下田真理子 保護者向け講演 要旨 (講演時間 1 時間半) ―ネット遊びの現状とペアレンタル コントロール―」 講師 下田真理子 ■知ることからはじめよう ①インターネット・携帯電話の危険性とは? ②携帯電話を使って子ども達が面白がっている遊びを知ろう。 ―その落とし穴を見抜こう― プロフ・学校裏サイトなど子ども達の発信遊びの実態と危険性について具体的に解説します ■対策 ①フィルタリングについて (ホワイトリスト方式とブラックリスト方式の違い) ②ペアレンタルコントロール能力を身に付けよう(子どもにケータイを与える場合の保護者の責任と注意 点について具体的に説明します) 1.インターネット・携帯電話の危険性とは? 子どもにダイレクト 子ども 保護者 悪い大人 ( 有害情報) 保護者の頭越しに見知らぬ人(危ない大人に) 直接つながってしまうことです。 保護者には、子どもがどんな情報を見ているのか、 どんな人とメールのやり取りをしているのか、実 際に会いに行っているのかどうか、全くわかりま せん。 危ない人間とつながる 2.テレビとインターネットの違い(インターネットは自己責任) テレビとインターネットは違います。テレビは発信者の責任ですが、インターネットは情 報を受ける側(利用する人)の責任です。テレビで放映できないような子どもにとって有害 な情報がインターネットでは発信されています。判断力、自制力の未熟な子どもに利用させ るには有害な情報が子どもに届かないようなフィルター(ホワイトリスト方式)を利用する など大人のサポートが必要です。 3.インターネットは自制力、判断力、責任能力がある大人のメディアです。それを子ども に使わせるには十分注意しなければなりません。海外では子供たちはパソコンで(大人の見 守りのもとで)利用させています。日本ではケータイというパーソナルメディアでしかもフ ィルターも使わず、何の注意もしないで利用させてしまった。 4.子どもたちのネット上の遊び場と落とし穴 掲示板・プロフなどを使って子どもたちは自らの個人情報を流すだけでなく、誹謗中傷、ワ イセツ情報の発信などをしています。その実態を保護者が知ることが必要です。 子どもがケータイを持ちたい理由は … ゲームをしたり、プロフを作ったりして遊びたい。 そうした利用で様々なトラブル、事件が起きています。 ① ② ③ ④ ⑤ プロフ遊びの危険性 子どもが個人情報を流してしまう。 (自分だけでなく友達の情報も流してしまう) 足跡などを悪用され、危ない大人を呼び込んでしまう。 出会い系サイトやネット風俗業者につながってしまう。 自分のプロフの人気を上げたくて刺激的な発信を始めてしまう。 (裸体写真やデマ等) 刺激的発信の材料を作るため非行・逸脱行為に走るようになる。 (たばこや酒) 4.対策 ①子ども自身が学ぶこと・・・ルールマナーだけでは不十分です。子どもにリスクを教え なければなりません。 (ねちずん村ネットトラブル体験学習館をご利用ください) ②大人の役割 ・・・ペアレンタルコントロールをしましょう。どんな情報(サイト)を利 用させるかは子どもを心配する大人が決めましょう。それには子どもたちが面白がっている 遊びを知ることです。そしてその危険性を見抜き、子どもの利用には十分注意を払うことで す。ケータイは見守りが難しい。しかしそれができなくては、ケータイでインターネットを させることはあまりに危険です。ケータイでインターネットをさせる前にパソコンを利用し ましょう。パソコンなら見守りが楽にできます。 ペアレンタル コントロール (持たせるなら、保護者の責任を果たそう) ケータイを持たせるなら、子どもを信じるだけでは不十分 注意する です。インターネットの危険性を十分に理解し、約束事を 作り、子どもの使い方を見守り、指導しなければなりませ ん。地域でのネットパトロールも必要です 見守る 段階的に利用制限をすることが必要です。 1段階:インターネット契約はしない(通話先を限定) 2段階:E メールを利用させる場合(メールフィルターを利 用、保護者の認めた人のみ) 指導する 3段階:Web 利用を認める(ホワイトリスト方式のアクセス 制限を利用) * 講演では画像や実際にネットに接続したケータイ画面など、スクリーンに映した画面 を利用した説明を重視しています。 * 講演時間、対象により講演内容は変わります 講習会参加者の感想などはこちらからご覧ください 講習会報告として主催者が出されたものを一部紹介します ペアレンタルコントロール講習会 要旨 (演習を含む大人向け講習会) (講習時間 3 時間~5 時間) *参加人数により講師は下田真理子+1~2名 一部・・・講演会(1時間30分) 「保護者向け講演会」を参照 二部・・・演習(1時間~2時間) 一部:講演会 二部:演習(2 枚のスクリーンを 使って説明) 二部:演習(自分の ケータイで) 二部では各自の携帯電話を使って子どもたちがよく利用しているサイトを自分でアクセス することにより、ペアレンタルコントロール能力の向上を目指します。 ①初めてサイトを利用する人にもわかりやすく子どもの遊び場を案内します ②落とし穴を説明 ③パソコンサイトとの比較から携帯の危険性を考える 二部の演習について 昨年の講習会を例に説明します (講師:下田真理子、下田麻琴、二本柳雄樹) 1、ねちずん村演習ページのアドレスをバーコードなどで読み込む(休憩時間を利用) 2、ねちずん村演習ページを利用して演習開始(演習時間約 2 時間) ①ねちずん村の演習サイトを開き、ネットの見方を練習 ②プロフを閲覧・・・プロフサイト内の検索の仕方を説明、中学生のいくつかのプロフ を閲覧し、注意点の解説、足跡、リンク集などからどのようにリンクして行くのかを 体験(あらかじめスタッフが調べたものを参加者と一緒にたどってみることにより危 険性を理解する)また、他のコンテンツの掲示板などにプロフのアドレス(リンク) が張ってあることを確認。 さらに、ブラックリスト方式のアクセス制限を利用しているケータイではこのサイト は利用できないことを実際にアクセスすることにより確認。つまりこのプロフサイト は子どもにとって有害なサイトであることを確認。 ③EMA 認定サイト・・・ケータイ版にアクセスし、認定サイトを閲覧。健全なサイトと して認定された各コンテンツを自分の目で安全かどうか確認する。 さらに、同じコンテンツをケータイとパソコン両方からアクセスし並べてみることに より、違いを理解する。多くはケータイ専用サイトであることを確認する。 ④動画サイト、コミック、ケータイ小説などを説明を交えて閲覧 ⑤無料音楽ダウンロード、お小遣いサイト ⑤質疑応答、感想、話し合い *パケット通信料がかかりますので定額制でない人はご注意ください *ねちずん村演習サイトは講習会にあわせて制作していますので講習会終了後削除されます。 必要な箇所はそのつどブックマークしてください。 「ペアレンタルコントロール講習会」参加者の感想 1、今日の講習は役に立ちましたか?感想、ご意見、ご質問など自由にお書きください。 家庭の役割が欠けています。与えていれば親は楽なので親への教育(ホワイトリスト、 ペアレンタルコントロール)の必要があります。(教師) 「携帯電話」だはなく、 「ケータイ」という道具であることが良くわかりました。 実情が今までより具体的に伝わってきました。保護者の啓発が必要であると感じまし た。よい研修ができました。企業の責任が重いと思います。何とか手を打てないもの でしょうか まず私たち大人が実際にサイトにアクセスし、内容について知っておくことが必要であ ると実感しました。 どれだけ危険なものなのか具体的に紹介していただきとてもためになりました。国の対 策が必要だと思います。 情報送受信のコントロールは私たち大人、指導者の認識、理解に基づいた行動力が重要 であることを改めて痛感しました。有害なブラックゾーンからグレイゾーンの持つあま りにも危険な魔手が知らない内に子どもを破壊していく・・・そのために何ができるか を常に考えていきたいと思います。 キーワードは“伝えよう”・“伝え合う”ことです ね 家族、学校、地域社会でケータイ電話の危険性を理解し、注意したり、約束をしたりす る必要がある。ケータイ電話は通話のみで本当によいと思う。もし必要な場合は、ホワ イトリスト方式を知らせたい。 DSがインターネットにつながること、知ってはいましたが具体的な問題点まで考えが 及びませんでした。携帯ゲーム機の恐ろしさも改めて感じました。PCとケータイ画面 の違いなど知らないことがわかりました。 ケータイ小説がこんなにもよくないものだと知った。子どもたちに必要か、そうでない か、大人がよく理解していなければならないこと 2、実習はいかがでしたか、ご意見など何でも書いてください。 実際にサイトを利用することで「楽しい」と思いました。子どももそう思います。一度 始めさせたら歯止めが効きません。大人でさえ効かないので。 中学、高校生の現実の姿が見えて、本当に良い実習でしたし、大変現実の状況にびっく りした。 とてもよかったです。実際やってみないと実感がわかないので今回のような形はよいと 思います。 研究が必要だという認識を持つと同時「起こさせない方法なり国の法律が必要」だと思 いました。 すごくびっくりしました。色々な事が子供たちの周りは早く動いていることにびっくり しました。ケイタイで色々な事をして遊んでいることは恐く思いました。これからに大 変参考になりました。 見守り活動では子どもの利用するサイトにどこまで入っていけるのか。自分のケータイ から入っていくのはちょっとこわい気もしました。 わかりやすかった。親同士の情報交換とか小さい集まりでの勉強が必要だと思いました。 話には聞いていたサイトを初めて見ました。子どもを取り巻いているこの危ない状況を 大人の力で何とかしていかなければと思います。
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