管理
職に至るまでの、異動育成プランの整備が十分ではない。その結果、キャリア・経
験の少ないマネジメント層が多いことが問題となっている。もう一つは、ベテラン
層の退職に備えて、世代交代促進のための人材育成を図っていく必要があることで
ある。
以上、南アを中心としたトヨタの人材育成の事例をご紹介した。今後も、日本の
トヨタ及び現地子会社、独立の販売店を通じて、地域に根ざした活動を実施し、経
済・社会の発展に貢献していきたいと考えている。
(5)意見交換
進行役:名古屋大学
山田肖子
准教授
建部氏、山本氏は脆弱層を対象とした日本の ODA 案件に従事されていたので、
訓練、教育を提供する側からの報告を頂いた。鎌田氏からは、教育を提供する側と
実社会で雇用する側がどうすればニーズのマッチができるかという報告、一井氏か
らは、一企業としての人材育成に対する事例の報告を頂いた。
最初の議論として、それぞれの立場から、一言ずつ、公的機関、民間企業に対す
る期待を述べて頂きたい。
建部氏
途上国での ODA を通じた職業訓練を考える場合、教育をする側、される側のギ
ャップが余りにも大きいという気がしている。職業訓練プロジェクトでは、そのギ
ャップをいかに埋めていくのかということが重要であるが、そのためには制度を変
えていく必要があると思う。スーダンにおいても政府機関が一生懸命やってはいる
が、現場のニーズ、社会の変化に応えきれていないということ、また、訓練生側も
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将来のニーズ、社会の変容、自分が学びたいことに対して発信していないという問
題がある。まずは、なんとかそれらを解決できるような制度ができればと思う。
山本氏
途上国で職業訓練を実施する場合、その人がどのようなプロセスを経て就業して
いくのかというモデルをしっかり踏まえた職業訓練を行ってほしい。訓練生が就業
をしっかり意識して受講できるような体制が望ましい。
また、トヨタの人材育成の話を伺ったが、企業はそもそも優秀な社員を採用し訓
練しているため、我々のやっている公的レベルの職業訓練とは内容、レベルが異な
るということを実感した。
鎌田氏
実際にトヨタの事例を伺った上で、益々これまでの ODA の枠ではない、民間の
CSR、企業の活力を利用した支援策の必要性を感じている。
一井氏
官民一体型ということで、職業訓練に対し、官の立場からはもっと民のニーズ、
求められる人材、技術を把握して頂いて、民の立場からは、従業員の需要に関する
情報発信、情報交換の必要性を非常に感じた。
フロアからの質問①→山田准教授
インフォーマルセクターの支援はアフリカの中でもっと重要になってくるとの印
象を受けたが、JICA は、これまでインフォーマルセクターには、なかなか入って
いかなかった経緯がある。特に今回取り上げられた徒弟制度については、今後、公
的セクターの支援策としてはどのようなものが考えられるか。
名古屋大学
山田肖子
准教授
インフォーマルセクターでは、関係者のネットワークが技術、知識の上で非常に
重要である。徒弟制度の中でも、他の技術同様、技術の分離、技術者のすみ分けが
おこるが、ネットワークがあると自分の知らない技術をネットワークの誰かが補う
ことが可能である。
そのため、インフォーマルセクターにおいては、公的支援の例として、これらの
ネットワークを対象にした支援策もあると思う。
フロアからの質問②→一井氏
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トヨタの事例を紹介して頂いていたが、南アの工場では自動車を作るための人材
育成研修であるのに対し、ODA による職業訓練は主に制御、修理する技術に焦点を
当てているようである。作る技術は、制御・修理する技術より技術レベルがより高
いと思われるが、作る技術、制御する技術がある中で、既存の公的な職業訓練に対
する接点について教えて頂きたい。
一井氏
現場の目では、作る技術、制御する技術の技術レベル自体はそれほど違いはない
ように感じている。南アトヨタでは、スーダンの紹介であったような「やすりかけ」、
「配電盤の仕組み」等から人材育成を始めており、技術レベルとしては同様と考え
ていいと思う。
山田准教授→パネリスト
雇用する側で必要とされている技術と訓練する側で教えている技術とのマッチン
グの方法について意見を伺いたい。
建部氏
職業訓練機関が送り出した受講生が実社会に出てどうなっているか、仕事をどの
ように続けているか、ということをしっかりフォローするシステムを作る事が重要
だと思う。充実した職業訓練を実施するためにも、採用後、本当にきちんと働いて
いるのか、何が欠けているのかというフォローを卒業生や採用企業に対して行うべ
きだと思う。
山本氏
職業訓練校や市場で求められているニーズを調査する上では、調査の対象をしっ
かり特定する必要がある。その上で、徒弟制度等を参考にして、マーケットニーズ
に合わせた訓練カリキュラムを考えていくことが重要だと思う。
鎌田氏
企業の視点で見れば、職業訓練生を採用するとなると、ある程度の技術レベル、
学業レベルの高い人材を期待するはずである。職業訓練を教える側は、それを踏ま
えた上で、職業訓練校に入ると、将来しっかりお金が稼げるという実例、技術を証
明し、企業にも働きかけることが重要だと思う。
ODA と民間企業のビジネスは、これまで別次元の枠組みであったが、ようやく
BOP ビジネス、官民連携というこれまでは考えられなかった下地が出来上がりつつ
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ある。民間企業では海外展開において、もっと国からのバックアップを期待してい
る。JICA ももっと積極的に民間企業に入り込み、企業のニーズとのマッチを探っ
てもらいたい。
一井氏
一例であるが、職業訓練をビジネスとしている友人に聞くと、職業訓練は訓練自
体が儲かる形でないと駄目であるとのことだった。そのため、カリキュラム自体も
訓練生に対し魅力的である必要がある。職業訓練には、まず技術、専門職を必要と
するマーケットを重視したうえで、そのマーケットに合わせた専門職の訓練をする
べきというのが企業の立場からの意見である。
おわりに
名古屋大学
山田肖子
准教授
途上国、特にアフリカの国々には、日本に援助されるのはとてもうれしいが、我々
は産業のパートナーとしてやっていきたいとの意見が多くある。職業訓練、技術協
力としても、日本が途上国のパートナーとして一緒に育っていくという感覚で企業
側、ODA 側で一緒に考えていければと思う。
(6)閉会挨拶:国際開発センター
理事長
竹内正興
最後に、本セミナーの主催者側の一人としてご挨拶させて頂く。本セミナーは本
来 3 月に予定していたものであったが、東北の震災の影響を受けて、本日の開催に
至った。延期を受けて、JICA の関係者をはじめとして、様々な調整が必要であっ
たと思うが、本日の開催に尽力頂いた方、全てに感謝申し上げたい。
ODA は今、大きな転換期にあると思う。官民連携、Win-Win 等の用語が本日の
講演にも出てきたが、私自身は官民連携からもう一歩進んで、
「民官連携」でいかな
ければいけないと感じている。つまり、民が主体となって官が後方からサポートす
るという形が日本の国際協力には望ましいと思う。
本日のセミナーは国際開発センターにおいては国際交流事業の一環としての事業
であった。このセミナーの前には、日中韓で情報セキュリティに関するセミナーを
行った。また、将来的には、北朝鮮にフォーカスを当てたセミナーを開催すること
も考えている。我々、国際開発センターは、時代を先取りする情報発信を引き続き
行っていくので、是非、今後ともご支援を賜りたい。
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