クボタからのご提案 従来の湛水直播の課題であった発芽苗立ちの 不安定・雑草対策を解決できる省力・低コスト 稲作技術として、鉄コーティング湛水直播栽培 が経営規模の拡大や複合経営の導入を目指す 西日本版 No.22 新稲作技術の普及を目指して 省力軽労化、 低コスト稲作の展望と課題 特集 生産者の中で拡がりを見せています。 特集 株( ク)ボタ機械営業総括部 宮 越 彊 機械化でジャンボタニシ対策を講じる! ㈱福岡九州クボタ 福井県坂井農林総合事務所 農業経営支援部 「鉄まきちゃん」 開発秘話 発する気象災害︵台風、水害、熱波、 寒波、旱魃など︶の中で、作況指数が 年間で平年作と比較して 示すように、稲作栽培技術は世界最 低いことが問題とされていま す。これを受けて、国及び各県の重 年産 点政策課題は、コスト低減が強く打 ち出さ れています。 現 在 、わ が 国 の 米︵ 平 成 ㎏[1俵]︶当りの平均的生産費は、 万円超であり、3割削減を目標に 掲げて取り組んでいます。 世界の米生産量の太宗を占める アジアでは、加速する高度経済成長 と所得増大で、わが国との米価の内 外価格差が縮小しつつあります。 米価上昇が期待できない今日、 低 米価でも経営が成り立つ低コスト 生産を実現すれば ﹁品 質、 食 味﹂ と ﹁安全、 安心﹂ で、 わが国の米は、 最強 の商品となります。従って、国内の ⑴米の労働時間の減少 圃場整備の進展、機械化一貫体系 a当り 時間を切りました ︵平 の確立によって、 平均的な 年で 時間︶。 労働時間は 成 この内訳を見ると、 育苗から田植 え の 春 作 業 が 約 3 割 を 占 め て お り、 近 年、こ こ に 新 技 術 開 発、導 入 が 著 しいものがあります。 育苗、移植作業時間が減少します。 ❶直播栽培、 疎植栽培の導入により やすのではなく、国際市場に打って はじめに 長崎県 高尾 靖さん 「飛翔」 の精神でチャレンジするでっかい農業! られています。 年 産 稲 作 は、 春先 所得の減少で厳しい稲作経営を迫 地間競争が一層激化するとともに、 このことから、 低米価、 米市場・産 いません。 ギャップが依然として解消されて からず生産調整を拡大しても需給 とともに、 米消費減退に歯止めがか 害で1等米比率は大きく低下する 柄 概 況 は、 や や 不 良 と な り、 高温障 で、 生 育、 出 穂 登 熟、 収 穫 を 迎 え、 作 した。その後、 歴史に残る猛暑の中 われ厳しい環境下でスタートしま から移植直後まで長雨、 低温に見舞 の も と に、 平成 新たな農政 ﹁戸 別 所 得 補 償 制 度﹂ きらめき夢農業営農アドバンス2010 開催! れます。 植栽培に比較して mが確保さ ∼ %削減さ ❹直播栽培導入では、 労働時間が移 れ、作業能率が大幅に向上しました。 発、導 入 に よ り、 秒速 ❸高速田植え、 直播播種田植機の開 枕地ならし溝切りが行われています。 疎植栽培では苗箱節減でコストが 削減されます。 g、 除草剤1㎏ ︶ 以内を無 ❷箱 播 き、除 草 剤 同 時 散 布 で は、規 定量 ︵箱 駄なく、重ねまきせず薬剤費用の削 減が可能で、ポジティブリストを遵 守できます。 ❸側条施肥では、 効率的肥効の施肥 で1∼2割の施肥量が削減ができ ます。 ⑶ 田植機に低コスト新技術が7割装備 %が装 適量散布及び施用ができ、費用節減 ど の 散 布 作 業 で は、車 速 に 連 動 し、 トラクタでは、肥料、資材、堆肥な ⑷トラクタでは車速連動作業 備されています。 培のコスト低減新技術の らしなどが装備されており、水稲栽 草剤同時散布、施肥、溝切り、枕地な 散布と除草剤散布並びに側条施肥、 田植機で、直播、疎植、箱薬剤と除 ❷田植え同時に病害虫防除 ﹁箱薬剤﹂ 資材の削減のみでは、クリアが難し 米のコスト3割以上削減は、 生産 低コスト米生産の 戦略 あると考えます。 産官学で生産者を支援する必要が 出 る 米 政 策 の 転 換 を 視 野 に 入 れ て、 産地間競争や市場競争に精力を費 耕作放棄地再生支援・農業体験 ⑵米の生産費の低減 宮崎県 ㈱Rikiファーム P37 ︵作況指数︶ だと考えます。 定﹂﹁雑草対策﹂を解決できる新技術 播 の 課 題 で あ る﹁発 芽 苗 立 の 不 安 コーティング直播は、従前の湛水直 種 直 播﹂ で あ り、 この方式による鉄 世界の米づくりの主流は ﹁表面播 播﹂を導入することです。 きが可能となる﹁鉄コーティング直 低 コ ス ト 直 播 栽 培﹂ の 落 水、 表面播 は、﹁環 境 に や さ し い、省 力 軽 労 化、 様々な課題解決のイノベーション 展 対 応、グ ロ ー バ ル 市 場 競 争 な ど 機械施設の効率的利用、高齢化の進 経 営 規 模 拡 大、 複 合 営 農 の 導 入、 今、 特に注目の新技術 ﹁鉄コーティング直播﹂ ︵1等米比率︶ 20 20 平成22年水稲鉄コーティング直播栽培の 生育状況と結果について 新稲作技術の普及を目指して 北陸の直播体系に一石を投じた 鉄コーティング点播直播 い の で、 新 技 術、 イノベーションテ 40 ■ 耳寄りインフォメーション 40 ㈱東近畿クボタ ができます。 南九州クボタ 『がんばろう!宮崎農業 応援祭』開催 0 山下 惣一 60 省力軽労化、低コスト稲作の展望と課題 わが国の水稲農業は、 世界的に多 わが国の米農政の 現状と課題 西日本版 No.22 100±2と安定していることが ここ 新潟県農林水産部 経営普及課専門技術指導担当 阿部 聖一 ❶直 播 栽 培 で は、育 苗 費 用 は な く、 21 20 18 16 14 12 10 8 6 4 平成2年産 「生物多様性」と「農業」 60 ㈱クボタ機械営業総括部 宮越 彊 クノロジー導入が必要と考えます。 1等米比率 熊本県 ㈲デカノウ熊鹿 車速連動肥料散布機 0 P38 ■ 村からのひとり言 80 80 P31 ■ 夢農業 P27 ■ 夢農業 P29 ■ザ・ふれあい 22 あなたの 『伝えたいこと』 大募集! 100 (%) 100 ■ 読者ページ 120 作況指数 父子で挑む循環型農業 70 水稲うるち米の1等米比率と作況指数の推移 岐阜県 ㈲福江営農 5つの作業 (箱施用剤 散 布・枕 地 な ら し・除 草剤散布・植付・施肥) が同時にできる P19 ■ 発進!クボタeプロジェクト P25 ■ザ・ふれあい 10 P1 ■ 特集 1 2 沖縄県 當銘 悟さん 50 出典:農林水産省統計部「作物 統計」及び農林水産省総合食料 局食糧部 「米の検査結果」 注:平 成21年 度 産 の 1 等 米 比 率は平成21年11月15日現在の 速報値です。 移植稲(左)、鉄コーティング稲(右)は生育がほとんど変わらない 親子二代で引継ぐさとうきび大規模経営 1.8 40 「お客さまのニーズに応えるため」に 機械化するんです! 福井県実証圃場[2010年5月7日播種(左)、8月28日(右)] 「大豆300A&鉄コーティング湛水直播」の 2大テーマで元氣農業講演会 開催! 富山県実証圃場において、鉄コーティング稲の生育調査を実施。 根の張り、稲の草丈、穂数など、移植稲と生育に差がないことを実証しました。 P23 ■ 全国農業コンクール・クボタ賞受賞者に見る農業経営 P15 ■ クボタ大豆300Aプロジェクト 鉄コーティング専用 点播直播機 「鉄まきちゃん」 21 30 気象変動に強い米づくり 21 海抜ゼロ地帯で 大規模な環境保全型農業を実現 50 富山クボタ大豆300A研究会 中九州クボタ大豆栽培研究会 27 新潟県における鉄コーティング 湛水直播栽培の普及状況 60 1 30 強であるのに対して、価格競争力が 1981(昭和56)年∼2010(平成22)年までの30年間の作況指数 生育状況 はじめに 水稲新技術 ﹁鉄コーティング直播 栽 培﹂ に ク ボ タ グ ル ー プ が、 平成 年 新 潟 県 で 初 め て 取 組 み、 そ の 後、 秋田県、 千葉県、 山形県、 宮城県等の 主要米作県に導入され、 全国的に普 及拡大して6年目になります。 実施農家数及び面積は年々倍増 し、 水稲のイノベーションテクノロ ジ ー﹁省 力、軽 労 化、低 コ ス ト 技 術﹂ として、 各県で実演実証が行われて います。 この間、 クボタ及びクボタグルー プでは、 数多くの講演会、 研修会、 検 討会を開催し、 地域での実証成績を もとに栽培技術の改善に取り組む とともに、 乗用田植機による高速播 種機 ﹁条 播﹂ から ﹁点 播﹂ 機 の 開 発、 実 証に至っています。 栽培面積︵ ︶ 全国の収量調査結果 す。 が加速したものと考えられていま 効率的利用を図るために導入普及 技 術 と し て、育 苗、乾 燥 調 製 施 設 の じて、今後、省力、低コスト稲作の新 国のJAで実証され、系統組織を通 また、 JA全農でも3年前から全 となるものと考えられています。 を克服する新しい米戦略の先進事例 高 齢 化﹂﹁機 械 施 設 の 効 率 的 利 用﹂ 等 る高温登熟回避﹂﹁低米価﹂﹁担い手の めぐる厳しい情勢 ﹁温暖化気象によ 1000 点 播 播 種 の 収 量︵ 表 3 ︶ ︵ 条 播 、移 植 と の 実 収 比 較 ︶ ㎏ / a程度多くなっ ① 点 播 収 量 は 、条 播 と 比 較 し て 、 同等から ています。 ②移植栽培と比較して、同等から ㎏ / a程度少なくなっていま 実施軒数 栽培面積 ︵ ︶ 点播 条播 移植 収量︵㎏/ 収量︵㎏/ a︶ 移植 条播 点播 a︶ 福井県 ■表1 全国鉄コーティング栽培面積の推移 す。 移植 点播 a︶ 石川県 鉄コーティング 直播栽培の普及状況 猛 暑 、高 温 で 出 穂 期 が 早 ま り 、移 ⑴収量 本年の全国の作況指数は、 のや や不良となりました。 多くの地域では、移植並み収量を 国平均の1等米比率は 収量︵㎏/ 移植 条播 点播 富山県 全国の年次別普及面積は、年々倍 増し、︵表1︶に示すとおりです。 県 、宮城県280 は、 全国の都道府県別普及状況は、新 潟県の320 群を抜いており、実施県数では ︵図1︶に及んでいます。 地域別で、 注目されるのは、 新潟県 を 除 く、 北陸3県 ︵富 山、 石 川、 福 井︶ の平成 年の普及 ︵表2︶ です。米を 収穫期調査 県︶では、倒伏が多くなりました。 植栽培との出穂期、成熟期の差は少 り、 中干し不足地域 ︵新 潟 県、 秋田 茎 質 は 点 播 で は、株 が 開 張 し、移 ⑴発芽苗立状況 本 年 は、播 種 期 の 長 雨、低 温 が 続 好 天、猛 暑 で、虫 害 の 発 生 が 目 立 なくなっています。 植並みの茎質を確保できました。 移植栽培においても、 田植後の活 ちました。特に、イネアオムシが7 ⑷病虫害発生 着、 初 期 生 育 が 遅 れ た が、 表面播種 月下旬∼8月上旬に各地で多発し 倒伏したものや播種時期が遅く、 の鉄コーティングは、土中播種より ⑸ 耐 倒 伏 性︵ 根 の 発 育 状 況 ︶ 早刈りしたものは、 青米が多く出て、 確保したところが多くなりました。 表面播種は、 倒伏に弱いと言われ ⑵等級 出穂後、登熟期の猛暑、高温で、全 し の ぐ 結 果 を 得 ら れ、表 面 播 種 の に 低 下 し 、近 年 、ま れ に 見 る 品 質 不 %と大幅 ﹁鉄 コ ー テ ィ ン グ 直 播﹂は 倒 伏 に 弱 良となりました。 その中で、鉄コーティング直播栽 いことはないものと考えられます。 そ の 結 果、移 植・土 中 播 種 直 播 を 育状況を調査しました。 その分移植より減収となりました。 ました。 でした。 ⑵播種方法 本 年 か ら 開 発 試 作 播 種 機︵モ ニ タ ー 播 種 機︶ の点播播種機 ︵鉄 ま き ちゃん︶は、条播より、安定した発芽 苗立ちになりました。 ⑶生育状況 草丈は、 分げつ期の天候回復で移 て お り ま す が、 本 年、 各地で根の生 地温上昇があり ﹁発 芽 苗 立﹂ が良好 りました。 き、直播栽培には厳しい条件下であ ∼新たに開発した高速点播機の点播直播実証成績の紹介∼ 植を含めて長く、節間伸長期の溝切 培は、 1等米比率が移植栽培に比べ、 やや向上しました。 ⑶品質 近 年 、食 味 値 を 測 定 し て 、販 売 す るようになりました。 全国的に、鉄コーティング直播栽 培 で は 、実 証 以 来 、移 植 並 か ら そ れ 以上に高い数値が得られ、生産者に 85.5 200 a︶ 10ha 以上∼100ha 未満 20 10ha 未満 57.5 鳥取県 好評です。 収量︵㎏/ 40 滋賀県 コシヒカリでは、 玄米窒素濃度 ︵た んぱく︶6%台、あきたこまち・ひと めぼれ・はえぬき7%で移植より 愛知県 3 出典:クボタ調査 4 %程度低くなって、食味が向上して います。 宮城県 出典:クボタ調査 37.1 0 107軒 福島県 平成22年 平成21年 100ha 以上 0 0 60 54 300 ha 200 10 100 500 300 100 80 40 63 200 10 100 480㎏ 60 400 80 540㎏ 510㎏ (平成22年度・36県) 岡山県 480㎏ 480㎏ 500 600 400 100 ■図1 都道府県別鉄コーティング栽培面積の状況 ■表2 平成22年度北陸3県の鉄コーティング 直播栽培の実施状況 120 540㎏ 600 0 平成20年 0 100 収量 549㎏/10a 468㎏/10a 580㎏/10a(飼料米) 472㎏/10a(飼料米) 480㎏/10a 420㎏/10a 634㎏/10a(飼料米) 627㎏/10a(飼料米) 538㎏/10a 534㎏/10a 播種方法 点播 条播 点播 条播 点播 移植 点播 移植 点播 条播 実証場所 100 200 10 出典:クボタ調査 0 400 ha 300 400 36 ha 98 600 10 400 480㎏ 500 200 10 300 533㎏ 10 ha 800 500 540㎏ 540㎏ 600 63.1 30 591㎏ 600 富山県 22 1200 山形県 平成22年水稲鉄コーティング直播栽培の 生育状況と結果について 富山県射水市の大島西部営農組合の実証圃において、鉄コーティング稲の生育調査︵2010年8月︶ 移植と鉄コーティングの根の発育状況比較 5 1 2 4 (株)クボタ機械営業総括部 宮 越 彊 鉄コーティング 移 植 30 ■表3 県別収量調査結果(平成22年成績・クボタ調査) 17 0.5 3 新潟県 はじ めに 新 潟 県 の 直 播 栽 培 面 積 は、 平成 年に一時減少した以外は一貫して 拡 大 し て お り、非 主 食 用︵ホ ー ル ク ロ ッ プ サ イ レ ー ジ 用、加 工 用、米 粉 年の直播栽培 となっています。 用等︶も含めた平成 面 積 は 13 7 3 年直播栽培面積は で全国第5位ですが、 水 新潟県の平成 13 45 稲作付面積に占める直播栽培導入 割 合 は 1 % で あ り、上 位 4 県 が 約 5%以上の割合なのに対し、 大きな 格差があります︵図1︶。この面積は、 新潟米ブランド強化推進運動にお 年直播目標面積︵190 ︶の7割の達成率に留まってい ける平成 0 年の直播目標面 年の直播栽培に用いられ 9割を占める湛水直播 平成 る 品 種 の 割 合 は、﹁コ シ ヒ カ リ﹂ が %となっ %、コシヒカリに比べ倒伏抵抗性 が強い、﹁こしいぶき﹂ が ていて、この2品種で直播栽培のほ となっていますの ます。また、平成 積は6800 で、さ ら な る 普 鉄コーティングによる直播では、 して出芽時の鳥害に対 みがあり、その要因と なっています。 %、点 播 が %、散 播 が 3 % と 式 の 内 訳 は、条 播 が 圧 倒 的 に 多 く 占 め て い ま す。湛 水 直 播 の 播 種 方 湛水直播が依然として9割以上を いる特徴がありますが、県全体では 乾田直播面積が増加傾向となって 内直播では、特定地域でV溝による と ん ど を 占 め て い ま す。最 近 の 県 コーティングが強固であるため、 する抜本的対策がない 酸素発生剤コーティングと比較し た大きな優位性を実感し、このこと が、鉄コーティング直播面積の急増 年 か ら 2 か 年 、新 に拍車をかけたと思われます。 さ ら に 、平 成 潟県作物研究センターにおいて﹁新 たな直播栽培技術の現地適応性﹂の 試験研究に取り組み、現地で問題と なっている鉄コーティング直播の 年度にとりまとめました。こ 苗立ち安定化に向けた研究成果を、 平成 の研究成果では、苗立ち安定化技術 ℃ ②コーティング量 のポイントとして、①積算浸種温度 の目安は は乾籾重の 倍 ③土壌表面に播 種し、播種後は落水出芽 の3点を 挙げています。 福島 その他 6% 岡山 及 拡 大 に 向 け、 今後の取り組 みが一層重要 となります。 当地域は、県内でも 直播栽培が盛んな地域 スズメの食害を回避できることか ことが挙げられていま ですが、面積の伸び悩 ら、県内でも雀害に悩んでいた地域 した。しかし、鉄コー スズメの食害回避から 拡大した鉄コーティング を中心に、鉄コーティング直播面 い回避効果が認められ、さらに、 た結果、鳥害に対し高 ティング直播を試作し 積が拡大しています。平成 年は湛水 降、鉄コーティング方式が年々増 加の傾向にあり、平成 べ、出芽時間がやや長くかかるも 酸素発生剤コーティング方式と比 ています︵図2︶。県内における のの出芽苗立ちは同等以上の結果 %を占めるまでに至っ 鉄コーティング直播は、新発田地 が得られ、翌年以降、当地域での 直播の約 上位県の直播面積の推移(図1) 全国初! 新潟県が手引書を作成 散 播 年 の 3 月 に 、﹁ 新 た な 水 稲 直 播 栽 培 技 術 導 入 の 手 引 き ﹂を 作 成 し 、鉄 コーティング直播とV 溝乾田直播 の新技術を紹介しています。鉄コー ティング直播については、写真や図 解を用いてわかりやすく説明し、種 子準備から本田管理までの主要作 業の要点を明示して、失敗のない作 業・管 理 が 実 践 で き る よ う に 、配 慮 した内容となっています。これらの 成果や手引きは、県内における鉄コ ーティング直播の普及促進の一助 となると期待されています。 低コスト稲作の切札 直 播 の 出 芽・苗 立 ち は 近 年、 高位 安定化し、 目標苗立ちが比較的容易 に確保できているため、 苗立ち率が 低下して移植に切り替える圃場は少 課題は鳥害軽減 湛水直播では、 以前は酸素発生剤 コーティングによ る直播方式だけで した。酸素発生剤 コーティングによ る直播では、播種 床の軟らかさや播種深度が苗立ち に大きく影響し、スズメやカモを 始めとする鳥害も大きいという課 題がありました。このような苗立 ちの不安定さが、普及拡大の 阻害要因の一つと なっています。 a当り ∼ ㎏ 減少しますが、品質は移植 移植栽培に比べ、収量は 期幅の短縮等が挙げられます。 雑草との生育差による除草剤散布適 低温時の出芽促進、 出芽遅延に伴う 鉄コーティング直播の課題としては、 延長、 効率的な雑草防除があります。 後半まで用水が確保できる取水期間 直播栽培全体の課題として、 登熟 ポイントであると考えられます。 拡大には、 新規参入者の確保がキー ど増加していません。飛躍的な面積 着していない地域では面積がほとん し、 面積も増加傾向にありますが、 定 取り組みの進んでいる地域では定着 県の直播栽培は地域間差が大きく、 播種後40日の生育状況 10 普及が加速しました。 鉄コーティング直播の 優位性 験︶ を実施しました。 一連の試験の中 で、 本県特有の重粘土質圃場では、 確 実に表面播種になるよう、播種床を 硬めにすることが重要であること が 明 ら か に な り ま し た 。そ し て 、農 業者や関係機関の指導者は、雀害回 避 の ほ か 、安 価 な 資 材 費 、農 閑 期 の 出典:新潟県農林水産部 6 1,345 1,500 なくなってきています。しかし、 本 87% 拡大が望まれます。 各直播方式の特徴を活かした普及 境・圃場条件等地域の実情を踏まえ、 スト稲作の切り札の一つとして、環 鉄コーティング直播は、本県の低コ 経 営 に お け る 所 得 確 保 を 図 る た め、 価は低下傾向にあることから、稲作 産地間競争が一層厳しくなる中、米 の直播栽培の概況です。近年、米の 並からやや良というのが、これまで 60 出典:農林水産省調査 ※栽培面積は飼料用米、 WCS用稲などの面積を含む 湛水直播の播種方式の内訳 新潟 鉄コーティングの出芽 21年(速) 20年 19年 (平成) 18年 18 コーティング作業と長期保存性等、 県 で は 直 播 栽 培 指 導 の た め 平 成 条 播 30 3% 10% 500 74% 5 1,000 コシヒカリ 20% 1,041 愛知 1,697 4 1,916 2,000 福井 3,000 1 2,975 2 3,236 10 富山 直播栽培に用いられる品種の割合(平成22年) 22 3 こしいぶき (ha) 22 ha 播種作業 年から3か年、延べ か所で鉄コ 11 22 2,500 20 74 21 ーティング直播試験︵普及展示圃試 18 また、県内の各地域において平成 出典:新潟県農林水産部 87 ha 21 ha 24 ha 年以 年次(平成) 年に試験的に導入した 200 域で平成 400 ︶ ha 点 播 新たな水稲直播栽培 技術導入の手引き 22 ■ 酸素発生剤 ■ 鉄コーティング 600 湛水直播栽培面積︵ 800 5 スズメやカモによる食害 6 1000 20 19 17 1200 3,500 0.25 阿部 聖一 22 21 20 19 40 新潟県農林水産部 経営普及課専門技術指導担当 17 0 21 新潟県における 鉄コーティング 湛水直播栽培の普及状況 1400 のが始まりと思われます。 湛水直播栽培における鉄コーティング方式の面積推移(図2) 富山県射水市 大島西部営農組合 (実証圃60a) 根張りを比較検証した (元)熊本県熊本農政事務所 農業普及課長の木村良一氏 ▲木村良一さん ●鉄コーティングは、表面に播種するから支える力が弱い、倒れ やすいと言われますが、決してそうではなく、たくさんの根が 移 植 鉄コーティング (点播) 支えていました。 ●それに比べ、移植栽培の稲の根は鉄コーティングほど土中深 ■平成22年度 実証成績 く伸びていませんでした。 (富山県射水市大島地区/コシヒカリ) ●筋播きをした酸素発生剤コーティングは、根の競合が激しく 鉄コーティング 移植栽培 直播栽培 92.4㎝ 草丈 91.4㎝ 20.2本 穂数 22本 152粒 一穂粒数 150粒 お互いが遠慮しあって、土壌表面付近に限られた量しか出て いません。 ●鉄コーティングの稲の根が、一番たくましいですね。 ●草丈や穂数も、移植栽培の稲とほとんど差がありませんでした。 (クボタ調査) 酸素発生剤コーティング (条播) 予想を上回る結果に驚き、 直播の意識が変わった ▲中山藤右衛門組合長 ▲馬渕広繁さん ▲水野忠光さん 富山県射水市 大島西部営農組合 中山藤右衛門組合長 (実証圃60a) ※ ●初年度としては良い出来です。成功だと思いますよ。 組合員 馬渕広繁さん ●順調にいったと喜んでいます。管理も移植栽培とそ う変わらない。難しくないです。 ●苗をつくる手間もかからずラクだし、あらゆる面で 良い。面積拡大も考えていきたいです。 ▲倒伏もなく見事に実った ■平成22年度 実証成績 富山県中新川郡上町 水野忠光さん (実証圃60a) (富山県射水市大島地区/コシヒカリ) ●発芽率も良いし、それまであった鳥害もない。水管理もラク。芽が出る前に除草剤も散布 でき、雑草も少なかったですね。 ●今までの直播から考えると、鉄コーティングはすごく良いね。直播の意識が変わりました よ。全面積、鉄コーティングにしたいぐらいですね。 鉄コーティング 移植栽培 直播栽培 10a収量 540㎏(9俵) 540㎏(9俵) 83点 85点 食味 ※食味(タンパク質・アミロース・脂肪酸度を100点満点で計算) (クボタ調査) 北陸の新しい直播体系の一つとして普及・拡大 今年は、夏の猛省で高温登熟による米の被害が多く見ら れましたが、鉄コーティングの稲は、出穂期が移植栽培より ーティング点播直播栽培」に、224名もの生産者の方が実証に取組まれ、その栽培面積は実に170haと 大規模で、 大きな取組みとなっています。ここでは、実際に取組まれた方の声をご紹介します。 移植栽培と見間違えるほどに成長 ▲飛永継忠さん ▲石川武雄さん 福井県福井市 新保集落営農組合 石川武雄さん (実証圃45a) ●圃場近くに、ショッピングセンターがあ ▲きれいに揃う稲 ▲大きな株が形成されている るため、鳥害に遭いやすいのが悩みです。 酸素発生剤コーティングを播種したとこ ろ鳥害に遭って、もう一度、移植し直すの が大変でした。 ●鉄コーティングは、 移植する必要がなく鳥 害が非常に少ないように思いましたね。 今 年のできは、 鉄コーティングの方が良いみ たいですね。 福井県福井市 農事組合法人そんぼ代表 理事組合長 飛永継忠さん (実証圃75a) ▲太い根 (5月9日撮影) ●稲を見るとしっかりとした株間ができて いて、 これは成功だと思いました。 勝山市の実証圃 (7月1日撮影) 表面播種と土中播種の違いで 苗立ちに差 ▲島田静子さん 福井県勝山市 島田静子さん (鉄コーティング6ha・ 酸素発生剤コーティング14ha) ●今年の春先は気温が低く、芽を出すま ▲播種(5月7日撮影 [左] )、8月28日撮影[右] で心配でした。 富山県射水市 ※ 大島西部営農 組合 実証圃 a 味も移植栽培とほとんど変わりませんでした。 この良い結果を受け、来年の実証面積は福井県、石川県と も増える見込みで、 (株)富山クボタにおいては、今年の3倍 の60ha と大幅に拡大する予定で、鉄コーティング点播直 60 播栽培は、北陸の直播栽培における新しい栽培法として、確 実に普及・拡大していきそうです。 水稲直播面積が全国の約30%を占める富山県・石川県・福井県の北陸3県。今年、新しい直播技術「鉄コ ●苗立ちは酸素発生剤コーティングの方 遅いため、目立った影響がないのが大きな特徴で、収量も食 8 北陸の直播体系に一石を投じた鉄コーティング点播直播 ▲ 移植栽培と同等の9俵を確保! 倒伏に強いことが実証で明らかに ▲既に2年目の取組みがスタート。 きらめきほくりく夢農業で 「鉄コーティング点播直播」 の講演が行われた。 が悪かったですね。寒さが直接影響す るのでは?と思います。 ●土中に播種するのと違い、鉄コーティ ングは表面播種したあと、水を張るの で保温効果があるのではないでしょう か。苗立ちに差が出ましたね。 ▲鉄コーティング専用播種機 「鉄まきちゃん」 で 点播した稲は大きく太い株。 ▲酸素発生剤コーティング直播 (条播) 株の間隔が狭く、 株も小さい 7 機 械 化 で ジャ ン ボ タ ニ シ 対 策 を講 じ る ! 九州でも鉄コーティング直播 ができるように 昨今の経済情勢による米価の 下 落 や 従 事 者 の 高 齢 化 等、依 然 農 業 情 勢 が 厳 し い 中、省 力 化 を 図 り、い か に コ ス ト を 抑 え る か が、今 後 の 稲 作 経 営 の 課 題 と なっています。そのような状況 か ら 今 年、㈱ 福 岡 九 州 ク ボ タ は、 省 力 軽 労 化・低 コ ス ト 稲 作 の 一 つである ﹁直 播﹂ を 福 岡 県・佐 賀 県・長崎県・大分県の一部の担い 手のお客さまと一緒に取組んで い く た め に、 ﹁直 播 連 絡 協 議 会﹂ を発足。現在、乾田直播と鉄コー テ ィ ン グ 湛 水 直 播 合 わ せ て、 に 軒のお客さまが加盟されており、 そ の 規 模 は、 箇 所 で 約 パワクロ一貫機械化体系で 乾田直播を行う 九 州 地 域で直 播を行 うには、大 きな課 題 があります。それが、スクミリンゴガイ ︵ジャ ンボタニシ︶ です。直 播 後、芽 立 ちした 直 後 の幼苗期の柔らかい葉を食害し、酷い場合に は全滅することがあるほど、ジャンボタニシ による被害は大きいものがあります。ジャン ボタニシは、水がないと食 害しないため、㈱ 福 岡 九 州 クボタでは、被 害が常 習 する地 域 において、乾 田 化 した 水 田に播 種 し苗 立 後、 入 水 する ﹃乾 田 直 播﹄ を 提 案 していま す。生 育安定を図るため、お勧めしているのが、 ●圃場の均平化 引 力に優れたパワクロなら安 定した均 平 作 業と高 精 度 な 播 種 が行 え、その後の生 育に 大きな差が出ます﹂ といわれるのは、協 議 会 ことです。レーザーレベラーで圃場を均平に 転 耕 起させて、冬に表 層を晒 すことで、ジャ 社長です。また、 ﹁パワクロを使いプラウで反 を取りまとめる㈱福岡九州クボタの手嶌副 して、水管理を容易にし、播種深度を一定に ンボタニシの発生が抑えられた﹂ との報告も ●播種深度を一定に保つ 揃えることで、出芽率が高まります。この作 あり、パワクロによる乾田直播の機械化体系 ● 大型パワクロと mのハローによる田面の均平 ジャンボタニシ対策に取組んでいます。それは、 ティング湛 水 直 播の実 証 も 行い、機 械 化で 今年新たに㈱福岡九州クボタでは、鉄コー 機械でジャンボタニシ対策 鉄コーティング湛水直播 はさらに広がりを見せています。 業に有 効 なのが、パワクロ。 ﹁低 踏 圧 で け ん 実際に九州沖縄農研センターでも直播の実 証が行われ、来年も取組む予定です。 九州で広がりをみせる直播 実 長 崎 県 東 彼 杵 郡 波 佐 見 町で、今 年 初めて 飼 料 稲に鉄コーティング湛 水 直 播を1 証された高 尾 靖さんは ﹁発 芽 率 も良 く生 育 も順 調でした。面 積が多いほど、コスト 面・ 労力面にも魅力ですね﹂ と、良さを実感され、 ●鉄コーティング専用播種機 ﹃鉄まきちゃん﹄ による播種・溝切り 来年面積の拡大を予定しています。また、福 がって美味しい﹂ と、好評を得ています。 溝に水 を 溜 めてお け ば、深 水になった 溝に 俵を収穫。良い結果を得ています。 ほ どを 目 標にしたいと思いま す。直 播 研 究 会の会 員 も増 える見 込みで、実 証 面 積 て、期 待 さ れる 直 播。 ﹁反 響 も 大 き く 来 年、 岡県三潴郡大木町で乾田直播・鉄コーティン a、鉄コーティング湛水 ジャンボタニシが集 まり、田 面に上がってこ 乾田直播で ㎏ / グ湛水直播の両方に取組む中島宗昭さんは、 省力軽労化・低コスト稲作経営の一つとし ちゃんは一役買っています。 なくなる﹂ と、ジャンボタニシ対 策に鉄 まき 及びます。 ▲鉄コーティング直播の実証圃 直 播 連 絡 協 議 会 を 立 ち 上 げるにあ た り、 けられたお米は、お客さまから ﹁粘りがあっ 米をブランド 化して販 売。 ﹁人 魚 姫﹂ と名 付 ポートしていきたい﹂ と、手 嶌 副 社 長。㈱ 福 栽 培の機 械 化を通じ、お 客さまの営 農をサ 生育途中と収穫時期に検討会を 実 施。お 客 さ ま と と も に 栽 培 技 術を深めた 岡九州クボタの意欲的な取組みは続きます。 組むことが重要﹂ と考え、㈱福岡九州クボタ で は、久 留 米 市 田 主 丸 町 に 乾 田 直 播 と 鉄 コーティング直 播 それぞれの圃 場 を 設 けて、 実証を行いました。 ﹁私たちの取組みを見て 最初、関心が低かった方も、順調に稲が生育 するにつれ、足を止めて様子を見られるよう になりました﹂ と、手 嶌 副 社 長はいわれます。 また、実 証を行った乾 田 直 播、鉄コーティン 点と、非 常に良い成 績 を 収 めること グ湛水直播とも9俵を収穫。乾田直播は食 味が ▲ です。 ﹁ジャンボタニシは、水が溜まった箇所 で活 動 が活 発になりま す。食 害 があるとこ ろは、田面に高低差があることから、田面を 均 平にして浅 水 管 理にすること が 大 切﹂ と、 mのハローでも、2 大型パワクロと mのハローを使った均平作 業を提案しています。 ﹁ 往復程度で、充分に均平になりますし、けん 引 力に優 れたパワクロで安 定 して行 えるた め、非常に効率的です。田植えをされている お客さまで、田 植 後いつもジャンボタニシに 食害されていたらしいのですが、大型パワク ロに mのハローをつけて作業したところ、一 箇 所も食 害がなかったそうです。これは、鉄 ▲レーザーレベラーで高精度な均平が可能 ㈱ 福 岡 九 州 クボタでも、実 証 圃で育てたお 直播で約 10 て、噛めばじんわりと甘みが口いっぱいに広 良い結果に注目が高まる 700 10 コーティング直播でも、充分応用できること 40 ▲鉄コーティング直播の実証圃 5.5 50 ha ▲㈱福岡九州クボタ 手嶌副社長 ﹁お客さまの営農を支援するには、自らも取 200 ha です﹂ と、手嶌副社長はいわれます。 グ専用播種機﹃鉄まきちゃん﹄ も対策の一つで 50 るまでになりました。さらに、普及所や公的 ▲ す。 ﹁鉄 まきちゃんは、播 種 しながら両 サイ ▲大型パワクロと5.5mのハローで田面を均平化 ▼ジャンボタニシ 機 関 か ら も 問い合 わ せ が く る よ うに な り、 ▼鉄まきちゃんを使って 実証が行われた 5.5 5.5 ドに ㎝ のV 字 型の溝 がつくれま す。その 10 ha 鉄コーティング専用 播種機『鉄まきちゃん』。 高速・高精度点播が行える▲ ができ、 ﹁やってみたい﹂ とお客さまが言われ 85 5.5 また、今 年 新 発 売になった、鉄コーティン 省力軽労化、低コスト稲作の展望と課題 特集 ▲有機質の魚肥を使って育てた こだわりのお米「人魚姫」 9 10 ▲乾田直播の実証圃 耕深と胴割発生率 %と高い比率を確保。 異常気象に対応した土づくり対策 (写真提供:福井県坂井農林総合事務所 農業経営支援部) ツーウェイローターは機械力があ り、あっという間に簡単に深く起こ せた。深耕で良い結果が出たので今 後、考え直したい﹂と評価。ツーウェ イ ロ ー タ ー は 、こ こ 3 年 ほ ど で (平成16年 E町) 100台も導入され、深耕には欠か 出典:福井県農業試験場 や手間を考え深耕はしなかったが、 の様子を見た生産者の方は﹁機械力 収量に大きな差が出ました。実証圃 較 実 証 試 験 を 行 っ た と こ ろ 、品 質・ 4年前、慣行ロータリ︵浅耕︶と比 下回る都道府県が多い中、 福井県では1等米比率が85.1 a︶ 540 10 520 年より、 米の大 深耕で異常気象に対応 福井県では平成 粒化と品質向上につながる技術や 機械の導入を補助事業としていま す。そ の 一 つ が、﹁深 耕 に よ る 土 づ 耕盤 スピーディに、しかも耕深 ㎝ と深 ウェイローター﹄で行われています。 小 橋 工 業 ㈱ と 共 同 開 発 し た﹃ ツ ー 深 耕 は 主 に 、福 井 県 農 業 試 験 場・ 深耕と有機物施用に ツーウェイローターが 有効 耕盤 く起こせ、わら等の有機物をきれい に 鋤 き 込 め ま す 。作 業 は﹁ け ん 引 力 があり、深耕時でも作業が安定する パワクロで行うのが、なお良い﹂と、 北倉部長はいわれます。 ローターによる深耕を推進してい 県を挙げて取組んできた﹁深耕と 部の柿本マネージャー。 ﹁田んぼにスコップをさして、 起こ 有 機 物 施 用 に よ る 土 づ く り﹂は、異 ば、 耕深が ㎝ あるのがわかる﹂ とい われるのは、 経営支援グループ企画 主査の上野直哉氏。 スコップを定規に見立て、容易に 深 耕 が チ ェ ッ ク で き る よ う 工 夫 し、 啓発を行っています。﹁今年、これだ け他県と差が出たということは、逆 に土づくりに対する意識を高めな い と い け な い。や は り 基 本 は、深 耕 プ ラ ス 有 機 物 の 施 用﹂と、土 づ く り がいかに大切か強調します。 同。今 秋、管 内 箇所で行われた試 乗会に於いて、ツーウェイローター による深耕を行い、スコップで耕う ん深さをチェックするよう勧めま した。 ﹁今 後 も 実 演 会 等 で 異 常 気 象 に 対 応した土づくり対策で、ツーウェイ 技術として、注目を集めそうです。 常 気 象 で も 品 質・収 量 が 安 定 す る した表面から大体 ㎝ になっていれ した。 置に印を付けた﹁深耕測定用スコッ 実耕深 (15㎝) き た い﹂と、㈱ 福 井 ク ボ タ サ ー ビ ス 耕盤 プ﹂を150名様にプレゼントしま 見かけの 耕深 ︵ ㎝︶ 耕深10㎝ 耕深15㎝ く り﹂。作 土 深 の 目 安 を ㎝ 以 上、 田面から耕盤までを ㎝ 以上とし て い ま す。深 耕 の 重 要 性 に つ い て、 福井県坂井農林総合事務所 農業 経 営 支 援 部 長 の 北 倉 芳 忠 氏 は、﹁深 耕で根域が広がり、 土中深くに根が 伸 び る。登 熟 後 期 ま で 根 の 活 性 が 保たれ、 胴割れ等の発生を抑制でき る﹂と い わ れ ま す。ま た、登 熟 期 が 異 常 に 高 温 だ っ た 今 年、﹁根 が 深 い た め、 最 後 ま で 水 分 を 吸 収 で き た。 高温で乾燥しがちな今年は特に、 品 質に差が出たのでは﹂ と分析。異常 気象を切り抜けた一つとして、 深耕 ㎝にすると土が は大きなポイントとなりました。 耕深 稲の収穫が終わり麦の播種が始ま るまでの9月末に、生産者の方に土 づくりに対する意識を高めてもら おうと﹁土づくり大会﹂と称し、講演 会・実演会を毎年実施しています。 今年は、深耕 ㎝ を実感してもら 耕盤 15 ㎝になる 約25㎝ 福 井 県 坂 井 農 林 総 合 事 務 所 で は、 ㈱ 福 井 ク ボ タ も こ の 取 組 み に 賛 25 盛上がり、田面から耕盤 ■耕深と根張り(品種:コシヒカリ 成熟期) 耕うんピッチ 15 15 までは約 25 25 19 スコップで簡単に 深耕をチェック 土づくりに対する 意識の向上を図る 15㎝ ▲土づくり大会 ■耕起断面 25 ▲スコップを定規に。 アイディアが光ります 福井県坂井農林総合事務所 農業経営支援部長 北倉 芳忠 氏 15 ■深耕の目安 おうと、スコップに作土深 ㎝ の位 ▲㈱福井クボタ サービス部 柿本マネージャー が全国平均で64.4%※と、 前年同時期に比べ等級比率が せなくなっています。 560 ▲上野直哉氏 今年、 記録的猛暑の影響による高温障害で、 1等米比率 精玄米重︵㎏/ 580 11 12 5 胴割発生率︵%︶ 10 耕盤 ▲㈱ 福 井 ク ボ タ が 行 った試乗会では、担 い手農家・兼業農家 合 わ せ て604名 の 方にスコップを使 った深耕チェック をお勧めした 29 福井県坂井農林総合事務所 農業経営支援部 耕深と水稲の収量 作土深15㎝以上、田面から耕盤まで25㎝以上 15 ※平成22年9月現在 農林水産省発表 が、 功を奏しています。 浅耕区(10㎝) 深耕区(15㎝) 500 浅耕区(10㎝) 深耕区(15㎝) 0 田面 25 気象変動に強い米づくり 15 (平成17年 E町) そ こ で、 クボタ現地スタッフと 一丸となり、﹁点播が高精度にでき、 し、 土中播種を行う酸素発生剤 直播機を利用していました。しか 酸素発生剤コーティング直播用の これまで鉄コーティング直播は、 までにない急ピッチで開発がス ともあり、 翌年の実用化に向け、 今 急速に栽培面積が拡大しているこ 機﹂ を コ ン セ プ ト に 開 発 に 着 手。 貢献する能率の高い高速の直播 トである省力軽労化・低コストに 鉄コーティング直播の最大メリッ コーティング直播を前提に設計さ 今までにない 直播機を開発 れ て い た た め、 田面 ︵表 面︶ に播種 を繰出すロールの溝に、 播きたい る必要があります。そこで、 もみ には、 1回に播く粒数を一定にす 新 す る こ と で し た。点 播 を す る もみの繰出部と繰出ロールを一 落とす距離を短くすることで解決。 れ に は、 繰出部から田面にもみを 近い状態になっていたのです。こ 点 播 す る と、 もみが広がり条播に が、﹁高 速 点 播﹂ で す。速 度 を 上 げ ここで次の課題としてあったの 年 6月 タ ー ト し ま し た。平 成 粒数が確実に入るようにし、 さら 高速でもきちんと点播ができるよ 11 のことです。 する鉄コーティング直播の場合、 もみが田面に落ちるまでに繰出 ロ ー ト に も み が 跳 ね 返 り、 飛び 散って散播に近い状態になること が あ り ま し た。さ ら に、 稲の生育 に良いとされる点播ができません でした。一定の間隔で点状に播種 する点播は、 株として太く生長す るので倒伏にも強く、 また条播に 比べて風通しや日当たりが良くな るため、 病虫害に強い元気な苗が にもみが飛び散らないようガイ う、 泥跳ね等を計算し点播精度に した。また、 もみを落とす過程で、 作業機技術第二部 牧原SUチーム長 育つ重要なポイントでもあります。 ﹁この現状を何とか解決できな い も の か﹂ 。お 客 さ ま の 様 子 を 見 ていたクボタ現地スタッフから、 鉄コーティング用播種機の開発要 望が強くあり、 直播機そのものを 根本的に見直すことにしました。 ドプレートをつけて、 繰出ロール 影 響 が で な いよう、 できる限り繰 が落ちるタイミングが変わるた も み が 当 た り 広がらないよう、 排 22 田面 低コスト稲作を 低価格な 直播機で行う ま た、 その他 機能も徹底的 に 見 直 し、 シン プルな構造に し た う え で、 鉄 コーティング 直播のメリッ トを活かすた め に、 播種直後 に除草剤が散 布できる ﹁こ ま きちゃん﹂ や、 水管理を容易にする で、 わずか ヶ 月 と、 通常開発に し か も、 低 価 格 を 実 現。こ こ ま 高精度点播﹂ を徹底追及したこと 年 春、 直播栽培面積が日 営農課題を解決する ﹁鉄まきちゃん﹂ 平成 本 一 を 誇 る 北 陸 地 方 で、 鉄コー ティング直播に取組むお客さま の 実 証 圃 に 於 い て、﹁鉄 ま き ち ゃ ん﹂ による播種が一斉に行われま し た。試 乗 さ れ た お 客 さ ま か ら は、 高 速・ 高精度点播に高い評 価をいただき、 9月には業界で初 めて、 鉄コーティング用播種機と して自信を持って ﹁鉄 ま き ち ゃ ん﹂ の発売を開始しました。 米 価 が 下 が り、 稲作の低コスト 化が不可欠となっている今、 本当 の意味で省力軽労化・低コスト稲 作に貢献する ﹁鉄コーティング直 播﹂ が ﹁鉄 ま き ち ゃ ん﹂ で行えるよ うになった のです。 れからもお 客さまの営 農課題を解 開発力で皆 決する製品 ぎ つ け る こ と が で き ま し た。鉄 していきます。 農業を応援 さまの元氣 した。 ﹁鉄 ま き ち ゃ ん﹂ と名付けられま コ ー テ ィ ン グ 用 点 播 播 種 機 は、 で、 異例のスピードで製品化にこ ル ー プ は、 こ 効率化・低コスト化を図りました。 ク ボ タ グ ﹁溝 切 り 機﹂ を 標 準 装 備 し、 作業の 細部をチェック かつてないスピードで、高精度点播を実現。直播機の常識を変えた 高速・高精度点播への挑戦! 高精度点播を徹底追及 の溝が播種位置にきたときに、 一 出 部 を 田 面 に近づけ、 自然落下さ かつてないスピードで 高精度点播ができるように 気に落とせる構造にすることを せるようにしたのです。それが め、 部品を替えパターンを色々組 出ホースをなくしました。こうし 作溝器 22 まず、 最初に取り掛かったのは、 目 指 し ま し た。株 間・速 度・播 種 み合わせては、 何千回とひたすら て田植機の植付最高速度 ※で点播 ㎝です。従来機より ㎝も下げま もみを播いてデータを取る地道 ができるようになったのです。 量によって、 繰出ロールからもみ な作業を繰り返し、 播種精度を高 排出ロール 作業機技術第二部の みなさん 注目を集める「鉄まきちゃん」 を誇る ※NSDー8は業界最速の 回転ロール式 年 月現在︶ 粒数を一定に保つ! 1.83 m/s 点播の精度が高い! 低位置繰出部 こまきちゃん・溝切り機 は 2、 3 年 か か り ま す が、﹁高 速・ 10 初 めていきました。 当社従来機 21 点播の確認・検討を繰り返し実施 ガ イド に よりモミ が 飛 び 散 るのを防ぐため、高速でも高 精度な播種を実現します。 20 進行方向 田面 28 ロール開度で設 定したモミ数が 溝に入る。 1 ︵平成 約20㎝ ロールから 直接落とす 播種精度を見極めるため、もみ が跳ねないよう、また落ちた 衝撃でコーティングが剥離し ていないか白い砂を使う工 夫をし、播種しました。 繰 出 位 置と田 面 の 距 離 が わず か20㎝。高 速 で も 拡 散 せず に 精 度 の 高 い点播が行えます。 約48㎝ 種もみ 排出ホース 排出ロート 鉄コーティングを良く知る関連部 門のキーポジションにいる人と、う まくコラボレーションできた製品 だと思います。 し こう 高精度播種を実現する新操出機構 13 14 約53㎝ 作業機技術第二部 中尾担当部長 ▼安定した播種量 NDS-6(6条植)/ NDS-8 (8条植) 排出 ロール ロート ホッパー もみ 約81㎝ もみ モミは一気 に落下する。 モミはガイドに そって回転する。 業界 ホッパー 鉄まきちゃん 3 2 20㎝ れた ま て生 話 開発秘 ん」 ゃ ち き 「鉄ま か つ て 富 山 県 産 大 豆 は、豆 腐 用・煮 豆 用 に多く使用されており、生産量が全国トッ プクラスを誇る大豆の一大産地でした。し かし、日本海側に接する地域に於いては排 需者からは、高品質な大豆の安定供給が強 く求められています。 富山県産大豆の づくりを目指し、大豆300A技術の生み ました。研究会では栽培技術に関する問題 の親、㈱クボタ有原技術顧問を講師に迎え そのようなことから、㈱クボタの指導を 意識の共有を図るとともに、新技術の実証・ 生産力アップを図る 受け、今年㈱富山クボタは ﹁大豆300A研 研 究 を 実 施。今 回、大 豆 を生産する砺 究会﹂ を発足。生産者、実需者をはじめ研究 機 関、関 連 メ ー カ ー 等 と 連 携 し て、大 豆 実証圃とし、取組みをスタートさせました。 波市東宮森営農組合の圃場 ︵ a・ a︶ を 300A技術による高収量・高品質な大豆 生育安定には欠かせない排水対策 40 ※ 「大 豆300A」とは、収 量10a当たり300kg以 上、 Aクラス品質 (1・2等級) の大豆を安定して 生産することです。 東宮森営農組合は、大豆栽培技術・意識が 非 常 に 高 い 組 合 で す。し か し 近 年、圃 場 の 排水不良に悩まされ続けていました。 ﹁トラ クタ等が大型化し、下層の土を踏み固めた ため、耕盤層ができ、水が抜けなくなった﹂ と い わ れ る の は、組 合 長 の 白 江 利 光 さ ん。 排水が悪いと播種後湿害に遭いやすく、発 芽率が極端に低くなるため、生育不良にな るのです。 そこで、サブソイラで心土破砕をし、額縁明 きょと暗きょを施工しました。透排水性が 良くなったことで湿害も回避され、さらに ﹁深耕したことで根張りが良くなり、根粒菌 も増えた﹂ と、排水対策による土づくりの重 要性を改めて実感されました。 ! から好成績 発足初年度 行いました。 ﹁5月末から6月初めに播種し ウェイローター た の が、ツ ー 最も効果を上げ 今 回、実 証 で に播種した慣行のものよりも、実証圃の生 し た 実 証 圃 は、生 育 が 良 か っ た。1 週 間 先 ドリッジャーで、溝を切ってうね立て播種 うねの慣行は、湿害が出ました。でも、サイ 収量は前年比約190%! れた播種床にします。土壌水分が適正に保 ターで上層の土塊を細かくし、保水性に優 ていきます。 ﹁砕土性の良いツーウェイロー で上層は細かい土に、下層は粗い土塊にし の 水 を 必 要 と す る 大 豆 が 水 不 足 に な る と、 続いて乾燥することが多く、この時期大量 会で有原顧問より ﹁開花期は、盛夏で好天が 水は特に大切だと実感した﹂ そうです。研究 また、 ﹁夏場が異常に高温だった今年、灌 aと、大幅に増収し ー 3 5 ー 800 TEL 0766 6 富山県高岡市西藤平蔵1540 ー 824 〒933 0 わせください 詳しくは、 ㈱富山クボタまでお問い合 会員募集中! 富山クボタ ﹁大豆300Aプロジェクト﹂ ボタの取組みは益々広がりそうです。 質・安定多収の大豆生産地に向け、㈱富山ク 営の安定につなげていただきたい﹂ と、高品 くの生産者の方に、収量・品質の向上で、経 チームの大石リーダーも ﹁研究会を通じ多 める㈱富山クボタ営業部 ソリューション いきたい﹂ と、意気込みます。研究会をまと 年は砺波の散居村エリアに取組みを広げて い結果を得、増山所長は ﹁手応えは十分。来 栽培面積を拡大していくそうです。この良 で す ね﹂ と、い わ れ る 白 江 組 合 長。来 年 は、 切ってうねを立てたり、色々工夫した結果 ターで耕うんと同時に播種しながら、溝を ました。これも、排水対策やツーウェイロー 年は平均317㎏ / も去年は、平均170㎏ / aでしたが、今 丈 が 長 く、さ や の 付 き 方 も 良 か っ た。収 量 が、実証圃で栽培した大豆は慣行と比べ草 害で砺波市の大豆の収量、品質は悪いです ﹁今年、梅雨時の長雨による湿害と、高温障 を乗り切ることができました。 潅水を行いました﹂ 。結果干害が防げ、猛暑 ﹂ 0A研究会 タ大豆30 ﹁富山クボ ツーウェイローターによる 一発同時作業で生育に大きな差が による耕うん同 育の方が早く、草丈も ㎝ 高い﹂ と、生育の ましたが、播種後 日間毎日雨が降り、低い 時うね立て播 種 で す。ツ ー ウェイローター は、大 豆 の 生 育 たれた上層の土に播種するため、発芽率が さや付きが悪くなって減収につながると聞 大豆300A技術で大幅増収 良いのです。また、下層の粗い土塊には、根 ㈱富山クボタ営業部 ソリューションチーム 大石リーダー ▲ きれいな大豆 き、土壌が白くなり乾いたときを見極めて に望ましい2層構造の播種床づくりが可能 20 が伸張していくので、根粒も良く着生し大 豆が旺盛に生育します。さらに、水は粗い土 塊の間から排水されるので、過湿にもなり ません﹂ と、いわれるのは東宮森営農組合の 取り組みをサポートする㈱富山クボタ砺波 営業所の増山所長です。また、 ﹁1回耕うん してから播種すると土壌が乾いているため、 発 芽 が 遅 れ る の で す が、ツ ー ウ ェ イ ロ ー ターで耕うんと同時に播種すると、適水分 の 土 壌 で 播 け る た め、発 芽 が 安 定 す る﹂ と、 生育安定にツーウェイローターは一役買っ 10 10 違いに驚いたと白江組合長はいわれます。 ▲㈱富山クボタ 砺波営業所の増山所長 また、播種作業は溝を切りながら、平高う .. ています。 33 水 不 良 な 土 壌 が 多 く、ま た、近 年 の 気 象 変 動もあり、湿害による発芽不良や初期生育 年度の収量は、※169㎏/ a、上 10 ※資料 食糧部、農政事務所調べ ▲東宮森営農組合のメンバーと砺波営業所 松本さん (右から3番目が白江利光組合長) の 遅 れ 等、生 育 障 害 が 問 題 と な っ て お り、 平成 26.1 位等級比率 ︵1・2 等︶ は、 % と 低 迷。実 21 ㎏ ! 317 (平均) ツーウェイローター(深耕)+クリーンシーダ(施肥・播種)+ サイドリッチャー (溝切り・平高うね)+パパット(除草剤散布) 15 16 を積極的に推進。地域に応じた新しい栽 培技術、 機械化一貫体系のご提案で、皆さ まの取組みをサポートしています。 ■耕起断面 8.6 ha 10 大きく育った大豆 収量 ねがつくれるサイドリッジャーを装着して ▲ クボタ大豆300A プロジェクト クボタでは、高品質大豆を安定して生産す ることを目的に 「大豆300Aプロジェクト」 平成 年4月、 大豆300Aプロジェクト 実証圃場のひとつとなった内田農場 ︵阿 実証調査がスタート 中九州クボタでは、この状況を打破しよ 蘇市内田孝昭さん経営︶ の課題は、水田転換 大豆栽培研究会を発足 うと平成 年4月6日にクボタ大豆300 り組み、中九州地区を全国に誇る大豆産地 関と一体となって新技術の実証・研究に取 豆腐などを加工販売する地元業者や関係機 九州地区の大豆生産者だけでなく、納豆や 栽培研究会﹄ を立ち上げました。研究会は中 Aプロジェクトとして ﹃中九州クボタ大豆 ㎏/ 播種を行なっており、平均単収は約180 案件です。従来は麦収穫後の圃場に不耕起 ためには大豆の収量増はぜひ取り組みたい の導入が始まる中、安定した経営を目指す 豆の収量増です。新たな戸別所得補償制度 畑での米・麦・大豆の大規模経営における大 の会員と関係者が集まりました。検討会で の 収 穫 の 際 に ロ ス が 少 な く な っ て い ま す。 ます。しかも、莢の位置が高くコンバインで ー a で 熊 本 県 の 平 均 並 み で し た 。 今 にすることを目的としています。 中九州クボタでは、今年度の取組みにあ ▲ 年近くにな 水田転作田で大豆が作られ るようになって aくらいでしたが、いま り、その頃の大豆収量は140 ㎏/ aに低迷してい だ に 全 国 平 均 で 1 6 0∼ 170㎏/ ます。中九州地区においても平 年度の熊本県の平均収量 a に 過 ぎ ま せ ん。 たり、熊本県阿蘇市に実証圃場5枚、132 5 a を 設 置。大 豆 3 0 0A技 術 の 開 発 者 で、全 国 で こ の 技 術の指導と普及に努 は、排水対策の重要性と阿蘇地域の土壌に 阿蘇の火山灰土の土壌にはアップカット ー した。 に行い、今年度の実証調査がスタートしま 同時うね立て播種により播種と施肥を同時 にアップカットロータリを使用した耕うん を 施 工 し 排 水 対 策 を 施 工。6 月 3 日、4 日 機での明きょ、サブソイラでの補助暗きょ 増えない問題点ではないかと推測。溝掘り 種時期が重なり湿害での発芽不良が収量が 土で排水性がよくないこと、梅雨時期と播 回、有原顧問による現地確認を行い、火山灰 10 成 は180 ㎏/ a、大分県では 106㎏/ このような現状の中、食料自給 率向上に向けた国産大豆の生 産を求める声が高まり、安定し 中九州地域の農業発展 に貢献したいと 話す中九州クボタ 西山社長 めておられる㈱クボ タ有原丈二技術顧問 監修のもと実証に取 合った播種技術を紹介。研究会を支援する ロータリでの耕うん同時播種が効果的でし 研究会の夢を広げていきます。 中九州クボタ ﹃大豆栽培研究会﹄ 会員募集中! ー 51 詳しくは㈱中九州クボタまでお問い合わ ー 〒860 0072 熊本市花園1 せください。 ー TEL 096 353 5184 中九州クボタ大豆栽培研究会 り組みました。 a a超え! 生育の良い実証圃場では 300㎏/ 平均収量231㎏/ 研究会全員の期待を込めて実施されたク ボタ普通形コンバインARH430での収 穫。大豆栽培研究会の初年度の実証の成果は、 予想を超える好結果でした!内田農場の実 証圃場では、最も生育の良かった区画での aを計測!。水分量を aとい 農業機械関連メーカーの協力で、実演を交 た。熊本の大豆は大産地になる可能性を秘 日に最終現地検討会を行なうこととな 販促チームマネージャー 収量は327㎏ / 差し引いて計算しても311㎏ / う 高 収 量 で し た。2 枚 の 実 証 圃 場 ︵ア ッ プ カットロータリ区︶ の平均収量は231㎏ / a で、全 体 と し て も 平 年 の 1 8 0㎏ / 収穫後の検討会で、有原顧問は、 ﹁根が良 aと比べ大幅な収量増となりました。 播種日の6 月4 日には、研修会の第1 回 えて作業体系ごとの機械化提案が行われ 高収量・高品質に向けた中九州クボタ大豆 めています﹂ と取組み結果を評します。 圃場の大豆は、うね立て栽培により湿害も 栽培研究会の活動はまだ始まったばかりで ま し た。検 討 会 後、排 水 対 策 を 施 し た 実 証 現地検討会が実証圃場で開催され . 10 す。今年の好結果をさらに来年度飛躍させ、 回避し発芽が良好で順調な生育を見せ、関 係者を喜ばせました。 研究会では、その後、 日 第3回現地検討会︵水菅理︶ 日∼ 日 大豆セミナー ・7月6日 第2回現地検討会︵中間菅理︶ ・7月 月 りました。 古関産業合資会社 10 た高収量・高品質な大豆づくり が早急に求められています。 現地検討会で 22 く張って倒伏しない丈夫な大豆が出来てい 大豆機械化体系を検討 10 . 10 ▲第1回現地検討会で排水対策と土壌にあった 播種技術を紹介 加工業者の声 ▲4月6日に開催された『中九州クボタ 大豆栽培研究会』発足会 10 40 名以上 ▲ 50 三好 勝美さん 大豆栽培面積 13ha 10 10 10 10 を随時開催。そして今年の収穫を迎える ・8月 19 「食の安全・安心は消費者の関 心が高く、国産大豆の品質・収量 の安定は私たち流通に携わるもの にとっても期待するところです。 大豆 300Aプロジェクトの取組 みは熊本県全体の大豆栽培の底上 げに寄与していけると思います。 研究会のメンバーとして活動に参 加することは重要なことです。今 後は『阿蘇の大豆』を全国にブラ ンドとして浸透させて行きたいで すね」 ㈲内田農場 代表取締役 内田 孝昭さん ▲クボタ普通形コンバインARH430での収穫が 行なわれた最終検討会 11 10 21 22 .. 19 18 「い つ も 180kg 前 後 な の で 300kg を超えてとにかくうれし い。アップカットロータリで圃場 の土の構造が、下は荒く、上は細 かく変わりました。今までとは違 う生育に手応えを感じていたんで す。研究会に参加して大豆づくり は排水対策など基本的なことをき ちんとすれば収量が上がるという ことを再認識しました。大豆の収 量が上がることは地域の活性化に もつながると思います」 生産者の声 ▲収量327kgの表示に喜ぶ内田農場の内田孝昭さんと㈱クボタ有原技術顧問 熊本・大分産大豆の 安定供給を目指して! 見事な生育を示した実証圃場の大豆 ▲ 17 18 26 中九州クボタ大豆栽培研究会 クボタ大豆300A プロジェクト 高収量・高品質な ▲阿蘇地域の土壌に効果を発揮したアップカットロータリで の耕うん同時うね立て播種 歌山県かつらぎ町にある天野の里。初 野山町石道など歴史的情緒あふれる和 世界遺産である丹生都比売神社や高 もっと多くの人たちに提供することが すれば耕作放棄地の再生にもつながり、 っています。そしてそばの栽培が拡大 味イベントを企画し、 地域の活性化を図 に う つ ひ め 夏の夜にはホタルが舞う自然豊かな純 できると考え、 収穫作業の機械化の確立 今回のそばの を視野に、 クボタeプロジェクトに申請。 農村地域です。 この癒しの里の保全と振興を目的に、 ウォーキングマップづくりやホタル鑑 賞会、 そば作り、 農業体験等に取り組ん でいるのが ﹁天野の里づくりの会﹂ です。 収穫支援とな りました。 クボタによ る支援が決ま 天野 大。収穫が行われた 月 日には、 在する aの圃場を見る見るうちに刈 さんが手刈りする畑を除き、 4ヶ所に点 430による刈取りが行われ、 会員の皆 た。ク ボ タ 普 通 形 コ ン バ イ ンARH タッフが一体となって作業に当たりまし の里づくりの会の皆さんとクボタのス 11 天野の里づくりの会では平成 年から そば栽培に着手し、 手打ちそば体験や食 ▲天照大御神の妹神、 丹生都比売大神が 祀られた丹生都比売 (にうつひめ) 神社 ▲収穫したそばの実をみなさんで確認 り取っていきました。 谷口会長は ﹁クボタのeプロジェクト をきっかけにそばへの取組みをもっと 進めて、 来年にはさらに1 に規模を拡 大したいですね。将来的にはブランド 化をして天野米に並ぶ人気商品にする ことが目標です。私たちの夢も広がっ ていきます﹂ と収穫作業を嬉しそうに見 つめています。 ▲ 木の伐採やラジコン草刈機による草刈 りが行われました。そして 月 日に 20 ったことで、 50 今まで aだった作付面積を aに拡 10 50 かげで、 見事に農地として甦りました。 をクボタさんに援助していただいたお 灰瀬事務局長は ﹁一番大変な機械作業 地しました。 耕を行い、 バーチカルハローで砕土・整 はプラウ・プラソイラを使って耕起・深 10 阿蘇外輪山のふもとにあたる阿蘇市 山田地区水掛にある中山間地で、 棚田再 生の活動が始まっています。 豊かな土壌 と乙川湧水群 の良質の水に 恵 ま れ、 稲作 や花づくりが 盛んな農業地 域でありなが ら、 そ の一方 で農家の高齢 化や後継者不 足 に よ り、 棚 田の耕作放棄が進み、 深刻な問題となっ ています。そこで水資源と緑の保全を 目的に、 山林への植樹など緑化活動に取 り組んできた、 肥後銀行の公益財団法人 ﹁肥後の水と緑の愛護基金﹂ は、 耕作放棄 地の再生と休耕田の稲作経営を行うこ とで、 更なる地域の発展を目指すことと しました。 そこで同基金はその伐採や根の除去等 に大型機械による作業が必要と判断し、 の農地再生 クボタに支援を要請。クボタはeプロ ジェクトの一環として、 年ほど放置された水田は竹や雑草 の支援を行うこととなりました。 に覆われ、 荒廃が進んだところでは5∼ 6mほどの藪となっていました。まず 9月下旬に、 作業するための下準備とし て道路整備を開始し、 日ほどかけて雑 今年中に荒起こしをして、 来年からは本 格的に稲作に取り組みたいです。収穫 したお米は、 福祉施設への提供や社員食 堂での使用を考えています﹂ と今後の展 望を語ります。 水源の周囲を整備して、 棚田をきれい にし、 後世に引き継ぐための取組みはま だ始まったばかりです。 ▼竹と雑草の根が深く生えている ところは野焼きをしてからプラ ウ耕にとりかかる 19 19 20 ▲会員の手作りによって建てら れた物産販売所「ようよって」 では地元で生産された米や 野菜等を販売 20 ha ▲傾斜になった土地を プラソイラで深耕 1.4 ha ▲竹や雑草が繁茂する元棚田 ▲天野の里づくりの会 谷口千明会長 10 ARH430が大活躍 棚田の再生をクボタが支援 南近畿クボタ 中九州クボタ 粒が揃ってきれい と好評の刈り取ら れたそばの実 15 癒しの里でそばづくり e1 子や孫・曾孫に残そう 「熊本の名水」 ▲クボタ普通形コンバインARH430が大活躍。 背後には「にほんの里100選」に選ばれた風景が広がる ▲ラジコン草刈機による草刈り ▲プラウ耕の後バーチカルハローで砕土・整地作業 資源循環サイクルの取組みをサポート 環境保全 「バイオ燃料用作物栽培への支援」 農育支援 地域支援 e1 地域支援 「元氣農業」をスローガンに日本農業の発展を応援するクボタは、 「5つの支援」 で農業の活性化をサポートし、 日本が抱える環境・教育・食料という問題に向き合っていきます。ここでは、e1の地域支援、e2の農育支援、 e3の農家支援の一部、ご当地自慢の地域ブランド作りのPRとサポートへの取組みをご紹介します。 e4 稲作体験を通じて食と農業の教育をサポート 「クボタ元氣農業体験教室」 e2 e5 クボタグループ全員参加の 地域ボランティア 「クボタeデー」 地域貢献 農家支援 農産物の地域ブランド作りとPRをサポート 「農産物の地域ブランド・産直品PR/ 志のある農家への支援』 e3 e1 農用地再生による 地域農業の活性をサポート 「耕作放棄地再生支援」 地域支援 ༔ࣞɈᅰȿȩɤಱ クボタの5つの支援 は じ め、 ジ ェ クト を ロ プ e は SR クボタ テ ー マ にC 」環 境」を 「 水 」 「 料 り 食 「 に取 組 ん 責 任)活 動 的 会 社 の (企 業 本財団が主 価され、日 評 が と こ で 0』 でいる R大賞201 が選ぶCS 民 市 『 る す 催 ました。 リを受賞し 準グランプ ▲豊かな水源を誇る乙川湧水群 ▲天野の里づくりの会のみなさんと クボタのスタッフ 神戸市立八多小学校の3年生と5年 生の児童約 名が稲刈りに挑戦!稲刈 りと脱穀作業を2日間に分けて行いま した。 まず9月 日に小学校の近隣圃場で 鎌を使っての手刈りとコンバインによ る刈取り体験を実施。鎌を持った子供 たちは大はしゃぎ。それでもいざ稲を 刈り取るときは、 クボタのスタッフに教 わりながら、 真剣な表情で刈っていきま す。元気な子供たちの手で作業はぐん ぐん進み、 あっという間に刈取り終了。 仕上げに刈り取った稲を天日干しにす 月5日には千歯こきや足踏み式脱 るためのはざかけをしました。 穀作業を実施。 29 年生のさわやか学級 ︵留守家庭児童学 を持つと真剣な顔つきで、 なかなか刈り 鎌を使っての手刈りとコンバインでの ジェクトの一環として、 クボタアグリ西 この ﹁農業体験教室﹂ は、 クボタeプロ が入ります。楽しみながら学ぶことは タッフも自然と笑顔になり、 指導にも力 のエ ネ ル ギ ー と 好 奇 心 に ク ボ タ の ス 並びます。子供たちのあふれんばかり 日本と全農山口県本部、 JA山口中央と 子供たちにとって一番の勉強になった お 米の大 切 さや 稲 刈 りの大 変 さを の共催で実施し、 ここ大歳小学校では今 施したところ、 父兄からも予想以上の反 知った子供たちの口からは ﹁これからは ようです。 響があり、 子供たちは今年もコンバイン 残さず大切に食べる﹂ という嬉しい言葉 も。収穫したお米は、 月中旬に開かれ 報道機関に案内文を送って告知をした 今年は子供たちの発案により、 事前に を食べるときはこの稲刈り体験をきっ たおにぎり会で試食。これからごはん 10 と思い出すことでしょう。 みんなで記念撮影 ントするサプライズ企画などイベント がもりだくさん。 う がと あり 子供たちの ▲ 手作りペンダント ▲「サプライズ企画は 子供たちのアイデア です」と先生 り、 主催者へ手作りペンダントをプレゼ ていたそうです。 に乗れる!と、 首を長くして楽しみにし 年で2年目となります。昨年初めて実 刈取りを体験しました。 試乗には我先にと一斉に走り出し、 列に 取れない稲に奮闘。またコンバインの 圃場を元気に駆け回る子供たちも鎌 人っぽくなったように見えます。 なった子供たちの顔つきは、 ひと回り大 ているお米のことに前より少し詳しく 重な体験を通して、 自分たちが毎日食べ 滅多に見られない道具での脱穀など、 貴 されたかを実感。千歯こきなど今では れだけ作業が楽になり、 作業時間が短縮 まで、 稲刈りの変遷をじかで体験し、 ど 手刈りからコンバインによる刈取り した。 ているお米、 機械の役割について学びま 書に、 お米の歴史や地元兵庫県で作られ ﹁お米のできるまで﹂ という冊子を教科 その後学校に戻って、 お米のお勉強です。 5年生のみんな 級︶ の児童約 名が稲刈りにチャレンジ。 9月 日、 山口市立大歳小学校1∼3 3年生のみんな 穀機といった昔の農機具を使っての脱 11 21 22 45 17 60 ▲ ▲千歯こきを使っての脱穀 ! ぱーつ しゅっ わんぱくざかりの 1年生! わぁ! よーく乾かして ドキ ドキ 験 体 り 稲刈 これがごはんに なるのかぁ コンバインって こうなってるんだ! 中は こうなってる んです わあ!! 動いた ちょっと 怖いな… コンバイン、 乗りたいひとー ! は∼い!! りの笑顔で き っ び と やった∼ 刈れたぞっ!! ▲お米の お勉強タイム こうやって レバーを 動かすと… ふむふむ… クボタ元氣農業 体験教室 農育支援 e2 左手でしっかり 稲を持って ▼五か条を掲げた“守るぞ地球宣言” 兵庫県 神戸市立八多小学校 北近畿クボタ 全農山口県本部 山口県 山口市立大歳小学校 わぁー籾がいっぱい ▼ ༔ࣞɈᅰȿȩɤಱ ▲クボタからミニチュアトラクタをプレゼント 美しい珊瑚礁で知られる石垣島。平均気 降水量2000㎜の亜熱帯気候で、 温 ℃、 親子二代で引継ぐ さとうきび大規模経営 が流出しないようにするためです﹂ 。幸栄さ んが徹底して行なった土壌整備が今日の大 したモミガラ堆肥を a 当約 t 投入し、 土 い超深耕を実施。地元の畜産農家から回収 した土壌にはバックホーを活用して2m近 ろ埋まった圃場の整備を図りました。開墾 ドーザで整地。車ほどの巨大な石がごろご を 手 に 入 れ、 馬の背のような土地をブル 効率的な作業方法や農業機械の整備技術、 栽 した。周辺農家の受託作業を行ないながら、 きびハーベスタのオペレータ第1号となりま 元のJAに就職。受託課で八重山地区さとう つけ、 卒業後は農業機械士の認定を受けて地 商工高校に進学。農業機械の整備技術を身に 両親の苦労を見て育った悟さんは、 八重山 え が 中 心 で、 土 2 年1作の夏植 が行なえない② 規模経営を支える礎となっています。 開拓者、 父の土壌を受け継ぎ、 安定経営を実現 づくりに励みました。﹁きびづくりは土づく 培方法などを学んだ後、 平成 年、 中型さとう 地利用効率が悪 の土地 石 垣 島 の 農 家 の 多 く は、 終戦後に入植し り と い い、 さとうきびの生産はとても地力 きびハーベスタの購入を機に本格就農。以来、 歳。 て 農 地 を 切 り 拓 い た 開 拓 者 で す。本 年、 ク を必要とするんです。超深耕に取組んだの い③肥 料 価 格 高 プルの生産が盛んに行なわれています。 大規模営農に取組んでおられます。 騰により必要経 費がかさむとい う問題を抱えていました。 そ こ で、 悟さんがまず取組んだのは大型 機械の導入による作業の効率化です。植え 大型機の導入で 機械化作業一貫体系を確立 ﹁就農当初から、 機械で作業をラクに効率 年には小型トラクタを 付 け 作 業 に つ い て は、 地域に先駆け全茎プ け、 翌 年 冬 に 収 穫 す る1 年1 作 の ﹁春 植 え﹂ 平成 年には刈り取った株を一定の高さ います。 節減につながる株出しへと徐々に転換して 効率の高い春植えや、 植付けや管理の経費 る適期植付け・管理の徹底により土地利用 悟さんは、 品種の選定の工夫や、 機械化によ も以前は殆ど夏植えを行っていましたが、 農薬散布機に改良して除草剤散布を省力化。 い ま し た が、 平成 良く行ない、 安定した収入を確保することを 近 く に 増 え て お り、 ①手 作 ラ ン タ ー を 導 入 し、 すでに機械化を図って 栽培面積は 業が多く、 作業効率が悪いので適期肥培管理 農のきっかけとなったさとうきびハーベス ③収穫した後の株の管理を行なって発芽さ 影響を受けにくい夏植えが主流。當銘家で 型があります。石垣島では台風や旱ばつの タの導入により作業委託料を大幅節減。収 年に肥料価格が高騰した時 取組んでいます。さとうきびの栽培には① 経営の安定を図るために作型の転換にも ﹁春植え﹂﹁株出し﹂ で 単収アップ ドキャスタを改良の上、 導入しました。 鶏糞を導入。 機械散布が行なえるようブロー には、 追肥に地元養鶏家から仕入れた安価な ま た、 平成 せ、 翌年冬に収穫する ﹁株 出 し﹂ の3 種 の 作 20 石垣牛の畜産やさとうきび、 水稲、 パイナッ 幸栄さ ボタ賞を受賞した當銘 悟さんの父、 親子3人で協議をしながら経営改善を図り、 生計をたてることを目標に、 1957年、 奥 さんの千鶴子さんと共に沖縄本島から入植 さ れ ま し た。以 来、 苦労を重ねて作りあげ て 来 ら れ た 土 壌 を 受 け 継 い だ 悟 さ ん は、 大 型 機 械 化 作 業 一 貫 体 系 の 導 入 に よ り、 コス 18 目標にしました﹂ と言われる悟さん。すでに 全茎式プランタによる植付け は、 透水性を高め、 台風で大雨が降っても土 入 植 当 初、 幸栄さんは 苦心の土壌整備が今日の礎 業で実現 創意工夫・機械化一貫作 當銘 悟さんは、 毎日新聞社の主催する平成22年 度全国農業コンクールで優秀賞・クボタ賞を受賞 されました。 んもその一人。さとうきびの大規模栽培で 台風や旱ばつによって大きな被害を受ける とうめ 穫作業も計画的に行えるようになりました。 ▲2,000時間を超えて故障知らずのクボタ ブルトラ。機械のメンテナンスや修理は殆ど 自分で行なっている 10 ことがしばしばです。島の基幹産業は農業。 當銘 悟さん 8 ∼ 9 月 に 植 え 付 け、 翌々年の冬に収穫す ▲本格就農のきっかけとなった 中型さとうきびハーベスタ での収穫作業 に揃えて施肥作業などを同時に行う株出し 機を導入。適期株出し管理をすることで、 株出し栽培の面積と単収向上につながりま した。 目標は収量2000トン 大規模経営を次世代に つなげたい このように機械化一貫作業体系の確立と 作型の転換により、 労働力削減と作業効率 の向上を図り、 計画的な経営を実現してお られる悟さん。平成 年度は栽培面積 tの 生 産 量 を と意欲を燃やしておられます。 培を伝え、 次世代につなげていきたいです﹂ 益につながる自分達の大規模さとうきび栽 農 業 に も 貢 献 し た い。ま た、 安定的した収 活用して島内の作業受託に力を入れ、 地域 れ る 悟 さ ん。﹁今 後 は、 装備した大型機械を 組みに触れ、 大いに視野が広がったと言わ 今 回 の 受 賞 で、 全国の優れた農業者の取 と期待を持っておられます。 と。今の機械をフル活用すれば十分可能だ 培に取組み2000tの収穫量を目指すこ 面積を増やし、 さらに2回、 3回の株出し栽 達成することができました。当面の目標は で 初 の 1 6 0 0 t 台、 単収 22 ha 沖縄県石垣市登野城 る2年1作の ﹁夏植え﹂ ②1∼3月に植え付 19 ト・作業労力の低減や、 単収のアップを実現。 ●さとうきび:25ha ●パイナップル:50a(H22年度より) 20 ha また、 営農技術や機械の改良・改善などに独 H22年度 栽培面積 マニュアスプレッダでの堆肥散布。 化学肥料の使用を減らす取組みも始めている 自 の 創 意 工 夫 を 凝 ら し て、 安定的な大規模 年にはブームスプレーヤを導 作型の転換により安定生産 株出し栽培に効果を発揮する株揃え機 経営を実現しておられます。 さらに平成 入して当初手作業で a 当1時間かかって 34% ブームスプレーヤによる農薬散布 ▲栽培や機械技術の指導や相談をあおぐ 八重山農林水産振興センターの 謝花(じゃはな) 治主任と悟さん いた作業時間を5分に短縮。除草剤適期散 50% 800 20 10 20 布 が 行 な え る よ う に な り ま し た。ま た、 就 16% :株出し 23 ▲除草剤の2畦同時散布が行なえるように 改良した小型トラクタ農薬散布機 24 H10年産 H15年産 H19年産 H20年産 H21年産 0 83% 400 :春植え 1200 7.4 農業経営 24 :夏植え (t) 1600 18 8.5 ha クボタ賞受賞者に見る 生産量の推移 21 19 ●全国農業コンクール● 父の幸栄さんは名誉指導農業士で農業 機械士。母の千鶴子さんも指導農業士 で農業機械士です。 ㈱東近畿クボタは 月9日、滋賀県長浜 市の浅井文化ホールに於いて ﹃元氣農業講 演会﹄ を開催しました。今回の講演会は、ク ボタグループ内でも全国で初めて ﹃大 豆 300A技術﹄ と ﹃水稲鉄コーティング湛水 直 播﹄ の 2 つ の テ ー マ を 同 時 に 講 演。会 場 に は 生 産 者、行 政、J A 関 係 者 な ど 約 330名が集まり関心の高さを示しました。 午後の部では、同じく㈱クボタの宮越彊 氏が ﹃今、注 目 さ れ る 水 稲 鉄 コ ー テ ィ ン グ 湛 水 直 播﹄ を 講 演。規 模 拡 大 を 図 る 大 規 模 農 家 へ の 省 力・低 コ ス ト な 稲 作 づ く り と、 担い手の高齢化を視野に入れ軽労化技術と しての水稲鉄コーティング湛水直播を紹介。 新潟県での実証農家での取組事例と成績を 報告しながら解説しました。 両講演とも講演後に設けられた質疑応答 鉄コーティングにも是非取り組んでみたいと思います。 東近畿クボタでは今年6月に、滋賀県内 では、多くの参加者から質問が相次ぎ白熱 になりました。直播についても今は酸素発生剤コーティングですが、 心になって私たち農家にもっと伝えていって欲しいと思います。 の竜王ドームで大展示会を開催。農家の抱 した時間が続きました。また外の特設会場 させるために浅耕播種という考え方があるということを知り参考 ような新しい栽培技術や情報はこれからは農業機械メーカーが中 える課題に機械化の面から解決策を提案し に展示された鉄コーティング専用点播播種 になります。今回のような講演会はとてもためになりました。この ま し た。こ の ハ ー ド 部 分 に 対 応 し て、今 回 機 ﹃鉄まきちゃん﹄ や色彩選別機などの関連 排水対策や播種のタイミングは理解していましたが、苗立ちを安定 の講演会ではソフト面での情報を発信する 機械にも注目が集まり、あいにくの悪天候 合もありますので、鳥害を低減できる表面播種という技術は参考 ことで、滋賀県の元氣農業への貢献を目指 も高い品質と収量を目指さなければなりません。今回の講演会で、 します。 240kgほどです。助成金を考えて安定した経営を確立するために ては、酸素発生剤コーティング直播では芽立ちが上手くいかない場 午前の部は、 ﹃高収量・高品質な大豆づく 回の講演会は両方ともとても関心がありました。大豆の収量は約 強させていただこうと思って参加しました。鉄コーティングについ り﹄ と題し、㈱クボタの有原丈二氏が、土壌 ばなりません。そこで利益の確保できる効率の良い栽培方法を勉 に合った耕うん・播種方法や雑草対策と適期 廣部 重嗣さん 防除などを説明。全国各地で実証試験が行 講演会に参加して なわれている大豆300A技術の事例を基 にも関わらず多くの来場者が機 と全国では 現在、水稲はすべて直播栽培ですし、大豆も作っていますので、今 ▲㈱クボタ ソリューション営 業 推 進グル ープ 担 当 部 長 宮 越 彊(つとむ)氏 (元 新 潟 県 農 林 水 産 部)による 『今、注 目さ れる水稲鉄コーティング湛水 直播』 講演 戸別補償制度の導入を受けて、これからは水田を利活用しなけれ ▲㈱クボタ 技 術顧問 有原 丈二 氏(元 農 水 省 大 豆300Aセン ター 長) に よる 『高 収 量・高 品 質な大豆づくり』講演 械を取り巻く姿が印象的でした。 長 は、 ﹁雨 天 の 中、沢 山 の 皆 さ ま の ご 来 場、誠 に あ り が と う ご ざ い ま し た。滋 賀 県 は 水 田 農 業 の 先 進 県 で、集 落 営 農 数 は 8 0 0 を 超 え 全 国 第 一 位。耕 作 面 積 の % が 水 田 で あ り、琵 琶 湖 の 濁 水 防 止 を 含 め て、近 江 米 を 中 心 に環境農業への取り組みも活発 年 度5 4 3 0 です。また、大豆の作付面積は平 成 れからの活動にご期待下さい。 します。新生・東近畿クボタのこ だいたお客さまに感謝の意を示 と思っております。 ﹂ と参加いた に少しでも貢献をして行きたい ボ タ と し て、元 気 な 滋 賀 県 農 業 グ 研 究 会 を 立 ち 上 げ、東 近 畿 ク は大豆300Aや鉄コーティン 8 番 目 の 位 置 に あ り ま す。今 後 ha 10 に圃場の排水対策の重要性を指摘しました。 ▲ 『大豆300A&鉄コーティング湛水直播』 の 元氣 業講演会 開催! 2大テーマで元氣農業講演会 25 26 92 21 注目を浴びた特設会場に展示された 鉄コーティング専用点播播種機 ﹃鉄まきちゃん﹄ ●経営内容:水稲20ha+作業受託30ha 大麦15ha・大豆15ha ●経営内容:水稲17ha 集落営農組織で麦・大豆9ha 次一さん 代表 奥村 滋賀県長浜市 滋賀県草津市 (有)クサツパイオニアファーム ㈱東近畿クボタの福原静作社 ▲大豆の選別も可能な色彩選別機も紹介された ▲講演を聴く参加者の真剣な眼差しに関心の高さが物語る 参考になった 高品質・高収量栽培技術 役立つ情報をもっと農家に 伝えて欲しい 講演後に質問する参加者。 防除や除草対策などについて 多くの質問が続いた ザ・ふ れ あ い 東近畿クボタ ▲ 農業 岐阜県海津市海津町福江 阜県の最南端、木曽川、揖斐川、長良 マー1名の 名体制。草刈りには地元のシル 年の 砂 が沖 積 し、肥 沃 な 土 壌 を 形 成 していま す。 ある海 津 市。河 川の氾 濫により運 ばれた土 部分作業受託を行っていた農地についても一 した﹂ と 言 われる 後 藤 昌 宏 社 長。それまで 品目横断的経営安定対策が経営の転換期で バースタッフの手 を 頼みま す。 ﹁平 成 有 限 会 社 福 江 営 農は、この海 抜 ゼロ地 帯で 気に全 面 受 託を行 うよ うになり、大 型 機 械 川の木曽三川が合流する輪中地帯に 早期から農地の集積を行い、米・麦・大豆の による作業効率の大幅な向上につながったそ 化。福 江 地 区 以 外 の 厚生の充実を目的に法人 平成4年には経営の安定と福利 機として使用。また大豆・小麦の収穫には大 ラクタにはそれぞれ作 業 機 を 装 着 し、専 用 しています。付け替えの手間を省くため、ト 4台しかない190馬力のトラクタも所有 ▲ 夢 2年3作、大型機械による大規模経営を展 年 度の経 営 面 積 は、水 稲 約 うです。平 成 ︶大豆約135 と全 国でも最 大 規 模の経 営 200 ︵内、部分受託 、麦 1 3 5 を実現。米、麦、大豆の2年3作栽培体系を 確 立し、地 区の土 地 利 用 型 農 業を牽 引 する 存在です。 大型トラクタ 台で 計画的な適期作業 福 江 営 農の大 規 模 経 営を可 能にしている のは、大型機械による計画的な適期作業です。 1 3 5 馬 力と 馬 力のクボタパワクロを含 業で地 権 者の信 頼を得て、徐 々に経 営 規 模 め、大型トラクタだけで 台。中には日本に 集 落でも小 麦や大 人ヘリを導入しています。 型汎用コンバインを、防除や薬剤散布には無 現 在、役 員 4 行なっています。 ﹁自 分が遅れたら後の作 業 者から急かされる﹂ 。イヤでも効率が上がり ますと笑うのは作業責任者の安藤 敏さん。 多くの大型機械が経 名、従 業 員 各 々 決 まった役 割を受 け持って流れ作 業を に な り ま し た。 オ ペレ ー タは 2 ∼ 3 名 で チ ー ム を 組 み、 受 託 するよ う 豆 の集 団 転 作 を 95 ▲ すね﹂ 。ゆくゆくは500 を目標に面積を て鉄コーティング直播にも挑戦してみたいで がけたい。まずは、所有のヘリコプターを使っ また、米の販路を広げ、米加工品の流通も手 い良いものはなんでもどんどん取り入れたい。 を感じたといわれる後藤社長。 ﹁今後も新し 田植機、作業機他、数 名 に常 時 雇 用 り減 化 学 肥 料・減 農 薬 栽 培には熱 心に取り 回 農 林 水 産 祭では最 高 位で は じ め コ ン バ イ ン、 有限会社 福江営農 15 開し、地域の営農を担っています。 2年3作栽培の確立で、 土地利用型農業を牽引 年で す。海 津 町で、国の 福江営農の前身である地域営農組合が誕 生 し たのは 昭 和 圃場整備事業による大区画水田の整備が推 し進められる中、先代社長の後藤 達夫さん が、福 江 地 区一帯の水 田 事 業 を一手に引 き 受ける形で組 合を組 織。当 時の経 営 面 積は でしたが、以 降、誠 実でていねいな作 22 ha ha の拡大を図りました。 約 ha 20 ha 16 16台の大型トラクタ のパー ト タイ 機 械の修 理 や 整 組 み、平 成 での農業体験学習や、地元の小学校 の稲作体験への協力を行う他、 ﹁地元 の土地を荒らさないことも重要﹂ と、耕作 のできなくなった圃場を、条件に関わらず積 極的に請け負い、遊休地・耕作放棄地の抑制 に努めています。 %の種 子の生 産 を 行い、 また、県米麦協会からの委託で、県で使用す %、大 豆 10 第46回農林 水産祭天皇杯 を受賞 米・麦・大豆 2年3作で、のべ470 透 水 性 を 高 めていま す。 備も一手に引き受 豆 全 量で ﹁ぎふクリーン農 業﹂ の認 証を取 得。 や小 麦にはP H 調 製の石 灰を投 入。必 要な 19 営を支える また、大豆では湿害対策 て発芽率の向上を図って います。 け て お ら れ ま す。 これは、化 学 合 成 農 薬や化 学 肥 料の使 用 量 %︶ と大 自 社での機 械のメ を慣 行 栽 培に比べて3 割 以 上 削 減している 年 には 水 稲の一部︵ ンテナンスをまか 地域貢献活動にも力を入れてい 目標500 。 さまざまな形で地域貢献 なうのも福江営農 複数品種の組合わせや栽培技術の工夫で 時に必要な肥料成分が供給できる肥効調節 ※2﹂ ます。地域に復元された ﹁堀田 作 期の分 散も図っています。水 稲では、早 稲 型肥料を使い、肥料の流出を防ぐと共に、タ ほりた ことを 県 が認 める制 度です。有 機 肥 料とし で消 費 者ニーズの高い ﹁あきたこまち﹂ を中 ンパク含 有 量の多い高 品 質な作 物を生 産し 昨 年から温 湯 殺 菌も取り入れました。大 豆 心に、晩 生で県のブランド品 種の ﹁ハツシモ﹂ ています。 費節減に大きく役立っています。 他6種類を栽培。また、大豆栽培では、今年 ﹁情 報には敏 感に。良いと思 うものはすぐに る小 麦 年、第 種子生産でも地域を支えています。 平成 ▲ ▲後藤 昌宏社長 ある天 皇 杯を受 賞。名 誉と共に大きな責 任 ▲昨年から徒長が防げる大豆の摘心 栽培に取り組んでいる 環境に配慮。 ぎふクリーン農業 の認証取得 ﹁環境に配慮した営農 が大規模農家の責務﹂ と い う のが 福 江 営 農 の 経 岐 て近 隣 畜 産 農 家で生 産 される 堆 肥 を 投 入。 営ポリシーです。当初よ 59 ha 60 から播 種 時 期 を 早 めても徒 長せ ず、豆の付 るよ うに、地 域に先 駆 けフェロモント ラップ 取り入れるのがうちの気質﹂ と社長が言われ この一帯は海抜ゼロの低湿地帯のため、排 を使った害 虫の発 生 予 想 も導 入。適 期 防 除 を採用しました。 ※1 水対策は欠かせません。明きょ・暗きょを設 を実現しています。 40 45 16 ▲㈲福江営農の皆さん の 特 徴 の一つ。経 ha 置し、サブソイラによる心土破砕を行なって 46 きが良い摘心栽培 ▲乾燥機9台、調製機2台、色彩選別機2ユニット他、乾燥・調製設備も完備。 育苗から出荷まで自社で行う体制が整っている http://www.fukue-einou.jp/ に 高 畦 同 時 播 種 を 行っ ▲大型コンバインでの稲刈り作業。自脱・汎用合わせて6台の コンバインを所有している 18 拡大し、地域の農業をますます力強く支えて いきたいとの思いを暖めておられます。 27 ※2 堀田:田の周囲を掘って積み上げ、位置を高くした水田のこと。掘った跡は、水路として活用します 28 ▲作業責任者の安藤 敏さん。福江 営農の機械のメンテナンスと故 障修理を一手に手がけている 10 ha 19 ha 海抜ゼロ地帯で 大規模な環境保全型農業を実現 ※1 摘心栽培:新梢の先端を早い時期に摘むこと(=摘心)で、徒長をおさえ、花芽を増やして実りを多くする栽培法 多様化するお客さまのニーズにいち早く対応! ▲ 月 日と 日の2日間、中国地区クボ れた戸別所得補償制度など農業情勢が変化 アドバンスは、米価の下落や新たに導入さ を開催しました。今年で4回目となる営農 ﹁きらめき夢農業 営農アドバンス2010﹂ タグループは、岡山県真庭市蒜山に於いて 20 する中、農家の皆さまが直面する様々な課 ハード・ソフトの 提案を2会場で 今回の営農アドバンスは会場を岡山県蒜 山 に 設 け、今 ま で と は 形 式 を 変 え ま し た。 実演・試乗を中心とするハード面の提案を 特設実演会場にて行い、情報発信の場とし てソフト面の提案を蒜山平成の森ドームに て行いました。2会場にて開催することに 題に対して機械化の面からの解決策をハー より、来場者にクボタからの提案を明確に 今回の営農アドバンスは新製品の紹介やさ まざまな営農形態にマッチする機械の提案 (農)岩海の郷 山根 則行さん これからはコストの低減が大事!作業効率の上が にとどまらず、新たに設けられた病害虫駆 る機械を使っての省力・低コスト化を目指していま 除・除草の講習会や農作業の安全啓発など す。また高騰する農薬や肥料をいかに減らすかも 今までにない切り口から提案が行われまし 考えているので、今回のような農薬の講習会はとっ た。クボタグループはこれからも多様化する ても勉強になります! お客さまのニーズにいち早く対応し、みなさ 多くのお客さまの注目を集めました。また、 力・低コスト化を可能にする直播の提案が 播種機 ﹁鉄 ま き ち ゃ ん﹂ の展示とともに省 コーナーです。新しく開発された高速点播 テ ィ ン グ 湛 水 直 播﹄ が紹介された新技術 でも来場者から注目を集めたのが ﹃鉄コー や 製 品・パ ネ ル 展 示 が 行 わ れ ま し た。な か する情報ごとにブースが設けられ、講習会 しながら紹介。また会場内にクボタが発信 ジで行われ、その最新の機能を実際に動か クリード﹄ の新製品発表会がメインステー ド ー ム で は、3 条 全 面 刈 コ ン バ イ ン ﹃ラ に実際に試乗し体感することで機械への理 ただ見ているだけでなく、関心のある機械 れ ま し た。ま た 多 く の お 客 さ ま が、実 演 を 作業の場面に対応した機械化体系が提案さ 注目を集める野菜関連機械などあらゆる農 目指したエコ田植え、地域の産地づくりで などパワクロによる土づくりや、省力化を 機で行う圃場の排水対策やプラウでの深耕 ま し た。実 演 内 容 は、プ ラ ソ イ ラ や 溝 掘 り に来場者は各エリアに移動し実演を見学し ラクタと田植機のデモンストレーション後 リア区分し、試乗・実演会を実施。クボタト 一 方、実 演 会 場 で は、作 業 体 系 ご と に エ 今までにない情報発信も見られました。 農家の方々の関心が高い農薬講習会や農 多彩な提案 あらゆる場面に対応した 広島県三原市吉田 北藤 誠応さん 伝えることを目的としました。 ド・ソフトの両面から提案。岡山、広島、鳥取、 やわらかい圃場でもはまる心配がないのでパワク 解を深めていました。 注目集まる 低コスト稲作 まの元氣農業を応援していきます。 島根の4県から生産者やJA、官庁などの ロを導入し、安心して作業しています。今は圃場条 関係機関を含め約1600名の来場者が集 潮 隆博さん まり、関心の高さを示しました。 鳥取県米子市古市 新たなソフト面の提案に 排水対策を 作業の安全啓発のためのパネル展示など 今日はプラソイラDXを見させてもらいました。 ▲圃場への給水と排水を制御する 地下灌漑システムに注目が集まる 件を良くするために排水対策に関心を持っていて、 ㈱クボタアグリ西日本 中国系統推進部長 に注目! ザ・ふ れ あ い 〈ハードの提案〉 新製品コーナー ドーム会場 〈ソフトの提案〉 きらめき夢農業 営農アドバンス2010 開催! コーナー 21 FOEASコーナー 勉強しにきました! ▲悩みが尽きない病害虫駆除・除草の 課題にお客さまの関心も高い ▲春作業の省力化を可能にする 鉄コーティング湛水直播の紹介 10 お 客さまの声 ▲ 29 3条全面楽刈コンバイン ラクリードの 新製品発表会 30 農作業中の事故を未然に防ぐ 安全対策をパネル展示で呼びかけ ▲排水対策に 注目が集まる 高品質な作物づくりを可能にする 新しいコンバインやパワクロ 農 作 業安 全 ▲広い散布幅で高能率な 機械防除の実演 ▲試乗で体感! ▼四隅まできれいに塗れるあぜぬり機 ▲ベジータキッドによる野菜苗の植付け 病害虫・除草コーナー 新技術コーナー 実演会場 ▼パワクロとホイールの接地圧を徹底比較! ▼鉄まきちゃんの点播播種技術を紹介 夢 農業 長崎県東彼杵郡波佐見町 高尾 靖 さん・高尾 佳慎 さん 稲作を中心に転作作物の麦や大豆が 崎 県 の中 央 部 に 位 置 す る 波 佐 見 町。 して、全ての圃 場に秋と春の2 回、マニアス に芋 焼 酎の絞りかすを混 ぜて、有 機 堆 肥と プレッダで a当り2t を均一散布し、ロー 下でも農業が盛んな地域です。この地で、水 お 米 は、風 味 が 良 くて食 味 が 断 然、違 う そ タリーで鋤き込んでいます。こうしてできた 栽 培される他、畜 産も主 幹 作 目の一つと、県 、 頭・繁 殖 牛 頭を うです。実 際に食べられたお 客さまは、 ﹁甘 稲 9 ・麦 4 ・飼 料 稲 3 ・牧 草 約 7 さらに黒 毛 和 種 肥 育 牛 循環型農業に取組む ね﹂ と、米づくりにかける情熱が伺えます。 究です。将 来 的にブランド 化 もしたいです 何 が最 善 か、色 んなものを 試 しては日 々 研 ンがいま す。 ﹁美 味しい米 づくりのためには お米に惚れ込んだ1 0 0 軒 以 上の固 定ファ れ、口コミでどんどん評 判になり、靖さんの みがあって美 味しい!﹂ とリピーターになら 託する等、多角的に取組まれているのが、高 尾靖さんです。 有機堆肥を施用した独自の土づくりで 良食味米づくり 力注いでいるのが水稲です。ひのひかりを中 心に、高温障害に強い長崎県の新しいブラン 全量直売です。そのため、靖さんは米づくり の 仕 入 れ を 抑 え、コス ト を 削 減 し たい﹂ と、 なっているのが、畜産です。 ﹁素牛1頭 ド米 ﹃にこまる﹄ を 栽 培 していま す。お 米 は、 水 稲の他、も うひとつ経 営の大 きな 柱 と に 人一倍、こ だ わっていま す。 ﹁ポ イ ント は、 肥 育 牛 と 繁 殖 牛の両 方 を 手 掛 けていま す。 靖さんは、 ﹁米 づくりと、牛 づくり、この2つ 心 な 肉 牛 と して 関 西 圏 に 出 荷 していま す。 自 給 率 1 0 0 %を達 成していて、安 全で安 良 質 な 肉 牛 づくりに努 めていま す。飼 料は 運びも要らない。苗づくりに掛かる経費も抑 しました。 ﹁育苗の手間がないし、重労働の苗 早岐営業所の田脇所長の提案で、チャレンジ コーティング直播﹄ です。㈱福岡九州クボタ な取組みをスタートさせました。それが ﹃鉄 今年、靖さんはコスト削減を目的に、新た は価格が上がって、経営に大きな負担がかか 価は下がる一方ですが、肥料や農薬等の資材 穫。WCS ︵イネ発酵粗飼料︶ にしました。﹁米 9月 その後、移 植 栽 培と変わらず順 調に生 育し、 てきて、大丈夫だ!いけるなと確信しました﹂ 。 るようになりました。もはや低コストは欠か 頼もしい後継者を得て 夢、広がる 万円 独自にブレンドした有機堆肥を施用する土 また、市 場 価 値を高める狙いから、良 質・自 が上手くバランスが取れているんです。牛の えられ、これは良いなと思い、飼 料 稲を1 せないテーマで、コストが抑えられる鉄コー ティング直播は、ものすごく魅力を感じます 昨 年、ご子 息の佳 慎さんが就 農されまし ね﹂ 。満足する結果から、 ﹁来年は面積を倍に いお 米 を 低コストでつくること﹂。靖 さんの 慎 さんの夢は、 ﹁他の人に負 けない、美 味 し ですよ!﹂ と、いわれる 佳 慎 さん。そんな 佳 期待しています﹂ 。と、笑顔。 ﹁農業は楽しい う。で も、頼 も しい後 継 者 がいるので 安 心。 伴いどん どん受 託 面 積が増 えていくでしょ さんの姿に靖 さんは、 ﹁これから、高 齢 化に ト ラクタを 乗 りこなし、作 業に勤 しむ 佳 慎 靖 さんの指 導のもと修 行に励みま す。大 型 た。現 在は、朝 8 時 から夕 方 6 時 過 ぎまで、 世界に飛び込んだのは、ごく自然なことでし を子 供の頃から見ていた佳 慎さんが農 業の た。機 械を自 在に操り作 業 する靖さんの姿 50 思いと重なります。夢の実現に向け今後、お 二人の活躍が期待されます。 ▲お客さまにお米を直接販売 ▲「㈱福岡九州クボタ 早岐営業所の田脇所長(右)は、 良きパートナー」ですと靖さん。お隣の古田センター長も 長年のお付合い(諫早アグリテクノセンター長) づくり﹂。自 家の牛 糞に米ぬかと籾 殻、さら と肥料散布、除草剤散布まで一度にできるか ら、本当に作業がラクでしたね﹂ と、省力・効 率化につながる ﹃鉄まきちゃん﹄ の性能に驚い たそうです。 ﹁播種したときは、これで芽が出 るのかな?と心 配しましたが、思った以 上に 発芽率が良かった。 日ぐらいして芽が揃っ 排泄物は有機堆肥として田んぼに還元でき 栽培してみることにしました﹂ 。コーティング 個を収 て美味しい米が獲れるわけだし、籾殻は牛の は、㈱福岡九州クボタのスタッフ指導のもと 日に直径約1mのロール約 敷きわらとして利用できる。まさに、リサイ 靖さんが行い、播種は6月 日に㈱福岡九州 65 増やし、食用でも栽培したい﹂ と、規模拡大を ー SP2を導入しました。 有機堆肥をマニアスプレッダで散布 クボタから、鉄コーティング専用播種機 ﹃鉄ま 10 受 ha 10 30 ha ha 手掛けるとともに、稲刈り・麦刈りを 62 ha 見越して、移植と直播と多目的に行える田植 機NSU 67 きちゃん﹄ を借りて行いました。 ﹁除草剤が散 20 産業廃棄物の芋焼酎の 搾りかすを堆肥に有効利用 22 布できる ﹃こまきちゃん﹄ が付いていて、播 種 鉄コーティング直播で栽培した飼料稲をWCSに ▲大型の乾燥機がずらりと並ぶ 鉄コーティング直播で 低コストを図る 長 ha 事 業は多 岐に渡りま すが、靖さんが最 も 父子で挑む循環型農業 ha クル農業ですよね。しかもこれら全部、私の 省力・低コストを目指し 鉄コーティング直播に挑戦 全ては美味しい米づくりのために ところで調達できるため、安全で安心なもの 利 用 し、ロールサイレー ジとして給 餌 して、 の高いイタリアングラスの他、稲わらも有効 給にこだわった 飼 料 生 産にも尽 力。栄 養 価 大型トラクタで 堆肥散布を行う佳慎さん が生 産でき、コスト も抑 えられて経 済 的 な んですよ﹂ と、いわれます。 ジャイロレーキとロールべーラ。 牧草収穫・調整機は機械化されている 31 32 10 靖さんと息子の佳慎さん 年の8 月です。6 年 経って、やっとデカノウ の存在が地域に浸透してきました﹂ と言われ 、 を中心に3 の作業受託も行っています。作 業に従 事 するのは八 浪 社 長と、富 田 修さん の2名。収穫時期には、必要に応じて地元の シルバー2名の手を頼み、今秋からは修さん の長男、耕輔さんも参加しています。 水 稲の品 種は、県の奨 励 品 種である森の く ま さ ん と ア キマサ リ、大 豆 はフクユタ カ、 クロダマル、小 麦はミナミノカオリで、水 稲 は100%特別栽培米です。 ﹁有機材として、 籾 殻を鋤き込み、近 隣の畜 産 農 家から家 畜 のし尿を購入して反当3㎘播いています。し 尿の塩分で窒素が溜まり過ぎると逆に収量 が落ちるので、プラソイラで土壌の攪拌を行 なっているんですよ﹂。土づくりの効果は抜群。 米・麦・大 豆 共、毎 年 1 等Aクラスの安 定 収 穫につながっています。 経営の大きな味方 パワクロ&ダイナマックス ﹁限られた人数で面積をこなすには、機械 に頼るしかない﹂ と、デカノウ熊 鹿では大 型機械の導入に積極的です。現在、ト ラクタ、コンバイン、田植機をはじめ、 作業機も各種取り揃え、乾燥機も 5基所有。色彩選別機を組み合わ せた高精度な調製作業まで行える デカノウ熊鹿の次代への夢は広がります。 地 域に貢 献 し、6 次 産 業への参 入 を 視 野に、 のための場所はすでに準備されているそうで、 ど、地産地消につながる活動を展開する。そ た、自家産の小麦でパンを焼いて販売するな 産物加工・直売所を経営して、野菜や米、ま 者と密なつながりを持つ。さらに将来は、農 ついては、独 自に販 路を開 拓し、もっと消 費 また、現在、一部を個人販売している水稲に に 農 産 物 を 出 荷 で き る 体 制 をつく ること。 参画を得て、新しい野菜づくりに挑戦し、常 ま ずは、若い後 継 者である富 田 耕 輔さんの 目 下 の目 標 は ﹁通 年 出 荷 と 販 路の拡 大﹂。 やそうと、新しい品種の採用も計画中です。 刈 りの時 期 を ず らすことで、受 託 面 積 を 増 積拡大につなげたいと意欲的です。また、稲 行錯誤の段階ですが、是非、軌道に乗せて面 ちだけです!﹂ と胸を張る八浪社長。今は試 挑 戦 していま す。 ﹁ま だ、この辺 りでは 私 た ▲ デカノウ熊鹿 ゆう か 熊本県山鹿市 農業生産法人 有限会社 ▲ 農業 る八浪社長。現在の経営面積は、水稲 に大 豆が6 で、作 付 けは2 年3 10 ha ▲ 夢 洋一 さん 小麦 ha 作のブロックローテーション。防 除と稲 刈り 20 ha 代表取締役社長 八浪 は平均反収180∼200キロと、この当た りでは良い方ですが、早期に機械を導入して、 是非300Aを目指したい﹂ と力が入ります。 チャレンジ精神で でっかい夢を実現へ ﹁ときは時代から次代へ・飛躍﹂ を社訓に掲 げるデカノウ熊鹿では、次々と新しいことに チャレンジ。省力化を目指し、昨年から麦の 播種機を利用して乾田直播の試験栽培にも ha さん 本県北部、山鹿灯籠まつりで有名な山 鹿 市 中 央 部に位 置 する鹿 本 町。肥 沃 な粘土質の土壌に恵まれ、古くから米・麦の 二毛作が盛んに行われています。近年はメロ ンの大産地としても知られるこの鹿本町川北 集落で、大型機械を利用した米・麦・大豆の栽 培に取り組む農業生産法人㈲デカノウ熊鹿。 と地元の専業農家、八浪 洋一さんのそんな志 で設立され、地域の農業を担っています。 3㎘/ aのバイオマスで 土づくり ▲ダイナマックスER108に更新して秋の作業効率がグンと上がった れたそうです。また、実太りも上々で、 ﹁うち 設 立は平 成 8 年 前。法 人 を 始 め たのは ﹁土 地 の 集 積 10 高い栽培技術と土づくりで 地域農業をけん引する担い手 冨田 修 ﹁ 飛 翔 ﹂ の 精神 で チ ャ レ ンジ 収量と品質の向上に努めています。 ﹁大豆は 排水が何より大切と考え、これまでもプラソ イラでの深耕などを講じてきましたが、研究 会の取組みはいろいろと参考になりました﹂ と言われる八浪社長。早速、例年平播きして いた圃場で、中九州クボタの実演機を使用し アップカットロータリでの耕うん同時うね立 て播種を実施。凹凸のある圃場でも発芽不良 ▲22石から50石まで乾燥機を 完備する乾燥調製施設 熊 ﹁熊本の鹿本町で、でっかい農業をやろう!﹂ ▲写真左から中九州クボタ鹿本営業所 吉里所長、デカノウ熊鹿の八浪さん、富田さん親子、 中九州クボタの豊田さん ち上 げた ﹁大 豆 3 0 0A研 究 会﹂ に も 参 加。 デカノウ熊鹿では、中九州クボタが今春立 耕うん同時うね立て播種で、 湿害対策は完璧! りにも大活躍しています。 いるそうです。雨に悩まされる麦の適期刈取 燥時間の短縮とコストの低減にもつながって ので、稲の水 分 量を約2、3 % 抑えられ、乾 ▲プラソイラでの深耕にはけん引力の強いパワクロが威力を発揮 が出ず ﹁これで湿害対策は完璧だ!﹂ と感動さ 16 ▲アップカットロータリで、耕うん同時うね立て播種を行なった大豆圃場 力強く次代の夢を語る八浪 洋一社長 ジする で っ か い 農 業 ! ▲ 現在、農業研修中の 若き後継者 富田 耕輔さん 事務所に貼られている社訓。 八浪社長の人柄がしのばれる 設備を備えています。中でも一昨年導入した 馬 力のパワクロは、 ﹁けん 引 力 が強 く、低 踏圧なので、雨上がりでも作業ができる。特 に麦や大豆の播種に重宝しています﹂ と喜ば れ、冬 季の麦 踏み作 業にも使 用 されるな ど 経営に大いに役立っています。 昨年導入した6条刈コンバインダイナマッ クスも作 業 効 率 アップや軽 労 化、経 費 節 減 分 位 短 縮で に大いに威力を発揮しています。 ﹁ a 区 画の圃 場 1 枚 当たり 時 頃とゆっくりできる うです。また、作 業 速 度が速いことから、作 ンバインが、ト ラックの帰 りを 待っているそ がほとんどでしたが、今では刈り終わったコ 戻ってきても、まだ刈取作業中⋮ということ は、刈 り 取った 稲 を 乾 燥 機に運 んで圃 場に きました﹂ と話すのは富田 修さん。これまで 10 33 34 業 開 始を通 常 午 前 ▲ 11 品質の高い米づくりを 目指し色彩選別機を導入 ▲八浪社長に作業効率の上がる 機械化を提案する中九州クボタ 鹿本営業所の豊田公彦さん 50 30 経営のパートナー 富田 修さん 夢 農業 パワクロ農業で 大規模野菜生産 宮崎県小林市 農業生産法人 株式会社Rikiファーム 折田 力雄 さん 代表取締役 らの研修生を受け入れて今年で3 年目にな 応にもなっています。夏場のごぼうの掘り取 崎県の南西部にある小林市野尻町で、 規模営農に取組んでいるのが農業生産法人 りは暑くて大変ですからね﹂ と説明します。 ります。研修生はパートさんの高齢化への対 株式会社Rikiファームです。 有機質肥料で高品質な野菜づくり まで堆 肥が充 分あるので古くから野 菜の産 にんじんが4本柱 R i k iファームの経 営 内 容 は、ごぼ う 、さといも 5 地としても栄 えてきました。最 近は加工 用 、ほ うれん 草 の露 地 野 菜 が 中 心で、この経 営の 10 ha 年 雇 用のパート6 名で周 年 出 荷を行なって 名︵家族・親戚︶ に中国からの研修生5名、通 役を務める折 田 力 雄さんを含め、従 業 員 5 していま す。 Ri k iファームは、代 表 取 締 避 するために生 姜やらっきょなども作 付 け 場に送 られま す。出 荷 は1 週 間に一度の間 会 社 な どに契 約 出 荷 し、そこから関 西の市 です。また、ごぼうやさといもは大阪の加工 栽 培されるほうれん草とにんじんも加工 用 概 況を話 す折 田 社 長。R i k iファームで まだ加工野菜が増えるでしょうね﹂ と地域の 加工 場が新しく作 られるよ うですし、ま だ います。折 田 社 長は、 ﹁ふたりの息 子たちが 隔で5 t もの量 を 出 荷 されていま す。有 機 月に法 人 化し、休日や給 与など福 利 厚 生の 生 産 者の顔が見 える安 全・安 心な野 菜とし 質 肥 料を使ったR i k iファームの野 菜は お客さまのニーズに 応えるための機械化 らの牛糞と鶏糞から年間500tを超える て高い人 気を誇りま す。豊 富な畜 産 農 家か ん引力の強いパワクロでの作業を提案。実演 に、南 九 州 クボタ野 尻 営 業 所が低 踏 圧でけ とかならないかと頭を痛めていた折 田 社 長 さまのニー ズに応 えることで信 頼 がさらに 作 業 能 率を上 げることも必 要ですが、お 客 わ せて 細 か く 何 段 階 に も 選 別 が 可 能 で す。 点機械はグラム単位でお客さまの要望に合 制も整えようと考えています。 設も計 画。夏 場の大 量 注 文に対 応できる体 馬 力のホイールトラクタでも車 すね﹂ とうれしそうに語る折田社長。降雨後 は使 えないですよ。特に雨 上 がりは最 高で ﹁パワクロを使ったらもうホイールトラクタ 長の評 価 が 高いのがパワクロでの作 業です。 能 率 を 上 げていま す。その中で特に折 田 社 た 機 械 化 が組み立てられ、特に収 穫 作 業の ている点です。作物ごとの作業体系に合わせ 利 用によって作 業 効 率の高い営 農を展 開し Ri k iファームの特 長 は、機 械の有 効 示しています。 す﹂ とパワクロは経営面にも大きな貢献度を て作 業 することで雨 が降っても収 穫できま ですから、運搬用にパワクロにリフトを付け みんな高齢化して軽トラックしか持ってない だけじゃなくほうれん草の運 搬 も同じです。 格も高くなりますしね。ごぼうのハーベスタ ない時に収穫できるからいいんです。市場価 と絶賛します。また ﹁周りの農家が収穫でき 場が硬くならない。接地圧が低いからです﹂ ▲研修生とパートのみなさんの手作業で収穫 を行なう折田社長に今後も目が離せません。 ります。大きな視野を持って攻めの農業経営 宮崎でいかに生産していくかです﹂ と熱く語 物がいつ必要かを考え、足りないものをこの すね。これからは先を読んで、どのような作 してこちらで早く生産することもできるんで の場合、足りない分を暖かい南国の利を活か 必要です。北海道で玉ねぎやにんじんが不作 社 長。また、 ﹁そのためには先を見 通 す力が の地 域にない作 物を作っていけたら﹂ と折 田 前を向いていかないとね。畑を増やして、こ ていま す。 ﹁現 状 維 持は後 退ですから。常に 後も経 営 規 模の拡 大を進めていこうと考え 継 者として就 農 したことで、折 田 社 長は今 長男の聡さんと次男の大輝さんが、共に後 ひろき 現状維持は後退。攻めの農業を目指す 完 熟 堆 肥を作り、ごぼうやほうれん草の収 ∼ ﹁け ん 引 力 が 全 然 違 う。ごぼ うの収 穫 作 い!﹂ と導入を決めました。 機 での 作 業 を 見 て 折 田 社 長 は ﹁こ れ は い 込むことで地 力を高め品 質の高い野 菜 づく りを心がけています。 業は 体が横に揺れます。それがパワクロなら 馬 のごぼうハーベスタでの収穫作業が難しく何 ▲今年から導入されたごぼうの選別機。 精度の高い選別が可能になった 10 農業経営に貢献するパワクロ 80 力でも安 定 していま す。しかも作 業 後の圃 40 70 語ります。また折 田 社 長は近く保 冷 庫の増 穫 後に a あたり3 t 投 入。プラウで鋤 き とか3段階くらいにしか分けられない。その ること﹄ だと言いま す。 ﹁手 作 業 だと大 中 小 化の一番の目的は ﹃お客さまのニーズに応え ら4 tと倍になりました。折 田 社 長は機 械 これによって1 日 あたりの作 業 量は2 t か ごぼうの選別作業を今年の2月から機械化。 昨年度に導入。今まで手作業で行なっていた ありません。折田社長は、ごぼうの選別機を 機 械での作 業 効 率 化はパワクロだけでは ▲Rikiファームのみなさん 深まることを期待しています﹂ と力を込めて ▲分離した子いもを掘取機で収穫しやすいように 地上に掘り上げて行く る ニーズに応え ﹁﹁お客さまの ﹁ す! で ん に機械化する ため﹂ 見直しを図りました。雇用の面では、中国か 就 農 したこともあって昨 年︵平 成 年︶ の9 4本柱に加え漬物用の高菜や連作障害を回 の野菜が増えてきています。都城ではJ Aの 、にん ﹁この地域は畜産が盛んなんです。お陰さ ごぼう・ほうれん草・さといも・ 多品種の露地野菜を組み合わせた大 宮 じん 5 ha 21 (左から) 南九州クボタ野尻営業所の神宮司 進さん、 折田 聡さん、大輝さん、力雄さん、 南九州クボタ・大迫 雅照所長▼ パワクロ農業 を展開する ㈱Rikiファーム 折田 力雄社長 ha 10 ha 35 36 ▼さといも分離機を装着したパワクロで 親さといもから子いもを分離 「生物多様性」 山下惣一さんプロフィール 昭 和11年 佐 賀 県 唐 津 市の 農 家 生 まれ。中 学 卒 業 と同 時 に 農 業 に 従 事 するかたわら、 文 筆 活 動 を 続 ける。現 在、水 田、みかん、野 菜を栽培する。日本農民文学会会員、第13 回 農 民 文 学 賞 受 賞、第27回 地 上 文 学 賞 受 賞、著書「タマネギ 畑で 涙して」「ざまぁ見ろ 農は永遠なり」ほか多数。 と 「農業」 文:山下惣一 が ジ」 ー ペ の な ん 「み ! はじまります あなたの 農業にかける思い、写真、イラスト 何でもOK! 誌面に掲載させていただいた方には 』 と こ い た え 伝 『 大募集! 素敵なプレゼントを差し上げます。 「U」夢農業では、 読者の皆さまが作るページ 「夢、伝えたい!」を次号よりスタートいたします。 「一緒に頑張る仲間を紹介したい!」、 「おいしくできた 野菜を自慢したい!」、 「今、チャレンジしているコトを 伝えたい!」などなど、 夢が詰まった素敵なお便りを、お待ちしています! 応募方法 ○○米 今回の掲載プレゼント ●官製はがき・封書などに皆さまの 「夢・伝えたいこと」を お書きいただき、 (1)郵便番号・住所(2)氏名(3)年齢(4) 電話番号、必要であればペンネームを記入の上、 下記の 宛先までご応募ください。 ●FAX・メールでもご応募いただけます。写真やイラス トなどもお待ちしております。 ●メールで写真データを送信いただく場合は、 できる限り アジアで初の ﹁生物多様性条約第 回締結国会議 ︵COP ︶ ﹂ が名古屋市で開催されたことで国民の関心が少しは高 まったのでしょうか。百姓衆の関心はどうですかな? この国では長い間、 野生の動物は ﹁保護しろ﹂ といい、 その 被害に苦しんでいる農業には ﹁過保護﹂ といってきた国です から、 妙な動きにならなければよいがと案じておりますわい。 10 それにしても鳥獣の被害が年々ひどくなってきました。 女房にせがまれて アールの畑に直売所用と自家用を兼ね て西瓜、 漬物用瓜、 カボチャ、 トウモロコシ、 落花生と栽培し たところ、 まぁ、 くるわくるわ。イノシシ、 タヌキ、 アナグマ、 カラス、 その他もろもろ。無事だったのはカボチャだけでし たな。 棚田の稲にはイノシシ、 露地栽培の巨峰にはカラス、 ミカ ンにはヒヨドリ。有害鳥獣の被害に泣かされとります。はい。 ﹁生物多様性﹂ を維持するということは自然を守るという ことであり、 その自然の恩恵なしには人は生きられないとい う認識に立っているわけです。が、 どうにも合点がいかない のは農業の進行方向との矛盾ですな。多様な農業が多様な 生態系を支えているはずなのに農業は拡大、 集中化、 画一化 の方向です。 19 例の口蹄疫騒ぎで被害に遭われた畜産農家は大変気の毒 でしたが、 仰天したのは同じ種雄牛の子が 万頭もいたとい う報道でした。まさに集中化、 均質化ですな。またコメの作 付けの %超がコシヒカリになり、 系統まで含めると現在日 本で栽培されているコメのおよそ %がコシヒカリ系だそ うですな。画一化は被害の集中化でもあるわけで、 リスク回 避では多様性に劣るのです。はて、 さて、 これはどう判断す ればよいのですかな。 38 60 30 10 10 高解像度の写真でお願いします。 (携帯電話などのカメラで撮影された解像度の低い写真 は掲載できない場合があります) もっちり・ふんわ∼り。 米粉100%の 新感覚スイーツ 宛 先 〒541-0048 大阪市中央区瓦町2丁目6番16号 ㈱サンライズプロパー内 情報誌「U」編集部行 シフォンケーキ ふわっこ TEL:06-6231-6445 FAX:06-6231-6454 Eメールアドレス:[email protected] 誌面に掲載させていただいた方に、 素敵な記念品をプレゼント! U23号「夢、伝えたい!」 コーナーに掲載させていた 締切り 2011年4月30日(土)当日消印有効 ※お便りはできるだけ原文のまま掲載いたしますが、 多少割愛または補足させていただくことがあります。 だいた方には、クボタeプロジェクト・地域ブランド で紹介しております商品を記念品としてプレゼント させていただきます。 たくさんのご応募お待ちしています! ご了承ください。なお、投稿作品はお返ししません。 37 応援祭に見た農家の笑顔に復興を確信 ー 南九州クボタ 『がんばろう!宮崎農業 応援祭』 開催 ー ▲大勢の来場者で賑わう会場。 表情に笑顔が戻ってきた ▲関心を集めた野菜の 機械化体系コーナー ▲応援祭で来場者に挨拶する ㈱南九州クボタ 森田 誠社長 ▲ パワクロトラクタに ▲ 試乗して性能を体感 ▲ ▲作業効率が高まる新型コンバインに 熱い視線が集まる 農家のお母さん方にも人気があった 管理機の実演 昨年一年を振り返った時、宮崎を突如襲った口蹄疫被害を ㈱南九州クボタ・森田社長の「ずっとご苦労されていた農家 避けて通ることはできません。しかし 8 月末の終息宣言以来、 の皆さまに、新たな気持ちで元気に農業に復帰していただきた 宮崎農業は一歩づつ、しかも確実に前を向いて歩き出してい い。笑顔になっていただきたい。そういう思いから早期に開催 ます。 させていただきました。私たちも一緒になって応援させていた ㈱南九州クボタでは、当初7月に開催を予定していた恒例の だきますので、一日でも早く宮崎に元氣農業を取り戻していた 夏の大展示会を中止し状況を静観していましたが、県から終息 だきたい」との気持ちが届いたように展示会場には4日間で延 宣言が出されるや否やいち早く9月での展示会開催を決定。そ べ4700名の来場者が訪れ、笑顔で試乗・体感する姿が見られ して9月16日から19日までの4日間、宮崎市市民の森特設会場 ました。この笑顔がある限り、宮崎に以前以上の元氣農業が に於いて『がんばろう!宮崎農業 応援祭』を開催しました。 戻ってくるに違いありません。 クボタからのご提案 西日本版 No.22 発行/株式会社クボタ 編集責任/村瀬 信彦 連絡先/株式会社クボタ 機械営業本部(西日本) 〒661-8567 尼崎市浜1丁目1番1号 (クボタ本社阪神事務所内) TEL 06-6470-5970 お問合せ 1 1 -2
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